JP2007502353A - ヒ素および1以上の他の金属化合物を炭化水素供給原料から除く方法並びに触媒 - Google Patents

ヒ素および1以上の他の金属化合物を炭化水素供給原料から除く方法並びに触媒 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒ素および1以上の他の金属化合物、たとえばケイ素、バナジウムおよびニッケルを炭化水素供給原料から除く方法並びに触媒に関する。触媒は担体上にモリブデン化合物およびニッケル化合物を含む。触媒は少なくとも200m/gの表面積を持つ。汚染物質の除去と並んで、触媒は水素化脱硫、水素化脱窒素および/または水素化にも適している。

Description

本発明は、ヒ素および1以上の他の金属化合物を炭化水素供給原料から除く方法並びにそれに使用するのに適した触媒に関する。本発明は特に、ヒ素および1以上の他の金属化合物を炭化水素供給原料から除く方法において、該供給原料が水素の存在下に、無機担体上にニッケルおよびモリブデンを含む触媒と接触させられる方法に関する。本発明は、この方法に使用するのに適した特定の触媒にも関する。
他の炭化水素燃料およびエネルギー資源一般の欠乏の故に、シェールオイルおよび他の重質炭化水素供給原料、たとえば石炭、瀝青砂等から誘導されたものが、工業用炭化水素燃料の製造において増加する役割を演じている。これらの供給原料を精製して有用な製品に転換するのに使用される触媒を被毒しかつ失活させる汚染物質を、しばしばこれらの供給原料は含有する。ヒ素は非常に触媒毒なので、これらの汚染物質の中でより厄介なものの1つである。0.5重量%のヒ素の含有は、ハイドロプロセシング触媒の触媒活性をその初期活性の5%未満に減少することができる。加えて、ハイドロプロセシング触媒上のヒ素の存在は、該触媒の再使用を制限しかつ使用済み触媒の処分の選択肢を制限することがある。ヒ素による被毒は蒸留油および減圧軽油の水素化精製において観察されるが、いくつかのヒ素含有化合物は、特に熱転化プロセスを経た後では、比較的低沸点であるという事実の故に、それはより軽質の供給原料においても観察される。実際に、より軽質の供給原料中のヒ素の存在は、より重質の供給原料中よりもさらに多くの問題を引き起こすことがある。何故ならば、典型的にはより高い空間速度が、軽質供給原料への適用では使用されるからである。
各種の参考文献が、ヒ素含有供給原料からヒ素を除くのにニッケル−モリブデン触媒を使用することを記載している。
米国特許第3,804,750号は、1〜7重量%、好ましくは2〜5重量%の硫化ニッケルおよび10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%の硫化モリブデンを担体上に含む担持触媒であることができる触媒とシェールオイルとを接触させることによって、該オイルからヒ素を除く方法を記載している。実施例では、酸化物として計算されて3.2重量%のNiおよび15重量%のMoを含む触媒が使用されている。
米国特許第4,046,674号は、耐火性酸化物を用いて複合化された30〜70重量%の1以上のニッケル成分および2〜20重量%の1以上のモリブデン成分を含む触媒を使用して、少なくとも2重量ppmのヒ素を含有する鉱油供給原料からヒ素を除く方法を記載している。
米国特許第4,501,652号は、炭化水素アップグレーディングプロセスにおいて、使用済みのヒ化ニッケル含有触媒が炭化水素供給原料の品質を高めるのに使用される方法を記載している。ニッケル−モリブデンまたはニッケル−タングステン触媒が、ヒ素除去触媒の例として挙げられている。
米国特許第5,421,994号は、炭化水素供給原料から水銀およびヒ素を除去する方法において、ニッケル、コバルト、鉄、パラジウム、および白金から形成された群から選ばれた少なくとも1の金属、並びにクロム、モリブデン、タングステン、およびウランから形成された群から選ばれた少なくとも1の金属を支持体上に堆積させて含有するヒ素捕集物質が使用される方法を記載している。実施例ではアルミナ上の還元されたニッケル触媒が使用されている。
久光俊昭ら(シェールオイルの水素化精製(第4部)ヒ素除去のための前処理、石油学会誌、36巻、第6号、479〜484ページ、1993年)は、シェールオイルから分離された減圧軽油留分からのヒ素除去において、アルミナ担体上の12重量%のMo(18重量%のMoO)および3重量%のNi(3.8重量%のNiO)を含む慣用の水素化精製触媒を、アルミナ担体上の5重量%のMo(7.5重量%のMoO)および33重量%のNi(42重量%のNiO)を含む触媒と比較している。
