図1は、本発明の1つの実施形態に準拠する装置2を示す簡略なブロック図である。装置2は画像を記録する画像センサ3、又はその類似物を具備する。又は、画像を記録する画像センサ又はデジタルカメラは装置2と接続することができる。さらに、装置2は送信機4.1と受信装置4.2とを備える少なくとも1組の通信手段4を具備する。装置2は視覚情報を表示するディスプレイ5も具備する。さらに、装置2は、データ入力用、画像の記録制御用などのキーパッド6を具備する。装置2はイヤホン7.1及びマイク7.2などのようなオーディオ手段7を具備することも可能であり、さらに、必要に応じて、オーディオ情報の符号化と復号とを行うコーデックもおそらく具備することが可能である。装置2は装置2の機能を制御する制御ブロック8も具備する。制御ブロック8は例えば1以上のプロセッサ(CPU、DSP)を具備する。さらに、図1の装置2は、Bluetooth(登録商標)システム、WLANシステム又は別の通信システムに準拠するローカルな通信手段のような第2の通信手段9を具備し、このようなローカルな通信手段は上記目的に適するものであり、特に、別の対応する装置とのデータ送信接続を設定するためのローカルな利用を意図するものである。さらに、装置2は情報、プログラムなどを格納するためのメモリ10を具備する。装置2の位置を決定するために、装置は、全地球測位システム(GPS)の受信装置のような測位用受信機11を具備することも可能である。最後に、装置の方向(コンパスヘディング)を決定するために、装置2には電子コンパス12、又はその類似物を設けることが可能であり、この電子コンパス12を用いて、各時刻の装置2の方向及びおそらくはまた装置2の、例えば水平方向に対する傾斜の角度も決定することが可能となる。
次に、図5のフローチャートを参照しながら図2のシステム1における装置2の機能について説明することにする。装置2のユーザは、例えばファインダ機能を起動し、画像センサ3によって撮影された画像がほぼリアルタイムでディスプレイ5に表示される。ディスプレイ上に提示されるこの画像は、カメラのファインダに表示される類の画像情報に対応する。一方、従来型の光学式ファインダ3.5(図6)をファインダとして利用することが可能であり、その場合、ディスプレイ5はファインダ機能の実行に必ずしも必要なものでない。例えばシャッタ・ボタン3.8をわずかに、例えば半分下へ押してシャッタ・ボタン3.8をこの位置に保持することなどによってファインダ機能は起動される。この後、装置2は、例えば、第2の通信手段9の受信装置9.2を用いて監視することによって、対応するローカルな通信手段を持つ別の装置が近くに存在するかどうかの判定501と、このような装置のローカルな通信手段によって送信された信号の受信502の試行とを開始する。このような装置が発見された場合、信号の受信が開始される。この受信信号は復調され、この信号で送信された情報は装置2のメモリ10に格納される。この受信情報には、例えば装置識別子データ(例えば装置名)、及び、位置座標のような装置の位置データも含まれる。上記位置座標は、例えば3次元で、すなわち2つの座標(x,y)及び例えば海面からの高度で示されるオブジェクトに関する所在位置で与えられる。装置2は、例えば測位用受信機11によってそれ自身の装置位置の決定503も行う。場合によっては、装置2の位置を移動体通信ネットワーク15などによって決定することも可能である。この場合、装置2又は移動体通信ネットワーク15のいずれかで位置を決定することができる。
図2はまた画像センサの画像の形で目に見える複数のオブジェクト14.1、14.2、14.2が存在する状況も例示する図である。図2には、画像センサによって見られる画像領域のエッジが破線3.2で図示されている。これらのエッジ3.2間のオブジェクトは画像領域内にある。
必要な位置データが装置2の中で利用可能となった後、装置2から近傍にある相手方装置14への方向ベクトルを決定する505ことが可能となる。しかし、このデータは上記オブジェクトに対する画像センサ3の位置を十分に示すものではない。すなわち、第2の装置14が画像センサ13の画像領域内にあるかどうか、そして、これが肯定の場合、上記画像領域のどの部分にあるかについては十分に示さない。したがって、装置2は画像センサ3のコンパスヘディング、すなわち画像センサのレンズ3.1が指し示すコンパスの位置を発見しようと努めることも可能となる。このコンパスヘディングは視方向とも呼ぶことができる。というのは、ファインダを通して、中心がほぼコンパスヘディングの方向にある視界がユーザの目に映るからである。例えば、装置2の電子コンパス12によって視方向を決定することができる。電子コンパス12は画像センサのコンパスヘディングに関するデータを制御ブロック8へ送信する。収集されたデータに基づいて、例えば、画像センサ3によって撮影された画像の中のどの位置が第2の装置14の所在位置であるかを制御ブロック8において決定する506ことが可能である。この位置は、例えば画像領域の中心に対する方向角として決定することができる。x,y座標に加えて、装置2と第2の装置14との間の高さの差、及び、画像センサ3の傾斜の角度、すなわち水平方向に対する画像センサ3の位置も分かっていれば、画像センサによって形成された画像内の第2の装置14の画像の高さをある程度の精度で決定する504ことも可能である。これは、第2の装置14によって与えられる位置座標と、装置2の位置自体の座標と、方向データとを用いて計算によって可能である。
