JP2007336026A - 無線通信装置及び周波数チャネル設定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両移動中においてもデータ転送に支障をきたすことなく周波数チャネルの設定変更を行うことができ、通信品質の確保に寄与することができる「無線通信装置及び周波数チャネル設定方法」を提供すること。
【解決手段】他の無線通信装置との間で設定された周波数チャネルで無線通信を行うよう適応された車載端末(無線通信装置)において、所定の通信モードで他の無線通信装置と通信を行っている状態で(S1)車両の移動を検出したときに(S2)、外部から受信されるデータに含まれるMACアドレスを参照して現在使用中の周波数チャネルの混雑状況を判断し(S3,S5)、混雑していると判断した場合に他の無線通信装置との同期をとって(S6,S7)他の周波数チャネルへの設定変更を行う(S8)。
【選択図】図2
【解決手段】他の無線通信装置との間で設定された周波数チャネルで無線通信を行うよう適応された車載端末(無線通信装置)において、所定の通信モードで他の無線通信装置と通信を行っている状態で(S1)車両の移動を検出したときに(S2)、外部から受信されるデータに含まれるMACアドレスを参照して現在使用中の周波数チャネルの混雑状況を判断し(S3,S5)、混雑していると判断した場合に他の無線通信装置との同期をとって(S6,S7)他の周波数チャネルへの設定変更を行う(S8)。
【選択図】図2
Description
本発明は、無線信号を伝送するのに使用する周波数チャネルを自動的に変更する技術に係り、特に、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)において空いているチャネルを自動的に検索し設定する機能を備えた無線通信装置及び該装置において行う周波数チャネル設定方法に関する。
近年、無線LANシステムに関するプロトコルとして、米国電気電子技術者協会(IEEE)が制定した2.4GHz帯を利用したIEEE802.11が普及している。その一方で、放送サービスのデジタル化が進み、双方向サービスや蓄積型サービス等の新サービスが始まっており、また、ネットワークのブロードバンド化等により、CDプレーヤやDVDプレーヤ等のオーディオ/ビデオ(A/V)情報関連機器はネットワーク化し、家庭用のパーソナルコンピュータ(以下、便宜上「PC」ともいう。)やノートPCなどもA/V機器化している。
無線LANを構築する場合、各無線通信装置(PC、車載端末等)について通信を確立するためのネットワーク設定を行う必要があり、これを行うには、通信モードの選択や通信チャネルの設定、SSID(Extended Service Set ID) 等の各種情報を入力する必要がある。SSIDはネットワークを識別するための情報であり、同一のSSIDを設定した無線通信装置間の通信を可能にするものである。通信チャネルは使用する無線の周波数を特定するためのパラメータであり、IEEE802.11の規格では、14個の周波数チャネルが用意されており、隣接する各周波数チャネル間においては周波数帯域が重複している。通信モードは通信方式を指定するためのパラメータであり、IEEE802.11の規格では、すべての通信を「アクセスポイント」と呼ばれる中継機器を経由して行う方式(インフラストラクチャモード)と、アクセスポイントを経由せずに無線通信装置間で直接通信を行う方式(アドホックモード)を利用することができる。
例えば、インフラストラクチャモードのネットワークにおいて、アクセスポイントは、ネットワーク内で使用する周波数チャネルを設定する機能を有し、1つの無線ネットワークにおいて1つの周波数チャネルを使用する。また、端末は、同じSSIDのアクセスポイントの周波数チャネルを検出し、同じ周波数チャネルとなるアクセスポイントとの間で通信を行う。そして、端末はアクセスポイントにより制御されることで、使用する周波数チャネルが設定される。IEEE802.11の規格では、物理層における使用周波数設定方式として直接拡散スペクトラム方式が規定されているが、この直接拡散スペクトラム方式を利用した無線LANシステムにおいて、アクセスポイントで使用する周波数チャネルが他のネットワークの周波数チャネルと重複したり、隣接する周波数チャネルが他の機器で使用されていると、周波数チャネル間で電波干渉が発生して通信スループット(通信品質)が低下することになる。これを避けるためには、各周波数チャネルの使用状況を把握し、使用していない(空いている)周波数チャネルに再設定する必要がある。
