JP2007511406A - シート・ベルト引込み機構 - Google Patents
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Abstract
ベルト引込み機構(200)は、巻きつけられたベルト(300)を有しベルト(300)を引き込むように付勢される付勢スプール(210)と、スプール(210)を引き込みの方向に回転させることを防止するための歯止めおよび爪車機構と、係合表面を有し前記係合表面がベルト(300)に係合し、それによってベルト(300)の移動を防ぐ係合位置に付勢され、および開位置に移動可能である付勢カム部材と、開設定と閉設定の間で移動可能であり、前記歯止めおよび爪車機構を解放し、さらに前記カム部材を前記係合位置から前記開位置に移動させ、それによってベルト(300)を移動可能にさせるように前記開設定に手動で操作することができる作動装置(240)と、を備える。
Description
本発明は、ベルト引込み機構に関する。ある特定の形態では、本発明は、子供の拘束シート用のシート・ベルト引込み機構に関する。
現状のシート・ベルト引込み機構は、通常、関連づけられた爪車および歯止め装置と組み合わせたばね仕掛けのスプールの組合せ体を含んでいる。この歯止めは、爪車の歯に係合し、それによって、スプールの回転を防止するために、ばね仕掛けとなっている。しかし、この標準的な爪車および歯止め装置は重大な欠点を持つ。これは、ベルトを反時計回りの方向(曲線状の矢印の方向)に引き込むように付勢されたスプール110を有するシート・ベルト・リトラクタ100を示す図1を検討することによって、もっともよく説明される。爪車115の歯120は、第1の全体的に表側の垂直表面121と裏側の傾斜した表面122を備える。ベルトがリトラクタ100から引き出された場合には(直線状の矢印の方向)、歯止め130は、垂直表面121に当接し、したがって、ベルトがリトラクタ100からのどんな動きに対しても固定される。
操作時、歯止め130は、先ず、作動装置によって、爪車115から解放され、したがって、スプール110が回転し、ベルトをスプール110からぴんと張って移動させることが可能になる。ベルトを、子供に、多くの場合他の異なるベルトおよび/またはバックル部分と組み合わせて装着した後、ベルトはぴんと張って引っ込み、歯止め130が爪車115と再係合することが可能になり、したがって、子供は適切に拘束される。しかし、歯止め130は、歯120の2つの隣接した垂直表面121の間にある中間の裏側の傾斜した表面122と係合することがしばしばある。したがって、リトラクタからベルトを引き出したとき、スプール110が時計回りに動き、遂には、歯止め130が次の垂直表面121に確実に係合し、それに当接する。これは、リトラクタ100から移動してから、歯止め130および爪車115機構がベルトを固定するベルトがある量存在するということを示す。
スプール110の急な時計回りの方向は事故の徴候なので、子供の運動量がリトラクタ100からベルトを移動させるように作用する場合、余分なベルトの移動の量が拘束を緩め、その結果、場合によっては、危険な、また安全でない状況をもたらす。
改良されたベルト固定を可能にするベルト引込み機構を提供することが本発明の目的である。
したがって、ある態様では、本発明は、
巻きつけられたベルトを有し、前記ベルトを引き込むように付勢される付勢スプールと、
前記スプールを引き込みの方向に回転させることを防止するための歯止めおよび爪車機構と、
係合表面を有し、前記係合表面が前記ベルトに係合し、それによって前記ベルトの移動を防ぐ係合位置に付勢され、および開位置に移動可能である付勢カム部材と、
開設定と閉設定の間で移動可能であり、前記歯止めおよび爪車機構を解放し、さらに前記カム部材を前記係合位置から前記開位置に移動させ、それによって前記ベルトを移動可能にさせるように前記開設定に手動で操作することができる作動装置と、
を備えるベルト引込み機構を提供する。
巻きつけられたベルトを有し、前記ベルトを引き込むように付勢される付勢スプールと、
前記スプールを引き込みの方向に回転させることを防止するための歯止めおよび爪車機構と、
係合表面を有し、前記係合表面が前記ベルトに係合し、それによって前記ベルトの移動を防ぐ係合位置に付勢され、および開位置に移動可能である付勢カム部材と、
開設定と閉設定の間で移動可能であり、前記歯止めおよび爪車機構を解放し、さらに前記カム部材を前記係合位置から前記開位置に移動させ、それによって前記ベルトを移動可能にさせるように前記開設定に手動で操作することができる作動装置と、
を備えるベルト引込み機構を提供する。
