JP2007518412A - 2成分のrnaウイルス由来植物発現システム - Google Patents
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Abstract
Description
ウイルスに基づいた発現システムは、植物における迅速なタンパク質産生に用いることができ(概説として:Porta&Lomonossoff、1996、Mol.Biotechnol.、5、209−221;Yusibovら、1999、Curr.Top.Microbiol.Immunol.、240、81−94を参照されたい)、機能ゲノミクス研究の強力なツールである(Dalmayら、2000、Plant Cell、12、369−379;Ratcliffら、2001、Plant J.、25、237−245;Escobarら、2003、Plant Cell、15、1507−1523)。当該分野における数多くの出版物及び特許は、DNA及びRNAのウイルスベクターに基づいたシステムについて記載している(Kumagaiら、1994、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90、427−430;Malloryら、2002、Nature Biotechnol.20、622−625;Morら、2003、Biotechnol.Bioeng.、81、430−437;US5316931号;US5589367号;US5866785号;US5491076号;US5977438号;US5981236号;WO02/088369号;WO02/097080号;WO98/54342号)。既存のウイルスベクターシステムは、最高性能の点から見ると、通常狭い宿主範囲に限定されており、最も好ましい宿主におけるそのようなベクターの発現レベルでさえ、システムの生物学的上限をはるかに下回っている。
上記目的は、植物において目的配列を複製するか、又は複製及び発現させるためのシステムによって解決され、このシステムは:
(i) プラス鎖1本鎖RNAウイルスに由来し且つ少なくとも1つの目的配列を含むRNAレプリコン又はその前駆体;及び
(ii) ヘルパーレプリコン又はその前駆体、
を含み、ヘルパーレプリコンは、
(a) RNAレプリコン(i)の存在下でも非存在下でも植物において全体移行不可能であり、そして
(b) RNAレプリコン(i)の全体移行に必要な1以上のタンパク質を植物において発現可能であり、
RNAレプリコン(i)は、植物において目的配列を複製可能であるか、又は複製及び発現可能であるが、ヘルパーレプリコン(ii)によって発現される1以上のタンパク質の非存在下では植物において全体移行できない。
1. システムは、コートタンパク質を有さないRNAレプリコンによって宿主植物全体の感染を提供し、したがって、より大きなDNAインサートを収容できる。
2. 全体の葉における発現は、完全に異種目的配列専用であり、コートタンパク質の発現と全く又はほとんど競合しない。
3. ウイルスタンパク質(局所的に感染させた葉のヘルパーレプリコンによって産生されるため、コートタンパク質は少量で存在する)及び宿主タンパク質(植物細胞の生合成装置が遮断されているため)の量が少ないため、目的タンパク質又は目的RNAの、最高の絶対収率及び相対収率を達成することができる。
4. 組み立てられるウイルス粒子の収率は非常に低く、組み立てられるウイルス粒子には全体移行に必要なタンパク質がないため、発現システムは、野生型ウイルスの全ての機能を保持するベクターよりも非常に安全である。
5. RNAレプリコン(i)及び場合によりヘルパーレプリコン(ii)のDNA前駆体における、イントロン又は本明細書で定義するような他の機能保存的な相違の組み込みは、細胞質で構築されるRNAレプリコン(及び場合によりヘルパーレプリコン)の効率を上昇させ、競争力のある工業的/大規模タンパク質産生法に必要な効率を提供する。
(A) 全体移行に必要なタンパク質を発現可能であり、そして
(B) 植物において全体移行可能である、
レプリコンを作製するであろう領域において、RNAレプリコン(i)及びヘルパーレプリコン(ii)が、組換わりやすい相同性を欠失していることが好ましい。
複製又は発現された目的配列は、植物から慣用の手段により回収することができる。これらの産物は、植物全体、即ちレプリコン(i)及び(ii)を提供された植物材料及びレプリコン(i)及び(ii)を提供されなかった植物材料を用いて単離することができる。これらの産物は、RNAレプリコン(i)によって全体的に感染させた葉のように、レプリコン(i)及び(ii)を提供されなかった植物の部分から回収され単離されることが好ましい。
植物において目的配列を複製するか、又は複製及び発現させるためのシステムであって:
(i) タバコモザイクウイルスに由来し、機能性コートタンパク質をコードする配列を欠失し、そして少なくとも1つの目的配列を含むRNAレプリコンの、例えばレプリカーゼORFに1以上のイントロンを含有することが好ましい前駆体を含むT−DNAを含有するアグロバクテリウム;及び
(ii) トバモウイルスに由来するヘルパーレプリコンの前駆体を含むT−DNAを含有するアグロバクテリウム、
を含み、ヘルパーレプリコンは、
(a) ウイルス粒子組み立ての機能性オリジンを欠失し、植物において全体移行不可能であり、そして
(b) RNAレプリコン(i)の全体移行に必要なタバコモザイクウイルスコートタンパク質を植物において発現可能であり、
RNAレプリコン(i)は、植物において目的配列を複製可能であるか、又は複製及び発現可能であるが、ヘルパーレプリコン(ii)によって発現されるタバコモザイクウイルスコートタンパク質の非存在下では植物において全体移行できない、前記システム。
植物において目的配列を発現させる方法であって、
(i) プラス鎖1本鎖RNAウイルスに由来し且つ少なくとも1つの目的配列を含むRNAレプリコンの、1以上のイントロンを含有する前駆体を含むT−DNAを含有するアグロバクテリウム;及び
(ii) ヘルパーレプリコンの前駆体を含むT−DNAを含有するアグロバクテリウム、を有する植物の細胞を提供することを含み、ヘルパーレプリコンは、
