JP2007335597A - レーザ駆動回路及びレーザ駆動方法 - Google Patents

レーザ駆動回路及びレーザ駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】信号光の出力動作中における温度変化や経時変化に対応してバイアス電流および変調電流を精度よく制御できるレーザ駆動回路及びレーザ駆動方法を提供する。
【解決手段】レーザ駆動回路1aは、駆動電流IdをLD18へ供給する駆動電流生成部2と、PD19からの光電流Imonに基づく光量信号Dmonを受け、バイアス電流Ibias及び変調電流Imodの大きさを光量信号Dmonに基づいて制御する制御部5とを備える。制御部5は、バイアス電流Ibiasの変化に対する光量信号Dmonの平均レベルの変化(第1の変化)を求め、変調電流Imodの変化に対する光量信号Dmonの平均レベルの変化(第2の変化)を求め、第1及び第2の変化の比Ratioが第1の所定値refRatioに近づくようにバイアス電流Ibias及び変調電流Imodを増減させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ駆動回路及びレーザ駆動方法に関するものである。
レーザ素子のI−L特性は、各個体でばらつきがあり、また、温度変化や時間経過に応じて変化する。従って、レーザ素子から出力される信号光の平均強度および消光比を安定化させるために、モニタ用受光素子からの光電流に基づいて駆動電流量を制御するレーザ駆動回路が用いられる。
例えば、特許文献1に開示された回路は、予め設定された、異なる大きさの駆動電流をレーザダイオードに順次供給し、各駆動電流に応じた出力光それぞれをモニタ用フォトダイオードにより測定し、その測定結果に基づいて推測したレーザダイオードのI−L特性に応じてバイアス電流量および変調電流量を決定している。
また、特許文献2に開示された回路は、変調電流を所定量増加させて発光強度の増分を検出し、発光強度の増分が所定値よりも大きい場合に変調電流を減少させ、所定値よりも小さい場合に変調電流を増加させている。また、特許文献2に開示された回路は、レーザダイオードの平均発光強度が所定値より大きい場合にバイアス電流量を減少させ、所定値より小さい場合にバイアス電流量を増加させている。
特開2005−064132号公報 特開2001−094202号公報
しかしながら、特許文献1に記載された回路による動作を、レーザダイオードから信号光が出力される間に行うことは困難である。すなわち、特許文献1に記載された回路によるI−L特性の推定は、試験用の駆動電流をレーザダイオードに供給する必要があるので、例えば電源投入直後といった特定のタイミングでしか行うことができない。従って、信号光の出力動作中における温度変化や経時変化に対応できないという問題がある。
また、特許文献2に記載された回路は、変調電流を所定量増加させたときの発光強度の増分(すなわちスロープ効率)を測定し、このスロープ効率に基づいて変調電流を制御している。この制御方式は、閾値電流値を超えた領域でのスロープ効率が発光強度によらず一定であることを前提としている。しかし、レーザ素子の温度によっては、発光強度に応じてスロープ効率が変動する場合がある。このような場合、特許文献2に記載された回路では、変調電流を精度よく制御することが難しい。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、信号光の出力動作中における温度変化や経時変化に対応してバイアス電流および変調電流を精度よく制御できるレーザ駆動回路及びレーザ駆動方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明によるレーザ駆動回路は、バイアス電流及び変調電流を含む駆動電流をレーザ素子へ供給して信号光を生成させ、信号光をモニタする受光素子からの光電流に基づいて駆動電流を制御するレーザ駆動回路であって、駆動電流をレーザ素子へ供給する駆動電流生成部と、駆動電流に含まれるバイアス電流及び変調電流を光電流に基づいて制御する制御部とを備え、この制御部は、バイアス電流の変化に対する光電流の変化を求め第1の変化とし、変調電流の変化に対する光電流の変化を求め第2の変化とし、第1及び第2の変化の比を第1の所定値とするようにバイアス電流及び変調電流を増減させることを特徴とする。
レーザ駆動回路においては、バイアス電流がレーザ素子の閾値電流値より小さい場合には、第1及び第2の変化の比は或る値(理論上は1)となる。また、バイアス電流がレーザ素子の閾値電流値より大きい場合には、第1及び第2の変化の比は別の値(理論上は2)となる。従って、バイアス電流がレーザ素子の閾値電流値の近傍であれば、第1及び第2の変化の比はこれらの値の間の値となる。
このように、上記のレーザ駆動回路においては、第1及び第2の変化の比が第1の所定値(すなわち、前述した各値の間の値)に近づくようにバイアス電流及び変調電流を増減させるので、通常の光出力動作時においても、特許文献1のように試験的に電流を設定する必要はなく、温度により変動する閾値電流値近傍にバイアス電流を精度よく設定できる。また、バイアス電流が閾値電流値付近で安定するので、変調電流を光電流に基づいて制御できる。従って、上記のレーザ駆動回路によれば、出力動作中における温度変化やレーザ素子の経時変化に追随してバイアス電流および変調電流を制御できる。また、第1及び第2の変化の比は、バイアス電流と閾値電流値との大小関係によってその値が定まり、光強度に起因するスロープ効率の変動には殆ど影響されない。従って、上記のレーザ駆動回路によれば、発光強度に応じてスロープ効率が変動する場合でも、変調電流を精度よく制御できる。
また、レーザ駆動回路は、第1の所定値が1より大きく2より小さいことが好ましい。上述したように、バイアス電流がレーザ素子の閾値電流値より小さい場合には、第1及び第2の変化の比は理論上1となる。また、バイアス電流がレーザ素子の閾値電流値より大きい場合には、第1及び第2の変化の比は理論上2となる。従って、第1の所定値を1より大きく2より小さい値とすることにより、バイアス電流を閾値電流値付近に設定できる。
