図1は、化学的機械的装置1の上面図であり、光学ポート2は研磨パッド3に切り込まれている。ウェーハ4(又は平坦化あるいは研磨を必要とする他のワーク)は、研磨ヘッド5により支持され、並進アーム6により研磨パッドの上に吊るされている。他のシステムでは、複数のウェーハを保持する複数の研磨ヘッドを使用して、研磨パッドの対向側(左右)に配置された別個の並進アームを使用しても良い。
研磨プロセスで使用されるスラリは、スラリ注入管7を通して研磨パッドの表面に対して注入される。吊りアーム8は、電子アセンブリハブ10の上に吊り下がる非回転ハブ9に接続する。電子アセンブリハブ10は、ツイストロック、デテント(detent)、スナップリング、ねじ、糸山セグメント、その他の解放可能(releasable)整合機構を使用して研磨パッド3に着脱自在に取付けられている。ハブ10は、ハブが接続するパッド中に配置された導電アセンブリに取付けられている。導電アセンブリは、単一の接点か、フレキシ(flex)回路又はリボンケーブルとも呼ばれる薄い、導電性リボン11に接続された複数の接点であっても良い。リボン11は、光学ポート2中に配置されパッド3に埋込まれた光センサ機構を電子ハブ中の電子部品に電気的に接続する。リボン11は、個々の電線又は細いケーブルで構成されていてもよい。
窓は研磨パッド中で回転し、研磨パッド自体は矢印12の方向にプロセス駆動テーブル上で回転する。研磨ヘッドは、矢印14の方向にそれぞれのスピンドル13に対して回転する。各研磨ヘッド自体は、矢印16で示す並進スピンドル15により研磨パッドの表面の上方で前後に並進運動を行う。従って、研磨ヘッドが回転、並進双方の運動を行う際、光学窓2は研磨ヘッドの下を通過し、研磨パッド/プラテンアセンブリの各回転ごとにウェーハ表面を横断して複雑な経路を描く。
光学ポート2及び導電アセンブリ(図10を参照)は、パッドが回転する際同一の半径方向線17に常に留まるが、パッド3がハブ9に対して回転するにつれ、半径方向線は円形の経路を描いて並進する。注意すべきことは、導電リボン11は、半径方向線17に沿って位置しており、それと共に移動することである。
図2に示すように、研磨パッド3は円形の形状を有し、中央の円形開口部23を有する。研磨パッド中にめくら穴24が形成され、その穴は研磨されつつある表面と対向するように上向きに開いている。光センサ25がめくら穴24内に配置され、光センサ25より中央開口部23まで伸びる導電リボン11が研磨パッド3内に埋込まれている。
研磨パッド3が使用されるとき、電子ハブが上方より中央開口部23へ挿入され、ベース26をねじ回しすることによりそこに、そしてハブ10の糸山部分に、固定される。同ベースは、研磨パッド3の下部に配置されている。図5に示すように、研磨パッド3はこのようにしてハブの各部分とベース26の各部分との間にクランプされている。研削過程において、研磨パッド3、ハブ10、及びベース26は中央縦軸28を中心として共に回転する。
研磨機械の非回転ハブ9は、ハブ10に隣接し、その上方に配置されている。動作中、非回転ハブ9は吊りアーム8に固定されている。
図3に光センサ25の詳細を示す。光センサ25は、光源35、検出器36、反射面37(プリズム、鏡、その他の反射性光学部品であっても良い)及び導電リボン11を含む。導電リボン11は、電力を光源35に供給し、検出器36の電気出力信号を中央開口部23に伝達するために積層された一般的に平行の複数の導体を含む。好適には、光源35及び検出器36は整合の対である。一般的に、光源35は光放射ダイオード(light emitting diode)であり、検出器36はフォトダイオードである。光源35放射の光線の中心軸は、最初は水平に方向付けられているが、反射面37に到達すると光は上方に向きが変わり、研磨されつつある表面に当たり、反射される。反射された光は反射面37でも方向を変えられ、反射光は検出器36に入射し、検出器は入射光の強度に関連する電気信号を生成する。図3に示す配置は、センサの高さを最小限に留めるために選ばれたものである。反射面37を省略して、その代わり図4の側面図に示す配置を使用しても良い。
光学部品及び導電リボン11の終端は、図2のめくら穴24中にぴったりと嵌るような寸法を有する薄ディスク38の形でカプセル化されている。注意すべきことは、図3、4の配置においては、検出器36に達する非反射性の光の量を削減するためにバッフル(baffle)を使用してもよい。導電リボン11中には、電力導体39、信号導体40、及び1個又は複数の戻り又はアース導体41の3種類の導体が含まれている。