装置2は、例えば電子コンパス12と関連して、傾斜計13などを具備することも可能であり、この傾斜計は、例えば、水平方向に対する装置2などの傾斜と、画像センサ3の目に見える画像領域の中心線のずれ、あるいは、水平面に対する傾斜の角度を示すものである。したがって、コンパスヘディングに加えて、高さ方向で装置2の方位の決定が可能となり、その場合、コンパスヘディング、及び、画像センサ3の目に見える画像領域の中心線(視方向)の傾斜の角度を決定することが可能であり、オブジェクト14のこのデータを用いて、装置2のディスプレイ5に表示される画像情報から画像領域3.4に形成される画像14’の位置を決定することが可能である。ここでは、画像センサ3は装置2に対して静止するように固定されたものとして仮定されているが、装置2から分離した画像センサ装置も同様に利用可能であることは言うまでもない。このような場合、上記データを用いて、画像センサ3内の画像情報の中にオブジェクトの画像を発見できるように画像センサ3に関連して傾斜の角度及び視方向が測定される。
図3は、画像領域3.4においてオブジェクト14から形成される画像14’の位置の決定を例示する図である。図3で、角度αは、視方向からの、すなわち、画像センサ3から見た画像領域3.4の中心線3.3からの、画像14から形成される画像14’の方向偏差を表わす。したがって、角度βは、画像領域3.4の中心線3.3からの、オブジェクト14から形成される画像14’の垂直方向のずれを表わすことになる。
オブジェクト14の画像14’の位置を決定した後、オブジェクト14すなわち第2の装置に関連する情報を装置2のディスプレイ5に表示する507ことが可能となる。この情報、又は、この情報の一部は、オブジェクト14の画像14’が発見された位置に近接して装置2のディスプレイ5に表示される。例えばこの情報は、図4aに図示のようにオブジェクトの画像14上に表示される。上記情報は、例えばオブジェクト14の名称、第2の装置のユーザ名、オブジェクトの座標データなどであってもよい。この情報は、例えばオブジェクト14、通信ネットワーク16と接続されたサーバ17、移動体交換センタ15.1、又はその類似物から受信されたものである。
対応するローカルな通信手段を備えた複数の他のオブジェクト14が装置2の近傍に存在する場合、装置2を用いて、2以上のこのようなオブジェクトが送信した信号を、及び、これらの信号で送信された情報を受信することが可能であり、その場合、上に提示した測定値を個々のこのようなオブジェクト14用として選択することが可能である。したがって、オブジェクト名や、オブジェクト内の装置のユーザ名のような、装置2の近傍にある複数のオブジェクト14に関する情報も装置2のディスプレイ5に同時に表示することが可能となる。このような機能は、例えば、装置2を利用しているある人が、待ち合わせ場所で会う約束をしている一人又は複数の人を人ごみ中で見つけようとする状況などで利用することができる。したがって、装置2のユーザは装置2の画像センサ3を用いることによって環境を観察し、様々な方向に画像センサ3を向けることが可能となり、その場合、装置2へ情報を送信したオブジェクト14の画像がディスプレイ5に現れると、上記装置が送信した情報が装置2のディスプレイ5に表示されることになる。したがって、この情報を検討することによって、ユーザは人ごみから所望の人を見つけることが可能となる。
本発明の如上の実施形態は、装置2の位置データ、及び、視方向に関する情報を装置2からサーバ17などへ送信するように適用することが可能である。サーバ17は、オブジェクト14が送信した位置データを含む情報を受信したり、又はオブジェクト14の位置を決定したりする。この情報に基づいて、サーバ17は、オブジェクトが装置2の画像センサ3の画像領域3.4内に存在するかどうかの判定を行い、これらのオブジェクトの情報を装置2へ送信することができる。上記に基づいて、上記情報又はこの情報の一部を装置2のディスプレイ5に表示することができる。使用するサーバは、移動体交換センタ15.1、又は装置2及びオブジェクト14と通信できるように構成可能な別のサーバ装置であってもよい。
