JP2007331960A - プラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲン系腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐食性に優れており、被処理ウェーハ等の不純物汚染を抑制することができ、かつ、耐熱衝撃性にも優れたプラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】純度99.9%以上のイットリア粉末に、純度99.9%以上で平均粒径D50が2μm以下のタングステンまたは酸化タングステン粉末を前記イットリア粉末に対して5重量%以上30重量%以下添加し、成形する工程と、成形体を、還元雰囲気下または不活性ガス雰囲気下、1700℃以上1900℃以下で焼成する工程と、イットリアセラミックス焼結体を所定形状に加工し、表面に露出しているタングステンまたは酸化タングステンを酸洗浄またはハロゲン化プラズマ処理により除去する工程とを経ることにより、表面にタングステンまたは酸化タングステンが存在しないイットリアセラミックス部材を作製する。
【選択図】なし
【解決手段】純度99.9%以上のイットリア粉末に、純度99.9%以上で平均粒径D50が2μm以下のタングステンまたは酸化タングステン粉末を前記イットリア粉末に対して5重量%以上30重量%以下添加し、成形する工程と、成形体を、還元雰囲気下または不活性ガス雰囲気下、1700℃以上1900℃以下で焼成する工程と、イットリアセラミックス焼結体を所定形状に加工し、表面に露出しているタングステンまたは酸化タングステンを酸洗浄またはハロゲン化プラズマ処理により除去する工程とを経ることにより、表面にタングステンまたは酸化タングステンが存在しないイットリアセラミックス部材を作製する。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体・液晶製造等のプラズマ処理工程において好適に用いることができるプラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材およびその製造方法に関する。
半導体製造装置においては、シリコン、石英ガラス、炭化ケイ素等からなる部材が多用されている。これらの材質は、製造される半導体ウェーハ等の構成元素であるSi、C、Oが主成分であり、しかも、高純度の部材とすることができるため、ウェーハと接触した場合、または、該部材からその構成成分の蒸気が揮散した場合であっても、ウェーハが汚染されないという利点を有している。
しかしながら、上記のような材質は、ハロゲンガス、特に、フッ素系ガスによる腐食が著しいという欠点を有しており、反応性の高いフッ素、塩素等のハロゲン系腐食性ガスを用いたプラズマプロセスが主流であるエッチング工程、CVD成膜工程、レジストを除去するアッシング工程における装置部材には不向きであった。
このため、上記のような工程でハロゲンプラズマに曝される部材には、高純度アルミナ、窒化アルミニウム、イットリア、YAG等のセラミックスが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
これらの中でも、イットリアセラミックスは、特に、耐プラズマ性に優れており、従来、単体の焼結体として、プラズマ処理装置に用いられていた。
また、従来のイットリアセラミックスは、体積抵抗率が1013Ω・cm以上と高く、シリコン部材等の代替として用いるためには、チューニングが必要であり、また、帯電しやすく、反応生成物を引き寄せてパーティクルを発生する原因にもなっていた。
これらの中でも、イットリアセラミックスは、特に、耐プラズマ性に優れており、従来、単体の焼結体として、プラズマ処理装置に用いられていた。
また、従来のイットリアセラミックスは、体積抵抗率が1013Ω・cm以上と高く、シリコン部材等の代替として用いるためには、チューニングが必要であり、また、帯電しやすく、反応生成物を引き寄せてパーティクルを発生する原因にもなっていた。
これに対しては、イットリアセラミックスの体積抵抗率を低くする目的で、金属や導電性を示す酸化チタン等の金属酸化物、窒化チタン等の金属窒化物、炭化チタン、炭化タングステン、炭化ケイ素等の金属炭化物等を添加する等の方法が考えられる。
特開2000−247726号公報
しかしながら、金属等の添加によって体積抵抗率を低くしたイットリアセラミックスは、プラズマ処理装置部材として使用した際、200℃以上の高温下で、プラズマ処理中に破損する場合があった。
