JP2007506842A - 新規なブロックコポリマー及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、共役ジエンとモノアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーブロックを含む新規なブロックコポリマーである。この制御分布コポリマーブロックは、共役ジエン単位が豊富な末端領域及びモノアルケニルアレーン単位が豊富な中心領域を有する。又、このブロックコポリマーの製造方法も開示する。

Description

本発明は、モノアルケニルアレーンと共役ジエンとの新規なアニオン性ブロックコポリマー並びにそのようなブロックコポリマーを製造する方法に関する。特に、本発明は、ブロックの1つが、コポリマーブロック中にモノマーの特定の配列を有する、共役ジエンとモノアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーである、スルホン化アニオン性ブロックコポリマーに関する。
ブロックコポリマーの調製は周知である。代表的な合成方法において、開始化合物が1つのモノマーの重合を開始させるために使用される。全てのモノマーが消費されるまで反応が許容され、結果としてリビングホモポリマーが生じる。第一モノマーとは化学的に異なる第二モノマーが、このリビングホモポリマーに結合する。第一ポリマーの活性末端が重合を続ける部位として供給され、その結果、第二モノマーが直鎖状ポリマー中に別個のブロックとして取り込まれる。そのようにして生長したブロックコポリマーは、終了するまで活性である。
終止により、ブロックコポリマーの活性末端は非増殖種に変換され、その結果、このポリマーは、モノマー又はカップリング剤に対して非反応性となる。そのようにして終止したポリマーは、通常ジブロックコポリマーと呼ばれる。ポリマーが終止していない場合、リビングブロックポリマーはさらなるモノマーと反応して、連続した直鎖状コポリマーを形成し得る。あるいは、リビングブロックポリマーは、通常カップリング剤と呼ばれている多機能剤と接触し得る。活性末端の2つをカップリングすることにより、開始リビングジブロックコポリマーの2倍の分子量を有する直鎖状トリブロックコポリマーが生じる。リビングジブロックコポリマー領域の2つ以上をカップリングすることにより、少なくとも3つのアームを有する放射状ブロックコポリマー構造が生じる。
スチレンとブタジエンで作成された直鎖状ABAブロックコポリマーに対する最初の特許の1つは、米国特許第3,149,182号である。米国特許第3,595,942号及び米国再発行特許第27,145号に記載されているように、これらのポリマーは次に水素化されてさらに安定なブロックコポリマーを形成し得る。いくつかの場合、所望されているものは、ブロックコポリマーではなく、SBRコポリマーのようなランダムコポリマーである。ランダムスチレンブタジエンコポリマーすなわちSBRコポリマー は、米国特許第2,975,160号、同第4,547,560号、同第4,367,325号及び同第5,336,737号に記載されている。
ブロックコポリマーについて低融解粘度を所望する発明者は、米国特許第3,700,633号に記載されているようなスチレンとブタジエンのランダムブロックの使用を考慮に入れている。ブロックコポリマーに対して透明性を導入する1つの手段は、また、米国特許第4,089,913号、同第4,122,134号及び同第4,267,284号に記載のように、ランダムブロックを提供することである。
スチレンとブタジエンとのランダムブロックを調製する場合、いわゆる「テーパー状」ブロックは、スチレンが共重合するよりも速くブタジエンが共重合することが原因で生じる。米国特許第5,191,024号、同第5,306,779号及び同第5,346,964号を参照のこと。また、米国特許第4,603,155号において、特許権者はより多くのランダムコポリマーを達成するために複数のテーパー状ブロックを含むブロックを調製した。しかし多くの場合、特許権者はより多くのランダム構造を得るために、両方のモノマーの連続付加か、又はランダム化剤の使用に頼る。このような技術は、米国特許第3,700,633号及び同第4,412,087号、或いはドイツ特許出願公開DE4420952号、DE19615533号、DE19621688号、DE195003944号、DE19523585号及びDE19638254号に開示されている。しかし、いくつかのランダム化剤は水素化触媒を汚染し、ポリマーの連続水素化を困難か又は不可能にするので、このようなランダム化剤は避けなければならない。N原子を含むランダム化剤が、部分的にこの傾向がある。
特性におけるいくつかの改良がなされているが、可塑性を増大させることなくスチレン/ジエンブロックコポリマーの伸縮弾性を増大させることが可能であれば、有用であろう。また求められているものは、高い極性を有しつつ、融解及び溶解粘度が十分低いポリマーである。出願人らは、ジエンブロック中に異なる構造を有するポリマーを設計し、ここで、望ましくない塊状性(blockiness)を避け、そして重合水素化処理後の間に生じる望ましくない効果もまた減少又は避けることにより、これらの改良を達成し得ることを見出した。
本発明は、少なくとも1つのAブロック及び少なくとも1つのBブロックを有するスルホン化ブロックコポリマーを広く含み、ここで:
a.各Aブロックはモノアルケニルアレーンポリマーブロックであり、各Bブロックは少なくとも1つの共役ジエンと少なくとも1つのモノアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーブロックであり;
b.各Aブロックは独立して約3,000〜約60,000との間の数平均分子量を有し、そして各Bブロックは独立して約30,000と約300,000との間の数平均分子量を有し;
c.各Bブロックは、Aブロックに隣接した共役ジエン単位が豊富な末端領域、及びAブロックに隣接していないモノアルケニルアレーン単位が豊富な1つ以上の領域を含み;
d.ブロックコポリマーにおけるモノアルケニルアレーンの総量は、約20重量%〜80重量%であり;そして
e.各Bブロックにおけるモノアルケニルアレーンの重量%は、約10%〜約75%である。
このブロックコポリマーは、部分的、選択的又は全体的に水素化されても良い。好ましい実施形態において、ブロックコポリマーは2,800psi(20MPa)未満のヤング係数、及び70psi(0.5MPa)より大きいゴム係数すなわち100%〜300%伸張の勾配を有する。このような特性は先行技術のポリマーには見出せない。
従って、1つの観点において、本発明は、A−B、A−B−A、(A−B)n、(A−B−A)n、(A−B−A)nX、(A−B)nXの一般配列又はそれらの組み合わせを有する水素化されていないブロックコポリマーに関し、ここで、nは2〜約30までの整数であり、Xはカップリング剤残基であり、ここで:
a.各Aブロックはモノアルケニルアレーンポリマーブロックであり、各Bブロックは少なくとも1つの共役ジエンと少なくとも1つのモノアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーブロックであり;
b.各Aブロックは独立して約3,000〜約60,000の数平均分子量を有し、そして各Bブロックは独立して約30,000と約300,000との間の数平均分子量を有し;
c.各Bブロックは、Aブロックに隣接した共役ジエン単位が豊富な末端領域、及びAブロックに隣接していないモノアルケニルアレーン単位が豊富な1つ以上の領域を含み;
d.ブロックコポリマーにおけるモノアルケニルアレーンの総量は、約20重量%〜80重量%であり;そして
e.各Bブロックにおけるモノアルケニルアレーンの重量%は、約10%〜約75%である。
別の観点において、本発明は、A−B、A−B−A、(A−B)n、(A−B−A)n、(A−B−A)nX、(A−B)nXの一般配列又はそれらの組み合わせを有する水素化されたブロックコポリマーに関し、ここで、nは2〜約30までの整数であり、Xはカップリング剤残基であり、ここで:
a.水素化の前、各Aブロックはモノアルケニルアレーンポリマーブロックであり、そして各Bブロックは少なくとも1つの共役ジエンと少なくとも1つのモノアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーブロックであり;
b.水素化の後、アレーンの二重結合の約0〜10%が還元され、そして共役ジエンの二重結合の少なくとも約90%が還元され;
c.各Aブロックは約3,000〜約60,000の数平均分子量を有し、そして各Bブロックは約30,000〜約300,000の数平均分子量を有し;
d.各Bブロックは、Aブロックに隣接した共役ジエン単位が豊富な末端領域、及びAブロックに隣接していないモノアルケニルアレーン単位が豊富な1つ以上の領域を含み;
e.水素化されたブロックコポリマーにおけるモノアルケニルアレーンの総量は、約20重量%から80重量%であり;そして
f.各Bブロックにおけるモノアルケニルアレーンの重量%は、約10%〜約75%である。
必要ならば、Aブロックはまた、アレーンの二重結合の少なくとも90%が還元されるように、十分に飽和されても良い。また、必要ならば、ジエンブロックの飽和は、ジエンの二重結合の25〜95%のどこでもが還元されるように還元されても良い。さらに、ビニル結合を有するこれらの二重結合のみが飽和されても良い。
さらに別の観点において、本発明は、少なくとも1つのAブロック、少なくとも1つのBブロック及び少なくとも1つのCブロックを含み、ここで:
a.各Aブロックはモノアルケニルアレーンポリマーブロックであり、各Bブロックは少なくとも1つの共役ジエンと少なくとも1つのモノアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーブロックであり、そして各Cブロックは1つ以上の共役ジエンのポリマーブロックであり;
b.各Aブロックは独立して約3,000〜約60,000の数平均分子量を有し、各Bブロックは独立して約30,000〜約300,000の数平均分子量を有し、そして各Cブロックは独立して約2,000〜約20,000との数平均分子量を有し;
c.各Bブロックは、Aブロックに隣接した共役ジエン単位が豊富な末端領域、及びAブロックに隣接していないモノアルケニルアレーン単位が豊富な1つ以上の領域を含み;
d.ブロックコポリマーにおけるモノアルケニルアレーンの総量は、約20重量%〜80重量%であり;そして
e.各Bブロックにおけるモノアルケニルアレーンの重量%は、約10%〜約75%である。
このブロックコポリマーは、選択的、全体的又は部分的に水素化されても良い。
さらに別の観点において、本発明はA−B−A−Bの構造を有するテトラブロックコポリマーを含み、ここで:
a.各A及びAブロックはモノアルケニルアレーンポリマーブロックであり、各Bブロックは少なくとも1つの共役ジエンと少なくとも1つのモノアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーブロックであり、そして各Bブロックは、(I)少なくとも1つの共役ジエンと少なくとも1つのモノアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーブロック、(ii)共役ジエンのホモポリマーブロック、及び(iii)2つ以上の異なる共役ジエンのコポリマーブロックからなる群から選択され;
b.各A及びAブロックは約3,000〜約60,000の数平均分子量を有し、各Bブロックは独立して約30,000〜約300,000の数平均分子量を有し、そして各Bブロックは独立して約2,000〜約40,000の数平均分子量を有し;
c.各Bブロックは、Aブロックに隣接した共役ジエン単位が豊富な末端領域、及びAブロックに隣接していないモノアルケニルアレーン単位が豊富な1つ以上の領域を含み;
d.ブロックコポリマーにおけるモノアルケニルアレーンの総量は、約20重量%〜80重量%であり;そして
e.各Bブロックにおけるモノアルケニルアレーンの重量%は、約10%〜約75%である。
このテトラブロックコポリマーは、選択的、全体的又は部分的に水素化されても良い。
出願人らは、このようなポリマーのための彼らの発明の方法についてもまた特許請求の範囲に開示している。方法の1つは、以下の工程を含む:
a.第一反応器中のモノアルケニルアレーンを、不活性の炭化水素溶媒及び有機リチウム開始剤の存在化で重合し、それにより、リチウムイオンによって終止したリビングポリマーブロックA1が形成され;
b.不活性の炭化水素溶媒、コポリマーブロックB1で所望されるモノアルケニルアレーンモノマーの80〜100%、コポリマーブロックB1で所望される共役ジエンモノマーの10〜60%、及び分配剤を第二反応器に添加し;
