JP3199788U - 複箱式水道メータ - Google Patents
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Abstract
【課題】複箱式水道メータにおいて、下部ケースのケース流入口から遠い位置に配置された流入ノズルから計量室内に流入する速度の低下した非接線流である上向流の流体抵抗を小さくして、スムーズな流入を可能にする。【解決手段】各流入ノズルN1は、隣接配置された2つのノズル形成体17と、周壁部15の高さ方向の中間部に形成された上板部18とにより、上面21と左右両面19,19との計3面により形成されて、下面が開口された形態であり、流入ノズルN1の奥部の底壁部16の露出により形成された面は、下部ケース及び下インナーケースK1の各底壁部の間を通って、当該流入ノズルN1の部分において上向きに流れる上向流の案内を行う上向流案内面として機能している複箱式水道メータであって、上向流案内面Fは、その下端縁と下インナーケースK1の中心との長さが、その上端縁と下インナーケースK1の中心との長さよりも僅かに短い平面状のテーパー面に形成された構成とする。【選択図】図2
Description
本考案は、下面が開口されて、上面と左右2面の計3面により流入ノズルが形成された下インナーケースを有する複箱式水道メータに関するものである。
複箱式水道メータ(以下、単に「水道メータ」という)は、下部ケースの内部が隔壁により、上流側室と下流側室とに分離され、下インナーケースの下半部と上半部とには、それぞれ複数の流入ノズル及び流出ノズルが周方向に沿って所定間隔をおいて設けられ、当該下インナーケースの高さ方向の中央部が前記隔壁に支持されることで、流入ノズル及び流出ノズルが、それぞれ前記上流側室及び下流側室に配置され、上流側室において流入ノズルから下インナーケース内に流入した水流は、当該下インナーケース内に回転可能に支持されている羽根車を回転させた後に、流出ノズルから下流側室に流出されることで、前記羽根車の積算回転数により通過した水流の流量を計量する水道メータである。
上記構成の下インナーケースは、有底円筒状をなしていて、周壁部と底壁部とからなり、当該周壁部の下半部のほぼ肉厚に相当する部分には、当該周壁部の接線方向に対して僅かに傾斜した複数のノズル形成体が周方向に沿って所定間隔をおいて上下方向に形成されて、隣接するノズル形成体の間には、前記底壁部の外周面の一部が露出され、前記各流入ノズルは、隣接配置された2つの前記ノズル形成体と、前記周壁部の肉厚により形成された上板部とにより、上面と左右2面との計3面で形成されて、下面が開口された形状であり、前記流入ノズルの奥部に設けられたノズル開口は、前記周壁部における底壁部に接続する部分を開口することで形成されて、当該ノズル開口の直下の前記底壁部の露出により形成された部分は、前記下部ケースの底面から下インナーケース内に向けて上向きに流れる水流の流入案内を行う上向流案内面として機能している。
上記したように、下インナーケースの下半部に形成された流入ノズルとして、下面が開口されて、上面と左右2面の計3面により形成されるものは、特許文献1,2に開示されているように公知であって、羽根車の接線方向に対して僅かに傾斜した方向の本来の水流のみならず、下面開口から上方又は斜上方に向かう水流に関しても、前記上向流案内面に案内されて、流入ノズルの奥部から下インナーケース内に流入させられる利点を有する。
ここで、下部ケースのケース流入口から内部に流入した水流は、下インナーケースにおける当該ケース流入口に近い流入ノズルから、そのまま直接に内部に流入する「直接流」の割合が高く、下インナーケースにおける当該ケース流入口から遠い位置の流入ノズルには、下インナーケースの底壁部と下部ケースとの間の狭い空間を通った後に上方に向けて流れることで、前記「直接流」に係る水流に随伴されて下インナーケース内に流入する「上向流」の割合が高くなる。「直接流」の割合は、下インナーケースの複数の流入ノズルのうち下部ケースのケース流入口に近い位置に配置された流入ノズル程、高くなり、逆に、「上向流」の割合は、下インナーケースの複数の流入ノズルのうち下部ケースのケース流入口から遠い位置に配置された流入ノズル程、高くなる。
