JP2007333903A - ファラデー回転子及びその製造方法並びに光アイソレータ - Google Patents

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義從 三浦
Seiichi Yokoyama
精一 横山
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Abstract

【課題】安価なファラデー回転子を提供する。
【解決手段】ファラデー効果を有する磁性体2がガーネット型結晶構造を有する多結晶体であり、かつ基体1に形成された溝1aの内部に充填されている。前記磁性体2が、磁気弾性効果を起源とする磁気異方性を有し、かつ該磁気弾性効果を起源とする磁気異方性エネルギーが、該ファラデー効果を有する磁性体2の結晶磁気異方性定数よりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信分野、あるいは光計測の分野において、半導体レーザー等の光源から発射された光が、種々の原因で光源に帰還することを防止するための光アイソレータ等に用いられるファラデー回転子及びその製造方法、並びに同ファラデー回転子を用いた光アイソレータに関するものである。
図8に、従来からよく知られた、ファラデー回転子を用いた光アイソレータの構成概略を示す。図中、41はファラデー回転子、42は偏光子、43は検光子、44は永久磁石等の外部磁界印加手段、45は半導体レーザー等から成る光源、46は光源45から出射された光の伝播方向を示す。
従来、ファラデー回転子41の材料としては、例えば、特許文献1に記載されているように、非磁性ガーネット基板上に液相エピタキシャル法で形成されたビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶が用いられていた。
一般的に、ファラデー回転子41に入射する光の偏光方向と、ファラデー回転子を透過した後の光の偏光方向との成す角度、すなわちファラデー回転角は、ファラデー回転子の光伝播方向の厚さに比例する。
例えば、光アイソレータの場合、ファラデー回転角は45度であることが必要であり、そのためのビスマス置換希土類鉄ガーネットの厚さは400〜500μmとなる(以下、45度のファラデー回転角を得るための厚さを「伝播長」と記す)。
通常、係る伝播長を得るために、液相エピタキシャル法で、ビスマス置換希土類鉄ガーネットを前述した伝播長より厚く形成した後、基板を研磨で除去し、更に、精密研磨により所望のファラデー回転角を得るために必要な膜厚に追い込む、という加工方法が採られていた。
このようなファラデー回転子の技術とは別に、酸化物等からなるセラミック材料を、高堆積速度で成膜できる方法としてエアロゾルデポジション法が知られている(非特許文献1、2参照)。
特開平7−206593号公報 明渡:『エアロゾルデポジション法による常温衝撃固化現象と集積化技術への展開』マテリアルインテグレーション、18巻、No.5、1〜16頁(2005年) 中田他:『エアロゾルデポジション法による透明電気光学薄膜』、マテリアルインテグレーション、18巻、No.5、53〜59頁(2005年)
ところで、液相エピタキシャル法でビスマス置換希土類鉄ガーネットを形成する際には、非磁性のガーネット基板、例えばGdGa12単結晶が用いられるが、係る非磁性単結晶基板は高価であり、最終形態のファラデー回転子には当該基板は残存しなくなるものの、結果的にファラデー回転子、あるいは当該ファラデー回転子を用いた光アイソレータの価格を高額なものとしていた。
本発明は、上記事情を考慮し、安価なファラデー回転子と、その製造方法、並びにそのファラデー回転子を用いた光アイソレータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明により提供される第1の手段は、ファラデー効果を有する磁性体を備えたファラデー回転子において、前記ファラデー効果を有する磁性体が多結晶体であり、かつ基体に形成された溝の内部に充填されていることを特徴とするファラデー回転子である。
また、本発明により提供される第2の手段は、ファラデー効果を有する磁性体を備えたファラデー回転子において、前記ファラデー効果を有する磁性体が多結晶体であり、かつ基体と基体の間に挟まれていることを特徴とするファラデー回転子である。
