JP2007516677A - 塗料を適合させるためのコンピュータ実行方法 - Google Patents

塗料を適合させるためのコンピュータ実行方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、色合わせされた修理塗料の配合法を決定するためのコンピュータ実行方法に関し、ここで、適合される目標色の色特性が、目標色の視覚的表示を可能にするような方法で、識別され、入力され、かつ処理され、次に、代替色が、適合される目標色の色特性に基づいて色データベースから選択され、その後続いて、処理され、視覚的に表示されて、かくして目標色と代替色の比較を可能にし、最後に、所望の代替色が選択され、その代替色の配合が決定される。さらに、目標色は、修理される車両の画像上に重ね合わせてもよく、また代替候補は、ユーザが最良の適合物を選択するのを支援するために、車両の修理される箇所の目標色上に重ね合わせてもよい。

Description

本発明は、塗料を適合させるための方法に関し、特に、本発明は、ユーザが最適に適合するカラーコーティングを選択するのを支援するために、ビデオモニタ表示を利用して車両の塗料を適合させるためのコンピュータ実行方法に関する。
相手先ブランド製造業者(OEM)によって用いられる塗料配合または適用条件による色のわずかな変化のために、車両塗料色のばらつきが、同じ目標色内に存在し得る。これらのばらつきは、ある製造地点から別の製造地点へと、またはある製造作業から同じ車両モデルの所定の色の別の製造作業へと、または特定の製造作業の進行中であっても、発生する可能性がある。これらの差は、別々の車両では目立たないかもしれないが、それらが、同じ車両の隣接する本体パネル上に存在する場合、差は、はっきりと知覚できる。これらの色のばらつきのために、自動車車体修理工場では優れた色合わせを達成することが困難になる。
車体が修理された場合、修理箇所は再塗装されなければならない。修理箇所の色は、修理箇所が見る者に見分けがつかないように、自動車の残りの部分の色と適合しなければならない。再仕上げ塗料は、十分にぴったりと色が合っていない場合が多々ある。なぜなら、所定のカラーコード内でも、色は、一般に、ある自動車から次の自動車へと、または自動車のある部分と別の部分でさえも変化するからである。次に、仕上げ工は、小量の色合いを加えることにより塗料の色を調節しなければならず、それによって多くの場合、仕上げ工は、許容可能な適合物に近づくために、何度かの繰り返しが必要になる。いくつもの方法が、塗料の適合プロセスを自動化するために考案された。典型的な方法は、塗面に特徴的な色を測定する装置(たとえば分光光度計)を用い、その測定値を、塗料配合法に関連するコンピュータデータベースに保管された測定値に適合させる。この方法では、コンピュータデータベースは修理工場に置かれている。その後、塗料配合法を用いて塗料を準備し、次に、この塗料をテストパネルに塗って、車両の元の塗料と比較する。典型的には、塗料配合法は、適切な適合物ではなく、適合物が得られるまで手動で調節されなければならない。このかなり非能率なプロセスのために、仕上げ工程の人件費が著しく影響される。
別の従来のアプローチは、全色および利用可能な代替物のカラーチップを提供することである。カラーチップは、単に、利用可能な塗料または色配合を表わす、色を塗られたパネルである。次に、仕上げ工は、目標色の範囲を選択し、カラーチップのライブラリから最も適合した塗料配合を選択可能である。残念なことに、顧客はカラーチップの代金を払うことを見込んでいないので、このアプローチは、塗料サプライヤには非常に費用がかかる。また、カラーチップ作製プロセスにおけるばらつきにより、カラーチップは、ユーザが吹き付ける実際の目標色と色特性が異なるときもある。
さらに別のアプローチは、分光光度計に基づいた色システム(たとえば、デュポンクロマビジョン(DuPont ChromaVision)(登録商標))である。これらのシステムは、適合される色を測定し、配合法を計算して、色合わせを提供する。しかしながら、これらのシステムは、色合わせの正確な視覚的表示を提供しない。かかる表示を付加すれば、塗装工は、適合により大きな確信を抱くことができるであろう。また、これらのシステムは一般に高価なので、多くのユーザが、かかる高い値段を喜んで支払うことはない。