また、金属等の添加は、耐プラズマ性を低下させるだけでなく、場合によっては、不純物元素によるウェーハの汚染を招くおそれがある。
また、金属等の添加は、耐プラズマ性を低下させるだけでなく、場合によっては、不純物元素によるウェーハの汚染を招くおそれがある。
したがって、耐プラズマ性に優れたイットリアセラミックスにおいて、耐熱衝撃性にも優れ、かつ、プラズマ処理装置部材として用いた際、被処理ウェーハ等の汚染を生じることのない材料が求められていた。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、ハロゲン系腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐食性に優れており、被処理ウェーハ等の不純物汚染を抑制することができ、かつ、耐熱衝撃性にも優れたプラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係るプラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材は、イットリアに、平均粒径D50が2μm以下のタングステンまたは酸化タングステンがイットリアに対して5重量%以上30重量%以下分散したイットリアセラミックス焼結体からなり、その最表面には、タングステンまたは酸化タングステンが存在していないことを特徴とする。
このようなセラミックス部材からなるプラズマ処理装置部材は、耐熱衝撃性に優れ、また、被処理ウェーハ等のタングステン原子による汚染を抑制することができる。
このようなセラミックス部材からなるプラズマ処理装置部材は、耐熱衝撃性に優れ、また、被処理ウェーハ等のタングステン原子による汚染を抑制することができる。
前記イットリアセラミックス部材は、十分な耐プラズマ性を得るため、イットリアセラミックス焼結体の開気孔率が0.2%以下であり、また、耐熱衝撃温度が200℃以上であることが好ましい。
また、本発明に係るプラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材の製造方法は、純度99.9%以上のイットリア粉末に、純度99.9%以上で平均粒径D50が2μm以下のタングステンまたは酸化タングステン粉末を前記イットリア粉末に対して5重量%以上30重量%以下添加し、成形する工程と、前記工程により得られた成形体を、還元雰囲気下または不活性ガス雰囲気下、1700℃以上1900℃以下で焼成する工程と、前記工程により得られたイットリアセラミックス焼結体を所定形状に加工し、表面に露出しているタングステンまたは酸化タングステンを酸洗浄またはハロゲン化プラズマ処理により除去する工程とを備えていることを特徴とする。
このような製造方法によれば、上記のような耐プラズマ性および耐熱衝撃性に優れたイットリアセラミックス部材を好適に得ることができる。
このような製造方法によれば、上記のような耐プラズマ性および耐熱衝撃性に優れたイットリアセラミックス部材を好適に得ることができる。
上述したとおり、本発明に係るプラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材は、ハロゲン系腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐食性に優れ、かつ、耐熱衝撃性にも優れており、半導体や液晶等の製造工程において、プラズマ処理装置部材として好適に用いることができる。
さらに、前記イットリアセラミックス部材を用いれば、プラズマ処理装置の耐久性の向上、クリーニングサイクルの長期化が図られ、また、ハロゲンプラズマプロセスにおいても、被処理ウェーハ等の金属不純物汚染が抑制されるため、半導体素子等の歩留まり向上にも寄与し得る。
また、本発明に係る製造方法によれば、上記のような本発明に係るイットリアセラミックス部材を好適に得ることができる。
さらに、前記イットリアセラミックス部材を用いれば、プラズマ処理装置の耐久性の向上、クリーニングサイクルの長期化が図られ、また、ハロゲンプラズマプロセスにおいても、被処理ウェーハ等の金属不純物汚染が抑制されるため、半導体素子等の歩留まり向上にも寄与し得る。
また、本発明に係る製造方法によれば、上記のような本発明に係るイットリアセラミックス部材を好適に得ることができる。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係るプラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材は、イットリアに、平均粒径D50が2μm以下のタングステンまたは酸化タングステンがイットリアに対して5重量%以上30重量%以下分散したイットリアセラミックス焼結体からなる。そして、その最表面には、タングステン原子が存在していないことを特徴とするものである。
