JP2007331785A - 液体貯留槽の製造方法 - Google Patents

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Mitsunori Kajiyama
光徳 梶山
Kenjiro Fukuda
賢二郎 福田
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秋男 太田
Noriaki Higashimura
紀明 東村
Tokuzo Sase
得三 佐瀬
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Abstract

【課題】止水性を維持し、製造を容易にし、耐圧を向上する液体貯留槽の製造方法を提供する。
【解決手段】液体貯留槽の製造方法は、底部補強材を形成する底部補強材形成工程(S1)と、底部補強材の外周縁から底部補強材と垂直な方向に延びる複数の側壁部補強材と、側壁部補強材の底部補強材に固着される端部と反対側の端部に固着される天井部補強材とを含む枠組部を形成する枠組部形成工程(S20)と、底部補強材に底部パネルを装着する底部形成工程(S10)と、枠組部形成工程(S20)後に、側壁部補強材の液体を貯留する側に側壁部パネルが相互に密着するように配置して、側壁部補強材と側壁部パネルとを固着する側壁部形成工程(S30)と、枠組部形成工程(S20)後に天井部補強材に天井部パネルを装着して天井部を形成する天井部形成工程(S40)とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体貯留槽の製造方法に関し、たとえば容易に製造できる液体貯留槽の製造方法に関する。
従来、貯水槽などの液体貯留槽は、目的に応じて、鉄などの薄板からなるパネルを組み合わせて製造されている。液体貯留槽は、止水性を維持するために、パネルの大きさを最大限利用して、パネルの接続部分を減少させることが望まれている。
このような液体貯留槽は、液体貯留槽の設置場所に余裕がある場合には、パネルを円筒形または角形に加工して、貯留させる内部の液体からの圧力を薄板の面内力に換えて形状を維持させている。一方、液体貯留槽の設置場所に余裕がない場合には、パネルを形成した後に必要に応じて補強材を接合して側壁部を形成するか、パネルと補強材とを同時に組み合わせて側壁部を形成している。
たとえば、特開平2001−173033号公報(特許文献1)には、槽内の構造を簡単なものとして作業の煩雑化を解消するとともに、錆発生の防止策を必要としないことを目的とした貯水槽が開示されている。特許文献1に開示の貯水槽では、側壁部をパネルで形成した後に、側壁部に沿わせて側壁部補強材を立設させている。また、天井部をパネルで形成した後に、天井部補強材を取り付けている。また、側壁部補強材と天井部補強材とを接続している。
特開平2001−173033号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の貯水槽では、側壁部を形成した後に側壁部補強材を形成し、天井部を形成した後に天井部補強材を形成している。そのため、側壁部を形成する工程、側壁補強部を形成する工程、天井部を形成する工程、および天井部補強材を形成する工程は、すべて難しい作業となり、製造するためにコストがかかる。特に近年では、設置可能場所の面積が小さいため、底部の面積が小さく、かつ高さの高い形状の液体貯留槽が要求されている。このような形状の液体貯留槽を製造するためには、難しい作業がさらに増加するという問題がある。難しい作業が増加すると、それに伴って必要な製造コストが増加してしまう。
また、上記特許文献1では、パネルを引っ張った状態で貯水槽の側壁部を形成している。そのため、止水性は維持できるものの、貯水槽の耐圧が低下するという問題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、止水性を維持するとともに、製造を容易にし、耐圧を向上する液体貯留槽の製造方法を提供することである。
本発明の液体貯留槽の製造方法は、底部と、側壁部と、天井部とを備え、内部に液体を貯留する液体貯留槽の製造方法であって、底部補強材形成工程と、枠組部形成工程と、底部形成工程と、側壁部形成工程と、天井部形成工程とを備えている。底部補強材形成工程は、底部補強材を形成する。枠組部形成工程は、底部補強材形成工程後に、底部補強材の外周縁から底部補強材と垂直な方向に延びる複数の側壁部補強材と、側壁部補強材の底部補強材に装着される端部と反対側の端部に固着される天井部補強材とを含む枠組部を形成する。底部形成工程は、底部補強材形成工程後または枠組部形成工程後に、底部補強材に底部パネルを固着する。側壁部形成工程は、枠組部形成工程後に、側壁部補強材の液体を貯留する側に側壁部パネルが相互に密着するように配置して、側壁部補強材と側壁部パネルとを固着する。天井部形成工程は、枠組部形成工程後に、天井部補強材に少なくとも1枚の天井部パネルを装着して前記天井部を形成する。
