JP2007517497A - 標的核酸配列の検出のためのolaベースの方法 - Google Patents

標的核酸配列の検出のためのolaベースの方法 Download PDF

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Abstract

標的配列に隣接してアニールされると2つのプローブをライゲートするステップと、合成プライマーをライゲートしたプローブにハイブリダイゼーションするステップと、合成プライマーの伸長後、伸長合成プライマーを合成プライマーに供給されたプライマー結合部位、およびプローブの1つにアニーリングするプライマーから増幅し、検出可能に単位複製配列を得るステップとを含んで成る標的配列の検出のための方法。

Description

本発明は、分子生物学およびバイオテクノロジーの分野に関する。
具体的には、本発明は、核酸検出の分野、より具体的には、核酸の検出に使用されうるプローブの(収集の)デザインおよび組成物に関する。本発明は、プローブおよび組成物を使用する核酸の検出のための方法にも関する。本発明はさらに、目的とする標的配列とハイブリッド形成することが可能であるプローブ、ライゲートしたプローブの増幅のためのプライマー、さまざまな遺伝子形質および遺伝子に関係するヌクレオチド配列の同定および/または遺伝子におけるこれらのプローブおよびプライマーの使用、および本発明による方法における使用に適切なプライマーおよび/またはプローブのキットを提供する。
特定の核酸配列の検出における関心が急速に増大している。この関心は最近開示されたヒトゲノムのヌクレオチド配列案、およびその中、ならびに多くの他の生物、多量の単一ヌクレオチド多型(SNP)のゲノムにおける存在からだけではなく、AFLPなどマーカー技術および例えば遺伝学的遺伝性疾患の指標としての特定の核酸配列の検出の妥当性の一般的認識からも生じている。乳癌の感受性をスクリーニングする乳癌遺伝子BRCA 1のさまざまな対立遺伝子の検出は、無数の例の1つにすぎない。遺伝子における単一ヌクレオチド(および小さな挿入/欠失、インデルスなど他の種類の遺伝子多型)がさまざまな情報を提供するという認識は、この関心の増大に起因するとも考えられた。現在、これらの単一ヌクレオチド置換が、例えばヒトにおける多数の単因子および多因子遺伝性疾患の主な原因の1つであり、または植物および家畜種における性能形質など複雑な表現型の発現に関与していることが一般に認識されている。したがって、単一ヌクレオチドは、多くの場合に、ヒト、植物、および動物種における重要な形質にも関係し、または少なくともこれを示す。
これらの単一ヌクレオチド置換およびインデルスの分析は結果として、可能な限り広い点で医学および農業で広範囲に及ぶ意義を有する大量の情報をもたらす。例えば、これらの発展が結果として患者特異的医薬品をもたらすことが一般に想定されている。これらの遺伝子多型を分析するために、得られるデータの品質を大きく損なうことなく多数のサンプルおよび多数の(主に)SNPのハイスループット方法での処理を可能にする十分、確実、かつ迅速な方法の必要性が増大している。既知の配列の核酸の分析に使用される主な方法の1つは、2つのプローブを標的配列とアニーリングし、プローブが標的配列と隣接してハイブリダイズされると、プローブをライゲートするステップに基づく。このコンセプトは、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイまたはオリゴヌクレオチドライゲーション増幅(OLA)として一般的に示されている。
OLA原理は、とりわけ、特許文献1(ランデグレン(Landegren)ら)において記載されている。この刊行物は、既知の可能な変異を有する既知の核酸配列の領域における核酸配列を判定するための方法を開示している。変異を検出するには、オリゴヌクレオチドを選択し、判定すべき配列のすぐ近くにアニールする。選択オリゴヌクレオチドプローブの1つは末端領域を有し、ここで末端領域ヌクレオチドの1つは、既知の核酸配列における対応位置で正常または変異ヌクレオチドのいずれかと補完的である。それらが正確に塩基対合され、互いにすぐ近くに配置されると2つのプローブを共有結合的に接続するリガーゼが提供される。連結プローブの存在、非存在、または量は、既知の配列および/または変異の存在、非存在、または量を示す。
特許文献2におけるアボット(Abbot)らは、隣接プローブのハイブリダイゼーションおよびライゲーションを含んで成る多重ライゲーション増幅手順の方法を開発した。これらのプローブには追加の長さの部分が提供されており、その配列は、アボットらによれば、重要ではない。長さの違いの故意の導入は、ゲルベースの方法で断片長に基づく判別を容易にすることを目的とする。
特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8は、リガーゼ検出反応(LDR)とポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の組合せを使用することによって核酸配列の差を検出するための方法を記載している。対立遺伝子特異的プローブ対合を標的配列にアニーリングし、その後に熱安定性リガーゼとライゲーションするステップを含んで成る方法が開示されている。蛍光標識プライマーによるライゲート産物の増幅は結果として蛍光標識増幅産物をもたらす。産物の検出は、サイズもしくは電気泳動移動度による分離またはアドレス可能アレイに基づく。
OLAベースの他の変形が、とりわけ、非特許文献1、非特許文献2、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23において開示されている。
最近の刊行物(非特許文献3、非特許文献4)は、OLA原理が高度に多重化され、特に、これらの論文の著者らによって使用されたものなど配列ベースの検出プラットフォームとの組合せにおいて、ハイスループットSNP遺伝子決定のための魅力的な方法をもたらしうることを証明している。しかし、長さベースの検出プラットフォームとの組合せでは、OLA法の高多重能は、化学的手段によって合成されるライゲーションプローブを使用すると、現行の(キャピラリー)シークエンシング計器を使用して検出可能に分離されうる限られたサイズにより活用することが困難である。これは現在利用可能な化学的オリゴヌクレオチド合成法の上限が、ほとんどの(キャピラリー)シークエンシング計器によってカバーされるサイズ範囲よりもはるかに少ない約100〜150塩基対合であることによる。それにもかかわらず、スラブゲルまたはシークエンシング計器は、ほとんどの市販のチップ(ハイブリダイゼーション)プラットフォームと比べ、その使い易さ、限られた実際的な時間、および比較的低い操業費により強力な検出プラットフォームである。
スハウテン(Schouten)ら(非特許文献5、特許文献24、および特許文献25)は、一本鎖ファージM13を使用するプローブを調製することによって化学的合成ライゲーションプローブの長さ制限によるこの長さベースの検出の制限に部分的に対抗した。これにより、増幅ライゲーションプローブを検出するための(キャピラリー)シークエンシング計器またはスラブゲルシステムの全長窓を貫通することが可能な一定の長さを有する高品質のプローブが保証される。しかし、スハウテンらのプローブ調製法は煩雑で時間がかかり、自動化が困難であり、したがって費用がかかり、多くの異なる標的配列を含む用途には十分に適していない。したがって、増幅ライゲーションプローブを検出するためのサイズベースの検出プラットフォームを有効に使用する他の解決法が依然として必要である。
ファン・ エイク(Van Eijk)ら(特許文献26、特許文献27、特許文献28、非特許文献6)は、AFLP指紋法についてフォス(Vos)らによって記載されたもの(非特許文献7、特許文献29、特許文献30、特許文献31=国際公開第93/06239号パンフレット)など選択的AFLPプライマーを使用するライゲートプライマーのサブセットを選択に増幅することによってこの問題の解決法を提示した。この方法は単一のプライマー対合との同じ反応において共増幅のためのライゲートプローブの特定のサブセットの選択を可能にするが、増幅可能なサブセットの組成物は、それらをデザインする際にライゲーションプローブにおけるAFLPプライマーの適切な結合部位の組込みによって固定され、かつ判定される。
ハイスループット多重アッセイ(すなわち、1つのサンプルにおける多数の標的配列に対処する(を検出する)ことが可能であり、かつ短時間に多くのサンプルに対処することが可能であるアッセイ)の必要の増大とともに、現行のオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイにおいて使用されるプローブの多くの有利でない態様の1つが、プローブの長さおよび対応するライゲーション産物の長さが増大する傾向である。
現行の方法は、ヌクレオチド当たり98.5%の収率を有するヌクレオチド結合によるオリゴヌクレオチドを提供することが可能である。これは、長さの増大とともに、プローブにおける各ヌクレオチドについて、所望の完全長プローブの収率が低下し、望ましくないプローブ(不完全な合成産物)の量が増大することを意味する。結果として、十分な長さおよび/または十分な純度のプローブを提供するには、アッセイにおける使用前にプローブを精製する追加のステップが必要であり、または代わりの合成方法が必要とされる。
プローブのライゲーション産物の増大する長さは、特に長さに基づく検出システムによる、ただし質量ベースの検出、または交差ハイブリダイゼーションの増大する可能性によるハイブリダイゼーションベースの検出の場合にも不利点も示す。
米国特許第4,988,617号明細書 国際公開第96/15271号パンフレット 国際公開第97/45559号パンフレット 国際公開第97/31256号パンフレット 国際公開第98/03673号パンフレット 国際公開第00/56929号パンフレット 国際公開第00/56927号パンフレット 国際公開第00/40755号パンフレット 米国特許第5,876,924号明細書 国際公開第98/04745号パンフレット 国際公開第98/04746号パンフレット 米国特許第6,221,603号明細書 国際公開第03/054511号パンフレット 米国特許第5521065号明細書 米国特許第5962223号明細書 欧州特許第185494号明細書 欧州特許第246864号明細書 米国特許第6027889号明細書 欧州特許第745140号明細書 欧州特許第964704号明細書 米国特許第20030119004号明細書 米国特許第2003190646号明細書 欧州特許第1313880号明細書 欧州特許第130113号明細書 国際公開第01/61033号パンフレット 国際公開第03/52140号パンフレット 国際公開第03/52141号パンフレット 国際公開第03/52142号パンフレット 欧州特許第534858号明細書 米国特許第6045994号明細書 国際公開第93/06239号パンフレット 国際公開第99/14226号パンフレット 国際公開第00/56748号パンフレット 国際公開第00/66604号パンフレット 国際公開第01/25478号パンフレット 欧州特許第601834号明細書 米国特許第5795763号明細書 米国特許第6635463号明細書 米国特許第6562611号明細書 米国特許第6555357号明細書 米国特許第6458535号明細書 米国特許第6348314号明細書 米国特許第6090606号明細書 米国特許第6090543号明細書 米国特許第6001567号明細書 米国特許第5994069明細書 米国特許第5985557号明細書 米国特許第5843669号明細書 米国特許第5846717号明細書 米国特許第5837450号明細書 米国特許第5614402号明細書 国際公開第94/29482号パンフレット 国際公開第97/27214号パンフレット 国際公開第98/23774号パンフレット 国際公開第98/42873号パンフレット 欧州特許公開第974672号明細書 米国特許第5476930号明細書 国際公開第00/77260号パンフレット 米国特許第5185243号明細書 欧州特許第439182号明細書 欧州特許第320308号明細書 国際公開第W090/01069号パンフレット 欧州特許第534858号明細書 米国特許第6156178号明細書 国際公開第01/04618号パンフレット 特許文献66=国際公開第97/27317号パンフレット 国際公開第97/22720号パンフレット 国際公開第97/43450号パンフレット 欧州特許第0799897号明細書 欧州特許第0785280号明細書 国際公開第97/31256号パンフレット 国際公開第98/08083号パンフレット 国際公開第99/02266号パンフレット 欧州特許第1050588号明細書 国際公開第01/19517号パンフレット 国際公開第02/072263号パンフレット 国際公開第02/072268号パンフレット 国際公開第02/072266号パンフレット 国際公開第03/30163号パンフレット ニルソン(Nilsson)ら、Human mutation、2002年、19、410−415頁 ニルソン(Nilsson)ら、Science 1994年、265:2085−2088頁 ハーデンボル(Hardenbol)、Nat.Biotechnology 2003年、21、673−678頁 バナー(Baner)ら、Nucleic Acids Research、2003年、31、el03頁 Nucleic Acids Research、2003年、30、e57頁 Nucleic Acids Research、2004、32(4)、e47頁 フォス(Vos)ら、Nucl. Acids Res. 1995年、21、4407−4414頁 メインコス(Meinkoth)ら、Anal.Biochem.(1984年)138:267−284頁 イアノン(Iannone)ら(2000年)、Cytometory 39:pp.131−140 サムブルック(Sambrook)とラッセル(Russell)(2001年)「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)(第3版)」、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press) スー(Xu)ら、Nucleic Acid Res.、27:875−81頁(1999年) グリアズノフ(Gryaznov)とレットシンガー(Letsinger)、Nucleic Acid Res.21:1403−08頁(1993年) グリアズノ(Gryaznov)ら、Nucleic Acid Res.22:2366−69頁(1994年) カナヤ(Kanaya)とヤナガワ(Yanagawa)、Biochemistry 25:7423−30頁(1986年) リュプケ(Luebke)とデルファン(Dervan)、Nucleic Acids Res.20:3005−09頁(1992年) シバース(Sievers)とキドロフスキー(Kiedrowski)、Nature 369:221−24(1994年) リユー(Liu)とテイラー(Taylor)、Nucleic Acids Res.26:3300−04頁(1999年) ワング(Wang)とクール(Kool)、Nucleic Acids Res. 22:2326−33頁(1994年) プルマール(Purmal)ら、Nucleic Acids Res.20:3713−19頁(1992年) アシュレー(Ashley)とクシュラム(Kushlan)、Biochemistry 30:2927−33(1991年) チュー(Chu)とオルゲル(Orgel)、Nucleic Acids Res.16:3671−91頁(1988年) ソコロバ(Sokolova)ら、FEBS Letters 232:153−55頁(1988年) ネイラー(Naylor)とジルハム(Gilham)、Biochemistry 5: 2722−28頁(1966) ウー(Wu)とウォリス(Wallace)、1989年、Gene 76:245−254頁 フォス(Vos)ら、Nucleic Acid Research、1995年、第23巻、4407−44014頁 オーズベル(Ausubel)ら、Current Protocols in Molecular Biology、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons,Inc.)(1995年) シェハーブ(Chehab)ら(Proc.Natl.Acad.Sci.米国、86:9178−9182頁(1989年)
本発明者は、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイを調査し、短い、かつ/またはより適応性のある長さのプローブおよび/またはライゲーション産物でのみ同じ品質の同じ量の情報を提供しうるアッセイを提供することを目的とした。これらのプローブが使用されるアッセイを修正し、より適応性を導入することがわれわれの目的の1つである。
一部の実施形態においては、核酸サンプルにおける標的配列の存在、非存在、または量を判定する方法が提供される。一部の実施形態においては、核酸サンプルに、サンプル中の検出すべき各標的配列のための少なくとも1つの第1のプローブおよび少なくとも1つの第2のプローブを提供するステップを含んで成る。一部の実施形態においては、第1のプローブは、標的配列の第1の部と補完的である第1の標的特異的部分を有する。一部の実施形態においては、第2のプローブは、標的配列の第2の部と補完的である第2の標的特異的部分を有する。一部の実施形態においては、標的配列の第1および第2の部は互いに隣接して配置されている。一部の実施形態においては、第2のプローブは、標的部分と実質的に補完的でないタグ部分を含んで成る。一部の実施形態においては、タグ部分はプライマー結合配列を含んで成る。
一部の実施形態においては、第1および第2のプローブの第1および第2の標的特異的部分は、標的配列の第1および第2の部にアニールされる。一部の実施形態においては、プローブの第1および第2の標的特異的部分は、標的配列で隣接してアニールされる。
一部の実施形態においては、隣接してアニールされた第1および第2の標的特異的部分を標的配列に接続し、第1および第2の標的特異的部分が接続されることを可能にし、サンプル中の標的配列に対応する接続プローブを得る手段が提供される。一部の実施形態においては、接続プローブを含んで成る混合物に合成プライマーが提供され、その合成プライマーは、第1の標的特異的部分の少なくとも一部と補完的である部分を含んで成り、かつ第2のプライマー結合部分をさらに含んで成る。
一部の実施形態においては、合成プライマーは第1の標的特異的部分の少なくとも一部にアニールされる。一部の実施形態においては、合成プライマーは伸長される。一部の実施形態においては、第1のプライマー結合部分と実質的に同一の配列を有する第1のプライマーと、第2のプライマー結合部分と補完的である第2のプライマーとを含んで成る一連のプライマーが提供される。一部の実施形態においては、結果として生じる混合物を増幅し、接続プローブを示すものである単位複製配列を含んで成る増幅サンプルを得る。一部の実施形態においては、サンプルにおける標的配列の存在、非存在、または量は、対応する単位複製配列の存在、非存在、または量を検出することによって判定される。量は標準と比べて測定されうる。
本発明は、核酸サンプルにおける(a)標的配列の存在、非存在、または量を検出するための適応性のあるハイスループット、多重化方法を提供する。この方法は、標的配列を一連の少なくとも2つのプローブ、標的配列の第1の部と補完的である部分を含有する第1のプローブ、および標的配列の第2の部と補完的である部分を含有する第2のプローブと接触させるステップを含んで成る。2つのプローブがアリールされ、または隣接してハイブリダイズされると、それらはライゲートされ、サンプルにおける標的配列に対応する接続プローブを生じうる。第1の標的特異的部分の少なくとも一部と補完的である部分を含んで成り、かつ第2のプライマー結合部位をさらに含んで成る合成プライマーが提供される。合成プライマーは、第1のプローブの第1の標的特異的部分の一部にハイブリダイズされる。ハイブリダイゼーションと同時に合成プライマーは伸長される。伸長合成プライマーは、対応する第1および第2のプライマー結合部位と補完的な一連の第1および第2のプライマーを使用して増幅される。増幅により、接続された(またはライゲートされた)プローブを示すものである単位複製配列を含んで成る増幅サンプルが得られる。標的配列の存在の判定は、増幅サンプルにおける対応する単位複製配列の存在を検出することによる。
1つの好ましい実施形態においては、本発明は核酸サンプルにおける標的ヌクレオチドの存在、非存在、または量を判定するための方法に関し、前記方法は、
a)核酸サンプルに前記サンプル中で検出すべき各標的配列(T)のための第1のプローブ(1)を提供し、それによって前記第1のプローブが標的配列(5)の第1の部と補完的である第1の標的特異的部分(4)を有し、かつ前記サンプル中で検出すべき各標的配列のための第2のプローブ(2)を提供し、それによって前記第2のプローブが標的配列(7)の第2の部と補完的である第2の標的特異的部分(6)を有し、それによって前記標的配列の第1および第2の部が互いに(3)隣接して配置され、それによって前記第2のプローブが、前記標的配列に実質的に非補完的であるタグ部分(8)をさらに含んで成り、それによって前記タグ部分が第1のプライマー結合配列(10)を含んで成るステップと、
b)前記第1および第2のプローブの前記第1および第2の標的特異的部分を、前記サンプル中に存在する各標的配列の前記第1および第2の部にアニールさせ、それによって前記プローブの前記第1および第2の標的特異的部分が前記標的配列上で隣接してアニールされるステップと、
c)前記標的配列に隣接してアニールされた前記第1および第2の標的特異的部分を接続し、かつ前記第1および第2の標的特異的部分を接続させ、前記サンプル中の標的配列に対応する接続プローブ(11)を生成する手段を提供するステップと、
d)ステップc)から結果として生じる混合物に、前記第1の標的特異的部分の少なくとも一部と補完的である部分(15)および第2のプライマー結合部分(14)を含んで成る合成プライマー(12)を提供するステップと、
e)前記合成プライマーを前記第1の標的特異的部分の少なくとも一部にアニールさせるステップと、
f)前記合成プライマーを伸長するステップと、
g)前記第1のプライマー結合部分と実質的に同一の配列を有する前記第1のプライマー(18)と、前記第2のプライマー結合部分と補完的である第2のプライマー(17)とを含んで成る一連のプライマーを提供するステップと、
h)結果として生じる混合物を増幅し、前記接続プローブを示すものである単位複製配列(19)を含んで成る増幅サンプルを得るステップと、
i)前記対応する単位複製配列の存在、非存在、または量を検出することによって前記サンプルにおける標的配列の存在、非存在、または量を判定するステップと
を含んで成る。
本発明者は、OLA/ライゲーションベースの配列検出法を、とりわけ、長さベースの検出プラットフォームにマッチさせ、さらに、AFLPに基づく選択的増幅プライマーと組合せた選択的ヌクレオチドを含有するライゲーションプローブを使用することによって提供される以上に、ライゲートしたプローブの組合せに関するより(または増大した)適応性を提供することが有利である、ライゲートしたプローブの増幅可能なサブセットの組成物の適応性を提供した。
