JP2007503094A - レオロジーおよび加工性の向上したケーブル絶縁組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は複数の導電体を含む通信ケーブルであり、各導体はカップリング化プロピレンポリマーを含む絶縁体の層に取り囲まれている。プロピレンポリマーは耐衝撃性改質プロピレンポリマー、さらに好ましくは耐衝撃性プロピレンポリマーであることが好ましい。絶縁体組成物の主な利点は、平滑な絶縁表面、良好な寸法均一性、ならびに比較的低い押出ヘッドおよびダイ圧の利点を含み、薄壁絶縁用途の高速押出条件下で実現される。

Description

本発明は通信ケーブルに関するものである。特に本発明は、通信ケーブル内で電子信号送信媒体として使用されるワイヤ上に施される薄壁絶縁層に関する。
ポリマー絶縁ワイヤのツイストペアは、通信ケーブル内で電子信号送信媒体として使用される。絶縁ワイヤは通例、細径金属導体上に薄い絶縁層(すなわち薄壁絶縁)を有し、導体は一般に19米電線規格(American Wire Gauge, “AWG”)(公称直径0.91mm)〜26AWG(公称直径0.40mm)の範囲である。
絶縁ワイヤは通例、単軸スクリュー可塑化押出機を使用して、500〜3000メートル/分の高い生産ライン速度で製造される。単軸スクリュー可塑化押出機は、溶融ポリマー組成物を溶融、混合、そしてワイヤコーティングクロスヘッドを通じてポンプで送り、ワイヤコーティングクロスヘッドは次に押出機軸に対して垂直に移動するワイヤにポリマー組成物を塗布する。ポリマーがコーティングされたワイヤは次にコーティングダイを通過して、導体上に薄く均一なポリマー絶縁層を生じる。次に絶縁ワイヤを水冷槽で急冷して、次にツイストペアケーブルへ製造するためにスプールに集める。絶縁厚は通例、0.15mm〜0.30mmの範囲である。
中または高レベルのエラストマー性改質を含む耐衝撃性改質プロピレンポリマーは、それらがツイストペア用途への十分な衝撃靭性を提供するため、絶縁用途に好ましい。また他の絶縁化合物と比較して、耐衝撃性改質プロピレンポリマーは耐変形耐性、より高い融点、より低い誘電定数、およびより低い密度を提供する。しかしながら耐衝撃性改質プロピレンポリマーは、高速薄壁絶縁押出工程での製造後に、劣った表面平滑性を示すことが多い。
したがって、高速押出条件にて平滑な絶縁表面、良好な寸法均一性、および比較的低い押出ヘッドおよびダイ圧を提供するのに適した溶融レオロジーを有する耐衝撃性改質プロピレンポリマーを使用して薄壁絶縁ワイヤを作成することが望ましい。より低い押出圧もワイヤコーティングクロスヘッドを通じて細径ワイヤを引出すのに必要な張力を好都合に低減し、それによりワイヤへの望ましくない伸長および寸法変化を最小限に抑える。組成物が難燃性添加剤および/または着色剤を含むときに、耐衝撃性改質プロピレンポリマー組成物が高速押出条件にて良好な絶縁表面平滑性および比較的低い押出ヘッドおよびダイ圧を達成することはさらに好ましい。難燃性添加剤は屋内ケーブル用途に有用であり、これに対して着色剤はカラーコード化されたツイストペアにとって有用であり、それにより次の相互接続が容易になる。
プロピレンポリマーが、2.40未満の誘電定数(DC)および0.003未満の散逸率(DF)を有する高周波数通信ワイヤ(すなわちデータグレード送信用途)を絶縁するのに有用であることがさらに望ましい。水の浸入(水は信号送信性能を低下させ、導体腐食障害の可能性を向上させることがある)を排除するために屋外通信ケーブルにおいて絶縁されたツイストペア間のスペースを充填することの多い炭化水素グリースとプロピレンポリマーが適合性であることが、なおさらに好ましい。