図5に誘導カプラを使用する電子ハブを示す。電力導体39は、電力プラグ46での研磨パッド3の中央開口部23に隣接して終端し、信号導体40は、同様に信号プラグ49で終端している。ハブ10が中央開口部23に挿入されると、電力プラグ46は電力ジャック50と電気的に接触し、信号プラグ49は信号ジャック51と電気的に接触する。Oリングシール52により、研磨プロセスで使用される液体が各プラグ及び各ジャックに到達しないようになっている。ベース26中に備わっているリングシール53により、ハブ中の電子回路が汚染されないように更に保証されている。
検出器により生成され、光学特質に関連する電気信号は信号ジャック51より信号処理回路55へ導体54により伝達される。同回路は、該電気信号に対応して導体56上に光学特性を表す処理済信号を生成するものである。導体56上の処理済信号は次に送信器57に印加される。
回転ハブ10より非回転ハブ9へ信号が渡されるプロセスは、誘導結合、又はRF結合と呼ばれる。全体的アセンブリは誘導カプラ又はRFカプラと呼ばれるものである。
送信器57は、処理済信号を表す可変磁場59を生成する変圧器の一次巻き58に時間と共に変化する電気信号を印加する。磁場59は、ハブ10の上部を通して上方へ伸び、研磨機械の隣接非回転部分9上、又は他の非回転物体上、に配置されている変圧器の二次巻き60により捕らえられる。可変磁場59は、二次巻き60中に電流を誘導し、その電流は受信器61に印加され、受信器は光学特性を表す信号を端子62に生成する。この信号は、研磨動作の進行を監視したり研磨過程のエンドポイントに到達したか否かを決定するなどの目的に外部回路で使用可能となる。
類似の手法を使用して研磨機械の隣接非回転部分9より回転ハブ10に電力を転送できる。非回転部分9上の主電源63は、磁場65を生成する変圧器の一次巻き64に電力を印加し、磁場はハブ10の上部を通って下向きに伸び、二次巻き66により捕らえられ、そこで可変磁場は電流を誘導し、その電流は電力受信回路67に印加される。導体68上の電力受信器67は、電力を電力ジャック50に印加し、そこから電力は電力プラグ46及び電力導体46を介して電源に伝達される。電力受信器67は、電力を導体69を介して信号処理回路55にも供給し、導体70を介して送信器57にも印加する。従って、LEDを作動せしめる電力も誘導結合により供給される。
巻き58は巻き66と同一の巻きであり、巻き60は巻き64と同一の巻きである。代わりに、これらの巻きは異なった巻きであっても良い。重畳電力成分及び信号成分は異なった周波数範囲であり、フィルタにより分離される。
信号を回転ハブ10より研磨機械の非回転ハブ9に転送し、電力を非回転部分9より回転ハブ10に転送する他の手法を図6 − 8に示す。
図6によれば、送信器57は更に変調器75を含み、該変調器は、光学特性を表す処理済信号を表す周波数変調電流を光放射ダイオード又はレーザダイオード76に印加する。光放射ダイオード76は、レンズ78によりフォトダイオード検出器79に焦点合わせされる光波77を放射する。検出器79は、光波77を電気信号に変換し、電気信号は受信器80により復調されて、光学特性を表す電気信号を端子62に生成する。
電力の主源は電池81で、同電池は電力分配回路82に電力を供給し、一方同回路は、電力ジャック50、信号処理回路55、及び送信回路57に電力を分配する。図7では、送信器57は無線送信器であり、ハブ9の上部を通して電波88を送信するアンテナ87を有する無線送信器である。電波88はアンテナ89により捕獲され、受信器90により変調され、光学特性を表す電気信号を端子62上で生成する。
電力は、非回転部分29に配置されている永久磁石91及びインダクタ92で成るマグネットで生成されるが、インダクタ内では永久磁石91の磁場は、インダクタ92が永久磁石91の前を通って回転するにつれ電流を誘導する。誘導電流は整流され、電力回路93によりろ過され、次に電力分配回路94により分配される。
図8では、送信器57は更に電力増幅器100を含み、同増幅器は音波102を生成するラウドスピーカ101を駆動する。音波102は、研磨機械の非回転部分29中に配置されているマイクロフォン103により受信される。マイクロフォン103は、受信器104に印加される電気信号を生成し、一方受信器は、光学特性を表す電気信号を端子62上に生成する。
