JP2007334570A - 位置予測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】工具の先端から基準面に下ろした垂線の足が円弧状の設定軌跡に沿った複数の単位移動行程によって加工中に移動するよう工具を被加工物に対して相対的に移動させる際、該足が基準面において実際に位置すると予測される位置である予測位置を求める位置予測装置であって、円弧の半径を得られる設定軌跡情報を受け付ける設定軌跡情報受付手段と、円弧の中心方向への加速度を受け付ける加速度受付手段と、設定軌跡に従った単位移動情報を受け付ける単位移動情報受付手段と、該足が周上に存すると予想される仮想楕円を半径と加速度とを用いて特定し、該足の予測位置を単位移動情報に従って求める予測位置算出手段と、を備える、位置予測装置である。
【選択図】 図4
Description
かかる加工装置は、工作機械とも呼ばれ、通常、工具の先端を所定の軌跡に沿って被加工物に対して相対的に移動させることで、被加工物の所定の位置に所定の加工を施すようになっている。そして、工具の先端を被加工物に対し所定の軌跡に沿って相対的に移動させるには、該軌跡に沿った複数の移動行程である単位移動行程が行われることによる場合が多い(例えば、特許文献5)。単位移動行程各々は、補間周期毎に出される移動命令に従って工具の先端を被加工物に対して相対的に移動させることで実行され(各補間周期ごとに各単位移動行程が実行される。)、これら単位移動行程が該軌跡に沿って複数行われることで工具先端が被加工物に対し該軌跡に沿って相対的に移動する。
ここに工具の先端を被加工物に対し相対的に沿って移動させる「所定の軌跡」が、直線に沿った場合の単位移動行程を「直線補間」といい、円弧に沿った場合の単位移動行程を「円弧補間」と呼んでいる。
さらに、被加工物や工具の固定剛性が各方向によって異なったり、工具の先端の被加工物に対する相対的移動の量が各方向で異なる(各方向での移動指示量が同じ場合であっても、方向によって剛性や移動特性等が異なるため、工具の先端の被加工物に対する相対的移動の量が方向によって異なることがある。)ことにより、円弧補間を行っている間、工具の先端が被加工物に対し相対的に移動する方向が変化するため、円弧に沿って工具の先端を被加工物に対し相対的に移動させるべき場合に該円弧から外れて移動してしまうという問題があった。このように工具の先端の被加工物に対する相対的移動方向によって剛性や移動特性等が異なり工具の先端の被加工物に対する相対的移動の量が方向によって異なるために生じる、円弧から外れて工具の先端が被加工物に対し相対的に移動する問題は、円弧補間時の円弧に沿って送る速度を減少させても根本的には解消しない。
そこで、本発明においては、円弧補間時の単位移動行程が行われることで工具の先端が被加工物に対しどのように移動するかを予測する位置予測装置を提供することを目的とする。本発明の位置予測装置によって、円弧補間時の単位移動行程が行われることで工具の先端が被加工物に対しどのように移動するかを予測すれば、工具の先端を被加工物に対しどのように移動させるかの移動命令に、かかる予測を反映させることで、高速の加工においても円弧補間時に工具の先端が被加工物に対し円弧から外れて相対的に移動することを防止又は減少させることを可能ならしめるものである。
なお、平面である基準面とは想像上の平面であり、被加工物に対して相対的な位置が定められたものである。基準面に存する円弧状の軌跡(設定軌跡)も想像上の線であり、実際に基準面に描かれていることを要するものではない。このような基準面に工具の先端(被加工物を加工する部分)から下ろした垂線の足が、基準面に存する円弧状の軌跡である設定軌跡に沿った移動行程である単位移動行程が加工中に複数回行われること(該足が各単位移動行程毎に移動し、単位移動行程が加工中に複数回行われることで該足が小刻みに移動する。)によって加工中に移動するよう工具を被加工物に対して相対的に移動させることは、従来から存する円弧補間の動作と同じである(従来から行われていた工具の先端を被加工物に対し相対的に沿って移動させる「所定の軌跡」が円弧に沿った「円弧補間」であれば、例えば、工具の先端と被加工物の加工面とを結んだ直線に対して垂直な平面を基準面と考えることもでき、そうすればこの基準面に存する円弧状の軌跡である設定軌跡に沿った移動行程である単位移動行程が加工中に複数回行われることによって、この基準面に工具の先端から下ろした垂線の足が加工中に移動するよう工具を被加工物に対して相対的に移動させることが行われてきた。)。
このように基準面に存する円弧状の軌跡である設定軌跡に沿った移動行程である単位移動行程が加工中に複数回行われる際、本装置は、これら複数の単位移動行程のうちのいずれかの単位移動行程(無論、これら複数の単位移動行程のうち全ての単位移動行程であってもよい。)の終了時に該足が基準面において実際に位置すると予測される位置である予測位置を求めるものである。
また、「工具を被加工物に対して相対的に移動させる」とは、被加工物から見て工具が移動すれば足り、工具及び被加工物の一方のみの絶対的位置が変化する場合のみならず、工具の絶対的位置及び被加工物の絶対的位置の両位置が変化するような場合をも含む。
設定軌跡情報受付手段は、円弧の半径を得られる半径に関する情報を少なくとも含む設定軌跡に関する情報である設定軌跡情報を受け付ける。設定軌跡情報は、基準面に存する設定軌跡が形成する円弧の半径(即ち、該円弧を円周の一部とする円の半径)を得られる該半径に関する情報を少なくとも含む情報であり、設定軌跡に関するものである。なお、設定軌跡情報は、それ(設定軌跡情報)から該円弧の半径を直接又は間接に得ることができる情報であれば足り、該半径そのものの情報が含まれている場合(例えば、3mm等)のみならず、該円弧に存する一点と該円弧の中心(該円弧を円周の一部とする円の中心)位置とに関する情報を含む場合(これらの情報から該半径を算出して得ることができる。)であってもよい。