このため、「上向流」に係る水流は、流体抵抗により圧力が失われ、流入ノズルから下インナーケース内に流入する際の速度は、低下しているが、上記した底面が開口した流入ノズルを備えた下インナーケースの使用により、速度の低下した水流を流入し易くしている。
しかし、特許文献1,2に記載の上向流案内面は、それぞれ下インナーケースの周壁部の内周面に対してそれぞれ外側及び内側に形成されて、いずれも当該周壁部の内周面に平行に形成されているため、即ち、水流の方向に対して垂直に形成されているため、水流が下インナーケース内に流入する際の流体抵抗が大きくなって、速度の低下した水流のスムーズな流入を阻害していた。
本考案は、下面が開口されて、上面と左右2面の計3面により流入ノズルが形成された下インナーケースを有する複箱式水道メータにおいて、下部ケースのケース流入口から遠い位置に配置された流入ノズルから下インナーケース内に流入する速度の低下した水流の流体抵抗を小さくして、スムーズな流入を可能にすることを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の考案は、周壁部と底壁部とで構成されて、下部ケースに収容された有底円筒状の下インナーケースに羽根車が回転可能に収容支持され、当該下インナーケースの周壁部の下半部及び上半部に、それぞれ複数の流入及び流出の各ノズルが形成され、前記周壁部のほぼ肉厚の間には、前記羽根車の接線方向に対して僅かに傾斜して複数のノズル形成体が周方向に沿って所定間隔をおいて上下方向に形成されて、隣接するノズル形成体の間には、前記底壁部の外周面の一部が露出され、前記各流入ノズルは、隣接配置された2つの前記ノズル形成体と、前記周壁部の高さ方向の中間部に形成された上板部とにより、左右両面と上面との計3面により形成されて、下面が開口された形態であり、前記流入ノズルの奥部の前記底壁部の露出により形成された面は、前記下部ケース及び下インナーケースの各底壁部の間を通って、当該流入ノズルの部分において上向きに流れる上向流の案内を行う上向流案内面として機能している複箱式水道メータであって、前記上向流案内面は、その下端縁と下インナーケースの中心との長さが、その上端縁と下インナーケースの中心との長さよりも僅かに短い平面状のテーパー面に形成されていることを特徴としている。
下部ケースのケース流入口から上流側室に流入した水流は、下インナーケースに設けられた複数の流入ノズルから、当該下インナーケース内部に、羽根車の接線方向に対して僅かに傾斜した方向から流入して、羽根車に衝突することにより、当該羽根車を回転させた後に、ノズル流出口から下流側室に流出される。上流側室に流入した水流には、下インナーケースの周方向に沿って流れる水流(接線流)と、下インナーケースの底壁部と下部ケースとの間に入り込んだ水流(非接線流)とがあり、前者の接線流は、速度が大きいために、流入ノズルに直接に流入する割合が高く、後者の非接線流は、流体抵抗により速度が低下されていて、下インナーケースの底壁部から外部に流出しようとする際に、上向流案内面に案内されて上向流となって、下インナーケースの内部に流入する割合が多い。
