JP2007512300A - グルコキナーゼ活性化剤としてのベンゾイルアミノピリジルカルボン酸誘導体 - Google Patents

グルコキナーゼ活性化剤としてのベンゾイルアミノピリジルカルボン酸誘導体 Download PDF

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Abstract

式(I)(式中、R−X−はメチル、メトキシメチルおよび式(X)から選択され;Rは水素、メチル、クロロおよびフルオロから選択され;nは1または2である)の化合物、またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物が記載される。GLK活性化剤としてのそれらの使用、それらを含有する医薬組成物、およびそれらの製造のための方法も記載される。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、グルコキナーゼ(GLK)を介して媒介される疾患または医学的状態の治療または予防に有用で、インスリン分泌のためのグルコース閾値の低下を導く、ベンゾイルアミノピリジルカルボン酸の群に関する。さらに、該化合物は肝グルコース取り込みを増加させることにより血糖を低下させることが予想される。そのような化合物は、2型糖尿病および肥満の治療に有用性がある可能性がある。本発明はまた、上記化合物を含む医薬組成物および上記化合物を使用することによる、GLKに媒介される疾患の治療方法に関する。
膵臓β細胞および肝実質細胞において、主要な細胞膜グルコーストランスポーターはGLUT2である。生理的グルコース濃度において、GLUT2が膜を通してグルコースを輸送する速度は、これらの細胞における全体的なグルコース取り込み速度に対して律速ではない。グルコース取り込みの速度は、グルコキナーゼ(GLK)によって触媒される、グルコースからグルコース−6−ホスフェート(G−6−P)へのリン酸化の速度によって限定される[1]。GLKはグルコースに対して高い(6〜10mM)Kmを有し、生理的濃度のG−6−Pによって阻害されない[1]。GLK発現はいくつかの組織および細胞型、最も顕著には膵臓β細胞および肝細胞(hepatocyte)に限定される[1]。これらの細胞では、GLK活性はグルコース利用に関して律速であり、従ってグルコース誘発インスリン分泌および肝グリコーゲン合成の程度を調節する。これらの過程は全身のグルコースホメオスタシスの維持に重要であり、両方とも糖尿病では正常に機能しない[2]。
糖尿病の1種のサブタイプ、若年性2型成人発症型糖尿病(MODY−2)では、糖尿病はGLK機能損失突然変異によって引き起こされる[3、4]。MODY−2患者における高血糖症は膵臓および肝臓両方における不完全なグルコース利用の結果である[5]。MODY−2患者の膵臓における不完全なグルコース利用は、グルコース刺激インスリン分泌のための閾値上昇を引き起こす。逆に、まれなGLKの活性化突然変異はこの閾値を低下させ、その結果、家族性インスリン過剰症を引き起こす[6、6a、7]。MODY−2糖尿病で認められる低下したGLK活性に加え、肝グルコキナーゼ活性は2型糖尿病でも低下している[8]。重要なことには、GLKの全体的または肝選択的過剰発現は、疾患の食餌的および遺伝的モデルの両方において、糖尿病表現型の発生を妨害するか、または覆す[9〜12]。さらに、フルクトースによる2型糖尿病の急性治療は、肝グルコース利用の刺激により糖耐性を改善する[13]。この作用は、以下に記載の機序により、肝細胞におけるフラクトース誘発サイトソルGLK活性の上昇に媒介されると考えられている[13]。
肝GLK活性は、GLK調節タンパク質(GLKRP)との結合により阻害される。GLK/GLKRP複合体はGLKRPへのフルクトース−6−ホスフェート(F6P)結合により安定化され、フルクトース−1−ホスフェート(F1P)によるこの糖ホスフェートの置換により不安定化される。F1Pは食物フルクトースのフルクトキナーゼ媒介リン酸化により生成される。結果として、F6Pが吸収後状態において上昇するが、F1Pは食事後状態において優勢であるというように、GLK/GLKRP複合体統合性および肝GLK活性は、食物摂取依存的様式で調節される。肝細胞と対照的に、膵臓β−細胞はGLKRPの非存在下においてGLKを発現する。したがって、β−細胞GLK活性はその基質、グルコースの利用可能性によってもっぱら調節される。小分子は直接、またはGLK/GLKRP複合体の不安定化のいずれかによりGLKを活性化することができる。前者のクラスの化合物は肝臓および膵臓の両方においてグルコース利用を刺激すると予想されるが、後者はもっぱら肝臓において作用すると予想されている。しかし、2型糖尿病は両方の組織における不完全なグルコース利用が特徴であるため、どちらの特徴を持つ化合物も、かかる疾患の治療に治療的利点を有すると予想される。
GLKおよびGLKRPならびにKATPチャンネルは、エネルギーバランスの調節および食物摂取の制御において重要な脳の領域である、視床下部のニューロンに発現される[14〜18]。これらのニューロンは、食欲亢進および食欲抑制神経ペプチドを発現することが示されていて[15、19、20]、周囲のグルコース濃度の変化によって阻害されるか、または興奮する、視床下部内のグルコース感知ニューロンであると考えられている[17、19、21、22]。グルコースレベルの変化を感知するこれらのニューロンの能力は、多様な遺伝的および実験的に誘発された肥満モデルにおいて欠陥がある[23〜28]。グルコキナーゼの競合的拮抗剤である、グルコース類似体の脳室内(icv)注入は、痩せたラットにおいて食物摂取を刺激する[29、30]。対照的にグルコースのicv注入は摂食を抑制する[31]。したがって、GLKの小分子活性化剤はGLKの中枢作用を介して、食物摂取および体重増加を減少させる可能性がある。したがって、GLK活性化剤は、糖尿病に加え、肥満を含む摂食障害の治療において治療的用途を有する可能性がある。視床下部作用は、2型糖尿病の治療のために、グルコースホメオスタシスを正常化することにおいて肝臓および/または膵臓で作用する同じ化合物の作用に相加的または相乗的であることになる。したがって、GLK/GLKRP系は、(糖尿病および肥満の両方に利点を有する)潜在的な“ダイアベシティー(Diabesity)”標的として記載することができる。
WO0058293およびWO01/44216(Roche)では、一連のベンジルカルバモイル化合物がグルコキナーゼ活性化剤として記載されている。そのような化合物がGLKを活性化する機序は、GLK活性がNADH産生に繋がり、次にそれを光学的に測定するアッセイにおいて、そのような化合物の直接作用を測定することにより評価される−実施例Aに記載のin vitroアッセイの詳細を参照されたい。本発明の化合物はGLKを直接活性化するか、またはGLKRPとGLKとの相互作用を阻害することによりGLKを活性化することができる。後者の機序は、直接刺激後に予想される重い血糖降下症の出現を引き起こさないであろうという点で、GLKの直接活性化剤に勝る重要な利点を提供する。本発明の多くの化合物は、公知のGLK活性化剤に比較して好ましい選択性を示すことができる。
WO9622282、WO9622293、WO9622294、WO9622295、WO9749707およびWO9749708は、本発明に開示された化合物に構造的に類似する、バソプレッシン薬として有用な化合物の製造に使用されるいくつかの中間体を開示する。構造的に類似した化合物は、WO9641795およびJP8143565(バソプレッシン拮抗作用)、JP8301760(皮膚障害予防)ならびにEP619116(骨疾患)にも開示されている。
WO01/12621はc−JUN N−末端キナーゼの阻害剤としての、イソオキサゾリルピリミジンおよび関連化合物、ならびにそのような化合物を含有する医薬組成物の製造を記載している。
Cushman et al[Bioorg Med Chem Lett(1991)1(4),211−14]は、ピリジン含有スチルベンおよびアミドの合成、およびタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤としてのそれらの評価を記載している。Rogers et al[J Med Chem(1981)24(11)1284−7]は、環状−AMPホスホジエステラーゼ阻害剤としてのメソイオンプリノン類似体を記載している。
WO00/26202は、抗腫瘍剤としての2−アミノ−チアゾール誘導体の製造を記載する。GB2331748は、殺虫性チアゾール誘導体の製造を記載している。WO96/36619は、消化管運動改善薬としてのアミノチアゾール誘導体の製造を記載している。US5466715およびUS5258407は、3,4−2置換フェノール免疫刺激剤の製造を記載している。JP58069812は、ベンズアミド誘導体を含有する血糖降下剤を記載している。US3950351は2−ベンズアミド−5−ニトロチアゾールを記載し、Cavier et al[Eur J Med Chem-Chim Ther(1978)13(6),539−43]はこれらの化合物の生物学的重要性について検討している。
WO03/000262はGLK活性化剤としてのビニルフェニル誘導体を開示し、WO03/015774は、GLK活性化剤としてのベンズアミド化合物を開示し、そしてWO03/066613は、GLK活性化剤としてのN−フェニル−2−ピリミジンアミン誘導体を開示している。
係属中の国際特許出願番号:PCT/GB02/02873(WO03/000267)は、酵素グルコキナーゼ(GLK)の活性化剤であるベンゾイルアミノピリジルカルボン酸の群を記載している。本発明者らは驚くべきことに、いくつかの選択されたこれらの化合物を見出していて、それらはGLK酵素に対する高い効果を維持しながら、改善された水溶性と低下した血漿結合レベルのために、経口投与後に高い血漿中薬物レベルを有する。このことが、化合物のこのサブグループを、GLKに媒介される疾患または医学的状態の治療または予防における用途にとりわけ適切にする。
したがって、本発明の第1の側面に従って、式(I)の化合物:
Figure 2007512300
(式中、R−X−はメチル、メトキシメチルおよび:
Figure 2007512300
から選択され;
は水素、メチル、クロロおよびフルオロから選択され;
nは1または2である)またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物が提供される。