(a) RNAレプリコン(i)の存在下でも非存在下でも植物において全体移行不可能であり、そして
(b) RNAレプリコン(i)の全体移行に必要な1以上のタンパク質を植物において発現可能であり、
RNAレプリコン(i)は、植物において目的配列を複製可能であるか、又は複製及び発現可能であるが、ヘルパーレプリコン(ii)によって発現される1以上のタンパク質の非存在下では植物において全体移行できず、
RNAレプリコンの前駆体は、1以上のイントロンを含有するか;又はRNAウイルスの配列に由来する、RNAレプリコン(i)のレプリコン機能に関する配列を含有し、レプリコン機能に関する配列は、RNAウイルスの配列の選択された位置で、RNAウイルスの配列との機能保存的な相違を発揮し、その相違は、相違を発揮しないRNAレプリコンと比較して、RNAレプリコン(i)形成頻度を上昇させる、前記方法。
本発明は、RNAウイルス由来レプリコン(RNAレプリコン(i))を用いて目的の配列又はタンパク質を高率で生物学的に安全に全体発現させる方法を提供する。この方法は、全体的に発現される異種配列のサイズの限界やベクターの不安定性の高さなど、既存のRNAウイルスベクターに基づいた発現システムの限界を克服するものである。更に、本方法は、より良いバイオセイフティ特性を与え、ウイルス成分の組換えによる野生型ウイルスの形成を妨げる。本発明のレプリコン(i)及び(ii)は、そのような組換えを避けるようにデザインすることができる。本明細書に記載のアプローチは、全体の葉を含めた植物全体で目的配列の迅速で高率な発現を可能にする。
RNAウイルス:
ssRNAウイルス:科:ブロモウイルス科、属:アルファモウイルス属、基準種:アルファルファモザイクウイルス、属:イラルウイルス属、基準種:タバコ条斑ウイルス、属:ブロモウイルス属、基準種:ブロムモザイクウイルス、属:ククモウイルス属、基準種:キュウリモザイクウイルス;
科:クロステロウイルス科、属:クロステロウイルス属、基準種:ビート黄斑ウイルス、属:クリニウイルス属、基準種:レタス伝染性黄斑ウイルス、科:コモウイルス科、属:コモウイルス属、基準種:ササゲモザイクウイルス、属:ファバウイルス属、基準種:ソラマメ壊疽ウイルス1、属:ネポウイルス属、基準種:タバコ輪点ウイルス;
科:ポティウイルス科、属:ポティウイルス属、基準種:ジャガイモYウイルス、属:ライモウイルス属、基準種:ライグラスモザイクウイルス、属:バイモウイルス属、基準種:オオムギ縞萎縮ウイルス;
科:セキウイルス科、属:セキウイルス属、基準種:パースニップyellow fleckウイルス、属:ワイカウイルス属、基準種:イネtungro sphericalウイルス;科:トンブスウイルス科、属:カルモウイルス属、基準種:カーネーション斑紋ウイルス、属:ダイアントウイルス属、基準種:カーネーション輪点ウイルス、属:マクロモウイルス属、基準種:トウモロコシchlorotic mottleウイルス、属:ネクロウイルス属、基準種:タバコ壊死ウイルス、属:トンブスウイルス属、基準種:トマトbushy stuntウイルス、属が未分類のssRNAウイルス、属:カピロウイルス科、基準種:リンゴstem groovingウイルス;
属:カーラウイルス属、基準種:カーネーション潜在ウイルス;属:エナモウイルス属、基準種:エンドウひだ葉モザイクウイルス、
属:フロウイルス属、基準種:土壌伝染性コムギモザイクウイルス、属:ホルデイウイルス属、基準種:オオムギ斑葉モザイクウイルス、属:イダエオウイルス属、基準種:ラズベリーbushy dwarfウイルス;
属:ルテオウイルス属、基準種:オオムギ黄萎ウイルス;属:マラフィウイルス属、基準種:トウモロコシrayado finoウイルス;属:ポテクスウイルス属、基準種:ジャガイモXウイルス;属:ソベモウイルス属、基準種:Southern bean モザイクウイルス、属:テヌイウイルス属、基準種:イネ縞葉枯ウイルス、
属:トバモウイルス属、基準種:タバコモザイクウイルス、
属:トブラウイルス属、基準種:タバコ茎壊疽ウイルス、
属:トリコウイルス属、基準種:リンゴchlorotic leaf spotウイルス;属:ティモウイルス属、基準種:カブ黄斑モザイクウイルス;属:アンブラウイルス属、基準種:ニンジンmottleウイルス;
TMVに基づいた発現システムに加えて、異種目的遺伝子を発現させるためのウイルスベクターが、ジャガイモXウイルス(Malloryら、2002、Nat.Biotechnol.、20、622−625)、アルファルファモザイクウイルス(Sanches−Navarroら、2001、Arch.Virol.、146、923−939)、及びササゲモザイクウイルス(Gopinasら、2000、267、159−173)などの他のいくつかのプラス鎖ssRNAウイルスに基づいて開発された。TMVに基づいたベクターに関して本発明に記載されたストラテジーを上記ウイルス発現システムに採用することもできる。
本発明を用いて植物又は植物細胞において発現され得る目的配列又は遺伝子、それらの断片(機能性又は非機能性)、及びそれらの人工的誘導体には、限定されるものではないが、以下が含まれる:デンプン修飾酵素(デンプン合成酵素、デンプンリン酸化酵素、脱分岐酵素、デンプン分岐酵素、デンプン分岐酵素II、顆粒結合性デンプン合成酵素)、ショ糖リン酸合成酵素、ショ糖ホスホリラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ポリフルクタンスクラーゼ、ADPグルコース ピロホスフォリラーゼ、シクロデキストリン グリコシルトランスフェラーゼ、フルクトシル トランスフェラーゼ、グリコーゲン合成酵素、ペクチン エステラーゼ、アプロチニン、アビジン、細菌レバンスクラーゼ、大腸菌glgAタンパク質、MAPK4及び相同分子種、窒素同化/代謝酵素、グルタミン合成酵素、植物オスモチン、2Sアルブミン、タウマチン、部位特異的リコンビナーゼ/インテグラーゼ(FLP、Cre、Rリコンビナーゼ、Int、SSVIインテグラーゼR、インテグラーゼφC31、又はその活性断片又は変異体)、オイル修飾酵素(脂肪酸デサチュラーゼ、エロンガーゼなどのような)、イソペンテニル トランスフェラーゼ、Sca M5(ダイズ カルモジュリン)、甲虫型毒素又は殺虫活性断片、ユビキチン結合酵素(E2)融合タンパク質、脂質、アミノ酸、糖、核酸及び多糖類を代謝する酵素、スーパオキシド・ジスムターゼ、不活性なプロ酵素型プロテアーゼ、植物タンパク質毒素、繊維産生植物における形質変更繊維(traits altering fiber)、バチルス・チューリンゲンシス由来の甲虫活性毒素(Bt2毒素、殺虫性結晶タンパク質(ICP)、CryIC毒素、δエンドトキシン、ポリオペプチド毒素、プロトキシンなど)、昆虫特異的毒素AaIT、セルロース分解酵素、acidothermus celluloticus由来のE1セルラーゼ、リグニン修飾酵素、シナモイル アルコールデヒドロゲナーゼ、トレハロース−6−リン酸合成酵素、サイトカイニン代謝経路の酵素、HMG−CoA レダクターゼ、大腸菌無機ピロホスファターゼ、種子貯蔵タンパク質、エルウィニア ヘルビコラ リコピン合成酵素、ACCオキシダーゼ、pTOM36にコードされるタンパク質、フィターゼ、ケトヒドロラーゼ(ketohydrolase)、アセトアセチルCoA レダクターゼ、PHB(ポリヒドロキシブタノエート)合成酵素、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の合成に関与する酵素、アシルキャリアータンパク質、ナピン、FA9、非高等植物フィトエン合成酵素、pTOM5にコードされるタンパク質、ETR(エチレン受容体)、色素体ピルビン酸 リン酸 ジキナーゼ、線虫誘導性膜貫通ポアタンパク質、植物細胞の光合成又はプラスチド機能を高める形質、スチルベン合成酵素、フェノールをヒドロキシル化可能な酵素、カテコール ジオキシゲナーゼ、カテコール 2,3−ジオキシゲナーゼ、クロロムコネート シクロイソメラーゼ、アントラニル酸合成酵素、アブラナAGL15タンパク質、フルクトース 1,6−ビホスファターゼ(FBPアーゼ)、AMV RNA3、PVYレプリカーゼ、PLRVレプリカーゼ、ポチウイルスコートタンパク質、CMVコートタンパク質、TMVコートタンパク質、ルテオウイルス レプリカーゼ、MDMVメッセンジャーRNA、変異ジェミニウイルス レプリカーゼ、カリホルニアウンベルラリア C12:0選択性アシル−ACPチオエステラーゼ、植物C10又はC12:0選択性アシル−ACPチオエステラーゼ、C14:0選択性アシル−ACPチオエステラーゼ(luxD)、植物合成酵素因子A、植物合成酵素因子B、D6−不飽和化酵素、脂肪酸の生合成及び修飾、例えば植物細胞における脂肪酸のペルオキシソームβ酸化において酵素活性を有するタンパク質、アシル−CoAオキシダーゼ、3−ケトアシル−CoA チオラーゼ、リパーゼ、トウモロコシ アセチル−CoA−カルボキシラーゼ、など;5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸合成酵素(EPSP)、ホスフィノスリシン アセチルトランスフェラーゼ(BAR、PAT)、CP4タンパク質、ACCデアミナーゼ、翻訳後切断部位を有するタンパク質、スルホンアミド耐性を付与するDHPS遺伝子、細菌ニトリラーゼ、2,4−D モノオキシゲナーゼ、アセトラクテート合成酵素又はアセトヒドロキシ酸合成酵素(ALS、AHAS)、ポリガラクツロナーゼ、Taqポリメラーゼ、細菌ニトリラーゼ、制限酵素、メチラーゼ、DNA及びRNAリガーゼ、DNA及びRNAポリメラーゼ、逆転写酵素、ヌクレアーゼ(DNase及びRNase)、ホスファターゼ、トランスフェラーゼなどを含めた細菌又はファージに由来する他の多くの酵素など。
この態様では、RNAレプリコン(i)をコードするDNA前駆体は、RNAウイルスの配列に由来する、RNAレプリコン(i)のレプリコン機能に関する配列を含有し、レプリコン機能に関する配列は、RNAウイルスの配列の選択された位置で、RNAウイルスの配列との機能保存的な相違を発揮し、その相違は、相違を発揮しないRNAレプリコンと比較して、RNAレプリコン(i)形成頻度を上昇させる。あるいは又は更に、ヘルパーレプリコンはプラス鎖1本鎖RNAウイルスに由来することができ、ヘルパーレプリコン(ii)をコードするDNA前駆体は、RNAウイルスの配列に由来する、ヘルパーレプリコン(ii)のレプリコン機能に関する配列を含有し、レプリコン機能に関する配は、RNAウイルスの配列の選択された位置で、RNAウイルスの配列との機能保存的な相違を発揮し、その相違は、相違を発揮しないヘルパーレプリコンと比較して、ヘルパーレプリコン形成頻度を上昇させる。
TMV及びアブラナ科植物感染性トバモウイルスのようなトバモウイルスの遺伝的特徴に関する情報はWO02/029068号に見出すことができる。
GFPを含有するcr−TMVに基づいたウイルスベクターpICH8543(図1)は、国際特許出願PCT/EP03/12530に記載されている(以下も参照されたい)。このクローンは、シロイヌナズナ アクチン2プロモーター、TVCV RNA依存性RNAポリメラーゼ、移行タンパク質のためのキメラ配列(TVCV/cr−TMV)、GFPコード配列、cr−TMVの3’非翻訳領域、及び最後にNosターミネーターを含有し、バイナリーベクターにクローン化されている。このクローンはコートタンパク質コード領域を欠失している。pICH8543でアグロバクテリウム株GV3101を形質転換し、針のないシリンジでベンサミアナタバコ植物の1枚の葉に浸潤させた。浸潤後4日に、GFP蛍光焦点が浸潤領域に見られるであろう。蛍光は浸潤させた葉において数週間続いたが、接種していない上部の葉には移行しなかった。
いくつかのクローニング工程で緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を含有するレプリコンを作製した。得られた構築体pICH8543は、順に:シロイヌナズナ アクチン2プロモーターの787bp断片(ACT2、参考文献Anら、1996、GenBank受託番号AB026654、bp57962〜58748)、TVCVの5’端(GenBank受託番号BRU03387、bp1〜5455)、cr−TMVの断片(GenBank受託番号Z29370、bp5457〜5677、コートタンパク質CPの開始コドンを除去するためにチミン5606がシトシンに変わっている)、配列「taa tcg ata act cga g」、合成GFP(sGFP)遺伝子、cr−TMVの3’非翻訳領域(3’NTR;GenBank受託番号Z29370、bp6078〜6312)、及び最後にノパリン合成酵素(Nos)ターミネーターを含有する。断片全体を、CarbR pBIN19由来バイナリーベクターであるpICBV10のT−DNAの左の境界(LB)と右の境界(RB)とのあいだにクローニングした。
