JP2007330687A - パノラマ断層像生成装置及びパノラマ断層像生成プログラム - Google Patents

パノラマ断層像生成装置及びパノラマ断層像生成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】被写体の体軸に垂直な方向(奥行き方向)へ厚みを持ったパノラマ断層像を得ることが可能なX線計測装置を提供する。
【解決手段】パノラマ断層像形成領域の軌道401を関数で設定し、その軌道上に所定間隔で第一の着目点402を設定するとともに、その着目点402と展開中心400を結ぶ線上に第二の着目点503を設定する。第一の着目点における軌道401の法線403が通るX線源位置404と検出器405上の位置406を求め、その前後の角度範囲のデータを重み付け加算して第一の着目点402の断層データとする。同様の処理を第二の着目点に対しても行い、第二の着目点503の断層データを求める。これらの断層データを重み付け加算して、第一の着目点402の最終断層データとする。軌道401上の着目点に関して同様の処理を行い、各着目点の最終断層データを張り合わせてパノラマ像データを生成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、2次元検出器によって得られた投影データを用い、被写体の体軸に垂直な方向へ厚みを持ったパノラマ断層像を得ることが可能なパノラマ断層像生成装置及びパノラマ断層像生成プログラムに関する。
支柱の両端にX線源と2次元X線検出器を対向するように設置したX線計測装置がある。支柱の形状としては、C字形、U字形、コ字形などがある。支柱を天井から吊るす形状や、支柱を床から支える形状や、支柱を床に立てた別の支柱に取り付ける形状などがある。また、ガントリ上にX線源と2次元X線検出器を対向するように設置したX線計測装置がある。これらの装置において、支柱あるいはガントリを移動させることにより、X線源と検出器の対を被写体の周囲で回転させながらX線計測を行うことが可能である。あるいは、X線源と検出器を固定し、被写体を回転させながらX線計測を行うことが可能である。これらの回転計測により得られた一連の計測データに対して再構成演算処理を行い、3次元像を得るCT計測あるいはコーンビームCT計測がある。
X線源とフィルムを所定の比率で相対運動させて特定の断層面のパノラマ像を得るパノラマ撮影原理が一般に知られている。U字形の支柱にX線源と検出器を設置し、被写体の周囲で回転させながらX線計測を行うことが可能なX線計測装置において、CT計測モードとパノラマ計測モードを持ち、CT計測モードでは回転中心を移動させずに計測を行うことによりCT像を得、パノラマ計測モードでは回転中心を包絡線に沿って移動させながら計測を行うことによりパノラマ像を得る技術が特開平10-225455号公報に記載されている。さらに、回転中心を移動させずに計測を行い、得られた一連のデータから所定のデータを取り出して貼り合わせることによりパノラマ像を得る技術が特開平4-144548号公報に記載されている。この方法の撮影原理はフィルムを用いたパノラマ撮影原理と同一であり、撮影後にデータの取り出し間隔とシフト量を選定することにより任意の断層のパノラマ像を生成できる点が異なる。また、特開平4-144548号公報には、被写体のパノラマ像から障害陰影を除去するために、被写体のパノラマ像とは別に障害陰影のパノラマ像を作成し、障害陰影のパノラマ像を被写体位置に投影した場合のボケ像を推定し、ボケ像を被写体のパノラマ像から減算する手法が記載されている。具体的には、歯列弓の像に重複している脊椎のボケ像を除去している。被写体上に幾つかの断層面を設定し、各断層面のパノラマ像を求め、それらを合成することにより、傾斜した断層面のパノラマ像を得る技術が特開平4-144549号公報に記載されている。
特開平10-225455号公報 特開平4-144548号公報 特開平4-144549号公報
特開平10-225455号公報の装置では、パノラマ像を得るためには、X線源と検出器の中心が複雑な軌道上を移動する必要があり、装置の構造が複雑になると言う問題がある。その結果、回転軸が床面に垂直な座位型の装置では実現できるが、回転軸が床面に平行な仰臥位型の装置では実施が極めて困難である。
特開平4-144548号公報では、障害陰影はボケ像であると明記されており、障害陰影が鮮明な像である場合については記載されていない。仮に、この手法を鮮明な障害陰影に対して適用すると、障害陰影のパノラマ像を被写体位置に投影する際にボケ像とせず明瞭な像を推定することになる。その結果、正確な像を求めることは難しく、被写体のパノラマ像から減算する際にずれが生じ、却って障害陰影像のエッジが強調される等の画質劣化が生じる。例えば、X線源と被写体の間の距離が約300mm、被写体と検出器の間の距離が約300mmの装置では、被写体がX線源に近いので、頭部前方に位置する歯列と頭部後方に位置する脊椎では拡大率が大きく異なる。その結果、観察対象である歯列に対して障害陰影となる脊椎像は、本公報に想定されているようにボケ像となる。X線源と被写体の間の距離が約800mm、被写体と検出器の間の距離が約400mmの装置では被写体がX線源から離れているので、歯列と脊椎の拡大率は大差がない。その結果、両者とも鮮明な像として計測され、本公報の手法では障害陰影を除去することは困難である。
特開平4-144549号公報は、各断面のパノラマ像を部分的に切り出して貼り合わせて曲面の断層像を作成するものである。従って、特開平4-144548号公報に記載の障害陰影除去手法を用いると、各断面毎に対応した障害陰影像を作成し、被写体位置に投影した場合の障害陰影のボケ像を推定し、被写体のパノラマ像から減算する必要があり、処理が複雑で困難であると言う問題がある。
