ここで問題となるのが、デジタル放送受信装置においては、アナログ放送のような「ほどほどに映る」、「見にくいけどだいだい映る」というような受信状況の中間状態が存在せず、実質的には受信可能か不可能かの2値のいずれかしか存在しない(受信の可否に明確な閾値が存在する)ということである。
アナログ放送であれば、視聴者が上記のような受信状況の中間状態を確認できるので、映像が乱れた場合には、画面を見ながらアンテナの方向を調整したり受信装置の位置を変えたりして、受信に好適な環境を検索することができる。しかしながら、デジタル放送においては、視聴者が放送を受信できない場合に、現在の受信環境がどの程度放送受信に適した環境であるのか、どの方向に場所を移せば受信可能となるのか、という判断を行うことができない。
特に、デジタル放送を移動端末で受信する場合には、視聴者は放送を受信可能な場所を探して移動することになるが、どの方向に移動すればいいのかという判断を行うための指針となる情報を全く得ることができないという問題がある。
また、上記の問題は、固定端末における放送受信、特にアンテナ装備型据え置きテレビについても同様である。屋内に配置しても受信が出来なかった場合、その屋内にそもそも受信可能な場所が存在するのかどうか、存在するのであればその場所はどこなのかを知ることができないという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑み、現在の受信状況について、受信可能又は受信不能の2値的な情報ではなく、連続的な値により示される受信感度情報を提供することができるデジタル放送受信装置を提供しようとするものである。ここで、「連続的な値」というのは、受信可能又は受信不能といった2値のみではなく、複数の値により受信感度の高低を段階的に示すことを意味するものとする。
また、本発明は、視聴者が受信に好適な環境を検索するための受信環境の位置的情報を表示することができるデジタル放送受信装置を提供しようとするものである。
本発明は、デジタル放送の受信感度を検出する手段と前記受信感度を表示する手段とを有するデジタル放送受信装置であって、前記受信感度は連続的な値により示されるデジタル放送受信装置を提供するものである。
本発明は、また、デジタル放送の受信感度パラメータを検出する手段と、前記受信感度パラメータに基づいた受信感度情報を表示する手段とを有するデジタル放送受信装置であって、前記受信感度情報は連続的な値により示されるデジタル放送受信装置を提供するものである。
これによって、視聴者は現在の受信環境下における受信感度状況を段階的に把握することが可能となり、環境調整による受信の可否の判断、受信に好適な環境の検索が可能となる。
本発明において、前記受信感度パラメータは、受信電力及びC/N比のうち少なくとも1つを含んでいることを特徴とする。
また、前記受信感度情報は、受信電力と、C/N比と、該受信電力及びC/N比から算出される総合感度とを含んでいてもよい。この場合、前記総合感度には、前記受信電力及びC/N比のうち感度が低い方の値のみをパラメータとして用いて算出したものを用いることができる。
さらに、前記デジタル放送受信装置は、BERを検出する手段を有しており、前記BERを判断基準として、前記受信感度パラメータに基づいた受信感度情報を決定することにより、前記受信感度情報を連続的な値により示すようにすることもできる。
デジタル放送において受信感度を測定するためのパラメータとしては、受信電力とC/N比(Carrier to Noise Rate)が一般に知られている。これらの値は変調方式や符号化率によって受信に要する下限値が異なっている。
また、デジタル放送において映像信号を誤りなし(擬似エラーフリー)で伝送するためには、RS(リードソロモン)符号復号出力のBER(Bit Error Rate、誤り率)の値が1×10-11以下である必要がある。このためには、ビタビ復号出力のBERの値が2×10-4であることが必要となる。
例えば、ガウス雑音環境下において、QPSK符号化率1/2の場合の所要C/N比は4.9dBであり、16QAM符号化率1/2の場合の所要C/N比は11.5dBである。また、受信電力の所要電界強度に関しては、固定受信の場合で約60dBμV/mが要求される。
また、本発明において、前記受信感度情報は、前記受信電力と前記C/N比とを2軸にとった2次元グラフ図として表示することもできる。あるいは、前記受信感度情報は、前記受信電力、前記C/N比及び前記総合感度のうち少なくとも1つを時間軸に沿って示したグラフ図として表示してもよい。
本発明によれば、それぞれのパラメータの値をモニタすることにより、受信できない要因を推察することが可能となる。
例えば、受信電力は十分であるがC/N比が低い場合は、ノイズ発生の原因となりそうな対象物から離れた場所に移動し、受信電力が低い場合は、電波遮蔽物のない場所、または遮蔽物があったとしても、反射波や定在波が受信できる場所へ移動するといった受信位置に関する異なった指針を得ることができる。
前記2次元座標に現在の受信状況をポインティングすることによって、視聴者は受信状況を視覚的に簡潔に把握することが可能となる。後述する図5(c)表示例3のような表示方法が一例として挙げられる。
