JP2007332806A - 内燃機関の燃料蒸気処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス流を空気としたときの差圧と、混合気としたときの差圧との差圧比から混合気中の燃料濃度を測定するものにおいて、燃料濃度の測定が正常に行われない場合にも、パージの実施によって空燃比が急激に変動しないようにすることが可能な内燃機関の燃料蒸気処理装置を提供する。
【解決手段】圧力計測に基づく濃度検出ルーチンによって検出された燃料濃度elcmが燃料濃度所定値elcm_minよりも小さな値であるかどうかを判断し(ステップS304)、肯定判断である場合には、圧力計測に基づく濃度検出ルーチンにて異常な検出を行ったものと判断し、パージ制御弁の開度が目標開度に到達するまでの当該パージ制御弁の開放速度について、パージ通常制御にて設定される開放速度に比べて低い開放速度に設定してパージするパージ徐変制御ルーチンを実行する(ステップS305)。
【選択図】図6
【解決手段】圧力計測に基づく濃度検出ルーチンによって検出された燃料濃度elcmが燃料濃度所定値elcm_minよりも小さな値であるかどうかを判断し(ステップS304)、肯定判断である場合には、圧力計測に基づく濃度検出ルーチンにて異常な検出を行ったものと判断し、パージ制御弁の開度が目標開度に到達するまでの当該パージ制御弁の開放速度について、パージ通常制御にて設定される開放速度に比べて低い開放速度に設定してパージするパージ徐変制御ルーチンを実行する(ステップS305)。
【選択図】図6
Description
本発明は、内燃機関の燃料蒸気処理に関するものである。
従来、パージの実施によって空燃比が急激に変動しないようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の技術によれば、全開時のパージ率、目標パージ率、及びパージ率徐変値(パージ率をいきなり大きく変更すると補正が追いつかず最適な空燃比を保てなくなってしまうので、これを避けるための制御値)のうちの最小値を最終パージ率として決定し、この決定した最終パージ率に基づいてパージ制御を実行する。
特開平7−83096号公報
上記従来技術は、パージの実施前に混合気中の燃料濃度が検出できないため、パージ率徐変値を含めて最終パージ率を決定している。そして、この決定した最終パージ率に基づいて求めたデューティ比でパージ制御弁を駆動することで、パージ制御弁の開度が徐々に大きくなり、その結果、空燃比が急激に変動しないようにしている。
本出願人は、この点に鑑みて、混合気のパージの実施とは無関係に、混合気中の燃料濃度を測定することが可能な装置を発明し、出願した(特願2004−377452号)。この装置では、絞りを有する計測通路にポンプを設けて、その計測通路にガス流を発生可能にするとともに、この計測通路を流れるガスを大気中の空気と、燃料蒸気を含む混合気とのいずれかに切替える切替弁を設けている。そして、計測通路内にガス流が生じているときに、絞りの前後で生じる差圧を計測する差圧センサを設けて、ガス流を空気としたときの差圧と、燃料蒸気を含む混合気としたときの差圧をそれぞれ計測する。
ここで、混合気に含まれる燃料濃度が高くなるほど、混合気の密度が高まるため、絞りでの差圧が大きくなる。そして、ガス流を空気としたときの差圧と、混合気としたときの差圧との差圧比と燃料濃度とは、ほぼ比例関係を有するので、その差圧比から燃料濃度を求めることができる。
本出願人が発明した上記装置を採用することで、パージの実施前に混合気中の燃料濃度が測定できるため、パージ制御弁の開度を急激に大きくしてパージを実施しても、最適な空燃比を保つことが可能になる。しかしながら、これは、燃料濃度が正常に測定されることが前提であり、万一、正常に測定できない場合であっても、パージの実施によって空燃比が急激に変動しないようにする必要がある。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたもので、ガス流を空気としたときの差圧と、混合気としたときの差圧との差圧比から混合気中の燃料濃度を測定するものにおいて、燃料濃度の測定が正常に行われない場合にも、パージの実施によって空燃比が急激に変動しないようにすることが可能な内燃機関の燃料蒸気処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の内燃機関の燃料蒸気処理装置は、
燃料タンク内から導入通路を介して導かれた燃料蒸気を一時的に吸着する吸着材を有するキャニスタと、
吸着材に吸着した燃料蒸気が当該吸着材から離脱して混合気となったとき、その混合気を内燃機関の吸気管に導くパージ管と、
パージ管に配置され、そのパージ管から吸気管へパージされる燃料蒸気を含む混合気のパージ流量を制御するパージ制御弁と、
絞りを備える計測通路と、
計測通路にガス流を発生させるガス流発生手段と、
ガス流発生手段がガス流を発生させたときに、絞りによって生じる圧力を計測する圧力計測手段と、
パージ制御弁が閉じているときに計測状態を切替えるものであって、計測通路を大気に開放して、計測通路に流れるガスを空気とする第1の計測状態と、計測通路をキャニスタに連通して、計測通路に流れるガスをキャニスタからの燃料蒸気を含む混合気とする第2の計測状態とに切替える計測通路切替手段と、
第1の計測状態のときに圧力計測手段によって計測される第1の圧力と、第2の計測状態のときに圧力計測手段によって計測される第2の圧力とに基づいて、混合気中の燃料状態を検出する第1燃料状態検出手段と、を備えるものにおいて、
第1燃料状態検出手段が正常な検出を行ったか、異常な検出を行ったかを判定する判定手段と、
