JP2007501441A - スペクトル成分結合およびスペクトル成分再生を用いた改良オーディオコード化システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オーディオエンコーダーは入力信号のスペクトル成分を切り捨て、チャネル結合を使い、符号化信号の必要な情報容量を減らす。チャネル結合は複合形式の信号の複数チャネルの選択されたスペクトル成分を表す。オーディオデコーダーは、スペクトル成分を合成し、切り捨てられたスペクトル成分を置き換え、結合チャネル信号から個々のチャネル信号に関するスペクトル成分を発生させる。エンコーダーは、デコーダーの効率を改善する符号化信号のスケールファクターを提供し、元の入力信号のスペクトルエネルギーを実質的に保持する出力信号を発生させる。
【選択図】図5
Description
(概説)
本発明は、元の入力オーディオ信号の「残余または残差」部分を切り捨て、元の入力オーディオ信号のベースバンド部分だけを符号化し、さらに消失した残差部分に置き換えるための合成信号を発生することによって上記の符号化信号をデコード化することにより、符号化信号の必要な情報容量を減少させるオーディオ符号化システムに関する。
図1は、入力オーディオ信号を受けて、入力オーディオ信号を表す符号化信号を発生するオーディオエンコーダーを示す。解析フィルターバンク10は、パス(経路)9からの入力オーディオ信号を受け、それに応じて、オーディオ信号のスペクトル成分を表す周波数サブバンド情報を提供する。ベースバンド信号のスペクトル成分を表現する情報はパス12に沿って生じ、また残差信号のスペクトル成分を表す情報はパス11に沿って生じる。ベースバンド信号のスペクトル成分は第一の組の周波数サブバンドの1つ以上のサブバンドにおいて入力オーディオ信号のスペクトル成分を表し、それは符号化信号において伝送された信号情報によって表現される。好適な実施形態において、第一の組の周波数サブバンドはより低い周波数サブバンドである。残差信号のスペクトル成分は第二の組の周波数サブバンドの1つ以上のサブバンドにおいて入力オーディオ信号のスペクトル内容を表し、それはベースバンド信号において表現されないし、符号化させた信号によって伝送されない。一つの実施形態において、第一と第二の組との周波数サブバンドの結合は入力オーディオ信号の全体のバンド幅を構成する。
図2はオーディオ信号を表現する符号化信号を受けて、オーディオ信号のデコード化された表現を発生するオーディオデコーダーを示す。デフォーマッタ60は、パス59から符号化信号を受けて、その符号化信号からスケーリング情報と信号情報とを得る。そのスケーリング情報はスケールファクターを表し、その信号情報は第一の組の周波数サブバンドにおいて一つ以上のサブバンドのスペクトル成分を持つベースバンド信号のスペクトル成分を表す。信号合成成分23は、合成処理を実行し、符号化信号によって伝送されなかった残差信号のスペクトル成分を表す第二の組の周波数サブバンドにおいて、一つ以上のサブバンドのスペクトル成分を持つ信号を発生する。
解析および合成フィルターバンクは、デジタルフィルター技術、ブロック変換およびウエイブレット変換を好適に含んでいる本質的にどんな方法においても実行できる。図1と2とに示されるようなエンコーダーとデコーダーとを持つあるオーディオコード化システムにおいて、解析フィルターバンク10は修正離散コサイン変換(MDCT)によって実行され、合成フィルターバンク80はプリンセン(Princen)らの「時間領域エイリアス解消に基づくフィルターバンク設計を用いてコード化するサブバンド/変換」(Proc. of the International Conf. on Acoust., Speech and Signal Proc., May 1987, pp.2161-64)において述べられている修正逆離散コサイン変換によって実行される。どんな特殊なフィルターバンクの実行も原理的には重要でない。
TDAC変換のような変換を使うコード化システムにおいて、たとえば、変換係数X(k)は元の入力オーディオ信号x(t)のスペクトル成分を表す。その変換係数はベースバンド信号と残差信号とを表す異なる組に分けられる。以下に述べるものの1つのような合成処理を用いるデコード化処理の間に合成信号の変換係数Y(k)を発生する。
好適な実施形態において、符号化処理は、合成信号のエネルギー測度に対する残差信号のスペクトルエネルギー測度の割合の平方根から計算したスケールファクターを伝送するスケーリング情報を提供する。残差信号と合成信号とに関するスペクトルエネルギー測度は次の式から計算することもできる。
X(k)=残差信号の変換係数k
E(k)=スペクトル成分X(k) のエネルギー測度