また、受信感度パラメータを時間軸に沿ったグラフ図に示すことにより、受信感度情報の時間依存性を把握することが可能となり、視聴者は現在地周辺における最適受信位置を簡易に検索することが可能となる。後述する図5(d)表示例4のような表示方法が一例として挙げられる。また、図5(c)表示例3において、ポインティング502の時間履歴を残して表示する方法も有効であろう。
また、本発明のデジタル放送受信装置においては、前記受信感度情報が放送受信に必要な値を下回ると、受信不能時画面を自動的に表示するようにすることができる。このとき、前記受信不能時画面には、前記受信感度情報が表示されるようにしてもよい。
また、本発明のデジタル放送受信装置は、表示画面とは独立に前記受信感度情報を表示する表示部を備えていることができる。
これにより、映像および受信感度情報を同時に表示でき、映像を見ながら受信環境を確認することが可能となるだけでなく、メイン画面を表示することなく、簡易に受信環境のみを確認することも可能となる。
さらに、本発明のデジタル放送受信装置は、現在位置を検出する位置情報検出手段と、外部の通信局との通信を行う通信手段とをさらに備えており、前記通信手段により、現在位置情報を通信局に送信し、通信局から現在位置情報に基づいたデジタル放送のサービス情報を受信し、受信したサービス情報に基づいて受信可否を判断することを特徴とする。
これによって、放送の有無およびユーザの位置における放送受信の可否(放送サービスエリア内にいるか否か)をユーザは直接知ることができ、そもそも放送が存在せず受信できない場合に、ユーザが無駄に受信感度を上げようとする労力を省くことができる。
また、本発明のデジタル放送受信装置において、前記サービス情報には、デジタル放送の各チャンネルのTMCC情報(伝送多重制御信号)が含まれていることを特徴とする。
TMCC情報とは、各放送チャンネルのTS(トランスポートストリーム)や伝送方式に関する情報で、本発明においては、放送受信可否の基準となる受信感度パラメータの所要値に関する情報である。TMCC情報は通常放送波に多重されて送信されるが、放送波を受信できない場合はTMCC情報自体を取得することができない場合も多く、受信感度パラメータを基準値と比較することができなくなってしまう。そこで、通信経由でこの情報を得ることが有効となる。
また、本発明のデジタル放送受信装置において、前記TMCC情報は、デジタル放送の受信によって取得できない場合には、前記通信手段により取得することを特徴とする。
TMCC情報は、通常、デジタル放送の放送波から取得するものであるが、放送波が受信できない場合には、前記通信手段により外部の通信局から受信することができる。これにより、受信感度の表示をより確実に行うことが可能となる。
また、本発明のデジタル放送受信装置は、前記受信感度パラメータと、前記TMCC情報とに基づいて受信感度情報を決定することを特徴とする。さらに、本発明のデジタル放送受信装置は、前記TMCC情報からデジタル放送の受信に必要となる受信感度パラメータの所要値を算出し、前記受信感度パラメータと比較することにより、受信感度情報を決定することを特徴とする。
TMCC情報により、当該放送伝送方式における受信感度パラメータの受信に必要な、いわゆる所要値が規定される。これによって、選局した放送番組ごとに的確な受信感度表示を行うことができる。
本発明のデジタル放送受信装置は、さらに、前記サービス情報に含まれるデジタル放送伝送路の気象条件に関する情報を用いて、前記受信感度パラメータの所要値を算出することを特徴とする。
本発明のデジタル放送受信装置は、さらに、自機の移動速度に関する情報を用いて、前記受信感度パラメータの所要値を算出することを特徴とする。
受信感度パラメータの所要値は伝送路の気象条件や受信端末の移動速度によって、その値が異なることが知られている。そこで、通信経由で受信端末から送られる位置情報(GPS情報に基づくものであれば、速度情報も含む)に基づき、通信局側で当該ユーザの状況に対応したパラメータ所要値を規定することもできる。これによって、ユーザは受信環境に応じた、より的確な受信感度を把握することが可能となる。
また、本発明のデジタル放送受信装置は、前記受信感度パラメータの所要値として、所要受信電力及び所要C/N比を算出し、前記受信感度パラメータとして検出された受信電力及びC/N比と比較することにより、受信感度情報を決定することを特徴とする。
これによって、各放送番組に対応した的確な受信感度情報を得ることができる。なお、チャンネルによってデジタル放送のTMCC情報が一律に規定されている場合は、所要受信電力と所要C/N比は規定値をそのまま使用してもよい。また、過去に受信できていた場合は、その時取得したTMCC情報を使用してもよい。
また、本発明のデジタル放送受信装置は、前記受信感度パラメータとして検出された受信電力xと前記所要受信電力x1とで表される受信電力評価関数f(x,x1)と、前記受信感度パラメータとして検出されたC/N比yと前記所要C/N比y1とで表されるC/N評価関数g(y,y1)と、を算出し、これらのうち値の小さい方を総合感度Yとすることを特徴とする。
すなわち、総合感度Y(%)=Min{f(x,x1)、g(y,y1)}となる。