また、レーザ駆動回路は、制御部が、光電流と所定の目標値との差が所定範囲内にある場合に、第1の変化と第2の変化の比を第1の所定値とする動作を行い、差が所定範囲外である場合に、第1及び第2の変化の比と第1の所定値との差の絶対値が第2の所定値よりも小さいときには変調電流を増減させ、第1及び第2の変化の比と第1の所定値との差の絶対値が第2の所定値よりも大きいときにはバイアス電流を増減させることを特徴としてもよい。
平均光強度が目標光強度付近で安定している状態で第1及び第2の変化の比を第1の所定値とすることにより、バイアス電流を閾値電流値近傍に安定的に設定することができる。また、光電流とその目標値との差が所定範囲外である場合には、まず、光電流を所定の目標値に近づける(すなわち、出力光強度を目標光強度に近づける)ことが好ましい。このような場合に、第1及び第2の変化の比と第1の所定値との差の絶対値が比較的小さければ(すなわち、バイアス電流が閾値電流値近傍であれば)、バイアス電流が安定しているので変調電流を増減させる。逆に、第1及び第2の変化の比と第1の所定値との差の絶対値が比較的大きければ(すなわち、バイアス電流が閾値電流値近傍になければ)、バイアス電流を増減させる。このように、第1及び第2の変化の比に応じてバイアス電流及び変調電流の制御を個別に行うことにより、バイアス電流を閾値電流値の近傍に制御しつつレーザ素子の出力光強度を目標光強度に近づけることができる。
また、レーザ駆動回路は、制御部が、少なくとも、バイアス電流からレーザ素子の閾値電流を算出する機能と、変調電流からレーザ素子のスロープ効率を算出する機能のいずれかを持つことが好ましい。
また、本発明によるレーザ駆動方法は、バイアス電流及び変調電流を含む駆動電流をレーザ素子へ供給して信号光を生成し、この信号光の強度をモニタする受光素子からの光電流に基づいて駆動電流を制御するレーザ駆動方法であって、バイアス電流の変化に対する信号光強度の変化を求め第1の変化とし、変調電流の変化に対する信号光強度の変化を求め第2の変化とし、第1及び第2の変化の比が第1の所定値に近づくようにバイアス電流及び変調電流を増減させることを特徴とする。
このレーザ駆動方法によれば、上述したレーザ駆動回路と同様に、信号光の出力動作中における温度変化やレーザ素子の経時変化に追随してバイアス電流および変調電流を制御できる。また、このレーザ駆動方法によれば、発光強度に起因してスロープ効率が変動する場合でも、変調電流を精度よく制御できる。
本発明のレーザ駆動回路またはレーザ駆動方法によれば、信号光の出力動作中における温度変化やレーザ素子の経時変化に対応してバイアス電流および変調電流を精度よく制御できる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係るレーザ駆動回路及びレーザ駆動方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明によるレーザ駆動回路の一実施形態として、レーザ駆動回路1aの構成を示すブロック図である。図1に示すレーザ駆動回路1aは、バイアス電流Ibias及び変調電流Imodを含む駆動電流Idをレーザ素子(レーザダイオード、以下LDとする)18へ供給して信号光Paを生成させるための回路である。レーザ駆動回路1aは、外部からの変調信号(送信信号)Smodに応じた変調電流Imodと、定常的なバイアス電流Ibiasとを重畳して駆動電流Idを生成する。また、レーザ駆動回路1aは、信号光Paの強度をモニタするフォトダイオード(以下PDとする)19等の受光素子からの光電流Imonに基づいて、バイアス電流Ibias及び変調電流Imodを制御する。
ここで、図2(a)は、LD18の出力特性(I−L特性)の一例を示す図である。図2(a)において、横軸はLD18を流れる順方向電流(駆動電流Id)を示し、縦軸はLD18の発光強度を示している。また、図中のG1はLD18の温度が或る値T[℃]のときのI−L特性を示しており、G2はLD18の温度がT(>T)[℃]のときのI−L特性を示している。G1におけるIth、及びG2におけるIthは、温度T,TのそれぞれにおけるLD18の閾値電流値を示している。
また、図2(b)は、LD18から出力される信号光Paの波形の一例を示し、強度PLと強度PHとを交互に繰り返す波形を示している。また、図2(c)は、図2(b)に示す信号光Paを出力するために必要な駆動電流Idの波形を示す。図2(c)において、G3は温度T[℃]のときに必要な駆動電流Idの一例であり、G4は温度T[℃]のときに必要な駆動電流Idの一例である。図2(c)中のIbiasはバイアス電流値を示している。駆動電流Idは、変調電流Imodがバイアス電流Ibiasに重畳されている。
図2(a)に示すように、LD18のI−L特性は、温度により大きく変動する。すなわち、LD18の温度が高くなると、閾値電流値が大きくなり、スロープ効率が低下する。従って、LD18の信号光強度及び消光比を温度に依らず一定に保つためには、図2(c)のG3,G4に示すように、バイアス電流Ibias及び変調電流Imodを変化させる必要がある。また、上記の例では温度によりI−L特性が変動することを説明したが、このI−L特性は、経時変化によっても変化し、また、レーザ素子の個体差もある。そこで、レーザ駆動回路1aは、変調信号Smodに従って変調された駆動電流IdをLD18へ供給する際に、PD19からの光電流Imonに基づいて、駆動電流Id(すなわち、バイアス電流Ibias及び変調電流Imod)を制御する。
再び図1を参照する。本実施形態のレーザ駆動回路1aは、駆動電流生成部2、電流電圧変換部3、データ変化検出部4、制御部5、D/A変換部15a及び15b、並びにA/D変換部16aを備える。