電力は、非回転部分29に配置されている光源107により太陽パネル105に印加される光106に対応して太陽電池又は太陽パネル105により回転ハブ9中に生成される。太陽パネル105の電気出力は、必要に応じて変換器108により適切な電圧に変換され、電力分配回路94に印加される。
図9 − 16は、ハブ挿入アセンブリ及び光電気挿入アセンブリ25を示す。これらの図では、スナップリング(電子ハブを解放自在に取付けるため)及び光電気挿入アセンブリを研磨パッドに封入する方法が開示されている。これらの図で示す研磨パッドは業界で入手可能な代表的な研磨パッドで、ロデル社製のモデルIC 1000などである。このモデルは、厚さ0.007インチの接着剤の層で対向して結合された発泡ウレタンの厚さ0.045インチの2枚の層で構成されている。各層は、導体リボン11、スナップリング114、及び光学アセンブリ25をパッド中に配置できるように変形されている。
図9に、研磨パッド3の中央開口部に電子ハブ10を固定するために使用される、スナップリング114で成る成型インサートを示す。スナップリング114は、研磨パッド3の中央開口部23の内部に配置される。電子ハブ10が確実に嵌るように、内部に向けて伸びるフランジ115、すなわちカラーがスナップリング114が切り取られている。電子ハブ10が適正に位置合わせされることを保証するために、案内ピンホール116が電子ハブ案内ピン117を受ける。スナップリングは、接着剤、あるいは後に乾燥して硬化する液状ウレタンにより、研磨パッド3の内部に封入される。電子ハブ10は、その底部セクション119の周囲に配置されているフランジあるいは稜線118を有する。このフランジ118は、成型挿入スナップリング114に解放可能に嵌るような寸法を有している。
導電リボン11は、電子信号及び電力を光学アセンブリ25及び電子ハブ10との間に伝達する。リボン11の終端は、ハブ受け開口部120の底部中の接触パッド126に配置されている。接触パッドは、ハブ10上に配置されている整合接点122との電気接触を成立せしめるための接点を有している。接点122は、好適にはばね仕掛けかバイアス付き接点である(ポゴ(pogo)ピンなど)。接点は、冗長グループで備えられていても良い。図示するように、この図で見れるグループ中には3個の接点が設けられている。
スナップリングアセンブリ114は、好適には研磨パッド3とアイソプラナー(isoplanar)であり、複数のパッドを容易に交互に積み重ねられるようになっている。
図10にスナップリング114の上面図を示す。スナップリング115の円形リップ、案内ピン穴116、及び導電リボン11は図9と同一である。この図ではまた接触パッド126上に配置された3個の電気接点が示されている。すなわち、これら3個の接点は、電力伝導(接点123)、信号伝導(接点124)、及び共通接地(接点125)用に使用され、これら全ての接点は接触パッド126に配置されている。接触パッド127は、スナップリングアセンブリの内面の底部に配置されている。
電子ハブは、スナップリング114のリップ115の内側に嵌る。ハブの接点が接触パッド127の接点と適正に位置合わせされることは案内ピン116により保証されている。このように、ハブの接点は、ハブがスナップリング中に固定された際、接触パッド126の接点123、124、及び125との電気的接触を成立せしめるものである。
図11、12に、光センサ25の断面と、光学ポート2中の光センサ25を研磨パッド3中に固定する方法を示す。研磨パッド内には、開口部、すなわち穴143が設けられている。開口部143は、光センサ25を受付けるために十分に大きくなければならない。光学アセンブリ25は、それを容易に開口部に配置できるように光学アセンブリパックに配置されている。パック(puck)は、ウェーハに面するパックの表面は研磨パッドの表面と実質的に同じ高さでるような寸法と形状を有している(パック表面はパッド表面の約0.015インチ以内である)。研磨パッド3の上面144及び下面145に隣接する開口部のある部分は、開口部より半径方向に外側に向かって僅かな距離だけ伸びている。それにより、パッドの境界に対してスプール形のボイドが作成される。