パージ制御弁を開放して吸気管に燃料蒸気を含む混合気をパージする際、判定手段が異常な検出を行ったと判定した場合には、パージ制御弁の開度が目標開度に到達するまでの当該パージ制御弁の開放速度について、判定手段が正常な検出を行ったと判定した場合に設定されるパージ制御弁の開放速度に比べて低い開放速度に設定するパージ制御弁開放速度設定手段と、を備えることを特徴とする。
燃料タンク内から導入通路を介して導かれた燃料蒸気を一時的に吸着する吸着材を有するキャニスタと、
吸着材に吸着した燃料蒸気が当該吸着材から離脱して混合気となったとき、その混合気を内燃機関の吸気管に導くパージ管と、
パージ管に配置され、そのパージ管から吸気管へパージされる燃料蒸気を含む混合気のパージ流量を制御するパージ制御弁と、
絞りを備える計測通路と、
計測通路にガス流を発生させるガス流発生手段と、
ガス流発生手段がガス流を発生させたときに、絞りによって生じる圧力を計測する圧力計測手段と、
パージ制御弁が閉じているときに計測状態を切替えるものであって、計測通路を大気に開放して、計測通路に流れるガスを空気とする第1の計測状態と、計測通路をキャニスタに連通して、計測通路に流れるガスをキャニスタからの燃料蒸気を含む混合気とする第2の計測状態とに切替える計測通路切替手段と、
第1の計測状態のときに圧力計測手段によって計測される第1の圧力と、第2の計測状態のときに圧力計測手段によって計測される第2の圧力とに基づいて、混合気中の燃料状態を検出する第1燃料状態検出手段と、を備えるものにおいて、
第1燃料状態検出手段が正常な検出を行ったか、異常な検出を行ったかを判定する判定手段と、
パージ制御弁を開放して吸気管に燃料蒸気を含む混合気をパージする際、判定手段が異常な検出を行ったと判定した場合には、パージ制御弁の開度が目標開度に到達するまでの当該パージ制御弁の開放速度について、判定手段が正常な検出を行ったと判定した場合に設定されるパージ制御弁の開放速度に比べて低い開放速度に設定するパージ制御弁開放速度設定手段と、を備えることを特徴とする。
これにより、第1燃料状態検出手段が異常な検出を行った場合には、、パージ制御弁の開度が全閉状態から目標開度に到達するまでの開放速度を、正常な検出を行ったと判定した場合に設定されるパージ制御弁の開放速度に比べて低い開放速度に設定したうえでパージするようになるため、空燃比が急激に変動しないようにすることができる。
請求項2に記載の内燃機関の燃料蒸気処理装置によれば、
内燃機関の運転状態に基づいて算出されるパージ流量の許容上限値と、第1燃料状態検出手段の検出した燃料状態に基づいて算出される予想パージ流量とから、パージ制御弁の目標開度を算出する目標開度算出手段を備え、
パージ制御弁開放速度設定手段は、判定手段が正常な検出を行ったと判定した場合には、パージ制御弁の開度が目標開度に到達するまでの当該パージ制御弁の開放速度について、目標開度にできるだけ速く到達することのできる開放速度に設定することを特徴とする。
内燃機関の運転状態に基づいて算出されるパージ流量の許容上限値と、第1燃料状態検出手段の検出した燃料状態に基づいて算出される予想パージ流量とから、パージ制御弁の目標開度を算出する目標開度算出手段を備え、
パージ制御弁開放速度設定手段は、判定手段が正常な検出を行ったと判定した場合には、パージ制御弁の開度が目標開度に到達するまでの当該パージ制御弁の開放速度について、目標開度にできるだけ速く到達することのできる開放速度に設定することを特徴とする。
これにより、適性な空燃比を維持しながら、燃料蒸気を含む混合気を速やかにパージすることができるようになる。
請求項3に記載のように、判定手段は、第1燃料状態検出手段の検出した燃料状態が、所定の燃料状態よりも希薄な燃料状態の場合に、異常な検出を行ったと判定することが好ましい。
例えば、圧力計測手段が一時的に故障した場合、第1燃料状態検出手段の検出した燃料状態は、所定の燃料状態よりも希薄な燃料状態(例えば、パージする必要がない程度に希薄な燃料状態)を示すことが多いからである。
なお、請求項4に記載のように、内燃機関の排気管に設けられ、当該内燃機関から排出される排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
パージ制御弁が開いているときに、空燃比センサによって検出される空燃比の目標空燃比からの空燃比ずれ量に基づいて、混合気中の燃料状態を検出する第2燃料状態検出手段と、を備え、
判定手段は、第1燃料状態検出手段の検出した燃料状態と、第2燃料状態検出手段の検出した燃料状態とを比較して判定するようにしてもよい。
パージ制御弁が開いているときに、空燃比センサによって検出される空燃比の目標空燃比からの空燃比ずれ量に基づいて、混合気中の燃料状態を検出する第2燃料状態検出手段と、を備え、
判定手段は、第1燃料状態検出手段の検出した燃料状態と、第2燃料状態検出手段の検出した燃料状態とを比較して判定するようにしてもよい。
第1燃料状態検出手段の検出した燃料状態と、第2燃料状態検出手段の検出した燃料状態とが大きく異なる場合、空燃比センサが誤検出しない限り、第1燃料状態検出手段が異常な検出を行ったことがわかるからである。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態による燃料蒸気処理装置の構成を示す構成図である。本実施形態による燃料蒸気処理装置は、例えば自動車のエンジンに適用され、内燃機関であるエンジン1の燃料タンク11は、導入通路であるエバポライン12を介してキャニスタ13と接続されている。
キャニスタ13内には吸着材14が充填されており、燃料タンク11内で発生した燃料蒸気を吸着材14で一時的に吸着する。キャニスタ13は、パージ管であるパージライン15を介してエンジン1の吸気管2と接続されている。パージライン15には、パージ制御弁としてのパージバルブ16が設けられ、その開き時にはキャニスタ13と吸気管2とが連通するようになっている。