c.リビングホモポリマーブロックA1を第二反応器へ移し、そして段階bで添加されたモノアルケニルアレーンモノマーと共役ジエンモノマーとの重合を開始し;そして
d.工程cのモノマーの約5〜60モル%が重合した後、共役ジエンモノマー及びモノアルケニルアレーンの残りの量を、ブロックB1中のモノマーの約90重量%が重合されるまで約0.1重量%以上の共役ジエンモノマー濃度を維持する速度で、第二反応器に連続して添加する。連続添加の終了時に存在する未反応のモノマーの20重量%未満、最も好ましくは15重量%未満がモノアルケニルアレーンから成り、それにより、リビングブロックコポリマーA1B1が形成されることが好ましい。
本発明の別の方法は以下の工程を含む:
a.第一反応器中のモノアルケニルアレーンを、不活性の炭化水素溶媒及び有機リチウム開始剤の存在化で重合し、それにより、リチウムイオンによって終止したリビングポリマーブロックA1が形成され;
b.段階aにおける重合が完了する前に、コポリマーブロックB1で所望される共役ジエンモノマーの40〜60%の1アリコートと、有効量の分配剤を反応器に添加し、そしてモノアルケニルアレーンと共役ジエンモノマーとの重合を継続し;
c.段階bのモノマーの約10〜60モル%が重合した後、共役ジエンモノマー及びモノアルケニルアレーンの残りの量を、ブロックB1中のモノマーの約90重量%が重合されるまで約0.1重量%以上の共役ジエンモノマー濃度を維持する速度で、反応器に徐々に添加し、それによりリビングコポリマーブロックコポリマーA1B1が形成され;そして
d.さらなるモノアルケニルアレーンモノマーを反応器に添加し、それによりA1及びA2ブロックは各々約3,000〜約60,000の数平均分子量を有し、そして各B1ブロックは約30,000と約300,000との間の数平均分子量を有するリビングコポリマーA1B1A2を形成する。
別の実施形態において、ブロックA1におけるモノアルケニルアレーンは完了するまで重合され、そしてモノアルケニルアレーンモノマー及び共役ジエンモノマーは同時に充填されるが、しかしモノアルケニルアレーンモノマーの方がより速い速度で充填される。
3つの別々のS−S/Bd−Sブロックコポリマーの中間ブロックにおけるスチレン及びブタジエンの分布を示す。 3つの別々のS−S/Bd−Sブロックコポリマーの中間ブロックにおけるスチレン及びブタジエンの分布を示す。 3つの別々のS−S/Bd−Sブロックコポリマーの中間ブロックにおけるスチレン及びブタジエンの分布を示す。図1〜3に示されるように、本発明の制御分布ポリマーブロックは、ブロックの末端上のブタジエン豊富な領域、及び制御分布ブロックの中央付近又は中心部のスチレン豊富な領域の存在により特徴付けされている。 中間ブロック中にスチレンを含みそして通常及び高ビニルポリマーと比較して制御された分布を有する、本発明のブロックコポリマーの張力特性のプロットである。図4中の全てのポリマーは、10,000−80,000−10,000の通常のブロック分子量を有する。 図5は、本発明の制御分布ポリマーと、同様のスチレン含量を有するが制御分布ではない市販品の応力−ゆがみ曲線を比較している。
発明の詳細な説明
本発明は、モノアルケニルアレーン/共役ジエンブロックコポリマーの一環として、アルケニルアレーンとジエンとの共重合のように調製された新規な組成物及び方法を提供する。驚くべきことに、(1)モノマー付加に関する特有の制御と、(2)溶媒の成分(「分配剤」と呼ばれる)としてジエチルエーテル又は他の修飾剤(modifiers)の使用との組み合わせにより、2つのモノマーの特定の特徴的な分布を生じ(ここでは、「制御分布」重合、すなわち、「制御分布」構造を生じる重合と定義する)、そしてまた、ポリマーブロック中で特定のモノアルケニルアレーン豊富な領域及び特定の共役ジエン豊富な領域の存在を生じる。本明細書での目的のために、「制御分布」とは、以下の特性を有する分子構造をいうことと定義する:
(1)共役ジエン単位が豊富である(すなわち、平均量よりも多く有する)モノアルケニルアレーンホモポリマー(「A」)ブロックに隣接した末端領域;
(2)モノアルケニルアレーン単位が豊富である(すなわち、平均量よりも多く有する)Aブロックに隣接していない1つ以上の領域;及び
(3)比較的少ない塊状性を有する全体構造。本明細書での目的のために、「豊富である」とは平均量よりも多い、好ましくは平均量より5%多いと定義する。この比較的少ない塊状性は、示差走査熱量測定(「DSC」)熱方法を使用するか、又は機械的方法によって分析される場合、いずれかのモノマー単独のガラス転移温度(「Tg」)の中間に、単一のガラス転移温度Tgのみが存在することによって示されるか、又は、プロトン核磁気共鳴(「H−NMR」)方法より示される。塊状性の潜在性は、Bブロックの重合の間、ポリスチリルリチウム末端基の検出に適した波長帯でUV可視吸収を測定することにより推測することができる。この値の著しく多大な増加は、ポリスチリルリチウム鎖末端の多大な増加を示す。この方法において、この増加は、共役ジエン濃度が制御分布重合を維持するための臨界レベルよりも低下した場合に生じる。この時点で存在するいずれのスチレンモノマーも、塊状(blocky)様式で付加する。用語「スチレン塊状性」とは、当業者がプロトンNMRで測定した場合、ポリマー鎖上で最も近くに隣接する2つのSを有するポリマーにおけるS単位の割合と規定される。スチレン塊状性は、H−1 NMRを使用して以下のように2つの実験的な量を測定した後に決定される。
始めに、スチレン単位(すなわち、分配された場合無効になる任意の機械的単位)の総数は、7.5から6.2ppmのH−1 NMRスペクトルにおける総スチレン芳香族シグナルを積分し、そして各スチレン芳香族環上の5つの芳香族水素を計算するためにこの数量を5で割り算することによって決定される。
第二に、塊状スチレン単位は、6.88〜6.80ppmの最小シグナル〜6.2ppmのH−1 NMRスペクトルにおいる芳香族シグナルの割合を積分し、そして各塊状スチレン芳香族環上の2つのオルソ水素を計算するためにこの数量を2で割り算することによって決定される。最も近く隣接する2つのスチレンを有するこれらのスチレン単位の環上の2つのオルソ水素に対するこのシグナルを設定することは、F. A. Bovey,High Resolution NMR of Macronzolecules (Acadenzic Press, New York and London, 1972), chapter 6 に報告されている。
スチレン塊状性は、総スチレン単位に対する塊状スチレンの単なる割合である:
塊状% = 100×塊状スチレン単位/総スチレン単位)。
こうして説明した通り、ポリマー−Bd−S−(S)n−S−Bd−ポリマー(ここでnは0よりも大きい)は、塊状スチレンとして定義される。例えば、上記の例でnが8の場合、塊状性指数は80%となる。塊状性指数が約40未満であることが好ましい。10〜40重量%のスチレン含量を有するいくつかのポリマーについては、塊状性指数が約10未満であることが好ましい。
この制御分布ポリマー構造は、生じるコポリマーの強度及びTgを管理するのに非常に重要である。なぜなら制御分布構造は、2つのモノマーの相分布が実質的に存在しない、すなわち、別個のTgを有するが実際は化学的に互いに結合している分離した「ミクロ層(microphase)」としてモノマーが実際に残っているブロックコポリマーとは対照的である、ということを保証するからである。この制御分布構造は、1つのみのTgが存在し、そのため生じるコポリマーの熱性能が予測可能であり、そして実際に予測されるということを保証する。さらに、このような制御分布構造を有するコポリマーが次にジブロック、トリブロック又はマルチブロックコポリマー中の1つのブロックとして使用される場合、適切に構成された制御分布コポリマー領域の存在によって可能となった比較的高いTgは、フロー及びプロセス可能性を改良する傾向にある。特定の他の特性の変更もまた、達成可能である。
本発明の好ましい実施形態において、主題の制御分布コポリマーブロックは、2つの別個の領域型、すなわちブロックの末端上の共役ジエン豊富な領域及びブロックの中央付近又は中心部のモノアルケニルアレーン豊富な領域を有する。所望されるものはモノアルケニルアレーン/共役ジエン制御分布コポリマーブロックであり、ここでモノアルケニルアレーン単位の割合は、ブロックの中央付近又は中心部では徐々に最高値まで増加し、次いでポリマーブロックが十分に重合されるまで徐々に減少する。この構造は、先行技術で議論されているテーパー構造及び/又はランダム構造とは別個であり異なる。
本発明の制御分布ポリマーを形成するためのアニオン性溶液共重合は、大部分は公知であり以前に使用されている方法及び材料を使用して実行することができる。一般的に共重合は、重合開始剤、溶媒、プロモーター及び構造修飾剤を含む補助材料を公知の選択をすることにより、アニオン性で達成されるが、本発明の鍵となる特徴としては、特定の分配剤の存在において達成される。このような分配剤は、好ましい実施形態において、非キレートエーテルである。このようなエーテル組成物の例は、テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピランのような環状エーテル、並びにジエチルエーテル及びジブチルエーテルのような脂肪族モノエーテルである。いくつかの、特に共役ジエンのビニル含有量が50%を超えている場合において、エチレングリコールのジアルキルエーテル並びにジエチレングリコールジメチルエーテル及びジエチレングリコールジエチルエーテルのような脂肪族ポリエーテルを含むキレート剤を使用する必要があり得る。他の分配剤は、例えば、しばしばキレート剤と呼ばれるオルソ−ジメトキシベンゼン、すなわち「ODMB」を含む。好ましくは、エーテルは脂肪族モノエーテルであり、さらに好ましくはジエチルエーテルである。このような共重合はバッチ、セミバッチ、又は連続調製で実行することができ、ここでバッチが最も好ましく、しかし構わないが、共重合工程の開始の前又は開始時に選択した溶液中にランダム化剤が存在していることが重要である。
分配剤の導入により、別のモノマー上の1つのモノマーに結合するために、鎖末端の成長を優先することが妨げられる。例えば、スチレン及びジエンの場合、ジエンに対して優先される。この分配剤は、2つのモノマーのより効率的な「制御分布」共重合を促進する働きをする。なぜなら、リビング鎖末端は、リビング鎖末端が他のモノマーを「見る」のとほぼ同じくらい容易に、1つのモノマーを「見る」からである。それによって、重合工程は各モノマーがポリマー中にほぼ同じ速度で取り込まれるのを許容するように「変化する」。このような工程は、いずれのモノマー成分の「ロングラン(long runs)」をも有さないコポリマー、言い換えると上記で定義される制御分配コポリマー、を生じる。好ましい工程において、ジエンの第二アリコートのゆっくりとした添加が完了する時までに、モノアルケニルアレーンモノマーがほぼ消費され、それ故に、重合は共役ジエンが豊富な状態で終了する。共役ジエンモノマーの短いブロックは重合の全体にわたって形成することができるが、モノアルケニルアレーンモノマーのブロックは共役ジエンモノマーの濃度が非常に低い場合でのみ形成される。好ましい実行条件の下で、Bブロック中のモノアルケニルアレーンモノマーの累積割合は、変換全体の約40〜60%で最高に達するが、最終値の約25〜30%しか上回らない。モノマーのこの比較的均一な分布の結果は、単一のTgを有する産物であり、この単一のTgは2つの対応するホモポリマーのTg値の加重平均である。
上記で述べた通り、分配剤は好ましくは非キレートエーテルである。「非キレート」とは、成長するポリマーをキレートしないようなエーテルを意味する、すなわち、開始化合物(例えば、リチウムイオン)から誘導される鎖末端と特定の相互作用を形成しない。本発明で使用される非キレートエーテルが全体の重合充填(polymerization charge)の極性を変更することによって作動するので、これらのエーテルは比較的高濃度で使用されることが好ましい。ジエチルエーテル(これが好ましい)を選択する場合、重合充填の重量(溶液及びモノマー)の約0.5〜約10%、好ましくは約1〜10%の濃度であることが好ましく、そして約3〜6重量%であることが好ましい。このモノエーテルのより高い濃度が代わりに使用することができるが、追加される有効性がなく費用が増大するようである。分配剤がODMBである場合、使用される量は典型的には、総反応器濃度を基準として約20〜400百万分の一重量部(「PPMW」)であり、好ましくは少ないビニル産物については20〜40PPMWであり、より多くのビニル産物については100〜200PPMWである。