特開昭60−202190号は、0.5〜20重量%のNiOおよび0.5〜20重量%のMoOを含有する触媒を使用する炭化水素供給原料からのヒ素の除去について記載している。実施例では、5重量%のNiOおよび15重量%のMoOを含有する触媒が使用されている。
上記から、多くの文献がヒ素による触媒被毒の問題を認めていることは明らかである。ヒ素だけでなく、炭化水素供給原料中の他の金属、たとえばケイ素、ニッケルまたはバナジウムが、当該炭化水素供給原料に接触させられる金属含有触媒に有害な影響を与えることがあることは注記される。たとえば、接触改質に使用される貴金属触媒はケイ素によって失活される。言い換えれば、単なるヒ素の除去だけでは、下流の金属含有触媒の失活を防ぐのに常に十分とはならない。
米国特許第3,804,750号公報 米国特許第4,046,674号公報 米国特許第4,501,652号公報 米国特許第5,421,994号公報 特開昭60−202190号公報 久光俊昭ら(シェールオイルの水素化精製(第4部)ヒ素除去のための前処理、石油学会誌、36巻、第6号、479〜484ページ、1993年)
結果として、炭化水素供給原料からヒ素を除く能力があり、かつ1以上の他の金属成分を同時に除く触媒の必要性が存在している。
ニッケルおよびモリブデンを特定の量で含む触媒であって、そうであることによって該触媒がさらに、少なくとも200m/gの表面積を持つ触媒を使用することによって、これらの問題が解決されうることが見出された。
したがって、本発明は、ヒ素および1以上の他の金属化合物を炭化水素供給原料から除く方法において、少なくとも20ppbのヒ素および少なくとも0.3ppmの他の金属化合物を含有する炭化水素供給原料が水素の存在下に、担体上にモリブデン化合物およびニッケル化合物を含む触媒組成物であって、該モリブデン化合物が三酸化物として計算されて6〜18重量%の量で存在し、かつ該ニッケル化合物が酸化物として計算されて6〜20重量%の量で存在し、かつ該触媒組成物が少なくとも200m/gの表面積を持つ触媒組成物と接触させられる方法に関する。本発明の方法に使用される触媒は、炭化水素供給原料からヒ素および1以上の他の金属化合物を同時に除く能力がある。炭化水素供給原料の種類に応じて、他の金属化合物のタイプおよび量は色々であることができることは注記される。好ましくは、他の金属化合物の1つはケイ素である。本発明の触媒は、比較的軽質の炭化水素供給原料、たとえばナフサおよび蒸留油からヒ素と一緒にケイ素を十分に除く能力がある。本発明の触媒は、より重質の炭化水素供給原料中に存在するニッケルおよびバナジウムと一緒に、ヒ素を所望のレベルまで除く能力もある。
炭化水素供給原料から汚染物質を除く本触媒の能力と並んで、本触媒は一般に水素化脱硫および/または水素化脱窒素および/または水素化においても活性がある。
本明細書の文脈において、「重量%」の語は、触媒の全量に基づいて計算された、触媒中のある化合物の重量百分率を表すのに用いられる。
上述のように、触媒のモリブデン含有量は、三酸化物として計算されて6〜18重量%、好ましくは三酸化物として計算されて10〜15重量%である。触媒のモリブデン含有量が低過ぎると、(低分子量炭化水素、たとえばメタン、エタン、プロパンおよびブタンの)ガス生成量が高くなり過ぎる。上限を超えるモリブデンの添加は、ヒ素除去活性を減少しかつさらに触媒の有効性を減少する。
触媒のニッケル含有量は6〜20重量%、好ましくは8〜15重量%である。低過ぎるニッケル含有量はヒ素除去活性を望ましくないレベルまで減少する。このような触媒の有効性および容量はあまりにも低いので、プロセス変数、たとえば触媒の量および供給原料の空間速度は経済的に許容できない様式で調整されなければならなくなる。ニッケル含有量の増加は、ヒ素除去容量を増加するだろうということは注記される。しかし、ニッケル含有量が上限を超えて選ばれるならば、それは水素化脱硫(HDS)および/または水素化脱窒素(HDN)における触媒の活性に悪い方向に影響するだろう。
本発明の触媒は、一般に少なくとも200m/g、好ましくは少なくとも225m/g、より好ましくは少なくとも250m/gの(BET)比表面積を持つ。表面積は一般に最大でも600m/g、好ましくは最大でも500m/g、より好ましくは最大でも400m/gである。このような比較的高い表面積は、触媒に使用された担体に吸着すると考えられる金属化合物の改善された吸着容量を可能にする。200m/gより低い表面積を持つ触媒は、あまりにも低くて本方法を経済的に魅力あるものにはできない金属除去容量、特にケイ素の除去容量を持つ触媒を生じる。