請求項1の考案によれば、前記上向流案内面は、その下端縁と下インナーケースの中心との長さが、その上端縁と下インナーケースの中心との長さよりも僅かに短い平面状のテーパー面に形成されていて、このようなテーパー面に形成された上向流案内面は、下インナーケースの底壁部の底面との間では、鈍角を形成するために、下インナーケースの底壁部と下部ケースの底壁部との間から外部に流出しようとする低速度の水流は、流入ノズルに案内されて下インナーケースの内部に向けて流れる本来の水流(接線流)によって、流れる方向が上向きに変化させられ、上向流案内面を通って、流入ノズルにより案内されて下インナーケース内の計量室に流入しようとする本来の水流(接線流)に随伴されて、下インナーケースの内部に流入される。そして、上向流案内面は、下インナーケースの底壁部の底面との間では、鈍角を形成するために、上向流となって流れる際の流体抵抗が小さくなり、その結果、上記した低速度の上向流の流れがスムーズとなって、下インナーケースの内部に流入し易くなる。また、下インナーケースの平面視において、平面状のテーパー面で形成される上向流案内面の上端縁は、当該下インナーケースの内部の計量室内に僅かに入り込んでおり、この形状も、前記テーパー面に沿って上向きに流れる上向流が、下インナーケース内に流入し易くしている。
請求項2の考案は、請求項1の考案において、前記上向流案内面は、全ての流入ノズルに形成されていることを特徴としている。
上向流案内面が効果的に作用するのは、下インナーケースに設けられた複数の流入ノズルのうち、下部ケースのケース流入口から離れた側に位置する流入ノズルであり、請求項2の考案のように、全ての流入ノズルに対して設けることで、下インナーケースの底壁部と下部ケースとの間に流入した水流が、いずれかの流入ノズルから下インナーケース内に流入し易くなると共に、上向流案内面を含んだ全ての流入ノズルが同一形状であるために、成形金型の製作も容易となる。
本考案によれば、流入ノズルの奥部に形成された上向流案内面は、その下端縁と下インナーケースの中心との長さが、その上端縁と下インナーケースの中心との長さよりも僅かに短い平面状のテーパー面に形成されていて、このようなテーパー面に形成された上向流案内面は、下インナーケースの底壁部の底面との間では、鈍角を形成している。このため、下インナーケースの底壁部と下部ケースの底壁部との間から外部に流出しようとする低速度の水流(非接線流)は、流入ノズルに案内されて下インナーケースの内部に向けて流れる本来の水流(接線流)に随伴されることで、流れる方向が上向きに変化させられ、上向流案内面を通って、流入ノズルにより案内された本来の水流(接線流)と一緒になって、下インナーケースの内部に流入される。そして、上向流案内面は、下インナーケースの底壁部の底面との間では、鈍角を形成するために、上記した低速度の上向流の流れがスムーズとなって、下インナーケースの内部に流入し易くなる。
以下、実施例を挙げて、本考案について更に詳細に説明する。最初に、図1〜図5を参照して、複箱式の水道メータの基本構成について説明し、その後に、本考案に係る下インナーケースK1 の特徴部について説明する。なお、本考案は、下インナーケースK1 の流入ノズルN1 の部分に特徴を有するので、下部ケース1のケース流入口2から内部に流入した水流が、下インナーケースK1 の流入ノズルN1 を通って、下インナーケースK1 の内部の計量室Rにおいて、羽根車12を回転させた後に、流出ノズルN2 を通って排出されることで、積算流量を計量する部分までの説明を行い、羽根車12の積算回転数が表示ユニット(図示せず)に表示される構成は、本考案には、直接には関連しないので、この部分の説明は省略する。
図1において、下部ケース1は、ケース流入口2及びケース流出口3を備えていて、内部は、隔壁4によって、上流側室5と下流側室6とに分離形成され、当該隔壁4に形成された円形の挿入開口7に下インナーケースK1 の略下半部が挿入された状態で、当該下インナーケースK1 の外周の支持段部8が、前記隔壁4の上面における前記挿入開口7に臨む部分に支持されることで、当該下インナーケースK1 は、上流側室5及び下流側室6との双方に亘って収容配置される。下インナーケースK1 の上側には、積算表示ユニット(図示せず)が内装されたレジスターボックスK2 が配置されることで、下インナーケースK1 の上面開口が閉塞される。また、下部ケース1における下流側室6よりも上方の部分は、環状に形成された上方突出部1aとなっていて、当該上方突出部1aに上部ケース9が螺合され、当該上部ケース9の開口は、当該上部ケース9にヒンジ連結により回動可能に連結された蓋体11により閉塞される。下インナーケースK1 の内部は、計量室Rとなっていて、当該計量室Rには、羽根車12がピボット軸13を介して回転可能に配置される。ピボット軸13は、下インナーケースK1 の底壁部16の中心部の軸支持部14に支持される。
