JP2007515830A - 補聴器の受音特性の指向性制御方法および制御可能な指向特性を備える補聴器用の信号処理装置 - Google Patents

補聴器の受音特性の指向性制御方法および制御可能な指向特性を備える補聴器用の信号処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007515830A
JP2007515830A JP2005508986A JP2005508986A JP2007515830A JP 2007515830 A JP2007515830 A JP 2007515830A JP 2005508986 A JP2005508986 A JP 2005508986A JP 2005508986 A JP2005508986 A JP 2005508986A JP 2007515830 A JP2007515830 A JP 2007515830A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
microphone
directivity
envelope
directional
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005508986A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4145323B2 (ja
Inventor
イェンセン・ラルス・バエクハールト
クリンクベイ・クリスチャン・チャルフェ
Original Assignee
ヴェーデクス・アクティーセルスカプ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ヴェーデクス・アクティーセルスカプ filed Critical ヴェーデクス・アクティーセルスカプ
Publication of JP2007515830A publication Critical patent/JP2007515830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4145323B2 publication Critical patent/JP4145323B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R25/00Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
    • H04R25/40Arrangements for obtaining a desired directivity characteristic
    • H04R25/407Circuits for combining signals of a plurality of transducers
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R25/00Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
    • H04R25/40Arrangements for obtaining a desired directivity characteristic
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2225/00Details of deaf aids covered by H04R25/00, not provided for in any of its subgroups
    • H04R2225/43Signal processing in hearing aids to enhance the speech intelligibility
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R25/00Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
    • H04R25/40Arrangements for obtaining a desired directivity characteristic
    • H04R25/405Arrangements for obtaining a desired directivity characteristic by combining a plurality of transducers

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Otolaryngology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Debugging And Monitoring (AREA)

Abstract

【目的】第1および第2マイクロホン信号(20,30)を受信し,かつ出力信号Y(40)を出力する指向性コントローラ(10)と,上記第1および第2マイクロホン信号の少なくとも一方が不要信号であるかどうかを検出する信号分析器(70)とを備え,上記指向性コントローラは,信号分析器が不要信号を検出した場合にだけ指向特性を調節することによって,出力信号を最小化する,制御可能な指向特性を備える補聴器用の信号処理装置(100)。

