JP2548392Y2 - 熱機器における伝熱管温度検出器の取付構造 - Google Patents

熱機器における伝熱管温度検出器の取付構造

Info

Publication number
JP2548392Y2
JP2548392Y2 JP1992072168U JP7216892U JP2548392Y2 JP 2548392 Y2 JP2548392 Y2 JP 2548392Y2 JP 1992072168 U JP1992072168 U JP 1992072168U JP 7216892 U JP7216892 U JP 7216892U JP 2548392 Y2 JP2548392 Y2 JP 2548392Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
transfer tube
temperature
mounting
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1992072168U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0628669U (ja
Inventor
茂広 渡辺
和弘 池田
Original Assignee
三浦工業 株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三浦工業 株式会社 filed Critical 三浦工業 株式会社
Priority to JP1992072168U priority Critical patent/JP2548392Y2/ja
Publication of JPH0628669U publication Critical patent/JPH0628669U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2548392Y2 publication Critical patent/JP2548392Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、ボイラ,熱交換器等
の熱機器における伝熱管温度を検出する温度検出器の取
付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ボイラ,熱交換器等の伝熱管
の過熱防止,温度制御あるいは伝熱管内のスケール付着
の検出等を目的として、伝熱管に熱電対,サーミスタ等
の測温センサを取付け、これにより伝熱管の温度を検出
する方法が採用され、種々の取付構造が提案されてい
る。
【0003】このような測温センサの取付方法として
は、図8に示す如く、伝熱管(1) の肉厚内に非加熱側領
域Bから有底孔(2) を穿設し、この有底孔(2) 内に測温
センサ(3) を嵌挿する方法、即ち、伝熱管直接取付方法
が行われている。しかしこのような伝熱管直接取付方法
においては、測温センサ(3) の嵌挿部、即ち、伝熱管
(1) の肉厚部が曲面をなしているため、測温センサ(3)
を嵌挿するための有底孔(2) を穿設するには高度な技術
を必要とすることはもちろん、非加熱側領域Bから穿設
する有底孔(2) の深さには限度があり、測温箇所を自由
に選定することができないと云う問題があり、特に、圧
力容器であるボイラの伝熱管に有底孔(2) を穿設してい
るため、伝熱管の肉厚が局部的に薄くなり、その強度が
低下すると共に、腐食等により破損をきたす危険が大で
あると云った問題もあった。
【0004】
【考案が解決するための課題】この考案は、前記問題点
に鑑みてなされたもので、伝熱管の温度測定を確実に行
うことができ、加工,取付けが容易で、かつ、確実であ
り、しかも圧力容器であるボイラにおける伝熱管として
充分な強度を保持することができるようにしたものであ
り、更にメンテナンス性の向上を図るようにしたもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この考案は、前記課題を
解決するためになされたもので、複数の伝熱管をスペー
サによって連結した伝熱管列により熱機器の加熱側領域
Aと非加熱側領域Bとに区画し、前記伝熱管列を構成す
