JP2007333686A - 縦型水道メータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によれば、傾斜筒壁80及び鍔壁81を備えることで、水道メータ10の測定精度を従来品よりも向上させることが可能である。また、本実施形態の構成によれば、羽根車40の回転が安定するので、支持ピン21が突き当たった軸受け47の偏摩耗を防止して耐久性を向上させることが可能であると共に、圧力損失を低減することが可能である。
【選択図】図1
Description
請求項1及び5の発明によれば、従来のものに比べて測定精度を向上させることができた。
請求項2の発明のように、下向規制壁は、円筒壁のうち流入口に最も近い位置から円筒壁の周方向に沿った両側方に向かうに従って導入路内への突出量が連続して徐々に小さくなるように形成すると効果的である。また、請求項3の発明のように、下向規制壁は、円筒壁のうち流入口に最も近い位置から円筒壁の周方向に沿った両側方に向かうに従って導入路内への突出量が段階的に小さくなるように形成してもよい。
請求項4の発明によれば、整流器に、下向規制壁と内向規制壁との両方を備えたことで、測定精度をさらに向上させることができた。
請求項6の発明のように、内向規制壁は、円筒壁のうち流入口に対して最も遠い位置から円筒壁の周方向に沿った両側方に向かうに従って内側水平方向への張り出し量が連続して徐々に小さくなるように形成すると効果的である。また、請求項7の発明のように、内向規制壁は、円筒壁のうち流入口に対して最も遠い位置から円筒壁の周方向に沿った両側方に向かうに従って内側水平方向への張り出し量が段階的に小さくなるように形成してもよい。
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
本発明の水道メータ10は、所謂、縦型軸流羽根車式の水道メータであって、水道管の途中に取り付けられるメータケース11にメータ本体12を組み付けてなる。
図1の太線矢印で示したように、メータケース11の流入口11Aより下側部屋13に流入した水は、下側部屋13にて流れの向きが略垂直上方に変わり、整流器20の内側に形成された各通過領域R1を通って羽根車40へと向かう。そして羽根車40は、整流器20を通過した水を各羽根43で受けて回転する。羽根車40を通過した水は、筒型ハウジング50のリブ52,52の間からメータ本体12の側方に流出し、メータケース11の上側部屋14を経て流出口11Bへと向かう。また、羽根車40の回転は図示しないマグネットカップリングを介してメータユニット60に伝達され水の流量が計測表示される。
本発明に係る下向規制壁80及び内向規制壁81の効果を調べるべく以下の実験を行った。実験の手順は以下の通りである。
まず、上記第1実施形態と同一構造を有した本発明の実施品としての水道メータ10(以下、適宜「実施品1」という)と、整流器20に下向規制壁80及び内向規制壁81の何れも設けられていない点のみが実施品1と異なる従来の水道メータ(以下、適宜「従来品」という)とを製作した。
図5のグラフに基づき実施品1と従来品とを比較すると、従来品では、定格最小流量Q1から限界流量Q4までの全域に亘って、器差を検定公差以内とすることができたものの、1〜50m3/hの流量範囲で、器差が+0.7%〜−2%の間で変動し、器差曲線の直線性が低かった。これは、水の流れが整流器20の流出口11Bに近い側の通過領域R1に集中した結果、図6の流速分布図に示すように整流器20の周方向に並んだ各通過領域R1における流速にばらつきが生じ、羽根車40の回転が不安定になった為と推測される。
第2実施形態の水道メータ90は、図8に示されており、整流器20に内向規制壁81が設けられていない点のみが、上記第1実施形態とは異なる。その他の構成については上記第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本発明に係る下向規制壁80の効果を調べるべく、上記実施例1と同様の実験を行った。即ち、上記第2実施形態と同一形状とした本発明の実施品としての水道メータ90(以下、適宜「実施品2」という)に対して、上記実施例1と同様な方法で器差試験を行い、設定流量毎に器差を算出して図9に示すようにグラフ(器差曲線)化した。なお、図9には、実施品2と従来品の器差曲線が対比して示されている。