その上、得られた絶縁層が良好な溶融強度、低温屈曲性能、カットスルーおよび摩耗抵抗、ならびに長期熱酸化エージング特徴を有することが望ましい。溶融強度の向上は、溶融配合などの工程中に充填剤のさらに良好な分散混合を促進するはずである。耐衝撃性改質プロピレンポリマーが目標とする衝撃性能を達成しながら、同時にそれのエラストマー成分の添加を低減して、それによりさらに高い初期弾性率、向上した炭化水素グリース適合性、および改良された耐変形性を提供することがなお望ましい。
発明したケーブルは、複数の導電体を含み、各導体はカップリング化プロピレンポリマーを含む絶縁層によって取り囲まれている。
本明細書で使用するように、以下の用語は以下の意味を有するものとする:
「カップリング剤」は、ポリマー鎖の脂肪族および芳香族の両方のCH、CH2、またはCH3基の炭素水素結合に挿入できるカルベンまたはニトレン基をそれぞれ形成できる少なくとも2個の活性基を含有する化学化合物を意味する。活性基はそれにより、独立したポリマー鎖をカップリングして、長鎖分岐構造を生じることができる。カップリング剤を化学助剤または触媒によって、または熱、音波エネルギー、照射または他の化学活性化エネルギーによって活性化することが必要である。カップリング剤の例は、ジアゾアルカン、ジェミナル置換メチレン基、メタロカルベン、ホスファゼンアジド、スルホニルアジド、ホルミルアジド、およびアジドを含む。
「押出機」は、(1)ペレットを押出す、(2)ワイヤまたはケーブルをコーティングする、(3)フィルム、プロフィールまたはシートを形成する、あるいは(4)成形品に吹込む装置を含む。
「耐衝撃性改質」プロピレンポリマーは、反応またはインサイチュー(in situ)ブレンドによって、あるいは配合工程によってエラストマー性成分を含む。ブレンドまたは配合に適切なエラストマー材料の例は、エチレン−プロピレンゴム(EPR)である。
「耐衝撃性プロピレンコポリマー」は、ポリプロピレンまたはランダムコポリマーポリプロピレンが連続相であり、エラストマー相がその中に分散している、ヘテロ相プロピレンコポリマーを指す。エラストマー相は、エラストマー相の一部と見なされる結晶性領域も含有する。耐衝撃性プロピレンコポリマーは、エラストマー相を、それらが耐衝撃性改質プロピレンポリマーのサブセットであるように連続相中に反応的に混合することによって調製される。リアクター内工程を使用する場合、耐衝撃性プロピレンコポリマーは二段または多段工程で形成され、それは場合により中で少なくとも2つの工程段階が行われる単一のリアクターまたは複数のリアクターを含む。E. P. Moore, Jr in Polypropylene Handbook, Hanser Publishers, 1996, 220-221頁ならびに米国特許第3,893, 989号および第4,113,802号を参照。耐衝撃性プロピレンコポリマーは好ましくは、耐衝撃性プロピレンコポリマーの総重量に基づいて少なくとも8重量パーセントの、さらに好ましくは少なくとも12重量パーセント、最も好ましくは少なくとも16重量パーセントのエラストマー性成分を有する。
耐衝撃性プロピレンコポリマーの連続相がホモポリマーであり、エラストマー相がエチレンコポリマーまたはターポリマーである場合、エチレンモノマーに由来する−CH2CH2−単位は、耐衝撃性プロピレンコポリマー中にプロピレン相の総重量に基づいて5重量パーセント〜30重量パーセントの量で存在する。さらに好ましくは、−CH2CH2−単位は7重量パーセント〜25重量パーセントの量で存在する。最も好ましくは、−CH2CH2−単位は9重量パーセント〜20重量パーセントの量で存在する。
場合により、耐衝撃性プロピレンコポリマーは、衝撃特性をさらに向上させるために耐衝撃性改質剤を含有できる。
「衝撃特性」は、当業技術の範囲内のいずれかの手段によって測定される特性、たとえば衝撃強度を指す。衝撃特性の例は、ASTM D 256に従って測定されるアイゾッド衝撃エネルギー、ASTM D 3763−93に従って測定されるMTSピーク衝撃エネルギー(ダート衝撃)、およびASTM D−3763に従って測定されるMTS全衝撃エネルギーを含む。