本発明は、ライゲートしたプローブの増幅の初期段階に対する共通の5’テール配列を有する多様なプライマーを提供することによってこの解決法を提供する。これらのプライマーはそれぞれ、1つもしくはそれ以上のライゲーションプローブにおける遺伝子座(または対立遺伝子)特異的配列など単一に標的配列に対して標的される。増幅プライマーのこの多様性は、好ましくはモル過剰の、多様なプライマーの5’テール配列と実質的に同様の配列を有する単一の増幅プライマー、好ましくはモル過剰の、共通の逆プライマーとともに提供され、好ましくは最高のモル濃度に存在する2つのプライマーによって増幅のその後の段階における強力な共増幅を保証する。
この方法の別の利点は、(化学的)合成ライゲーションプローブの長さが短く、これがライゲーションプローブのより高い収率および品質、かつ/または合成法によって与えられる長さの上限が示されるライゲーションステップでのより高い多重化レベルを可能にすることである。これは多数のヌクレオチドが一方(または両方)のプライマー結合領域がライゲーションプローブ配列から削除されうる場合にサイズスタッファーに割り当てられうる。
総合すれば、これらの利点は、長さベースの検出プラットフォームでの完全に適応性のある方法で多重化ライゲーションベースの配列検出の使用を保証するが、依然として第1のステップとしての高い多重化ライゲーション反応の利点を維持し、これは多くの異なる配列または多型の検出が必要である場合でも、低量の標的核酸/生体サンプルの要件を保証する。
方法のステップa)においては、各標的配列の少なくとも1つの第1のプローブが核酸サンプルに提供される。第1のプローブは第1の標的特異的部分を含有する。第1の標的特異的部分は標的配列の第1の部と補完的である。核酸サンプルにはさらにサンプル中で検出すべき各標的配列の少なくとも1つの第2のプローブが提供される。第2のプローブは、標的配列の第2の部と補完的である部分を含んで成る。好ましくは、標的配列の第1および第2の部は実質的に互いに隣接して配置されている。第2のプローブは、標的配列と実質的に非補完的であるタグ部分をさらに含んで成る。タグ部分は第1のプライマー結合部分を含んで成る。
ステップb)においては、第1および第2のプローブの第1および第2の標的特異的部分が、標的配列のそれぞれ第1および第2の部にアニールされる。アニーリング(またはハイブリダイゼーション)は、本明細書で別記例示されているアニーリングに適切な条件下に行われる。好ましくは、プローブの第1および第2の標的特異的部分は標的配列で隣接してアニールされる。一部の特異的実施形態においては、プローブの第1および第2の標的特異的部分は、ギャップライゲーションで例示されているように標的配列で隣接してアニールされない。
ステップc)においては、それらが隣接してアニールされるとプローブの第1および第2の標的特異的部分を接続する(またはライゲートする)ための手段が提供される。手段が化学的ライゲーション手段または酵素ライゲーション手段でありうる。かかる酵素手段の例が、以下で例示されているようにリガーゼなどの酵素である。プローブの第1および第2の標的特異的部分は接続されることが可能である。プローブの第1および第2の標的特異的部分の接続は結果として、サンプル中の標的配列に対応する接続プローブがもたらされる。接続プローブは、「第1標的特異的部分−第2標的特異的部分タグ部分」として記載されうる。
ステップd)においては、合成プライマーが提供される。合成プライマーは、第1の標的特異的部分の少なくとも一部と補完的である部分を含んで成る。この部分は、第1の標的特異的部分全体、または第1の標的特異的部分全体の50、60、70、80、または90%など、その一部のみと補完的でありうる(全ヌクレオチドの最も近い数に丸められる)。この部分は、好ましくは、接続プローブに沿って化合物プローブの特異的伸長を可能にするために、選択的に第1のプローブの第1の標的特異的部分の対応する部にハイブリダイズするが、サンプル中の他のオリゴヌクレオチドにはハイブリダイズしないほどに大きい。合成プライマーは、第2のプライマー結合部分を含んで成る。
ステップe)においては、合成プライマーは第1のプローブの第1の標的特異的部分の少なくとも一部にアニールすること可能である。合成プライマーは、本明細書で別記されているようにアニーリングに適切な厳密性条件下にアニールすることが可能である。好ましくは、合成プライマーは、選択的に第1のプローブにアニールし、他の標的配列を含めてサンプル中の他のオリゴヌクレオチドにはアニールしない。一部の実施形態においては、標的配列は酵素的に除去されてこれを達成する。好ましくは、接続プローブおよび標的配列の二本鎖は合成プライマーのアニーリング前に変性される。
ステップf)においては、合成プライマーは、好ましくは、ポリメラーゼなど酵素の存在下、かつ好ましくは、dNTPの存在下に伸長される。合成プライマーはテンプレートとして接続プローブを使用して伸長される。結果は伸長合成プライマーである。伸長合成プライマーはライゲーション産物(接続プローブ)を表すとともに、サンプル中の標的配列を表す。伸長合成プライマーは、概略的に「第2プライマー結合部位−第1標的特異的部分−第2標的特異的部分−タグ部分」として記載されうる。一部の実施形態においては、伸長合成プライマーは「第2プライマー結合部位−(任意の第2識別子)−第1標的特異的部分−第2標的特異的部分−(第1識別子)−第1プライマー結合部位」として記載されうる。
ステップg)においては、一連のプライマーが提供される。このセットは、第2のプローブにおける第1のプライマー結合部位と実質的に同一である第1のプライマーと、第2のプライマー結合部分にアニーリングが可能な第2のプライマーとを含んで成る。第1のプライマーは、第1のプライマー結合部分と実質的に同一である。第1のプライマーは、増幅が第1のプライマー結合部分の補完物から開始されうるように第1のプライマー結合部分の補完物にアニーリングが可能である。両方のプライマーは増幅を開始させることが可能である。プライマー、および選択的プライマーは本明細書で別記されている。
一部の実施形態においては、合成プライマーおよびプライマーがステップc)後に得られた混合物に同時に、すなわち、同時および/または一度に提供される。かかる好ましい実施形態においては、プライマーは、好ましくは、ステップc)後に得られる混合物に合成プライマーの伸長前に添加され、すなわち、ステップg)は、好ましくは、ステップf)前に行われ、かつ/またはステップd)およびg)は、好ましくは、ステップe)およびf)前に行われる第1のステップに混合されうる。一部の実施形態においては、合成プライマーの伸長と伸長合成プライマーの増幅は単一のステップに混合される。一部の実施形態においては、第1、第2の、または第1および第2のプライマーの合成プライマーとのモル比は、1〜100,000である。一部の実施形態においては、モル比は2〜10,000である。一部の実施形態においては、モル比は5〜1000である。一部の実施形態においては、モル比は10〜100である。
一部の実施形態においては、化合物プローブの第1または第2のプローブとのモル比は、1〜1000であり、好ましくは、5〜500であり、より好ましくは、10〜100であり、最も好ましくは、25〜50である。
ステップh)においては、ステップg)から結果として生じる混合物は増幅される。好ましくは、伸長合成プライマーおよび接続プローブの二本鎖は増幅の開始前に変性される。増幅は、直線的または指数関数的に、核酸配列を増幅するための広範囲の方法を包含する。例示的な増幅法としては、PCRまたはプライマー伸長ステップを使用する他の方法、および転写または少なくとも1つのRNA転写産物を生成する他の方法が挙げられるが、これらに限定されない。増幅の他の非限定的な例はリガーゼ検出反応(LDR)、およびリガーゼ連鎖反応(LCR)である。増幅法は、熱サイクルを含んで成り、または等温敵に実行されうる。結果として生じる混合物は増幅サンプルである。増幅サンプルは、伸長合成プライマーの増幅の結果である単位複製配列を含んで成る。単位複製配列は、伸長プライマーによって、接続プローブを示すものであり、したがって検出すべき標的配列を示すものである。
ステップi)においては、標的配列の存在または非存在は、対応する単位複製配列の存在または非存在を判定することによって検出される。検出は、原則として、長さ(または移動度)、質量、または配列(ハイブリダイゼーションベース)に基づくものを含む多数の検出プラットフォームで可能である。検出は、(i)アドレス可能な支持体での特異的アドレス(すなわち、(マイクロ)アレイでの位置)で、(ii)特定の長さまたは移動度アドレスを占有することにより、または(iii)特定の質量アドレスを占有することにより、特定の単位複製配列または単位複製配列の一部の存在、非存在、または量の確認に基づく。一部の実施形態においては、検出は、単位複製配列における標識の存在、非存在、または量の検出に基づきうる。
本発明のさまざまな態様は、本明細書の以下でより詳しく論じられる。
プローブ
標的配列と補完的であるオリゴヌクレオチドプローブの部分は、サンプル中の各標的配列のために、第1および第2のプローブが提供され、それによってプローブが各々、標的配列の部と補完的である部分を含有し、かつ標的配列の対応する補完的部が実質的に互いに隣接して配置されるようにデザインされている。一部の実施形態においては、第1と第2のプローブの組合せは、オリゴヌクレオチドプローブの対合としてみなされる。一部の実施形態においては、1つもしくはそれ以上の合成プライマーとのプローブの対合の組合せは一連のプローブとしてみなされる。
一部の実施形態においては、オリゴヌクレオチドプローブの対合内では、第1のオリゴヌクレオチドプローブは、標的配列の第1の部と補完的であるその5’末端で部分を有し、かつ第2のオリゴヌクレオチドプローブは標的配列の第2の部と補完的であるその3’末端で部分を有する。したがって、プローブの対合が標的配列の補完的部にアニールされると、第1のオリゴヌクレオチドプローブの5’末端は、2つのプローブのそれぞれの端がライゲートされ、ホスホジエステル結合を形成し、または別の適切な方法で共有結合的に接続するように、第2のオリゴヌクレオチドプローブの3’末端に実質的に隣接する。図2Aも参照。
したがって、本発明の方法においては、好ましくは、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドプローブの対合が使用される。しかし、一部の実施形態においては、特にギャップライゲーションにおいて2つのプローブの対合は第3のもしくは別のオリゴヌクレオチドプローブで補完されうる。これは依然としてプローブの対合とみなされる。かかる場合、第3のもしくは別のオリゴヌクレオチドプローブは、好ましくは、検出すべき標的配列と補完的な1つもしくはそれ以上のヌクレオチド配列を含んで成り、またはより好ましくは、それらから成り、第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブといっしょに標的配列との有効なハイブリダイゼーションとともに、第1、第2、第3、および別のプローブが接続またはライゲートされ、接続プローブを形成するようになっている(下記参照)。
好ましくは、多重セットのプローブのグループが第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブを含んで成り、合成プライマーが提供され、ここで各対合がサンプル中の異なる標的配列と補完的であり、標的配列の多様性の検出を可能にするように提供される。サンプル中の所定の標的配列一連のオリゴヌクレオチドプローブは、他の標的配列のプローブセットとヌクレオチド配列において少なくとも異なり、かつ好ましくは、他の標的のプローブセットと長さにおいても異なり、より好ましくは、所定の標的のプローブセットは、下記のようにサンプル中の他の標的に対応する接続プローブと長さにおいて異なる接続プローブおよび/または増幅接続プローブ(接続プローブの任意の増幅後に得られる単位複製配列)を生じる。あるいは、異なる標的に対応する接続プローブおよび/または単位複製配列は、それらが別のやり方で、例えば、下記のように異なる標識によって区別されうる場合は、同一の長さを有しうる。あるいは、接続プローブおよび/または単位複製配列は、それぞれ、標識プローブもしくはアレイによるハイブリダイゼーションベースの方法または質量分析を使用する、長さではなく配列または質量に基づき区別されうる。
本発明のプローブにおける評定特異的部分は各々独立して、約15〜35、好ましくは、18〜32、より好ましくは、20〜30個のヌクレオチドを含んで成る。
一部の実施形態においては、標的特異的部分は、少なくとも1つの対立遺伝子特異的ヌクレオチドを、好ましくは、第1のプローブのリン酸化5’末端に隣接した標的部分の3’末端で含有する(図4)。これは特異的SNPまたは遺伝子座の対立遺伝子の検出を可能にする。対立遺伝子特異的ヌクレオチドが標的配列に存在すると、2つのプローブは接続プローブにライゲートされうる対応二本鎖を形成する。接続プローブ、または対応する単位複製配列の検出は、サンプル中のその特異的対立遺伝子の存在を示す。
一実施形態においては、サンプルには1つもしくはそれ以上のグループの一連のプローブ、好ましくは、2つもしくはそれ以上の、より好ましくは、3つもしくはそれ以上のグループの一連のプローブが提供されうる。各々のグループを他のグループからの1つのみを選択的に増幅することが可能な少なくとも1つのプライマーと結合することによって、1つのライゲーションアッセイが異なるグループの標的配列の検出に使用されうるようにスループットのさらなる増大を得ることができる。一連のプローブを1つのステップにおいてサンプルに提供することができ、またはセットにおける各プローブがサンプルに個別に提供されうる。多重プローブセットを含んで成るグループには、各タイプのプローブ(第1、第2、または合成プライマー)が別々に添加されうる。
第1のプローブ
第1のプローブは、検出すべきサンプル中の標的配列核酸の第1の部と補完的である標的特異的部分を含んで成る。一部の実施形態においては、第1のプローブは、標的配列と補完的ではないタグ部分を含有する。タグ部分はライゲート産物の中間単離または精製に役立ちうる。一部の実施形態においては、タグ部分はGCが豊富な配列またはZIP配列を含んで成る。一部の実施形態においては、タグ部分はビオチンなどの親和性リガンドを含んで成る。一部の実施形態においては、第1のプローブはエクソヌクレアーゼ耐久性であり、ライゲートされていないプローブの除去を可能にする。一部の実施形態においては、第1のプローブはプライマー結合配列を含んで成ることがない。一部の実施形態においては、第1のプローブは、検出すべきサンプル中の標的配列核酸の第1の部と補完的である標的特異的部分を含んで成る。一部の実施形態においては、第1のプローブは、核酸サンプル中の他の(標的)配列とハイブリダイズすることが可能ではない。
第2のプローブ
第2のプローブは、標的配列の部と補完的である標的特異的部分を含んで成る。第2のプローブは、標的部分と実質的に非補完的であるタグを含んで成る。好ましくは、タグ部分は標的配列とハイブリダイズすることが可能ではない。好ましくは、タグ部分も核酸サンプル中の他の(標的)配列とハイブリッド可能ではない。
タグ部分は第1のプライマーケツゴウ部位を含んで成る。一部の実施形態においては、識別子配列がプライマー結合部位と標的特異的部位との間に位置している。接続プローブおよび/または単位複製配列における識別子配列の存在は、サンプル中の標的配列の存在の識別を提供する。一部の実施形態においては、識別子は、異なる標的配列の存在が電気泳動法など長さ(または移動度)ベースの検出に基づくように、サンプル中の異なる標的配列に対するプローブの異なるセット間の長さの差を提供する。一部の実施形態においては、識別子は、異なる標的配列の存在がアレイなど配列ベースの検出に基づくようにサンプル中の異なる標的配列に対する異なるプローブ間の配列差を提供する。一部の実施形態においては、識別子は、異なる標的配列の存在がMaldi−TOFなど質量ベースの検出に基づくようにサンプル中の異なる標的配列に対する異なるプローブ間の質量差を提供する。
一部の実施形態においては、タグ部分は制限エンドヌクレアーゼの認識部位を含んで成りうる。かかる制限部位の存在は、さらに単位複製配列のサイズを減少させ、したがってさらに質量ベースまたは長さベースの検出法の処理能力を増大させる。
合成プライマー
合成プライマーは、第1のプローブの標的特異的部分の少なくとも一部をと補完的である第1のプローブ特異的部分を含んで成る。一部の実施形態においては、第1のプローブ特異的部分は標的配列の第1の部の少なくとも一部と実質的に同一である。合成プライマーの第1のプローブ特異的部分は、第1のプローブの標的特異的部分と補完的である少なくとも4または少なくとも8、好ましくは、少なくとも10、より好ましくは、少なくとも12個のヌクレオチド、特に、少なくとも15、より好ましくは、少なくとも18、かつ最も好ましくは、少なくとも20個のヌクレオチドを含有する。
一部の実施形態においては、合成プライマーは、第2のプライマー結合部位をさらに含んで成る。第2のプライマー結合部位は、適切な厳密性の条件下に第2のプライマーにアニーリング可能である。
一部の実施形態においては、合成プライマーは、第2の識別子配列をさらに含んで成る。一部の実施形態においては、第2の識別子は唯一の識別子配列である。一部の実施形態においては、第2の識別子と第1の識別子の組合せは、識別子配列を独自に識別するのに役立つ。一部の実施形態においては、第2の識別子と第1の識別子の組合せは、1つの標的配列に対応する単位複製配列を異なる(別の)標的配列に対応する別の(異なる)単位複製配列と判別するのに役立つ分子量、長さ、または配列の差を提供する。
一部の実施形態においては、合成プライマーは、第2のプローブの標的特異的部分の少なくとも一部と補完的である第2のプローブ特異的部分をさらに含んで成る。一部の実施形態においては、第1のプローブ特異的部分および第2のプローブ特異的部分は隣接して配置されている。合成プライマーはライゲートした第1および第2のプローブにアニーリングすることが可能であり、それによってライゲーションのポイントを貫通する。ライゲーションのポイント貫通するライゲートしたプローブにアニーリングすることによって、プローブがライゲートされている場合のみこれが起こりうると追加の識別ステップが導入される。さらに、追加の利点が、伸長合成プライマーおよび対応する単位複製配列は長さが短く、それによってアッセイの適応性および多重能を増大させる。図3A、図3Bを参照。
合成プライマーの第2のプローブ特異的部分は、第1のプローブの標的特異的部分と補完的である少なくとも4または少なくとも8、好ましくは、少なくとも10、より好ましくは、少なくとも12個のヌクレオチド、特に、少なくとも15、より好ましくは、少なくとも18、かつ最も好ましくは、少なくとも20個のヌクレオチドを含有する。一部の実施形態においては、結合した第1および第2のプローブ特異的部分は、結合した第1および第2にプローブの標的特異的部分と補完的である少なくとも8、好ましくは、少なくとも10、より好ましくは、少なくとも20個のヌクレオチド、特に少なくとも25、より好ましくは、少なくとも30、かつ最も好ましくは、少なくとも40個のヌクレオチドを含んで成る。
半環状プローブ
本発明の態様の1つは、サンプル中で検出すべき各標的ヌクレオチド配列の少なくとも一対の第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブを提供し、それによって第1のオリゴヌクレオチドプローブは、その5’末端で標的配列の第1の部と補完的である部分を有し、第2のオリゴヌクレオチドプローブはその3’末端で標的配列の第2の部と補完的である部分を有し、それによって第1のオリゴヌクレオチドプローブは、第2のオリゴヌクレオチドプローブに配置された補完的クランプ部分とハイブリダイズすることが可能であるクランプ部分をさらに含んで成り、それによってクランプ部分は標的配列と実質的に非補完的であり、オリゴヌクレオチドプローブを標的配列にアニールすることが可能であるステップと、第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブを接続するための手段を提供し、標的配列の隣接部分とハイブリダイズされると第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブが接続されることを可能にし、サンプル中の標的配列に対応する接続プローブを生成するステップと、第1のプローブの第1の標的特異的部分の少なくとも一部および場合により第2のプローブの第2の標的特異的部分の少なくとも一部と補完的である部分および第2のプライマー結合部分を含んで成る合成プライマーを提供し、合成プライマーを第1のプライマーの第1の標的特異的部分の少なくとも一部、および場合により第2のプライマーの第2の標的特異的部分の少なくとも一部にアニールすることを可能にするステップと、合成プライマーを伸長するステップと、第1のプライマー結合部分と実質的に同一の配列を有する第1のプライマーと、第2のプライマー結合部分と補完的である第2のプライマーとを含んで成る一連のプライマーを提供するステップと、結果として生じる混合物を増幅し、接続プローブを示すものである単位複製配列を含んで成る増幅サンプルを得るステップと、対応する単位複製配列の存在、非存在、または量を検出することによってサンプル中の標的配列の存在、非存在、または量を判定するステップを含んで成るサンプルにおける標的ヌクレオチド配列を検出するための方法に関する。
本発明の態様の1つは、第1の標的部分(T1)および第1のクランプ部分(C1)を含んで成る第1のプローブ(P1)と、第1および第2のクランプ部分(C1、C2)が互いにハイブリダイズが可能である第2の標的部分(T2)および第2のクランプ部分(C2)を含んで成る第2のプローブ(P2)と、合成プライマーとを含んで成る一連のオリゴヌクレオチドプローブ(K)に関する(図6を参照)。
一実施形態においては、本発明は、
−第2のオリゴヌクレオチドプローブ(P2)の第2のクランプ部分(C2)とハイブリダイズすることが可能である第1のクランプ部分(C1)を含んで成る第1のオリゴヌクレオチドプローブ(P1)、および検出すべき標的DNA配列(D)の第1の部分(S1)をハイブリダイズすることが可能である第1の標的部分(T1)と、
−第1のオリゴヌクレオチドプローブ(P1)の第1のクランプ部分(C1)とハイブリダイズすることが可能である第2のクランプ部分(C2)を含んで成る第2のオリゴヌクレオチドプローブ(P2)、および検出すべき標的DNA配列(D)の第2の部分(S2)をハイブリダイズすることが可能である第2の標的部分(T2)と、
−第1の標的特異的部分および第2のプライマー結合部分の少なくとも一部と補完的である部分を含んで成る第3のオリゴヌクレオチド合成プライマーと
を含んで成る一連のオリゴヌクレオチドプローブ(K)に関する。
この一連のプローブが、ハイブリダイズ条件下、標的配列を含んで成るサンプルと接触されると、プローブの2つの標的部分T1およびT2は標的DNA配列の第1のS1および第2のS2部分とハイブリダイズする。
クランプ部分C1およびC2が、T1およびT2が標的DNA配列とハイブリダイズする条件下に、C1およびC2も互いにハイブリダイズしてクランプを形成するようにデザインされている。ここでハイブリダイズされたプローブの構成は、クランプを有する南京錠プローブに(標的特異的ハイブリダイゼーション特性の点で)似ている。ライゲーション後、合成プライマーはライゲートまたは接続プローブにアニールしうるとともに、本明細書で別記されているように接続プローブに沿って伸長しうる。伸長プローブは、本明細書で別記されているように増幅されうる。