加速度受付手段は、該いずれかの単位移動行程(本装置が、該足が基準面において実際に位置すると予測される予測位置を求めるべき単位移動行程)における円弧の中心方向への加速度を受け付ける。
単位移動情報受付手段は、該いずれかの単位移動行程(本装置が、該足が基準面において実際に位置すると予測される予測位置を求めるべき単位移動行程)における設定軌跡に従った前記足の移動量、方向及び目標点(該いずれかの単位移動行程の終了時に該足が基準面において存在すべき位置)を定めることができる単位移動情報を受け付ける。なお、各補間周期毎の単位移動行程それぞれにおける設定軌跡に従った前記足の移動量、方向及び目標点を定めることができる単位移動情報は、従来の工作機械において行われていた補間データの作成と同様に作成することができる。
予測位置算出手段は、基準面に存し該足が周上に存すると予想される楕円(該いずれかの単位移動行程(本装置が、該足が基準面において実際に位置すると予測される予測位置を求めるべき単位移動行程)の終了時に該足が周上に存すると予想される楕円である。)である仮想楕円を、設定軌跡情報から得られる円弧の半径と、加速度受付手段が受け付けた加速度と、を用いて特定すると共に、該いずれかの単位移動行程(本装置が、該足が基準面において実際に位置すると予測される予測位置を求めるべき単位移動行程)における該足が該いずれかの単位移動行程の終了時に位置すると予測される予測位置を単位移動情報に従って求める。ここに円弧補間時において、該足は、基準面に存する楕円である仮想楕円の周上に存すると予想され、仮想楕円は円弧半径と円弧の中心方向への加速度とによって形状等が決定される。このため円弧半径と円弧の中心方向への加速度とにより予測位置算出手段は仮想楕円を特定することができ、さらに該いずれかの単位移動行程における該足が該いずれかの単位移動行程の終了時に位置すると予測される予測位置は、該特定された仮想楕円の周上のいずれに該足が存するかを単位移動情報に従って特定することで求めることができる。
以上のようにして、本装置は、円弧補間時において複数の単位移動行程のうちのいずれかの単位移動行程(無論、これら複数の単位移動行程のうち全ての単位移動行程であってもよい。)の終了時に該足が基準面において実際に位置すると予測される位置である予測位置を仮想楕円の周上の点として求めることができる。このように本装置は、円弧補間時の単位移動行程が行われることで工具の先端が被加工物(基準面は被加工物に対して相対的な位置が定められているので、基準面上に存する仮想楕円の周上のいずれに該足が存するかを知れば、工具の先端から基準面に下ろした垂線の該足と被加工物との位置関係を知り、これから工具の先端と被加工物との位置関係を知ることができる。)に対しどのように移動するかを予測することができる。
予測位置算出手段が楕円長さ情報算出手段と楕円方向情報算出手段とを備えてなる。楕円長さ情報算出手段は、仮想楕円の長軸長さ及び短軸長さに関する情報である楕円長さ情報を、加速度受付手段により受け付けられた加速度に基づき算出する。仮想楕円の長軸長さ及び短軸長さに関する情報である楕円長さ情報とは仮想楕円の形状を特定することができる情報であり、この仮想楕円の形状は円弧の中心方向への加速度(加速度受付手段により受け付けられた加速度)により変化するので、加速度受付手段により受け付けられた円弧中心方向への加速度に基づき楕円長さ情報算出手段は求めることができる。そして、楕円方向情報算出手段は、仮想楕円の向きに関する情報である楕円方向情報を、加速度受付手段により受け付けられた加速度に基づき算出する。仮想楕円の向きに関する情報である楕円方向情報とは仮想楕円の方向(例えば、仮想楕円の長軸が向いている方向)を特定することができる情報であり、この仮想楕円の方向は円弧の中心方向への加速度(加速度受付手段により受け付けられた加速度)により変化するので、加速度受付手段により受け付けられた円弧中心方向への加速度に基づき楕円方向情報算出手段は求めることができる。このような楕円長さ情報算出手段が求めた楕円長さ情報と、楕円方向情報算出手段が求めた楕円方向情報と、により、どのような形状の仮想楕円がどちらの方向に向いているかを算出することができるので、予測位置算出手段は楕円長さ情報及び楕円方向情報の両情報を用いて仮想楕円を特定することができる。
このときは楕円長さ情報算出手段が各軸歪み量情報算出手段と誤差量算出手段とを有する。各軸歪み量情報算出手段は、設定軌跡と仮想楕円との両中心が存する原点を通過する直線(基準面に存する直線。例えば、仮想楕円の長軸を含む直線)に沿った設定軌跡と仮想楕円とのずれ(設定軌跡が該直線と交わる交点と、仮想楕円が該直線と交わる交点と、の間の距離。なお、該直線が原点によって一方側と他方側とに分割されるが、この両交点とも該一方側との交点である。)に関し、2軸(例えば、工具の先端が被加工物に対しz軸に沿って進退するとし、z軸に対して垂直な平面を基準面とするとした場合、基準面に存し互いに垂直に交わるx軸とy軸とを該2軸とすることができる。なお、かかる場合には、z軸、x軸及びy軸が1点で交わるようにし、該1点を原点とすることができる。)それぞれに関する該ずれの成分に関する情報である各軸歪み量情報を設定軌跡情報から得られる半径と加速度受付手段により受け付けられた加速度とを用いてそれぞれ算出する。そして、誤差量算出手段が、各軸歪み量情報算出手段が算出した各軸歪み量情報を用い楕円長さ情報を算出する。
このようにすることで楕円長さ情報算出手段が、半径と加速度とを用いて各軸歪み量情報を算出し(各軸歪み量情報算出手段)、各軸歪み量情報を用い楕円長さ情報を算出するので(誤差量算出手段)、仮想楕円の長軸長さ及び短軸長さに関する情報である楕円長さ情報を、加速度受付手段により受け付けられた加速度に基づき円滑に算出することができる。
