JP4228763B2 - スピーカ装置及びスピーカ装置の再生方法 - Google Patents

スピーカ装置及びスピーカ装置の再生方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多チャンネル用のスピーカ装置及びスピーカ装置の再生方法に係わり、例えばフロントのスピーカボックス(以下スピーカ筐体と記す)が2チャンネル、リアのスピーカ筐体が2チャンネルのホームシアター等に使用して好適なスピーカ装置及びスピーカ装置の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、4チャンネル以上のスピーカ筐体を使用してホームシアターを実現するスピーカ装置(システム)において、フロントのスピーカ筐体からリアのスピーカ筐体へワイヤレスとして音声信号を赤外線でフロントのスピーカ筐体からリアのスピーカ筐体に伝送するようにしたスピーカ装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−275194号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
多チャンネル立体再生装置等で例えば、フロント左右スピーカ筐体が2チャンネル、リア左右スピーカ筐体が2チャンネルから構成されたスピーカ装置のホームシアターで、リア左右スピーカ筐体の2チャンネル共に赤外線の受光手段を設けケーブルを不要としたときに、特許文献1に示す如く音声信号を伝送する赤外線を発光する赤外線発光手段を1個所のみに持つ構成において、その赤外線発光手段の直前を遮られたとき、このリアの2チャンネルの左右スピーカ筐体の受光手段の受信状態が悪化し、良好な音声を放音できない不都合があった。
【0005】
そこで、この赤外線発光手段を2個所に設け、この2個所から同じ信号の赤外線を同時に放射し、このリアの2チャンネルの左右スピーカ筐体の受光手段もこの2個所の両方の赤外線を受光できるようにしたときには、この受信状態の悪化を大幅に改善することができる。
【0006】
ところでフロント左右スピーカ筐体は通常2チャンネル以上あり、一般に比較的見通しの良い位置に設置されることが多いので、新たに2チャンネル分の赤外線発光手段を左右スピーカ筐体以外の別筐体に設置することなくフロントの2チャンネルの左右スピーカ筐体の夫々に、れらの赤外線発光手段を設置することが好都合である。
【0007】
し、フロント用の左右スピーカ筐体の音声信号の放音時の指向特性は図5Aに示すような指向特性曲線aを持つと共に赤外線発光手段よりの赤外線の放射時の指向特性は図5Bに示すような指向特性曲線bを持っている。
【0008】
この為、図6に示す如く、2チャンネルのフロント左右スピーカ筐体1FL及び1FRを音響的に最適な再生となる如く部屋に設置したときには、フロントの左スピーカ筐体1FLの赤外線発光手段よりの赤外線の受信範囲が破線bLに示すようになり、フロント右スピーカ筐体1FRの赤外線発光手段よりの赤外線の受信範囲が破線bRに示すようになる。このため、リア左右スピーカ筐体1RL及び1RRの再生時の放音方向は最適な向きとはならず、これら両方のリア左右スピーカ筐体1RL及び1RRに赤外線発光手段より赤外線を供給することができない課題があった
【0009】
さらに、図7に示す如くフロントの2チャンネルのスピーカ筐体1FL及び1FRの赤外線発光手段より放射される赤外線の両方がリアの2チャンネルのスピーカ筐体1RL及び1RRの受光手段の受信範囲bL,bRとするときにはフロント用のスピーカ筐体1FL及び1FRの向きを、多元立体再生時に音響的に最適な向きとできず音響的に最適な再生ができないという課題もあつた
【0010】