アブラナ科植物感染性トバモウイルス(cr−TMV;Dorokhovら、1994、FEBS Lett.350、5−8)及びカブ葉脈−clearingウイルス(TVCV;Larteyら、1994、Arch.Virol.138、287−298)のクローン化cDNAは、モスクワ大学(ロシア)のAtabekov教授から入手した。TVCV CPを発現するウイルスベクターを、TVCV cDNA由来のEcoRI−ApaI断片(MPの部分、完全なCPコード配列、及びTVCVの3’非翻訳領域を含有)をpICH8543にサブクローニングすることによって作製した。得られたクローンpICH10595(図1)は、バイナリーベクター内のシロイヌナズナ アクチン2プロモーターとNosターミネーターとのあいだにクローン化した完全なTVCV cDNAを含有する。pICH10595でアグロバクテリウム株GV3101を形質転換し、ベンサミアナタバコ葉に浸潤させた。3週間後、浸潤させていない上部の葉は、ウイルス感染を示す、しわの寄った黄色い外観を示した。クマシー染色を伴うポリアクリルアミドゲル電気泳導(PAGE)及びウエスタンブロット解析により、全体の葉が多量のコートタンパク質を発現し、pICH10595が機能性であることが明らかになった。
先の実施例では、下部の葉をCP発現クローンとGFP発現クローンとの混合物で最初に浸潤させた場合、野生型ウイルスのみが接種させていない上部の葉において検出される。CPクローンは複製及び移行にとても効率的であるため、GFP発現クローンは、有効に競合して全体移行することができない。CP発現クローンの全体移行を妨げるために、CPサブゲノムプロモーターの上流に位置するMPの部分に相当する、ウイルス(CP発現クローン)の組み立てのオリジン(OAS)を含有すると推定される領域を除去した。得られたクローンpICH16601(図1)はpICH10595に類似するが、塩基対4966−5454(GenBank受託番号BRU03387に対する座標)を欠失している。pICH16601でアグロバクテリウム株GV3101を形質転換し、pICH8543とともにベンサミアナタバコ葉に浸潤させた。12日後、浸潤させていない上部の葉の葉脈にGFP蛍光が見られた。その後、翌日以降、GFP蛍光は葉脈から葉組織へと広がり、葉領域の部分をカバーした。PAGE及びクマシー染色並びにウエスタンブロット解析は、GFPタンパク質が全体の葉で産生されたことを示した。したがって、CP発現クローンからOASを除去することによって、CPをトランスで提供することにより目的クローンの全体移行を可能にする。
CP発現クローンと目的クローンの共発現効率を浸潤領域において向上させるために、異種目的配列を含有する構築体のRdRp及びMPにイントロンを挿入した。pICH8543を、シロイヌナズナの10のイントロンをRdRp(イントロン1〜10、付録中の配列)の1844位、2228位、2588位、2944位、3143位、3381位、3672位、3850位、4299位、4497位(GenBank受託番号BRU03387に対する座標)の位置に、2つのイントロンをMP(イントロン11〜12)の5287位及び5444位に付加することにより改変した。得られたクローンpICH17272(図1)を、pICH16601とともにベンサミアナタバコ葉に共浸潤させた。全体の葉において、イントロンのないクローンを用いた場合よりも早く、浸潤後7日にGFPが出現し始めた。
浸潤領域のより多くの細胞においてCPの発現を増加させるため、イントロン1〜9(上記)を、pICH16601の、pICH17272の構築について記載したのと同じ位置に付加した。加えて、MPサブゲノムプロモーター領域を、あまりTがなく、よりGCに富んだ配列に置換した。その結果、bp4585〜5460の配列(GenBank受託番号BRU03387に対する座標)は付録に示したSeq1で置換され、構築体pICH16684を得た(図1)。pICH16684をpICH17272とともにベンサミアナタバコ葉に共浸潤させた。浸潤後7日に、全体の葉にGFPが出現した(図2)。イントロンのないクローンを用いたときよりも多くのGFP発現組織を得た。
本明細書に記載のアプローチを、CPを同一分子から目的遺伝子として発現する慣用ベクターを用いて得た全体移行と比較するために、GFPとCPをともに発現する対照構築体pICH17344を作製した(図1)。この構築体はpICH17272に類似するが、3’NTRの3’端(GenBank受託番号Z29370のbp6274〜6312に相当する)がタバコマイルドクリーンモザイクウイルス(TMGMV)U5変異株の1005bpの3’末端配列(bp5498〜6502)に置換されている。pICH17344でアグロバクテリウムGV3101を形質転換し、ベンサミアナタバコ葉に浸潤させた。接種後7日に、全体の葉でGFP蛍光が検出された。PAGE及びクマシー染色による解析は、pICH17344を接種させた植物の全体の葉において、GFPよりもCPのほうが多く産生されたことを示した(図4)。逆に、pICH16684とpICH17272との混合物を接種させた植物の全体の葉では、全く又はほとんどCPが存在しなかった(図4)。したがって、本発明では、全体の葉で最も発現したタンパク質は、CPではなく目的遺伝子に相当する。
変異OASを有するクローンpICH16601及びpICH16684(図1)は、MPの一部の欠失により(MPを発現する第2のアンプリコンとともに共発現させなければ)細胞間移行することができない。したがって、限られた数の細胞のみが浸潤葉領域においてCPを発現する。浸潤領域の全ての細胞におけるMPのトランス発現は、より多くのCP発現細胞を生じ、したがって、GFP及びCP構築体を共発現するより多くの細胞を生じ、最終的に、より効率的な全体移行をもたらすと判断した。35Sプロモーターの制御下でTVCV MP遺伝子を含有する構築体を作製した。この構築体pICH10745(図5A)を、pICH17272及びpICH16684とともに共浸潤させた(図5B)。GFP発現アンプリコンの全体移行は、そのようなMPの一過性トランス補完を用いると(図5B)、MP構築体を用いなかった場合(図2を参照されたい)よりも顕著に効率的であった。