「Recommendations on Uniform Color Spaces,Color Difference Equations,Psychometric Color Terms」、Supplement No.2 to CIE Publication No.15(E1.3.1)1971/CT(1.3)1978、CIE中央事務局(Bureau Central De La CIE)、75008、マルゼルブ大通り(Boulevard Malesherbes)52、パリ(Paris)、フランス(France)
これらの典型的な状況を考えれば、車両車体修理工場および卸商人は、塗装される車両に相応しい色を入手するために、色または代替物を選択しなければならない。これらの選択は、色および代替物の視覚的表示とうまく結びつきそうなので、色の代替物選択の計算および表示の両方でコンピュータを用いる方法を提供することは、色合わせプロセスを単純化し、顧客の使用観点から見て、このプロセスをより効果的にするであろう。色を表示する上記方法はまた、車両のデザインを選択するときに、OEM(相手先ブランド製造業者)の顧客を支援するであろう。したがって、最適に色合わせされたカラーコーティングを選択する際に仕上げ工を支援するオンスクリーンビデオモニタ表示を利用するコンピュータ実行方法の必要性がある。
本発明は、色合わせされた修理塗料配合法を決定するためのコンピュータ実行方法に関し、ここで、
適合される目標色の色特性が、目標色の視覚的な表示を可能にするような方法で識別され、入力され、かつ処理され、
代替色が、適合される目標色の色特性に基づいて、色データベースから選択され、次に、引き続いて処理され、視覚的に表示されて、かくして目標色と代替色との比較を可能にし、
所望の代替色が選択され、その代替色の配合が決定される。
さらに、目標色は、修理される車両の画像上に重ね合わせてもよく、代替候補は、ユーザが最良の適合物を選択するのを支援するために、車両の修理される箇所の目標色に重ね合わせてもよい。
本発明の方法には、表示用のビデオモニタ、色および外観データベースの参照が可能なコンピュータ、ならびに目標色の特性の入力のための装置または技術の使用が含まれる。このコンピュータ実行方法は、ビデオモニタで様々な色代替物をシミュレートするのに役立つ。「色代替物」は、元の特定の目標カラーコートに最もよく適合するように利用可能な、代替の修理または再仕上げ用塗料カラーコーティングを意味する。前述のように、車両メーカが用いる元の色は、工場から工場へと、および1年の異なる時期の間に色特性がしばしば変化することが知られており、そのようなものとして、最もよく色合わせされた塗料を実現するために、代替の修理または再仕上げ用塗料カラーコートの開発を必要とする。これらの代替物から、ユーザは、色および外観の目標に最もよく適合する代替物を選択することができ、かくして、ユーザは、最適に色合わせされたカラーコーティングの準備を支援される。
本発明は、塗料、特に車両の塗料を適合させるのに役立つ。「車両」には、自動車と、軽トラックと、普通トラックと、トレーラトラックと、トラクタと、オートバイと、トレーラと、ATV(オフロードカー)と、ブルドーザ、自走クレーンおよびアースムーバなどのピックアップトラックまたはヘビームーバと、飛行機と、ボートと、船と、塗料組成物で被覆された輸送形態とが含まれる。本発明はまた、建物設備、機械、輸送構造体を始めとする産業および建築環境における塗料、または木材もしくはセメント質下地の表面上に塗布されるカラーコーティング組成物等を適合させるのに有用であり得る。
コンピュータシステムにおいて、色のディジタル表現は、3つの基本的なクロミナンス色、すなわち赤、緑および青(RGB)の可変混合に関している。人間の視覚システムは、これら3つの基本色の接近した並置を1つの合成された色として予測的に知覚する。この錯覚が、カラー画像処理の基本である。すなわち、3つの基本構成色、赤、緑および青の輝度混合を操作して、見る者に様々な所望の色合いを知覚させることが可能である。実際に、このようにして、色の完全なスペクトルが知覚可能である。
現在のコンピュータグラフィックスシステムでは、赤色、緑色および青色が、輝度値と呼ばれる6〜8ビット制御を用いた、各基本色の輝度制御を通常扱うグラフィックスコントローラによって混合される。一般に、輝度値の有効範囲は0〜255であり、0は、対応する基本色が(0%で)完全に暗いことを意味し、225は、対応する基本色が(100%で)最大の輝度であることを意味する。0と255との間の輝度値は、対応する色およびしたがって結果として知覚される色の実際に表示される明るさにおける、必ずではないが対応する比例的変化をもたらす。
三刺激値データX、YおよびZからのビデオモニタRGB値の誘導は、色特性に基づいて、周知の数学的な計算によってなされる。X、YおよびZ三刺激値データからRGBへの転換は、単純なマトリックス変換の形態をとる。