各軸歪み量情報に含まれる前記所定の2軸それぞれに関する成分は、設定軌跡と仮想楕円との両中心が存する原点を通過する直線に沿った設定軌跡と仮想楕円とのずれの前記2軸それぞれに関する成分であるので、該直線に沿ったずれが前記2軸それぞれにどのように分配されるかを示すことができる。従って、仮想楕円の向き(例えば、長軸や短軸等の主軸)が前記所定の2軸に対しどちらを向いているかを前記所定の2軸それぞれに関する成分に関する情報(例えば、両成分の比率や差等)を用いて得ることができる。従って、楕円方向情報算出手段が、各軸歪み量情報に含まれる前記所定の2軸それぞれに関する成分に関する情報を用い楕円方向情報(仮想楕円の向きに関する情報)を算出するものであるので、各軸歪み量情報を用い楕円長さ情報のみならず楕円方向情報をも算出することができる(楕円長さ情報と楕円方向情報とを別個に算出する場合に比して、本装置におけるデータ処理量を減少させることもできる。)。
加速度算出手段は、設定軌跡情報から得られる半径と、単位移動情報から得られる前記足の移動速度と、とを用い、前記いずれかの単位移動行程における円弧の中心方向への加速度を算出する。ここに円弧の中心方向への加速度Aは、設定軌跡情報から得られる半径rと、(前記いずれかの単位移動行程における)単位移動情報から得られる前記足の移動速度V(線速度)と、とを用いれば、A=V2/rにより求められる。そして、加速度受付手段が、加速度算出手段が算出した加速度を受け付ける。このため、通常、工作機械において工具を被加工物に対して相対的に移動させるときの制御として一般的に用いられる、設定軌跡情報から得られる半径と、単位移動情報から得られる前記足の移動速度と、を本装置が用いて自動的に円弧中心方向への加速度を算出し動作するので、これまでの工作機械に用いられていた工作データを用いて予測位置を予測することができ便利である。
目標位置方向算出手段は、前記いずれかの単位移動行程の終了時における該足の目標位置が、設定軌跡の前記円弧が一部をなす円である基準円の中心からいずれの方向(例えば、基準面の該中心から見たときの所定方向からの回転角等)に存するかを単位移動情報に従って算出する。そして、予測位置算出手段が、目標位置方向算出手段が算出した該いずれの方向(例えば、基準面の該中心から見たときの所定方向からの回転角等)に従って前記足が仮想楕円の周上のいずれの位置に存するかを特定し予測位置を求めるので(例えば、前記いずれかの単位移動行程の終了時における該足の目標位置と、基準円の中心と、結ぶ直線のうち、該中心から該目標位置方向に存する部分が仮想楕円を交わる交点を予測位置とすることを例示することができる。)、該いずれかの単位移動行程における該足が該いずれかの単位移動行程の終了時に位置すると予測される予測位置を単位移動情報に従って円滑に求めることができる。
信号送信手段は、予測位置算出手段により予測される前記いずれかの単位移動行程の終了時における前記足の予測位置と、前記いずれかの単位移動行程の終了時における設定軌跡上の前記足が存すべき位置である理想位置と、の差に基づき、前記いずれかの単位移動行程において工具を被加工物に対して相対的に移動させる目標量を調節して移動命令信号を出力するので、前記足の予測位置と理想位置との差が小さくなるように移動の目標量を調節して移動命令信号を出力することにより、円弧補間時に工具の先端の位置を示す前記足が理想位置から外れることを防止又は減少させることができる。このため工具の先端を被加工物に対しどのように移動させるかの移動命令に、前記足の予測位置の予測を反映させることで、高速の加工においても円弧補間時に工具の先端が被加工物に対し円弧から外れて相対的に移動することを防止又は減少させることを可能ならしめる。そして、前記いずれかの単位移動行程ごとに前記足の予測位置を予測し目標量を調節して移動命令信号を出力するので、被加工物や工具の固定剛性が各方向によって異なったり、工具の先端の被加工物に対する相対的移動の量が各方向で異なる(工具の先端の被加工物に対する相対的移動の移動特性が各方向で異なる)ことにより、円弧補間を行っている間に工具の先端が被加工物に対し相対的に移動する方向が変化しても、円弧から外れて工具の先端が被加工物に対し相対的に移動する問題を防止又は減少することができる。
本工作装置11は、工具21(例えば、エンドミル等)の基端側が取り付けられると共に工具21をz軸方向(ここでは略鉛直方向)に自在に移動させる加工部23(工具21をz軸の周りに回転させる。)と、被加工物31が上面に載置され固定されたYテーブル33(被加工物31をY軸に沿って自由に運動させることができる。なお、Y軸は、Z軸に対して垂直な平面に存する直線に沿った軸である。)と、Yテーブル33が上面に載置され固定されたXテーブル35(Yテーブル33をX軸に沿って自由に運動させることができる。Yテーブル33をX軸に沿って運動させれば、無論、被加工物31もX軸に沿って運動する。なお、X軸は、Z軸に対して垂直な平面に存すると共にY軸に対して垂直な直線に沿った軸である。即ち、X軸、Y軸及びZ軸は互いに直交する3軸である。)と、本工作装置11の動作を制御する制御部51と、本工作装置11の動作を制御するための制御データを記憶するメモリー59と、制御部51の命令を受けて工具21をz軸方向に移動させるよう加工部23を動作させるz軸移動部41と、制御部51の命令を受けてYテーブル33を動作させるY軸移動部45と、制御部51の命令を受けてXテーブル35を動作させるX軸移動部43と、を備えてなる。
制御部51は、演算処理を行うCPU51a、CPU51aの作業領域等となるRAM51b、制御プログラム等を記録するROM51c、メモリー59、z軸移動部41、X軸移動部43及びY軸移動部45と情報のやり取りを行うためのインターフェイス51dと、を有する。