以下の参考実施例は、PCT/EP04/012743の実施例1〜11に対応する。
アブラナ科植物感染性のトバモウイルス(cr−TMV;Dorokhovら、1994、FEBS Lett.350、5−8)及びカブ葉脈−clearingウイルス(TVCV;Larteyら、1994、Arch.Virol.138、287−298)のクローン化cDNAを、ロシアのモスクワ大学のAtabekov教授より入手した。いくつかのクローニング工程で緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を含有するウイルスベクターを作製した。得られた構築体、pICH8543(図6A)は、順に:シロイヌナズナ アクチン2プロモーター(ACT2、参考文献 Anら、1996、GenBank受託番号AB026654、bp57962〜58748)由来の787bp断片、TVCVの5’端(GenBank受託番号BRU03387、bp1〜5455)、cr−TMV(GenBank受託番号Z29370、bp5457〜5677、コートタンパク質CPの開始コドンを除去するためにチミン5606がシトシンに変わっている)の断片、配列「taa tcg ata act cga g」、合成GFP(sGFP)遺伝子、cr−TMV 3’非翻訳領域(3’NTR;GenBank受託番号Z29370、bp6078〜6312)、及び最後にノパリン合成酵素(Nos)ターミネーターを含有する。断片全体を、CarbR pBIN19由来のバイナリーベクターであるpICBV10のT−DNAの左の境界(LB)と右の境界(RB)とのあいだにクローン化した。pICH8543で、アグロバクテリウム株GV3101を形質転換し、ベンサミアナタバコの葉に浸潤させた。3dpiで出現したGFP蛍光の焦点は、増殖してコンフルエントになった。驚くべきことに、浸潤領域の大部分の細胞が、ウイルスの複製及び移行により、最終的にGFPを発現したとしても、GFPを発現する多くの独立した焦点によって検出されたように、わずかな細胞画分のみがウイルス複製を開始していた。35Sプロモーターの制御下でGFP遺伝子を有するベンサミアナタバコ葉の浸潤は、浸潤領域のほとんど全ての細胞においてGFP発現をもたらすため(図示していない)、限定要因は植物細胞へのDNA送達ではないことが明らかになった。
NetgeneIIサーバープログラム(http://www.cbs.dtu.dk/services/NetGene2/)を用いてpICH4351由来のRNAレプリコンの配列を解析し、選択的スプライシングイベントを誘導するかもしれないいくつかのイントロン様配列特徴に気づいた。そのような特徴の1つは、RdRPの初めにある0.6kbのウリジンに富んだ領域である(GenBank受託番号BRU03387のヌクレオチド827〜1462に相当する)(PCT/EP04/012743の図2A)。pICH14833では、この領域を、54ヌクレオチド置換によってオリジナル配列とは異なる、PCRで変異させた配列に置換した(配列番号15として付録に示す配列;PCT/EP04/012743の図3を参照されたい)。Tに富んだ配列を、よりGCに富んだ配列に置換するために52ヌクレオチドを置換した。RdRPタンパク質配列が変化しないように、全てのヌクレオチド置換をサイレントにした。この変異断片は、それぞれ推定の潜在スプライスドナー及びアクセプター部位を除去するために導入した2つのヌクレオチド置換も含有する(829位及び1459位;GenBank受託番号BRU03387に対する座標)。これらの変異の効果を試験するために、得られたクローンpICH15466(図6A)を、pICH10745(トランスの移行タンパク質)とともに又は伴わずに、ベンサミアナタバコ葉にアグロ浸潤させた。浸潤後8日に、pICH15466を浸潤させた領域にGFP発現細胞数の10倍増加が観察された(pICH14833と比較して、図7)。これは、ウイルスアンプリコンに由来するイントロン様配列の除去により、望ましくない選択的スプライシングイベントが妨げられ、より効率的にウイルス複製を開始させることを示唆している。pICH15466とpICH10745との共浸潤により、非改変レプリコンと類似の速度で改変レプリコンの細胞間移行をもたらす。これは、RNA配列の改変はウイルスベクターの細胞間移行に影響しなかったことを示している。
第2の潜在的に問題のある領域は、MPサブゲノムプロモーターに相当する(PCT/EP04/012743の図2B)。この領域は非常にTに富んでおり、イントロン配列に非常に似ている。結果として、イントロン予測プログラムによって配列近傍に多くの潜在スプライスドナー及びアクセプター部位が予測される。残念なことに、サブゲノムプロモーター機能に影響を及ぼすことなく、この領域を容易に修飾することはできない。サブゲノムプロモーターに関し、全領域を完全に変異させ、MP発現の予測される損失を補うためにトランスでMPを提供することにした。また、この構築体からMPは発現されないため、目的遺伝子の発現を駆動するのに必要なCPサブゲノムプロモーターを含有する3’配列以外は、MP配列の大部分を欠失させることにした。したがって、pICH14833の383bp断片(GenBank受託番号BRU03387のbp4584〜5455)を、297bp変異断片(配列番号16)で置換した。得られた構築体pICH15900(図6A)を、pICH10745とともに又は伴わずに、ベンサミアナタバコ葉に浸潤させた。興味深いことに、pICH14833を浸潤させた葉領域と比較して、複製を開始する細胞数の莫大な増加を検出した。浸潤葉領域から調製したGFP発現プロトプラストの計数により、この改変は、未改変pICH14833と比較して、ウイルス複製を開始する細胞数を80〜100倍増加させると概算している。