駆動電流生成部2は、変調信号Smodに応じて変調された駆動電流IdをLD18へ供給する回路である。駆動電流生成部2は、電流源21、変調回路22、及びバイアス電流源23を有する。電流源21及び変調回路22は、本実施形態において変調電流源を構成する。すなわち、電流源21及び変調回路22は、変調信号Smodに従って変調された変調電流Imodを生成する。
具体的には、電流源21はD/A変換部15aを介して制御部5と、またその出力は変調回路22と接続されている。電流源21は、制御部5からD/A変換部15aを介して提供された変調電流量制御信号Sm(後述)に応じた定電流Imを生成し、これを変調回路22へ供給する。
また、変調回路22には送信データを含む変調信号Smodがレーザ駆動回路1aの外部から提供され、一方、電流源21からは定電流Imが供給される。変調回路22は、この電流Imを変調信号Smodにより変調して変調電流Imodを生成し、これをLD18に供給する。
バイアス電流源23は、バイアス電流IbiasをLD18へ供給する回路である。具体的には、D/A変換部15bを介して制御部5およびLD18の一端(アノードまたはカソード)と接続されている。バイアス電流源23は、制御部5からD/A変換部15bを介して提供されたバイアス電流量制御信号Sb(後述)に応じた定電流であるバイアス電流Ibiasを生成し、これをLD18に供給する。バイアス電流Ibiasは、変調電流Imodと共に駆動電流IdとしてLD18に供給される。
電流電圧変換部3は、信号光Paの大きさをモニタするPD19から出力される光電流Imonを、電圧信号Smonに変換する回路である。電流電圧変換部3は、光電流Imonを入力し、この光電流Imonに応じたアナログ信号SmonをA/D変換部16aに出力し、A/D変換部16aはこれを光量信号Dmonに変換して、制御部5へ提供する。
データ変化検出部4は、変調信号Smodのマーク率を検出する。データ変化検出部4は、変調信号Smodのマーク率を検出し、検出結果に応じた信号Smarkを制御部5へ提供する。
制御部5は、光量信号Smonに基づいてバイアス電流Ibias及び変調電流Imodの大きさを制御する。本実施形態の制御部5は、例えば所定のプログラムにより動作する中央演算処理装置(CPU)によって構成され、光量信号Dmonを受けて、バイアス電流Ibias及び変調電流Imodを制御する。
具体的には、制御部5は、A/D変換部16aから光量信号Dmonを、データ変化検出部4からは変調信号Smodのマーク率に応じた信号Smarkを入力する。そして、D/A変換部15aを介して電流源21へ変調電流量制御信号Dmを、D/A変換部15bを介してバイアス電流源23へバイアス電流量制御信号Dbを、それぞれ出力する。なお、制御部5の内部動作については、後に詳述する。
本実施形態のレーザ駆動回路1aは、上記構成に加えて、更に電源投入検出部11、温度検出部12、記憶部13、及び外部通信回路14を備える。電源投入検出部11は、レーザ駆動回路1aの起動タイミングを制御部5へ知らせる回路であり、レーザ駆動回路1aの起動タイミングを示す信号Spを制御部5へ提供する。温度検出部12は、LD18近傍の温度を検出する回路であり、LD18近傍の温度に応じた温度信号Stを制御部5へ提供する。記憶部13は、制御部5において使用される様々なパラメータを記憶しておく。また、記憶部13には、制御部5における演算結果も記録しておく。外部通信回路14は、記憶部13に記憶させるパラメータをレーザ駆動回路1aの外部から入力したり、或いは記憶部13に記録された演算結果を外部に取り出すための回路である。
次に、制御部5の内部動作を中心に、レーザ駆動回路1aの動作と、本実施形態によるレーザ駆動方法について説明する。
図3(a)は、LD18のI−L特性を概略的に示すグラフである。また、図3(b)及び図3(c)は、LD18の信号光強度が或る値Pとなる駆動電流Idの一例をそれぞれ示す。図3(b)は、バイアス電流IbiasがLD18の閾値電流値Ithよりも小さい場合を示しており、図3(c)は、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも大きい場合を示している。なお、図3(b)及び図3(c)においては、理解を容易にするために変調信号のマーク率Smarkを1/2として図示している。
ここで、信号光強度Pは、以下の数式(1)により与えられる。
Figure 2007335597

但し、式(1)において、ηはLD18のスロープ効率である。また、Poffは、図3(a)に示すようにLD18のI−L特性における比例部分のy切片である。
バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも大きい場合(図3(c))、信号光強度Pが光強度P(図3(a)参照)となるのは、駆動電流Idが
Figure 2007335597

となるときである。従って、数式(1)及び(2)より、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも大きい場合の光強度Pは、
Figure 2007335597

と表現できる。
また、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも小さい場合(図3(b))、信号光強度Pが光強度P(図3(a)参照)となるのは、駆動電流Idが
Figure 2007335597

となるときである。従って、数式(1)及び(4)より、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも小さい場合の平均光強度Pは、
Figure 2007335597

と表現できる。
ここで、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも大きい場合(図3(c))における、バイアス電流Ibiasの変化に対する光強度Pの変化(第1の変化)は、数式(3)より
Figure 2007335597

となる。同様に、変調電流Imodの変化に対する光強度Pの変化(第2の変化)は、数式(3)より