この周波数チャネルの再設定(設定変更)は、従来はネットワーク管理者によってマニュアル的に行われていたが、近年、IEEE802.11hという新しい規格に基づき、使用周波数チャネルを動的に選択する方式(DFS:Dynamic Frequency Selection )が提案されている。これは、5GHz帯を利用した無線LANシステムに使用され、アクセスポイントと端末の間でチャネル変更用の制御パケットを使用して自動的に周波数チャネルを電波状態が良好なチャネルに変更する技術である。
上記の従来技術に関連する技術としては、例えば、特許文献1に記載されるように、無線通信装置と無線通信端末との間で直接拡散スペクトラム方式に従って無線データを送受信するシステムにおいて、周波数チャネルを簡単に最適な周波数チャネルに設定変更すると共に通信中に周波数チャネルが変更するのを回避するようにしたものがある。
特開2003−153337号公報
上述したように従来の技術では、無線LANにおいて周波数チャネル間の電波干渉等により使用周波数チャネルでの通信品質が低下した場合に他の空いているチャネルへ自動的に設定変更を行うようにしたものが提案されている。
しかしながら、この機能(チャネルの自動設定)は、周波数チャネルを設定した地点及びその時点での最良のチャネル(受信電波の状態が最良のチャネル)を選択するものであるため、例えば、移動しながら使用する可能性のある車両に端末(車載端末)を装備し、この車載端末とホスト側の無線通信装置との間でアドホック通信を行った場合、最初に設定した周波数チャネル(最良のチャネル)が、車両の移動後の地点及びその時点では電波環境が悪化している可能性もあるため、必ずしも最良のチャネルであるとは限らない。
かかる不都合は、特に、その無線通信を行っている時間が長いほど顕著に表れる。例えば、音楽データを保有したノートPCを車室内に持ち込み、このノートPCを車載端末とアドホックモードにて無線接続し、ノートPCから車載端末へ音楽データを移し替える際に、その転送に要する時間が、例えば1曲当たり3秒程度で200〜300曲転送する場合を考えると、音楽データの移し替えを終了するまでに10〜15分程度かかることになる。特に、旅行などのように長い距離を移動中にこのような音楽データの移し替えを行うことが想定されるが、このような場合に車両の位置は時々刻々変化するため、当初設定した周波数チャネルが最良のチャネルとなっていない可能性が高くなる。この場合、当該周波数チャネルでの通信品質が低下する。
また、電波環境(電波の受信状況)の悪化によりデータ転送中に通信が途切れてしまい再設定が必要となった場合、転送中のデータの一部が破損するなどデータ転送に支障が生じる可能性もある。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み創作されたもので、車両移動中においてもデータ転送に支障をきたすことなく周波数チャネルの設定変更を行うことができ、ひいては通信品質の確保に寄与することができる無線通信装置及び周波数チャネル設定方法を提供することを目的とする。
上記の従来技術の課題を解決するため、本発明では、1つの無線ネットワークにおいてホスト(データを供給する側の端末もしくはアプリケーション)を識別するために固有のID番号(「MAC(Media Access Control)アドレス」ともいう。)が設定されていることに着目し、このMACアドレスを利用して、使用している周波数チャネルの混雑状況を判断するようにしている。
これに鑑み、本発明の一形態によれば、車両に搭載された無線通信装置であって、前記車両の移動を検出するセンサ手段と、他の無線通信装置との間で通信を行うのに使用する周波数チャネルの設定変更を制御する機能を備えた制御手段とを備え、前記制御手段は、所定の通信モードで前記他の無線通信装置と通信を行っている状態で前記センサ手段により当該車両の移動が検出されたときに、外部から受信されるデータに含まれるMACアドレスを参照して現在使用中の周波数チャネルの混雑状況を判断し、混雑している場合に当該他の無線通信装置との同期をとって他の周波数チャネルへの設定変更を行うことを特徴とする無線通信装置が提供される。
本発明に係る無線通信装置によれば、制御手段により、他の無線通信装置との通信中に当該車両の移動を検出したときに、外部から受信したデータに含まれるMACアドレスから現在使用中の周波数チャネルの混雑状況を判断し、その結果に基づき混雑している場合には、その接続先(他の無線通信装置)との同期をとって当該周波数チャネルの設定変更を行うようにしている。つまり、車両移動中に使用チャネルの混雑状況を判断しながら、当該チャネルが混雑している場合に他の周波数チャネルへの設定変更を行うようにしている。