伝熱管の温度を検出するための温度検出器において、
前記スペーサを貫通して先端部を前記加熱側領域A内の
管壁温度測定箇所まで延在させ、かつ基端部を非加熱側
領域B内に露出させるように略弓形の取付台座(30)を伝
熱管(1) の外周面に固定し、前記取付台座(30)は前記外
周面と接する取付面に、その長手方向の基端側から先端
側に向けて、且つ、この取付面の先端側一部を残して形
成した溝部(31)を有し、この溝部(31)の終端部(32)を前
記取付面に向けて順次縮寸する形状とすると共に、測温
センサ(3) を前記外周面に固定された前記取付台座(30)
の溝部(31)内に前記非加熱側領域Bから挿入して前記外
周面に密着設置したことを特徴としている。
【0006】
【作用】この考案によれば、測温センサの取付台座に形
成した溝部の終端部を徐々に縮寸した形状にすると共に
測温センサを前記伝熱管の外周面に固定された取付台座
の溝部内に非加熱側領域から挿入する構成としたことに
より、測温センサの取付に際して、非加熱側領域から
付台座の溝部内に挿入するだけで、センサ先端の測温部
伝熱管に密着設置され
【0007】
【実施例】以下、この考案に係る熱機器における伝熱管
温度検出器の取付構造の具体的実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。この考案は、熱機器の伝熱管の配置構
造によってその取付け要領の差異が生じるが、図1〜3
に示す第1実施例では、従来からある円筒形状の缶体構
造を有するボイラ,図4〜7に示す第2実施例では、近
年開発された所謂角型形状の缶体構造を有するボイラに
適用した場合について説明する。
【0008】図1〜3において、円筒形状の缶体(10)
は、周知のように環状に形成した上部管寄せ(11)及び下
部管寄せ(12)を多数の垂直伝熱管で連結することによ
り、これら垂直伝熱管を半径方向に間隔をおいた内外2
個の環状伝熱管列(13),(14) として配列し、該内外両環
状伝熱管列(13),(14) の各垂直伝熱管をそれぞれ内側ス
ペーサ(15)および外側スペーサ(16)によって連結し、前
記内側環状伝熱管列(13)と前記外側環状伝熱管列(14)と
の間に燃焼ガス通路(17)を形成し、前記内側環状伝熱管
列(13)に垂直伝熱管の全長に亘る第1開口部(18)を設
けて燃焼室(19)と前記燃焼ガス通路(17)とを連通させ、
前記外側環状伝熱管列(14)に垂直伝熱管の全長に亘る第
2開口部(20)を設けて前記燃焼ガス通路(17)と煙道(21)
とを連通させた構造となっている。
【0009】外側環状伝熱管列(14)を形成している垂直
伝熱管の温度を測定する熱電対あるいはサーミスタ等か
らなる測温センサ(3) の保護部材あるいは保持部材とし
ての機能を有する取付台座(30)は、前記外側スペーサ(1
6)を貫通して加熱側領域、即ち、燃焼ガス通路(17)内か
ら、非加熱側領域、即ち、水冷壁である外側環状伝熱管
列(14)(外側スペーサ(16))の外側に亘って設けられて
いる。
【0010】この取付台座(30)の先端部(33)は、燃焼ガ
ス通路(17)内において、外側環状伝熱管列(14)を形成し
ている外側伝熱管の表面における管壁温度の測定箇所
(符号省略)まで延在している。この先端部(33)が延在
する管壁温度の測定箇所としては、外側伝熱管の管壁温
度の測定に当たって、外側伝熱管の管壁温度を効率的、
かつ確実に測定するために、燃焼ガス通路(17)内におい
て外側伝熱管の熱交換が最も多く行われ、伝熱量が多く
外側伝熱管の管壁温度が高温となる部分であり、具体的
には燃焼ガス通路(17)内において、外側伝熱管の両側の
外側スペーサ(16)を結ぶ線を底辺とした場合の外側伝熱
管の頂点近傍位置が効果的である。
【0011】また、取付台座(30)の基端部(34)は、先端
部(33)から外側伝熱管の表面に沿った状態で延伸し、非
加熱側領域である外側スペーサ(16)の外側に露出してい
る。従って、取付台座(30)は、その先端部(33)から基端
部(34)に至る長さが比較的短小で、外側伝熱管の表面の
曲面に対応して実質上弓形をなしている。
【0012】そして、取付台座(30)には、図3(A)(B)