疑義を避けるために、Rは二つのフェニル環間の酸素原子に対して2、3または6位のいずれかで置換されてもよい単一の基である。
式(I)の化合物は、本発明の範囲内にある塩を形成してもよい。薬学的に許容できる塩が好ましいが、別の塩がたとえば、化合物を単離または精製することにおいて有用であってもよい。
先に定義したある種の式(I)の化合物が1以上の不斉炭素原子のために光学活性またはラセミ型で存在する限り、本発明はその定義において、GLKを直接刺激するか、またはGLK/GLKRP相互作用を阻害する特性を有する、すべてのそのような光学活性またはラセミ型を包含すると理解すべきである。光学活性型の合成は、当該技術分野で公知の有機化学の標準技術、たとえば光学的に活性な出発物質からの合成により、またはラセミ型の分割により実行することができる。また、ある種の化合物は互変異性体型で存在してもよいこと、そして本発明はまた、GLKを活性化する本発明の化合物の任意およびすべての互変異性体型に関することを理解すべきである。
式(I)の好ましい化合物は、以下のいずれか1以上のことが当てはまるものである:
(1)式(I)の3位における基は:
Figure 2007512300
である;
(2)Rは水素である;
(3)Rはフルオロまたはクロロである;
(4)Rはメチルである;
(5)Rはフルオロである;
(6)Rはクロロである;
(7)nは1である;
(8)nは2である;
(9)Rはフェニル環に結合し、酸素原子に対して3位においてその環に結合している。
本発明の別の態様に従って、本発明の化合物の以下の好ましい群が提供される:
(I)式(Ia)の化合物:
Figure 2007512300
(式中、nおよびRは式(I)の化合物において先に定義したとおりである)またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(II)式(Ib)の化合物:
Figure 2007512300
(式中、nおよびRは式(I)の化合物において先に定義したとおりである)またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(III)式(Ic)の化合物:
Figure 2007512300
(式中、nおよびRは式(I)の化合物において先に定義したとおりである)またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(IV)式(Id)の化合物:
Figure 2007512300
(式中、nおよびRは式(I)の化合物において先に定義したとおりである)またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
(V)式(Ie)の化合物:
Figure 2007512300
(式中、n、X、RおよびRは式(I)の化合物において先に定義したとおりである)またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
好ましい本発明の化合物は、以下の1以上のものを含む:
6−{[(3−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボン酸、
6−{[(3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボン酸、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
本発明の化合物は、プロドラッグの形態で投与されてもよい。プロドラッグは本発明の化合物を生じるために、体内で分解可能である、生体前駆体(bioprecursor)または薬学的に許容できる化合物(たとえば、本発明の化合物のエステルまたはアミド、とりわけin vivoで加水分解可能なエステル)である。種々の形態のプロドラッグが当該技術分野で公知である。そのようなプロドラッグ誘導体の例については、以下を参照されたい;
a)Design of Prodrugs、H.Bundgaard編(Elsevier,1985)およびMethods in Enzymology,42巻,p.309−396,K.Widder, et al.編(Academic Press,1985);
b)A Textbook of Drug Design and Development,Krogsgaard−Larsen編;
c)H.Bundgaard,5章“Design and Application of Prodrugs”,H.Bundgaard p.113−191(1991);
d)H.Bundgaard,Advanced Drug Delivery Reviews,8,1−38(1992);
e)H.Bundgaard,et al.,Journal of Pharmaceutical Sciences,77,285(1988);および
f)N.Kakeya,et al.,Chem Pharm Bull,32,692(1984)。
先に引用した文献の内容は参照として本明細書に援用される。
プロドラッグの例は、以下のとおりである。カルボキシまたはヒドロキシ基を含有する本発明の化合物のin−vivoでの加水分解可能なエステルは、たとえば、ヒトまたは動物体中で加水分解されて親酸またはアルコールを生じる、薬学的に許容できるエステルである。適切な薬学的に許容できるカルボキシのエステルには、C〜Cアルコキシメチルエステル、たとえばメトキシメチル、C〜Cアルカノイルオキシメチルエステル、たとえばピバロイルオキシメチル、フタリジジルエステル、C〜CシクロアルコキシカルボニルオキシC〜Cアルキルエステル、たとえば1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル;1,3−ジオキソレン−2−オニルメチルエステル、たとえば5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オニルメチル;およびC1〜6アルコキシカルボニルオキシエチルエステルが挙げられる。
ヒドロキシ基を含有する、本発明の化合物のin−vivoでの加水分解可能なエステルには、無機エステル、たとえばホスフェートエステル(ホスホロアミド環状エステルを含む)およびα−アシルオキシアルキルエステルならびに関連化合物が挙げられ、それらはエステルのin−vivo加水分解の結果として、分解し、親ヒドロキシ基を生じる。α−アシルオキシアルキルエステルの例としては、アセトキシメトキシ、および2,2−ジメチルプロピオニルオキシ−メトキシが挙げられる。ヒドロキシについて選ばれたin−vivo加水分解可能なエステル形成基としては、アルカノイル、ベンゾイル、フェニルアセチルならびに置換されたベンゾイルおよびフェニルアセチル、アルコキシカルボニル(アルキルカーボネートエステルを生じる)、ジアルキルカルバモイルおよびN−(ジアルキルアミノエチル)−N−アルキルカルバモイル(カーバメートを生じる)、ジアルキルアミノアセチルならびにカルボキシアセチルが挙げられる。
本発明の化合物の適切な薬学的に許容できる塩としては、たとえば、十分に塩基性である本発明の化合物の酸−付加塩、たとえば、無機または有機酸、たとえば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸またはマレイン酸との酸−付加塩が挙げられる。さらに、十分に酸性である本発明のベンゾオキサジノン誘導体の適切な薬学的に許容できる塩としては、アルカリ金属塩、たとえばナトリウムまたはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、たとえばカルシウムまたはマグネシウム塩、アンモニウム塩または生理的に許容できるカチオンを生じる有機塩基との塩、たとえばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリンまたはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンとの塩が挙げられる。
本発明の別の態様は、先に定義した式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)もしくは(Ie)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを、薬学的に許容できる希釈剤またはキャリアと一緒に含有する医薬組成物である。
本発明の別の側面に従って、薬剤として使用のための、先に定義した式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)または(Ie)の化合物が提供される。
さらに本発明に従って、GLKを介して媒介される疾患、とりわけ2型糖尿病の治療のための薬剤の製造における使用のための式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)または(Ie)の化合物が提供される。
本発明の化合物は、このようにして使用するための医薬組成物として適切に製剤される。
本発明の別の側面に従って、GLK媒介疾患、とりわけ糖尿病の治療が必要な哺乳動物に、有効量の式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)もしくは(Ie)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる、かかる疾患を治療する方法が提供される。
本発明の化合物または組成物により治療することができる具体的な疾患には、重い血糖低下のリスク(および1型を治療する可能性)がない、2型糖尿病における血糖低下、脂質代謝異常、肥満、インスリン耐性、メタボリックシンドロームX、糖耐性障害が挙げられる。
先に検討したように、したがってGLK/GLKRP系は、(糖尿病と肥満の両方に利点を有する)潜在的な“ダイアベシティー”標的として記載することができる。したがって、本発明の別の側面に従って、糖尿病と肥満の組み合わせ治療または予防における使用のための薬剤の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)もしくは(Ie)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用が提供される。
本発明の別の側面に従って、肥満の治療または予防における使用のための薬剤の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)もしくは(Ie)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用が提供される。