下インナーケースK1 は、図2〜図5に示されるように、概略形状が有底円筒状であって、周壁部15と底壁部16とを備えていて、当該周壁部15の略下半部における当該周壁部15の肉厚に相当する部分には、周方向に沿って一定間隔をおいて複数(実施例では8個)の流入ノズルN1 が形成され、当該周壁部15の略上半部には、周方向に沿って一定間隔をおいて複数(実施例では3個)の流出ノズルN2 が内外に連通して形成されている。なお、流出ノズルN2 は、下インナーケースK1 の単体状態では、上方に開口しているが、この上方への開口部は、レジスターボックスK2 の周壁部31の外周面に軸心方向に沿って設けられた第2リブ33の下方突出部33aが嵌合されることで、閉塞される。
流入ノズルN1 は、板羽根状をした複数のノズル形成体17が、周壁部15の接線方向に対して僅かに傾斜した方向に沿って、当該周壁部15と底壁部16とを連結するような形態で設けられている。図8に示されるように、底壁部16の外径は、周壁部15の内径にほぼ対応している。ノズル形成体17は、底壁部16の外周面と、周壁部15の上半部の下端部とを連結していて、流入ノズルN1 は、隣接する2枚のノズル形成体17の対向面(左右の側面)19,19と、周壁部15の高さ方向の中間部に設けられた上板部18の下面における隣接する2つのノズル形成体17の間の上面21との計3面で形成されて、下面は開口されている。流入ノズルN1 の奥部には、底壁部16の外周面が露出されており、当該露出面は、下インナーケースK1 の底壁部16と下部ケース1の底壁部1cとの間に流入した水流が上向きに流れて、当該上向流を計量室R内に流入案内する機能を有する上向流案内面F(図1〜図5及び図8参照)となっていて、当該上向流案内面Fの直上には、周壁部15の下半部に複数のノズル形成体17を設けることで、内周側のみに残存した薄肉の肉厚部を方形に開口することで形成されたノズル開口22(図1、図2及び図8参照)が設けられている。
また、図8に示されるように、各上向流案内面Fは、いずれも下インナーケースK1 の周壁部15の内周面15aよりも、寸法(E1)だけ当該下インナーケースK1 の中心側に配置されている。各上向流案内面Fは、当該上向流案内面Fの下端縁と下インナーケースK1 の中心(C)とを結ぶ長さ(L1)が、当該上向流案内面Fの上端縁と下インナーケースK1 の中心(C)とを結ぶ長さ(L2)よりも僅かに短くなっている(L1 <L2)ことで、傾斜角(θ)の平面状のテーパー面に形成されていて、この構成が、本考案の特徴部である。
このため、図4に示されるように、下インナーケースK1 の平面視において、平面状のテーパー面で構成される上向流案内面Fの上端縁Faは、直線状となって視認されると共に、図5及び図6に示されるように、下インナーケースK1 の底面視において、前記上向流案内面Fの上端縁Fa及び下端縁Fbは、いずれも平行な直線状となって視認される。
また、図3に示されるように、インナーケースKは、上記した下インナーケースK1 と、当該下インナーケースK1 の直上に配置されて、当該下インナーケースK1 の上面開口を閉塞すると共に、前記羽根車12の積算回転数を表示する表示ユニット(図示せず)が内装するレジスターボックスK2 とで構成される。図3に示されるように、レジスターボックスK2 の周壁部31の外周面には、当該周壁部31の下端に達する板状の第1リブ32と、当該周壁部31の下端を所定長だけ超えて、下方に延出している第2リブ33とが周方向に沿って所定の間隔をおいて軸方向に形成されている。