(C) に示すように、前記伝熱管(1) の外周面への取付面
に長手方向の一部を残して溝部(31)を形成してある。こ
の溝部(31)は、取付面の取付台座基端部(34)側に隣接す
る端面から、対向する端面(取付台座先端部(33)側)に
向けて形成されており、この取付面の取付台座先端部(3
3)側は、この側の端面に所定距離を残した位置をこの溝
部(31)の形成終端部(32)とし、終端部(32)近傍での溝部
(31)の寸法は順次、浅くなるように設定してある。即
ち、この溝部(31)は、前記取付台座(30)の長手方向一端
から他端に向けて前記測温センサ(3) を収容しうる寸法
(深さ及び幅)にて形成し、この溝部(31)の終端部(32)
近傍においては、前記測温センサ(3) が緊密に収容され
る寸法にまで徐々に縮寸した形状としてある。尚、前記
取付台座(30)は、湾曲した内面、即ち、取付面の略全面
でもって伝熱管(1) の外周面に固定してある。
【0013】従って、この取付台座(30)を伝熱管(1) に
固定した状態においては、前記溝部(30)は、先端が閉塞
した弓状の収納孔として機能することになり、この収納
孔に前記の測温センサ(3) を挿入していくと、溝部(31)
の終端部(32)が順次、浅くなるように設定したテーパー
状に形成されていることにより、測温センサ(3) の先端
は伝熱管(1) に向けて押圧されるごとく位置規制され、
前記測温センサ(3) の先端における感温部(符号省略)
が伝熱管(1) の外周面に密着するように設置されること
になり、外側伝熱管の温度測定を確実に行うことができ
る。
【0014】尚、熱電対のように、感温部が先端部より
所定距離後退した位置にある測温センサにおいては、終
端部(32)近傍の寸法形状を、測温センサ(3) が緊密に収
容される寸法にまで徐々に縮寸させたテーパー状部分(3
1a) と、測温センサ(3) を緊密に収容し得る断面形状の
直線状部分(31b) とを連続的に形成した形状とするのが
好ましい(図3参照)。このような形状にすると、測温
センサ(3) を前記溝部(31)内に挿入することにより、取
付台座(30)に対して緊密に挿入配置されると共に、測温
センサ(3) の感温部が伝熱管(1) 外周壁に密着するた
め、より確実な温度検出が可能となる。
【0015】また、取付台座(30)について更に説明を加
えると、取付台座(30)は、例えば、棒状部材を所要の長
さ(即ち、前記測温センサ(3) を緊密に挿入設置するに
充分な長さで、かつ非加熱側領域である前記外側スペー
サ(16)の外側から加熱側領域である前記燃焼ガス通路(1
7)内における前記先端部に至る必要充分な長さ)に切断
し、切断面の一端面(即ち、前記外側スペーサ(16)の外
側に位置する前記基端部)から、前記測温センサ(3) を
緊密な状態で挿入設置するに必要充分な所要の幅および
深さの溝部(31)を刻設し、その後、外側伝熱管の表面の
曲面に呼応した実質上弓形の形状に形成される。しかし
て、取付台座(30)は、溝部(31)の終端部(32)が前記測定
箇所に位置するように外側伝熱管の表面に固着して設け
られる。
【0016】ここで、溝部(31)の終端部(32)の燃焼ガス
通路(17)内における位置について説明すると、この終端
部(32)は、燃焼ガスとの接触熱伝達が最も多く行われ、
かつ高温となる外側伝熱管の表面に位置するのが効果的
であり、具体的には、図1に示すように、ボイラの中心
1 と外側伝熱管の中心O2 を結ぶ中心線Aと、この外
側伝熱管の中心O2 から燃焼ガス通路(17)のガス流Sに
対して上流側に向かって延びる半径方向の放射線Bとの
角度θが60°以下の範囲における外側伝熱管の表面E
−F内に位置するのが好ましい。従って、前記取付台座
(30)は、溝部(31)の終端部(32)が前記E−Fの範囲内に
位置するように設けられる。
【0017】以上の構成において、この考案の作用につ
いて説明する。点火により生じた燃焼ガスは燃焼室(19)
から第1開口部(18)に向かい、第1開口部(18)で分岐し
て燃焼ガス通路(17)を各垂直伝熱管の長手方向に対して
略直角に、即ち、各垂直伝熱管を横切る方向に流れ、そ
して第2開口部(20)で合流し、煙道(21)より外部に流出
