JP2007513990A - モノシクロペンタジエニル錯体 - Google Patents

モノシクロペンタジエニル錯体 Download PDF

Info

Publication number
JP2007513990A
JP2007513990A JP2006544310A JP2006544310A JP2007513990A JP 2007513990 A JP2007513990 A JP 2007513990A JP 2006544310 A JP2006544310 A JP 2006544310A JP 2006544310 A JP2006544310 A JP 2006544310A JP 2007513990 A JP2007513990 A JP 2007513990A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
aryl
alkyl
carbon atoms
groups
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006544310A
Other languages
English (en)
Inventor
ミハン,シャーラム
エンデルス,マルクス
フェルナンデス,パブロ
Original Assignee
バーゼル、ポリオレフィン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from DE2003159341 external-priority patent/DE10359341A1/de
Application filed by バーゼル、ポリオレフィン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング filed Critical バーゼル、ポリオレフィン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング
Publication of JP2007513990A publication Critical patent/JP2007513990A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F17/00Metallocenes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】オレフィンの重合に好適に用いられ、非常に高い活性を呈する、架橋されたドナーを有するシクロペンタジエニル配位子に基づく遷移金属錯体を提供する。
【解決手段】シクロペンタジエニル基が少なくとも1個の架橋されたドナーと少なくとも1個のアリール基とを有するモノシクロペンタジエニル錯体、少なくとも1個のモノシクロペンタジエニル錯体を含む触媒組成物、およびこれらの製造方法、さらにオレフィンの重合または共重合に前記触媒組成物を使用する方法、前記触媒組成物の存在下、オレフィンの重合または共重合によるポリオレフィンの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、シクロペンタジエニル基が少なくとも1個の架橋されたドナーと少なくとも1個のアリール基とを有するモノシクロペンタジエニル錯体、少なくとも1個のモノシクロペンタジエニル錯体を含む触媒組成物、およびこれらの製造方法に関する。
本発明は、さらに、オレフィンの重合または共重合に前記触媒組成物を使用する方法、前記触媒組成物の存在下、オレフィンの重合または共重合によるポリオレフィンの製造方法、およびこの方法により得られるポリマーを提供する。
α−オレフィンの重合に使用される多くの触媒は、固定された酸化クロムに基づく(非特許文献1など参照)。これらは、一般的に、高い分子量を有するエチレンホモポリマーおよびコポリマーを生じるが、水素に対して比較的、無反応であり、簡易な方法で分子量を制御することができない。一方、ポリエチレンの分子量は、無機、酸化物担体に担持されたビス(シクロペンタジエニル)クロム(特許文献1)、ビス(インデニル)クロム、または、ビス(フルオレニル)クロム(特許文献2)を使用した場合に、水素の添加により簡易な方法によって制御することができる。
また、チーグラー−ナッタ触媒のように、クロム化合物の場合に、特異的な特徴を有する活性中心を有し、シングルサイト触媒として知られている触媒組成物の研究が、現在、なされている。目的は、触媒の活性、重合挙動、この方法において得られるポリマーの特性を、標的とする配位子骨格の変化によって簡易な方法で変えさせることである。
特許文献3は、エタンおよびプロペンの双方の重合に用いられる、ドナー配位子によって置換されたモノシクロペンタジエニルクロム化合物を開示している。前記ドナーは、15族のものであり、荷電されていない。前記ドナーは、(ZR2n(式中、Rは水素原子、アルキル、またはアリールであり、Zは、14族の原子であり、nは≧1である)フラグメントを介してシクロペンタジエニル環に結合している。特許文献4は、特に、アミンドナーとの組み合わせにおいてZ=炭素であると記載している。
特許文献5では、多座モノアニオン性配位子と、周期表の4〜6族の元素との還元された遷移金属錯体が記載されている。また、これらは、ドナー作用を有するシクロペンタジエニル配位子を含む。例えば、チタン化合物に限定される。
特許文献6では、特に、シクロペンタジエニル基に直接またはCiもしくはSiを介して結合したキノリルまたはピリジルドナーを有する、クロム、モリブデン、およびタングステンのモノシクロペンタジエニル錯体が記載されている。
特許文献7では、特にルイス塩基を有するジヒドロカルボニル−Y基(ここで、Yは、元素周期表の14族の元素である)がシクロペンタジエニル基に結合した元素周期表の4〜6族の元素のシクロペンタジエニル錯体が開示されている。
US3,709,853 US4,015,059 DE19710615 DE19630580 WO96/13529 WO01/12641 WO01/92346 Kirk−Othmer,"Enシクロpeジa of Chemical Technology",1981,第16巻,第402頁、
上述した触媒組成物は、その活性については未だ最適化されていない。したがって、形成されたポリマーおよびコポリマーは、たいてい非常に高い分子量を有する。
本発明の目的は、オレフィンの重合に好適に用いられ、非常に高い活性を呈する、架橋されたドナーを有するシクロペンタジエニル配位子に基づく遷移金属錯体をさらに見出すことである。本発明のさらなる目的は、このような錯体に有利な製造方法を見出すことである。
我々は、式:Cp−YmA(I)(式中、
Cp がアリール置換基を有するシクロペンタジエニル基を表し、
Y がCpに結合し、少なくとも1個の周期表15〜16族の原子を含む少なくとも
1個の非荷電ドナーを有する置換基を表し、
A がチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロ
ム、モリブデン、タングステン、周期表の3族の元素、またはランタニドを表し
m は1、2、または3である)
の構造的特徴を有するモノシクロペンタジエニル錯体によって上記目的が達成されることを見出した。
さらに、本発明者等は、本発明のモノシクロペンタジエニル錯体を含む触媒組成物、オレフィンの重合または共重合への前記モノシクロペンタジエニル錯体または前記触媒組成物の使用、前記モノシクロペンタジエニル錯体または前記触媒組成物の存在下、オレフォンを重合または共重合することによるポリオレフィンの製造方法、および、この方法において得られる重合体を見出した。
本発明のモノシクロペンタジエニル錯体は、式:Cp−YmA(I)(式中、可変部については上述した)の構造成分を含む。さらなる配位子が、結果として金属原子MAに結合することができる。さらなる配位子の数は、金属原子の酸化状態などによって決まる。配位子は、さらなるシクロペンタジエニル基ではない。好ましい配位子としては、Xを例として記載すると、モノアニオン性配位子、ジアニオン性配位子が挙げられる。さらに、アミン、エーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、硫化物、またはホスフィンなどのルイス塩基が、前記金属核Mに結合していてもよい。モノシクロペンタジエニル錯体は、単量体、二量体、またはオリゴマーの形態であってもよい。モノシクロペンタジエニル錯体は、単量体の形態であるのが好ましい。
Aは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、およびタングステンよりなる群から選択される金属である。触媒活性錯体における遷移金属MAの酸化状態は、通常は、当業者に知られている。クロム、モリブデン、およびタングステンは酸化状態+3でほとんど存在し、ジルコニウム、ハフニウム、およびバナジウムは酸化状態4、またチタンおよびバナジウムは、酸化状態3でも存在し得る。しかしながら、酸化状態が活性触媒に対応しない錯体もまた使用することができる。このような錯体は、適した活性剤を用いて適切に還元または酸化することができる。MAは、チタン、バナジウム、クロム、モリブデン、またはタングステンであるのが好ましい。酸化状態2、3、および4、特に3であるクロムが特に好ましい。
mは、1、2、または3であってもよく、すなわち、1、2、または3個のドナー基YがCpに結合していてもよい。2または3個のY基が存在する場合、これらは、同一であってもよく、異なっていてもよい。1個のドナー基YのみがCpに結合している(m=1)のが好ましい。
非電荷ドナーYは、周期表15族もしくは16族の元素、または、アミン、イミン、カルボキサミド、カルボン酸エステル、ケトン(オキソ)、エーテル、チオケトン、ホスフェン、ホスフェート、ホスフィンオキシド、スルホニル、スルホンアミドなどの一種のカルベン、N−置換イミダゾール−2−イリデン、無置換、置換、または縮合された部分不飽和複素環式または芳香族複素環式基などの複数種のカルベンからなる非電荷の官能基である。ドナーYは、遷移金属MAと分子間または分子内で結合していてもよく、または、それらと結合していなくともよい。ドナーYは、前記金属核MAと分子内で結合しているのが好ましい。式:Cp−Y−MAの構造成分からなるモノシクロペンタジエニル錯体が特に好ましい。
Cpは、いかなる置換基を有していてもよく、および/または、1、2、または3個の置換基、好ましくは1個の置換基を有する一以上の芳香族環、脂肪族環、複素環式環、または芳香族複素環と縮合していてもよいシクロペンタジエニル基であり、Y基および/または1、2、または3個の置換基、好ましくは1個の置換基によって形成され、Y基および/または芳香族、脂肪族、1、2、または3個の置換基Y、好ましくは1個の置換基Yを有する複素環式、芳香族複素環式縮合環によって置換されている。さらに、シクロペンタジエニル基は、Cpと縮合していない、特に好ましくは1個以上の芳香族置換基、および/または、1、2、または3個の芳香族置換基、好ましくは1個の芳香族置換基を有している芳香族縮合環、脂肪族縮合環、複素環式縮合環、または芳香族複素縮合環を有している。前記芳香族置換基は、シクロペンタジエニル骨格と結合しているのが好ましい。前記シクロペンタジエニル骨格自体は、6π電子を有するC5環基であり、また、炭素原子のうちの1個は、窒素またはリン、好ましくはリンによって置換されていてもよい。ヘテロ原子により置換された炭素原子を有していないC5環基を使用するのが好ましい。例えば、N、P、O、およびSよりなる群からの少なくとも1個の原子を有する芳香族複素環または芳香族環が、当該シクロペンタジエニル骨格と縮合することができる。これに関連して、“縮合する”とは、複素環およびシクロペンタジエニル骨格が、2個の原子、好ましくは炭素原子を共有していることを意味する。シクロペンタジエニル基は、MAと結合する。
芳香族置換基は、C6〜C22のアリール基、または、アルキル部に1〜10の炭素原子を有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール基であるのが好ましく、また、芳香族置換基は、N−、P−、O−、またはS−含有置換基、C1〜C22のアルキル基、C2〜C22のアルケニル基、ハロゲン、または、1〜10個の炭素原子を有するハロアリール基によって置換されていてもよい。
特に好ましいモノシクロペンタジエニル錯体は、Yが、−Zk−A−基からなり、シクロペンタジエニル基CpおよびMAとともにCp−Zk−A−MA(II)(式中、
Cp−Zk−Aは、
Figure 2007513990
(式中、
1A〜E5Aがそれぞれ炭素を表し、あるいはE1A〜E5Aの1個以上がリンを表し、
1A〜R4Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C22のアルキル基、C2〜C22のア
ルケニル基、C6〜C22のアリール基、アルキル部中に1〜10基の炭素原
子を有し、かつアリール基中に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリ
ール基、NR5A 2、N(SiR5A 32、OR5A、OSiR5A 3、SiR5A 3
、BR5A 2を表し、且つ有機基R1A〜R4Aはハロゲンによって置換されてい
ても、R1A〜R4Aの隣接する2個の基は結合して5、6、または7員環を形
成していてもよく、および/または、R1A〜R4Aの隣接する2個の基は結合
して、N、P、OまたはSよりなる群からの少なくとも1個の原子を含む5
、6、または7員複素環を形成していてもよく、そして、少なくとも1個の
1A〜R4Aは、C6〜C22のアリールを表し、このアリールは、置換基を有
するN、P、OもしくはS、C1〜C22のアルキル、C2〜C22のアルケニル
、ハロゲン、または、1〜10個の炭素原子を有するハロアルキルもしくは
ハロアリールによって置換されていてもよく、
5A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のアル
ケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部中に1〜10個の炭素原子を有し
、かつアリール部中に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール基を表
し、そして2個のジェミナル基R5Aは結合して5または6員環を形成してい
てもよく、
Z が
Figure 2007513990
よりなる群から選択されるAおよびCpの間の2価の架橋基を表し、
ここで、
1A〜L3A がそれぞれ互いに独立して、ケイ素またはゲルマニウムを表し、
6A〜R11Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部中に1〜10個の炭素原子を
有し、かつアリール部中に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
、またはSiR12A 3を表し、且つ有機基R6A〜R11Aは、ハロゲンによっ
て置換されていてもよく、2個のジェミナルまたは隣接する基R6A〜R11A
は、結合して5または6員環を形成していてもよく、
12A がそれぞれ互いに独立して、ハロゲン、C1〜C20のアルキル、
2〜C20のアルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部中に1〜10
個の炭素原子を有し、かつアリール部中に6〜20個の炭素原子を有するア
ルキルアリール、C1〜C10のアルコキシル、またはC6〜C10のアリール
オキシを表し、2個のR12A基は、結合して5または6員環を形成していて
もよく、
A が元素周期表の15族および/または16族の1個以上の原子を含有する非
電荷のドナー基、または、カルベン、好ましくは、無置換、置換、または縮
合された芳香族複素環を表し、
A が酸化状態3のチタン、バナジウム、クロム、モリブデン、およびタング
ステンよりなる群から選択される金属を表し、
K が0または1である)である)
より表される構成要素を含むモノシクロペンタジエニル錯体が好ましい。
シクロペンタジエニル基Cpにおいて、全てのE1A〜E5Aが炭素であるのが好ましい。
金属錯体の重合挙動は、置換基R1A〜R4Aを変えることによって影響を受け得る。置換基の種類および数は、金属原子MAに重合して結合手を得るオレフィンの性能を左右することができる。この方法において、さまざまなモノマー、特に嵩高いモノマーについて触媒の活性および選択性を変えることができる。また、置換基は、ポリマー鎖の成長の停止反応速度にも影響を及ぼし得るので、形成されるポリマーの分子量もまたこの方法において変えることができる。所望する結果を得るために、置換基R1A〜R4Aのうちの1個は、常に、C6〜C20のアリール、または、アルキル基中に1〜10個の炭素原子を有し、かつアリール基中に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール基である。末端の置換基は、広範にわたって変えることができる。好ましい炭素有機置換基R1A〜R4Aは、次のものである:メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル、n−デシル基、n−ドデシル基などの直鎖状または分岐状のC1〜C22のアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロドデシル基などのC1〜C10のアルキル基および/またはC6〜C10のアリール基を置換基として順に有していてもよい5〜7員環シクロアルキル基、ビニル基、1−アリル基、2−アリル基、3−アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基、シクロオクタジエニル基などの、直鎖状、環状、または分岐状であってもよく、二重結合が内部または末端にあってもよいC2〜C22のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、2,3−メチルフェニル基、2,4−メチルフェニル基、2,5−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、または3,4,5−トリメチルフェニル基などのさらにアルキル基によって置換されていてもよいC6〜C22のアリール基、ベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、1−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基などのさらにアルキル基によって置換されていてもよいアリールアルキル基、ここで、R1A〜R4Aのうち2個は結合して5、6、または7員環を形成していてもよく、および/または、R1A〜R4Aのうち2個の隣接する基は結合してN、P、OまたはSよりなる群からの少なくとも1個の原子を含む5、6、または7員複素環を形成していてもよく、および/または、有機基R1A〜R4Aは、フッ素、塩素、臭素などのハロゲンによって置換されていてもよい。さらに、R1A〜R4Aは、ジエチルアミノ基、N−ピロリジニル基、ピコリニル基、メトキシ基、エトキシ基、または、イソプロポキシ基などの、NR5A 2またはN(SiR5A 32のアミノ基、OR5Aのアルコキシ基またはアリールオキシ基であってもよい。有機ケイ素置換基SiR5A 3において、R5A基は、R1A〜R4Aとして上記で詳細に説明した炭素有機基と同じであってもよく、2個のR5Aは、結合して、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ブチルジメチルシリル基、トリブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリアリルシリル基、トリフェニルシリル基、またはジメチルフェニルシリル基などの5または6員環を形成していてもよい。また、これらのSiR5A 3基は、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、ブチルジメチルシリルオキシ基、トリブチルシリルオキシ基、または、トリ−tert−ブチルシリルオキシ基など、酸素または窒素を介してシクロペンタジエニル骨格と結合していてもよい。R1A〜R4Aの好ましい基としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ビニル基、アリル基、ベンジル基、フェニル基、オルト−ジアルキル置換フェニル基、オルト−ジクロロ置換フェニル基、トリアルキル置換フェニル基、トリクロロ置換フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、および、アントラニル基が挙げられる。特に好ましい有機ケイ素置換基は、アルキル基中に1〜10個の炭素原子を有するトリアルキルシリル基であり、特にトリメチルシリル基である。
1A〜R4Aの2個の隣接する基は、それらを有するE1A〜E5Aとともに、複素環、好ましくは窒素、酸素、および硫黄、特に好ましくは窒素および/または硫黄よりなる群からの少なくとも1個の原子を含む芳香族複素環を形成し、前記複素環または前記芳香族複素環中に存在するE1A〜E5A原子が炭素であるのが好ましい。5〜6個の環原子の環サイズを有する複素環および芳香族複素環が好ましい。1〜4個の窒素原子および/または硫黄原子もしくは酸素原子、さらに、環要素として炭素原子を有する5員環の複素環としては、1,2−ジヒドロフラン、フラン、チオフェン、ピロール、イソオキサゾール、3−イソチアゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−トリアゾール、および1,2,4−トリアゾールなどが挙げられる。1〜4個の窒素原子および/またはリン原子を含んでいてもよい6員環の複素環としては、ピリジン、ホスホベンゼン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、および1,2,3−トリアジンなどが挙げられる。また、5員環および6員環の複素環は、C1〜C10のアルキル基,C6〜C10のアリール基,アルキル部に1〜10個の炭素原子を有し、かつ、アリール部に6〜10個の炭素原子を有するアルキルアリール基,トリアルキルシリル基、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン、ジアルキルアミド基、アルキルアリールアミド基、ジアリールアミド基、アルコキシル基、または、アリールオキシ基によって置換されていてもよく、または、一以上の芳香族化合物または芳香族複素環と縮合していていもよい。ベンゾ縮合5員環へテロアリール基としては、インドール基、インダゾール基、ベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、および、ベンズイミダゾール基などが挙げられる。ベンゾ縮合6員環へテロアリール基としては、クロマン基、ベンゾピラン基、キノリン基、イソキノリン基、シンノリン基、フタラジン基、キナゾリン基、キノサリン基、1,10−フェナントロリン基、キノリジン基などが挙げられる。複素環の命名およびナンバリングは、Lettau,Chemie der Heterocyclen,第15版,VEB,Weinheim 1979を用いた。複素環/芳香族複素環は、前記複素環/前記芳香族複素環のC−C二重結合を介してシクロペンタジエニル骨格と縮合しているのが好ましい。1個のヘテロ原子を有する複素環/芳香族複素環は、2,3−縮合またはb−縮合であるのが好ましい。
縮合された複素環を有するシクロペンタジエニル基としては、チアペンタレン、メチルチアペンタレン、エチルチアペンタレン、イソプロピルチアペンタレン、n−ブチルチアペンタレン、tert−ブチルチアペンタレン、トリメチルシリルチアペンタレン、フェニルチアペンタレン、ナフチルチアペンタレン、メチルチオペンタレン、アザペンタレン、メチルアザペンタレン、エチルアザペンタレン、イソプロピルアザペンタレン、n−ブチルアザペンタレン、トリメチルシリルアザペンタレン、フェニルアザペンタレン、ナフチルアザペンタレン、オキサペンタレン、または、ホスファペンタレンなどが挙げられる。
その上で縮合された複素環を有するシクロペンタジエニル基の合成は、例えば、上述したWO98/22486などに記載されている。さらに、“合成および重合用の有機金属触媒”Springer Veriag 1999,Ewen et ai.,p.150ffにおいて、これらのシクロペンタジエニル基の合成を記載している。
特に好ましい置換基R1A〜R4Aは、上述した炭素有機置換基および環式縮合環基を形成する、すなわち、特にこれらの好ましい形態において、E1A〜E5A骨格とともに、好ましくはC5シクロペンタジエニル骨格とともに、無置換または置換インデニル基、ベンズインデニル基、フェナントレニル基、またはテトラヒドロインデニル基を形成する炭素有機置換基である。
このようなシクロペンタジエニル基(好ましくは1位に位置する−Z−A−基がなく、且つアリール置換基がない)の例は、3−メチルシクロペンタジエニル基、3−エチルシクロペンタジエニル基、3−イソプロピルシクロペンタジエニル基、3−tert−ブチルシクロペンタジエニル基などのモノアルキルシクロペンタジエニル基、テトラヒドロインデニル基、2,4−ジメチルシクロペンタジエニル基、または、3−メチル−5−tert−ブチルシクロペンタジエニル基などのジアルキルシクロペンタジエニル基、2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル基などのトリアルキルシクロペンタジエニル基、およびインデニル基またはベンゾインデニル基などが挙げられる。縮合環基は、さらに、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C6〜C20のアリール基、アルキル部に1〜10個の炭素原子を有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール基、NR5A 2基、N(SiR5A 32基、OR5A基、OSiR5A 3基、または、SiR5A 3基、4−メチルインデニル基、4−エチルインデニル基、4−イソプロピルインデニル基、5−メチルインデニル基、4−フェニルインデニル基、5−メチル−4−フェニルインデニル基、または4−ナフチルインデニル基などの置換基を有していてもよい。
置換基R1A〜R4Aのうちの1個、好ましくはR2Aは、C6〜C22のアリール基、または、アルキル部に1〜10個の炭素原子を有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール基、好ましくは、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基、または、フェナントレニル基などのC6〜C22のアリール基であり、前記アリール基は、N−、P−、O−、またはS−含有置換基、C1〜C22のアルキル基、C2〜C22のアルケニル基、ハロゲン、または、o−、m−、p−メチルフェニル基、2,3−、2,4−、2,5−または2,6−ジメチルフェニル基、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−、または3,4,5−トリメチルフェニル基、o−、m−、p−ジメチルアミノフェニル基、o−、m−、p−メトキシフェニル基、o−、m−、p−フルオロフェニル基、o−、m−、p−クロロフェニル基、o−、m−、p−トリフルオロメチルフェニル基、2,3−、2,4−、2,5−または2,6−ジフルオロフェニル基、2,3−、2,4−、2,5−または2,6−ジクロロフェニル基、または、2,3−、2,4−、2,5−または2,6−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基などの1〜10個の炭素原子を有するハロアルキル基またはハロアリール基によって置換されていてもよい。N−、P−、O−、またはS−含有置換基、C1〜C22のアルキル基、C2〜C22のアルケニル基、ハロゲン、アリール基上に置換基として1〜10個の炭素原子を有するハロアルキル基またはハロアリール基は、シクロペンタジエニル環の結合に対するパラ位に位置しているのが好ましい。前記アリール置換基は、−Z−A基に対するビシナル位置において結合されていてもよく、または、シクロペンタジエニル環上の相互に対する1,3−位に結合していてもよい。−Z−Aおよびアリール置換基は、シクロペンタジエニル環上の相互に対する1,3−位に位置しているのが好ましい。
メタロセンの場合、本発明のモノシクロペンタジエニル錯体は、キラルであってもよい。このように、遷移金属Mに結合した場合のみキラリティーが生じるので(for the conventions regarding chirality in cyclopentadienyl compounds,R.Halterman,Chem.Rev.92,(1992),965−994、参照)、シクロペンタジエニル骨格上の置換基R1A〜R4Aのうちの1個は、一以上のキラル中心を有していてもよく、もしくは、シクロペンタジエニル基Cpは、それ自身がエナンチオトピックであってもよい。
シクロペンタジエニル基Cpと非電荷ドナーAとの間の架橋基Zは、有機二価架橋基(k=1)、好ましくは、炭素および/またはケイ素および/または臭素含有架橋基要素である。シクロペンタジエニル基とAとの間の結合の長さを変えるのは、触媒の活性に影響を与えることができる。
架橋基Z上の好ましい炭素有機置換基R6A〜R11Aとしては次のものが挙げられる:水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、または、n−ドデシルなどの直鎖状または分岐状であってもよいC1〜C22のアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル,シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、または、シクロドデシルなどの置換基としてC6〜C10のアリール基を順に有していてもよい5〜7員環のシクロアルキル基、ビニル基、1−アリル基、2−アリル基、3−アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル、シクロオクテニル基、または、シクロオクタジエニルなどの直鎖状、環状、または分岐状であってもよく、内部または末端に二重結合を有していてもよいC2〜C20のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、o−、m−、p−メチルフェニル基、2,3−、2,4−、2,5−、または、2,6−ジメチルフェン−1−イル基、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−、または3,4,5−トリメチルフェン−1−イル基などのアルキル基によってさらに置換されていてもよいC6〜C20アリール基、ベンジル基、o−、m−、p−メチルベンジル基、1−または2−エチルフェニルなどのアルキル基によってさらに置換されていてもよいアリールアルキル基、ここで、2個のR6A〜R11A基は、結合して、シクロへキサンなどの5、6員環を形成していてもよく、また、有機基R6A〜R11Aは、ペンタフルオロフェニル基、ビス−3,5−トリフルオロメチルフェン−1−イル基、ビス−3,5−トリフルオロメチルアルキル基、またはビス−3,5−トリフルオロメチルアリール基など、フッ素、塩素、または臭素などのハロゲンによって置換されていてもよい。
有機ケイ素置換基SiR12A 3において、好ましいR12A基としては、R6A〜R11Aにおいて上述したものと同様のものが挙げられ、ここで、2個のR12A基は、結合して、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ブチルジメチルシリル基、トリブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリアリルシリル基、トリフェニルシリル、または、ジメチルフェニルシリル基などの5または6員環を形成していてもよい。好ましいR12A基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル,イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ベンジル基、フェニル基、オルト−ジアルキル−または−ジクロロ−置換フェニル基、トリアルキル−またはトリクロロ−置換フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、およびアントラニル基である。