Description

この発明は,包括的には制御可能な指向特性を備えた補聴器に関し,より詳細には雑音を最小化するように受音特性の指向性を制御する方法,およびその方法を実行するための信号処理装置に関する。
補聴器においては,指向性受音特性を得るために,たとえば専用指向性マイクロホンを使用し,または等価的に1対の無指向性(全方位性)マイクロホンを使用して遅延および減算処理を行うことにより,音響信号対雑音比を大幅に改善することができる。選択的指向性を高めるために,2つ以上のマイクロホンを有する補聴器も開発されている。
指向性受音特性を備える補聴器は,たとえばいわゆるカクテルパーティ騒音としばしば呼ばれるが,人の会話が同時に異なった方向から受け取られる騒がしい環境において会話の感知を改善するのに有用である。
たとえば,カージオイドまたはスーパーカージオイド特性の形をもつ指向性受音特性では,ユーザの前方領域から到来する音のレベルを維持しつつ,ユーザの後方および両側から到来する音の感知を低下させることにより,補聴器の会話感知が改善される。
他方,低い騒音レベルのみの環境または大きい会話信号がない環境では,補聴器のユーザは通常,音の到達方向に関係なく音の同一感知を提供する無指向性または球形受音特性を好むであろう。
信号対雑音比をさらに改善するために,支配的な騒音源の方向で大幅な減衰を行うことを目的とする,適応指向機能性を備えた補聴器が導入されてきた。
国際特許第WO01/01731−A1号では,補聴器の受音特性の指向性を制御する,そのような方法が開示されている。補聴器は,離間配置されたマイクロホンを備え,受音特性は無指向特性と指向特性との間で変化することができる。この補聴器では,調節可能な時間または位相の遅延が可能である。後(back)マイクロホンおよび前(front)マイクロホン間の音響遅延と同じになるように遅延装置の遅延を調節することによって,指向特性を生じさせることができる。この遅延で,最初に後マイクロホンで受信され,その後に前マイクロホンで受信される信号は,後マイクロホンの遅延された信号を前マイクロホンの出力信号から減算する加算回路内において抑制される。補聴器は,位相関係または時間遅延および信号の増幅特性の変化を実質的に伴うことなく,無指向特性および指向特性間の滑らかな切り換えを行うことができる。
しかしながら,指向性の利点を達成するために(前マイクロホンからの)信号と(後マイクロホンからの)遅延されかつ反転された形のその信号を加算する結果,聴き手のすぐ前方に存在する音についても低周波に対するマイクロホンの感度が低下するので,音響信号に対する低周波の感度が欠如し,これにより固定および適応指向性機能の両方は,信号対マイクロホン雑音比の低下を受ける。マイクロホン間に一定の遅延および距離がある場合,低周波感度は1オクターブ当たり6dBの割合でロール・オフ(roll off)する。低周波におけるこの感度損失は全体的な音量を低下させ,会話感知および音質に影響を及ぼすであろう(The Hearing Review,2002年9月,第7巻第9号68頁および70〜73頁のKuk, F.;Baekgaard, L.;Ludvigsen, C.による「指向性マイクロホンにおける設計考察」を参照されたい)。
低周波における感度低下を補償するために,マイクロホン信号の周波数依存増幅が考えられよう。しかしながら,周波数依存増幅は,信号対マイクロホン雑音比に影響を与えないであろうが,結果的に同量だけマイクロホン雑音を上昇させるであろう。
したがって,適応指向機能性を有する補聴器の目的は,静かな状況における無指向特性から騒がしい環境における完全指向特性への変化を可能にすることである。現在の適応システムは,所望信号(desired signals),たとえば会話信号がシステム,たとえば補聴器のユーザの前方向から到来するのに対して,不要信号(undesired signals),たとえば雑音信号は任意の他の方向から到来すると仮定することによって,所望信号と不要信号とを区別する。この仮定に基づけば,信号対雑音比(SNR)の改善と指向性マイクロホンの指向指数(DI)とは関連するので,受音特性を無指向性モードから完全指向性モードに変化させることによって,信号対雑音比が改善される。
国際特許第WO02/085066−A1号に開示されている指向性コントローラのような現在の適応システムは,システムの出力信号を最小化することによって指向特性を調節する。前方向から到来する信号はシステムの指向特性の変化の影響を受けないので,出力信号を最小化する結果,不要雑音が減衰し,かつ信号対雑音比が改善される。しかしながら,そのような信号対雑音比の最適化は,所望信号が前方向から到来し,かつ雑音信号が別の方向から到来する場合だけに当てはまる。
ある状況,たとえば,一人の人物が適応システムのユーザの一側から話しているとき,会話は所望信号に違いないであろう。しかしながら,上記の適応システムは,出力信号を最小化するためにこの会話信号を減衰しようとし,それにより,マイクロホン雑音が増加するであろう。さらに,人が話していない静かな状況では,適応システムはマイクロホン雑音を減衰しようとする。その結果,実際の所望信号が動的に望ましくない減衰を受け,かつマイクロホン雑音が大幅に変調されて,会話の感知および音質が低下する。
この問題に対して想定される解決策は,適応機能用の入力信号としてのマイクロホン信号を修正すること,または適応機能内の制御信号としての出力信号を修正することであると思われる。そのような修正には以下の欠点がある。1つの問題は,信号経路内の信号の可能な修正,たとえば,不要周波数領域のフィルタリング除去は,次の適応アルゴリズムにおいて入力信号の利得および遅延情報を適正に適応させることができることが必要であるので,非常に限定的であることである。この理由から,たとえば2つのマイクロホン信号の包絡線をまさに離れるような信号修正は,可能ではない。
別の問題は,適応システムは一般的に,入力信号が変化してから比較的すぐ後に,出力信号を適応させなければならないことである。そうでなければ,システムは一定の遅延後のみで特性を調節し,そのシステムは正しく適応しないものになるであろう。
さらに,適応システムは一般的に,パラメータが変化してから比較的すぐ後に,パラメータの変化に対する応答を受け取らなければならない。そうでなければ,システムは,パラメータを一定方向にさらに変化させるであろうが,それは,この方向へのパラメータ変化が実際には誤りであったという応答を受ける前に行われるであろう。結果的に,応答が遅延するそのような適応システムは,その最適値に非常に正確に到達することがそもそもできず,かつ不安定になるであろう。
異なった特性の信号を分離する,たとえば雑音を所望会話信号から分離するアルゴリズムは一般的に,たとえばフィルタ機能を適用するとき,反応のために一定長さの時間を必要とする。したがって,たとえば,パラメータ調節を制御する出力信号用の雑音通過フィルタを設けることによって,適応機能の前またはフィードバック経路内のいずれかの信号経路において,そのようなアルゴリズムを実行することは,適応システムを迅速応答で動作させたいという要望と矛盾し,そのため,そのような信号修正は通常,ほとんどの場合採用されない。
この背景のもと,この発明の目的は,従来技術の欠点を改善するように定義された種類の適応システムおよび方法を提供し,特に所望信号が主または前方向以外の方向から到来している場合でも,所望信号に悪影響を及ぼすことなく,不要信号を最小化することができる,そのような定義された種類の方法および適応システムを提供することである。
この発明は,不要信号,たとえば不要雑音だけを最小化する適応指向性機能を設けることによって,上記および他の問題を克服する。会話信号などの望ましい信号を有する信号を,以下の説明では所望信号と呼ぶ。
この発明による方法,装置,システムおよび製品は,検出機構を使用して,不要信号だけが入力信号として適応指向性機能に送られることを検出し,そして,適応指向性機能の出力信号を最小化するように,適応指向性機能が受音特性の指向性を調節する。
換言すると,検出機構が,適応指向性機能への入力信号が所望信号をも有することを検出した場合,適応指向性機能の受音特性の指向性の調節が,一定時間停止される。
この発明の一態様によると,適応指向性機能は,実質的に所望信号検出器(DSD)を実現する信号分析器から追加制御信号を受信する。DSDは,適応指向性機能のための上記追加制御信号を生成し,適応指向性機能への入力信号が不要信号であるとDSDが判断した場合にだけ,一または複数のオリジナルの制御パラメータの更新が許される。入力信号が,所望信号,または所望信号と不要信号の混合であるとDSDが判断した場合,適応指向性機能の制御パラメータは更新されず,適応は停止される。したがって,適応指向性機能は,無修正入力信号上で動作し,さらにはフィードバック出力信号の修正を必要としない。DSDから送出された追加制御信号は,適応指向性機能における適応を停止することまたは更新することを示す。追加制御信号は,入力および出力信号間の主信号経路外にあるDSD内で生成され,そのため,追加制御信号の生成は,出力信号の質に影響を与えることなく,入力信号を変形して,そして非常に複雑なさまざまなやり方で行われるであろう。何を所望信号および不要信号と考えるかに応じて,DSDは,入力時間信号の統計的分析を使用し,高周波信号および低周波信号を区別し,入力信号レベルが一定の定められた限界より高いかまたは低いかを検出し,到来信号に十分な相関関係があるかどうかを検出し,または任意の他の適当な決定ルールを適用することによって,所望信号および不要信号を区別することができる。
適応指向性機能は,第1(前)マイクロホンおよび第2(後)マイクロホンによって供給される少なくとも第1および第2マイクロホン信号を入力信号として受信し,かつ出力信号を出力する指向性コントローラとして,理解されるべきであり,上記出力信号は,指向性コントローラによって調節されたその指向特性に従って,第1および第2マイクロホン信号を結合する(combining)ことによって生成される。
この発明に従う方法によると,補聴器の指向特性を制御する方法が提供されている。補聴器は,離間配置された前および後マイクロホンと,前および後マイクロホンのそれぞれによって供給される第1および第2マイクロホン信号を受信し,かつ出力信号を出力する指向性コントローラを有し,出力信号は,指向特性に従って第1および第2マイクロホン信号を結合することによって生成される。上記方法において,第1および/または第2マイクロホン信号が不要信号であるかどうかが決定されて,不要信号が検出された場合に,指向特性を調節することによって出力信号が最小化されるだけである。