する。このとき、燃焼ガスは、燃焼室(19)においては、
内側環状伝熱管列(13)と輻射伝熱を行い、燃焼ガス通路
(17)においては、内外両環状伝熱管列(13),(14) を主と
して接触伝熱により熱伝達を行う。特に、燃焼ガスの持
つ運動エネルギーにより、燃焼ガスには外側方向への力
が働き、燃焼ガス通路(17)において外側環状伝熱管列(1
4)の外側伝熱管表面のうちE−F領域(図5参照)に最
も多く接触伝熱が行われ、熱伝達によりその部分が高温
となる。
【0018】この考案においては、前記のように、取付
台座(30)により測温センサ(3) の感温部を所要の箇所に
容易に設けることができる構成であるので、前記領域E
−Fに感温部を位置せしめることにより、垂直伝熱管の
温度が的確に検出される。このようにして検出された温
度信号により、伝熱部の局部過熱の防止,温度制御,あ
るいは伝熱面のスケール付着状況等の検出を確実に行う
ことができる。
【0019】次に、この考案に係る第2の実施例を図4
〜7を参照しながら説明する。図面において、角型多管
式貫流ボイラの基本的形状を形成する缶体(40)は、略垂
直な伝熱管(1A),(1A),・・・,(1B),(1B),・・・,(1
C),(1C),・・・,(1D),(1D),・・・および(1E),(1E),・
・・から構成されている。これらの各伝熱管(1A)〜(1E)
は、複数本を実質上平行に縦列配置されており、各縦列
配置により5列の伝熱管群を構成し、全体として縦長の
角型に形成されている。これらの各伝熱管(1A)〜(1E)の
うち、両側外方に位置する伝熱管群(1A),(1E) は、隣接
するもの同志がヒレ状部材(41),(41),・・・で連結され
て、互いに略平行となるように対向配置されており、未
燃焼および燃焼済みのガス通路を画成する一側伝熱管列
(42)と他側伝熱管列(43)とを形成している。この両伝熱
管列(42),(43) の一側開口部(44)には、全一次空気式で
平面形状を呈する燃焼バーナ(45)がこの開口部(44)の上
下方向中心よりも下方に偏位して垂直方向に取り付けら
れており、また他側開口部(46)にはその一部に燃焼排ガ
ス出口(47)が形成されており、これにより未燃焼および
燃焼済みのガスは、基本的には各伝熱管(1A)〜(1E)と直
交する方向に一方向(図5で左から右方向)に流通する
よう構成されている。
【0020】尚、前記一側開口部(44)と他側開口部(46)
とは、両伝熱管列(42),(43) と上部ヘッダ(48),下部ヘ
ッダ(49)で形成される缶体(40)の左右の開口部を云い、
厳密には耐火部材(50),(50) の部分を除いた開口部を云
う。また、前記各伝熱管(1A)〜(1E)は、互いに隣り合う
伝熱管群の伝熱管に対し千鳥状に配列されており、それ
らの各間隙は、伝熱管の直径と略等しいかそれ以下に設
定してある。
【0021】前記構成における角型缶体(40)は、燃焼バ
ーナ(45)の前面にほとんど燃焼室が形成されておらず、
即ち、燃焼バーナの燃焼面の近くに伝熱管が位置してお
り、一次空気と燃料ガスとの混合気を伝熱管群間で低温
燃焼させ、窒素酸化物の発生量を押さえる構造となって
いる。
【0022】両伝熱管列(42),(43) のそれぞれの外側に
は、適宜な間隔を保持してそれぞれ側壁(51),(52) が装
着されており、両伝熱管列(42),(43) と両側壁(51),(5
2) との間には、略密閉された空間(53),(54) がそれぞ
れ形成されている。この両空間(53),(54) は、燃焼ガス
が両伝熱管列(42),(43) から漏れた場合、缶体(40)外に
漏れ出ないように設けられているが、両側壁(51),(52)
の内部圧力による変形を防止するために、燃焼排ガス出
口(47)と連通するように、燃焼排ガス出口(47)に近い位
置において他側伝熱管列(43)のヒレ状部材(41)またはそ
の延長上に適宜な連通孔(図示省略)を形成している。
【0023】さて、この実施例においての取付台座(30)
について説明すると、この角型缶体構造では、前記第1
の実施例と異なり、上述したように、燃焼バーナ(45)の
前面には殆ど燃焼室が形成されておらず、燃焼バーナの
燃焼面の近くに伝熱管が位置しているため、燃焼火炎の