本発明の重要な観点は、制御分配コポリマーブロック中の共役ジエンのミクロ構造又はビニル含量を制御することである。用語「ビニル含量」とは、共役ジエンが1,2−付加を介して(これはブタジエンの場合である−イソプレンの場合は3,4−付加である)重合されるということを意味する。純粋な「ビニル」基は、1,3−ブタジエンの1,2−付加重合の場合にのみ形成されるが、ブロックコポリマーの最終特性に対する、イソプレンの3,4−付加重合(及び他の共役ジエンについての同様の付加)の効果も同様である。用語「ビニル」は、ポリマー鎖上にペンダントビニル基の存在を意味する。ブタジエンが共役ジエンとして使用されることを意味する場合、コポリマーブロック中の濃縮ブタジエン単位の約20〜約80モル%は、プロトンNMR分析により決定した場合1,2−ビニル配置を有することが好ましい。選択的水素化ブロックコポリマーについて、濃縮ブタジエン単位の好ましくは約30〜約70モル%が1,2−配置を有するべきである。不飽和ブロックコポリマーについて、濃縮ブタジエン単位の好ましくは約20〜約40モル%が、1,2−ビニル配置を有するべきである。分配剤の相対量を変化させることで効率よく制御される。ここから分かるように、分配剤は2つの目的を果たす−モノアルケニルアレーンと共役ジエンとの制御分布を作成する、そしてまた、共役ジエンのミクロ構造を制御する。リチウムに対する分配剤の適切な割合は、米国再発行特許第27,145号(その開示内容は引用をもって本明細書中に組み込まれる)に開示及び教示されている。
重合ビヒクルとして使用される溶媒は、形成されるポリマーのリビングアニオン性鎖末端と反応しないどの炭化水素でもあり得、市販の重合単位において容易に取り扱いができ、そして生成されるポリマーに対して適切な溶解特性を与える。例えば、非極性脂肪族炭化水素(これらは一般的にイオン化可能な水素に欠けている)は、特に適切な溶媒になる。頻繁に用いられるものは、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及びシクロオクタンのような環状アルカンであり、これらは全て比較的非極性である。他の適切な溶媒は当業者に周知であり、工程条件の所定のセットにおいて、考慮される主要な要因の1つである温度で、効果的に実行することができるように選択することができる。
本発明の新規な制御分布コポリマーを調製するための開始物質は、初期モノマーを含む。アルケニルアレーンは、スチレン、アルファメチルスチレン、パラ−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン及びパラ−ブチルスチレン、又はそれらの組み合わせから選択することができる。これらのうち、スチレンが最も好ましく、市販されていて、そして種々の製品のうちから比較的安価である。ここで使用される共役ジエンは、1,3−ブタジエン及びイソプレン、ピペリレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン及び1−フェニル−1,3−ブタジエンのような置換ブタジエン、又はそれらの組み合わせである。これらのうち、1,3−ブタジエンが最も好ましい。本明細書及び特許請求の範囲中で使用される場合、「ブタジエン」とは特に「1,3−ブタジエン」を意味する。
アニオン性共重合のための他の重要な開始物質は、1つ以上の重合開始剤を含む。本発明において、そのようなものには、例えば、m−ジイソプロペニルベンゼンのジ−sec−ブチルリチウム付加体のような二重開始剤(di−initiator)を含む、アルキルリチウム化合物及びs−ブチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、アミルリチウム等のような他の有機リチウム化合物を含む。他のそのような二重開始剤は、米国特許第6,492,469号に記載されている。開始剤は、重合混合物(モノマー及び溶媒を含む)中で、所望のポリマー鎖につき1つの開始剤分子に基づいて計算された量で使用することができる。リチウム開始剤工程は周知であり、例えば米国特許第4,039,593号及び米国再発行特許 第27,145号(これらの記載は本明細書中に引用として組み込まれる)に記載されている。
本発明の新規なコポリマーを調製するための重合条件は、典型的には一般にアニオン性重合のために使用される条件と同様である。本発明において、重合は好ましくは約−30℃〜約150℃、より好ましくは約10℃〜約100℃、そして最も好ましくは、産業的な制限から、約30℃〜約90℃の温度で実行される。重合は、不活性雰囲気、好ましくは窒素中で実行され、約0.5〜約10バールの範囲内の圧力下でもまた達成することができる。この共重合は、一般に約12時間未満を要し、温度、モノマー成分の濃度、ポリマーの分子量及び使用される分配剤の量に依存して約5分〜約5時間で達成することができる。
上記で述べたとおり、本発明の重要な発見は、制御分布ポリマーブロック重合の間のモノマー供給の制御である。塊状性を最小にするため、ブタジエンの存在下で可能な限り多くのスチレンを重合することが望ましい。末端にかけて好ましい工程は、ブタジエンをゆっくりと添加する一方でスチレン充填を可能な限り素早く添加する。これは、可能な限り長く、好ましくはスチレンがほぼ消費されるまで、少なくとも約0.1重量%のブタジエン濃度を維持するためである。ブタジエンがこのレベルよりも減少した場合、この時点でスチレンブロックが形成されるという危険性がある。反応のブタジエン充填部分の間、スチレンブロックが形成されることは一般的に望ましくない。
2つの反応器重合スキームにおいて、モノアルキルアレーンの約80〜100%を共役ジエンの約10〜60%と共に第二反応器に添加することにより、このスキームは最も容易に達成される。次いで、第一反応器由来のリビングポリマーの移動によって、モノマーの重合開始を引き起こす。モノマーの約5〜60モル%が重合した後、残り部分のモノアルケニルアレーン(もしあれば)を添加し、そして残りの共役ジエンモノマーを、共役ジエンモノマー濃度が少なくとも約0.1重量%を維持する速度で添加する。ジエンモノマー添加の速度は、中間ブロックのスチレン含量、反応温度及び反応型、並びに使用される分配剤の濃度により決定される。6〜10%のジエチルエーテルの存在における反応速度は比較的速い。この系において、ジエンは典型的には15分を超えて60分までに充填される。両方のモノマーについての速度は、0.5〜1%ジエチルエーテル又は35〜40PPMのo−ジメトキシベンゼンの存在において、より遅くなる。この溶媒系において、60分〜90分に亘ってジエンを添加することがより典型的である。中間スチレンがより高くなるにつれてジエンをゆっくり添加するのが、より有利になる。ポリマーが完全な連続処理で調製される場合、ブロックB1中のモノマーの約90%が重合し、非反応のモノマープール中のモノアルケニルアレーンの割合が20重量%未満、好ましくは15重量%未満まで減少するまで、ブタジエン添加が継続されることを確実にするのが好ましい。この方法において、スチレンブロックの形成は重合の大部分に渡って阻害され、そして重合の終了時には十分な共役ジエンが残っていて、B1ブロックの末端領域がジエンモノマーの中により豊富にあることを確実にする。生じるポリマーブロックは、ブロックの最初及び最後付近にジエン豊富な領域を有し、そしてブロックの中心付近にアレーン豊富な領域を有する。好ましい工程の産物において、典型的にはブロックの最初の15〜25%及び最後の75〜85%がジエン豊富であり、残りはアレーン豊富であると考えられる。用語「ジエン豊富」とは、中心領域よりもアレーンに対するジエンの割合がある程度高い領域を意味する。別の方法で説明すると、これはモノアルケニルアレーン単位の割合がポリマー鎖に沿って中央又は中心付近で徐々に最大になり、次いでポリマーブロックが十分に重合されるまで徐々に減少することである。好ましい実施形態において、モノアルケニルアレーンの全て及び共役ジエンの約10〜20%が反応器に充填され、そして共役ジエンの残りは元のモノマーの約5〜10%が重合した後に添加される。
相当な高レベルの分布制御剤を使用した場合、上記に記載の工程を用いて最終産物中にアレーンモノマーの所望の分布を達成することは、典型的には可能である。より高い中間ブロックスチレンレベル及び分布制御剤の低いレベルでは、いくらかの塊状性は不可避である。これらの産物をカップリングにより調製することが好ましい。このことにより、形成されるいずれの塊状スチレンも、末端ブロックからいくらか離れて位置することが確実になる。本発明のポリマーがカップリングにより調製された場合、ジエンモノマーの5〜10%を備え、そしてアレーンモノマーの重合が完了するとすぐにこの充填を添加することが好ましい。このことにより、鎖の全てがジエン単位で終了するということが確実になる。リビングジエン鎖末端は一般に、カップリング剤とより効率的に反応する。
本発明の産物が、全てのB1モノマーがリビングAブロックを収容する反応器に充填されるという単一反応器工程で調製される場合、アレーンモノマー添加開始の約1分前にジエンモノマー添加を開始することが好ましい。最初に両方のモノマーを素早く充填し、次いで、アレーンモノマーの大部分が添加されるとすぐにジエン添加速度を遅くすることがまた好ましい。この工程により、B1ブロックの始めの領域がジエンモノマー豊富であることが確実になり、工程段階の早くにジエンモノマーが欠乏するようになるのを防ぐのに十分に大きなプールを形成する。上記で議論される場合、最適な速度は、中間ブロックのスチレン含量、反応温度及び反応型、並びに使用する分布制御剤の濃度に依存する。
制御分布又はBブロックについて、各Bブロック中のモノアルケニルアレーンの重量%は、約10重量%〜約75重量%であり、好ましくは選択的水素化モノマーについて約25重量%〜約50重量%である。
本明細書中で使用される場合、「熱可塑性ブロックコポリマー」とは、少なくとも1つ以上の例えばスチレンのようなモノアルケニルアレーンの第一ブロック、及びジエンとモノアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーの第二ブロックを有するブロックコポリマーと定義される。この熱可塑性ブロックコポリマーを調製する方法は、ブロック重合に関する一般に公知のいずれかの方法による。本発明は、ジブロック、トリブロックコポリマー、テトラブロックコポリマー又はマルチブロック組成物のいずれかであり得る、熱可塑性コポリマー組成物を実施形態として含む。ジブロックコポリマー組成物の場合、1つのブロックはアルケニルアレーンを基にしたホモポリマーブロックであり、そしてそれと共に重合されるのはジエンとアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーの第二ブロックである。トリブロック組成物の場合、末端ブロックとしてガラス状のアルケニルアレーンを基にしたホモポリマー、及び中間ブロックとしてジエンとアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーを含む。トリブロックコポリマー組成物を調製する場合、制御分布ジエン/アルケニルアレーンコポリマーは、ここでは「B」として設計され、そしてアルケニルアレーンを基にしたホモポリマーは「A」として設計される。A−B−Aのトリブロック組成物は、連続重合か、又はカップリングのいずれか一方で作成することができる。連続溶液重合技術において、モノアルケニルアレーンが最初に導入されて比較的頑丈な芳香族ブロックを産生し、次に制御分布ジエン/アルケニルアレーン混合物を導入して中間ブロックを形成し、そして次いでモノアルケニルアレーンを導入して末端ブロックを形成する。直鎖状すなわちA−B−A配置に加えて、ブロックが構築されて放射状(枝分かれした)ポリマーすなわち(A−B)Xを形成しても良いし、又は構造の両方の型が混合物中に組み合わせされも良い。加えて、いくつかのAブロックが他のいくつかのAブロックよりも高い分子量を有する場合、非対称の、多様なブロックコポリマーが含まれると考えられる。例えば、このようなポリマーは構造(A−B)−X−(B−A)を有し得る(ここで、dは1〜30であり、eは1〜30であり、そしてA1ブロックとA2ブロックの分子量は少なくとも20%で異なる)。いくつかのA−Bジブロックポリマーは存在し得るが、好ましくは、ブロックポリマーの少なくとも約70重量%は、強度を与えるために、A−B−A又は放射状(又は別の、分子毎に2つ以上の末端樹脂ブロックを有するような枝分かれ状)である。