本明細書で別記された本発明の利点に加えて、本発明のプローブは、好ましいハイブリダイゼーション動態の点で南京錠(環状化可能)プローブの有利なハイブリダイゼーション特性を有するが、伸長または増幅ステップ中のコンカテマー形成の非存在下の点でリニアハイブリダイゼーションプローブの有利な特性も有する。したがって、本発明のプローブは、異なるプローブ型の利点を結合する。本発明のプローブは、従来の化学合成または他の技術を使用して確実に合成されうる範囲内にある長さを有し、これは重要な経済的利点である。別の利点が、本発明のプローブは品質(すなわち純度)が良好であり、それによって(長い)南京錠プローブと比べ、プローブの追加の精製が回避されることであり、これはかかるプローブが信号対雑音比を大幅に削減することが可能である技術上の利点と関係している。したがって、本発明のプローブは、環状式/南京錠プローブの有利な特性を比較的短い長さのリニアオリゴヌクレオチドの有利な合成および純度/品質と結合する。
したがって、標的配列の検出のための本発明の方法は、リニアおよび南京錠プローブの利点から恩恵を受けると同時に、長いオリゴヌクレオチド(南京錠プローブ)の煩雑な合成および検出すべき標的配列の標的部分とのハイブリダイゼーションにおける連結されていないリニアプローブの対合の好ましくないハイブリダイゼーション動態を回避する。
オリゴヌクレオチドプローブの対合は、サンプルにおける各標的配列のために、第1のプローブ(P1)および第2のプローブ(P2)を含んで成る対合が提供されようにデザインされており、それによってプローブは各々、標的配列(S1、S2)の一部と補完的であるその両端の1つで部分(T1、T2)を含有する。好ましくは、標的配列の補完的部(S1、S2)は実質的に互いに隣接して配置されている。しかし、本発明の一部の実施形態においては、一部の実施形態においてはプローブにおける補完的部(S1、S2)の両端は標的配列上に互いに隣接して配置されていない。かかる実施形態は、例えば、ギャップライゲーションとして本明細書で別記されている実施形態を含む。
オリゴヌクレオチドプローブの対合内で、第1のオリゴヌクレオチドプローブは、標的配列の第1の部S1を補完的であるその(リン酸化)5’末端で部分T1を有し、対合での第2のオリゴヌクレオチドプローブは標的配列の第2の部S2と補完的であるその(水酸化)3’末端で部分T2を有する。したがって、プローブの対合が標的配列の補完的部(S1、S2)にアニールされると、第1のオリゴヌクレオチドプローブの5’末端は、好ましくは、第2のオリゴヌクレオチドプロモーターの3’末端に隣接しており、2つのプローブのそれぞれの端がライゲートされ、適切な方法でホスホジエステル結合または別の共有結合を形成し、「接続プローブ」を提供するようになっている。
サンプル中の存在、非存在、または量が判定される各標的配列では、第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブの特異的対合が上記の各標的配列の補完的部と補完的な部分でデザインされている。したがって、本発明の方法においては、サンプル中に存在する各標的配列ために、対応する特異的接続プローブを得ることができる。
クランプ
クランプ部分は、好ましくは、標的部分より遠位であるプローブの端またはその近くに配置されており、すなわち、標的部分が3’末端に配置されていると、クランプ部分はより5’末端の方に配置されており、また逆の場合も同じである。クランプ部分は必ずしも最も遠位の5’末端または3’末端に配置されておらず、本明細書で別記されている他の部分によって追随されうる。クランプ部分は、好ましくは、標的部分とハイブリダイズすることが可能でないようにデザインされている。対合の第1および第2のクランプ部分は、互いとハイブリダイズすることが可能である。クランプ部分は、好ましくは、2つのクランプ部分が、標的ヌクレオチド配列におけるその補完的部に対するプローブの標的部分の結合親和性よりも互いに対してより高い結合親和性を有するようにデザインされている。これは、実際に、クランプ部分が、互いとハイブリダイズされると、標的ヌクレオチド配列における標的部分とその補完物との間のハイブリッドよりも強い二本鎖を形成し、かつ/または補完的クランプのハイブリダイゼーションが、プローブの標的との標的補完的部分のハイブリダイゼーションよりも高い温度で起こることを意味する。言い換えれば、ハイブリダイズされたクランプ部分は、そのほかの点では同等の条件下に、プローブの対合における標的補完的部分の変性温度よりも高い温度または高い厳密性条件で変性する。これは、ハイブリダイズまたはロックされたクランプが少なくともプローブが接続されて接続プローブを生じるまでハイブリダイズまたはロックされたままであるように本発明の方法中に条件の選択を可能にする。ロックされたクランプは、ロックされたクランプの変性を可能にする温度または条件下に接続プローブを変性することによって開放されうる。
ロックされたクランプを有する一対のプローブは、環状または南京錠プローブと同様または同一のハイブリダイゼーション動態および挙動を表す。2つのプローブの対合をクランプ部がサンプル中で互いとハイブリダイズされた後に別々に追加され、あるいは、2つのプローブはサンプルに追加される前にロックされうる。
好ましい実施形態においては、クランプは、T1またはT2部分の最低のTmと比べ少なくとも1℃、好ましくは、5℃、より好ましくは、10℃、対合のプローブにおける標的補完的部分の変性温度を上回る変性温度(または融解温度、Tm)を有する。オリゴヌクレオチド配列の変性温度は、Tm=(4GまたはC)+(2AまたはT)またはTm=(4G/C)+2A/T)−5℃の一般式を使用するヌクレオチド組成物から計算/推定されうる(非特許文献8)。他の式が、本質が部分間の変性温度の差にあるように同様に適用可能である(Tm[クランプ]−Tm[標的])。これはクランプ部分の長さを変えるだけではなく、GC塩基対合がAT塩基対合と比べ約2℃、Tmを増大させるとクランプのGC含量を変えることによっても達成されうる。典型的なクランプ部分は、10〜30、好ましくは、15〜25、かつより好ましくは、18〜24個のヌクレオチドを含んで成る。GC含量が低い場合、このヌクレオチドの数が所望のハイブリダイズ特性が得られる限り増大しうる。あるいは、2つのクランプ部分間でハイブリダイズを増大させる修飾ヌクレオチドが使用されうる。その例は、例えば、特許文献32、特許文献33、特許文献34、および特許文献35に開示されているロックされた核酸、ペプチド核酸、または欧州特許第0974672号明細書に記載されているものなど小さなグルーブ結合剤などDNAハイブリダイゼーションを安定化または増強する他の分子によって改善されたハイブリダイゼーション特性を有するヌクレオチドである。
クランプのGC含量は変動しうるが、ここでクランプ部分のGC含量は、50ないし100%、好ましくは60%より多く、より好ましくは、70%より多く、最も好ましくは、80%よりも多く、好ましくは、90〜100%である。したがって、ほとんどのクランプ部分は、より偶発的に、または構造的理由でA/T組合せを含有する。好ましいグループのクランプ部分はGCが豊富なZIP配列である(非特許文献9)。好ましくは、クランプ部分は、T1およびT2の各々以上のGおよびCより成る群から選択される、少なくとも1個、好ましくは、少なくとも2、3、4、または5個のヌクレオチドを含んで成る。
好ましい実施形態においては、対合のグループが含まれると、各グループの各対合に異なるクランプ部分が提供されうる。クランプ部分は、第1の対合のグループのためのクランプ、および第2または別の対合のプローブのためのクランプが互いに判別可能であり、好ましくは、ライゲーションアッセイで使用される条件下に互いと交差ハイブリダイズすることがないようにデザインされている。各対合のプローブは独自のクランプを含んで成り、それによってサンプル中の異なる対合のプローブのクランプ間で交差ハイブリダイゼーションを回避する。このために、クランプ部分は追加のヌクレオチドを含んで成りうるし、またはクランプ部分のオリゴヌクレオチド配列はグループ内で唯一でありうる。グループにおけるプローブの各対合の唯一のクランプ部分の使用は、同時に1つのサンプルにおける多重標的配列の検出を可能にする。この実施形態は、プローブの対合の同じ収集物を使用することにより、その後に多重サンプルにおける1つもしくはそれ以上の異なる標的配列の検出をも可能にする。この実施形態は、プローブの対合の同じグループが異なる標的配列の検出のために何回も繰り返して使用されうることをさらに可能にする。
好ましくは、プローブの対合のグループにおいて異なるクランプを使用すると、これらのクランプは、小さな範囲内、好ましくは、約60〜70℃、より好ましくは、65〜88℃、最も好ましくは、70〜85℃であるTmを有する。周知のように、核酸のハイブリダイゼーション特性は、塩濃度によっても影響される。本明細書で使用される、一般のハイブリダイゼーション特性または特にオリゴヌクレオチドの変性温度の比較は、注釈がない限り、同等の塩濃度とみなされる。
本発明において使用されうる代わりのクランプは、光分解性の連結を含有する核酸である。ライゲーション後、光分解性連結は除去され、接続プローブは増幅および/または検出されうる。
第1および第2のプローブのライゲーション後、クランプは場合により変性されうる。合成プライマーが、本明細書で別記されているように提供されうるとともに、接続プローブにアニールされうる。合成プライマーの伸長は、本明細書で別記されているように増幅されうる伸長合成プライマーを提供する。図6も参照。一部の実施形態においては、第1および第2のプローブの1つのみが第1のプローブ結合部位を含有する。一部の実施形態においては、合成プライマーは、実質的に本明細書で別記されているように、第2のプライマーを含有する。
クリーブアーゼ(Cleavase)ライゲーション
本発明の一態様においては、ライゲーション前に追加の識別ステップが導入されうる。一部の実施形態においては、対合の第1または第2のオリゴヌクレオチドプライマーは、2つのプローブの1つがその標的特異的部分のライゲーションの予測点を越えて伸長されるようにデザインされている。好ましくは、プローブは標的配列と補完的ではない配列で伸長される。2つのプローブの標的特異的部分が標的配列に正確にアニーリングする場合、フォーク形の開裂構造が形成され、ここで非伸長プローブの標準特異的部分の3’末端は標的配列にアニールされると同時に、標的配列と非補完的である他のプローブの伸長5’末端は一本鎖アームを形成する(図7A参照)。こうして得られるフォーク形の開裂構造は、DNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性のための基質であり、本明細書では開裂剤、またはクリーブアーゼと呼ばれる。好ましいクリーブアーゼが、5’ヌクレアーゼ活性を有するが、合成活性またはFENエンドヌクレアーゼを欠く修飾DNAポリメラーゼである。かかるフォーク形の開裂構造およびかかるクリーブアーゼの例が、特許文献36および特許文献37(サード・ウェーブ・テクノロジーズ社(Third Wave Technologies))に記載されている。
一部の実施形態においては、クリーブアーゼはネイティブDNAポリメラーゼでありうるが、好ましくは、クリーブアーゼはDNAポリメラーゼの合成活性を欠く修飾形態である。5’ヌクレオチド活性を有し、かつその合成活性を不活性化するように修飾されうる適切なDNAポリメラーゼは、例えば、Thermus thermophilus、Thermus aquaticus、大腸菌(Escherichia coli)、およびThermus flavus由来のポリメラーゼ、もしくはバクテリオファージT7またはFENエンドヌクレアーゼからの遺伝子6産物の修飾形態である。他の適切なクリーブアーゼは、とりわけ、特許文献38、特許文献39、特許文献40、特許文献41、特許文献42、特許文献43、特許文献44、特許文献45、特許文献46、特許文献47、特許文献48、特許文献49、特許文献50、特許文献51、特許文献52、特許文献53、特許文献54、特許文献55において言及されている。
適切なクリーブアーゼによるフォーク形の開裂構造のインキュベーションとともに、開裂は伸長プローブにおいて、伸長配列の第1のミスマッチヌクレオチドと伸長プローブの標的特異的部分の第1のマッチヌクレオチドとの間で適切に起こる。したがって、伸長配列は除去され、対合の第1および第2のプローブの標的特異的部分の2つの端は互いに直接隣接してアニールし、したがって、標的配列との完全なマッチの場合には、2つのプローブのライゲーションが接続プローブを形成することを可能にする(図7A参照)。この原理は、従来のOLAアッセイおよび本発明のアッセイに同様に有効であり、これに適用されうるとともに、OLA技術の忠実度をさらに改善することによってOLA技術の本発明による改善である。この原理は、非環状式、環状式、および半環状式プローブのほか、本明細書に記載されている第1、第2、および合成プライマーの組合せにも同様に有効である。
一部の実施形態においては、方法は、標的核酸配列、第1のプローブ、および第2のプローブを含んで成る開裂構造が形成されるステップを含んで成る。一部の実施形態においては、第1のプローブは、標的核酸配列の第1の部分にアニーリングが可能であり、第1の二本鎖を形成する第1の標的特異的領域を含んで成る。一部の実施形態においては、第2のプローブは、標的核酸配列の第2の部分にアニーリングが可能であり、第2の二本鎖を形成する第2の標的特異的領域を含んで成る。一部の実施形態においては、標的核酸配列の第1および第2の部分は隣接しており、第1および第2の二本鎖が隣接するようになっている。一部の実施形態においては、第1のプローブまたは第2のプローブは、別の領域(E、図7Aおよび8を参照)、伸長領域、好ましくは、標的核酸配列にアニーリングが可能ではない伸長5’末端を含んで成る。一部の実施形態においては、別の(伸長)領域は、標的核酸配列の第1と第2の部分間の接合部位(すなわち、OLAアッセイのライゲーションの潜在的部位)の位置で第1または第2のプローブの端に配置されている。一部の実施形態においては、別の(伸長)領域は、第1または第2のプローブの非アニール化部分を提供し、それによってフォーク形の開裂構造を生成する。一部の実施形態は、好ましくは、開裂構造の配列から独立したやり方で開裂構造を開裂し、結果として、開裂構造および開裂剤が、開裂が起こりうる条件下にインキュベートされると開裂構造の開裂がもたらされる開裂剤に開裂構造を曝露するステップを含んで成る。一部の実施形態においては、開裂構造の開裂は結果として別の(伸長)領域の除去をもたらす。一部の実施形態においては、開裂構図の開裂による別の(伸長)領域の除去は結果として第1および第2のプローブの隣接した配置をもたらす。
一態様においては、本発明は、好ましくは、OLAアッセイにおけるライゲーション前に、開裂剤の使用に関する。一部の実施形態においては、開裂剤は、第1および第2のプローブがライゲートされうるように、ライゲーションの想定点に配置された第1または第2のプローブのオーバーハング(すなわち、別のまたは伸長領域)を除去するために使用される。開裂剤の特性は、2つのプローブが標的配列で互いに隣接してアニールされ、かつプローブの1つがプローブが隣接してアニールされる点でオーバーハングを有する場合に開裂が起こることである。一部の実施形態においては、2つのプローブが標的配列で互いに隣接してアニールされ、かつプローブの1つがプローブが隣接してアニールされる点でオーバーハングを有する場合にのみ開裂が起こる。オーバーハングの開裂は、標的配列で隣接してアニールされ、ライゲートされうる2つのプローブを提供する。この開裂ステップの技術上の利点の1つは、開裂ステップがライゲーションに必要なプローブの1つの端で5’リン酸塩を提供することである。5’リン酸塩の提供は、従来のオリゴヌクレオチド合成の代わりとして使用されうるが、ここで5’末端でのリン酸化はオリゴヌクレオチドの合成における最終ステップの1つである。別の利点は、その後のライゲーション反応の選択性および特異性が、開裂構造、すなわちオーバーハングにおけるヌクレオチドが補完的であり、または標的配列におけるヌクレオチドにハイブリダイズすることが可能である構造のみを開裂する開裂剤の改善された選択により大幅に増大することである。
標的配列におけるSNPの対立遺伝子特異的検出に関する一部の実施形態においては、対立遺伝子特異的ヌクレオチドは、別の(伸長)領域を含有するプローブに組込まれている。したがって、対合の1つのプローブは、調査すべきSNPに実質的に隣接してアニールする標的特異的部分を含んで成る。対合の他のプローブは、調査すべきSNPと補完的であるヌクレオチドを含有し、かつそのヌクレオチド、別の(伸長)領域に隣接した標的特異的部分を含んで成る。すべてのOLAアッセイおよび別の(伸長)領域の使用を含む本発明にも同様に適用可能な本実施形態の一般的な説明は、図7A、図7B、および図8にある。この実施形態は、開裂ステップおよびライゲーションステップが、両方の標的部分がライゲーション/開裂の点で完全にマッチしており、かつ本実施形態がさらに特異性を改善する場合にのみ起こることを可能にする。
OLAアッセイにおける開裂ステップの導入により、モノプレックス・インベーダー・アッセイ(monoplex Invader Assay)(サード・ウェーブ・テクノロジーズ社(Third Wave Technologies))の特異性がOLA SNPWaveアッセイの適応性のある多重能と結合される。これは、例えば、プールもしくは複合サンプルにおけるSNP頻度の測定、または非ルーチン転写物プロファイリングなど他の形態の配列の量的測定、または土壌、食品、水等の汚染レベルの量的測定を可能にする。
OLAアッセイにおけるこの追加のステップの使用は、重要な利点を提供し、例えば、集団検診における対立遺伝子の量的分析の分野、または複合サンプルにおける低頻度変異の識別の分野における用途がある。
本明細書で記載されたさまざまな実施形態の開示に基づき、実施形態のいくつかの組合せが行われうることが当業者には明らかであろう。例えば、一部の実施形態では、本明細書で記載された型のクランプ部を有する一連の半環状プローブにおいて、2つのプローブの1つがその標的特異的部分のライゲーションの予測点を越えて伸長され、したがって、本明細書で別記されているように開裂ステップの追加の判別ステップによる南京錠反応をまねることができる。
識別子
一部の実施形態においては、本発明の第2のオリゴヌクレオチドプローブは識別子配列をさらに含んで成る。識別子配列は、長さ、配列、または質量が可変である。一部の実施形態においては、合成プライマーは識別子をも含有する。識別子の(または第2および合成プライマーにおける結合識別子の)長さは、0〜1000、好ましくは、0〜500、より好ましくは、1〜100、かつ最も好ましくは、1〜50個のヌクレオチドである。識別子は、非特許文献9によって記載されているようにZIPコード化配列として周知の独自の配列でありうる。識別子は、第2の標的部分と第1のプライマー結合配列との間に配置されうる。識別子を使用し、プローブまたは接続プライマーとの間の長さの差を与えることができるだけではなく、これを使用し、質量ベースの検出のための質量差またはハイブリダイゼーションベースの検出のためのアドレス可能配列(ZIPおよびcZIP)を与えることができる。好ましくは、サンプル中の各標的配列のために、対応するプローブおよび/または単位複製配列には独自の識別子配列が提供される。上記のように、識別子配列は、接続プローブおよび/または単位複製配列を提供し、独自の長さ、配列、および/または質量で識別するという点で独自でありうる。
プライマー結合部位
伸長合成プライマーの増幅を促進するために、プライマー結合部位が合成プライマーおよび第2のプローブに組込まれうる。プライマー結合部位は、好ましくは、それぞれの標的部分とは別の合成プライマーおよび第2のプライマー、好ましくは、標的配列と実質的に非補完的であるタグ部分に配置されている。プライマー結合部位は、プライマーに結合し、プライマー伸長また増幅を開始することが可能である。好ましくは、一連のプライマーのグループ内では、プライマー結合部位は普遍的であり、すなわち、プライマー結合部位の所定のグループのみがプローブに組込まれており、AFLP(特許文献63)から周知であるものなど、その3’末端で1つもしくはそれ以上の選択的塩基を含んで成るプライマーなど、限られた数のプライマーから多重プライマーの伸長または増幅を可能にする。一連のプライマーのグループ間では、プライマー結合部位は異なりうる。一部の実施形態においては、異なるプライマー結合部位に結合が可能なプライマーのTmは、一連のプローブのグループ間で異なりうる。
プローブにおける識別子およびプライマー結合部位の機能は結合されうるとともに、プローブの特異的部がプライマー伸長/増幅のプライマー結合部位(の一部)として機能しうるとともに、同時に、または別の時間に、識別子(の一部)として、本明細書で別記開示されているものなど所望の検出プラットフォームベースの差を与えるという意味で相互関係付けられうる。
ハイブリダイゼーション
方法のステップ(a)を発端に、異なる標的配列、すなわち少なくとも2つの異なる標的配列の多様性が、ハイブリダイズ条件下に特異的オリゴヌクレオチドプローブ対合の多様性と接触される。オリゴヌクレオチドプローブの対合は、その後に、サンプル中の多重標的配列の好ましくは隣接した補完的部にアニールされる。オリゴヌクレオチドプローブの補完的標的配列に対する特異的アニーリングの方法および条件は技術的に公知である(例えば、非特許文献10)を参照。
通常、オリゴヌクレオチドプローブと標的配列の混合後、核酸は塩緩衝液中で短時間(例えば、30秒〜5分間)インキュベーション(ほぼ94℃〜96℃)によって変性される。サンプルは変性プローブを含有し、次いで標的配列はプローブおよび標的配列の特異的アニーリングのために任意のハイブリダイゼーション温度に冷却され、これは通常、プローブの補完的部分(標的部分)とその(標的配列における)補完的配列との間のハイブリッドの融解温度よりも約5℃低い。対合の、または多重標的配列を有するサンプル中のプローブの2つのうちの1つの特異的または非効率的ハイブリダイゼーションを予防するためには、1つのサンプル内で、標的配列と補完的であるプローブの部分は、サンプル中に存在する異なる標的配列間で同様、好ましくは、同一の融解温度であることが好ましい。したがって、第1および第2のプローブの補完的部分は、好ましくは、融解温度で20、15、10、5、または2℃未満異なる。これは、同様の長さおよび同様のG/C含量を有する第1および第2のプローブの補完的部分を使用することによって促進され、補完的部分は、好ましくは、長さでヌクレオチドが20、15、10、5、または2個未満で異なり、G/C含量は30m20、15、10、または5%未満異なる。本明細書で使用される補完的は、第1のヌクレオチド配列が通常の厳密性条件下に第2のヌクレオチド配列と特異的にハイブリダイズすることが可能であることを意味する。別のヌクレオチド配列と補完的とみなされるヌクレオチド配列は、少量の、すなわち、好ましくは、20、15、10、5、または2%未満のミスマッチを含有しうる。あるいは、例えば、本明細書で参照により援用され、もしくはLNAまたはPNAにより、特許文献63に記載されるものなど、いわゆる普遍的なヌクレオチドの組込みによって、ミスマッチを補償することが必要でありうる。プローブの標的配列に対するアニーリングは濃度依存であるため、アニーリングは、好ましくは、少量、すなわち、25μl未満、好ましくは、10μl未満で行われる。これらのハイブリダイゼーション条件下、プローブの標的配列に対するアニーリングは通常、迅速であり、5、10、または15分間以上続行することはないが、ハイブリダイゼーション温度ガアスペシフィックアニーリング回避するように維持される限り長いアニーリング時間が使用されうる。長いアニーリング時間はより重要であり/サンプル間の標的配列のモニタリングまたは相対量を可能にするためにライゲーションプローブによって完全な標的占有に依拠する量的適用に必要である。