pICH15900をpICH10745(p35S−MP発現カセット)とともに共浸潤させたところ、細胞間移行により、GFP蛍光の増加を検出した。しかしながら、たとえ細胞間移行がなくとも、多くの細胞は既にGFPを発現していたので、この増加は非常に限られたものであった。pICH15900を含有するアグロバクテリウム懸濁液の1000倍希釈液(600nmの計算されたODがおよそ0.004に相当する)を、pICH10745を含有する5倍希釈したアグロバクテリウム懸濁液(600nmの計算されたODがおよそ0.8に相当する)とともに共浸潤させたところ、分離したGFP発現焦点を生じた。蛍光焦点は、pICH14833を用いて得られた対照焦点と同様に明るく、同一サイズであった。これは、pICH15900の改変及びトランスでのMPの送達は、複製レベル、目的遺伝子の発現及び細胞間移行に関し、レプリコンの機能性を傷つけないことを示している。同一構築体(pICH14933及びpICH15900、pICH10745とともにか又は伴わない)をタバコ葉に共浸潤させた。pICH15900における改変は、ベンサミアナタバコと同様に、複製を開始する細胞数を増加させた(pICH14833と比較して)。
ウイルスプロレプリコン配列へのイントロンの付加が、複製開始頻度を上昇させるかどうかについて試験した。RdRPの2つの異なる領域に3つの異なるシロイヌナズナのイントロンをそれぞれ含有する2つの構築体pICH15025及びpICH15034を作製した(図6A)。pICH15025は、RdRPの中央にイントロンを含有するようにデザインしたが、pICH15034はMPサブゲノムプロモーターの上流のRdRPの3’端にイントロンを含有する。シロイヌナズナのゲノムDNAから、PCRでイントロンを増幅し、計画されたイントロン/エクソン接合部位が重複するプライマーを用いてPCRによりウイルス配列に組み込んだ。イントロンを含有する断片を、AvaI―HindIII断片(付録の配列番号17)としてpICH14833にサブクローニングし、pICH15025を作製するか、又はPstI−NcoI断片(付録の配列番号18)としてサブクローニングし、pICH15034を作製した。
1つの構築体におけるイントロン様特徴の除去及び追加イントロンの付加は、2種類の改変がウイルス複製開始の改善に寄与できることを示した。pICH15499の6つのイントロンをpICH15900にサブクローニングした。これは、変異させたMPサブゲノムプロモーター領域を含有する。得られたクローンpICH15860(図6B)をベンサミアナタバコ葉に浸潤させたところ、GFPを発現する全てのプロトプラストのおよそ50%〜90%の範囲内で、いずれの親クローンよりも顕著によく機能することがわかった(図7)。最高性能の構築体は、RdRP領域及び改変MPサブゲノムプロモーター領域内にイントロンを含有する(pICH16191、図7C)。全く改変されていないクローンとの比較では、これは80〜300倍の改善を表す。また、この構築体をMP発現構築体(pICH10745)とともに共浸潤させたところ、改変は細胞間移行又は複製を傷つけないことがわかった。
2つの異なるシロイヌナズナのイントロンをRdRPの初めに挿入し、クローンpICH15477を得た(この領域の配列を付録に配列番号19として示す)。この領域の配列は、イントロンの付加前に既に非常に「エクソン様」である(例えば潜在スプライス部位がなくGCに富んでいる)。この構築体を用いてもウイルス複製開始の改善が全く見られなかった。したがって、いずれのイントロンの付加もウイルスベクターを改善しないであろう。イントロンの挿入又は突然変異誘発のために選択された位置は重要なパラメータであると思われる。例えば、MPサブゲノムプロモーターのような問題のある構造の近傍領域にされた全てのイントロン挿入又はヌクレオチド置換は大きな改善をもたらしたが、既に「エクソン様」の配列へのイントロン挿入は改善させなかった。
初めに、制限酵素AvrIIによる消化、フィリング及び再連結により、MP内にフレームシフトを作製した。次に2つのイントロンをMPに挿入した。得られたクローンpICH16422(図6B)をベンサミアナタバコ葉に浸潤させた。機能性ウイルスレプリコンを含有する細胞数に約100倍の増加が検出された。
pICH15499由来のKpnI−EcoRI断片をpICH8543へサブクローニングした。得られたクローン16700(図6B)は、RdRPに6つのイントロンを有する完全なウイルスベクターを含有していた。このクローンをベンサミアナタバコ葉に浸潤させ、複製を効率的に開始させた。このクローンも、追加のMPをトランスで提供することなく、細胞間移行できた。
トランスジェニック植物をイントロン含有ウイルスベクター構築体で安定に形質転換することも可能である。植物生長を阻害する有害なウイルス複製を避けるために、ベクターの一部をアンチセンス方向で存在させることによって、不活性クローン(プロレプリコン)を作製することができる(図8)。反転断片の先端に組換え部位及びイントロン配列を組み込むことにより、適切なリコンビナーゼを用いることによって、この断片を正しい方向に「反転」させることができる。組換え部位はスプライシングによってレプリコンから完全に排除されるであろう。プロレプリコン中のイントロンは、組換え及び転写後、複製を効率的に開始させることができる。1つの特定の例では、組換え部位は、目的遺伝子内及びプロレプリコンの下流に位置する。そのような構造は組換え前の遺伝子発現を妨げる。組換え部位がRdRP内及びプロモーターの上流のようなプロレプリコンの他の領域に位置する場合は他の構造を考慮することができる。組換え部位のイントロン配列は、先に記載したように、組換え部位をレプリコンから完全に除去するだけでなく、ウイルス複製効率を上昇させるという利点を有する。