Figure 2007335597

となる。従って、第1の変化と第2の変化との比Ratioは、
Figure 2007335597

となる。
他方、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも小さい場合(図3(b))における、バイアス電流Ibiasの変化に対する光強度Pの変化(第1の変化)は、数式(5)より
Figure 2007335597

となる。同様に、変調電流Imodの変化に対する光強度Pの変化(第2の変化)は、数式(5)より
Figure 2007335597

となる。従って、第1及び第2の変化の比Ratioは、
Figure 2007335597

となる。
上の数式(8)及び(11)は、図3(a)に示すようにLD18のI−L特性が閾値電流値Ithにおいて理想的に折れ曲がる場合を仮定しており、実際には、閾値電流値Ithの近傍においてI−L特性は滑らかとなっている。従って、この領域においては、第1及び第2の変化の比Ratioは、1以上1/Smark(≒2)以下の値となる。マーク率Smarkは、信号の規格により決まり、通常1/2±数%範囲となる。以下の説明では理解しやすくするためSmarkが1/2の場合を示す。
また、以下に説明するように、本実施形態の制御部5は、第1及び第2の変化の比Ratioが1〜2の範囲内の所定値(第1の所定値、例えば1.5)に近づくようにバイアス電流Ibias及び変調電流Imodを増減させることにより、バイアス電流Ibiasを閾値電流値Ithの近傍に制御する。
図4及び図5は、制御部5の内部動作を示すフローチャートであり、本実施形態によるレーザ駆動方法を示している。まず、図4に示すように、第1の所定値refRatioを1.5に初期設定する(ステップS1)。第1の所定値refRatioは、例えば記憶部13(図1)に予め記憶されている。なお、この第1の所定値refRatioは、上述した理由により、1より大きく2より小さい値であることが好ましい。
続いて、現在の平均光強度P(n)を検出する(ステップS2)。実際には、制御部5に入力された光量信号Dmonの平均値を、光強度P(n)とする。そして、光強度P(n)と目標光強度refPとの差が所定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS3)。ここで、目標光強度refPは光強度Pの目標値であり、この目標光強度refPが記憶部13(図1)に記憶されている。
ステップS3では、現在の光強度P(n)と目標光強度refPとの差の絶対値を算出し、この値と目標光強度refP(すなわち所定の目標レベル)の所定割合(例えば1%)とを比較する。そして、算出した絶対値がこの所定割合(1%)よりも大きい場合には、光強度P(n)が目標光強度refPから離れている状態なので、バイアス電流Ibias及び変調電流Imodの大概な適正化を行うために、ステップS4へ移行する。
ステップS4では、第1及び第2の変化の比Ratioと、第1の所定値refRatio(=1.5)との比較を行う。具体的には、第1及び第2の変化の比Ratioと第1の所定値refRatioとの差の絶対値を算出し、この値を第2の所定値(例えば0.1)と比較する。そして、算出した絶対値が第2の所定値(0.1)よりも大きい場合には、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithから離れている状態なので、バイアス電流Ibiasの大概な適正化を行うために、ステップS5〜S9へ移行する。また、算出した絶対値が第2の所定値(0.1)よりも小さい場合には、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithの近傍にある状態なので、変調電流Imodの大概な適正化を行うために、ステップS10〜S14へ移行する。
また、本実施形態においては、第1及び第2の変化の比Ratioは図5に示すステップS27またはS34(後述)において算出されるので、レーザ駆動回路1aの動作開始直後では第1及び第2の変化の比Ratioの値は不明である。従って、動作開始直後においては、予め記憶された初期値(例えば2.0)を第1及び第2の変化の比Ratioとして用いるとよい。
ステップS5〜S9では、バイアス電流Ibiasの大概な制御を行う。まず、光強度P(n)と目標光強度refPとを比較する(ステップS5)。光強度P(n)が目標光強度refPよりも小さい場合、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも小さい状態なので、制御部5は、バイアス電流Ibiasを所定量ΔIbiasだけ増加させるようバイアス電流量制御信号Sbを生成する(ステップS6)。また、光強度P(n)が目標光強度refPよりも大きい場合、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも大きい状態なので、制御部5は、バイアス電流Ibiasを所定量ΔIbiasだけ減少させるようにバイアス電流量制御信号Sbを生成する(ステップS7)。但し、特異な状況として、レーザ駆動回路1aの動作開始直後はバイアス電流Ibiasがゼロであるため、制御部5は、この場合を判定し(ステップS8)、変調電流Imodを所定量ΔImodだけ減少させるように変調電流量制御信号Smを生成する(ステップS9)。
ステップS10〜S14では、変調電流Imodの大概な制御を行う。まず、光強度P(n)と目標光強度refPとを比較する(ステップS10)。光強度P(n)が目標光強度refPよりも小さい場合、変調電流Imodが過小なので、制御部5は、変調電流Imodを所定量ΔImodだけ増加させるように変調電流量制御信号Smを生成する(ステップS11)。また、光強度P(n)が目標光強度refPよりも大きい場合、変調電流Imodが過大なので、制御部5は、変調電流Imodを所定量ΔImodだけ減少させるように変調電流量制御信号Smを生成する(ステップS12)。但し、特異な状況として、変調電流Imodがゼロである場合にはLD18に供給されているのはバイアス電流Ibiasのみであるため、制御部5は、この場合を判定し(ステップS13)、バイアス電流Ibiasを所定量ΔIbiasだけ減少させるようにバイアス電流量制御信号Sbを生成する(ステップS14)。