Y(k)=合成信号の変換係数k、および
ES(k)=スペクトル成分Y(k) のエネルギー測度
各々のスペクトル成分に関するエネルギー測度に基づく副情報に関して必要な情報容量は大抵の応用にとって高すぎる。その結果スケールファクターは次の式によるスペクトル成分の群または周波数サブバンドのエネルギー測度から計算される。
E(m)=残差信号の周波数サブバンドmに関するエネルギー測度
ES(m)=合成信号の周波数サブバンドmに関するエネルギー測度
m1とm2との合計の範囲はサブバンドmの最低と最高との周波数スペクトル成分を特定する。好適な実施形態では、周波数サブバンドは人間の音声システムの臨界バンドと比例するバンド幅を持つ。
好適には、符号化処理は、これらのスケールファクター自体より低い情報容量を必要とする形式で計算された、スケールファクターを伝送する符号化信号におけるスケーリング情報を提供する。スケーリング情報の必要な情報容量を減らすために、種々の方法を使うこともできる。
合成信号を種々の方法で発生できる。
{P}=周波数サブバンドpにおけるすべての周波数サブバンドの集合、および
{M}=変換される周波数サブバンドmにおけるスペクトル成分の集合
集合{M}は、周波数サブバンドmにおけるすべてのスペクトル成分を含むことは要求されないし、また周波数サブバンドmにおける幾つかのスペクトル成分は、その集合において一回より多く表現されても良い。周波数変換処理は周波数サブバンドmにおける幾つかのスペクトル成分を変換しなくても良いし、また毎回異なる量で一回より多く周波数サブバンドmにおける他のスペクトル成分を変換しても良い。周波数サブバンドpが周波数サブバンドmと同じ数のスペクトル成分を持たない時、これらの場合のどちらか又は両方が起こるだろう。
合成信号を発生するために用いることができる第二の技術は、時間領域信号のサンプルを表す擬似乱数列を発生することによるようなノイズ様信号を合成することである。この特殊な技術は、解析フィルターバンクを、その後の信号合成に関して発生した信号のスペクトル成分を得るために使わなければならないという欠点を持つ。代わりに、スペクトル成分を直接に発生するために擬似乱数発生器を使うことによって、ノイズ様信号を発生することができる。次の式によって、どちらの方法でも図式的に表すことができる。
N(j)=ノイズ様信号のスペクトル成分j
しかし、どちらの方法に関しても、符号化処理はノイズ様信号を合成する。この信号を発生するために必要な付加的な計算用資源は符号化処理の複雑さと実行コストとを増加させる。
信号合成の第三の技術は、ベースバンド信号の周波数変換を合成化されたノイズ様信号のスペクトル成分と結合することである。好適な実施形態において、変換された信号とノイズ様信号との相対的な部分は、符号化信号において伝送されるノイズ混成制御情報に従って、HFR応用において述べたように適応する。この技術は次の式で表現される。
a=変換されたスペクトル成分の混成パラメーター
b=ノイズ様スペクトル成分の混成パラメーター
一つの実施形態において、混成パラメーターbは、スペクトル成分値の算術平均に対する幾何学的平均の割合の対数に等しいスペクトルフラットニス測度(SFM)の平方根を取ることによって計算され、それは0から1までの範囲内で変化するようにスケールされ、また束縛される。この特別な実施形態に関して、b=1はノイズ様信号を示す。好適には、混成パラメーターaはbから導かれ、次の式で示される。
二つ以上のチャネルのオーディオ信号を表す符号化信号を発生させるコード化システムにおいて結合を使うことによって、デコード化された信号の知覚される所望のレベルの信号品質に関して、符号化信号の必要な情報を減少させることができる。
図5と6とは、パス9aと9bとから2チャネルの入力オーディオ信号を受けて、2チャネルの入力オーディオ信号を表す符号化信号を、パス51に沿って発生するオーディオエンコーダーを示す。解析フィルターバンク10a及び10b、エネルギー計算機31a、32a、31b及び32b、合成モデル21a及び21b、スケールファクター計算機40a及び40b、並びにフォーマッタ50の詳細及び特徴は、図1で示された信号チャネルエンコーダーの成分に関して上で述べたものと本質的に同じである。
図5と6とにおいて示したエンコーダーは類似している。二つの実施形態に共通の特徴はその相違が議論される前に説明される。
SFi(m)=信号チャネルiの周波数サブバンドmに関するスケールファクター
Ei(m)=入力信号チャネルiの周波数サブバンドmに関するエネルギー測度
EC(m)=結合チャネルの周波数サブバンドmに関するエネルギー測度