放射状(枝分かれ状)ポリマーの調製は、「カップリング」と呼ばれる重合後の段階を要する。上記の放射状の式において、nは2〜30の整数であり、好ましくは約2〜約15であり、そしてXはカップリング剤の残余又は残基である。多くのカップリング剤は当該分野では公知であり、そして例えばジハロアルカン、ハロゲン化シリコン、シロキサン、多機能エポキシド、シリカ化合物、カルボン酸を有する一価アルコールのエステル(例えば、アジピン酸ジメチル)及びエポキシド化油を含む。星型ポリマーは、例えば、米国特許第3,985,830号、同第4,391,949号及び同第4,444,953号、カナダ特許第716,645号に開示されるようなポリアルケニルカップリング剤を用いて調製される。適切なポリアルケニルカップリング剤には、ジビニルベンゼン、そして好ましくはm−ジビニルベンゼンが含まれる。好ましいものは、テトラエトキシラン(TEOS)のようなテトラアルコキシシラン、アジピン酸ジメチル及びアジピン酸ジエチルのような脂肪族ジエステル、並びにビス−フェノールAとエピクロロヒドリンとの反応により誘導されたジグリシジルエーテルのようなジグリシジル芳香族エポキシ化合物を含む。
ポリマーの配置、及びそれゆえポリマーの特性をさらに変更するために使用することができる、追加可能な重合後処理には、キャッピング及び鎖終結が含まれる。エチレンオキシド、二酸化炭素、又はそれらの組み合わせのようなキャッピング剤は、官能基を鎖末端に付加する役割を果たし、次いで、これら鎖末端は、さらなる特性変更反応のための反応部位となる。対照的に、鎖終結は、さらなる重合を単に阻害し、従って、所望の点を越えて分子量が増加することを阻害する。このことは、全てのモノマーが重合した後に残っている活性金属原子、特に活性アルカリ金属、そしてより好ましくは活性リチウム原子を非活性化することにより達成される。効果的な鎖終結剤には、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−エチルヘキサノール、これらの混合物等のようなアルコール;及びギ酸、酢酸、マレイン酸、これらの混合物等のようなカルボン酸を含む。例えば、米国特許第4,788,361号(その開示内容は引用をもって本明細書中に組み込まれる)を参照のこと。活性又はリビング金属原子部位を不活性化するための他の化合物は当該分野で公知であり、そしてこれらの公知の化合物もまた、使用されても良い。あるいは、リビングコポリマーは、金属部位を不活性化するために単に水素化されても良い。
上記で記載される重合手順(ジエン/アルケニルアレーンコポリマーの調製、並びにそれと共に調製されるジブロックコポリマー及びマルチブロックコポリマーの調製を含む)は、固形物含量の範囲を超えて、好ましくは溶媒及びモノマーの約5〜約80重量%、最も好ましくは約10〜40重量%で実行することができる。高固形物重合について、いずれの所定のモノマー(これはすでに記載したとおり、あらかじめ調製したホモポリマー又はコポリマーを含み得る)でも、所望の重合温度を超えることを避けるために徐々に添加するのが好ましい。最終トリブロックポリマーの特性は、生じるアルケニル含量及びジエン含量に多くの程度依存する。望ましい透明度だけでなく望ましい高Tg及び強度特性をも維持する一方でエラストマー性能を極めて確実にするために、トリブロック及びマルチブロックポリマーのアルケニルアレーン含量は約20重量%よりも大きく、好ましくは約20〜約80重量%であることが好ましい。このことは、残りの含有物のほぼ全て(これはジエン/アルケニルアレーンブロックの一部である)がジエンである、ということを意味する。
種々のブロックの分子量を制御することもまた重要である。ABジブロックについて、望ましいブロックの重量は、モノアルケニルアレーンAブロックについて3,000〜約60,000であり、そして制御分布共役ジエン/モノアルケニルアレーンBブロックについて30,000〜約300,000である。好ましい範囲は、Aブロックについて5000〜45,000であり、そしてBブロックについて50,000〜約250,000である。トリブロックについて(これは連続ABAブロックコポリマー又はカップリングした(AB)Xブロックコポリマーであり得る)、Aブロックは3,000〜約60,000、好ましくは5000〜約45,000であるべきであり、一方で連続ブロックについてのBブロックは30,000〜約300,000、そしてカップリングポリマーについてのBブロック(2)はその半分量が好ましい。トリブロックコポリマーについて総平均分子量は、約40,000〜約400,000、そして放射状コポリマーについて約60,000〜約600,000が好ましい。テトラブロックコポリマーABABについて、末端Bブロックについてブロックの大きさは約2,000〜約40,000が好ましく、そして他のブロックは連続トリブロックコポリマーのブロックの大きさと同様であることができる。これらの分子量は、光散乱測定によって最も正確に決定され、そして数平均分子量として表される。
本発明の熱可塑性エラストマー性ジブロック、トリブロック及びテトラブロックポリマー(1つ以上の制御分布ジエン/アルケニルアレーンコポリマーブロック及び1つ以上のモノアルケニルアレーンブロックを含む)の重要な特徴とは、少なくとも2つのTgを有することである。この低いほうのTgは、制御分布コポリマーブロックの単一Tgであり、これはその制御分布コポリマーブロックを構成するモノマーの中間のTgである。このようなTgは、好ましくは少なくとも−60℃であり、より好ましくは約−40℃〜約+30℃であり、そして最も好ましくは約−40℃〜約+10℃である。第二のTg(これはモノアルケニルアレーン「ガラス状」ブロックのTgである)は、好ましくは約+80℃〜約+110℃、より好ましくは約+80℃〜約+105℃である。2つのTgの存在は、これはブロックのミクロ相分離の実例であるが、種々の用途における物質の著しい弾力性及び強度、並びにその処理の容易さ及び望ましいメルトフロー特性に寄与する。
さらに本発明の別の実施形態において、注目すべきことは、本明細書の組成物の特性のさらなる改良が、ブロックコポリマーの水素化という、さらなる別の重合後処理によって達成することができるということである。好ましい水素化は、最終ブロックコポリマーのジエン部分の選択的な水素化である。Bブロック及びAブロックの両方が水素化されても良いし、あるいは単にBブロックの一部が水素化されても良い。一般的に水素化は、最終ポリマーの温度安定性、紫外線安定性、酸化安定性、そしてそれ故に耐候性を改善する。本発明の主な利点は、例えば、非キレートモノエーテルのような分配剤(これは初期重合工程の間存在する)が、水素化触媒を妨害又は「汚染」せず、従って、任意の追加の除去段階の必要性も除去されている、ということである。
水素化は、当分野で公知のいくつかの水素化工程か又は選択的水素化工程のいずれかを通して実行し得る。例えば、このような水素化は、例えば米国特許第3,595,942号、同第3,634,549号、同第3,670,054号、同第3,700,633号及び米国再発行特許第27,145号(これらの開示は引例として本明細書中に組み込まれる)において教示されているような方法を使用して達成される。これらの方法は、芳香族不飽和又はエチレン不飽和を含むポリマーを水素化するように作動し、そして適切な触媒の作用に基づく。このような触媒又は触媒前駆体には、好ましくは例えばニッケル又はコバルトのような第8属金属が含まれ、この第8属金属は、例えばアルキルアルミニウム、又は元素周期表の第I−A属、第II−A属及び第III−B属から選択される金属、特にリチウム、マグネシウム又はアルミニウムの水素化物のような、適切な還元剤と結合する。この調製は、適切な溶媒又は希釈剤中で、約20〜約80℃の温度で達成することができる。他の有用な触媒には、チタン系触媒システムが含まれる。
水素化は、共役ジエンの二重結合の少なくとも約90%が還元され、アレーン二重結合の0〜10%が還元されるような条件下で実行することができる。好ましい範囲は、共役ジエンの二重結合の少なくとも約95%が還元され、そしてより好ましくは共役ジエンの二重結合の約98%が還元される範囲である。あるいは、芳香族不飽和もまた上記記載よりも10%高いレベルで還元されるように、ポリマーを水素化することが可能である。このような徹底的な水素化は、通常、より高い温度で達成される。その場合、共役ジエンとアレーンの両方の二重結合は、90%以上が還元される。
いったん水素化が完了すると、比較的多量の水溶性酸(好ましくは20〜30重量%)のポリマー溶液で、1部のポリマー溶液に対して0.5部の水溶性酸の容量割合で撹拌することによって触媒を排出することが好ましい。適切な酸には、リン酸、スルホン酸又は有機酸が含まれる。この撹拌は、窒素中の酸素混合物と共に散布する間、約50℃で、約30〜約60分間続けられる。この段階において、爆発性の酸素と水素との混合物が形成されないように、注意をしていなければならない。
あるいは、本発明のブロックコポリマーは、種々の方法によって官能化することができる。1つの方法は、例えば、カルボン酸基又はその塩、無水物、エステル、イミド基、アミド基、及び酸塩化物のような、1つ以上の官能基又はそれらの誘導体を有する不飽和モノマーで処理することによる。ブロックコポリマー上にグラフトされる好ましいモノマーは、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらの誘導体である。このようなブロックコポリマーの官能化のさらなる記述は、Gergenら、米国特許第4,578,429号及び米国特許第5,506,299号中に見出され得る。別の様式において、本発明の選択的水素化ブロックコポリマーは、米国特許第4,882,384号に教示されるように、ポリマーにシリコン又はホウ素含有化合物をグラフトすることによって官能化することができる。さらに別の方法に様式において、本発明のブロックコポリマーは、アルコキシ−シラン化合物と結合してシラン修飾ブロックコポリマーを形成し得る。さらに別の様式において、本発明のブロックコポリマーは、米国特許第4,898,914号に教示されているようなポリマーに少なくとも1つのエチレン酸化物分子をグラフトすることによってか、又は米国特許第4,970,265号に教示されているようにポリマーを二酸化炭素と反応させることによって官能化することができる。さらに、本発明のブロックコポリマーは、米国特許第5,206,300号及び同第5,276,101号において教示されているように金属化することができ、ここで、ポリマーはアルカリリチウムのようなアルキルアルカリ金属と接触される。そしてさらに本発明のブロックコポリマーは、米国特許第5,516,831号において教示されているようにスルホン基をポリマーにグラフトすることによって官能化することができる。本段落で言及した特許は、本出願中に引例として組み込まれる。
任意の所望の処理後工程と同様に、以下の全ての重合の最終段階は、溶媒から最終ポリマーを除去するための仕上げ処理である。種々の手段及び方法が当業者に公知であり、そして溶媒をエバポレートするために蒸気を使用し、ポリマーを凝集し、次にろ過する。最終産物は、そのポリマーの特性によって種々の興味深い用途のために有用である「きれいな」ブロックコポリマーである。これらの特性には例えば、最終ポリマーの応力−ひずみ応答性が含まれ、このことは、本発明の組成物が応力に対してより固い弾力性を呈し、従って同じ長さに伸ばすためにより大きな応力を必要とするということを示す。これは、所定の製品において、より少ない材料で同じ力が得られる、非常に有用な特性である。弾性特性も変更して、伸張の増加と共にモジュールが増加するようにし、応力を増大するために大きく伸張しなければならない弾性プラトー領域の出現を減少する。別の驚くべき特性は、増大した引裂き強度である。本発明の制御分布コポリマーは、熱可塑性ポリスチレン(これは最も広く周知であり使用されているアルケニルアレーンポリマーの1つである)の処理のために一般に設計されている装置を使用して容易に処理されるという性能においてさらなる利点を提供する。融解処理は、押出成型又は注入成型を介して、熱可塑性の業界で共通する単軸スクリュー技術又は二軸スクリュー技術のいずれかを使用して達成することができる。溶液法又は回転成形法もまた、適切に使用することができる。
Pottickらに対する米国特許第5,516,831号(‘831)において、ブロックコポリマーをスルホン化することが教示されている。この中で、水素化ブロックコポリマーは、水素化ポリジエンブロックよりも優先してアルケニルアレーンブロックを選択的にスルホン化するスルホン化剤と反応することによって、アルケニルアレーンブロック中で最初にスルホン化されることが開示される。この中ではさらに、スルホン酸アシルがアルケニルアレーンブロックのスルホン化のために望ましい優先度を示すことが開示されている。