本発明の好ましい実施形態においては、一夜ハイブリダイゼーション、または10サイクルの1時間などより長いハイブリダイゼーション時間の延長によって優れた結果が得られている。ハイブリダイゼーション時間の延長は、異なるハイブリダイゼーション効率によるシグナルに差が減少するとこれらのアッセイにおいて有利でありうるとともに、標的配列が存在する全プローブの完全なハイブリダイゼーションおよびライゲーションを達成するために望ましいとみなされる。本明細書で記載されている熱安定性リガーゼを使用するハイブリダイゼーション−ライゲーション結合によって優れた結果が得られている。本実施形態においては、ハイブリダイゼーション−ライゲーションはプローブを熱安定性リガーゼの存在下に1時間ハイブリダイズさせた後、変性ステップによって行われた。これらステップの少なくとも2回反復により良い結果が得られた。これらのステップを10回反復することにより優れた結果が得られた。
変性およびアニーリング中の蒸発を回避するために、反応室(すなわち、チューブまたはマイクロタイターウェル)の壁および蓋も、一般的に市販のDNA増幅装置の使用によって達成される反応混合物と同じ温度に加熱されうる。好ましいオリゴヌクレオチドプローブにおいては、標的補完的部分の長さは、好ましくは、少なくとも15、18、または20個のヌクレオチド、かつ好ましくは、30、40、または50個以下のヌクレオチドであり、プローブは、好ましくは、少なくとも50℃、55℃、または60℃の標的部分からの融解温度を有する。
プローブの対合のライゲーション後の合成プライマーのハイブリダイゼーションは、オリゴヌクレオチドプローブの対合について本明細書で開示された同一の条件下に実行されうる。
一部の実施形態においては、プローブおよび合成プライマーの対合はサンプルに同時に提供される。一部の実施形態においては、合成プライマーはプローブの対合のアニーリング後であるが、隣接してアニールされるプローブのライゲーションの前にサンプルに提供される。一部の実施形態においては、合成プライマーは隣接してアニールされるプローブのライゲーションの後であるが、増幅プライマーを提供する前にサンプルに提供される。一部の好ましい実施形態においては、合成プライマーは増幅プライマーと同時に追加される。
非ハイブリダイズ化プローブ
標的配列の一部と補完的ではなく、または多すぎるミスマッチを含有するプローブは、サンプルがハイブリダイゼーション条件にさらされると、標的配列とハイブリダイズしないか、または削減された程度にハイブリダイズする。したがって、ライゲーションが起こる可能性は低い。したがって、一般にこれらのプローブから偽ライゲーション産物の数は、十分ではなく、その後の多重増幅中に克服されるように真正のライゲーション産物よりもはるかに小さくなる。したがって、それらは検出されず、またはわずかな程度にしか検出されない。
本発明の好ましい方法は、標的配列にアニールされず、かつ/または接続/ライゲートされず、かつ/または標的配列そのものであるオリゴヌクレオチドプローブの除去のためのステップをさらに含んで成る。かかるプローブの除去は、好ましくは、合成プライマー伸長および/または増幅の前に、かつ好ましくは、エクソヌクレアーゼによる消化によって行われる。
接続/ライゲートされないオリゴヌクレオチドプローブの除去/削除によって、ライゲーション非依存(不正確)の大幅な削減が達成され、結果として信号対雑音比の増大が生じうる。接続プローブの情報量を除去することなく1つもしくはそれ以上の接続/ライゲートされない成分を削除する1つの解決法は、接続/ライゲートされないオリゴヌクレオチドプロフィールを消化するエクソヌクレアーゼを使用することである。ライゲートされていない端、例えば、下流オリゴヌクレオチドプローブの3’末端(一部の実施形態においては、プライマー結合部位を含有することがない第1のプローブ)を封鎖することによって、消化に対して実質的に耐性であるプローブが得られるが、その他は感受性である。次いで、完全長のライゲーション産物配列の存在のみが接続プローブの消化を予防する。封鎖基としてはチオリン酸基の使用および/または背骨における2−O−メチルリボース糖基の使用が挙げられる。エクソヌクレアーゼとしては、ExoI(3’−5’)、ExoIII(3’−5’)、およびExoIV(5’−3’および3’−5’)が挙げられ、後者は両側で封鎖を必要とする。かかるプローブの例は、実施例のテーブル2Aにある。
ライゲートされていないプローブからライゲートされたプローブの分離のための代わりの方法が、ハイブリダイゼーションベースのプルアウト(HBP)によるものである。HBPは、1つのプローブの少なくとも一部分、例えば、プライマー特異的部分と補完的なヌクレオチド配列が、固体または微粒子プルアウト支持体に結合または固定化される工程を含んで成る(例えば、米国特許第60124092号明細書を参照)。ライゲーション反応混合物(ライゲーション産物、標的配列、およびライゲートされていないプローブを含んで成る)はプルアウト支持体に曝露される。ライゲーション産物は、適切な条件下、支持体結合配列とハイブリダイズする。ライゲーション反応混合物の結合されていない成分は除去され、プルアウト支持体での配列と補完的な配列を含有することがないライゲーション反応混合物成分からライゲーション産物を精製する。その後に支持体から精製ライゲーション産物が除去され、少なくとも1つプライマーセットと結合され、第1の増幅反応混合物を形成する。当業者は、プルアウト支持体上の異なる補完的配列を使用するHBPの追加のサイクルにより、ライゲートされていないプローブのすべて、または実質的にすべてが除去され、ライゲーション産物をさらに精製することを理解するであろう。
一部の実施形態においては、ライゲートされていないプローブからライゲートされたプローブの分離のために、プローブの1つ、好ましくは、第1のプローブがビオチニル化される。ライゲーション後、残りの第1のプローブおよびライゲートされたプローブは、ストレプト(アビジン)または同様の親和性リガンド/結合複合体の組合せを使用してサンプルから単離される。ライゲートされていない(第2)のプローブがサンプル中に残存する。単離プローブは、その後の方法のステップ、とりわけ、合成プライマーアニーリング、伸長、プライマーアニーリング、増幅、および検出にかけられうる。
ライゲーション
標的配列の補完的部と実質的に隣接してアニールされる一対の第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブのそれぞれの5’−リン酸化末端および3’−水酸化末端はステップ(c)で接続され、技術的に既知の適切な手段によって共有結合を形成する。プローブの末端は、リガーゼ、好ましくは、DNAリガーゼによってホスホジエステル結合へ酵素的に接続される。DNAリガーゼは、補完的鎖での隣接部位で結合された2つのポリヌクレオチド鎖(の末端)間のホスホジエステル結合の形成を触媒することが可能な酵素である。DNAリガーゼは通常、ATP(EC6.5.1.1)またはNAD(EC6.5.1.2)を二本鎖DNAにおけるニックを閉鎖する共同因子として必要とする。本発明における使用に適切なDNAリガーゼは、T4DNAリガーゼ、大腸菌(E.coli)DNAリガーゼ、または好ましくは、例えば、Thernius aquaticus(Taq)リガーゼ、Thermus thermophilus DNAリガーゼ、またはピロコッカス(Pyrococcus)DNAリガーゼのような熱安定性リガーゼである。あるいは、適切に修飾されたポリヌクレオチド末端の化学的ライゲーションを使用し、標的配列の補完的部における隣接部位でアニールされた2つのオリゴヌクレオチドプローブをライゲートすることができる。修飾ポリヌクレオチド末端における例示的な反応基としては、ホスホロチオエートおよびトシルレートまたはヨウ化物、エステルおよびヒドラシド、RC(O)S、ハロアロキル、RCH2S、および[アルファ]−ハロアシル、チオホスホリルおよびブロモアセトアミド基、およびS−ピバロイルオキシメチル−4−チオチミジンが挙げられるが、これらに限定されない。
化学的ライゲーション剤としては、カルボジイミド、臭化シアン(BrCN)、N−シアノイミダゾール、イミダゾール、1−メチルイミダゾール/カルボジイミド/シスタミン、ジチオスレイトール(DTT)、および紫外線光などの活性化剤、縮合剤、および還元剤が挙げられるが、これらに限定されない。オートライゲーション、すなわちライゲート剤の非存在下の自発的ライゲーションも本発明の範囲内である。化学的ライゲーション法の詳細なプロトコールおよび適切な反応基の説明は、なかでも、非特許文献11、非特許文献12、非特許文献13、非特許文献14、非特許文献15、非特許文献16、非特許文献17、非特許文献18、非特許文献19、特許文献20、非特許文献21、非特許文献22、非特許文献23、および特許文献57において確認されうる。化学的および酵素的ライゲーションは、プローブの一方または両方がライゲーション部位で、またはその近くで標的配列とミスマッチを形成する複合体と比べ完全にマッチしたプローブと標的配列の複合体ではるかに効率的に生じる(非特許文献24、非特許文献11、参照)。ライゲーション特異性、すなわち、ミスマッチオリゴヌクレオチドと比べ完全にマッチしたオリゴヌクレオチドの相対的ライゲーション効率を増大させるために、ライゲーションは、好ましくは、高温で実行される。したがって、本発明の好ましい実施形態においては、長時間50〜65℃で活性のままであるが、より高い温度で容易に不活性化され、例えば、通常90〜100℃のPCR中の変性ステップで使用されるDNAリガーゼが使用される。かかるDNAリガーゼの1つが、特許文献25から周知のように、グラム陽性菌(菌株MRCH065)からのDNAリガーゼを必要とするNADである。このリガーゼは「リガーゼ65」と呼ばれ、MRCオランダ(Holland)から市販されている。
ギャップライゲーション
例えば、インデルスの識別に関する代わりの実施形態においては、第1および第2のプローブの補完的部分のそれぞれの末端が、1つもしくはそれ以上のヌクレオチドのギャップがそのままであるようにアニールされうる。このギャップは、適切な(第3)のオリゴヌクレオチドで充填され、ライゲートされうる。かかる方法は「ギャップライゲーション」として技術的に周知であり、とりわけ、特許文献58、特許文献59、特許文献60、特許文献61、特許文献62において開示されている。このギャップを充填する別の可能性は、場合により、A、T、C、またはG、またはジ−、トリ−、または他の小さなオリゴヌクレオチドからあらかじめ選択される単一ヌクレオチドと組合せてポリメラーゼおよびリガーゼを使用するプローブの1つの末端の伸長によるものである。標的配列がRNAである場合は、ギャップを充填するさらに別の可能性は、場合により、A、T、C、またはG、またはジ−、トリ−、または他の小さなオリゴヌクレオチドからあらかじめ選択される単一ヌクレオチドと組合せて逆転写酵素およびリガーゼを使用するプローブの1つの末端の伸長によるものである。
ギャップライゲーションは、密接に配置されている多重SNPの検出(ハプロタイピング)において適用されうる。本実施形態においては、第1のオリゴヌクレオチドプローブには第1のSNPのために第1の対立遺伝子特異的ヌクレオチドが提供され、第2のオリゴヌクレオチドプローブには第2のSNPのために第2の対立遺伝子特異的ヌクレオチドが提供される。第3のプローブは、第1のプローブと第2のプローブとの間のギャップを補う。接続プローブを形成する3つのプローブのライゲーション後、合成プライマーは接続された3つのプローブの第1のプローブ由来部にアニールされる。合成プライマーを第1のSNPの対立遺伝子特異的ヌクレオチドをカバーするように方向づけ、第1のSNPの各対立遺伝子のために異なる識別子を有する異なる合成プライマーを提供し、かつ第2のSNPの各対立遺伝子のために異なる識別子を有する異なる第2のプローブを提供することによって、対立遺伝子の組合せは同時に両方のSNP位置で判定されうる。SNPの組合せの存在は、第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブに存在する識別子の存在によって検出されうる。
標的配列
そのきわめて広い定義において、標的配列は目的とする任意のヌクレオチド配列でありうる。標的配列は、その判定/検出が、例えば、それが特定の病気もしくは遺伝子構成または疾患を示し、関連し、または表すため望ましい任意の配列でありうる。標的配列は、好ましくは、多型を含有し、表し、またはこれと関連するヌクレオチド配列である。本明細書における多型という語は、2つもしくはそれ以上の遺伝学的に判定される集団における代わりの配列または対立遺伝子の存在を指す。多型マーカーまたは部位は、配列の逸脱が起こる遺伝子座である。好ましいマーカーは、少なくとも2つの対立遺伝子を有し、各々選択集団の1%以上、かつより好ましくは、10%または20%以上の頻度で発生する。多型遺伝子座は1つの塩基対合ほど小さくありうる。多型マーカーとしては、制限断片長さ多型、長さがさまざまな縦列反復配列(VNTR)、超可変領域、ミニサテライト、ジヌクレオチド反復、トリヌクレオチド反復、テトラヌクレオチド反復、単純配列反復、およびAluなど挿入要素が挙げられる。第1の識別対立遺伝子型が基準形として適宜指定されており、他の対立遺伝子型は代替または変形対立遺伝子として指定されている。選択集団において最も頻繁に発生する対立遺伝子型はしばしば野性型の形態と呼ばれる。2倍体生物は対立遺伝子型に対して同型または異型でありうる。2対立遺伝子多型は2つの形態を有する。3対立遺伝子多型は3つの形態を有する。単一ヌクレオチド多型は、対立遺伝子配列間の変化の部位である、単一ヌクレオチドによって占有された多型部位で発生する。この部位は通常、対立遺伝子の保存配列(例えば、集団の構成員の1/100または1/1000未満で変動する配列)によって先行され、かつ追随される。単一のヌクレオチド多型は通常、多型部位で1つのヌクレオチドの別の置換により生じる。単一のヌクレオチド多型もヌクレオチドの欠失、または基準対立遺伝子に対するヌクレオチドの挿入からも生じうる。他の多型としては、インデルスと呼ばれる、一部のヌクレオチドの(小さな)欠失または挿入が挙げられる。好ましい標的配列は、AFLP(登録商標)マーカー、すなわち、AFLP(登録商標)で検出可能である多型と関連する標的配列である。
DNA
核酸サンプルにおいては、核酸を含んで成る核酸は目的とする任意の核酸でありうる。サンプル中の核酸は通常DNAの形態ではあるが、サンプルに含まれるヌクレオチド配列情報は、例えば、RNA、ポリARNA、cDNA、ゲノムDNA、ミトコンドリアまたは葉緑体DNAなどオルガネラDNA、合成核酸、DNAライブラリー、クローンバンク、もしくはその任意の選択または組合せを含む核酸由来でありうる。核酸サンプル中のDNAは二本鎖、一本鎖、および一本鎖DNAに変性された二本鎖DNAでありうる。二本鎖配列の変性により2つの一本鎖断片が生じ、その一方または両方はそれぞれの鎖に対して特異的なプローブによって分析されうる。好ましい核酸サンプルは、cDNA、ゲノムDNA、制限断片、アダプターライゲート制限断片、増幅アダプターライゲート制限断片上の標的配列を含んで成る。AFLP断片すなわちAFLPテンプレート予備増幅において得られる断片。
サンプル
サンプルが2つもしくはそれ以上の異なる標的配列を含有することが好ましく、すなわち、2つもしくはそれ以上は、サンプル中での標的配列の量ではなく同一性を指す。特に、サンプルは少なくとも2つの異なる標的配列、特に少なくとも10、好ましくは、少なくとも25、より好ましくは、少なくとも50、さらに特に少なくとも100、好ましくは、少なくとも250、より好ましくは、少なくとも500、かつ最も好ましくは、少なくとも1000の追加の標的配列を含んで成る。実際には、分析されうるサンプル中の標的配列の数は、とりわけ、検出されうる単位複製配列の数によって制限される。例えば、サンプル中の第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブの多すぎる異なるセットは、多重増幅ステップの信頼性を損ないうる。
別の制限が、例えば、使用される検出プラットフォームによって分解されうるサンプル中の断片の数によって形成される。その数は、それぞれ、DNAまたはcDNAサンプルに由来する特定の細胞型の生物またはトランスクリプトーム複雑性のゲノムサイズによっても制限されうる。
プライマー
伸長合成プライマーは、プライマー結合部位に対応する一連のプライマーを使用して増幅される。好ましくは、これらのセットは、第1のプライマー結合部位と実質的に同一である配列を有する第1のプライマーと、第2のプライマー結合部位と補完的である第2のプライマーとを含んで成る。好ましい実施形態においては、プライマーの少なくとも1つ、または同じセットのプライマーは、サンプル中の2つもしくはそれ以上の異なる伸長合成プライマーの増幅のために、好ましくは、サンプル中のすべての伸長合成プライマーの増幅のために使用される。かかるプライマーは、これらのプライマーが対応する普遍的なプライマー結合部位を含有するすべての伸長合成プライマー、したがって普遍的なプライマー結合部位を含有するすべてのライゲートされたプローブの増幅をプライムすることが可能であると、しばしば普遍的プライマーと呼ばれる。ステップ(h)の増幅において使用される異なるプライマーは、好ましくは、アニーリングおよびプライミング効率において実質的に同等である。したがって、サンプルにおけるプライマーは、好ましくは、融解温度において20、15、10、5、または2℃未満で異なる。これはオリゴヌクレオチドプローブの補完的部分について上記で概要を示したように達成されうる。補完的部分の配列と異なり、プライマーの配列は標的配列によって左右されない。したがって、プライマー配列は、各四量体1つのA、T、C、およびGを含有するヌクレオチドの四量体からの配列をアセンブリすることによって、またはG/C含量およびプライマーの融解温度が同一またはきわめて類似していることを保証する他の方法によって都合よくデザインされる。プライマー(および第2のプライマーのタグ部分および合成プライマーにおける対応するプライマー結合部位)の長さは、好ましくは、少なくとも12、15、または17個のヌクレオチド、かつ好ましくは、25、30、40個以下のヌクレオチドである。
好ましい実施形態においては、サンプル中の少なくとも2つの異なる標的配列と補完的である第2のオリゴヌクレオチドプローブの少なくとも2つが、単一のプライマー配列と補完的であるプライマー結合部分を含んで成るタグ部分を含んで成る。好ましい実施形態においては、サンプル中の2つの第1のプローブの少なくとも2つの異なる第1の標的特異的部分と補完的である少なくとも2つのオリゴヌクレオチド合成プライマーが、単一のプライマー配列と補完的であるプライマー結合部分を含んで成る。したがって、好ましくは、プライマーセットにおける第1および第2のプライマーの少なくとも1つが、サンプル中の少なくとも2つの異なる標的配列に対応する伸長合成プライマーの増幅、より好ましくは、サンプル中のすべての標的配列に対応する伸長合成プライマーの増幅のために使用される。好ましくは、単一の第1のプライマーのみが使用され、一部の実施形態においては、単一の第1および単一の第2のプライマーが伸長合成プライマーの増幅のために使用される。多重の異なる断片の増幅のために共通のプライマーを使用することは通常、増幅ステップの効率に有利である。
隣接してアニールされたプローブ部のライゲーション、およびその後のアニーリングおよび合成プライマーの伸長により得られた伸長合成プライマーは、好ましくは、サンプル中の伸長合成プライマーの各々の一連のプライマーから成るプライマーセットを使用することにより、ステップ(h)で増幅される。プライマーセットは、伸長合成プライマーに存在するプライマー結合配列と補完的であるプライマーを含んで成る。プライマーセットは通常、第1の、および少なくとも第2のプライマーを含んで成るが、両方向にプライムする単一のプライマーのみから成りうる。とりわけ、特許文献63、および非特許文献25に記載されているAFLPプライマーとして技術的に周知であるプライマーを使用することにより優れた結果が得られている。
選択的プライマー
一部の実施形態においては、本発明の増幅ステップにおいて使用される1つもしくはそれ以上のプライマーは選択的プライマーである。選択プライマーは、本明細書では、プローブにおけるプライマー結合部位と補完的であるその普遍的な配列に加えて、いわゆる「選択的ヌクレオチド」を含んで成る領域を含有するプライマーと定義される。選択的ヌクレオチドを含有する領域は、普遍的プライマーの3’末端に配置されている。
選択的ヌクレオチドの原理は、とりわけ、特許文献63および非特許文献25に開示されている。選択的ヌクレオチドは、プライマー配列に隣接して配置されているライゲートされたプローブにおけるヌクレオチドと補完的である。選択的ヌクレオチドは一般に、プライマー配列として示されているライゲートされたプローブまたは伸長合成プライマーにおける領域の一部を形成することはない。選択的ヌクレオチドを含有するプライマーは+Nプライマーと示され、ここでNはプライマーの3’末端に存在する選択的ヌクレオチドの数を表し、Nは好ましくは、とりわけ、A、C、T、またはGから選択される。
Nは、とりわけ、さまざまなヌクレオチドの代替物、すなわち、ACTGヌクレオチドの作用を模倣することが可能であるが、それ加えて、ACTGヌクレオチドと比べ改善されたハイブリダイゼーションの可能性、またはハイブリダイゼーションから結果として生じる二本鎖の安定性を修飾する可能性など他の特性を有する。その例は、PNA、LNA、イノシン等である。増幅が、2つのプライマーを使用するPCRなど1つ以上のプライマーで行われる場合、一方または両方のプライマーには選択的ヌクレオチドを備えることができる。選択的ヌクレオチドの数は、当業者によって決定可能な種または他の事項によって変動しうる。一般に、選択的ヌクレオチドの数は、10個以下であるが、少なくとも5個、好ましくは4個、より好ましくは3個、最も好ましくは2個、かつ特に好ましいのは1個の選択的ヌクレオチドである。
したがって、A+1プライマーは1個の選択的ヌクレオチドを含有し、a+2プライマーは2個の選択的ヌクレオチド等を含有する。選択的ヌクレオチドを有さないプライマー(すなわち、従来のプライマー)は、a+0プライマー(選択的ヌクレオチドが追加されず)と示されうる。アスペシフィック選択的ヌクレオチドが追加されると、これは+Aまたは+C等の概念によって示される。
選択的プライマーで一連の伸長合成プライマーを増幅することによって、補完的塩基が選択的プライマーを使用して選択的に増幅されると想定されるプローブのデザインにおいて適切な位置に組込まれるという条件で、伸長合成プライマーのサブセットが得られる。a+1プライマーを使用することにより、例えば、増幅混合物の倍数が増幅前にライゲートされたプローブの混合物と比べ4倍減少する。より高い減少は、多重選択的ヌクレオチドを有するプライマーを使用することによって達成されうる、すなわち、最初の多重割当量の16倍の減少が2個の選択的ヌクレオチド等で得られる。ライゲーション後、選択的に増幅されるアッセイが開発される場合、プローブはプライマー結合配列に隣接した補完的ヌクレオチドを含有することが好ましい。これによりライゲートされたプローブの予備選択が選択的に増幅される。