また、本発明により提供される第3の手段は、第1又は第2の手段において、前記ファラデー効果を有する磁性体が、ガーネット型結晶構造を有することを特徴とするファラデー回転子である。
また、本発明により提供される第4の手段は、第1乃至第3のいずれかの手段において、前記ファラデー効果を有する磁性体が磁気弾性効果を起源とする磁気異方性を有し、かつ該磁気弾性効果を起源とする磁気異方性エネルギーが、該ファラデー効果を有する磁性体の結晶磁気異方性定数よりも大きいことを特徴とするファラデー回転子である。
また、本発明により提供される第5の手段は、第1乃至第4のいずれかの手段において、前記基体が非磁性体であることを特徴とするファラデー回転子である。
更に、本発明により提供される第1乃至第5のいずれかの手段に係るファラデー回転子の製造方法は、少なくとも次の第1の工程及び第2の工程を含むことを特徴とするファラデー回転子の製造方法である。
(a)第1の工程が、基体の表面に、一方向に延在する所望形状の溝を形成する工程である。
(b)第2の工程が、ファラデー効果を有する磁性体から成る原料微粒子を搬送ガスと混合してエアロゾル化し、減圧チャンバ内で該搬送ガスと共に、該原料微粒子をノズルを通して加速して基体の表面に向けて噴射せしめることにより成膜体を形成するエアロゾルデポジション工程であって、前記ノズルから噴射された前記原料微粒子を、前記基体の表面に対して斜め方向で、かつ、前記基体の表面に形成された一方向に延在する溝に沿って基体の表面に入射させ、それにより、前記溝内に前記ファラデー効果を有する磁性体を充填する工程である。
また、本発明により、第1乃至第5のいずれかの手段によりなるファラデー回転子を用いた光アイソレータが提供される。
本発明により成るファラデー回転子は、ファラデー効果を有する多結晶磁性体と適当な基体から構成されていることにより、次のような特徴を有する。
(1)ファラデー回転子の製造工程において、従来用いられていた高価な単結晶基板を用いる必要が無く、この点で製造コストの点で有利である。
(2)ファラデー効果を有する磁性体と単結晶基板との格子定数の整合を図る必要がなく、このことから当該磁性体の材料選定、あるいは同一材料系における組成選定の自由度が広い。
(3)ファラデー回転子が、ファラデー効果を有する磁性体と適当な基体の両者から構成されるため、両者の相互作用から、当該磁性体に誘発される応力による磁気弾性効果に起因する磁気異方性を利用することにより、当該磁性体の磁界による磁化挙動、及び保磁力を制御することができる。
また、基体の光学的透明性が必ずしも必要ではないことから、基体材料の選択自由度が広くなる。また、多結晶磁性体の成膜方法として、高速成膜が可能なエアロゾルデポジション法を用いることができる。
本発明によれば、安価でかつ総合的に特性の優れたビスマス置換希土類鉄ガーネットから成るファラデー回転子、あるいはこれを用いた光アイソレータの提供が可能になる。
本発明の実施の形態について、図1を用いて説明する。
図1は、第1の実施の形態のファラデー回転子の概略斜視図であり、図中1は基体、2はファラデー効果を有する多結晶磁性体、3はファラデー効果を有する磁性体2に入射する光の方向を示す矢印である。基体1の表面には一方向に延在する溝1aが形成されており、その溝1aの内部に多結晶磁性体2が充填されている。
図2には、第2の実施の形態のファラデー回転子の概略斜視図であり、この実施の形態では、ファラデー効果を有する多結晶磁性体2が、基体1と基体1の間に挟まれている。3はファラデー効果を有する磁性体2に入射する光の方向を示す矢印である。
いずれの場合も、ファラデー効果を有する多結晶磁性体2に入射する光の方向は、基体1とファラデー効果を有する磁性体2との界面に平行な方向である。従って、基体1は、ファラデー効果を有する多結晶磁性体2に入射する光に対して、不透明であっても差し支えはない。勿論、透明であっても問題は無い。また基体1の材料としては、非磁性であることが好ましいが、ファラデー効果を有する多結晶磁性体2の磁化を光入射方向3の方向に飽和させるために、当該磁性体2に印加される磁界を減じる方向に作用する効果が無視できる程度に小さいことを条件として、磁性体を用いることもできる。