特に好ましい置換基R6A〜R11Aとしては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、または、n−ドデシル基などの直鎖状または分岐状であってもよいC1〜C20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、o−、m−、p−メチルフェニル基、2,3−、2,4−、2,5−、または2,6−ジメチルフェン−1−イル基、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−、または3,4,5−トリメチルフェン−1−イル基などのアルキル基によってさらに置換されていてもよいC6〜C20のアリール基、または、ベンジル基、o−、m−、p−メチルベンジル基、1−または2−エチルフェニル基などのアルキル基によってさらに置換されていてもよいアリールアルキル基であり、ここで、2個の置換基R6A〜R11Aは、結合して、シクロヘキサンなどの5または6員環を形成していてもよく、有機基R6A〜R11Aは、ペンタフルオロフェニル基、ビス−3,5−トリフルオロメチルフェン−1−イル基、ビス−3,5−トリフルオロメチルアルキル基、またはビス−3,5−トリフルオロメチルアリール基など、フッ素、塩素、または臭素、特にフッ素などのハロゲンによって置換されていてもよい。
Zは、好ましくは、−CR6A7A−基、−SiR6A7A−基、特に−Si(CH32−、−CR6A7ACR8A9A−、−SiR6A7ACR8A9A−、または、置換または無置換の1,2−フェニレン基、特に−CR6A7A−である。ここで、上述した置換基R6A〜R11Aの好ましい形態が、同様に好ましい形態である。−CR6A7A−は、好ましくは、−CHR6A−基、−CH2−基、または、−C(CH32−基である。−L1A6A7ACR8A9A−における−SiR6A7A−は、シクロペンタジエニル基またはAと結合していてもよい。この−SiR6A7A−基またはその好ましい形態は、Cpに結合しているのが好ましい。
kは、0または1であり、特に1に等しく、または、Aが無置換、置換、または、縮合された複素環基である場合には0であってもよい。
Aは、周期表の15〜16族の原子またはカルベン、好ましくは、酸素、硫黄、窒素、およびリンよりなる群から選択される1個以上の原子、好ましくは窒素またはリンである。Aにおけるドナー機能は、金属MAと分子間または分子内で結合できる。ドナーは、Mと分子内で結合しているのが好ましい。有用なドナーとしては、アミン、イミン、カルボキサミド、カルボン酸エステル、ケトン(オキソ)、エーテル、チオケトン、ホスフィン、ホスフェート、ホスフィンオキシド、スルホニル、スルホンアミド、N−置換イミダゾール−2−イリデン、または、無置換、置換、または縮合された複素環基などのカルベンなど、周期表の15〜16族の元素を含む非電荷官能基である。Aからシクロペンタジエニル基およびZへの結合の形成は、WO00/35928に類似した方法などによって実施できる。Aは、好ましくは、−OR13A−、−SR13A−、−NR13A14A−、PR13A14A−、−C=NR13A−、および、置換、無置換、または縮合された複素環基、特に、−NR13Al4A−,−C=NR13A−、および、置換、無置換、または縮合された芳香族複素環基よりなる群から選択される基である。
13AおよびR14Aは、それぞれ相互に独立して、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル,n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、または、n−ドデシル基などの直鎖状または分岐状であってもよいC1〜C20のアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、または、シクロドデシル基などの置換基としてC6〜C10のアリール基を順に有していてもよい5〜7員環シクロアルキル基、ビニル基、1−アリル基、2−アリル基、3−アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基、または、シクロオクタジエニル基などの直鎖状、環状、分岐状であってもよく、内部または末端が二重結合であってもよいC2〜C20のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、o−、m−、p−メチルフェニル基、2,3−、2,4−、2,5−、または2,6−ジメチルフェン−1−イル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−、または、3,4,5−トリメチルフェン−1−イル基などのアルキル基によってさらに置換されていてもよいC6〜C20のアリール基、ベンジル基、o−、m−、p−メチルベンジル基、1−または2−エチルフェニル基などのアルキル部中に1〜10個の炭素原子を有し、かつアリール部中に6〜20個の炭素原子を有し、アルキル基によってさらに置換されていてもよいアルキルアリール基、またはSiR15A 3であり、ここで、有機基R13AおよびR14Aは、フッ素、塩素、または、臭素などのハロゲンまたは窒素含有基、さらに、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C6〜C20のアリール基、アルキル部中に1〜10個の炭素原子を有し、かつアリール部中に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール基またはSiR15A 3によって置換されていてもよく、2個の隣接するR13A〜R14Aは、結合して、5または6員環を形成していてもよく、前記R15A基は、それぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C6〜C20のアリール基、または、アルキル部中に1〜10個の炭素原子を有し、かつアリール部中に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール基であり、または、2個のR15A基は、結合して5または6員環を形成していてもよい。
NR13A14Aは、アミド置換基である。好ましい二級アミドとしては、ジメチルアミド、N−エチルメチルアミド、ジエチルアミド、N−メチルプロピルアミド、N−メチルイソプロピルアミド、N−エチルイソプロピルアミド、ジプロピルアミド、ジイソプロピルアミド、N−メチルブチルアミド、N−エチルブチルアミド、N−メチル−tert−ブチルアミド、N−tert−ブチルイソプロピルアミド、ジブチルアミド、ジ−sec−ブチルアミド、ジイソブチルアミド,tert−アミル−tert−ブチルアミド、ジペンチルアミド,N−メチルヘキシルアミド、ジヘキシルアミド、tert−アミル−tert−オクチルアミド、ジオクチルアミド、ビス(2−エチルヘキシル)アミド、ジデシルアミド、N−メチルオクタデシルアミド、N−メチルシクロヘキシルアミド、N−エチルシクロヘキシルアミド、N−イソプロピルシクロヘキシルアミド、N−tert−ブチルシクロヘキシルアミド、ジシクロヘキシルアミド、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、デカヒドロキノリン、ジフェニルアミン、N−メチルアニリド、または、N−エチルアニリドが挙げられる。
イミノ基−C=NR13Aにおいて、R13Aは、好ましくは、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、o−、m−、p−メチルフェニル基、2,3−、2,4−、2,5−、または2,6−ジメチルフェン−1−イル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−、または3,4,5−トリメチルフェン−1−イルなどの、アルキル基によってさらに置換されていてもよいC6〜C20のアリール基である。Aは、好ましくは、炭素環原子とは別に、酸素、硫黄、窒素、およびリンよりなる群からのヘテロ原子からなってもよい無置換、置換、または縮合した芳香族複素環基である。炭素原子に加えて、1〜4個の窒素原子または1〜3個の窒素原子、および/または1個の硫黄または酸素原子を環要素として含んでいてもよい5員環へテロアリール基の例としては、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピロリル基、3−イソキサゾリル基、5−イソキサゾリル基、3−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、5−ピラゾリル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、または、1,2,4−トリアゾール−3−イルがある。1〜4個の窒素原子および/またはリン原子を含んでいてもよい6員環へテロアリール基の例としては、2−ピリジニル、2−ホスファベンゾルイル3−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、2−ピラジニル、1,3,5−トリアジン−2−イル、および、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、または、1,2,4−トリアジン−6−イルである。また、5員環または6員環のヘテロアリール基は、C1〜C10のアルキル基、C6〜C10のアリール基、アルキル部に1〜10個の炭素原子を有し、かつアリール部に6〜10個の炭素原子を有するアルキルアリール、トリアルキルシリル、または、フッ素、塩素、もしくは臭素などのハロゲンによって置換されていてもよく、また、1個以上の芳香族化合物または芳香族複素環と縮合していてもよい。ベンゾ縮合されている5員環のヘテロアリール基としては、2−インドリル、7−インドリル、2−クマロイル、7−クマロイル、2−チアナフテニル、7−チアナフテニル、3−インダゾリル、7−インダゾリル、2−ベンズイミダゾリル、および7−ベンズイミダゾリルである。ベンゾ縮合されている6員環のヘテロアリール基としては、2−キノリル、8−キノリル、3−シンノリル、8−シンノリル、1−フタラジル、2−キナゾリル、4−キナゾリル、8−キナゾリル、5−キノキサリル、4−アクリジル、1−フェナントリジル、または、1−フェナジルである。複素環の命名およびナンバリングは、L.FieserおよびM.Fieser,Lehrbuch der organischen Chemie,第3改定版,Verlag Chemie,Weinheim 1957を用いた。
これらの芳香族複素環式基Aのなかでも、芳香族複素環部に1、2、3、4、または5個の窒素原子を有する、無置換、置換、および/または縮合された6員環の芳香族複素環、特に、置換または無置換の2−ピリジル、2−キノリル、または8−キノリルであるのが特に好ましい。
したがって、Aは、式(IVa)または(IVb)
Figure 2007513990
(式中、
6A〜E11A がそれぞれ互いに独立して、炭素または窒素を表し、
16A〜R21A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20
アルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子
を有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリー
ル、またはSiR22A 3を表し、且つ有機基R16A〜R21Aは、ハロゲンま
たは窒素、さらに、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のアルケニル、C
6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を有し、かつア
リール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリールまたはSiR
22A 3基によって置換されていてもよく、そして2個の隣接する基R16A
〜R21AまたはR16AおよびZは、結合して、5または6員環を形成して
いてもよく、
22A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20
アルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子
を有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリー
ルを表し、そして2個の隣接するR22A基は、結合して、5または6員環
を形成していてもよく、
p はE6A〜E11Aが窒素の場合には0であり、E6A〜E11Aが炭素の場合に
は1である)
で表される基であるのが好ましい。
特に、E6A〜E11Aのうちの0または1個が窒素であり、残りが炭素である。Aは、特に好ましくは、2−ピリジル、6−メチル−2−ピリジル、4−メチル−2−ピリジル、5−メチル−2−ピリジル、5−エチル−2−ピリジル、4,6−ジメチル−2−ピリジル、3−ピリダジル、4−ピリミジル、6−メチル−4−ピリミジル、2−ピラジニル、6−メチル−2−ピラジニル、5−メチル−2−ピラジニル、3−メチル−2−ピラジニル、3−エチルピラジニル、3,5、6−トリメチル−2−ピラジニル、2−キノリル、4−メチル−2−キノリル,6−メチル−2−キノリル、7−メチル−2−キノリル、2−キノキサリル、または、3−メチル−2−キノキサリルである。
それぞれの製造によって、ZおよびAの好ましい組み合わせは、Zが無置換または置換された1,2−フェニレン基である場合には、AはNR16A17Aであり、また、Zが−CHR6A−、−CH2−、−C(CH32、または、−Si(CH32である組み合わせにおいては、Aは無置換または置換された2−キノリルまたは無置換または置換された2−ピリジルである。また、架橋基Zを有せず、kが0である基が、特に容易に得られる。この場合において、Aは、式(IVb)の置換基、特に、無置換または置換された8−キノリルであるのが好ましい。また、上述した種々の好ましい形態は、好ましくは、これらの好ましい組み合わせである。
Aは、酸化状態3のチタン、バナジウム、クロム、モリブデン、およびタングステンよりなる群から選択される金属、好ましくは酸化状態3のチタンおよびクロムである。特に好ましくは、酸化状態2、3、および4、特に3のクロムである。金属錯体、特にクロム錯体は、金属塩化物など、相当する金属塩と、配位子アニオンを反応させることによって(DE197 10615等に類似した方法を用いるなど)簡易な方法により得ることができる。
好ましいモノシクロペンタジエニル錯体のうち、好ましくは、式:Cp−YmAA n(V)(式中、可変部部Cp、Y、A、m、およびMAは、上記した通りであり、また、これらの好ましい形態は、以下である:
A がそれぞれ互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、水素、C1
10のアルキル、C2〜C20のアルケニル、C6〜C20のアリール、アル
キル部に1〜10個の炭素原子を有し、かつアリール部に6〜20個の炭
素原子を有するアルキルアリール、NR23A24A、OR23A、SR23A
SO323A、OC(O)R23A、CN、SCN、β−ジケトナート、CO
、BF4 -、PF6 -、または、嵩高い不配位アニオンを表し、あるいは、2
個のXA基は、置換または無置換のジエン配位子、特に1,3−ジエン配
位子を形成しており、そしてXA基は、互いに結合していてもよく、
23A〜R24Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
、SiR25A 3を表し、且つ有機基R23A〜R24Aは、複数のハロゲン、ま
たは複数の窒素および酸素含有基によって置換されていてもよく、R23A
〜R24Aの2個の基は、結合して5または6員環を形成していてもよく、
25A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20
アルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子
を有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリー
ルを表し、2個のR25A基は結合して5または6員環を形成していてもよ
く、
n が1、2、または3である)
で表されるものが好ましい。
また、上記に示したCp、Y、Z、A、m、およびMAの実施形態および好ましい実施形態は、それぞれ組み合わせて、好ましいモノシクロペンタジエニル錯体に適用することができる。
配位子XAは、モノシクロペンタジエニル錯体の合成用の出発原料として用いられる金属化合物の選択に由来するが、後で変えることもできる。有用な配位子XAは、特に、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素などのハロゲン、特に塩素である。メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、アリル、フェニル、または、ベンジルなどのアルキル基もまた、有用な配位子XAである。さらなる配位子XAとして、トリフルオロアセテート、BF4 -、PF6 -、および、B(C654 -など弱配位または不配位アニオン(例えば、S.Strauss in Chem.Rev.1993,93,927−942などを参照)を挙げることができるが、決して完全なものではない。
アミド、アルコキシド、スルホネート、カルボキシラート、およびβ−ジケトナートもまた、配位子XAとして特に好ましい。R23AおよびR24A基の変更は、例えば、溶解性などの物性値の微調整を可能とする。有用な炭素有機置換基R23A〜R24Aとしては、例えば、下記である:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、または、n−ドデシルなどの直鎖状または分岐状であってもよいC1〜C20のアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル または、シクロドデシルなど、C6〜C10のアリール基を置換基として順に有していてもよい5〜7員環のシクロアルキル、ビニル、1−アリル、2−アリル、3−アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル,シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、または、シクロオクタジエニルなどの直鎖状、環状、または分岐状であってもよく、内部または末端が二重結合であってもよいC2〜C20のアルケニル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラニル、o−、m−、p−メチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、または2,6−ジメチルフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−、または3,4,5−トリメチルフェニル、2−メトキシフェニル、2−N,N−ジメチルアミノフェニルなどのアルキル基、および/または、N−または0−含有基によってさらに置換されていてもよいC6〜C20のアリール、または、ベンジル、o−、m−、p−メチルベンジル、1−または−2−エチルフェニルなどのアルキル基によってさらに置換されていてもよいアリールアルキルであり、R23Aは、R24Aと結合して、5または6員環の環を形成していてもよく、有機基R23A〜R24Aは、フッ素、塩素、臭素などのハロゲンによって置換されていてもよい。有機ケイ素置換基SiR25A 3において、R25A基は、R23A〜R24Aとして上述した基と同じであってもよく、2個のR25A基は、結合して、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ブチルジメチルシリル、トリブチルシリル、トリアリルシリル、トリフェニルシリル、または、ジメチルフェニルシリルなどの5または6員環を形成していてもよい。好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどのC1〜C10のアルキル、ビニル、アリル、ベンジル、フェニルなどがR23AおよびR24Aとして用いられる。安価で容易に利用できる出発材料から得られるので、これらの置換された配位子Xのうちのいくつかが特に好ましく用いられる。したがって、特に好ましい実施形態は、XAが、ジメチルアミド、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ナフトキシド、トリフレート、p−トルエンスルホネート、アセテート、または、アセチルアセトネートである。
配位子XAの数nは、遷移金属MAの酸化状態によって決まる。したがって、数nは、総則的な用語によって与えられることはできない。触媒活性錯体における遷移金属MAの酸化状態は、一般的に、当業者に知られている。クロム、モリブデン、およびタングステンは酸化状態+3で、バナジウムは酸化状態+3または+4で、非常に高い確率性で存在する。しかしながら、錯体は酸化状態が活性触媒のものに対応しなくても使用することができる。このような錯体は、その後に、適した活性剤によって適当に還元または酸化することができる。好ましくは、酸化状態+3のクロム錯体および酸化状態+3のチタン錯体が用いられる。
この種類のモノシクロペンタジエニル錯体として好ましくは、1−(8−キノリル)−3−フェニルシクロペンタジエニルクロム(IIl)ジクロライド、1−(8−キノリル)−3−(1−ナフチル)シクロペンタジエニルクロム(III)ジクロライド、1−(8−キノリル)−3−(4−トリフルオロメチルフェニルシクロペンタジエニルクロム(III)ジクロライド、1−(8−キノリル)−3−(4−クロロフェニル)シクロペンタジエニルクロム(III)ジクロライド、1−(8−キノリル)−2−メチル−3−フェニルシクロペンタジエニルクロム(III)ジクロライド、1−(8−キノリル)−2−メチル−3−(1−ナフチル)シクロペンタジエニルクロム(III)ジクロライド、1−(8−キノリル)−2−メチル−3−(4−トリフルオロメチルフェニルシクロペンタジエニルクロム(III)ジクロライド、1−(8−キノリル)−2−メチル−3−(4−クロロフェニル)シクロペンタジエニルクロム(III)ジクロライド、1−(8−キノリル)−2−フェニルインデニルクロム(III)ジクロライド、1−(8−キノリル)−2−メチル−3−フェニルシクロペンタジエニルクロム(III)ジクロライド、1−(8−(2−メチルキノリル)キノリル)−2−フェニルインデニルクロム(III)ジクロライド、1−(2−ピリジルメチル)−3−フェニルシクロペンタジエニルクロム(III)ジクロライド、1−(2−ピリジルメチル)−2−メチル−3−フェニルシクロペンタジエニルクロム(III)ジクロライド、1−(2−キノリルメチル)−3−フェニルシクロペンタジエニルクロムジクロライド、または1−(2−ピリジル−1−メチル)−3−フェニルシクロペンタジエニルクロムジクロライドである。
このような錯体の合成は、本質的には公知の方法によって実施でき、適切に置換されたシクロペンタジエニルアニオンと、チタン、バナジウム、またはクロムなどのハロゲン化物を反応させるのが好ましい。このような合成方法の例としては、とりわけ、the Journal of Organometallic Chemistry,369(1989),359−370、および、EP−A−1212333に記載されている。
また、我々は、式(VIa)
Figure 2007513990
(式中、
12A〜E16Aがそれぞれ炭素を表し、4個の隣接するE12A〜E16Aは共役ジエン基を形
成し、残りのE12A〜E16Aがさらに水素を有し、
26A〜R29Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
有し、アリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール、N
32A 2、N(SiR32A 32、OR32A、OSiR32A 3、BR32A 2,S
iR32A 3を表し、且つ有機基R26A〜R29Aは、ハロゲンによって置換さ
れていてもよく、2個の隣接するR26A〜R29A基は、結合して、5または
6員環の環を形成していてもよく、および/または、2個の隣接するR26
A〜R29A基は、結合してN、P、Oまたは、Sよりなる群からの少なくと
も1個の原子を含む複素環を形成していてもよく、
30A〜R31Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
、またはSiR32A 3を表し、且つ有機基R30A〜R31Aは、ハロゲンによ
って置換されていてもよく、R30AまたはR31AとAは、結合して、5また
は6員環の環を形成していてもよく、
32A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
を表し、且つ2個のジェミナル基R32Aは、結合して5または6員環の環
を形成していてもよく、
m が0、1、または2であり、
A が元素周期表の15族および/または16族の1個以上の原子を含有する
非電荷のドナー基、またはカルベン、好ましくは、無置換、置換、または
縮合された芳香族複素環を表す)
のシクロペンタジエン化合物の製造方法であって、
a)(A−(CR29A30Am-アニオンをシクロペンタジエン、または、エノール化シクロペンタジエンのシリルエーテルと反応させる工程を有することを特徴とする方法を見出した。
有用な炭素有機置換基R26A〜R31Aとしては、例えば以下のものである:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、または、n−ドデシルなどの直鎖状または分岐状のC1〜C20のアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、または、シクロドデシルなどのC6〜C10のアリール基を置換基として順に有していてもよい5〜7員環のシクロアルキル、ビニル、1−アリル、2−アリル、3−アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、または、シクロオクタジエニルなどの直鎖状、環状、または分岐状であってよく、内部または末端が二重結合であってもよいC2〜C20のアルケニル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラニル、o−、m−、p−メチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、または2,6−ジメチルフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−、または3,4,5−トリメチルフェニル、2−メトキシフェニル、2−N、N−ジメチルアミノフェニルなどのアルキル基および/またはNもしくはO含有基によって置換されていてもよいC6〜C10のアリール基、または、ベンジル、o−、m−,p−メチルベンジル、1−または2−エチルフェニルなど、アルキル基によってさらに置換されていてもよいアリールアルキルであり、2個の隣接するR26A〜R29Aおよび/またはR30AとR31Aは、結合して、5または6員環を形成していてもよく、また、有機基R26A〜R31Aは、フッ素、塩素、または臭素などのハロゲンによって置換されていてもよい。有機ケイ素置換基SiR32A 3において、R32A基は、R26A〜R31Aとして上述したものと同じ基であってもよく、2個のR32A基は、結合して、トリメチルシリル、トリエチルシリル,ブチルジメチルシリル、トリブチルシリル、トリアリルシリル、トリフェニルシリル、または、ジメチルフェニルシリルなどの5または6員環の環を形成していてもよい。さらに、R26A〜R29Aはまた、ジメチルアミノ、N−ピロリジニル、ピコリニル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシなどのアミノNR32A 2または、N(SiR32A 32、アルコキシまたはアリールオキシOR32Aなどであってもよい。好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、フェニル、または、ベンジルなどのC1〜C10のアルキルをR26A〜R29A基として用いるのが好ましい。特に有用なR30AおよびR31A基としては、水素、メチル、エチル,n−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどのC1〜C10のアルキル基であり、特に水素である。
可変部Aおよびその好ましい実施形態は、さらに上述したのと同様である。
置換または無置換の1,2−シクロペンタジオンおよび1,3−シクロペンタジオンは、以前から公知であり、商業的に利用可能である。エノール化された1,2−シクロペンタジオンまたは1,3−シクロペンタジオンの相当するシリルエーテルは、例えば、塩の触媒量存在下でのハロゲン化トリアルキルシリルまたはトリフレートを用いた1,2−または1,3−シクロペンタジエンのシリル化によって調製できる(S.Torckleson等.,Synthesis 1976,11,722−724、参照)。
(A−(CR30A31Am-アニオンは、mが0である場合には、負電荷がA上に位置するA-アニオンである。mが1の場合、負電荷がR30AおよびR31Aを有する炭素原子上に位置する(A−(CR30A31Am-アニオンである。mが2の場合、(A−(CR30A31Am-アニオンは、負電荷がR30AおよびR31Aを有する炭素原子上に位置し、Aに直接結合しない(A−CR30A31A−CR30A31A-アニオンである。これらのアニオン中のA、R30A、R31A、および、これらのアニオンにおけるmの可変部および好ましい実施形態は、シクロペンタジエン基(IV)として上述したものと同様である。(A−(CR30A31Am-アニオンに対するカチオンは、通常は、さらに配位子を有していてもよい元素周期表の1族または2族の金属である。特に好ましくは、アミンまたはエーテル、さらに非電荷配位子を有していてもよいマグネシウム一塩化物またはマグエネシウム一臭化物カチオンなどの非電荷配位子を有していてもよい、リチウム、ナトリウム、およびリンカチオンである。
アニオンA-上の負電荷は、A-のへテロ原子に隣接するA-の炭素上、特にこのような原子がA-中に存在する場合には窒素原子上に位置するのが好ましい。
-アニオンは、通常は、C1〜C10のアルキル、特にn−ブチルおよびtert−ブチルなどのC4アルキルと1または2族の金属、特にリチウム、マグネシウム一塩化物、またはマグネシウム一臭化物カチオンとからなるアルカリ金属化合物とのA−ハロゲンの金属−ハロゲン置換によって得られる。特に有用なアルカリ金属化合物としては、アルキルリチウム、アルキルマグネシウム、アルキルマグネシウム塩化物、またはこれらの混合物、特に、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムである。アルキル金属化合物とA−ハロゲンとのモル比は、通常は、0.4:1〜100:1の範囲、好ましくは0.9:1〜10:1の範囲、特に好ましくは0.95:1〜1.1:1である。このような反応の例は、inter alia,Furukawa等. in Tet. Lett.28(1987),5845に記載されている。
(A−CR30A31A-アニオンは、一般的には、A−CR30A31AHの脱プロトン化によって得られる。アルキルリチウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムアルコキシド、アルキルナトリウム、水素化カリウム、カリウムアミド、カリウムアルコキシド、アルキルカリウム、アルキルマグネシウム、アルキルマグネシウム塩化物、またはこれらの混合物は、前記目的のために用いられる。塩基とA−CR30A31AHとのモル比は、通常は、0.4:1〜100:1の範囲内、好ましくは0.9:1〜10:1の範囲内、特に好ましくは0.95:1〜1.1:1である。上述した脱プロトン化の例は、L.Brandsma,Preparativepolar organometallic chemistry 2,133〜142頁において記載されている。
(A−CR30A31A−CR30A31A-アニオンは、例えば、相当するハロゲン化A−CR30A31A−(CR30A31A)−ハロゲンを金属マグネシウムと反応させることによって製造できる。グリニャール反応とも言われている類似反応の例としては、例えば、Organikum、第18版、1990、第499頁に記載されている。
これらの反応の反応条件は下記に記載される。