一般に、触媒は最大でも15nm、好ましくは最大でも14nm、より好ましくは最大でも13nmの孔径中央値(MPD)を持つ。MPDは一般に少なくとも9nm、好ましくは少なくとも9.5nm、より好ましくは少なくとも10nmである。孔径中央値は、全孔容積の半分がMPDより大きい直径を持つ孔に存在し、かつ全孔容積の半分がMPDより小さい直径を持つ孔に存在する孔の直径として定義される。この特定されたMPDは、除去されるべき金属の触媒中への進入を改善する。9nmより大きいMPDを選ぶことのさらなる利点は、ヒ素除去容量も増加することである。MPDが9nmより下に選ばれると、たとえばケイ素、ニッケルまたはバナジウムのような金属の除去容量は低くなることが注記され、これは望ましくない。他方、触媒のMPDが15nmより大きいと、それは一般に200m/gより小さい比表面積を持つ触媒を生じることになり、当該金属の除去活性は減少し、そしてその結果触媒の有効性が低減する。15nmより大きいMPDのさらなる不利な点は、触媒の水素化脱硫、水素化脱窒素または水素化の活性の低下である。
触媒の孔容積(Hg、接触角140°)は、一般に少なくとも0.25ml/g、好ましくは少なくとも0.4ml/g、より好ましくは少なくとも0.5ml/gである。孔容積は一般に最大でも1.2ml/g、好ましくは最大でも1.0ml/g、より好ましくは最大でも0.9ml/gである。触媒は好ましくは、5%より小さい、好ましくは2%より小さいマクロ孔容積を持ち、マクロ孔容積は少なくとも1000Åの直径を持つ孔に存在する孔容積の百分率として定義される。
担体は慣用の酸化物、たとえばアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、中にシリカ−アルミナが分散されたアルミナ、シリカでコーティングされたアルミナ、マグネシア、ジルコニア、ボリア、およびチタニア、並びにこれら酸化物の混合物を含むことができる。概して、アルミナ、シリカ−アルミナ、中にシリカ−アルミナが分散されたアルミナ、またはシリカでコーティングされたアルミナを含む担体が好みの選択とされる。アルミナから本質的になる担体、または25重量%まで、より好ましくは10重量%まで、さらにより好ましくは5重量%までの他の成分を含有し、該他の成分が好ましくはシリカであるアルミナから本質的になる担体が特に好みの選択とされる。アルミナから本質的になる担体が特に好まれる。本明細書の文脈において、「から本質的になる」の語は、要求される成分以外の他の成分が存在してもよいが、それが触媒の特性に有害な影響を与えないような限定された量でのみ存在することを意味する。担体中に存在するアルミナは、好ましくは遷移アルミナ、たとえばイータ、シータ、またはガンマアルミナであり、ガンマアルミナが特に好まれる。触媒は、Pとして計算されて、2重量%より少ない、より好ましくは1重量%より少ない、さらにより好ましくは0.5重量%より少ないリンを含有することが好まれる。
本発明の触媒は、一般に少なくとも3、好ましくは少なくとも4、もっとも好ましくは少なくとも5、並びに一般に最大でも20、好ましくは最大でも17、およびもっとも好ましくは最大でも15の、他の金属とヒ素との飽和容量比を持つ。飽和容量は、触媒によって吸着されることができるある金属の最大量を意味する。
ケイ素とヒ素との飽和容量比は一般に少なくとも3、好ましくは少なくとも4、もっとも好ましくは少なくとも5、並びに一般に最大でも20、好ましくは最大でも17、およびもっとも好ましくは最大でも15である。本発明の触媒は、一般に少なくとも3、好ましくは少なくとも4、もっとも好ましくは少なくとも5、並びに一般に最大でも20、好ましくは最大でも17、およびもっとも好ましくは最大でも15の、ニッケルおよび/またはバナジウムとヒ素との飽和容量比を持つ。
上述のもっとも好まれる範囲内の触媒は、ナフサタイプの供給原料および蒸留油供給原料、特にナフサタイプの供給原料からヒ素を、好ましくはケイ素と一緒に除くのにもっとも好まれると考えられる。
触媒は好適には球、ペレット、ビーズ、または押出物の形態をしている。押出物の好適なタイプの例は文献に開示されている。非常に適しているのは、円柱形の粒子(中空であってもなくてもよい)並びに対称形および非対称形の3または4葉形である。
