JP2007502807A - Erbb2抗がん剤の投与スケジュール - Google Patents

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Abstract

本発明は、哺乳動物におけるerbB2の過剰発現の治療法に関し、そのような治療を必要とする哺乳動物に、治療上有効量の第一のerbB2受容体阻害薬を投与し、次いで24時間未満の間隔の後、該哺乳動物に1〜6の治療上有効量の同一又は異なるerbB2受容体阻害薬を投与することを含む。本発明はまた、erbB2阻害薬のゆっくりとした毎日注入にも関する。erbB2受容体の過剰発現は異常細胞成長を招くおそれがあり、がんにつながる。本発明の方法によって阻害薬の有効性及び安全性が改良される。本発明はまた、本発明の用量投与法を容易にするためのキットにも関する。

Description

発明の分野
本発明は一般的には薬物投与法に関する。更に詳しくは、本発明は、erbB2受容体阻害薬を含む抗がん剤の投与に関する。本発明はまた、哺乳動物におけるがんのような異常細胞成長の治療に有用なタンパク質受容体チロシンキナーゼの阻害薬の改良された投与法にも関する。本発明はまた、哺乳動物、特にヒトにおける異常細胞成長の治療にそのような阻害薬を使用する投与に有用なキットにも関する。
発明の背景
細胞は、そのDNAの一部が、活性化されると悪性腫瘍細胞の形成をもたらす遺伝子である腫瘍遺伝子(オンコジーン)にトランスフォーメーションされることによってがん化しうる。多くのオンコジーンは、細胞のトランスフォーメーションを起こすことができる異常チロシンキナーゼのタンパク質をコードしている。あるいは、正常のプロトオンコジーン性チロシンキナーゼの過剰発現も増殖性の障害をもたらすことがあり、時として悪性の表現型に至る。
受容体型チロシンキナーゼは細胞膜をまたぐ酵素で、上皮増殖因子のような増殖因子の細胞外結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びタンパク質の特定のチロシン残基をリン酸化するキナーゼとして働く細胞内部分を有している。従って細胞増殖に影響を及ぼす。さらに、一部の受容体型チロシンキナーゼは、同じ又はその他のタンパク質キナーゼの基質となる。これはキナーゼ機能を調節しうるプロセスである。受容体型チロシンキナーゼはいくつかのファミリーに分類されるが、そのうちの一つがerbB1及びerbB2を含むerbファミリーである。erbB2のようなキナーゼは、乳がん、結腸、直腸又は胃がんのような消化器がん、白血病、及び卵巣、気管支又は膵臓がんのようなありふれたヒトのがんにしばしば異常発現されることが知られている。また、チロシンキナーゼ活性を有する上皮増殖因子受容体(erbB1)は、脳、肺、扁平細胞、膀胱、胃、乳房、頭部及び頚部、食道、婦人科系及び甲状腺腫瘍のような多くのヒトのがんで突然変異及び/又は過剰発現されることも示されている。従って、受容体型チロシンキナーゼの阻害薬は、哺乳動物のがん細胞の成長の選択的阻害薬として有用であると認識されている。異常細胞成長はerb受容体の細胞発現と関係しうる。
しかしながら、阻害薬の投与法が阻害薬の効果に影響を与えうることは十分に理解されていない。
発明の要旨
本発明は一般的に、異常細胞成長の阻害のための方法及びキットに関する。更に詳しくは、本発明は抗がん剤の改良された投与スケジュールに関する。
本発明は、erbB2受容体の過剰発現の治療を必要とする哺乳動物におけるerbB2受容体の過剰発現の治療法に関し、前記方法は、
(a)前記哺乳動物に治療上有効量の第一のerbB2受容体阻害薬を投与し;そして
(b)その後、24時間未満を含む間隔後、前記哺乳動物に1〜6の治療上有効量の第二のerbB2受容体阻害薬を投与する;
ことを含む。
本発明の一つの好適な態様では、1〜4の治療上有効量の前記第二のerbB2受容体阻害薬が前記方法のステップ(b)で投与できる。更に好適な態様においては、1〜2の治療上有効量の前記第二のerbB2受容体阻害薬が前記方法のステップ(b)で投与される。別の態様では、1の治療上有効量の前記第二のerbB2受容体阻害薬が前記方法のステップ(b)で投与される。
本発明の別の態様において前記方法のステップ(b)における間隔は12時間未満である。好適な態様において前記方法のステップ(b)における間隔は6時間未満である。更に好適な態様において前記方法のステップ(b)における間隔は3時間未満である。最も好適な態様において前記方法のステップ(b)における間隔は1時間未満である。
ステップ(a)及び(b)における阻害薬の投与は、経口、頬内、舌下、鼻腔内、胃内、十二指腸内、局所、眼内、直腸内、又は膣内投与を含みうる。
本発明の一態様において、ステップ(a)の第一の阻害薬はステップ(b)の第二の阻害薬と同一である。本方法の一態様において、第一の量は、その後の1〜6の量とは異なっていてよい。本発明の別の態様において、(a)の阻害薬は(b)の阻害薬以外であってよい。一つの特別な態様において、(a)の阻害薬は(b)の阻害薬と同一であり、所望によって同一の立体異性体又は同一の塩形である。治療の別の態様において、(a)の第一の阻害薬は(b)の第二の阻害薬と相乗的に作用する。(a)の第一の阻害薬、(b)の第二の阻害薬、又はその両方は、erbB2受容体のアンタゴニストでありうる。
本発明の一態様において、前記第一のerbB2受容体阻害薬の治療上有効な量は、1〜6の前記第二のerbB2受容体阻害薬の治療上有効な量とは異なる。本発明の一つの好適な態様において、(a)の第一の阻害薬は(b)の第二の阻害薬以外である。別の好適な態様において、(a)の第一の阻害薬は(b)の第二の阻害薬と相乗作用する。本発明の別の好適な態様において、(a)の第一の阻害薬、(b)の第二の阻害薬、又はその両方は、erbB2受容体のアンタゴニストである。
本発明の一つの好適な態様において、(a)の第一の阻害薬、(b)の第二の阻害薬は、小分子及びモノクローナル抗体から独立して選ばれる。一つの好適な態様において、(a)の第一の阻害薬、(b)の第二の阻害薬ともに小分子又はモノクローナル抗体である。本発明の別の好適な態様において、(a)の第一の阻害薬、(b)の第二の阻害薬、又はその両方は、erbB2受容体に選択的である。
本発明の治療法は、(a)の阻害薬、(b)の阻害薬、又はその両方のインビボの半減期が半時間〜8時間であることをさらに含みうる。
本発明の方法は、(a)の阻害薬、(b)の阻害薬、又はその両方が実質的に細胞毒性以外である阻害薬の投与を含みうる。
本発明の方法は、(a)の阻害薬、(b)の阻害薬、又はその両方が実質的に有糸分裂阻害薬以外である阻害薬の投与を含みうる。
本発明の一側面において、投与は制御放出式である。制御放出用製剤は、経口、頬内、舌下、鼻腔内、胃内、十二指腸内、局所、眼内、直腸内、又は膣内投与できる。
本発明の方法の一態様において、(a)の阻害薬及び(b)の阻害薬は、小分子及びモノクローナル抗体から独立して選ばれる。一つの好適な態様において、(a)の阻害薬及び(b)の阻害薬ともに小分子又はモノクローナル抗体である。小分子は4,000ダルトン未満でありうる。
(a)の第一の阻害薬、(b)の第二の阻害薬、又はその両方は、erbB2受容体に選択的でありうる。
治療のさらに別の態様において、(a)の第一の阻害薬、(b)の第二の阻害薬、又はその両方は、式1:
Figure 2007502807
の化合物、又はその製薬学的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む。
式1において、mは0〜3の整数であり;
pは0〜4の整数であり;
各R及びRは、H及びC−Cアルキルから独立して選ばれ;
は−(CR(4〜10員のヘテロサイクリック)であって、tは0〜5の整数であり、前記へテロサイクリック基は所望によりベンゼン環又はC−Cシクロアルキル基に縮合しており、前記R基の−(CR−部分は所望により炭素−炭素二重又は三重結合を含み、その場合tは2〜5の整数であり、前記R基は、前述のあらゆる所望の縮合環を含めて、所望により1〜5個のR基で置換されていてもよく;
は、−(CR1617−C≡C−(CR1617、−(CR1617−C=C−(CR1617−R、−(CR1617−C≡C−(CR161713、−(CR1617−C=C−(CR161713、又は−(CR1617であり、Rへの結合点はR基の炭素原子を通してであり、各kは1〜3の整数であり、各tは0〜5の整数であり、そして各mは0〜3の整数であり;
各Rは、ハロ、ヒドロキシ、−NR、C−Cアルキル、トリフルオロメチル、C−Cアルコキシ、トリフルオロメトキシ、−NRC(O)R、−C(O)NR、−SONR、−NRC(O)NR、及び−NRC(O)ORから独立して選ばれ;
各R、R6a及びRは、H、C−Cアルキル、−(CR(C−C10アリール)、及び−(CR(4〜10員のヘテロサイクリック)から独立して選ばれ、前記式中、tは0〜5の整数であり、ヘテロサイクリック基の1又は2個の環炭素原子は所望によりオキソ(=O)部分で置換されていてもよく、前記R及びR基のアルキル、アリール及びヘテロサイクリック部分は、所望により、ハロ、シアノ、ニトロ、−NR、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、ヒドロキシ、及びC−Cアルコキシから独立して選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
又は、R及びR、又はR6a及びRは、同じ窒素原子に結合している場合、一緒になって4〜10員のヘテロサイクリック環(前記R、R6a、及びRが結合している窒素のほかに、N、N(R)、O、及びSから選ばれる1〜3個の追加のヘテロ部分を含んでもよいが、ただし2個のO原子、2個のS原子又はOとS原子は互いに直接結合していない)を形成することができ;
各Rは、オキソ(=O)、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アジド、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−C10アルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−NRC(O)R、−NRSONR、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−C(O)NR、−NR、−NROR、−SONR、−S(O)(C−Cアルキル){jは0〜2の整数}、−(CR(C−C10アリール)、−(CR(4〜10員のヘテロサイクリック)、−(CRC(O)(CR(C−C10アリール)、−(CRC(O)(CR(4〜10員のヘテロサイクリック)、−(CRO(CR(C−C10アリール)、−(CRO(CR(4〜10員のヘテロサイクリック)、−(CRS(O)(CR(C−C10アリール)、及び−(CRS(O)(CR(4〜10員のヘテロサイクリック){式中、jは0、1又は2であり、q及びtはそれぞれ独立して0〜5の整数}から独立して選ばれ、前記R基のヘテロサイクリック部分の1又は2個の環炭素原子は、所望によりオキソ(=O)部分で置換されていてもよく、そして前記R基のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール及びヘテロサイクリック部分は、所望により、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−NRC(O)R、−C(O)NR、−NR、−NROR、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−(CR(C−C10アリール)、及び−(CR(4〜10員のヘテロサイクリック){tは0〜5の整数}から独立して選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
は、非芳香族単環式環、縮合又は架橋二環式環、又はスピロ環式環であり、前記環は3〜12個の炭素原子を含有し、そのうちの0〜3個の炭素原子は所望により、N、O、S(O){jは0〜2の整数}、及び−NR−から独立して選ばれるヘテロ部分で置換されていてもよいが、ただし、2個のO原子、2個のS(O)部分、O原子とS(O)部分、N原子とS原子、又はN原子とO原子は前記環内で互いに直接結合しておらず、前記環の炭素原子は所望により1又は2個のR基で置換されていてもよく;
各R11は、Rの定義中に提供されている置換基から独立して選ばれるが、ただしR11はオキソ(=O)ではなく;
12は、R、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OCO、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRSO、−NRC(O)NR6a、−NRSONR6a、−NRCO、CN、−C(O)R、又はハロであり、前記式中、jは0〜2の整数であり;
13は、−NR14又は−OR14であり;
14は、H、R15、−C(O)R15、−SO15、−C(O)NR15、−SONR15、又は−CO15であり;
15は、R18、−(CR(C−C10アリール)、−(CR(4〜10員のヘテロサイクリック){tは0〜5の整数}であり、ヘテロサイクリック基の1又は2個の環炭素原子は所望によりオキソ(=O)部分で置換されていてもよく、前記R15基のアリール及びヘテロサイクリック部分は、所望により、1〜3個のR置換基で置換されていてもよく;
各R16及びR17は、H、C−Cアルキル、及び−CHOHから独立して選ばれるか、又はR16及びR17は一緒になって−CHCH−又は−CHCHCH−となるか;
18はC−Cアルキルであり、N又はO原子、又はS(O){jは0〜2の整数}に結合していない各炭素は、所望によりR12で置換されていてもよく;