工程a)において、シクロペンタジオンとの反応において形成される反応生成物は、シクロペンテノンオキシ化合物であり、これは水溶性媒体中で後処理して相当するアルコールを形成することができ、あるいは、例えば、酸性条件下で反応させて相当する(A−(CR30A31Am-置換シクロペンテノンを形成することもできる。工程a)においてエノール化シクロペンタジオンのシリルエーテルとの反応によって形成される反応性生物は、シクロペンテンオキシドシリルエーテルである。水を含む後処理および脱水は、同様に、相当する(A−(CR30A31Am-置換シクロペンテノンを生じる。シクロペンタジエン化合物(VI)に対するさらなる反応は、水を含む後処理および脱水の後に形成されるシクロペンテノン上への水素付加、アルキル化、アリール化による通常の方法において行われる。
好ましくは式(VIb)
Figure 2007513990
(式中、
12A〜E16Aがそれぞれ炭素を表し、4個の隣接するE12A〜E16Aが共役ジエン基を形
成し、残りの1個のE12A〜E16Aがさらに水素を有し、
26A〜R28Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
有し、アリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリールまた
はSiR32A 3を表し、且つ有機基R26A〜R28Aは、ハロゲンによって置
換されていてもよく、2個の隣接する基R27A〜R28Aは、結合して、5ま
たは6員環を形成していてもよく、および/または、2個の隣接する基R
27A〜R28Aは、結合してN、P、OまたはSよりなる群からの少なくとも
1個の原子を含む複素環を形成し、
30A〜R31Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
有し、アリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール、S
iR32A 3を表し、且つ有機基R30A〜R31Aは、さらに、ハロゲンによっ
て置換されていてもよく、そしてR30AまたはR31AおよびAは、結合して
、5または6員環の環を形成していてもよく、
32A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
有し、アリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリールを表
し、2個のジェミナル基R32Aは、結合して、5または6員環の環を形成
していてもよく、
ArylA がN、P、O、またはS含有基によって置換されていてもよい、フェニル
、ナフチル、ビフェニル、アントラセニルまたはフェナントレニルなどの
6〜C22のアリール、C1〜C22のアルキル、C2〜C22のアルケニル、
ハロゲン、ハロアルキル、または1〜10個の炭素原子を有するハロアリ
ールを表し、
m は0または1であり、
A が無置換、置換、または縮合された芳香族複素環基である)
で表されるシクロペンタジエン化合物の製造方法であって、
(A−(CR30A31Am-アニオンを式(VII)
Figure 2007513990
(式中、可変部は上述した通りである)のシクロペンテノン化合物と反応させ、式(VIII)
Figure 2007513990
(式中、可変部は上述した通りである)のシクロペンテノンを形成する工程a)を有する方法である。
有用な炭素有機基R26A〜R31Aは、次のものである:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、または、n−ドデシルなどの直鎖状または分岐状であってもよいC1〜C20のアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、またはシクロドデシルなどのC6〜C10のアリール基を置換基として順に有していてもよい1〜7員環のシクロアルキル、ビニル、1−アリル、2−アリル、3−アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、または、シクロオクタジエニルなどの直鎖状、環状、分岐状であってもよく、末端または内部が二重結合であってもよいC2〜C20のアルケニル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラニル、o−、m−、p−メチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、または、2、6−ジメチルフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−、または、3,4,5−トリメチルフェニル、2−メトキシフェニル、2−N、N−ジメチルアミノフェニルなどのさらにアルキル基および/またはNまたはO含有基によって置換されていてもよいC6〜C20のアリール、ベンジル、o−、m−、p−メチルベンジル,1−または2−エチルフェニルなどのさらにアルキル基によって置換されていてもよいアリールアルキルであり、R27AはR28Aと結合していていもよく、および/または、R30AはR31Aと結合して5または6員環の環を形成していてもよく、有機基R26A〜R31Aは、フッ素、塩素、または臭素などのハロゲンによって置換されていてもよい。有機ケイ素置換基SiR32A 3において、R32A基は、R26A〜R30Aとして上述したものと同じ基であってもよく、また、2個のR32Aは、結合して、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ブチルジメチルシリル、トリブチルシリル、トリアリルシリル、トリフェニルシリルまたはジメチルフェニルシリルなどの5または6員環の環を形成していてもよい。水素、および、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどのC1〜C10のアルキルをR26A〜R28A基として用いるのが好ましい。特に有用なR30A〜R31A基は、水素、および、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどのなどのC1〜C10のアルキル、特に水素である。
ArylAは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラセニル、または、フェナントレニルなどのC6〜C22のアリールであり、N、P、O、またはS含有置換基によって置換されていてもよく、C1〜C22のアルキル、C2〜C22のアルケニル、ハロゲン、o−、m−、p−メチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、または、2,6−ジメチルフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−、または、3,4,5−トリメチルフェニル、o−、m−、p−ジメチルアミノフェニル、o−、m−、p−メトキシフェニル、o−、m−、p−フルオロフェニル、o−、m−、p−クロロフェニル、o−、m−、p−トリフルオロメチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、または、2,6−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、または、2,6−ジクロロフェニル、または、2,3−、2,4−、2,5−、または、2,6−ジ(トリフルオロメチル)フェニルなどの1〜10個の炭素原子を有するハロアルキルまたはハロアリールである。
Aは、酸素、硫黄、窒素、および、リンよりなる群からのヘテロ原子、さらに炭素環原子を有していてもよい、無置換、置換、または縮合された芳香族複素環基である。炭素原子に加えて、環原子として、1〜4個の窒素原子または1〜3個の窒素原子、および/または、1個の硫黄または酸素原子を有していてもよい5員環のヘテロアリール基の例としては、2−フリル、2−チエニル、2−ピロリル、3−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、または1,2,4−トリアゾール−3−イルである。1〜4個の窒素原子および/またはリン原子を有していてもよい6員環のヘテロアリール基の例としては、2−ピリジニル、2−ホスファフェニル、3−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、2−ピラジニル、1,3,5−トリアジン−1−イル、および、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、または1,2,4−トリアジン−6−イルである。5員環および6員環のヘテロアリール基は、C1〜C10のアルキル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を有し、アリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール、トリアルキルシリル、または、フッ素、塩素、もしくは臭素などのハロゲンによって置換されていてもよく、1個以上の芳香族化合物または芳香族複素環と縮合していてもよい。ベンゾ縮合された5員環のヘテロアリール基の例としては、2−インドリル、7−インドリル、2−クマロイル、7−クマロイル、2−チアナフテニル、7−チアナフテニル、3−インダゾリル、7−インダゾリル、2−ベンズイミダゾリル、および、7−ベンズイミダゾリルである。ベンゾ縮合された6員環のヘテロアリール基の例としては、2−キノリル、8−キノリル、3−シンノリル、8−シンノリル、1−フタラジル、2−キナゾリル、4−キナゾリル、8−キナゾリル、5−キノキサリル、4−アクリジル、1−フェナントリジル、および、1−フェナジルである。複素環の命名およびナンバリングは、L.FieserおよびM.Fieser,Lehrbuch der or−ganischen Chemie,第3改定版,Verlag Chemie,Weinheim 1957を用いた。
これらの芳香族複素環基Aのなかでも、芳香族複素環部に1、2、3、4、または、5個の窒素原子を有する無置換、置換、および/または縮合された6員環の芳香族複素環、特に置換および無置換の2−ピリジル、2−キノリル、または、8−キノリルが特に好ましい。したがって、Aは、式(IV)
Figure 2007513990
(式中、
6A〜E11A がそれぞれ互いに独立して、炭素または窒素を表し、
16A〜R21A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20
アルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子
を有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリー
ル、またはSiR22A 3を表し、且つ有機基R16A〜R21Aは、ハロゲンま
たは窒素、さらに、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のアルケニル、C
6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を有し、かつア
リール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリールまたはSiR
22A 3基によって置換されていてもよく、そして2個の隣接する基R16A
〜R21AまたはR16AおよびZは、結合して、5または6員環を形成して
いてもよく、
22A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20
アルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子
を有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリー
ルを表し、そして2個の隣接するR22A基は、結合して、5または6員環
を形成していてもよく、
p はE6A〜E11Aが窒素の場合には0であり、E6A〜E11Aが炭素の場合に
は1である)の基であるのが好ましい。
特に、E6A〜E11Aの0または1個が窒素であり、残りが炭素である。Aは、特に好ましくは、2−ピリジル、6−メチル−2−ピリジル、4−メチル−2−ピリジル、5−メチル−2−ピリジル、5−エチル−2−ピリジル、4,6−ジメチル−2−ピリジル、3−ピリダジル、4−ピリミジル、6−メチル−4−ピリミジル、2−ピラジニル、6−メチル−2−ピラジニル、5−メチル−2−ピラジニル、3−メチル−2−ピラジニル、3−エチルピラジニル、3,5,6−トリメチル−2−ピラジニル、2−キノリル、4−メチル−2−キノリル、6−メチル−2−キノリル、7−メチル−2−キノリル、2−キノキサリル、3−メチル−2−キノキサリル、または、8−キノリルである。
mは0または1であり、特に、Aが式(IVb)のドナーである場合にはmは0であり、Aが式(IVa)のドナーである場合にはmは1である。
式(VII)のシクロペンテノンは、以前から知られており、触媒量の塩基存在下、トリアルキルシリル塩化物またはトリフレートを用いた1,3−シクロペンタジオンのシリル化によって製造できる(S.Torckleson等.,Synthesis 1976,11,722−724、参照)。
(A−(CR30A31Am-アニオンは、mが0である場合にはA-であり、mが1である場合には(A−CR29A30A-である。A、R29AおよびR30A、ならびにこれらのアニオンにおけるmの可変部および好ましい形態は、シクロペンタジエン基(IV)において上述したものと同様である。(A−(CR29A30Am-アニオンと結合するカチオンは、通常は、さらに配位子を有していてもよい、元素周期表の1または2族の金属である。特に好ましくは、アミンまたはエーテルなどの非電荷の配位子を有していてもよいリチウム、ナトリウム、またはカリウムカチオン、および、同様にさらに非電荷の配位子を有していてもよいマグネシウム一塩化物またはマグネシウム一臭化物カチオンである。
アニオンA-上の負電荷は、好ましくはA-のヘテロ原子に隣接するA-の炭素上、特にこのような原子がA-に存在している場合には窒素原子上に位置するのが好ましい。A-は、好ましくは、2−フリル、2−チエニル、2−ピロリル、3−イソオキサゾリル,5−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル,5−ピラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−イミダゾリル、4イミダゾリル、5−イミダゾリル、1,2,4−オキサゾル−3−イル、1,2,4−オキサゾル−5−イル、1,3,4−オキサゾル−2−イル、または、1,2,4−トリアゾル−3−イル、2−ピリジニル、2−ホスファベンゾリル、3−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、2−ピラジニル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル,1,2,4−トリアジン−6−イル、2−インドリル、7−インドリル,2−クマロイル、7−クマロイル、2−チアナフテニル、7−チアナフテニル、3−インダゾリル、7−インダゾリル、2−ベンズイミダゾリルまたは7−ベンズイミダゾリル、2−キノリル、8−キノリル、3−シンノリル、8−シンノリル、1−フタラジル、2−キナゾリル、4−キナゾリル、8−キナゾリル、5−キノキサリル、4−アクリジル、1−フェナントリジル、または1−フェナジルである。
(A−(CR29A30Am-アニオンにおいて、−R29A30A−基は、負電荷を有する。当該基は、Aのヘテロ原子に対してオルト位に、特にA中にこのような原子が存在する場合には窒素原子に位置しているのが好ましい。
(A−(CR29A30Am-アニオンは、式(IXa)(m=1)または式(IXb)(m=0)の基であるのが好ましい:
Figure 2007513990
(式中、
6A〜E11A がそれぞれ互いに独立して、炭素または窒素を表し、
16A〜R21A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20
アルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子
を有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリー
ル、またはSiR22A 3を表し、且つ有機基R16A〜R21Aは、ハロゲンま
たは窒素、さらに、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のアルケニル、C
6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を有し、かつア
リール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリールまたはSiR
22A 3基によって置換されていてもよく、そして2個の隣接する基R16A
〜R21AまたはR16AおよびZは、結合して、5または6員環を形成して
いてもよく、
22A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20
アルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子
を有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリー
ルを表し、そして2個の隣接するR22A基は、結合して、5または6員環
を形成していてもよく、
29A〜R30A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20
アルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原
子を有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルア
リール、またはSiR31A 3を表し、あるいは有機基R29A〜R30Aはハ
ロゲンによって置換されていてもよく、R29AまたはR30AおよびAは、
結合して5または6員環を形成していてもよく、
31A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20
アルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子
を有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリー
ルを表し、2個のジェミナル基R31Aは、結合して5または6員環を形成
していてもよく、
p はE6A〜E11Aが窒素の場合には0であり、E6A〜E11Aが炭素の場合に
は1である。)
特にE6A〜E11Aの0または1個が窒素であり、残りが炭素である。特に好ましくはA-基(IXb)が、置換または無置換の8−キノリルである。
-アニオンは、通常は、C1〜C10のアルキル、特にn−ブチルおよびtert−ブチルなどのC4アルキル、および、1または2族の金属、特に、リチウム、マグネシウム一塩化物またはマグネシウム一臭化物カチオンを含むアルカリ金属化合物とのA−ハロゲンの金属−ハロゲン交換によって得られる。特に有用なアルカリ金属化合物は、アルキルリチウム、アルキルマグネシウム、アルキルマグネシウム塩化物、またはこれらの混合物、特にn−ブチルリチウムおよびtert−ブチルリチウムである。アルキル金属化合物とA−ハロゲンとのモル比は、通常は、0.4:1〜100:1の範囲内、好ましくは0.9:1〜10:1の範囲内、特に好ましくは0.95:1〜1.1:1である。このような反応の例は、とりわけ、Furukawa等 in Tet. Lett. 28 (1987)、5845において記載されている。
(A−(CR30A31Am-アニオンは、通常は、A−CR30A31AHの脱プロトン化によって得られる。アルキルリチウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリムアルコキシド、アルキルナトリウム、水素化カリウム、カリウムアミド、カリウムアルコキシド、カリウムアルキル、アルキルマグネシウム、アルキルマグネシウム塩化物、または、これらの混合物などの強塩基が当該目的のために用いられる。塩基とA−CR30A31AHとのモル比は、0.4:1〜100:1の範囲内、好ましくは0.9:1〜10:1の範囲内、特に好ましくは0.95:1〜1.1:1である。このような脱プロトン化の例は、L.Brandsma,Preparative polar organometallic chemistry 2,pp.133−142において記載されている。
A−CR30A31AHは、好ましくは、2−メチルフラン、2,5−ジメチルフラン、2−エチルフラン、1,2−ジメチルピロール、1,2,3−トリメチルピロール、1,3−ジメチルピラゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−デシル−2−メチルイミダゾール、1−メチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−ピコリン、2−エチルピリジン、2−プロピルピリジン、2−ベンジルピリジン、2,6−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,3−シクロペンテノピリジン、5−エチル−2−メチルピリジン、2,4,6−コリジン、3−メチルピリダジン、4−メチルピリミジン、4,6−ジメチルピリミジン、2−メチルピラジン、2−エチルピラジン、2,6−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,3−ジエチルピラジン、テトラヒドロキノキサリン、テトラメチルピラジン、キナルジン、2,4−ジメチルキノリン、2,6−ジメチルキノリン、2,7−ジメチルキノリン、2−メチルキノキサリン、2,3−ジメチルキノキサリン、または、ネオクプロインである。
ハロゲン−金属交換工程および脱プロトン化工程に置ける溶媒としては、全ての非プロトン性溶媒、特に、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、デカリン、ベンゼン、トルエン,エチルベンゼン、または、キシレンなどの脂肪族および芳香族炭化水素、または、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル、およびこれらの混合物が用いられる。前記反応は、−100〜+160℃、特に−80〜100℃で実施される。40℃を超過した温度で、エーテルを含まないまたは少量のエーテルを含む芳香族または脂肪族溶媒を用いるのが好ましい。
また、金属−ハロゲン交換または脱プロトン化の後に形成された(A−(CR30A31Am-アニオンは、分離することができ、または、好ましくはさらにシクロペンテノン(VII)との分離なく反応させることができる。さらなる反応のための溶媒として、全ての非プロトン性溶媒、特に、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、デカリン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、またはキシレンなどの脂肪族および芳香族炭化水素、または、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、または、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル、およびこれらの混合物を用いることができる。前記反応は、−100〜+160℃、好ましくは−80〜100℃、特に好ましくは0〜60℃で実施することができる。40℃を超過する温度で、エーテルを含まないまたは少量のエーテルを含む芳香族および脂肪族溶媒を使用するのが好ましい。
工程a)において形成された式(VIII)のシクロペンテノンは、その後、後続する工程b)においてアリールアニン(ArylA-とさらに反応させる。アリールアニオンは、カウンターカチオンとして金属カチオンを有する。これは、通常は、さらに配位子を有していてもよい元素周期表の1または2族の金属である。特に好ましくは、アミンまたはエーテルなどの非電荷の配位子を有していてもよい、リチウム、ナトリウム、またはカリウムカチオン、および、同様にさらに非電荷の配位子を有していてもよいマグネシウム一塩化物、マグネシウム一臭化物カチオン、特にリチウム、マグネシウム一塩化物、または、マグネシウム一臭化物カチオンである。
(ArylA-は、形式上、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラセニル、または、フェナントレニルなど、芳香族環上で脱プロトン化されたC6〜C22のアリールである。前記アリールは、N、P、O、またはS含有置換基、C1〜C22のアルキル、C2〜C22のアルケニル、ハロゲン、または、芳香族環上で脱プロトン化された、o−、m−、p−メチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、または、2,6−ジメチルフェニル,2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−、または、3,4,5−トリメチルフェニル、o−、m−、p−ジメチルアミノフェニル、o−、m−、p−ジメチルホスフィノフェニル、o−、m−、p−ジフェニルホスフィノフェニル、o−、m−、p−メトキシフェニル、o−、m−、p−フルオロフェニル、o−、m−、p−クロロフェニル、o−、m−、p−トリフロロメチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、または、2,6−ジフロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、または、2,6−ジクロロフェニル、または、2,3−、2,4−、2,5−、または、2,6−ジ(トリフロロメチル)−フェニルなどの1〜10個の炭素原子を有するハロアルキルまたはハロアリールである。
(ArylA-アニオンは、通常は、C1〜C10のアルキル、特にn−ブチルおよびtert−ブチルなどのC4のアルキル、および、1または2族の金属、特に、リチウム、マグネシウム一塩化物またはマグネシウム一臭化物カチオンを含むアルカリ金属化合物とのArylA−ハロゲンの金属−ハロゲン交換によって得られる。特に有用なアルカリ金属化合物は、アルキルリチウム、アルキルマグネシウム、アルキルマグネシウム塩化物、またはこれらの混合物、特にn−ブチルリチウムおよびtert−ブチルリチウムである。アルキル金属化合物とArylA−ハロゲンとのモル比は、通常は、0.4:1〜100:1の範囲内、好ましくは0.9:1〜10:1の範囲内、特に好ましくは0.95:1〜1.1:1である。このような反応の例は、とりわけ、Furukawa等 in Tet.Lett.28(1987),5845において記載されている。アリールアニオンは、当該工程からのカチオンとしての金属カチオンと結合する。
金属−ハロゲン交換工程に好ましい溶媒および反応温度は、A−ハロゲンの金属−ハロゲン交換として上述したものと同じである。多くのアリールアニオンはまた、商業的に利用可能である。
金属−ハロゲン交換後に形成されたアリールアニオンは、分離することができ、または、好ましくはさらにシクロペンテノン(VII)とのさらなる分離なく反応させることができる。さらなる反応のための溶媒として、全ての非プロトン性溶媒、特に、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、デカリン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、またはキシレンなどの脂肪族および芳香族炭化水素、または、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、または、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル、およびこれらの混合物を用いることができる。前記反応は、−100〜+160℃、好ましくは−80〜100℃、特に好ましくは0〜60℃で実施することができる。40℃を超過する温度で、エーテルを含まないまたは少量のエーテルを含む芳香族および脂肪族溶媒を使用するのが好ましい。
工程b)において式(VIII)のシクロペンテノンとアリールアニオンとの反応によって形成されたシクロペンテンオキシドは、通常、脱水前に、プロトンを付加する。これは、少量の酸、例えば、HClなどによって、または、水を含む後処理によって達成される。当該方法において得られた中間物は、次に、脱水して、シクロペンタジエン化合物(VIb)を形成する。これは、しばしば、HCl、p−トルエンスルホン酸、または、ヨウ素などの酸を触媒量、添加するとともに行われる。脱水化は、−10〜+160℃、好ましくは0〜100℃、特に好ましくは20〜80℃で行うことができる。溶媒としては、非プロトン性溶媒、特に、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、デカリン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、またはキシレンなどの脂肪族および芳香族炭化水素、または、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、または、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル、およびこれらの混合物を用いることができる。トルエンおよびヘプタンが特に有用である。また、しばしば、水分離器が、脱水のために用いられる。
また、シクロペンテノン(VIII)は、1〜20個の炭素原子を有するアルキルアニオンと反応できる。しかしながら、これは、脱水後、アルキルによってアリールが置換されたシクロペンタジエン生成物(VI)を招く。
当該方法において得られたシクロペンタジエン化合物(VIa)または(VIb)は、その後、水素化カリウムまたはn−ブチルリチウムを用いるなど、通常の方法により脱プロトン化させ、三塩化クロム、トリス(テトラヒドロフラン)などの適当な遷移金属化合物と反応させて相当するモノシクロペンタジエニル錯体(A)を形成することができる。さらに、シクロペンタジエニル化合物(VIa)または(VIb)はまた、EP−A−742046と類似する方法において、クロムアミドなどと直接、反応させることで、モノシクロペンタジエニル錯体(A)を形成することができる。
シクロペンタジエン化合物(VI)の製造方法は、簡単な出発材料を用い、高い収率が得られるので、特に有用である。(A−(CR30A31Am-アニオンは、非常に嵩高い求核試薬である。従って、マイケル付加によって、より容易に導入することができる。アリールまたはアルキルが初めに導入され、続いて、嵩高い(A−(CR30A31Am-アニオンが導入された場合、二次反応としてエノール化がしばしば起こる。
本発明のモノシクロペンタジエニル錯体は、単独で、または、触媒組成物として他の成分とともに、オレフィンの重合に用いることができる。また、我々は、
A)少なくとも1種の本発明によるモノシクロペンタジエニル錯体、
B)任意に、有機または無機担体
C)任意に、1個以上の活性化化合物、
D)任意に、1個以上のオレフィンの重合に好適な別の触媒、および、
E)任意に、周期表1、2または13族の金属を含む1種以上の金属化合物、
からなるオレフィンの重合用触媒組成物を見出した。
このように、一以上の本発明のモノシクロペンタジエニル錯体は、1個のオレフィンまたは複数のオレフィンと同時に接触させられて、重合できる。これは、当該方法において広範囲なポリマーを製造できるという利点を有している。例えば、当該方法において、2個の態様を有する生成物を製造できる。
気相または懸濁液中での重合工程において用いられる本発明のモノシクロペンタジエニル錯体は、固体の形状で用いられる、すなわち、それらを固体担体B)に適用するのが有利である。さらに、担持されたモノシクロペンタジエニル錯体は、高い生産性を有する。結果として、本発明のモノシクロペンタジエニル錯体は、必要であれば、有機または無機担体B)上に固定されてもよく、重合において担持された形態で用いられてもよい。これは、例えば、反応器中の沈殿物を回避し、ポリマー形態を制御できる。担体材料として、好ましくは、シリカゲル、塩化マグネシウム、アルミニウムオキシド、メソポラス材、アルミノシリケート、ハイドロタルサイト、および、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機ポリマー、または、エテンと、アクリル酸エステル、アクロレイン、または、ビニルアセテートとのコポリマーなどの極性官能基を有するポリマーなどが用いられる。