本発明のさらに別の応用例では、オブジェクト14の位置データ及び他の情報を必ずしも受信する必要はなく、この位置データはサーバ17に格納される。これは特に、オブジェクト14が移動していないで、ある位置に静止するように配置されている状況に適している。
図4aと図4bとは、本発明に準拠する情報を提示する1つの可能な実施形態を示す図である。人が装置2の画像センサ3を用いて環境を画像化していて、装置2のローカルな通信手段9に対応するローカルな通信手段を備えたオブジェクトが画像の中に現れたとき、装置2は該装置が送信した信号を受信する。この信号の中には、例えば、オブジェクト14.1の名称に関する送信済みの情報、並びに、オブジェクト14.1の中の飲料及びそれら飲料の価格のようなオブジェクト14.1の中に含まれる製品選択に関する送信済みの情報も含まれている。オブジェクトの画像14.1が比較的小さなものである場合、名称や、オブジェクト(例えば自動飲料販売機、飲料など)の機能について説明するテキストなどのその状況で適切な情報項目を選択することが可能である。ユーザは移動して、そのオブジェクトの方へもっと近づくことができるし、又は、装置2がズーミング機能を有していれば、さらに大きなサイズへオブジェクトの画像14.1をズームすることができる。オブジェクトの画像がさらに大きくなると、装置のディスプレイ5に情報の一部を表示することができるが、この情報表示は、必要に応じてオブジェクトの画像上に表示されたり、オブジェクトのすぐ近傍に表示されたりすることになる。図4aでは、ユーザがオブジェクト14.1(本例では自動飲料販売機)から比較的遠いところにいて、テキスト“飲料”のみが表示されているということがわかる。図4bでは、オブジェクトの画像はさらに拡大されて、オブジェクト14.1の内容に関する情報、すなわち本発明を限定するものではないこの事例では、オブジェクト14.1の中に含まれる飲料に関する情報及びそれら飲料の価格の表示も可能になっている。この情報に基づいて、装置2のユーザは、自動飲料販売機が、ユーザの購買したい飲料を含むものであるかどうかを判断することが可能となる。いくつかのこのようなオブジェクトが近傍に存在していてもよい。その場合個々のオブジェクトは装置2と通信を行い、オブジェクトに関する情報をユーザの装置2へ送信することができる。
目に見えるものに従って情報量を変える別の例として、装置2を利用して国会議事堂のようなオブジェクトをディスプレイ5上で見る、及び/又は、テキスト“国会議事堂”のような情報がディスプレイ5に及び/又はファインダ3.5の中に表示される状況がある。ユーザがそのオブジェクトの方へもっと近づいたり、オブジェクトをさらに大きなサイズにズームしたりして、国会議事堂の建築上の特徴のようなオブジェクト内の特徴を見たとき、ディスプレイ5及び/又はファインダ3.5は、例えば以下のタイプの情報:“国会議事堂:<建築上の特徴の記述>”が表示されることになる。
図4aには数人の人も示されているが、そのうちの2人の人14.2、14.3は装置2と通信できる装置を携帯している。したがって、装置のディスプレイ2はこれらの人14.2、14.3の名前(メアリ、ヘンリ)も示すことになり、これらの名前はそれぞれの人が携帯している装置に格納されることになる。これに対応して、図4bはただ一人の人14.2を示し、この人に関する情報が装置2で受信される。
本発明はまた、自動飲料販売機以外の別のサービス拠点について通知を行うのにも適用可能である。例えばレストランの座標データに併せて、例えば1日のメニュー、開店時間、空席に関する情報などを情報として装置2へ送信することによってレストランの宣伝を行うことができる。本発明を適用する別の可能なサービス拠点にはサービスステーション、店舗、劇場などが含まれる。
図4cと図4dとは本発明のさらに別の応用例を示す図である。図4cで、装置2のユーザは比較的広い視野で環境を画像化している。この場合オブジェクト14は必ずしもディスプレイ5に非常にはっきりと目に見える必要はなく、あるオブジェクトは別のオブジェクトの後ろに存在するかも知れない。例えば図4cの状況では、メアリという名前の人はビル14.4の後ろにいるが、この人に関する情報は装置2で受信されている。したがって、オブジェクト14に関する情報を収集することが可能となり、たとえオブジェクトが画像の形で目に見えなくても、画像センサ3によって形成され、ディスプレイ5に表示された画像の中で人14の位置の決定が可能となる。したがって、情報の表示位置に基づいて、ユーザは例えばオブジェクト14.2、例えばメアリという名前の人の方へ向かう画像への正しい移動方向を結論付けることが可能となる。ユーザが情報19によって指示された方向に移動し、その方向に接近するとき、オブジェクト14.2の周辺の光景はより鮮明になり、必要に応じて移動方向を修正して、さらに鮮明になるようにすることが可能である。これが図4dに例示されていて、ビル14.4の後ろにいる探索対象の人の姿が見えるようになっている。