本発明は、斯かる点に鑑み複数の多チャンネルスピーカ筐体より成るスピーカ装置及びスピーカ装置の再生方法において、スピーカ筐体からの放音時の音響的再生特性を最適化することができるようにした時の赤外線の放射方向を可変可能なスピーカ装置及びスピーカ装置の再生方法を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多チャンネル信号を再生する複数のフロント用及びリア用スピーカ筐体と、複数のリア用スピーカ筐体で再生するリア用の多チャンネル信号を赤外線として、この複数のリア用スピーカ筐体に対し放射する複数の赤外線発光手段と、複数のリア用スピーカ筐体に配設され、複数の赤外線発光手段よりの赤外線を受光する複数の受光手段と、赤外線発光手段を内蔵し、複数のフロント用スピーカ筐体上の2箇所以上にこの赤外線発光手段から放射される赤外線の赤外線放射角度を変化できるように可動可能に枢着した筐体構造の複数の赤外線放射角度可変手段と、を有するスピーカ装置である。
このスピーカ装置は、複数のフロント用及びリア用スピーカ装置の夫々のスピーカ筐体からの放音時の音響的再生特性及び夫々のスピーカ筐体の向きをリスナに対して最適化するようにした時に複数の赤外線発光手段から放射される赤外線の受信範囲を少なくとも2チャンネルの第1及び第2のリア用スピーカ筐体が入る角度範囲に複数の赤外線放射角度可変手段から放射する赤外線の放射角度を可変することで、複数のリア用スピーカ筐体に対して複数の赤外線発光手段よりの赤外線を受信可能にしたものである。
【0012】
る、本発明によれば、フロント用のスピーカ筐体の赤外線発光手段からの赤外線の放射角度を可変できるようにしたのでフロント用及びリア用のスピーカ筐体の向きを音響的に最適な再生方向としたときにも、この赤外線の放射角度を可変することにより赤外線の放射方向を最適なものとすることができるスピーカ装置が得られる。
【0013】
また本発明多チャンネル信号を再生する複数のスピーカ筐体のうち複数のリア用のスピーカ筐体で再生する多チャンネル信号を赤外線として放射する赤外線発光手段を内蔵した筐体構造の赤外線放射角度可変手段を複数のフロント用スピーカ筐体上に可動可能に枢着し、この赤外線放射角度可変手段内の赤外線発光手段から放射される赤外線の赤外線放射角度を調整するようにしたスピーカ装置の再生方法であって、複数のフロント用及びリア用スピーカ装置の夫々のスピーカ筐体からの放音時の音響的再生特性及び夫々のスピーカ筐体の向きをリスナに対して最適化する様にした時に複数の赤外線発光手段から放射される赤外線の受信範囲を少なくとも2チャンネルの第1及び第2のリア用スピーカ筐体が入る角度範囲に複数の赤外線放射角度可変手段から放射する赤外線の放射角度を可変することで、複数のリア用スピーカ筐体に対して複数の赤外線発光手段よりの赤外線を受信可能にしたものである。
【0014】
る、本発明によれば、フロント用及びリア用の2チャンネルのスピーカ筐体を音響的に最適な再生となるように部屋に設置したにも、フロント用の2チャンネルのスピーカ筐体に設けた赤外線発光手段よりの赤外線の放射角度を可変できるので、このフロント用の2チャンネルのスピーカ筐体の赤外線発光手段から出射した両方の赤外線受信範囲をリア用2チャンネルのスピーカ筐体の両方に位置させることができるスピーカ装置の再生方法が得られる
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明スピーカ装置及びスピーカ装置の再生方法の実施の形態の例につき説明する。
【0016】
本例によるスピーカ装置及びスピーカ装置の再生方法は図に示す如く、フロントの2チャンネルの左スピーカ筐体1FL及び右スピーカ筐体1FRとリアの2チャンネルの左スピーカ筐体1RL及び右スピーカ筐体1RRとの4チャンネルのスピーカ装置で構成する。本例においては、このフロント用の左スピーカ筐体1FL及び右スピーカ筐体1FRに夫々アンプ装置よりの左フロント音声信号FL及び右フロント音声信号FRを供給する如くする。
【0017】
本例においては、このフロントの2チャンネルのスピーカ筐体1FL及び1FRの夫々のハウジング2の天板上に赤外線発光ダイオード等より成る赤外線発光手段3L及び3Rを設置する。この赤外線発光手段3L,3Rは図2A,B,Cに示すように、このスピーカ筐体1FL,1FRのハウジング2上で、水平に角度が調整できるように且つ、赤外線の放射角度が調整できるように設置する。
【0018】
例えば、この赤外線発光ダイオード等より成る赤外線発光手段3L,3Rを図2に示すように赤外線発光用筐体4内に配したときには、この赤外線発光用筐体4の中心部をスピーカ筐体1FL,1FRのハウジング2上に回動自在に設置る。