Figure 2007516677
逆変換は、単に逆マトリックスを用いる。
Figure 2007516677
塗料の色は、L、aおよびb値によって記述されるが、これらの値は、視覚的な均等色空間の座標であり、国際照明委員会によって指定された次の式によるX、YおよびZ三刺激値に関連する。
は明度軸を定義する
=116(Y/Yo)1/3−16
は赤緑軸を定義する
=500[(X/Xo)1/3(Y/Yo)1/3
は黄青軸を定義する
=200[(Y/Yo)1/3−(Z/Zo)1/3
式中、
Xo、YoおよびZoは、所定の発光体のための完全白色の三刺激値である。
X、YおよびZは、色の三刺激値である。
三次元色空間を用いて、ある色特性または色属性の点から色を定義できることが、一般によく受け入れられている。また、普通LおよびLabと呼ばれるCIELABは、三次元直交座標システム内に色が位置している一様な機器独立色空間である。3つの次元は、明度(L)、赤色/緑色(a)および黄色/青色(b)である。図1を参照すると、図においてLとラベル付けされた軸は、光度の尺度または明度属性の程度を表わす。aとラベル付けされた軸は、赤/緑の外観の尺度を表わし、直交軸bは、黄/青の外観の尺度を表わす。色のa〜b軸位置の組み合わせに含まれる情報は、色相および彩度として知られた色属性を表わす。色相は、L軸の回りの位置に応じて変わり、色度は、L軸からの距離と共に変化する。したがって、色属性の完全なセットもしくはグループ、またはL色空間における明度(L)、赤/緑(a)および黄/青(b)を含む、属性の定義座標は、色空間における色点または位置を完全に定義する。本明細書において一般的に用いる場合、色という用語は、色属性の1つまたは複数の完全なセットかグループによって、または三次元色空間における3つの全ての次元もしくは軸を考慮した対応する座標によって完全に定義されると理解されたい。
色は、様々な反射角度、L(θ)、a(θ)およびb(θ)でさらに説明できるが、この場合、θは、正反射方向から測定された特定の反射角度である。市販の多角度測色計および分光光度計は広く利用可能であり、一度の読み取りにおいて、いくつかの角度でL、aおよびb値を測定するのに有用である。図2が示すように、典型的な角度は、正反射角度から測定される15°、45°および110°である。
本発明のある実施形態を一般的に示す流れ図である図3を参照すると、ステップ10において、適合される目標色の色特性またはL(θ)、a(θ)およびb(θ)値が、測定および/または識別される。適合されかつ修理される目標コーティングの色特性は、人間の視覚的検査によってか、または測色計もしくは分光光度計を用いて決定してもよい。測定は、計器測定の一部として色特性を識別する多角度分光光度計を用いてなされるのが好ましい。
しかしながら、色特性が視覚的な検査によって決定される場合には、視覚的なユーザは、車両登録番号に基づいたカラー標準チップを選択してもよい。次に、ユーザは、標準チップを目標色と比較し、色特性のいずれかの差(たとえば、正反射面近くがより緑っぽく、サイドトーンがより暗い)に基づいて、オフセット色が必要かどうかを決定してもよい。次に、カラー標準の色特性が、塗料配合データベースから選択され、RGB値に変換され、ビデオモニタに投影される。さらに、いくつかのオフセット変化量を、前述の塗料配合データベースから選択し、個々にかまたはいくつかまとめて、比較できるようにモニタに表示することができる。次に、ユーザは、色および外観の両方にとって、目標コーティングに最もよく適合するオフセット塗料配合を選択してもよい。
本発明において測色計または分光光度計を用いて、適合される目標色の色特性を識別する場合には、かかる装置は、それが、スペクトルの可視領域内において複数の視角で測色を可能にするならば、特に制限されない。しかしながら、好ましい分光光度計は、ドッキングステーションと、色測定ユニットと、前記色測定ユニットに組み込まれ、かつ前記ドッキングステーションにセットされた色測定ユニットが外部電源に接続された状態である期間に充電可能なバッテリと、を含み、そして色測定ユニットが取り外された状態での色測定後に前記ドッキングステーションに再びセットされたときに、測色データをコンピュータに伝送できるだけでなく、前記色測定ユニットがドッキングステーションにセットされた状態である間であっても、サンプルの塗布プレートを測定することができる。上述の色測定ユニットは、測定ヘッドを有する分光測色ユニットであるが、この測定ユニットは、前記ドッキングステーションにセットするかまたはステーションから取り外し、片手または両手で保持し、測色の対象に当てることができる。