本発明のさらに別の側面に従って、肥満および糖尿病の組み合わせ治療が必要な哺乳動物に、有効量の式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)もしくは(Ie)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる、かかる治療のための方法が提供される。
本発明のさらに別の側面に従って、肥満の治療が必要な哺乳動物に、有効量の式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)もしくは(Ie)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる、かかる治療のための方法が提供される。
本発明の組成物は、経口用途(たとえば錠剤、トローチ剤、硬もしくは軟カプセル剤、水性もしくは油性懸濁剤、乳濁剤、分散性粉末剤もしくは顆粒剤、シロップ剤またはエリキシル剤として)、局所用途(たとえば、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、または水性もしくは油性溶液もしくは懸濁液として)、吸入による投与(たとえば微細に分割された粉末または液体エアゾールとして)、通気による投与(たとえば微細に分割された粉末として)または非経口投与(たとえば、静脈内、皮下、筋肉内もしくは筋肉内投与のための滅菌水性もしくは油性溶液として、または直腸内投与のための坐剤として)に適した形態であってよい。
本発明の組成物は当該技術分野で公知の、慣用の医薬添加剤を使用して、慣用の手順によって得ることができる。したがって、経口用途を意図した組成物は、たとえば1種以上の着色剤、甘味剤、香味剤および/または保存剤を含んでいてもよい。
錠剤製剤のための適切な薬学的に許容できる賦形剤には、たとえば不活性希釈剤、たとえばラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウム、造粒剤および崩壊剤、たとえばコーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、たとえばデンプン;潤滑剤、たとえばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク;保存剤、たとえばエチルまたはプロピルp−ヒドロキシベンゾエート、および酸化防止剤、たとえばアスコルビン酸が挙げられる。錠剤製剤は、消化管内でのそれらの崩壊およびその後の活性成分の吸収を調節するか、またはそれらの安定性および/または外観を改善するかのいずれかのために被覆されなくても、被覆されてもよく、いずれの場合においても、当該技術分野で公知の慣用の被覆剤および手順を使用することができる。
経口用途のための組成物は、活性成分が不活性な固体希釈剤、たとえば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合している硬ゼラチンカプセル剤の形態中にあってもよく、または活性成分が水またはオイル、たとえばピーナツオイル、流動パラフィン、またはオリーブオイルと混合している軟ゼラチンカプセル剤として存在してもよい。
水性懸濁剤は一般に、1種以上の懸濁化剤、たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴム、分散または湿潤剤、たとえばレシチンまたは脂肪酸とアルキレンオキシドとの縮合生成物(たとえばポリオキシエチレンステアレート)、または長鎖脂肪族アルコールとエチレンオキシドの縮合生成物、たとえばヘプタデカエチレンオキシセタノール、または脂肪酸とヘキシトールに由来する部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、たとえばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、または長鎖脂肪族アルコールとエチレンオキシドの縮合生成物、たとえばヘプタデカエチレンオキシセタノール、または脂肪酸とヘキシトールに由来する部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、たとえばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、または脂肪酸と無水ヘキシトールに由来する部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、たとえば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート、と一緒に、微細な粉末にされた形状中に活性成分を含有する。水性懸濁剤はまた、1種以上の保存剤(たとえば、エチルまたはプロピルp−ヒドロキシベンゾエート)、酸化防止剤(たとえばアスコルビン酸)、着色剤、香味剤、および/または甘味剤(たとえばショ糖、サッカリンまたはアスパルテーム)を含んでいてもよい。
油性懸濁剤は植物油(たとえば落花生油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油)または鉱物油(たとえば流動パラフィン)中に活性成分を懸濁することにより製剤することができる。油性懸濁剤はまた、増粘剤、たとえば蜜蝋、硬パラフィンまたはセチルアルコールを含有していてもよい。先に示したような甘味剤、および香味剤を添加して、風味のよい経口製剤を提供してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤の添加によって保存することができる。
水の添加による水性懸濁剤の製造に適した分散性粉末剤または顆粒剤は一般に、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1以上の保存剤と一緒に活性成分を含有する。適切な、分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤はすでに先に述べたものによって例示されている。付加的な添加剤、たとえば甘味剤、香味剤および着色剤が存在してもよい。
本発明の医薬組成物はまた、水中油型乳剤の形態であってもよい。油相は植物油、たとえばオリーブ油または落花生油、または鉱物油、たとえば流動パラフィン、またはこれらのいずれかの混合物であってもよい。適切な乳化剤は、たとえば、天然に存在するゴム、たとえば、アラビアゴムまたはトラガカントゴム、天然に存在するホスファチド、たとえばダイズ、レシチン、脂肪酸と無水ヘキシトールに由来するエステルおよび部分エステル(たとえば、ソルビタンモノオレエート)および上記の部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、たとえばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい。乳剤はまた、甘味剤、香味剤および保存剤を含んでいてもよい。
シロップ剤およびエリキシル剤は甘味剤、たとえばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテームまたはショ糖と一緒に製剤されてもよく、そして粘滑剤、保存剤、香味剤および/または着色剤を含んでいてもよい。
医薬組成物はまた、滅菌注射用水性または油性懸濁剤の形態であってもよく、それらは先に述べられている1種以上の適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、公知の手順に従って製剤することができる。滅菌注射用製剤はまた、非毒性の非経口的に許容できる希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液、たとえば1,3−ブタンジオール中の溶液であってもよい。
吸入による投与のための組成物は、微細に分割された固体を含有するエアゾールまたは液体小滴いずれかとして活性成分を投薬するように準備された、慣用の加圧エアゾールの形態中であってもよい。慣用のエアゾール噴射剤、たとえば揮発性フッ素化炭化水素または炭化水素が使用されてもよく、そしてエアゾール装置は、活性成分の計量された量を投薬するように、都合よく準備される。
製剤に関するそれ以上の情報については、読者はComprehensive Medicinal Chemistry(Corwin Hansch;編集委員長),Pergamon Press 1990の5巻、25.2章を参照されたい。
単一剤形を製造するために1種以上の添加剤と組み合わせた活性成分の量は、治療される受容者および具体的な投与経路に依存して必然的に変化することになる。たとえば、ヒトへの経口投与を意図した製剤は一般に、適切で都合のよい添加剤の量と一緒に調合された0.5mg〜2gまでの活性剤を含有することになり、そのような添加剤は全組成物の重量の5〜98パーセントまで変化してもよい。単位剤形は一般に、約1mg〜約500mgの活性成分を含有することになる。投与経路および投与計画に関するそれ以上の情報については、読者はComprehensive Medicinal Chemistry(Corwin Hansch;編集委員長),Pergamon Press 1990の5巻、25.3章を参照されたい。
式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)または(Ie)の化合物の治療または予防目的のための投与量のサイズは、医薬品の公知の原則に従って、状態の性質および重症度、動物または患者の年齢および性別、ならびに投与経路に従って必然的に変化することになる。
式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)または(Ie)の化合物を治療または予防目的に使用することにおいて、分割された投与量が必要な場合、それはたとえば体重1kgにつき、0.5mg〜75mgの範囲で1日投与量が受け取れるように投与される。一般に、非経口経路が使用される場合、より少ない投与量が投与されることになる。したがって、たとえば、静脈内投与の場合、体重1kgにつき、0.5mg〜30mgの範囲の投与量が一般に使用されることになる。同様に、吸入による投与の場合、体重1kgにつき、0.5mg〜25mgの範囲の投与量が使用されることになる。しかし、経口投与が好ましい。