この発明による装置および製品によると,第1および第2マイクロホン信号を受信し,かつ出力信号を出力する指向性コントローラと,第1および第2マイクロホン信号の少なくとも一方が不要信号であるかどうかを検出する信号分析器を有する制御可能な指向特性を備える補聴器用の信号処理装置が提供されている。指向性コントローラは,たとえば前マイクロホンおよび後マイクロホンのそれぞれから送出された第1および第2マイクロホン信号を受信し,かつ出力信号を出力する。実質的に所望信号検出器を実現する信号分析器は,第1および/または第2マイクロホン信号が不要信号であるかどうかを決定し,指向性コントローラは,所望信号検出器が不要信号を検出した場合にだけ,指向特性を調節することによって出力信号を最小化する。
所望会話信号を発する話し手がユーザの前方にいる限りにおいては,この発明および従来システムによる信号処理装置はほぼ同様に動作するが,話し手が,たとえばユーザの一側へ移動すると,この発明による装置は,指向特性を調節して話し手を遮るリスクを伴う出力信号の最小化を避けるであろう。
この発明によると,話し手が話を続ける間,DSDは指向性コントローラがその指向特性を最適化しないように強制し,話し手が話をしていない合間のときだけ指向性コントローラは指向特性の適応を許すので,話し手がユーザの一側へ移動するときも,所望信号検出器を備える信号処理装置は基本的に無指向特性を保持する。したがって,指向性コントローラは,上記合間に支配的であるマイクロホン雑音を最小化しようとするだけであり,これは無指向特性に留まることによって最善に行われる。したがって,マイクロホン雑音は低いままであり,変動することなく,またユーザの一側から到来する所望信号が減衰されず,そのため,会話の感知および音質が改善される。
この発明に従うシステムによると,制御可能な指向特性を備える補聴器が提供されている。補聴器は,適応指向性機能を備え,離間配置された第1および第2受音手段によって送出される入力信号として所望信号が検出された場合,一定期間にわたって適応指向性機能の適応が停止される。処理された入力信号は,適応指向性機能によって結合された出力信号として出力される。補聴器はさらに,出力信号に応答して音信号を発する出力トランスデューサを備えている。
この発明はまた,信号処理装置上において指向性コントローラを実行するためのソフトウェアツールと,コンピュータ上または信号処理システム上で実施されるときに,コンピュータまたは信号処理システムがこの発明による方法を実行することができるようにするコンピュータプログラムコードを有するコンピュータプログラム・プロダクトとを提供する。
この発明に従う方法,システムおよび製品は,好ましくは,あらゆる度合の聴力損失用の指向特性を備えるあらゆる種類の補聴器(耳掛け形(BTE),挿耳形(ITE),チャネル挿入形(ITC))に好適に使用され,それにより,音声または会話信号,あるいはラジオまたはテレビなどが発する音信号などの所望信号を理解するユーザの能力が改善する。上記所望信号は,ユーザのいずれの方向からも到来してもよい。
この発明の上記および他の特徴,恩恵および利点は,添付図面と共にこの発明の好適な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
この発明の他のシステム,方法,特徴および利点は,以下の図面および詳細な説明を検討することによって,当業者に明らかであるか,または明らかになるであろう。そのような追加的なシステム,方法,特徴および利点はすべて,この説明に含まれ,この発明の範囲内にあり,かつ添付の特許請求の範囲によって保護される。
次に,添付図面を参照しながらこの発明を説明する。
図1は,制御可能な指向特性を備える補聴器に適し,かつこの発明の一実施形態に従う方法の実行およびシステムの実現に適した信号処理装置100のブロック図を示す。信号処理装置100は,第1および第2マイクロホン信号20,30を受信し,かつ出力信号40を出力する指向性コントローラ10を備えている。第1および第2マイクロホン信号は,第1前マイクロホンFmicおよび第2後マイクロホンBmicによって直接に,または前処理機能,たとえばフィルタ機能を通して,送出されうる。出力信号40は,補聴器の信号プロセッサ用の入力信号として用いられ,信号プロセッサにおいて,上記出力信号のさらなる処理および増幅が行われるとともに,上記信号プロセッサから出力された信号が,音声信号を発するための出力トランスデューサ,たとえばスピーカ(図1において図示略)に送られる。
指向性コントローラ10は,第1および第2マイクロホン信号20,30の処理に基づいた適応指向性機能50を適用することができる。適応指向性機能50の結果として,結合出力信号40が生成される。
適応指向性機能50の指向特性は,第1および第2制御パラメータ60,80によって調節される。第1制御パラメータ60は,フィードバック出力信号40である。信号処理装置100はさらに,所望信号検出器(DSD)(desired signal detector)とも呼ばれる信号分析器を備え,これは,第1および第2マイクロホン信号20,30を受信し,かつ第2制御パラメータ80を出力する。別の実施形態では,図1に示されていないが,所望信号検出器70は,入力信号として第1または第2マイクロホン信号の一方だけを受信してもよい。
作用を説明すると,補聴器の環境からの音が,第1前マイクロホンFmicおよび第2後マイクロホンBmic(図示略)の両方によって捕らえられる。次に,2つのマイクロホンで発生した電気信号が,サンプルユニットによって,たとえば32kHzのサンプリングレートで前処理され,さらに24ビットアナログ/デジタル変換器によってアナログ/デジタル変換される。その結果,マイクロホンによって捕らえられた音に対応するデジタル信号は,第1および第2マイクロホン信号20,30として送り出される。
次に,この発明による方法を示す図5も参照しながら,信号処理装置10の機能を説明する。
指向性コントローラ10は,適応指向性機能50の調節された指向特性に従って,第1および第2マイクロホン信号20を処理し,かつこれらの処理された信号を結合して出力信号40にする。適応指向性機能は,第1および第2マイクロホン信号を遅延し,かつ減衰する内部遅延および減衰パラメータ(内部パラメータ)によって調節される(図1において図示略)。適応指向性機能50は,フィードバック出力信号60が最小化されるように,内部パラメータを調節する。出力信号を最小化する適応指向性機能内の内部パラメータの適応制御は,当該技術で既知の方法により,たとえば適応指向性機能にいわゆるLMSアルゴリズムを適用することによって,適応指向性機能内で行われる。LMSアルゴリズムによるそのような適応制御の例を米国特許第5,259,033号または米国特許第5,402,496号に見ることができるが,これらの参考文献に設けられている適応制御システムは,指向性コントローラを制御しない。
同時に,所望信号検出器70は,オペレーション510において,入力信号としての第1および第2マイクロホン信号が不要信号であるかどうかを検出する。この発明において,不要信号は,不要の雑音だけを有し,会話信号のような所望信号をまったく有していないことを意味する。オペレーション510において,DSD70が所望信号を検出すると,内部パラメータの適応が阻止またはフリーズされ,そのため,適応指向性機能は,このフィードバック出力信号に従って内部パラメータを適応させることによる内部パラメータの調節を行わない。したがって,内部パラメータの適応を伴わずにオペレーション540で出力信号が生成されるので,オペレーション520での出力信号の最小化が,ある一定時間停止される。停止時間は,入力信号およびDSDの実際の実施形態にもとづく。たとえば,停止時間は3〜30ミリ秒の範囲内の値を有するであろう。
オペレーション510において,入力信号が「不要信号」であることが検出されると,適応が継続し,出力信号を最小化する(オペレーション520)ことを目的に,オペレーション530において,指向特性を適応させる(adopt)ように内部パラメータが調節される。
このようにして,DSDが入力信号として不要信号を検出する場合だけ,指向特性が適応される。
図2は,この発明の一実施形態による補聴器220のブロック図を示す。補聴器220の信号経路は,音響入力信号を第1および第2電気マイクロホン信号20,30に変換する第1および第2入力トランスデューサまたはマイクロホンFmicおよびBmicと,電気出力信号40を発生する制御可能な指向特性を備えた信号処理装置200と,電気出力信号を音響出力信号に変換する出力トランスデューサ210,たとえばスピーカまたはレシーバとを備えている。信号処理装置200は,入力信号としての第1および第2マイクロホン信号20,30と出力信号40をもつ指向性コントローラ10を備えている。信号処理装置200はさらに,所望信号検出器70およびパラメータ・コントローラ90を有する。パラメータ・コントローラ90に入力するフィードバック出力信号60を最小化するために,パラメータ・コントローラ90は適応指向性機能50の内部パラメータ(internal parameter(s))95を調節する。制御信号として,パラメータ・コントローラ90は,所望信号検出器70によって供給される第2制御信号80を受信する。所望信号検出器70は,入力信号としての第1および第2マイクロホン信号20,30を受信し,さらに検出器71および更新/停止回路72を備えている。検出器71は,第1および第2マイクロホン信号が不要信号であるか否かを検出する。入力信号が不要信号であることを検出器71が検出すると,更新/停止回路72は,出力信号40が最小化されるようにパラメータ・コントローラ90が内部パラメータ95を調節することができるようにする第2制御信号80を,発生する。そうでなく,入力信号が所望信号であることを検出器71が検出すると,更新/停止回路72は,パラメータ・コントローラ90に適応処理の禁止(disable)または停止(stall)をさせ,それにより,検出器71が再び不要信号を検出するまで,さらに出力信号を最小化しないことを示す第2制御信号80を,発生する。