図9のグラフに示すように、本実施品2によっても、流量1〜50m3/hの範囲で、器差を±0.5%以内とすることができ、器差曲線の直線性が従来品よりも向上することが分かった。これは、図10(B)に示すように整流器20に下向規制壁80を設けたことで、整流器20の流入口11Aに近い側の通過領域R1に水が誘導され、その結果、図10(A)に示すように整流器20の各通過領域R1における流速のばらつきが改善されて、羽根車40の回転が安定したからであると推測される。
第3実施形態の水道メータ95は、図11に示されており、整流器20に下向規制壁80が設けられていない点のみが上記第1実施形態とは異なる。
本発明に係る内向規制壁81の効果を調べるべく、上記実施例1と同様の実験を行った。即ち、上記第3実施形態と同一形状とした本発明の実施品としての水道メータ95(以下、適宜「実施品3」という)に対して、上記実施例1と同様な方法で器差試験を行い、設定流量毎に器差を算出して図12に示すようにグラフ(器差曲線)化した。なお、図12には、実施品3と従来品の器差曲線が対比して示されている。
図12のグラフに示すように、本実施品3では流量1.5〜50m3/hの範囲における器差を、従来品よりも小さく抑えることができることが分かった。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
11 メータケース
11A 流入口
11B 流出口
13 下側部屋(導入路)
20 整流器
27 円筒壁
40 羽根車
80,85 下向規制壁
81 内向規制壁
Claims (7)
- 円筒壁の内部を放射状に区画してなる整流器を羽根車の下側同軸上に設けると共に、一端が前記整流器の下面開口に連通しかつ他端が水平方向を向いた流入口をなした導入路を有し、その流入口から導入路に流れ込んだ流体が、前記整流器、前記羽根車の順番に通過して流出口から排出される縦型水道メータにおいて、
前記整流器には、前記円筒壁における前記流入口側に偏在しかつ前記円筒壁から下方に延設されて前記導入路内に突出した下向規制壁が備えられたことを特徴とする縦型水道メータ。 - 前記下向規制壁は、前記円筒壁のうち前記流入口に最も近い位置から前記円筒壁の周方向に沿った両側方に向かうに従って前記導入路内への突出量が連続して徐々に小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の縦型水道メータ。
- 前記下向規制壁は、前記円筒壁のうち前記流入口に最も近い位置から前記円筒壁の周方向に沿った両側方に向かうに従って前記導入路内への突出量が段階的に小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の縦型水道メータ。
- 前記整流器には、前記円筒壁のうち前記流入口とは反対側に偏在しかつ前記円筒壁の下端部から内側水平方向に張り出した内向規制壁が備えられたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の縦型水道メータ。
- 円筒壁の内部を放射状に区画してなる整流器を羽根車の下側同軸上に設けると共に、一端が前記整流器の下面開口に連通しかつ他端が水平方向を向いた流入口をなした導入路を有し、その流入口から導入路に流れ込んだ流体が、前記整流器、前記羽根車の順番に通過して流出口から排出される縦型水道メータにおいて、
前記整流器には、前記円筒壁のうち前記流入口とは反対側に偏在しかつ前記円筒壁の下端部から内側水平方向に張り出した内向規制壁が備えられたことを特徴とする縦型水道メータ。 - 前記内向規制壁は、前記円筒壁のうち前記流入口に対して最も遠い位置から前記円筒壁の周方向に沿った両側方に向かうに従って内側水平方向への張り出し量が連続して徐々に小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項4又は5に記載の縦型水道メータ。
- 前記内向規制壁は、前記円筒壁のうち前記流入口に対して最も遠い位置から前記円筒壁の周方向に沿った両側方に向かうに従って内側水平方向への張り出し量が段階的に小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項4又は5に記載の縦型水道メータ。
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