影響を受けることなく正確に温度検出を検出するために
は、その取付位置が問題となる。
【0024】ここで、伝熱管壁における伝熱量は、その
輻射熱伝達量については、つぎの式1.で表される。
【0025】 Q1 =ΦA(TF4 −TC4 ) ・・・・・・・ 1. ただし、Φ:輻射率,A:伝熱面積(m2 ) TF:燃焼ガス温度(K),TC:伝熱管列温度(K) また、対流熱伝達量については、つぎの式2.で表され
る。
【0026】 Q2 =αA(TF−TC) ・・・・・・・ 2. ただし、αは熱伝達率
【0027】双方の伝熱量の和が大なる場合には、取付
台座(30)の先端温度と伝熱管の壁温度との差が大きくな
り、熱応力が発生する。この結果、取付台座(30)および
/または伝熱管が破損してしまう。また、伝熱量が大き
くなると、伝熱管と取付台座(30)の先端までには温度勾
配を生ずることとなり、燃焼ガス温度(TF)の変化に
よる測温センサ(3) の温度変化が大きくなり、正確な伝
熱管列の温度を検出できなくなってしまう。
【0028】そこで、この考案における実施例において
は、測温センサ(3) の取付台座(30)を、他側伝熱管列(4
3)を形成する伝熱管のうち燃焼バーナ(45)に近く、最も
過熱し易い伝熱管(1E1) の上端部外周面に固着する。取
付台座(30)は、これを固着する伝熱管(1E1) と同材質、
例えばSS材やSB材等で形成されており、その内周面
の径は固着伝熱管(1E1) の外径と等しく、固着伝熱管(1
E1) に密着した状態で溶接等により固着される。そし
て、この取付台座(30)の取付け位置は、固着伝熱管(1E
1) において燃焼バーナ(45)から可能な限り離隔するこ
とが好ましく、燃焼バーナ(45)の上端から 200mmの位置
が好適であるが、実施に応じては、これよりも上方でも
効果的である。更に、取付台座(30)は、他側伝熱管列(4
3)の外側から内側へ向けてヒレ状部材(41)を貫通した状
態で固着されるもので、他側伝熱管列(43)の内側へ突出
する取付台座(30)の先端部(33)が、固着伝熱管(1E1) の
ガス流剥離域X1 内に収まる位置となっている。
【0029】取付台座(30)は、上述実施例同様に、その
内部に熱電対やサーミスタ等からなる測温センサ(3) を
緊密に保持するための溝部(31)が形成されており、この
溝部(31)の基端側はヒレ状部材(41)の外側に開口してい
る。そして、測温センサ(3)のリード線(3A)は、溝部(3
1)から缶体(40)外へ導出される。
【0030】ここで、固着伝熱管(1E1) のガス流剥離域
1 について説明すると、ガス流剥離域X1 は、図1に
示すように、ガス流Gの下流側のヒレ状部材(41)を基準
線としてガス流Gの上流方向へ約90度の範囲内を云
い、剥離点Hでガス流Gが固着伝熱管(1E1) の壁面から
剥離する。
【0031】この実施例においては、燃焼バーナ(45)の
燃焼ガス流は、図7に示すごとく、中段部では略水平方
向に流れ、また上下両側では上下に盛り上がり、各伝熱
管群(1A)〜(1E)とそれぞれ交叉した状態で流れる。そし
て、燃焼ガスは、各伝熱管群(1A)〜(1E)の空間で燃焼反
応と伝熱作用が同時に進行しながら流れるので、燃焼ガ
スには燃焼火炎を含むことになる。取付台座(30)を固着
する伝熱管(1E1) における上下方向の燃焼ガス、即ち、
燃焼火炎温度分布は、図6で示されるようになってい
て、燃焼バーナ(45)部で約1200〜1300度となり、取付台
座(30)の位置で約1000度となっている。このため、取付
台座(30)の燃焼火炎から受ける輻射伝熱の下方向からの
熱量Aと、それ以外の上方向および左右方向からの熱量
Bは式1.でそれぞれ求められるが、熱量Bは熱量Aの
約1/2と低い値となる。
【0032】また、取付台座(30)が受ける燃焼ガス流に
よる対流伝熱量は、燃焼バーナ(45)が下方に偏位してい
るため、固着伝熱管(1E1) の上端部付近では燃焼ガス流
量が少なく、取付台座(30)が燃焼ガス流に晒される量が
少ないと共に、燃焼ガスに晒されても、取付台座(30)の
他側伝熱管列(43)の内側に突出する先端部(33)が固着伝
熱管(1E1) のガス流剥離域X1 に位置するように固着さ