本明細書に記載されたGLK活性を高めることは、治療されることになる徴候に対して、それだけの療法として、または1種以上の別の物質および/または処置と組み合わせて、適用してもよい。そのような共同治療は処置の個々の成分の同時、連続または別個の投与により行うことができる。同時治療は単一の錠剤または別々の錠剤の状態であってもよい。たとえば、糖尿病の治療では、化学療法は以下の主要な治療カテゴリーを包含することができる:
1)インスリンおよびインスリン類似体;
2)スルホニルウレア(たとえばグリベンクラミド、グリピジド)、食事グルコース調節剤(たとえばレパグリニド、ナテグリニド)を含む、インスリン分泌促進剤;
3)インクレチン作用を改善する物質(たとえばジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、およびGLP−1アゴニスト);
4)PPARガンマアゴニストを含むインスリン増感剤(たとえばピオグリタゾンおよびロシグリタゾン)、およびPPARアルファおよびガンマ活性を併せ持つ物質;
5)肝グルコースバランスを調節する物質(たとえば、メトホルミン、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼ阻害剤);
6)腸からのグルコースの吸収を減少させるように設計された物質(たとえばアカルボース);
7)腎臓によるグルコースの再吸収を妨害する物質(SGLT阻害剤);
8)長期高血糖症の合併症を治療するように設計された物質(たとえば、アルドースレダクターゼ阻害剤);
9)抗−肥満剤(たとえばシブトラミンおよびオルリスタット);
10)抗−脂質代謝異常剤、たとえばHMG−CoAレダクターゼ阻害剤(たとえばスタチン);PPARαアゴニスト(フィブレート、たとえばゲムフィブロジル);胆汁酸結合剤(コレスチラミン);コレステロール吸収阻害剤(植物スタノール、合成阻害剤);胆汁酸吸収阻害剤(IBATi)ならびにニコチン酸および類似体(ナイアシンおよび徐放製剤);
11)抗高血圧剤、たとえばβブロッカー(たとえばアテノロール、インデラル);ACE阻害剤(たとえばリシノプリル);カルシウムアンタゴニスト(たとえばニフェジピン);アンギオテンシン受容体アンタゴニスト(たとえばカンデサルタン)、αアンタゴニストおよび利尿剤(たとえばフロセミド、ベンズチアジド);
12)鬱血調節剤、たとえば抗血栓剤、線維素溶解の活性化剤および抗血小板剤;トロンビンアンタゴニスト;第Xa因子阻害剤;第VIIa因子阻害剤);抗血小板剤(たとえばアスピリン、クロピドグレル);抗凝固剤(ヘパリンおよび低分子量類似体、ヒルジン)およびワルファリン;
13)グルカゴンの作用に拮抗する物質;および
14)抗炎症剤、たとえば非ステロイド抗炎症剤(たとえば、アスピリン)およびステロイド抗炎症剤(たとえばコルチゾン)。
本発明の別の側面に従って、以下に示された実施例の最終生成物として製造される個々の化合物、ならびにその塩、溶媒和物およびプロドラッグが提供される。
本発明の化合物、またはその塩はそのような化合物、または構造的に関連した化合物の製造に適用できることが公知のいずれかの工程によって製造することができる。官能基は、慣用の方法を使用して、保護し、そして脱保護することができる。アミノおよびカルボン酸保護基のような保護基の例に関しては(並びに、形成および最終的な脱保護の手段に関しては)、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”,2版,John Wiley&Sons,New York,1991を参照されたい。
式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)または(Ie)の化合物の合成の方法は本発明の別の態様として提供される。したがって、本発明の別の側面に従って、以下のことを含む、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)または(Ie)の化合物の製造のための方法が提供される:
(a)式(IIIa)の酸または活性化されたその誘導体と式(IIIb)の化合物:
Figure 2007512300
(式中、Pは水素または保護基である)の反応;または
(b)式(IIIc)の化合物:
Figure 2007512300
(式中、Pは保護基である)の脱保護;または
(c)式(IIId)の化合物と式(IIIe)の化合物:
Figure 2007512300
(式中、Xは脱離基であり、そしてXはヒドロキシル基であるか、またはXはヒドロキシル基であり、そしてXは脱離基であり、そしてPは水素または保護基である)の反応;または
(d)式(IIIf)の化合物と式(IIIg)の化合物:
Figure 2007512300
(式中:Xは脱離基であるか、または有機金属試薬であり、そしてXはヒドロキシル基であるか、またはXはヒドロキシル基であり、そしてXは脱離基であるか、または有機金属試薬であり、ここでPは水素または保護基である)の反応;または
(e)式(IIIh)の化合物と式(IIIi)の化合物:
Figure 2007512300
(式中:Xは脱離基であり、そしてPは水素または保護基である)の反応;
およびその後、必要な場合:
i)式(I)の化合物を別の式(I)の化合物に変換すること;
ii)いずれもの保護基を除去すること;
iii)その塩、プロドラッグまたは溶媒和物を形成すること。
工程a)〜e)の適切な脱離基は当業者に周知であり、そしてたとえば活性化されたヒドロキシ脱離基(たとえばメシレートおよびトシレート基)およびフルオロ、クロロまたはブロモのようなハロ脱離基が挙げられる。
式(IIIa)〜(IIIi)の化合物は市販されているか、または当該技術分野で公知のいずれか都合のよい方法によって、および/または本明細書の実施例に説明されるように製造することができる。一般に、いずれかのアリール−Oまたはアルキル−O結合が、場合により適切な塩基の存在下で、求核置換または金属に触媒される方法によって形成されてもよいことは理解されるであろう。
上記の反応の具体的な反応条件は以下のとおりであり、Pが保護基である場合、Pは好ましくはC1〜4アルキル、たとえばメチルまたはエチルである:
工程a)−アミノ基とカルボン酸からアミドを形成するカップリング反応は、当該技術分野で周知である。たとえば、
(i)DMAPの存在下、DCM、クロロホルムまたはDMFのような適切な溶媒中、室温で、EDACによって行われるカルボジイミドカップリング反応、等の適切なカップリング反応を使用すること;または
(ii)カルボキシル基が、メチレンクロリドのような適切な溶媒の存在下で、オキサリルクロリドとの反応により酸クロリドに活性化される反応。次に酸クロリドはトリエチルアミンまたはピリジンのような、塩基の存在下、クロロホルムまたはDCMのような適切な溶媒中、0℃〜室温の温度で、式IIIbの化合物と反応することができる。
工程b)−脱保護反応は当該技術分野で周知である。Pの例としてはC1〜6アルキルおよびベンジルが挙げられる。PがC1〜6アルキルである場合、反応はTHF/水のような適切な溶媒中、水酸化ナトリウムの存在下で行うことができる。
工程c)−式(IIId)および(IIIe)の化合物は、DMFまたはTHFのような適切な溶媒中で、場合により金属触媒、たとえば酢酸パラジウム(II)、パラジウム炭素、酢酸銅(II)またはヨウ化銅(I)を使用し、0〜100℃の範囲の温度で、水素化ナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシドのような塩基を用いて反応することができる;あるいは、式(IIId)および(IIIe)の化合物は、THFまたはDCMのような適切な溶媒中、トリフェニルホスフィンのような適切なホスフィン、およびジエチルアゾジカルボキシレートのようなアゾジカルボキシレートと一緒に反応することができる;
工程d)−式(IIId)および(IIIe)の化合物は、DMFまたはTHFのような適切な溶媒中で、場合により金属触媒、たとえば酢酸パラジウム(II)、パラジウム炭素、酢酸銅(II)またはヨウ化銅(I)を使用し、0〜100℃の範囲の温度で、水素化ナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシドのような塩基と一緒に反応することができる;
工程e)−式(IIIh)の化合物と式(IIIi)の化合物の反応は、DMFのような極性溶媒、またはTHFのような非極性溶媒中で、場合により金属触媒、たとえば酢酸パラジウム(II)、パラジウム炭素、酢酸銅(II)またはヨウ化銅(I)を使用し、0〜100℃の温度で、水素化ナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシドのような強塩基を用いて行うことができる。
製造工程中、分子内の官能基に保護基を使用することが好都合であってもよい。保護基は、問題となっている保護基の除去に関して文献に記載されているか、または当業者に周知のいずれか都合のよい方法により、適宜除去してもよく、そのような方法は分子のいずれか他の部位の基をできるだけ妨害せずに、保護基を除去するように選択される。
保護基の具体的な例は、便宜上、以下に示され、そこでは“低級”はそれが適用される基が好ましくは1〜4炭素原子を有することを示す。これらの例が包括的でないことは理解されるであろう。保護基の除去のための具体的な方法が以下に示される場合、これらは同じ様に包括的ではない。具体的に述べられていない保護基の使用および脱保護の方法は、もちろん本発明の範囲内である。
カルボキシ保護基はエステル形成脂肪族またはアルアリファチック(araliphatic)アルコールまたはエステル形成シラノール(上記アルコールまたはシラノールは好ましくは1〜20炭素原子を含有する)の残基であってもよい。カルボキシ保護の例としては、直鎖または分枝鎖(1〜12C)アルキル基(たとえば、イソプロピル、t−ブチル);低級アルコキシ低級アルキル基(たとえばメトキシメチル、エトキシメチル、イソブトキシメチル);低級脂肪族アシルオキシ低級アルキル基(たとえばアセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル);低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル基(たとえば、1−メトキシカルボニルオキシエチル、1−エトキシカルボニルオキシエチル);アリール低級アルキル基(たとえば、p−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、ベンズヒドリルおよびフタリジル);トリ(低級アルキル)シリル基(たとえばトリメチルシリルおよびt−ブチルジメチルシリル);トリ(低級アルキル)シリル低級アルキル基(たとえば、トリメチルシリルエチル);および(2〜6C)アルケニル基(たとえばアリルおよびビニルエチル)が挙げられる。