制御部5は、以上のステップS2〜S14を、光強度P(n)と目標光強度refPとの差が目標光強度refPの所定割合(1%)以内に収まるまで繰り返す。
次に、ステップS3において、光強度P(n)と目標光強度refPとの差が目標光強度refP(所定の目標レベル)の所定割合(1%)よりも小さいと判定された場合について説明する。この場合、光強度P(n)が目標光強度refPにほぼ収斂している状態なので、消光比を高精度に制御するために、図5に示すステップS20〜S34へ移行する。
まず、ステップS20において、第1及び第2の変化の比Ratioと、第1の所定値refRatio(=1.5)との大小を比較する。第1及び第2の変化の比Ratioが第1の所定値refRatio(=1.5)よりも大きい場合には、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも大きい状態であり、ステップS21〜S27に従ってバイアス電流Ibias及び変調電流Imodの微調整を行う。
すなわち、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも大きいので、まずバイアス電流IbiasをΔI(前述したΔIbiasよりも小さいことが好ましい)だけ減少させるように、バイアス電流量制御信号Sbを生成する(ステップS21)。そして、バイアス電流Ibias減少後の光強度P(n+1)を検出し(ステップS22)、この光強度P(n+1)と前の光強度P(n)との差ΔP(n+1)を算出する(ステップS23)。なお、この差ΔP(n+1)はバイアス電流IbiasをΔIだけ減少して求めた数値なので、この差ΔP(n+1)から第1の変化を算出するには−1を乗ずる。
次に、変調電流Imodを2ΔIだけ増加させるように、変調電流量制御信号Smを生成する(ステップS24)。ここで、変調電流Imodの増加量をΔIの2倍としているのは、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも大きい状態なので、数式(6)及び(7)を考慮し、変調電流Imodをバイアス電流Ibiasに対して2倍の幅で変化させるためである。そして、変調電流Imod増加後の光強度P(n+2)を検出し(ステップS25)、この光強度P(n+2)と前の光強度P(n+1)との差ΔP(n+2)を算出する(ステップS26)。なお、この差ΔP(n+2)は変調電流Imodを所定量2ΔIだけ増加して求めた数値なので、この差ΔP(n+2)から第2の変化を算出するには1/2を乗ずる。
続いて、次の数式(12)を演算することにより、第1及び第2の変化の比Ratioを算出する(ステップS27)。
Figure 2007335597
他方、ステップS20において、第1及び第2の変化の比Ratioが第1の所定値refRatio(=1.5)よりも小さい場合には、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも小さい状態であり、ステップS28〜S34に従ってバイアス電流Ibias及び変調電流Imodの微調整を行う。
すなわち、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも小さいので、まずバイアス電流IbiasをΔIだけ増加させるように、バイアス電流量制御信号Sbを生成する(ステップS28)。そして、バイアス電流Ibias増加後の光強度P(n+1)を検出し(ステップS29)、この光強度P(n+1)と前の光強度P(n)との差ΔP(n+1)を算出する(ステップS30)。なお、この差ΔP(n+1)は、第1の変化を意味する。
次に、変調電流ImodをΔIだけ減少させるように、変調電流量制御信号Smを生成する(ステップS31)。ここでは、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも小さい状態なので、数式(9)及び(10)を考慮し、変調電流Imodをバイアス電流Ibiasに対して同じ割合で変化させている。そして、変調電流Imodの減少後の光強度P(n+2)を検出し(ステップS32)、この光強度P(n+2)と前の光強度P(n+1)との差ΔP(n+2)を算出する(ステップS33)。なお、この差ΔP(n+2)は変調電流ImodをΔIだけ減少して求めた数値なので、この差ΔP(n+2)から第2の変化を算出するには−1を乗ずる。
続いて、次の数式(13)を演算することにより、第1及び第2の変化の比Ratioを算出する(ステップS34)。
Figure 2007335597
以降、ステップS27またはS34によって算出された変化の比Ratioに基づいて、ステップS2以降の動作を繰り返すことにより、バイアス電流Ibias及び変調電流Imodが制御される。
図6(a)〜図6(c)及び図7(a),(b)は、本実施形態によるレーザ駆動回路1aの動作例として、各信号の動きを示すグラフである。また、図8(a)〜図8(c)及び図9(a),(b)は、それぞれ、図6(a)〜図6(c)及び図7(a),(b)に示したグラフの0単位時間から1000単位時間までを拡大して示すグラフである。図6(a),図8(a)は変調電流Imodを、図6(b),図8(b)はバイアス電流Ibiasを、図6(c),図8(c)は消光比(図2のPH/PL)を、図7(a),図9(a)は平均光強度Pを、図7(b),図9(b)は第1及び第2の変化の比Ratioをそれぞれ示している。なお、ここでいう単位時間とは一制御ルーチンに要する時間であり、このようなルーチンでは、A/D変換器の変換時間で決まることが多く、たとえばこの変換時間(≒単位時間)を100マイクロ秒間隔とした場合、1000単位時間はおおよそ100ミリ秒となる。