【0019】
この赤外線発光手段3L及び3Rに図1及び図4Aに示す多チャンネル信号を供給する。即ち図1及び図4Aにおいて、5RLはリアの左スピーカ筐体1RLに供給する左リア音声信号入力端子を示し、この左リア音声信号入力端子5RLに供給される左リア音声信号RLを音声信号処理回路6に供給すると共に右リア音声信号入力端子5RRに供給される右リア音声信号RRを音声信号処理回路6に供給する。
【0020】
この音声信号処理回路6にて、この左リア音声信号RL及び右リア音声信号RRを混合し、この混合したリア音声信号変調回路7で変調され、この同一の変調信号を赤外線発光手段3L及び3Rに供給し、この2つの赤外線発光手段3L及び3Rより同一の赤外線を放射する。
【0021】
本例においては、リアの2チャンネルの左スピーカ筐体1RL及び右スピーカ筐体1RRを夫々ワイヤレスとし、これらスピーカ筐体1RL及び1RRのハウジング2上に受光ダイオード等より成る受光手段8L及び8Rを設置する。
【0022】
この受光手段8L,8Rとリアスピーカ筐体1RL,1RRとの関係を図4Bのブロック図に示すように構成する。即ち赤外線受光手段8L,8Rで受光した赤外線の信号音声信号処理回路9を介してスピーカ装置1RL,1RRに供給する。
【0023】
この場合、夫々の音声信号処理回路9にて左リア音声信号RL及び右リア音声信号RRを判別し、夫々の信号をリア用の左スピーカ筐体1RL及びリア用の右スピーカ筐体1RRに供給する。
【0024】
本例は上述の如く構成されているので、まず図3に示す如く、フロントの2チャンネルのスピーカ筐体1FL及び1FRとリアの2チャンネルのスピーカ筐体1RL及び1RRとを音響的に最適な再生となる向き及び位置に部屋に設置する。次にフロントの2チャンネルのスピーカ筐体1FL及び1FRのハウジング2上に設置した赤外線発光手段3L及び3Rの赤外線の放射方向を調整し、フロントの左スピーカ筐体1FLのハウジング2上の赤外線発光手段3Lよりの赤外線放射の受信範囲bLにリアの2チャンネルのスピーカ筐体1RL及び1RRが入るようにすると共にフロントの右スピーカ筐体1FRのハウジング2上の赤外線発光手段3Rよりの赤外線放射の受信範囲bRにリアの2チャンネルのスピーカ筐体1RL及び1RRが入るようにする。
【0025】
る本例によればフロントの2チャンネルのスピーカ筐体1FL及び1FRを音響的に最適な再生となるように部屋に設置したときにも、これらフロントの2チャンネルのスピーカ筐体1FL及び1FRに設けた赤外線発光手段よりの赤外線の放射角度を可変できるので、このフロントの2チャンネルのスピーカ筐体1FL及び1FRの赤外線発光手段3L及び3Rよりの赤外線の両方の受信範囲内にリアの2チャンネルのスピーカ筐体1RL及び1RRを位置することができ、リアの2チャンネルのスピーカ筐体1RL及び1RRより良好音声を放音することができる。
【0026】
尚上述例においては赤外線発光手段3L,3Rよりの赤外線放射角度を水平方向に可変できる如く述べたが、水平方向ばかりでなく垂直方向等その他の方向に可変できるようにしても良い。
【0027】
また赤外線発光手段3L,3Rに複数の発光素子を有し、この複数の発光素子が異なる方向に放射している場合にも本発明を適用することができる。
【0028】
また、赤外線発光手段3L,3Rの可動部が、2箇所以上に分割され、そのそれぞれが赤外線放射角度を可変できるようにしてもよい。
【0029】
また、本発明は上述例に限ることなく本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が採り得ることは勿論である。
【0030】
【発明の効果】
本発明によればフロント用及びリア用夫々2チャンネルのスピーカ筐体を音響的に最適な再生となる如く部屋に設置したときにも、フロント用の2チャンネルのスピーカ筐体のハウジングに設けた赤外線発光手段よりの赤外線の放射角度を可変させ、これらフロントの2チャンネルのスピーカ筐体の赤外線発光手段よりの赤外線の両方の放射に対して受信範囲内にリアの2チャンネルのスピーカ筐体を位置するように設定することでフロント用及びリアの2チャンネルのスピーカ筐体からなる4チャンネルのスピーカ装置及びスピーカ装置の再生方法によって良好な音響信号を放音することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明スピーカ装置及びスピーカ装置の再生方法の実施の形態の例を示す構成図である。