触媒は従来技術で知られた方法によって調製されることができる。
本発明に従う方法に使用されるべき供給原料は、少なくとも20ppb(10億当りの重量部)、特に0.02〜2ppmのヒ素を含有する。それはさらに他の汚染物質を含有してもよい。たとえば、ケイ素が存在することができる。その場合には、それは一般に少なくとも0.5ppm、特に1〜100ppmの量で存在する。ニッケルおよびバナジウムが存在することができる。その場合には、それらは一般に少なくとも0.3ppm、好ましくは100〜2000ppmの合算された量で存在する。これらの供給原料は、一般にイオウ含有化合物および窒素含有化合物も含む。イオウ含有化合物は一般に少なくとも10ppmの量で、窒素含有化合物は一般に少なくとも2ppmの量で存在する。不飽和化合物、たとえばオレフィン、ジオレフィンおよび芳香族化合物も存在することができる。
本発明に従う方法の特に好まれる実施態様は、ヒ素を含有するナフサタイプの供給原料から、好ましくはケイ素の除去と一緒に、ヒ素を除くことである。好適なナフサ供給原料は一般に少なくとも20ppb(10億当りの重量部)のヒ素、特に0.02〜2ppmのヒ素含有量を持つ。これらは好ましくは少なくとも0.5ppm、特に1〜100ppmのケイ素含有量を持つ。ニッケルおよびバナジウムは一般に10ppmより少ない量で存在し、特にはニッケルおよびバナジウムは供給原料中に存在しない。供給原料は一般に約0〜120℃、好ましくは約30〜90℃の初留点および約150〜250℃、好ましくは約160〜220℃の蒸留終点を持つ。
この実施態様の方法では、本発明の触媒は、一般に水素化脱硫および水素化脱窒素、並びに飽和プロセス、たとえばオレフィンおよびジオレフィンの飽和プロセスにおいても活性がある。
本発明に従う方法のさらなる実施態様は、蒸留油供給原料からヒ素を除くことである。
好適な蒸留油供給原料は、一般に少なくとも20ppb(10億当りの重量部)のヒ素、特に0.02〜2ppmのヒ素含有量を持つ。これはケイ素を含有してもしなくてもよい。ケイ素が存在するならば、それは一般に少なくとも0.5ppm、特に1〜100ppmの量で存在する。
該供給原料は一般に約80〜260℃、好ましくは約200〜240℃の初留点および約230〜390℃、好ましくは約250〜370℃の蒸留終点を持つ。
この実施態様の方法では、本発明の触媒は、一般に水素化脱硫においておよび水素化脱窒素において、並びに飽和プロセス、たとえばオレフィン、ジオレフィンおよび芳香族化合物の飽和プロセスにおいても活性がある。
本発明に従う方法の第3の実施態様は、燃料油処理において、一般にニッケルおよびバナジウムの除去と一緒に、ヒ素を除くことである。
本発明に従う方法に使用されるべき供給原料は、少なくとも20ppb(10億当りの重量部)、特に0.02〜2ppmのヒ素を含有する。ニッケルおよびバナジウムは一般に好ましくは少なくとも0.3ppm、好ましくは0.3〜10ppmの量で存在する。ケイ素は存在してもしなくてもよく、もし存在するならば、一般に少なくとも0.5ppm、特に1〜100ppmの量で存在する。該供給原料油は一般に約250〜450℃、好ましくは約280〜375℃の初留点および370℃より高い蒸留終点を持つ。
この実施態様の方法では、本発明の触媒は、一般に水素化脱硫においておよび水素化脱窒素において、並びに飽和プロセス、たとえば芳香族化合物の飽和プロセスにおいても活性がある。
本方法は、一般に少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも99%のヒ素が供給原料から除かれるような条件下に実施される。ケイ素が存在する場合には、一般に少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも98%のケイ素が供給原料から除かれる。ニッケルおよびバナジウムが存在する場合には、一般に少なくとも30%、好ましくは少なくとも60%が供給原料から除かれる。
あるいは、本方法は、ヒ素の一般に最大でも50%、好ましくは最大でも20%、より好ましくは最大でも10%、さらにより好ましくは最大でも1%が触媒床の流出物中に依然として存在するような条件下に実施される。ケイ素が存在する場合には、ケイ素の一般に最大でも50%、好ましくは最大でも20%、より好ましくは最大でも10%、さらにより好ましくは最大でも2%が触媒床の流出物中に存在する。ニッケルおよびバナジウムが存在する場合には、ニッケルおよびバナジウムの一般に最大でも70%、好ましくは最大でも40%が触媒床の流出物中に存在する。