なお、メモリー59が記憶しているデータは、被加工物31に施すべき加工に関するものであり、工具21の先端から、平面である基準面たるxy平面(x軸とy軸とが属する平面。なお、基準面たるxy平面は、被加工物31に対して相対的に位置決めされている。)に下ろした垂線の足(以下、単に「足」ということがある。)が、基準面(xy平面)に沿って加工中にどのように移動するよう工具を被加工物に対して相対的に移動させるかを示すデータが含まれている(なお、工具21の先端が加工中にz軸方向にどのように運動すべきかを示すデータも通常含まれているが、本発明の要旨には直接関係しないので(なお、工具21の先端がz軸方向に関しては移動せず一定の位置(被加工物31の加工面から一定の深さ)に固定されているような場合であってもよい。)、ここでは説明を省略する。z軸方向への運動データは、後述するように、出力部67から制御指示部57に送信され、従来の工作機械と同様、制御指示部57はz軸移動部41に信号を発する。)。メモリー59が記憶しているデータは、具体的には、PS(加工開始における位置工具21の先端(被加工物31に接触して加工する部分)からxy平面(基準面)に下ろした垂線の足のx座標及びy座標)、PE(加工終了における位置工具21の先端からxy平面(基準面)に下ろした垂線の足のx座標及びy座標)、PSからPEまでが直線補間か円弧補間かの別を示す補間指示(なお、直線補間とは、PSからPEまで足がxy平面に存する線分に沿って移動する動作をいい、円弧補間とは、足がxy平面に存する円弧に沿って移動する動作をいう。)、補間指示が円弧補間を示している場合にPSから該円弧の中心位置に向かうベクトル、指令送り速度(PSからPEまで足が移動する線速度)が含まれている。図3は、xy平面(x軸とy軸とが属する平面。本発明にいう基準面である。)を示す図であり、例示として、PS(xs、ys)、PE(xe、ye)、(ここでは補間指示が円弧補間を示しているので)PSから円弧Arの中心位置G(xg、yg)に向かうベクトルGV(PSから中心位置Gを見たときの中心位置Gの相対的な座標によって示す。即ち、PS(xs、ys)と中心位置G(xg、yg)との座標差((xg−xs)、(yg−ys))によって示されるものである。具体的には、例えばPS(xs、ys)=(57、173)であり中心位置G(xg、yg)=(31、203)であれば、ベクトルGV((xg−xs)、(yg−ys))=((31−57)、(203−173))=(ー26、30)として示される。なお、単位はmmである。)を示している。この場合であれば、PS(xs、ys)、PE(xe、ye)、円弧補間(足がxy平面に存する円弧Arに沿って移動する。)を示す補間指示、補間指示が円弧補間を示している場合にPSから該円弧Arの中心G位置に向かうベクトルGV((xg−xs)、(yg−ys))、指令送り速度(例えば、0.5mm/秒)のデータがメモリー59に記憶されている(なお、ここでは該円弧Arが、本発明にいう「円弧状の軌跡である設定軌跡」に該当する。)。
また、メモリー59は、かかるデータを確実に記憶すると共にデータ入力部53によって確実に読み出すことができるものであればいかなるものであってもよく何ら限定されるものではないが、例えば、CD−ROM、MO、FD等を例示することができる。
制御管理部55は、データ記憶部61と補間情報作成部63と補間データ判断部65と出力部67と円弧半径算出部69と相対座標算出部71と角度算出部73と各軸方向誤差量算出部75と誤差量算出部77と予測座標算出部79と補正座標算出部81と補正後移動ベクトル算出部83と開始点算出部85と速度算出部87と加速度算出部89と長軸角度算出部91とを有してなる。
ここに補間周期とは、図5に示すように、PSからPEまで足(工具21の先端から基準面たるxy平面に下ろした垂線の足)が移動する行程を小さな時間(例えば、0.5m(ミリ)秒)毎の単位移動行程に分割し、これら複数の単位移動行程が続けられることでPSからPEまで足が移動するように制御されるとき、これら各単位移動行程がなされる間の該小さな時間(例えば、0.5m(ミリ)秒)をいい、補間周期は予め(例えば、0.5m(ミリ)秒であることが)補間情報作成部63に記憶されている。
そして、各補間周期あたりの移動量ベクトルMVとは、各補間周期(例えば、0.5m(ミリ)秒)当たりの各単位移動行程において足が移動すべき移動方向及び移動量を示すものであり、具体的には、各補間周期当たりの各単位移動行程について、足が移動を開始する開始点を原点(x、y)=(0、0)として該単位移動行程が終了する終了点を(x、y)座標(単位:mm)にて示したものである(具体的な例を挙げれば、補間周期当たりの単位移動行程において足がx軸正方向に0.01mm、y軸負方向に0.005mm移動する場合では、該単位移動行程が開始する開始点を原点(x、y)=(0、0)とすれば該単位移動行程が終了する終了点は(x、y)=(0.01、ー0.005)であるので、該補間周期当たりの該単位移動行程に係る移動量ベクトルMVは(0.01、ー0.005)と示される。)。この移動量ベクトルMVを図5を用いて詳しく説明する。PS(xs、ys)からPE(xe、ye)まで足が移動するように制御する行程は、移動量ベクトルMV1(mv1x、mv1y)によりPSから円弧Ar上の点N1に移動する第1の単位移動行程、移動量ベクトルMV2(mv2x、mv2y)により点N1から円弧Ar上の点N2に移動する第2の単位移動行程、移動量ベクトルMV3(mv3x、mv3y)により点N2から円弧Ar上の点N3に移動する第3の単位移動行程、移動量ベクトルMV4(mv4x、mv4y)により点N3から円弧Ar上の点N4に移動する第4の単位移動行程、・・・・・移動量ベクトルMVn(mvnx、mvny)により点N(nー1)からPEに移動する第nの単位移動行程(但し、nは自然数)のn個の単位移動行程が行われることによって達成される。なお、xs+mv1x+mv2x+mv3x+mv4x+・・・・・+mvnx=xeかつys+mv1y+mv2y+mv3y+mv4y+・・・・・+mvny=yeである。また、PS、PE、円弧式及び補間周期(例えば、0.5m(ミリ)秒)を用いて加減速加速度に応じた補間周期あたりの移動量ベクトルMVを作成する方法は、補間周期当たりに移動する量(該量は、加減速時の許容加速度に基づき決定される。)ずつ座標回転させながら次の位置を計算し、それから前の周期(補間周期)の終点座標を減算することで算出されるが、これは工作機械等の数値制御装置(N/C)内にて以前から一般的に行われているものであるので、ここでは詳しい説明を省略する。