そして、CH(メチル)、CH(メチレン)、又はCH(メチン)基{ハロゲノ、SO又はSO基、又はN、O又はS原子に結合していない}を含む前述のあらゆる置換基は、所望により、ヒドロキシ、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ及び−NRから選ばれる基で置換されていてもよい。
本明細書中で使用している“ハロ”という用語は、特に明記しない限り、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを含む。好適なハロ基はフルオロ及びクロロである。
本明細書中で使用している“アルキル”という用語は、特に明記しない限り、直鎖、環状(単環又は多環部分を含む)又は分枝部分を有する飽和一価炭化水素ラジカルを含む。当然のことながら、前記アルキル基が環状部分を含むには少なくとも3個の炭素原子を含有しなければならない。
本明細書中で使用している“シクロアルキル”という用語は、特に明記しない限り、環状(単環又は多環を含む)部分を有する飽和一価炭化水素ラジカルを含む。
本明細書中で使用している“アルケニル”という用語は、特に明記しない限り、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する上記定義のアルキル基を含む。
本明細書中で使用している“アルキニル”という用語は、特に明記しない限り、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する上記定義のアルキル基を含む。
本明細書中で使用している“アリール”という用語は、特に明記しない限り、芳香族炭化水素から1個の水素を除去して誘導された、フェニル又はナフチルのような有機ラジカルを含む。
本明細書中で使用している“アルコキシ”という用語は、特に明記しない限り、−O−アルキル基を含む。アルキルは前述の定義の通りである。
本明細書中で使用している“4〜10員のヘテロサイクリック”という用語は、特に明記しない限り、O、S及びNからそれぞれ選ばれた1個以上のヘテロ原子を含有する芳香族及び非芳香族へテロサイクリック基を含み、各ヘテロサイクリック基はその環系に4〜10個の原子を有する。非芳香族ヘテロサイクリック基はそれらの環系に4個しか原子を持たない基を含むが、芳香族ヘテロサイクリック基はそれらの環系に少なくとも5個の原子を持つ必要がある。ヘテロサイクリック基はベンゾ縮合環系及び1個以上のオキソ部分で置換された環系を含む。4員のヘテロサイクリック基の例はアゼチジニルである(アゼチジンから誘導される)。5員のヘテロサイクリック基の例はチアゾリルであり、10員のヘテロサイクリック基の例はキノリニルである。非芳香族ヘテロサイクリック基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオオキサニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H−インドリル及びキノリジニルである。芳香族ヘテロサイクリック基の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、及びフロピリジニルである。前述の基は、上記化合物から誘導されているので、C−結合でも、それが可能な場合はN−結合でもよい。例えば、ピロールから誘導された基は、ピロール−1−イル(N−結合)又はピロール−3−イル(C−結合)でもよい。
“Me”という用語はメチルを意味し、“Et”という用語はエチルを意味し、そして“Ac”という用語はアセチルを意味する。
本明細書中で使用している“製薬学的に許容しうる塩”という用語は、特に明記しない限り、本発明の化合物中に存在しうる酸性又は塩基性基の塩を含む。塩基性の性質の本発明の化合物は、様々な無機及び有機酸と多様な塩を形成できる。そのような塩基性化合物の製薬学的に許容しうる酸付加塩を製造するのに使用できる酸は、非毒性の酸付加塩、すなわち薬理学的に許容しうるアニオンを含有する塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩及びパモ酸塩[すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)]の各塩を形成する酸である。アミノ基のような塩基性部分を含む本発明の化合物は、前述の酸のほかに、様々なアミノ酸と製薬学的に許容しうる塩も形成できる。
本発明の治療法は、erbB2受容体阻害薬の投与を含みうるが、(a)の阻害薬、(b)の阻害薬、又はその両方は、ゲフィチニブ(IRESSA、ZD1839)、トラスツズマブ、セツキシマブ、エルロチニブ、IDM−1、ABX−EGF、カネルチニブヒドロクロリド、EGF−P64kワクチン、EKB−569、EMD−72000、GW−572016、MDX−210、ME−103、YMB−1001、2C4抗体、APC−8024、CP−724714、E75、Her−2/neuワクチン、Herzyme、TAK−165、ADL−681、B−17、D−69491、Dab−720、EGFrvIII、EHT−102、FD−137、HER−1ワクチン、HuMax−DGFr、ME−104、MR1−1、SC−100、トラスツズマブ−DM1、YMB−1005、AEE−788 (ノバルティス)、mTOR阻害薬{ラパマイシン(ラパミューン、シロリムス、ワイエス社)、CCI−779(ワイエス社)、AP23573(ARIAD社)及びRAD001(ノバルティス社)を含む}からなる群から選ばれる化合物を含む。
本発明の一態様において、erbB2受容体の過剰発現は、細胞遺伝学的試験、蛍光in−situハイブリダイゼーションの測定、免疫組織化学試験、フローサイトメトリー試験、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応に基づく試験、又はそれらのいずれかの組合せを用いて測定される。
本発明の一態様において、哺乳動物はヒトであり、異常細胞成長はがんである。哺乳動物は、実験動物、家庭用ペット、家畜、又は任意のその他の動物であってもよい。
本発明の治療法は、(a)の第一の阻害薬、(b)の第二の阻害薬、又はその両方の血漿中濃度10ng/ml〜4000ng/mlを達成することをさらに含みうる。
本発明の一態様において、(a)の第一の阻害薬及び(b)の第二の阻害薬は、
(±)−(3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(+)−(3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(−)−(3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
(±)−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(+)−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(−)−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(2−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
(3−メチル−4−(2−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−4−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−4−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
2−フルオロ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
E−2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド;
(3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−4−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
2−メトキシ−N−(1−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イルエチニル}−シクロプロピル)−アセトアミド;
E−N−(3−{4−(3−クロロ−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−2−メトキシ−アセトアミド;
N−(3−{4−(3−クロロ−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
E−N−(3−{4−(3−クロロ−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド;
E−2−エトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド;
1−エチル−3−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−ウレア;
ピペラジン−1−カルボン酸(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アミド;
(±)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アミド;
(+)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アミド;
(−)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アミド;
2−ジメチルアミノ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
E−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−メタンスルホンアミド;
イソオキサゾール−5−カルボン酸(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アミド;
1−(1,1−ジメチル−3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−3−エチル−ウレア;
からなる群からそれぞれ独立して選ばれる。
本治療法は、erbB2受容体を阻害する単一の薬剤の使用、並びに二つの異なる薬剤の使用を含む。単一の薬剤及び二つの薬剤の少なくとも一つは、好ましくは式1による薬剤である。従って、一態様において、該阻害薬は、(±)−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;並びにその製薬学的に許容しうる塩、プロドラッグ及び溶媒和物からなる群から選ばれる。別の態様において、該阻害薬は、(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−4−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;並びにその製薬学的に許容しうる塩、プロドラッグ及び溶媒和物からなる群から選ばれる。更に別の態様において、該阻害薬は、E−2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド;並びにその製薬学的に許容しうる塩、プロドラッグ及び溶媒和物からなる群から選ばれる。更に別の態様において、該阻害薬は、E−N−(3−{4−(3−クロロ−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−2−メトキシ−アセトアミド;並びにその製薬学的に許容しうる塩、プロドラッグ及び溶媒和物からなる群から選ばれる。なお更に別の態様において、該阻害薬は、E−N−(3−{4−(3−クロロ−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド;並びにその製薬学的に許容しうる塩、プロドラッグ及び溶媒和物からなる群から選ばれる。本発明の特別な態様において、該阻害薬は、ピペラジン−1−カルボン酸(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アミド;並びにその製薬学的に許容しうる塩、プロドラッグ及び溶媒和物からなる群から選ばれる。本発明の別の特別な態様において、該阻害薬は、E−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−メタンスルホンアミド;並びにその製薬学的に許容しうる塩、プロドラッグ及び溶媒和物からなる群から選ばれる。本発明の別の側面において、(a)の第一の阻害薬、(b)の第二の阻害薬、又はその両方は、製薬学的に許容しうる担体中にある。
本発明の一態様において、erbB2受容体の過剰発現は異常細胞成長をもたらす。第一及び第二のerbB2受容体阻害薬で治療される異常細胞成長はがんでありうる。がんは、末端性ほくろ性黒色腫、日光性角化症、腺がん、腺様嚢胞がん、腺腫、腺肉腫、腺扁平上皮がん、神経膠星状腫瘍、バルトリン腺がん、基底細胞がん、気管支腺がん、毛細血管がん(capillary carcinoma)、カルチノイド、がん腫、がん肉腫、海綿がん(cavernous carcinoma)、胆管がん、軟骨肉腫、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢がん、明細胞がん、嚢胞状腺腫、内胚葉洞腫瘍、子宮内膜増殖症、子宮内膜間質部肉腫、類子宮内膜腺がん、脳室上衣がん、類上皮がん、ユーイング肉腫、線維層板(fibrolamellar)、限局性結節性過形成、ガストリン産生腫瘍、胚細胞腫瘍、グリア芽細胞腫、グルカゴノーマ、血管芽腫、血管内皮腫、血管腫、肝腺腫、肝腺腫症、肝細胞がん、インスリノーマ、上皮内新生物、上皮内扁平細胞新生物、浸潤性扁平細胞がん、大細胞がん、平滑筋肉腫、悪性黒子型黒色腫、悪性黒色腫、悪性中皮腫、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、髄膜性(meningeal)、中皮性(mesothelial)、転移性がん、粘膜表皮がん、神経芽細胞腫、神経上皮性腺がん(neuroepithelial adenocarcinoma)、結節型黒色腫、燕麦細胞がん、乏突起膠細胞性(oligodendroglial)、骨肉腫、膵臓ポリペプチド、乳頭状漿液性腺がん、松果体細胞、下垂体腫瘍、形質細胞腫、紡錘細胞がん、肺芽細胞腫(pulmonary blastoma)、腎細胞がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、肉腫、漿液性がん、小細胞がん、軟部組織がん、ソマトスタチン分泌腫瘍、扁平上皮がん、扁平上皮細胞がん、中皮下性(submesothelial)、表在拡大型黒色腫、未分化がん、ブドウ膜黒色腫、疣状がん、VIP産生腫瘍、分化がん、細気管支肺胞上皮がん(BAC)及びウィルムス腫瘍からなる群から選ぶことができる。