選択された植物RNAウイルスのRNAプロファイル、及び十分に特徴付られた植物遺伝子(AtDMC1)のRNAプロファイルの解析を、NetgeneIIサーバープログラム(http://www.cbs.dtu.dk/services/NetGene2/)を用いて行った。PCT/EP04/012743の図9に示すAtDMC1のRNAプロファイルは、以前にcDNA及びゲノムDNAの配列を比較することによって同定された14のイントロン(丸で囲まれている)の存在を明確に反映している。2つの植物ウイルスのRNAプロファイルは、植物の核環境に置かれるとRNAの安定性に問題を引き起こし得る領域(PCT/EP04/012743の図10、11を参照されたい)を有することは明らかである。ブロムモザイクウイルス、TMVの異なる株、及び他の多くのもののような他のいくつかの植物RNAウイルスの代表的なもののRNAプロファイルについて解析した(図示していない)。それらの全ては、DNA前駆体として植物細胞に送達されると植物RNAウイルスに基づいたレプリコンの形成効率を落としかねない潜在的に問題のある領域を有している。
変異させた領域(pICH15466において記載)及び16のイントロン(pICH15860の6つのイントロン、pICH16422の2つのイントロン及び8つの追加イントロンを含む)を含有する完全に最適化した構築体を作製した。要約すれば、この構築体は、以下の位置に挿入されたイントロンを含有する(TVCV配列、GenBank受託番号BRU03387に対して示す):ヌクレオチド209、ヌクレオチド828、ヌクレオチド1169、ヌクレオチド1378、ヌクレオチド1622、ヌクレオチド1844、ヌクレオチド2228、ヌクレオチド2589、ヌクレオチド2944、ヌクレオチド3143、ヌクレオチド3381、ヌクレオチド3672、ヌクレオチド3850、ヌクレオチド4299、ヌクレオチド5287、ヌクレオチド5444。
配列番号1:イントロン1
ヌクレオチド1〜25:左の境界(反対鎖)、
ヌクレオチド86〜1484:Nosプロモーター − NPTIIコード配列 − Nosターミネーター(反対鎖上)、
ヌクレオチド1506〜1552:AttP組換え部位(反対鎖)、
ヌクレオチド1553〜1599:イントロン5’部分(反対鎖)、
ヌクレオチド1600〜2022:TVCV RdRP5’部分(反対鎖)、
ヌクレオチド2023〜2809:シロイヌナズナ アクチン2プロモーター(反対鎖)、
ヌクレオチド2836〜2903:AttB組換え部位、
ヌクレオチド2904〜2959:イントロン3’部分、
ヌクレオチド2960〜7991:TVCV RdRP3’部分 − MP5’部分、
ヌクレオチド7992〜8168:cr−TMV MP3’端、
ヌクレオチド8248〜8967:GFPコード配列、
ヌクレオチド8961〜9215:cr−TMV3’非翻訳領域、
ヌクレオチド9234〜9497:Nosターミネーター、
ヌクレオチド9549〜9473:T−DNA 右の境界(反対鎖):
Claims (33)
- 植物において目的配列を複製するか、又は複製及び発現させるためのシステムであって:
(i) プラス鎖1本鎖RNAウイルスに由来し且つ少なくとも1つの目的配列を含むRNAレプリコンの、1以上のイントロンを含有するDNA前駆体;及び
(ii) ヘルパーレプリコンのDNA前駆体、
を含み、ヘルパーレプリコンは、
(a) RNAレプリコン(i)の存在下でも非存在下でも植物において全体移行不可能であり、そして
(b) RNAレプリコン(i)の全体移行に必要な1以上のタンパク質を植物において発現可能であり、
RNAレプリコン(i)は、植物において目的配列を複製可能であるか、又は複製及び発現可能であるが、ヘルパーレプリコン(ii)によって発現される1以上のタンパク質の非存在下では植物において全体移行できない、前記システム。 - ヘルパーレプリコン(ii)が、ウイルス粒子組み立ての機能性オリジンが存在しないために植物において全体移行不可能である、請求項1に記載のシステム。
- ヘルパーレプリコン(ii)が、植物においてRNAレプリコン(i)の全体移行に必要な若しくは有用なコートタンパク質及び/又は移行タンパク質を植物において発現可能である、請求項1又は2に記載のシステム。
- RNAレプリコン(i)が、植物においてRNAレプリコン(i)の全体移行に必要なタンパク質を発現できない、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
- RNAレプリコン(i)が、コートタンパク質オープンリーディングフレームを欠失しており、目的配列が1kbより長い、請求項4に記載のシステム。
- RNAレプリコン(i)が、トバモウイルスの成分に基づくか又は含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステム。
- トバモウイルスがタバコモザイクウイルスである、請求項6に記載のシステム。
- RNAレプリコン(i)がトバモウイルスに基づいており、コートタンパク質オープンリーディングフレームが目的配列で置換されている、請求項6又は7に記載のシステム。
- RNAレプリコン(i)が、アルファルファモザイクウイルスの成分に基づいているか又は含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステム。
- RNAレプリコン(i)が、ジャガイモXウイルスの成分に基づいているか又は含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステム。
- RNAレプリコン(i)が、ササゲモザイクウイルスの成分に基づいているか又は含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステム。
- ヘルパーレプリコン(ii)の前駆体が、ヘルパーレプリコン(ii)をコードする、ヘルパーレプリコン(ii)を植物の細胞内で産生可能なDNAである、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
- RNAレプリコン(i)の前駆体又はヘルパーレプリコン(ii)の前駆体が、アグロバクテリウムによって運ばれる、請求項1〜12のいずれか1項に記載のシステム。
- 目的配列を複製するか、又は複製及び発現させるための植物若しくはその種子を更に含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のシステム。
- 植物が双子葉植物であり、好ましくはナス科植物であり、より好ましくはタバコ植物であり、最も好ましくはタバコである、請求項1〜14のいずれか1項に記載のシステム。