すなわち、本発明に係るイットリアセラミックス部材は、それ自体が耐プラズマ性を有するイットリアに、高融点金属であるタングステンまたはその酸化物が添加されたセラミックス焼結体である。
本発明に係るプラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材は、イットリアに、平均粒径D50が2μm以下のタングステンまたは酸化タングステンがイットリアに対して5重量%以上30重量%以下分散したイットリアセラミックス焼結体からなる。そして、その最表面には、タングステン原子が存在していないことを特徴とするものである。
すなわち、本発明に係るイットリアセラミックス部材は、それ自体が耐プラズマ性を有するイットリアに、高融点金属であるタングステンまたはその酸化物が添加されたセラミックス焼結体である。
耐プラズマ性に優れたセラミックス部材を得るためには、イットリアへの添加剤は、イットリアが有する優れた耐プラズマ性を損なわせたり、半導体製造上、好ましくない不純物元素を含んでいたりしていてはならない。
K、Na等のアルカリ金属、Ni、Cu、Fe等の重金属は、半導体の汚染物質とされ、好ましくないが、重金属であっても、タングステン(W)は、半導体製造装置における電極材としても使用されており、耐プラズマ性における添加の有効性が認められる。
K、Na等のアルカリ金属、Ni、Cu、Fe等の重金属は、半導体の汚染物質とされ、好ましくないが、重金属であっても、タングステン(W)は、半導体製造装置における電極材としても使用されており、耐プラズマ性における添加の有効性が認められる。
したがって、本発明に係るイットリアセラミックス部材は、イットリア結晶の周囲にタングステン粒子が点在していることにより、フッ素、塩素等のハロゲン系プラズマに対する耐食性に優れたものとなり、また、高温時のイットリア結晶の歪みおよび熱応力をタングステン粒子が緩和するため、高い耐熱衝撃性が得られ、また、低抵抗化も図られるという効果が得られる。
酸化タングステンを添加した場合にも、同様の効果が得られる。
酸化タングステンを添加した場合にも、同様の効果が得られる。
本発明に係るイットリアセラミックス焼結体の原料としては、純度99.9%以上の高純度のイットリアを用いる。
純度99.9%未満である場合は、十分に緻密化したセラミックスが得られず、また、プラズマ処理装置部材とした際に、原料中の不純物に起因するパーティクルの発生を招くおそれがある。
純度99.9%未満である場合は、十分に緻密化したセラミックスが得られず、また、プラズマ処理装置部材とした際に、原料中の不純物に起因するパーティクルの発生を招くおそれがある。
前記高純度イットリアに添加するタングステンまたは酸化タングステンは、純度99.9%以上の高純度であり、平均粒径D50が2μm以下の粉末を用いる。
前記タングステンまたは酸化タングステン粉末の平均粒径D50が2μmを超える場合、タングステンまたは酸化タングステンが焼結阻害要因となり、得られるセラミックス焼結体の開気孔率が大きくなり、気孔に起因するパーティクルの発生を招きやすい。
前記タングステンまたは酸化タングステン粉末の平均粒径D50が2μmを超える場合、タングステンまたは酸化タングステンが焼結阻害要因となり、得られるセラミックス焼結体の開気孔率が大きくなり、気孔に起因するパーティクルの発生を招きやすい。
また、前記タングステンまたは酸化タングステン粉末の添加量は、イットリアに対して5重量%以上30重量%以下とする。
前記添加量が5重量%未満である場合、耐熱衝撃性の向上効果が十分に得られない。
一方、前記添加量が30重量%を超える場合、タングステンまたは酸化タングステンの偏析が生じ、該セラミックスをプラズマ処理装置部材として使用した際、この偏析部分がエッチングされやすく、耐プラズマ性が低下する。
前記添加量が5重量%未満である場合、耐熱衝撃性の向上効果が十分に得られない。
一方、前記添加量が30重量%を超える場合、タングステンまたは酸化タングステンの偏析が生じ、該セラミックスをプラズマ処理装置部材として使用した際、この偏析部分がエッチングされやすく、耐プラズマ性が低下する。
さらに、前記イットリアセラミックス焼結体は、開気孔率が0.2%以下の緻密質であることが好ましい。
前記開気孔率が0.2%を超える場合、該セラミックスをプラズマ処理装置部材として用いた際、セラミックス内の残留気孔に起因するエッチングにより、パーティクルが発生しやすくなる。