一態様において、異常細胞成長は、肺、乳房、皮膚、胃、腸、食道、膵臓、肝臓、膀胱、頭部、頚部、脳、子宮頚管、及び卵巣腫瘍からなる群から選ばれる腫瘍である。一つの好適な態様において、異常細胞成長は、乳房、胃、膵臓、及び卵巣からなる群から選ばれる腫瘍である。さらに好適な態様において、異常細胞成長は乳がんである。
本発明の別の態様において、erbB2受容体阻害薬はerbB2受容体に選択的でありうる。本発明の方法はさらに、(c)阻害薬のerbB2受容体に対する結合親和性と阻害薬のerbB1受容体に対する第二の結合親和性の比率を計算し、そして(d)該比率を使用して選択性を評価することを含む。一態様において、阻害薬はerbB2受容体に対して少なくとも2倍選択的である。別の態様において、阻害薬はerbB2受容体に対して少なくとも10倍選択的である。
本発明の別の態様において、本発明は、異常細胞成長を有する患者の治療法に関し、該方法は、異常細胞成長の治療を必要とする前記患者に、24時間以内に、第一の量のerbB2受容体阻害薬、治療上相乗効果的な第二の量の阻害薬、及び所望により、第三又は第四の量の阻害薬を、経口、頬内、舌下、鼻腔内、眼内、胃内、十二指腸内、局所、直腸内、又は膣内投与することを含む。阻害薬は選択的erbB2受容体阻害薬でありうる。
本発明の別の態様において、本発明は、異常細胞成長を治療するためのキットを含む。該キットは、患者に経口、頬内、舌下、鼻腔内、眼内、胃内、十二指腸内、局所、直腸内、又は膣内投与するのに適切な少なくとも二つの用量のerbB2受容体阻害薬と、前記異常細胞成長を有する患者に少なくとも1日2回の用量を投与するための使用説明書とを含む。使用説明書は、ラベル又は同封の添付文書に提供されるのが好都合である。キットの一態様において、異常細胞成長は、肺、乳房、皮膚、胃、腸、食道、膀胱、頭部、頚部、脳、子宮頚管、及び卵巣腫瘍からなる群から選ばれる腫瘍である。
本発明の別の態様において、本発明は、腫瘍の治療を必要とする患者における腫瘍の治療法を含む。腫瘍はerbB2受容体を含む腫瘍であり、該方法は、前記患者に治療上有効量のerbB2受容体阻害薬を、注入のほうがボーラス注射より有効になるように、1〜8時間かけて前記患者に注入(輸液)することによって投与することを含む。注入は、静脈内、筋肉内、腹腔内、又は皮下でありうる。一態様において、阻害薬は式1の化合物でありうる。
本発明の別の態様において、本発明は、erbB2受容体阻害薬の効果をその必要のある患者において増強する方法を含む。該方法は、(a)erbB2受容体阻害薬の基準用量を決定し、そして(b)該用量を分割して効果を増大させることを含む。増大した効果は、用量を分割したことに由来する相乗効果の形態である。一態様において、用量は1日2回〜6回の用量に分割される。
別の態様において、基準用量は副作用を有するが、分割量は副作用が減少する。阻害薬はerbB1受容体と比べた場合、erbB2受容体に対して少なくとも約2倍選択的でありうる。更に別の態様において、阻害薬はerbB1受容体と比べて、erbB2受容体に対して少なくとも10倍選択的である。
効果の増強法はさらに、(c)阻害薬のerbB2受容体に対する結合親和性と阻害薬のerbB1受容体に対する第二の結合親和性の比率を計算し、そして(d)該比率を使用して選択性を評価するステップを含む。
本発明の別の態様において、本発明は、erbB2受容体阻害薬の効果を増大する方法を含み、該方法は、治療上有効量の阻害薬の1日量をその必要のある患者に投与することを含む。このとき、前記1日量を分割して前記患者における阻害薬の血漿中濃度が治療上有効な単回投与の1日量よりも低くなるように確立し、効果を増大させる。
本発明の別の態様において、本発明は、erbB2受容体阻害薬の、その必要のある患者への投与の安全性を増強する方法を含む。該方法は、前記患者に2〜6の治療上有効量の阻害薬を毎日投与することを含む。
本発明の別の態様において、本発明は、erbB2受容体阻害薬の、その必要のある患者への投与の安全性を増強する方法を含む。該方法は、安全性プロフィールを有する阻害薬の基準1日量を決定し、該用量を分割して安全性プロフィールを改良することを含む。
本発明の別の態様において、本発明は、患者における異常細胞成長の治療用キットを含む。該キットは、静脈内、筋肉内、腹腔内、又は皮下注入に適切な用量のerbB2受容体阻害薬と、該用量を前記患者に1時間〜8時間かけて注入するための使用説明書とを含む。キットの一態様において、異常細胞成長は、肺、乳房、皮膚、胃、腸、食道、膀胱、膵臓、肝臓、頭部、頚部、脳、子宮頚管、及び卵巣腫瘍からなる群から選ばれる腫瘍を含みうる。
本発明の別の態様において、本発明は、腫瘍発生のリスクある患者の予防的治療を含む。該治療は、前記患者に、有効量の選択的erbB2受容体阻害薬を少なくとも1日2回投与することを含む。予防的治療の一態様において、阻害薬は抗体又はそのフラグメント以外でありうる。
本発明の別の態様において、本発明は、erbB2受容体阻害薬の効果を増大する方法を含み、該方法は、治療上有効量の阻害薬の1日量をその必要のある患者に投与することを含む。このとき、前記1日量を分割して前記患者における阻害薬の血漿中濃度が治療上有効な単回投与の1日量よりも低くなるように確立し、効果を増大させる。一態様において、血漿中濃度はCaveと表される。別の態様において、血漿中濃度はCmaxと表される。阻害薬は選択的erbB2受容体阻害薬でありうる。一態様において、阻害薬は抗体又はそのフラグメント以外でありうる。
本発明のさらに別の態様において、本発明は、腫瘍の治療を必要とする患者における腫瘍の治療法に関する。腫瘍はerbB2受容体を含む腫瘍であり、該方法は、前記患者に治療上有効量のerbB2受容体阻害薬を、注入のほうがボーラス注射より有効になるように、1〜8時間かけて前記患者に注入することによって投与することを含む。ボーラス注射とは、注射部位の特性に合致した比較的迅速な治療的注入を意味する。注入は、静脈内、筋肉内、腹腔内、又は皮下でありうる。該方法の患者はヒトでありうるが、任意の哺乳動物も適切である。一態様において、腫瘍はがんである。注入は、本発明の方法では不均一な速度を特徴としうる。例えば、投与速度は注入中に増加又は減少できる。阻害薬はerbB2受容体に選択的でありうる。さらに、該方法は、阻害薬のerbB2受容体に対する結合親和性と阻害薬のerbB1受容体に対する第二の結合親和性の比率を計算し、そして該比率を使用して選択性を評価することをさらに含みうる。当該技術分野で公知のその他の方法も選択性の評価に適切である。一態様において、阻害薬はerbB2受容体に対して少なくとも2倍選択的である。別の態様において、阻害薬はerbB2受容体に対して少なくとも10倍選択的である。本発明の治療法の患者はヒトでありうる。阻害薬はアンタゴニストでありうる。一態様において、阻害薬は、抗体又はそのフラグメント以外である。特に、阻害薬は小分子でありうる。本発明の方法はさらに、阻害薬が半時間〜8時間のインビボ半減期を有することを含みうる。
本発明の一態様において、本発明は、erbB2受容体の過剰発現の治療を必要とする哺乳動物におけるその治療法に関する。前記方法は、
(a)細胞遺伝学的試験、蛍光in−situハイブリダイゼーション、免疫組織化学試験、フローサイトメトリー試験、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応、又はそれらの組合せを用いてerbB2受容体の過剰発現を測定し;
(b)ステップ(a)で測定したerbB2受容体の過剰発現に基づいて、前記哺乳動物に治療上有効量の第一のerbB2受容体阻害薬を投与し;そして
(c)次いで、24時間未満を含む間隔の後、ステップ(a)で測定したerbB2受容体の過剰発現に基づいて、前記哺乳動物に1〜6の治療上有効量の第二のerbB2受容体阻害薬を投与する;
ことを含む。
該方法は、実質的に細胞毒性でない阻害薬の注入を含みうる。該方法はまた、実質的に有糸分裂阻害薬でない阻害薬の注入を含みうる。
阻害薬の注入による治療法はさらに、注入がボーラス注射より少なくとも20%効果が高いことを含みうる。
注入による治療法はさらに、1日2又は3回の注入を含みうる。
注入による治療法はさらに、阻害薬の血漿中濃度10ng/ml〜4000ng/mlを達成することを含みうる。
本明細書中で使用している“治療する”という用語は、特に明記しない限り、そのような用語が適用される障害又は状態、又はそのような障害もしくは状態の一つ以上の症状を逆転、緩和、進行の抑制、又は予防することを意味する。本明細書中で使用している“治療”という用語は、特に明記しない限り、治療する行為のことで、“治療する”は直上で定義の通りである。
本明細書中で使用している“Cmax”という用語は、特に明記しない限り、薬剤投与後の血液、血清、又は血漿中の最大濃度を意味する。薬剤は典型的には式1のerbB2受容体阻害薬である。
本明細書中で使用している“AUC”という用語は、特に明記しない限り、曲線下面積を意味する。これはある時間にわたって集積された薬剤濃度の測定値である。
本明細書中で使用している“Cave”又は “Cave”という用語は、特に明記しない限り、ある規定された期間の平均薬剤濃度の測定値である。
本明細書中で使用している“PK”という用語は、特に明記しない限り、薬物動態又は時間経過に伴う薬剤の分布を意味する。
本明細書中で使用している“QD”及び“BID”という用語は、特に明記しない限り、それぞれ毎日投与及び1日2回の投与を意味する。
本明細書中で使用している“p.o.”及び“i.v.”という用語は、特に明記しない限り、それぞれ経口及び静脈内の投与経路を意味する。
本明細書中で使用している“PD”という用語は、特に明記しない限り、薬力学を意味する。これは薬剤の機能的結果の分析である。
本明細書中で使用している“選択性”という用語は、特に明記しない限り、別の薬剤と比較した効果を意味し、一般的に阻害定数(IC値、例えばIC50)の比率として表される。あるいは、選択性は、阻害薬のerbB2受容体に対する親和性を別の受容体、例えばerbB1に対する親和性と比較して測定することもできる。選択性は、当該技術分野で公知の任意の従来式方法、例えば、絶対効力、別の薬剤と比較した効力、別の薬剤と比較した効果、及び非erbB2受容体効果の存在又は程度などであるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用している“erbB2受容体を阻害する”という用語は、特に明記しない限り、アクチベータすなわちアゴニストの結合を競合的又は非競合的に遮断する、結合したアクチベータを置換する、アクチベータの親和定数を低下させる、アクチベータの離脱速度(off-rate)を増加させる、多量体型受容体を解離させる、単量体型受容体を凝集させる、又は受容体活性化の細胞内代謝結果を減少させることを意味する。
本明細書中で使用している“相乗効果”又は“相乗作用的”という用語は、特に明記しない限り、二つの阻害薬の組合せ効果が各阻害薬単独の効果の合計より大きいことを意味する。
本明細書中で使用している“アゴニスト”という用語は、特に明記しない限り、生理的受容体に結合し、内因性調節化合物の効果を模倣する薬物を意味する。本明細書中で使用している“アンタゴニスト”という用語は、特に明記しない限り、受容体に結合し、内因性アゴニストを模倣せずその結合を妨害する薬物を意味する。そのような薬物又は化合物は、それ自体固有の調節活性を持たないが、アゴニストの作用を阻害することによって効果を生じる。そのような薬物又は化合物のことを“アンタゴニスト”と呼ぶ。
本明細書中で使用している“副作用”という用語は、特に明記しない限り、所望の効果以外の薬物の作用又は効果を意味する。
本明細書中で使用している“減少した副作用”という用語は、特に明記しない限り、所望の効果以外の薬物の作用又は効果が減少することを意味する。
本明細書中で使用している“阻害薬”という用語は、特に明記しない限り、酵素又は受容体の活性を停止させる化学物質を意味する。
酸性の性質の式1の化合物は、様々な薬理学的に許容しうるカチオンと塩基性塩を形成することができる。そのような塩の例は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩、特に本発明の化合物のカルシウム、マグネシウム、ナトリウム及びカリウム塩などである。
本発明の化合物内に含有されるある種の官能基は、生物学的等価基、すなわち親基と同様の空間的又は電子的要件を有しているが、異なる又は改良された物理化学的又はその他の性質を示す基の代わりになりうる。適切な例は当業者には周知であり、PatiniらによるChem.Rev,1996,96,3147−3176、及びその中に引用されている参考文献に記載の部分を含むが、これらに限定されない。
式1の化合物は不斉中心を有しうるので、異なるエナンチオマー及びジアステレオマー形で存在しうる。本発明は、本発明の化合物の全ての光学異性体及び立体異性体、及びそれらの混合物の使用、並びにそれらを使用又は含有しうる全ての医薬組成物及び治療法に関する。式1の化合物は互変異性体としても存在しうる。本発明は、全てのそのような互変異性体及びその混合物の使用に関する。