なお、キャニスタ13における、エバポライン12の接続位置と、パージライン15の接続位置との間の、キャニスタ13の内部に仕切板14aが設けられ、エバポライン12から導入された燃料蒸気が、吸着材14に吸着されることなく、パージライン15から放出されることを防止している。また、キャニスタ13には、後述するように大気ライン17も接続されている。この大気ライン17の接続位置とパージライン15の接続位置との間の、キャニスタ13の内部には、吸着材14の充填深さとほぼ同じ深さの仕切板14bが設けられている。これにより、エバポライン12から導入された燃料蒸気が大気ラインから放出されることを防止するようにしている。
パージ制御弁としてのパージバルブ16は電磁弁であり、エンジン1の各部を制御する電子制御ユニット(ECU30)によって、その開度や開放速度が調整される。パージライン15を流れる燃料蒸気を含む混合気の流量は、パージバルブ16の開度によって制御され、その流量が制御された混合気が、スロットルバルブ3によって発生される吸気管2内の負圧により吸気管2内にパージされ、インジェクタ4からの噴射燃料とともに燃焼される(以下、適宜、パージされる燃料蒸気を含む混合気をパージガスという)。
キャニスタ13には、先端がフィルタを介して大気に開放する大気ライン17が接続されている。この大気ライン17には、キャニスタ13を大気ライン17とポンプ26の吸入側のいずれかに連通させる切替弁18が設けられている。なお、切替弁18は、ECU30による非駆動時には、キャニスタ13を大気ライン17に連通させる第1位置にあり、駆動時に、キャニスタ13をポンプ26の吸入側に連通させる第2位置に切替られる。
パージライン15から分岐する分岐ライン19は、3位置弁21の一方の入力ポートに接続されている。また、3位置弁21の他方の入力ポートには、フィルタを介して大気に開放されるポンプ26の吐出ライン27から分岐する空気供給ライン20が接続されている。3位置弁21の出力ポートには、計測通路である計測ライン22が接続されている。
3位置弁21は計測通路切替手段であり、ECU30によって空気供給ライン20を計測ライン22に接続する第1位置、計測ライン22に対して空気供給ライン20および分岐ライン19のいずれとの連通も遮断する第2位置、および分岐ライン19を計測ライン22に接続する第3位置のいずれかに切り替えられる。なお、非駆動時、3位置弁21は第1位置となるように構成されている。
計測ライン22には、絞り23およびポンプ26が設けられている。ガス流発生手段であるポンプ26は電動ポンプであり、駆動時に絞り23側を吸入側として計測ライン22にガスを流動させるもので、その駆動のオンオフおよび回転数がECU30により制御される。ECU30は、ポンプ26を駆動する際、その回転数が予め設定した所定値で一定となるように制御する。
従って、図2に示すように、切替弁18は第1位置のまま、3位置弁21を第1の位置とした状態で、ECU30がポンプ26を駆動すると、計測ライン22を空気が流動する「第1の計測状態」となる。また、図3に示すように、3位置弁21を第3の位置とした状態でポンプ26を駆動すると、大気ライン17、キャニスタ13、分岐ライン19までのパージライン15の一部、および分岐ライン19を介して供給される燃料蒸気を含む混合気が計測ライン22を流動する「第2の計測状態」となる。
また、計測ライン22には、絞り23の下流側、すなわち、絞り23とポンプ26との間に、圧力計測手段である圧力センサ24の一方の端が接続されている。この圧力センサ24の他方の端は大気に開放しており、圧力センサ24によって、大気圧と計測ライン22の絞り23よりも下流側の圧力との差圧が検出される。この圧力センサ24によって計測された圧力はECU30に出力される。
ECU30は、吸気管2に設けられて吸入空気量を調整するスロットルバルブ3の開度、インジェクタ4からの燃料噴射量、パージバルブ16の開度等を種々のセンサによって検出された検出値に基づいて制御する。例えば、吸気管2に設けたエアフローセンサ31により検出される吸入空気量、吸気圧センサ(図示せず)により検出される吸気圧、排気管5に設けた空燃比センサ6により検出される空燃比の他、イグニッション信号、エンジン回転数、エンジン冷却水温、アクセル開度等に基づいて、スロットル開度、燃料噴射量、パージバルブ16の開度等を制御する。
以下、本実施形態のECU30の制御処理について詳述する。図4は、空燃比フィードバック(F/B)制御ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ECU30において一定カム角度毎に実行されるものである。このルーチンでは、空燃比センサ6からの出力電圧を入力し、混合気のリッチ・リーン判定を行う。そして、リッチ状態からリーン状態に反転した場合及びリーン状態からリッチ状態に反転した場合は燃料噴射量を増減すべく空燃比補正係数FAFを段階状に変化(スキップ)させるとともに、リッチ状態又はリーン状態のときには空燃比補正係数FAFを徐々に増減させる。
図4に示すステップS101では、空燃比フィードバック制御が許容されるか否かを判断する。すなわち、
(1)始動時でない
(2)燃料カット中でない
(3)冷却水温度(THW)≧0°C
(4)空燃比センサ6が活性状態である
の全ての条件(以下、F/B条件)が満足されたときに空燃比フィードバック制御が許容され、何れか1つの条件が満足されないときは空燃比フィードバック制御は許容されない。
(1)始動時でない
(2)燃料カット中でない
(3)冷却水温度(THW)≧0°C
(4)空燃比センサ6が活性状態である
の全ての条件(以下、F/B条件)が満足されたときに空燃比フィードバック制御が許容され、何れか1つの条件が満足されないときは空燃比フィードバック制御は許容されない。