本発明における選択的プライマーの使用は、その後に特異的部のみが分析される必要があり、結果としてデータ点当たりのライゲーション反応のさらなるコスト削減がもたらされる高い多重比でライゲーションベースのアッセイを開発する場合に有利であることが判明した。プライマーを隣接した選択的ヌクレオチドとともにデザインすることによって、別々に増幅されるサンプルの特異的部があらかじめ選択されうる。
これが有用であり、かつ有利である例の1つが、わずかに微量のDNAを含有するサンプルの分析の場合、および/または異なる(菌株の)病原体の同定のためのものである。例えば、さまざまな菌株の炭疽菌(Bacillus azlthracis)の検出に対するアッセイにおいては、菌株の各々のために一連の典型的なプローブがデザインされている。本発明の方法のハイブリダイゼーションおよびライゲーションステップ後の伸長合成プライマーのこのセット(またはその特徴的部分)の存在、非存在、または量の検出は、関与している菌株の同定として使用されうる。特異的にデザインされたプライマーによる選択的増幅(各選択的プライマーは特定の菌株に連結されている)は、さまざまな菌株を選択的に増幅し、その同定を可能にしうる。例えば、+Aプライマーによる増幅は菌株Xに対するライゲートされたプローブを選択的に増幅し、ここで+Gプライマーは菌株Yに対するライゲートされたプローブを選択的に増幅する。必要に応じて、例えば、少量のサンプルDNAの場合、+0プライマーによる任意の第1の増幅がライゲートされたプローブの量を増大し、それによって選択的増幅を促進する。
例えば、20個のヌクレオチドの普遍的プライマーは、その3’末端での1つの選択的ヌクレオチドの追加によって選択的プライマーとなり、ここでプライマーの全長は21個のヌクレオチドとなる。あるいは、普遍的プライマーは、その5’末端で追加された選択的ヌクレオチドの数によって短縮されうる。例えば、プライマー配列の3’末端で2つの選択的ヌクレオチドを追加することにより、最初の普遍的プライマーと比べ、普遍的プライマーの5’末端から2個のヌクレオチドの非存在(または除去)と結合されうる。したがって、20個のヌクレオチドの普遍的プライマーは、20個のヌクレオチドの選択的プライマーによって置換される。これらのプライマーは、本出願の全体を通じて「ネステッドプライマー」として示される。普遍的プライマーに基づく選択的プライマーの使用は、厳密性および温度など増幅パラメータが、異なる選択的プライマーによる増幅で実質的に同じままであり、またはわずかな程度のみ変動しうるという利点を有する。好ましくは、選択的増幅は、非選択的増幅と比べ増大した厳密性の条件下に行われる。増大した厳密性により、ライゲートされたプローブにプライマーをアニーリングするための条件が、完全のマッチングする選択的プライマーのみが増幅ステップで使用されるポリメラーゼによって伸長されるようになっていることが意味される。完全にマッチングするプライマーのみの特異的増幅は、実際には、プライマーアニーリングステップ中の温度が、例えば0.5℃で段階的に低下され、完全にアニールされるプライマーを可能にする、いわゆるタッチダウンPCRプロフィールの使用によって達成されうる。適切な厳密性条件は、例えば、特許文献63、および非特許文献25においてAFLP増幅について記載されているとおりである。当業者は、指針に基づき、本発明の主旨を逸脱することなくその特定の必要性に適する厳密性条件を適合させる方法を見出すであろう。
ライゲートされたプローブの選択的増幅の別の利点の1つは、高い多重比のアッセイが低い多重比が好ましい方法またはプラットフォームによる検出に容易に適合されうることである。
その多くの例の1つは、電気泳動などの長さの差に基づく検出であり、好ましくは、例えばキャピラリー電気泳動が、MegaBACEまたはラブ・オン・チップなどナノ技術を使用して実行される。
増幅
本発明の方法のステップ(h)においては、伸長合成プライマーは増幅され、技術的に周知の適切な核酸増幅法によって標的ヌクレオチド配列を示すものである増幅された(検出可能な)伸長合成プライマー(単位複製配列)を含んで成る増幅サンプルを生成する。核酸増幅法は通常、2つのプライマー、dNTP、および(DNA)ポリメラーゼを使用する。増幅の好ましい方法がPCRである。「PCR」または「ポリメラーゼ連鎖反応」は、特異的DNA部分のインビトロ酵素増幅のために迅速な方法である。増幅されるDNAは、サンプルを加熱することによって変性される。DNAポリメラーゼおよび過剰なデオキシヌクレオチド三リン酸塩の存在下、標的配列と特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドは新しいDNAをプライムする。ポリメラーゼは、鎖置換活性を発現せず、または少なくとも大幅に発現しないDNAポリメラーゼであることが好ましい。その例は、Amplitaq and Amplitaq Gold(供給者パーキンエルマー(Perkin Elmer)およびAccuprime(インビトロジェン(Invitrogen))である。親鎖に適する、明確な長さの新しい鎖の一連の合成結果は、変性およびアニーリングとともにプライマーにハイブリダイズしうる。変性、アニーリング、および合成の第2のサイクルは、別個の二本鎖産物、正確にプライマー末端間の長さをともに構成する2つの一本鎖産物を生成する。この別個の産物は、それぞれ一連の増幅とともに指数関数的に蓄積する。約20〜30サイクルにわたって、別個の断片の何百万倍の増幅が達成されうる。PCRプロトコールは技術的に公知であり、標準の実験教科書、例えば、非特許文献26において記載されている。本発明の方法におけるPCRの適用の適切な条件は、特許文献63、および非特許文献25において記載されており、この場合、70〜700個のヌクレオチドおよび同一のプライマー結合配列を含有する多重DNA断片が、1つのプライマーセットを使用してほぼ同等の効率で増幅される。
適用されうる他の多重および/または等温の増幅法としては、例えば、ローリングサイクル増幅、LCR、自立性塩基配列複製(3SR)、Q−β−レプリカーゼ介在RNA増幅、または鎖置換増幅(SDA)が挙げられる。場合によっては、これはプローブおよび合成プライマーの異なるデザインを必要としうる。
単位複製配列
本明細書で使用される「単位複製配列」という語は、伸長合成プライマーの増幅ステップの産物を指す。本明細書で使用される「単位複製配列」という語は、したがって、増幅伸長合成プライマーを指す。2つの標的特異的部分がリガーゼによって接続されるライゲーションステップ後、合成プライマーは接続またはライゲートされたプローブと結合され、伸長される。伸長合成プライマーは、1つもしくはそれ以上のプライマーおよびポリメラーゼと結合されて増幅され、単位複製配列を生成する。ライゲートされたプローブ、プライマー、ポリメラーゼおよび/または他のパラメータおよび変数は、増幅が結果として接続プローブの増幅された線形表現をもたらすようになっている。
好ましくは、単位複製配列が増幅接続プローブのモノマー表現である。本発明のさまざまな実施形態は、この点においてさらに詳細を提供する。
検出
本発明の単位複製配列は、適切な検出プラットフォームで検出されうる。異なる標的配列由来の単位複製配列間の判別は、一次パラメータとしての長さ、配列、または質量に基づきうる。標識サンプルの検出は、検出データをもたらす検出器によって実行される。検出器はもちろん、分離が行われる(長さ、質量、もしくは配列、またはその組合せ)一般的なシステムに依存するが、該当する場合は、蛍光または放射性標識などプライマー上に存在する標識にも依存している。
適切な検出プラットフォームの例は、長さベースの検出プラットフォーム、配列ベースの検出プラットフォーム、および質量ベースの検出プラットフォームである。
長さベースの検出
長さベースの検出の多くの例の1つは、電気泳動(キャピラリー電気泳動、スラブ−ゲル電気泳動、固定検出器連続ゲル電気泳動)および好ましくは、アマシャム・バイオサイエンシス社(Amersham Biosciences)から入手可能なMegaBACE装置で実行され、もしくはラブ・オン・チップまたは他のマイクロ・エルイディック(eluidic)デバイスなどナノ技術を使用するキャピラリー電気泳動に基づく検出である。検出される単位複製配列の長さの差は、1つもしくはそれ以上の識別子の使用によって提供されうる。
サンプル中の単位複製配列は、好ましくは、電気泳動デバイスで分析される。電気泳動デバイスは、好ましくは、長さ(移動度)に基づく増幅サンプルにおける異なる単位複製配列を分離し、その後にこれら分離された単位複製配列は本明細書で記載されているように検出されうる。電気泳動デバイスは、好ましくは多重チャンネルであり、ここで多重サンプルが多重チャンネルで、好ましくは、並行して電気泳動される。電気泳動デバイスは、電気泳動される増幅サンプルの適用(装填)の適用位置(チャンネル当たり)、サンプル中の断片が電気泳動によって移動する分離領域、および好ましくは、適用位置から遠位の検出位置に配置された検出デバイスも有する。検出デバイスは通常、蛍光、リン光、または化学発光の検出のための光電子増倍管を含んで成る。あるいは、ゲル電気泳動の場合、これら分離された断片は、ゲル中で、例えば、オートラジオグラフィー、またはフルオログラフィーによって検出されうる。
長さ判別
サンプル中の異なる標的配列間を判別するには、好ましくは、それぞれ対応する単位複製配列の長さの差が使用される。長さに基づく単位複製配列を分離することによって、サンプル中の対応する標的配列の存在が判定されうる。したがって、本発明の好ましい実施形態においては、サンプル中の異なる標的配列由来の単位複製配列間の判別は、サンプルまたは増幅サンプルにおける異なる標的配列に対応するそれぞれの単位複製配列間の長さの差に基づく。
好ましくは、長さの差は、本発明のオリゴヌクレオチドの第2のプローブおよび/または合成プライマーにおける識別子配列の長さによって提供される。本発明の対合のオリゴヌクレオチドプローブの少なくとも1つに、ただし好ましくは、所定の長さの識別子のセットの両方(第2のプローブおよび合成プライマー)に含めることによって、増幅サンプルにおける各増幅伸長合成プライマーの長さは、得られる単位複製配列の長さの差に基づく十分な判別が可能である。本発明による対合のプローブの好ましい実施形態においては、識別子は、標的配列と補完的な第2のプローブ部分とプライマー結合配列との間に配置されている。好ましくは、識別子の全長は、合成プライマーにおける識別子の長さと第2のプローブにおける識別子の長さとの組合せによって提供される。したがって、好ましい実施形態においては、合成オリゴヌクレオチドプライマーと第2のオリゴヌクレオチドプローブの両方が識別子を含んで成る。サンプル中の標的配列から得られる単位複製配列間の長さの区別は、好ましくは、単位複製配列がその長さに基づき区別されうるように選択される。これはプローブのセットの合成プライマーおよび/または第2のプローブにおける識別子配列または識別子配列の組合せを使用することによって達成され、これらは(ともに)結果として電気泳動デバイスで区別されうる長さの差をもたらす。したがって、分解能の観点からは、その識別子によって引き起こされうる、異なる増幅伸長合成プライマー間の長さの差は、可能な限り大きい。しかし、上記のように、いくつかの他の重要な検討のために、異なる単位複製配列間の長さの差は、好ましくは、可能な限り小さい。すなわち、(1)化学的に合成されたプローブの長さの点で実際に存在する上限は、最大限でも約100〜150個の塩基、(2)大きい断片の効率の低い増幅、(3)大きな長さ変動による断片の異なった増幅効率の可能性増大、および(4)狭い長さ範囲の断片で最良に機能する検出デバイスでの検出サンプルの多重注入の使用。好ましくは、識別子によって判定および提供される配列間の長さの差は、少なくとも、実質的にすべての単位複製配列間の判別を可能にするのに十分である。明らかに、化学的、酵素的、および生物学的核酸合成法に基づき、増幅サンプル中の異なる単位複製配列間の最小に使用可能なサイズは、1個の塩基であり、このサイズの差は、特に低いサイズ範囲で、ほとんどの電気泳動デバイスの分解能範囲に適合する。したがって、上記に基づき、単一の塩基(対)によって長さが異なる増幅産物による多重アッセイを使用することが好ましい。好ましい実施形態においては、増幅サンプル中の異なる単位複製配列間の長さの差は、少なくとも2個のヌクレオチドである。本発明の特に好ましい実施形態においては、サンプル中の異なる標的配列に対応する単位複製配列は、2個のヌクレオチドの長さの差を有する。
長さおよび標識
スループットは、多重標識プライマーの使用によって増大しうる。1つのサンプル中の異なる標識の使用と関連する問題の1は、クロストークまたは残留クロストークである。本明細書で使用されるクロストークまたは残留クロストークは、異なる(蛍光)標識の発光スペクトル間の重複を指す。例えば、蛍光染料が使用される場合、各染料は異なる発光(および吸収)スペクトルを有する。1つのサンプル中の2つの染料の場合、これらのスペクトルは重複し、信号の混乱を引き起こしうるが、これらは得られるデータの品質に反する。特にサンプルにおいて検出すべき2つのヌクレオチド断片が異なる標識で標識され、断片の1つが豊富な量で存在するが、その他は微量で存在する場合、残留クロストークは、微量でのみ存在する断片の測定信号が主に、別のサンプルの同じサイズの断片に豊富に含まれる重複発光スペクトルを有する別の標識の発光由来であることをもたらしうる。他の染料の互恵的効果が起こりうるが、この例では、その効果は、それぞれの染料で標識された単位複製配列間に豊富な差のため、おそらく小さい。
非特許文献27=シェハーブ(Chehab)ら(Proc.Natl.Acad.Sci.米国、86:9178−9182頁(1989年)は、1つの染料の最大限の発光が、他の染料の最小限の発光と実質的に一致するように、異なる蛍光染料を単一の反応チューブにおける競合対立遺伝子に標識の組合せを選択することによって付着させることによって対立遺伝子間を判別する試みを行った。しかし、染料が最大限の吸収を発現する特定の波長では、特にサンプルが多重染料を含有する場合に、サンプルに存在する別の染料からの一部の残りの吸収もつねに認められる。
この多重分析へ至るルートは、スペクトル的に分解されうる比較的少ない染料によって規模が制限されることがわかった。多重染料の使用による主な問題の1つは、異なる蛍光標識の発光スペクトルがしばしば重複することである。結果として生じる生データ信号は、同時に検出され、クロストーク補正と呼ばれる工程によって別の蛍光染料で標識される同様のサイズの断片の寄与に対して補正されなければならない。クロストーク補正は一般的に、検出デバイスからの「生」データ収集後に、両方の染料に対する周知の理論的吸収スペクトルに基づく数学的手段によって行われる。数学的補正は理論的スペクトルに基づき、標識の発光スペクトルが感受性であり、しばしば検出サンプルの組成物によって影響されることを無視する。これらの感受性は、発光の輝度および/または波長に影響を及ぼしうる。これは、pH、温度、励起光度、非共有相互作用、塩濃度、およびイオン強度などのパラメータが、結果として生じる発光スペクトルに強く影響することを意味する。特に、サンプル中の残留塩の存在は、染料によって放出される蛍光信号に影響を及ぼし、界面動電注入を使用するキャピラリー電気泳動による検出の場合、これは次いで注入効率にも影響を及ぼすため重要な要素であることが周知である。したがって、スペクトル重複は、異なる蛍光染料を使用する多重検出の場合にデータ品質に対して悪影響を与える潜在的なエラー源である。
本発明は、重複スペクトルを有する2つの(もしくはそれ以上の)標識が、データ品質に大きく影響を及ぼすことなく同じサンプルで使用されうるように、この問題の解決法を提供する。長さの差と標識の所定の組合せによって、サンプル中で検出されうる標的ヌクレオチド配列の数の増大が得られるが、データの品質は少なくとも一定のままである。本発明の好ましい実施形態においては、2つの異なる標識配列間のスペクトル重複は、2つの配列間の長さの差の導入によって削減される。この標識関連性の長さの差は、本明細書で記載された識別子配列の長さによって提供されうる。本方法において同じサンプルで使用されうる異なる標識の数は、少なくとも2つ、好ましくは、少なくとも3つ、より好ましくは、少なくとも4つである。標識の最大数は、許容可能のままである最小限のスペクトル重複によって機能的に制限されており、これはほとんどの用途で一般的に真の信号の15パーセント未満、好ましくは、10パーセント未満、より好ましくは、5パーセント未満、かつ最も好ましくは、真の信号の1パーセント未満となる。
異なるサンプルが重複発光スペクトルを有する多重蛍光染料で標識され、かつ同一の長さを有する断片が同じ実行で同時に検出される場合、データ品質に対する残留クロストークの潜在的な影響を回避するために、特定の好ましい実施形態においては、単位複製配列が多重セット内で少なくとも2つの塩基対(ヌクレオチド)によって異なり、かつ重複スペクトルを有する異なる染料で標識された多重セット間で単一の塩基対によって異なるように識別子配列を選択することが好ましい。そうすることにより、それぞれの染料で標識された断片の長さは、データの品質に対する残留クロストークに潜在的な影響が、断片サイズと標識染料の独自の組合せが明確であるため回避される。
本発明の特定の好ましい実施形態は、単位複製配列を含んで成るサンプルが多様な標的配列由来である方法に関する。これらの単位複製配列は異なって標識され、それによって同じ標識を持つ単位複製配列のグループを規定する。各グループ内では、識別子が少なくとも2個、好ましくは2個のヌクレオチドの長さの差を提供した。スペクトル重複を有する標識による2つのグループ間で、識別子は1個のヌクレオチドの長さの差を提供し、有効に結果として、上記のように偶数のヌクレオチドを有する1つのグループと奇数のヌクレオチドを有する1つのグループが生じる。
一態様においては、本発明は、サンプル中の標的配列の改善された判別および検出の方法に関し、この方法は、少なくとも2つもしくはそれ以上のグループのオリゴヌクレオチドプローブを提供するステップを含み、ここで異なるグループのオリゴヌクレオチドプローブで得られる単位複製配列は異なる標識を有し、ここで同一に標識された単位複製配列のグループ内では長さの差がそのグループ内に各同一に標識されたプローブ間に提供され、ここで第1と第2のグループ間には、増幅サンプル中の各単位複製配列は配列の長さと標識の組合せによって特徴づけられるように追加の長さの差が提供されている。
本発明の方法の好ましい実施形態においては、少なくとも2つのグループのセットの第1および第2のプローブおよび合成オリゴヌクレオチドプライマーがサンプルに提供され、それによって各グループの第2のオリゴヌクレオチドプローブは、少なくとも1つのグループ特異的プライマー結合部位を備えたタグ配列を有する。同様に、合成プライマーのグループは1つの特異的プライマー結合部位を含んで成る。各グループの伸長合成プライマーがプライマーセットから増幅され、ここで第1および第2のプライマーの少なくとも1つがグループ特異的プライマー結合部位と補完的であり、それによってグループの第1および第2のプライマーの少なくとも1つはグループ特異的標識を含んで成る。各グループにおいて、サンプル中の標的配列に対応する単位複製配列は、サンプル中の異なる標的配列に対応する単位複製配列と長さが異なる。グループ特異的標識は、好ましくは、検出デバイスが異なるグループ特異的標識間で区別できりようになっている。長さの差は、好ましくは、識別子配列の長さによって提供される。好ましくは、本発明の方法のこの実施形態においては、第1の部のグループが偶数のヌクレオチドを有する単位複製配列を有し、第2の部のグループが奇数のヌクレオチドを有する単位複製配列を有する。好ましくは、偶数のヌクレオチドを有する単位複製配列のグループおよび奇数のヌクレオチドを有する単位複製配列のグループは、その発光スペクトルにおいて最小に重複を有する(蛍光)標識で標識される。したがって、各グループが奇数のヌクレオチドを有する2つのグループの単位複製配列は、その発光スペクトルで最小の重複を有する標識で標識される。同じことは、各グループが偶数のヌクレオチドを有する2つのグループの単位複製配列につても有効である。一方のグループが奇数のヌクレオチドを有し、他方のグループが偶数のヌクレオチドを有する2つのグループの単位複製配列は、その発光スペクトルにおいて大きな重複を有する標識で標識される。本明細書で使用される「その発光スペクトルにおいて最小の重複」および「発光スペクトルにおいて大きな重複を有する」という相対的概念は、本発明において使用するためにそれにより標記の選択がなされうる標識のグループを指す。この標識グループは、上記で開示されているものなど他の要素に使用される検出プラットフォームに依存しうる。本方法の特に好ましい実施形態においては、偶数のヌクレオチドを有する第1および第2のグループの単位複製配列が生成され、かつ奇数のヌクレオチドを有する第3および第4のグループの単位複製配列が生成され、それによって第1および第2のグループは、それぞれ、FAMおよびNEDで標識され、第3および第4のグループは、それぞれ、(ET−)ROX、およびJOEまたはHEXのいずれかで標識され、または逆の場合も同じであり、それによって、第1および第2のグループは、それぞれ、(ET−)ROX、およびJOEまたはHEXのいずれかで標識され、第3および第4のグループは、それぞれ、FAMおよびNEDで標識される。したがって、これらの実施形態においては、蛍光標識は、共に移動する単位複製配列のグループが、それらが両方とも偶数または奇数のいずれかのヌクレオチドを有する断片を含有するため、その発光スペクトルにおいて最小の重複を有する標識を有し、それによってできる限り異なるグループでの単位複製配列の検出におけるクロストークを回避する(以下も参照)。
したがって、クロストークを回避する好ましい実施形態においては、データ品質に対するスペクトル重複の影響が、重複発光スペクトルを有する染料で標識された単位複製配列間の長さの差によって回避されるような方法で一連の単位複製配列を分析する際に異なる標識と長さの差を結合することが望ましい。
各サンプルにおいて、各標的配列由来の単位複製配列がサンプル中の他の単位複製配列と長さ、および/または標識、または、好ましくは、長さと標識の組合せの点で異なることが好ましい。異なる長さの単位複製配列の十分な分離を提供するには、2つの異なる単位複製配列間の長さの差が、少なくとも2個のヌクレオチド、好ましくは、2個であることが好ましい。多型を検出する際には、多型の2つもしくはそれ以上の(SNP)対立遺伝子間の長さの差が2個以下であり、それによって、増幅の効率が異なる対立遺伝子または同じ多型の形態間で同様であることを保証することが好ましい。これは、好ましくは、両方の対立遺伝子が同じセットのプライマーで増幅され、したがって同じ染料で標識されることを意味する。
例えば、多様な遺伝子座の異なる対立遺伝子の検出に関する好ましい実施形態においては、グループ内の奇数/偶数の長さ間の分布は以下のようにしてデザインされうる。2つの遺伝子座L1、L2は各々2つの対立遺伝子、L1に対してはA11、A12、L2に対してはA21、A22によって表される。さまざまな対立遺伝子(またはその対立遺伝子を表す単位複製配列)の長さは、A11>A12>A21>A22、A12−A11=2、A22−A21=2、A12−A21=3にようになっている。そのスペクトルにおいて重複を有しうる標識を持つグループG1とG2の間には、1個のヌクレオチドの長さの差が存在しうる。したがって、G1(A11)−G2(A11)=1であり、したがって、グループは偶数または奇数のいずれかの長さで始まる。