主題の発明は、同位体標識された化合物、並びにその製薬学的に許容しうる塩、溶媒和物及びプロドラッグの使用も含む。これらは、1個以上の原子が通常天然に存在する原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換されているという事実以外は式1に記載の化合物と同一である。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体、すなわちそれぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、及び36Clなどである。前述の同位体及び/又はその他の原子のその他の同位体を含有する本発明の化合物、そのプロドラッグ、及び前記化合物又は前記プロドラッグの製薬学的に許容しうる塩も本発明の範囲内に含まれる。本発明のある種の同位体標識化合物、例えばH及び14Cのような放射性同位体が組み込まれている化合物は、薬物及び/又は基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム化、すなわちH、及び炭素−14、すなわち14C同位体は、製造と検出の容易性のために特に好適である。さらに、ジュウテリウム、すなわちHのような重い同位体による置換は、代謝安定性の増大に由来するある種の治療的利益、例えばインビボ半減期の増大又は用量要件の削減を可能にするので、状況によっては好適でありうる。本発明の同位体標識された式1の化合物及びそのプロドラッグは、一般的に、以下のスキーム及び/又は実施例及び製造例に開示の手順を、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を用いて実行することにより製造することができる。
遊離アミノ、アミド、ヒドロキシ又はカルボキシル基を有する式1の化合物はプロドラッグに変換できる。プロドラッグは、アミノ酸残基、又は2個以上(例えば2、3又は4個)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖がアミド又はエステル結合を通じて式1の化合物の遊離アミノ、ヒドロキシ又はカルボン酸基に共有結合している化合物を含む。アミノ酸残基は、一般的に3文字の記号で表記される20の天然アミノ酸(これらに限定されない)を含むだけでなく、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デスモシン(demosine)、イソデスモシン(isodemosine)、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン及びメチオニンスルホンも含む。追加のタイプのプロドラッグも包含される。例えば、遊離カルボキシル基はアミド又はアルキルエステルとして誘導体化できる。遊離ヒドロキシ基は、ヘミスクシネート、ホスフェートエステル、ジメチルアミノアセテート、及びホスホリルオキシメチルオキシカルボニル(これらに限定されない)などの基を用いて誘導体化できる。これについてはAdvanced Drug Delivery Reviews,1996,19,115に概説されている。ヒドロキシ及びアミノ基のカルバメートプロドラッグも、ヒドロキシ基のカルボネートプロドラッグ、スルホン酸エステル及び硫酸エステルと同様に含まれる。ヒドロキシ基を(アシルオキシ)メチル及び(アシルオキシ)エチルエーテルとして誘導体化したものも包含される。この場合、アシル基はアルキルエステル{所望によりエーテル、アミン及びカルボン酸官能基(これらに限定されない)などの基で置換されている}であり得るか、又はアシル基は前述のアミノ酸エステルである。このタイプのプロドラッグについてはJ.Med.Chem.1996,39,10に記載されている。遊離アミンもアミド、スルホンアミド又はホスホンアミドとして誘導体化できる。これらのプロドラッグ部分はいずれも、エーテル、アミン及びカルボン酸官能基(これらに限定されない)を含む基を組み込むことができる。
発明の詳細な説明
本発明の方法は、(a)の阻害薬、(b)の阻害薬、又はその両方が実質的に細胞毒性でない阻害薬の投与を含みうる。細胞毒性は、当該技術分野で一般的な任意の手段によって測定できる。例えば、アポトーシス並びに呼吸及び基質利用のような代謝機能の測定などであるが、これらに限定されない。実質的に細胞毒性とは、当業者が、薬剤を試験動物に投与した場合、又は本発明の薬剤の使用に対応する条件及び濃度下でのインビトロアッセイに使用した場合に細胞毒性が一般的に見られる、ということを認識しているであろうことを意味する。
本方法は、(a)の阻害薬、(b)の阻害薬、又はその両方が実質的に有糸分裂阻害薬以外の阻害薬の投与を含みうる。有糸分裂は、当該技術分野で一般的な任意の手段によって測定できる。例えば、分裂指数、DNA含量及び細胞数の測定などであるが、これらに限定されない。実質的に有糸分裂阻害薬とは、当業者が、薬剤を試験動物に投与した場合、又は本発明の薬剤の使用に対応する条件及び濃度下でのインビトロアッセイに使用した場合に有糸分裂の減少が一般的に見られる、ということを認識しているであろうことを意味する。
本発明の方法で使用する化合物のインビトロ活性は、対照と比較した、試験化合物によるリン酸化阻害の量によって測定できる。組換えerbB2(アミノ酸残基675−1255)及びEGFR(アミノ酸残基668−1211)の細胞内ドメインをバキュロウィルス感染Sf9細胞にGST融合タンパク質として発現させ、グルタチオンセファロースビーズ上でのアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。ポリ(Glu、Tyr)のリン酸化を、J.D.Moyer,E.G.Barbacci,K.K.Iwata,L.Arnold,B.Boman,A.Cunninghamらによる、上皮増殖因子受容体型チロシンキナーゼの阻害薬CP−358,774によるアポトーシス及び細胞周期停止の誘導、Cancer Res,57(1997)4838−4848に記載の通りに測定した。ただし、キナーゼ反応は、125mMの塩化ナトリウム、10mMの塩化マグネシウム、0.1mMのオルトバナジン酸ナトリウム、及び1mMのATPを含有する50mMのヘペス(pH7.4)50μl中で実施した。
無傷細胞におけるチロシンリン酸化は以下のアッセイを用いて測定できる。ヒトEGFR(B.D.Cohen,D.R.Lowy,J.T.Schiller、ウシパピローマウィルスE5オンコタンパク質と血小板由来増殖因子受容体の膜貫通ドメイン及び上皮増殖因子受容体の細胞質ドメインとのトランスフォーメーション特異的相互作用、J.Virol.,67(1993)5303−5311)又はEGFR細胞外ドメイン及びerbB2細胞内ドメインを有するキメラ受容体のいずれかをトランスフェクトしたNIH3T3細胞を96ウェル組織培養プレート中のDMEMに播種した(F.Fazioli,U.H.Kim,S.G.Rhee,C.J.Molloy,O.Segatto,P.P.DiFlore、erbB−2の分裂促進シグナル伝達経路:ホスホリパーゼC−γ及びGTPアーゼ活性化タンパク質のチロシンリン酸化はerbB−2の分裂促進能とは相関しない、Mol.Cell.Biol.,11(1991)2040−2048)。
DMSO中の阻害薬(又は対照用にはDMSOビヒクル)を播種24時間後に加え、37℃で2時間細胞とインキュベートした。細胞を室温で15分間ヒト組換えEGF(最終濃度50ng/ml)で刺激した。培地を吸引し、200μMのNaVO含有冷エタノール:アセトン(1:1)100μlで30分間細胞を固定した。プレートを洗浄用緩衝液(PBS中0.5%Tween−20)で洗浄し、100μlのブロッキング用緩衝液(PBS中3%ウシ血清アルブミン+200μMの新鮮オルトバナジン酸ナトリウム)を加えた。プレートを室温でさらに1時間インキュベートし、洗浄用緩衝液で2回洗浄した。西洋ワサビペルオキシダーゼで標識した抗ホスホチロシン抗体(PY54)をウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。吸引によって抗体を除去し、プレートを洗浄用緩衝液で4回洗浄した。TMB Microwell Peroxidase Substrate(Kirkegaard and Perry、メリーランド州ゲイサーズバーグ)をウェル当たり50μl加えることによって比色シグナルを発生させ、0.09M硫酸をウェル当たり50μl加えることによって停止させた。ホスホチロシンは450nmにおける吸光度の測定によって推定される。化合物を含有しないEGF刺激対照ウェルのシグナルからEGFなしのウェルのバックグラウンドを差し引いた後のシグナルを100%の対照と定義した。これらのEGF刺激細胞からの抽出物を抗ホスホチロシンを用いたウェスタンブロット法で試験したところ、大部分のタンパク質のホスホチロシンはそれぞれ自己リン酸化されたEGFR又はEGFR/erbB2キメラを表していることが示された。しかしながらその他のタンパク質基質もチロシンリン酸化の増加を示していた。EGFは、典型的には、総ホスホチロシン濃度を各トランスフェクト細胞で約4倍増加させていた。IC50値は、シグナルを対照の50%に削減するのに要する化合物の濃度を表し、100倍の濃度範囲にわたる滴定から図表を用いて決定された。免疫沈降法とそれに続くウェスタンブロッティングによるerbBのリン酸化の分析。SKBr3細胞を示されたように化合物又は活性化リガンドで処理した。培地を吸引し、1ml/75cmフラスコの氷冷免疫沈降用溶解緩衝液{1.0% TX100;10mM トリス;5mM EDTA;50mM NaCl;30mM オルトバナジン酸ナトリウム(加えたばかりの100μM PMSFを含む)、及び緩衝液50ml当たり1個のComplete(登録商標)プロテアーゼ阻害薬錠剤(Roche Diagnostics,インジアナ州インジアナポリス)}を加えた。免疫沈降は10μlの溶解物(ライセート)に対して実施した。EGFrはSanta Cruz SC−120、2μg/100μlライセートを用いて;erbB2はOncogene OP15、1μg/100μlライセートを用いて;及びerbB3はSanta Cruz SC−285、2μg/100μlライセートで免疫沈降させた。全ての免疫沈降とも4℃で一晩、揺り動かしながら、30μlのプロテインAビーズの存在下で実施した。固定されたタンパク質付きビーズを4℃、14,000rpmで10秒間遠心して分離した。上清を吸引し、ペレットを0.1%Tween20入りPBSで3回洗浄した。次にサンプルを40μlのLaemmli緩衝液(DTT入り)中に再懸濁させ、4分間ボイルした。次に、該サンプルを4−12% PAGEにかけた。それらを1時間、150VでMES緩衝液を用いて電気泳動させた。ゲルを10%メタノールの存在下でPVDF膜に転写した。その膜をブロッキング用緩衝液(Roche Diagnostics,インジアナ州インジアナポリス)を用いてブロックし、ホスホチロシンを、西洋ワサビペルオキシダーゼに結合させた抗PY54抗体を用いて検出し、メーカーの使用説明書に従って増強された化学発光により発色させた{ECL(登録商標);Amersham Pharmacia Biotech、ニュージャージー州ピスカタウェイ;LumiGLO(登録商標);Cell Signaling}。シグナルはLumi−Imager(登録商標)(Boehringer Mannheim、インジアナ州インジアナポリス)を用いて定量化した。
以下のアッセイもc−erbB2キナーゼに使用して、化合物をc−erbB2阻害薬として使用するための抗力及び選択性について調べることができる。以下のアッセイは以前、Schrangら,Anal.Biochem.211,1993,p233−239に記載されたものと類似している。Nunc MaxiSorp96ウェルプレートを、ウェル当たり100mLのPBS(リン酸緩衝生理食塩水)中0.25mg/mLポリ(Glu,Tyr)4:1(PGT)(Sigma Chemical Co.,ミズーリ州セントルイス)と37℃で一晩インキュベートすることによって被覆する。過剰のPGTは吸引によって除去し、プレートを洗浄用緩衝液(PBS中0.1%Tween20)で3回洗浄する。キナーゼ反応は、125mMの塩化ナトリウム、10mMの塩化マグネシウム、0.1mMのオルトバナジン酸ナトリウム、1mMのATP、0.48mg/mL(24ng/ウェル)のc−erbB2細胞内ドメインを含有する50mMのヘペス(pH7.5)50mL中で実施する。erbB2チロシンキナーゼの細胞内ドメイン(アミノ酸674−1255)は、バキュロウィルス中でGST融合タンパク質として発現させ、グルタチオン被覆ビーズへの結合とそれからの溶離によって精製する。DMSO(ジメチルスルホキシド)中の化合物を加えて最終DMSO濃度2.5%とする。リン酸化はATP(アデノシン三リン酸)の添加によって開始させ、常時振盪を続けながら室温で6分間進行させる。キナーゼ反応は、反応混合物の吸引とその後の洗浄用緩衝液(上記参照)による洗浄によって終結させる。リン酸化PGTは、ウェル当たり50mLのHRP−結合PY54(Oncogene Science Inc.ニューヨーク州ユニオンデール)抗ホスホチロシン抗体{ブロッキング用緩衝液(PBS中3%BSA及び0.05%Tween20)中0.2mg/mLに希釈}との25分間のインキュベートによって測定する。吸引によって抗体を除去し、プレートを洗浄用緩衝液で4回洗浄する。TMB Microwell Peroxidase Substrate(Kirkegaard and Perry、メリーランド州ゲイサーズバーグ)をウェル当たり50mL加えることによって比色シグナルを発生させ、0.09M硫酸をウェル当たり50mL加えることによって停止させる。ホスホチロシンは450nmにおける吸光度の測定によって推定される。対照のシグナルは、典型的には0.6−1.2吸光単位で、PGT基質を含まないウェルでは本質的にバックグラウンドがなく、10分間はインキュベーション時間に比例する。阻害薬は、阻害薬を含まないウェルと比べてシグナルの減少によって確認され、50%の阻害に要する化合物濃度に対応するIC50値が決定される。本明細書中に例示した、式1に対応する化合物はerbB2キナーゼに対して<10mMのIC50値を有する。IC50値を用いて当該技術分野で公知の任意の手段により選択性が測定できる。例えば、erbB1受容体及びerbB2受容体におけるIC50値の比率(IC50erbB1÷IC50erbB2)が使用できる。この比率は2を超えるのが好都合である。