「レオロジー特性」は、当業技術の範囲内のいずれかの手段によって測定される溶融状態特性、たとえば弾性率および粘性率、緩和スペクトルまたは緩和時間の分散、ならびに溶融強度または溶融張力を指す。
上記のように、本発明のケーブルは複数の導電体を含み、各導体は、プロピレンポリマー構造の分岐部位内に組み入れられた長鎖分岐を有するカップリング化プロピレンポリマーを含む絶縁層によって取り囲まれる。好ましくは、プロピレンポリマーは耐衝撃性改質プロピレンポリマーである。さらに好ましくは、プロピレンポリマーは耐衝撃性プロピレンコポリマーである。
好ましくは、カップリング化プロピレンポリマーは、プロピレンポリマー構造の分岐部位内に組み入れられた長鎖分岐を有する。さらにレオロジー改善は、カップリングの前または後に、プロピレンポリマーをvisクラッキング(vis-cracking)することによっても達成できる。
特に長鎖分岐は、リアクター後工程によってプロピレンポリマーにカップリング可能であり、それにより従来のプロピレンポリマー供給原料を改質する。あるいはカップリングは、プロピレンポリマー供給原料の生産中に特殊触媒、共反応剤、デュアルリアクターおよびポストリアクターブレンド工程ならびに他の生産技術を介して付与される。工程は好ましくは、1998年8月13日に出願された米国特許出願第09/133,576号に述べられているような単一の容器、たとえば溶融ミキサーまたはポリマー押出機で実施される。
本発明で有用なプロピレンポリマーは、チーグラー・ナッタ触媒、幾何拘束型触媒、およびメタロセン触媒を含む各種の触媒系によって作成できる。
非カップリング化プロピレンポリマーは、カップリング後に所望の流量を得るために適した初期流量を有するべきである。薄壁絶縁用途の従来の耐衝撃性改質ポリプロピレンでは、特性と高速製造特徴の最良のバランスのためには、2.5〜3.5のメルトフローレートが通例好ましい。このメルトフロー範囲は、本発明のカップリング化プロピレンポリマーにとっても最適であると思われる;したがって非カップリング化プロピレンポリマーは、得られたカップリング化プロピレンポリマーについて2.5〜3.5のメルトフローレートをもたらすために適した初期流量を有するべきである。
非カップリング化プロピレンポリマーと比較すると、カップリング化プロピレンポリマーは好ましくは、対応する非カップリング化プロピレンポリマーのメルトフローレートより少なくとも10%少ないメルトフローレートを有する。
有用なカップリング剤の例は、ジアゾアルカン、ジェミナル置換メチレン基、メタロカルベン、ホスファゼンアジド、スルホニルアジド、ホルミルアジド、およびアジドを含む。好ましいカップリング剤は、ポリ(スルホニルアジド)であり、たとえば1,5−ペンタンビス(スルホニルアジド)、1,8−オクタンビス(スルホニルアジド)、1,10−デカンビス(スルホニルアジド)、1,10−オクタデカンビス(スルホニルアジド)、1−オクチル−2,4,6−ベンゼントリス(スルホニルアジド)、4,4’−ジフェニルエーテルビス(スルホニルアジド)、1,6−ビス(4’−スルホンアジドフェニル)ヘキサン、2,7−ナフタレンビス(スルホニルアジド)、分子当たり平均で1〜8個の塩素原子および2〜5個のスルホニルアジド基を含有する塩素化脂肪族炭化水素の混合スルホニルアジド、オキシ−ビス(4−スルホニルアジドベンゼン)、2,7−ナフタレンビス(スルホニルアジド)、4,4’−ビス(スルホニルアジド)ビフェニル、4,4’−ジフェニルエーテルビス(スルホニルアジド)およびビス(4−スルホニルアジドフェニル)メタンおよびその混合物などの化合物を含む。WO 99/10424を参照。ポリマー組成物が抗酸化剤または他の添加剤パッケージを含有する場合、抗酸化剤または添加剤パッケージによって引き起こされるカップリングへの妨害を克服するために、カップリング剤の量を調節することが必要である。