電子ハブ10より光センサ25へ電力及び信号を伝達する導体リボン11を受入れるために上層147下面に1つのチャネルが生成される。導体リボン11は、接着物の層により通常占められている空間に侵入する。同接着物は研磨パッドの上層147を研磨パッドの下層149に固定するものである。代わりに、導体リボン11は接着層148の上又は下に配置できる。
研磨パッド3内に開口部143が形成された後、光センサ25及びその導体リボン11はそれぞれの位置に挿入され、そこでそれらはウレタンで構成されているスペーサ又は上層147及び下層149の各部分により支持され、固定される。
その後、アセンブリは平らな、くっつかない(non-stick)表面155、156を含む取付け具に置かれる。くっつかない表面155、156は、パッド上面144及びパッド下面145に接触するように近づけられ、押し付けられる。
次に、下側成型プレート159の注入口158を通して液状ウレタンが光センサ25を直接囲むボイドに注入器157を使用して注入される。これは、上側成型プレート161の排気口160から注入ウレタンが出てくるまで続けられる。注入中、液体がボイドの最下位に注入され、排気口が最高の位置になる姿勢で液体が注入されるように、アセンブリを右方向に僅かに傾けると良い。アセンブリをこのように傾斜せしめることによりボイド中に空気が閉込められることが防止される。
光センサ25の直上の注入ウレタン162は、窓として機能し、その窓を通して光センサ25は、上層147の上に置かれているウェーハの下側を見ることができる。液状体ウレタンは、硬化すると光学的に透明なウレタンの一種である。それは研磨パッド3のウレタンと化学的に同様なので、液状ウレタンは研磨パッド3の材質と耐久性の、液体漏れのない結合を形成する。
図9に示すように、スナップリングアセンブリはパッドに挿入可能であり、また注入成型プロセスでパッドと一体に形成できる。図13、14に示すように、研磨パッド3は、パッド上層147、パッド下層149、及び接着層148も含めて、穴抜き切断され、光センサ、リボンケーブル、及び電極パッド用のボイドが作られている。リボンケーブル11、接触パッド、及び光センサ25は、パッド中の対応するボイドに配置されており、スナップリングハブモルドがハブ開口部に挿入されている。電極パッドは、弱い感圧性接着剤(ねばのり)(sticky glue)を使用してスナップリングモルド169に接着できる。
図13に示すように、上部モルドベース172及び下部モルドベース173は、研磨パッドの上層147及び下層149にそれぞれ押し付けられる。次に、ウレタン又は他の注入可能プラスチックが注入ポート174を通して注入され、ウレタンは各ボイドを充填する。プレート間のボイドが充填されると、液状ウレタン162は出口孔175からはみ出て、注入過程が完了したことを示す。図14に示すように、注入ウレタンはスナップリングアセンブリを形成し、リボンケーブルチャネル及び光センサアセンブリ開口部を満たす。注入ウレタンは、スナップリング114と光学部品インサート25間のボイドの長さ全体を封入し接続して、リボンケーブル及びセンサアセンブリをパッド内で固定させる。
このプロセスは、図9、10に示すスナップリングインサートを使用し、パッド中のハブ開口部をスナップリングインサートより僅か大きめに設定し、スナップリングインサートをパッドに固定するために注入ウレタンを使用することにより達成できる。
図15に、図13、14に示すパッド設計を使用してCMP装置に設置された研磨パッド3全体の詳細を示す。前記の各図に示すように、パッドは、上部パッド層147、下部パッド層149、接着層148、注入ウレタン176、導電リボン11、光センサ25で構成されている。パッドは、プラテン18上に配置されている。電子ハブ10は、各ポゴピン電気接点137が電極パッドの各電極と接触するようにスナップリングへ挿入される。非回転受けハブ9は、回転電子ハブ10の上方に吊り下げアームより吊り下げられている。回転電子ハブ中の電子部品は、図5 − 8に示す、これらの図の10項として示されるボックス中の電子部品 であり、非回転受けハブ9は、9項として記されている各ボックスの対応する電子部品を収容するものである。長期間使用の後、パッドは消耗し、取除いて破棄される。新規パッドをプラテンに載せて回転ハブを新規パッドのスナップリングに挿入できる。