そして、補間情報作成部63は、点N1から円弧Ar上の点N2に移動する第2の単位移動行程に係る移動量ベクトルMV2(mv2x、mv2y)を作成し、該作成した移動量ベクトルMV2(mv2x、mv2y)を含む補間情報(移動量ベクトルMV2とデータ組とが含まれている。)を補間周期(例えば、0.5m(ミリ)秒)経過後に補間データ判断部65へ送信し、点N2から円弧Ar上の点N3に移動する第3の単位移動行程に係る移動量ベクトルMV3(mv3x、mv3y)を作成し、該作成した移動量ベクトルMV3(mv3x、mv3y)を含む補間情報(移動量ベクトルMV3とデータ組とが含まれている。)を補間周期(例えば、0.5m(ミリ)秒)経過後に補間データ判断部65へ送信し、点N3から円弧Ar上の点N4に移動する第4の単位移動行程に係る移動量ベクトルMV4(mv4x、mv4y)を作成し、該作成した移動量ベクトルMV4(mv4x、mv4y)を含む補間情報(移動量ベクトルMV4とデータ組とが含まれている。)を補間周期(例えば、0.5m(ミリ)秒)経過後に補間データ判断部65へ送信し、・・・・・点N(nー1)からPEに移動する第nの単位移動行程(但し、nは自然数)に係る移動量ベクトルMVn(mvnx、mvny)を作成し、該作成した移動量ベクトルMVn(mvnx、mvny)を含む補間情報(移動量ベクトルMVnとデータ組とが含まれている。)を補間周期(例えば、0.5m(ミリ)秒)経過後に補間データ判断部65へ送信する(即ち、補間情報作成部63は、各単位移動行程に係る移動量ベクトルMV(mvx、mvy)を作成し、該作成した移動量ベクトルMV(mvx、mvy)を含む補間情報(移動量ベクトルMVとデータ組とが含まれている。)を補間周期(例えば、0.5m(ミリ)秒)毎に補間データ判断部65へ送信する。)。
これら第1の補間情報、第2の補間情報、第3の補間情報、第4の補間情報・・・・第nの補間情報のいずれの補間情報についても、以下述べる動作は同様であるので、以下ここでは第mの補間情報(但し、mは1以上n以下の自然数)を補間データ判断部65が受信したとして説明する。
一方、補間データ判断部65が第mの補間情報に含まれる補間指示が円弧補間であると判断した場合には、第mの補間情報を円弧半径算出部69と開始点算出部85とに並列的に送信する。
図6は、図3に示したPSを例にとって、円弧Arの中心位置Gから見たときのPSの座標(xsr、ysr)を示したものである。
このように第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)を求めた相対座標算出部71は、円弧半径算出部69から受信した前記円弧Arの半径r及び第mの補間情報と、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)と、を角度算出部73と速度算出部87とに並列的に送信する。
このようにして円弧Ar中心Gから見た第mの補間周期当たりの座標の角度θmを求めた角度算出部73は、円弧Arの半径r、第mの補間情報、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、円弧Ar中心Gから見た第mの補間周期当たりの座標の角度θmを互いに関連付けて各軸方向誤差量算出部75へ送信する。
第mの補間周期あたりの速度Vmを求めた速度算出部87は、円弧Arの半径r、第mの補間情報、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、第mの補間周期あたりの速度Vmを互いに関連付けて加速度算出部89に送信する。
第mの補間周期あたりの加速度Amを算出した加速度算出部89は、円弧Arの半径r、第mの補間情報、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、第mの補間周期あたりの速度Vm、第mの補間周期あたりの加速度Amを互いに関連付けて各軸方向誤差量算出部75へ送信する。
図8は、仮想楕円KDの長軸201に沿った方向の誤差Eのx軸方向の誤差量Exm(x軸方向成分)と、仮想楕円KDの長軸201に沿った方向の誤差Eのy軸方向の誤差量Eym(y軸方向成分)と、仮想楕円KDの短軸201sに沿った方向の誤差量Esmと、を説明する図である。図8を参照して、長軸201に沿った方向のx軸方向の誤差量Exm(x軸方向成分)と、長軸201に沿った方向のy軸方向の誤差量Eym(y軸方向成分)と、短軸201sに沿った方向の誤差量Esmと、について説明する。図8に示すように、半径rの円TR(図8中、点線にて示す。)に沿って速度Vにて足(工具21の先端から基準面たるxy平面に下ろした垂線の足)を運動させようとすると、実際には、足は楕円KDに沿って運動することが予想される。このとき足が実際に沿って運動すると予想される楕円を「仮想楕円」KDといい、足が運動すべき理想的な円TRを「基準円」TRという。従って、図8において、仮想楕円KDと基準円TRとのずれが、足(工具21の先端の位置のxy平面に関する位置を示す。)に関する誤差になる。そして、仮想楕円KDの長軸201に沿った方向の誤差Eをx軸方向とy軸方向との成分Ex(x軸方向成分。X軸方向への誤差量と言うこともある。)と成分Ey(y軸方向成分。Y軸方向への誤差量と言うこともある。)とに分ける(即ち、E=((Ex)2+(Ey)2)0.5である。)。また、仮想楕円KDの短軸201sに沿った方向の誤差量を誤差量Esとする。