比較的低い程度のカップリングは、高速押出性能を向上させるのに十分である。ビス(スルホニルアジド)をカップリング剤に使用する場合、耐衝撃性プロピレンコポリマーをカップリングするために、好ましくはアジドを耐衝撃性プロピレンコポリマーの総重量に基づいて、少なくとも25パーツ・パー・ミリオン(ppm)を使用し、さらに好ましくは少なくともアジドを50ppm使用する。
visクラッキングは、さらなるレオロジー改良を達成するために、カップリング改質と組合せて使用できる。visクラッキング(制御レオロジーとしても知られる)は、ペルオキシド改質剤を利用して、ポリマー構造の顕著な切断改質を提供する。visクラッキングおよびカップリングのステップは連続して、または同時に実施される。
緩和スペクトルインデックス(RSI)は、ポリマーの長期緩和時間挙動に対するカップリングの効果を定量化するために使用できる。RSIは、緩和時間分布、または緩和スペクトルの幅を表す。
ポリマーの反応ならびに使用するレオメータの構造および形状に基づいて、緩和弾性率G(t)または動的弾性率G’(ω)およびG”(ω)を、時間tまたは周波数ωの関数としてそれぞれ決定できる。Dealy et al., Melt Rheology and Its Role in Plastics Processing, Van Nostrand Reinhold, 1990, 269から297頁を参照。動的弾性率と貯蔵弾性率との数学的関係は、フーリエ変換積分関連であるが緩和スペクトルを使用して1組のデータをもう一方の組のデータから計算することもできる。Wasserman, J. Rheology, Vol. 39,1995, 601から625頁を参照。
古典的な力学モデルを使用すると、それぞれ特徴的な強度または「重み」および緩和時間を有する一連の緩和または「モード」より成る、離散型緩和スペクトルが定義できる。そのようなスペクトルを使用すると、弾性率:
として再び表され、式中、Nはモードの数であり、giおよびλiはモードそれぞれの重みおよび時間である。Ferry, Viscoelastic Properties of Polymers, John Wiley & Sons, 1980, 224から263頁を参照。緩和スペクトルは、ソフトウェア、たとえばIRIS(商標) Developmentから市販されているIRIS(商標)レオロジーソフトウェアを使用してポリマーについて定義できる。
緩和スペクトルにおけるモードの分布が計算されると、分子量分布の一次および二次モーメントMnおよびMwに類似している、分布の一次および二次モーメントが以下のように計算される:
RSIはgII/gIとして定義される。
さらにnRSIは、米国特許第5,998, 558号に述べられているようにRSIから、
nRSI = RSI * MFR^a
によって計算され、式中、MFRはASTM D-1238手順を使用して測定したポリプロピレンメルトフローレートであり、aは0.5である。次にnRSIは、1.0のMFRに効果的にRSI正規化され、これにより各種のMFRのポリマー材料に関するレオロジーデータの比較が可能になる。RSIおよびnRSIは、ポリマーの分子量分布、分子量、および特徴、たとえば長鎖分岐および架橋などのパラメータに対して敏感である。したがってRSIおよびnRSIは、直接測定するのが困難である長鎖分岐を決定するのに有用である。
その上、nRSIは、nRSIのより高い値がより幅広い緩和時間分布を示すため、ポリマー間の緩和時間分布を評価するのに有用である。本発明のカップリング化プロピレンポリマーは、その調製に使用した従来のプロピレンポリマーと比較して、より高いRSIによって定量されるように緩和時間、または緩和スペクトルのより幅広い分布を特徴とする。好ましくは、カップリング化プロピレンポリマーは、非カップリング化プロピレンポリマーのRSIの少なくとも1.1倍の(少なくとも10%大きい)RSIを有する。さらに好ましくは、RSIは少なくとも1.2倍であろう。
本発明のカップリング化プロピレンポリマーを提供するために使用されるカップリング改質は、以下の式によってキャラクタリゼーションできる:
Y≧1.10
式中、Yは、カップリング前の対応するプロピレンポリマーの溶融強度に対するカップリング化プロピレンポリマーの溶融強度の比である。好ましくは、Yは1.20である。さらに好ましくは、Yは1.50であり、非カップリング化プロピレンポリマーは2センチニュートンの溶融強度を有し、カップリング化プロピレンポリマーは3センチニュートンの溶融強度を示す。また好ましくは、カップリング化プロピレンポリマーの溶融強度は8センチニュートン未満である。
一般に絶縁層は均質な固体ポリマー構造と見なされる。しかしながら本発明の絶縁層は代わりに、発泡構造であり、それによりガス充填空隙を有する細胞状構造として存在することができる。その上、絶縁層は多層構造、たとえば絶縁体がフォームの内層および薄い外皮層より成るフォーム/皮構造でありうる。外皮層は、強靭性の向上をもたらすために、または着色添加剤を包含するために使用できる。
絶縁層を作成するためのポリマー組成物を発泡させるとき、絶縁層は、以下の式に従って、より軽い重量および低下した有効誘電定数および散逸率を有するとしてキャラクタリゼーションされる:
および
式中
∈は非発泡誘電定数であり、
Eは膨張(発泡)レベルである。
低下した誘電定数は、同軸キャパシタンス(絶縁ワイヤ)および相互キャパシタンス(完成ケーブル)の目標値を達成するために、必要な絶縁体厚さを減少させる。絶縁層を作成するためのポリマー組成物は、化学発泡剤または物理発泡によって発泡させることができる。
しかしながら低下した絶縁体耐変形性は、データグレード用途への発泡絶縁体の使用を制限する。ポリマーの選択、発泡レベル、および発泡品質は、絶縁体耐変形性を最適化するのに重要な因子である。
カップリング化プロピレンポリマー、カップリング化耐衝撃性改質プロピレンポリマー、またはカップリング化耐衝撃性プロピレンコポリマーは、ホモポリマープロピレンポリマー、ランダムプロピレンコポリマーおよび他の耐衝撃性プロピレンポリマーを含む他のプロピレンポリマーと、あるいは他のポリオレフィンとブレンドして、熱可塑性オレフィン(TPO)または熱可塑性エラストマー(TPE)を作成できる。場合により、他のプロピレンポリマーまたはポリオレフィンは、カップリング剤を用いてカップリングできる。
絶縁層を作成するためのポリマー組成物は、充填剤も含有できる。特に充填剤、たとえばタルク、カルシウムカーボネート、またはウォラストナイトを使用できる。また成核剤が好ましくは利用される。成核剤の例は、ASAHI DENKA Corporationから入手できるNA−11である。
代わりの実施形態において、本発明は複数の導電体を含む通信ケーブルであり、各導体は固体絶縁体の少なくとも1層および発泡絶縁体の少なくとも1層を含む多層絶縁構造によって取り囲まれ、少なくとも固体絶縁体または発泡絶縁層の少なくとも1つがカップリング化プロピレンポリマーを含む。
好ましい実施形態において、本発明は複数の導電体を含む通信ケーブルであり、各導体は、(a)プロピレンポリマー構造の分岐部位内に組み入れられた長鎖分岐と、(b)対応する非カップリング化プロピレンポリマーの溶融強度よりも少なくとも10%大きい溶融強度と、(c)対応する非カップリング化耐衝撃性プロピレンコポリマーのnRSIよりも少なくとも10%大きい正規化緩和スペクトル指数(nRSI)と、(d)対応する非カップリング化耐衝撃性プロピレンコポリマーのMFRよりも少なくとも10%小さいメルトフローレート(MFR)とを有するカップリング化プロピレンポリマーを含む絶縁体の層によって取り囲まれる。
以下の非制限的な実施例は、本発明を説明する。
比較実施例1および3ならびに実施例2、4および5の調製
Dow Chemical Companyより入手できる2つの耐衝撃性プロピレンコポリマーを実施例のベース樹脂として使用した。