これによって、従来技術に見られたようなデータ転送中の通信の途切れといった不都合を生じることなく、車両移動中においても周波数チャネルの設定変更を行うことが可能となり、通信品質の確保に寄与することができる。
本発明の他の形態によれば、外部の無線通信装置との間で設定された周波数チャネルで無線通信を行うよう適応された車載端末において、所定の通信モードで前記無線通信装置と通信を行っている状態で車両の移動を検出したときに、外部から受信されるデータに含まれるMACアドレスを参照して現在使用中の周波数チャネルの混雑状況を判断し、混雑していると判断した場合に当該無線通信装置との同期をとって他の周波数チャネルへの設定変更を行うことを特徴とする周波数チャネル設定方法が提供される。
本発明に係る無線通信装置の他の構成上の特徴及びそれに基づく具体的な処理態様等については、後述する発明の実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信装置(車載端末)の構成をその接続先の無線通信装置(携帯端末)の構成と共に概略的に示したものである。本実施形態では、本発明に係る無線通信装置を車載オーディオ/ビデオ(A/V)・ナビゲーションシステムの一部として組み込んだ場合の構成例を示しており、図示の例では、フロント席用操作ユニット(ヘッドユニット(HU))10を車載端末とし、ノートPC20を携帯端末として両者間で「アドホックモード」による直接通信を行う場合を示している。
HU10は、フロント席のユーザ(運転者と助手席の乗員)が車載機器に対して各種設定操作を行うための操作ユニットであり、各ユーザが共用できるように両座席の中間のセンターコンソール上に「操作パネル」の形態で設置されている。このHU10は、車室内の伝送路として供されるバス30に接続されており、さらにバス30を介して、各種A/V機器31、ナビゲーションユニット32、表示ユニット33及びアンプユニット34に接続されている。アンプユニット34にはスピーカ35が接続されており、このスピーカ35は車室内の所定の場所に所要の個数設置されている。各種A/V機器31としては、ラジオ受信機、カセットテープデッキ、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、TV受信機などがある。また、ナビゲーションユニット32には各種センサが設けられており、少なくとも本発明に関連するセンサとして、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信して自車の現在位置の経度及び緯度を検出するGPSセンサ、自車の一定の走行距離毎にパルスを発生する車速センサ等を備えている。これらのセンサは、後述するように自車が移動を開始したかどうかを判定する際に使用される。
表示ユニット33は、例えばLCDモニタからなり、センターコンソール上でHU10の上方に配置されている。この表示ユニット32の画面には、各種A/V機器31のうち映像ソースから出力された映像情報や、ナビゲーションユニット32から出力された映像情報(自車位置の周囲の地図、目的地までの誘導経路、施設検索に係る案内情報など)の他に、ノートPC20(携帯端末)からHU10(車載端末)への映像データのストリーミングにより受信再生された映像情報なども表示される。
本実施形態に係る無線通信装置(車載端末としてのHU10)は、制御部11と、通信コントローラ12と、電界強度検出部13と、操作部14と、表示部15と、メモリ部16とを備えている。12〜16の各機能ブロックは、それぞれ制御部11に動作可能に接続されている。制御部11は、特に図示はしないが、CPUと共にRAM及びROMを備えて構成されている。この制御部11は、基本的には本装置10を含むシステム全体を制御するものであり、例えば、選択中のA/V機器31からバス30を介して送られてくる音声/映像(A/V)データを取得してA/V情報の再生を行う動作、操作状況や動作状態等を指示する情報を表示部15に表示させる動作などの制御を行う。さらに本発明に関連する処理として、後述するようにデータ転送時の周波数チャネルの自動設定変更に係る処理を制御する機能を有している。