引例‘831は、スルホン酸アセチルが最も好ましいスルホン化剤であると教示している。スルホン酸アセチル(CHCO−SOH)は、各スルホン化反応の前に新鮮に調製するか、又はインサイチュで無水酢酸をスルホン酸と反応させることによって調製することが好ましい。スルホン酸と無水酢酸との反応は、スルホン酸アセチルを調製する好ましい方法である一方、スルホン酸アセチルを調製する有用であると当業者に公知の方法のいずれも、本発明で使用することができる。
本発明のスルホン化ポリマーは、好ましくは芳香環毎に約1つのスルホン酸基又はスルホネート基を有して調製される。好ましくは、官能化レベルは、コポリマーの分子毎に約1つのから、芳香環毎に約1つの官能基までの平均であり、そしてより好ましくは、コポリマーの分子毎に約3つの官能基から、分子の2つの芳香環毎に約1つの官能基までの平均である。
本発明のスルホン化ポリマーは、ブロックコポリマーのスルホネート基と芳香環との間にさらなる基があるように調製することができる。例えば、本発明のコポリマーは、一般式:
−Ar(X)−
を有し得、ここでArはブロックコポリマーの芳香環であり、そしてXは−SOH又は−P(O)(OR)O−R−SOHであり、ここでRは水素又は低級アルキルであり、そしてRは低級アルキレンである。好ましくは、スルホネート基は芳香環に直接結合するが、これら及びこの一般式の明らかな変異もまた、本発明の範囲内である。本発明のスルホン化ブロックコポリマーはまた、例えばブロックコポリマー中の残りの不飽和との反応を通してブロックコポリマーへスルホン化ポリマーをグラフトすることによって、調製することができる。
本発明のスルホン化ブロックコポリマーは、バッチ処理か又は連続処理のどちらかで調製されても良い。バッチ処理において、高レベルのスルホン化を達成するために、スルホン化ポリマーの溶解性と反応温度の両方のバランスをとることが望ましくあり得る。不飽和ブロックコポリマーは、ジクロロエタンのような溶媒に比較的可溶である。スルホン化が生じると、スルホン化ポリマーは次第により不溶性になり得る。溶媒中のポリマーの溶解性は、反応温度の上昇によってしばしば制御できない。なぜなら過剰な温度は、本発明のスルホン化ブロックコポリマー産物において架橋又は他の望ましくない効果を引き起こすからである。これらの問題を避けるために、望ましくない効果がポリマーに生じる温度を超えない一方、適切な溶解性を確実にするのに十分に高い温度でスルホン化を実行するのが望ましくあり得る。この温度範囲は、バッチ処理と連続処理の両方でほぼ同じになり、そして約30〜約70℃、好ましくは約35℃〜約55℃、さらに好ましくは約38℃〜約50℃、そして最も好ましくは約50℃である。
バッチ処理において、溶媒中のポリマーの約1〜約5重量%のポリマー濃度で反応を実行するのが一般に望ましい。より好ましくは、溶媒中のポリマーの約2〜4重量%のポリマー濃度でバッチ処理を実行するのが望ましい。最も好ましくは、溶媒中のポリマーの3重量%のポリマー濃度でバッチ処理を実行するのが望ましい。
連続処理において、溶媒中のポリマーの約0.1〜約3重量%のポリマー濃度で反応を実行するのが一般に望ましい。より好ましくは、溶媒中のポリマーの約0.5〜約2.5重量%のポリマー濃度でバッチ処理を実行するのが望ましい。最も好ましくは、溶媒中のポリマーの2重量%のポリマー濃度でバッチ処理を実行するのが望ましい。
連続処理において、工程は望ましくは以下の段階:
ポリマーを溶媒に溶解する。好ましくは、溶媒は塩素化炭化水素、ニトロ炭化水素、フッ化炭化水素又は超臨界二酸化炭素である。
ポリマー溶液温度を−5℃〜15℃に下げる。
SO反応物を、SOを気化することか、例えば乾燥空気、二酸化窒素又は硫化窒素のようなガス、或いは溶媒中で低濃度レベルに希釈することのいずれかによって調製する。好ましくは、溶媒は塩化炭化水素、ニトロ炭化水素、フッ化炭化水素又は超臨界二酸化炭素、又は液体二酸化硫黄である。1つの実施形態において、溶媒は1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、クロロホルム、ニトロメタン、又はそれらの組み合わせである。
流下膜式反応器中の逆流ポリマー溶液及びSO反応物について、反応工程の間ポリマー溶液を冷たく保つ。収集され中和された未反応SOガスは反応器を抜け出る。
交互に、ポリマー溶液とSO反応物とを、混合時間を1秒以下に保って、高剪断環境で混合する。理想的には、混合はSOが溶液中に保たれるような高められた圧力下で行われる。混合工程からの排出物を収集し、そして温度を−5〜15℃に保つ間、さらに120秒間混合溶液を撹拌し続ける。
スルホン化ポリマー溶液/懸濁液を収集し、そして溶媒を煮沸して除く。
好ましい実施形態において、さらに溶媒を回収しそして再使用する工程が含まれる。二酸化硫黄は、特に三酸化硫黄が二酸化硫黄の酸化によってインラインで調製される場合に、搬送ガスとしての空気又は窒素と置き換えても良い。
任意の理論によっても束縛されることを望まないが、本発明のポリマーは、コポリマーの中間ブロック内にある芳香族基の存在に起因して、スルホン化に役立つと思われる。従来のブロックコポリマーにおいて、ポリマーの溶解性は中間ブロック中の芳香族基が実質的に存在しないことに影響される。中間ブロック中の芳香族基は、分子のさらなるスルホン化を可能にする反応に加えて、本発明のコポリマーを可溶性に保つことを可能にする。バッチ処理について、例えば、約64重量%のスチレン基を有するブロックコポリマーは、約25〜約70%のスルホン化含量を有し得る。連続処理について、例えば、約64重量%のスチレン基を有するブロックコポリマーは、約25〜約70%のスルホン化含量を有し得る。ポリマーの全体スチレン含有量が約60〜約70重量%であり、そしてブロックコポリマーのAブロックが約10,000〜約35,000の数平均分子量を有するというポリマーのスチレン含量に基づき、好ましい実施形態において、スルホン化のレベルは約30〜40モル%であるべきである。
本発明の実行において、ポリマーは、スルホン化を実行する工程の一部として、溶媒に溶解される。好ましくは、溶媒は炭化水素、ニトロ炭化水素又は塩化炭化水素である。1つの実施形態において、本発明の工程は、1,2−ジクロロエタン、トリクロロベンゼン、クロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒中で実行される。別の実施形態において、溶媒は、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ニトロベンゼン、ニトロプロパン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
上記に記載の関連実施例に示される工程は、本発明のスルホン化コポリマーを調製するのに好ましい工程であり、その上これらの材料は、しかも通常の方法によって準備することができる。例えば、コポリマーは、好ましくは触媒として硫酸銀を使用して、ポリマーを硫酸中で加熱することによってスルホン化することができる。五酸化リン、トリエチルリン酸及びトリス(2−エチルヘキシル)リン酸のような多くの薬剤を有する複合体が、調節、すなわち三酸化硫黄の反応性を緩和するために使用することができる。予混合によって形成された他の硫酸アシルを使用して良く、これには三酸化硫黄/酢酸、三酸化硫黄/ラウリン酸及びクロロスルホン酸/ラウリン酸が含まれる。さらに、クロロスルホン酸及びトリメチルシリル−スルホニルクロリドは有用であると見出されている。本発明の1つの実施形態において、メチレン単位は、最初に環と所望の炭素長のα,ω−アシル/アルキル二塩化物とのアシル化を実行し、次に塩化物をスルホン酸塩に転移することによって、スルホネート基とフェニル基との間に容易に挿入される。同様に、スルトンとして公知である環状スルホニルエステルは、段階A特異経路が、スルホン化ポリマーが二酸化硫黄及び塩素ガスを使用することに変更されるのを避けるために使用することができる。さらに別の実施形態において、最初にモノマーをスルホン化し、次いで重合を実行することが可能である。スルホン化モノマー(プロトン形態)は、時々ナトリウム塩の形態で重合されるか、又はスルホニルエステルを形成することによって保護し次いで重合されても良い。イオン交換又は加水分解は、ポリマーのプロトン形態を得た後に起こる。
本発明のスルホン化ポリマーは、多くの用途において使用することができる。例えばスルホン化ポリマーは、電解質として燃料セル(Fuel Cells)、電解質として水電解槽(Water Electrolyzers)、酸電解物電池電解物分離器(Acid Electrolyte Battery Electrolyte Separators)、超キャパシタ電解槽(Super−Capacitors Electrolytes)、金属回収工程(Metal Recovery Processes)のための分離セル電解質電池(Separation Cell Electrolyte Barriers)等のような電気化学用途において使用することができる。これらの用途は、出願人らのDais Analytic Corporationに対する米国特許第5,468,574号、同第5,679,482号、同第5,677,074号及び同第6,110,616号により詳しく記載されている。
別の実施形態において、本発明のスルホン化コポリマーは、水分転移剤として使用することができる。これらの物質は、高容量空調(High Volume Air Conditioning;HVAC)、脱塩のための低温度蒸留膜(Low Temperature Distillation Membranes)、予気化(Prevaporation)(産業ガスの修飾及び浄化)、産業工程のための空中湿度除去/増加、医薬用途、ビル環境(透過性の壁コーティング)、及びテント又は仮囲いにおいて有用である。これらの用途は、Dais Analytic Corporationに対する米国特許第6,413,298号、同第6,383,391号、同第5,840,387号及び同第6,306,419号、並びに米国出願公開特許20030106680及び20030118887により詳しく記載されている。
本発明が有用であるさらに別の用途は、バイオフィルム(Bio−Films)である。 典型的なバイオフィルム用途には、パーソナルコンフォート(Personal Comfort)(衣類又は個人環境)、生物兵器衣類(バリアとして機能化された膜)、海用汚れ防止コーティング(エポキシペンキと共に合成)、ビル材料のための抗カビコーティング及び排水管のための汚れ防止コーティング(下水及び産業用)が含まれる。
本発明のスルホン化ポリマーのなお別の用途は、接着剤におけるものである。例えば本発明のポリマーは、水で除去し得る使い捨て接着剤及びマイクロ波熱で融解し得る熱可塑性接着剤として使用することができる。本発明の他の例としては、衣類、電子アセンブリ及びビル建造物の接着剤が含まれる。
本発明のポリマーは、例えば、おもちゃ、グリップ、ハンドル、靴底、チュービング、スポーツ用品、シーリング剤、ガスケット及びオイルゲルのような成形及び押出物品を含む種々の用途において有用である。この組成物はまた、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル及びエポキシ樹脂のゴム強化剤としての使用がある。従来のスチレンブロックコポリマーと比較した場合に弾性が改善されていることによって、これらのコポリマーは、圧力感受性接着剤と熱融解接着剤の両方を含む接着剤のために特に有用となる。
特に興味深い用途は、スチレンブロックコポリマーの処理性が保持されているがスパンデックスポリウレタンと同様のより高い「弾性力」を示す、熱可塑性フィルムである。ポリエチレン又は、粘着力を高めた樹脂とポリエチレンとの組み合わせと共に混合する場合、本発明の制御分布コポリマーはこれら効率の期待値を達成し得る。生じるフィルムは、通常のスチレン/エチレン−ブチレンブロックコポリマーと比較した場合、著しく改善された穿刺耐性及び強度、並びに減少した粘性を示す。同じ制御分布スチレン/ブタジエン(20/80重量/重量)コポリマーもまた、油及びポリスチレンを有するフィルム化合物中に配合することができ、ここで、このコポリマーは、スチレン/エチレン−ブチレン/スチレンブロックコポリマーに基づくコントロール配合と比較して、より高い強度及び改善されたエネルギー回収率及び透明度を示す。油及びポリプロピレンを使用して配合された成形用途において、減少した粘性及び摩擦係数により、キャップシールのような用途が拡大することになり、ブルーム及び内容物の混入をし得る望ましくないスリップ剤無しに産生し得る。
最終的に、本発明のコポリマーは、コポリマーの特性悪影響を与えることなく、他の成分と混合することができる。追加の成分として使用することができる典型的な材料しては、限定しないが、顔料、抗酸化剤、安定剤、界面活性剤、ワックス、フロープロモーター(flow promoter)、溶媒、粒子、及び組成物の処理性及びペレット取り扱いを増大させるために添加される物質を含む。