上述の複数の視角は、たとえば照明角度が試料表面に垂直な方向に対して45°である場合には、正反射方向からの15°、45°および110°が好ましい。これら3つの角度で光の測定が可能な場合には、メタリックまたは真珠光沢顔料の光沢は、判定に正確に反映できる。円形照明の場合には、照明は、試料表面に垂直な方向に対して15°、45°、110°等の角度で実行され、前記垂直方向で受け取られる。市販されている有用な多角度分光光度計が、ミシガン州グランドビルのエックスライト(登録商標)インコーポレイテッド(X−Rite Incorporated、Grandeville、Michigan)から入手可能である。
別の実施形態において、適合される目標色の外観特性は、さらなるステップにおいて識別してもよい。本明細書で用いるように、外観は、知覚、すなわち視覚刺激のスペクトルおよび幾何学的な態様が、刺激の照明および観察環境と統合された知覚、を意味する。外観特性にはスペクトル、空間および幾何学的な態様が含まれる。スペクトル特性は、色度、色相、明度、暗度等の色態様である。幾何学的および空間態様には、テクスチャ、形状、密度、粗さ、細かさ、点彩、フロップ、異なる視角での色態様における変化などの角度依存性(gonioapparent)フレークの視覚的に知覚された特徴が一般に含まれる。フレークという用語は、他に示していなければ、角度依存性フレークを意味する。
図3を再び参照すると、ステップ10で識別された色特性が、ステップ12でコンピュータに入力される。L、aおよびbは、ステップ14で三刺激値X、Y、Z値に変換される。次に、クロミナンス信号R(θ)、G(θ)およびB(θ)が、ステップ16で、適合される目標色をカラーモニタに表示するような方法で計算される。
図3のステップ18で、L、aおよびbと利用可能な塗料配合代替物との間の関連性を含む色データベースが参照される。目標色と利用可能な代替物との間の定義された色データ差に基づいて、様々な代替候補色が、目標色との比較のために、ビデオモニタで表示するように利用可能である。ステップ20において、代替候補適合物が識別され、モニタでの視覚的な表示のために利用可能になる。
本発明の実施形態では、色および外観差の判断において、モニタにおける絶対的な色および外観は、代替物と目標色との間の正確な差ほど重要ではないことを指摘しなければならない。
図3を参照すると、ステップ22、24および26において、候補適合物である代替物が、ユーザによって選択され、色データがクロミナンス信号に変換された後、仮想カラーチップとしてビデオモニタに表示される。ステップ24内で、選択されたこれらの候補代替物の三刺激値X、Y、Z値が、L、aおよびbデータから導き出され、次に、クロミナンス信号R(θ)、G(θ)およびB(θ)に変換される。ステップ26において、クロミナンス信号を用い、代替塗料配合色を、仮想カラーチップとしてビデオモニタに表示する。
代替仮想カラーチップは、個別にまたはいくつかまとめて表示してもよい。ユーザは、図3のステップ28で最良の色適合代替物を選択する。次に、この最良の適合代替物の塗料配合を、最適に色合わせされたカラーコーティングの準備に利用可能にしてもよい。
代替仮想色を、いくつかのチップでビデオモニタ画面に表示してもよいが、この場合、各チップは、異なる視角を表わす。これらのチップは、一緒になって、代替物の角度依存性の外観特性を表わす。これらのチップは、個々に見ること、または目標色および/または他の代替物と組み合わせて見ることが可能である。
ユーザは、最良の適合代替物を選択するために任意の基礎を用いることができる。選択は、色データに基づいてもよい。また、ユーザは、実際の車両の外観特性、ビデオモニタに表示された目標色、および表示された最良の適合代替物を見ることができる。さらに、フレーク外観オプションを表示して、そこから選択してもよく、これは、効果的なフレーク選択を保証する方法であろう。
好ましくは、フレーク外観オプションは、視覚的に表示された画像であり、ユーザは、最良のフレーク外観を選択するために、これらの画像を「最良の適合」色RGBデータと重ね合わせてもよい。フレーク外観オプション画像は、フレーク外観特性を示す白黒電子画像であるのが好ましい。また、画像は、色が見られる距離に従った大きさにして、ビデオ画像に表示された色と重ね合わせてもよい。電子写真を複数の正反射角度で撮り、パネルが傾けられたときに、フレーク外観の変化を示すために画像を補間してもよい。