フォーマッタ50は41a、41b、45aおよび45bからスケーリング情報を受け、パス12aおよび12bからベースバンド信号のスペクトル成分を表す信号を受け、さらにパス27から結合チャネル信号のスペクトル成分を表す信号を受ける。この情報は伝送または記録するために上で説明したように符号化信号にアセンブリされる。
HFRのデコード化処理において、結合チャネル信号のスペクトル成分を使うこともできる。そのような実施形態において、エンコーダーは、結合チャネル信号から合成信号を発生する時に使うデコード化処理のために、符号化信号の制御情報を提供すべきである。この制御情報を幾つかの方法において発生することもできる。
図7は、パス59から2チャネルの入力オーディオ信号を表す符号化信号を受けて、パス89aおよび89bに沿ってデコード化された信号表現を発生するオーディオデコーダーを示す。デフォーマッタ60の詳細および特徴、信号の合成成分23aおよび23b、信号のスケーリング成分70aおよび70b、並びに合成フィルターバンク80aおよび80bは、図2で示された信号チャネルデコーダーの成分に関して上述したものと本質的に同一である。
XC(k)=結合チャネル信号のサブバンドmにおけるスペクトル成分k
SFi(m)=信号チャネルiの周波数サブバンドmに関するスケールファクター
XD(k)=信号チャネルiの減結合スペクトル成分k
各々の減結合信号はそれぞれの合成フィルターバンクへ通る。上述の好適な実施形態において、各々の減結合信号のスペクトル成分は、第一および第二の組の周波数サブバンドの周波数サブバンドに対して中間的な第三の組の周波数サブバンドの1つ以上のサブバンドに存在する。
上で議論したように2つまたは3つの組のどちらかの周波数サブバンドへスペクトル成分を配列するコード化システムは、各々の組に含まれるサブバンドの周波数レンジまたは範囲を適応させることもできる。たとえば、ノイズ様であると考えられる高周波スペクトル成分を持つ入力オーディオ信号の間隔の間に、残差信号に関して第二の組の周波数サブバンドの周波数範囲の低いほうを減らすことは利点となりうる。その周波数範囲はまた、一組の周波数サブバンドにおいて、すべてのサブバンドを取り除くように適応することもできる。たとえば、第二の組の周波数サブバンドからすべてのサブバンドを取り除くことによって、大きさが大きく急に変化する入力オーディオ信号に関して、HFR処理を禁止することもできる。
上述のTDAC変換のような変換を用いて解析フィルターバンク10を実行するオーディオエンコーダーにおける式(1a)から計算されるスペクトルエネルギーの測度は、たとえば、入力オーディオ信号の真のスペクトルエネルギーより低い傾向にある。なぜなら解析フィルターバンクは実数値の変換係数のみを提供するからである。離散フーリエ変換(DFT)のような変換を用いる実施形態はもっと正確なエネルギー計算を提供できる。なぜなら各々の変換係数は、各々のスペクトル成分の真の大きさをもっと正確に伝送する複合値によって表されるからである。
X1(k)=第一の解析フィルターバンクからの変換係数k
X2(k)=第二の解析フィルターバンクからの変換係数k
周波数サブバンドに関してエネルギー測度を計算する実施形態において、エネルギー計算機39は、次の式から周波数サブバンドmに関してその測度を計算する。
汎用コンピューターシステム、または汎用コンピューターシステムにおいて見つけられるものと同様の部品に連結されたデジタルシグナルプロセッサー(DSP)のようなもっと特殊な部品を含む幾つかの他の装置のソフトウエアを含む広範な種類の方法において、本発明の種々の観点を実行することもできる。図9はオーディオエンコーダーまたはオーディオデコーダーにおいて本発明の種々の観点を実施するために用いることもできるデバイス70のブロック図である。DSP72はコンピューター資源を示す。RAM73はシグナル処理用のDSP72によって使われるシステム・ランダムアクセスメモリ(RAM)である。ROM74は、デバイス70を動かし、本発明の種々の観点を実行するために必要なプログラムの記憶用のリードオンリメモリ(ROM)のような、ある形式の永久記憶装置を表す。I/O制御75は、伝達チャネル76、77の経路で信号を受けて運ぶためのインターフェース回路を表す。アナログオーディオ信号を受けるか又は伝送するか又はその双方を行うのに望ましいように、アナログ・デジタル変換器およびデジタル・アナログ変換器がI/O制御75に含まれても良い。示される実施形態において、すべての主要なシステムの部品は、バス71(それは一つより多くの物理的なバスを表しても良い)に連結する。しかし、バス構造は本発明を実施するには必要とされない。
Claims (44)
- 一つ以上の入力オーディオ信号を符号化するための方法であって、前記方法は、