- 植物がトランスジェニックであり、RNAレプリコン(i)又はヘルパーレプリコン(ii)の細胞間移行に必要な若しくは有用なウイルスタンパク質を発現する、請求項1〜15のいずれか1項に記載のシステム。
- ウイルスタンパク質がタバコモザイクウイルスの移行タンパク質である、請求項16に記載のシステム。
- RNAレプリコン(i)及びヘルパーレプリコン(ii)が、機能的に重複した領域において相同性を欠いている、請求項1〜17のいずれか1項に記載のシステム。
- RNAレプリコン(i)とヘルパーレプリコン(ii)とのあいだの組換えが全体移行に必要なタンパク質を発現可能であって、植物において全体移行可能であるRNAレプリコンを作製するであろう領域において、RNAレプリコン(i)及びヘルパーレプリコン(ii)が、組換えしやすい相同性を欠いている、請求項1〜18のいずれか1項に記載のシステム。
- 少なくとも100ヌクレオチドの配列セグメントにおけるRNAレプリコン(i)とヘルパーレプリコン(ii)とのあいだの配列相同性が高くても80%である、請求項1〜19のいずれか1項に記載のシステム。
- 配列セグメントが、RNAレプリコン(i)及びヘルパーレプリコン(ii)のレプリカーゼORFの下流に位置する、請求項20に記載のシステム。
- ヘルパーレプリコン(ii)は、移行タンパク質ORFを欠失するが、レプリカーゼORF及びRNAレプリコン(i)の全体移行に必要なタンパク質をコードするORFを含有し、後者のORFはサブゲノムプロモーターの制御下にあり、サブゲノムプロモーターは、RNAレプリコン(i)において目的配列の発現を制御するサブゲノムプロモーターが由来するRNAウイルスと異なるRNAウイルス株に由来する、請求項1〜21のいずれか1項に記載のシステム。
- RNAレプリコン(i)の配列とヘルパーレプリコン(ii)の配列が重複しない、請求項1〜22のいずれか1項に記載のシステム。
- RNAレプリコン(i)のDNA前駆体が、RNAレプリコン(i)のレプリカーゼORFに1以上のイントロンを含有する、請求項1〜23のいずれか1項に記載のシステム。
- 植物において目的配列を複製するか、又は複製及び発現させるための方法であって、
(i) プラス鎖1本鎖RNAウイルスに由来し且つ少なくとも1つの目的配列を含むRNAレプリコンの、1以上のイントロンを含有するDNA前駆体;及び
(ii) ヘルパーレプリコンのDNA前駆体、
を有する植物の細胞を提供することを含み、ヘルパーレプリコンは、
(a) RNAレプリコン(i)の存在下でも非存在下でも植物において全体移行不可能であり、そして
(b) RNAレプリコン(i)の全体移行に必要な1以上のタンパク質を植物において発現可能であり、
RNAレプリコン(i)は、植物において目的配列を複製可能であるか、又は複製及び発現可能であるが、ヘルパーレプリコン(ii)によって発現される1以上のタンパク質の非存在下では植物において全体移行できない、前記方法。 - 植物が、T−DNAにレプリコン(i)の前駆体を含有するアグロバクテリウム及び/又はT−DNAにヘルパーレプリコン(ii)の前駆体を含有するアグロバクテリウムの形質移入により、RNAレプリコン(i)及び/又はヘルパーレプリコン(ii)を提供される、請求項25に記載の方法。
- 葉などの植物の一部にRNAレプリコン(i)及びヘルパーレプリコン(ii)が提供されるが、植物の他の部分には提供されない、請求項25又は26に記載の方法。
- 目的配列が、RNAレプリコン(i)及びヘルパーレプリコン(ii)を提供されない植物の部分において全体的に複製可能であるか、又は複製及び発現可能である、請求項25〜27のいずれか1項に記載の方法。
- 植物が双子葉植物であり、好ましくはナス科植物であり、より好ましくはタバコ植物であり、最も好ましくはタバコである、請求項25〜27のいずれか1項に記載の方法。
- 植物において目的配列を複製するか、又は複製及び発現させるための方法であって、
(i) プラス鎖1本鎖RNAウイルスに由来し且つ少なくとも1つの目的配列を含むRNAレプリコンをコードするDNA前駆体;及び
(ii) ヘルパーレプリコンをコードするDNA前駆体、
を有する植物細胞を提供することを含み、ヘルパーレプリコンは、
(a) RNAレプリコン(i)の存在下でも非存在下でも植物において全体移行不可能であり、そして
(b) RNAレプリコン(i)の全体移行に必要な1以上のタンパク質を植物において発現可能であり、
RNAレプリコン(i)は、植物において目的配列を複製可能であるか、又は複製及び発現可能であるが、ヘルパーレプリコン(ii)によって発現される1以上のタンパク質の非存在下では植物において全体移行できず;そして、
RNAレプリコン(i)をコードするDNA前駆体は、RNAウイルス配列に由来する、RNAレプリコン(i)のレプリコン機能に関する配列を含有し、レプリコン機能に関する配列は、RNAウイルスの配列の選択された位置で、RNAウイルスの配列との機能保存的な相違を発揮し、その相違は、相違を発揮しないRNAレプリコンと比較して、RNAレプリコン(i)形成頻度を上昇させる、前記方法。 - ヘルパーレプリコン(ii)がプラス鎖1本鎖RNAウイルスに由来し、ヘルパーレプリコン(ii)をコードするDNA前駆体は、RNAウイルスの配列に由来する、ヘルパーレプリコン(ii)のレプリコン機能に関する配列を含有し、レプリコン機能に関する配列は、RNAウイルスの配列の選択された位置で、RNAウイルスの配列との機能保存的な相違を発揮し、その相違は、相違を発揮しないヘルパーレプリコンと比較して、ヘルパーレプリコン形成頻度を上昇させる、請求項30に記載の方法。
- 植物の細胞にRNAレプリコン(i)及びヘルパーレプリコン(ii)を提供することが、DNA前駆体(i)及びDNA前駆体(ii)による一過性アグロバクテリウム介在形質転換を含む、請求項30又は31に記載の方法。
- 植物において目的配列から目的タンパク質を発現させるための請求項1〜24のいずれか1項に記載のシステムの使用。
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