所要受信電力、所要C/N比を受信感度算出の基準とする評価関数で、受信電力とC/N比を各々独立に評価し、その評価の低い方を総合受信感度とすることによって、より実質的な受信感度を表示することが可能となる。
本発明のデジタル放送受信装置において、前記受信電力評価関数f(x,x1)及び前記C/N評価関数g(y,y1)は、それぞれ、下記の式によって定義される。
但し、a及びbは受信電力の感度の下限及び上限を規定する定数であり、c及びdはC/N比の感度の下限及び上限を規定する定数であるものとする。
これらの評価関数を用いることによって、下限値、上限値を任意に設定し、所要値を100%とする受信感度表示が可能となる。
また、本発明のデジタル放送受信装置は、さらに、前記受信電力評価関数f(x,x1)及び前記C/N評価関数g(y,y1)を前記受信感度情報として表示することを特徴とする。
これによって、受信感度が悪い場合、その要因(受信電力が弱いのか、ノイズが多いのか等)を明示することが可能となる。
また、本発明のデジタル放送受信装置は、デジタル放送の受信に必要となるBERの所要値を算出し、前記検出されたBERの値と比較することにより、前記受信感度情報を決定することを特徴とする。
さらに、具体的には、前記検出されたBERをzとし、前記所要BERをz1としたときに下記の式で表される関数h(z,z1)を算出し、これを用いて前記受信感度情報を決定することを特徴とする。
但し、k及びlはBERの感度の下限及び上限を規定する定数であるものとする。
このような受信感度算出方法を用いることによって、下限値、上限値を任意に設定し、所要値を100%とする感度表示が可能となる。
また、本発明のデジタル放送受信装置において、前記BERはデジタル放送の受信により検出されるビタビ復号出力BERであり、前記所要BERはz1 = 2×10exp-4であることを特徴とする。
これにより実質的な感度表示が可能となる。
尚、上記した各算出式は、一次関数や対数関数を用いた一例であって、感度表示に関して上限、下限の設定を行い、実際の受信感度を基準値(所要値:受信に必要とされる最低値)と相対評価する計算方法であれば、他にも様々な関数を用いることが可能である。
また、本発明のデジタル放送受信装置は、デジタル放送により受信した映像を表示する表示部をさらに備えており、前記表示部は、受信映像の表示領域と前記受信感度情報の表示領域とに分かれていることを特徴とする。
このような構成により、デジタル放送を受信できない場合には、前記映像表示領域には何も表示を行わず、前記その他の領域にのみ受信感度情報を表示することが可能となる。充電器を使用する移動機、特に携帯電話等の電池容量の小さい端末でデジタル放送を受信する場合、受信不可能な状態であるにも関わらず、表示画面を明るい状態のまま保つことは好ましくない。
そこで、本発明では、デジタル放送を受信できない場合には、前記受信映像表示領域は発光させず、前記受信感度情報の表示領域のみ表示を行うことを特徴としている。
なお、同一ディスプレイを多領域化する場合は自発光型、特に有機ELディスプレイで有効であり、複数のディスプレイを用いる場合は自発光型のみならずライトを用いる液晶ディスプレイにおいても有効である。アナログテレビと異なり、受信するデジタル放送画面は映るか映らないかの二値の状態しかないので、画面を見ながらの受信調整ができない。本発明においては受信感度表示を実現しているので、その領域のみ表示を行えば十分であるし、低消費電力化の観点からは必要である。
また、本発明のデジタル放送受信装置は、前記受信感度情報に応じて輝度が変化することを特徴とする。特に、デジタル放送の受信感度が、所要の値に満たない場合には、前記受信感度と前記所要の値との差分に応じて、前記表示部の輝度を低下させることを特徴とする。
感度低下に応じて輝度を低下させることによって、視覚的に、直接的に受信感度情報を示すことができるのみならず、無駄な電力消費を抑えることにもなる。これはどのタイプのディスプレイにも適用可能である。
また、上記表示部が半透過または透過型液晶ディスプレイであれば、バックライトの輝度を受信感度に応じて調整し、反射型液晶ディスプレイであれば、フロントライトの輝度を受信感度に応じて調整することが望ましい。これによって低消費電力化が可能となる。
尚、本発明のデジタル放送受信装置は、携帯電話端末、車載用端末、据え置き型デジタル放送受像機、携帯情報通信端末(PDA等)などにおいて内蔵されるものである。
また、本発明のデジタル放送受信装置は、特に地上デジタル放送を受信可能であることを特徴とする。
以上、説明したように、本発明のデジタル放送受信装置によれば、視聴者は、現在の受信環境下における受信感度情報を把握することが可能となり、受信環境が悪い場合には、アンテナの方向や受信位置などの環境を調整することにより、受信に好適な環境を検索することが可能となる。
特に、本発明のデジタル放送受信装置では、2値的ではなく連続的な受信感度パラメータが提供されるので、視聴者はこれらのパラメータに基づいて、受信に好適な環境を効果的に検索することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、本発明のデジタル放送受信装置の実施形態として、地上デジタル放送の受信装置を例示するが、本発明のデジタル放送受信装置はこれに限定されるものではなく、衛星デジタル放送等の受信装置においても実施可能である。