以下の実施例は単なる例示を目的とし、そしていかなる方法においても本発明の範囲を限定することは意図されない。
実施例1
実施例1において、本発明の種々の制御分布コポリマーを本明細書で特許請求される工程に従って調製した。全てのポリマーは選択的水素化ABAブロックコポリマーであり、ここでAブロックはポリスチレンブロックであり、水素化前のBブロックは、ブタジエン単位の豊富な末端領域及びスチレン単位の豊富な中心領域を有するスチレン/ブタジエン制御分布ブロックコポリマーである。ポリマーを、Bブロック中のジエン二重結合の95%よりも多くが還元されるような標準条件下で水素化した。
ジエチルエーテル(DEE)の存在下での1,3−ブタジエン(Bd)とスチレン(S)とのアニオン性共重合におけるコモノマーの分布を効率的に制御するために使用される一般的な手順を以下に記載した。多くのトリブロックコポリマーをシクロヘキサン中で段階的に合成した。ゴム中間ブロック中のスチレンとブタジエンとの共重合の分布を制御するためにジエチルエーテル(「DEE」)を使用した。共重合段階の間、コモノマー分布の度合いのH−NMR特徴づけを可能にするために、反応が進行するにつれて多くのサンプルを収集した。
段階Iについて、重合グレードのシクロヘキサンの適切な量を、ウェル混合(well−mixed)227lのステンレススチール反応容器に30℃で充填した。反応器容器中の圧力を窒素ガスで制御した。スチレンモノマーをこの反応器に30℃で充填した。sec−ブチルリチウムの10ml増分(12重量)を、シクロヘキサンとスチレンモノマーとの混合物を滴定するために反応器に添加した。滴定の終点を、オンライン比色計を用いて決定した。滴定後、sec−ブチルリチウムをリビングポリスチレンブロックのアニオン性重合を開始するために次いで反応器に添加した。温度を55℃まで上昇させておき、そしてスチレンの99.9%が転換するまで反応を実行した。これで、このブロックコポリマーの第一スチレンブロック、(S)−が完了した。
段階IIについて、重合グレードのシクロヘキサンの適切な量を、ウェル混合492lのステンレススチールの反応容器に30℃で充填した。最初に、段階II反応で必要とされる全てのスチレンモノマーを反応器に充填した。第二に、段階II反応で必要とされるブタジエンモノマーの2分の1を反応器に充填した。第三に、ジエチルエーテルの適切な量を反応器に充填した。第四に、sec−ブチルリチウムの10ml増分(12重量%)を、シクロヘキサン、スチレンモノマー、ブタジエンモノマー及びジエチルエーテルの混合物を滴定するために添加した。滴定の終点を、オンライン比色計を用いて決定する。段階II反応の滴定の後、リビングポリスチレン鎖を、窒素圧力を通して段階I反応器容器から段階II反応器容器まで移し、スチレンとブタジエンとの段階II共重合反応を30℃で開始した。共重合開始の10分後、ブタジエンモノマーの残りの2分の1を、全体の重合速度がほぼ一定を保つ速度で段階II反応器に投与した。温度を55℃まで上昇させておき、そして99.9%の転換基礎ブタジエン反応速度で反応を実行した。これで、段階Iポリスチレンブロックに対するスチレン−ブタジエンランダム化中間ブロックの付加が完了した。この時点でのポリマー構造は(S)−(S/Bd)−である。
段階IIIについて、より多くのスチレンモノマーを段階II反応器容器に55℃で充填し、リビング(S)−(S/Bd)−ポリマー鎖と反応させた。段階III反応を、スチレンの99.9%が転換するまでほぼ等温条件で維持した。リビングポリマー鎖を、高グレードのメタノールの適量(約10モル%過剰)を最終反応溶液に添加することによって終止した。最終ポリマー構造は(S)−(S/Bd)−(S)である。全てのポリマーを次いで選択的に水素化して直鎖状ABAブロックコポリマーを産生し、ここでAブロックはポリスチレンブロックであり、水素化前のBブロックは、ブタジエン単位の豊富な末端領域及びスチレン単位の豊富な中心領域を有するスチレンブタジエン制御分布ブロックである。種々のポリマーを、下記の表1中に示す。段階IMWとは第一Aブロックの分子量であり、段階IIMWとはABブロックの分子量であり、そして段階IIIMWとはABAブロックの分子量である。ジエン二重結合の約95%よりも多くが還元されるようにポリマーを水素化した。
この型の実験を、一連のスチレン−ブタジエン中間ブロック組成物の変更で19回繰り返し行った。19回の実験(ポリマー1〜15及び24〜27)それぞれからの分析結果を表1及び表1aに示す。最初の8回の実験のそれぞれについて重合の条件を表2に示す。他の11個のポリマーの重合の条件についても、最初の8個の重合条件についてと同様である。表3は、種々のポリマーについてのポリマー構成を示す。ポリマー28は、選択的水素化ABジブロックコポリマーである。ここでポリスチレンAブロックを最初に重合し、次いで制御分布スチレン/ブタジエンBブロックの要求される重合、次いでジエン二重結合の水素化である。
以下に、中間ブロックポリマー又は「B」ブロックポリマーを特徴づけするのに使用した方法を記載する。中間ブロックポリマーが最初のスチレンブロックの後に形成されることは、重合の性質である。段階IIで形成された中間ブロックは分離して分析することができないため、中間ブロックポリマーは段階Iスチレンブロックと共に分析しなければならず、そして段階Iスチレンブロックの寄与分を合計から差し引いて中間ブロックポリマーを特徴付けるパラメータを決定しなければならない。4つの実験の数量を使用して、中間ブロックポリマー中のスチレン含有%(中間PSC)及び中間ブロックポリマー中の塊状スチレン%(中間 塊状)を計算する。(注:中間ブロックに関する%BD12は直接測定し、段階IスチレンブロックからBD寄与分について補正する必要がない)。実験の数量及び計算方法を、ポリマー例15番を使用して説明する。ポリマー例15番についての4つの鍵となる実験の数量は:
GPC 段階I MW: 9.0k
GPC 段階II MW: 86.8k
NMR 段階II PSC: 33.4 重量%
NMR 段階II 塊状スチレン: 33%
ここで段階Iは段階Iスチレンブロックからなり、そして段階IIは段階Iスチレンブロックとスチレン/ブタジエン中間ブロックとの組み合わせである。
段階IIにおける総スチレン質量は、以下によって得られる:
86.8kの33.4重量%=段階II中の29.0kスチレン
中間ブロックのスチレン質量は、段階II中のスチレンから段階Iスチレン質量を差し引くことによってわかる:
29.0k−9.0k=中間ブロック中20.0k
中間ブロックの質量は、段階IIMWから段階IMWを差し引くことによって得られる:
86.8k−9.0k=中間ブロック中77.8k質量
「中間PSC」は、中間ブロックスチレンの中間ブロック質量に対する割合である:
100×20.0k中間ブロックスチレン/77.8k中間ブロック質量=25.7重量%
塊状スチレン%及び段階IIスチレン質量により塊状スチレンの質量が得られる:
29.0kの33%=9.6k段階II塊状スチレン
段階Iスチレンブロックを段階II塊状スチレン質量から差し引くことで、中間ブロック中の塊状スチレン質量を得る:
9.6k段階II塊状スチレン−9.0k段階I塊状スチレン=0.6k
「中間 塊状」とは、中間ブロック中のスチレンに対する中間ブロック中の塊状スチレンの割合である:
100×0.6k中間ブロック塊状スチレン/20.0k中間ブロックスチレン=3%
この実施例に記載された全てのポリマーについて、B中間ブロック中のスチレン塊状性を計算した値(「中間 塊状」)を、表1aに示す。各B中間ブロック中の計算されたスチレン割合もまた示す(「計算値 中間PSC」)。
図1、2及び3は、本実施例で調製された3つのポリマーのBd/Sブロックにおけるモノマー分布を示す。これらの図におけるデータを、S−S/Bd−S調製の段階IIブロックの合成の間、すなわちブロックコポリマー調製のブタジエンとスチレン部分との制御分布共重合の間、様々な時にリビング重合溶液のアリコートを採取することによって得る。これらの各アリコートのポリブタジエン及びポリスチレン組成物を、H−NMR技術を使用して測定した。これらの「生データ」を、アリコートの累積ポリスチレン含量から段階Iポリスチレンブロックのポリスチレン成分を差し引くことによって調整した。残りは、各アリコートについての段階IIブロックのポリスチレン成分となる。モルでのポリスチレン含量に対する、モルでのポリブチレン含量の割合(この方法で計算される)を、各実験における各アリコートについての転換レベルに対してプロットした。各アリコートについての段階IIブロックの分子量を、アリコートの分子量から段階Iブロックの分子量を差し引くことで得る。最終アリコートについての段階IIブロックの分子量を、この領域(100%転換)についての総分子量として得る。各アリコートの転換レベルを、その重合についての最終段階IIアリコートの分子量に対するそのアリコートの段階II分子量の割合を得ることで計算した。
これらのプロットは、本発明の利点を明確に示す。各々の場合、制御分布重合は開始し、そしてスチレンに対して取り込まれたブタジエンが比較的高い割合(ブタジエン豊富)で終了する。明らかに段階II領域の各末端上にポリスチレンの実行が無く、従って末端ブロック分子重量の制御は、段階I及び段階IIIのスチレン充填の大きさ及びこれらの重合段階におけるリビング鎖末端の数のみによって決定される。段階I及び段階IIIのポリスチレンブロックの大きさは、段階II重合の開始時でのポリスチレン実行の添加によってでも、又は終了時でのポリスチレン実行の添加によってでも増大されない。
これらの各重合における段階II領域の中心部分でスチレンがより豊富(Bd/S割合がより低い)であるけれども、H−NMRで分析した場合に、もしあっても、重合のこの段階の間にポリマー鎖に取り込まれるスチレンの多重状態は、まだほとんどない(スチレンの10モル%未満)ということは非常に注目される。ブタジエンに対するスチレン取り込みの相対速度がこの部分(段階II重合の約40%から約60%までの転換)の間に上昇したが、ポリマー鎖へのスチレンモノマーの制御分布取り込みを観察した。これらの共重合反応におけるスチレンのこのような制御分布取り込みは、選択的水素化S−S/Bd−S(S−S/E/B−Sすなわちスチレン−スチレン/エチレン/ブチレン−スチレンとしても公知)産物ブロックコポリマーにおける、所望のより硬い強度性能を得るために必要なようである。
実施例II
実施例IIにおいて、本発明の種々のポリマーを先行技術のポリマーと比較した。全てのポリマーは、スチレンとブタジエンモノマーで作成された直鎖状選択的水素化ABAブロックコポリマーであり、そして各A末端ブロックについては10,000及びB中間ブロックについては80,000の、通常又は標的分子量を有する。実施例Iのポリマー2及び3を、本例で使用した。ポリマーC−1及びポリマーC−2は比較のためであり、これは、B中間ブロック中に全くスチレンを有していない。C−1は68%のより高いビニル1,2含量を有し、一方C−2は38%のビニル1,2含量を有する。ポリマーC−3は、B中間ブロック中に約23重量%スチレンを有するよう調製される。ポリマーC−3を従来の重合工程において調製し、ここで中間ブロックはブタジエンとスチレンとの共重合によってキレート剤と共に、ブタジエン及びスチレンモノマーの制御分配剤が存在しないで調製される。むしろ、全てのブタジエン及びスチレンを、ミクロ構造修飾剤(1,2ジエチルプロパン)と共に中間ブロック重合の開始時に反応器へ添加した。従って、ポリマーC−3は「制御分布」構造を有していない。ブロック分子量及びビニル1,2含量の詳細を表4に示す。
フィルムをこれらのポリマーから調製し、ASTM D412に従って引張を試験し、そして結果を表5に示す。本発明の目的の1つは、ポリマーC−2、すなわち当分野で周知のポリマーよりも硬い弾性応答性を有するポリマーを作成することである。ヤング係数、すなわち極小伸張での剛性の増加を制限する一方、100%を超える伸張でゴム剛性を増加し、従って弾性力を増加することが、本発明の目的である。ヤング係数の増加は弾性特性に有害である。なぜなら、このことは可塑性の増加を意味するからである。ポリマーC−1に示すように、ブロックBに対するスチレンの付加を制御せずにビニル含量を増加することは、図4に示すように低伸張及び高伸張で強度が減少する。表5は、ビニル含量の増加が、ヤング係数、すなわち極小伸張での剛性、及びゴム係数、すなわち100%と300%との間のより高い伸張でのゴム剛性の両方を減少するということを数値で示す。しかし、分布を制御して中間ポリマーにスチレンを添加すると、図4及び表5に示すように、ヤング係数が少し増加するのと共に、ゴム強度が増加する。B中間ブロックにおけるスチレンの制御分布の重要性は、ポリマーC−3によって説明される。これは組成においてポリマー3と同様であるが、そのヤング係数が非常に増加している一方で、そのゴム係数はC−2、すなわち現在の技術の標準と比較して上昇せず、従ってこれは剛性強度がより少なく可塑性がより大きくなる。表5の500%係数は、この応答を同様に示す。本発明のポリマー(ポリマー2及び3)は、図4及び表5中の500%係数によって示されるように、より硬い弾性性質を示す。
実施例III
実施例IIIにおいて、有用な不飽和産物を産生するのに十分に低いビニル含量を維持する一方で、一般的な手順を使用して、ジエチルエーテル(DEE)、ジ−n−ブチルエーテル(nBE)又はo−ジメトキシベンゼン(ODMB)の存在下における1,3−ブタジエン(Bd)とスチレン(S)とのアニオン性共重合の間のスチレン分布を効果的に制御した。(S−S/Bd)nX直鎖状/放射状ブロックコポリマーの多くのブロックコポリマー混合物は、リビングS−S/BdLiジブロックのテトラエトキシシラン(TEOS)とのカップリングによって合成される。いくつかの場合において、モノマー分布のH−NMR特徴づけを可能にするために、共重合反応が進行するにつれて多くのサンプルを収集した。特定の反応に対応する工程データを、表6にまとめる。
段階Iについて、重合グレードのシクロヘキサンの適切な量を、ウェル混合227lのステンレススチール反応器容器に30℃で充填する。反応器容器中の圧力を窒素ガスで制御する。スチレンモノマーをこの反応器に30℃で充填する。sec−ブチルリチウムの10ml増分(12重量%)を、シクロヘキサンとスチレンモノマーとの混合物を滴定するために反応器に添加する。滴定の終点を、オンライン比色計を用いて決定する。滴定後、1ギグ(gig)の過剰sec−ブチルリチウムをリビングポリスチレンブロックのアニオン性重合を開始するために次いで反応器に添加した。温度を55℃まで上昇させておき、そしてスチレンの99.9%が転換するまで反応を実行した。これで、このブロックコポリマーの第一スチレンブロックコポリマー、(S)−が完了した。
段階IIについて、重合グレードのシクロヘキサンの適切な量を、ウェル混合492lのステンレススチール反応器容器に30℃で充填した。最初に、段階II反応で必要とされる全てのスチレンモノマーを反応器に充填した。第二に、段階II反応で必要とされるブタジエンモノマーの一部を反応器に充填した。第三に、分配剤の適切な量を反応器に充填した。第四に、sec−ブチルリチウムの10ml増分(12重量%)を、シクロヘキサン、スチレンモノマー、ブタジエンモノマー及び修飾剤の混合物を滴定するために反応器に添加した。滴定の終点を、オンライン比色計を用いて決定した。滴定の後、リビングポリスチレン鎖を、窒素圧力を通して段階I反応器容器から段階II反応器容器まで移し、スチレンとブタジエンとの段階II共重合反応を30℃で開始した。表6で特定されている時間間隔後、ブタジエンモノマーの残りを、特定の速度で段階II反応器に投与した。重合を約50℃で続けておく。計画されたジエン添加が終了してしばらくして、一般的には約30〜90分後、スチリルリチウム鎖末端の存在を検出するインライン比色計からの信号が急に上昇するのが観察される。このことは、高速スチレン重合の開始と対応する。残りのスチレンの重合の後(これは約10分内で生じる)、ポリマーアニオンは、下記に記載するようにカップリングするか、又はブタジエンの少量の添加(1〜2kg)によってキャップされるかのいずれかである。期待されるように、ブタジエンの添加の後、比色計からの信号が著しく減少し、鎖末端のポリブタジエニルリチウムへの転換を示す。このことにより、スチレン−ブタジエンランダム化中間ブロックセグメントの、段階Iポリスチレンブロックへの付加を完了した。このセグメントは、短い末端ブタジエンブロックに達するまで、段階Iブロックから離れて進行するにつれてスチレンが豊富になる。
テトラエトキシシランとのカップリングにより最終産物が産生した。シランの約0.4〜0.5モルを、ポリマーアニオンの1モル毎に添加した。これらの条件下では、3つのアームの放射状ポリマーの約10〜30%もまた形成されるけれども、主にカップリングする種は直鎖状産物である。GPC領域から決定されるような、カップリング種+ジブロックに対するカップリング種の割合として定義されるカップリングの有効性は、一般にブタジエンを用いるキャップによって改善される。90%を超えるカップリングの有効性を、これらの例で観察した。最終反応器溶液に対して高グレードのメタノールの適切な量を添加することによって、いずれのリビングポリマー鎖も終止した。漸減に起因して共重合の終わりに短いスチレンブロックが形成される場合、この工程は、この短いスチレンブロックが中間ブロックセグメントの中心領域に存在することを保証する。表7は、本例で調製された種々の不飽和ブロックコポリマーを示す。
高中間ブロックスチレン/高ビニルポリマーも又、表7のポリマー21番で例示されるように、この一般的な手順で調製することができ、これは、ジエチルエーテル濃度が6重量%まで上昇し、そしてブタジエン添加の速度を、より高いエーテルレベルの存在におけるより速い反応速度を反映するように上昇させることを除いて、上記に記載されるのと実質的に同じ工程で調製される。十分に過剰なブタジエンを保証するために、ブタジエンを最初の数分は約0.24kg/分の速度で添加し、そして速度を落とす。平均供給速度は約0.2kg/分である。
表7及び1aに、不飽和ポリマーの種々の分析結果を列挙する(不飽和ポリマーはポリマー16〜26である)。ブロックI MWは、最初のAブロックすなわちポリスチレンブロックの1000単位での分子量であり、ブロックII MWは、Bブロックすなわち制御分布ブロックの1000単位での累積分子量であり、そしてブロックIII MWは、最後のAブロックすなわちポリスチレンブロックの1000単位での分子量である。段階II MWに関して、最初の番号は1,3−ブタジエン部分であり、そして二番目の番号はスチレン部分である。例えば、ポリマー16番において、Bブロックは分子量85,000のブタジエン及び31,000のスチレンを有し、総量は116,000である。中間ブロックにおけるスチレンの重量%は約26%である。1,2−ビニル配置を、全体のポリマー及び中間ブロックにおけるスチレンの割合と共に示す。例えば、ポリマー16番の場合、全体のポリマーは約42重量%のスチレンを有し、そして中間ブロックは約26重量%のスチレンを有する(表1a中「計算値 中間PSC」)。カップリングの有効性(「CE」)を各ポリマーについて示す。各ポリマーについてスチレン塊状性を計算し、表1a中に示す(「計算値 中間 塊状」。最終的なメルトフロー速度をポリマーのいくつかについて示す。
実施例 IV
この例において、1つの制御分布ブロックコポリマー(ポリマー17番)を市販のStyroflex(登録商標) BX6105、すなわちBASF由来の不飽和SBSブロックコポリマーBASF(ランダムスチレン/ブタジエン中間ブロックを有する)に対して比較した。ポリマー17番は、本発明に従って制御分布スチレン/ブタジエン中間ブロックを有して作成される。両方のポリマーとも表8に示すように全体的に同じようなスチレン含量を有する。表8に示すように、ポリマー17番は、200℃/5kg条件下で測定した場合にメルトフローが非常に改善されている。硬度及びヘイズを、注入鋳型版(molded plaque)上で、溶融温度/注入圧力が、Styroflexとポリマー17番それぞれ204℃/psi及び190℃/800psiで測定した。ポリマー17番は、Styroflexよりも約20ポイント低い支柱(shor)A硬度及び57%低いヘイズを有する。機械的特性を、175℃及び1250psiで圧力をかけて、圧縮−鋳型版上で測定した。張力強度がほぼ同じであっても、ポリマー17番は切断時により高い伸張を有する。ポリマー17番は又、25%と500%との間一貫したより低いモジュールによって示唆されるように、Styroflexよりも適合している。繰り返し荷重条件下で、ポリマー17番は、Styroflexの永久ゆがみ(permanent set)の半分のエネルギーで2倍回復するほど、より弾性である。
図5は、本発明のエラストマーの利点を示す。エラストマーは一般に、より高い初期の力を有する可塑性物質とは対照的に、小さな変形時、例えば、25%未満の伸張時の小さな初期の力によって特徴づけられる。制御分布ポリマー17番は、同様の総スチレン含量を有するランダム化中間ブロックポリマーという現在の技術の典型のポリマーであるStyroflexと比較して、小さな伸張時にははるかに小さな力を呈した。低伸張時の剛性は、典型的には張力係数又はヤング係数によって特徴付けられ、極小伸張時での応力ひずみ曲線の勾配により表される。例えば、Styroflexのヤング係数が5,000psi(35MPa)である一方、ポリマー17番のヤング係数はたった1,400psi(10MPa)である。ポリマー17番についてゴム係数すなわち100と300%との間の伸張の勾配は、Styroflexのゴム係数90psi(0.62MPa)よりもわずかに高く、94psi(0.65MPa)である。従って、制御分布ポリマーは、高伸張時での硬度伸展及びランダムポリマーの張力強度を保持するが、低伸張時でさらにより弾性的な性質を示すという追加の利点もある。表10には、種々のポリマーのB中間ブロックについてのガラス転移温度(Tg)もまた示す。ポリマー19及び20について、水素化の後にTgを得た。
実施例 V
この例において、2つの異なる制御分布ブロックポリマー(15番及び15FG番)を、二軸スクリュー押し出し機中で15重量%及び20重量%で6,6ナイロン(Zytel 101)と混合したKRATON FG−1901と比較した。ポリマー15番をBerstorff二軸スクリュー押し出し機中で1.7重量%のレベルまで無水マレイン酸と結合させてマレイン酸化することにより、ポリマー15FG番を調製する。KRATON FG 1901は、1.7重量%の同レベルまでマレイン酸化したS−EB−Sブロックコポリマーである。この混合物を射出成形し、そして衝撃力を、アイゾット衝撃テスターを使用して測定した。サンプルを、成形物の盲端と成形物のゲート末端(gate end)の両方から、成形の効果を最小にするために採取した。
表9に示されるように、無水マレイン酸の添加により、6,6ナイロンを強固にするというポリマー15FG番の能力は著しく改善される。マレイン酸化ポリマー15FG番によってより強い強固性が示されるほど、市販の物質と比較して同程度の強固性を得るために使用される修飾剤がより少なくて済む。
仮想実施例 VI
硫酸アセチルの標準溶液を、無水酢酸の7.6ml(81mモル)を1,2−ジクロロエタン(EDC)の40ml中10℃で、95%硫酸の2.8ml(50mモル)と処理することによって調製する。この溶液を、硫酸アセチルにおける1.0Mと仮定する。
ポリマー9を真空オーブン中で70℃48時間にて乾燥し、水の痕跡を除去する。この乾燥ポリマー(10g)のアリコートを、閉鎖容器中でEDC(100ml)に溶解し、この溶液を50℃まで過熱する。サンプルを窒素と共に30分間噴霧して、大気の酸素を除去する。1.0M標準硫酸アセチル溶液の6ml(6mモル)を添加することによってスルホン化を開始する。2時間後、クエンチ剤の2−プロパノール(10ml)を添加することによって反応を終了する。スルホン酸修飾ブロックコポリマーを、水蒸気蒸留技術によって単離する。粗生成物を、沸騰水中2時間にて洗浄することによって精製する。精製されたポリマーをろ過によって回収する。ろ過ケーキを純エタノールで洗浄し、そして50℃で5日間真空乾燥する。修飾ポリマーの定量的収量を回収する。
修飾ポリマーのアリコートの元素分析により、ポリマーのスチレン含量に基づいた11.7モル%のスルホン酸である、1.04重量%の硫黄を示す。本反応に関する理論的な収量は、ポリマーのスチレン含量に基づいた21モル%のスルホン酸である。修飾ポリマーの第二アリコートを、滴定技術を使用してスルホン酸含量について分析する。この分析において、精製スルホン化ポリマーの正確に秤量したサンプル(約0.1g)を、トルエン/メタノール(90/10、v/v)溶液の50ml中に溶解する。窒素を30分間溶液を通して気泡させ、溶解したCOのサンプルを浄化する。メタノール中の0.02N NaOHを使用したフェノールフタレイン終点までの滴定により、ポリマーのスチレン含量に基づいたスルホン酸は11.9モル%と示される。この結果は、元素分析によって見出された値である11.7モル%とよく一致している。
種々のレベルのスルホン化試薬を用いるこの反応手順を使用して、5.2モル%スルホン酸を有するスルホン酸修飾ポリマーを、基礎ブロックコポリマーから合成する。
実施例 VII〜XIX
制御分布ポリマーの2〜5重量%を、溶液中に50℃で2時間撹拌しながら完全に溶解するまで溶解する。
スルホン酸アセチル試薬を、EDCに無水酢酸を0〜5℃で添加し、次いで濃硫酸を添加することにより調製する。この試薬を適切な室温まで暖める。この試薬はすぐに使用する。これにより、透明で無色の溶液として、約1〜約3モルの範囲のスルホン酸アセチル試薬を生じる。
ポリマー溶液を、乾燥窒素を用いて50℃で洗浄し、次いでスルホン酸アセチル試薬を撹拌しながら徐々に添加する。乾燥窒素で洗浄している間、温度を50℃以下で2時間維持する。所定の量のn−プロパノール又は脱イオン水とn−プロパノールとの混合物で反応を和らげる。透明なポリマー溶液を得る。ポリマー溶液を冷却してスルホン化ポリマーを沈殿させる。低層は透明な溶媒層であり、捨てる。ポリマー溶液をドラフト中でエバポレートし、次いで溶液のpHが約5.5〜6.0になるまで脱イオン水で抽出する。湿ったポリマーを空気中で乾燥し、スルホン化ポリマーを得る。
この乾燥ポリマーをn−プロパノール又はn−プロパノールとトルエンとの混合物中に溶解して10〜15重量%のポリマー溶液を生成する。厚さ1〜3ミリのフィルムを、溶液からポリエチレンシート上に流し込み、膜を形成する。生じた膜について、水の取り込み及びイオン伝導性を評価する。
水の取り込みを、乾燥剤で乾燥させた「ニートな」膜を使用して決定し、秤量する。次いで、膜を水に浸し、平衡化させる。次いで、水和した膜を除去し、過剰の水を表面から取り去り、そして膜を再び秤量する。水吸収を、膜の元の乾燥重量の%として表す。
イオン伝導性を、Zawodzinski,T.J. Phys.Chem.、95(15),6040(1991)の文献からの液体水水和方法(liquid water hydration method)を使用して測定する。
データを、下記の表11及び12に開示する。この例で使用した1つのポリマーは、表1のポリマー10番である。他のポリマー、すなわち指定されたポリマー29、30及び31は、ポリマー10番と同様であるが、分子量及びスチレン含量が異なる。ポリマー29は制御分布ブロックコポリマーであり、28,900の段階1 MW、190,000の総分子量、59%の総PSC、40重量%の中間スチレン含量そして8%の中間ブロック塊状性を有する;ポリマー30は制御分布ブロックコポリマーであり、15,900の段階1 MW、125,000の総分子量、65%の総PSC、52重量%の中間ブロックスチレン含量そして13%の中間ブロック塊状性を有する;そしてポリマー31は制御分布ブロックコポリマーであり、21,100の段階1 MW、111,000の総分子量、69%の総PSC、50重量%の中間ブロックスチレン含量そして15%の中間ブロック塊状性を有する。使用したスルホン化工程パラメータにおけるいずれの変更も又、表11及び12に示す。
比較実施例A
中間ブロック中にいずれのスチレンをも含まないコポリマーの90グラムを、上記の実施例と同様にスルホン化した。これは、10,000の分子量及び30%のポリスチレン含量を有するスチレン末端ブロックを有する、スチレン−(水素化ブタジエン)−スチレントリブロックコポリマーであった。これを、DCE1700グラム及びシクロヘキサン240グラムを用いて調製した溶媒を用いてスルホン化した。DCE/(CHCO)O/HSOの割合は261/61/23であった。スルホン化の温度は50℃であった。スルホン化を300分間実行してモルスルホン化割合は64.1となった。水の取り込みは368%であり、そしてイオン伝導率は0.0791シーメンス/cmであった。
Figure 2007506842
ここで「MW(k)」=真の分子量(千単位)、「1,2BD、%」はポリマーのブタジエン部分のビニル含量、及び「PSC(%)」=最終ポリマーにおけるスチレンの重量%。分子量はセグメントの累積である(段階II MW=段階I及び段階IIに関してのセグメント分子量;段階III分子量は3つのブロックコポリマーに関しての最終分子量)。
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Claims (24)

  1. A−B、A−B−A、(A−B)n、(A−B−A)n、(A−B−A)nX、(A−B)nXの一般配列又はそれらの組み合わせを有する水素化されたスルホン化ブロックコポリマーであって、ここで、nは2から約30までの整数であり、そしてXはカップリング剤残基であり:
    a.水素化の前、各Aブロックはモノアルケニルアレーンポリマーブロックであり、そして各Bブロックは少なくとも1つの共役ジエンと少なくとも1つのモノアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーブロックであり;
    b.水素化の後、前記アレーンの二重結合の約0〜10%が還元され、そして前記共役ジエンの二重結合の少なくとも約90%が還元され;
    c.各Aブロックは約3,000〜約60,000の数平均分子量を有し、そして各Bブロックは約30,000〜約300,000の数平均分子量を有し;
    d.各Bブロックは、Aブロックに隣接した共役ジエン単位が豊富な末端領域、及びAブロックに隣接していないモノアルケニルアレーン単位が豊富な1つ以上の領域を含み;
    e.前記水素化されたブロックコポリマーにおけるモノアルケニルアレーンの総量は、約20重量%〜約80重量%であり;
    f.各Bブロックにおける前記モノアルケニルアレーンの重量%は、約10%と約75%との間であり;そして
    g.前記アルケニルアレーンの芳香環の少なくとも25%がスルホン化されている、スルホン化ブロックコポリマー。
  2. 前記ポリマーが、分子ごとにスルホン酸基又はスルホネート基を約1つから、芳香環毎にスルホン酸基又はスルホネート基を約1つ有する、請求項1に記載のスルホン化ブロックコポリマー。
  3. 前記ポリマーが、分子ごとにスルホン酸基又はスルホネート基を約3つを有する状態から、スルホン酸基又はスルホネート基を有する芳香環を約50%有する状態である、請求項2に記載のスルホン化ブロックコポリマー。
  4. 前記モノアルケニルアレーンがスチレンであり、そして前記共役ジエンがイソプレン及びブタジエンからなる群から選択される、請求項2に記載のスルホン化ブロックコポリマー。
  5. 前記共役ジエンがブタジエンであり、そしてブロックB中の濃縮ブタジエン単位の約20〜約80モル%が水素化の前に1,2−配置を有する、請求項4に記載のスルホン化ブロックコポリマー。
  6. 前記ブロックBのスチレン塊状性指数が約40%未満である、請求項5に記載のスルホン化ブロックコポリマー。
  7. 各ブロックBが、スチレン単位に対するブタジエン単位の最小の割合を有する中心領域を有する、請求項6に記載のスルホン化ブロックコポリマー。
  8. 前記ブロックB中のスチレン重量%が約20重量%〜約70重量%であり、そして前記ブロックBのスチレン塊状性指数が約10%未満であり、ここでスチレン塊状性指数とは、ポリマー鎖上に2つの近接するスチレンを有する前記ブロックB中のスチレン単位の割合である、請求項7に記載のスルホン化ブロックコポリマー。
  9. 前記ブロックコポリマー中のスチレンの重量%が約60重量%〜約80重量%であり、そして前記ブロックAの分子量が約10,000〜約35,000との間である、請求項4に記載のスルホン化ブロックコポリマー。
  10. 前記スチレン環の約30%〜約50%がスルホン酸基又はスルホネート基を有する、請求項13に記載のスルホン化ブロックコポリマー。
  11. 0.08シーメンス/cmよりも大きいイオン伝導率を有する、請求項10に記載のスルホン化ブロックコポリマー。
  12. 水の取り込みが約200容量%〜300容量%である、請求項11に記載のスルホン化ブロックコポリマー。
  13. 前記芳香環の約25〜約70%がスルホン酸基又はスルホネート基を有する、請求項1に記載のスルホン化ブロックコポリマー。
  14. 前記芳香環の約25〜50%がスルホン酸基又はスルホネート基を有する、請求項13に記載のスルホン化ブロックコポリマー。
  15. スルホン化ブロックコポリマーを製造する方法であって:
    (1)A−B、A−B−A、(A−B)n、(A−B−A)n、(A−B−A)nX、(A−B)nXの一般配列又はそれらの組み合わせを有するスルホン化ブロックコポリマーを水素化すること、ここで、nは2から約30までの整数であり、そしてXはカップリング剤残基であり:
    a.水素化の前、各Aブロックはモノアルケニルアレーンポリマーブロックであり、そして各Bブロックは少なくとも1つの共役ジエンと少なくとも1つのモノアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーブロックであり;
    b.水素化の後、前記アレーンの二重結合の約0〜10%が還元され、そして前記共役ジエンの二重結合の少なくとも約90%が還元され;
    c.各Aブロックは約3,000〜約60,000の数平均分子量を有し、そして各Bブロックは約30,000〜約300,000の数平均分子量を有し;
    d.各Bブロックは、Aブロックに隣接した共役ジエン単位が豊富な末端領域、及びAブロックに隣接していないモノアルケニルアレーン単位が豊富な1つ以上の領域を含み;
    e.水素化されたブロックコポリマーにおけるモノアルケニルアレーンの総量は、約20重量%〜80重量%であり;そして
    f.各Bブロックにおけるモノアルケニルアレーンの重量%は、約10%〜約75%であり、
    (2)前記水素化されたブロックコポリマーを溶媒に溶解すること;及び
    (3)スルホン化ブロックコポリマーを調製するのに十分な反応条件下でスルホン化剤と共に前記ポリマー溶液を混合すること;
    を含む方法。
  16. 前記スルホン化剤が硫酸アセチルである、請求項15に記載の方法。
  17. スルホン化ブロックコポリマーを製造する方法であって:
    (1)A−B、A−B−A、(A−B)n、(A−B−A)n、(A−B−A)nX、(A−B)nXの一般配列又はそれらの組み合わせを有するスルホン化ブロックコポリマーを水素化すること、ここで、nは2から30までの整数であり、そしてXはカップリング剤残基であり:
    a.水素化の前、各Aブロックはモノアルケニルアレーンポリマーブロックであり、そして各Bブロックは少なくとも1つの共役ジエンと少なくとも1つのモノアルケニルアレーンとの制御分布コポリマーブロックであり;
    b.水素化の後、前記アレーンの二重結合の約0〜10%が還元され、そして前記共役ジエンの二重結合の少なくとも約90%が還元され;
    c.各Aブロックは約3,000と約60,000との間の数平均分子量を有し、そして各Bブロックは約30,000と約300,000との間の数平均分子量を有し;
    d.各Bブロックは、Aブロックに隣接した共役ジエン単位が豊富な末端領域、及びAブロックに隣接していないモノアルケニルアレーン単位が豊富な1つ以上の領域を含み;
    e.前記水素化されたブロックコポリマーにおけるモノアルケニルアレーンの総量は、約20重量%〜80重量%であり;そして
    f.各Bブロックにおけるモノアルケニルアレーンの重量%は、約10%〜約75%であり、
    (2)前記水素化されたブロックコポリマーを溶媒に溶解すること;及び
    (3)スルホン化ブロックコポリマーを製造するのに十分な反応条件下でスルホン化剤と共に前記ポリマー溶液を混合すること
    を含み、反応温度は約30〜約50℃に維持されている方法。
  18. 前記スルホン化剤が硫酸アセチルである、請求項17に記載の方法。
  19. 前記方法はバッチ処理方法であり、そして前記溶媒中の前記ポリマー濃度が約1〜約5重量%である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記溶媒中の前記ポリマー濃度が約2〜約4重量%である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記溶媒中の前記ポリマー濃度が約3重量%である、請求項23に記載の方法。
  22. 前記方法は連続処理であり、そして前記溶媒中の前記ポリマー濃度が約0.1〜約3重量%である、請求項19に記載の方法。
  23. 前記方法は連続処理であり、そして前記溶媒中の前記ポリマー濃度が約0.5〜約2.5重量%である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記方法は連続処理であり、そして前記溶媒中の前記ポリマー濃度が約2重量%である、請求項23に記載の方法。
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