ステップS101で肯定判断されたときはステップS102に進む。ステップS102では、空燃比センサ6の出力電圧VOXを読み込み、ステップS103において、その出力電圧VOXが、所定の基準電圧VR(例えば0.45V)以下であるか否かを判断する。ステップS103で肯定判断された場合は、排気ガスの空燃比はリーンであるとしてステップS104に進み、空燃比フラグXOXを“0”にセットする。
次いで、ステップS105において、空燃比フラグXOXと状態維持フラグXOXOとが一致しているか否かを判断する。ステップS105で肯定判断されたときは、リーン状態が継続しているものとして、ステップS106で空燃比補正係数FAFをリーン積分量“a”増加してこのルーチンを終了する。一方、ステップS105で否定判断されたときは、リッチ状態からリーン状態に反転したものとして、ステップS107にて空燃比補正係数FAFをリーンスキップ量“A”増加する。なお、リーンスキップ量“A”はリーン積分量“a”に比較して十分大に設定する。そして、ステップS108で状態維持フラグXOXOをリセットしてこのルーチンを終了する。
ステップS103で否定判断された場合は、排気ガスの空燃比はリッチであるとしてステップS109に進み、空燃比フラグXOXを“1”にセットする。そして、ステップS110で空燃比フラグXOXと状態維持フラグXOXOとが一致しているか否かを判断する。ステップS110で肯定判断されたときは、リッチ状態が継続しているものとして、ステップS111で空燃比補正係数FAFをリッチ積分量“b”減少してこのルーチンを終了する。一方、ステップS110で否定判断されたときは、リーン状態からリッチ状態に反転したものとしてステップS112に進み、空燃比補正係数FAFをリッチスキップ量“B”減少する。なおリッチスキップ量“B”はリッチ積分量“b”に比較して十分大に設定する。
ステップS113では、状態維持フラグXOXOを“1”にセットしてこのルーチンを終了する。なお、ステップS101で否定判断されたときは、ステップS114に進み空燃比補正係数FAFを“1.0”にセットしてこのルーチンを終了する。
図5は、キャニスタ13からパージされるパージガス中の燃料濃度(燃料状態)を検出する濃度検出ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンは、図4のルーチンと並列的に実行するようになっている。
ステップS201では、イグニッションスイッチがONであるか否かを判断する。この判断が否定判断であるときは、エンジン1は始動しておらず、従って、後述するパージ制御ルーチンも実施しないので、ステップS205において、圧力計測に基づく濃度検出を禁止すると決定して本ルーチンを終了する。
一方、ステップS201が肯定判断である場合には、ステップS202において、前回の圧力計測に基づく濃度検出からの経過時間が所定時間以上であるか否かを判断する。このステップS202が否定判断である場合、前述のステップS205を実行する。
ステップS202が肯定判断である場合には、ステップS203において、パージバルブ16が全閉であるか否かをさらに判断する。このステップS203が否定判断である場合、すなわち、パージバルブ16が開いている場合にも、前述のステップS205を実行する。ステップS203が肯定判断である場合には、ステップS204において、圧力計測に基づく濃度検出を開始すると決定して、ステップS206以降の処理を行う。
ステップS206では、計測ライン22にガス流として空気を流動させた状態で、圧力センサ24により圧力P0の測定を行う。この状態が「第1の計測状態」に相当する。なお、ステップS206の処理の実行前は、パージバルブ16は閉じられており、切替弁18はキャニスタ13を大気ライン17に連通させる第1位置となっており、3位置弁21は、空気供給ライン20を計測ライン22に接続する第1位置となっている。このため、初期状態において、圧力センサ24によって検出される圧力はほぼ大気圧と同じになっている。
このステップS206における空気流による圧力P0の測定は、3位置弁21を第1位置に保持したまま、ポンプ26を駆動することによりなされる。この場合、計測ライン22には空気供給ライン20を介して空気が供給される。空気供給ライン20の絞り23よりも上流側は、圧力センサ24の一方の端と同じ気圧であり、圧力センサ24の他方は空気供給ライン20の絞り23よりも下流側に接続されているので、圧力センサ24によって、空気が絞り23を通過したときの圧力低下量が検出される。
ステップS207では、計測ライン22にガス流として燃料蒸気を含む混合気を流動させた状態で、圧力P1の測定を行う。この状態が「第2の計測状態」に相当する。混合気流による圧力P1の測定は、3位置弁21を第3位置に切替えつつ、ポンプ26を駆動することによりなされる。
この場合、計測ライン22には、大気ライン17、キャニスタ13、分岐ライン19までのパージライン15の一部、及び分岐ライン19を介して供給される燃料蒸気を含む混合気が供給される。すなわち、大気ライン17から導入される空気がキャニスタ13内を流動することにより、燃料蒸気と空気との混合気となり、パージライン15の一部及び分岐ライン19を介して計測ライン22に供給される。従って、混合気流による圧力測定時には、圧力センサ24によって、燃料蒸気を含む混合気が計測ライン22の絞り23を通過したときの圧力低下量が検出される。
ステップS208では、ステップS206及びステップS207で測定した圧力P0およびP1に基づいて燃料濃度elcmを算出し、記憶する。燃料濃度elcmの算出は、圧力P0とP1との圧力比RPを数式1に従って算出し、圧力比RPに基づいて燃料濃度Cを数式2に従って算出する。数式2中、k1は予め実験などにより適合された定数である。
(数1)
RP=P1/P0
(数2)
C=k1×(RP−1)(=(P1−P0)/P0)