ウェーハの前側に配置された材料の薄層に光が入射する際の、選択された波長の光190の挙動を図16に示す。ウェーハの前側上に構築された最外側層を示すために、ウェーハ4はかなり拡大されている。最初の最外側層は、第2層193を覆っている。各層の厚さは約30μm以下であり、通常約10μmと約1,000アングストルム(1μmの約1/10)の間である。第1層と第2層の下に複数の追加層を配置してもよい。研磨過程中、第1層は、該層を部分的あるいは完全に除去するために研磨される。第1層のどれだけが除去されたかを決定するために、選択波長の光190が光源35より放射され、光学パック(puck)の軸に対して固定角度でウェーハの前側に向けられる。反射光は、検出器36により検出される。光源及び光センサの双方は光センサパック中に配置されており、光センサパックは研磨パッド中に完全に配置されていても良い。ウェーハより反射される光の強度は、研磨中除去された物質の量に関する情報を伝えるものである。(前記光の波長は、その光の一部分が物質の薄層を透過するように選択されている。珪素、酸化ケイ素、銅、その他の物質でできている多くの層材料の場合、選択された波長は、約300 nm(青光線)以下ないし約1500 nm以上(赤外線)の範囲である。入射角度及び反射角度は、約0度と70度との間で固定されており、好適には約5度で、それはパック軸と光源の間で測定される)。
光190がウェーハの前側に方向付けられると、光の一部分194はウェーハの表面から反射し、光の他の部分195は表面及び物質の第1層192を通過する。光の他の部分195は、第2層193の表面から反射し、第1層192を通って逃げ去る。部分194と部分195は、第1層192に到達する前に組み合わさる。部分195は部分194と比べてより多くの距離を移動するので、第1層192の表面から反射する光(部分194)と第2層193の表面から反射する光(部分195)は、位相を異にする。各部分194、195の相対位相に依存して、2つの部分は相互に建設的又は破壊的に干渉し、その結果検出された光はそれぞれより強くなるかより弱くなる。
第1層192が除去されると、部分194と相対的に部分195が移動する距離が変化し、従ってそれらの位相関係が変化する。その結果、検出される光の強度は、第1層が除去されるにつれて変化する。層が除去されるにつれて2つの光線の位相変化が0度と90度との間で繰り返し変化するにつれ、検出された光の強度は概ね正弦波的に変化する。
図17は、物質の第1層がウェーハから除去されるにつれての検出光の強度の時間に対するグラフである。(検出光の強度は、層の厚みの関数であり、層の厚みに対して正弦波的に変化する。層の厚さは、研磨の時間と共に変化する)。光部分194及び195が完全に、建設的に相互干渉を行うと、検出光の強度はピーク200となる。光部分194及び195が完全に、破壊的に相互干渉を行うと、検出光の強度は谷201となる。
研磨中除去された物質の量を測定するためには、曲線を較正する必要がある。正弦曲線を較正するには、外側層の絶対厚みをスペクトル反射率、偏光法、又は絶対厚み測定の他の方法を使用して最初に測定する。(これらの手法は様々な業者提供の装置を使用して実施できる。装置は比較的大型、高価、微妙であり、スラリや研磨プロセスの他の要素は、屈折率及び層厚みの高精度の測定を妨害することがある。従って、層厚み測定のこれらの他の手法は、研磨中研磨パッド内で使用したり大量生産中に使用するには実用的でない)。次に、反射光の強度は、光センサ25を使用して測定される。次に、正弦曲線の1つ又は複数の波長が測定され、観察されるまで試験ウェーハの外側層が研磨される。そのようにして、反射光の初期強度がピーク又は谷であった場合、ウェーハは第2のピーク又は谷が測定されるまで研磨される。反射光の初期強度が正弦曲線の他の点にあった場合、ウェーハは同一の強度が2回か3回測定されるまで研磨される。その時点で研磨過程を停止して、外側層の絶対厚みを再測定する。
層厚みの2つの測定値間の差が、層厚みの初期変化である。層厚みの初期変化は、正弦曲線に沿っての1つの波長でも表されるが、それは同一種類のウェーハ(あるいは外側ウェーハ層)上で同一の研磨プロセスが使用されるか、入射光の同一の波長を使用した場合のみ可能である。曲線に沿っての複数の波長を数えることもできるが、その場合層厚変化の合計は、測定された波長の数に層厚の初期変化を乗じた値である。