れているために、ガス流剥離域X1 では局部熱伝達率が
低く、燃焼ガスの対流伝熱による取付台座(30)への伝熱
は少ない。固着伝熱管(1E1) 回りでの局部熱伝達率は、
図7において模式的に示している。
【0033】以上のように、燃焼火炎および燃焼ガスか
ら取付台座(30)への伝熱量を少なくできる結果、燃焼火
炎および燃焼ガスの温度が変化しても、測温センサ(3)
部の温度変化が少なくなり、正確なる固着伝熱管(1E1)
の温度を検出できる。
【0034】尚、この考案は、前記実施例に限定される
ものではなく、実施に応じて、種々の変更、追加が可能
である。例えば、取付台座(30)を互いに平行をなす一対
の伝熱管列(42),(43) のうち一側伝熱管列(42)を形成す
る伝熱管であって、燃焼バーナ(45)に近い伝熱管(1A1)
に固着する構成も好適である。また、取付台座(30)を両
伝熱管列(42),(43) の各伝熱管(1A1),(1E1) にそれぞれ
固着し、2本の伝熱管の温度を検出する構成も実施に応
じては好適である。更には、取付台座(30)を両伝熱管列
(42),(43) を形成する伝熱管ではなく、燃焼バーナ(45)
に近く過熱し易い伝熱管に固着する構成も好適である。
【0035】更に、前記の取付台座(30)に形成する溝部
(31)は、前記実施例では1箇所であったが、この考案に
おいては、溝部(31)の形成数は1箇所に限らず、複数箇
所形成したものであってもよく、また、この溝部に収納
する測温センサの数も1個に限らず、前記溝部に対応さ
せて複数個、或は、前記溝部の形成箇所数よりも少なく
てもよい。例えば、前記取付台座(30)を2箇所の溝部を
有するものとし、この取付台座を伝熱管に取付けた後、
その夫々に、測温センサを収納する構成も好適である。
この構成の場合、2個の測温センサの夫々の測温結果を
比較しながら、温度を測定することにより、測温センサ
自体の良,不良の判定が可能であり、前記の伝熱管の過
熱防止、温度制御あるいはスケール付着等の検出等が有
効に行なえる。また、このような取付台座の場合、2個
の溝部のうち、一方のみに測温センサを収納し、残りの
溝部を補修用の溝部として利用する構成も好適である。
即ち、一方の溝部に収納した測温センサに断線等の不良
が発生した場合、不良の発生した測温センサを取付台座
から取り外すことなく、補修用の溝部に新たな測温セン
サを収納することによって、伝熱管の測温が可能とな
り、また、両方の測温センサからの測温結果を比較する
ことにより、交換作業が完全に行なえたかどうかの確認
も可能であるため、その取替工数を大幅に短縮すること
ができる。
【0036】以上の実施例においては、第1の実施例と
して2列環状伝熱管列を有するボイラを、第2の実施例
として角型配置の伝熱管列を有するボイラを代表例に挙
げて説明したが、この考案においては、この様な伝熱管
配列構造のボイラに限らず、環状壁は、一重のものであ
っても、また二重以上のものであってもよく、また伝熱
管列は、円周状でなくとも、矩形形状であってもよい。
【0037】また、以上の実施例では、熱機器としてボ
イラに適用した実施例について説明したが、この考案に
おいては、以上のようなボイラのみならず、熱交換器
や、排熱回収装置等の加熱される伝熱部を有する熱機器
において適用可能である。
【0038】
【考案の効果】以上のように、この考案は、測温センサ
を挿入する収納孔を終端部が取付面に向けて順次縮寸す
る溝部によって形成し、測温センサを伝熱管の周面に固
定した取付台座の溝部に非加熱側領域から挿入して設置
する構成としたため、測温センサ先端の測温部を伝熱管
表面に容易に密着状態で設置させることができる。
れにより誤差の生じ難い正確な伝熱管の温度検出を行う
ことができるため、確実な温度信号を検出することがで
き、過熱防止,スケールの付着状況の検出等を的確に行
うことができる。
【0039】また、取付台座は比較的短小なものである
から、加熱側領域において熱に晒される部分が少なく、
従って取付台座自体はもちろん、取付台座内に緊密に挿
入設置した測温センサの耐久性が向上し、温度検出器全
体の耐用年数を大巾に延長することができる。
【0040】また、伝熱管に有底孔を穿設する必要がな