燃料蒸気は空気よりも重いため、パージガスに燃料蒸気が含まれていると、密度が高くなる。そして、ポンプ26の回転数が同じで計測ライン22の流速(流量)が同じであれば、エネルギー保存の法則により、密度が高いほど、絞り23の両側の差圧が大きくなる。従って、燃料濃度elcmが大きくなるほど、圧力比RPが大きくなり、燃料濃度elcmと圧力比RPとの関係は数式2に示すように直線関係となる。なお、このようにして求めた燃料濃度elcmは、パージガス中の燃料蒸気の濃度を質量比で表したものである。
RP=P1/P0
(数2)
C=k1×(RP−1)(=(P1−P0)/P0)
燃料蒸気は空気よりも重いため、パージガスに燃料蒸気が含まれていると、密度が高くなる。そして、ポンプ26の回転数が同じで計測ライン22の流速(流量)が同じであれば、エネルギー保存の法則により、密度が高いほど、絞り23の両側の差圧が大きくなる。従って、燃料濃度elcmが大きくなるほど、圧力比RPが大きくなり、燃料濃度elcmと圧力比RPとの関係は数式2に示すように直線関係となる。なお、このようにして求めた燃料濃度elcmは、パージガス中の燃料蒸気の濃度を質量比で表したものである。
ステップS209では、各部を初期状態に戻す。すなわち、切替弁18をキャニスタ13と大気ライン17とが連通する第1位置とし、3位置弁21は、空気供給ライン20を計測ライン22に接続する第1位置とする。そして、本ルーチンを終了する。
図6は、ECU30によるベースルーチンとしてのパージ制御ルーチンを示すフローチャートである。図6に示すステップS301では、パージバルブ16が全閉であるか否かを判断する。このステップS301が否定判断である場合には、パージバルブ16が全閉になるまで待機状態となる。ステップS301が肯定判断である場合には、ステップS302において、圧力計測に基づく濃度検出が完了したかどうかを判断する。このステップS302が否定判断である場合には、ステップS301へ処理を移行する。ステップS302が肯定判断である場合には、ステップS303へ処理を進める。
ステップS303では、パージ実施条件が成立したかどうかを判断する。このパージ実施条件は一般的な燃料蒸気処理装置のごとく、エンジン回転数、エンジン冷却水温、油温などの運転状態に基づいて判断される。このステップS303が肯定判断である場合には、ステップS304へ処理を進め、否定判断である場合には、ステップS301へ処理を移行する。
ステップS304では、図5に示した圧力計測に基づく濃度検出ルーチンによって検出された燃料濃度elcmが燃料濃度所定値elcm_minよりも小さな値、言い換えれば、燃料濃度elcmが燃料濃度所定値elcm_minよりも希薄な燃料濃度(燃料状態)であるかどうかを判断する。
このステップS304が肯定判断である場合には、圧力計測に基づく濃度検出ルーチンにて異常な検出を行ったものと判断して、ステップS305へ処理を進め、否定判断である場合には、圧力計測に基づく濃度検出ルーチンにて正常な検出を行ったものと判断して、ステップS306へ処理を進める。
例えば、圧力センサ24が一時的に故障した場合、図5に示した圧力計測に基づく濃度検出ルーチンにて検出した燃料濃度elcmは、燃料濃度所定値elcm_minよりも希薄な燃料状態(例えば、パージする必要がない程度に希薄な燃料状態)を示すことが多い。従って、ステップS304にて、燃料濃度elcmが燃料濃度所定値elcm_minよりも希薄な燃料濃度(燃料状態)である場合、異常な検出を行ったものと判断できる。
ステップS305では、図7に示すパージ徐変制御ルーチンの実行を開始する。図7のステップS3051では、空燃比フィードバック制御中であるか否かを判断する。このステップS3051が肯定判断した場合にはステップS3052へ進み、否定判断した場合には本処理を終了する。
ステップS3052では、空燃比補正係数FAFがどの領域にあるかを判断する。図8は空燃比補正係数FAFの領域を示すグラフであって、1±F内にあるときは領域Iに、1±Fと1±Gの間にあるときは領域IIに、1±Gの外側にあるときは領域IIIに属すると判断する。なお0<F<Gとする。
ステップS3052で領域Iに属すると判断されたときはステップS3053に進み、パージ率PGRを予め定められたパージ率アップ量Dだけ増加してステップS3055に進む。ステップS3052で領域IIIに属すると判断されたときはステップS3054に進み、パージ率PGRを予め定められたパージ率ダウン量Eだけ減少してステップS3055に進む。ステップS3052で領域IIに属すると判断されたときは、直接ステップS3055に進む。
ステップS3055では、パージ率PGRの上下限をチェックする。ステップS3056では、パージバルブ開度xを下記式にて算出する。
(数3)
x=PGR/PGR100×100%
ここで、PGR100は全開パージ率であり、パージバルブ16を全開した時のパージ量を表している。この全開パージ率は、エンジン回転速度Neとスロットル弁開度TAとのマップとして予め設定されている。図9は、その全開パージ率を決定するためのマップの設定例である。
x=PGR/PGR100×100%
ここで、PGR100は全開パージ率であり、パージバルブ16を全開した時のパージ量を表している。この全開パージ率は、エンジン回転速度Neとスロットル弁開度TAとのマップとして予め設定されている。図9は、その全開パージ率を決定するためのマップの設定例である。
ステップS3057では、パージバルブ16の開度が目標開度に到達するまでの開放速度について、ステップS304にて否定判断されたときに実行されるパージ通常制御ルーチンにて設定される開放速度に比べて低い開放速度に設定し、その設定後、パージバルブ16を開放することで、目標開度xに制御される。また、目標開度を算出する上においても、パージ率PGRをステップS3053、S3054にて徐々に変化するようにしてあるので、パージ率の最終値であるPGR上下限値での目標開度まで低い速度で制御することが可能である。