前記開気孔率は、0.1%以下であることがより好ましい。
前記開気孔率が0.2%を超える場合、該セラミックスをプラズマ処理装置部材として用いた際、セラミックス内の残留気孔に起因するエッチングにより、パーティクルが発生しやすくなる。
前記開気孔率は、0.1%以下であることがより好ましい。
また、前記イットリアセラミックス焼結体は、耐熱衝撃温度が200℃以上であることが好ましい。
ここでいう耐熱衝撃温度とは、水中投下法による耐熱衝撃性により求められるものであり、所定温度に加熱された焼結体を水中に投下した場合に、クラックを生じる限界の温度差を意味する。例えば、270℃に加熱された焼結体を20℃の水中に投下しても、焼結体にクラックが発生しない場合、該セラミックス焼結体の耐熱衝撃温度は250℃以上とする。
前記耐熱衝撃温度が200℃未満である場合は、該セラミックス部材をプラズマ処理装置部材とした際、破損するおそれがある。
ここでいう耐熱衝撃温度とは、水中投下法による耐熱衝撃性により求められるものであり、所定温度に加熱された焼結体を水中に投下した場合に、クラックを生じる限界の温度差を意味する。例えば、270℃に加熱された焼結体を20℃の水中に投下しても、焼結体にクラックが発生しない場合、該セラミックス焼結体の耐熱衝撃温度は250℃以上とする。
前記耐熱衝撃温度が200℃未満である場合は、該セラミックス部材をプラズマ処理装置部材とした際、破損するおそれがある。
上記のようなイットリアセラミックス焼結体は、純度99.9%以上のイットリア粉末に、純度99.9%以上で平均粒径D50が2μm以下のタングステンまたは酸化タングステン粉末を前記イットリア粉末に対して5重量%以上30重量%以下添加し、成形後、還元雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で、1700℃以上1900℃以下で焼成することにより得ることができる。
焼成温度が1700℃未満である場合、セラミックス中に気孔が多く残留し、十分に緻密化された焼結体が得られない。
一方、焼成温度が1900℃を超える場合、結晶粒子の異常粒成長が起きやすくなり、強度が低下する。
前記焼成温度は、1750℃以上1850℃以下であることがより好ましい。
焼成温度が1700℃未満である場合、セラミックス中に気孔が多く残留し、十分に緻密化された焼結体が得られない。
一方、焼成温度が1900℃を超える場合、結晶粒子の異常粒成長が起きやすくなり、強度が低下する。
前記焼成温度は、1750℃以上1850℃以下であることがより好ましい。
上記製造方法により得られたイットリアセラミックス焼結体は、タングステンまたは酸化タングステンを含むものであり、そのままで耐プラズマ性に優れているものであるが、タングステンまたは酸化タングステンが表面に露出している部分に、プラズマによりエッチングされやすい部分が偏在する傾向がある。
このため、タングステン原子が汚染源として懸念されるため、本発明に係るイットリアセラミックス部材は、その最表面には、タングステンまたは酸化タングステンが存在しないような構成とする。
このため、タングステン原子が汚染源として懸念されるため、本発明に係るイットリアセラミックス部材は、その最表面には、タングステンまたは酸化タングステンが存在しないような構成とする。
このような構成のイットリアセラミックス部材を得るためには、上記製造方法により得られたイットリアセラミックス焼結体を、所定形状に加工した後、表面に露出しているタングステンまたは酸化タングステンを酸洗浄またはハロゲン化プラズマ処理により除去する。
前記イットリアセラミックス部材表面のタングステンまたは酸化タングステンの除去処理は、該セラミックス部材をプラズマ処理装置部材としてRIE方式のエッチング装置(使用ガス:CF4、O2)にてシリコンウェーハ処理を行った際、ICP−MS等により被処理ウェーハ上に検出されるタングステン原子が500×1010atoms/cm2以下になるように施すことが好ましい。
ウェーハの歩留まり向上の観点からは、前記タングステン原子が100×1010atoms/cm2以下となるように、該セラミックス部材の表面処理を施すことがより好ましい。
前記イットリアセラミックス部材表面のタングステンまたは酸化タングステンの除去処理は、該セラミックス部材をプラズマ処理装置部材としてRIE方式のエッチング装置(使用ガス:CF4、O2)にてシリコンウェーハ処理を行った際、ICP−MS等により被処理ウェーハ上に検出されるタングステン原子が500×1010atoms/cm2以下になるように施すことが好ましい。