これらのグラフにおいては、バイアス電流Ibias及び変調電流Imodの初期値を0[mA]とし、800単位時間までは一定の目標光強度に到達するまでの動作を示し、それ以降は2400単位時間までは目標光強度が変化したときの追従特性を示すために、400単位時間毎に目標光強度refPを変更しており、2400単位時間以降では200単位時間毎に目標光強度refPを変更している。そして、図6(a)〜図6(c)及び図7(a),(b)には、このような目標光強度refPの変更に追随して、変調電流Imod、バイアス電流Ibias、消光比PH/PL、平均光強度P、並びに第1及び第2の変化の比Ratioが収束する様子が示されている。
動作開始から1000単位時間までを拡大した図8(a)〜図8(c)及び図9(a),(b)を参照すると、本実施形態に係るレーザ駆動回路1aでは、図8(b)に示すように先ずバイアス電流Ibiasを増加させている(図4のステップS6に相当)。これにより、図9(a)に示すように50単位時間までに平均光強度Pを目標光強度refP(本例では約1.2mW)に到達させている。その後、500単位時間までは、光強度P(図9(a))をほぼ一定に保ちながら、(図5のステップS20以降にあるように)第1及び第2の変化の比Ratio(図9(b))が1.5に近づくようにバイアス電流Ibias及び変調電流Imodを制御することで(図5のステップS21〜S34に相当)消光比PH/PL(図8(c))をほぼ一定に保っている。
なお、本実施形態のレーザ駆動回路1aにおいては、光強度Pと目標光強度refPとの差分ΔP(n)、及び第1及び第2の変化の比Ratioの精度が重要となる。これらの精度良く得るためには、例えば、A/D変換部16a(図1)の変換精度を高めるとよく、たとえば、変換ビット数を増やしたり、平均化処理を施したり、あるいは、一旦系が安定した後には、現在の光強度P(n)を検知する間隔を長くするなどの手法をとることが望ましい。また、上述した動作例では、バイアス電流Ibiasを閾値電流値Ithの近傍へ制御するための変化量ΔIbias(図4のステップS6,S7参照)、及びΔImod(図4のステップS11,S12参照)を固定値としている。これらの変化量ΔIbias及びΔImodを状況に応じて変化してもよく、例えば第1及び第2の変化の比Ratioと第1の所定値refRatioとの差が大きい場合などに、変化量ΔIbias及びΔImodをより大きくして、バイアス電流Ibias及び変調電流Imodの収斂速度を早めることできる。なお、上述の動作例では、ΔIbias及びΔImodをそれぞれ500[μA]とした。また、第1及び第2の変化の比Ratioを求める際のΔI(図5のステップS21,S24,S28,及びS31参照)を50[μA]とした。
本実施形態に係るレーザ駆動回路1a及びレーザ駆動方法によれば、バイアス電流IbiasがLD18の閾値電流値Ithより小さい場合には、上述した数式(11)において示したように、第1及び第2の変化の比Ratioは或る値(理論上は1)となる。また、バイアス電流IbiasがLD18の閾値電流値Ithより大きい場合には、上述した数式(8)において示したように、第1及び第2の変化の比Ratioは或る別の値(理論上は2)となる。従って、バイアス電流IbiasがLD18の閾値電流値Ithの近傍であれば、第1及び第2の変化の比Ratioはこれらの間の値となる。
このように、本実施形態のレーザ駆動回路1a及びレーザ駆動方法においては、制御部5が、第1及び第2の変化の比Ratioを求め、この比Ratioが第1の所定値(すなわち、前述した各値の間の値)に近づくようにバイアス電流Ibias及び変調電流Imodを増減させるので、通常の光出力動作時においても、試験的に電流を設定することなく、温度により変動した閾値電流値Ith近傍にバイアス電流Ibiasを設定できる。また、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ith付近で安定するので、変調電流Imodを光電流Imonに基づいて制御できる。また、第1及び第2の変化の比Ratioは、バイアス電流I biasと閾値電流値Ithとの大小関係によってその値が定まり、スロープ効率ηの光強度に依存した変動には殆ど影響されない。発光強度に応じてスロープ効率ηが変動する場合でも、変調電流Imodを精度よく制御できる。
また、制御部5は、第1及び第2の変化の比Ratioが第1の所定値refRatioに近づくようにバイアス電流Ibias及び変調電流Imodを増減させる制御(図5のステップS20〜S34)を、現在の光強度P(n)と目標光強度refPとの差が所定範囲内である場合(図4のステップS3のN分岐)に行うことが好ましい。このように、光強度P(n)が目標光強度refP付近で安定している状態で比Ratioを第1の所定値refRatioに近づける制御を行うことにより、バイアス電流Ibiasを閾値電流値Ith付近に安定的に近づけることができる。
また、制御部5は、平均光強度Pと目標光強度refPとの差が所定範囲外である場合(図4のステップS3のY分岐)に、比Ratioと第1の所定値refRatioとの差が第2の所定値(例えば0.1)よりも小さいとき(図4のステップS4のN分岐)には変調電流Imodを制御し、第2の所定値よりも大きいとき(図4のステップS4のY分岐)にはバイアス電流Ibiasを制御することが好ましい。