第mの補間周期の誤差量Emを算出した誤差量算出部77は、円弧Arの半径r、第mの補間情報、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、円弧Ar中心Gから見た第mの補間周期当たりの座標の角度θm、第mの補間周期あたりの加速度Am、長軸201方向誤差量Em及び短軸201s方向の誤差量Esmを互いに関連付け予測座標算出部79に送信する。
仮想楕円KDの長軸201の角度φmを求めた長軸角度算出部91は、円弧Arの半径r、第mの補間情報、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、円弧Ar中心Gから見た第mの補間周期当たりの座標の角度θm、第mの補間周期あたりの加速度Am、第mの仮想楕円KDの長軸201の角度φmを互いに関連付け予測座標算出部79に送信する。
この第mの補間周期あたりの予測座標(am、bm)を算出した予測座標算出部79は、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、円弧Ar中心Gから見た第mの補間周期当たりの座標の角度θm、第mの補間周期あたりの予測座標(am、bm)を互いに関連付け補正座標算出部81に送信する。
第mの補間周期あたりの補正座標αm及びβmを求めた補正座標算出部81は、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、円弧Ar中心Gから見た第mの補間周期当たりの座標の角度θm、第mの補間周期あたりの予測座標(am、bm)、第mの補間周期あたりの補正座標αm及びβmを互いに関連付け補正後移動ベクトル算出部83に送信する。
補正後の第mの補間周期あたりの移動ベクトルMVrmを求めた補正後移動ベクトル算出部83は、求めた補正後の第mの補間周期あたりの移動ベクトルMVrmを出力部67へ送信する。
図14は、主として制御部51のデータ記憶部61の動作を説明するフローチャート図である。図14を参照して、主として制御部51のデータ記憶部61の動作について説明する。
データ記憶部61は、データ入力部53からデータ組を受信したか否か判断し(s101)、受信したと判断した場合(YES)には、受信したデータ組を記憶し(s103)、さらに該受信したデータ組の中から加工する順番が最も早いデータ組を特定し(s105)、s105にて特定したデータ組と起動信号とを関連付けて補間情報作成部63へ送信する(s107)。s107の後、データ記憶部61は、s107にて送信したデータ組に係る記憶を自ら(データ記憶部61)の記憶から削除する(s109)。s101にてデータ記憶部61が、データ入力部53からデータ組を受信したと判断しない場合(NO)には、再びs101へ戻る。なお、前述のように、s101よりも前に、図示しない運転開始スイッチが入れられるが、該図示しない運転開始スイッチが入れられると、データ入力部53はメモリー59にアクセスし、メモリー59が記憶しているデータ組(通常、複数)を読みだし取得すると共に、該読みだし取得したデータ組をデータ記憶部61に送信する。
s109の後、データ記憶部61は、自ら(データ記憶部61)が記憶しているデータ組が存在しているか否か判断し(s111)、データ組が存在していると判断しない場合(NO)には作業を終了し、データ組が存在していると判断する場合(YES)には、補間情報作成部63の要求があるか否か判断し(s113)、要求があると判断しない場合(NO)には再びs113へ戻り、要求があると判断する場合(YES)には再びs105へ戻り、上述の動作を継続する。
補間情報作成部63は、s107にてデータ記憶部61から送信されるデータ組と起動信号とが関連付けられた信号を受信したか否か判断し(s121)、該関連付けられた信号を受信したと判断しない場合(NO)には再びs121へ戻り、該関連付けられた信号を受信したと判断した場合(YES)には、受信したデータ組に含まれるPS、PE及びベクトルGVの3つから円弧Arを示す円弧式を作成し記憶する(s123)。
s123の後、補間情報作成部63は、「第mの単位移動行程」を表す変数mを1とし(m=1)(s125)、PS、PE、円弧式(s123にて作成)から加減速加速度に応じた各補間周期あたりの移動量ベクトルMVmを作成する(s127)。s127の後、補間情報作成部63は、s127にて作成した移動量ベクトルMVmを含む補間情報を補間データ判断部65へ送信する(s129)。s129の後、m=nか否かを判断し(s131)、m=nと判断した場合(YES)には、データ記憶部61に次のデータ組を送信するよう要求信号を発し(s133)、その後s121へ再び戻る。s131にてm=nと判断しない場合(NO)には、mに1を加え(s135)、その後s127へ再び戻り、上述した動作を続行する。なお、s131における「m=n」とは、その直前のs129にて、点N(nー1)からPEに移動する第nの単位移動行程に係る移動量ベクトルMVn(mvnx、mvny)を含む補間情報を補間データ判断部65へ送信し終えたことを意味しているので、s121にて受信したデータ組に関して動作を終えたことを意味している。また、s133の要求信号は、前述したs113における補間情報作成部63の要求に該当する。
補間データ判断部65は、s129にて補間情報作成部63から送信される補間情報を受信したか否か判断し(s141)、補間情報を受信したと判断しない場合(NO)には再びs141へ戻り、補間情報を受信したと判断した場合(YES)には、補間情報に含まれる補間指示が円弧補間であるか否か判断し(s143)、円弧補間であると判断した場合(YES)には、受信した補間情報を円弧半径算出部69と開始点算出部85とに並列的に送信する(s145)。s143にて円弧補間であると判断しない場合(NO。即ち、直線補間である場合)には、受信した補間情報に含まれる移動量ベクトルMVmを出力部67に送信する(s147)。なお、前述のように、s147にて補間データ判断部65から送信された移動量ベクトルMVmを受信した出力部67は、移動量ベクトルMVmを制御指示部57に送信し、制御指示部57は移動量ベクトルMVmに従ってz軸移動部41、Y軸移動部45及びX軸移動部43に信号を発する(その移動量ベクトルMVmに従って制御指示部57からz軸移動部41、Y軸移動部45及びX軸移動部43に発せられた信号に基づき、これらz軸移動部41、Y軸移動部45及びX軸移動部43それぞれは、工具21をz軸方向に移動させるよう加工部23を動作させ、Yテーブル33を動作させ、そしてXテーブル35を動作させる。これによって位置工具21の先端が、被加工物31に接触して所定の加工が施される。)。