第2リブ33は、下インナーケースK1 の流出ノズルN2 の上面開口の平面形状に対応した略方形状をなしていて、下インナーケースK1 の上面開口にレジスターボックスK2 の位置決め嵌合部34を嵌合させることで積み重ねて、下インナーケースK1 の上面開口を閉塞すると、前記第2リブ33の下方突出部33aは、下インナーケースK1 の流出ノズルN2 の上面開口の部分に嵌合されると共に、レジスターボックスK2 の底壁部35により下インナーケースK1 の上面開口は閉塞される。なお、図1において、41は、下部ケース1のケース流入口2の部分に設けられたストレーナを示す。
なお、下インナーケースK1 の周壁部15の上半部、及びレジスターボックスK2 の第2リブ33の部分が中空構造になっているのは、樹脂射出成形により成形する際において、冷却時の「ひけ」を防止して、表面が波打つのを防止するための樹脂射出成形に対応した構造であって、テーパー面状をした上向流案内面Fの存在に特徴を有する本考案には、直接関連しない構造である。
そして、下部ケース1のケース流入口2から上流側室5に流入した水流は、下インナーケースK1 の周壁部15と、当該下部ケース1の下周壁部1b(図7参照)との間において周方向(下インナーケースK1 の周壁部15又は羽根車12の接線方向)に沿って流れて、流入ノズルN1 の上記接線方向に近い本来のノズル経路を通って計量室R内に直接に流入する接線流S1 (図4参照)と、下インナーケースK1 の底壁部16と下部ケース1の底壁部1cとの間を通った後に、流入ノズルN1 の下面に達する直前において、上記した接線流S1 に随伴されることで、上向流案内面Fに沿って上向きに流れた後に、当該接線流S1 と合流して計量室R内に間接的に流入する上向流S2 (図1参照)とが存在する。上向流S2 は、流体抵抗により接線流S1 に比較して圧力が低下されることで、流速も低下していることは、「従来の技術」の項目で述べた通りである。
そして、下部ケース1のケース流入口2から上流側室5に流入した水流の大部分は、接線流S1 となって、流入ノズルN1 の本来のノズル経路を通って、下インナーケースK1 の内部の計量室Rに直接に流入する。接線流S1 となって、流入ノズルN1 から計量室Rに流入される流量は、複数の流入ノズルN1 のうち、下部ケース1のケース流入口2に近いもの程、多い。一方、接線流S1 とならずに、下インナーケースK1 の底壁部16と下部ケース1の底壁部1cとの間を通った水流は、流体抵抗により圧力が低下されることで、流速が低下されていて、複数の流入ノズルN1 のうち下部ケース1のケース流入口2から遠い位置の流入ノズルN1 の部分において、上向流案内面Fに案内されて上向流S2 となった後に、流入ノズルN1 を通過中の接線流S1 に随伴されて、下インナーケースK1 の計量室Rに流入される。ここで、複数の上向流案内面Fのうち、下部ケース1のケース流入口2から最も遠い(離れた)上向流案内面Fは、上記した平面状のテーパー面に形成されているために、流入時における流体抵抗が小さくなって、計量室Rの内部にスムーズに流入される。なお、図7は、下インナーケースK1 の底面図に対して下部ケース1の外周形状と接線流S1 の方向とを付加した変則図面であり、下インナーケースK1 と下部ケース1の下周壁部1bとの間を流れて、前記接線流S1 を生じさせる旋回流は、左旋回する。
また、上記実施例において、上向流案内面Fの傾斜角度(θ)は、7.6°であるが、上向流S2 の流体抵抗を小さくして、当該上向流S2 を計量室Rにスムーズに流入させるという機能を考慮すると、5〜15°が望ましい。傾斜角度(θ)が15°を超えると、上向流S2 が本来の流れである接線流S1 を阻害して、流入ノズルN1 の部分の自然な水流が乱され、また、傾斜角度(θ)が5°よりも小さいと、上記した上向流案内面Fの本来の機能が奏されないからである。