ウェーハの歩留まり向上の観点からは、前記タングステン原子が100×1010atoms/cm2以下となるように、該セラミックス部材の表面処理を施すことがより好ましい。
前記イットリアセラミックス部材表面のタングステンまたは酸化タングステンの除去処理方法としては、塩酸、硝酸等のタングステンまたは酸化タングステンを溶解する酸による洗浄を用いることができる。あるいはまた、ハロゲン化プラズマ処理によっても、該セラミックス部材の表面のタングステンまたは酸化タングステンを上記のような原子濃度範囲まで除去することが可能である。
上記のようにして得られる本発明に係るプラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材は、200℃以上の高温下での使用によっても、該部材の破損やエッチングによるパーティクルの発生を抑制することができ、また、被処理ウェーハ等のタングステン原子による汚染を抑制することができるため、製造される半導体素子等の歩留まりの向上にも寄与し得る。
特に、半導体ウェーハ表面の成膜工程等における、CCl4、BCl3、HBr、CF4、C4F8、NF3、SF6等のハロゲン化合物プラズマガス、腐食性の強いClF3セルフクリーニングガスを用いる装置部材や、N2やO2を用いたスパッタ性の高いプラズマによりエッチングされやすい部材にも好適に用いることができる。
特に、半導体ウェーハ表面の成膜工程等における、CCl4、BCl3、HBr、CF4、C4F8、NF3、SF6等のハロゲン化合物プラズマガス、腐食性の強いClF3セルフクリーニングガスを用いる装置部材や、N2やO2を用いたスパッタ性の高いプラズマによりエッチングされやすい部材にも好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
純度99.9%のイットリア原料粉末に、純度99.9%で平均粒径D50が1μmのタングステン粉末を前記イットリア原料粉末に対して20重量%添加し、スプレードライヤにて造粒した。
得られた造粒粉を冷間静水圧プレス(CIP)にて1500kgf/cm2で加圧成形し、得られた成形体を水素雰囲気下、1800℃で焼成し、セラミックス焼結体とした。
得られた焼結体について、開気孔率を、アルキメデス法により測定し、また、体積抵抗率を、室温(25℃)にて、二重リング法により測定した。
[実施例1]
純度99.9%のイットリア原料粉末に、純度99.9%で平均粒径D50が1μmのタングステン粉末を前記イットリア原料粉末に対して20重量%添加し、スプレードライヤにて造粒した。
得られた造粒粉を冷間静水圧プレス(CIP)にて1500kgf/cm2で加圧成形し、得られた成形体を水素雰囲気下、1800℃で焼成し、セラミックス焼結体とした。
得られた焼結体について、開気孔率を、アルキメデス法により測定し、また、体積抵抗率を、室温(25℃)にて、二重リング法により測定した。
また、以下に示すような水中投下法によって、耐熱衝撃性の評価を行った。
まず、前記焼結体から、3mm×4mm×40mmの試験片30個を研削加工した。
この試験片10個ずつを所定温度で30分以上保持した後、水槽に漬けて5分間放置した。
水を拭取った後、120℃で2時間乾燥させ、室温まで冷却後、蛍光探傷液にてクラックの有無を調べることにより、耐熱衝撃温度を求めた。
まず、前記焼結体から、3mm×4mm×40mmの試験片30個を研削加工した。
この試験片10個ずつを所定温度で30分以上保持した後、水槽に漬けて5分間放置した。
水を拭取った後、120℃で2時間乾燥させ、室温まで冷却後、蛍光探傷液にてクラックの有無を調べることにより、耐熱衝撃温度を求めた。
さらに、前記焼結体により、フォーカスリングを作製し、これを10%塩酸に30分間浸漬させて、表面のタングステンの除去処理を行った。
このフォーカスリングを用いて、RIE方式のエッチング装置(使用ガス:CF4、O2)にて、直径200mmのシリコンウェーハのプラズマ処理を行った後、レーザパーティクルカウンタにより、ウェーハ上の0.15μm以上のパーティクル数を測定した。また、ウェーハ上のタングステン(W)原子をICP−MSにて検出した。
これらの測定結果を表1に示す。
このフォーカスリングを用いて、RIE方式のエッチング装置(使用ガス:CF4、O2)にて、直径200mmのシリコンウェーハのプラズマ処理を行った後、レーザパーティクルカウンタにより、ウェーハ上の0.15μm以上のパーティクル数を測定した。また、ウェーハ上のタングステン(W)原子をICP−MSにて検出した。