第1、第2の実施の形態では、基体1との関係により多結晶磁性体2の内部に生じる応力によって、当該磁性体2自身に、磁気弾性効果による一軸異方性を誘導し、その誘導された一軸異方性を利用して、磁性体2の持つ保磁力を増加させるようにしている。
ここでは、多結晶磁性体2を適当な薄膜成長法で基体1の表面に成長させた後、適当な温度条件で熱処理を施す。適当な温度条件とは、当該熱処理温度において、基体1と磁性体2との間に存する応力(磁性体2の薄膜成長過程で生じる固有応力)がほぼゼロに解放される温度条件をいう。当該温度で一定時間保持し、薄膜成長過程で生じる固有応力が解放された状態になった後、常温にまで冷却した場合、基体1と磁性体2との間には両者の熱膨張係数差に起因した応力が残留する。
例えば、磁性体2の熱膨張係数が基体1の熱膨張係数よりも小さい場合には、高温から常温に温度が下がることで、基体1が磁性体2に比べて大きく収縮することにより、両者の熱膨張差によって磁性体2の内部に圧縮応力が発生する。また、磁性体2の熱膨張係数が基体1の熱膨張係数よりも大きい場合には、高温から常温に温度が下がることで、磁性体2が基体1に比べて大きく収縮することにより、両者の熱膨張差によって磁性体2の内部に引張応力が発生する。
従って、基体1と多結晶磁性体2の熱膨張係数差、及び、磁性体2の磁歪定数との関係によって誘発される磁気弾性効果による磁気異方性によって、多結晶磁性体2の磁気特性を制御することができる。
一般的に、磁気弾性効果によって誘導される磁気異方性は一軸的であり、その大きさは(1)式によって与えられる。
Ku=(3/2)λ・σ
同式(1)において、Kuは磁気異方性エネルギー、λは磁歪定数、σは応力である。磁歪定数λは正負いずれの値をとることもでき、磁性材料及びその組成等によって決定される。また、応力σは引張応力の場合を正、圧縮応力の場合を負とする。Kuが正の場合、誘導される磁気異方性の磁化容易軸は、応力印加方向に平行となり、Kuが負の場合には、誘導される磁気異方性の磁化容易軸は、応力印加方向に直交する方向となる。
以下、この点について、ファラデー効果を有する多結晶磁性体2として、ビスマス置換希土類鉄ガーネットを用いた場合について詳細に説明する。
Bi置換Tb鉄ガーネット多結晶体の場合、その磁歪定数は正であることが知られており、また、その熱膨張係数は約10×10−6/℃である。従って、この場合には、Bi置換Tb鉄ガーネット多結晶体の光入射方向(図1及び図2において矢印3方向)に引張応力が誘発されるように、熱膨張係数がBi置換Tb鉄ガーネット多結晶体よりも大きい基体1を用いればよい。
例えば、Bi1.2Tb1.8Fe5O12多結晶体の場合、その磁歪定数は約6×10−6である。仮に300Mpaの応力が誘発されたとすると、その磁気異方性エネルギーは、(1)式より、約2.7kJ/mとなり、結晶磁気異方性定数(k1)である約0.45kJ/mよりも大きい。従って、かかる場合におけるBi1.2Tb1.8Fe5O12多結晶体の技術磁化過程は、磁気弾性効果によって誘発された磁気異方性によって支配され、かつかかる磁気異方性に基づく保磁力は約0.8kOeとなる。この保磁力は、外部擾乱磁界に対して充分な耐性を有するものであり、例えば光アイソレータに適用する場合においては、予め光入射方向(図1及び2において矢印3方向)にその磁化を飽和させておけば、永久磁石等の磁界発生手段(図8中の外部磁界印加手段44)を、必ずしも必要としなくなる。
一方、Bi置換Gd鉄ガーネット多結晶体の場合、その磁歪定数は負であることが知られており、また、その熱膨張係数は約10×10−6/℃である。従って、この場合には、Bi置換Gd鉄ガーネット多結晶体の基板面垂直方向(図1及び2において矢印3方向と直交する方向)に圧縮応力が誘発されるように、熱膨張係数がBi置換Tb鉄ガーネット多結晶体よりも小さい基体1を用いればよい。
例えば、Bi1.2Gd1.8Fe5O12多結晶の場合、その磁歪定数は約−2×10−6である。仮に500Mpaの応力が誘発されたとすると、その磁気異方性エネルギーは、(1)式より、約1.5kJ/mとなり、結晶磁気異方性定数(k1)である約0.5J/mよりも大きい。従って、かかる場合においても、その技術磁化過程は、磁気弾性効果によって誘発された磁気異方性の影響が大きくなる。また、当該異方性に基づく保磁力は、約0.6kOeとなり、外部擾乱磁界に対して耐性を有するものである。