特に好ましくは、触媒組成物は、本発明によるモノシクロペンタジエニル錯体、および、担体成分B)とともに、少なくとも1個の活性化化合物C)を含む。
このように担持された触媒組成物を得るため、担持されていない触媒組成物を担体成分B)とともに反応させることができる。担持成分B)、本発明によるモノシクロペンタジエニル錯体A)、および、活性化化合物C)における順序は、原理上は、重要ではない。本発明のモノシクロペンタジエニル錯体および活性化化合物C)は、相互に独立して、または、同時に固定されてもよい。それぞれのプロセス工程後、固体は、好ましい不活性溶媒、例えば、脂肪族または芳香族炭化水素とともに洗浄される。
担持された触媒組成物の製造方法において、好ましくは、少なくとも1個の本発明のモノシクロペンタジエニル錯体は、適した溶媒中で、活性化化合物C)と接触させ、好ましくは水溶性反応生成物、付加化合物、または混合物を与える。当該方法において得られた生成物を、その後、脱水素化または不動態化された担体材料とともに混合し、溶媒を除去し、これにより担持されたモノシクロペンジエニル触媒組成物を、担体材料の孔から全てまたはほとんどの溶媒が除去されるのを確実にするため、乾燥させる。担持された触媒は、流動性粉体として得られる。上述した工程の産業的な実施の例は、WO96/00243、WO98/40419、または、WO00/05277において記載されている。さらに好ましい実施形態において、活性化化合物C)は、まず、担体成分B)に担持され、次に、この担持された化合物は本発明のモノシクロペンタジエニル錯体A)と接触させられる。
担体成分B)として、好ましくは、いかなる有機または無機固体であってよい微粉化された担体が用いられる。特に、担体成分B)は、タルク、モンモリナイト、マイカなどの層状ケイ酸塩、無機酸化物、または、微粉化された高分子粉末(例えば、ポリオレフィン、または、極性官能基を有する高分子)などの多孔性担体などであってもよい。
使用される担体材料は、10〜1000m2/gの範囲の比表面積、0.1〜5ml/gの範囲の細孔容積、および、1〜500μmの範囲の平均粒子径を有するのが好ましい。好ましくは、50〜700m2/gの範囲の比表面積、0.4〜3.5ml/gの範囲の細孔容積、および、5〜350μmの範囲の平均粒子径を有する担体である。特に好ましくは、200〜550m2/gの範囲の比表面積、0.5〜3.0ml/gの範囲の細孔容積、および10〜150μmの範囲の平均粒子径を有する担体である。
無機担体は、吸着水を除去するため等、熱処理してもよい。乾燥処理などは、通常、80〜800℃、好ましくは100〜300℃で実施され、100〜200℃での乾燥とともに、好ましくは、減圧下および/または全体的に不活性ガス(窒素など)下で実施され、または、無機担体を、所望する固体構造とするためおよび/または所望するOH表面濃度とするため、200〜1000℃で焼成してもよい。また、担体は、アルカリ金属、好ましくはアルカリアルミニウム、クロロシラン、または、SiCl4、もしくはメチルアルミノキサンなど、一般的な乾燥剤を用いた化学処理をしてもよい。適切な処理方法は、例えば、WO00/31090において記載されている。
また、無機担体材料は、化学的に改質することもできる。例えば、NH4SiF6とのシリカゲルの処理、他のフッ素化剤によるシリカゲル表面のフッ素化、または、シラン含有窒素、フッ素、または硫黄含有基を含むシランとのシリカゲルの処理によって、相当する改質されたシリカゲル表面とする。
微粉化されたポリオレフィン粉末などの有機担体材料(ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリスチレンなど)もまた使用することができ、使用前に、適切した精製および乾燥操作によって、付着した水分、溶媒残渣、他の不純物がないのが同様に好ましい。官能化された高分子担体、例えば、アンモニウムまたはヒドロキシル基などの官能基によるポリスチレン、ポリエチレン、または、ポリプロピレンに基づき、少なくとも1個の触媒成分を固定できるものなどを使用することもできる。
担体成分B)として好ましい無機酸化物は、元素周期表の2、3、4、5、13、14、15、および16族の元素の酸化物の間に見出される。担体として好ましい酸化物の例は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および、カルシウム、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム、またはチタンの元素の複合酸化物、および、相当する酸化物混合物が挙げられる。単独で、または、上述した好ましい酸化物担体との組合わせで使用することができる他の無機酸化物は、例えば、MgO、CaO、AIPO4、ZrO2、TiO2、B23、または、これらの混合物である。
オレフィン重合用触媒のための固体担体材料B)としては、オレフィン重合用担体として好ましい粒径および構造などを有する粒子をこの材料から製造できるので、シリカゲルを用いるのが好ましい。微小な顆粒状粒子、すなわち、一次粒子の球状凝集物からなる噴霧乾燥シリカゲルは、特に有用であることを見出した。これらのシリカゲルは、使用する前に、乾燥および/または焼成してもよい。
さらに好ましい担体B)は、ハイドロタルサイトおよび焼成されたハイドロタルサイトである。鉱物学において、ハイドロタルサイトは、理想算式
Figure 2007513990
を有する天然鉱物であり、この構造は、水滑石Mg(OH)2のものから誘導される。水滑石は、密集したヒドロキシイオンの2個の層の間の8面体のホールにおいて金属イオンとともに、ふさがれている8面体のホールの全ての第2層のみとともに、結晶化する。ハイドロタルサイトにおいて、いくつかのマグネシウムイオンは、アルミニウムイオンによって置換され、その結果として、層のパケットは正電荷を得る。これは、層間において、結晶体の水とともに位置するアニオンによって補正される。
このようなシート構造は、マグネシウム−アルミニウム水酸化物中だけでなく、一般的に、下記式
Figure 2007513990
の複合金属水酸化物中にも見られ、これは、シート構造を有し、M(II)は、Mg、Zn、Cu、Ni、Co、Mn、Ca、および/またはFeなどの二価の金属であり、M(III)は、Al、Fe、Co、Mn、La、および/またはCeなどの三価の金属であり、xは0.5ずつの0.5〜10であり、Aは、格子間アニオンの可変部であり、1〜8、通常は1〜4であってもよく、zは、1〜6、特に2〜4の整数である。有用な格子間アニオンは、アルコキシドアニオン、アルキルエーテル硫酸塩、アリールエーテル硫酸塩、またはグリコールエーテル硫酸塩などの有機アニオン、特に、炭酸塩、炭酸水素、硝酸塩、塩化物、硫酸塩、または、B(OH)4 などの無機アニオン、または、Mo2724 6-もしくはV1028 6-などのポリオキソ金属アニオンである。しかしながら、複数のこのようなアニオンの混合物であってもよい。
したがって、層状構造を有する全てのこのような混合金属水酸化物は、本発明の目的においては、ハイドロタルサイトとみなされるべきである。
焼成されたハイドロタルサイトは、焼成、すなわち、とりわけ所望するヒドロキシル基含有物を設置できる手段を用いた加熱によってハイドロタルサイトから製造できる。さらに、結晶構造もまた、変化する。本発明により使用される焼成されたハイドロタルサイトの製造は、通常は、180℃超過の温度で実施される。好ましくは、250〜1000℃、特に400〜700℃で、3〜24時間、焼成する。空気または不活性ガスを、焼成の間の固体に通過させることもでき、また、真空を適用することもできる。
加熱において、天然または合成のハイドロタルサイトは、まず、水を排出する、すなわち、乾燥が生じる。さらなる加熱、実際の焼成において、金属アルコキシドが、ヒドロキシル基および格子間アニオンの除去によって、金属水酸化物に変わり;また、OH基または炭酸塩などの内部間アニオンは、焼成されたハイドロタルク中にまだ存在する。この量は、燃焼による損失である。これは、まず、乾燥室中、200℃で、30分間、次に、マッフル炉中、950℃、1時間の二工程における加熱した試験によって得られた減量である。
このように、成分B)として用いられた焼成されたハイドロタルサイトは、M(II)およびM(III)のモル比が、通常は、0.5〜10の範囲、好ましくは0.75〜8、特に1〜4である二価および三価の金属M(II)およびM(III)の複合金属である。さらに、正常量の不純物、例えば、Si、Fe、Na、Ca、またはTi、塩化物および硫化物などが存在していてもよい。
焼成されたハイドロタルサイトB)は、好ましくは、M(II)がマグネシウムであり、M(III)がアルミニウムである複合酸化物である。このようなアルミニウム−マグネシウム複合酸化物は、Condea Chemie有限会社(nowSasol Chemie)、ハンブルク、商号Puralox Mgから得られる。
また、焼成されたハイドロタルサイトにおける構造変化は、完全または実質的に完全であるのが好ましい。焼成、すなわち、構造の変化は、X線回折図形によって確認できる。
用いられるハイドロタルサイト、焼成されたハイドロタルサイト、または、シリカゲルは、通常は、5〜200μm、好ましくは10〜150μm、特に好ましくは15〜100μm、特に20〜70μmの平均粒子径d50、通常、0.1〜10cm3/g、好ましくは0.2〜5cm3/g、の細孔容積、および、30〜1000m2/g、好ましくは50〜800m2/g、特に100〜600m2/gの比表面積を有する微粉化された粉末として用いられる。本発明のモノシクロペンタジエニル錯体は、終了した触媒組成物における遷移金属複合体の濃度が、担体B)1gあたり、5〜200μmol、好ましくは20〜100μmol、特に好ましくは25〜70μmolの量で適用されるのが好ましい。
本発明のモノシクロペンタジエニル錯体のいくつかは、それ自体上の重合活性がほとんどなく、活性剤、すなわち、成分C)と接触させられ、優れた重合活性を呈することができる。したがって、触媒組成物は、任意で、さらに、成分C)として、1個以上の活性化化合物、好ましくは少なくとも1個のカチオン形成化合物C)を含む。
モノシクロペンタジエニル錯体A)と反応して、触媒的活性に変化する、または、より活性化することができる好ましい成分C)としては、アルミノオキサン、強非電荷ルイス酸、ルイス酸カチオンを有するイオン化合物、または、カチオンとしてブロンステッド酸を含むイオン化合物などの化合物である。
アルミノオキサンとして、例えば、WO00/31090に記載されている化合物を使用することができる。特に有用なアルミノオキサンは、式(X)または(XI)
Figure 2007513990
(式中、R1C〜R4Cがそれぞれ互いに独立して、C1〜C6のアルキル基、好ましくは
、メチル基、エチル基、ブチル基、またはイソブチル基を表し、I
は、1〜30、好ましくは5〜25の整数である)の開鎖状または環状のアルミノキサン化合物である。
特に有用なアルミノオキサン化合物は、メチルアルミノオキサンである。
これらのオリゴマー性アルミノオキサン化合物は、通常、トリアルキルアルミニウムの水との溶液の反応を制御することによって調製される。一般的に、このような方法により得られたオリゴマー性アルミノオキサン化合物は、種々の長さの直鎖状または環状の鎖状分子の混合物の形態であり、そのため、Iは平均とみなされる。また、アルミノオキサン化合物は、他の金属アルキル、通常はアルミニウムアルキルとの混合物中に存在し得る。化合物C)として好ましいアルミノオキサンの調製品は、商業的に利用できる。
さらに、いくつかの炭化水素基が、水素原子、または、アルコキシ基、アリールオキシ基、シロキシ基、またはアミド基によって置換されて変性されたアルミノオキサンは、式(X)または(XI)のアルミノオキサン化合物の代わりに成分C)として用いられる。
モノシクロペンタジエニル錯体A)およびアルミノオキサン化合物は、まだ存在するアルミニウムアルキルを含むアルミノキサン化合物からのアルミニウムと、モノシクロペンタジエニル錯体A)からの遷移金属との原子比が、1:1〜1000:1の範囲、好ましくは10:1〜500:1、および特に20:1〜400:1の範囲となる量で用いられるのが有用であることを見出した。
さらに、好ましい活性化化合物C)類としては、ヒドロキシアルミノオキサンである。これらは、低い温度で、通常は0℃より低い温度で、アルミニウム当量あたり、0.5〜1.2当量の水、好ましくは0.8〜1.2当量の水を、アルキルアルミニウム化合物、特に、トリイソブチルアルミニウムに添加するなどによって製造できる。オレフィン重合におけるこのような化合物およびそれらの使用は、WO00/24787などに記載されている。ヒドロキシアルミノオキサンからのアルミニウムとモノシクロペンタジエニル錯体A)からの遷移金属の原子比は、通常は1:1〜100:1の範囲、好ましくは10:1〜50:1の範囲、特に20:1〜40:1の範囲である。この場合において、モノシクロペンタジエニル金属ジアルキル化合物A)を用いるのが好ましい。
強い、非電荷ルイス酸としては、式(XII)
Figure 2007513990
(式中、
1C が元素周期表13族の元素を表し、特にB、Al、Ga、好
ましくはBを表し、
1C、X2C、およびX3C がそれぞれ、水素、C1〜C10のアルキル、C6〜C15のアリ
ール、それぞれアルキル基中に1〜10個の炭素原子を有し、
かつアリール基中に6〜20個の炭素原子を有する、アルキル
アリール、アリールアルキル、ハロアルキル、ハロアリール、
フッ素、臭素、塩素、またはヨウ素、特にハロアリール、好ま
しくはペンタフルオロフェニルを表す)の化合物が好ましい。
強い、非電荷ルイス酸のさらなる例は、WO00/31090に記載されている。
成分C)として特に有用であるこの型の化合物は、トリアルキルボラン、トリアリールボラン、またはトリメチルボロキシンなどのボランおよびボロキシンである。少なくとも2個のパーフルオロ化アリール基を有するボランを用いるのが特に好ましい。特に好ましくは、X1C、X2C、X3Cが同一である、好ましくはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである式(XII)の化合物である。
適切な化合物C)は、好ましくは、水、アルコール、フェノール誘導体、チオフェノール誘導体、または、アニリン誘導体と、ハロゲン化、特にパーフルオロ化アルコールおよび特に重要であるフェノールとの、式(XII)のアルミニウムまたはホウ素化合物の反応によって調製される。特に有用な化合物の例としては、ペンタフルオロフェノール、1,1−ビス(ペンタフルオロフェニル)メタノール、および、4−ヒドロキシ−2,2',3,3',4,4',5,5',6,6'−ノナフルオロビフェニルである。式(XII)の化合物とブレンステッド酸との組み合わせの例は、特に、トリメチルアルミニウム/ペンタフルオロフェノール、トリメチルアルミニウム/1−ビス(ペンタフルオロフェニル)メタノール、トリメチルアルミニウム/4−ヒドロキシ−2,2',3,3',4,4',5,5',6,6'−ノナフルオロビフェニル、トリメチルアルミニウム/ペンタフルオロフェノール、および、トリイソブチルアルミニウム/ペンタフルオロフェノール、および、トリメチルアルミニウム/4,4'−ジヒドロキシ−2,2',3,3',5,5',6,6'−オクタフルオロビフェニル水和物である。
式(XII)のさらに好ましいアルミニウムおよびホウ素化合物において、X1CはOH基である。このタイプの化合物の例としては、ボロン酸およびボリン酸、特に、(C652BOHなどのパーフルオロ化アリール基を有するボリン酸である。
また、活性化成分C)として強非電荷ルイス酸は、トリアルキルアルミニウムの2個の等価体とのボロン酸の反応生成物、または、酸性フルオロ化、ペンタフルオロフェノールまたはビス(ペンタフルオロフェニル)ボロン酸など、特に、パーフルオロ化された炭化水素化合物の2個の等価体とのトリアルキルアルミニウムの反応性生物を含む。
ルイス酸カチオンを有するイオン化合物は、好ましくは、式(XIII)
Figure 2007513990
(式中、
2C が元素周期表の1〜16族の元素を表し、
1〜QZ がC1〜C28のアルキル基、C6〜C15のアリール基、それぞれ、アリール基
中に6〜20個の炭素原子を有し、かつアルキル基中に1〜28個の炭素原子
を有する、アルキルアリール基、アリールアルキル基、ハロアルキル基、ハロ
アリール基、置換基としてC1〜C10のアルキル基を有していてもよいC3
10のシクロアルキル基、ハロゲン、C1〜C28のアルコキシ基、シリル基、
またはメルカプチル基などの単独の負電荷基を表し、
a は1〜6の整数であり、
z は0〜5の整数であり、
d はa−zの差に相当し、dは、1より大きい、または1に等しい)のカチオンの塩のような化合物を含む。
特に有用なカチオンは、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、および、カチオン性遷移金属錯体である。特に、トリフェニルメチルカチオン、銀カチオン、および、1,1'−ジメチルフェロセンカチオンを挙げることができる。これらは、配位していない対イオン、特にWO91/09882において記載されているホウ素化合物、好ましくはテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを有しているのが好ましい。
また、配意していないアニオンを有する塩は、アルキルアルミニウムなどのホウ素またはアルミニウム化合物と、水などの2個以上のホウ素またはアルミニウム原子を結合する反応ができる第二化合物、および、トリフェニルクロロメタンなどボロンおよびアルミニウム化合物とともにイオン化されたイオン化合物を形成する第3化合物、または、任意に、塩基、好ましくは、アミン、アニリン誘導体、または窒素複素環などの有機窒素含有塩基とを組合わせることによって、調製することができる。さらに、ペンタフルオロフェノールなどのボロンまたはアルミニウム化合物と同様に反応する第4化合物も添加することができる。
さらに、カチオンとしてブレンステッド酸を含むイオン化合物は、配位していないカウンターイオンを同様に有しているのが好ましい。ブレンステッド酸として、特に好ましくは、プロトン化したアミンまたはアニリン誘導体である。好ましいカチオンは、N,N−ジメチルアルミニウム、N,N−ジメチルシクロヘキシルアンモニウム、および、N,N−ジメチルベンジルアンモニウム、また、後者の2個の誘導体である。
WO9736937において記載されているアニオン性ホウ素複素環を有する化合物、特に、ジメチルアニリニウムボラタベンゼンまたはトリチルボラタベンゼンは、成分C)として好ましい。
好ましいイオン化合物C)は、少なくとも2個のパーフロオロ化アリール基を有するホウ酸塩を含む。特に好ましくは、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、特に、N,N−ジメチルシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルベンジルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、または、トリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレートである。
ジアニオン[(C653B−C64−B(C6532-またはアニオン[(C653B−CN−B(C653-など、2個以上のボレートアニオンおよび/またはボランを他のものに結合させたり、または、ボレートアニオンをボランに結合させることもでき、また、ボレートアニオンは、好ましい官能基を有する架橋基を介して担体表面に結合することもできる。
さらに、好ましい活性化化合物C)は、WO00/31090に記載されている。
強非電荷ルイス酸、ルイス酸カチオンを有するイオン化合物、または、カチオンとしてブレンステッド酸を含むイオン化合物の量は、モノシクロペンタジエニル錯体A)に対して、好ましくは0.1〜20当量、より好ましくは1〜10当量である。
また、好ましい活性化化合物C)としては、ジ[ビス(ペンタフルオロフェニル)ボロキシ]メチルアランなどのホウ素−アルミニウム化合物が挙げられる。このようなホウ素−アルミニウム化合物の例は、WO99/06414において開示されている。
上述した全ての活性化化合物C)の混合物を使用することも可能である。好ましい混合物は、アルミノキサン、特にメチルアルミノキサン、および、イオン化合物、特にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンを含むもの、および/または、強非電荷ルイス酸、特に、トリス(ペンタフルオロフェニルボラン)を含むものである。
モノシクロペンタジエニル錯体A)および活性化化合物C)の双方は、好ましくは溶媒、好ましくは6〜20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素、特に、キシレン、トルエン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、またはこれらの混合物中で用いられる。
さらに、担体B)として同時に使用できる活性化化合物を使用するのは有用である。このような化合物は、ジルコニウムアルコキシドと処理した後、四塩化炭素を用いるなどの塩素化された無機酸化物から得られる。このような化合物の調製は、WO01/41920に記載されている。
さらに、オレフィンの重合に適した少なくとも1個の他の触媒D)と組合わせて本発明のモノシクロペンタジエニル錯体A)を使用することによって、広範な範囲の生成物が達成される。したがって、触媒組成物において、任意の成分D)としてオレフィン重合用に適した1個以上の触媒を使用することができる。有用な触媒D)は、特に、チタンに基づく伝統的なチーグラー・ナッタ触媒、および、酸化クロムに基づく伝統的なフィリップス触媒である。
有用な成分D)は、原則的に、周期表3〜12族の遷移金属の全ての化合物、または、有機基を有し、好ましくはA)および任意にB)および/またはE)の存在下で成分C)と反応後にオレフィン重合用の活性化触媒を形成するランタニドである。これらは、一般的に、少なくとも1個の単座または多座配位子がシグマまたはパイ結合を介して中心原子に結合する化合物である。有用な配位子は、シクロペンタジエニル基を含む配位子およびシクロペンタジエニル基を含まない配位子の双方を含む。オレフィン重合のために適した多くのこのような化合物B)は、Chem.Rev.2000,Vol,100,No.4において記載されている。さらに、多核シクロペンタジエニル複合体もまた、オレフィン重合に適している。
特に好ましい成分D)は、一般的にメタロセン複合体とも言われている少なくとも1個のシクロペンタジエニル配位子を有する化合物である。特に有用なメタロセン複合体は、式(XIV)
Figure 2007513990
(式中、置換基および指数は、下記意味を有する:
1D がチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル
、クロム、モリブデン、もしくはタングステン、または周期表の3族の元
素、および、ランタニドを表し、
D がフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、水素、C1〜C10のアルキル、C2〜C2
0のアルケニル、C6〜C15のアリール、アルキル部中に1〜10個の炭
素原子を有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキル
アリール、−OR6D、または、−NR6D7Dを表し、2個のXD基は、
置換または無置換のジエン配位子、特に1,3−ジエン配位子を形成し、
D基は、同一または異なり、互いに結合していてもよく、
1D〜E5D がそれぞれ炭素、または、1個以上のE1D〜E5Dがリンもしくは窒
素を表し、好ましくは炭素を表し、
t が1、2、または3であり、M1Dの価数によって決定されるものであり
、式(XIV)のメタロセン複合体は非電荷を表し、
ここで、
6DおよびD7DがC1〜C10のアルキル、C6〜C15のアリール、それぞれ、アルキル基
中に1〜10個の炭素原子を有し、かつアリール基に6〜20個の炭素原
子を有するアルキルアリール、アリールアルキル、フルオロアルキル、ま
たはフルオロアリールを表し、
1D〜R5D がそれぞれ互いに独立して、C1〜C22のアルキル、5〜7員環のシクロ
アルキル、または、置換基としてC1〜C10のアルキル基を順に有してい
てもよいシクロアルケニル、C2〜C22のアルケニル、C6〜C22のアリ
ール、アルキル部中に1〜16個の炭素原子を有し、かつアリール部に6
〜21個の炭素原子を有するアリールアルキル、NR8D 2、N(SIR8D
32、OR8D、OSiR8D 3、SiR8D 3を表し、有機基R1D〜R5D
、ハロゲンによって置換されていてもよく、および/または、2個のR1
D〜R5D基特に、隣接する基は、結合して5、6、または7員環の環を形
成していてもよく、および/または、2個の隣接する基R1D〜R5Dは、
結合してN、P、O、およびSよりなる群からの少なくとも1個の原子を
含む5、6、または7員環の複素環を形成していてもよく、ここで、
8D がR8D基は、同じまたは異なっていてもよく、それぞれ、C1〜C10
アルキル、C3〜C10のシクロアルキル、C6〜C15のアリール、C1
4のアルコキシ、または、C6〜C10のアリールオキシを表し、
1D がXD、または、
Figure 2007513990
(式中、
9D〜R13D がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C22のアルキル、置換基として
1〜C10のアルキル基を順に有していてもよい5〜7員環のシクロアル
キルまたはシクロアルケニル、C2〜C22のアルケニル、C6〜C22のア
リール、アルキル部に1〜16個の炭素原子を有し、かつアリール部に6
〜21個の炭素原子を有するアリールアルキル、NR14D 2、N(SiR1
4D 32,OR14D、OSiR14D 3を表し、有機基R9D〜R13Dは、ハロ
ゲンによって置換されていてもよく、および/または、2個のR9D〜R1
3D基は、特に隣接する基は、結合して5、6、または7員環の環を形成
していてもよく、および/または、2個の隣接するR9D〜R13D基は、結
合してN、P、O、およびSよりなる群からの少なくとも1個の原子を含
む5、6、または7員環の複素環を形成していてもよく、
14D は、同じまたは異なり、それぞれ、C1〜C10のアルキル、C3〜C10
シクロアルキル、C6〜C15のアリール、C1〜C4のアルコキシ、または
、C6〜C10のアリールオキシを表し、
6D〜E10D がそれぞれ、炭素、または、1個以上のE6D〜E10Dがリンまたは窒素、
好ましくは炭素を表す)として規定され、
または、R4DおよびZ1Dはともに、−R15D V−A1D−基
(式中、
15D
Figure 2007513990
(ここで、
16D〜R21D が同じまたは異なり、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、トリメチル
シリル基、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のフルオロアルキル基、
6〜C10のフルオロアリール基、C6〜C10のアリール基、C1〜C10
のアルコキシ基、C7〜C15のアルキルアリールオキシ基、C2〜C10
アルケニル基、C7〜C40のアリールアルキル基、C8〜C40のアリール
アルケニル基、もしくはC7〜C40のアルキルアリール基を表し、ある
いは2個の隣接する基は、それらと結合する原子とともに4〜15個の
炭素原子を有する飽和または不飽和環を形成し、
2D〜M4D がそれぞれ、ケイ素、ゲルマニウム、またはスズ、好ましくはケイ素を
表し
1D が、
Figure 2007513990
または、不飽和、飽和、縮合された複素環基であり、(式中、
22D がそれぞれ互いに独立して、C1〜C10のアルキル、C6〜C15のアリー
ル、C3〜C10のシクロアルキル、C7〜C18のアルキルアリール、また
は、Si(R23D3を表し、
23D が水素、C1〜C10のアルキル、置換基としてC1〜C4のアルキル基を
順に有していても良いC6〜C15のアリール基、またはC3〜C10のシク
ロアルキルを表し、
v は1、または、A1Dが、不飽和、飽和、縮合された芳香族環基である場
合には0であってもよい))を形成し、
または、R4DおよびR12D基はともに−R15D−基を形成する)のものである。
1Dは、架橋基R15Dとともに、例えば、アミン、エーテル、チオエーテル、またはホスフィンを形成することができる。しかしながら、A1Dは、環中において、炭素原子に加えて、酸素、硫黄、窒素、およびリンよりなる群からのヘテロ原子を含んでいてもよい、不飽和、飽和、縮合された芳香族複素環式基であってもよい。炭素原子に加えて、環原子として、1〜4個の窒素原子、および/または、硫黄または酸素原子を含んでいてもよい5員環のヘテロアリール基としては、2−フリル、2−チエニル、2−ピロリル、3−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、1,2,4−オキサゾル−3−イル、1,2,4−オキサゾル−5−イル、1,3,4−オキサゾル−2−イル、または、1,2,4−トリアゾール−3−イルが挙げられる。1〜4個の窒素原子および/またはリン原子を含んでいてもよい6員環のヘテロアリール基としては、2−ピリジニル、2−ホスファフェニル、3−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、2−ピラジニル、1,3、5−トリアジン−2−イルおよび1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、および、1,2,4−トリアジン−6−イルである。5員環および6員環のヘテロアリール基は、C1〜C10のアルキル、C6〜C10のアリール、アルキル部中に1〜10個の炭素原子を有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール、トリアルキルシリル、または、フッ素、塩素、もしくは臭素などのハロゲンによって置換されていてもよく、または、1個以上の芳香族化合物または芳香族複素環と縮合されていてもよい。ベンゾ縮合された5員環のヘテロアリール基の例としては、2−インドリル、7−インドリル、2−クマロイル,7−クマロイル,2−チアナフタフェニル、7−チアナフタフェニル、3−インダゾリル、7−インダゾリル,2−ベンズイミダゾリル、および、7−ベンズイミダゾリルである。ベンゾ縮合された5員環のヘテロアリール基の例としては、2−キノリル、8−キノリル、3−シンノリル、8−シンノリル、1−フタラジル、2−キナゾリル、4−キナゾリル、8−キナゾリル、5−キノキサリル、4−acridyl、1−フェナントリジル、および、1−フェナジルなどである。複素環の命名およびナンバリングは、L.FieserおよびM.Fieser,Lehrbuch der organischen Che−mie、第3改定版、Verlag Chemie,Weinheim 1957を用いた。
式(XIV)におけるXD基は、同一、好ましくは、フッ素、塩素、ホウ素、C1〜C7のアルキルまたはアラルキル、特に、塩素、メチル、またはベンジルであるのが好ましい。
このような複合体の合成は、本質的に公知の方法によって、好ましくは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、塩素の塩化物と適切に置換された環式炭化水素アニオンの反応によって行われる。
式(XIV)のメタロセン複合体の中でも、
Figure 2007513990
Figure 2007513990
が好ましい。
式(XIVa)の化合物の中でも、
1D がチタン、バナジウム、またはクロムを表し、
D が塩素、C1〜C4のアルキル、フェニル、アルコキシまたはアリールオキ
シを表し、
t は1または2であり、
1D〜R5D がそれぞれ、水素、C1〜C6のアルキルを表し、または2個の隣接するR
1D〜R5D基が、置換または無置換のベンゾ基を形成しているものが特に好ましい。
式(XIVb)の化合物の中でも、
1D がチタン、ジルコニウム、バナジウム、ハフニウム、またはクロムであり
D がフッ素、塩素、C1〜C4のアルキル、ベンジルを表し、あるいは2個の
D基が、置換または無置換のブタジエン配位子を形成し、
t がクロムの場合には0を表し、その他は1または2、好ましくは2を表し
1D〜R5D がそれぞれ水素、C1〜C8のアルキル、C6〜C8のアリール、NR8D 2
OSiR8D 3、またはSi(R8D)を表し、
9D〜R13D がそれぞれ水素、C1〜C8のアルキルまたはC6〜C8のアリール、NR1
4D 2、OSiR14D 3、またはSi(R14D3を表し、あるいは2個の隣
接するR1D〜R5D基および/またはR9D〜R13DがC5環とともに、イン