本発明の方法に使用するための化合物のインビボにおける抗腫瘍活性は、対照と比較した、試験化合物による腫瘍成長の阻害の量によって測定できる。各種化合物の腫瘍成長阻害効果は、Corbett T.H.ら、“化学療法アッセイのためのマウスにおける移植可能な結腸がんの発生における腫瘍誘導関係、発がん物質構造に関する注釈付き(Tumor Induction Relationships in Development of Transplantable Cancers of the Colon in Mice for Chemotherapy Assays, with a Note on Carcinogen Structure)”,Cancer Res.,35,2434−2439(1975)及びCorbett T.H.ら、“実験療法のためのマウス結腸腫瘍モデル(A Mouse Colon-tumor Model for Experimental Therapy)”,Cancer Chemother.Rep.(パート2),5,169−186(1975)の方法にわずかに変更を加えて測定できる。腫瘍は、マウスの左脇腹に、0.1mlのRPMI 1640培地に懸濁させた1〜5百万個の対数増殖期培養腫瘍細胞を皮下(sc)注射することによって誘導できる。腫瘍が触知可能になる(サイズ〜100−150mm/直径5−6mm)ための十分な時間経過の後、試験動物(無胸腺雌マウス)を試験化合物(5 Gelucire又は0.5%メチルセルロース中10〜15mg/mlの濃度に調製)の静脈内(iv)又は経口(po)投与経路により1日1回又は2回、連続7〜29日間処置する。抗腫瘍効果を測定するために、腫瘍の二つの直径をVernierキャリパーを用いてミリメートル単位で測定し、腫瘍サイズ(mm)を、式:腫瘍サイズ(mm)=(W×W)/2×L(L=長さ及びW=幅)を用いて計算する。これは、Geran,R.I.ら、“動物の腫瘍及びその他の生物系に対する化学物質及び天然産物のスクリーニングのためのプロトコル(Protocols for Screening Chemical Agents and Natural Products Against Animal Tumors and Other Biological Systems)”、第3版、Cancer Chemother.Rep.,3,1−104(1972)の方法に準拠する。結果は、式:成長阻害(%)=[100−{(処置群の成長%/対照群の成長%)×100}]に従って阻害パーセントとして表される。脇腹の腫瘍移植部位は、様々な化学療法薬に対して再現性のある用量/反応効果を提供するので、この測定法(腫瘍径)は腫瘍の成長率を査定するための信頼できる方法である。
erbB2阻害薬の投与は、化合物を作用部位に送達できる任意の方法によって実行できる。これらの方法は、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内又は注入を含む)、局所、及び直腸投与を含む。
投与される活性化合物の量は、治療される患者、障害又は状態の重症度、投与経路、化合物の性質、処方医の判断によって異なるであろう。しかしながら、効果的な用量は、1日当たり体重1kgにつき0.001〜200mg、好ましくは1〜35mg/kg/日の範囲である。70kgのヒトの場合、これは0.05〜7g/日、好ましくは0.2〜2.5g/日の量になろう。場合によっては、前述の範囲の下限より低い用量レベルで十分なこともあり、他の例ではさらに多い用量でも何ら有害な副作用を生じることなく使用できることもある。
本発明のerbB2阻害薬は、単独療法として適用できるが、例えば以下から選ばれる一つ以上のその他の抗腫瘍物質を併用することもできる。例えば、有糸分裂阻害薬、例えばビンブラスチン;アルキル化薬、例えばシスプラチン、カルボプラチン及びシクロホスファミド;代謝拮抗薬、例えば5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド及びヒドロキシウレア、又は例えば欧州特許出願第239362号に開示されているN−(5−[N−(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−N−メチルアミノ]−2−テノイル)−L−グルタミン酸のような好適な代謝拮抗薬の一つ;増殖因子阻害薬;細胞周期阻害薬;挿入抗生物質、例えばアドリアマイシン及びブレオマイシン;酵素、例えばインターフェロン;並びに抗ホルモン薬、例えばNolvadex(登録商標)(タモキシフェン)のような抗エストロゲン薬、又はCasodex(登録商標)(4’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド)のような抗アンドロゲン薬である。このような併用療法は、治療の各成分の同時、順次又は別個投与によって達成できる。
医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、ピル、散剤、徐放性製剤、溶液、懸濁液として経口投与に、無菌の溶液、懸濁液又はエマルジョンとして非経口注射に、軟膏又はクリームとして局所投与に、又は坐剤として直腸投与に適切な形態であってよい。医薬組成物は正確な用量の1回投与に適切な単位剤形でありうる。医薬組成物は、従来の製薬用担体又は賦形剤と、活性成分として本発明の化合物を含むことになる。さらに、その他の医薬又は薬剤、担体、アジュバントなどを含んでいてもよい。
非経口投与形の例は、無菌水溶液、例えばプロピレングリコール又はデキストロース水溶液中の活性化合物の溶液又は懸濁液を含む。そのような剤形は所望であれば適切に緩衝化できる。
適切な製薬用担体は、不活性希釈剤又は充填剤、水及び各種の有機溶媒を含む。医薬組成物は、所望であれば、着香剤、結合剤、賦形剤などのような追加の成分を含有できる。従って、経口投与の場合、クエン酸のような各種の賦形剤を含有する錠剤は、デンプン、アルギン酸及びある種の複合ケイ酸塩のような各種の崩壊剤と共に、そしてスクロース、ゼラチン及びアカシアのような結合剤と共に使用することができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクのような滑沢剤も錠剤化工程に有用なことが多い。類似のタイプの固体組成物も軟質及び硬質ゼラチンカプセルに使用できる。そのための好適な材料は、ラクトース又は乳糖及び高分子量ポリエチレングリコールなどである。経口投与用に水性懸濁液又はエリキシルが所望の場合、それに含まれる活性化合物は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、又はそれらの組合せのような希釈剤と共に、様々な甘味剤、着香剤、着色物質又は色素、及び所望であれば乳化剤又は懸濁化剤と組み合わせることができる。
特定の量の活性化合物を含む様々な医薬組成物の製造法は当業者には公知であるか、又は明らかとなろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company、ペンシルバニア州イースター、第15版(1975)参照。
以下に提供する実施例及び製造例で本発明の方法をさらに説明及び例示する。当然のことながら、本発明の範囲が以下の実施例及び製造例の範囲によって制限されることは決してない。
以下の実施例で使用している“試験化合物”は、特に明記しない限り、選択的erbB2阻害薬のE−2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミドである。
実施例1
FREモデル:試験化合物の抗腫瘍効果に及ぼす暴露期間の影響
前臨床試験の目的は、試験化合物のCmax又は曲線下面積(AUC)が抗腫瘍効果に重要であるかどうかを調べることであった。追加の目標は、FRE/erbB2腫瘍モデルにおける薬物動態/薬力学(PK/PD)関係を確立することであった。FRE/erbB2は人工的なマウス腫瘍モデルで、膜貫通突然変異(trans-membrane mutation)を有するヒトerbB2を過剰発現している。
試験化合物の暴露期間が無胸腺マウスのFRE/erbB2腫瘍成長に果たす役割を調べた。試験化合物は、尾の静脈注入又は経口のいずれかにより投与した。尾の静脈注入を用いた場合、毎日の注入中は計算された固定Cmax(1200ng/ml)濃度が維持されたが、暴露期間、従ってAUCを変えた。処置と処置動物の血漿中濃度を表1に示す。
試験化合物の1.15mg/ml溶液を、550μl/時間で2分間の傾斜注入(ramped infusion)後、50μl/時間で15分間又は4時間の毎日注入で、静脈内(IV)に注入した。(プロジェクションは試験化合物のCIを基にした)。FRE/erbB2腫瘍(サイズ〜100mm)を持つ無胸腺雌マウスを、ビヒクル、経口投与による試験化合物又は静脈内投与による試験化合物で処置した。体重の変化と腫瘍の測定は一定間隔(第1、3、5、及び7日)で取得した。試験は7日間実施した。試験終了時に血漿及び腫瘍サンプルをPK及びPD分析用に摘出した。対照及び試験化合物動物における抗腫瘍効果、腫瘍容積、体重変化、試験化合物の血漿中濃度、並びにp−erbB2(erbB2受容体のリン酸化形)阻害の結果を表1に示す。
表1
Figure 2007502807
括弧内の数値は平均体重(g);ビヒクル(IV)群と比較
PO、QD試験 N=6;IV、QD試験 N=4
%GI=成長阻害%
試験化合物の毎日経口投与で処置した動物に約54%の腫瘍成長阻害が達成された。第7日の投与0.5時間後の血漿中濃度は1460ng/mlであった。試験化合物による処置は安全で、何らの体重減少も死亡も起こさなかった。
試験化合物の毎日15分間注入は約34%の成長阻害をもたらした。これに対し、同等の注入を4時間/日にすると相当高い腫瘍成長阻害(76%)をもたらした。このことは、閾値血漿中濃度を超えるカバレージ(coverage)期間がこのモデルにおける試験化合物の総体的な抗腫瘍効果に重要な価値を持つことを示唆している。これらの結果に基づくと、およその血漿中濃度500ng/mlで4時間/日カバー(AUC)すると、実質的なFRE/erbB2腫瘍成長阻害を起こすのに足りると結論づけることができる。暴露期間又はAUC(カバレージ)が効果に著しく影響を及ぼしている。すなわち、毎日のCmaxだけでこのモデルにおける効果を説明することはできない。
FRE/erbB2腫瘍モデルでは、血漿中濃度〜500ng/mlでのカバレージ期間(〜4時間/日)のほうが短いカバレージ期間(〜15分間/日)に優る利点を有している。
1日1回経口投与された25mg/kgの試験化合物の抗腫瘍効果は、nu/nuマウスにおけるFRE腫瘍の容積成長を鈍化するのに効果的であった。これを棒グラフ形式で図1に示す。この図は、処置第7日における処置マウスのFRE腫瘍容積が対照の約半分であることを示している。
図2は、7日間毎日4時間にわたってIV投与された10mg/kgの試験化合物の抗腫瘍効果は、絶対的にも毎日約1.4mg/kgの阻害薬を約15分間/日又はビヒクルのいずれかの注入と比較した場合でも非常に効果的であることを棒グラフの形式で示している。約10mg/kgの試験化合物は、腫瘍容積の増加をビヒクル対照の24%未満に鈍化する。これに対し、約1.4mg/kgの迅速注入は、腫瘍容積の増加をビヒクル対照の66%未満に鈍化する。
実施例2
SK−OV−3モデル:試験化合物の抗腫瘍効果に及ぼす暴露期間の影響
試験化合物のカバレージ期間が抗腫瘍効果に重要であるかどうかを調べる前臨床試験を実施した。別の目標は、ヒト卵巣腺がん、SK−OV−3腫瘍モデルにおける最小有効(Cmax及びCave0−4h)濃度を確立することであった。
背景として、試験化合物(PO、QD)は実施例1でFRE erbB2腫瘍に有効であることが示された。同様に、試験化合物のIV投与もFRE erbB2腫瘍に有効であった。得られた知見によれば、試験化合物の血中濃度〜500ng/mlを4時間/日維持すると、短いカバレージ期間(〜15分間/日)よりも有利であるが、FRE erbB2腫瘍モデルにおけるp−erbB2の減少は同程度である(48−53%)ことが示された。薬物動態、薬力学及び効果のデータは表1に示されている。
先の研究で測定された暴露に基づくと、試験化合物のCmaxが〜1200ng/ml又はAUC0−2hが〜985ng・hr/mlでカバレージ期間〜2時間というのが、〜50%のFRE erbB2腫瘍成長阻害に重要であった。
この研究をヒト異種移植モデルであるヒト卵巣腺がんモデルSK−OV−3(erbB2を過剰発現している)に拡大した。
ATCC(メリーランド州ロックビル)から入手したSK−OV−3細胞を、10%ウシ胎仔血清及びpen/strepを含有するMcCoy培地中で成長させた。指数増殖期の細胞を収穫し、雌の無胸腺マウスにSC接種した(5百万細胞/動物)。SK−OV−3腫瘍(サイズ〜100mm)を持つ無胸腺マウスを表2に示すように無作為に7群に分けた。腫瘍の測定と体重の変化は第1、3、6、10、13及び18日に取得した。腫瘍容積は、以下の式:腫瘍容積(mm)=(W×W)/2×L(L=長さ及びW=幅)によって計算した。血液サンプル(〜50μl)を、第18日の投与の0.5、1、2、4及び8時間後にPK分析用に採取した。腫瘍は、第18日の投与の0.5時間後にELISAによるPD分析用に摘出した。対照及び試験化合物処置動物におけるp−erbB2の減少、腫瘍容積及び体重変化を以下の表2に示す。