上記液体貯留槽の製造方法において好ましくは、側壁部パネルの材料はFRPおよびステンレスの少なくともいずれか一方であることを特徴としている。
上記液体貯留槽の製造方法において好ましくは、側壁部形成工程は、隣接する側壁部パネルの接合部と側壁部補強材との間に止水部材を配置する工程と、側壁部パネルと側壁部補強材とをボルトで締め付けて接続する止水工程を含んでいる。
上記液体貯留槽の製造方法において好ましくは、側壁部形成工程後に、液体を貯留する側の隣接する側壁部パネルの接合部に固体状の溶融部材を配置する工程と、配置する工程後に、溶融部材を溶融する工程と、溶融する工程後に、溶融した溶融部材を硬化する工程とをさらに備えている。
上記液体貯留槽の製造方法において好ましくは、側壁部パネルの形状は、板状であることを特徴としている。
本発明の液体貯留槽の製造方法によれば、容易な作業である枠組部形成工程を難しい作業であるパネル形成工程前に実施しているので、製造が容易となる。また、パネルは枠組部に力を加えずに配置して接続することができるので、耐圧を向上できる。さらに、パネルを隙間を設けずに配置しているので、止水性を維持できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
図1〜図6を参照して、本発明の実施の形態における液体貯留槽の製造方法を説明する。本発明の実施の形態における液体貯留槽の製造方法は、底部と、側壁部と、天井部とを備え、内部に液体を貯留する液体貯留槽の製造方法である。なお、図1は、本発明の実施の形態における液体貯留槽の製造方法を示すフローチャートである。図2は、本発明の実施の形態における底部形成工程を説明するための図であり、(A)は概略上面図であり、(B)は概略側面図である。図3は、本発明の実施の形態における枠組部形成工程を説明するための図であり、(A)は概略上面図であり、(B)は概略側面図である。図4は、本発明の実施の形態における側壁部形成工程を説明するための図であり、(A)は外部から見たときの概略側面図であり、(B)は内部から見たときの概略側面図である。図5は、本発明の実施の形態における止水工程を説明するための図である。図6は、本発明の実施の形態における天井部形成工程を説明するための概略上面図である。図3(A)および図6において、コンクリート基礎は図示を省略している。
まず、図1、図2(A)、および図2(B)に示すように、底部補強材11aを形成する底部補強材形成工程(S1)を実施する。具体的には、図2(B)に示すように、液体貯留槽を設置する場所に、まずコンクリート基礎Bを形成する。そして、コンクリート基礎Bの上に底部補強材11aを形成する。実施の形態では、底部補強材11aは、底部11の平面形状(実施の形態では長方形)の外周縁に相当する部分およびその対向する中央同士をまたぐ部分に設けていている。
次に、底部補強材11aに底部パネル11bを装着する底部形成工程(S10)を実施する。これにより、図2(A)に示すように、底部補強材11aと底部パネル11bとを有する底部11を形成することができる。なお、実施の形態では、底部11は、その平面形状を長方形状としている。
具体的には、底部パネル11bは少なくとも1枚のパネルを底部補強材11aに装着する。底部パネル11bは、1枚であっても複数枚であってもよい。複数枚の底部パネル11を装着する場合には、たとえば底部補強材11aに張り合わせるように装着する。なお、底部形成工程(S10)は、実施の形態では底部補強材形成工程(S1)後に実施しているが、後述する枠組部形成工程(S20)後に実施してもよい。
図3(A)および図3(B)に示すように、底部補強材形成工程(S1)後に、底部補強材11aの外周縁11a1から底部補強材11aと垂直な方向に延びる複数の側壁部補強材12と、側壁部補強材12の底部補強材11aに固着される端部12aと反対側の端部12bに固着される天井部補強材14とを含む枠組部を形成する枠組部形成工程(S20)を実施する。これにより、側壁部補強材12と天井部補強材14とを有する枠組部を形成でき、枠組部は液体貯留槽の安定化構造の役割を果たす。なお、「液体を貯留する側」とは、製造する液体貯留槽の内部側を意味する。また、「底部補強材11aの外周縁11a1」とは、底部11を構成する底部補強材11aのうち、底部11の平面形状の外周縁を構成する底部補強材11aの外周縁を意味する。