カルボキシ保護基の除去にとりわけ適切な方法には、たとえば、酸、金属または酵素に触媒される加水分解が挙げられる。
ヒドロキシ保護基の例としては、低級アルケニル基(たとえば、アリル);低級アルカノイル基(たとえば、アセチル);低級アルコキシカルボニル基(たとえば、t−ブトキシカルボニル);低級アルケニルオキシカルボニル基(たとえば、アリルオキシカルボニル);アリール低級アルコキシカルボニル基(たとえば、ベンゾイルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル);トリ低級アルキル/アリールシリル基(たとえば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル);アリール低級アルキル基(たとえば、ベンジル)基;およびトリアリール低級アルキル基(たとえばトリフェニルメチル)が挙げられる。
アミノ保護基の例としては、ホルミル、アラルキル基(たとえば、ベンジルおよび置換されたベンジル、たとえばp−メトキシベンジル、ニトロベンジルおよび2,4−ジメトキシベンジル、およびトリフェニルメチル);ジ−p−アニシルメチルおよびフリルメチル基;低級アルコキシカルボニル(たとえばt−ブトキシカルボニル);低級アルケニルオキシカルボニル(たとえばアリルオキシカルボニル);アリール低級アルコキシカルボニル基(たとえば、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル;トリアルキルシリル(たとえば、トリメチルシリルおよびt−ブチルジメチルシリル);アルキリデン(たとえばメチリデン);ベンジリデンおよび置換されたベンジリデン基が挙げられる。
ヒドロキシおよびアミノ保護基の除去に適切な方法には、たとえば、酸、塩基、金属もしくは酵素に触媒される加水分解、またはo−ニトロベンジルオキシカルボニルのような基に対しては光分解、またはシリル基にはフルオリドイオンによるものが挙げられる。
アミド基の保護基の例としては、アラルコキシメチル(たとえば、ベンジルオキシメチルおよび置換されたベンジルオキシメチル);アルコキシメチル(たとえば、メトキシメチルおよびトリメチルシリルエトキシメチル);トリアルキル/アリールシリル(たとえば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル);トリアルキル/アリールシリルオキシメチル(たとえば、t−ブチルジメチルシリルオキシメチル、t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル);4−アルコキシフェニル(たとえば、4−メトキシフェニル);2,4−ジ(アルコキシ)フェニル(たとえば、2,4−ジメトキシフェニル);4−アルコキシベンジル(たとえば、4−メトキシベンジル);2,4−ジ(アルコキシ)ベンジル(たとえば、2,4−ジ(メトキシ)ベンジル);およびアルク−1−エニル(たとえば、アリル、ブト−1−エニルおよび置換されたビニル、たとえば2−フェニルビニル)が挙げられる。
アラルコキシメチル基は、アミド基を適切なアラルコキシメチルクロリドと反応させることにより、アミド基に導入し、接触水素添加により除去することができる。アルコキシメチル、トリアルキル/アリールシリルおよびトリアルキル/シリルオキシメチル基は、アミドを適切なクロリドと反応させることにより導入し、酸、またはシリル含有基の場合にはフルオリドイオンにより除去することができる。アルコキシフェニルおよびアルコキシベンジル基は好都合には適切なハロゲン化物によるアリール化またはアルキル化により導入し、セリウムアンモニウムニトレートによる酸化によって除去する。最後に、アルク−1−エニル基は、アミドを適切なアルデヒドと反応させることによって導入し、そして、酸により除去することができる。
以下の実施例は、説明のためだけであって、本出願の範囲を限定することを意図しない。例示されたそれぞれの化合物は、本発明の具体的で独立した側面を表す。以下の限定的でない実施例では、特記しない限り:
(i)留去はロータリーエバポレーションにより真空下で行い、乾燥剤のような残存する固体のろ過による除去後に、後処理を行った;
(ii)操作は18〜25℃の範囲の室温において、アルゴンまたは窒素のような不活性ガスの雰囲気下で行った;
(iii)収率は説明のためだけに示し、必ずしも最大収率ではない;
(iv)式(I)の最終生成物の構造は、核(一般にプロトン)磁気共鳴(NMR)および質量分析技術によって確かめ、;プロトン磁気共鳴化学シフト値はデルタスケールで測定し、ピーク多重度は以下のように示す:s、一重線;d、二重線;t、三重線;m、多重線;b、ブロード;q、四重線、quin、五重線;
(v)中間体は一般に完全には解析せず、純度は薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、赤外(IR)またはNMR分析によって評価した;そして
(vi)Biotageカートリッジは、biotageポンプおよびフラクションコレクター系を使用して溶出する、プレパックシリカカートリッジ(40g〜400gまで);Biotage UK Ltd,Hertford,Herts,UKを表す。
略語
DCM ジクロロメタン;
DEAD ジエチルジアゾカルボキシレート;
DIAD ジ−i−プロピルアゾジカルボキシレート;
DMAP 4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン
DMSO ジメチルスルホキシド;
DMF ジメチルホルムアミド;
EDAC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
塩酸塩;
HPMC ヒドロキシプロピルメチルセルロース;
LCMS 液体クロマトグラフィー/質量分析;
RT 室温;および
THF テトラヒドロフラン。
実施例1
6−{[(3−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボン酸
Figure 2007512300
THF(4ml)中のメチル−6−{[(3−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボキシレート(0.05mmol)の溶液に、水(2mL)中の水酸化リチウム一水和物(2.5当量)を添加した。混合物は周囲温度で4時間撹拌した。反応物のpHを<7.0に調整し、THFを真空下で除去し、水(8mL)で置換した。得られた固体をろ過し、水で洗浄し、乾燥して6−{[(3−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボン酸を得た。
m/z481(M+H)
メチル−6−{[(3−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボキシレート
Figure 2007512300
DCM(10mL)中のメチル−6−{[(3−ヒドロキシ−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボキシレート(0.75mmol)、1,4−ベンゾジオキシン−6−ボロン酸(0.75mmol)、酢酸銅(II)(0.75mmol)、トリエチルアミン(3.75mmol)および新たに活性化された4Aモレキュラーシーブ(1g)の溶液を周囲温度、および周囲雰囲気で、2日間撹拌した。反応混合物をろ過し、DCMを真空下で除去し、残ったオイルを酢酸エチルと塩酸(1N)間に分配した。酢酸エチル層を分離し、炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、留去して残渣とし、そしてそれをイソヘキサン中の40%酢酸エチルを溶離液とした、シリカのクロマトグラフィーにかけ、メチル−6−{[(3−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボキシレートを得た。
m/z495(M+H)HNMR(CDCl):1.3(d,3H),3.4(s,3H),3.5(m,2H),4.0(s,3H),4.3(s,4H),4.6(m,1H),6.6(m,2H),6.75(m,1H),6.85(dd,1H),7.0(m,1H),7.2(m,1H),8.3(m,2H),8.7(s,1H),8.95(s,1H)。
実施例2
6−{[(3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボン酸
Figure 2007512300
メチル−6−{[(3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボキシレートの0.1M溶液に、水酸化ナトリウムの0.5N溶液(5当量)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌した。有機層を真空下で除去し、残渣を水で希釈し、塩酸(2N)で酸性化した。得られた沈殿をろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して6−{[(3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボン酸を得た。
m/z467(M+H),465(M−H)HNMRδ(d−DMSO):1.22(d,3H),3.28(s,3H 溶媒ピークにより不明瞭),3.46(m,2H),4.74(s,1H),6.04(s,2H),6.56(d,1H),6.73(d,1H),6.92(d,1H),7.09(s,1H),7.37(s,1H),8.26(s,2H),8.86(s,1H),11.15(s,1H),13.12(brs,1H)。
メチル−6−{[(3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボキシレート
Figure 2007512300