通信コントローラ12は、外部の無線通信装置(図示のノートPC20以外に、他の無線通信装置も含む)との間でアドホック通信を制御するためのインタフェースであり、当業者には周知の無線LANドライバや無線LANモジュール等を備えている。例えば、無線LANに接続する機能を提供する拡張カード(無線LANカード)をHU10内にあらかじめ内蔵させるか、又はHU本体に差し込んで使用できるようにしておくことにより、HU10は接続先(この場合、ノートPC20)と直接通信を行うことができる。この通信コントローラ12は、本発明に関連する処理として、後述するように制御部11からの制御に基づき、無線LANドライバに接続先のMACアドレスを登録すると共に、その接続先に対し周波数チャネルの設定変更に係る通知(設定変更を行う旨、及びその設定変更のタイミングを指示する情報の通知)を行う機能を有している。
電界強度検出部13は、通信コントローラ12を介して外部の無線通信装置から受信した電波信号(データ)からその電界強度(レベル)を検出するものである。この電界強度検出部13で検出された電界強度は、制御部11においてモニタされている。
操作部14は、HU10の操作パネル上に表示部15と共に配設され、ユーザによる操作指示を入力するための各種操作キーやボタン等を備えている。例えば、各種A/V機器31及びナビゲーションユニット32に対してそれぞれ必要な設定操作を行うための各種操作キー、表示ユニット33の画面に各種操作画面を表示させたり、画面上の各種メニューや項目等を選択したり、選択したメニュー等を実行させるための各種操作ボタン等を備えている。
表示部15はLCDパネルや有機ELパネル等により構成され、その画面には、制御部11からの制御に基づいて、操作部12を介して入力された各種操作指示に関連した情報や、選択中のA/V機器の動作に関する情報などが表示される。例えば、再生しようとする音楽ファイル、又は再生中の音楽ファイルの内容に関する情報(楽曲名、アーティスト名、アルバム名など)が表示されたり、また、ラジオ受信機であればFM/AMの種別やその放送局の受信周波数などが表示され、CDプレーヤであればCD演奏時のディスク番号やトラック数、経過時間などが表示される。さらに、必要に応じて制御部11からの制御に基づき、電界強度検出部13で検出された電波信号の受信レベル(電界強度)が表示される。
メモリ部16はRAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリからなり、制御部11からの制御に基づいて必要な情報(データ)を格納しておくためのものである。例えば、このメモリ部16には、制御部11からの指示に基づいて選択中のA/V機器からのA/V信号の出力動作が停止された時点での当該機器の動作状態を示すデータが格納される。このデータは、次の出力動作開始時に必要に応じて参照するために用いられる。
一方、本実施形態に係る無線通信装置10の接続先の無線通信装置(携帯端末としてのノートPC20)は、図示のように制御部21と、通信コントローラ22と、メモリ部23と、操作部24と、表示部25とを備えている。同様に、22〜25の各機能ブロックは、それぞれ制御部21に動作可能に接続されている。制御部21は、HU10の制御部11と同様に、CPUと共にRAM及びROM(図示せず)を備えて構成されており、本発明に関連する処理として、後述するようにHU10(車載端末)と協働して行うデータ転送時の周波数チャネルの自動設定変更に係る処理を制御する。
通信コントローラ22は、HU10に設けられている通信コントローラ12と同等のハードウェア及びソフトウェアを備えている。この通信コントローラ22は、本発明に関連する処理として、後述するように制御部21からの制御に基づき、HU10から周波数チャネルの設定変更に係る通知を受信したときにその通知に対する確認応答「ACK信号」を送信する機能を有している。メモリ部23には、本実施形態に関連するデータとして、あらかじめインターネット等を介して配信されたMP3形式等の音楽ファイルの情報(音楽データ)が格納されている。操作部24は、ユーザによる操作指示を入力するための各種の操作キーを備えたキーボードからなり、少なくとも、メモリ部23に格納されている音楽ファイルの車載端末(HU10)側への転送に係る処理を実行させるための操作キーを備えている。表示部25はLCDパネルにより構成され、その画面には、制御部21からの制御に基づいて、操作部24を介して入力された各種操作指示に関連した情報が表示される。例えば、メモリ部23に格納されている音楽ファイルの内容に関する情報(楽曲名、アーティスト名、アルバム名など)が表示される。