実施の形態では、図3(B)に示すように、底部11の外周縁11a1における長辺から延びる側壁部補強材をそれぞれ3本ずつ、短辺から伸びる側壁部補強材をそれぞれ2本ずつ、合計10本の側壁部補強材12を形成している。なお、図3(B)に示すように、側壁部補強材12の延びる方向と垂直な方向(底部11と平行な方向)に、側壁部補助補強材13をさらに形成することが好ましい。側壁部補助補強材13は、一の側壁部補強材12の中央部から、他の側壁部補強材12の中央部へ延びるように接続することが好ましい。この場合には、枠組部は、側壁部補強材12と、側壁部補助補強材13と、天井部補強材14とを有している。
そして、対向する側壁部補強材12の端部12bと天井部補強材14とを接続する。すなわち、天井部補強材14は、底部補強材11aの延びる方向と実質的に平行な方向にまたは傾斜して延びる方向に形成する。実施の形態では、5本の天井部補強材14を、底部11と平行な方向に形成している。
なお、枠組部は、ブレースなどの液体貯留槽の内部を補強する補強材(図示せず)を含んでいてもよい。当該補強材としては、たとえば耐震ブレースなどを用いることが好ましい。
枠組部の材料は、強度および剛性の観点から、鉄骨形鋼からなることが好ましい。また、枠組部の構成は、液体貯留槽の安定化を向上する観点から、図3(A)および図3(B)において、少なくともx軸方向またはy軸方向のどちらか一方の枠組部を不静定次数の高い(安定性の高い)ラーメン構造体とすることが好ましい。なお、ラーメン構造体とは、柱と梁との接合点が剛接合(しっかりと固定)されている構造を意味する。また、不静定次数とは、構造体を支えるために最低限の支点のみを有している静定構造物よりも多い支点を有している構造物のことを意味する。
図4(A)および図4(B)に示すように、枠組部形成工程(S20)後に、側壁部補強材12の液体を貯留する側に側壁部パネル16が相互に密着するように配置して、側壁部補強材12と側壁部パネル16とを固着する側壁部形成工程(S30)を実施する。これにより、側壁部補強材12と、側壁部補助補強材13と、側壁部パネル16とを有する側壁部を形成できる。
具体的には、図4(B)に示すように、側壁部補強材12に囲まれる液体貯留槽の内側となる部分にそれぞれ側壁部パネル16を配置する。なお、「側壁部補強材12に囲まれる部分」とは、側壁部補強材12に囲まれる空間と側壁部補強材12の一部とを含む。この際、隙間を設けず密着するように、かつ引っ張るなど力を加えずに、側壁部パネル16を配置する。実施の形態では、液体貯留槽を角形としているので、その角(コーナー)部分を構成する側壁部パネル16は、略90度に折り曲げた山型の形状のパネルを用いている。そして、側壁部パネル16と側壁部補強材12とを、接着、溶接、またはボルトによる緊結などにより接続する。
なお、側壁部パネル16は側壁部補強材12の間に配置されていれば特に限定されないが、側壁部補助補強材13が形成されている場合には、側壁部補強材12と側壁部補助補強材13とに囲まれる部分に側壁部パネル16を配置することもできる。
側壁部パネル16の材料は特に限定されず、内部に貯留する液体の性質に合わせた材料を用いることができ、FRPおよびステンレスの少なくともいずれか一方であることが好ましい。側壁部パネル16の材料がFRPである場合には、液体貯留槽の高さ方向に厚みを変動させて、使用材料を効率的に減らすことができる。また、側壁部パネル16の材料がステンレスである場合には、上方の気相部は耐食性が相対的に高いSUS329J4Lなどからなるものを用い、下方の液相部は耐食性が相対的に低いSUS444などからなるものを用いるなどのようにして、材料を適宜変更して、側壁部パネル16全体としてのコストを削減することができる。
側壁部パネル16の厚みは、内部に貯留する液体の種類や液体貯留槽の高さ(深さ)により材料強度を考慮して適宜定めることができる。たとえば、側壁部パネル16の材料がFRPである場合には、深さ1m〜4mの液体貯留槽において、側壁部パネル16の厚みは3mm〜15mmとすることが好ましい。また、用途に合わせて、側壁部パネル16の面外剛性を容易に高めるために、材料の特性を活かして、側壁部パネル16の材料を複合材料とすることが好ましい。たとえば液体貯留槽を耐食タンクとして用いる場合には、側壁部パネル16は、鉄製またはステンレス製の板の一方面に耐食FRPの板を結合した複合材料を用いることが有効であり、この場合には耐食FRPの板が液体を貯留する側に配置することが好ましい。