画像解析技術は、フレーク外観のための最良の適合物を識別および選択する代替方法として、用いることが可能である。ある実施形態において、これは、目標色の画像を捕捉し、外観特性に基づいて画像を分類することにより遂行してもよい。次に、分類した目標色の画像を、同じかまたは類似した範疇のライブラリ画像と比較することが可能である。
さらに別の実施形態において、最良の代替物を選択する際に、仮想代替カラーチップを、角度依存彩色性(goniochromatic)色差を観察するような方法で、表示してもよい。この技術によって観察されたテクスチャおよび光輝情報を用いて、最良の代替物を選択することが可能である。仮想チップは、いくつかの矩形パネルか、または同時にいくつかの視角を表示する、したがって角度依存彩色性効果を示す曲がったパネルでも可能である。画像が曲がったパネルである場合には、多角度の色およびフレーク外観画像は、両方とも、パネルの曲がりの回りにおける正反射角度の変化として補間される。さらに、目標色および最良の1つまたは複数の代替色は、いくつかの仮想チップで同時に視覚的に表示可能である。仮想チップは、中立的なグレーの周囲に対して見るのが好ましい。
表示のために選択される代替物は、修理されている自動車の特定のカラーストックコード用に利用可能な代替物に基づくか、または近い色の適合物のために全データベースをスキャンすることに基づくことが可能である。後者の場合には、システムは、条件等色(metamerism)をチェックするために、少なくとも2つの光源下で見ることを可能にする。異なる光源下で色を判断する場合には、周囲のグレーは、シミュレートされている光源用に決定され、その結果、見る者は、その光源に色彩的に順応される。
代替物は、条件等色に基づいて選択または除外してもよい。条件等色のインデックスまたは可能性の説明的なバージョンを、同時に表示してもよい。条件等色は、ASTM E 284によって、「2つの試料であって、特定の照明器の下で特定の観察者に対しは一致するが、それらのスペクトル反射率または透過率が可視波長において異なる試料の特性」としての定義される。国際照明委員会(CIE)は、試料のスペクトル反射率、発光体または光源のスペクトル分布および観察者のスペクトル反応から、試料の色を計算する式を定義した。
正常な色覚を持った人間の観察者は、スペクトル反応においていくらか異なるが、CIEは、平均または「標準」観察者の反応を定義した。反射率係数を用いて、色および色差を指定するために用いられる色記述子の値を計算する。色の三刺激値(X、Y、Z)が計算されるのは、反射率係数データ(r)を、人間の目の感受性
Figure 2007516677
および光源の放射照度(E)に関するデータと組み合わせることによってであり、これら全ては、可視スペクトルの波長(λ)の関数である。三刺激値用の定義式は次のとおりである。
Figure 2007516677
三刺激値を用いて、色および色差の視知覚に関する色記述子を計算することができる。使用できる多くの記述子セットの1つが、国際照明委員会によって推奨されているCIELAB知覚色スケールである。(非特許文献1)
X、Y、Zは、前述の式を用いてL、a、bに変換できる。この計算は、2つの異なる光源、すなわち典型的には平均的な日光および白熱光下で2つの塗料試料のそれぞれに対して行なうことができる。次に、条件等色インデックスが、2つの光源下の2つの試料間の色差の差の2乗の合計の平方根として計算できる。
Figure 2007516677
式中、は平均日光を指し、は白熱光を指す。
このインデックスを用いて、MIが大きすぎる候補塗料をフィルタアウトすることができる。また、目標および候補塗料のためのX、Y、Zの計算を、様々な光源に対して行なって、ビデオに表示し、ユーザが異なる光の下で色差の妥当性を視覚的に判断できるようにすることができる。チップは、中立的なグレーの背景に対して表示される。この背景色のX、Y、Zもまた、用いられている光源に対して決定される。これによって、適切な光条件へのユーザの視覚の順応が可能になる。
本発明のある実施形態において、塗装される車両の画像が、ビデオモニタに表示される。次に、測定された目標コーティングの色特性を表わすクロミナンスRGB値が、全車両画像上に投影され、また利用可能な塗料配合を、車両の再塗装される箇所において、画像に重ね合わせることができる。画像のタイプまたは形状は、目標コーティングと利用可能な最も良く適合した塗料配合法との間のどんな明白な色差も最小限にすることを可能にするような方法で画像が車両を表示する限りは、必ずしも決定的に重要というわけではない。このビデオモニタ表示技術を用いて、ユーザは、修理塗料を準備し吹き付ける前に最良の適合物に到達するために、様々な利用可能な塗料配合から選択することができる。