【図2】本発明によるスピーカ装置及びスピーカ装置の再生方法の例を示す斜視図である。
【図3】本発明の説明に供する線図である。
【図4】本発明の説明に供するブロック図である。
【図5】本発明の説明に供する線図である。
【図6】本発明と従来例の差の説明に供する線図である。
【図7】本発明の従来例の差の説明に供する線図である。
【符号の説明】
1FL,1FR‥‥フロントのスピーカ筐体、1RL,1RR‥‥リアのスピーカ筐体、2‥‥ハウジング、3L,3R‥‥赤外線発光手段、5RL‥‥左リア音声信号入力端子、5RR‥‥右リア音声信号入力端子、6,9‥‥音声信号処理回路、7‥‥変調回路、8L,8R‥‥受光手段

Claims (4)

  1. 多チャンネル信号を再生する複数のフロント用及びリア用スピーカ筐体と、
    前記複数のリア用スピーカ筐体で再生するリア用の多チャンネル信号を赤外線として該複数のリア用スピーカ筐体に対し放射する複数の赤外線発光手段と、
    前記複数のリア用スピーカ筐体に配設され、前記複数の赤外線発光手段よりの赤外線を受光する複数の受光手段と、
    前記赤外線発光手段を内蔵し、前記複数のフロント用スピーカ筐体上の2箇所以上に該赤外線発光手段から放射される赤外線の赤外線放射角度を変化できるように可動可能に枢着した筐体構造の複数の赤外線放射角度可変手段と、
    を有するスピーカ装置であって、
    前記複数のフロント用及びリア用スピーカ装置の夫々のスピーカ筐体からの放音時の音響的再生特性及び夫々の該スピーカ筐体の向きをリスナに対して最適化する様にした時に、前記複数の赤外線発光手段から放射される前記赤外線の受信範囲を少なくとも2チャンネルの第1及び第2の前記リア用スピーカ筐体が入る角度範囲に前記複数の赤外線放射角度可変手段から放射する赤外線の放射角度を可変することで、前記複数のリア用スピーカ筐体に対して複数の赤外線発光手段よりの赤外線を受信可能にしたことを特徴とするスピーカ装置。
  2. 前記フロント用の第1のスピーカ筐体の前記赤外線発光手段から放射される前記赤外線の受信範囲は、第1及び第2のリア用左右スピーカ筐体が入るようにすると共に、
    前記フロント用の第2のスピーカ筐体の前記赤外線発光手段から放射される前記赤外線の受信範囲も、第1及び第2のリア用左右スピーカ筐体が入る範囲に前記複数の放射角度可変手段によって赤外線の放射角度を調整するようにした、
    ことを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
  3. 前記フロント用の前記第1及び第2の左右スピーカ筐体の天板対し、夫々水平又は垂直方向に前記赤外線発光手段から放射する赤外線の放射角度を可動可能とする赤外線放射角度可変手段を配設したことを特徴とする請求項2記載のスピーカ装置。
  4. 多チャンネル信号を再生する複数のスピーカ筐体のうち、複数のリア用のスピーカ筐体で再生する前記多チャンネル信号を赤外線として放射する赤外線発光手段を内蔵した筐体構造の赤外線放射角度可変手段を、複数のフロント用スピーカ筐体上に可動可能に枢着し、該赤外線放射角度可変手段内の該赤外線発光手段から放射される赤外線の赤外線放射角度を調整するようにしたスピーカ装置の再生方法であって、
    前記複数のフロント用及びリア用スピーカ装置の夫々のスピーカ筐体からの放音時の音響的再生特性及び夫々の該スピーカ筐体の向きをリスナに対して最適化するようにした時に、前記複数の赤外線発光手段から放射される前記赤外線の受信範囲を少なくとも2チャンネルの第1及び第2の前記リア用スピーカ筐体が入る角度範囲に前記複数の赤外線放射角度可変手段から放射する赤外線の放射角度を可変することで、前記複数のリア用スピーカ筐体に対して複数の赤外線発光手段よりの赤外線を受信可能にしたことを特徴とするスピーカ装置の再生方法。
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