また、側壁部パネル16の形状は、特に限定されないが、板状であることが好ましい。実施の形態では、角部分を構成するパネル以外の側壁部パネル16を平板状としているので、その形状を変形させることなく側壁部補助補強材13に囲まれる領域に配置して接続できる。そのため、側壁部パネル16の形状を板状とすることによって、内部にリブなどの部分を設ける必要がなくなるので、内部の形状(構造)が簡単なものとなり、内部の作業などを容易にできる液体貯留槽となる。
また、側壁部パネル16は、液体貯留槽の使用時に液体からの圧力を効率的に枠組部に伝達するために、むくりまたはパターンを付したものであることが好ましい。
図5に示すように、側壁部形成工程(S30)は、隣接する側壁部パネル16の接合部16aと側壁部補強材12との間に止水部材を配置する工程と、側壁部パネル16と側壁部補強材12とをボルトで締め付けて接続する止水工程を含むことが好ましい。これにより、側壁部の止水性をより向上できる。なお、「接合部」とは、液体を貯留する側と反対の面における隣接する側壁部パネル16の密着している部分を意味し、密着している部位と、それぞれの側壁部パネル16における当該部位の近傍とを含む。
具体的には、側壁部パネル16を側壁部補強材12に囲まれる部分に配置する際に、止水部材17を側壁部補強材12と2枚の側壁部パネル16の接合部16aとの間に配置する。すなわち、止水工程を実施する部分において、液体を貯留する側から順に、側壁部パネル16、止水部材17、および側壁部補強材12が配置される。そして、側壁部パネル16、止水部材17、および側壁部補強材12を、ボルト18で締め付ける。
止水部材17の平面形状は、側壁部補強材12における側壁部パネル16と接続される面の形状とを同一にすることが好ましい。また、止水部材17の材料は、たとえば合成樹脂製や合成ゴム製などのシール材などを用いることができる。
また、液体貯留槽における液体を貯留する側についても止水をする工程を実施することが好ましい。具体的には、側壁部形成工程(S20)後に、液体を貯留する側の隣接する側壁部パネル16の接合部16aに固体状の溶融部材を配置する工程を実施する。溶融部材(図示せず)は、たとえばエチレン樹脂などの樹脂を用いることができる。配置する工程後に、溶融部材を溶融する工程を実施する。溶融する工程は、たとえば溶融部材に熱を加えて溶かす。溶融する工程後に、溶融した溶融部材を硬化する工程を実施する。硬化する工程は、たとえば溶融した溶融部材を冷却して、固化する。これにより、液体貯留槽の内部から止水することができる。
なお、溶融部材は特に限定されないが、側壁部パネル16がFRPである場合には、液体貯留槽の内部の止水性をより向上できる観点から、溶融部材もFRPであることが好ましい。また、溶融部材は、側壁部パネル16における液体を貯留する側の接続されている部分に配置して止水してもよいし、液体貯留槽の液体を貯留する側(内部側)すべてを止水してもよい。
枠組部形成工程(S20)後に、天井部補強材14に少なくとも1枚の天井部パネル19を装着して天井部を形成する天井部形成工程(S40)を実施する。これにより、天井部補強材14と天井部パネル19とを有する天井部を形成できる。
具体的には、図6に示すように、天井部パネル19を形成する。実施の形態では、天井部補強材14の上(液体を貯留する側と反対側)に天井部パネル19を形成している。天井部パネル19は、1枚のパネルとしてもよいし、複数枚のパネルとしてもよい。また、天井部パネル19は、天井部補強材14の上に形成されていてもよいし、天井部補強材14の下(液体を貯留する側)に形成してもよい。また、側壁部形成工程(S30)と同様に、液体を貯留する側であり、天井部補強材14に囲まれる部分に隙間を設けずに密着させて天井部パネル19を配置して、天井部補強材14と天井部パネル19とを接続してもよい。
また、液体貯留槽が一般的に有する部材を形成する工程を適宜行なうことができる。たとえば、天井部にマンホール21を形成する工程、側壁部に入水口および出水口を形成する工程、底部11に排水口を形成する工程、天井部に通気口を形成する工程、天井部に電極取付部を形成する工程、および液体貯留槽の内外部にはしごを設ける工程などを実施することができる。