第1実施形態
本発明のデジタル放送受信装置の第1実施形態は、携帯電話端末に内蔵される地上デジタル放送受信装置である。図1は、本実施形態の地上デジタル放送受信装置の構成を示す機能ブロック図である。
このような構成を有する携帯電話端末において、アンテナ101により受信された地上デジタル放送信号は、チューナ102、OFDM復調器103、デコーダ部104を経由して音声信号と映像信号とに復元され、音声信号は音声信号処理部115を経由してスピーカ117で再生され、映像信号は映像信号処理部118へ入力され、ディスプレイ119で表示される。
また、アンテナ110から受信された携帯電話通信信号は、RF処理部111、ベースバンド処理部113と電話音声処理部114からなるw-CDMA処理部112を通じてマイク116及びスピーカ117で再生される。
この携帯電話端末において、携帯電話通信信号を通じてインターネット接続をする場合には、携帯電話通信信号に含まれる通信情報は、ベースバンド処理部113からデコーダ部104及び映像信号処理部118を経由し、ディスプレイ119において表示される。
制御部109は、この携帯電話端末の各構成部分を制御している。上記以外の構成部分については、従来の地上デジタル放送受信装置と同様のものであるとする。
図2は、上記携帯電話端末のOFDM復調器103の内部構成を示す機能ブロック図である。図2において、直交復調部201には、図1に示す携帯電話端末のチューナ102でIF信号に変換された放送信号がデジタル化されて入力されるようになっている。
直交復調部201に入力された放送信号は、位相補正部202、FFT部203、フレーム同期部204を経て、検波部205に入力される。検波部205では、放送信号のC/N(Carrier to Noise)比に関するパラメータが検出され、C/N比出力部213に出力される。
検波部205から出力されるTS(Transport Stream)信号は、周波数・時間デインターリーブ部206、ビットデインターリーブ部207、ビタビ復号部208、バイトデインターリーブ部209、エネルギー拡散部210、TS再生部211、RS(Reed-Solomon)復号部212を経て、BER(Bit Error Rate、誤り率)に関するパラメータはBER出力部214を通じて図1に示す携帯電話端末の制御部109に、TS信号はTS出力部215を通じてデコーダ部104にそれぞれ出力される。
ここで、BERはRS復号をOFFにした時の値を出力し、この値が基準値を満たす場合に、RS復号をONにしてTSを出力するように設定することも可能である。また、後述するように受信映像と受信感度を同時に表示する場合には、C/N比とRS(Reed-Solomon)復号後のBERを検出し、TSも常にデコーダ部104に送出しておくことも可能である。
尚、図2に示すOFDM復調器103内部の各構成部分は、従来のOFDM復調器に含まれるものと同様に構成されているものであるから、各構成部分についての説明は省略する。
次に、上記のように構成された本実施形態のデジタル放送受信装置において、受信したデジタル放送及び受信感度情報を表示する形態について説明する。図3は、本実施形態のデジタル放送受信装置を内蔵した携帯電話端末の表示画面の構成例を示す図である。
図3において、(a)は本携帯電話端末のメニュー画面の表示例である。この表示例では、電池残量、通信感度等を示す表示部301と、メニュー選択項目を示す表示部302とから表示画面を構成している。メニュー選択項目は、TV、ウェブ、メール、住所録及びスケジュールの項目を含んでいる。以下、表示部302においてTV、すなわち本実施形態のデジタル放送受信装置を利用して地上デジタル放送を受信することを選択した場合について、本携帯電話端末の表示例を説明する。上記したその他のメニュー選択項目については、従来の携帯電話端末に含まれている機能と同様であるので、ここでは説明を省略する。
(a)に示すメニュー画面においてTVを選択すると、(b)に示す通信・放送表示画面が表示される。通信・放送表示画面は、表示部301、放送表示部303及び通信表示部304から構成されている。ここで、放送表示部303には受信した地上デジタル放送のコンテンツが表示されており、通信表示部304にはコンテンツに付随して送信されているコンテンツ関連情報やデータ放送などが表示されている。
通信表示部304において「感度」を選択すると、(c)に示す放送・受信感度表示画面が表示される。放送・受信感度表示画面は、表示部301、放送表示部303及び受信感度表示部305から構成されている。受信感度表示部305には、放送の受信感度が棒グラフ状に表示されている。本表示例では、例えば、受信感度が100以上であれば、正常に放送受信が可能であるとすることができる。
本携帯電話端末において、放送の受信感度が所定の値より低いため放送が正常に受信できない場合には、(d)に示す受信不能時の表示画面が表示されるようになっている。受信不能時の表示画面は、表示部301、放送表示部303及び受信感度表示部305から構成されており、放送表示部303には、放送コンテンツの代わりに「受信できません」のメッセージが表示されるようになっている。