ステップS3058では、パージ停止条件が成立したかどうかを判断する。このステップS3058が肯定判断した場合には、ステップS3059にてパージバルブを全閉にして、本ルーチンを終了する。一方、ステップS3058が否定判断した場合には、S3051へ処理を移行し、上述した処理を繰り返す。
図6のステップS304が否定判断した場合、ステップS306では、図10に示すパージ通常制御ルーチンの実行を開始する。図10のステップS3061、S3062において、パージ流量許容上限値を設定する。すなわち、ステップS3061ではエンジン1の運転状態を検出し、ステップS3062において、許容されるパージ燃料蒸気流量許容値Fmを、検出された運転状態に基づいて算出する。
パージ燃料蒸気流量許容値Fmは、現在のスロットル開度などのエンジン1の運転状態のもとで要求される燃料噴射量、インジェクタ4で制御可能な燃料噴射量の下限値などに基づいて算出される。燃料噴射量が大きければ、燃料噴射量に対するパージ燃料蒸気流量の割合が小さくなる方向に作用するからパージ燃料蒸気流量許容値Fmも大きな値まで許容されることになる。
ステップS3063では、図示しない吸気圧センサにより、現在の吸気管圧力Piを検出し、ステップS3064で吸気管圧力Piに基づいて基準流量Q100を演算する。基準流量Q100は、パージライン15を流れるガスがエア100%でパージバルブ16の開度(パージバルブ開度)を100%のときにパージライン15を流れる前記ガスの流量であり、基準流量マップにしたがって演算される。図11に基準流量マップの一例を示す。
ステップS3065では、図5に示した圧力計測に基づく濃度検出ルーチンで検出された燃料濃度elcmに基づいてパージ混合気の予想流量Qcを数式4にしたがって算出する。予想流量Qcはパージバルブ開度を100%として、パージライン15に現在の燃料濃度elcmのパージガスを流したときのパージガス流量の予想値である。
図12は、燃料濃度elcmと基準流量Q100に対する予想流量Qcの比率(Qc/Q100)との関係を示すもので、燃料濃度elcmが大きくなるとパージガスの密度が増大し、吸気管圧力Piが同じであっても、エネルギー保存の法則により、パージガスがエア100%のときに比して流量が減少する。図中の直線は数式4と等価である。数式4中、Aは定数であり、予め制御プログラムなどと共にECU30のROM(図示せず)に記憶される。
(数4)
Qc=Q100×(1−A×C)
ステップS3066では、燃料濃度elcmと予想流量Qcとに基づいて、パージバルブ開度を100%として、パージライン15に現在の燃料濃度elcmのパージガスを流したときのパージ燃料蒸気の予想流量(以下,適宜、予想パージ燃料蒸気流量という)Fcを数式5にしたがって算出する。
Qc=Q100×(1−A×C)
ステップS3066では、燃料濃度elcmと予想流量Qcとに基づいて、パージバルブ開度を100%として、パージライン15に現在の燃料濃度elcmのパージガスを流したときのパージ燃料蒸気の予想流量(以下,適宜、予想パージ燃料蒸気流量という)Fcを数式5にしたがって算出する。
(数5)
Fc=Qc×C
ステップS3067〜S3069ではパージバルブ開度xを設定する。ステップS3067では予想パージ燃料蒸気流量Fcをパージ燃料蒸気流量許容値Fmと比較し、Fc≦Fmであるか否かを判定する。肯定判断された場合は、ステップS3068に進み、パージバルブ開度xを100%とする。パージバルブ開度xを100%としても許容パージ燃料蒸気流量許容値Fmまでに余裕があるからである。Fc≦Fmであるか否かを判定するステップS3067が否定判断されると、パージバルブ開度xが100%では過剰な燃料蒸気により空燃比が適性に維持できなくなるものと判断して、ステップS3069に進み、パージバルブ開度xを(Fm/Fc)×100%とする。Fc>Fmのもとでは適正な空燃比が保証されるパージ流量の最大がパージ燃料蒸気流量許容値Fmとなるからである。
Fc=Qc×C
ステップS3067〜S3069ではパージバルブ開度xを設定する。ステップS3067では予想パージ燃料蒸気流量Fcをパージ燃料蒸気流量許容値Fmと比較し、Fc≦Fmであるか否かを判定する。肯定判断された場合は、ステップS3068に進み、パージバルブ開度xを100%とする。パージバルブ開度xを100%としても許容パージ燃料蒸気流量許容値Fmまでに余裕があるからである。Fc≦Fmであるか否かを判定するステップS3067が否定判断されると、パージバルブ開度xが100%では過剰な燃料蒸気により空燃比が適性に維持できなくなるものと判断して、ステップS3069に進み、パージバルブ開度xを(Fm/Fc)×100%とする。Fc>Fmのもとでは適正な空燃比が保証されるパージ流量の最大がパージ燃料蒸気流量許容値Fmとなるからである。
ステップS3070では、パージバルブ16の開度が目標開度xに到達するまでの開放速度について、目標開度xにできるだけ速く到達することのできる高い開放速度に設定し、その設定後、パージバルブ16を開放することで、目標開度xに制御する。これにより、適性な空燃比を維持しながら、パージガスを速やかにパージすることができる。
ステップS3071では、パージ停止条件が成立したかどうかを判断する。このステップS3071が肯定判断した場合には、ステップS3072にてパージバルブを全閉にして、本ルーチンを終了する。一方、ステップS3071が否定判断した場合には、パージ停止条件が成立するまで、パージを継続する。
図13は、本実施形態のパージ通常制御とパージ徐変制御のパージ開始時のパージバルブ16の開放速度、パージ補正量、空燃比、及び空燃比F/Bについて比較したタイミングチャートである。
パージ通常制御は、上述したように、圧力計測に基づく濃度検出ルーチンで検出した燃料濃度elcmを用いてパージするものであるが、この濃度検出ルーチンにて正常な検出を行った場合には、パージバルブ16の開放速度を高く設定してパージしても、空燃比の急激な変動が発生することなく、また、空燃比F/Bによる補正量についても、大きく増量になったり、減量になったりすることがない。