以上のように構成された本実施形態に係る無線通信装置(車載端末としてのHU10)をその一部として組み込んだ車載A/V・ナビゲーションシステムにおいて、制御部11は「制御手段」に、通信コントローラ12(無線LANドライバ)は「記憶手段」に、電界強度検出部13は「受信レベル検知手段」に、ナビゲーションユニット32(GPSセンサ/車速センサ)は「センサ手段」に、それぞれ対応している。
以下、本実施形態に係る無線通信装置(車載端末としてのHU10)において行うデータ転送時の周波数チャネルの自動設定変更に係る処理について、その一例を示す図2を参照しながら説明する。本処理フローでは、初期状態として、本装置10を搭載した車両は停車状態にあり、この車両内に、本装置(車載端末10)に対して転送すべき音楽データを保有したノートPC(携帯端末20)が持ち込まれているものとする。
このような状態で、最初のステップS1では、制御部11からの制御に基づき通信コントローラ12により、アドホック通信モードにて対象端末(ここではノートPC20)と接続し、通信を開始する。その際、通信に使用する周波数チャネルは、自車が現在停車している地点及び現時点で電波状態が最良のチャネルに自動設定される。また、通信を開始したときに、接続先(ノートPC20)から受信したデータに含まれるMACアドレスを無線LANドライバに登録しておく(初期設定)。
次のステップS2では、制御部11において、ナビゲーションユニット32(GPSセンサ/車速センサ)からバス30を介して供給されるセンサ出力信号に基づき、自車が移動を開始した(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS3に進み、判定結果がNOの場合には本判定処理を繰り返す。
次のステップS3では(自車が移動を開始した場合)、制御部11において、当初設定した周波数チャネルを他のチャネルに設定変更するための準備として、周辺パケットの観察に基づくチャネル混雑状況の監視を開始する。すなわち、制御部11からの制御に基づき通信コントローラ12において、無線LANモジュールに受信されるパケット(データフレーム)の送信元(接続先であるノートPC20以外の他の無線通信装置も含む)の全てのMACアドレスを確認し、これらMACアドレスのうち、初期設定時に無線LANドライバに登録したMACアドレス以外のMACアドレス(非登録MACアドレス)を含むパケット(データフレーム)、すなわち、ノートPC20以外の他の無線通信装置から送信されているパケットの数をカウントする。
次のステップS4では、制御部11において、通信コントローラ12と協働して、当初設定したチャネルでのデータ通信を終了した(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合には本処理フローは「終了」となり、判定結果がNOの場合にはステップS5に進む。
次のステップS5では、制御部11において、非登録MACアドレスを含むパケットの単位時間あたりのカウント数が所定値を超えた(YES)か否(NO)かを判定する。つまり、そのカウント数が所定値を超えていれば当該周波数チャネル(当初設定したチャネル)が混雑していると判断することができる。判定結果がYESの場合にはステップS6に進み、判定結果がNOの場合にはステップS3に戻って上記の処理を繰り返す。
次のステップS6では(当該周波数チャネルが混雑していると判断した場合)、制御部11からの制御に基づき通信コントローラ12(無線LANドライバ)を介して接続先のノートPC20に対し、当該周波数チャネルの設定変更を行う旨の通知と共に、その設定変更のタイミングを指示する情報(例えば、音楽データの転送中であれば、何曲目の転送終了後にチャネルの設定変更を行うか)の通知を行う。
次のステップS7では、制御部11において、上記の通知に対して接続先のノートPC20から送信されてくる確認応答信号「ACK」を通信コントローラ12(無線LANドライバ)を介して受信する。このようにステップS6及びS7の処理を通して、車載端末(HU10)と携帯端末(ノートPC20)の間でチャネルの設定変更タイミングの同期をとっている。
次のステップS8では(設定変更のタイミングとなったとき)、制御部11において、電界強度検出部13で検出された到来電波の受信電界強度を参照して、その時点で自車が位置する地点で電波状態が最良の他の周波数チャネルへの設定変更を行う。このようにして設定変更が終了すると、ステップS3に戻ってデータ転送を再度行う。