この分布は、本明細書で開示されたより密集された分布と比べて相当に重要な利点を有する。配座の差により、同一の長さの異なる配列が一般にその電気泳動の移動度の点で異なることが周知である。1個のヌクレオチドの長さの差のみがある場合、これは配列がきわめて異なる移動度である場合はピーク間に重複をもたらしうる。例えば、1つの遺伝子座の2つの対立遺伝子(A11、A12)間の移動度の差は、異なる遺伝子座の2つの対立遺伝子(A12、A21)間の移動度における差よりも小さくなる。A12とA21との間の移動度における大きな差がある場合、これは不確実な検出をもたらしうる。本明細書で開示された長さ分布をもたらすことによって、これは回避されうる。次いで、低いスループットは検出の信頼性に一方的に不利になる。
次いで、異なる標識のスペクトル間の重複の問題は十分に回避される。これは下記表1の表Aに概略的に示されている。
Figure 2007517497
本発明の実施形態においては、1つのグループ内の単位複製配列間には交互の2個および3個のヌクレオチドの長さの差、すなわち0、2、5、7、10、12等が提供される。次いで、他のグループは、1、3、6、8、11、13等の長さの差を有する。本明細書で開示された情報に基づき、当業者は、範囲内で長さの差を変える他の方法を決定しうる。
多重注入
多重サンプルのハイスループット方法に達するために、サンプルの数は同様に処理され、それによって、次いで、少なくとも標識および/または長さの差を検出することが可能である多チャンネルデバイスで分析されうる多様の増幅サンプルを生成する。適切なデバイスは本明細書で上記されている。
電気泳動プラットフォームでのスループットを増大させるために、本出願で記載され、かつ一般的に多重注入として示されている方法が開発されている。別々の所定の長さの断片を含有する多重サンプルを注入することによって、同じ電気泳動マトリクスおよび/または短い連続的実行において、スループットを増大させることができる。すべての検出可能な断片は、好ましくは、特定の範囲内の長さを有し、限定された数の断片のみを1つのサンプル中で検出することができ、したがって、結果として単位複製配列のサブセットが生じる増幅ステップにおける伸長合成プライマーのサブセットの選択によって多重比の削減のための選択的増幅の利点を有する。
本発明の方法による増幅サンプルの多重分析は、その後の分離および検出のための電気泳動デバイスに少なくとも一部の増幅サンプルを注入するステップを含んで成る。好ましくは、かかる増幅サンプルは、標的配列が提供されたオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズしており、かつそのプローブが、それらが接続、すなわちライゲートされた補完的な標的配列で隣接してアリールされた指標である単位複製配列を含有し、または少なくともこれを含有すると思われている。その後に、増幅サンプルが次の増幅サンプルが提出する前の選択時間に分離ステップにかけられる。
本発明の方法においては、2つもしくはそれ以上の異なる増幅サンプル(の一部)が連続的に電気泳動デバイスの同じチャンネルに注入される。電気泳動条件によって、2つの(もしくはそれ以上の)連続的に注入される増幅サンプル間の時間は、増幅サンプル中の最も遅く移動する単位複製配列が、その後に注入される増幅サンプルの最も速く移動する単位複製配列が検出位置で検出される前に、検出位置で検出されるようになっている。したがって、デバイスの1つのチャンネルにおけるその後の多重注入間の時間間隔は、分離後に連続的に注入されるサンプルが検出時点で重複しないように選択される。
本発明による方法は、キャピラリー電気泳動デバイスなど多チャンネル電気泳動デバイスのチャンネルにおける、サンプル中の標的配列に対応する単位複製配列を含んで成る、増幅サンプルの連続的注入による多様な異なる標的配列を各々含んで成る多様なサンプルのハイスループット分析を可能にする。本発明による方法は、多様なチャンネルでの多様なサンプルにおける多様な標的配列の分析を可能にし、それによって、ヌクレオチド配列の分析のための従来の方法と比べ所定の時間枠で分析されうるサンプルの数のスループットを大幅に増大させる。この方法は、別々のサイズ範囲である検出すべき単位複製配列を含有するサンプルを役立てるが、それによって、連続的注入間の時間は、別々のサイズ範囲ではない検出すべき配列を含有するサンプルが使用されない方法と比べ大幅に削減されうる。
選択時間は、分離後に連続的に注入されるサンプルが検出時点で単位複製配列の重複を有することを防ぐ。選択時間は、i)単位複製配列の長さ、ii)単位複製配列の長さのばらつき、およびiii)検出デバイスおよびその動作条件によって影響される。サンプルの注入、および同じチャンネルに連続的に注入されるサンプルの分離は、1つもしくはそれ以上のチャンネルで繰り返し実行され、好ましくは、同時に1つのチャンネルでの多重サンプルの連続的電気泳動分離および/または多重チャンネル上での多重サンプルの同時の分析を可能にし、かつ/または多重チャンネル上での多重サンプルの同時の分析が連続的に実施されうる。
2つの連続的に装填される増幅サンプル間の時間は、実験的に方法を実行する前に決定されうる。この時間は、増幅サンプルの特性、特に増幅サンプル中の最短と最長の単位複製配列間に長さの差のほか、ゲル(マトリクス)および/またはバッファー濃度、イオン強度等など他の実験要素を前提として、増幅サンプル中の断片が、サンプルが注入された注入位置から反対側の端(遠位)に位置している検出位置で、サンプル中の異なる単位複製配列が個別に検出される程度に分離されるように選択される。最後の増幅サンプルを注入後、分離は追加の時間に継続され、最後のサンプルの単位複製配列が分離され、検出されることを可能にしうる。2つの連続的サンプルの注入間の選択時間と任意の追加時間との組合せは、検出位置で連続的に注入される異なる単位複製配列サンプルが、単一のサンプル内の異なる単位複製配列間に存在する限られた長さのばらつきにもかかわらず、個別に検出されうるように分離されるように選択される。したがって、重複する移動パターンは、さまざまな長さの断片を含有するサンプルが電気泳動デバイスへ連続的に適用(注入)される場合に阻止される。
本発明による方法を使用することにより、原則として、サンプルを連続的に適用、装填、または注入することが可能であり、かつ好ましい。好ましくは、デバイスはかかる操作を自動的に実行することが可能であり、例えば、プログラマブルコンピュータによって制御される。好ましくは、多チャンネルデバイスはかかる操作に適切であり、または少なくとも、バッファー、部品等の交換などのメンテナンスなしに長期の操作のための用意がある。しかし、実際には、これは一般にそうではない。最終サンプルが提出されると、一般に最終サンプルの最後の断片が検出されるまで分離を追加の時間継続する必要がある。
本発明の好ましい実施形態においては、合成プライマーおよびプローブのセットの第2のオリゴヌクレオチドプローブに存在する識別子は、単位複製配列間に長さの差(すなわち、0〜500個のヌクレオチド、塩基、または塩基対)を提供するために使用される。単位複製配列の全長および長さのばらつきは、主にそれによってこれらの断片が分析される方法によって管理される。本発明のハイスループット多重注入法においては、増幅サンプル中の単位複製配列の長さ範囲が、従来の(キャピラリー)電気泳動プラットフォームについて、ヌクレオチド、塩基、または塩基対の下限40、60、80、または100個、かつその上限120、140、160、または180個有することが好ましい。単位複製配列の長さ範囲は、10〜140個のヌクレオチドであることが特に好ましい。しかし、これらの数は、現在周知の方法の電流制限にも強く関係している。本発明によって提供される知見に基づき、当業者は、他の状況が適用される場合にこれらのパラメータを適合させることが可能である。
多重増幅の信頼性は、単位複製配列の長さのばらつきを制限することによってさらに改善される。単位複製配列の長さのばらつきにおける制限は、多重注入をより効率的に使用するために好ましく、さらに結果として、大きな伸長合成プライマーとの競合的増幅反応における小さな伸長合成プライマーの選択的増幅の削減がもたらされる。これは本発明のハイスループット法の信頼性を改善する。本明細書で開示された多重注入プロトコールとともに、これらの手段は、単独または組合せて、従来技術と比較してスループットにおける大きな増大を提供する。ハイスループット能のさらなる改善が、サンプル中の異なる単位複製配列の数を制限することによって得られる。ライゲーション/増幅ステップの多重能を多重注入プロトコールの導入と組合せて制限することがより有効かつ経済的とみなされる。本発明の最も有利な態様の1つは、本発明によるプローブのセット(合成プライマーを含む)、多重ライゲーション、多重増幅の、好ましくは、各々多重伸長合成プライマー、反復注入、および異なる標識の多重検出を増幅する単一のプライマーセット、または多重プライマーセットとの組合せ、場合により、ライゲーションと増幅ステップとの多重比における適応性を可能にする選択的プライミングとの組合せにある。本発明のさらに有利な態様の1つは、各伸長合成プライマー、したがって1つのサンプル内の各標的配列が、長さと標識の独自の組合せを有する単位複製配列によって特徴づけられうるように異なる(重複)標識との長さの差の結合適用においてある。これは標識配列の分析の効率の大きな改善、および分析される各標的の費用の大きな削減を可能にする。
多重注入プロトコールは、さまざまな方法で実行されうる。これらの方法の1つは、同じマトリクスにおける2つもしくはそれ以上のサンプルの多重装填である。これは、連続的な短い実行を行い、それによって効率およびスループットを増大させることによってマトリクスが再使用されると有利とみなされる。別の方法は、同じ実行での同じマトリクスにおける2つもしくはそれ以上のサンプルの多重装填である。短い連続的な実行を行いことによってマトリクスを再使用することが好ましい。この実施形態においては、第1のサンプルが注入され、分離される。最後の断片が検出され次第、次のサンプルが装填される。好ましくは、これら2つの連続的な短い実行間にマトリクスは置換されず、実行は同じマトリクスにおいて実行される。これは、マトリックスの変化が起こる必要がない場合に追加の効率および経済的側面の改善を提供し、このタイプの分析の消耗品(すんわち、バッファー等)の量を削減し、データ点当たりの費用を削減する。さらに、マトリクスの時間のかかる置換は大幅に回避され、さらに方法の効率を増大させる。
本質的に、多重装填または多重注入の特定の態様は、とりわけ、特許文献64および特許文献65に記載されている。後者の刊行物は、多重の時間的に間隔をおいた注入を使用する小さな化合物の改善されたスループット分析の装置および方法を開示している。この刊行物は、1個のヌクレオチドによって伸長されたプライマー(単一ヌクレオチドプライマー伸長またはSnuPE、またミニシークエンシングとしても周知)を含んで成るサンプルが、キャピラリー電気泳動デバイスで多重の時間的に間隔をおいた注入を使用して検出されうることを開示している。ミニシークエンシングは、補完的プライマーを以前に増幅された標的配列にアニーリングするステップに基づく。別々に提供された標識ヌクレオチドによるプライマーのその後の伸長は、プライマーに隣接したヌクレオチドの識別を提供する。主に、プライマー伸長産物は長さが一定である。スループットを増大させるには、実行当たり同じ長さの伸長産物の連続的注入の使用が提案されている。スループットをさらに増大させるには、一般的には15〜25個のヌクレオチドの異なる長さのプライマーが使用されうる。対照的に。本発明では、一般的には50〜150個のヌクレオチドの長さのばらつきにより直接、多重増幅産物自体を分析することが意図されている。これは、多重標的配列が単一の反応で増幅されるが、ミニシークエンシングまたはSnuPE増幅では各標的配列について個別に実施されるため、上記で概略が示されたミニシークエンシングまたはSnuPEよりも相当に経済的である。さらに、長さが異なり、標的配列と補完的であるプライマーの使用は、本発明の方法において必要なその後の増幅ステップの効率を損なう。
本発明の効率は以下のように示されうる。96個のチャンネルを有し、4つの標識を同時に検出することが可能なキャピラリー電気泳動デバイスが使用されると、チャンネル当たり1回の実行につき12回の連続注入が可能であり、注入間の選択時間は実験的に最小限に最適化され、目的とする20個の標的配列を含有するサンプルが、本発明の方法をすることにより、96(チャンネル)12(注入)20(標的)4(標識)=92160個の標的配列の高いスループット検出を可能にする。共優性SNP検出の場合、46080SNPに関するデータが単一の実行で検出されうる。
サイズラダー
サンプルには1つもしくはそれ以上の周知の長さのヌクレオチド断片を含んで成るヌクレオチド断片サイズ標準が供給される。ヌクレオチドサイズ標準を調製し、使用する方法は技術的に公知である(例えば、非特許文献10、参照)。かかるサイズ標準は、サンプル中の単位複製配列の適切なサイジング、したがって検出される断片の適切な識別の基礎を形成する。サイズ標準には、好ましくは、すべてのサンプルおよび/またはすべての注入が供給される。サイズ標準は、好ましくは、分析すべき長さの全領域に及びさまざまな長さを含有する。本発明の特定の実施形態においては、単位複製配列のサイズが補間によって導出されうるフランキングサイズ標準を追加することが有利とみなされる。フランキングサイズ標準は、少なくとも2つの標識オリゴヌクレオチド配列を含んで成り、好ましくは、そのうちの1つは最も短い単位複製配列よりも少なくとも1個の塩基短く、好ましくは、最も長い単位複製配列よりも1個の塩基長く、補間を可能にし。サンプル中のさらに長いばらつきの導入を最小限にするサイズ標準である。好ましいフランキングサイズ標準は、最も短い単位複製配列よりも1個のヌクレオチド短く、最も長い単位複製配列よりも少なくとも1個の塩基長く、かつサンプル中に含まれる単位複製配列の標識のために使用される標識と同一である少なくとも1つの染料で標識される1個のヌクレオチドを含有する。
適切なサイズ標準をアセンブリする便利な方法は、適切な標識で末端標識されている適切な長さのオリゴヌクレオチドの(カスタム)化学合成によるものである。サイズ標準は、すべての連続的に適用されたサンプルで適用され、局所のサイズ標準として装填サンプル断片をサイジングするために役立つ。サイズ標準は、分析すべきサンプルとして電気泳動デバイスの同じチャンネルまたはレーンにおいて、すなわち、サンプルといっしょに適用され、またはマルチチャンネル/レーンデバイスの平行チャンネルまたはレーンにおいて適用されうる。フランキングサイズ標準は、方法において使用される標識のいずれかで標識されうる。サイズ標準がデバイスの同じチャンネルにおいて適用される場合は、標準の断片は、好ましくは、サンプル中の単位複製配列の検出に使用される標識と区別されうる標識で標識される。
配列ベースの検出
配列ベースの検出プラットフォームの例は、固相および液相マイクロアレイである。好ましくは、独自にアドレス可能なアレイが使用され、ここでプローブは独自の配列(ZIP配列など)を含有し、それによって、単位複製配列はアレイ上の所定のスポットにハイブリダイズされ、ここで補完的ZIP配列が配置されている(cZIP)。アレイベースの検出法は現在、一般的であり、この技術は広く普及しており、当業者は本発明の単位複製配列を検出するために適切なアレイを作成することが可能である。適切なアレイベースの検出法の例は、例えば、特許文献66、特許文献67、特許文献68、特許文献69、特許文献70、特許文献71、特許文献66、特許文献72、およびジーンチップス(Genechips)アレイ、アフィメトリックス(Affymetrix)DNAチップ、およびVLSIPSTMアレイである。本発明のアッセイに特に適切かつ好ましい検出プラットフォームは、とりわけ、特許文献73、特許文献74、特許文献75、特許文献76、特許文献77、及び特許文献78に記載されており、いわゆるパム(Pam)アレイである。
質量ベースの検出
質量ベースのプラットフォームの例は、MALDI−TOFである。各々検出すべき分析物は異なる質量を有する。これは、例えば、第2のプローブまたは合成プライマーにおける制限部位を含んで成る識別子配列の組込みによって達成されうる。伸長合成プライマーが検出前(場合により増幅後)に制限されうると、一連の断片/オリゴヌクレオチドが得られ、各々、サンプル中の標的配列の存在、非存在、または量と関係する異なる質量を有する。
質量ベースの検出を使用する本発明の一実施の形態は、核酸サンプル中の標的配列の存在、非存在、または量を判定するための方法に関し、標的配列の存在、非存在、または量は、分子量に基づく検出法と組合せたオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイによって判定され、ここでサンプル中の各標的配列は識別子によって示され、標的配列の検出は、前記識別子を含んで成る断片の存在または非存在の検出に基づく。この方法は、出願人による特許文献79にも開示されている。
一部の実施の形態においては、本発明は、核酸サンプルにおける標的ヌクレオチドの存在、非存在、または量を判定するための方法に関し、前記方法は、
a)核酸サンプルに前記サンプル中で検出すべき各標的配列のための第1のプローブを提供し、それによって前記第1のプローブが標的配列の第1の部と補完的である第1の標的特異的部分を有し、かつ前記サンプル中で検出すべき各標的配列のための第2のプローブを提供し、それによって前記第2のプローブが標的配列の第2の部と補完的である第2の標的特異的部分を有し、それによって前記標的配列の第1および第2の部が互いに隣接して配置され、それによって前記第2のプローブが、前記標的配列に実質的に非補完的であるタグ部分をさらに含んで成り、それによって前記タグ部分が第1のプライマー結合配列を含んで成るステップと、
b)前記第1および第2のプローブの前記第1および第2の標的特異的部分を、前記サンプル中に存在する各標的配列の前記第1および第2の部にアニールさせ、それによって前記プローブの前記第1および第2の標的特異的部分が前記標的配列上で隣接してアニールされるステップと、
c)前記標的配列に隣接してアニールされた前記第1および第2の標的特異的部分を接続し、かつ前記第1および第2の標的特異的部分を接続させ、前記サンプル中の標的配列に対応する接続プローブを生成する手段を提供するステップと、
d)ステップc)から結果として生じる混合物に、前記第1の標的特異的部分の少なくとも一部と補完的である部分および第2のプライマー結合部分を含んで成る合成プライマーを提供するステップと、
e)前記合成プライマーを前記第1の標的特異的部分の少なくとも一部にアニールさせるステップと、
f)前記合成プライマーを伸長するステップと、
g)前記第1のプライマー結合部分と実質的に同一の配列を有する前記第1のプライマーと、前記第2のプライマー結合部分と補完的である第2のプライマーとを含んで成る一連のプライマーを提供するステップと、
h)結果として生じる混合物を増幅し、前記接続プローブを示すものである単位複製配列を含んで成る増幅サンプルを得るステップと、
i)前記対応する単位複製配列の存在、非存在、または量を検出することによって前記サンプルにおける標的配列の存在、非存在、または量を判定するステップと
を含んでおり、
ここで合成プライマーおよび第2のオリゴヌクレオチドプローブの少なくとも1つが、制限酵素の制限部位をさらに含み、その制限部位は、それぞれのプライマー結合部位と、第1のプローブまたは標的配列の第2の部とそれぞれ補完的であるオリゴヌクレオチドプローブの部分との間に位置し、ここで識別子が制限部位とプライマー結合部位との間に位置し、ここでこの方法は、制限酵素で単位複製配列を消化し、ステップi)の前に検出可能な断片を得るステップを含んでいる。
単位複製配列は開裂または切断される。単位複製配列の開裂は、再生可能に開裂または切断されたヌクレオチド鎖が得られる限り技術的に周知の適切な手段によって達成されうる。この点において再生可能は、開裂または切断の手段により単位複製配列の配列における同じ位置でヌクレオチド配列が切断される選好を指す。単位複製配列を開裂する手段は、化学的または酵素的でありうるが、好ましくは、制限酵素など酵素的である。好ましい制限酵素が制限エンドヌクレアーゼである。単位複製配列が、好ましくは、プライマー結合部位と第1の標的特異的部分と補完的である部分との間の第2のプローブのタグまたは合成プライマーにおいて提供された制限部位で制限酵素によって開裂される。単位複製配列の開裂により、制限ステップに由来する両方の鎖の末端ヌクレオチドが塩基対である平滑末端、または制限ステップに由来する末端の1つが突出して(短い)一本鎖伸長を示すねじれ型末端のいずれかが生じる。好ましくは、制限部位は配列特異的制限酵素によって認識される。原理上、技術的に周知の制限酵素は、再生可能な切断を生成する限り使用されうる。サンプル中の単位複製配列の開裂は結果として検出可能な断片をもたらす。一部の実施形態においては、追加のオリゴヌクレオチドが提供され、制限酵素によって開裂されうる二本鎖核酸を生成する。
制限エンドヌクレアーゼ自体は技術的に公知である。適切な制限酵素は4、5、6、7、または8個もしくはそれ以上のヌクレオチドの認識配列を有しする。好ましくは、制限エンドヌクレアーゼは稀なカッター(cutter)である(すなわち、4個以上のヌクレオチドの認識配列を有する)。好ましくは、制限酵素はII型酵素またはIIs型酵素である。好ましい制限酵素は、EcoRI、HindIII、BamHIである。他の好ましい制限酵素は6−カッター(cutter)制限酵素であり、好ましくは、比較的安価である6−カッターズ(cutters)である。
例えば、制限エンドヌクレアーゼによる、ステップ(e)における単位複製配列の消化は結果として、検出可能な断片(識別子配列を含んで成る)および単位複製配列の残存物(廃棄物断片)がもたらされる。廃棄物断片は、伸長合成プライマーの一部を含んで成る。制限エンドヌクレアーゼによる消化は結果として、二本鎖である検出可能な断片をもたらす。検出可能な断片および廃棄物断片は2つの鎖から成り、一方はトップ鎖(top strand)として示され、他方はボトム鎖(bottom strand)として示される。検出可能な断片は変性処理にかけられ、別個のボトム鎖およびトップ鎖を提供しうる。ボトム鎖が実質的にトップ鎖と補完的であり、すなわち、トップ鎖およびボトム鎖のヌクレオチド配列の最大部は補完的であり、例外は実質的に本明細書で上記されている、ねじれ型または突出末端の一部であるヌクレオチドである。トップまたはボトム鎖のいずれかが検出され。またはトップとボトム鎖の両方が検出されうる。
検出は、検出可能な断片の存在、非存在、または量の検出に基づく。検出可能な断片の検出は、好ましくは、増幅サンプル中の単位複製配列の存在、非存在、または量を示し、したがって、核酸サンプル中の標的ヌクレオチド配列を示す。好ましくは、検出は検出可能な断片のトップおよび/またはボトム鎖の検出に基づく。トップ鎖に加えてボトム鎖の検出は、標的配列の存在、非存在、または量の直接の確認がデュプロ(duplo)で得られる利点を有する。