しかしながら、同図中の異常(1)、(2)のように、濃度検出ルーチンにて異常な検出を行った場合には、パージバルブ16の開放速度を高く設定してパージするため、空燃比の急激な変動が発生し、また、空燃比F/Bによる補正量についても、急激に増量/減量する。
そこで、本実施形態では、上述したように、濃度検出ルーチンにて異常な検出を行った場合には、パージ徐変制御を実行するようにした。パージ徐変制御は、パージ通常制御におけるパージバルブ16の開放速度に比べて低い開放速度に設定してパージする。これにより、濃度検出ルーチンにて異常な検出を行った場合であっても、空燃比の急激な変動が発生することなくなる。また、空燃比F/Bによる補正量についても、急激に増量/減量することがなく、徐々に増量/減量するようになる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することができる。
例えば、本実施形態では、図6のステップS304において、圧力計測に基づく濃度検出ルーチンによって検出された燃料濃度elcmが燃料濃度所定値elcm_minよりも小さな値、言い換えれば、燃料濃度elcmが燃料濃度所定値elcm_minよりも希薄な燃料濃度(燃料状態)であるかどうかを判断するものであったが、パージ通常制御ルーチン実行時に、空燃比センサ6によって検出した空燃比の目標空燃比からの空燃比ずれ量に基づいて燃料濃度afを検出し、この燃料濃度afと燃料濃度elcmとを比較して、濃度検出ルーチンにて正常な検出を行ったか、異常な検出を行ったかを判定するようにしてもよい。
図14は、本変形例における、ECU30によるベースルーチンとしてのパージ制御ルーチンを示すフローチャートである。なお、図14に示すステップS3041及びS307を除くステップS301〜S303及びS305〜S306は、図6と同様であるので、その説明を省略する。
図14に示すステップS3041では、後述するA/F計測に基づく濃度検出ルーチンにて検出した燃料濃度afと圧力計測に基づく濃度検出ルーチンにて検出した燃料濃度elcmとの差分値が燃料濃度差分所定値elcm_dvよりも大きいかどうかを判断する。
このステップS3041が肯定判断した場合には、圧力計測に基づく濃度検出ルーチンにて異常な検出を行ったものと判断して、ステップS305へ処理を進める。これは、燃料濃度afと燃料濃度elcmとが大きく異なる場合、空燃比センサ6が誤検出しない限り、圧力計測に基づく濃度検出ルーチンにて異常な検出を行ったことがわかるからである。一方、否定判断である場合には、圧力計測に基づく濃度検出ルーチンにて正常な検出を行ったものと判断して、ステップS306へ処理を進める。
図14のステップS307では、A/F計測に基づく濃度検出ルーチンの実行を開始する。図15は、A/F計測に基づく濃度検出ルーチンのフローチャートである。ステップS3071では、濃度検出条件が成立しているか否かを判断する。すなわち、
(1)空燃比フィードバック制御中
(2)冷却水温度(THW)≧80°C
(3)始動時燃料増量=0
(4)暖機燃料増量=0
の全ての条件が満足されたときに検出を開始するものとし、いずれかの条件が満足されないときは検出を行わないものとする。
(1)空燃比フィードバック制御中
(2)冷却水温度(THW)≧80°C
(3)始動時燃料増量=0
(4)暖機燃料増量=0
の全ての条件が満足されたときに検出を開始するものとし、いずれかの条件が満足されないときは検出を行わないものとする。
ステップS3071で否定判断されたときは本ルーチンを終了する。ステップS3071で肯定判断されたときには、ステップS3072において、図4の空燃比F/B制御ルーチンで演算した空燃比補正係数FAFの時間的平均値FAFAVを演算し、ステップS3073に進む。
ステップS3073では、平均値FAFAVが“0.98”以下、“0.98”を越え“1.02”未満、“1.02”以上のいずれの領域にあるかを判断する。平均値FAFAVが“0.98”以下であると判断されたときは、ステップS3074に進み、燃料濃度FGPGを所定量“Q”(例えば0.4%)減少して、ステップS3076に進む。
ステップS3073において“1.02”以上であると判断されたときは、ステップS3075に進み燃料濃度FGPGを所定量“P”(例えば0.4%)増加して、ステップS3076に進む。また、ステップS3073において“0.98”を越え“1.02”未満であると判断されたときは燃料濃度FGPGを更新することなくステップS3076に進む。
ステップS3076では、燃料濃度FGPGを所定の上下限値内の値に制限する。ステップS3077では、パージ通常制御ルーチンが実行中であるかどうかを判断する。このステップS3077が否定判断した場合には本ルーチンを終了し、一方、肯定判断した場合には、ステップS3078にて燃料濃度FGPGをA/F計測に基づく燃料濃度afに代入して本ルーチンを終了する。そして、この燃料濃度afが、図14に示したパージ制御ルーチンにて用いられる。
5:排気管
6:空燃比センサ
11:燃料タンク
13:キャニスタ
14:吸着材
15:パージライン(パージ管)
16:パージバルブ(パージ制御弁)
21:3位置弁(計測通路切替手段)
22:計測ライン(計測通路)
23:絞り
24:圧力センサ(圧力計測手段)
26:ポンプ(ガス流発生手段)
30:ECU
6:空燃比センサ
11:燃料タンク
13:キャニスタ
14:吸着材
15:パージライン(パージ管)
16:パージバルブ(パージ制御弁)
21:3位置弁(計測通路切替手段)
22:計測ライン(計測通路)
23:絞り
24:圧力センサ(圧力計測手段)
26:ポンプ(ガス流発生手段)
30:ECU
Claims (4)