以上の工程(S10〜S40)を実施することにより、実施の形態における液体貯留槽を製造することができる。液体貯留槽は、底部11と、側壁部と、天井部とを備えている。たとえば底部11の一辺の長さは1m〜10m、高さは1m〜6mの液体貯留槽を製造することができる。また、液体貯留槽の内部に中間柱を適宜設けることにより、天井部補強材14の規模を上げることなく底部11の一辺の長さが100m程度までの液体貯留槽を製造することができる。このようにして製造された液体貯留槽は、内部に水などの液体を貯留させることができる。液体としては、特に限定されず、水以外にも腐食性の強い薬液なども貯留させることができる。
なお、実施の形態における液体貯留槽は角形としているが、特にこれに限定されない。液体貯留槽は、円筒形とすることもできるが、自由度を高くできる観点からL字型やロ字型などの形状の角形とすることが好ましい。
以上説明したように、本発明の実施の形態における液体貯留槽の製造方法によれば、底部11と、側壁部と、天井部とを備え、内部に液体を貯留する液体貯留槽の製造方法であって、底部補強材11aを形成する底部補強材形成工程(S1)と、底部補強材形成工程(S1)後に、底部補強材11aの外周縁11a1から底部補強材11aと垂直な方向に延びる複数の側壁部補強材12と、側壁部補強材12の底部補強材11aに固着される端部と反対側の端部に固着される天井部補強材14とを含む枠組部を形成する枠組部形成工程(S20)と、底部補強材形成工程(S1)後または枠組部形成工程(S20)後に、底部補強材11aに底部パネル11bを装着する底部形成工程(S10)と、枠組部形成工程(S20)後に、側壁部補強材12の液体を貯留する側に側壁部パネル16が相互に密着するように配置して、側壁部補強材12と側壁部パネル16とを固着する側壁部形成工程(S30)と、枠組部形成工程(S20)後に、天井部補強材14に少なくとも1枚の天井部パネル19を装着して天井部を形成する天井部形成工程(S40)とを備えている。一般的に、枠組部形成工程(S20)は容易な作業であり、側壁部形成工程(S30)および天井部形成工程(S40)は難しい作業である。側壁部形成工程(S30)後に側壁部補強材を形成する工程を実施する場合、または側壁部形成工程(S30)と同時に側壁部補強材を形成する工程を実施する従来の液体貯留槽の製造方法では、側壁部形成工程(S30)、側壁部補強材を形成する工程、および天井部形成工程(S40)のすべてが難しい作業となる。一方、実施の形態における液体貯留槽の製造方法では、側壁部形成工程(S30)および天井部形成工程(S40)を実施する前に枠組部形成工程(S20)を実施しているので、側壁部形成工程(S30)および天井部形成工程(S40)のみが難しい作業となる。そのため、枠組部形成工程(S20)の製造を容易にすることにより、全体として容易に製造することができる。よって、製造に伴い発生する費用および時間を削減することができる。また、液体貯留槽において、底部11の面積を縮小して高さを高くする場合であっても、容易に作業ができるとともに、生産性を向上できる。
また、側壁部を構成する側壁部パネル16は、力を加えずに側壁部補強材12に囲まれる部分に配置して接続している。そのため、内部に液体を貯留させる際に側壁部パネル16に圧力が印加される場合において、側壁部パネル16の厚みを厚くすることなく液体貯留槽の耐圧を向上できる。
さらに、側壁部を構成する側壁部パネル16は、隙間を設けずに密着するように配置している。そのため、止水性を維持できる。
さらには、枠組部は、側壁部補強材12と天井部補強材14とを接続してなる。そのため、液体貯留槽の安定化構造を形成できる。そのため、たとえば積雪などの液体貯留槽の高さ方向(天井部の上方)から加えられる力に対しての強度をより向上できる。また、内部に貯留される液体と接触するのは側壁部パネル16であるので、側壁部補強材12は内部に貯留される液体を接することがない。そのため、防錆効果を向上することもできる。
上記液体貯留槽の製造方法において好ましくは、側壁部パネル16の材料はFRPおよびステンレスの少なくともいずれか一方であることを特徴としている。これにより、側壁部の強度および靭性が向上するとともに、内部に貯留する液体の性質に合わせた耐食性を適宜確保することができる。
上記液体貯留槽の製造方法において好ましくは、側壁部形成工程(S30)は、隣接する側壁部パネル16の接合部16aと側壁部補強材12との間に止水部材17を配置する工程と、側壁部パネル16と側壁部補強材12とをボルト18で締め付けて接続する止水工程を含んでいる。これにより、止水性をより向上できる。そのため、内部に貯留させる液体の選択をより広げることができる。