別の実施形態において、ドア(または、それに関しては、任意のパネル)を修理する場合には、ユーザは、ドアの端部の色を測定および表示可能である。一旦最良の利用可能な色塗料配合が選択されると、ビデオモニタ上の修理箇所が埋められ、かつ修理箇所を越えて引き伸ばされて、修理箇所をどれくらい遠くまでブレンドさせる(溶け込ませる)べきであるかを決定することができる。モニタを「傾けて」、角度依存性を判断することができる。これの変形がスポット修理であり、これは、自動車の色に囲まれたスポット上の代替色として表示できる。スポットの回りの色は、スポットの色と周囲の色との間を補間することによって変更してもよい。この変更は、色変化が徐々になり一様に見えるまで、増分的に行なってもよい。修理箇所と周囲塗料との間の色差がより大きい場合には、多くの増分が必要になる。このアプローチは、ブレンディング方法をシミュレートすることができる。許容可能なブレンドシミュレーションのステップサイズは、どれほど徹底的にブレンドを進めるべきかを示す。修理のコストもまた、許容可能なブレンド色合わせに必要な箇所に基づいて示すことが可能である。
本発明の実施形態はまた、自動車隊の色デザインに効果的であり得る。塗装される車両画像のビデオモニタ表示によって、車両の異なる部分を異なる色で表示することが可能になる。色は、塗料サプライヤのカタログまたはデータベース、たとえばデュポンスペクトラマスター(DuPont SpectraMaster)(登録商標)に存在する色かせ選択可能である。デザインプロセスにおいて、ユーザはまた、「ビデオダイヤルを回して」、フレークテクスチャおよび光輝テンプレートに重ねあわされた色相、明度、色度およびフロップを制御することができる。ビデオ蛍光体のR、G、B信号は、L、a、bに変換することができ、配合法は、利用可能な色調の顔料における光散乱モデル(たとえば吸収および散乱データ)に基づいて決定できる。テクスチャおよび光輝情報は、用いられるフレークを決定する。
計算によって、ユーザは、選択された色またはフロップが配合または色調能力を越えている場合に、それを知らされる。色の不変性をチェックまたは制御するために、いくつかのシミュレートされた光源下で、モニタを見ることができる。これは、ユーザが色彩的に順応する環境を用いることによって行われる。計算には、各光源において、個々のL、a、b値を考慮する。色は、ユーザが選択可能な任意の標準のクロマビジョン(ChromaVision)(登録商標)タイプの読み取りから選択することが可能である。分光光度計が読み取りを行い、モニタが適合物を表示し、それによって、顧客は、車両の色を見ることができる。色のデザインが、一般には正確で絶対的な色表示を必要としないことに留意されたい。より高い精度が望ましい場合には、ビデオ画面の色精度は、エックスライト(X−Rite)分光光度計などの機器を用いて較正することができる。
本発明で使用できるコンピュータのタイプは特に制限されず、たとえばパーソナルコンピュータであってもよい。好ましいパーソナルコンピュータは、少なくとも166MHzのクロック周波数を有するCPUと、少なくとも16MB、好ましくは32MB以上の容量を備えた内部メモリと、少なくとも1GBのハードディスクユニットと、モデム、好ましくは少なくとも28.8kbpsの通信速度を有する内蔵のモデムと、を装備したものである。さらに、前記コンピュータは、好電力消費が低く、熱発生が小さいのが好ましい。したがって、たとえば、ノートサイズの携帯型コンピュータで用いられる関連部品を利用できる。
本発明で用いられるカラーモニタディスプレイ装置のタイプは、特に制限されず、コンピュータに接続可能で、情報をカラーで表示できる任意の装置、たとえば陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)であってもよい。LCDの使用は、装置サイズの縮小に寄与する。携帯型パーソナルコンピュータは、CRTディスプレイとは対照的な液晶ディスプレイまたは他のフラットパネルディスプレイ装置を用いる傾向がある。これは、フラットパネルディスプレイが、CRTディスプレイと比較して、小さく軽量である傾向があるからである。さらに、フラットパネルディスプレイは、同等サイズのCRTディスプレイより電力消費が少ない傾向があり、それによって、CRTディスプレイよりも、電池式用途により適したものになる。フラットパネルディスプレイの品質が引き続き向上し、そのコスト縮小するにつれて、フラットパネルディスプレイは、デスクトップ用途でCRTディスプレイに取って代わり始めている。したがって、フラットパネルディスプレイおよび特にLCDは、さらに一層一般的になっている。