表2
Figure 2007502807
括弧内の数値は平均体重(g)。
表3:SK−OV−3腫瘍保持マウスにおける試験化合物の薬物動態
Figure 2007502807
数値は平均を表す。
AUC0−tlastとAUC0−4hの間に有意差は観察されなかった。
erbB2を過剰発現しているヒト卵巣腺がんモデルSK−OV−3に対する試験化合物の経口の抗腫瘍効果(QD及びBID)が確認された。さらに、試験化合物の投与(QD又はBID)は有効で、SK−OV−3異種移植片に用量依存性の阻害をもたらした(図3及び4)。試験化合物はよく寛容され、体重減少又は動物の死亡はなかった。
試験化合物の50mg/kg、18日間のQD投与は効果がなかった。総日用量50mg/kg/日をBIDスケジュール(25mg/kg、BID)で投与した場合、約29%の腫瘍成長阻害が達成された。第18日の投与0.5時間後のerbB2受容体の自己リン酸化の減少は、QD及びBID処置群とも同程度であった(14−20%)。しかしながら、50mg/kg、QD群における試験化合物のCmaxは、25mg/kg、BID投与動物と比べて2倍高かった(Cmax、3640ng/ml対1780ng/ml)。同様に、QD群のAUC0−4h(3410ng・hr/ml対1560ng・hr/ml)及びCave0−4h(853ng/ml対390ng・ml)もBID投与群と比べて約2倍高かった。これらの結果は、高いCmaxもAUC0−4hも試験化合物の抗腫瘍効果に重要でないことを示している。試験化合物の1日2回(BID)平均カバレージ390ng/ml(Cave0−4h)が、1日1回(QD)平均カバレージ853ng/ml(Cave0−4h)より利益があるが、どちらの方法(QD&BID)ともerbB2自己リン酸化の減少は同程度であった。
QD投与に優るBIDの利益は、SK−OV−3モデルでは高用量の試験化合物でも観察された。試験化合物50mg/kgのBID投与(100mg/kg/日)と比較した場合、100mg/kg/日のQD投与は、erbB2−自己リン酸化の大きい減少(75%対24%)をもたらし、高いCmax(12,100ng/ml対3880ng/ml)、AUC0−4h(16,300ng・hr/ml対4180ng・hr/ml)及びCave0−4h(4080ng/ml対1050ng/ml)とも関連していた。しかしながら、QDスケジュールはBIDスケジュールより効果が低かった(腫瘍成長阻害23%対45%)。これらの結果は、試験化合物の高いCmaxもAUC0−4hもこの腫瘍モデルでは何ら重要な利益をもたらさないが、閾値濃度を超えるカバレージ頻度(Cave0−4、BID対QD)が抗腫瘍効果の決定要因であるという解釈を支持している。さらに、SK−OV−3腫瘍のp−erbB2の減少が約24%でも、BID投与で長期間平均カバレージ期間が維持されれば、〜50%の成長阻害に十分なようである。
試験化合物の経口吸収は200mg/kgのQD投与では非直線的であった。試験化合物のCmax及びCave0−4h値は、200mg/kgのQD及び100mg/kgのBID投与動物とも同程度であった。100mg/kgのBID投与動物では腫瘍のerbB2−自己リン酸化の減少が小さいにもかかわらず(62%対90%)、この群の腫瘍成長阻害は200mg/kgのQD投与動物よりも2倍高かった(71%対36%)。これら観察は、erbB2−自己リン酸化の小さい減少(62%対90%)と、同程度のCmaxで長期/より頻繁な毎日のカバレージ(BIDスケジュール)との組合せが顕著な利益をもたらすという解釈をさらに裏付けるものである。
この所見は、FRE erbB2腫瘍を持つ無胸腺マウスの結果(実施例1)と一致している。その試験では、15分間/日と比べて、試験化合物の血中濃度を〜500ng/mlに4時間/日維持し、かつerbB2−自己リン酸化の減少が同程度であることに利益があった。
従って、本実施例ではSK−OV−3腫瘍モデルから得られた知見は、毎日の総カバレージ、すなわち毎日の投与頻度が試験化合物の抗腫瘍効果に重要であることを示唆している。すなわち、BIDスケジュールのほうがQD投与に優る利益を有している。erbB2−自己リン酸化が短時間大きく減少しても価値は限られている。
実施例3
試験化合物の抗腫瘍効果に及ぼす暴露期間の影響
試験化合物のカバレージ期間が抗腫瘍効果に重要であるかどうかを調べ、またヒト乳腺がん、BT−474腫瘍モデルにおける最小有効(Cmax及びCave0−4h)濃度を確立するための前臨床試験を実施した。
背景として、試験化合物(PO、QD)は実施例1でFRE erbB2腫瘍に有効であることが示された。同様に、試験化合物のIV投与もFRE erbB2腫瘍に有効であった。得られた知見によれば、試験化合物の血中濃度〜500ng/mlを4時間/日維持すると、短いカバレージ期間(〜15分間/日)に優る利益があるが、FRE erbB2腫瘍モデルにおけるp−erbB2の減少は同程度である(48−53%)ことが示された。薬物動態、薬力学及び効果のデータは表1に示されている。
先の研究でFRE erbB2モデルで測定された暴露を基にして、実施例2では研究を、erbB2を過剰発現しているヒト卵巣腺がん異種移植モデルSK−OV−3に拡大した。試験化合物は有効であり、SK−OV−3腫瘍モデルでの知見は、毎日の総カバレージ、すなわち毎日の投与頻度が試験化合物の抗腫瘍効果に重要であることを示唆していた。BID投与スケジュールのほうがQD投与スケジュールよりも有利である。erbB2−自己リン酸化が短時間大きく減少しても価値は限られている。
本実施例では、試験化合物の抗腫瘍効果にとって毎日の投与頻度が重要であるという評価を、erbB2受容体を過剰発現しているヒト乳腺がんモデルBT−474に拡大する。
指数増殖期のBT−474細胞(10mM ヘペス、10% FBS、及びpen/strep入りRPMI 1640[Gibco])を収穫し、雌の無胸腺マウスにSC接種した(500万細胞/動物)。次にトロカール(套管針)片のBT−474腫瘍を動物の右脇腹に移植した。BT−474腫瘍保持マウス(サイズ50〜320mm、N=40)を各群5〜6匹の動物からなる7群に無作為に分けた。動物は、表4に記載のように、ビヒクル(PO、BID)又は試験化合物(PO、QD又はBID)で処置した。腫瘍の測定と体重の変化は第1、6、11、15及び22日に取得した。腫瘍容積は、以下の式:腫瘍容積(mm)=(W×W)/2×L(L=長さ&W=幅)によって計算した。血液サンプル(〜50μl)を、第22日の投与の0.5、1、2、4及び8時間後にPK分析用に採取した。腫瘍は、第22日の投与の0.5時間後にELISAによるPD分析用に摘出した。
統計分析:パーセント成長データにANOVAを実施し、類似用量間に事前比較を実施した。データは数値の分布のため対数変換して分析用に供した。多重比較分析にはDunnett−Tamahane法を用いた。対照及び試験化合物処置動物のp−erbB2減少、腫瘍容積及び体重変化を表4に示す。
表4
Figure 2007502807
括弧内の数値は平均体重(g)。
BT−474腫瘍保持マウスにおける試験化合物の薬物動態を表5に示す。
表5
Figure 2007502807
nd:AUCの外挿部分が全AUCの≧30%のため決定せず
数値は平均を表す。
数値は2時間及び8時間暴露から4時間時点における外挿濃度に基づいて推定した。
このように、erbB2を過剰発現しているヒト乳腺がんモデルBT−474に対する試験化合物(QD及びBID)の経口抗腫瘍効果が確認された。試験化合物の投与(QD又はBID)は有効であり、BT−474異種移植片の成長阻害をもたらした(図5a及び5b)。試験化合物はよく寛容され、体重減少も動物の死亡もなかった。初期の腫瘍容積が大きくばらついていたため、個々の腫瘍の成長%を計算し、各群の平均を用いて相対的抗腫瘍効果を決定した。
15mg/kgのQD(15mg/kg/日)及びBID(30mg/kg/日)で22日間の試験化合物による処置は有効であり、それぞれ22%及び54%(p=0.007)の腫瘍成長阻害を起こした。第22日の投与0.5時間後におけるerbB2受容体自己リン酸化の減少はQD及びBID処置群とも検出限界未満であり、QD投与動物のCave0−4hは、AUCの外挿部分が全AUCの≧30%のため決定できなかった。15mg/kgのBID投与動物における試験化合物の有効Cmax、AUC0−4h及びCave0−4h(54%の成長阻害)は、それぞれ616ng/ml、480ng・hr/ml及び120ng/mlであった。
試験化合物のPK、PD及び抗腫瘍効果は、30mg/kgのQD(30mg/kg/日)及びBID(60mg/kg/日)の処置後にも測定した。第22日に測定したQD又はBID投与後の試験化合物のPK値は同程度であった。すなわち、Cmax(1800ng/ml対1570ng/ml)、AUC0−4h(1280ng・hr/ml対1440ng・hr/ml)及びCave0−4h(320ng/ml対360ng/ml、表5)であった。QD投与動物のBT−474腫瘍のerbB2自己リン酸化の減少は、BID投与動物よりも大きかった(57%対26%、p=0.06)。試験化合物30mg/kgのBIDスケジュールのほうがQD投与より効果的であった(成長阻害68%対33%、p=0.053)。
試験化合物30mg/kgのQD又はBID投与(30mg/kg/日又は60mg/kg/日)と比べて、50mg/kgのQD又はBID投与(50mg/kg/日又は100mg/kg/日)は腫瘍のerbB2−自己リン酸化に大きな減少をもたらした(〜75%減少)。第22日における50mg/kgのQD又はBID処置群の試験化合物のPKパラメータも同程度であった。すなわち、Cmax(5890ng/ml対6170ng/ml)、AUC0−4h(4220ng・hr/ml対5280ng・hr/ml)及びCave0−4h(1060ng/ml対1320ng/ml)であった。QDスケジュールのほうがBIDスケジュールより効果が低いようであった(腫瘍成長阻害35%対68%、p=0.066)。
QDとBID間の類似用量を比較するプールテストを実施した。このテストは、総体的にBID投与のほうがQD投与より有効であることを示した(p=0.0346)。この知見は、試験化合物投与の多重度(multiplicity)が総体的な治療成果にプラスの効果をもたらしていることを示唆している。
50mg/kgのQD(50mg/kg/日)対30mg/kgのBID(60mg/kg/日)群(総日用量が最も近い2群)で観察された試験化合物のPK、PD及び抗腫瘍効果を比較して評価し、投与頻度(dosing-frequency)の価値も判断した。50mg/kgのQD(50mg/kg/日)投与群のp−erbB2の減少は、30mg/kgのBID(60mg/kg/日)投与群よりずっと大きかった(75%対26%のp−erbB2減少、表4)。同様に、30mg/kgのBID投与群と比べて50mg/kgのQD投与群では、試験化合物の高いCmax(5890ng/ml対1570ng/ml)、AUC0−4h(4220ng・hr/ml対1440ng・hr/ml)及びCave0−4h(1060ng/ml対360ng/ml)が観察された(表5)。試験化合物のp−erbB2減少及びPK値(すなわちCmax、AUC0−4h及びCave0−4h)が小さいにもかかわらず、30mg/kgのBID投与(60mg/kg/日)のほうが50mg/kgのQD投与(50mg/kg/日)よりも有効であった。総体的に、約68%及び35%の腫瘍成長阻害が、それぞれ30mg/kgのBID及び50mg/kgのQD群で観察された(p=0.0636)。これらの2群の試験化合物の総日用量はわずかに等しくないが、毎日の投与頻度すなわちBID投与のほうがQD投与より利益があると結論づけることができる。
これらの結果は、SK−OV−3腫瘍モデル試験(上記実施例2)で得られた知見と類似している。すなわち、毎日の投与頻度つまりBID投与で1日2回のCave0−4カバレージのほうが、QD投与で1日1回のCave0−4カバレージよりも利益を提供する。さらに、BID投与で1日2回約26%のBT−474腫瘍自己リン酸化の減少でも、BID投与で長期間平均カバレージ(〜360ng/ml)期間が維持されれば、〜50%の成長阻害に十分なようである。この所見は、FRE erbB2腫瘍保持無胸腺マウスへの注入による試験化合物のIV投与の結果とも一致している。その試験は、試験化合物の血中濃度を〜500ng/mlに4時間/日維持することが、ボーラス投与と比べて利益を提供することを示していた。
このように、BT−474腫瘍モデルから得られた知見は、投与の多重度及び1日の投与頻度の両方が試験化合物の抗腫瘍効果に重要であることを示唆している。投与の多重度とは、ある用量(Xmg/kg)を、同じ用量(Xmg/kg)1日1回投与するのに対し、1日少なくとも2回から1日6回、所望により7回投与することに関する。1日の投与頻度とは、1日1回のXmg/kgに対し、日用量を分割して、例えばXmg/kgの半分を1日2回にすることに関する。
より短時間の、より高いerbB2−自己リン酸化の減少が有する価値は限られている。
実施例4
試験化合物の抗腫瘍効果に及ぼす暴露期間の影響
試験化合物のカバレージ期間が抗腫瘍効果に重要であるかどうかを調べ、またヒト乳腺がん腫瘍モデル、MDA−MB−453における最小有効(Cmax及びCave0−4h)濃度を確立するための前臨床試験を実施した。
背景として、試験化合物(PO、QD)は実施例1でFRE erbB2腫瘍に有効であることが示された。同様に、試験化合物のIV投与もFRE erbB2腫瘍に有効であった。得られた知見によれば、試験化合物の血中濃度〜500ng/mlを4時間/日維持すると、短いカバレージ期間(〜15分間/日)に優る利益があるが、FRE erbB2腫瘍モデルにおけるp−erbB2の減少は同程度である(48−53%)ことが示された。薬物動態、薬力学及び効果のデータは表1に示されている。