ところで、非特許文献1に示されるように、酸化物等からなるセラミック材料を、高堆積速度で成膜できる方法としてエアロゾルデポジション法が知られている。
エアロゾルデポジション法は、形成される膜と同一の結晶構造を有する原料微粒子を、酸素、窒素、あるいはヘリウム等の搬送ガスと混合することによりエアロゾル化し、微小開口有するノズルから被成膜基体に向けて亜音速で噴射し、基板に衝突せしめることにより成膜体を形成する方法である。本方法で成膜された膜の結晶構造は、歪の大小の問題はあるものの、基本的には原料微粒子の結晶構造と同一である。従って、同方法は、ガーネット構造等の複雑な結晶構造を有する成膜体の形成方法として適している。
しかし、エアロゾルデポジション法は、前述したような利点を有している反面、他の成膜方法であるスパッタリング法等で形成された成膜体に比べ、その残留応力(圧縮応力)が大きく、かつ表面平坦性が劣ると共に、光の透過率が低いと云う問題がある。
特に、表面平坦性、及び光の透過率が低いと云う問題は、成膜体の形成を担う微粒子の粒径が均一ではなく、形成された成膜体の内部に粒径の大きな巨大粒子が取り込まれていることに起因するものである。透過率が低いという問題は、同方法をファラデー回転子等、光部品の構成材料の形成方法としてに適用する場合には致命的な問題となる。
係る問題に対する解決法として、非特許文献2に、原料微粒子の被成膜体への入射角度を、被成膜体表面の法線方向ではなく、斜め方向とすることが有効なことが報告されている。
すなわち、入射方向を斜めとすることで、被成膜基体、あるいは既に成膜されている成膜体表面に付着している巨大微粒子が、新たに基板に入射される原料微粒子により、効率良く、弾き飛ばされ、結果として表面平坦性に優れ、かつ透過率の高い成膜体が得られることになる。以下、原料微粒子が、被成膜基体表面の斜め方向から入射することを「斜め入射」と記す。
本発明に係る第3の実施の形態は、エアロゾルデポジション法において斜め入射を積極的に利用すると共に、成膜体に残留する応力による成膜基体の反り量を軽減することに係るものである。
図3は、原料微粒子が、被成膜基体に入射する様子を示した模式図である。図中、31は基体1に設けられた溝、32は原料微粒子、33は溝中央部に立ち、かつ基体1表面に対する仮想的法面、34は原料微粒子の平均的入射方向を示す矢印である。ここで、原料微粒子の平均的入射方向とは、以下の方向をいう。すなわち、ノズル開口(図示せず)から噴射された原料微粒子は、一定の広がりをもって基体1に入射する。平均的入射方向とは、係る原料微粒子の入射方向を平均化したときの方向を意味する。
同図に示したように、原料微粒子の入射方向34を、仮想的な法面33の面内に置き、かつ原料微粒子を斜め入射させることにより、前述した斜め入射による効果を効率的に利用することが可能となる。更に、溝31の内部及びその近傍にのみファラデー効果を有する磁性体を成膜することで、基体1の反り量の低減を図ることも可能であり、結果として、後述する加工工程が容易となる。
また、光アイソレータは、通常の偏光子、検光子、及び磁界発生手段である永久磁石と前述した本発明により成るファラデー回転子とを通常の方法で組み合わせることにより製造することができる。
以下、実施例を用いて、本発明について、より詳細に説明する。
図4〜図6は、実施例1のファラデー回転子の製造プロセスを説明するための図で、図4の(a)は基体の概略斜視図、(b)は基体の表面に形成した溝の例を示す断面図、図5は基体の表面に磁性体を成膜した状態を示す断面図、図6の(a)は磁性体を成膜した後に基体の表面を研削加工した状態を示す斜視図、(b)は更にそれをカットした状態を示す斜視図である。
図中、51はステアタイト基板、52はステアタイト基板に設けた溝、61は多結晶Bi1.2Tb1.8Fe5O12、図5中のA−A‘線及びB−B’線は研削加工後の表面を示す線である。
