JP2007513288A - スターリングエンジンアセンブリ - Google Patents

Abstract

全体として円筒形のヘッド（１）を有するスターリングエンジンからなるスターリングエンジンアセンブリ。環状バーナー（４）がヘッドを包囲し、バーナーとヘッドとの間で燃焼チャンバーを画定する。バーナーとヘッドとの間の環状シール（７）が燃焼ガスのシールを提供する。熱電対ハウジング（９）はヘッドと熱接触し、燃焼チャンバーからシールされる。熱電対ハウジングは燃焼チャンバーから出て延び、熱電対ハウジングと燃焼チャンバーとの間のインタフェースはシールされる。熱電対ハウジングは燃焼チャンバーの外側に開口を有する。熱電対ハウジング内の熱電対（１８）は、ヘッドに隣接する位置から延び、熱電対ハウジングの開口から出る。
【選択図】 図１

Description

本発明は、スターリングエンジンアセンブリに関する。

実質的に円筒形のヒータヘッドを取り囲むスターリングエンジンバーナーを有し、熱伝導フィンを備えることがあるスターリングエンジンが知られている。一部用途では、材料劣化が発生しないよう、温度が安全なレベルに保たれていることを確認するためにヘッドの金属温度を監視することが望ましい。過剰な金属温度は金属の酸化を加速し、ろう付けフィンを有するスターリングエンジンの場合は、ヘッドにフィンを固定するろうが劣化する傾向がある。この劣化によって、バーナーガスからスターリングエンジンへの熱伝導効率が下がり、その結果エンジン効率が下がることになる。さらに、通常の運転では、ヒータヘッドの表面温度はヒータヘッド内のガスに伝達される熱量に直接関連するため、生成されるパワー出力に関連する。そのため、ヒータヘッドの金属温度をエンジン制御パラメータとして用いることができる。それを可能にするには、金属温度の正確な測定が必要となる。

バーナー領域内における厳しい環境に起因して、低コスト温度センサの予想耐用年数は限られている（約３年と予想される）。そのため、エンジン／バーナーアセンブリの寿命期間（約１０年）に交換なしに耐え得るように設計されたセンサは、信頼性が高く、尚且つ高コスト設計である必要がある。このようなセンサは、自家用コジェネレーション（ＤＣＨＰ）システムにとっては採用できない程に高価に過ぎる。

スターリングエンジンの加熱されたヘッドは、バーナーアセンブリによって完全に包囲されるが、それは通常は関連する復熱装置を含む。このアセンブリは、この領域へのアクセスが不可能なよう、有害な燃焼ガスの機器内への漏洩を防ぐためシールされたままでなければならない。

スターリングエンジンヘッドの温度の測定に熱電対を利用することは、例えばＧＢ１３３２７６７、ＧＢ２０４６４４０、ＵＳ４,２３１,２２２およびＵＳ４,８８１,３７２における従来技術において周知である。しかしながら、これら設計はすべて、作動流体が伝熱管を通過するスターリングエンジンに関連し、本発明のように環状バーナーによって円筒形ヘッドを包囲されたスターリングエンジンには関連しない。

ＵＳ６,３８１,９５８は、ヘッドの温度を監視するために熱電対を利用する円筒形ヘッドを有するスターリングエンジンを開示する。しかしながらこの場合、バーナーはエンジンヘッドの上に位置し、ヘッドの頂部に向かって下方に燃焼する。そのため、エンジンのドーム形ヘッドは最も温度の高い部分である一方、ドームを囲む円筒形の壁はヘッドから離れてすぐに十分低温となる。ＵＳ６，３８１,９５８では、熱電対からのリード線は燃焼チャンバーの底端で露出する。この設計は、燃焼チャンバーがこの時点でまだ非常に高温であるため、環状バーナーに包囲された円筒形ヘッドには適切でない。さらに、ＵＳ６，３８１,９５８は、熱電対を取り外しているか否か、どのように取り外すかについて何ら示していない。

そのため、本発明は、バーナーを出る最高温ガスの経路に直接あることに関連する高温に耐えるだけ堅牢で、メンテナンス中に容易に取り外し、または交換できる、環状バーナーに包囲された全体として円筒形のヘッドを有するスターリングエンジンの提供を目的とする。

本発明によると、スターリングエンジンアセンブリは、全体として円筒形のヘッドを有するスターリングエンジンと、ヘッドを包囲し、バーナーとヘッドとの間に燃焼チャンバーを限定する環状バーナーと、燃焼ガスをシールするバーナーとヘッドとの間の環状シールと、ヘッドと熱伝導接触(thermal contact) し、燃焼チャンバーからシールされた熱電対ハウジングであって、該熱電対ハウジングは燃焼チャンバーから延び、該熱電対ハウジングと燃焼チャンバーとの間のインタフェースはシールされており、該熱電対ハウジングは燃焼チャンバーの外側に開口を有する、熱電対ハウジング、およびヘッドに隣接する箇所から熱電対ハウジング内の開口を出て延びる熱電対ハウジング内の熱電対とを備える。