本実施形態のデジタル放送受信装置は、携帯電話端末に内蔵されるものであるため、視聴者が移動することにより放送の受信感度が逐次変化することになる。したがって、正常に放送を受信している(b)又は(c)の表示画面と、受信不能時の(d)の表示画面とは、受信感度に応じて自動的に切り替わるようになっているのが好ましい。
本実施形態のデジタル放送受信装置では、上記のように、放送表示部303と受信感度表示部305とを別々に表示しているので、受信環境が悪い場合には、受信感度表示部305において受信感度を見ながらアンテナの向きや受信位置を調整することが可能となる。
図4は、上記の携帯電話端末において、視聴者がデジタル放送の受信を選択してから、映像表示が行われるまでの動作、及び受信感度の変化による表示画面の切り替えの動作を示すフローチャートである。尚、以下において、携帯電話端末側の動作は、図1に示す制御部109が制御しているものとする。
まず、視聴者は、図3に示す(a)メニュー画面かにおいてTV受信を選択する(ステップ401)。次の画面(図示せず)において、受信チャンネル、表示形態等を選択すると(ステップ402)、携帯電話端末は、チューナ102及びOFDM復調器103から得られる受信感度情報(後に説明する)を検出する(ステップ403)。携帯電話端末はさらに、この受信感度情報に基づいて、現在の受信感度が上記で選択したチャンネルの放送を受信するのに必要な所定の基準値を満たしているかどうかを判定し(ステップ404)、基準を満たせば映像を表示する(ステップ405)。
現在の受信感度が所定の基準値を満たさない場合には、図3の(d)受信不能時の表示画面の例に従って、受信不能であることを表示する(ステップ406)とともに、受信感度情報を表示する(ステップ407)。
このとき、視聴者は、受信感度情報を見ながら、アンテナの方向や受信位置などを変更して放送受信に適した検索することができる(ステップ408)。この受信環境の変更により、受信感度が変化すると、再び、現在の受信感度が放送受信に必要な所定の基準値を満たしているかどうか判定する(ステップ409)。
上記基準値を満たす場合には、上記で選択したチャンネルの放送を受信し、その映像を表示する。上記基準値を満たさない場合には、携帯電話端末は、図3の(d)受信不能時の表示画面を引き続き表示する。視聴者は、さらに受信環境を変更して、放送受信に適した検索することができる。
次に、本実施形態のデジタル放送受信装置において、受信感度を測定する方法について説明する。本実施形態では、受信感度パラメータとして、受信電力と受信信号のC/N比とを用いる。図1において、チューナ102は受信電力を検出し、OFDM復調器103(図2に示すC/N比出力部213において)は受信信号のC/N比を検出し、それぞれを制御部109に出力するようになっている。また、OFDM復調器103は、受信信号のBERを図2のBER出力部から制御部109に出力するようになっている。
制御部109は、入力されたこれらの情報を所定の基準に照らし合わせて、受信感度情報を算出し、映像信号処理部118を通じてディスプレイ119に出力する。
ここで、受信感度情報を算出するための基準については、様々な実施態様が考えられる。例えば、受信電力及びC/N比の各パラメータについては、放送に用いられている各変調方式に対応した受信基準値を100%に設定とし、その一般的な変動幅に応じて値も妥当な範囲で変化するような換算値とすることができる。これにより、各パラメータが実質的に2値しか取りえないような状況を回避することができる。
受信電力及びC/N比の各パラメータを総合評価して受信感度情報を算出する場合には、例えば、ビタビ復号後のBER値を検出し、この値が擬似エラーフリーとなる閾値 BER=2 × 10-4であるときの受信状態を受信感度100%の基準とすることができる。
BER値を利用しない場合には、C/N比と受信電力とに、予め導出してある計算式を適用して、受信感度を算出することもできる。あるいは、より簡易な方法としては、C/N比と受信電力のうち条件の悪い方を選択し、その値を受信感度情報としてもよい。
ところで、本実施形態のデジタル放送受信装置において、受信感度情報の表示形態は、図3に示す受信感度表示部305の例に限られるものではない。図5は、受信感度情報の他の表示形態を示す図である。尚、図5に示す各表示例は、携帯電話端末の表示画面全体で表示されるものであり、例えば、図3の(b)通信・放送表示画面及び(c)放送・受信感度表示画面などにおいて、ユーザが操作することにより、又は受信感度等に基づいて自動で、表示画面が図5に示す各表示例に切り替えられるようにすることができる。
図5において、(a) に示す表示例1では、C/N比(C/N)、受信電力(Power)、及びこれらを総合評価した受信感度(Total)のそれぞれを棒グラフ状に表示している。また、(b) に示す表示例2では、上記総合評価した受信感度のみを棒グラフ状に表示している。これらの表示形態によれば、視聴者は現在の受信状態を連続的なパラメータを通して把握することが可能となり、これらの情報に基づいて、アンテナの位置や受信位置を変更して好適な受信環境を検索することができる。