DCM(5mL)中のメチル−6−{[(3−ヒドロキシ−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボキシレート(0.5mmol)、1,3−ベンゾジオキソール−5−イルボロン酸(1.0mmol)、酢酸銅(II)(0.5mmol)、トリエチルアミン(2.5mmol)および新たに活性化された4Aモレキュラーシーブ(500mg)の溶液を周囲温度において、周囲雰囲気で、2日間撹拌し、追加の溶媒、モレキュラーシーブおよびボロン酸(1当量)を添加し、反応物をさらに4日間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣を酢酸エチルで摩砕し、ろ過し、真空下で濃縮した。残渣を、イソヘキサン中の20%酢酸エチルを溶離液とした、シリカのクロマトグラフィーにかけ、メチル−6−{[(3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボキシレートを得た。
m/z481(M+H)
ボロン酸合成
実施例1および2で使用されるボロン酸は市販されていたか、または以下のように、市販の物質から合成した。エーテル(25mL)中の適切なブロミド(10mmol)の溶液に、−78℃でヘキサン中の1.6Mのn−ブチルリチウム溶液(11mmol)を添加した。反応混合物を−78℃で10分間撹拌し、トリイソプロピルボレート(11mmol)を添加し、反応混合物を−78℃で30分間撹拌した。反応混合物を室温に戻し、さらに30分間撹拌し、水(20mL)で反応を停止した。水層を分離し、エーテル(25mL)で洗浄し、濃塩酸でpH1に酸性化した。得られた固体をろ過し、水で洗浄し、乾燥して所望するボロン酸を得た。
メチル−6−{[(3−ヒドロキシ−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボキシレート
Figure 2007512300
THF(85mL)中のメチル−6−[({3−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−5−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}カルボニル)アミノ]ピリジン−3−カルボキシレート(0.038mol)の撹拌溶液に、メタノール(85mL)を添加した。パラジウムチャコール触媒(10%w/wを1.7g)をアルゴン雰囲気下で添加し、得られた懸濁液を水素雰囲気中で一晩、周囲温度で撹拌した。触媒をセライトでろ過し、THFで洗浄し、ろ液を留去して、薄茶色の固体を得た。これをエーテルで摩砕し、所望する化合物(収率72%)を得た。
m/z361(M+H),359(M−H)HNMRδ(d−DMSO):1.25(d,3H),3.3(s,3H),3.45(m,2H),3.85(s,3H),4.65(m,1H),6.55(m,1H),6.95(m,1H),7.1(m,1H),8.3(m,2H),8.9(m,1H),11.0,(s,1H)。
メチル−6−[({3−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−5−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}カルボニル)アミノ]ピリジン−3−カルボキシレート
Figure 2007512300
DMF(1mL)を含有するDCM(250mL)中の3−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−5−[(フェニルメチル)オキシ]安息香酸(75.9mmol)の撹拌溶液に、アルゴン下でオキサリルクロリド(151.7mmol)を滴下して加え、得られた溶液を4時間撹拌した。次に溶液を真空下で留去し、付加的なDCM(3x100mL)と共沸させ、残渣を高真空下で乾燥し、酸クロリドを得て、性状を調べずにそれを使用した。
上記の酸クロリド(約75.9mmol)をTHF(100mL)に溶解し、アルゴン下でTHF(100mL)およびピリジン(100mL)混合物中のメチル−6−アミノニコチネート(91.1mmol)の撹拌溶液に添加した。反応混合物を一晩撹拌し、その後溶媒の大部分を真空下で除去した。残渣を酢酸エチル(250mL)に溶解し、懸濁液を1Mクエン酸(2回、洗浄液が酸性になるまで)およびブラインで順に洗浄し;得られた溶液を乾燥(MgSO)し、留去して茶色のゴム状物として粗生成物を得た。これをクロマトグラフィー(400gBiotageシリカカートリッジ、酢酸エチル20%v/vを含有するヘキサンで溶出)にかけ、所望する化合物を得た(収率50%)。
m/z451.47(M+H),449.48(M−H)HNMRδ(d−DMSO):1.21(d,3H),3.47(m,2H),3.86(s,3H),3.72(m,1H),5.16(s,2H),6.78(t,1H),7.23(s,1H),7.29(s,1H),7.31−7.49(m,5H),8.32(s,2H),8.90(ほぼt,1H),11.15(s,1H)。
3−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−5−[(フェニルメチル)オキシ]安息香酸
Figure 2007512300
THF(232mL)およびメタノール(232mL)の混合物中のメチル−3−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−5−[(フェニルメチル)オキシ]ベンゾエート(77.4mmol)の溶液を、水酸化ナトリウム(2N)(232mmol)の溶液で処理し、反応混合物を周囲温度で4時間撹拌した。得られた溶液を水(250mL)で希釈し、大部分の有機溶媒を真空下で除去した。得られた懸濁液をジエチルエーテル(3x200mL)で洗浄し、洗浄液は廃棄した。得られた水溶液を塩酸溶液(2M)でpH4に酸性化し、酢酸エチル(2x200mL)で抽出し、抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、留去して所望する化合物(収率99%)を得た。
HNMRδ(d−DMSO):1.20(d,3H),3.46(m,2H),4.64(m,1H),5.15(s,2H),6.83(ほぼt,1H),7.06(s,1H),7.13(s,1H),7.30−7.49(m,5H),12.67(brs,1H)。
メチル−3−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−5−[(フェニルメチル)オキシ]ベンゾエート
Figure 2007512300
THF中のメチル−3−ヒドロキシ−5−[(フェニルメチル)オキシ]ベンゾエート(77.4mmol)の溶液に、ポリマーに支持されたトリフェニルホスフィン(3mmol/g負荷、51.7g、155mmol)および(R)−(−)−1−メトキシ−2−プロパノール(102mmol)を添加した。撹拌溶液をアルゴンで覆い、氷浴で冷やし;ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(116mmol)の溶液を10分間かけてシリンジから滴下して加えた。添加後、溶液を20分間撹拌し、その後ろ過し、THF(500mL)で残渣を洗浄し;ろ液および洗浄液を合わせ、留去して未精製の所望する化合物を得て、それ以上精製せずにそれを次の段階に使用した。
HNMRδ(d−DMSO):3.26(s,3H),3.44(m,2H),3.82(s,3H),4.63(m,1H),5.14(s,2H),6.85(s,1H),7.05(s,1H),7.11(s,1H),7.30−7.47(m,5H);スペクトルは少量のビス(1−メチルエチル)ヒドラジン−1,2−ジカルボキシレートに一致するシグナルも含んでいた。
メチル−3−ヒドロキシ−5−[(フェニルメチル)オキシ]ベンゾエート
Figure 2007512300
DMF(6L)中のメチル−3,5−ジヒドロキシベンゾエート(5.95mmol)の撹拌溶液に、炭酸カリウム(9mol)を添加し、懸濁液をアルゴン下、周囲温度で撹拌した。これに、ベンジルブロミド(8.42mol)を1時間かけて、わずかな発熱を伴いながら、ゆっくり添加した。そして、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。それを塩化アンモニウム溶液(5L)続いて水(35L)で注意クエンチした(quenched)。水性懸濁液をDCM(1x3Lおよび2x5L)で抽出した。合わせた抽出物を水(10L)で洗浄し、一晩乾燥(MgSO)した。溶液を真空下で留去し、粗生成物は3バッチでクロマトグラフィー(フラッシュカラム、3x2kgシリカ、10%DCMを含有するヘキサン、純粋なDCM、50%酢酸エチルを含むDCMからなるグラジエントで溶出)にかけ、出発物質を除去し;次に未精製の溶離物を175gバッチでクロマトグラフィー(AmiconHPLC、5kg順相シリカ、20%v/v酢酸エチルを含有するイソヘキサンで溶出)にかけ、所望する化合物(収率21%)を得た。
HNMRδ(d−DMSO):3.8(s,3H),5.1(s,2H),6.65(m,1H),7.0(m,1H),7.05(m,1H),7.3−7.5(m,5H),9.85(brs,1H)。
生物学的
試験:
式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)もしくは(Ie)の化合物の生物学的作用は、以下の方法で試験することができる:
(1)GLKの酵素活性は、GLK、ATPおよびグルコースをインキュベートすることにより測定することができる。生成物形成速度は、G−6−Pデヒドロゲナーゼ、NADP/NADPH系にアッセイをカップリングし、340nmの光学密度の直線的増加を測定することにより、決定することができる(Matschinsky et al 1993)。化合物によるGLKの活性化は、Brocklehurst et al(Diabetes 2004,53,535−541)に記載のように、GLKRP(GLK調節タンパク質)の存在下、または非存在下でこのアッセイを使用して、評価することができる。
(2)GLKとGLKRP間の結合相互作用を測定するためのGLK/GLKRP結合アッセイ。該方法を使用して、GLKとGLKRP間の相互作用を調節することにより、GLKを調節する化合物を同定することができる。GLKRPとGLKは、場合により試験化合物の存在下において、阻害濃度のF−6−Pと共にインキュベートし、GLKとGLKRP間の相互作用の程度を測定する。F−6−Pに取って代わるか、またはいずれか別の方法でGLK/GLKRP相互作用を減少させる化合物は、形成されるGLK/GLKRP複合体の量の減少により、検出されることになる。F−6−P結合を促進するか、またはいずれか別の方法でGLK/GLKRP相互作用を促進する化合物は、形成されるGLK/GLKRP複合体の量の増加によって検出されることになる。そのような結合アッセイの具体的な例を以下に記載する。