上述のように、LCDの使用は、コンピュータのサイズ縮小に寄与する。そのようなものとして、LCDディスプレイを備えた多くの小型計算装置を、ノート型コンピュータから携帯情報端末(PDA)にわたって、用いることができる。好ましい実施形態において、LCDディスプレイを装備したノート型コンピュータが用いられる。
さらに、本発明におけるカラーモニタは、本発明の色合わせ装置の動作を容易にするタッチパネルタイプにすることができる。タッチパネルモニタは、汚れおよび付着物を容易に取り除くことができるガラス表面構造を備えた超音波走査タイプが好ましい。ちなみに、本発明において、色合わせを容易にするためのタッチパネルモニタはまた、本明細書で前述したカラーモニタとは独立して設けてもよい。
上述のデータベースは、塗料配合情報および色測定データベースを有する。このデータベースは、自動車塗料配合データベースであるのが好ましい。この塗料配合データベースは、市場に出ている自動車のタイプによるマスタ配合および色データが入力されたデータベースであるのが好ましい。データベースは、実際に用いられるコンピュータに常駐するか、または典型的な電子データチャネル(たとえばインターネット、イーサネット等)を通して別のリモートコンピュータまたはデータサーバからアクセス可能であってもよい。
データベース構造が、各所定のデータベースがデータを検索および格納する方法と同様に、異なっていることを理解しなければならない。本明細書で説明するデータは、コンピュータプロセスが説明したプロセスを達成できる限り、別個のテーブルもしくはレコードまたはどんな特定の形態にも格納する必要はない。本明細書で説明するプロセスは、標準データベース構造と比較して非制限的な例である。データ間に関係を確立する方法は、関係が確立されることほど重要ではない。
さらに、本発明の実施形態は、塗装材料コストを見積もるために用いてもよい。塗料サプライヤは、通常、顧客が出会いそうな全ての自動車の色と適合する配合法のコンピュータデータベースを顧客に提供する。所定の自動車の色は、ある自動車から次の自動車への色のばらつきを考慮するために、1を超える代替配合法を有してもよい。サプライヤはまた、データベースにまた格納された色コードまたは代替物の多角度色測定値に基づき、正確な配合法を求めて容易にデータベースを検索するためのソフトウェアを提供してもよい。データベースはまた、塗料および他の材料使用の材料費ならびに労力を見積もる情報を提供してもよい。
たとえば自動車ドアのスポットを修理する場合には、再仕上げ工は、そのドアの残りの部分と最も近く適合する代替物を見つける。適合が不完全な場合には、熟練した再仕上げ工は、下地の色を隠すために十分な塗膜構造を修理スポットに吹き付ける。次に、修理は、スポット自体を越えて「ブレンドされる」。これは、修理スポットからさらに離れながら、塗膜構造を減少させるプロセスである。かくして、色は、スポットの(不正確な)色からドアの残りの部分の(正確な)色へ、徐々に変化する。この変化が十分に緩やかな場合には、人間の視覚は、不適合に気づかない。2色間の色差が大きければ大きいほど、それだけ外側へと修理箇所をブレンドさせなければならず、より多くの塗料およびより多くの労力を必要とする。
修理は、自動車の測定された色および用いられている代替配合法の周知の色を用いて、ビデオ画面でシミュレートすることができる。ブレンディングプロセスもまたシミュレートすることができ、各回に修理スポット自体を越えてさらに遠くへ進むように、段階的に行なう。ユーザは、ブレンドの色が許容可能になったときに判断できる。次に、コンピュータは、そのサイズの修理に必要な塗料の量および必要な追加労働を見積もる。
本発明の方法に対する様々な他の修正、変更、追加または置き換えが、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べた例示的な実施形態によって限定されず、より正確には、特許請求の範囲によって定義される。
標準CIE L三次元色空間を表わす。 分光光度システムおよび測定角度の概略図である。 本発明の好ましい方法のフローチャート図である。

Claims (16)

  1. 色合わせされた修理塗料の配合法を決定するためのコンピュータ実行方法であって、
    a) 適合される目標色の色特性を識別する工程と、
    b) 前記目標色の特性を入力および処理して、前記目標色の視覚的表示を可能にする工程と、