図3は,この発明による信号処理装置100,200中に指向性コントローラ110として組み込むことができる国際特許第WO01/01731−A1号にしたがう指向性コントローラを示す。図3に示す指向性コントローラでは,制御可能減衰オペレーションおよび位相遅延オペレーションが,第1および第2マイクロホン信号20,30に対応する前後マイクロホンFmicおよびBmicからの信号Xfront,Xbackに加えられる。その結果の信号は,結合されて,出力信号40に対応する出力信号にされる。指向性コントローラは,適応指向性機能を実行するものであり,前後マイクロホンFmicおよびBmicに接続された第1加算回路12と,前マイクロホンFmicに接続された正入力部および後マイクロホンBmicに接続された負入力部を備える第1減算回路13を備えている。第1および第2位相遅延装置14,15は,それぞれ第1減算回路および第1加算回路13,12に接続されている。第2加算回路16は,第1減算回路13および第1位相遅延装置14に接続され,第2減算回路17は,その正入力部が第1加算回路12に接続され,その負入力部が第2位相遅延装置15に接続されている。第1制御可能減衰器18は,第2加算回路16からの信号を(1−omni)/2に減衰させるように作用し,第2制御可能減衰器19は,第2減算回路17からの信号を(1+omni)/2に減衰させるように作用する。これに対し,第3加算回路21は,第1および第2減衰器18,19に接続され,それらからの信号を加算し,信号プロセッサに送るべき全結合信号を発生する。この指向性コントローラの特性は,この発明によるシステムおよび方法と一緒に好都合に使用されることができるものである。加算回路21からの結合出力信号は,
Figure 2007515830
である。但し,omniは調節可能な内部パラメータ95であって,減衰器18および19を制御し,国際特許第WO01/01731−A1号の実施例では,0〜1の範囲内の値をとる。
後マイクロホンBmicと前マイクロホンFmicとの間の音響遅延をAとすると,
Figure 2007515830
である。
適応指向性機能がomni=0として選択されると,出力信号は
Figure 2007515830
になる。但し,Tはさらなる調節可能な内部パラメータ95であって,遅延装置14および15を制御する。指向性オペレーションモード(omni=0)において,遅延Tが後マイクロホンと前マイクロホンとの間の遅延Aにちょうど等しく選択される場合,ユーザの後ろから直接到来する音声信号Xの部分が最大限に抑制され,180°方向にゼロ方向であるカージオイド特性として知られる指向特性が,達成される。
T<Aに調節することにより,ユーザの側方から部分的に到来する音声がキャンセルされ,そのキャンセル効果の方向はT/Aの比によって制御される。
しかしながら,この発明によると,内部パラメータomniは,0〜1の範囲外の値をとることができる。omniが0未満に減少するとき,180°方向に関して対称的な2つのゼロ方向が現れるであろう。omniの負の値が大きくなるほど,ゼロ方向が180°方向からさらに離れていき,たとえばomni=−1.5では,ゼロ方向は80度および280度となろう。
結論として,内部パラメータ95(omniおよびT)を調節することにより,指向性コントローラのゼロ方向を移動させることが可能である。この発明によると,これをこの発明による信号処理装置内の指向性コントローラの適応制御に好適に利用することができる。
図4は,この発明の一実施形態にしたがう所望信号検出器7の一実施形態を示す。所望信号検出器70は,図1および図2を参照して説明したような信号処理装置100,200に使用されうる。所望信号検出器の回路構造は加算回路73を備え,これは加算回路73に接続されている第1および第2マイクロホン信号20,30を加算するためのものである。加算回路の出力は,加算入力信号の信号包絡線(signal envelope)を生成する信号包絡線回路74に接続されている。信号包絡線回路74の出力としての信号包絡線は,比較器77およびパーセント点推定器回路76の両方に送られる。パーセント点推定器回路76は,パーセント点推定結果(percentile estimator result),たとえば,信号包絡線の10%または11%の推定結果を生成する。このようなパーセント点推定結果を,当該技術分野において知られているパーセント点推定器を用いてどのように発生させるかについては,当業者には周知である。このようなパーセント点推定器の例が,たとえば米国特許第4,204,260号,国際特許第WO95/15668号または国際特許第WO98/27787号からわかるが,しかしながらこれらのパーセント点推定器は,所望信号検出器の一部ではない。
一般的に,パーセント点推定器76によって出力されるパーセント点推定結果は,0〜100%の範囲内の任意のパーセント点推定結果であろう。パーセント点推定結果0%は,パーセント点推定器に入力するすべての信号がパーセント点推定結果より高いことが検出されることを意味し,したがって,会話と考えられるであろう。これは,DSDが常に所望信号を検出し,かつDSDは適応をまったく実行しないことを意味する。その逆の極値で,パーセント点推定結果が100%である場合,パーセント点推定器に入力するすべての信号がパーセント点推定結果より低いことが検出される。これは,DSDが入力信号を不要信号とし,そのため,DSDは適応をまったく停止させることなく,あたかもDSDが存在していないかのように,指向性適応が実行されることを意味する。しかしながら,パーセント点推定結果は必ずしも制限されないが,ほとんどの用例では,5〜90%の間の数値が選択される。
したがって,DSDに使用されるパーセンテージは特定の数値に制限されないが,周囲の雑音状態に応じていくらかの実際的な制限はある。パーセント点推定結果は一般的に,雑音と会話(不要信号と所望信号)の間の良好な境界レベルを表わすべきであり,そのため,パーセント点推定結果より低いレベルを実質的に不要信号と考えることができ,かつ高いレベルを所望信号を有すると考えることができる。パーセンテージの設定が高すぎる場合,会話信号の一部がパーセント点推定結果より低くなり,不適切にも雑音として扱われるであろう。したがって,適応はすべての必要な場合に停止されることにならず,そのため,指向性適応は,ある程度雑音とともに会話にも反応するであろう。反対に,パーセンテージの設定が低すぎる場合,雑音の一部がパーセント点推定結果より高くなり,したがって,不適切にも会話として扱われるであろう。この場合,指向性適応は頻繁に停止し,したがって,適応が必要以上に低速になるが,それでも専ら雑音には反応する。
たとえば5〜20%の範囲内の低いパーセンテージのパーセント点推定器は雑音フロア(noise floor)を極めて良好に見つけるであろうが,音環境が異なれば,最適値も異なるであろうから,最終的な選択は常に妥協点の問題であろう。しかしながら,10〜20%のパーセント点推定結果のパーセント点推定器を有するDSD70は,静かな室内における一人の話し手の会話信号を供給する第1および第2マイクロホン信号20,30を処理することにより,良好な結果を達成することができるであろう。
パーセント点推定器76の出力としてのパーセント点推定結果は,比較器77に第2入力信号として供給される。比較器77は,2つの入力信号,すなわち信号包絡線回路74から送られた信号包絡線とパーセント点推定結果とを比較する。比較の結果は更新/停止回路72へ送られ,その回路は第2制御パラメータ80を生成する。
次に,この発明による方法のフローチャートを示す図6を参照して,所望信号検出器(DSD)とも呼ばれる分析器の機能を説明する。
オペレーション610において,入力信号から信号包絡線が生成される。図4にしたがう加算された第1および第2マイクロホン信号20,30を入力信号とすることができる。別の実施形態(図示略)では,所望信号検出器は加算回路73を持たず,信号包絡線回路74への入力信号は第1マイクロホン信号または第2マイクロホン信号のいずれかである。第1前マイクロホンFmicまたは第2後マイクロホンBmicの少なくとも一方が,無指向特性を備えるマイクロホンであり,したがって,このマイクロホンが,すべての方向からこのマイクロホンに到達する音声信号に対応するマイクロホン信号を創出するという仮定に基づけば,加算回路を省くことができる。したがって,回路全体をより簡単にしておくために,ユーザの周囲の音信号の信号包絡線を1つのマイクロホン信号だけから生成してもよい。
オペレーション620において,信号包絡線から,1つのパーセント点推定結果,たとえば10%パーセント点推定結果が決定される。次にオペレーション630において,パーセント点推定結果および信号包絡線の両信号の信号レベルが比較される。比較器77は,特に,信号包絡線の瞬時信号がパーセント点推定結果より高くなるとき,および信号包絡線の瞬時信号がパーセント点推定結果より低くなるときを検出する(オペレーション640)。瞬時信号がパーセント点推定結果より高いことが検出されたとき,所望信号検出器は入力信号中に「所望信号」があると判断し,オペレーション650において制御パラメータ調節を停止する。適応を停止するために,更新/停止回路72は,適応指向性機能50による指向特性の適応を禁止にすることを示す第2の制御パラメータ80を,パラメータ・コントローラ90または直接に指向性コントローラ10へ送出する。
オペレーション640において,瞬時信号がパーセント点推定結果より低いことが検出されると,所望信号検出器は入力信号が「不要信号」であると判断し,オペレーション660において,許可信号を第2制御パラメータ80として設定することによって制御パラメータ調節の更新(update)を許可し,オペレーション670において,適応指向性機能用の内部制御パラメータを調節することによって,指向特性を適応させる。
この発明の他の実施形態(図示略)では,所望信号検出器は,入力信号20,30中の高周波数および低周波数を区別することができるフィルタ回路を備えている。入力信号が,ある周波数範囲内の信号,たとえば声信号に対応する信号を有することを検出器71が検出すると,デジタル信号検出器は「所望信号」であると判断し,オペレーション650に進む。他方,入力信号がある周波数範囲外にあることを検出器71が検出すると,デジタル信号検出器は「不要信号」であると判断し,オペレーション660に進む。