ベルトを適所で固定する係合表面を備える付勢カム部材を、スプールの回転を防止する歯止めおよび爪車機構と組み合わせると、歯止めおよび爪車が係合され、カム部材が係合位置にあるとき、ベルトを所定の位置で固定する効果的な固定機構が提供できる。これらの機能を、個々の固定手段の両方を解放するように機能する作動装置と組み合わせると、さらに便利かつ容易に使えるベルト引込み機構をもたらす。
好ましくは、前記作動装置が前記開設定から前記閉設定に作動するとき、前記歯止めおよび爪車機構は再係合し、それによって、前記スプールの回転が防止される。
これにより、ベルトを解放するために使用される同一の作動装置が、歯止めおよび爪車機構を再係合するためにも使用されるので、シート・ベルト引込み機構を所定の位置で固定する動作がさらに簡単になる。
好ましくは、前記作動装置を、前記開設定から前記閉設定に作動させたとき、前記カム部材が、前記開位置から前記係合位置に移動する。
この場合も、これにより、やはり、1つの作動装置を使用して、ベルトを所定の位置に完全に固定することも、ベルトを解放することもできるので、シート・ベルト引込み機構の操作が大幅に簡単になる。
好ましくは、前記作動装置が、前記作動装置の解放時に、前記作動装置を前記開設定から前記閉設定に付勢するための付勢手段を備える。これにより、作動装置が閉設定に付勢されて、ベルトが、既定状態で、所定の位置に固定されたままとなることを保証するので、ベルト引込み機構の安全性が改善される。
好ましくは、前記カム部材が回転可能であり、前記作動装置に隣接するカム・アームを備え、前記カム・アームが前記係合表面に対して反対側端部に配置され、前記作動装置を前記閉設定から前記開設定に移動させたとき、前記カム部材が、係合位置から開位置に回転させられる。
カム・アームを作動装置と直接接触させることによって、作動装置の動作を、簡単かつ効果的な方法で用いて、カム部材の位置を変化させることができる。
好ましくは、前記係合表面が、前記係合表面と引入れ口表面の間で前記ベルトをしっかり締め付けることによって、前記ベルトに係合し、前記引入れ口表面が、前記ベルトが引き込まれる前記シート・ベルト引込み機構用の引入れ口の一部を形成する。
好ましくは、前記作動装置が前記閉設定にあるとき、前記ベルトの引き込みにより、前記カム部材が回転して、前記係合表面と前記引入れ口表面の間の距離が減少し、それによって、前記ベルトがさらにきつく締め付けられる。これにより、事故のときに直面するようなベルトのどんな急な引き込みでも、ベルトをより大きな力で固定させることになるので、ベルト引込み機構の安全面がさらに向上する。
好ましくは、前記係合表面が、前記ベルトに係合するためのいくつかの隆起物または歯を備える。
好ましくは、前記作動装置が、前記カム・アームに対して作用するとき、前記作動装置の動作を導くために実質的に線形の溝内に保持される。
好ましくは、前記作動装置が、前記歯止めおよび爪車機構の歯止めをさらに備える。
好ましくは、前記作動装置および前記歯止めが単体構造である。
好ましくは、前記作動装置がさらにハンドルを備え、前記ハンドルが、前記ベルトが引き込まれる前記ベルト引込み機構の前記引入れ口と実質的に反対側の位置から操作することができるように配置される。ハンドルを引入れ口とは反対側に配置することによって、片方の手を用いて、ベルトをベルト引込み機構から引っ張ることができ、その間、もう一方の手は、便利かつ人間工学的な位置にあるハンドルを操作する。
本発明の好ましい一実施形態を、以下の添付図面を参照して検討する。
以下の説明では、図面のいくつかの図を通して、同じまたは対応する部品を、同じ参照符号で示す。
次に図2および図3を参照すると、本発明の好ましい一実施形態によるベルト引込み機構200が示されている。この実施形態は、チャイルド・シートまたは安全シートのハーネスに直接適用できるが、本発明は、容易に、座席用の安全ベルトなどの固定可能なベルト引込み機構が必要とされ、または商品を積み込むとき固定するためにベルトが使用される他の状況に適用することができる。
ベルト引込み機構200は、ベルト300がその上に巻きつけられたスプール210を備える。スプール210は、図3に示すように反時計回りの方向に回転力を加え、それによって、スプール210が解放されたときベルト300を引入れ口270中に引き込むぜんまいばね212によって、ばね仕掛けとなっている。さらに、スプール210に付勢をかけてベルト300を引き込むねじりコイルばねなどの他のばね装置、または弾性帯装置でさえも、本発明の範囲内となるように意図される。さらにベルト300をしっかり締めるために、シャフト(図示せず)を、六角ナット213に係合するように取り付け、それによって、スプールの手動回転が可能になり、ベルト300をしっかり締めることができる。