GLK/GLKRPシンチレーション近接アッセイ
WO01/20327(その内容は参照として本明細書に援用される)に記載のように、組換えヒトGLKおよびGLKRPを使用して、“mix and measure”96ウェルSPA(シンチレーション近接アッセイ)を開発した。GLK(ビオチン化)およびGLKRPは、阻害濃度の放射標識した[3H]F−6−P(Amersham Custom Synthesis TRQ8689)の存在下で、ストレプトアビジンに結合したSPAビーズ(Amersham)とインキュベートし、シグナルを生じる。F−6−Pに取って代わるか、またはいずれか別の方法でGLK/GLKRP相互作用を中断する化合物は、このシグナルの消失を引き起こすことになる。
結合アッセイは、室温で2時間行われた。反応混合物は、50mM Tris−HCl(pH7.5)、2mM ATP、5mM MgCl、0.5mM DTT、組換えビオチン化GLK(0.1mg)、組換えGLKRP(0.1mg)、0.05mCi[3H]F−6−P(Amersham)を含有し、最終容量を100mlとした。インキュベーション後、GLK/GLKRP複合体形成の程度は、ウェル当たり0.1mgのアビジン結合SPAビーズ(Amersham)の添加、およびPackard TopCount NXTでのシンチレーション計数により決定した。
(3)GLKRPとF−6−P間の結合相互作用を測定するためのF−6−P/GLKRP結合アッセイ。この方法を使用して、化合物の作用機序に関する付加的な情報を提供することができる。GLK/GLKRP結合アッセイにおいて同定された化合物は、F−6−Pに取って代わるか、またはいずれか別の方法でGLKとGLKRPの相互作用を変化させることにより、GLKとGLKRP相互作用を調節することができる。たとえば、タンパク質−タンパク質相互作用は一般に複数の結合部位を介した相互作用によって起こることが知られている。したがって、GLKとGLKRP間の相互作用を変化させる化合物は、1以上のいくつかの異なる結合部位に結合することにより作用できる可能性がある。
F−6−P/GLKRP結合アッセイは、GLKRP上のF−6−Pの結合部位からF−6−Pに取って代わることによって、GLKとGLKRPの相互作用を調節する化合物だけを同定する。
GLKRPはGLKの非存在下で、試験化合物と阻害濃度のF−6−Pと共にインキュベートし、F−6−PとGLKRP間の相互作用の程度を測定する。GLKRPへのF−6−Pの結合に取って代わる化合物は、形成されるGLKRP/F−6−P複合体の量の変化によって検出することができる。そのような結合アッセイの具体的な例を以下に記載する。
F−6−P/GLKRPシンチレーション近接アッセイ
WO01/20327(その内容は参照として本明細書に援用される)に記載のように、組換えヒトGLKRPを使用して、“mix and measure”96ウェルシンチレーション近接アッセイを開発した。FLAG−標識GLKRPは、阻害濃度の放射標識[3H]F−6−Pの存在下において、タンパク質Aに被覆されたSPAビーズ(Amersham)、および抗−FLAG抗体と共にインキュベートする。シグナルが生成される。F−6−Pに取って代わる化合物は、このシグナルの消失を引き起こすことになる。このアッセイとGLK/GLKRP結合アッセイの組み合わせにより、観察者はF−6−Pに取って代わることによってGLK/GLKRP結合相互作用を中断する化合物を同定することになる。
結合アッセイは、室温で2時間行われた。反応混合物は、50mM Tris−HCl(pH7.5)、2mM ATP、5mM MgCl、0.5mM DTT、組換えFLAG標識GLKRP(0.1mg)、抗−FLAG M2抗体(0.2mg)(IBI Kodak)、0.05mCi[3H]F−6−P(Amersham)を含有し、最終容量を100mlとした。インキュベーション後、F−6−P/GLKRP複合体形成の程度は、ウェル当たり0.1mgのタンパク質A結合SPAビーズ(Amersham)の添加、およびPackard TopCount NXTでのシンチレーション計数により決定した。
組換えGLKおよびGLKRPの産生
mRNAの調製
ヒト肝総mRNAは、Sambrook J,Fritsch EF&Maniatis T,1989に記載のように、4Mグアニジンイソチオシアネート、2.5mMシトレート、0.5%サルコシル、100mM b−メルカプトエタノール中で、ポリトロンによりホモジナイズし、その後5.7M CsCl、25mM酢酸ナトリウム、135,000g(最大)での遠心分離により調製した。
PolyAmRNAはFastTrackTMmRNA単離キット(Invitrogen)を使用して直接調製した。
GLKおよびGLKRP cDNA配列のPCR増幅
ヒトGLKおよびGLKRP cDNAは、Sambrook,Fritsch&Maniatis,1989に記載された、確立された技術を使用して、ヒト肝mRNAからPCRにより得た。PCRプライマーは、Tanizawa et al 1991およびBonthron,D.T.et al 1994(後に Warner,J.P.1995において修正された)に示されたGLKおよびGLKRP cDNA配列に従って設計した。
Bluescript IIベクターにおけるクローニング
GLKおよびGLKRP cDNAは、Yanisch−Perron C et al(1985)によって使用されたものに類似した組換えクローニングベクター系、pBluescript II、(Short et al 1998)(バクテリオファージT3およびT7プロモーター配列が隣接した、複数の特有の制限部位を含有する、ポリリンカーDNAフラグメント、線維状ファージ複製起点、およびアンピシリン薬剤耐性マーカー遺伝子を持つ、colEIを基礎にしたレプリコンを含有する)を使用して、大腸菌にクローニングした。
形質転換
大腸菌形質転換は、一般にエレクトロポレーションにより行った。DH5aまたはBL21(DE3)菌株の400mL培養物は、L−ブロス中でOD600が0.5になるまで培養し、2,000gで遠心分離することにより採取した。細胞は氷冷脱イオン水で2回洗浄し、1mlの10%グリセロールに再懸濁し、−70℃でアリコートを保存した。ライゲーションミックスはMillipore VシリーズTM膜(0.0025mmポアサイズ)を使用して脱塩した。細胞40mlは0.2cmのエレクトロポレーションキュベット中で、1mlのライゲーションミックスまたはプラスミドDNAと共に10分間、氷上でインキュベートし、Gene PulserTM装置(BioRad)を使用して、0.5kVcm−1、250mFでパルスを当てた。形質転換体はテトラサイクリン10mg/mlまたはアンピシリン100mg/mlを補足したL−寒天培地上で選択した。
発現
GLKは、大腸菌BL21細胞中で、ベクターpTB375NBSEから発現され、N−末端メチオニンのすぐ隣に6−Hisタグを含有する組換えタンパク質が産生された。あるいは、別の適切なベクターはpET21(+)DNA、Novagenカタログ番号697703である。6−Hisタグを使用して、Qiagenから購入した、ニッケル−ニトリロトリ酢酸アガロースを充填したカラム(カタログ番号30250)で組換えタンパク質を精製した。
GLKRPは、大腸菌BL21細胞中で、ベクターpFLAG CTC(IBI Kodak)から発現され、C−末端FLAGタグを含有する組換えタンパク質が産生された。タンパク質は、初めにDEAEセファロースイオン交換により、続いてSigma−Aldrichから購入したM2抗−FLAG免疫アフィニティーカラム(カタログ番号A1205)での最終精製のためのFLAGタグの使用により精製した。
GLKのビオチン化:
GLKは、Sigma−Aldrichから購入した、ビオチンアミドカプロエートN−ヒドロキシスクシニミドエステル(ビオチン−NHS)(カタログ番号B2643)との反応によりビオチン化した。手短に言えば、標的タンパク質(GLK)の遊離アミノ基は、定義されたモル比でビオチン−NHSと反応して、安定なアミド結合を形成し、共有結合したビオチンを含有する生成物を生じる。過剰な、結合しないビオチン−NHSは透析により生成物から除去される。具体的には、7.5mgのGLKが、4mLの25mM HEPES pH7.3、0.15M KCl、1mMジチオスレイトール、1mM EDTA、1mM MgCl(緩衝液A)中の0.31mgのビオチン−NHSに添加された。この反応混合物は、付加的な22mgのビオチン−NHSを含有する緩衝液A100mLに対して透析した。4時間後、過剰なビオチン−NHSを緩衝液Aに対する十分な透析により除去した、
ラットへの経口投与後の血漿中レベルおよび血漿タンパク質結合の測定
ラットへの化合物の投与および血漿試料採取
遊星歯車で粉砕した化合物[Puluerisette 7 Mill(Glen Creston Ltd,Stanmore,Middlesex,UK)中、15分間、500rpm、5ジルコニウムボール]を、0.5% HPMC Tweenに懸濁し、高脂肪食(Research Diets、D12451、14日間随意に摂食)で飼育された雌Alderley Park ZuckerまたはAlderley Park Wistarラットに、投与量0.3〜10mg/kg、5mls/kgの割合で経口胃管投与した。
血漿試料は、以下のような覚醒血液採取(conscious blood sampling)または末梢血採取のいずれかにより得た:
覚醒血液採取(化合物レベルまたは血液化学のため)−静脈内血液試料は、600μl Starstedt Multivette(EDTA)および22G針を使用して、必要な時点で尾静脈から採取した。試料は氷上に維持し、採取後15〜30分間以内に3000rpmで10分間、遠心分離した。血漿を吸引し、−20℃で保存した。
化合物レベルまたは血液化学のための末梢血採取−実験終了時に、動物はCO/Oへの暴露により安楽死させた。血液試料を心臓穿刺により採取した。試料は氷上に維持し、採取後15〜30分間以内に3000rpmで10分間、遠心分離した。血漿を吸引し、−20℃で保存した。
ラット血漿における化合物レベルの測定