図5の(c)に示す表示例3では、受信電力及びC/N比を二次元的にマッピングして表示している。図中、ポイント502は現在の受信状況を示している。これにより、視聴者は受信電力及びC/N比ともに好適な受信環境を、2次元的な情報に基づいて検索することが可能となる。
図5の(d)に示す表示例4では、現在までの受信感度を時間軸に沿って表示している。これによれば、同じ受信位置でも受信感度に時間依存性がある場合、あるいは気象条件や様々な環境条件により受信感度が変化する場合などに、受信感度の変化のパターンを知ることが可能となる。
以上、本実施形態のデジタル放送受信装置における受信感度情報の表示例を示したが、受信感度情報の表示方法は、これらの他にも、表示端末の種類、使用形態、視聴者の好み等で様々なパターンが考えられる。
上記した本実施形態のデジタル放送受信装置によれば、受信環境が悪化した場合に、視聴者は、画面に表示される受信感度情報に基づいて、放送受信に適した状態を検索することが可能である。
第2実施形態
次に、本発明のデジタル放送受信装置の第2実施形態について説明する。本実施形態のデジタル放送受信装置は、主に屋内で使用される据え置き型の地上デジタル放送受信装置である。尚、本実施形態のデジタル放送受信装置は、表示画面の形態において特徴を有するものであるが、その他の構成及び動作は、第1実施形態のデジタル放送受信装置とほぼ同様である。
図6は、本実施形態のデジタル放送受信装置の表示画面の構成例を示す図である。本デジタル放送受信装置は、映像表示部601、アンテナ602、スピーカ603を有しており、内部構成は、図1及び図2示すものと同様である。
図6において、(a)に示す放送受信可能時には、受信した映像が表示されるが、(b)に示す放送受信不能時には、受信感度情報が表示される。図中、(b)に示す受信感度情報は、図5の(a)表示例1にならったものであるが、他の(b)表示例2〜(d)表示例4にならった表示形態としてもよく、あるいはこれら以外の表示形態をとることも可能である。
また、図6の(a)に示す画面と(b)に示す画面との切り替えは、受信感度により自動的に切り替わるようにしてもよく、あるいは視聴者の操作により切り替わるようにしてもよい。
以上のような特徴を有する本実施形態のデジタル放送受信装置によれば、屋内に受信装置を配置しようとする場合に、受信感度情報に基づいて、受信に好適な設置位置を検索することが可能である。例えば、受信電力は十分であるがC/N比が低い場合は、ノイズを発生させる原因となりそうな家電から離れた場所や周りに妨害物のない見通しのいい場所に設置位置を移動するようにし、受信電力が低い場合は、窓際や、反射波、定在波が受信できる場所に設置位置を移動させるようにすることができる。
第3実施形態
次に、本発明のデジタル放送受信装置の第3実施形態について説明する。本実施形態のデジタル放送受信装置は、携帯情報通信端末(PDAなど)に内蔵される地上デジタル放送受信装置である。尚、本実施形態のデジタル放送受信装置は、表示画面の形態において特徴を有するものであるが、その他の構成及び動作は、第1実施形態のデジタル放送受信装置とほぼ同様である。
図7は、本実施形態のデジタル放送受信装置の表示画面の構成例を示す図である。本デジタル放送受信装置は、放送表示部701、通信表示部702、受信感度表示バー703及び操作部704を有しており、内部構成は、図1及び図2示すものと同様である。
本実施形態においても、上記の第1実施形態同様、受信環境が悪化した場合に、視聴者は、画面に表示される受信感度情報に基づいて、放送受信に適した状態を検索することが可能である。
第4実施形態
次に、本発明のデジタル放送受信装置の第4実施形態について説明する。本実施形態のデジタル放送受信装置は、上記した第1〜第3実施形態のいずれかの構成備えるとともに、さらに、各放送チャンネルのTS(トランスポートストリーム)や伝送方式に関する情報を含んだTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control、伝送多重制御信号)情報を取得し、これを放送受感度の測定に利用する手段を備えていることを特徴とするものである。
図10は、本実施形態のデジタル放送受信装置において、TMCC情報を利用して受信感度を測定する方法の一例を示す概念図である。
図10において、地上デジタル放送信号はアンテナ1001により受信され、フロントエンド部1003において受信処理が行われ、携帯電話信号はアンテナ1002により受信され、RF処理部1004において受信処理が行われるようになっている。ここで、フロントエンド部1003とは、地上デジタル放送信号の受信に必要なチューナ、復調器、デコーダ等の機能を備えた処理部であり、図1に示すものと実質的に同一の構成部分である。
通常、TMCC情報は、地上デジタル放送に多重されて送信されているので、フロントエンド部1003は、受信した地上デジタル放送信号の中から、TMCC情報1006を抽出する。本実施形態のデジタル放送受信装置は、このTMCC情報1006から、各放送番組の受信に必要とされる所要受信電力や所要C/N比などを導出することを特徴としている。