- 燃料タンク内から導入通路を介して導かれた燃料蒸気を一時的に吸着する吸着材を有するキャニスタと、
前記吸着材に吸着した燃料蒸気が当該吸着材から離脱して混合気となったとき、その混合気を内燃機関の吸気管に導くパージ管と、
前記パージ管に配置され、そのパージ管から前記吸気管へパージされる燃料蒸気を含む混合気のパージ流量を制御するパージ制御弁と、
絞りを備える計測通路と、
前記計測通路にガス流を発生させるガス流発生手段と、
前記ガス流発生手段がガス流を発生させたときに、前記絞りによって生じる圧力を計測する圧力計測手段と、
前記パージ制御弁が閉じているときに計測状態を切替えるものであって、前記計測通路を大気に開放して、前記計測通路に流れるガスを空気とする第1の計測状態と、前記計測通路を前記キャニスタに連通して、前記計測通路に流れるガスをキャニスタからの燃料蒸気を含む混合気とする第2の計測状態とに切替える計測通路切替手段と、
前記第1の計測状態のときに前記圧力計測手段によって計測される第1の圧力と、前記第2の計測状態のときに前記圧力計測手段によって計測される第2の圧力とに基づいて、混合気中の燃料状態を検出する第1燃料状態検出手段と、を備える内燃機関の燃料蒸気処理装置において、
前記第1燃料状態検出手段が正常な検出を行ったか、異常な検出を行ったかを判定する判定手段と、
前記パージ制御弁を開放して前記吸気管に燃料蒸気を含む混合気をパージする際、前記判定手段が異常な検出を行ったと判定した場合には、前記パージ制御弁の開度が目標開度に到達するまでの当該パージ制御弁の開放速度について、前記判定手段が正常な検出を行ったと判定した場合に設定される前記パージ制御弁の開放速度に比べて低い開放速度に設定するパージ制御弁開放速度設定手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の燃料蒸気処理装置。 - 前記内燃機関の運転状態に基づいて算出されるパージ流量の許容上限値と、前記第1燃料状態検出手段の検出した燃料状態に基づいて算出される予想パージ流量とから、前記パージ制御弁の目標開度を算出する目標開度算出手段を備え、
前記パージ制御弁開放速度設定手段は、前記判定手段が正常な検出を行ったと判定した場合には、前記パージ制御弁の開度が目標開度に到達するまでの当該パージ制御弁の開放速度について、前記目標開度にできるだけ速く到達することのできる開放速度に設定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料蒸気処理装置。 - 前記判定手段は、前記第1燃料状態検出手段の検出した燃料状態が、所定の燃料状態よりも希薄な燃料状態の場合に、異常な検出を行ったと判定することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料蒸気処理装置。
- 前記内燃機関の排気管に設けられ、当該内燃機関から排出される排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
前記パージ制御弁が開いているときに、前記空燃比センサによって検出される空燃比の目標空燃比からの空燃比ずれ量に基づいて、混合気中の燃料状態を検出する第2燃料状態検出手段と、を備え、
前記判定手段は、前記第1燃料状態検出手段の検出した燃料状態と、前記第2燃料状態検出手段の検出した燃料状態とを比較して判定することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料蒸気処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006162768A JP2007332806A (ja) | 2006-06-12 | 2006-06-12 | 内燃機関の燃料蒸気処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006162768A JP2007332806A (ja) | 2006-06-12 | 2006-06-12 | 内燃機関の燃料蒸気処理装置 |
Publications (1)
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JP2007332806A true JP2007332806A (ja) | 2007-12-27 |
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ID=38932524
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JP2006162768A Pending JP2007332806A (ja) | 2006-06-12 | 2006-06-12 | 内燃機関の燃料蒸気処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007332806A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017180317A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 愛三工業株式会社 | 蒸発燃料処理装置 |
JP2020016225A (ja) * | 2018-07-27 | 2020-01-30 | 愛三工業株式会社 | 蒸発燃料処理装置 |
CN114837830A (zh) * | 2021-02-02 | 2022-08-02 | 比亚迪股份有限公司 | 发动机排放控制方法、系统和车辆 |
-
2006
- 2006-06-12 JP JP2006162768A patent/JP2007332806A/ja active Pending
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