図4cはまた他の人々も示しているが、これらの人々は情報を装置2へ送信する装置を携帯していない。これは、例えば上記の人々が携帯している装置がおそらく本発明を利用していないという事実に起因していることも考えられるし、又は人々が情報の送信を禁止しているという事実に起因していることも考えられるし、又は装置の識別子(名称)が所定の許された識別子に属している装置2のみへ情報の送信が定義によって許されているということに起因していることも考えられる。
如上のファインダ機能に加えて、画像の記録と関連して本発明を利用することができる。この場合、必要に応じてファインダ機能を利用して、ディスプレイ上に及び/又はファインダの中に画像の記録と関連する情報を表示することができる。そして、画像と関連して格納すべき画像仕様としてこの情報の格納を行うことができる。画像を撮影するために、例えばシャッタ・ボタン3.8が最も低い位置まで押下される。上記情報は必ずしも画像に関して永久に格納する必要はなく、この情報を伴うか、情報を伴わないかにかかわらず画像表示を行うことが可能である。ユーザは、画像の記録場所及び記録時刻に関する情報のような画像に関連する可視情報、並びに、人名、サービスポイント名などのような画像内の可視オブジェクトと共に格納された画像からなるアルバムを作成することができる。このようにして、例えば、画像に添付された情報を利用することによって格納済み画像のサーチはさらに簡単なものになる。
すでに上述したように、本発明では、装置2とオブジェクト14との間での通信時の短距離データ送信以外の別の方法を適用することも可能である。例えば、移動体通信ネットワーク15及び/又はインターネットデータネットワーク16の利用が可能であり、その場合、移動体通信ネットワーク15、インターネットデータネットワーク17及び/又は別の遠隔通信ネットワークを介して装置2とオブジェクト14との間で情報の送信が行われる。したがって、装置2において及び/又はオブジェクト14において短距離データ送信を目的とする第2の通信手段9は必ずしも必要とはかぎらない。
本発明では、例えば、装置2のディスプレイ5に光景を表示することによってファインダ機能の実現が可能となり、その場合、ディスプレイ5にも情報が表示される。別の可能性として、ファインダ機能における従来方式の光学式ファインダ3.5の利用があり、その場合、この光学式ファインダ3.5には手段3.7が設けられて、あたかもファインダで見えるオブジェクト上に情報が存在するかのように装置2のユーザの目に見えるようにファインダ内の所望のポイント内に情報が反映される。これは、例えば、ファインダ3.5内のレンズ3.6の表面上へ情報を投影することによって実現可能である。図6にこの実施形態が原理的に例示されている。このコンテキストでは、いくつかの車輌で計器盤の光景をフロントガラスに表示するのに利用するのと同じ技術の適用がある程度まで可能である。ファインダのレンズ3.6の代わりに装置2のユーザの人間の目18へ情報を投影して、あたかもオブジェクト14上に情報があるかのように人間の目に見えるようにすることも可能である。
近傍のオブジェクト14を発見するために、オブジェクト14内の別の装置が送信した信号を装置2の第2の通信手段9の受信装置9.2が受信することは前に本説明で提示した。したがって、例えば規則的な間隔などで、装置2で受信できる信号を送信するようにオブジェクト14内の装置が構成され、オブジェクト14が近傍に存在するという結論をこの信号の存在から下すことが可能となる。上記送信信号が情報を含む場合もあれば、例えば装置2やサーバ17からの要求時にまず信号に情報を与える場合もある。装置2が、例えば第2の通信手段の送信機9.1によって問合せ信号などを送信することにより、これらのオブジェクトの探索を実装することも可能であり、その場合近くのオブジェクト14の装置は、このような信号の存在を監視し、上記装置がこの信号を検出したとき、装置2へ情報を送信するのに必要なステップがとられることになる。
本発明による方法の様々な機能は、主として、装置2の制御ブロック8においてプログラミングを行うことによって実現することができる。したがって、装置2のメモリ10には、格納された機械で実行可能なプログラム命令が含まれ、オブジェクト14の画像14’の位置等の決定に必要な計算ステップのような、上記プログラム命令の必要なステップが制御ブロック8によって制御されるようになっている。
本発明は、種々の装置2及びシステム1において利用可能である。このような装置2について述べるべき、発明を限定するものではないいくつかの例の中には、移動体通信手段、デジタルカメラ及びビデオカメラのような携帯用通信手段が含まれる。
本発明が如上の実施形態のみに限定されるものではなく、本願の請求項の範囲内で変更可能であることは明らかである。