第1のベース樹脂は、3.8グラム/10分のメルトフローレートおよび12% エチレン含有率を有するDC 783.00耐衝撃性プロピレンコポリマーであった。第2のベース樹脂は、4.0g/10分のメルトフローレートおよび9重量パーセントのエチレン含有率を有するC107−04耐衝撃性プロピレンコポリマーであった。
実施例2、4および5は、カップリング剤、4,4’−オキシ−ビス(スルホニルアジド)ベンゼンを用いて調製した。ベース樹脂がDC 783.00(すなわち実施例2)である場合、カップリング剤を140ppmの量で添加した。ベース樹脂がC 107−04(すなわち実施例4および5)である場合、カップリング剤を200ppmの量で添加した。
実施例2、4、および5を調製する目的で、カップリング反応および次のペレット化のために、重合後にベース樹脂をZSK2軸スクリュー押出機内へ直接計量した。所望量のカップリング剤を計量するために添加剤フィーダーを使用した。実施例2および4は、グリース充填電話ケーブルのTelcordia熱酸化エージング要件を満足するのに適切な抗酸化剤パッケージを使用した。実施例5は、Telcordia熱酸化エージング要件を満足するために必要な抗酸化剤パッケージを含まないが、別の抗酸化剤パッケージを含有していた。
抗酸化剤パッケージの選択は本発明にとっては付随的であり、実施例で述べた性能を達成するために必要ではない。本発明の目的のために、当業者はエージング要件を満足するのに適切な抗酸化剤パッケージを識別できる。
抗酸化剤系を乾燥プレブレンド中に合せて、独立した添加剤フィーダーを通じて、ZSKペレット化押出機供給スロートの樹脂供給流中に計量した。窒素パージをZSK供給ホッパー上で維持した。
実施例2の材料は240℃の処理温度に耐えた。溶融処理は、良好な混合および適正な温度を与えて、ベース樹脂を改質するためにカップリング剤を活性化した。
実施例4および5の材料は、個別に製造して、11バレルWerner & Pfleiderer ZSK40 2軸スクリュー押出機を通じて押出した。供給速度は250ポンド/時であった。スクリュー速度は300rpmであった。目標バレル温度プロフィールは、180/190/200/200/210/220/230/240/230/240/240℃(供給入口からダイまで)であった。処理は、240℃の最高溶融処理温度と共に、カップリング剤の良好な混合および反応を達成した。
溶融特性
比較実施例1および3ならびに実施例2および4の溶融特性を表2に報告する。
データは、改質レオロジーが強化された分子構造を含有することによって達成されたことを示している。特に、非カップリング化プロピレンポリマーベース樹脂と比較したときに、MFRの低下と共に溶融強度の著しい上昇がある。非カップリング化プロピレンポリマーベース樹脂に対する正規化緩和スペクトル指数(nRSI)において、対応する上昇がある。
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238の方法に従って230℃にて2.16kgのおもりを用いて測定した。レオロジー測定は、TA Instrumentsより市販されている制御速度Weissenberg Rheogoniometerを用いて実施した動的振動剪断(DOS)実験によって行った。標準DOS実験は、200または230℃において窒素雰囲気下で並列プレートモードにて行った。サンプルサイズは、厚さ約1100〜1500ミクロンの範囲であり、直径4センチメートルであった。DOS周波数掃引実験は、2%歪み振幅を用いて、0.1〜100秒−1の周波数範囲を対象とした。TA Instrumentsレオメータ制御ソフトウェアは、トルク反応を動的弾性率および動的粘度に各周波数にて変換した。離散型緩和スペクトルを市販のIRIS(商標)ソフトウェアパッケージを使用して各サンプルの動的弾性率データに適合させて、続いて上述したようにRSI値を計算した。