上記の所要受信電力や所要C/N比は、例えば、地上デジタル放送信号の変調方式や符号化率などにより決まるものである。図11は、このような変調方式、符号化率と所要C/N比との関係を例示する表である。この表を参照すると、変調方式が16QAM1/2では所要C/N比が11.5[dB]であり、変調方式がQPSK2/3では所要C/N比が6.6[dB]であることが分かる。
また、本実施形態のデジタル放送受信装置は、TMCC情報1006から導出される所要受信電力や所要C/N比と、実際に測定される受信感度パラメータ1005とから、受信感度算出式1008を用いて受信感度を実際に算出する。
図10に示す受信感度算出式1008において、xは検出受信電力、x1は所要受信電力、yは検出C/N比、y1は所要C/N比であり、これらのパラメータを用いて、受信電力評価関数f(x,x1)及びC/N評価関数g(y,y1)が以下の2式によって表わされる。
但し、a及びbは受信電力の感度の下限及び上限を規定する定数であり、c及びdはC/N比の感度の下限及び上限を規定する定数であるものとする。
受信感度算出式1008は、受信電力評価関数f(x,x1)及びC/N評価関数g(y,y1)のうち値の小さいものを取る式であり、その算出結果を総合受信感度Yとすることができる。
例えば、16QAM1/2の1seg放送番組を受信する場合には、上記の受信電力評価関数f(x,x1)及びC/N評価関数g(y,y1)を求める式において、所要受信電力x1=-86[dBm]、所要C/N比y1= 11.5[dB]、a=-100[dBm]、b=-70[dBm]、c=5[dB]、d=15[dB] の値を用い、この時検出された受信感度パラメータの値がx=-83[dBm]、y=6[dB]であったとすると、以下の計算結果が得られる。
f(x=-80,x1=-86)=121[%]
g(y=6,y1=11.5)=15[%]
Y=Min(f,g)=g=15[%]
したがって、このときの受信感度情報としては、総合感度である15[%]が表示されることになる。
また、上記と同様の条件で、検出された受信感度パラメータの値がx=-90[dBm]、y=10[dB]であったとすると、以下の計算結果が得られる。
f(x=-90,x1=-86)=71[%]
g(y=10,y1=11.5)=77[%]
Y=Min(f,g)=f=71[%]
したがって、このときの受信感度情報としては、総合感度情報である71[%]が表示されることになる。
上記した例においては、総合感度Yの値を受信感度情報として表示しているが、これに代えて、あるいはこれと同時に、受信電力感度及びC/N感度gとして、それぞれ、受信電力評価関数f(x,x1)及びC/N評価関数g(y,y1)の値を表示することも有効である。
また、図10において、受信感度パラメータ1005にはデジタル放送受信時に検出されるビタビ復号出力BERの値を用いて、前記受信感度情報を決定することも可能である。具体的には、検出されたBERをzとし、所要BERをz1としたときに下記の式で表される関数h(z,z1)を算出する。
但し、k及びlはBERの感度の下限及び上限を規定する定数であるものとする。
例えば、所要BERがz1=2x10exp-4であり、各定数をk=2、l=5と規定し、デジタル放送受信時に検出されるBERの値がz=1x10exp-3であったとすると、関数h(z,z1)の計算結果は以下のとおりになる。
h(z=1x10exp-3, z1=2x10exp-4)=59[%]
したがって、このときの受信感度情報としては、59[%]が表示されることになる。
図12は、上記した受信感度情報の算出及び表示の態様を概念的に示す図である。本実施形態のデジタル放送受信装置では、図12に示すように、TMCC情報に基づいて、受信感度パラメータの下限値、基準値及び上限値を規定し、検出した受信感度パラメータをその規定値と比較することによって、受信感度表示部1201に受信感度情報を視覚的に表示することが可能となることを特徴としている。
尚、図12では、TMCC情報から規定される受信感度パラメータの下限値、基準値及び上限値を、それぞれ、受信感度0%、受信感度100%及び受信感度120%に対応させているが、これらの尺度の取り方は任意に設定することができるものである。
また、上記した各算出式は一次関数や対数関数を用いた一例であって、感度表示に関して上限、下限の設定を行い、実際の受信感度を基準値(所要値:受信に必要とされる最低値)と相対評価する計算方法であれば、他にも様々な計算式を用いることが可能ということになる。
ところで、図11に示す所要C/N比と変調方式、符号化率の関係は伝送路の気象状況や受信機の移動速度に依存することが知られている。特に、衛星放送に対する気象状況、地上放送に対する電波塔と移動機の位置・相対速度は受信特性に大きな影響を与える。そのような影響も考慮して図11のような受信パラメータの所要値を再構築すれば、より有効な受信感度表示が可能となる。
さらに、図10に示すように、RF処理部1004を通じて通信回線(公衆回線網など)経由で、TMCC情報1006を取得する手段も考えられる。これは、放送波からTMCC情報が得られなかった場合に取得代替方法として有効であるのみならず、その他の放送情報を得るという意味でも有効である。