s145にて補間データ判断部65から送信された補間情報を受信した円弧半径算出部69は、補間情報に含まれるPSから円弧Arの中心位置Gに向かうベクトルGV((xg−xs)、(yg−ys))を用い、該円弧Arの半径r(即ち、該ベクトルGVの長さ)を求め(s147)、該求めた該円弧Arの半径rと補間情報とを関連付けて相対座標算出部71へ送信する(s149)。
s145にて補間データ判断部65から送信された補間情報を受信した開始点算出部85は、補間情報に含まれるPSから円弧Arの中心位置Gに向かうベクトルGVを用い、該円弧Arの中心位置Gから見たときのPSの座標(xsr、ysr)(相対座標)を求め(s151)、該求めた該円弧Arの中心位置Gから見たときのPSの座標(xsr、ysr)(相対座標)と第mの補間情報とを関連付けて相対座標算出部71へ送信する(s153)。
s147、s149及びs153いずれの後も、再びs141へ戻る。
相対座標算出部71は、s149にて円弧半径算出部69から送信された前記円弧Arの半径rと第mの補間情報とが関連付けられた信号と、s153にて開始点算出部85から送信された前記円弧Arの中心位置Gから見たときのPSの座標(xsr、ysr)と第mの補間情報とが関連付けられた信号と、の両信号を受信したか否か判断し(s161)、両信号を受信したと判断しない場合(NO)には再びs161へ戻り、両信号を受信したと判断した場合(YES)には、相対座標算出部71は、第mの補間情報に含まれる第mの補間周期あたりの移動量ベクトルMVmを用い、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)を求める(s163)。s163にて第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)を求めた相対座標算出部71は、円弧半径算出部69から受信した前記円弧Arの半径r及び第mの補間情報と、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)と、を角度算出部73と速度算出部87とに並列的に送信する(s165)。
s173にて速度算出部87から送信された円弧Arの半径r、第mの補間情報、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、第mの補間周期あたりの速度Vmを受信した加速度算出部89は、第mの補間周期あたりの速度Vm及び円弧Arの半径rとを用い、第mの単位移動行程の終点(点Nm)における第mの補間周期あたりの加速度Amを求め(s175)、そして加速度算出部89は、円弧Arの半径r、第mの補間情報、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、第mの補間周期あたりの速度Vm、第mの補間周期あたりの加速度Amを互いに関連付けて各軸方向誤差量算出部75へ送信する(s177)。
s191にて第mの補間周期の誤差量Emを算出した誤差量算出部77は、円弧Arの半径r、第mの補間情報、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、円弧Ar中心Gから見た第mの補間周期当たりの座標の角度θm、第mの補間周期あたりの加速度Am、長軸201方向誤差量Em、短軸201s方向の誤差量Esmを互いに関連付け予測座標算出部79に送信する(s193)。
s195にて仮想楕円KDの長軸201の角度φmを求めた長軸角度算出部91は、円弧Arの半径r、第mの補間情報、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、円弧Ar中心Gから見た第mの補間周期当たりの座標の角度θm、第mの補間周期あたりの加速度Am、第mの仮想楕円KDの長軸201の角度φmを互いに関連付け予測座標算出部79に送信する(s197)。
s193にて誤差量算出部77から送信された円弧Arの半径r、第mの補間情報、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、円弧Ar中心Gから見た第mの補間周期当たりの座標の角度θm、第mの補間周期あたりの加速度Am、長軸201方向誤差量Em、短軸201s方向誤差量Esmを受信すると共に、s197にて長軸角度算出部91から送信された円弧Arの半径r、第mの補間情報、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、円弧Ar中心Gから見た第mの補間周期当たりの座標の角度θm、第mの補間周期あたりの加速度Am、仮想楕円KDの長軸201の角度φmを受信した予測座標算出部79は、第mの補間周期あたりの予測座標(am、bm)を求める(s201)。
s201にて第mの補間周期あたりの予測座標(am、bm)を算出した予測座標算出部79は、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、円弧Ar中心Gから見た第mの補間周期当たりの座標の角度θm、第mの補間周期あたりの予測座標(am、bm)を互いに関連付け補正座標算出部81に送信する(s203)。