ベルト引込み機構200は、ハウジング260の両側に配置された溝262内で滑動する突起部243によって、ハウジング260内に取り付けられた作動装置240をさらに備える。作動装置240には、溝262に沿って、作動装置240を移動させるように働くハンドル250が取り付けられる。
次に図4を参照すると、作動装置240は、ある位置で爪車211の歯と係合する歯止め241も備えており、爪車211の歯は、スプール210の一方の側に配置され、スプール210上のベルト300の引き込みを阻止するように配置されている。作動装置240には、溝242で、コイルばね280が取り付けられ、コイルばね280のもう一方の端部は、ハウジング・カバー290に、取付け部291で取り付けられる。コイルばね280は、歯止め241を爪車の歯211との係合状態へ付勢するように作用する。作動装置240と隣接するのは、アーム部分222および締付力を改善するために複数の歯または隆起物を備えるカム係合表面221からなる回転可能なカム部材220である。カム部材220は、カム部材220をハウジング260に取り付けるボルト224によって画定される軸の周りを回転可能である。
図4に示されているように、カム部材220を時計回りの方向に回転させると、カム係合表面221がベルト300に押し付けられる。ベルト300に加えられる引出し力により、カム係合表面221は、ベルト300をしっかり締め付け、カム係合表面221をさらに時計回りの方向に押しやり、それによって、ベルト300が、カム係合表面221と底部表面271の間に押し付けられる。これによってベルト300の引き出しが防止される。
コイルばね230は、アーム部分222の上部リップ部223に取り付けられ、その反対側の端部が、ハウジング260内の溝261に取り付けられる。コイルばね230は、作動装置240がカム部材220を解放するように作用しているとき、作動装置240に対してカム部材220を付勢するように、しかも作動装置240とカム部材220の間に遊びがあるとき、さらにカム係合表面221をベルト300に押し付けて保持して、どんな引出し力でも加えられるとすぐにベルトの締め付けが生じることを保証するように作用する。当業者に明らであるように、コイルばね230の代わりに、他の付勢手段も使用できることは明白である。
次に図4および図5を参照すると、操作時、ハンドル250が、ハウジング260に向かって押されると、作動装置240は、溝262に沿って、両方のコイルばね230、280の付勢作用に対抗して滑動し、それによって、爪車211から歯止め241が解放され、さらにカム部材220が回転し、その結果、カム係合表面221がベルト300から離れて移動し、それによってベルト300が解放される。歯止め241が、もはやスプール210の回転を防止していないので、しかもベルト300が、カム係合表面221と底部表面271の間を自由に動くことができるので、ベルト300は、ぜんまいばね212の動作により引き込められる。ベルト300を、引き出し、それによって、ぜんまいばね212に張力をかけることもできる。ハンドル250の解放時、コイルばね230の作用を受けた、しかも作動装置240からの対抗する力が全くないカム部材220は、係合表面221が、ベルト300をしっかり締め付けて移動を防ぐ係合位置に戻る。さらに、歯止め241を備える作動装置240は、スプール210に向かって溝262に沿って引っ張られて、爪車の歯211と係合しようとする。
カム部材220が係合位置に移動したとき、ベルト300の引込力により、カム部材220は、実質的に即座にベルト300を締め付ける。しかし、引込力が加えられない場合、スプール210内のぜんまいばね212は、反時計回りの方向に回転するのに十分な力を有しており(図4に示されているように)、遂には、歯止め241が次の爪車の歯211と係合する。カム部材220に対してこの方向にベルト300を引っ張ると、カム部材220を解放するように作用し、それによって、スプールの回転が爪車211によって阻止されまで、ベルト300のさらなる引き込みが可能になり、またはハーネスが安全シートの乗員に密着する。いったん作動装置240が解放されると、カム部材220の回転により、ベルト引込み機構200からのベルト300のどんな強制的な移動にも起因して全負荷が得られる。
他の実施形態では、より大きな力をカム部材220に加えて、カム部材220をベルト300とのさらなる積極的係合状態に押しやり、その結果、ベルト300の引込力によって必要とされるカム部材220のさらなる移動なしで、ベルトの締め付けが素早く行われるためのその他の付勢手段を備えることができる。
当業者に明らかなように、ベルト引込み機構200は、従来技術に対して実質的な利点を備えている。カム部材220によって、固定機能が実施されるので、従来技術の歯止めおよび爪車機構の欠点に実質的に対処されている。