    c) 色データベースから代替色または複数の代替色を選択する工程であって、前記選択は、前記適合される目標色の色特性に基づいてなされる工程と、
    d) 前記代替色または複数の代替色を処理し、視覚的に表示して、前記目標色との比較を可能にする工程と、
    e) 所望の代替色を選択し、その代替色の配合を決定する工程と
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 修理される車両の画像上に重ね合わされた前記目標色を表示する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記車両の修理される箇所で、請求項2に記載の目標色上に重ね合わされた代替色の配合を表示する工程をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記車両の修理される箇所における前記代替色の配合を表示する工程に基づいて、所望の代替色を選択し、その代替色の配合を決定する工程をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記色データベースから代替色または複数の代替色を選択する工程は、さらに、条件等色または条件等色インデックスに基づいてなされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 色合わせされた修理塗料の配合法を決定するためのコンピュータ実行方法であって、
    a) 適合される目標色のフレーク外観および色特性を識別する工程と、
    b) 前記目標色の特性を入力および処理して、前記目標色の視覚的表示を可能にする工程と、
    c) 色データベースから代替色または複数の代替色を選択する工程であって、前記選択は、前記適合される目標色の色特性に基づいてなされる工程と、
    d) 前記代替色または複数の代替色を処理し、視覚的に表示して、前記目標色との比較を可能にする工程と、
    e) 前記代替色または複数の代替色のフレーク外観オプションを視覚的に表示する工程と、
    f) 所望の代替色を選択し、その代替色の配合を決定する工程と
    を含むことを特徴とする方法。
  7. 修理される車両の画像上に重ね合わされた前記目標色を表示する工程をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記車両の修理される箇所で、請求項2に記載の目標色上に重ね合わされた代替色の配合を表示する工程をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記車両の修理される箇所における前記代替色の配合を表示する工程に基づいて、所望の代替色を選択し、その代替色の配合を決定する工程をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記代替色または複数の代替色は、前記外観オプション上に重ね合わされることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  11. 前記色データベースから代替色または複数の代替色を選択する工程は、さらに、条件等色または条件等色インデックスに基づいてなされることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記色特性は、複数の視角において多角度分光光度計を用いた測定によって識別されることを特徴とする請求項1または6に記載の方法。
  13. 前記目標色、前記代替色または前記複数の代替色は、いくつかの仮想チップに、個別にかまたはいくつかまとめて視覚的に表示されることを特徴とする請求項1または6に記載の方法。
  14. 前記目標色、前記代替色または前記複数の代替色は、いくつかの仮想チップに、個別にかまたはいくつかまとめて視覚的に表示され、各色は、異なる視角を同時に表示する仮想チップに分割されることを特徴とする請求項1または6に記載の方法。
  15. 前記目標色、前記代替色または前記複数の代替色は、いくつかの仮想チップに、個別にかまたはいくつかまとめて視覚的に表示され、各仮想チップは、いくつかの視角を同時に表示する曲がったパネルを視覚的にシミュレートすることを特徴とする請求項1または6に記載の方法。
  16. 塗装材料および労力の見積コストを決定するための請求項1または6に記載の方法の使用。
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