また、上記実施例では、平面状のテーパー面から成る上向流案内面Fは、下インナーケースK1 の周壁部15の内周面15aに対して寸法(E1)だけ内側( 当該下インナーケースK1 の中心側) に配置されていて、内側に配置されている分だけ、上向流S2 は、計量室Rに流入し易いが、図9に示されるように、平面状のテーパー面で構成される上向流案内面Fは、下インナーケースK1 の周壁部15の内周面15aに対して寸法(E2)だけ外側に配置されることも可能である。
なお、上記実施例は、全ての上向流案内面を平面状のテーパー面に形成したが、複数の上向流案内面のうち、接線流に比較して上向流の割合が多くなる下部ケース1のケース流入口2から離れている1ないし複数の上向流案内面のみを、平面状のテーパー面に形成し、残りの上向流案内面は、従来形状のように、下インナーケースの周壁面の内周面に対して平行に形成してもよい。
C:下インナーケースの中心
F:平面状のテーパー面から成る上向流案内面
K:インナーケース
K1 :下インナーケース
K2 :レジスターボックス
L1 :上向流案内面の下端縁と下インナーケースの中心とを結ぶ長さ
L2 :上向流案内面の上端縁と下インナーケースの中心とを結ぶ長さ
N1 :流入ノズル
N2 :流出ノズル
S1 :接線流
S2 :上向流
1:下部ケース
2:ケース流入口
12:羽根車
15:周壁部
16:底壁部
17:ノズル形成体
18:上板部
19:流入ノズルの左右両面(隣接する2つのノズル形成体の対向面)
21:流入ノズルの上面
22:ノズル開口
F:平面状のテーパー面から成る上向流案内面
K:インナーケース
K1 :下インナーケース
K2 :レジスターボックス
L1 :上向流案内面の下端縁と下インナーケースの中心とを結ぶ長さ
L2 :上向流案内面の上端縁と下インナーケースの中心とを結ぶ長さ
N1 :流入ノズル
N2 :流出ノズル
S1 :接線流
S2 :上向流
1:下部ケース
2:ケース流入口
12:羽根車
15:周壁部
16:底壁部
17:ノズル形成体
18:上板部
19:流入ノズルの左右両面(隣接する2つのノズル形成体の対向面)
21:流入ノズルの上面
22:ノズル開口
Claims (2)
- 周壁部と底壁部とで構成されて、下部ケースに収容された有底円筒状の下インナーケースに羽根車が回転可能に収容支持され、当該下インナーケースの周壁部の下半部及び上半部に、それぞれ複数の流入及び流出の各ノズルが形成され、
前記周壁部のほぼ肉厚の間には、前記羽根車の接線方向に対して僅かに傾斜して複数のノズル形成体が周方向に沿って所定間隔をおいて上下方向に形成されて、隣接するノズル形成体の間には、前記底壁部の外周面の一部が露出され、
前記各流入ノズルは、隣接配置された2つの前記ノズル形成体と、前記周壁部の高さ方向の中間部に形成された上板部とにより、左右両面と上面との計3面により形成されて、下面が開口された形態であり、
前記流入ノズルの奥部の前記底壁部の露出により形成された面は、前記下部ケース及び下インナーケースの各底壁部の間を通って、当該流入ノズルの部分において上向きに流れる上向流の案内を行う上向流案内面として機能している複箱式水道メータであって、
前記上向流案内面は、その下端縁と下インナーケースの中心との長さが、その上端縁と下インナーケースの中心との長さよりも僅かに短い平面状のテーパー面に形成されていることを特徴とする複箱式水道メータ。 - 前記上向流案内面は、全ての流入ノズルに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の複箱式水道メータ。
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JP2016099297A (ja) * | 2014-11-26 | 2016-05-30 | 株式会社 Toshin | 複箱式水道メータ、及びそのインナーケースの組付け方法 |
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