本発明は、ベルトをその引き出した位置に保持する利点を有する。例えば、作動装置240が操作させられ、安全シートのハーネスを伸ばすためにベルト300が引き出された場合、ハーネスおよびベルト300は、作動装置240が解放されたときの伸長位置にとどまる。というのは歯止め241が、スプール210の引き込み方向への回転を防止する爪車の歯211に係合するからである。ベルト300およびハーネスは、作動装置240が再び操作させられると同時に引っ込む。
代替実施形態では、歯止め241および爪車211は、作動装置240およびスプール210から削除することができる。これによって積極的な引込力が常にベルト300に加えられることになり、さらなる締付力を手動でスプール210に加えることが可能となる。例えば、外部ハンドルを備えるスプール210に取り付けられた、またはそれと係合可能なシャフトを使用すると、ベルト300をさらに引き込み、安全シートのハーネスの引張力を最大にすることができる。ベルト300は、この方向に移動するとき、カム部材220を通り過ぎて自由に移動する。
以上本発明の好ましい一実施形態を上記の詳細な説明において開示してきたが、本発明は、開示された実施形態には限定されず、添付の特許請求の範囲によって記載され、定義された本発明の範囲から逸脱せずに、多数の再配列、改変、および置換が可能であることが理解されよう。
Claims (12)
- 巻きつけられたベルトを有し、前記ベルトを引き込むように付勢される付勢スプールと、
前記スプールを引き込みの方向に回転させることを防止するための歯止めおよび爪車機構と、
係合表面を有し、前記係合表面が前記ベルトに係合し、それによって前記ベルトの移動を防ぐ係合位置に付勢され、および開位置に移動可能である付勢カム部材と、
開設定と閉設定の間で移動可能であり、前記歯止めおよび爪車機構を解放し、さらに前記カム部材を前記係合位置から前記開位置に移動させ、それによって前記ベルトを移動可能にさせるように前記開設定に手動で操作することができる作動装置と、
を備えるベルト引込み機構。 - 前記作動装置を前記開設定から前記閉設定に作動させたとき、前記歯止めおよび爪車機構が再係合し、それによって、前記スプールの回転が防止される、請求項1に記載のベルト引込み機構。
- 前記作動装置を前記開設定から前記閉設定に作動させたとき、前記カム部材が、前記開位置から前記係合位置に移動する、請求項1または2に記載のベルト引込み機構。
- 前記作動装置が、前記作動装置の解放時に、前記作動装置を前記開設定から前記閉設定に付勢するための付勢手段を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のベルト引込み機構。
- 前記カム部材が回転可能であり、前記作動装置に隣接するカム・アームを備え、前記カム・アームが前記係合表面に対して反対側端部に配置され、前記作動装置を前記閉設定から前記開設定に移動させたとき、前記カム部材が、係合位置から開位置に回転させられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のベルト引込み機構。
- 前記係合表面が、前記係合表面と引入れ口表面の間の前記ベルトをしっかり締め付けることによって前記ベルトに係合し、前記引入れ口表面が、前記ベルトが引き込まれる前記シート・ベルト引込み機構用の引入れ口の一部を形成する、請求項5に記載のベルト引込み機構。
- 前記作動装置が前記閉設定にあるとき、前記ベルトの引き込みにより、前記カム部材が回転して、前記係合表面と前記引入れ口表面の間の距離を減少させ、それによって前記ベルトがさらにきつく締め付けられる、請求項6に記載のベルト引込み機構。
- 前記係合表面が、前記ベルトに係合するためのいくつかの隆起物または歯を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のベルト引込み機構。
- 前記作動装置が、前記カム・アームに対して作用するとき、前記作動装置の移動を導くために実質的に線形の溝内に保持される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のベルト引込み機構。
- 前記作動装置が、前記歯止めおよび爪車機構の前記歯止めをさらに備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載のベルト引込み機構。
- 前記作動装置および前記歯止めが単体構造である、請求項10に記載のベルト引込み機構。
- 前記作動装置がさらにハンドルを備え、前記ハンドルが、前記ベルトが引き込まれる前記ベルト引込み機構の前記引入れ口と実質的に反対側の位置から操作することができるように配置される、請求項6〜11のいずれか一項に記載のベルト引込み機構。
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