その研究を、erbB2を過剰発現しているヒト卵巣腺がん異種移植モデルSK−OV−3に拡大した。試験化合物は有効であり、SK−OV−3腫瘍モデルでの知見は、毎日の総カバレージ、すなわち毎日の投与頻度が試験化合物の抗腫瘍効果に重要であることを示唆していた(BIDスケジュールのほうがQD投与よりも利益がある)。試験化合物のQD対BID経口投与スケジュールの抗腫瘍効果も、erbB2を過剰発現しているBT−474ヒト乳腺がんモデルに対して調べた。その結果も、投与の多重度と頻度が試験化合物の抗腫瘍効果に重要であることを裏付けている。総体的に、SK−OV−3とBT−474モデルの両方で得られた知見は、erbB2−自己リン酸化が短時間大きく減少しても価値は限定的であることを示唆している。
本研究は、erbB2を過剰発現している別のヒト乳がんモデルMDA−MB−453に対する試験化合物の経口抗腫瘍効果を測定するために実施した。本研究の第二の目的は、試験化合物の投与の多重度又は頻度がこのモデルに対して何らかの利益を有しているかどうかを調べることであった。
研究デザイン:指数増殖期のMDA−MB−453細胞(10% FBS、及びpen/strep入りDMEM/F12[Gibco])を収穫し、雌の無胸腺マウスにSC接種した(500万細胞/動物)。MDA−MB−453腫瘍保持マウス(サイズ〜100mm、N=64)を各群8匹の動物からなる8群に無作為に分けた。動物は、表6に記載のように、ビヒクル(PO、QD又はBID)又は試験化合物(PO、QD又はBID)で処置された。腫瘍の測定と体重の変化は第1、3、7、10、14、17、21、24、及び29日に取得した。腫瘍容積は、以下の式:腫瘍容積(mm)=(W×W)/2×L(L=長さ&W=幅)によって計算した。血液サンプル(〜50μl)を、第29日の投与の0.5、1、2、4及び8時間後にPK分析用に採取した。腫瘍は、第29日の投与の0.5時間後にELISAによるPD分析用に摘出した。
統計分析:パーセント成長データにANOVAを実施し、類似用量間で事前比較を実施した。データは数値の分布のため対数変換して分析用に供した。多重比較分析にはDunnett−Tamahane法を用いた。
対照及び試験化合物処置動物のp−erbB2減少、腫瘍容積及び体重変化を表6に示す。
表6
Figure 2007502807
括弧内の数値は平均体重(g)。
MDA−MB−453腫瘍保持マウスにおける試験化合物の薬物動態を表7に示す。
表7
Figure 2007502807
数値は平均を表す。
このように、erbB2を過剰発現しているヒト乳腺がんモデルMDA−MB−453に対する試験化合物(QD及びBID)の経口抗腫瘍効果が確認された。試験化合物の投与(QD又はBID)は有効であり、MDA−MB−453異種移植片の成長阻害をもたらした(図6a及び6b)。試験化合物はよく寛容され、体重減少も動物の死亡もなかった。
試験化合物による50、100及び200mg/kgのQD(50、100及び200mg/kg/日)29日間の処置は有効で、それぞれ38%、63%及び100%の腫瘍成長阻害をもたらした。50、100及び200mg/kg群における第29日の投与0.5時間後のerbB2受容体の自己リン酸化の減少は、それぞれ78%、88%及び92%であった。25、50及び100mg/kgの試験化合物の29日間のBID投与はMDA−MB−453腫瘍に対して有効で、それぞれ19%、66%及び83%の成長阻害をもたらした。これらの群のp−erbB2減少はそれぞれ69%、75%及び79%であった。
ANOVAを用いて、異なる用量の試験化合物の総体的効果の統計分析を行った。ビヒクル調整との多重比較にはDunnett−Tamahane法を用いた。結果は、試験化合物の25mg/kgのBIDと50mg/kgのQD(p=0.295)、50mg/kgのBIDと100mg/kgのQD(p=0.703)及び100mg/kgのBIDと200mg/kgのQD(p=0.117)投与スケジュール間に有意差はないことを示している。同様に、類似用量間、すなわち50mg/kgのBID対50mg/kgのQD(p=0.13)及び100mg/kgのBID対100mg/kgのQD(p=0.17)間にも有意の差はなかった。異なる群で観察された用量/投与スケジュールと抗腫瘍効果だけを用いた比較統計評価は不十分なため、試験化合物のBIDスケジュールがQD投与に優る何らかの利益を有するかという問題に答えるための何らかの確定的な結論を導き出すことはできない。
QD(50〜200mg/kg)又はBID(25〜100mg/kg)投与後のp−erbB2の減少は69〜92%で、それを何らかの更なる統計データ分析のパラメータとして使用するのは困難であった。従って、データ分析は試験化合物の薬物動態パラメータ、すなわちCmax及びCave0−4hを用いて拡大した。
50mg/kg(50mg/kg/日)及び100mg/kg(100mg/kg/日)のQD投与後に得られた591ng/ml及び3120ng/mlというCave0−4hは、38%及び63%の腫瘍成長阻害をもたらした。50mg/kgのBID投与スケジュールで1日2回得られた509ng/mlのCave0−4hは66%の効果をもたらした。BID投与で8時間/日維持された509ng/mlのCave0−4hは、Cave0−4hを591ng/ml(50mg/kgのQD投与)又は3120ng/ml(100mg/kgのQD投与)で4時間/日維持するのと著しい違いはない(それぞれp=0.13&p=0.58)。これは、509ng/mlの平均血漿中濃度を8時間/日維持することは、591〜3120ng/mlの平均血漿中濃度を4時間/日維持するのと比べて同等又はそれ以上の利益があると解釈することもできる。50mg/kgのQDと50mg/kgのBID群における試験化合物のCmaxは同程度であったが(2760ng/ml対2390ng/ml)、100mg/kgのQD群のCmaxは約4倍高かった(9770ng/ml)。これらの結果は、p−erbB2の減少が同程度の場合、高いCmax又はCave0−4hのみの価値は限られていることを示唆している。
100mg/kgのBIDと200mg/kgのQD群で観察された試験化合物のCmax及びCave0−4hと抗腫瘍効果の比較も実施した。200mg/kgのQD群における試験化合物のCmaxは、100mg/kgのBID群より2.4倍高かった(16700ng/ml対6870ng/ml)。同様に、Cave0−4hも、200mg/kgのQD群は100mg/kgのBID群と比べて3.8倍高かった(6510ng/ml対1710ng/ml)。高いCmax及びCave0−4hにもかかわらず、200mg/kgのQD投与で観察された試験化合物の総体的効果は、100mg/kgのBID投与で観察された抗腫瘍効果と同等であった(100%対83%)。このデータは、試験化合物100mg/kgのBID投与によって平均血漿中濃度1710ng/ml(Cmax、6870ng/ml)を8時間/日維持することは、200mg/kgのQD投与後6510ng/ml(Cmax、16,700ng/ml)の平均血漿中濃度を維持することと同じだけ有益であることをさらに示唆している。
従って、ここでの知見は、MDA−MB−453腫瘍モデルで、試験化合物の血漿中濃度〜509ng/ml(50mg/kg、BID投与)を8時間/日維持することは、腫瘍成長の阻害において、591〜3120ng/ml(50〜100mg/kgのQD投与)の平均血漿中濃度を4時間/日維持することと同じだけ効果的であることを示唆している。このように、BIDスケジュールで投与された低用量の試験化合物は、QDスケジュールで投与された高用量と同等の利益を有している。
本発明は、本明細書中に記載の特定の実施態様によってその範囲を限定されない。実際、前述の説明及び添付の図面から、本明細書中に記載のもののほかに本発明の多様な変形が当業者には明らかになるであろう。そのような変形も添付のクレームの範囲に含まれることを意図している。
本明細書中で引用した全ての特許、出願、出版物(公報)、試験法、文献、及びその他の材料は、引用によってそれらの全体を本明細書に援用する。
図1は、FRE/erbB2腫瘍を有するマウスにPO、QD投与した阻害薬、E−2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミドの抗腫瘍効果を示す図である。縦座標はビヒクル対照と比較した第7日の腫瘍成長の測定である。 図2は、FRE/erbB2腫瘍を有するマウスにIV、QD投与した阻害薬、E−2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミドの抗腫瘍効果を示す図である。縦座標はビヒクル対照と比較した第7日の腫瘍成長の測定である。 図3は、SK−OV−3腫瘍を持つnu/nuマウスにPO及びQD投与した阻害薬、E−2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミドの抗腫瘍効果の時間経過を示す図である。図3において、記号は以下の意味を有する。丸、ビヒクル、BID;菱形、50mg/kgの阻害薬、QD;三角、100mg/kgの阻害薬、QD;及び四角、200mg/kgの阻害薬、QD。 図4は、SK−OV−3腫瘍を持つnu/nuマウスにPO及びBID投与した阻害薬、E−2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミドの抗腫瘍効果の時間経過を示す図である。図4において、記号は以下の意味を有する。丸、ビヒクル、BID;十字、25mg/kgの阻害薬、BID;ダイヤ、50mg/kgの阻害薬、BID;及び星、100mg/kgの阻害薬、BID。 図5Aは、BT−474腫瘍を持つマウスに投与した阻害薬、E−2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミドの抗腫瘍効果を示す図である。投与の多重度の効果を示している。 図5Bは、BT−474腫瘍を持つマウスに投与した阻害薬、E−2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミドの抗腫瘍効果を示す図である。投与頻度の効果を示している。 図6Aは、MDA−MB−453腫瘍を持つマウスにQD投与した阻害薬、E−2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミドの抗腫瘍効果を示す図である。 図6Bは、MDA−MB−453腫瘍を持つマウスにBID投与した阻害薬、E−2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミドの抗腫瘍効果を示す図である。

Claims (15)

  1. erbB2受容体の過剰発現の治療を必要とする哺乳動物におけるerbB2受容体の過剰発現の治療法であって、以下:
    (a)前記哺乳動物に治療上有効量の第一のerbB2受容体阻害薬を投与し;そして
    (b)その後、24時間未満を含む間隔後、前記哺乳動物に1〜6の治療上有効量の第二のerbB2受容体阻害薬を投与する;
    ことを含む、前記方法。
  2. 1の治療上有効量の前記第二のerbB2受容体阻害薬が前記方法のステップ(b)で投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記方法のステップ(b)における間隔が12時間未満である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記方法のステップ(b)における間隔が1時間未満である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. (a)における第一の阻害薬が(b)における第二の阻害薬と同一である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. (a)における第一の阻害薬が(b)における第二の阻害薬以外である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. (a)における第一の阻害薬が(b)における第二の阻害薬と相乗的に作用する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  8. (a)における第一の阻害薬、(b)における第二の阻害薬、又はその両方がerbB2受容体のアンタゴニストである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. (a)における第一の阻害薬、(b)における第二の阻害薬が、小分子及びモノクローナル抗体から独立して選ばれる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  10. (a)における第一の阻害薬、(b)における第二の阻害薬、又はその両方、又はその混合物が、式1:
    Figure 2007502807
    [式中、
    mは0〜3の整数であり;
    pは0〜4の整数であり;
    各R及びRは、H及びC−Cアルキルから独立して選ばれ;
    は−(CR(4〜10員のヘテロサイクリック)であって、tは0〜5の整数であり、前記へテロサイクリック基は所望によりベンゼン環又はC−Cシクロアルキル基に縮合しており、前記R基の−(CR−部分は所望により炭素−炭素二重又は三重結合を含み、その場合tは2〜5の整数であり、前記R基は、前述のあらゆる所望の縮合環を含めて、所望により1〜5個のR基で置換されていてもよく;
    は、−(CR1617−C≡C−(CR1617、−(CR1617−C=C−(CR1617−R、−(CR1617−C≡C−(CR161713、−(CR1617−C=C−(CR161713、又は−(CR1617であり、Rへの結合点はR基の炭素原子を通してであり、各kは1〜3の整数であり、各tは0〜5の整数であり、そして各mは0〜3の整数であり;