燃焼チャンバーに対してシールされ、燃焼チャンバーの外に開口する熱電対ハウジングを設けることにより、熱電対ハウジングに容易にアクセスできるようになり、ルーチンのメンテナンスにおいて熱電対を簡単に交換できる。また、熱電対は全体として燃焼チャンバー内でハウジングによって遮蔽されているため、環状バーナーを出る高温のガスの経路に直接位置するにも係わらず、機能することができる。

スターリングエンジンは、ヘッドを囲む複数列のフィンを有するのが望ましい。この場合、少なくとも１列にはオリフィスを設け、熱電対ハウジングがその中を通過できるようにするのが望ましい。このオリフィスは、エンジンヘッドに隣接して位置し、ハウジングがヘッドに隣接する少なくとも１個のフィンを通過できるようにするのが望ましい。

環状プレートは、バーナーの下でヘッドを包囲し、ヘッドに対してシールされ、熱電対ハウジングがプレートを通って延び、プレートにろう付けされて、燃焼ガスをシールするのが望ましい。熱電対ハウジングが断熱材を通って延び、バーナーとプレートとの間も断熱されるのが望ましい。熱電対は、例えば、熱電対が中を延び、保持されるキャップなど多数の方法によってハウジング内に保持することができる。しかしながら、熱電対はばねクリップによってハウジングに保持されることが望ましい。

本発明によるスターリングエンジンアセンブリの例を、添付の図面を参照して以下に説明する。

多くの点で、スターリングエンジンは例えばPCT/GB03/00208のように従来技術として知られる。このエンジンは、ヘッドの内面を包囲する複数の内部フィン２を持つヘッド１と、ヘッドの外側を包囲する複数列のフィン３とからなる。これらのフィンは全体として切断された円錐台構成で、ヘッドの主軸に沿って配置される。フィンは、環状バーナー４によって包囲される。バーナーへのガスは、燃焼ガス入口経路５に沿って供給され、排気ガスがヘッド１の頂部の辺りを通過し、排気ダクト６から出るようになっている。フィン３とバーナー４の下には、燃焼ガスが大気へ逃げるのを防ぐため環状シールアセンブリ７を設ける。シールアセンブリは、先願のWO03/098025の主題を形成する。断熱材８のブロックは全体としてバーナー４とシール７との間に位置し、シール７を燃焼チャンバーの高温燃焼ガスから断熱する。

ステンレススチール製で閉じた上端１０を有する熱電対ハウジング９は、フィン３の最上列の真下でエンジンヘッド１と接する位置から残りの列全てを通って下に延び、その後、エンジンから離れて断熱材８を通り下向きかつ外向きに延びる。熱電対ハウジング９は断熱材８を通って延び、エンジンシールプレート１３を通って延び、エンジンシールプレート１３にろう付けされる。

製造を容易にするため、スターリングエンジンのヒータヘッドケーシングを上下部分で構築し、フィン領域の下部で溶接接合することもできる。この場合、上側管がヘッドにろう付けされ、フィンのすぐ下に延びるツーピース設計の熱電対ハウジングが望ましい。これにより、下側ハウジング管を、シールプレート１３の孔を通って上向きに延びる上側ハウジングに押し付ける前に、上下ヘッド部分を結合する溶接工程のためのアクセスが可能になる。燃焼ガスが上下管間の接合部を通ってハウジングに入る可能性があるため、熱電対要素がハウジングに入るより下方の端部にシールを設置する必要がある。シールのためのガスケットが付いた、例えばネジ山あるいは差込取り付け具等を持つ適切なエンドキャップがこの目的に適う。燃焼ガスの漏れを防ぐため、下側ハウジングがフランジを通過する部分にはガスケット等のシールも必要である。

熱電対エレメント１８は、ヘッドと熱接触する端部１０から熱電対ハウジング９に沿ってその全長に亘って延び、対向端で抜け出る。

熱電対１８は図１の一部として、また図１に斜視図として別に示すばねクリップ２０によって位置に保持される。ばねクリップは、熱電対ハウジング９の開放端の環状リップ２２が抜けて嵌る大きさの第１のオリフィス２１を有する。オリフィス２１は、ハウジングの長手軸に垂直な方向で熱電対ハウジング９の端部に嵌合される。一旦嵌められると、クリップはねじれ、リップ２２を過ぎることはできなくなる。ばねクリップ２０の第１オリフィス２１と対向する側の第２オリフィス２３は、熱電対１８を受ける。クリップの自然なバネ作用によって熱電対要素がその場に保持される。熱電対１８を交換するためばねクリップを外すには、クリップの２個の側面を圧縮して要素を解放する。