s211にて第mの補間周期あたりの補正座標αm及びβmを求めた補正座標算出部81は、第mの補間周期あたりの円弧Ar中心Gから見た相対座標(xrm、yrm)、円弧Ar中心Gから見た第mの補間周期当たりの座標の角度θm、第mの補間周期あたりの予測座標(am、bm)、第mの補間周期あたりの補正座標αm及びβmを互いに関連付け補正後移動ベクトル算出部83に送信する(s213)。
s221にて補正後の第mの補間周期あたりの移動ベクトルMVrmを求めた補正後移動ベクトル算出部83は、求めた補正後の第mの補間周期あたりの移動ベクトルMVrmを出力部67へ送信する(s223)。
s231の後、s141へ戻る。
楕円方向情報算出手段(長軸角度算出部91)が、各軸歪み量情報Ex、Eyに含まれる前記所定の2軸(x軸、y軸)それぞれに関する成分Ex、Eyに関する情報を用い、楕円方向情報(長軸201の角度φm)を算出するものである。
21 工具
23 加工部
31 被加工物
33 Yテーブル
35 Xテーブル
41 z軸移動部
43 X軸移動部
45 Y軸移動部
51 制御部
51a CPU
51b RAM
51c ROM
51d インターフェイス
53 データ入力部
55 制御管理部
57 制御指示部
59 メモリー
61 データ記憶部
63 補間情報作成部
65 補間データ判断部
67 出力部
69 円弧半径算出部
71 相対座標算出部
73 角度算出部
75 各軸方向誤差量算出部
77 誤差量算出部
79 予測座標算出部
81 補正座標算出部
83 補正後移動ベクトル算出部
85 開始点算出部
87 速度算出部
89 加速度算出部
91 長軸角度算出部
101 線分
201 長軸
Claims (9)
- 被加工物に当接することで被加工物を加工する工具の先端から、平面である基準面に下ろした垂線の足が、基準面に存する円弧状の軌跡である設定軌跡に沿った複数の移動行程である単位移動行程によって加工中に移動するよう工具を被加工物に対して相対的に移動させる際、複数の単位移動行程のうちのいずれかの単位移動行程の終了時に該足が基準面において実際に位置すると予測される位置である予測位置を求める位置予測装置であって、
円弧の半径を得られる半径に関する情報を少なくとも含む設定軌跡に関する情報である設定軌跡情報を受け付ける設定軌跡情報受付手段と、
該いずれかの単位移動行程における円弧の中心方向への加速度を受け付ける加速度受付手段と、
該いずれかの単位移動行程における設定軌跡に従った前記足の移動量、方向及び目標点を定めることができる単位移動情報を受け付ける単位移動情報受付手段と、
基準面に存し該足が周上に存すると予想される楕円である仮想楕円を、設定軌跡情報から得られる円弧の半径と、加速度受付手段が受け付けた加速度と、を用いて特定し、該いずれかの単位移動行程における該足が該いずれかの単位移動行程の終了時に位置すると予測される予測位置を単位移動情報に従って求める予測位置算出手段と、
を備えてなる、位置予測装置。 - 予測位置算出手段が、
仮想楕円の長軸長さ及び短軸長さに関する情報である楕円長さ情報を、加速度受付手段により受け付けられた加速度に基づき算出する楕円長さ情報算出手段と、
仮想楕円の向きに関する情報である楕円方向情報を、加速度受付手段により受け付けられた加速度に基づき算出する楕円方向情報算出手段と、をさらに備えてなり、そして
楕円長さ情報及び楕円方向情報を用いて仮想楕円を特定するものである、請求項1に記載の位置予測装置。 - 楕円長さ情報算出手段が、
設定軌跡と仮想楕円との両中心が存する原点を通過する直線に沿った設定軌跡と仮想楕円とのずれの、原点にて互いに交わる所定の2軸それぞれに関する成分に関する情報である各軸歪み量情報を、設定軌跡情報から得られる半径と加速度受付手段により受け付けられた加速度とを用いてそれぞれ算出する各軸歪み量情報算出手段と、
各軸歪み量情報を用い楕円長さ情報を算出する誤差量算出手段と、
を有してなる、請求項2に記載の位置予測装置。 - 楕円方向情報算出手段が、各軸歪み量情報に含まれる前記所定の2軸それぞれに関する成分に関する情報を用い、楕円方向情報を算出するものである、請求項3に記載の位置予測装置。
- 設定軌跡情報から得られる半径と、単位移動情報から得られる前記足の移動速度と、とを用い、前記いずれかの単位移動行程における円弧の中心方向への加速度を算出する加速度算出手段をさらに備え、
加速度受付手段が、加速度算出手段が算出した加速度を受け付けるものである、請求項1乃至4のいずれか1に記載の位置予測装置。 - 前記いずれかの単位移動行程の終了時における該足の目標位置が、設定軌跡の前記円弧が一部をなす円である基準円の中心からいずれの方向に存するかを単位移動情報に従って算出する目標位置方向算出手段を、さらに備え、
予測位置算出手段が、目標位置方向算出手段が算出した該いずれの方向に従って前記足が仮想楕円の周上のいずれの位置に存するかを特定し予測位置を求めるものである、請求項1乃至5のいずれか1に記載の位置予測装置。 - 予測位置算出手段により予測される前記いずれかの単位移動行程の終了時における前記足の予測位置と、前記いずれかの単位移動行程の終了時における設定軌跡上の前記足が存すべき位置である理想位置と、の差に基づき、前記いずれかの単位移動行程において工具を被加工物に対して相対的に移動させる目標量を調節して移動命令信号を出力する信号送信手段を、さらに備えるものである、請求項1乃至6のいずれか1に記載の位置予測装置。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の位置予測装置をコンピュータに実現させるためのプログラム。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の位置予測装置をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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