ラット血漿25μlを96ウェルタンパク質沈殿プレート(Varian inc.Palo Alto,California,USA)のウェルに添加した。それぞれのウェルに、内部標準として作用する1μg/mlの(3−イソプロポキシ−5−ベンジルオキシ−ベンゾイル)アミノピリジン3−カルボン酸を含有する、アセトニトリル500μlを添加し、血漿タンパク質を沈殿させた。次に血漿溶媒混合物を真空下で沈殿プレートを通して吸引し、溶出液を集めた。溶出液は遠心エバポレーターを使用して蒸発乾固し、200μlのメタノール:水:ギ酸(60:40:0.1)に溶解した。
次に溶解した試料は、次にタンデム質量分析検出の付いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC−MS−MS)を使用して分析した。HPLCは、Phenomenex Prodigy C8、50x4.6、5μm.カラム(Phenomenex,Macclesfield,UK)を使用し、流速1ml/分で、注入量10μlを使用し、以下のグラジエント溶出特性を使用して行った:
移動相A 水中0.1%ギ酸
移動相B メタノール中0.1%ギ酸
移動相グラジエント 0分 50% A
0.5分 5% A
2.5分 5% A
2.6分 50% A
3.0分 50% A
質量分析はApplied Biosystems API3000質量分析計(Applied Biosystems,Foster City,California,USA)を使用して行った。試料を分析する前に、質量分析計は試験化合物の構造に対して最適化された。
試験試料の濃度は、試験試料のピーク高対内部標準のピーク高の比から決定した。試験試料の濃度は、内部標準として(3−イソプロポキシ−5−ベンジルオキシ−ベンゾイル)アミノピリジン3−カルボン酸を使用し、先に記載のように処理されたラット血漿試料に添加された試験試料の既知の濃度を使用することにより作製された、比を濃度に関連させる標準曲線を参照して計算した。
化合物の血漿タンパク質結合の測定
化合物の血漿タンパク質結合は、平衡透析技術(W.Lindner et al,J.Chromatography,1996,677,1−28)を使用して測定した。化合物を、血漿および等張リン酸緩衝液pH7.4(透析セル中それぞれ1ml)と共に37℃で18時間、濃度20μMで透析した。Spectrum(登録商標)20−セル平衡透析装置をテフロン(登録商標)、半微量透析セルおよびSpectra/Por(登録商標)2膜ディスク[分子量カットオフ12〜14000ダルトン、47mm](PerBio Science UK Ltd,Tattenhall,Cheshireにより供給)と一緒に使用した。血漿および緩衝液試料は透析後除去し、HPLCUV/MS(UVおよび質量分析の検出を伴った高速液体クロマトグラフィー)を使用して、分析し、血漿中の%遊離レベルを得た。
血漿半減期の見積もり
血漿半減期は、血漿中の化合物濃度が元の値の半分に減少するのにかかる時間である。これは、先に記載のように、典型的には試験化合物を静脈内注射し、血漿試料中の化合物濃度を測定することによって決定する。血漿半減期は試料採取時間(t、線状)に対して血漿中濃度の対数(InCp)をプロットする、片対数プロットから見積もられる。見かけの一次排出速度定数、kは線の傾きに等しく、排出半減期(t1/2)は速度定数の逆数である(Gibaldi,M and Perrier,D,1975 Pharmacokinetics,Marcel Dekker,New York)。
Figure 2007512300
本発明の化合物は以下の特徴を有する:
(i)約200nM未満のEC50を有するグルコキナーゼ活性化活性;
(ii)約0.04%〜約1%の血漿中遊離百分率;
(iii)ラット体重1キログラムにつき化合物1mgの標準化投与量に関して、約0.3μM〜約10μMのピーク血中レベル(結合および遊離を共に含む);および
(iv)少なくとも約1時間の血漿半減期(t1/2)。
たとえば、実施例2は以下の値を有する:
Figure 2007512300
参考文献
Figure 2007512300
Figure 2007512300

Claims (16)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 2007512300
    (式中、R−X−はメチル、メトキシメチルおよび:
    Figure 2007512300
    から選択され;
    は水素、メチル、クロロおよびフルオロから選択され;
    nは1または2である)またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物。
  2. 式(Ia)の請求項1に記載の化合物:
    Figure 2007512300
    (式中:nおよびRは式(I)の化合物において先に定義したとおりである)またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
  3. 式(Ib)の請求項1に記載の化合物:
    Figure 2007512300
    (式中:nおよびRは式(I)の化合物において先に定義したとおりである)またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
  4. 式(Ic)の請求項1に記載の化合物:
    Figure 2007512300
    (式中:nおよびRは式(I)の化合物において先に定義したとおりである)またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
  5. 式(Id)の請求項1に記載の化合物:
    Figure 2007512300
    (式中:nおよびRは式(I)の化合物において先に定義したとおりである)またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
  6. 式(Ie)の請求項1に記載の化合物:
    Figure 2007512300
    (式中:n、X、RおよびRは式(I)の化合物において先に定義したとおりである)またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
  7. 1以上の以下の化合物:
    6−{[(3−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボン酸および
    6−{[(3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルオキシ)−5−{[(1S)−1−メチル−2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}フェニル)カルボニル]アミノ}ピリジン−3−カルボン酸、から選択される化合物またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを薬学的に許容できる希釈剤またはキャリアと一緒に含有する医薬組成物。
  9. 薬剤としての使用のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
  10. GLKにより媒介される疾患、とりわけ2型糖尿病の治療のための薬剤の製造における使用のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
  11. 有効量の請求項1〜7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを、GLK媒介疾患、とりわけ糖尿病の治療が必要な哺乳動物に投与することにより、かかる疾患を治療する方法。
  12. 糖尿病および肥満の組み合わせた治療または予防において使用のための薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用。
  13. 肥満の治療または予防において使用のための薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用。
  14. 肥満および糖尿病の組み合わせた治療が必要な哺乳動物に、有効量の請求項1〜7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる、かかる疾患の組み合わせた治療のための方法。
  15. 肥満の治療が必要な哺乳動物に、有効量の請求項1〜7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる、かかる疾患の治療のための方法。
  16. 以下のことを含む、請求項1に記載の式(I)の化合物、またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物の製造のための方法:
    (a)式(IIIa)の酸または活性化されたその誘導体と式(IIIb)の化合物:
    Figure 2007512300
    (式中、Pは水素または保護基である)の反応;または
    (b)式(IIIc)の化合物:
    Figure 2007512300
    (式中、Pは保護基である)の脱保護;または
    (c)式(IIId)の化合物と式(IIIe)の化合物:
    Figure 2007512300
    (式中、Xは脱離基であり、Xはヒドロキシル基であるか、またはXはヒドロキシル基であり、Xは脱離基であり、そしてPは水素または保護基である)の反応;または
    (d)式(IIIf)の化合物と式(IIIg)の化合物:
    Figure 2007512300
    (式中、Xは脱離基であるか、または有機金属試薬であり、そしてXはヒドロキシル基であるか、またはXはヒドロキシル基であり、そしてXは脱離基であるか、または有機金属試薬であり、ここでPは水素または保護基である)の反応;または
    (e)式(IIIh)の化合物と式(IIIi)の化合物:
    Figure 2007512300
    (式中:Xは脱離基であり、そしてPは水素または保護基である)の反応;
    およびその後、必要な場合:
    i)式(I)の化合物を別の式(I)の化合物に変換すること;
    ii)いずれもの保護基を除去すること;
    iii)その塩、プロドラッグまたは溶媒和物を形成すること。
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