デニル、フルオレニル、または、置換されたインデニルもしくはフルオレ
ニル基を形成しているものが好ましい。
シクロペンタジエニル基が同じである式(XIVb)の化合物が特に有用である。
特に有用な式(XIVb)の化合物D)の例としては:
ビス(シクロペンタジエニル)クロム、ビス(インデニル)二塩化チタン、ビス(フルオレニル)二塩化チタン、ビス(テトラヒドロインデニル)二塩化チタン、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、ビス(トリメトキシシリルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、ビス(イソブチルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、ビス(3−ブテニルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、ビス(メチルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、ビス(1−、3−di−tert−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、ビス(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、ビス(tert−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、ビス(フェニルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、ビス(N,N−ジメチルアミノメチルシクロペンタジエニル)−二塩化チタン、ビス(1、3−ジメチルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、ビス(1−メチル−3−n−ブチル−シクロペンタジエニル)二塩化チタン、(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、(シクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、(メチルシクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、(シクロペンタジエニル)(1−メチル−3−n−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化チタン、ビス(シクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム,ビス(エチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム,ビス(tert−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ビス(イソブチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ビス(3−ブテニルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ビス(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ビス(フェニルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ビス(1−n−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ビス(1,3−ditert−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ビス(インデニル)二塩化ジルコニウム、ビス(テトラヒドロインデニル)二塩化ジルコニウム、ビス(フルオレニル)二塩化ジルコニウム、(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、(シクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、(メチルシクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、(シクロペンタジエニル)(1−メチル−3−n−ブチル−シクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ビス(トリメトキシシリルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、および、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、および相当するジメチルジルコニウム化合物が挙げられる。
特に有用な式(XIVc)の化合物は、
15D
Figure 2007513990
を表し、
1D がチタン、ジルコニウム、またはハフニウム、特にジルコニウムを表し、
D が同じまたは異なり、それぞれ塩素、C1〜C4のアルキル、ベンジルフェニル、
またはC7〜C15のアルキルアリールオキシを表すものである。
特に有用な式(XVIc)の化合物は、式(XVIc')
Figure 2007513990
(式中、
R'基は、同一または異なり、それぞれ、水素、C1〜C10のアルキル、C3〜C10のシクロアルキル、好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル、C6〜C20のアリール、好ましくは、フェニル、ナフチル、または、メシチル、C7〜C40のアリールアルキル、好ましくは、4−tert−ブチルフェニル、または、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル、またはC8〜C40のアリールアルケニルを表し、
5DまたはR13Dは、同一または異なり、それぞれ、水素、C1〜C6のアルキル、好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、tert−ブチルを表し、かつ、
環SおよびTは、同一または異なり、飽和、不飽和、または部分飽和されている)のものである。
式(XIVc')のメタロセンのインデニルまたはテトラヒドロインデニル配位子は、好ましくは、2位、2,4位、4,7位、2,4,7位、2,6位、2,4,6位、2,5,6位、2,4,5,6位、または、2,4,5,6,7位、特に2,4位において置換されているのが好ましく、下記のナンバリングが、置換位置に適用される:
Figure 2007513990
さらに、成分D)として、ラセミ体または見掛けのラセミ体において、架橋されたビス−インデニル複合体が用いられるのが好ましい。用語として“見掛けのラセミ体”とは、複合体の他の全ての置換基を無視した場合に、2個のインデニル配位子が互いに対してラセミ配置であることを意味する。
さらに、特に有用な触媒D)(XIVc)および(XIVc')の例としては:
メチレンビス(シクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、メチレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)−二塩化ジルコニウム、メチレンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、メチレンビス(インデニル)二塩化ジルコニウム、メチレンビス(テトラヒドロインデニル)二塩化ジルコニウム、イソプロピルインデンビス(シクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、イソプロピルインデンビス(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、イソプロピルインデンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム;イソプロピルインデンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、イソプロピルインデンビス(3−フェニルシクロペンタンジエニル)二塩化ジルコニウム、イソプロピレンビス(インデニル)二塩化ジルコニウム、イソプロピレンビス(テトラヒドロインデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(インデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)二塩化ジルコニウム、エチレンビス(シクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、エチレンビス(インデニル)二塩化ジルコニウム、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)二塩化ジルコニウム、テトラメチルエチレン−9−フルオレニルシクロペンタジエニル二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウムジメチルシランジイルビス(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(3−tert−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−イソプロピルインデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−tert−ブチルインデニル)二塩化ジルコニウム、ジエチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−イソプロピルインデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−tert−ブチルインデニル)二塩化ジルコニウム、ジエチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)二臭化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(3−メチル−5−メチルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(3−エチル−5−プロピルシクロペンタジエニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−エチルインデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−44,5−ベンズインデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4,5−ベンズインデニル)二塩化ジルコニウム、メチルフェニルシランジイルビス(2−エチル−4,5−ベンズインデニル)二塩化ジルコニウム、メチルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンズインデニル)二塩化ジルコニウム、フェニルメチルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンズインデニル)二塩化ジルコニウム、フェニルメチルシランジイルビス(2−エチル−4,5−ベンズインデニル)二塩化ジルコニウム、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンズインデニル)二塩化ジルコニウム、ジフェニルシランジイルビス(2−エチル−4,5−ベンズインデニル)二塩化ジルコニウム、ジフェニルシランジイルビス(2−メチルインデニル)二塩化ハフニウム、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4−(1−ナフチル)インデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−プロピル−4−(1−ナフチル)インデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−i−ブチル−4−(1−ナフチル)インデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−プロピル−4−(9−フェナントリル)インデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2,7−ジメチル−4−イソプロピルインデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4[p−トリフルオロメチルフェニル]インデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−[3',5'−ジメチルフェニル]インデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)二塩化ジルコニウム、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)−二塩化ジルコニウム、ジメチル−シランジイルビス(2−プロピル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)−二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−イソプロピル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)−二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−n−ブチル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)−二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−ヘキシル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)−二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−フェニルインデニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−(1−ナフチル)インデニル)−(2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)−(2−メチル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)−(2−エチル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)−(2−メチル−4−[3',5'−ビス−tert−ブチルフェニル]インデニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイル(2−イソプロピル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)−(2−メチル−4−[1'−ナフチル]インデニル)二塩化ジルコニウム、および、エチレン(2−イソプロピル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)−(2−メチル−4−[4'−tert−ブチルフェニル]インデニル)二塩化ジルコニウム、および、相当するジメチルジルコニウム、モノクロロモノ(アルキルアリールオキシ)ジルコニウム、および、ジ(アルキルアリールオキシ)ジルコニウム化合物などが挙げられる。複合体は、ラセミ体で用いられるのが好ましい。
このような複合体は、本質的に公知の方法によって、好ましくは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、またはクロムのハロゲンと、適切に置換された環式炭化水素アニオンを反応させることによって合成することができる。適切な合成方法の例は、とりわけ、Journal of Organometallic Chemistry,369(1989),359〜370において記載されている。
特に有用な式(XIVd)の化合物は、
1D がチタンまたはジルコニウム、特にチタンを表し、
D が塩素、C1〜C4のアルキル、またはフェニルを表し、または、2個のXD基は置換または無置換のブタジエン配位子を形成し、
15D
Figure 2007513990
を表し、
1D
Figure 2007513990
を表し、
t は1または2、好ましくは2であり、
1D〜R3DおよびR5D がそれぞれ水素、C1〜C10のアルキル、好ましくはメチル、
3〜C10のシクロアルキル、C6〜C15のアリール、NR8D 2
、またはSi(R8D3を表し、2個の隣接する基は、4〜
12個の炭素原子を有する環式基を形成し、特に好ましくは全
てのR1D〜R3DおよびR5Dがメチル基を表す、ものである。
特に有用な式(XIVd)の複合体D)は、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(フェニルアミノ)二塩化チタン、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(ベンジルアミノ)二塩化チタン、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(tert−ブチルアミノ)二塩化チタン、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(アダマンチル)二塩化チタン、および、ジメチルシランジイル(インデニル)(tert−ブチルアミノ)二塩化チタンである。
特に有用な式(XIVd)の化合物の他の基は、
1D が チタン、バナジウム、またはクロム、好ましくは酸化状態IIIを表し、
D が塩素、C1〜C4のアルキル、またはフェニルを表し、または、2個のXD基は、置換または無置換のブタジエン配位子を形成し、
15D
Figure 2007513990
を表し、
1D が−O−R22D、=NR22D 2、−PR22D 2、無置換、置換または縮合された複素
環基、特に、芳香族複素環基を表し、
v は1であり、または、A1Dが無置換、置換または縮合された複素環基である場合
には0または1であり、
1D〜R3DおよびR5D がそれぞれ水素、C1〜C10のアルキル、C3〜C10のシクロア
ルキル、C6〜C15のアリール、または、Si(R8D3を表し
、2個の隣接する基が4〜12個の炭素原子を有する環式基を
形成する、ものである。
特に好ましい実施形態において、A1Dが、無置換、置換、または縮合された芳香族複素環基であり、M1Dが、クロムである。特に好ましくは、A1Dが、無置換または置換された、例えば、アルキル置換された、特に、8または2位において結合する無置換または置換されたキノリルまたはピリジル、例えば、8−キノリル、8−(2−メチルキノリル)、8−(2,3,4−トリメチルキノリル)、8−(2,3,4,5,6,7−ヘキサメチルキノリル)であり、vが0であり、M1Dがクロムである。このタイプの好ましい触媒D)は、1−(8−キノリル)−2−メチル−4−メチルシクロペンタジエニル二塩化クロム(III)、1−(8−キノリル)−3−イソプロピル−5−メチルシクロペンタジエニル二塩化クロム(III)、1−(8−キノリル)−3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル二塩化クロム(III)、1−(8−キノリル)−2,3,4,5−テトラ−メチルシクロペンタジエニル二塩化クロム(III),1−(8−キノリル)テトラヒドロジエニル二塩化クロム(III)、1−(8−キノリル)インデニル二塩化クロム(III)、1−(8−キノリル)−2−メチルインデニル二塩化クロム(III)、1−(8−キノリル)−2−イソプロピルインデニル二塩化クロム(III)、1−(8−キノリル)−2−エチルインデニル−二塩化クロム(III),1−(8−キノリル)−2−tert−ブチルインデニル二塩化クロム(III)、1−(8−キノリル)ベンズインデニル二塩化クロム(III)、1−(8−キノリル)−2−メチルベンズインデニル二塩化クロム(III)、1−(8−(2−メチルキノリル))−2−メチル−4−メチルシクロペンタジエニル二塩化クロム(III)、1−(8−(2−メチルキノリル))−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル二塩化クロム(III)、1−(8−(2−メチルキノリル))テトラヒドロインデニル二塩化クロム(III)、1−(8−(2−メチルキノリル))インデニル二塩化クロム(III)、1−(8−(2−メチルキノリル))−2−メチルインデニル二塩化クロム(III)、1−(8−(2−メチルキノリル))−2−イソプロピルインデニル二塩化クロム(III)、1−(8−(2−メチルキノリル))−2−エチルインデニル二塩化クロム(III)、1−(8−(2−メチルキノリル))−2−tert−ブチルインデニル二塩化クロム(III)、1−(8−(2−メチルキノリル))ベンズインデニル二塩化クロム(III)、1−(2−ピリジルメチル)インデニル二塩化クロム(III)、または、1−(8−(2−メチルキノリル))−2−メチルベンズインデニル二塩化クロム(III)である。
さらに、調製が容易なため、R15DがCH=CHまたは1,2−フェニレンであり、A1DがNR22Dである化合物、および、R15DがCH2、C(CH32、または、Si(CH32であり、A1Dが無置換もしくは置換された2−もしくは8−キノリルまたは無置換もしくは置換された2−ピリジルであるのが好ましい。
このような官能性シクロペンタジエニル配位子の調製は、以前から知られている。これらの錯化配位子への種々の合成は、例えば、M.Enders等,in Chem. Ber.(1996),129,459〜463、または、P.JutziおよびU.Siemeling in J.Orgmet.Chem.(1995),500,175−185において記載されている。
金属複合体、特にクロム複合体は、金属塩化物などの適切な金属塩を配位子アニオン(例えば、DE−A−19710615の実施例に類似した方法を用いる)と反応させることによる簡易な方法において得ることができる。
さらに、好ましい触媒D)は、窒素および/または硫黄を含む複素環、好ましくは芳香族環とともに、シクロペンタジエニルまたはヘテロシクロペンタジエニルおよび縮合された複素環から形成された少なくとも1個の配位子を有するメタロセンが挙げられる。このような化合物は、WO98/22486などに記載されている。これらは、特に、ジメチルシランジイル(2−メチル−4−フェニルインデニル)(2,5−ジメチル−N−フェニル−4−アザペンタレン)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)二塩化ジルコニウム、ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)二塩化ジルコニウム、ビス(2,5−ジメチル−n−フェニル−4−アザペンタレン)二塩化ジルコニウム、または、(インデニル)(2,5−ジメチル−N−フェニル−4−アザペンタレン)二塩化ジルコニウムである。
さらに好ましい触媒D)は、メタロセン化合物に、例えば、ジルコニウムアルコキシドを用いて処理された後、四塩化炭素によってなど塩素化された無機酸化物などと結合された化合物である。このような化合物の調製は、例えば、WO01/41920において記載されている。
他の好ましい触媒D)は、クロムが構造的特徴として少なくとも1個のイミド基を有するイミドクロム化合物が挙げられる。これらの化合物およびその調製方法は、例えば、WO01/09148に記載されている。
さらに好ましい触媒D)は、三座大環状配位子、特に、置換または無置換の1,3,5−トリアザシクロヘキサン、および、1,4,7−トリアザシクロノナンとの遷移金属複合体を含む。このタイプの触媒の場合、さらに、クロム複合体が同様に好ましい。このタイプの触媒として好ましくは、[1,3,5−トリ(メチル)−1,3,5−[トリアザシクロヘキサン]三塩化クロム、[1,3,5−トリ(エチル)−1,3,5−[トリアザシクロヘキサン]三塩化クロム、[1,3,5−トリ(オクチル)−1,3,5−トリアザシクロヘキサン]三塩化クロム、[1,3,5−トリ(ドデシル)−1,3,5−トリアザシクロヘキサン]三塩化クロム、および、[1,3,5−トリ(ベンジル)−1,3,5−トリアザシクロヘキサン]三塩化クロムである。
さらに好ましい触媒D)は、例えば、式XV〜XIX、
Figure 2007513990
(式中、遷移金属は、Ti、Zr、Hf、Sc、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Pd、Pt、および、希土類金属原子の中から選択される)の少なくとも1個の配位子との遷移金属複合体である。中心金属としてニッケル、鉄、コバルト、またはパラジウムを含む化合物が好ましい。
Fは、元素周期表の15族の元素、好ましくはNまたはPであり、特に好ましくはNである。1分子中の2または3個のEF原子は同一または異なっていてもよい。
配位子化合物XV〜XIX内で同一または異なっていてもよいR1F〜R4F基は、下記の通りである:
1FおよびR4F がそれぞれ互いに独立して炭化水素基または置換された炭化水素基、
好ましくはEF元素に隣接する炭素原子が少なくとも2個の炭素原子に
結合している炭化水素基であり、
2FおよびR3F がそれぞれ互いに独立して水素、炭化水素基または置換された炭化水
素基であり、R2FおよびR3Fはともに1個以上のヘテロ原子が存在し
ていてもよい環基を形成していてもよく、
6FおよびR8F がそれぞれ互いに独立して炭化水素基または置換された炭化水素基で
あり、
5FおよびR9F がそれぞれ互いに独立して、水素、炭化水素基または置換された炭化
水素基であり、
ここで、R6FおよびR5FまたはR8FおよびR9Fは、ともに環基を形成していてもよく、
7F がそれぞれ互いに独立して、水素、炭化水素基または置換された炭化
水素基であり、2個のR7Fはともに環基を形成していてもよく、
10FおよびR14F がそれぞれ互いに独立して、炭化水素基または置換された炭化水素
基であり、
11F、R12F、R12F'、およびR13F がそれぞれ互いに独立して水素、炭化水素基ま
たは置換された炭化水素基であり、2個以上のジェミナルまたは隣接す
るR11F、R12F、R12F'、およびR13Fはともに、環基を形成してい
てもよく、
15FおよびR18F がそれぞれ互いに独立して、水素、炭化水素基、または置換された
炭化水素基であり、
16FおよびR17F がそれぞれ互いに独立して水素、炭化水素基または置換された炭化
水素基であり、
19FおよびR25F がそれぞれ互いに独立して、C2〜C20のアルケニル、C6〜C20
アリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を有し、且つアリール
部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリールであり、2個の
有機基R19FおよびR25Fはハロゲンによって置換されていてもよく
20F〜R24F がそれぞれ互いに独立して水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20
のアルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭
素原子を有し、アリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキル
アリール、またはSiR26F 3であり、有機基R20F〜R24Fは、ハロ
ゲンによって置換されていてもよく、2個の隣接するR20F〜R24
Fは結合して、5または6員環を形成していてもよく、
26F がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C2
0のアルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の
炭素原子を有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するア
ルキルアリールであり、2個のR26F基は、結合して5または6員環
を形成していてもよく、
x は0または1であり、xが0の場合、式(XVI)の複合体は負に帯
電し、および、
y は1〜4、好ましくは2または3の整数である。
特に有用な遷移金属複合体は、中心金属として、Fe、Co、Ni、Pd、または、Ptを有し、式(XV)の配位子を含むものである。特に好ましくは、NiまたはPdのジイミン複合体であり、例えば:
ジ(2,6−ジ−i−プロピルフェニル)−2,3−ジメチルジアザブタジエン二塩化パラジウム、ジ(ジ−i−プロピルフェニル)−2,3−ジメチルジアザブタジエン二塩化ニッケル、ジ(2,6−ジ−i−プロピル−フェニル)ジメチルジアザブタジエンジメチルパラジウム、ジ(2,6−ジ−i−プロピルフェニル)−2,3−ジメチルジアザブタジエンジメチルニッケル、ジ(2,6−ジメチルフェニル)−2,3−ジメチルジアザブタジエン二塩化パラジウム、ジ(2,6−ジメチルフェニル)−2,3−ジメチルジアザブタジエン二塩化ニッケル、ジ(2,6−ジメチルフェニル)−2,3−ジメチルジアザブタジエンジメチルパラジウム、ジ(2,6−ジメチルフェニル)−2,3−ジメチルジアザブタジエンジメチルニッケル、ジ(2−メチルフェニル)−2,3−ジメチルジアザブタジエンジメチル二塩化パラジウム、ジ(2−メチルフェニル)−2,3−ジメチルジアザブタジエン二塩化ニッケル、ジ(2−メチルフェニル)−2,3−ジメチルジアザブタジエンジメチルパラジウム、ジ(2−メチルフェニル)−2,3−ジメチルジアザブタジエンジメチルニッケル、ジフェニル−2,3−ジメチルジアザブタジエン二塩化パラジウム、ジ(2−メチルフェニル)−2,3−ジメチルジアザブタジエン、ジフェニル−2,3−ジメチルジアザブタジエン二塩化ニッケル、ジフェニル−2,3−ジメチルジアザブタジエンジメチルニッケル、ジフェニル−2,3−ジメチルジアザブタジエンジメチルパラジウム、ジフェニル−2,3−ジメチルジアザブタジエンジメチルニッケル、ジ(2,6−ジメチルフェニル)アザナフテン二塩化パラジウム、ジ(2,6−ジメチルフェニル)アザナフテン二塩化ニッケル、ジ(2,6−ジメチルフェニル)アザナフテンジメチルパラジウム、ジ(2,6−ジメチルフェニル)アザナフテンジメチルニッケル、1,1'−ビピリジル二塩化パラジウム、1,1'−ビピリジル二塩化ニッケル、1,1'−ビピリジル(ジメチル)パラジウム、1,1'−ビピリジル(ジメチル)ニッケルである。
また、特に有用な化合物(XIX)は、J.Am.Chem.Soc.120、p.4049ff.(1998)、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1998,849、および、WO98/27124において記載されているものが挙げられる。EFは好ましくは窒素であり、(XIX)においてR19FおよびR25Fが、好ましくは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラニル、o−、m−、p−メチルフェニル、2,3−、2,4−,2,5−、または2,6−ジメチルフェニル、−ジクロロフェニル、または、−ジブロモフェニル、2−クロロ−6−メチルフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−、または、3,4,5−トリメチルフェニル、特に、2,3−、または、2,6−ジメチルフェニル、−ジイソプロピルフェニル、−ジクロロフェニル、または、−ジブロモフェニル、および、2,4,6−トリメチルフェニルである。同時に、R20FおよびR24Fは、好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、ベンジル、または、フェニル、特に、水素またはメチルである。R21FおよびR23Fは、好ましくは、水素であり、R22Fは、好ましくは、水素、メチル、エチル、またはフェニル、特に水素である。遷移金属Fe、Co、またはNi、特にFeと、配位子F−XIXとの複合体が好ましい。特に好ましくは、2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4−ジメチルフェニルイミン)二塩化鉄、2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルフェニルイミン)二塩化鉄、2,6−ジアセチルピリジンビス(2−クロロ−6−メチルフェニルイミン)二塩化鉄、2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミン)二塩化鉄、2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジクロロフェニルイミン)二塩化鉄、2,6−ピリジンジカルボキシアルデヒドビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミン)二塩化鉄、2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4−ジメチルフェニルイミン)二塩化コバルト、2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルフェニルイミン)二塩化コバルト、2,6−ジアセチルピリジンビス(2−クロロ−6−メチルフェニルイミン)二塩化コバルト、2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミン)二塩化コバルト、2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジクロロフェニルイミン)二塩化コバルト、および、2,6−ピリジンジカルボキシアルデヒドビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミン)二塩化コバルトである。