以上説明したように、本実施形態に係る無線通信装置(車載端末10)によれば、制御部11が通信コントローラ12と協働して、他の無線通信装置(ノートPC20)とアドホック通信を開始したときにその接続先(ノートPC20)から受信したデータに含まれるMACアドレスを登録しておき、通信開始後に自車の移動を検出したときに、外部から受信されるパケットの全てのMACアドレスを確認し、登録したMACアドレス以外の非登録MACアドレスを含むパケットの数をカウントし、単位時間あたりのカウント数が所定値を超えている場合に当該周波数チャネルが混雑していると判断し、接続先(ノートPC20)に対し当該周波数チャネルの設定変更に係る通知を行い、その通知に対する確認応答信号「ACK」を受信して(接続先との設定変更タイミングの同期)、その時点で自車が位置する地点で電波状態が最良の他の周波数チャネルへ設定変更を行うようにしている。すなわち、車両移動中に使用チャネルの混雑状況を判断しながら、当該チャネルが混雑している場合に他の周波数チャネルへの設定変更を行うようにしている。
これによって、従来技術に見られたようなデータ転送中の通信の途切れといった不都合を生じることなく、車両移動中においても周波数チャネルの設定変更を行うことが可能となる。これは、通信品質の確保に寄与する。
また、音楽データの転送にかかわらず、車室内においてノートPC20(携帯端末)からHU10(車載端末)への映像データのストリーミング(受信しながらの同時再生)を行った場合にも有効である。
上述した実施形態では、HU10(無線通信装置)を車載A/V・ナビゲーションシステムの一部として組み込んだ場合を例にとって説明したが、本発明の要旨からも明らかなように、必ずしもA/V機器とナビゲーション装置の両方もしくはその一方を含むシステムに組み込んで使用する必要がないことはもちろんである。要は、上述したように外部から受信したデータフレーム(パケット)に含まれるMACアドレスから現在使用中の周波数チャネルの混雑状況を判断し、混雑している場合にその接続先(通信相手)との同期をとって他の周波数チャネルへの設定変更を行う機能を備えた無線通信装置であれば、本発明は同様に適用することができる。
また、上述した実施形態では、車載端末(HU10)に対してデータを転送する側の無線通信装置としてノートPC20を例にとって説明したが、データを転送する側の無線通信装置の形態がこれに限定されないことはもちろんである。要は、上述したように車載端末10に対して転送すべき音楽データ等のデータを保有し、そのデータを設定された周波数チャネルで無線通信により転送する機能を備えた無線通信装置であれば十分であり、例えば、PDA(Personal Digital Assistants) 等の携帯端末であってもよいし、任意の無線ネットワークに属しているホームPC等の設置型端末であってもよい。
また、上述した実施形態では、HU10(車載端末)とノートPC20(携帯端末)が直接通信を行う「アドホックモード」の場合を例にとって説明したが、通信モードの形態はこれに限定されず、アクセスポイントを経由して通信を行う「インフラストラクチャモード」の接続形態とすることも可能である。この場合、車載端末がアクセスポイントを中継して接続される通信相手(無線通信装置)としては、上記の携帯端末の代わりにホームPC等の設置型端末が想定される。無線LANのアクセスポイントには、データ転送の中継のみを行う「ブリッジ」タイプの機器と、データ転送の中継以外に異なるネットワークの仲立ちにも使用される「ルータ」タイプの機器があるが、例えば、後者のタイプのものを使用した場合には、アクセスポイントを経由して設置型端末と車載端末の間で無線LANによるデータ転送が中継されると共に、この無線LANがADSLを介してインターネット等に接続される。また、アクセスポイントと設置型端末の間はEthernet(登録商標)により有線接続される。
10…ヘッドユニット(HU/車載端末)、
20…ノートPC(携帯端末)、
11,21…制御部、
12,22…通信コントローラ(無線LANドライバ、無線LANモジュール)、
13…電界強度検出部、
14,24…操作部、
15,25…表示部、
16,23…メモリ部、
32…ナビゲーションユニット。
20…ノートPC(携帯端末)、
11,21…制御部、
12,22…通信コントローラ(無線LANドライバ、無線LANモジュール)、
13…電界強度検出部、
14,24…操作部、
15,25…表示部、
16,23…メモリ部、
32…ナビゲーションユニット。
Claims (7)
- 車両に搭載された無線通信装置であって、
前記車両の移動を検出するセンサ手段と、