一つ以上の入力オーディオ信号を受けることおよびそれから一つ以上のベースバンド信号と一つ以上の残差信号とを得ることであって、ベースバンド信号のスペクトル成分は第一の組の周波数サブバンドにおいてそれぞれの入力オーディオ信号のスペクトル成分を表し、結合残差信号のスペクトル成分はベースバンド信号によって表されない第二の組の周波数サブバンドにおいてそれぞれの入力オーディオ信号のスペクトル成分を表すこと、
デコード化の間に発生する一つ以上の合成信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分のエネルギー測度を得ることであって、一つ以上の合成信号は第二の組の周波数サブバンド内にスペクトル成分を持つこと、
各々の残差信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分のエネルギー測度を得ること、
一つ以上の合成信号のスペクトル成分のエネルギー測度に対する残差信号のスペクトル成分のエネルギー測度の割合、残差信号のスペクトル成分のエネルギー測度に対する一つ以上の合成信号のスペクトル成分のエネルギー測度の割合の平方根、残差信号のスペクトル成分のエネルギー測度に対する一つ以上の合成信号のスペクトル成分のエネルギー測度の平方根の割合、または残差信号のスペクトル成分のエネルギー測度の平方根に対する一つ以上の合成信号のスペクトル成分のエネルギー測度の平方根の割合、の平方根を得ることによってスケールファクターを計算すること、および
信号情報とスケーリング情報とを符号化信号にアセンブルすることであって、前記信号情報は一つ以上のベースバンド信号のスペクトル成分を表し、前記スケーリング情報はスケールファクターを表すこと、
を含むことを特徴とする方法。 - 一つ以上の合成信号は、一つ以上のベースバンド信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分の周波数変換によって、少なくとも一部において発生することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 合成信号のスペクトル成分は位相のコヒーレンスを維持する周波数変換によって発生することを特徴とする、請求項2記載の方法。
- 一つ以上の合成信号は、一つ以上のベースバンド信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分の周波数変換と、一つ以上のベースバンド信号のスペクトルレベルに従って適応するスペクトルレベルを有する一つ以上のノイズ様信号の発生との結合、によって少なくとも一部分で発生することを特徴とするとともに、一つ以上の合成信号のスペクトル成分のエネルギー測度はノイズ様信号のスペクトルレベルに無関係に得られることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 一つ以上の合成信号は一つ以上のノイズ様信号の発生によって、少なくとも一部分で発生することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 残差信号のスペクトル成分のエネルギー測度はスペクトル成分の大きさを表す値から得られることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 第一の解析フィルターバンクを一つ以上の入力オーディオ信号へ応用し、一つ以上のベースバンド信号と一つ以上の残差信号とを得ること、および
第二の解析フィルターバンクを一つ以上の入力オーディオ信号へ応用し、付加的なスペクトル成分を得ること、
を含み、前記残差信号のスペクトル成分のエネルギー測度は、前記残差信号のスペクトル成分と前記の一つ以上の付加的なスペクトル成分とから計算されることを特徴とする、請求項6記載の方法。 - スケーリング情報は一つ以上の正規化値に関して正規化されたスケールファクターを表し、および前記スケーリング情報は一つ以上の正規化値の表現を含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 一つ以上の正規化値は一組の値から選択されることを特徴とする、請求項8記載の方法。
- 一つ以上の正規化値はスケールファクターに関して最大の許容可能な値を含むことを特徴とする、請求項8記載の方法。
- それぞれの残差信号に関する一つ以上の周波数サブバンドのスケールファクターを計算することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 一つ以上の組の周波数サブバンドの周波数範囲が適応する方法であって、前記方法は前記の適応する周波数範囲の指示を符号化信号へアセンブリすることを特徴とする、請求項11記載の方法。