く、取付台座を容易、かつ確実に取り付けることがで
き、伝熱管を、例えば、圧力容器であるボイラの缶体内
に配列した水管(伝熱管)としても、強度の低下を来し
て安全性を低下させることなく、低コストで提供するこ
とができる。
【0041】更には、熟練を要することなく、きわめて
容易にメンテナンスを行うことができ、この種の温度検
出器としては頗る効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この考案を円筒形状の缶体を有する熱
機器に適用した一実施例を示す要部の拡大断面図であ
る。
【図2】図2は、前記熱機器の概略的な横断面図であ
る。
【図3】図3(A)(B)(C) は、夫々、取付台座の横断面
図、I−I線拡大断面図、II−II線拡大断面図である。
【図4】図4は、この考案を角型形状の缶体を有する熱
機器に適用した一実施例を示す要部の拡大断面図であ
る。
【図5】図5は、図4に示す熱機器の概略的な横断面図
である。
【図6】図6は、図5の矢視III 方向の一部を切欠した
側面説明図である。
【図7】図7は、伝熱管(1E1) 回りの局部熱伝達係数を
模式的に示した説明図である。
【図8】図8は、従来の温度検出装置の取付構造を例示
する説明図である。
【符号の説明】
(1) ‥‥ 伝熱管 (1A)〜(1E) ‥‥ 伝熱管 (1A1) ‥‥ 伝熱管 (1E1) ‥‥ 伝熱管 (3) ‥‥ 測温センサ (30) ‥‥ 取付台座 (31) ‥‥ 溝部 (32) ‥‥ 終端部 (33) ‥‥ 先端部
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−44227(JP,U) 実開 昭59−144437(JP,U) 実開 昭61−74849(JP,U) 実開 平1−167633(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の伝熱管をスペーサによって連結し
    た伝熱管列により熱機器の加熱側領域Aと非加熱側領域
    Bとに区画し、前記伝熱管列を構成する伝熱管の温度を
    検出するための温度検出器において、前記スペーサを貫
    通して先端部を前記加熱側領域A内の管壁温度測定箇所
    まで延在させ、かつ基端部を非加熱側領域B内に露出さ
    せるように略弓形の取付台座(30)を伝熱管(1) の外周面
    に固定し、前記取付台座(30)は前記外周面と接する取付
    面に、その長手方向の基端側から先端側に向けて、且
    つ、この取付面の先端側一部を残して形成した溝部(31)
    を有し、この溝部(31)の終端部(32)を前記取付面に向け
    て順次縮寸する形状とすると共に、測温センサ(3) を前
    記外周面に固定された前記取付台座(30)の溝部(31)内に
    前記非加熱側領域Bから挿入して前記外周面に密着設置
    したことを特徴とする熱機器における伝熱管温度検出器
    の取付構造。
JP1992072168U 1992-09-21 1992-09-21 熱機器における伝熱管温度検出器の取付構造 Expired - Lifetime JP2548392Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992072168U JP2548392Y2 (ja) 1992-09-21 1992-09-21 熱機器における伝熱管温度検出器の取付構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992072168U JP2548392Y2 (ja) 1992-09-21 1992-09-21 熱機器における伝熱管温度検出器の取付構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0628669U JPH0628669U (ja) 1994-04-15
JP2548392Y2 true JP2548392Y2 (ja) 1997-09-17

Family