イミノフェノキシド複合体もまた、触媒D)として用いられる。これらの複合体の配位子は、置換または無置換のサリチルアルデヒドおよび1級アミン、特に、置換または無置換のアリールアミンから調製することができる。ボラタベンゼン配位子、ピロールアニオン、または、ホスホリルアニオンなど、π基において1個以上のヘテロ原子とのπ配位子を有する遷移金属複合体もまた触媒D)として用いることができる。
触媒D)としてさらに好ましい複合体としては、二座または三座配位子を有するものが挙げられる。このような配位子において、例えば、エーテル官能基は、アミンまたはアミド官能基と結合し、または、アミドがピリジンなどの芳香族複素環に結合する。
このような成分A)およびD)の組み合わせは、2個のタイプの生成物を調製でき、または、コモノマーをそのまま生じさせることができる。通常、オレフィンの重合のため、少なくとも1個以上の触媒D)、必要であれば、1個以上の活性化化合物C)の存在下で、少なくとも1個のモノシクロペンタジエニル錯体A)を用いるのが好ましい。ここで、A)およびB)の触媒の組み合わせにもとづき、1個以上の活性化化合物C)が有利であり得る。重合触媒D)は、同様に担持され、本発明の触媒A)とともに、同時または任意の順番で使用することができる。例えば、モノシクロペンタジエニル錯体A)および重合触媒D)はともに、担体B)または異なる担体B)に適用することができる。触媒D)として種々の触媒の混合物を使用することもできる。遷移金属錯体A)および重合触媒D)のモル比は、通常は、1:100〜100:1の範囲、好ましくは1:10〜20:1、特に好ましくは1:1〜10:1である。
触媒組成物は、付加的な成分E)として、式(XX)
Figure 2007513990
(式中、
G がLi、Na、K、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、ホウ素、アルミ
ニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、亜鉛、特に、Li、Na、
KMg、ホウ素、アルミニウム、またはZnであり、
1G が水素、C1〜C10のアルキル、C6〜C15のアリール、アルキル部中
に1〜10個の炭素原子を有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原
子を有するアルキルアリールまたはアリールアルキルであり、
2GおよびR3G がそれぞれ水素、ハロゲン、C1〜C10のアルキル、C6〜C15のアリ
ール、アルキル基中に1〜10個の炭素原子を有し、かつアリール基
に6〜20個の炭素原子を有する、アルキルアリール、アリールアル
キル、またはアルコキシ、または、C1〜C10のアルキルもしくはC6
〜C15のアリールを有するアルコキシ、
G は1〜3の整数であり、
GおよびtG は0〜2の整数であり、rG+sG+tGの合計がMGの価数に相当し、
成分E)は成分C)と同一ではない)の金属化合物をさらに含んでいてもよい。また、式(XX)の種々の遷移金属化合物の混合物を使用することも可能である。
式(XX)の金属化合物の中でも、
G がリチウム、マグネシウム、ホウ素、またはアルミニウムであり、
1G がC1〜C20のアルキルである
ものが好ましい。
特に好ましい式(XX)の金属化合物は、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、塩化メチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、塩化ブチルマグネシウム、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、n−ブチル−n−オクチルマグネシウム、n−ブチル−n−ヘプチルマグネシウム、特に、n−ブチル−n−オクチルマグネシウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウム、フッ化ジメチルアルミニウム、二塩化メチルアルミニウム、セスキ塩化メチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、およびこれらの混合物である。アルミニウムアルキルのアルコールとの部分加水分解物もまた使用できる。
金属化合物E)が用いられた場合、触媒組成物において、式(XX)からのMGとモノシクロペンタジエニル化合物A)からの遷移金属とのモル比が、2000:1〜0.1:1、好ましくは800:1〜0.2:1、特に好ましくは100:1〜1:1となる量であるのが好ましい。
通常、さらに式(XX)の金属化合物E)とともに、前記金属化合物または触媒固体の製造において用いられる化合物E)とは異なっていてもよい触媒固体は、オレフィンの重合または共重合用触媒組成物の成分として用いられる。特に触媒固体がいかなる活性成分C)を含まない場合、触媒組成物は、さらなる触媒固体、触媒組成物中に存在する活性化化合物C)とは同一または異なる1個以上の活性化化合物C)を、さらに含んでいてもよい。
本発明の触媒組成物を調製するため、物理吸着によって、または、化学反応、すなわち、担体表面の官能基と成分との共有結合によって、少なくとも1個の成分A)および/またはC)を担体B)上に固定するのが好ましい。担体成分B)、成分A)、および任意の成分C)を結合させる順序は重要ではない。成分A)およびC)は、それぞれ別々に、または、同時に、または、予め混合した状態で、B)に添加してよい。各工程段階後、前記固体は、脂肪族または芳香族炭化水素など、好ましい不活性溶媒を用いて洗浄してもよい。
特に好ましい実施形態において、モノシクロペンタジエニル錯体A)は、好ましい溶媒中で、活性化化合物C)と接触させ、通常は、水溶性の反応生成物、付加化合物、または、混合物を生じる。当該方法において得られた調製物は、次に、前処理されていてもよい担体B)と接触させ、溶媒を完全にまたは部分的に除去する。これは、好ましくは、流動性粉体を含まない形態の固体を生じる。当該工程の産業的な実施は、WO96/00243、WO98/40419、または、WO00/05277において記載されている。さらに、好ましい実施形態では、まず、活性化化合物C)を担体B)に適用した後、この担持活性化化合物をモノシクロペンタジエニル錯体A)と接触させる。
さらに、成分D)は、任意の順序で、成分A)、および、必要であれば、成分B)、成分C)、成分E)と反応させることができる。好ましくは、成分D)は、まず、成分C)と接触させた後、上述の通り、成分A)、成分B)、および任意でさらに成分C)で処理する。他の実施形態においては、触媒固体を上述の通り、成分A)、B)、およびC)から調製し、重合の間、重合開始時または重合前の短時間の間、成分E)と接触させる。好ましくは、まず、E)をα−オレフィンに接触させて重合させ、上述した通り、成分A)、B)、およびC)からなる触媒固体を調製した後、添加する。モノシクロペンタジエニル錯体A)は、重合させるオレフィンと接触させる前または後に、成分C)および/または成分D)と接触させることもできる。オレフィンとの混合前に1個以上の成分C)を使用する予約活性、および、前記混合後に、同一または異なる成分C)および/またはD)のさらなる添加もまた、可能である。予約活性は、通常は、10〜100℃、特に20〜80℃で行われる。
また、触媒組成物は、まず、α−オレフィン、好ましくは、直鎖状のC2〜C10−1−アルケン、特にエチレンまたはプロピレンと予備重合させた後、得られた予備重合触媒固体を実際の重合において使用することができる。予備重合において使用された触媒固体とその上に重合されるモノマーとの質量比は、通常は、1:01〜1:1000の範囲、好ましくは1:1〜1:200である。
さらに、少量のオレフィン、好ましくはα−オレフィン、例えば、ビニルシクロヘキサン、スチレン、またはフェニルジメチルビニルシラン、改質成分として、ワックスまたはオイルなどの帯電防止剤または好ましい不活性化合物を、触媒組成物の調製の間または後に添加剤として添加することもできる。添加剤と遷移金属化合物B)のモル比は、通常は、1:1000〜1000:1、好ましくは1:5〜20:1である。
本発明の触媒組成物は、オレフィンの重合、特にα−オレフィン、すなわち、末端二重結合を有する炭化水素の重合に適している。また、好ましいモノマーは、アクリレート、メタアクリレート、アクリロニトリル等、アクロレイン、エステル、またはアクリル酸もしくはメタアクリル酸のアミド誘導体、または、ビニルアセテートなどのビニルエステルなどの官能化されたオレフィン性不飽和化合物を含む。アリール置換されたα−オレフィンを含む無極性オレフィン化合物が好ましい。特に好ましいα−オレフィンは、直鎖状または分岐状のC2〜C12の1−アルケン、特に、エテン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセンなどの直鎖状のC2〜C10−1−アルケン、または、4−メチル−1−ペンテンなどの分岐状のC2〜C10の1−アルケン、1,3−ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、または、1,7−オクタジエンなどの共役および非共役ジエン、または、スチレンもしくは置換されたスチレンなどのビニル芳香族化合物である。また、種々のα−オレフィンの混合物を重合することも可能である。エテン、プロペン、1−ブテン,1−ペンテン,1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、および1−デセンよりなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンを重合するのが好ましい。
また、好ましいオレフィンは、二重結合が、1個以上の環基を有することができる環構造の一部にあるものが挙げられる。例としては、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン メチルノルボルネン、および、5−エチリジン−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、または、エチルノルボルナジエンなどのジエンなどである。
2個以上のオレフィンの混合物を重合することも可能である。鉄とコバルトの錯体と知られているものに対して、本発明の移金属錯体は、高級α−オレフィンの場合であっても優れた重合活性を示すため、それらの共重合における適合性は、特段の注目に値する。特に本発明の遷移金属錯体は、エテンまたはプロペンの重合または共重合に用いられる。エテンの重合におけるコモノマーとして、C3〜C8のオレフィンまたはノルボルネン、特に1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、および/または1−オクテンを用いるのが好ましい。少なくとも50モル%のエテンを含むモノマー混合物を用いるのが好ましい。プロピレンの重合における好ましいコモノマーは、エテンおよび/またはブテンである。
重合は、オレフィンの重合に用いられる慣習的な反応器中で、バルク法、懸濁法、気相法、または、超臨界媒体法など、公知の方法において行われる。これは、回分式、または、好ましくは1以上の工程において連続的に行われる。管型反応器またはオートクレーブ中での高圧重合工程、溶液工程、懸濁工程、撹拌気相工程、または気相流動床工程は、全て可能である。
重合は、通常、−60〜350℃、0.5〜4000barの圧力下、0.5〜5時間、好ましくは0.5〜3時間の平均滞留時間で、行われる。重合を行うために有利な圧力および時間の範囲はm通常は、重合方法によって決定される。高圧重合工程の場合、1000〜4000bar、特に2000〜3500barの圧力で、高重合温度が一般的に設定される。これらの高圧重合工程のための有用な温度範囲は、200〜320℃、特に220〜290℃である。低圧重合工程の場合、少なくとも重合体の軟化温度よりも少し低い温度が、通常は設定される。これらの重合工程は、好ましくは、50〜180℃、好ましくは70〜120℃で実施される。懸濁重合の場合、重合は、通常は、懸濁
媒体中、好ましくはイソブタンまたは炭化水素の混合物などの不活性炭化水素、あるいは、それら自体の単量体中で実施される。重合温度は、通常は、−20〜115℃の範囲であり、圧力は、通常は、1〜100barの範囲である。懸濁液の固体含有量は、一般的に、10〜80%である。重合は、回分式、例えば、撹拌型オートクレーブ、または、連続式、例えば、管型反応器、好ましくはループ型反応器で実施することができる。US−A3242150およびUS−A3248179において記載されている通りのフィリップスPS法を用いるのが特に好ましい。一般的に、気相重合は、30〜125℃で実施される。
上述した重合方法のうち、気相重合、特に気相流動層反応器、溶液重合、懸濁重合、特にループ型反応器および撹拌層型反応器であるのが特に好ましい。また、気相重合は、循環ガスの一部が、露点以下に冷却され、2相混合物として反応器へと再循環される、凝縮相または超凝縮相中で実施することができる。また、2個の重合相が互いに連結し、重合体がこれらの2個の重合相を交互に数秒で通過する多相反応器も使用することができる。2個の相は、異なる重合条件であってもよい。このような反応器は、WO97/04015において記載されている。例えば、ホスタレン方式など、重合カスケードを形成するために、異なるまたは同一の重合方法を必要により順次に接続することもできる。2個以上の同じまたは異なる方法を用いた並列反応器配列もまた有用である。さらに、水素などのモル比調整剤、または、静電防止剤などの通常の添加剤を重合に使用することができる。
本発明のモノシクロペンタジエニル錯体、および、これを含む触媒組成物は、方法を組合わせることによって調製でき、あるいはそれらの重合活性はこれらの組合わせた方法によって分析できる。
本発明の方法は、オレフィンの重合体を調製することができる。ここで、本発明の説明において用いられている“重合”という用語は、ここでは、重合およびオリゴマー化の双方を包含し、すなわち、56〜10000000の範囲のモル質量を有するオリゴマーおよびポリマーを当該方法によって製造できる。
それらの優れた機械特性によって、本発明の触媒組成物を用いて調製されたオレフィン重合体は、フィルム、ファイバー、および成形体へ特に有用である。
本発明の触媒組成物は、アリール置換基を有しない触媒組成物を用いて得られたものよりも低いモル質量を有するポリマーを与える。さらに、本発明の触媒組成物は、非常に高い活性を示す。
実施例
全ての合成および重合は、保護用の窒素雰囲気下で実施した。
密度[g/cm3]は、ISO1183に従って測定した。
シュタウディンガーインデックス(η)[dl/g]は、130℃、溶媒としてのデカリン中で、automatic Ubbelohde粘土計(Lauda PVS1)を用いて測定した(130℃、デカリン0.001g/mlでのISO1628)。
NMRスペクトルは、Bruker DRX 200(1H:200.13MHz)で測定した。1H−NMRスペクトルにおいて、使用した溶媒の不完全に重水素化された部分のシグナルが内部標準として機能した。全てのシグナルは、適切な文献値に調整した。
質量スペクトルは、Finnigan MAT 8230に記録し、高分解能質量分析計は、Micromass CTD ZAB−2F VH スペクトロメーターで測定した。
表中の略語は以下である:
Cat. 触媒
t(poly) 重合時間
重合体 形成された重合体の量
密度 重合体密度
prod. 1時間あたりに使用した触媒(クロム複合体)mmolにつき得られた
重合体g中の触媒組成物の生産性
ヘキセン 重合中でのヘキセンの存在の有無
実施例1
1.1 2−メチル−3−(トリメチルシリルオキシ)シクロペント−2−エノンの調製
ヘキサメチルジシラザン37.8g(240mmol)を2−メチルシクロペンタン−1,3−ジオン7.8g(70mmol)およびイミダゾール0.29g(4.4mmol)の混合物に添加し、次に、混合物を120℃、2時間、加熱した。混合物を攪拌しながら室温まで冷却させ、全ての揮発成分を蒸留除去した。60〜63℃、3×10-3mbarでの蒸留により、無色液体の2−メチル−3−(トリメチルシリルオキシ)シクロペント−2−エノン12.7g(68mmol、98%)を得た。
NMR1H(200,13MHZ,CDCl3):0.26(9H,s, Me3Si);1.52(3H,s,Me);2.47−2.34(4H,m,CH2).
NMR1H(50,1MHZ,CDCl3):0.0(Me3Si);5.3(Me);25.6(CH2);32.9(CH2);120.1(Calkene);180.9(Calkene-OTMS);205.9(C−O).
1.2 2−メチル−3−(8−キノリル)シクロペント−2−エノンの調製
8−ブロモキノン38.7g(186mmol)およびテトラヒドロフラン250mlの混合物を−80℃まで冷却し、次に、n−ブチルリチウム74.4ml(ヘキサン中2.5M、186mmol)を攪拌しながら添加した。混合物をさらに15分間、攪拌し、2−メチル−3−(トリメチルシリルオキシ)シクロペント−2−エノン49.9g(186mmol)を攪拌しながら添加した。混合物を攪拌しながら室温まで昇温させ、、攪拌をさらに一時間、続けた。次に、反応混合物を、氷40gと塩酸30mlの混合物によって加水分解し、当該方法により得られた混合物を3時間、還流した。混合物を、攪拌しながら室温まで冷却し、アンモニア溶液をpHが12に達するまで添加した。その後、水相を有機相から分離し、前記水相をジエチルエーテルで2回、抽出した。前記有機相を、混合し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、ろ過して溶媒を除去した。当該方法において得られた残留物を、119〜139℃で、2×10-2mbarで蒸留することにより、2−メチル−3−(8−キノリル)シクロペント−2−エノン31.1g(139.3mmol、74.9%)を得た。
NMR1H(200,13 MHZ,CDCl3):1.69(3H,t,Me);2.58(2H,m,CH2);3.12(2H,m,CH2);7.39(1H,dd,H3);7.47−7.60(2H,m,CHquinolyl);7.82(1H,dd,CHquinolyl);8.16(1H,dd,H4);8.87(1H,dd,H2).
MS(EI),m/e(%):223(8)[M+];195(32)[M+−2CH2];180(100)[M+−2CH2−CH3].
1.3 3−ヒドロキシ−2−メチル−3−フェニル−1−(8−キノリル)シクロペンテンの調製
2−メチル−3−(8−キノリル)シクロペント−2−エノン2.4g(10.75mmol)およびテトラヒドロフラン100mlの混合物を−90℃まで冷却し、次に、フェニルリチウム(シクロヘキサン/ジエチルエーテル中、1.8M、12.9mmol)を攪拌しながら添加した。混合物を室温で、さらに一時間、攪拌した後、エチルアセテート1mlを添加した。そして、混合物を攪拌しながら室温まで昇温させ、、10分間、還流させた。その後、水相を有機相から分離し、前記水相をジエチルエーテルで2回、抽出した。前記有機相を、混合し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、ろ過して溶媒を除去した。残留物を、トルエン5ml中に溶解させた後、ヘキサン80mlと混合した。形成した沈殿物を分離し、乾燥させた。これにより、3−ヒドロキシ−2−メチル−3−フェニル−1−(8−キノリル)シクロペンテン1.874g(6.22mmol、収率57.9g)を得た。
NMR1H(200,13MHZ,CDCl3):1.48(3H,m,Me);2.57(2H,m,CH2);2.98(1H,m,CH2);3.2(1H,m,CH2);4.31(1H,s,OH);7.39(1H,dd,H3);7.25−7.81(9H,m,CHquinolyl+phenyl);8.16(1H,dd,H4);8.88(1H,dd,H2).
1.4 2−メチル−3−フェニル−1−(8−キノリル)シクロペンタジエンの調製
水5mlおよび濃塩酸5mlの混合物を、テトラヒドロフラン100ml中の3−ヒドロキシ−2−メチル−3−フェニル−1−(8−キノリル)シクロペンテン1.717g(5.7mmol)に添加した。混合物を室温で90分間、攪拌した後、アンモニア溶液をpHが12に達するまで添加した。その後、水相を、有機相から分離し、前記水相をジエチルエーテルで2回、抽出した。前記有機相を、混合し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、ろ過して溶媒を除去した。当該方法において得られた残留物を、157〜170℃で、2×10-2mbarで蒸留することにより、2−メチル−3−フェニル−1−(8−キノリル)シクロペンタジエン1.12g(3.95mmol、69.3%)を得た。
NMR1H(200,13MHZ,CDCl3):1.2(3H,d,Me);2.01(3H,m,Me);2.10(3H,m,Me);3.65(2H,m,CH2);3.9(2H,m,CH2);4.78(1H,s,CHMe);6.58(1H,m,CpH);6.64(1H,m,CpH);7.01(1H,m,CpH);7.03(1H,m,CpH);7.23−7.87(27H,m,CHquinolyl+phenyl);8.13−8.22(3H,m,H4);8.97−9.05(3H,m,H2).
1.5.(2−メチル−3−フェニル−1−(8−キノリル)シクロペンタジエニル)二塩化クロムの調製
Figure 2007513990
テトラヒドロフラン40ml中、2−メチル−3−フェニル−1−(8−キノリル)シクロペンタジエン1.09g(3.85mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン20ml中、水素化カリウム0.157g(3.85mmol)の懸濁液に添加した。前記添加が完了した後、反応混合物を、室温で6時間、撹拌した後、テトラヒドロフラン50ml中、三塩化クロムトリス(テトラヒドロフラン)1.44g(3.85mmol)の溶液に攪拌しながら添加した。混合物を室温で12時間、撹拌した後、溶媒を分離し、残留物をヘキサンで3回洗浄し、トルエンで3回洗浄した。当該方法において得られた残留物中の可溶性物質を塩化メチレン中で処理し、ろ過した。ろ液を、溶媒除去し、洗浄し、減圧下で乾燥した。これにより、(2−メチル−3−フェニル−1−(8−キノリル)シクロペンタジエニル)二塩化クロム0.969g(2.39mmol)を得た(62%)。
NMR1H(200,13MHZ,CDC13):−53.3(1H,H4);−16.5(1H, H5-7);11.2(3H,Me);14.8(1H,H5);49.4(1H,H3).
MS(EI),m/e(%):404(100)[M+];369(76)[M+−Cl];332;(92)[M+−2HCl];280(48)[M+−2HCl,−Cr].
実施例2
2.1 3−ヒドロキシ−2−メチル−3−(4−ベンゾトリフルオリド)−1−(8−キノリル)シクロペンテンの調製
テトラヒドロフラン80ml中、4−ブロモベンゾトリフルオリド3.51g(15.6mmol)の溶液を−90℃に冷却した後、n−ブチルリチウム6.2ml(ヘキサン中、2.5M、15.6mmol)を攪拌しながら添加した。当該温度で15分間、攪拌した後、テトラヒドロフラン40ml中、2−メチル−3−(8−キノリル)シクロペント−2−エノン(実施例1.2、参照)2.9g(13mmol)の溶液を攪拌しながら添加した。混合物を、当該温度でさらに一時間、攪拌し、エチルアセテート1mlをさらに添加した。その後、混合物を攪拌しながら室温まで昇温させた後、水100mlを添加した。水相を有機相から分離した後、当該水相をジエチルエーテルで2回、抽出した。有機相を、混合し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、ろ過して溶媒を除去した。残留物をトルエン5ml中に溶解させた後、ヘキサン80mlに混合した。形成した沈殿物をろ取し、乾燥させた。これにより、3−ヒドロキシ−2−メチル−3−(4−ベンゾトリフルオリド)−1−(8−キノリル)シクロペンテン2.69g(7.28mmol)を得た。母液を冷却することによって第二分画を得た(1.42g、3.84mmol、全収率:85.4%)。
NMR1H(200,13MHZ,CDC13):1.42(3H,m,Me);2.52(2H,m,CH2);2.98(1H,m,CH2);3.18(1H,m,CH2);4.10(1H,s,OH);7.39(1H,dd,H3);7.56−7.84(7H,m,CHquinolyl+aryl);8.18(1H,dd,H4);8.89(1H,dd,H2).
MS(EI),m/e(%):369(9)[M+];351(100)[M+−H2O];336(12)[M+−H2O−Me];181(72)[M+−H2O−Me−quinolyl−CH2].
2.2 2−メチル−3−(4−ベンゾトリフルオリド)−1−(8−キノリル)シクロペンタジエンの調製
水5mlと濃塩酸5mlとの混合物を、テトラヒドロフラン100ml中、3−ヒドロキシ−2−メチル−3−(4−ベンゾトリフルオリド)−1−(8−キノリル)シクロペンテンの溶液3.61g(9.8mmol)に添加した。混合物を、室温で90分間、撹拌した後、アンモニア溶液をpHが12に達するまで添加した。その後、水相を有機相から分離し、水相をジエチルエーテルで2回、抽出した。有機相を、混合し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、ろ過して溶媒を除去した。当該方法において得られた残留物を、169〜176℃、2×10-2mbarで蒸留して2−メチル−3−(4−ベンゾトリフルオリド)−1−(8−キノリル)シクロペンタジエン2.09g(5.9mmol、60.2%)を得た。
NMR1H(200,13MHZ,CDCl3):1.13(3H,d,Me);1.97(3H,m,Me);2.03(3H,m,Me);3.62(2H,m,CH2);3.87(2H,m,CH2);4.81(1H,q,CHMe);6.59(1H,m,CpH);6.66(1H,m,CpH);7.07(1H,m,CpH);7.26(1H,m,CpH);7.31−7.88(24H,m,CHquinolyl+aryl);8.14−8.24(3H,m,H4);8.93−9.02(3H,m,H2).
MS(El),m/e(%):351(100)[M+];167(72)[M+−F3CC64−C33].
2.3 (2−メチル−3−(4−ベンゾトリフルオリド)−1−(8−キノリル)シクロペンタジエニル)二塩化クロム
Figure 2007513990
テトラヒドロフラン40ml中、2−メチル−3−(4−ベンゾトリフルオリド)−1−(8−キノリル)シクロペンタジエン2.09g(5.95mmol)を、テトラヒドロフラン20ml中、水素化カリウム0.242g(5.95mmol)の懸濁液に添加した。添加が完了した後、反応混合物を、室温で、6時間、攪拌した後、テトラヒドロフラン50ml中、三塩化クロムトリス(テトラヒドロフラン)2.23g(5.95mmol)の溶液に攪拌しながら添加した。混合物を、室温でさらに12時間、攪拌し、溶媒を分離した後、残留物をヘキサンで3回、トルエンで3回、洗浄した。当該方法において得られた残留物を、塩化メチレンで3回、抽出し、ろ取した。混合した塩化メチレン抽出物は、溶媒を除去し、洗浄し、減圧下で乾燥した。これにより、(2−メチル−3−(4−ベンゾトリフルオリド)−1−(8−キノリル)シクロペンタジエニル)二塩化クロム1.58g(3.34mmol)を得た(56.1%)。
NMR1H(200,13MHZ,CDC13):−54.1(1H,H4);−17.1(1H,H5);13.5(3H,Me);14.9(1H,H6);48.8(1H,H3).
MS(El),m/e(%):472(100)[M+];437(82)[M+−Cl];400(49)[M+−2HC1];380(22)[M+−2HCl−Cr−HF];348(23)[M+−2HCl−Cr].
実施例3(比較例)
3.1 2−メチル−3−ペンチル−1−(8−キノリル)シクロペンタジエンの調製
テトラヒドロフラン90ml中、8−ブロモキノリン6.8g(32mmol)の溶液を−90℃に冷却した後、n−ブチルリチウム(ヘキサン中、2.5M、32mmol)12.8mlを攪拌しながら添加した。
当該温度で、15分間、攪拌した後、2−メチル−3−ペンチルシクロペント−2−エノン(ジヒドロイソジャスモン)5.3g(32mmol)を攪拌しながら添加した。混合物を、当該温度でさらに一時間、攪拌した後、室温まで昇温させ、、1時間、還流した。室温まで冷却した後、氷30gおよび濃塩酸30gの混合物を添加し、得られた混合物を2時間、還流した。混合物を、攪拌しながら、室温まで冷却し、pHが12に達するまでアンモニア溶液を添加した。その後、水相を有機相から分離し、水相をジエチルエーテルで2回、抽出した。有機相を、混合し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、ろ過して溶媒を除去した。残留物をトルエン5ml中に溶解させた後、ヘキサン80mlと混合した。形成された沈殿物をろ取し、乾燥させた。当該方法において得られた残留物を、>110℃、1×10-2mbarで蒸留し、2−メチルー3−ペンチル−1−(8−キノリル)シクロペンタジエン2.6gを得た。
3.2 (2−メチル−3−ペンチル−1−(8−キノリル)シクロペンタジエニル)二塩化クロムの調製
Figure 2007513990
テトラヒドロフラン20ml中、2−メチル−3−ペンチル−1−(8−キノリル)シクロペンタジエン0.5g(1.81mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン20ml中、水素化カリウム0.07g(1.81mmol)の懸濁液に添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温で16時間、撹拌し、テトラヒドロフラン20ml中、三塩化クロムトリス(テトラヒドロフラン)0.67g(1.81mmol)の溶液を撹拌しながら添加した。混合物を室温でさらに16時間、撹拌した後、沈殿物をろ取し、ヘキサンで2回、洗浄した。これにより、(2−メチル−3−ペンチル−1−(8−キノリル)シクロペンタジエニル)二塩化クロム0.45g(1.12mmol)を得た(62%)。
実施例4〜7
重合
重合は、接点温度計、テフロン(登録商標)ブレードを有するスターラー、加熱したマントル、および、注入チューブが設置された1L四ツ口フラスコ中、アルゴン下、40℃で実施した。適量のMao(トルエン中、強度溶液10%、表1のCr:Al)を、トルエン250ml中、表1に示す量の適切な複合体の溶液に添加し、水浴上で混合物を40℃に加熱した。
エチレンの単独重合において、エチレンを前記溶液に、常圧で20〜40l/hの流速で通過させた。エチレン/1−ヘキセンの単独重合の場合、エチレンの添加のすぐ前にヘキセン3mlをフラスコ中に設置した後、エチレンを、常圧で、約20〜40l/hの流速で通過させた。残量のヘキセン(6ml)を、滴下漏斗を介して、15秒間にわたって添加した。表1に示す時間の間、エチレンの流れを一定に維持した後、メタノールHCl溶液(メタノール50ml中、濃塩酸15ml)の添加によって重合を停止させた。その後、メタノール250mlを添加し、形成された白色のポリマーをろ取し、メタノールで洗浄し、70℃で乾燥させた。
Figure 2007513990