検出は消化サンプルで直接実行されうるが、検出前に、検出可能な断片が消化増幅接続プローブから単離され、精製され、または分離されることが好ましい。検出可能な断片は、スピンカラム精製、逆相精製、または、好ましくは、磁気ビード、プローブスティックス、ハイブリダイゼーションベースの引抜き等など適切な担体と結合したビオチン−ストレプトアビジンの組合せなど親和性標識法などの技術的に周知の手段によって消化された単位複製配列から単離され、精製され、または分離されうる。単離、精製、または分離は、トップおよび/またはボトム鎖での変性処理後にも実行されうる。
検出可能な断片は、好ましくは、親和性標識で標識される。親和性標識は、好ましくは、検出可能な断片の末端に配置され、制限部位から遠位、または消化後に配置され、制限部位の残存物である。検出可能な断片のトップ鎖および/またはボトム鎖には、親和性標識が備えられる。好ましくは、親和性標識および識別子配列を含んで成るのはボトム鎖である。トップ鎖の概念は一般に、トップ鎖のヌクレオチド配列が少なくとも部分的に識別子、制限部位、およびプライマー結合部位を含んで成るタグの一部に対応し、すなわち、トップ鎖がプローブのそれと実質的に同一でありヌクレオチド配列を含有することを示すために使用される。ボトム鎖は、トップ鎖と補完的な鎖であり、トップ鎖のプライマー結合部位と補完的なプライマーの伸長による第1回の増幅後に得られ、そのプライマーは好ましくは、親和性標識を備えている。したがって、ボトム鎖は、プライマーの1つのヌクレオチド配列に対応する配列を含有する。特定の好ましい実施形態においては、ボトム鎖は親和性標識を備えている。好ましくは、ボトム鎖は変性した検出可能な断片を含んで成るサンプルから、好ましくは、親和性標識によって単離される。好ましくは、質量分析を使用して検出されるのがボトム鎖である。したがって、ボトム鎖の検出は、対応する標的ヌクレオチド鎖の存在または非存在に関連する情報を提供する。
親和性標識は、消化された単位複製配列の混合物からトップおよび/またはボトム鎖の単離のために使用されうる。親和性標識としては、ビオチン−ストレプトアビジンの組合せが好ましい。親和性標識トップ鎖、ボトム鎖、または検出可能な断片はその後に分子量に基づく検出法を使用して検出されうる。
本明細書で使用される親和性標識という語は、タグのヌクレオチド配列と実際の親和性標識との間に配置された、いわゆる「リンカー」(特定の分子量を有する)によって結合される親和性標識も包含する。
別の実施形態において、親和性標識は制限部位−識別子組合せを含まないタグにおいて提供される。これは消化ステップ前に単位複製配列の単離を可能にする。制限および任意の変性後に結果として生じる混合物は、質量分析を使用して直接分析されうる。検出可能な断片、またはトップもしくはボトム鎖の質量は、既知であり、または少なくとも計算されうるように、廃棄物断片(すなわち、消化された増幅接続プローブ)は、検出可能な断片として検出を大きく損なうことはなく、トップ鎖またはボトム鎖は既知および異なる質量範囲内である。
分子量に基づく検出法は、例えば質量分析であり、さらに特にオリゴヌクレオチドなど大きな分子の検出に適切である質量分析法である。これらの方法の例は、マトリクス支援レーザー脱離イオン化飛行時間(MALDI−TOP)、HPLC−MS、GC−MS等である。一般的に、分子量に基づく検出法は、提出されるサンプルが一本鎖型でオリゴヌクレオチドを含有することが好ましい。検出可能な断片が二本鎖オリゴヌクレオチドとして単離されている場合、検出可能な断片は、好ましくは、技術的に周知の方法を使用して変性され、例えば、トップ鎖および/またはボトム鎖として本明細書で記載されているものなど一本鎖オリゴヌクレオチドを得る。
制限エンドヌクレアーゼによる消化後、得られる検出可能な断片は、好ましくは、識別子、制限部位の残存物、かつ、もしあれば、プライマー結合部位を含んで成る。場合により、親和性標識は、場合により、リンカーによって、トップおよび/またはボトム鎖に付着されうる。したがって、検出すべき質量は、プライマー結合部位、識別子、制限部位の残存物、および任意の親和性標識、および任意のリンカーの分子量の総和である。
核酸サンプル中の異なる標的配列間を区別するために、検出可能な断片は、サンプル中の1つの標的配列に対応する検出可能な断片が質量においてサンプル中の別の標的配列に対応する検出可能な断片と異なるようにデザインされている。したがって、多重標的配列を含んで成るサンプルは(ライゲーション、増幅、および消化後)、多重の検出可能な断片、各々異なる質量を有する検出可能な断片を含んで成る。それぞれトップおよびボトム鎖における検出可能な断片の変性とともに、さまざまなトップ鎖は各々異なる質量を有する。同様に、さまざまボトム鎖は各々異なる質量を有する。好ましくは、2つの異なる検出可能な断片間(したがって、それぞれ、トップ鎖とボトム鎖との間)の質量の差は、識別子の質量の差によって示される。
トップ鎖またはボトム鎖は、不変部分と可変部分を含んで成るとみなされうる。不変部分は、プライマー結合部位、任意の親和性標識(任意のリンカーを含む)、および制限部位の残存物を含んで成る。可変部分は、識別子を含んで成る。不変部分は1つのサンプル内で不変であり、質量が不変である。可変部分は、好ましくは、サンプル中の異なる標的ヌクレオチドに対応する鎖間の質量の差を示す。
本発明の一実施形態においては、検出可能な断片(およびその結果として)オリゴヌクレオチドプローブは、不変部分も質量が変動するようにデザインされている。これは質量スペクトル内の多重領域の生成を可能にする。各領域は下限と上限を有し、それによってウィンドウを規定する。ウィンドウの下限は不変配列の質量によって規定される。異なる不変配列を使用することによって、異なる領域が規定されうる。好ましくは、これらの領域は重複することがない。1つの領域内で検出すべきオリゴヌクレオチド間の質量差は、実質的に本明細書で上記されている識別子間の質量差によってもたらされる。領域の上限は、少なくとも、領域の下限と最大の質量を有する識別子の総和である。例えば、2つの不変部分は、それぞれ、6489ダルトンおよび8214を有する。2個のヌクレオチドまでの識別子配列は(識別子の非存在、したがって質量0を含む)15種類の組合せを提供し、各々、0から642までの範囲で分子量が異なる(AGまたはGA)。これは、6489ダルトン〜7131ダルトンと8214ダルトン〜8856ダルトンの2つの領域を可能にする。これは本発明の多重能の増大を可能にする。これは質量分析前にサンプルのプールを可能にする。両方は本発明のハイスループットを増大させる。
本発明のプローブにおいて使用されうるとともに、すべての検出可能な断片、したがってサンプル中のトップ鎖またはボトム鎖の独自の質量を提供することが可能である識別子をデザインするために、識別子は、好ましくは、以下の要件を満たす必要がある。すなわちi)増幅ステップ中にポリメラーゼのスリップを回避する限られた数のお同一の連続的塩基、ii)制限酵素に対する内部認識部位がないこと、iii)十分な分解を保証する最小の質量差、iv)例えば、分子内ハイブリダイゼーションによる、例えばライゲーションプローブの他の部分によるヘアピンの形成がないこと。
本発明における使用に適した識別子は、所定の長さまですべて可能な識別子配列を計算し、上記(i−iv)の基準を満たす方法を使用してデザインされうる。この方法は、コンピュータでコンピュータプログラムを使用して実行されうる。この方法は、本質的に発明とみなされうる。コンピュータプログラムは、ディスケットなど個別のデータ記憶媒体上で提供されうる。この方法は、識別子配列の長さの上限を提供することから始める。この方法は、その後にヌクレオチド配列のすべての可能な順列を計算し、削除と選択の過程を通じて、本明細書で上記されているi−iiiの基準を適用する。許容可能な連続的塩基の数は別々に提供され、またはあらかじめ規定されうる。制限酵素の認識部位は、個別の入力として提供されうるが、他の制限酵素の認識配列の存在が許容されるかどうかによって、制限酵素の既知の認識部位のデータベースからも導出されうる。最小質量差は、個別の入力として、または所定のパラメータとしても提供されうる。ヘアピンの形成は、プローブ・デザイナー・バージョン2.0(著作権1990年、1991年、サイエンティフィック・アンド・エデュケーショナル(Scientific and Educational)ソフトウェア)など標準PCR−プライマー選択プログラムを使用することによって点検されうる。結果として生じる識別子配列は、適切なフォーマットで、例えば、データ記憶媒体上でユーザーに提示されうる。
本発明による方法は、多様な標的配列の分析を可能にし、それによって分析されうるサンプルの数のスループットを大幅に増大させる。本明細書で使用される「スループット」は、単位時間で分析されうるサンプルおよび標的配列の数を示す相対パラメータを規定する。
プール
技術の変形において、多重個体の出発(DNA)物質は、この物質を含有する少ない検出サンプルが検出デバイスに装填される。これは出発物質の特定のプール、例えば特定の形質に対して異なる表現型を有する個体由来の出発物質のプールに特異的である、目的が単位複製配列(SNP対立遺伝子を示すものなど)を識別する連鎖不均衡(LDマッピング)の場合に有利でありうる。
用途
本発明の一態様は、さまざまな用途における方法の使用に関する。本発明に記載の方法の用途は、遺伝子型決定、転写物プロファイリング、遺伝子マッピング、遺伝子発見、マーカー補助選択、種子品質管理、ハイブリッド選択、QTLマッピング、バルクセグレガント分析、DNA指紋法、およびマイクロサテライト分析などの方法において見出されるが、これらに限定されない。別の態様は、標的核酸配列の量的存在度の同時のハイスループット検出に関する。この方法は一般的にバルクセグレガント分析(BSA)として周知である。
単一ヌクレオチド多型の検出
本発明による方法の1つの特定の好ましい用途は、単一ヌクレオチド多型(SNP)の検出にある。本発明による対合の第1のオリゴヌクレオチドプローブ(および好ましくは第1のプローブ)は、好ましくは、多型部位、すなわち単一の多型ヌクレオチドに隣接して配置されている標的配列の一部と補完的である一部を含んで成る。本発明による対合の第2のオリゴヌクレオチドプローブ(および好ましくは第2のプローブ)は、その末端塩基が多型部位、すなわち単一の多型ヌクレオチドに隣接して配置されているように標的配列の一部と補完的である。末端塩基が標的配列における多型部位で存在するヌクレオチドと補完的である場合は、これは標的配列にアニールし、結果として2つのプローブのライゲーションが生じる。エンドヌクレアーゼ、すなわち、対立遺伝子特異的ヌクレオチドがマッチしない場合、ライゲーションは起こらず、または低レベルのライゲーションのみが起こり、多型は未検出のままである。
サンプル中の標的配列の1つが単一ヌクレオチド多型(SNP)由来であり、またはこれを含有する場合、対立遺伝子に特異的なプローブに加えて、対立遺伝子の識別だけではなく、SNPの可能な対立遺伝子の各々の識別も可能にする別のプローブが提供されうる(共優性スコアリング)。このために、数種類のプローブの組合せが提供されうる。すなわち、関係するすべての対立遺伝子について同じである種類のプローブと可能な対立遺伝子の各々に特異的である1つもしくはそれ以上の他の種類のプローブの組合せが提供される。これら1つもしくはそれ以上の他の種類のプローブは、同じ補完的配列を含有するが、各々が、好ましくは、特異的対立遺伝子に対応する末端でヌクレオチドを含有する点で異なる。対立遺伝子特異的プローブは、予想される異なる対立遺伝子の数に対応する数で提供されうる。結果は、1つのSNPが1種類のプローブの他の4種類の(対立遺伝子特異的)プローブとの組合せによって特徴づけられ、異なる長さ(好ましい)または異なる標識を対立遺伝子特異的プローブへ組込むことによって、第4の理論的に可能な対立遺伝子すべて(A、T、C、およびGに対する)を識別することができる。
一部の実施形態においては、合成プライマーは、それがライゲーション点に及び、したがってSNPの対立遺伝子を識別するようにデザインされうる。
好ましくは、単一ヌクレオチド多型に関する特定の実施形態においては、本発明によるセットの第1のオリゴヌクレオチドプローブは、多型部位を含有しない標的配列の一部に関し、本発明による対合の第2のオリゴヌクレオチドプローブは、好ましくは、プライマー結合部分から遠位の末端で、目的とする多型部位と補完的な1つもしくはそれ以上のヌクレオチドを含有する。隣接プローブのライゲーション後、接続プローブは単一ヌクレオチド多型の対立遺伝子の1つに特異的である。標的配列における多型部位の対立遺伝子を識別するには、一対のオリゴヌクレオチドプローブが提供され、ここで1つの第1のプローブ、および1つもしくはそれ以上の第2のプローブが提供される(この場合、一対のプローブは2つ以上のプローブを含有しうる)。次いで、各第2のプローブは、補完的配列の末端、好ましくは、3’末端で、識別子の既知の長さと組合せて、特異的なヌクレオチドを含有する。例えば、A/C多型の場合、第2のプローブは、識別子の長さが2個のヌクレオチドである特異的ヌクレオチドTを含有しうるとともに、この多型に対する別の第2のプローブは、識別子の長さが0である特異的ヌクレオチドGを結合する。プライマーおよび合成プライマーの補完的部は、好ましくは、同じ長さであるため、これは2個のヌクレオチドの結果として生じる単位複製配列の長さの差をもたらす。第4の理論的に可能な多型部位のヌクレオチドすべての存在および/または非存在が望ましい場合、識別子特異的ヌクレオチドの組合せはそれに応じて適合されうる。本実施形態においては、遺伝子座特異的情報が合成プライマーにおける識別子の長さに結合され、多型部位の対立遺伝子特異的情報が第2の識別子の長さに結合されるとみなされうる。次いで、2つの識別子の結合された長さは、遺伝子座と対立遺伝子の組合せを示すと見ることができる。同じセットの増幅プライマー(したがって標識)または重複発光スペクトルを有する標識を有する増幅プライマーの多重セットで増幅された多重標的配列を含有するサンプルにおいては、結合識別子の長さが、すべての伸長合成プライマーが独自の長さであるように選択される。
好ましい実施形態においては、この原理は、遺伝子座当たり少なくとも2つの対立遺伝子有する少なくとも10個の遺伝子座に伸長されうる。1つは第2のプローブ、1つは合成プライマーにおける2つの識別子を使用する別の利点は、合成プライマー(すなわち、遺伝子座特異的プローブ)における識別子の長さ大半を組込むことによって、対立遺伝子特異的プローブが短いままでありうること、すなわち、対立遺伝子特異的プローブ間の判定に十分な最小限の数の塩基であり、費用の節約となる。対立遺伝子特異的プローブにおける完全な識別子配列の組込みは、大半の識別子配列の合成を2回必要とする。
特異的標的配列の検出
標的配列は、ゲノム由来の既知のヌクレオチド配列を含有する。かかる配列は、必ずしも多型を含有することはないが、例えば、遺伝子、プロモーター、遺伝子移入部、または導入遺伝子に対して特異的であり、または生産形質、耐病性、収率、ハイブリッド強勢に関する情報を含有し、ヒト、動物、および植物における腫瘍または他の疾患および/または遺伝子機能を示す。このために、第1のプローブおよび第2のプローブの補完的部は、所望の情報に付随して、ゲノムにおける標的配列に対応し、好ましくは、独自にデザインされている。標的配列における補完的部は、互いに隣接して配置されている。所望の標的配列がサンプルに存在する場合、2つのプローブは隣接してアニールし、合成プライマーのライゲーションアニーリングおよび伸長および増幅後に検出されうる。
AFLPマーカーの検出
AFLPは、その用途および技術が、非特許文献25および特許文献62に記載されており、これらは参照により本明細書で援用される。AFLPの別の説明、その利点、その実施形態、その技術、使用される酵素、アダプター、プライマー、および別の化合物、器具、および定義について、明示的な引例が、AFLPに関する上記の刊行物の関連文章になされている。AFLPおよびその関連技術は、例えば、特定の遺伝子または遺伝子形質の存在を示し、または一般に既知の起源または制限パターンのDNA、cDNA、またはRNAサンプルの比較のために使用されうる識別のための強力なDNA指紋法である。AFLPマーカーは一般に分析すべきヌクレオチド配列における多型部位の存在と関係がある。かかる多型は、制限部位、選択的ヌクレオチドに、例えば、インデルスもしくは置換基の形で存在し、または制限断片の残りの部分、例えばインデルスもしくは置換基の形で存在しうる。AFLPマーカーがそのようなものとして識別されると、AFLPマーカーと関係がある多型は識別されうるとともに、本発明のライゲーションアッセイにおいて使用されるプローブが開発されうる。
別の態様において、本発明は、標的配列の第1の部にハイブリダイズが可能である一部を含んで成り、かつ好ましくは、この一部から成る第1の核酸プローブに関する。本発明は、標的配列の第2の部にハイブリダイズが可能な一部を含んで成り、かつ好ましくは、プライマー結合配列および/または識別子を含んで成る第2の核酸プライマーにも関する。本発明は、好ましくは、第1および第2のプローブを含んで成る一対のプローブにも関する。本発明はさらに、第1のプローブの一部にアニーリングが可能な部分を含んで成り、かつ好ましくは、プライマー結合配列および/または識別子を含んで成る合成プライマーに関する。本発明は、好ましくは、合成プライマー、第1および第2のプローブを含んで成る一連のプローブにも関する。
別の態様における本発明は、少なくとも1個のヌクレオチド配列の分析、および好ましくは、単一ヌクレオチド多型の検出における一対のまたは一連のプローブの使用に関し、ここで対合またはセットはさらに、既知のSNP対立遺伝子と補完的であるヌクレオチドを含有する少なくとも1つの追加のプローブを含んで成る。プローブの対合またはセットの使用は、単一ヌクレオチド多型のハイスループット検出における方法においてさらに好ましく、ここで第1のプローブにおける第1の識別子の長さは単一ヌクレオチド多型の遺伝子座に特異的であり、第2のプローブにおける第2の識別子の長さおよび存在は単一ヌクレオチド多型の対立遺伝子に特異的である。本発明の別の態様はプライマーに関し、より具体的には、第1のプライマーおよび1つもしくはそれ以上の第2のプライマーを含んで成るプライマーのセットに関し、ここで各第2のプライマーは標識を含有し、その第2のプライマーは前記標識に特異的であるヌクレオチド配列を含んで成る。
本発明にはキットの形での実施形態もある。本発明によるキットは、例えば、方法における使用に適切なプローブの対合またはセットを含んで成るキット、およびプライマーまたはプライマーのセットを含んで成るキットであり、さらにプライマーおよびプローブを含んで成り、好ましくは酵素バッファー等をすべて適切に備えた組合せキットが、本発明によって提供される。
本発明は、少なくとも1つのサンプルにおける標的配列の存在、非存在、または量の検出または判定における本発明によるプローブの対合もしくはセット、または2つもしくはそれ以上のプローブの対合またはセットの使用にも関する。
本発明をこれから以下の実施例によって説明する。適切な実験条件、特にライゲーション、増幅、および検出条件は、特許文献26、特許文献27、特許文献28、および特許文献79においても見られる。
実施例1 生体物質およびDNA単離の説明
DNAを4個の同型トマト系の葉材料から本質的に周知の、例えば実質的に特許文献63=欧州特許第0534858号明細書に記載されている方法を使用して単離し、1XTE(1mM EDTA含有10mM Tris−HCl pH8.0)溶液中に保存した。濃度を標準の手順を使用して分光光度計(MERK)のUV測定によって判定し、1XTEを使用して100ng/μlに調節した。
実施例2 SNPの識別
選択SNPを識別し、テーブル1に示す。
実施例3 オリゴヌクレオチドライゲーション反応のためのオリゴヌクレオチドプローブ
オリゴヌクレオチドプローブ(5’−3’配向)を選択し、実施例2に記載されているSNP遺伝子座の各々のSNP対立遺伝子を判別した。プローブのすべてを5’末端でリン酸化する。配列はテーブル2Aおよびテーブル2Bに示されている。第1のプローブの1グループはチオエートリンケージを含有し、プローブにエクソヌクレアーゼ耐性を与える(太字で表示、3個の最大3’ヌクレオチド、テーブル2A)。第1のプローブの別のグループは3’末端でビオチニル化される(テーブル2B)。
第2のプローブが両方の対立遺伝子特異的形態で提供され、かつ1つの遺伝子座に対する2つの対立遺伝子間の2つのヌクレオチドの長さの差を生成する識別子(太字で表示)が提供されている(テーブル3)。
実施例4 第1のプローブに対してアニーリングするオリゴヌクレオチド合成プライマーおよびその後の合成プライマー伸長反応
合成プライマー(5’−3’配向)を選択し、実施例3に記載されている第1のプローブにハイブリダイズした。PCR結合領域は下線で示され、第1のプローブ特異的配列は二重下線で示されている。配列はテーブル3に示されている。
実施例5 PCR増幅プライマーのデザイン
PCR増幅に使用されるプライマーの1つの配列は、実施例4に記載されている合成プライマーに組込まれたPCRプライマー結合領域と補完的であった。第2のPCRプライマーの配列は、実施例3における第2のプローブのPCRプライマー結合領域にマッチした。通常、順方向プライマーは標識されている。オリゴヌクレオチドの濃度は50ng/μlに調節された。5’−3’配向におけるプライマーの配列は下記表2のテーブル5に示されている。
Figure 2007517497
実施例6 ライゲーションおよび増幅
同型トマト系(実施例1)の4つのサンプル(サンプル1−4)を20個のプローブ(遺伝子座当たりプローブ2個)の混合物を使用して多重オリゴヌクレオチドライゲーション反応にかけた。使用条件は、容積10μl中の各プローブの1×Taq DNAリガーゼバッファー(NEB)、0.2U/μl Taq DNAリガーゼ、および0.05fmol/μlであった。ライゲーションをサーモサイクラー(パーキンエルマー(Perkin Elmer)において以下のサイクル条件で実行した。すなわち、2分を94℃+10(15秒を94℃+60分を60℃)+4℃連続。ライゲーション後、10μlライゲーション産物を30μl 1×Taq DNAリガーゼバッファーで希釈した。
希釈ライゲーション反応液10μlを使用し、M00Kと結合した標識E00Kプライマーを使用してPCRを実行した。E00KプライマーをJOEで標識し、MegaBACEで検出を可能にした。合成プライマーを増幅プライマーと同時に添加した。PCRで使用した条件は各合成プライマー30pg、標識E00Kプライマー30ng、およびM00Kプライマー30ng、1×AccuprimeバッファーI、20μl PCR反応中10μl希釈ライゲーション産物での0.4μlAccuprimeポリメラーゼ(インビトロジェン(Invitrogen)。PCRをサーモサイクラーにおいて以下のサイクル条件で実行した。
合成プライマー伸長:15秒を94℃+30秒を56℃+2分を68℃、増幅について、2分を94℃+35(15秒を94℃+30秒を56℃+60秒を68℃)+4℃連続。
PCR産物をSephadex 50を使用して精製し、MQで80倍希釈した。希釈PCR産物をMegaBACEで分析した。
バッファー組成:
1×Taq DNAリガーゼバッファー
20mM Tris−HCl
25mM 酢酸カリウム
10mM 酢酸マグネシウム
10mM DTT
1mM NAD
0.1%Triton X−100
(pH 7.6@25℃)
1×AccuPrime Taq DNAポリメラーゼバッファー
20mM Tris−HCl(pH8.4)
50mM KCI
1.5mM MgCl2
0.2mM dGTP、dATP、dTTP、およびdCTP
熱安定性AccuPrime(商標)プロテイン
10%グリセロール.