LD18の光強度P(n)と目標光強度refPとの差が所定範囲外である場合には、まず、光強度P(n)を目標光強度refPに近づけることが好ましい。このような場合に、比Ratioと第1の所定値refRatioとの差が比較的小さければ(すなわち、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ith近傍の値であれば)、バイアス電流Ibiasが既に設定されている状態にあるので変調電流Imodを増減させる。逆に、比Ratioと第1の所定値refRatioとの差が比較的大きければ(すなわち、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ith近傍から外れている状態であれば)、バイアス電流Ibiasを増減させる。このように、比Ratioの値に応じてバイアス電流Ibias及び変調電流Imodの制御を個別に行うことにより、バイアス電流Ibiasを閾値電流値Ithの近傍に制御しつつLD18の光強度P(n)を目標光強度refPに好適に近づけることができる。
なお、上述したレーザ駆動回路1a及びレーザ駆動方法においては、変調信号Smodのマーク率を1/2として説明したが、マーク率が1/2から変化した場合でも、上述したレーザ駆動方法は有効である。例えば、マーク率が1/2より大きい場合には、マーク率に応じて光強度が大きくなるが、データ変化検出部4によって検出されたマーク率に基づいて第1の所定値RefRatioを式(8)、式(11)に示される間の値になるように、補正するとよい。
また、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithのごく近傍に高精度に維持されるので、バイアス電流Ibiasの経時変化を観察することにより、LD18の閾値電流値Ithの変化を観察することもできる。レーザ素子は、その動作時間に応じて閾値電流値Ithが変化する(一般的には、閾値電流値Ithが増加して発光効率が劣化する)。また、LD18の閾値電流値Ithは、温度にも依存する。従って、バイアス電流Ibias、動作時間、及び温度を記憶部13に記録し、或いは外部通信回路14を介してレーザ駆動回路1aの外部に取り出すことにより、長期的な閾値電流値Ithの変動を観測することが可能となる。
また、LD18のスロープ効率ηも容易に観察することができる。すなわち、図5に示したステップS26及びS33により、変調電流Imodの所定量ΔI(または2ΔI)の変化に対する光強度P(n)の変化量ΔP(=P(n+1)−P(n))を演算している。バイアス電流Ibiasは閾値電流値Ithの近傍に高精度に制御されているので、この変化量ΔPは、まさにLD18のスロープ効率ηを示す数値となる。従って、この変化量ΔPを動作時間やLD18の温度と共に取得することにより、スロープ効率ηの温度特性や経時変化を観測することが可能となる。
さらに、これら閾値電流値Ithならびスロープ効率ηの経時変化からレーザ素子の劣化を判定しアラームを出すことで、LDの寿命を推定することができ、このLDを用いたモジュールの交換が可能となる。
また、バイアス電流Ibias、変調電流Imodは帰還制御の初期値としてそれぞれ0mAに設定されている。そして、上述したように、初期値が0mAであっても光強度Pは目標光強度refPに収斂する。従って、従来のレーザ駆動回路のように、レーザ素子温度に応じたバイアス電流Ibias、変調電流Imodの初期値を予め記憶しておくことは不要である。信号光Paの出力中にレーザ素子の温度が変動したとしても、変動後の温度における閾値電流値Ithの近傍にバイアス電流Ibiasが収斂し、このバイアス電流Ibiasのもとで所定の目標光強度refPを実現する変調電流Imodが自動的に決定される。従って、レーザ駆動回路1aにおいては、従来のレーザ駆動回路に対して一般的に行われていた初期設定、すなわちレーザ素子の閾値電流値Ith及びスロープ効率ηの温度特性を予め測定しておき、その温度特性をメモリに記憶させておくような初期設定が不要となる。レーザ駆動回路1aでは、目標光強度refPや第1の所定値refRatioといった幾つかのパラメータのみ記憶しておけばよく、またこれらのパラメータは制御ループを安定化させるためのものであり、レーザ素子温度特性には依存しない。つまり、本駆動方式により非常に簡素な調整で光モジュールを製造することができることとなる。
一方、閾値電流Ithならびにスロープ効率ηを自己算出できる。これらデータを温度とともに保存しルックアップテーブルとすることで、電源投入時の温度からバイアス電流値Ibiasならび変調電流値Imodの制御初期値を算出し、制御ループをより高速に収斂させることもできる。
(変形例)
図10は、上記実施形態の一変形例に係るレーザ駆動回路1bの構成を示すブロック図である。なお、図10においては、上記実施形態の構成(図1)と重複する部分を適宜省略して図示している。本変形例と上記実施形態との相違点は、制御部5の機能の一部がアナログ回路として分離構成されている点である。
すなわち、本変形例のレーザ駆動回路1bは、電流電圧変換部3と制御部5との間に接続された第2の制御部6を更に備える。第2の制御部6は、電流電圧変換部3からの光量信号Smonに基づいて、その時間変化を示す信号Sdt、および目標レベルとの差を示す信号Sdiffを演算するためのアナログ回路である。
具体的には、第2の制御部6は、積分器61と、サンプル/ホールド(S/H)回路62と、増幅器63及び64とを有する。積分器61は、光量信号Smonの平均値Saveを生成する。本変形例の積分器61は、例えば、増幅器と、該増幅器に並列に接続された容量素子および抵抗素子とを含むことができる。S/H回路62は、積分器61の出力Saveを所定時間だけ制御部5からのタイミング信号をトリガーとしてホールドするための回路である。
増幅器63は、信号Saveの時間変化量Sdtを生成する。増幅器63は、現在の光量信号Saveと、S/H回路62に前回のトリガ信号に同期して保持されている信号Saveとの差(すなわち、所定時間の経過に応じた平均光量信号Saveの変化分)を示す信号Sdtを生成し、これをA/D変換部16bを介してデジタル信号Ddtに変換した後、制御部5へ提供する。
増幅器64は、光量信号Smonの平均値と所定の目標レベルとの差を示す信号Sdiffを演算する。増幅器64は、現在の光量信号Saveと、目標レベル信号Srefとの差(すなわち、現在の平均光強度Pと目標光強度refPとの差)を示す信号Sdiffを生成し、これをA/D変換部16cを介してデジタル信号Ddiffに変換した後、制御部5へ提供する。