上記液体貯留槽の製造方法において好ましくは、側壁部形成工程(S20)後に、液体を貯留する側の隣接する側壁部パネル16の接合部16aに固体状の溶融部材を配置する工程と、配置する工程後に、溶融部材を溶融する工程と、溶融する工程後に、溶融した溶融部材を硬化する工程とをさらに備えている。これにより、液体貯留槽の内部から止水性をより向上できる。そのため、内部に貯留させる液体の選択をより広げることができる。
上記液体貯留槽の製造方法において好ましくは、側壁部パネル16の形状は、板状であることを特徴としている。これにより、液体貯留槽の内部の形状が簡単となり、内部での作業性を向上できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態における液体貯留槽の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における底部形成工程を説明するための図であり、(A)は概略上面図であり、(B)は概略側面図である。 本発明の実施の形態における枠組部形成工程を説明するための図であり、(A)は概略上面図であり、(B)は概略側面図である。 本発明の実施の形態における側壁部形成工程を説明するための図であり、(A)は外部から見たときの概略側面図であり、(B)は内部から見たときの概略側面図である。 本発明の実施の形態における止水工程を説明するための図である。 本発明の実施の形態における天井部形成工程を説明するための概略上面図である。
符号の説明
11 底部、11a 底部補強材、11a1 外周縁、11b 底部パネル、12 側壁部補強材、12a,12b 端部、13 側壁部補助補強材、14 天井部補強材、16 側壁部パネル、16a 接合部、17 止水部材、18 ボルト、19 天井部パネル、21 マンホール、B コンクリート基礎。

Claims (5)

  1. 底部と、側壁部と、天井部とを備え、内部に液体を貯留する液体貯留槽の製造方法であって、
    底部補強材を形成する底部補強材形成工程と、
    前記底部補強材形成工程後に、前記底部補強材の外周縁から前記底部補強材と垂直な方向に延びる複数の側壁部補強材と、前記側壁部補強材の前記底部補強材に固着される端部と反対側の端部に固着される天井部補強材とを含む枠組部を形成する枠組部形成工程と、
    前記底部補強材形成工程後または前記枠組部形成工程後に、前記底部補強材に底部パネルを装着する底部形成工程と、
    前記枠組部形成工程後に、前記側壁部補強材の前記液体を貯留する側に側壁部パネルが相互に密着するように配置して、前記側壁部補強材と前記側壁部パネルとを固着する側壁部形成工程と、
    前記枠組部形成工程後に、前記天井部補強材に少なくとも1枚の天井部パネルを装着して前記天井部を形成する天井部形成工程とを備える、液体貯留槽の製造方法。
  2. 前記側壁部パネルの材料はFRPおよびステンレスの少なくともいずれか一方であることを特徴とする、請求項1に記載の液体貯留槽の製造方法。
  3. 前記側壁部形成工程は、隣接する前記側壁部パネルの接合部と前記側壁部補強材との間に止水部材を配置する工程と、
    前記側壁部パネルと前記側壁部補強材とをボルトで締め付けて接続する止水工程を含む、請求項1または2に記載の液体貯留槽の製造方法。
  4. 前記側壁部形成工程後に、前記液体を貯留する側の隣接する前記側壁部パネルの接合部に固体状の溶融部材を配置する工程と、
    前記配置する工程後に、前記溶融部材を溶融する工程と、
    前記溶融する工程後に、溶融した前記溶融部材を硬化する工程とをさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載の液体貯留槽の製造方法。
  5. 前記側壁部パネルの形状は、板状であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の液体貯留槽の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5864977A (ja) * 1981-10-06 1983-04-18 積水プラントシステム株式会社 タンク
JPS60157695A (ja) * 1984-01-27 1985-08-17 ホーチキ株式会社 火災報知装置
JPS60240686A (ja) * 1984-05-07 1985-11-29 株式会社ブリヂストン 組立水槽の止水工法

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