この発明の他の実施形態では,検出器71は入力信号のレベルを検出し,オペレーション640と同様のオペレーションによって,入力信号のレベルがある所定レベルより高いか,低いかを決定し,入力レベルがその所定レベルより低い場合,DSDは「不要信号」であると判断し,オペレーション660に進み,かつその逆の処理を行う。
図9は,この発明の一実施形態にしたがう所望信号検出器170の一実施形態を示しており,この実施形態では,所望信号と不要信号を区別するために,上記のようなレベル検出が実行される。DSD170の回路構造は,図4を参照して説明したDSD70の一つに類似する。DSD170は,DSD70のパーセント点推定器76に代えて,レベル発生器100を備えている。レベル発生器110は,必ずしも何らかの入力,たとえば信号包絡線回路74から出力される包絡線信号を必要としないものであり,固定信号レベルを比較器77に供給する。比較器77は2つの入力信号,すなわち信号包絡線回路74から送出される信号包絡線とレベル発生器110から送出されるレベルを比較する。比較の結果は更新/停止回路72へ送出され,ここで再び第2制御パラメータ80が生成される。DSD170の機能も,レベル発生器110が入力信号20,30の信号包絡線に基づかない固定信号レベルを出力することを除いて,DSD70の機能に類似する。したがって,オペレーション640において,瞬時信号包絡線のレベルが,レベル発生器の信号レベルより高いか低いかが決定される。
レベル発生器110が生成し,閾値として扱われ,更新および停止基準とされる信号レベルの値は,DSD170の所望性能および補聴器設計者の選択に応じて調節されうる。たとえば,設計者はこの機能を使用して,所定の下限閾値より低い場合に適応を禁止し,それにより,信号が固有マイクロホン雑音によって支配されている環境における更新を抑制することを望むであろう。 別の例ではこの機能を利用して,所定の上限閾値より高い場合に適応を禁止し,それにより,風騒音によって支配された環境,または補聴器のダイナミック・レンジを超えるレベルであるために信号がひずむような環境において,更新を抑制するであろう。
DSD170の一実施形態によると,更新/停止回路72は,信号包絡線が閾値以下であること(equal to or below the threshold)を比較器77が示す場合に許可信号を出力し,かつ信号包絡線が閾値を超えること(above the threshold)を比較器77が示す場合に禁止信号を出力する。しかしながら,DSD170の他の実施形態では,更新および停止基準を逆とすることもできる。すなわち,更新/停止回路72は,信号包絡線が閾値以下であることを比較器77が示す場合に禁止信号を出力し,かつ信号包絡線が閾値を超えることを比較器77が示す場合に許可信号を出力する。
この発明の他の実施形態では,DSDの検出器71は,入力信号の相関係数を計算し,相関係数が一定値に達する場合に,DSDは「所望信号」であると判断し,第2制御パラメータ80はそれに従って調節される。
図10は,この発明のさらに他の実施形態にしたがう所望信号検出器270の一実施形態を示す。DSD270も,図1および図2を参照して説明されているような信号処理装置100,200内に組み込むことができる。DSD270の回路構造は,2つの入力信号20,30間の相関係数を計算し,この相関係数を比較器77へ送る相関計算機を備えている。比較器77は,レベル発生器210から一定レベル信号も受信し,これらの2つの入力信号を比較し,比較結果を更新/停止回路72へ送出し,更新/停止回路は第2制御パラメータ80を生成する。
相関計算機220では,入力信号(第1および第2マイクロホン信号)20,30が同一の音源から発生しているか否かが決定される。たとえば,補聴器が静かな環境で作動するとき,マイクロホン信号の各々は,それぞれのマイクロホン自体によって発生する雑音のみを含む。従って,この場合,入力信号は,独立した,したがって相関性のない信号源,すなわち個々のマイクロホンによって生成される。上記ケースおよび他のケースにおいて,相関係数は,マイクロホン信号の少なくとも一方が雑音またはひずみによって支配されているかどうかを表す。たとえば,入力信号20,30の少なくとも一方が雑音またはひずみによって支配され,それにより,相関係数がレベル発生器210によって発生された信号レベルより下に低下していることを比較器77が検出したとき,それぞれの第2制御パラメータ80を送ることによって適応は停止されるであろう。レベル発生器210は,レベル発生器110に少なくとも類似し,比較器77において閾値として作用する発生された信号レベルも,所望性能および補聴器設計者の選択によって調節されよう。国際特許第WO02/30150号では,例示として,相関していない第1および第2入力信号を検出し,かつ制御信号を発生する相関検出器が設けられている。DSD270の所望性能およびDSD設計者の選択に応じて,補正係数の値に基づく更新および停止基準を調節することができる。
DSD270の一実施形態によると,更新/停止回路72は,相関係数が閾値以下であることを比較器77が示す場合に許可信号を出力し,かつ相関係数が閾値を越えることを比較器77が示す場合に禁止信号を出力する。しかしながら,DSD270の他の実施形態では,更新および停止基準が逆であることも可能である。すなわち,更新/停止回路72は,相関係数が閾値以下であることを比較器77が示す場合に禁止信号を出力し,かつ相関係数が閾値を越えることを比較器77が示す場合に許可信号を出力する。
この発明のさらなる実施形態では,所望信号および不要信号間の選択は,信号の種類に応じて,DSD70内に異なる検出器71を用いるさまざまな方法において実行される。選択は,たとえば統計的解析,周波数整形,所定の非直線性(certain non-linearities)の検出,その他に基づくことができる。
図7は,一人の話し手の信号包絡線および11%パーセント点推定結果を20秒間にわたって表す信号図を示す。信号包絡線および11%パーセント点推定結果は,32kHzのサンプリング周波数によるデジタルインプリメンテーションと,24ビットADCと,この発明による信号包絡線回路74およびパーセント点推定器76を備える所望信号検出器70を使用することによって達成された。話し手は,静かな室内において時間(time)=1.5秒で話し始め,時間(time)=5秒で,話し手は,話しつづけながらユーザの前からユーザの一側へ移動している。
図8は,DSDを含むこの発明による適応指向性機能における内部指向性パラメータomni(実線)の挙動を示す(omni=1のパラメータ値は無指向性を意味し,0.5はカージオイドを意味し,0は両指向特性(bi-directional characteristic)を意味する)。これと比較して,図8はDSDのない従来型指向性コントローラの内部指向性パラメータomniの挙動(点線)も示す。DSDがある場合およびない場合の指向性パラメータ挙動を比較すると,この発明による信号処理装置を適用する時のパラメータomniの挙動の改善が,当業者には簡単に認識されるであろう。実線によれば,パラメータomniは20秒間の時間フレーム全体にわたって1〜0.97に調節されている。話し手が5秒後にユーザの一側へ移動しても,omni値はその範囲内に留まり,これは,話し手が前方向以外へ移動しても,適応指向性機能が,いまだほぼ無指向特性を持っていることを意味する。その結果,指向特性がほぼ無指向性モードに留まるので,時間フレーム全体にわたって所望会話信号は減衰されない。さらに,DSDがある場合の指向性パラメータ挙動から,出力信号40を最小化するために,適応指向性機能は,会話の合間に内部パラメータomniを値=1よりも低く調節することによって,不要雑音を減衰しようとするのがわかる。
これとは反対に,DSDがない従来型指向性コントローラは,図8に点線で示されているように,同一状況において指向性パラメータomniを調節する。最初の6秒間,指向性コントローラは無指向性モードに留まる。話し手がユーザの一側へ移動した後,従来型指向性コントローラは,パラメータomniを,より指向性が高いモードに,すなわち値=0.8まで下がるように調節することにより,出力信号をさらに最小化しようとし,その結果,実際の所望会話信号の望ましくない減衰およびマイクロホン雑音の大きな変調が生じる。明細書の背景部分で説明したように,これは好ましくない。
この発明の一実施形態では,第1および第2マイクロホン信号20,30の周波数スペクトルは,帯域分割フィルタ(図示略)によって,それぞれ,幾つかの,たとえば3つの,それぞれ限定周波数範囲を有するチャネルに分割されることができる。次に,帯域限定チャネルのそれぞれは,対応する信号処理装置100,200によって処理され,それにより,各信号処理装置は帯域限定チャネル内で動作する。このシステムは,指向特性がこれらのチャネル間で異なることを容認し,それにより,信号が所望信号および不要信号として分類されかつ指向特性を調節する分析が,それぞれの周波数帯域で独立的に行われる。
最後になるが,この発明の主要特徴をよりうまく説明するために,この発明の図面に関連して説明した実施形態がいくらか簡略化されていることは,当業者には明らかであることに注意されたい。
この発明のさらなる実施形態によると,上記の実施形態または実施形態の特徴は,雑音を最小化する指向性システムにおいて,任意の有用な組み合わせに組み合わせられることができる。
さらに,この明細書または添付の特許請求の範囲に記載されている特徴は,明言されていなくても,任意の有用な組み合わせで請求されることは,当業者には明らかであろう。
この発明の第1実施形態による制御可能な指向特性を備える補聴器用の信号処理装置のブロック図である。 この発明の他の実施形態による信号処理装置を有する補聴器を示すブロック図である。 この発明の一実施形態による信号処理装置に使用される従来型指向性コントローラのブロック図である。 この発明の一実施形態による所望信号検出器のブロック図である。 この発明の一実施形態による方法を説明するフローチャートである。 この発明の一実施形態による別の方法を説明するフローチャートである。 図4に示されているような所望信号検出器に関連した,一人の話し手の会話信号の信号包絡線および11%パーセント点推定結果を示す信号図である。 この発明の一実施形態による適応指向性機能の指向性パラメータ挙動を,従来型指向性パラメータ挙動と比較して示す信号図である。 この発明の他の実施形態による所望信号検出器のブロック図である。 この発明のさらに他の実施形態による所望信号検出器(DSD)のブロック図である。