実際には、２個の独立したセンサ（過熱および制御用）が必要であるため、ヘッドの下で終結するこのような第２の熱電対ハウジング９を、（図２に示すような）第１のハウジングに近接して設ける。

装置を組み立てるには、２個の熱電対ハウジング９を位置にろう付けする。伝熱フィン３の各列に（一番上の列を除いて）、熱電対ハウジン１０を収容するための切り欠き部分を設ける。フィンは、例えばステンレススチール、インコネルまたはアルミニウム青銅である。これらをヘッド１上に設置し、そこでろう付けする。これは、フィンの内面をろう化合物で「濡らす」か、設置前にエアガンを用いてスラリーでコーティングすることによって行うことができる。あるいは、ろう付け化合物の予め成形した「ワッシャ」をフィンと加熱ヘッドとの間に設置する。特定のろう化合物に適した温度まで加熱すると、最適伝熱特性を持つ均一なろう付け接合部が形成される。切り欠き部分はフィンを位置にろう付けする前、または隣接する列間のずれを避けるために後で形成することができる。熱電対ハウジングを設置したら、断熱ブロックを取り付け、熱電対ハウジング９を収容するための適切な凹部を持たせる。

あるいは、熱電対ハウジング１０およびフィン３は、１回の動作でろう付けすることができる。シールプレート１３も同時にろう付けすることができる。この動作には、内部銅製フィン２のろう付けを含むことができる。そのためには、構成部品は組み立てジグ内で揃えて、構成部品を必要温度まで加熱する前に正しく位置を合わせるようにし、これにより１回の工程で全ての接合部を形成するようにする。

別の設計を図２および図３に示すが、同様の構成部品には同じ参照番号を付与する。図２は、図１に関して参照したが図示しない２個の熱電対ハウジング９、９Ａを示す。

スターリングエンジンヘッドの/右側の断面図である。 エンジンヘッドの模式的斜視図である。

Claims (8)

1. 全体として円筒形のヘッドを有するスターリングエンジンと、
   前記ヘッドを囲み、バーナーとヘッドの間に燃焼チャンバーを区画する環状バーナーと、
   前記バーナーとヘッドとの間で燃焼ガスをシールする環状シールと、
   前記ヘッドと熱伝導接触(thermal contact)し、前記燃焼チャンバーからシールされた熱電対ハウジングであって、前記熱電対ハウジングは前記燃焼チャンバーから延出し、前記熱電対ハウジングと前記燃焼チャンバーとの間のインタフェースはシールされており、前記熱電対ハウジングは前記燃焼チャンバーの外側に開口部を有しており、前記熱電対ハウジング内の熱電対は、前記熱電対ハウジング中を前記ヘッドに隣接する位置から前記開口の外に延出している、熱電対ハウジング、
   を備えるスターリングエンジンアセンブリ。
2. スターリングエンジンは、前記ヘッドを囲む複数列のフィンを有する、請求項１に記載のスターリングエンジンアセンブリ。
3. 少なくとも１列のフィンには、前記熱電対ハウジングが通過できるようにオリフィスが設けられている、請求項２に記載のスターリングエンジンアセンブリ。
4. 前記ハウジングが、前記ヘッドと隣接する少なくとも１つのフィンを通過できるように、前記オリフィスは前記エンジンヘッドに隣接した位置に設けてある、請求項３に記載のスターリングエンジンアセンブリ。
5. 環状プレートが前記バーナーの下で前記ヘッドを囲んで、尚且つ前記ヘッドに対してシールされており、前記熱電対ハウジングが前記プレートを通って延び、尚且つ前記プレートにろう付けされることで燃焼ガスをシールする、請求項１〜４のいずれか１項に記載のスターリングエンジンアセンブリ。
6. 前記バーナーと前記プレートとの間に断熱材が設けられており、前記熱電対ハウジングは前記断熱材を通って延びる、請求項５に記載のスターリングエンジンアセンブリ。
7. 前記熱電対は熱電対ハウジング内にばねクリップによって保持される、請求項１〜６のいずれか１項に記載のスターリングエンジン。
8. 前記ヘッドと熱伝導接触(thermal contact)し、前記燃焼チャンバーからシールされた第２の熱電対ハウジングをさらに含み、前記第２の熱電対ハウジングは第２の燃焼チャンバーから延び、前記第２の熱電対ハウジングと燃焼チャンバーとの間のインタフェースはシールされており、前記第２の熱電対ハウジングは前記燃焼チャンバーの外に開口部を有しており、第２の熱電対は前記第２の熱電対ハウジング中を前記ヘッドと隣接する位置から前記開口部の外に延びている、
   請求項１〜７のいずれか１項に記載のスターリングエンジン。

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