実施例7 単位複製配列の精製および希釈
MegaBace1000キャピラリーシークエンシング機器を使用する検出の場合、PCR反応混合物の脱塩および精製を96ウェルフォーマットで以下の手順を使用して行った。
乾燥Sephadex(商標)G−50スーパーファイン(アマシャム・ファルマシア・バイオテック(Amersham Pharmacia Biotech)、ウプサラ(Uppsala)、スウェーデン)を、以下のとおり45マイクロリットルカラムローダー(ミリポア社(Millipore Corporation)を使用し、96ウェルプレート(マルチスクリーン(MultiScreen)(登録商標)−HV、ミリポア社(Millipore Corporation)、ベッドフォード(Bedford)、マサチューセッツ州(MA)、米国)のウェルヘ装填した。すなわち、Sephadex(商標)G−50スーパーファインをカラムローダーに添加した。
過剰なSephadex(商標)をスクレーパーでカラムローダーの上部から除去した。マルチスクリーン−HVプレートを逆さまにカラムローダーの上部へ配置した。マルチスクリーン−HVプレートとカラムローダーを両方とも逆さにした。Sephadex(商標)G−50をカラムローダーの上部または側部を軽く叩くことで解放した。次に、Sephadex(商標)G−50を以下のとおり膨張させて洗浄した。すなわち、200μl Milli−Q水を多チャンネル分注器を使用してウェルごとに添加した。遠心アラインメントフレームを標準96ウェルマイクロプレートの上部に配置し、マルチスクリーン−HVプレートを上部に配置し、ミニカラムを900gで5分間遠心分離によってパックした。
96ウェルプレートを空にし、元に戻した。ステップ5−7を1回繰り返した。
200μl Milli−Q水(MQ)を各ウェルに添加し、Sephadex(商標)G−50を膨張させ、2−3時間インキュベートした。時々、この段階でマルチスクリーン−HVプレートをSephadex(商標)G−50スーパーファインの膨張したミニカラムとともにパラフィルムで密閉し、さらに使用するまで4℃下に冷蔵庫で保存した。遠心アラインメントフレームを標準96ウェルマイクロプレートの上部に配置し、マルチスクリーン−HVプレートをアセンブリの上部に配置し、ミニカラムを900gで5分間遠心分離によってパックした。96ウェルマイクロプレートを除去した。遠心アラインメントフレームを使用し、マルチスクリーン−HVプレートを新しい標準U底マイクロタイタープレートの上部に配置し、遠心分離を900gで5分間行った。標準96ウェルプレート中の溶出液(ウェル当たり約25μl)は精製産物を含有する。精製サンプルを注入前にMilli−Q水中で25−75倍希釈した。
実施例8 MegaBACEキャピラリー電気泳動
サンプル調製:
ET−900Roxサイズ標準(アマシャム・バイオサイエンシス(Amersham Biociences)の800倍希釈を水中で行った。希釈ET−900Rox 8μlを精製サンプル2μlに添加した。実行前に、サイジング標準を含有するサンプルを1分間94℃下にインキュベーションによって加熱変性させ、その後に氷上に置いた。
MegaBACEでの検出:
MegaBACEキャピラリーを1XLPA(アマシャム・バイオサイエンシス(Amersham Biociences)、Piscataway、ニュージャージー州(NJ)、米国)でメーカーの指示に従って充填した。サンプルの界面動電注入のパラメータは以下のとおりであった。すなわち、3kVで45秒。実行パラメータは10kVで10分間であった。実行後、クロストーク補正、ピークの平滑化、およびクロストーク補正をGenetif Profilerソフトウェア、バージョン1.0製造20001017(モレキュラー・ダイナミックス(Molecular Dynamics)、サニーベール(Sunnyvale)、カリフォルニア州(CA)、米国)を使用して行い、電気泳動図を作成した。
実施例9
本発明のプローブを試験し、最近開発され、従来のリニアまたは南京錠プローブよりも優れていることがわかっている別の種類のプローブと比較した。この種類のプローブは、その内容が本明細書で参照により援用される、PCT/NL0300444として2004年7月17日出願の別の特許出願の主題である。「キーロック」で示されたプローブも本出願のテーブル5で示されている。本発明のプローブは、3つのセット、すべて10個の合成プローブを含有するセット1(テーブル4、遺伝子座31−40)、5個のプローブを含有するセット2(テーブル4、遺伝子座31、33、35、37、39)、および5個の他の合成プローブを含有するセット3(テーブル4、遺伝子座32、34、36、38、40)に分割した。同型トマト系(実施例1)のサンプル2個を20個のプローブ(遺伝子座当たりプローブ2個)の混合物を使用して多重オリゴヌクレオチドライゲーション反応にかけた。使用条件は、容積10μl中の各プローブの100ngDNA、1×Taq DNAリガーゼバッファー(NEB)、0.2U/μl Taq DNAリガーゼ、および0.05fmol/μlであった。ライゲーションをサーモサイクラー(パーキンエルマー(Perkin Elmer)において以下のサイクル条件で実行した。すなわち、2分を94℃+10(15秒を94℃+60分を60℃)+4℃連続。ライゲーション後、10μlライゲーション産物を30μl 1×Taq DNAリガーゼバッファーで希釈した。
希釈ライゲーション反応液10μlを使用し、M00Kと結合した標識E00Kプライマーを使用してPCRを実行した。E00KプライマーをFAMで標識し、MegaBACEで検出を可能にした。合成プライマーを増幅プライマーと同時に添加した。PCRで使用した条件は各合成プライマー50fmol/μlの5μl、50ng/μl標識E00Kプライマー0.6μl、および50ng/μlM00Kプライマー0.6μl、20μl PCR反応中10μl希釈ら0産物で2μl 10×TaqバッファーI,0.08μl 5U/μl Amplitag Goldポリメラーゼ。PCRをサーモサイクラーにおいて以下のサイクル条件で実行した。
合成プライマー伸長:12分を94℃+10(15秒を94℃+2分を60℃+1分を72℃)、増幅について、35(15秒を94℃+30秒を56℃+60秒を72℃)+4℃連続。
「キーロック」プローブを同じ反応条件および同じライゲーション/増幅プロトコールにかけたが、合成プローブの添加なしにMQ水のみを含有するブランクも実行した。
PCR産物をSephadex50を使用して精製し、MQで80倍希釈した。希釈PCR産物をMegaBACEで分析した。結果は図5に示されている。合成プローブの使用は結果として、キーロックプローブと比べ、所望産物の検出をもたらした。本発明の合成プライマーによりキーロックプローブと比べ少ない副産物が生じることも確認された。
実施例10 クリーブアーゼ法を使用するキーロックプローブ
クリーブアーゼ−ライゲーション法の実行可能性を証明するために、テーブル2A(配列ID#)からのプローブを配列「CACAC」を有する別の領域によりその5’末端で伸長した。伸長プローブをテーブル3の第2のプローブと結合し、上記のハイブリダイゼーションおよびライゲーションプロトコールにかけ、ここで酵素(リガーゼとクリーブアーゼの両方(サード・ウェーブ社(Third Wave Inc.)から入手され、1〜10マイクロリットルの量で「そのままで」使用)を添加した。結果として生じる混合物をサーモサイクラー(パーキンエルマー(Perkin Elmer)において以下のサイクル条件でインキュベートした。すなわち、4分を94℃+240分を60℃+4℃連続。その後、混合物を実施例6に記載した条件下に増幅した。予想産物が確認され、すなわち、伸長されなかったテーブル3の第2のプローブで得られた結果に対応する長さのライゲートされたプローブであり、クリーブアーゼステップとライゲーションステップが成功したことを示し、方法が機能していることを示した。実験は酵素の非存在下(その組合せ)で行った。これらの実験は両方の酵素が、このプローブ型がライゲート型プローブに達するために必要であることを証明した。
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本発明の方法を示す概略図である。サンプル中の標的配列(T)が、第1のプローブ(1)および第2のプローブ(2)とハイブリダイズ接触する。第1のプローブは、標的配列(5)の第1の部と補完的である第1の特異的部分(4)を含有する。第2のプローブは、標的配列(7)の第2の部と補完的である第2の特異的部分(4)を含有する。第2のプローブはさらに、第1のプライマー結合配列(10)を含んで成るタグ88)を含んで成る。場合により、タグ部分は、プライマー結合配列と第2の標的特異的部分との間に配置された識別子配列(9)を含んで成る。第1の標的特異的部分(15)の少なくとも一部と補完的であり、さらに第2のプライマー結合部分(14)、場合により第2の識別子部分(13)を含んで成る合成プライマー(12)が提供される。プローブがラオゲートされ、接続プローブ(11)を形成すると、合成プライマー(12)は接続プローブと、好ましくは、変性後、接続プローブの二本鎖および標的配列とハイブリダイズ接触する。ハイブリダイズした合成プライマーはポリメラーゼおよびdNTPを使用して伸長され、伸長合成プライマー(16)を形成する。伸長合成プライマーはその後にプライマーセット(17)、(18)と接触し、増幅され、検出されうる単位複製配列(19)を提供する。 合成プライマーがその3’末端で伸長する実施形態を示す概略図である。 合成プライマーが第1のプローブにアニールする実施形態、および合成プライマーが第1および第2のプローブのライゲーション点にアニールし、特別の判別ステップを生成する実施形態を示す概略図である。 合成プライマーが第1のプローブにアニールする実施形態、および合成プライマーが第1および第2のプローブのライゲーション点にアニールし、特別の判別ステップを生成する実施形態を示す概略図である。 2つの第2のプローブが提供され、各々がプローブの3’末端で対立遺伝子特異的ヌクレオチドを有し、対立遺伝子特異的判別を提供する実施形態を示す図である。 標的配列の存在が単位複製配列における両方の識別子の存在によって判定される実施形態を示す図である。 プローブ1−3を使用し、基準としてMQ水に対する、2つの異なるDNAサンプルに基づく比較のために半環状式プローブと比べた本発明のプローブセットを示す擬ゲル画像である。 クランプ部を含む本発明のプローブの構造および機能性を示す概略図である。プローブ(P1、P2)は各々、標的配列(D)の部分(S1、S2)と補完的である標的特異的部分(T1、T2)を含有する。プローブは各々、互いとハイブリダイズすることが可能なクランプ部(C1、C2)を含有する。プローブの1つは、プライマーとハイブリダイズすることが可能な第1のプライマー結合部分(Pr1)を含有する。プローブは標的配列に対してハイブリダイズされうる。プローブが標的配列で隣接してハイブリダイズされると、プローブはリガーゼとともにライゲートされうる。クランプは変性されうるが、その後に合成プライマー(CP)は、接続プローブにアニールされうる第2のプライマー結合部分(Pr2)を含んで成る。合成プローブは、接続プローブに沿って伸長され、伸長接続プローブは、例えば、PCRまたは別の適切な増幅法を使用して、伸長合成プローブにおけるPr1またはPr2から増幅を開始しうる1つもしくはそれ以上のプライマーを使用して増幅または増加される。増幅後、ライゲートされ増幅されたプローブは検出される。 SNP特異的または対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドライゲーション アッセイを示す概略一般図であり、対立遺伝子特異的ヌクレオチドには別の伸長領域を含有するプローブが提供され、ここで開裂構造が、i)調査されるSNPに隣接して配置されている標的配列におけるヌクレオチド、ii)i)のヌクレオチドとハイブリダイズするプローブのヌクレオチド、およびiii)さらに伸長された領域、およびプローブにおける対立遺伝子特異的ヌクレオチドに隣接して位置する他のプローブのヌクレオチドにより形成される。本実施形態では、開裂構造はSNPに隣接して形成される。これは特異性を改善する。 2つの対立遺伝子特異的またはSNP特異的オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイを示す概略図であり、ここでは第1のアッセイにおいて、開裂構造が、Nでしめされた調査されるSNPに隣接して配置されたヌクレオチドによって形成され、かつ第2のアッセイでは、開裂構造は、AまたはTで示された調査されるSNPのヌクレオチドによって形成される。 一般のOLAアッセイの図7Aおよび図7Bの実施形態の一般的な適用性、すなわち、リニアプローブ(1)、環状式/南京錠プローブ(2)、半環状式/キーロックプローブ(3)、および第1と第2のプローブおよび本発明の合成プローブを使用する場合の適用性を示す図である。

Claims (26)

  1. 核酸サンプルにおける標的ヌクレオチド配列の存在、非存在、または量を判定するための方法であって、前記方法が、
    a)核酸サンプルに前記サンプル中で検出すべき各標的配列(T)のための第1のプローブ(1)を提供し、それによって前記第1のプローブが標的配列(5)の第1の部と補完的である第1の標的特異的部分(4)を有し、かつ前記サンプル中で検出すべき各標的配列のための第2のプローブ(2)を提供し、それによって前記第2のプローブが標的配列(7)の第2の部と補完的である第2の標的特異的部分(6)を有し、それによって前記標的配列の第1および第2の部が互いに(3)隣接して配置され、それによって前記第2のプローブが、前記標的配列に実質的に非補完的であるタグ部分(8)をさらに含んで成り、それによって前記タグ部分が第1のプライマー結合配列(10)を含んで成るステップと、
    b)前記第1および第2のプローブの前記第1および第2の標的特異的部分を、前記サンプル中に存在する各標的配列の前記第1および第2の部にアニールさせ、それによって前記プローブの前記第1および第2の標的特異的部分が前記標的配列上で隣接してアニールされるステップと、
    c)前記標的配列に隣接してアニールされた前記第1および第2の標的特異的部分を接続し、かつ前記第1および第2の標的特異的部分を接続させ、前記サンプル中の標的配列に対応する接続プローブ(11)を生成する手段を提供するステップと、
    d)ステップc)から結果として生じる混合物に、前記第1の標的特異的部分の少なくとも一部と補完的である部分(15)および第2のプライマー結合部分(14)を含んで成る合成プライマー(12)を提供するステップと、
    e)前記合成プライマーを前記第1の標的特異的部分の少なくとも一部にアニールさせるステップと、
    f)前記合成プライマーを伸長するステップと、
    g)前記第1のプライマー結合部分と実質的に同一の配列を有する前記第1のプライマー(18)と、前記第2のプライマー結合部分と補完的である第2のプライマー(17)とを含んで成る一連のプライマーを提供するステップと、
    h)結果として生じる混合物を増幅し、前記接続プローブを示すものである単位複製配列(19)を含んで成る増幅サンプルを得るステップと、
    i)前記対応する単位複製配列の存在、非存在、または量を検出することによって前記サンプルにおける標的配列の存在、非存在、または量を判定するステップと
    を含んでいることを特徴とするヌクレオチド配列の検出方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記第1、第2、または前記第1および第2のプライマーの前記合成プライマーとのモル比が10〜1000であることを特徴とする方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、前記第1および第2のプライマーが、ステップf)における合成プライマーの伸長前にステップc)から生じる混合物に提供されることを特徴とする方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法において、前記化合物が、前記第2の標的特異的部分と補完的である部分をさらに含んで成ることを特徴とする方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法において、前記プライマー結合部位が普遍的なプライマー結合部位であることを特徴とする方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法において、前記第1および第2のプライマーの少なくとも1つが選択的プライマーであることを特徴とする方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法において、前記サンプル中の標的配列に対応する単位複数配列が、前記サンプル中の異なる標的配列に対応する単位複数配列と長さ、質量、または標識が異なることを特徴とする方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法において、前記タグ部分が識別子配列を含んでいることを特徴とする方法。
  9. 請求項8に記載の方法において、前記サンプル中の各標的配列の対応する単位複製配列には独自の識別子配列が備わっていることを特徴とする方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法において、サンプル中の標的配列の存在、非存在、または量が、分子量、長さ、標識、または配列に基づく接続プローブを示す単位複製配列を検出することによって検出されることを特徴とする方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法において、前記識別子が分子量、長さ、または配列の差を提供することを特徴とする方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法において、前記標的配列が、DNA、RNA、mRNA、ポリARNA、cDNA、ゲノムDNA、ミトコンドロアまたは葉緑体DNAなどオルガネラDNA、DNAライブラリー、クローンバンク、またはそのいずれかの選択物または組合せより成る群から選択されることを特徴とする方法。
  13. 請求項1〜12に記載の方法において、前記第1のプローブがさらに第1のクランプ部分を含んで成り、かつ第2のプローブがさらに第2のクランプ部分を含んで成り、ここで前記第1および第2のクランプ部分が互いにハイブリダイズが可能なことを特徴とする方法。
  14. 請求項1〜13に記載の方法において、前記第1または第2のプローブが、別の領域が前記標的核酸配列の前記第1と第2との接合部位の位置で前記第1または第2のプローブの端に位置している前記標的核酸配列にアニーリングが可能ではない領域をさらに含んで成る、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  15. 請求項14に記載の方法において、前記別の領域が開裂構造の生成が可能であり、それによって開裂構造の開裂剤への露出により、開裂構造および開裂剤が開裂が起こりうる条件下にインキュベートされると開裂構造の開裂が生じることを特徴とする方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1つの方法を標的ヌクレオチド配列の多様性のハイスループット検出のために使用することを特徴とする使用方法。
  17. 請求項16に記載の使用方法において、多型、好ましくは、単一ヌクレオチド多型の検出のために用いることを特徴とする使用方法。
  18. 請求項16または17に記載の使用方法において、転写物プロファイリング用、標的核酸配列の量的存在量の検出用、遺伝子マッピング、遺伝子発見、マーカー補助選択、種子品質制御、ハイブリッド選択、QTLマッピング、バルクセグレガント分析、DNA指紋法用、および形質、耐病性、収量、ハイブリッド強勢、かつ/または遺伝子機能に関する情報を開示するために使用することを特徴とする使用方法。
  19. 請求項1〜15のいずれか1つの方法に使用されることを特徴とするオリゴヌクレオチドプローブ。
  20. 請求項1〜15のいずれか1つの方法に使用されることを特徴とする2つもしくはそれ以上のオリゴヌクレオチドプローブのセット。
  21. 請求項1〜15のいずれか1の方法に使用されることを特徴とする合成プライマー。
  22. 請求項20に記載の2つもしくはそれ以上のオリゴヌクレオチドプローブのセットの使用であって、前記セットが単一ヌクレオチド多型の各対立遺伝子のプローブを含んでいりことを特徴とする使用方法。
  23. 請求項1〜15のいずれか1つに記載の方法における使用に適したオリゴヌクレオチドプローブを含んでいることを特徴とするキット。
  24. 請求項1〜15のいずれか1つに記載の方法において使用するためのプライマーを含んでいることを特徴とするキット。
  25. 請求項1〜15のいずれか1つに記載の方法において使用するための合成プライマーを含んでいることを特徴とするキット。
  26. 請求項23、24、および25のいずれかに記載のキットにおいて、請求項1〜15のいずれか1つに記載の方法で使用するためのプライマーおよび/またはオーステナイトオリゴヌクレオチドプローブおよび/または合成プローブを含んでいることを特徴とするキット。
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