この実施例では、図4(a)に示すように、非磁性基体としてステアタイト基板51を用いた。形状は、縦横寸法10mm角、厚さ0.7mmであった。同基板51の熱膨張係数は、約7.5×10−6/℃である。このステアタイト基板51の表面に、高精度ダイサーで、幅が約400μm、深さ450μmの溝52を形成した。溝52の底部の曲率半径は約300μmであり、ほぼ同形状の溝52をピッチ900μmで複数本形成した。なお、溝52の断面形状の例としては、(b)に示すような断面矩形の溝52aや(c)に示すような入口を広げた溝52b等が採用可能である。
次に、溝52内にエアロゾルデポジション法により、多結晶Bi1.2Tb1.8Fe5O1261を成膜充填した。用いた原料微粒子の平均粒径は0.8μm、搬送ガスは酸素で、その流量は5リットル/分であった。また、噴射ノズルの開口径は0.6mmφであった。かかる条件で、図5に示すように多結晶Bi1.2Tb1.8Fe5O1261を形成した。この際、原料微粒子の平均的基板入射角は約30度であった。
その後、700℃で1時間の熱処理を施し、熱処理後、基板51の表面を、図5中のA−A‘線の位置まで研削除去及び研磨し、基板51の厚さを最終的に約650μm厚とした。
その後、図6(a)に示す破線に沿ってダイサーを用いて切断し、切断面を鏡面研磨した。研磨後の幅は400μmである。以下の説明において、当該幅を「バー幅」と記す。その後、図6(b)に示す破線に沿ってダイサーを用いて切断し、図1に示すファラデー回転子を作成した。
当該サンプルについて、波長:1.55μmでファラデー効果を測定した結果、ファラデー回転角は約45度であった。また、振動式磁力計で多結晶Bi1.2Tb1.8Fe5O12の光入射方向の磁化曲線を測定した結果、反磁界補正後のMr角型比はほぼ1であり、かつその保磁力は約850Oeであった。
Mr角型比は、磁気弾性効果が誘導されていない場合の理論値:0.83により大きく、かつ保磁力も結晶磁気異方性定数(K1)から、理論的に導き出される値である約100Oeよりも大きいことから、磁気弾性効果による磁気異方性が、結晶磁気異方性に勝り、かつ磁化過程を支配していることが確認された。
実施例2では、実施例1とほぼ同様の条件で、図1に示す形状のファラデー回転子を作成した。ただし、本実施例2においては、ファラデー効果を有する多結晶磁性体として、多結晶Bi1.2Gd1.8Fe5O12を用い、かつ非磁性基体として、MnO−NiO系のセラミック基板を用いた。同基板の熱膨張係数は、約14×10−6/℃であった。また、本実施例においては、バー幅を280μmとした。
当該サンプルについて、波長:1.55μmでファラデー効果を測定した結果、ファラデー回転角は約45度であった。また、振動式磁力計で多結晶Bi1.2Gd1.8Fe5O12の光入射方向の磁化曲線を測定した結果、反磁界補正後のMr角型比はほぼ1であり、保磁力は約450Oeであった。
Mr角型比は、磁気弾性効果が誘導されていない場合の理論値:0.83により大きく、かつ保磁力も結晶磁気異方性定数(K1)から、理論的に導き出される値である約130Oeよりも大きいことから、磁気弾性効果による磁気異方性が、結晶磁気異方性に勝り、かつ磁化過程を支配していることが確認された。
実施例3では、実施例1とほぼ同様の条件で、図2に示す形状のファラデー回転子を作成した。ただし、本実施例3においては、熱処理後、基板の表裏面から各々、図5に示すA−A‘線及びB−B’線の位置まで研削及び研磨で薄肉化し、図7に示すように、最終的な基板厚を約350μmとした。また、本実施例においては、バー幅を400μmとした。
当該サンプルについて、波長:1.55μmでファラデー効果を測定した結果、ファラデー回転角は約45度であった。また、振動式磁力計で多結晶Bi1.2Tb1.8Fe5O12の光入射方向の磁化曲線を測定した結果、反磁界補正後のMr角型比はほぼ1であり、かつその保磁力は約850Oeであった。
Mr角型比は、磁気弾性効果が誘導されていない場合の理論値:0.83により大きく、かつ保磁力も結晶磁気異方性定数(K1)から、理論的に導き出される値である約100Oeよりも大きいことから、磁気弾性効果による磁気異方性が、結晶磁気異方性に勝り、かつ磁化過程を支配していることが確認された。
実施例4では、実施例2とほぼ同様の条件で、図2に示す形状のファラデー回転子を作成した。ただし、本実施例においては、熱処理後、基板の表裏面から各々、図5に示すA−A‘線及びB−B’線の位置まで研削及び研磨で薄肉化し、図7に示すように、最終的な基板厚を約350μmとした。また、本実施例においてはバー幅を280μmとした。