すべてのサンプルの溶融強度は、入口角約45度の直径2.1mmの20:1ダイを装着したキャピラリーレオメータを使用して測定した。サンプルを190℃にて10分間平衡にした後に、ピストンを1インチ/分の速度で作動させた。標準試験温度は190℃であった。サンプルを、ダイの100mm下に位置する加速ニップのセットまで2.4mm/秒2の加速度で単軸方向に引っ張った。必要な引張強度をニップロールの巻取速度の関数として記録する。試験中に達成された最大引張強度を溶融強度として定義した。ドローレゾナンス(draw resonance)を示すポリマー溶融物の場合、ドローレゾナンス開始前の引張力を溶融強度と見なした。
薄壁絶縁体押出
比較実施例1および3ならびに実施例2および5に、押出ワイヤ絶縁体への処理をさらに受けさせた。特にそれらを使用して、24AWG銅(直径0.020インチ)での仕上げ直径0.036インチのために、1200フィート/分にて薄壁絶縁体を作成した。
押出評価は、パイロットプラントのワイヤ絶縁ラインに対して実施した。材料は、ポリエチレンタイプ3:1圧縮スクリューを装備した、直径2.5インチ、24:1 L/D Davis標準押出機で、供給区域から開始する390/420/450/450/450℃のバレル温度で押出した。ラインは、450℃にて、0.036インチ仕上げ直径絶縁ダイを含有するMaillefer4/6固定中心クロスヘッドを装備していた。パイロットプラント装置の機能が、速度を1200フィート/分に制限した。この条件は通例、結果での品質変化なしに、6000〜8000フィート/分の商業的範囲にスケールアップされる。
評価の結果を表3に報告する。

Claims (10)

  1. 複数の導電体を含み、各導体がカップリング化プロピレンポリマーを含む絶縁体の層に取り囲まれている、通信ケーブル。
  2. カップリング改質がプロピレンポリマーの分岐部位内に長鎖分岐を組み入れた、請求項1に記載のケーブル。
  3. プロピレンポリマー構造がvisクラッキングを受けた、請求項1に記載のケーブル。
  4. カップリング化プロピレンポリマーが、カップリング化耐衝撃性改質プロピレンポリマーおよびカップリング化耐衝撃性プロピレンコポリマーから成る群より選択される、請求項1に記載のケーブル。
  5. カップリング化プロピレンポリマーが、対応する非カップリング化プロピレンポリマーの溶融強度よりも少なくとも10%大きい溶融強度をさらに有する、請求項1に記載のケーブル。
  6. カップリング化プロピレンポリマーが、対応する非カップリング化プロピレンポリマーのnRSIよりも少なくとも10%大きい正規化緩和スペクトル指数(nRSI)をさらに有する、請求項1に記載のケーブル。
  7. カップリング化プロピレンポリマーが、対応する非カップリング化プロピレンポリマーのMFRよりも少なくとも10%小さいメルトフローレート(MFR)をさらに有する、請求項1に記載のケーブル。
  8. 隙間が絶縁導体の間であり、炭化水素ケーブル充填グリースを含有する、請求項1に記載のケーブル。
  9. 複数の導電体を含み、各導体が固体絶縁体の少なくとも1層および発泡絶縁体の少なくとも1層を含む多層絶縁構造によって取り囲まれ、少なくとも固体絶縁体または発泡絶縁層の少なくとも1つがカップリング化プロピレンポリマーを含む、通信ケーブル。
  10. 複数の導電体を含み、各導体が、(a)プロピレンポリマー構造の分岐部位内に組み入れられた長鎖分岐と、(b)対応する非カップリング化プロピレンポリマーの溶融強度よりも少なくとも10%大きい溶融強度と、(c)対応する非カップリング化耐衝撃性プロピレンコポリマーのnRSIよりも少なくとも10%大きい正規化緩和スペクトル指数(nRSI)と、(d)対応する非カップリング化耐衝撃性プロピレンコポリマーのMFRよりも少なくとも10%小さいメルトフローレート(MFR)とを有するカップリング化プロピレンポリマーを含む絶縁体の層によって取り囲まれる、通信ケーブル。

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