これらの測定結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同様に、フォーカスリングを作製し、表面のタングステン除去処理を、塩素プラズマ処理(RIE方式、使用ガス:CCl4、O2)により行い、それ以外については、実施例1と同様にして、シリコンウェーハのプラズマ処理を行った場合のウェーハ上のパーティクル数およびタングステン原子の測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
実施例1と同様に、フォーカスリングを作製し、表面のタングステン除去処理を、塩素プラズマ処理(RIE方式、使用ガス:CCl4、O2)により行い、それ以外については、実施例1と同様にして、シリコンウェーハのプラズマ処理を行った場合のウェーハ上のパーティクル数およびタングステン原子の測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
[実施例3]
タングステン粉末に代えて、純度99.9%で平均粒径D50が1μmの酸化タングステン粉末を用い、それ以外については、実施例1と同様にして、セラミックス焼結体を作製し、各種評価測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
タングステン粉末に代えて、純度99.9%で平均粒径D50が1μmの酸化タングステン粉末を用い、それ以外については、実施例1と同様にして、セラミックス焼結体を作製し、各種評価測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例3と同様に、フォーカスリングを作製し、表面の酸化タングステン除去処理を、塩素プラズマ処理(RIE方式、使用ガス:CCl4、O2)により行い、それ以外については、実施例1と同様にして、シリコンウェーハのプラズマ処理を行った場合のウェーハ上のパーティクル数およびタングステン原子の測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
実施例3と同様に、フォーカスリングを作製し、表面の酸化タングステン除去処理を、塩素プラズマ処理(RIE方式、使用ガス:CCl4、O2)により行い、それ以外については、実施例1と同様にして、シリコンウェーハのプラズマ処理を行った場合のウェーハ上のパーティクル数およびタングステン原子の測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
[比較例1]
純度99.5%のイットリア原料粉末を用い、それ以外については、実施例1と同様にして、セラミックス焼結体を作製し、各種評価測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
純度99.5%のイットリア原料粉末を用い、それ以外については、実施例1と同様にして、セラミックス焼結体を作製し、各種評価測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
[比較例2]
純度99.9%で平均粒径D50が2.5μmのタングステン粉末を用い、それ以外については、実施例1と同様にして、セラミックス焼結体を作製し、各種評価測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
純度99.9%で平均粒径D50が2.5μmのタングステン粉末を用い、それ以外については、実施例1と同様にして、セラミックス焼結体を作製し、各種評価測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
[比較例3]
イットリア原料粉末に対するタングステン粉末の添加量を1重量%とし、それ以外については、実施例1と同様にして、セラミックス焼結体を作製し、各種評価測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
この焼結体により作製したフォーカスリングは、プラズマ処理中に破損した。
イットリア原料粉末に対するタングステン粉末の添加量を1重量%とし、それ以外については、実施例1と同様にして、セラミックス焼結体を作製し、各種評価測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
この焼結体により作製したフォーカスリングは、プラズマ処理中に破損した。
[比較例4]
イットリア原料粉末に対するタングステン粉末の添加量を50重量%とし、それ以外については、実施例1と同様にして、セラミックス焼結体を作製し、各種評価測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