Claims (18)

  1. 第1および第2マイクロホン信号Xfront,Xback(20,30)を受信し,かつ出力信号Y(40)を出力する指向性コントローラ(10)と,前記第1および第2マイクロホン信号の少なくとも一方が不要信号であるかどうかを検出する信号分析器(70)とを備え,
    前記指向性コントローラは,上記信号分析器が不要信号を検出した場合にだけ,指向特性を適応させることによって上記出力信号を最小化する,
    制御可能な指向特性を備える補聴器用の信号処理装置(100,200)。
  2. 前記信号分析器(70)は,前記第1および第2マイクロホン信号(20,30)の少なくとも一方を受信する検出器(71)ならびに上記検出器(71)の出力を受信する更新/停止回路(72)を備え,
    前記更新/停止回路(72)は,前記検出器が入力信号として不要信号を検出した場合に許可信号を出力し,かつ前記検出器が入力信号として所望信号を検出した場合に禁止信号を出力する,請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記指向性コントローラ(10)は,前記信号分析器(70)から送出された第2制御パラメータ(80)の手段によって許可されている間だけ,適応指向性機能(50)の内部制御パラメータ(95)を調節することによって指向特性を適応させる,請求項1または2に記載の信号処理装置。
  4. 適応指向性機能は,omniが内部制御パラメータ(95)であり,Tが所定の音響遅延であるとき,式
    Figure 2007515830
    によって定義される,請求項3に記載の信号処理装置。
  5. フィードバック出力信号(60)および第2制御パラメータ(80)を受信し,かつ前記内部制御パラメータ(95)を出力するパラメータ・コントローラ(90)をさらに備え,
    前記パラメータ・コントローラは,前記第2制御パラメータ(80)が許可信号を示す場合に,最小化アルゴリズムを適用することによって前記フィードバック出力信号(60)を最小化するように内部制御パラメータ(95)を調節する,請求項1から4のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  6. 前記信号分析器(70)の前記検出器(71)は,
    前記第1および/または第2マイクロホン信号(20,30)を受信し,かつ前記マイクロホン信号の信号包絡線を生成する信号包絡線回路(74)と,
    前記信号包絡線のパーセント点推定結果を生成するパーセント点推定器(76)と,
    前記信号包絡線の信号レベルおよび前記パーセント点推定結果の信号レベルを比較する比較器(77)を備え,
    前記更新/停止回路(72)は,信号包絡線がパーセント点推定結果以下であることを比較器が示す場合に許可信号を出力し,かつ信号包絡線がパーセント点推定結果を越えることを比較器が示す場合に禁止信号を出力する,請求項2から5のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  7. 前記信号分析器(70)の前記検出器(71)は,
    前記第1および/または第2マイクロホン信号(20,30)を受信し,かつ前記マイクロホン信号の信号包絡線を生成する信号包絡線回路(74)と,
    閾値としての信号レベルを発生するレベル発生器(110)と,
    前記信号包絡線が前記閾値より高いかまたは低いかを検出する比較器(77)を備え,
    前記更新/停止回路(72)は,比較器の結果に応じて許可信号または禁止信号のいずれかを出力する,請求項2から5のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  8. 前記信号分析器(70)の前記検出器(71)は,統計的解析の使用,周波数整形,または前記マイクロホン信号における所定の非直線性の検出によって,所望信号および不要信号の間の選択を行う,請求項2から5のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  9. 前記信号分析器(70)の前記検出器(71)は,ある周波数帯域において前記マイクロホン信号を分別するフィルタ回路を備え,
    前記更新/停止回路(72)は,前記検出器が不要周波数帯域の信号だけを検出する場合に許可信号を出力し,前記検出器が所望周波数帯域の信号も検出する場合に禁止信号を出力する,請求項2から5のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  10. 前記信号分析器(70)の前記検出器(71)は,前記マイクロホン信号の相関係数を計算し,
    前記更新/停止回路(72)は,相関係数の値に応じて許可信号または禁止信号のいずれかを出力する,請求項2から5のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の複数の信号処理装置を有し,さらに,前記第1および第2マイクロホン信号(20,30)の周波数スペクトルを,それぞれが限定周波数範囲を有する前記複数のチャネルに分割する帯域分割フィルタを備え,
    それぞれの信号処理装置の各々は,前記マイクロホン信号のそれぞれの周波数範囲を個別に処理することによって指向特性を得る,信号処理システム。
  12. 離間配置された第1および第2マイクロホンと,前記第1および第2マイクロホンのそれぞれによって供給される第1および第2マイクロホン信号を受信し,かつ出力信号を出力する指向性コントローラを有する補聴器の指向特性を制御する方法であって,
    前記出力信号は,指向特性に従って前記第1および第2マイクロホン信号を結合することによって生成されるものであり,
    前記第1および第2マイクロホン信号の少なくとも一方が不要信号を含むかどうかを検出し(510),
    不要信号が検出された場合にだけ,出力信号を最小化するように指向特性を適応させる(530),方法。
  13. 前記第1および第2マイクロホン信号の少なくとも一方を内部制御パラメータに従って遅延または減衰させてから前記出力信号に結合し,かつ不要信号が検出された場合にだけ,出力信号を最小化するように内部制御パラメータを調節する,そのような適応指向性機能を適用することによって,前記出力信号は生成される,請求項12に記載の方法。
  14. 前記第1および第2マイクロホン信号の一方,または前記第1および第2マイクロホン信号の総体に対応する入力信号の信号包絡線を生成し(610),
    前記包絡線のパーセント点推定結果を計算し(620),
    前記信号包絡線の信号レベルおよび前記パーセント点推定結果の信号レベルを比較し(630),
    信号包絡線はパーセント点推定結果以下であると前記比較オペレーションが判断した場合に,内部制御パラメータ調節を更新し(660),
    信号包絡線はパーセント点推定結果を越えると前記比較オペレーションが判断した場合に,内部制御パラメータ調節を停止する(650),
    請求項12または13に記載の方法。
  15. 請求項12から14のいずれか一項に記載の方法を実行する補聴器。
  16. 請求項1から11のいずれか一項に記載の信号処理装置またはシステムと,第1および第2マイクロホン信号(20,30)を供給する離間配置された第1および第2入力トランスデューサ(Fmic,Bmic)と,前記出力信号に応答して音信号を発する出力トランスデューサ(210)とを備えた,制御可能な指向特性を備える補聴器(220)。
  17. コンピュータ上またはデジタル信号処理システム上で実行されるとき,前記コンピュータまたはデジタル信号処理システムが請求項12から14のいずれか一項に記載の方法を実行することができるようにする,コンピュータプログラムコードを有するコンピュータプログラム・プロダクト。
  18. 請求項1から11のいずれか一項に記載の信号処理装置をコンピュータ上で実行する,ソフトウェアコード部分を有するソフトウェアツール。