- 周波数範囲は、一組の範囲から選択することによって適応することを特徴とする、請求項12記載の方法。
- 複数の入力オーディオ信号から、第三の組の周波数サブバンドにおいて二つ以上の入力オーディオ信号のスペクトル成分の混成を表すスペクトル成分を有する結合チャネル信号を得ること、
前記結合チャネル信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分のエネルギー測度を得ること、
前記第三の組の周波数サブバンドにおける前記結合チャネル信号によって表される前記二つ以上の入力オーディオ信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分のエネルギー測度を得ること、および
結合チャネル信号におけるスペクトルエネルギーのエネルギー測度に対して二つ以上の入力オーディオ信号におけるスペクトル成分のエネルギー測度の割合の平方根、二つ以上の入力オーディオ信号におけるスペクトル成分のエネルギー測度に対して結合チャネル信号におけるスペクトルエネルギーのエネルギー測度の割合の平方根、結合チャネル信号におけるスペクトルエネルギーのエネルギー測度の平方根に対して二つ以上の入力オーディオ信号におけるスペクトル成分のエネルギー測度の平方根の割合、あるいは二つ以上の入力オーディオ信号におけるスペクトル成分のエネルギー測度の平方根に対して結合チャネル信号におけるスペクトル成分のエネルギー測度の平方根の割合を得ることによって結合スケールファクターを計算すること、
を含む方法であって、
前記スケーリング情報は結合スケールファクターも表し、前記信号情報は結合チャネル信号におけるスペクトル成分も表すことを特徴とする、複数の入力オーディオ信号に関する請求項1記載の方法。 - 一つ以上の合成信号は、第三の組の周波数サブバンドにおける二つ以上の入力オーディオ信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分の周波数変換によって、少なくとも一部において発生することを特徴とする、請求項14記載の方法。
- 複数の入力オーディオ信号の一つ以上の特性を検出すること、
前記検出された特性に応答して、第一の組の周波数サブバンド、第二の組の周波数サブバンド、または第三の組の周波数サブバンドの周波数範囲を適応させること、および
適応する周波数範囲の指示を符号化信号へアセンブルすること、
を含むことを特徴とする、請求項14記載の方法。 - 一つ以上の入力オーディオ信号の一つ以上の特性を検出すること、
前記検出された特性に応答して第一の組の周波数サブバンドまたは第二の組の周波数サブバンドの周波数範囲を適応させること、および
前記の適応する周波数範囲の指示を符号化信号へアセンブルすること、
を含むことを特徴とする、請求項14記載の方法。 - 一つ以上の入力オーディオ信号を表す符号化信号をデコード化するための方法であって、前記方法は、
符号化信号からスケーリング情報と信号情報とを得ることであって、前記スケーリング情報はスペクトル成分のエネルギー測度の割合の平方根またはスペクトル成分のエネルギー測度の平方根の割合から計算されるスケールファクターを表すとともに、前記信号情報は一つ以上のサブバンド信号に関するスペクトル成分を表し、さらに各々のベースバンド信号におけるスペクトル成分は第一の組の周波数サブバンドにおけるそれぞれの入力オーディオ信号のスペクトル成分を表すこと、
それぞれのベースバンド信号によって表されない第二の組の周波数サブバンドにおけるスペクトル成分を有する結合合成信号を、各々のそれぞれのベースバンド信号に関して発生することであって、前記結合合成信号における前記スペクトル成分は一つ以上のスケールファクターに従って乗算または除算によってスケールされること、および
一つ以上の出力オーディオ信号を発生することであって、各々の出力オーディオ信号はそれぞれの入力オーディオ信号を表し、またそれぞれのベースバンド信号およびその結合合成信号におけるスペクトル成分から生じること、
を含むこと、を特徴とする方法。 - 結合合成信号は、それぞれのベースバンド信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分の周波数変換によって、少なくとも一部分において発生することを特徴とする、請求項18記載の方法。
- 前記周波数変換は位相のコヒーレンスを維持することを特徴とする、請求項19記載の方法。
- 結合合成信号は一つ以上のスケールファクターに従って適応するスペクトル成分を持つノイズ様信号の発生によって、少なくとも一部分において発生することを特徴とする、請求項18記載の方法。