イットリア原料粉末に対するタングステン粉末の添加量を50重量%とし、それ以外については、実施例1と同様にして、セラミックス焼結体を作製し、各種評価測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
[比較例5]
焼成温度を1650℃とし、それ以外については、実施例1と同様にして、セラミックス焼結体を作製し、各種評価測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
焼成温度を1650℃とし、それ以外については、実施例1と同様にして、セラミックス焼結体を作製し、各種評価測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
[比較例6]
実施例1で得られた焼結体を用いて、タングステン除去処理を施さずに、フォーカスリングを作製した。
このフォーカスリングを用いて、実施例1と同様にして、シリコンウェーハのプラズマ処理を行った場合のウェーハ上のパーティクル数およびタングステン原子の測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
実施例1で得られた焼結体を用いて、タングステン除去処理を施さずに、フォーカスリングを作製した。
このフォーカスリングを用いて、実施例1と同様にして、シリコンウェーハのプラズマ処理を行った場合のウェーハ上のパーティクル数およびタングステン原子の測定を行った。
これらの測定結果を表1に示す。
表1に示したように、純度99.9%以上のイットリア原料粉末に対して、純度99.9%以上で平均粒径D50が2μm以下のタングステンまたは酸化タングステン粉末を5重量%以上30重量%以下添加し、表面のタングステンまたは酸化タングステン除去処理を施したイットリアセラミックス焼結体(実施例1〜4)は、緻密質であり、耐熱衝撃性にも優れていることが認められた。また、プラズマ処理装置部材として使用した場合、耐プラズマ性に優れ、パーティクルの発生が抑制され、かつ、タングステン原子によるウェーハ汚染も抑制されることが認められた。
Claims (4)
- イットリアに、平均粒径D50が2μm以下のタングステンまたは酸化タングステンがイットリアに対して5重量%以上30重量%以下分散したイットリアセラミックス焼結体からなり、その最表面には、タングステンまたは酸化タングステンが存在していないことを特徴とするプラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材。
- 前記イットリアセラミックス焼結体の開気孔率が0.2%以下であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材。
- 耐熱衝撃温度が200℃以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のプラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材。
- 純度99.9%以上のイットリア粉末に、純度99.9%以上で平均粒径D50が2μm以下のタングステンまたは酸化タングステン粉末を前記イットリア粉末に対して5重量%以上30重量%以下添加し、成形する工程と、
前記工程により得られた成形体を、還元雰囲気下または不活性ガス雰囲気下、1700℃以上1900℃以下で焼成する工程と、
前記工程により得られたイットリアセラミックス焼結体を所定形状に加工し、表面に露出しているタングステンまたは酸化タングステンを酸洗浄またはハロゲン化プラズマ処理により除去する工程とを備えていることを特徴とするプラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材の製造方法。
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JP2006162950A JP2007331960A (ja) | 2006-06-13 | 2006-06-13 | プラズマ処理装置用イットリアセラミックス部材およびその製造方法 |
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2006
- 2006-06-13 JP JP2006162950A patent/JP2007331960A/ja active Pending
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