JP2005508986A 2003-09-19 2003-09-19 補聴器の受音特性の指向性制御方法および制御可能な指向特性を備える補聴器用の信号処理装置 Expired - Fee Related JP4145323B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/EP2003/010485 WO2005029914A1 (en) 2003-09-19 2003-09-19 A method for controlling the directionality of the sound receiving characteristic of a hearing aid and a signal processing apparatus for a hearing aid with a controllable directional characteristic

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007515830A true JP2007515830A (ja) 2007-06-14
JP4145323B2 JP4145323B2 (ja) 2008-09-03

Family

ID=34354387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005508986A Expired - Fee Related JP4145323B2 (ja) 2003-09-19 2003-09-19 補聴器の受音特性の指向性制御方法および制御可能な指向特性を備える補聴器用の信号処理装置

Country Status (10)

Country Link
US (2) US7933423B2 (ja)
EP (1) EP1665881B1 (ja)
JP (1) JP4145323B2 (ja)
CN (1) CN1839661B (ja)
AT (1) ATE402586T1 (ja)
AU (1) AU2003277877B2 (ja)
CA (1) CA2538021C (ja)
DE (1) DE60322447D1 (ja)
DK (1) DK1665881T3 (ja)
WO (1) WO2005029914A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011512768A (ja) * 2008-02-20 2011-04-21 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ オーディオ装置及びその動作方法
WO2011158506A1 (ja) * 2010-06-18 2011-12-22 パナソニック株式会社 補聴器、信号処理方法及びプログラム
US8442246B2 (en) 2009-04-28 2013-05-14 Panasonic Corporation Hearing aid device and hearing aid method

Families Citing this family (57)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7668325B2 (en) 2005-05-03 2010-02-23 Earlens Corporation Hearing system having an open chamber for housing components and reducing the occlusion effect
US7867160B2 (en) 2004-10-12 2011-01-11 Earlens Corporation Systems and methods for photo-mechanical hearing transduction
US8401212B2 (en) 2007-10-12 2013-03-19 Earlens Corporation Multifunction system and method for integrated hearing and communication with noise cancellation and feedback management
US8295523B2 (en) 2007-10-04 2012-10-23 SoundBeam LLC Energy delivery and microphone placement methods for improved comfort in an open canal hearing aid
DE102005034646B3 (de) 2005-07-25 2007-02-01 Siemens Audiologische Technik Gmbh Hörvorrichtung und Verfahren zur Reduktion von Rückkopplungen
EP1941782B1 (en) 2005-10-18 2018-07-18 Widex A/S Equipment for programming a hearing aid and a hearing aid
CN101433098B (zh) * 2006-03-03 2015-08-05 Gn瑞声达A/S 助听器内的全向性和指向性麦克风模式之间的自动切换
US8249284B2 (en) 2006-05-16 2012-08-21 Phonak Ag Hearing system and method for deriving information on an acoustic scene
EP1858291B1 (en) * 2006-05-16 2011-10-05 Phonak AG Hearing system and method for deriving information on an acoustic scene
ATE450987T1 (de) * 2006-06-23 2009-12-15 Gn Resound As Hörinstrument mit adaptiver richtsignalverarbeitung
DE102006047986B4 (de) * 2006-10-10 2012-06-14 Siemens Audiologische Technik Gmbh Verarbeitung eines Eingangssignals in einem Hörgerät
DE102007033896B4 (de) * 2007-07-20 2012-04-19 Siemens Medical Instruments Pte. Ltd. Hörvorrichtung mit Signalverarbeitung auf der Basis konstruktionsbezogener Parameter und entsprechendes Verfahren
WO2009034536A2 (en) * 2007-09-14 2009-03-19 Koninklijke Philips Electronics N.V. Audio activity detection
EP2495996B1 (en) * 2007-12-11 2019-05-01 Bernafon AG Method for measuring critical gain on a hearing aid
EP2107826A1 (en) * 2008-03-31 2009-10-07 Bernafon AG A directional hearing aid system
WO2009155361A1 (en) 2008-06-17 2009-12-23 Earlens Corporation Optical electro-mechanical hearing devices with combined power and signal architectures
CN102124757B (zh) 2008-06-17 2014-08-27 依耳乐恩斯公司 传输音频信号及利用其刺激目标的系统、装置和方法
US8396239B2 (en) 2008-06-17 2013-03-12 Earlens Corporation Optical electro-mechanical hearing devices with combined power and signal architectures
KR101717034B1 (ko) 2008-09-22 2017-03-15 이어렌즈 코포레이션 듣기용 밸런스드 아마추어 장치 및 방법
EP2192794B1 (en) * 2008-11-26 2017-10-04 Oticon A/S Improvements in hearing aid algorithms
EP2438768B1 (en) 2009-06-05 2016-03-16 Earlens Corporation Optically coupled acoustic middle ear implant device
US9544700B2 (en) 2009-06-15 2017-01-10 Earlens Corporation Optically coupled active ossicular replacement prosthesis
AU2010263045A1 (en) 2009-06-18 2012-02-09 Earlens Corporation Optically coupled cochlear implant systems and methods
US8401214B2 (en) 2009-06-18 2013-03-19 Earlens Corporation Eardrum implantable devices for hearing systems and methods
EP2446645B1 (en) 2009-06-22 2020-05-06 Earlens Corporation Optically coupled bone conduction systems and methods
DK2446646T3 (en) 2009-06-22 2019-02-04 Earlens Corp Hearing aid for coupling to the round window
WO2010151636A2 (en) 2009-06-24 2010-12-29 SoundBeam LLC Optical cochlear stimulation devices and methods
WO2010151647A2 (en) * 2009-06-24 2010-12-29 SoundBeam LLC Optically coupled cochlear actuator systems and methods
DE102009060094B4 (de) * 2009-12-22 2013-03-14 Siemens Medical Instruments Pte. Ltd. Verfahren und Hörgerät zur Rückkopplungserkennung und -unterdrückung mit einem Richtmikrofon
WO2011101045A1 (en) * 2010-02-19 2011-08-25 Siemens Medical Instruments Pte. Ltd. Device and method for direction dependent spatial noise reduction
US20130058505A1 (en) * 2010-05-21 2013-03-07 Bang & Olufsen A/S Circular loudspeaker array with controllable directivity
EP3758394A1 (en) 2010-12-20 2020-12-30 Earlens Corporation Anatomically customized ear canal hearing apparatus
US9002045B2 (en) * 2011-12-30 2015-04-07 Starkey Laboratories, Inc. Hearing aids with adaptive beamformer responsive to off-axis speech
DE102013207149A1 (de) * 2013-04-19 2014-11-06 Siemens Medical Instruments Pte. Ltd. Steuerung der Effektstärke eines binauralen direktionalen Mikrofons
US10034103B2 (en) 2014-03-18 2018-07-24 Earlens Corporation High fidelity and reduced feedback contact hearing apparatus and methods
US20150350798A1 (en) * 2014-06-03 2015-12-03 Sonion Nederland B.V. Apparatus and a method for providing sound
EP3169396B1 (en) 2014-07-14 2021-04-21 Earlens Corporation Sliding bias and peak limiting for optical hearing devices
US10163453B2 (en) 2014-10-24 2018-12-25 Staton Techiya, Llc Robust voice activity detector system for use with an earphone
US9924276B2 (en) 2014-11-26 2018-03-20 Earlens Corporation Adjustable venting for hearing instruments
WO2016093854A1 (en) 2014-12-12 2016-06-16 Nuance Communications, Inc. System and method for speech enhancement using a coherent to diffuse sound ratio
CN105848062B (zh) * 2015-01-12 2018-01-05 芋头科技(杭州)有限公司 多声道的数字麦克风
WO2017056288A1 (ja) * 2015-10-01 2017-04-06 三菱電機株式会社 音響信号処理装置、音響処理方法、監視装置および監視方法
EP3355801B1 (en) 2015-10-02 2021-05-19 Earlens Corporation Drug delivery customized ear canal apparatus
WO2017116791A1 (en) 2015-12-30 2017-07-06 Earlens Corporation Light based hearing systems, apparatus and methods
US11350226B2 (en) 2015-12-30 2022-05-31 Earlens Corporation Charging protocol for rechargeable hearing systems
US10492010B2 (en) 2015-12-30 2019-11-26 Earlens Corporations Damping in contact hearing systems
US20180077504A1 (en) 2016-09-09 2018-03-15 Earlens Corporation Contact hearing systems, apparatus and methods
WO2018093733A1 (en) 2016-11-15 2018-05-24 Earlens Corporation Improved impression procedure
DE102016225207A1 (de) * 2016-12-15 2018-06-21 Sivantos Pte. Ltd. Verfahren zum Betrieb eines Hörgerätes
US10911877B2 (en) * 2016-12-23 2021-02-02 Gn Hearing A/S Hearing device with adaptive binaural auditory steering and related method
DE102017215823B3 (de) * 2017-09-07 2018-09-20 Sivantos Pte. Ltd. Verfahren zum Betrieb eines Hörgerätes
WO2019173470A1 (en) 2018-03-07 2019-09-12 Earlens Corporation Contact hearing device and retention structure materials
WO2019199680A1 (en) 2018-04-09 2019-10-17 Earlens Corporation Dynamic filter
WO2019199683A1 (en) * 2018-04-09 2019-10-17 Earlens Corporation Integrated sliding bias and output limiter
US11089402B2 (en) * 2018-10-19 2021-08-10 Bose Corporation Conversation assistance audio device control
US10795638B2 (en) * 2018-10-19 2020-10-06 Bose Corporation Conversation assistance audio device personalization
DE102020207585A1 (de) * 2020-06-18 2021-12-23 Sivantos Pte. Ltd. Hörsystem mit mindestens einem am Kopf des Nutzers getragenen Hörinstrument sowie Verfahren zum Betrieb eines solchen Hörsystems