    各Rは、ハロ、ヒドロキシ、−NR、C−Cアルキル、トリフルオロメチル、C−Cアルコキシ、トリフルオロメトキシ、−NRC(O)R、−C(O)NR、−SONR、−NRC(O)NR、及び−NRC(O)ORから独立して選ばれ;
    各R、R6a及びRは、H、C−Cアルキル、−(CR(C−C10アリール)、及び−(CR(4〜10員のヘテロサイクリック)から独立して選ばれ、前記式中、tは0〜5の整数であり、ヘテロサイクリック基の1又は2個の環炭素原子は所望によりオキソ(=O)部分で置換されていてもよく、前記R及びR基のアルキル、アリール及びヘテロサイクリック部分は、所望により、ハロ、シアノ、ニトロ、−NR、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、ヒドロキシ、及びC−Cアルコキシから独立して選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    又は、R及びR、又はR6a及びRは、同じ窒素原子に結合している場合、一緒になって4〜10員のヘテロサイクリック環(前記R、R6a、及びRが結合している窒素のほかに、N、N(R)、O、及びSから選ばれる1〜3個の追加のヘテロ部分を含んでもよいが、ただし2個のO原子、2個のS原子又はOとS原子は互いに直接結合していない)を形成することができ;
    各Rは、オキソ(=O)、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アジド、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−C10アルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−NRC(O)R、−NRSONR、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−C(O)NR、−NR、−NROR、−SONR、−S(O)(C−Cアルキル){jは0〜2の整数}、−(CR(C−C10アリール)、−(CR(4〜10員のヘテロサイクリック)、−(CRC(O)(CR(C−C10アリール)、−(CRC(O)(CR(4〜10員のヘテロサイクリック)、−(CRO(CR(C−C10アリール)、−(CRO(CR(4〜10員のヘテロサイクリック)、−(CRS(O)(CR(C−C10アリール)、及び−(CRS(O)(CR(4〜10員のヘテロサイクリック){式中、jは0、1又は2であり、q及びtはそれぞれ独立して0〜5の整数}から独立して選ばれ、前記R基のヘテロサイクリック部分の1又は2個の環炭素原子は、所望によりオキソ(=O)部分で置換されていてもよく、そして前記R基のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール及びヘテロサイクリック部分は、所望により、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−NRC(O)R、−C(O)NR、−NR、−NROR、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、−(CR(C−C10アリール)、及び−(CR(4〜10員のヘテロサイクリック){tは0〜5の整数}から独立して選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    は、非芳香族単環式環、縮合又は架橋二環式環、又はスピロ環式環であり、前記環は3〜12個の炭素原子を含有し、そのうちの0〜3個の炭素原子は所望により、N、O、S(O){jは0〜2の整数}、及び−NR−から独立して選ばれるヘテロ部分で置換されていてもよいが、ただし、2個のO原子、2個のS(O)部分、O原子とS(O)部分、N原子とS原子、又はN原子とO原子は前記環内で互いに直接結合しておらず、前記環の炭素原子は所望により1又は2個のR基で置換されていてもよく;
    各R11は、Rの定義中に提供されている置換基から独立して選ばれるが、ただしR11はオキソ(=O)ではなく;
    12は、R、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OCO、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRC(O)R、−NRSO、−NRC(O)NR6a、−NRSONR6a、NRCO、CN、−C(O)R、又はハロであり、前記式中、jは0〜2の整数であり;
    13は、−NR14又は−OR14であり;
    14は、H、R15、−C(O)R15、−SO15、−C(O)NR15、−SONR15、又は−CO15であり;
    15は、R18、−(CR(C−C10アリール)、−(CR(4〜10員のヘテロサイクリック){tは0〜5の整数}であり、ヘテロサイクリック基の1又は2個の環炭素原子は所望によりオキソ(=O)部分で置換されていてもよく、前記R15基のアリール及びヘテロサイクリック部分は、所望により、1〜3個のR置換基で置換されていてもよく;
    各R16及びR17は、H、C−Cアルキル、及び−CHOHから独立して選ばれるか、又はR16及びR17は一緒になって−CHCH−又は−CHCHCH−となるか;
    18はC−Cアルキルであり、N又はO原子、又はS(O){jは0〜2の整数}に結合していない各炭素は、所望によりR12で置換されていてもよく;
    そして、CH(メチル)、CH(メチレン)、又はCH(メチン)基{ハロゲノ、SO又はSO基、又はN、O又はS原子に結合していない}を含む前述のあらゆる置換基は、所望により、ヒドロキシ、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ及び−NRから選ばれる基で置換されていてもよい]
    の化合物、又はその製薬学的に許容しうる塩、溶媒和物又はプロドラッグを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  11. (a)における第一の阻害薬、(b)における第二の阻害薬、又はその両方、又はその組合せが、ゲフィチニブ(IRESSA、ZD1839)、トラスツズマブ、セツキシマブ、エルロチニブ、IDM−1、ABX−EGF、カネルチニブヒドロクロリド、EGF−P64kワクチン、EKB−569、EMD−72000、GW−572016、MDX−210、ME−103、YMB−1001、2C4抗体、APC−8024、CP−724714、E75、Her−2/neuワクチン、Herzyme、TAK−165、ADL−681、B−17、D−69491、Dab−720、EGFrvIII、EHT−102、FD−137、HER−1ワクチン、HuMax−DGFr、ME−104、MR1−1、SC−100、トラスツズマブ−DM1、YMB−1005、AEE−788 (ノバルティス)、mTOR阻害薬、ラパマイシン(ラパミューン、シロリムス)、CCI−779、AP23573及びRAD001からなる群から選ばれる化合物を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  12. (a)における第一の阻害薬、(b)における第二の阻害薬、又はその両方の血漿中濃度10ng/ml〜4000ng/mlを達成することをさらに含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  13. (a)における第一の阻害薬及び(b)における第二の阻害薬が、
    (±)−(3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
    (+)−(3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
    (−)−(3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
    2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
    (±)−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
    (+)−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
    (−)−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−3−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
    2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(2−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
    (3−メチル−4−(2−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−4−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
    (3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−4−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
    2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
    2−フルオロ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
    E−2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド;
    (3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニル)−(6−ピペリジン−4−イルエチニル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
    2−メトキシ−N−(1−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イルエチニル}−シクロプロピル)−アセトアミド;
    E−N−(3−{4−(3−クロロ−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−2−メトキシ−アセトアミド;
    N−(3−{4−(3−クロロ−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
    N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
    E−N−(3−{4−(3−クロロ−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド;
    E−2−エトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド;
    1−エチル−3−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−ウレア;
    ピペラジン−1−カルボン酸(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アミド;
    (±)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アミド;
    (+)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アミド;
    (−)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アミド;
    2−ジメチルアミノ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アセトアミド;
    E−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−メタンスルホンアミド;
    イソオキサゾール−5−カルボン酸(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−アミド;
    1−(1,1−ジメチル−3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−プロパ−2−イニル)−3−エチル−ウレア;
    並びに前述の化合物の製薬学的に許容しうる塩、プロドラッグ及び溶媒和物からなる群からそれぞれ独立して選ばれる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  14. 阻害薬が、E−2−メトキシ−N−(3−{4−(3−メチル−4−(6−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル}−アリル)−アセトアミド;並びにその製薬学的に許容しうる塩、プロドラッグ及び溶媒和物からなる群から選ばれる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  15. 異常細胞成長を有する患者の治療法であって、異常細胞成長の治療を必要とする前記患者に、24時間以内に、第一の量のerbB2受容体阻害薬、治療上相乗効果量の第二の阻害薬、及び所望により、第三又は第四の量の前記第二の阻害薬を、経口、頬内、舌下、鼻腔内、眼内、胃内、十二指腸内、局所、直腸内、又は膣内投与することを含む、前記方法。
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