本発明の方法は一般に保護床の運転で、すなわち下流のヒ素に敏感な触媒をヒ素から護るための保護床運転で実施される。それはヒ素に敏感な触媒の上流で、別個の保護床室でまたは保護床で実施されることができる。
本方法は一般に10〜200バール、好ましくは30〜150バールの水素分圧、および200〜480℃、好ましくは300〜415℃の温度で実施される。水素と供給原料との比は一般に200〜2000Nl/l、好ましくは500〜1000Nl/lである。触媒単位容積当たりの供給原料容積流量の単位で測定される液時空間速度(LHSV)は、一般に0.1〜10時−1および好ましくは0.5〜6時−1である。
[実施例]
以下の触媒がヒ素含有供給原料油からのヒ素の除去について試験された。
比較触媒1:アルミナ担体上に酸化物として計算されて4重量%のニッケルおよび三酸化物として計算されて12重量%のモリブデンを含み、約250m/gの表面積、約0.65〜0.7ml/gの全孔容積(Hg、接触角140°)、および約11nmのMPDを持つ触媒。
触媒A:8重量%のNiOを含有することを除いて比較触媒1と同じである、本発明に従う触媒。
触媒B:12重量%のNiOを含有することを除いて比較触媒1と同じである、本発明に従う触媒。
該3触媒が、ヒ素で汚染されたコーカーナフサからのヒ素の除去について試験された。試験後、触媒は、未使用の触媒組成を標準として比較して、表1のヒ素およびケイ素含有量を示すことが見出された。
Figure 2007502353
表1から、本発明に従う触媒は、より低いニッケル含有量を持つ比較触媒と比較して、改善されたヒ素およびケイ素の除去活性を持つことが明らかである。

Claims (9)

  1. ヒ素および1以上の他の金属化合物を炭化水素供給原料から除く方法において、少なくとも20ppbのヒ素および少なくとも0.3ppmの他の金属化合物を含有する炭化水素供給原料が水素の存在下に、担体上にモリブデン化合物およびニッケル化合物を含む触媒組成物であって、該モリブデン化合物が三酸化物として計算されて6〜18重量%の量で存在し、かつ該ニッケル化合物が酸化物として計算されて6〜20重量%の量で存在し、かつ該触媒組成物が少なくとも200m/gの表面積を持つ触媒組成物と接触させられる方法。
  2. モリブデン化合物が三酸化物として計算されて10〜15重量%の量で存在し、かつニッケル化合物が酸化物として計算されて8〜15重量%の量で存在する、請求項1記載の方法。
  3. 触媒組成物が少なくとも9nm、好ましくは9〜15nmのMPDを持つ、請求項1〜2のいずれか1項記載の方法。
  4. 他の金属化合物の1つがケイ素である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 供給原料が、少なくとも20ppb(10億当りの重量部)のヒ素、好ましくは0.02〜2ppmのヒ素含有量、約0〜120℃、好ましくは約30〜90℃の初留点および約150〜250℃、好ましくは約160〜220℃の蒸留終点を持つナフサタイプの供給原料である、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. ナフサタイプの供給原料が、少なくとも0.5ppm、特に1ppm〜100ppmのケイ素含有量を持つ、請求項5記載の方法。
  7. 10〜200バール、好ましくは30〜150バールの水素分圧で、200〜480℃、好ましくは300〜415℃の温度で、200〜2000Nl(リットル)/l(リットル)、好ましくは500〜1000Nl/lの水素と供給原料との比で、および0.1〜10時−1、好ましくは0.5〜3時−1のLHSVで実施される、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 担体上にモリブデン化合物およびニッケル化合物を含むハイドロプロセシング触媒であって、該モリブデン化合物が酸化物として計算されて6〜18重量%の量で存在し、かつ該ニッケル化合物が酸化物として計算されて6〜20重量%の量で存在し、該触媒が少なくとも200m/gの表面積を持っているハイドロプロセシング触媒。
  9. 触媒が少なくとも9nm、好ましくは9〜15nmのMPDを持っている、請求項8記載のハイドロプロセシング触媒。
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