- 一つ以上の正規化値を符号化信号から得て、一つ以上の正規化値に関してスケールファクターの正規化を逆変換することを特徴とする、請求項18記載の方法。
- 一つ以上の正規化値は一組の値において選択された値を表すスケーリング情報によって、前記符号化信号において伝送されることを特徴とする、請求項22記載の方法。
- 一つ以上の正規化値はスケールファクターに関して最大の許容可能な値を含むことを特徴とする、請求項22記載の方法。
- 結合合成信号の周波数サブバンドはそれぞれのスケールファクターと組み合わされることを特徴とする、請求項18記載の方法。
- 周波数サブバンドの周波数範囲を特定する符号化信号において伝送されるサブバンド情報に応答して、結合合成信号の発生を適応させることを特徴とする、請求項25記載の方法。
- 前記サブバンド情報は一組の範囲において選択された周波数範囲を表すことを特徴とする、請求項26記載の方法。
- 第三の組の周波数サブバンドにおける複数の入力オーディオ信号の二つ以上の混成を表すスペクトル成分を持つ結合チャネル信号を符号化信号から得ることであって、前記スケーリング情報はまた、結合チャネル信号におけるスペクトルエネルギーのエネルギー測度に対する第三の組の周波数サブバンドにおける二つ以上の入力オーディオ信号のスペクトル成分のエネルギー測度の割合の平方根、第三の組の周波数サブバンドにおける二つ以上の入力オーディオ信号のスペクトル成分のエネルギー測度に対する結合チャネル信号におけるスペクトルエネルギーのエネルギー測度の割合の平方根、結合チャネル信号におけるスペクトルエネルギーのエネルギー測度の平方根に対する第三の組の周波数サブバンドにおける二つ以上の入力オーディオ信号のスペクトル成分のエネルギー測度の平方根の割合、または第三の組の周波数サブバンドにおける二つ以上の入力オーディオ信号のスペクトル成分のエネルギー測度の平方根に対する結合チャネル信号におけるスペクトルエネルギーのエネルギー測度の平方根の割合から、計算される結合スケールファクターを表すこと、および
結合チャネル信号によって表される二つ以上の入力オーディオ信号の各々に関して、それぞれの減結合信号を結合チャネル信号から発生することであって、前記減結合信号は、一つ以上の結合スケールファクターに従って乗算または除算によってスケールされる第三の組の周波数サブバンドにおけるスペクトル成分を持つこと、
を含む方法であって、
前記二つ以上の入力オーディオ信号を表す出力オーディオ信号はまた、それぞれの減結合信号におけるスペクトル成分から発生することを特徴とする、複数の入力オーディオ信号を表す信号をデコード化するための請求項18記載の方法。 - 結合合成信号は、第三の組の周波数サブバンドにおける少なくとも幾つかのスペクトル成分の周波数変換によって、少なくとも一部において発生することを特徴とする、請求項28記載の方法。
- 第一、第二、または第三の組の周波数サブバンドの周波数範囲の指示を符号化信号から得ること、および
前記指示に応答して合成信号と減結合信号との発生を適応させること、
を含むことを特徴とする、請求項28記載の方法。 - 第一または第三の組の周波数サブバンドの周波数範囲の指示を符号化信号から得ること、および
前記指示に応答して合成信号と減結合信号との発生をて適応させること、
を含むことを特徴とする、請求項18記載の方法。 - 複数の入力オーディオ信号を受けること及び複数のベースバンド信号、複数の残差信号および結合チャネル信号をそれから得ることであって、ベースバンド信号のスペクトル成分は第一の組の周波数サブバンドにおけるそれぞれの入力オーディオ信号のスペクトル成分を表すとともに、結合残差信号のスペクトル成分は前記ベースバンド信号によって表されない第二の組の周波数サブバンドにおけるそれぞれの入力オーディオ信号のスペクトル成分を表すことであって、前記結合チャネル信号のスペクトル成分は第二の組の周波数サブバンドにおける二つ以上のスペクトル成分の混成を表すこと、
各々の残差信号と、前記結合チャネル信号によって表される二つ以上の入力オーディオ信号との少なくとも幾つかのスペクトル成分のエネルギー測度を得ること、および
符号化信号へ制御情報と信号情報とをアセンブルすること、
を含む方法であって、
前記制御情報はエネルギー測度から導かれ、前記信号情報は複数のベースバンド信号と結合チャネル信号とにおけるスペクトル成分を表すことを特徴とする、複数の入力オーディオ信号を符号化するための方法。 - デコード化する間に発生する一つ以上の合成信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分のエネルギー測度を得ることであって、前記一つ以上の合成信号は第二の組の周波数サブバンド内にスペクトル成分を持つこと、および