当該サンプルについて、波長:1.55μmでファラデー効果を測定した結果、ファラデー回転角は約45度であった。また、振動式磁力計で多結晶Bi1.2Gd1.8Fe5O12の光入射方向の磁化曲線を測定した結果、反磁界補正後のMr角型比はほぼ1であり、保磁力は約450Oeであった。
Mr角型比は、磁気弾性効果が誘導されていない場合の理論値:0.83により大きく、か つ保磁力も結晶磁気異方性定数(K1)から、理論的に導き出される値である約130Oeよりも大きいことから、磁気弾性効果による磁気異方性が、結晶磁気異方性に勝り、かつ磁化過程を支配していることが確認された。
本発明の第1の実施の形態のファラデー回転子の概略斜視図である。 本発明の第2の実施の形態のファラデー回転子の概略斜視図である。 原料微粒子が、被成膜基体に入射する様子を示した模式図である。 本発明の実施の形態のファラデー回転子を作るための基板の構成図で、(a)は斜視図、(b)及び(c)は溝の断面形状の例を示す断面図である。 図4(a)の基板の表面にエアロゾルデポジション法により磁性体を成膜・充填した状態を示す斜視図である。 (a)は図5の成膜後の基板の表面を研削・研磨した状態を示す斜視図、(b)はそれを更にカットした状態を示す断面図である。 図5の成膜後の基板の表面及び裏面を研削・研磨した状態を示す斜視図である。 従来の光アイソレータの説明図である。
符号の説明
1 基体,
51、ステアタイト基盤
1a,31,52,52a,52b 溝
2,61 多結晶磁性体

Claims (7)

  1. ファラデー効果を有する磁性体を備えたファラデー回転子において、
    前記ファラデー効果を有する磁性体が多結晶体であり、かつ基体に形成された溝の内部に充填されていることを特徴とするファラデー回転子。
  2. ファラデー効果を有する磁性体を備えたファラデー回転子において、
    前記ファラデー効果を有する磁性体が多結晶体であり、かつ基体と基体の間に挟まれていることを特徴とするファラデー回転子。
  3. 前記ファラデー効果を有する磁性体が、ガーネット型結晶構造を有することを特徴とする請求項1又は2記載のファラデー回転子。
  4. 前記ファラデー効果を有する磁性体が、磁気弾性効果を起源とする磁気異方性を有し、かつ該磁気弾性効果を起源とする磁気異方性エネルギーが、該ファラデー効果を有する磁性体の結晶磁気異方性定数よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のファラデー回転子。
  5. 前記基体が非磁性体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のファラデー回転子。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のファラデー回転子の製造方法であって、
    少なくとも次の第1の工程及び第2の工程を含むことを特徴とするファラデー回転子の製造方法。
    (a)第1の工程が、基体の表面に、一方向に延在する所望形状の溝を形成する工程である。
    (b)第2の工程が、ファラデー効果を有する磁性体から成る原料微粒子を搬送ガスと混合してエアロゾル化し、減圧チャンバ内で該搬送ガスと共に、該原料微粒子をノズルを通して加速して基体の表面に向けて噴射せしめることにより成膜体を形成するエアロゾルデポジション工程であって、前記ノズルから噴射された前記原料微粒子を、前記基体の表面に対して斜め方向で、かつ、前記基体の表面に形成された一方向に延在する溝に沿って基体の表面に入射させ、それにより、前記溝内に前記ファラデー効果を有する磁性体を充填する工程である。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載されたファラデー回転子を用いた光アイソレータ。
JP2006164047A 2006-06-13 2006-06-13 ファラデー回転子及びその製造方法並びに光アイソレータ Pending JP2007333903A (ja)

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