ID=13481444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1992072168U Expired - Lifetime JP2548392Y2 (ja) 1992-09-21 1992-09-21 熱機器における伝熱管温度検出器の取付構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2548392Y2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3857421B2 (ja) * 1998-05-27 2006-12-13 株式会社タクマ 缶体過熱検知方法およびその装置
JP5141171B2 (ja) * 2007-10-05 2013-02-13 三浦工業株式会社 ボイラ
CN110173715A (zh) * 2019-07-02 2019-08-27 神华福能发电有限责任公司 锅炉水冷设备和测温组件装配方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59144437U (ja) * 1983-03-11 1984-09-27 古河特殊金属工業株式会社 強磁性体の表面温度測定具
JPH0714838Y2 (ja) * 1985-09-03 1995-04-10 三浦工業株式会社 ボイラ用水管温度検出器
JPH01167633U (ja) * 1988-05-17 1989-11-24

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0628669U (ja) 1994-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4087407B2 (ja) プラスチックケーシングを有する凝縮熱交換器
US7249885B2 (en) Heat flux measuring device for pressure pipes, method for producing a measuring device, method for monitoring an operating state of a heat exchanger, heat exchanger and method for measuring a heat flux
US20100212603A1 (en) Boiler
JP2548392Y2 (ja) 熱機器における伝熱管温度検出器の取付構造
US20170211844A1 (en) Hot water supply device
MX2010006119A (es) Termopermutador del tubo de humos.
WO2016017864A1 (ko) 고효율 친환경 현열 열교환기
KR100798629B1 (ko) 연소가스 다중통과구조를 갖는 보일러 열교환장치
KR100308890B1 (ko) 유니트히터와그히터용열교환기
JPH0616244Y2 (ja) 多管式貫流ボイラ−における水管の温度検出器
CN112629685A (zh) 一种锅炉受热面管炉内温度测量装置和方法
JPH0714838Y2 (ja) ボイラ用水管温度検出器
JPH0812112B2 (ja) 角型多管式貫流ボイラにおける水管温度検出器の取付構造
JP3857421B2 (ja) 缶体過熱検知方法およびその装置
WO2009061085A2 (en) Heat exchanger and heat exchanging pipe composing it
JPH0717926Y2 (ja) 多管式貫流ボイラー等の水管温度検出装置
JP4684235B2 (ja) スターリングエンジンアセンブリ
CN215675774U (zh) 热水装置
JP2011117701A (ja) 舶用ボイラ構造
US5566648A (en) Heat exchanger
EP0751363A1 (en) Heat exchanger
JP2002106803A (ja) 水管ボイラ
KR0115274Y1 (ko) 열교환기의 전열핀
KR101614363B1 (ko) 관류 보일러
JP3883735B2 (ja) 液体の加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term