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5243660A (en) * 1992-05-28 1993-09-07 Zagorski Michael A Directional microphone system
US6002776A (en) * 1995-09-18 1999-12-14 Interval Research Corporation Directional acoustic signal processor and method therefor
US6002779A (en) * 1997-10-02 1999-12-14 Johnston; William R. Automated voice message system and method
DE19810043A1 (de) * 1998-03-09 1999-09-23 Siemens Audiologische Technik Hörgerät mit einem Richtmikrofon-System
DE19814180C1 (de) * 1998-03-30 1999-10-07 Siemens Audiologische Technik Digitales Hörgerät sowie Verfahren zur Erzeugung einer variablen Richtmikrofoncharakteristik
DK1017253T3 (da) * 1998-12-30 2013-02-11 Siemens Audiologische Technik Blind kildeadskillelse til høreapparater
DK1192838T4 (da) * 1999-06-02 2013-12-16 Siemens Audiologische Technik Høreapparat med retningsmikrofonsystem samt fremgangsmåde til drift af et høreapparat
AU4776999A (en) * 1999-06-24 2001-01-31 Topholm & Westermann Aps Hearing aid with controllable directional characteristics
DE69908662T2 (de) * 1999-08-03 2004-05-13 Widex A/S Hörgerät mit adaptiver anpassung von mikrofonen
US6539098B1 (en) * 1999-09-24 2003-03-25 Mailcode Inc. Mail processing systems and methods
DE19948907A1 (de) * 1999-10-11 2001-02-01 Siemens Audiologische Technik Verfahren zur Signalverarbeitung in einer Hörhilfe sowie Hörhilfe
WO2001072085A2 (en) * 2000-03-20 2001-09-27 Audia Technology, Inc. Directional processing for multi-microphone system
US6741714B2 (en) * 2000-10-04 2004-05-25 Widex A/S Hearing aid with adaptive matching of input transducers
US6704422B1 (en) * 2000-10-26 2004-03-09 Widex A/S Method for controlling the directionality of the sound receiving characteristic of a hearing aid a hearing aid for carrying out the method
DE10114101A1 (de) * 2001-03-22 2002-06-06 Siemens Audiologische Technik Verfahren zum Verarbeiten eines Eingangssignals in einer Signalverarbeitungseinheit eines Hörgerätes sowie Schaltung zur Durchführung des Verfahrens
EP1380187B1 (en) * 2001-04-18 2008-10-08 Widex A/S Directional controller and a method of controlling a hearing aid

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011512768A (ja) * 2008-02-20 2011-04-21 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ オーディオ装置及びその動作方法
US8442246B2 (en) 2009-04-28 2013-05-14 Panasonic Corporation Hearing aid device and hearing aid method
WO2011158506A1 (ja) * 2010-06-18 2011-12-22 パナソニック株式会社 補聴器、信号処理方法及びプログラム
JP5740572B2 (ja) * 2010-06-18 2015-06-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 補聴器、信号処理方法及びプログラム
US9124984B2 (en) 2010-06-18 2015-09-01 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Hearing aid, signal processing method, and program

Also Published As

Publication number Publication date
AU2003277877B2 (en) 2006-11-27
CN1839661A (zh) 2006-09-27
US20060177079A1 (en) 2006-08-10
AU2003277877A1 (en) 2005-04-11
US8600086B2 (en) 2013-12-03
EP1665881B1 (en) 2008-07-23
ATE402586T1 (de) 2008-08-15
WO2005029914A1 (en) 2005-03-31
US20110164771A1 (en) 2011-07-07
CN1839661B (zh) 2012-11-14
US7933423B2 (en) 2011-04-26
CA2538021C (en) 2011-11-22
CA2538021A1 (en) 2005-03-31
DK1665881T3 (da) 2008-09-15
EP1665881A1 (en) 2006-06-07
JP4145323B2 (ja) 2008-09-03
DE60322447D1 (de) 2008-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4145323B2 (ja) 補聴器の受音特性の指向性制御方法および制御可能な指向特性を備える補聴器用の信号処理装置
US10575104B2 (en) Binaural hearing device system with a binaural impulse environment detector
CA2440233C (en) Directional controller and a method of controlling a hearing aid
US8103023B2 (en) Apparatus and method for acoustic beamforming
US8396234B2 (en) Method for reducing noise in an input signal of a hearing device as well as a hearing device
US8891777B2 (en) Hearing aid with signal enhancement
TW201901662A (zh) 用於具有可變麥克風陣列定向之耳機之雙麥克風語音處理
AU2002338610A1 (en) Directional controller and a method of controlling a hearing aid
US9185499B2 (en) Binaural hearing aid with frequency unmasking
JP2019103135A (ja) 高度な誘導を使用した聴覚機器および方法
AU5391600A (en) A method for controlling the directionality of the sound receiving characteristic of a hearing aid and a hearing aid for carrying out the method
DK2611215T3 (en) A hearing with highlighted signal
US11617037B2 (en) Hearing device with omnidirectional sensitivity
EP1203508B1 (en) A method for controlling the directionality of the sound receiving characteristic of a hearing aid and a hearing aid for carrying out the method
CN115278493A (zh) 具有全向灵敏度的听力设备
DK202070531A1 (en) Hearing device with microphone switching and related method
DK202170587A1 (en) Hearing device with adaptive pinna restoration

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080611

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130627

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees