JP2007503737A - ラウドスピーカをワイヤレス駆動するオーディオ/ビデオシステム - Google Patents

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Abstract

分散したラウドスピーカと、前記ラウドスピーカのそれぞれを介してオーディオチャンネルからのオーディオ信号を再生するオーディオ/ビデオ再生装置(CU)とを有するオーディオ/ビデオシステム(AV)において、前記オーディオ/ビデオ再生装置(CU)は、少なくとも1つのオーディオチャンネルのオーディオ信号(ARL、ARR)を変調超音波信号(URLR)に変換し、オーディオチャンネルの前記オーディオ信号(AFL、AFR)とともに前記変調超音波信号(URLR)を前記オーディオ/ビデオ再生装置(CU)に接続された少なくとも1つの送信ラウドスピーカ(FL、FR)を介して前記オーディオ/ビデオ再生装置には接続されていない少なくとも1つの受信ラウドスピーカ(RL、RR)に送信する。前記受信ラウドスピーカは、前記受信した超音波信号(URLR)を逆変換オーディオ信号(ARL、ARR)に逆変換し、前記逆変換オーディオ信号を音響放射をする逆変換装置(8)を有する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、分散ラウドスピーカを有するオーディオ/ビデオシステムと、それぞれのラウドスピーカによりオーディオチャンネルのオーディオ信号を再生するオーディオ/ビデオ再生装置とに関する。
本発明は、さらに、オーディオチャンネルからオーディオ信号を再生するオーディオ/ビデオ再生装置にも関する。
本発明は、さらに、送信ラウドスピーカにも関する。
本発明は、さらに、受信ラウドスピーカにも関する。
「オーディオ/ビデオシステム」と「オーディオ/ビデオ再生装置」という用語は、本明細書においては、オーディオ信号のみを再生するオーディオシステム(「サウンドシステム」とも呼ぶ)または再生装置と、オーディオ信号及びビデオ信号を再生するシステムまたは再生装置との両方に関することを意味する。
このようなオーディオ/ビデオシステムとオーディオ/ビデオ再生装置は、国際出願第WO98/59525号に記載され、知られている。この文献は、頭の位置に応じてユーザに方向聴覚を与えるヘッドホンを用いてサラウンドサウンドを作るサウンドシステムを開示している。2チャンネルのオーディオ信号に加えて、超音波基準信号が、ユーザが装着しているヘッドホンに送られる。ヘッドホンの左右に取り付けられたマイクロホンがその超音波基準信号を受信する。超音波基準信号の位相差がこれらのマイクロホンのそれぞれにおける超音波基準信号の到着時間から決定され、その位相差から中心軸に対してユーザの頭がどのくらいの角度回転しているか決めることができる。ヘッドホンに送られるオーディオ信号は、決定された位相差に関して変調される。オーディオ信号は、変調された超音波信号により特殊な個別の超音波送信装置からヘッドホンに送信される。
この既知のオーディオ/ビデオシステムの欠点は、動作させるために、別に超音波送信装置が必要となることである。このため、オーディオ/ビデオシステムの価格が高くなるだけでなく、超音波送信装置をリビングルームに追加装置として設置してオーディオ/ビデオ再生装置と接続しなければならないため、多くのユーザはこのようなシステムを購入しない。超音波トランスミッタは指向性が高いので、ヘッドホンが通常使用される場所の視界内に超音波送信装置を設置する必要があり、美的理由により好ましくないことが多い。
本発明が解決しようとする課題は、上記の不利益を回避する、第1段落に記載したオーディオ/ビデオシステムと、第2段落に記載したオーディオ/ビデオ再生装置と、第3段落に記載した送信ラウドスピーカと、第4段落に記載した受信ラウドスピーカとを作り出すことである。上記の課題を解決するため、本発明による機能を有する本発明によるオーディオ/ビデオシステムが提供され、以下のような特徴を有する:
オーディオ/ビデオシステムであって、分散したラウドスピーカと、前記ラウドスピーカのそれぞれを介してオーディオチャンネルからのオーディオ信号を再生するオーディオ/ビデオ再生装置と、少なくとも1つのオーディオチャンネルのオーディオ信号を変調超音波信号に変換する変換手段と、オーディオチャンネルの前記オーディオ信号とともに前記変調超音波信号を少なくとも1つの送信ラウドスピーカに送信する送信手段とを有し、前記送信ラウドスピーカは、オーディオチャンネルの前記オーディオ信号とともに前記変調超音波信号を放射するように設計され、前記オーディオ/ビデオシステムは、さらに受信ラウドスピーカを有し、前記受信ラウドスピーカは、前記受信した超音波信号を逆変換オーディオ信号に逆変換し、前記オーディオ/ビデオ再生装置に接続されていない前記オーディオ/ビデオシステムの少なくとも1つのラウドスピーカに前記逆変換したオーディオ信号を送る逆変換手段を備えることを特徴とするオーディオ/ビデオシステム。
上記の課題を解決するため、本発明による機能を有する本発明によるオーディオ/ビデオ再生装置が提供され、以下のような特徴を有する:
オーディオチャンネルからオーディオ信号を再生するオーディオ/ビデオ再生装置であって、少なくとも1つのオーディオチャンネルのオーディオ信号を超音波信号に変換するように設計された変換手段と、少なくとも1つの送信ラウドスピーカにオーディオチャンネルのオーディオ信号とともに前記変調超音波信号を送信する送信手段とを有し、前記送信ラウドスピーカは、オーディオチャンネルのオーディオ信号とともに前記変調超音波信号を発するように設計されていることを特徴とするオーディオ/ビデオ再生装置。
上記の課題を解決するため、本発明による機能を有する本発明による送信ラウドスピーカが提供され、以下のような特徴を有する:
送信ラウドスピーカであって、オーディオ信号と変調超音波信号の受信をする信号受信手段と、前記オーディオ信号と前記超音波信号を放射する放射手段と、を有することを特徴とする送信ラウドスピーカ。
上記の課題を解決するため、本発明による機能を有する本発明による受信ラウドスピーカが提供され、以下のような特徴を有する:
受信ラウドスピーカであって、変調超音波信号を受信する受信手段と、前記超音波信号に含まれたオーディオ信号を復調するための逆変換手段として設けられた復調手段と、前記オーディオ信号を音響再生する再生手段と、を有することを特徴とする受信ラウドスピーカ。
本発明による機能は、既存のオーディオ/ビデオシステムのエレメントを利用することが可能なので、コストを大幅に抑えることができる。言い換えると、オーディオ/ビデオシステムの本発明による機能拡張を提供する追加的材料費はほとんど無視可能である。少なくとも1つのオーディオチャンネルの信号送信がワイヤレスなので、配線のコストを抑えられる。この配線のコスト低減は2つの理由により注目すべきである。第1に、住居においては、邪魔にならず目立たないように配線することは困難であることが多い。第2に、オーディオ/ビデオシステムにおいてケーブルが主要な故障原因であることが分かっている。従って、各個別のケーブルによる配線を減らすことにより、オーディオ/ビデオシステムの動作上の信頼性が高くなる。
本発明によるオーディオ/ビデオシステムにおいて、少なくとも1つのオーディオチャンネルのオーディオ信号を変調超音波信号に変換する手段は、送信ラウドスピーカに含むこともできる。しかし、請求項2または請求項7による手段を設けると特に有利であることが証明されている。これは、簡単なシステム設計に関して特に有利である。
請求項3及び4の手段によると、ラウドスピーカを使用して、いくつかのオーディオチャンネルの送信を結合して、1つのオーディオチャンネルの音響信号と、超音波範囲に変換された他のオーディオチャンネルの信号を同時に送信することができるという利益が得られる。本発明によるオーディオ/ビデオシステムまたはオーディオビデオ再生装置の材料費を可能な限り下げるという点で有利である。
請求項8の手段によると、サラウンドオーディオ/ビデオシステムと接続された個別のラウドスピーカ、しかし特にバックラウドスピーカを設定する問題が解決される。
請求項10の手段によると、オーディオ信号の処理及び超音波範囲への変換は、ソフトウェアにより実行でき、それゆえ柔軟性があり高価ではない。
請求項11及び12の手段によると、超音波範囲における必要とされる伝送帯域幅が減少し、送信ラウドスピーカの周波数応答特性を低くすることができる。
請求項13の手段によると、個別のオーディオチャンネルの選択性が高くなる。
請求項15及び16の手段によると、商業的に入手可能なラウドスピーカボックスを使用することができ、材料コストをできるだけ低くできるという利益がある。必要に応じてラウドスピーカボックスには超音波ツイータを補充することもできる。
請求項18の手段によると、有利にも、ユーザがどのオーディオチャンネルを再生するかを選択することができる。
請求項19の手段によると、高価でなく、効率的、かつ柔軟な受信ラウドスピーカが得られる。
本発明の上記その他の態様は、以下に説明する実施形態を参照して説明し、明らかとなるであろう。
図1は、本発明によるオーディオ/ビデオシステムAVを概略的に示している。そのオーディオ/ビデオシステムAVは、5.1マルチチャンネル標準によるサラウンドオーディオ/ビデオシステムとして設計されている。5.1マルチチャンネル標準は、フロントレフト(左前)チャンネル、フロントセンターチャンネル、フロントライト(右前)チャンネル、バックレフト(左後)チャンネル、バックライト(右後)チャンネル、及び人間の耳で聞こえるがどこから聞こえてくるのかは分からない超低周波音声を送信するためのサブウーファチャンネルがあることを意味する。このサラウンドシステムではこれらの超低周波音声には場所が割り当てられていない。このオーディオ/ビデオシステムAVは、オーディオ/ビデオ再生装置CUを有する。このオーディオ/ビデオ再生装置CUは、技術者の間では中央装置と呼ばれ、DVDやCDに格納されたデータ、磁気、光磁気、またはメモリICベースの記憶媒体に格納されたオーディオ/ビデオデータ、またはネットワークを介して送信されたデータを再生する手段を含む(詳細には図示せず)。DVDは、他にもあるが、多数のオーディオチャンネルを格納できるという特性を有し、そのオーディオチャンネルはDVDからいわゆるデジタルビットストリームとして再生される。オーディオ/ビデオ再生装置CUは、ビットストリームを処理して、そのビットストリームから個々のオーディオチャンネルのオーディオ信号を取り出し、操作(例えば、一定周波数範囲の上げ下げ)し、増幅する。全てのオーディオチャンネルの増幅されたオーディオ信号は、オーディオ/ビデオ再生装置CUの後にあるエッジコネクタに送られ、スピーカケーブルを介してラウドスピーカまたはラウドスピーカボックスに送られる。オーディオ信号はラウドスピーカに入力され、可聴音声として放射される。5.1マルチチャンネル標準によると、ラウドスピーカFL(フロントレフト)、セントラル(中央)ラウドスピーカFC(フロントセンター)、ラウドスピーカFR(フロントライト)、バックレフト(左後)ラウドスピーカ(バックレフト)、バックライト(右後)ラウドスピーカRR(バックライト)、及びバスラウドスピーカボックスSW(サブウーファ)があることになっており、上記のオーディオチャンネルに割り当てられている。一般的に、フロントレフト(左前)とフロントライト(右前)のラウドスピーカFLとFRは、これらのラウドスピーカが音楽の主要部分を放射し、方向聴覚を主にになっているので、分散ラウドスピーカシステムのうち最も質的に高く、すなわち、周波数応答が最も広く、歪みが最も小さい。セントラル(中央)ラウドスピーカFCは、主に、映画においてせりふを再生するので、周波数応答は可聴範囲全体をカバーする必要はなく、10kHz以下に限定することもできる。リアスピーカRL、RRの品質要求は一般的に低いが、それは主に背景音声を発するだけであり、そのエネルギーレベルは、放射される音声エネルギーと比較してかなり低いからである。図1において、最適な視聴位置はソファ1で表され、オーディオ/ビデオシステムのユーザはソファ1にいると仮定する。この場合、オーディオ/ビデオ再生装置CUは、第1のラウドスピーカケーブル2を介してフロントレフト(左前)ラウドスピーカFLに接続されており、第2のラウドスピーカケーブル3を介してフロントライト(右前)ラウドスピーカFRに接続されており、第3のラウドスピーカケーブル4を介してセントラル(中央)ラウドスピーカFCに接続されており、第4のラウドスピーカケーブル5を介してバスラウドスピーカボックスSWに接続されている。高品質なラウドスピーカケーブルは太い銅線からなり、サラウンドオーディオ/ビデオシステムではワイヤが高価になるという問題があることは明らかである。オーディオ/ビデオ再生装置を一般的にはその近くに配置されるフロントラウドスピーカに配線で接続することは比較的容易であるが、リアラウドスピーカの場合、部屋の中を配線を通し、たまた、壁づたいに配線を通さなければならないので、より困難である。後者の場合、特に、十分な長さのケーブルが必要となる。
この配線コストを抑えるため、本発明によれば、少なくとも1つのオーディオチャンネルのオーディオ信号をワイヤレス送信で1つ以上のラウドスピーカに送る。本発明の基本的アイデアは、これらのオーディオ信号をそれぞれのラウドスピーカに超音波で送ることに基づく。本実施形態において、少なくとも1つのオーディオチャンネルのオーディオ信号は、オーディオ/ビデオ再生装置CUにおいて変調超音波信号に変換される。この変調超音波信号は、オーディオチャンネルのオーディオ信号とともに、オーディオ/ビデオ再生装置にケーブルで接続された少なくとも1つのラウドスピーカ(送信ラウドスピーカとして動作する)を介して、オーディオ/ビデオ再生装置には接続されていないサラウンドオーディオ/ビデオシステムの少なくとも1つのラウドスピーカ(受信ラウドスピーカとして機能する)に送信される。受信ラウドスピーカは、受信した変調超音波信号を逆変換オーディオ信号に逆変換する着変換手段を備え、さらに再生手段を有する。前記再生手段は、逆変換オーディオ信号を放射するためのラウドスピーカである。この場合、オーディオ信号ARLとARR、すなわち、バックレフト(左後)オーディオチャンネルとバックライト(右後)オーディオチャンネルのオーディオ信号は、変調超音波信号URLRに変換される。この変調超音波信号URLRは、フロントレフト(左前)オーディオチャンネルのオーディオ信号AFLとミックスされ、第1のラウドスピーカケーブル2(送信手段として機能する)を介してラウドスピーカFLに送信される。ラウドスピーカFLは、パッシブラウドスピーカボックスであり、送信ラウドスピーカとして、音声信号AFL′と超音波信号URLR′とを発する。ラウドスピーカFLは、周波数分割フィルターを有する。この周波数分割フィルターは、オーディオ/ビデオ再生装置CUからの入来信号AFL+URLRを高周波数成分と低周波数成分によりバスラウドスピーカとトレブルラウドスピーカ間で分ける。必要に応じて、周波数スペクトルを2つ以上のチャンネルに分割し、及び/またはチャンネルごとに2つ以上のラウドスピーカ(ドライバー)に分ける。重要なことは、高音域ラウドスピーカは超音波信号URLRも送信することができるということである。しかし、この要件は、最高20kHzの可聴域を超える商業的に入手可能なラウドスピーカボックスの多くがすでに満たしている。多数のラウドスピーカボックスは、例えば40kHzまでの音声を発することができ、本願の目的のために使用することができる。替わりに、ラウドスピーカに超音波ツイータを備えて、必要な超音波周波数範囲を発するようにすることもできる。
基本的に、超音波範囲に変換されたオーディオ信号を放射するラウドスピーカまたはラウドスピーカボックスは1つだけで十分だが、本実施形態は、バックレフト(左後)オーディオチャンネルとバックライト(右後)オーディオチャンネルの変調超音波信号URLRを同時にフロントライト(右前)チャンネルのオーディオ信号AFRとミックスして、ラウドスピーカボックスFRを介して放射することも想定している。これにより、方向性が高い超音波信号URLR′が家具等の陰になることを防止する。例えば、受信ラウドスピーカRRは、ソファ1の陰になりフロントレフト(左前)ラウドスピーカボックスFLにより放射された超音波信号URLR′を受信することができないかも知れない。
オーディオ信号ARLとARRの変換超音波信号URLR′は、ラウドスピーカボックスFLまたはFRにより放射され、バックラウドスピーカRLとRRに到達する。両ラウドスピーカRLとRRは、受信ラウドスピーカとして設計されている。すなわち、図2に示すように、超音波信号を受信する受信手段(ここでは、超音波信号URLR′を受信するマイクロホン6)を有する。このマイクロホン6の出力信号はマイクロホンアンプ7により増幅され、受信超音波信号URLRとしてデジタルシグナルプロセッサ8に入力される。デジタルシグナルプロセッサ8は、受信超音波信号URLRに含まれるオーディオ信号ARLとARRを復調する復調手段として機能する。この例では、オーディオ信号ARLとARRが変調超音波信号URLRに一緒に変換されるので、セレクタスイッチ13が受信ラウドスピーカRL、RRに設けられており、バックレフト(左後)チャンネルかバックライト(右後)チャンネルのいずれかを選択するようになっている。セレクタスイッチ13の位置に応じて、デジタルシグナルプロセッサ8は復調バックレフト(左後)オーディオ信号ARLまたは復調バックライト(右後)オーディオ信号ARRのいずれかをアンプ9に供給する。該アンプ9は、低音域ラウドスピーカ10と高音域ラウドスピーカ11に、直接、または互いに独立に(「バイアンプ」)、パッシブ周波数分割フィルタ(図示せず)を介して共に供給する。受信ラウドスピーカRL、RRは、アクティブラウドスピーカボックスである。すなわち、上記の電気部品にパワーを供給するためのパワーサプライ12が設けられている。さらにまた、デジタルシグナルプロセッサ8は、マイクロホンアンプ7の増幅率を自動調整するためにマイクロホンアンプ7へのライン14を介したフィードバックを有する。デジタルシグナルプロセッサ8の替わりに、復号手段として超音波信号URLRを復号するためにフェーズロックループ(PLL)を組み込んだ電子回路を用いることもできる。
図3は、図1に示したマルチチャンネルオーディオ/ビデオシステムAVの、本発明によるオーディオ/ビデオ再生装置CUを示すブロック図である。DVDプレーヤ15は、デジタルオーディオストリームDIG−INを供給する。このデジタルオーディオストリームDIG−INには、上記のオーディオチャンネルのオーディオ信号AFL、AFR、AFC、ARL、ARR、ASWが符号化されている。これらのオーディオ信号は、デジタルシグナルプロセッサ16によりオーディオストリームDIG−INから復号される。また、デジタルシグナルプロセッサ16は、いくつかのチャンネルのアナログオーディオ信号AN−INが入力されている。デジタルシグナルプロセッサ16は、少なくとも1つのオーディオチャンネルのオーディオ信号を変調し、変調超音波信号をこのオーディオチャンネルのオーディオ信号とともに少なくとも1つのオーディオチャンネルを介して送信する変調手段として設計されている。より細かく言うと、オーディオ信号ARLとARRは、共に超音波周波数範囲に変換される。すなわち、変調超音波信号URLRを復号に変換される。この超音波信号URLRは、一方で、フロントレフト(左前)チャンネルのオーディオ信号AFLとミックスされ、他方で、フロントライト(右前)チャンネルのオーディオ信号AFRとミックスされ、両チャンネルを介して送信される。各オーディオチャンネルは、デジタルシグナルプロセッサ16によりそれぞれのチャンネルアンプ17に入力される。チャンネルアンプ17は、供給されたオーディオ信号(及び、該当する場合にはミックスされた超音波信号)を増幅し、接続祖蹴ってお18に供給する。接続ソケット18はラウドスピーカに接続するように設計されている。留意すべきことは、オーディオ信号ARLとARRは、変換超音波信号としてフロントレフト(左前)オーディオチャンネルとフロントライト(右前)オーディオチャンネルを介して発せられるだけではなく、対応するオーディオ信号ARLとARRがバックレフト(左後)オーディオチャンネルとバックライト(右後)オーディオチャンネルのラウドスピーカソケットにも供給されることである。こうすることにより、ユーザは、ラウドスピーカRLとRRをラウドスピーカケーブルを介して接続するか、超音波リンクを介したオーディオ/ビデオ再生装置CUとのワイヤレス接続を使用するか、自由に選択することができる。
ユーザは、どちらのチャンネルが超音波範囲に変換され、その変換された超音波信号をどちらのチャンネルを介して送信するかを選択することができることを言っておく。
さらに言及しておくべきことは、1つのチャンネルのオーディオ信号は、超音波範囲に変換し、このチャンネルの元のオーディオ信号とともに、または元のオーディオ信号無しに、このオーディオチャンネルを介して送信できることである。超音波信号のみを送信するとき、超音波周波数範囲でのみ動作するラウドスピーカ(例えば、超音波ツイータ)を対応するオーディオチャンネル接続ソケットにつなげれば十分である。
図4は、図3のデジタルシグナルプロセッサ16がオーディオ信号の変調超音波信号への変換を実行する実施形態を示すレベル−周波数グラフである。周波数領域におけるフロントレフト(左前)オーディオチャンネルの元のオーディオ信号AFLの瞬間値がレベル−周波数グラフの最上行に示されている。オーディオ信号AFLの周波数帯域は可聴範囲である20kHzよりいくぶん上まで伸びていることが分かる。20kHzより上の周波数成分は音声全体に対して顕著な貢献をしないので、必要となる伝送帯域を減らすため、ローパスフィルタにより20kHzでカットオフされる。
周波数領域におけるバックライト(右後)オーディオチャンネルの元のオーディオ信号ARRの瞬間値がレベル−周波数グラフの第2行に示されている。このオーディオ信号ARRの周波数成分は18kHzより少し上に広がっている。周波数領域におけるバックレフト(左後)オーディオチャンネルの元のオーディオ信号ARLの瞬間値がレベル−周波数グラフの第3行に示されている。このオーディオ信号ARRの周波数成分も18kHzより少し上に広がっている。
オーディオ信号ARLとARRは、カットオフ周波数が18kHzのローパスフィルタを通して、送信の準備が整っている。マルチチャンネルオーディオ/ビデオシステムにおいて、背景音声は主にリアチャンネルを介して送信されるので、その信号を18kHzでカットオフしても音声上の大きな損失は生じない。次に、2つの信号ARLとARRが6dB増幅され、周波数帯域が半分すなわち9kHzに圧縮される。そして、オーディオ信号ARRは30kHzと39kHzの間の超音波周波数範囲に移され、フィルタされたオーディオ信号AFLとミックスされる。帯域幅は0と20kHzの間になる。圧縮されたオーディオ信号ARLは、再度反転され、21kHzと30kHzの間の周波数範囲に移されて、他の2つの信号と重ね合わされる。これにより、オーディオ信号AFLと変調超音波信号URLRよりなる1つの信号が得られる。ミックスされた信号AFL+URLRはレベル−周波数グラフの最下行に示されている。信号ARLをミラーリングすることにより、信号AFRからの信号セパレーションがよりよくなる。このミックスされた信号AFL+URLRは、送信ラウドスピーカを介して受信ラウドスピーカに放射され、その受信ラウドスピーカにおいて、上述の変調方法の逆であるステップにより、超音波成分がオーディオ信号ARLとARRに復調される。オーディオ信号ARLとARRのうちどちらを受信ラウドスピーカに放射から音響的に放射するかは、図2を参照して説明したように選択スイッチの位置に応じて決まる。
本発明の一実施形態による5.1マルチチャンネルオーディオ/ビデオシステムを示す概略図である。 本発明の一実施形態による受信ラウドスピーカを示すブロック図である。 本発明の一実施形態によるオーディオ/ビデオ再生装置を示すブロック図である。 オーディオ信号の変調超音波信号への変換に関するレベル周波数図である。

Claims (20)

  1. オーディオ/ビデオシステムであって、
    分散したラウドスピーカと、
    前記ラウドスピーカのそれぞれを介してオーディオチャンネルからのオーディオ信号を再生するオーディオ/ビデオ再生装置と、
    少なくとも1つのオーディオチャンネルのオーディオ信号を変調超音波信号に変換する変換手段と、
    オーディオチャンネルの前記オーディオ信号とともに前記変調超音波信号を少なくとも1つの送信ラウドスピーカに送信する送信手段とを有し、
    前記送信ラウドスピーカは、オーディオチャンネルの前記オーディオ信号とともに前記変調超音波信号を放射するように設計され、
    前記オーディオ/ビデオシステムは、さらに受信ラウドスピーカを有し、
    前記受信ラウドスピーカは、前記受信した超音波信号を逆変換オーディオ信号に逆変換し、前記オーディオ/ビデオ再生装置に接続されていない前記オーディオ/ビデオシステムの少なくとも1つのラウドスピーカに前記逆変換したオーディオ信号を送る逆変換手段を備えることを特徴とするオーディオ/ビデオシステム。
  2. 請求項1に記載のオーディオ/ビデオシステムであって、
    前記変換手段は、前記オーディオ/ビデオ再生装置に含まれていることを特徴とするオーディオ/ビデオシステム。
  3. 請求項1または2に記載のオーディオ/ビデオシステムであって、
    前記送信ラウドスピーカはラウドスピーカボックスであり、
    前記ラウドスピーカボックスは単一または複数のオーディオチャンネルを表す超音波信号を1つ以上の他のオーディオチャンネルのオーディオ信号とともに送るように設計されていることを特徴とするオーディオ/ビデオシステム。
  4. 請求項3に記載のオーディオ/ビデオシステムであって、
    前記変調超音波信号は前記少なくとも1つの送信ラウドスピーカに直接電気的接続を介して少なくとも1つのオーディオチャンネルのオーディオ信号とともに送信できることを特徴とするオーディオ/ビデオシステム。
  5. 請求項1ないし3いずれか一項に記載のオーディオ/ビデオシステムであって、
    前記オーディオ/ビデオシステムは、フロントラウドスピーカボックスと、バックラウドスピーカボックスと、任意的サブウーファとを有するサラウンドオーディオ/ビデオシステムであることを特徴とするオーディオ/ビデオシステム。
  6. オーディオチャンネルからオーディオ信号を再生するオーディオ/ビデオ再生装置であって、
    少なくとも1つのオーディオチャンネルのオーディオ信号を超音波信号に変換するように設計された変換手段と、
    少なくとも1つの送信ラウドスピーカにオーディオチャンネルのオーディオ信号とともに前記変調超音波信号を送信する送信手段とを有し、
    前記送信ラウドスピーカは、オーディオチャンネルのオーディオ信号とともに前記変調超音波信号を発するように設計されていることを特徴とするオーディオ/ビデオ再生装置。
  7. 請求項6に記載のオーディオ/ビデオ再生装置であって、
    前記変換手段は、少なくとも1つのオーディオチャンネルのオーディオ信号を変調超音波信号に変調する変調手段を有し、
    前記変調超音波信号はこのオーディオチャンネルのオーディオ信号とともに少なくとも1つのオーディオチャンネルを介して送られることを特徴とするオーディオ/ビデオ再生装置。
  8. 少なくとも2つのオーディオチャンネルからオーディオ信号を再生する、請求項6に記載のオーディオ/ビデオ再生装置であって、
    少なくとも1つのオーディオチャンネルのオーディオ信号から前記変換手段により作られた前記変調超音波信号は、少なくとも1つの他のオーディオチャンネルを介して、前記他のオーディオチャンネルのオーディオ信号とともに送信できることを特徴とするオーディオ/ビデオ再生装置。
  9. 請求項6に記載のオーディオ/ビデオ再生装置であって、
    前記オーディオ/ビデオ再生装置は、デジタルオーディオストリーム、及び/またはアナログオーディオストリームを処理するように設計されていることを特徴とするオーディオ/ビデオ再生装置。
  10. 請求項6に記載のオーディオ/ビデオ再生装置であって、
    前記変換手段はデジタルシグナルプロセッサであることを特徴とするオーディオ/ビデオ再生装置。
  11. 請求項6に記載のオーディオ/ビデオ再生装置であって、
    前記変換手段は、超音波周波数範囲に変換されるべきオーディオ信号から20kHzより上、好ましくは18kHzより上の周波数成分をフィルターして除去するローパスフィルタを含むことを特徴とするオーディオ/ビデオ再生装置。
  12. 請求項6に記載のオーディオ/ビデオ再生装置であって、
    前記変調手段は変換すべきオーディオ信号の周波数圧縮を実行することを特徴とするオーディオ/ビデオ再生装置。
  13. 請求項6に記載のオーディオ/ビデオ再生装置であって、
    前記変換手段は周波数ミラーリングと周波数シフトにより2つのオーディオチャンネルを変換することを特徴とするオーディオ/ビデオ再生装置。
  14. 送信ラウドスピーカであって、
    オーディオ信号と変調超音波信号の受信をする信号受信手段と、
    前記オーディオ信号と前記超音波信号を放射する放射手段と、
    を有することを特徴とする送信ラウドスピーカ。
  15. 請求項14に記載の送信ラウドスピーカであって、
    前記送信ラウドスピーカはパッシブラウドスピーカボックスの形体であり、
    オーディオ信号と変調超音波信号を受信する前記信号受信手段は周波数分割フィルタを有することを特徴とする送信ラウドスピーカ。
  16. 請求項14に記載の送信ラウドスピーカであって、
    前記放射手段は超音波ツイータを有することを特徴とする送信ラウドスピーカ。
  17. 受信ラウドスピーカであって、
    変調超音波信号を受信する受信手段と、
    前記超音波信号に含まれたオーディオ信号を復調するための逆変換手段として設けられた復調手段と、
    前記オーディオ信号を音響再生する再生手段と、
    を有することを特徴とする受信ラウドスピーカ。
  18. 請求項17に記載の受信ラウドスピーカであって、
    前記復調手段は前記変調超音波信号に含まれるオーディオチャンネルのうちの1つを選択するセレクタスイッチと通信することを特徴とする受信ラウドスピーカ。
  19. 請求項17に記載の受信ラウドスピーカであって、
    前記復調手段はデジタルシグナルプロセッサを有することを特徴とする受信ラウドスピーカ。
  20. 請求項14に記載の受信ラウドスピーカであって、
    前記受信手段はマイクロホンとマイクロホンアンプとを有し、
    好ましくは前記マイクロホンアンプの増幅を前記復調手段により制御できることを特徴とする受信ラウドスピーカ。
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