また、この場合には、放送情報・位置情報取得部1007をさらに備えることにより、デジタル放送受信装置の現在位置に対応した放送サービス情報をユーザに提供することが可能となる。そこで、受信感度算出式1008による計算結果と、位置及び放送サービスエリアの比較から得られる情報1009とに基づいて、さらに詳細な受信感度情報を提供することができる。
図13は、本実施形態のデジタル放送受信装置において、受信感度情報を表示する動作の流れを例示するフローチャートである。
図13において、ユーザは、まず、デジタル放送を受信するためにTVを選択し(ステップ1301)、視聴するチャンネルを選択する(ステップ1302)。本実施形態のデジタル放送受信装置は、選択されたチャンネルの放送が受信できるかどうかを判定する(ステップ1303)。
放送受信が可能である場合には、そのチャンネルを表示部において表示する。また、これに伴って、デジタル放送受信信号からTMCC情報を取得し、また、受信感度パラメータを検出する(ステップ1304)。これらのデータから受信感度情報を随時算出し(ステップ1305)、受信感度表示部において表示を行う(ステップ1306)を行うことができる。
一方、放送受信ができない場合には、GPS機能によりデジタル放送受信装置の現在位置を検出し、あるいは、ユーザが現在位置を入力し(ステップ1307)、これを通信局に通知することにより(ステップ1308)、通信回線経由で、当該ユーザの現在位置における放送関連情報(TMCC情報を含む)を取得することができる(ステップ1309)。
続いて、本実施形態のデジタル放送受信装置は、上記において取得した放送関連情報から、ステップ1302においてユーザが選択したチャンネルの放送サービスエリア内にユーザがいるかどうかを判断する(ステップ1310)。ユーザが、当該チャンネルの放送サービスエリア内にいない場合には、当該位置で放送が行われていないことを、表示部又は受信感度表示部に表示する(ステップ1311)。
ユーザが、当該チャンネルの放送サービスエリア内にいる場合には、ステップ1304に進み、上記において取得した放送関連情報に含まれるTMCC情報を取得し、受信感度パラメータを検出する(ステップ1304)。これらのデータから受信感度情報を随時算出し(ステップ1305)、受信感度表示部において表示を行う(ステップ1306)を行うことができる。このとき、受信感度パラメータとして検出できないものがある場合はその旨を表示してもよいし、検出できたパラメータのみを用いて受信感度を算出してもよい。
なお、過去に放送を受信できていたが、現在受信できない状態であるという場合には、過去のTMCC情報をメモリに記録しておき、その情報を利用することも可能である。
図14は、本実施形態のデジタル放送受信装置における表示画面の構成例を示す図である。図14に示す表示画面は、電池残量・通信感度等表示部1401と、放送表示部1402と、受信感度表示部1403とから構成されている。
電池残量・通信感度等表示部1401は、電池残量や通信感度を表示する領域であり、放送表示部1402は、受信したデジタル放送の映像を表示する領域であり、受信感度表示部1403は、受信感度情報を示すほか、データ放送や通信用コンテンツの表示にも利用できる領域である。
図14の(a)に示すように、本実施形態のデジタル放送受信装置において、デジタル放送を受信できない場合には、放送表示部1402には何も表示を行わずに、受信感度表示部1403にのみ受信感度情報を表示することができる。このような表示は自発光ディスプレイにおける省電力化に有効であり、表示部が有機ELディスプレイから構成されている場合には特に有効である。
一方で、表示部に液晶ディスプレイを用いた場合には、通常、全面発光型のバックライト又はフロントライトを使用するため、一画面のうちある領域だけを表示しようとしても、結局全画面に光を当てることになってしまうため、図14の(a)に示すような表示方法では、低消費電力化には効果がない。そこで、次のような表示方法により省電力化を行うことが考えられる。
図15は、本実施形態のデジタル放送受信装置における他の表示態様を概念的に示す図である。この方法は、デジタル放送の受信感度に応じて、表示部全体の輝度を変化させるものである。
具体的には、デジタル放送が受信できない状態では、通信回線などを経由して得られるTMCC情報等により上記した方法で受信感度を算出し、これに応じた輝度で表示部を表示する。例えば、受信感度が0%に近い状態では、ほぼ真っ暗な表示画面とし、受信感度が上昇するにつれて明るくなるようにすることができる。また、デジタル放送が受信可能となった時点で、表示部に放送を表示するようにすればよい。このときは、輝度を一定にして表示するものとする。
これにより、受信感度表示部を特に設けなくても、画面の輝度を受信感度と関連づけることによって、ユーザに受信感度を教示することができる。また、視覚的に直接的にユーザへ受信感度を示すという点では、受信感度に応じて色調を変化させる方法も適用可能であろう。
なお、上記した各表示方法は液晶ディスプレイに限らず、あらゆる表示素子に適用可能である。
以上、本発明のデジタル放送受信装置の各実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更を加えることが可能である。