エネルギー測度の割合の平方根またはエネルギー測度の平方根の割合を計算することによって少なくとも幾つかの前記制御情報を導くこと、
を含むことを特徴とする、請求項32記載の方法。 - 前記一つ以上の合成信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分は第三の組の周波数サブバンドにおけるスペクトル成分から合成されることを特徴とする、請求項33記載の方法。
- 前記周波数サブバンドの組の周波数範囲が適応することであって、前記方法は前記の適応する周波数範囲の指示を符号化信号へアセンブルすることを特徴とする、請求項32記載の方法。
- 複数の入力オーディオ信号を表す符号化信号をデコード化するための方法であって、前記方法は、
符号化信号から制御情報と信号情報とを得ることであって、前記制御情報はスペクトル成分のエネルギー測度から導かれ、前記信号情報は複数のベースバンド信号と結合チャネル信号とのスペクトル成分を表し、さらに各々のベースバンド信号における前記スペクトル成分は第一の組の周波数サブバンドにおけるそれぞれの入力オーディオ信号のスペクトル成分を表し、前記結合チャネル信号のスペクトル成分は複数の入力オーディオ信号の二つ以上の第三の組の周波数サブバンドにおけるスペクトル成分の混成を表すこと、
前記のそれぞれのベースバンド信号によって表されない第二の組の周波数サブバンドにおけるスペクトル成分を持つ結合合成信号を、各々のそれぞれのベースバンド信号に関して発生することであって、前記の結合合成信号におけるスペクトル成分は前記制御情報に従ってスケールされること、
前記結合チャネル信号によって表される二つ以上の入力オーディオ信号の各々に関してそれぞれの減結合信号を前記結合チャネル信号から発生することであって、前記減結合信号は、前記制御情報に従ってスケールされる第三の組の周波数サブバンドにおけるスペクトル成分を持つこと、および
複数の出力オーディオ信号を発生することであって、各々の出力オーディオ信号はそれぞれの入力オーディオ信号を表すとともにそれぞれのベースバンド信号とその結合合成信号とにおけるスペクトル成分から発生し、さらに二つ以上のオーディオ信号を表す出力オーディオ信号はまた、それぞれの減結合信号におけるスペクトル成分から発生すること、
を含むこと、を特徴とする方法。 - 前記制御情報はエネルギー測度の割合の平方根またはエネルギー測度の平方根の割合から計算されるスケールファクターの表現を伝送すること、および前記割合における幾つかのエネルギー測度は前記合成信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分のエネルギーを表わすことを特徴とする、請求項36記載の方法。
- 一つ以上の合成信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分は第三の組の周波数サブバンドにおけるスペクトル成分から合成されることを特徴とする、請求項37記載の方法。
- 一つ以上の周波数サブバンドの組の周波数範囲は前記制御情報に応答して適応することを特徴とする、請求項36記載の方法。
- 一つ以上の入力オーディオ信号を符号化するためのエンコーダーであって、前記エンコーダーは信号処理をする方法を実行する処理回路を持ち、前記方法は、
一つ以上の入力オーディオ信号を受けること、およびそれから一つ以上のベースバンド信号と一つ以上の残差信号とを受けることであって、ベスバンド信号のスペクトル成分は第一の組の周波数サブバンドにおけるそれぞれの入力オーディオ信号のスペクトル成分を表し、結合残差信号におけるスペクトル成分は前記ベースバンド信号によって表されない第二の組の周波数サブバンド周波数における前記のそれぞれの入力オーディオ信号のスペクトル成分を表すこと、
デコード化の間に発生する一つ以上の合成信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分のエネルギー測度を得ることであって、前記一つ以上の合成信号は第二の組の周波数サブバンド内にスペクトル成分を持つこと、
各々の残差信号の少なくとも幾つかのスペクトル成分のエネルギー測度を得ること、
一つ以上の合成信号におけるスペクトル成分のエネルギー測度に対する残差信号におけるスペクトル成分のエネルギー測度の割合の平方根、残差信号におけるスペクトル成分のエネルギー測度に対する一つ以上の合成信号におけるスペクトル成分のエネルギー測度の割合の平方根、一つ以上の合成信号におけるスペクトル成分のエネルギー測度の平方根に対する残差信号におけるスペクトル成分のエネルギー測度の平方根の割合、あるいは残差信号におけるスペクトル成分のエネルギー測度の平方根に対する一つ以上の合成信号におけるスペクトル成分のエネルギー測度の平方根の割合、を得ることによってスケールファクターを計算すること、および