Claims (13)

  1. 式:Cp−YmA(I)
    (式中、
    Cpはアリール置換基を有するシクロペンタジエニル基を表し、
    Y はCpに結合し、少なくとも1個の周期表15または16族の原子を含む少なくとも
    1個の非荷電ドナーを有する置換基を表し、
    A はチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、
    モリブデン、タングステン、周期表の3族の元素、またはランタニドを表し、
    m 1、2、または3である)
    で表される構造的特徴を含むモノシクロペンタジエニル錯体。
  2. 式:Cp−YmAA n(V)
    (式中、
    Cpはアリール置換基を有するシクロペンタジエニル基を表し、
    Y はCpに結合し、少なくとも1個の周期表15〜16族の原子を含む少なくとも1個
    の非荷電ドナーを有する置換基を表し、
    A はチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、
    モリブデン、タングステン、周期表の3族の元素、またはランタニドを表し、
    m は1、2、または3であり、
    A は、それぞれ互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、水素、C1〜C10のア
    ルキル、C2〜C20のアルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個
    の炭素原子を有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリー
    ル、NR23A24A、OR23A、SR23A、SO323A、OC(O)R23A、CN、S
    CN、β−ジケトネート、CO、BF4 -、PF6 -、または、嵩高い不配位アニオン
    を表し、あるいは2個のXA基が、置換または無置換のジエン配位子、特に1,3-
    ジエン配位子を形成しており、そしてXAは互いに結合していてもよく、
    23A〜R24Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
    有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
    、SiR25A 3を表し、且つ有機基R23A〜R24Aは、複数のハロゲン、ま
    たは複数の窒素および酸素含有基によって置換されていてもよく、R23A
    〜R24Aの2個の基は、結合して5または6員環を形成していてもよく、
    25Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のアルケニ
    ル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を有し、かつアリ
    ール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリールを表し、2個のR25A
    が結合して5または6員環を形成していてもよく、
    n が1、2、または3である)
    で表される請求項1に記載のモノシクロペンタジエニル錯体。
  3. Yが、−Zk−A−基により形成され、シクロペンタジエニル基CpおよびMAとともに式:Cp−Zk−A−MA(II)(式中、
    Cp−Zk−Aが、
    Figure 2007513990
    (式中、
    1A〜E5Aがそれぞれ炭素を表し、あるいはE1A〜E5Aの1個以上がリンを表し、
    1A〜R4Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C22のアルキル基、C2〜C22のア
    ルケニル基、C6〜C22のアリール基、アルキル部中に1〜10基の炭素原
    子を有し、かつアリール基中に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリ
    ール基、NR5A 2、N(SiR5A 32、OR5A、OSiR5A 3、SiR5A 3
    、BR5A 2を表し、且つ有機基R1A〜R4Aはハロゲンによって置換されてい
    ても、R1A〜R4Aの隣接する2個の基は結合して5、6、または7員環を形
    成していてもよく、および/または、R1A〜R4Aの隣接する2個の基は結合
    して、N、P、OまたはSよりなる群からの少なくとも1個の原子を含む5
    、6、または7員複素環を形成していてもよく、そして、少なくとも1個の
    1A〜R4Aは、C6〜C22のアリールを表し、このアリールは、置換基を有
    するN、P、OもしくはS、C1〜C22のアルキル、C2〜C22のアルケニル
    、ハロゲン、または、1〜10個の炭素原子を有するハロアルキルもしくは
    ハロアリールによって置換されていてもよく、
    5A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のアル
    ケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部中に1〜10個の炭素原子を有し
    、かつアリール部中に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール基を表
    し、そして2個のジェミナル基R5Aは結合して5または6員環を形成してい
    てもよく、
    Z が
    Figure 2007513990
    よりなる群から選択されるAおよびCpの間の2価の架橋基を表し、
    1A〜L3A がそれぞれ互いに独立して、ケイ素またはゲルマニウムを表し、
    6A〜R11Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部中に1〜10個の炭素原子を
    有し、かつアリール部中に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
    、またはSiR12A 3を表し、且つ有機基R6A〜R11Aは、ハロゲンによっ
    て置換されていてもよく、2個のジェミナルまたは隣接する基R6A〜R11A
    は、結合して5または6員環を形成していてもよく、
    12A がそれぞれ互いに独立して、ハロゲン、C1〜C20のアルキル、
    2〜C20のアルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部中に1〜10
    個の炭素原子を有し、かつアリール部中に6〜20個の炭素原子を有するア
    ルキルアリール、C1〜C10のアルコキシル、またはC6〜C10のアリール
    オキシを表し、2個のR12A基は、結合して5または6員環を形成していて
    もよく、
    A が元素周期表の15族および/または16族の1個以上の原子を含有する非
    電荷のドナー基、または、カルベン、好ましくは、無置換、置換、または縮
    合された芳香族複素環を表し、
    A が酸化状態3のチタン、バナジウム、クロム、モリブデン、およびタング
    ステンよりなる群から選択される金属を表し、
    K が0または1である)である)より表される構成要素を含むモノシクロペンタジエニル錯体を形成する請求項1または2に記載のものシクロペンタジエニル錯体。
  4. Aが、式(IVa)または(IVb):
    Figure 2007513990
    (式中、
    6A〜E11A がそれぞれ互いに独立して、炭素または窒素を表し、
    16A〜R21A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20
    アルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子
    を有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリー
    ル、またはSiR22A 3を表し、且つ有機基R16A〜R21Aは、ハロゲンま
    たは窒素、さらに、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のアルケニル、C
    6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を有し、かつア
    リール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリールまたはSiR
    22A 3基によって置換されていてもよく、そして2個の隣接する基R16A
    〜R21AまたはR16AおよびZは、結合して、5または6員環を形成して
    いてもよく、
    22A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20
    アルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子
    を有し、かつアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリー
    ルを表し、そして2個の隣接するR22A基は、結合して、5または6員環
    を形成していてもよく、
    p はE6A〜E11Aが窒素の場合には0であり、E6A〜E11Aが炭素の場合に
    は1である)
    の基である請求項1〜3のいずれかに記載のモノシクロペンタジエニル錯体。
  5. −Z−Aおよびアリール置換基が互いに対して1,3−位に位置する請求項3または4に記載のモノシクロペンタジエニル錯体。
  6. A)少なくとも1種の請求項1〜5に記載のモノシクロペンタジエニル錯体、
    B)任意に、有機または無機担体
    C)任意に、1個以上の活性化化合物、
    D)任意に、1個以上のオレフィンの重合に好適な別の触媒、および、
    E)任意に、周期表の1、2または13族の金属を含む1種以上の金属化合物、
    からなるオレフィン重合用触媒組成物。
  7. 請求項6に記載の触媒組成物、および、前記触媒組成物に対して1:0.1〜1:1000の質量比で前記触媒組成物上で重合された1個以上の直鎖状のC2〜C10−1−アルケンを含む予備重合された触媒組成物。
  8. 請求項6または7に記載の触媒組成物を、オレフィンの重合または共重合に使用する方法。
  9. 請求項6または7に記載の触媒組成物の存在下、オレフィンを重合または共重合するポリオレフィンの製造方法。
  10. 式(VIa)
    Figure 2007513990
    (式中、
    12A〜E16Aがそれぞれ炭素を表し、4個の隣接するE12A〜E16Aは共役ジエン基を形
    成し、残りのE12A〜E16Aがさらに水素を有し、
    26A〜R29Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
    有し、アリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール、N
    32A 2、N(SiR32A 32、OR32A、OSiR32A 3、BR32A 2,S
    iR32A 3を表し、且つ有機基R26A〜R29Aは、ハロゲンによって置換さ
    れていてもよく、2個の隣接するR26A〜R29A基は、結合して、5または
    6員環の環を形成していてもよく、および/または、2個の隣接するR26
    A〜R29A基は、結合してN、P、Oまたは、Sよりなる群からの少なくと
    も1個の原子を含む複素環を形成していてもよく、
    30A〜R31Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
    有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
    、またはSiR32A 3を表し、且つ有機基R30A〜R31Aは、ハロゲンによ
    って置換されていてもよく、R30AまたはR31AとAは、結合して、5また
    は6員環の環を形成していてもよく、
    32A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
    有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
    を表し、且つ2個のジェミナル基R32Aは、結合して5または6員環の環
    を形成していてもよく、
    m が0、1、または2であり、
    A が元素周期表の15族および/または16族の1個以上の原子を含有する
    非電荷のドナー基、またはカルベン、好ましくは、無置換、置換、または
    縮合された芳香族複素環を表す)
    のシクロペンタジエン化合物の製造方法であって、
    a)(A−(CR29A30Am-アニオンをシクロペンタジエンまたはエノール化シクロペンタジエンのシリルエーテルと反応させる工程を有することを特徴とする製造方法。
  11. 式(VIb)
    Figure 2007513990
    (式中、
    12A〜E16Aがそれぞれ炭素を表し、4個の隣接するE12A〜E16Aが共役ジエン基を形
    成し、残りのE12A〜E16Aがさらに水素を有し、
    26A〜R28Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
    有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
    またはSiR32A 3を表し、且つ有機基R26A〜R28Aは、ハロゲンによっ
    て置換されていてもよく、2個の隣接する基R27A〜R28Aは、結合して、
    5または6員環を形成していてもよく、および/または、2個の隣接する
    基R27A〜R28Aは、結合してN、P、OまたはSよりなる群からの少なく
    とも1個の原子を含む複素環を形成し、
    30A〜R31Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
    有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
    、SiR32A 3を表し、且つ有機基R30A〜R31Aは、さらに、ハロゲンに
    よって置換されていてもよく、そしてR30AまたはR31AおよびAは、結合
    して、5または6員環の環を形成していてもよく、
    32A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
    有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
    を表し、且つ2個のジェミナル基R32Aは、結合して、5または6員環の
    環を形成していてもよく、
    ArylA がN、P、O、またはS含有基によって置換されていてもよい、フェニル
    、ナフチル、ビフェニル、アントラセニルまたはフェナントレニルなどの
    6〜C22のアリール、C1〜C22のアルキル、C2〜C22のアルケニル、
    ハロゲン、ハロアルキル、または1〜10個の炭素原子を有するハロアリ
    ールを表し、
    m は0または1であり、
    A が無置換、置換、または縮合された芳香族複素環基である)
    で表されるシクロペンタジエン化合物の製造方法であって、
    (A−(CR30A31Am-アニオンを式(VII)
    Figure 2007513990
    のシクロペンテノン化合物と反応させ、式(VIII)
    Figure 2007513990
    のシクロペンテノンを形成する工程a)を有することを特徴とする製造方法。
  12. 式(VIb)
    Figure 2007513990
    (式中、
    12A〜E16Aがそれぞれ炭素を表し、4個の隣接するE12A〜E16Aが共役ジエン基を形
    成し、残りのE12A〜E16Aがさらに水素を有し、
    26A〜R28Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
    有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
    またはSiR32A 3を表し、且つ有機基R26A〜R28Aは、ハロゲンによっ
    て置換されていてもよく、2個の隣接する基R27A〜R28Aは、結合して5
    または6員環を形成していてもよく、および/または、2個の隣接する基
    27A〜R28Aは、結合してN、P、OまたはSよりなる群からの少なくと
    1個の原子を含む複素環を形成し、
    30A〜R31Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
    有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
    、SiR32A 3を表し、且つ有機基R30A〜R31Aは、さらにハロゲン
    によって置換されていてもよく、そしてR30AまたはR31AおよびAは、結
    合して5または6員環の環を形成していてもよく、
    32A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
    有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
    を表し、2個のジェミナル基R32Aは、結合して5または6員環の環を形
    成していてもよく、
    ArylA がN、P、O、またはS含有基によって置換されていてもよい、フェニル
    、ナフチル、ビフェニル、アントラセニル、またはフェナントレニルなど
    のC6〜C22のアリール、C1〜C22のアルキル、C2〜C22のアルケニル
    、ハロゲン、1〜10個の炭素原子を有するハロアルキルまたはハロアリ
    ールを表し、
    m は0または1であり、
    A 無置換、置換、または縮合された芳香族複素環基である)で表されるシクロペンタジエン化合物。
  13. 式(VIII)
    Figure 2007513990
    (式中、
    26A〜R28Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
    有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
    または、SiR32A 3を表し、且つ有機基R26A〜R28Aは、ハロゲンによ
    って置換されていてもよく、2個の隣接する基R27A〜R28Aは、結合して
    5または6員環を形成していてもよく、および/または、2個の隣接する
    基R27A〜R28Aは、結合してN、P、OまたはSよりなる群からの少なく
    とも1個の原子を含む複素環を形成し、
    30A〜R31Aがそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
    有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
    、SiR32A 3を表し、且つ有機基R30A〜R31Aは、さらに、ハロゲンに
    よって置換されていてもよく、そしてR30AまたはR31AおよびAは、結合
    して5または6員環の環を形成していてもよく、
    32A がそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C20のアルキル、C2〜C20のア
    ルケニル、C6〜C20のアリール、アルキル部に1〜10個の炭素原子を
    有し、且つアリール部に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール
    を表し、且つ2個のジェミナル基R32Aは、結合して5または6員環の環
    を形成していてもよく、
    ArylA がN、P、O、またはS含有基によって置換されていてもよい、フェニル
    、ナフチル、ビフェニル、アントラセニル、またはフェナントレニルなど
    のC6〜C22のアリール、C1〜C22のアルキル、C2〜C22のアルケニル
    、ハロゲン、1〜10個の炭素原子を有するハロアルキルまたはハロアリ
    ールを表し、
    m が0または1であり、
    A が無置換、置換、または縮合された芳香族複素環基である)で表されるシクロペンテノン。
JP2006544310A 2003-12-16 2004-12-14 モノシクロペンタジエニル錯体 Pending JP2007513990A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE2003159341 DE10359341A1 (de) 2003-12-16 2003-12-16 Monocyclopentadienylkomplexe
US54336004P 2004-02-10 2004-02-10
PCT/EP2004/014226 WO2005058928A1 (en) 2003-12-16 2004-12-14 Monocyclopentadienyl complexes