他の無線通信装置との間で通信を行うのに使用する周波数チャネルの設定変更を制御する機能を備えた制御手段とを備え、
前記制御手段は、所定の通信モードで前記他の無線通信装置と通信を行っている状態で前記センサ手段により当該車両の移動が検出されたときに、外部から受信されるデータに含まれるMACアドレスを参照して現在使用中の周波数チャネルの混雑状況を判断し、混雑している場合に当該他の無線通信装置との同期をとって他の周波数チャネルへの設定変更を行うことを特徴とする無線通信装置。 - さらに記憶手段を備え、
前記制御手段は、所定の通信モードで前記他の無線通信装置と通信を開始したときに、当該他の無線通信装置から受信したデータに含まれるMACアドレスを前記記憶手段に登録し、前記センサ手段により当該車両の移動が検出されたときに、外部から受信されるデータに含まれるMACアドレスのうち前記記憶手段に登録したMACアドレス以外のMACアドレスを含むデータのフレーム数をカウントし、該カウント数が所定値を超えたときに当該周波数チャネルが混雑していると判断することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。 - 前記制御手段は、当該周波数チャネルが混雑していると判断したときに、当該他の無線通信装置に対し、周波数チャネルの設定変更を行う旨の通知と共に、該設定変更のタイミングを指示する情報の通知を行うことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
- さらに、電波信号の受信レベルを検知する手段を備え、
前記制御手段は、当該他の無線通信装置から前記通知に対する確認応答を受信したときに、検知された電波信号の受信レベルを参照して前記他の周波数チャネルへの設定変更を行うことを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。 - 前記制御手段は、アドホックモード又はインフラストラクチャモードで前記他の無線通信装置との通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
- 外部の無線通信装置との間で設定された周波数チャネルで無線通信を行うよう適応された車載端末において、
所定の通信モードで前記無線通信装置と通信を行っている状態で車両の移動を検出したときに、外部から受信されるデータに含まれるMACアドレスを参照して現在使用中の周波数チャネルの混雑状況を判断し、
混雑していると判断した場合に当該無線通信装置との同期をとって他の周波数チャネルへの設定変更を行うことを特徴とする周波数チャネル設定方法。 - 所定の通信モードで前記無線通信装置と通信を開始したときに、当該無線通信装置から受信したデータに含まれるMACアドレスを登録しておき、
当該車両の移動を検出したときに、外部から受信されるデータに含まれるMACアドレスのうち前記登録したMACアドレス以外のMACアドレスを含むデータのフレーム数をカウントし、
該カウント数が所定値を超えたときに当該周波数チャネルが混雑していると判断することを特徴とする請求項6に記載の周波数チャネル設定方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8224370B2 (en) | 2009-07-10 | 2012-07-17 | Honda Motor Co., Ltd. | Method of controlling a communication system in a motor vehicle |
JP2014534730A (ja) * | 2011-11-01 | 2014-12-18 | トムソン ライセンシングThomson Licensing | チャネルを選択するための方法及び装置 |
WO2017006992A1 (ja) * | 2015-07-09 | 2017-01-12 | 株式会社リクルートホールディングス | 混雑状況推定システム、混雑状況推定方法、および記録媒体 |
JP2018117376A (ja) * | 2014-04-23 | 2018-07-26 | 株式会社東芝 | 電子装置および無線通信方法 |
-
2006
- 2006-06-13 JP JP2006163017A patent/JP2007336026A/ja not_active Withdrawn
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