信号情報とスケーリング情報とを符号化信号へアセンブルすることであって、前記信号情報は一つ以上のベースバンド信号におけるスペクトル成分を表し、前記スケーリング情報はスケールファクターを表すこと、
を含むこと、を特徴とするエンコーダー。 - 一つ以上の入力オーディオ信号を表す符号化信号をデコード化するためのデコーダーであって、前記デコーダーは信号処理をする方法を実行する処理回路を持ち、前記方法は、
スケーリング情報と信号情報とを符号化信号から得ることであって、前記スケーリング情報はスペクトル成分のエネルギー測度の割合の平方根、またはスペクトル成分のエネルギー測度の平方根の割合から計算されるスケールファクターを表し、前記信号情報は一つ以上のベースバンド信号に関するスペクトル成分を表すことであって、各々のベースバンド信号におけるスペクトル成分は第一の組の周波数サブバンドにおけるそれぞれの入力オーディオ信号のスペクトル成分を表すこと、
各々の個々のベースバンド信号に関して、その個々のベースバンド信号によって表されない第二の組の周波数サブバンドにおけるスペクトル成分を持つ結合合成信号を発生することであって、前記結合合成信号におけるスペクトル成分は一つ以上のスケールファクターに従って乗算または除算によってスケールされること、および
一つ以上の出力オーディオ信号を発生することであって、各々の出力オーディオ信号は、個々の入力オーディオ信号を表し、個々のベースバンド信号とその結合合成信号とにおけるスペクトル成分から発生すること、
を含むこと、を特徴とするデコーダー。 - 複数の入力オーディオ信号を符号化するためのエンコーダーであって、前記エンコーダーは信号処理をする方法を実行する処理回路を持ち、前記方法は、
前記複数の入力オーディオ信号を受けて、それから複数のベースバンド信号、複数の残差信号および結合チャネル信号を得ることであって、ベースバンド信号のスペクトル成分は第一の組の周波数サブバンドにおける個々の入力オーディオ信号のスペクトル成分を表し、結合残差信号のスペクトル成分は前記ベースバンド信号によって表されない第二の組の周波数サブバンドにおける個々の入力オーディオ信号のスペクトル成分を表し、前記結合チャネル信号のスペクトル成分は第三の組の周波数サブバンドにおける二つ以上の入力オーディオ信号のスペクトル成分の混成を表すこと、
各々の残差信号と、前記結合チャネル信号によって表された二つ以上の入力オーディオ信号との少なくとも幾つかのスペクトル成分のエネルギー測度を得ること、および
制御情報と信号情報とを符号化信号へアセンブルすることであって、前記制御情報はエネルギー測度から導かれ、前記信号情報は複数のベースバンド信号と結合チャネル信号とにおけるスペクトル成分を表すこと、
を含むこと、を特徴とするエンコーダー。 - 複数の入力オーディオ信号を表す符号化信号をデコード化するためのデコーダーであって、前記デコーダーは信号処理をする方法を実行する処理回路を持ち、前記方法は、
符号化信号から制御情報と信号情報とを得ることであって、前記制御情報はスペクトル成分のエネルギー測度から導かれ、前記信号情報は複数のベースバンド信号と結合チャネル信号とのスペクトル成分を表し、各々のベースバンド信号におけるスペクトル成分は第一の組の周波数サブバンドにおける個々の入力オーディオ信号のスペクトル成分を表し、前記結合チャネル信号のスペクトル成分は二つ以上の入力オーディオ信号の第三の組の周波数サブバンドにおけるスペクトル成分の混成を表すこと、
各々の個々のベースバンド信号に関して、前記個々のベースバンド信号によって表されない第二の組の周波数サブバンドにおけるスペクトル成分を持つ結合合成信号を発生することであって、前記結合合成信号におけるスペクトル成分は前記制御情報に従ってスケールされる第三の組の周波数サブバンドにおけるスペクトル成分を持つこと、および
複数の出力オーディオ信号を発生することであって、各々の出力オーディオ信号は個々の入力オーディオ信号を表し、個々のベースバンド信号とその結合合成信号とにおけるスペクトル成分から生じることであって、二つ以上のオーディオ信号を表す出力オーディオ信号はまた個々の減結合信号におけるスペクトル成分から生じること、
を含むこと、を特徴とするデコーダー。 - デバイスによって実行可能な命令のプログラムを伝送する媒体であって、前記命令プログラムは前記デバイスに請求項1から39までのいずれか一つの方法を実行させることを特徴とする媒体。
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