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007513990A true JP2007513990A (ja) 2007-05-31

Family

ID=34701991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006544310A Pending JP2007513990A (ja) 2003-12-16 2004-12-14 モノシクロペンタジエニル錯体

Country Status (9)

Country Link
US (1) US7544826B2 (ja)
EP (1) EP1694689B1 (ja)
JP (1) JP2007513990A (ja)
KR (1) KR20060118552A (ja)
AT (1) ATE425172T1 (ja)
BR (1) BRPI0417575A (ja)
DE (1) DE602004019967D1 (ja)
ES (1) ES2321947T3 (ja)
WO (1) WO2005058928A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009517495A (ja) * 2005-12-30 2009-04-30 エルジー・ケム・リミテッド 4族遷移金属化合物を含む触媒組成物およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20060118552A (ko) * 2003-12-16 2006-11-23 바젤 폴리올레핀 게엠베하 모노시클로펜타디에닐 착물
EP1694719A2 (en) * 2003-12-19 2006-08-30 Basell Polyolefine GmbH Monocyclopentadienyl complexes
DE102004061618A1 (de) * 2004-12-17 2006-06-22 Basell Polyolefine Gmbh Monocyclopentadienylkomplexe
KR100999592B1 (ko) * 2007-02-15 2010-12-08 주식회사 엘지화학 새로운 시클로펜타디에닐 리간드를 갖는 4족 전이금속화합물, 이의 제조방법 및 이를 이용한 올레핀계 중합체의제조방법
WO2009124176A1 (en) * 2008-04-02 2009-10-08 Metaprotemics, Llc Substituted 1,3-cyclopentadione attenuated endothelial inflammation and endothelial-monocyte interactions
BR112013010313A2 (pt) 2010-10-28 2016-09-20 Lummus Novolen Technology Gmbh não tecido e fio de polipropileno com aditivo
US9296836B2 (en) 2011-05-12 2016-03-29 Dow Global Technologies Llc Non-cyclopentadienyl-based chromium catalysts for olefin polymerization
KR20180038823A (ko) 2016-10-07 2018-04-17 삼성전자주식회사 유기 금속 전구체, 이를 이용한 막 형성 방법 및 이를 이용한 반도체 장치의 제조 방법
KR102576669B1 (ko) * 2018-12-26 2023-09-11 주식회사 엘지화학 메탈로센 담지 촉매 및 이를 이용한 올레핀계 중합체의 제조방법

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4945160A (en) * 1988-11-22 1990-07-31 Warner-Lambert Company Preparation of certain 7-substituted quinolones

Family Cites Families (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3242150A (en) 1960-03-31 1966-03-22 Phillips Petroleum Co Method and apparatus for the recovery of solid olefin polymer from a continuous path reaction zone
US3248179A (en) 1962-02-26 1966-04-26 Phillips Petroleum Co Method and apparatus for the production of solid polymers of olefins
US3709853A (en) 1971-04-29 1973-01-09 Union Carbide Corp Polymerization of ethylene using supported bis-(cyclopentadienyl)chromium(ii)catalysts
US4015059A (en) 1975-12-29 1977-03-29 Union Carbide Corporation Fused ring catalyst and ethylene polymerization process therewith
WO1991009882A1 (en) 1990-01-02 1991-07-11 Exxon Chemical Patents Inc. Supported ionic metallocene catalysts for olefin polymerization
PL182074B1 (en) 1994-06-24 2001-11-30 Exxon Chemical Patents Inc Catalytic systems for polymerisation processes, their production and application
AU3817595A (en) 1994-10-31 1996-05-23 Dsm N.V. Catalyst composition and process for the polymerization of an olefin
DE19516801A1 (de) 1995-05-08 1996-11-14 Hoechst Ag Organometallverbindung
IT1275573B (it) 1995-07-20 1997-08-07 Spherilene Spa Processo ed apparecchiatura per la pomimerizzazione in fase gas delle alfa-olefine
EP0889911B1 (en) 1996-03-29 2000-11-02 The Dow Chemical Company Metallocene cocatalyst
US6255418B1 (en) 1996-07-30 2001-07-03 Studiengesellschaft Kohle Mbh Catalysts containing organochromium compounds and their use for polymerizing alkenes
DE19630580A1 (de) 1996-07-30 1998-02-05 Studiengesellschaft Kohle Mbh Organochrom-Verbindungen enthaltende Katalysatoren und ihre Verwendung in der Alkenpolymerisation
DE19710615A1 (de) 1997-03-14 1998-09-17 Studiengesellschaft Kohle Mbh Organochrom-Verbindungen enthaltende Katalysatoren und ihre Verwendung in der Alkenpolymerisation
WO1998022486A1 (en) 1996-11-15 1998-05-28 Montell Technology Company B.V. Heterocyclic metallocenes and polymerization catalysts
IL129929A0 (en) 1996-12-17 2000-02-29 Du Pont Polymerization of ethylene with specific iron or cobalt complexes novel pyridinebis (imines) and novel complexes of pyridinebis(imines) with iron and cobalt
US6451938B1 (en) * 1997-02-25 2002-09-17 Exxon Mobil Chemical Patents Inc. Polymerization catalyst system comprising heterocyclic fused cyclopentadienide ligands
CA2262493A1 (en) 1997-03-07 1998-09-17 Targor Gmbh Method for producing olefin polymers with a higher melting point
DE19733017A1 (de) 1997-07-31 1999-02-04 Hoechst Ag Chemische Verbindung
DE19833170A1 (de) 1998-07-23 2000-01-27 Targor Gmbh Verfahren zur Herstellung eines metallhaltigen Trägerkatalysators oder einer Trägerkatalysatorkomponente durch Tränkung einer Trägersubstanz
US6160145A (en) 1998-10-23 2000-12-12 Albemarle Corporation Transition metal compounds having conjugate aluminoxate anions and their use as catalyst components
JP5008794B2 (ja) 1998-11-25 2012-08-22 バーゼル、ポリプロピレン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング メタロセンモノハロゲン化物
DE19858016A1 (de) 1998-12-16 2000-06-21 Basf Ag Neue Metallocenkomplexe
DE19935592A1 (de) 1999-08-02 2001-02-08 Elenac Gmbh Imidochromverbindungen in Katalysatorsystemen für die Olefinpolymerisation
US6437161B1 (en) 1999-08-13 2002-08-20 Basf Aktiengesellschaft Monocyclopentadienyl complexes of chromium, molybdenum or tungsten
US6919412B1 (en) 1999-08-13 2005-07-19 Basell Polyolefine Gmbh Monocyclopentadienyl complexes of chromium, molybdenum or tungsten with a donor bridge
US6548442B1 (en) 1999-12-03 2003-04-15 Phillips Petroleum Company Organometal compound catalyst
US6723675B1 (en) 2000-05-25 2004-04-20 Univation Technologies, Llc Catalyst for the production of olefin polymers
DE10028432A1 (de) 2000-06-13 2001-12-20 Basell Polyolefine Gmbh Auf calciniertes Hydrotalcit geträgerter Katalysatorfeststoff zur Olefinpolymerisation
DE10145453A1 (de) * 2001-09-14 2003-06-05 Basell Polyolefine Gmbh Monocyclopentadienylkomplexe mit einem kondensierten Heterocyclus
WO2004056481A1 (en) * 2002-12-20 2004-07-08 Basell Polyolefine Gmbh Monocyclopentadienyl complexes
KR20060118552A (ko) * 2003-12-16 2006-11-23 바젤 폴리올레핀 게엠베하 모노시클로펜타디에닐 착물
EP1694719A2 (en) * 2003-12-19 2006-08-30 Basell Polyolefine GmbH Monocyclopentadienyl complexes
DE102004020524A1 (de) * 2004-04-26 2005-11-10 Basell Polyolefine Gmbh Polyethylen und Katalysatorzusammensetzung zu dessen Herstellung
DE102004039877A1 (de) * 2004-08-17 2006-02-23 Basell Polyolefine Gmbh Silylhalogenidsubstituierte Cyclopentadienylkomplexe der Gruppe 6

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4945160A (en) * 1988-11-22 1990-07-31 Warner-Lambert Company Preparation of certain 7-substituted quinolones

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009517495A (ja) * 2005-12-30 2009-04-30 エルジー・ケム・リミテッド 4族遷移金属化合物を含む触媒組成物およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
BRPI0417575A (pt) 2007-03-20
KR20060118552A (ko) 2006-11-23
WO2005058928A1 (en) 2005-06-30
ATE425172T1 (de) 2009-03-15
DE602004019967D1 (de) 2009-04-23
ES2321947T3 (es) 2009-06-15
US20070213484A1 (en) 2007-09-13
EP1694689B1 (en) 2009-03-11
EP1694689A1 (en) 2006-08-30
US7544826B2 (en) 2009-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7973114B2 (en) Monocyclopentadienyl complexes
EP1824888B1 (en) Monocyclopentadienyl complexes
JP4249619B2 (ja) 縮合ヘテロ環を含むモノシクロペンタジエニル錯体
US7544826B2 (en) Monocyclopentadienyl complexes
US7541481B2 (en) Monocyclopentadienyl complex
US7795167B2 (en) Cyclopentadienyl complexes of group 6 substituted by silyl halides
US7629464B2 (en) Monocyclopentadienyl complexes
JP2005536566A (ja) モノシクロペンタジエニル錯体
JP5111360B2 (ja) モノシクロペンタジエニル錯体
DE60303959T2 (de) Monocyclopentadienylkomplexe
DE10261109A1 (de) Monocyclopentadienylkomplexe

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071023

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100914

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110308