レーザ駆動回路は、本変形例のように、制御部の処理(図4、図5参照)の一部をアナログ回路により演算してもよい。すなわち、本変形例では、所定時間の経過に応じた光量信号Saveの変化分(信号Sdt)を第2の制御部6が演算するので、制御部5は、図5に示したステップS23、S26、S30、及びS33を省略することができる。また、同様に現在の光強度Pと目標光強度refPとの差(信号Sdiff)を第2の制御部6が演算するので、制御部5は、図4に示したステップS3における演算を省略することができる。これにより、A/D変換部へは差信号が入力され、結果としてA/D変換に必要なビット数を減らすことができ、A/D変換部の回路規模を縮小することができる。
本発明によるレーザ駆動回路またはレーザ駆動方法は、上記した実施形態および変形例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では電流電圧変換部からのアナログ信号である光量信号をそのままの状態でA/D変換して制御部へ入力しているが、通信レートが速い場合には、図10に示した積分器61のような平均化回路を電流電圧変換部とA/D変換部との間に接続するとよい。
図1は、本発明によるレーザ駆動回路の一実施形態の構成を示すブロック図である。 図2(a)は、LDの出力特性(I−L特性)の一例を示す図である。図2(b)は、LDから出力される信号光の時間波形の一例を示すグラフである。図2(c)は、図2(b)に示す信号光を出力するために必要な駆動電流の時間波形の一例を示すグラフである。 図3(a)は、LDのI−L特性を概略的に示すグラフである。図3(b)は、バイアス電流がLDの閾値電流値よりも小さい場合における、LDの平均光強度が或る値Pとなる駆動電流の波形の一例を示すグラフである。図3(c)は、バイアス電流がLDの閾値電流値よりも大きい場合における、LDの平均光強度が或る値Pとなる駆動電流の波形の一例を示すグラフである。 図4は、制御部の内部動作を示すフローチャートであり、本実施形態によるレーザ駆動方法を示している。 図5は、制御部の内部動作を示すフローチャートであり、本実施形態によるレーザ駆動方法を示している。 図6(a)〜図6(c)は、レーザ駆動回路の動作例として、各信号の動きを示すグラフである。 図7(a),(b)は、レーザ駆動回路の動作例として、各信号の動きを示すグラフである。 図8(a)〜図8(c)は、それぞれ、図6(a)〜図6(c)に示したグラフの0単位時間から1000単位時間までを拡大して示すグラフである。 図9(a),(b)は、それぞれ、図7(a),(b)に示したグラフの0単位時間から1000単位時間までを拡大して示すグラフである。 図10は、一変形例に係るレーザ駆動回路の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1a,1b…レーザ駆動回路、2…駆動電流生成部、3…電流電圧変換部、4…データ変化検出部、5…制御部、6…第2の制御部、11…電源投入検出部、12…温度検出部、13…記憶部、14…外部通信回路、15a〜15c…D/A変換部、16a〜16c…A/D変換部、18…LD、19…PD、21…電流源、22…変調回路、23…バイアス電流源、61…積分器、62…S/H回路、63,64…増幅器、Ibias…バイアス電流、Id…駆動電流、Imod…変調電流、Imon…光電流。

Claims (5)

  1. バイアス電流及び変調電流を含む駆動電流をレーザ素子へ供給して信号光を生成させ、前記信号光をモニタする受光素子からの光電流に基づいて前記駆動電流を制御するレーザ駆動回路であって、
    前記駆動電流を前記レーザ素子へ供給する駆動電流生成部と、
    前記駆動電流に含まれる前記バイアス電流及び前記変調電流を前記光電流に基づいて制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記バイアス電流の変化に対する前記光電流の変化を求め第1の変化とし、前記変調電流の変化に対する前記光電流の変化を求め第2の変化とし、前記第1及び第2の変化の比を第1の所定値とするように前記バイアス電流及び前記変調電流を増減させることを特徴とする、レーザ駆動回路。
  2. 前記第1の所定値が1より大きく2より小さいことを特徴とする、請求項1に記載のレーザ駆動回路。
  3. 前記制御部は、前記光電流と所定の目標値との差が所定範囲内にある場合に、前記第1の変化と前記第2の変化の比を第1の所定値とする動作を行い、
    前記差が所定範囲外である場合に、前記第1及び第2の変化の比と前記第1の所定値との差の絶対値が第2の所定値よりも小さいときには前記変調電流を増減させ、前記第1及び第2の変化の比と前記第1の所定値との差の絶対値が前記第2の所定値よりも大きいときには前記バイアス電流を増減させることを特徴とする、請求項1または2に記載のレーザ駆動回路。
  4. 前記制御部は、少なくとも、前記バイアス電流から前記レーザ素子の閾値電流を算出する機能、及び前記変調電流から前記レーザ素子のスロープ効率を算出する機能のいずれかを持つことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレーザ駆動回路。
  5. バイアス電流及び変調電流を含む駆動電流をレーザ素子へ供給して信号光を生成させ、前記信号光の強度をモニタする受光素子からの光電流に基づいて前記駆動電流を制御するレーザ駆動方法であって、
    前記バイアス電流の変化に対する前記信号光の強度の変化を求め第1の変化とし、前記変調電流の変化に対する前記信号光の強度の変化を求め第2の変化とし、前記第1及び第2の変化の比が第1の所定値に近づくように前記バイアス電流及び前記変調電流を増減させることを特徴とする、レーザ駆動方法。
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