便宜上、正弦曲線に沿っての波長は、研磨プロセス中計数されたピークの数あるいは谷の数を計数して数えることができる。ピークや谷は、正弦曲線上のノードと考えられるので、層厚測定のこのプロセスはノード計数と呼ぶことができる。(ノード計数は、正弦反射率曲線に沿っての波長を数えることなので、ピーク又は谷のみを数えることに限定されない)。
例えば、ひとつのウェーハの外層の厚さは、偏光法で測定すれば10,000アングストルム(1 μm)である。この層は、正弦曲線上で1つの波長が測定されるまで特定のプロセスを使用して研磨される。研磨の後、層厚は、偏光法で測定すれば8,000アングストルムである。従って、正弦曲線上のピーク間の距離(1つの波長)は、2,000アングストルムに等しい層厚変化に対応する。層の所望の最終厚さが4,000アングストルムの場合、層は合計3つの波長(削除された物質6,000アングストルムに相当する)が計数されるまで研磨されることになる。その時点で、研磨プロセスはそのエンドポイントに達するのである。
このプロセスは、層厚のより小さな変化を連続的に測定するためにも使用できる。正弦曲線に沿っての波長の分数は、研磨層の厚さの対応する分数的変化に等しい。上記の例を続ければ、波長の1/2(矢印「x」で示されるピーク間距離)は、1,000アングストルムに等しい層厚変化に相当する。従って、ウェーハを再び研磨して、正弦曲線に沿ってのもう1つの波長を測定すれば、最終層厚は3,000アングストルムとなる。波長の分数を計数できるので、ノード計数で層厚の非常に小さな変化を現場(in-situ)で測定できる。
曲線の波長が研磨の時間に対して変化し、異なった波長が除去された物質の異なった量を表す場合、曲線に沿っての多数の点で正弦曲線を較正したり、多数の波長に渡って較正することは必要である。従って、図17に示すように、矢印「x」に沿っての距離が矢印「y」に沿っての距離と等しくない場合、正弦曲線のより多くの部分を較正しなければならない。更に、較正曲線の精度を増すために、正弦曲線に沿っての任意の数の点における層の絶対厚みを測定できる。これは、正弦曲線が図17の正弦曲線中の変動で示される雑音の対象となる場合、必要である。
上記の各方法に従って反射光強度の変化と層厚変化との間の相関を取るために、プロセッサ及びソフトウェアが提供されている。研磨プロセスの進行を表示するためにディスプレイを備えることもできる。コンピュタハードウェアやソフトウェアなどの制御システムを備えて、研磨プロセスを変更したり、層厚の変化に対応して研磨速度を遅くしたり、停止したり、他の方法で変えることができる。そのようにして、制御システムを使用して、エンドポイントが近づいたら研磨を遅くし、エンドポイントに到達したら研磨を停止できる。(制御システムは、層厚の時間に対する変化に対応して研磨プロセスのいかなる部分も制御できる)。
銘記すべきことは、様々な発明を様々な組み合わせで使用できることである。例えば、誘導カプラ及び他の非接触カプラに関連して記述された解放可能ハブ実施例は、スリップリングや他の接触カプラと共にでも使用できる。注入材として使用される材料、あるいは注入封入材としてウレタンが説明されたが、実質的な接着と、幾つかのインサート(insert)とパッドとの間でのシール(seal)効果を有するならば他の材料も使用できる。
更に、パッドの構造は光センサに関連して説明されたが、電気センサ、熱センサ、インピデンスセンサ、や他のセンサを代わりに使用しても良い。そして、成型及び解放可能ハブの利点はそれでも達成可能である。
更に、生産中時間を節約するために正弦反射率曲線のライブラリを生成できる。特定のプロセスと特定のウェーハに対して、各曲線は同一である。従って、それに対して較正曲線が用意されている、既知の種類のウェーハを既知のプロセスで研磨する際、較正段階を省略できる。更に、各反射率曲線は、研磨プロセス全体に対して計数された各波長に関して除去された各層の絶対厚さを測定することにより更に精度を上げられる。そのようにして、研磨プロセスの時間全体に渡って、較正曲線は(屈折率、層材料、プロセスパラメータの変化とは無関係に)正確である。このようにして、装置と方法の好適な実施例がそれらが開発された環境に関連して記述されたが、それらは本各発明の原理の単なる例示に過ぎない。本各発明の精神と、添付の請求項から逸脱することなく、他の実施例と構成を考案することは可能である。