従来技術によって得られるパノラマ像は被写体の体軸に垂直な方向(奥行き方向)へ厚みを持っているが、パノラマ断層像は1断面の像であるため、奥行き方向に厚みを持っていない。そのため、パノラマ断層像は薄い断面の明瞭な像となり、診断に必要な症例の位置が既知であり、断面上にある場合には効果的である。しかし、症例の位置が既知であることは少なく、多くの場合は断面からずれてしまい、ぼけた像になる。その場合、従来技術ではデータを再取得する必要があるため、被写体の被曝が増大すると言う問題がある。
本発明の目的は、被写体の体軸に垂直な方向(奥行き方向)へ厚みを持ったパノラマ断層像を得ることが可能なX線計測装置を提供することにある。特に、2次元検出器によってデータを取得し、断層処理に用いるデータを奥行き処理に用いることにより、再計測や被写体の被曝の増大を生じずに、奥行き方向へ厚みを持ったパノラマ断層像を得ることを可能とする。
上記の目的は、X線を検査対象に照射するX線源と、前記X線源と対向して設置され、前記X線について検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器とを前記検査対象に対して相対的に回転させる回転手段と、前記検査対象上に設定した空間での対象の第1軌道上に位置する複数の着目点について、それぞれ前記第1軌道に対する第1法線を算出する手段と、前記第1法線に基づいて前記着目点に対応する前記X線源の第1位置を算出する手段と、一の前記着目点と前記回転手段の回転中心点とを結ぶ線分を算出する手段と、前記検査対象上に設定した空間での対象の第2軌道と前記線分との交点を識別する手段と、前記交点について、前記第2軌道に対する第2法線を算出する手段と、前記第2法線に基づいて前記交点に対応する前記X線源の第2位置を算出する手段と、前記第1位置に関して前記X線検出器が検出する第1データと前記第2位置に関して前記X線検出器が検出する第2データとからから、一の前記着目点についての画像データを作成し、複数の前記着目点各々に対応する前記画像データを張り合わせてパノラマ像データを作成する手段とを有するX線計測装置により達成される。
すなわち、本発明のパノラマ断層像生成装置は、被検体保持部と、X線源と、被検体保持部を挟んで前記X線源と対向する位置に設けられたX線検出器と、X線源とX線検出器とを被検体保持部の周りに回転駆動する駆動部と、被検体中のパノラマ断層像生成領域の形状を表す曲線、パノラマ断層像生成領域の奥行き厚さ、及びパノラマ断層像を求める際の展開中心を設定する設定部と、被検体保持部に保持された被検体に対して、駆動部によってX線源とX線検出器を回転駆動しながら、X線源の各回転位置においてX線検出器によって検出したX線に基づく回転軸方向及び当該回転軸方向に垂直な方向からなる2次元画素データの集合を取得する制御部と、取得した2次元画素データの集合を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された2次元画素データの集合からパノラマ断層像を生成する処理を行う処理部とを有し、処理部は、曲線上に所定間隔で複数設定された着目点毎に、着目点における前記曲線の法線上に位置するX線源の角度位置を中心にした所定の角度範囲においてX線源から発生され当該着目点を通ってX線検出器で検出されたX線に基づく画素データを加算処理して算出した当該着目点における断層データと、展開中心と前記着目点とを結ぶ線上の奥行き厚さとして設定された範囲内に所定間隔で設定された奥行き方向の複数の着目点のそれぞれに対して、前記奥行き方向の着目点を通り前記法線に平行な直線上に位置するX線源の角度位置を中心にした所定の角度範囲においてX線源から発生され当該奥行き方向の着目点を通ってX線検出器で検出されたX線に基づく画素データを加算処理して得た、前記奥行き方向の着目点毎の断層データとからなる複数の断層データを加算処理して、前記曲線上に設定された着目点毎の最終断層データを算出し、最終断層データを前記曲線に沿う方向に張り合わせてパノラマ断層像を生成する処理を行う。
また、本発明によるパノラマ断層像生成方法は、入力装置から入力された被検体中のパノラマ断層像生成領域の形状を表す曲線及びパノラマ断層像生成領域の奥行き厚さの情報をもとに、記憶部に記憶された、被検体を挟んで配置されたX線源とX線検出器を回転駆動しながら、X線源の各回転位置においてX線検出器によって検出したX線に基づく回転軸方向及び当該回転軸方向に垂直な方向からなる2次元画素データの集合を処理部で処理してパノラマ断層像を生成する方法であって、処理部では、前記曲線上に所定間隔で複数の着目点を設定し、着目点毎に、着目点における前記曲線の法線上に位置するX線源の角度位置を中心にした所定の角度範囲においてX線源から発生され当該着目点を通ってX線検出器で検出されたX線に基づく画素データを加算処理して当該着目点における断層データを算出し、パノラマ断層像を求める際の展開中心と前記着目点とを結ぶ線上の奥行き厚さとして設定された範囲内に所定間隔で奥行き方向の複数の着目点を設定し、前記奥行き方向の複数の着目点のそれぞれに対し、前記奥行き方向の着目点を通り前記法線に平行な直線上に位置するX線源の角度位置を中心にした所定の角度範囲においてX線源から発生され当該奥行き方向の着目点を通ってX線検出器で検出されたX線に基づく画素データを加算処理して断層データを算出し、前記曲線上に設定された前記着目点の断層データと前記奥行き方向の複数の着目点の断層データを加算処理して前記曲線上に設定された着目点毎の最終断層データを算出し、最終断層データを前記曲線に沿う方向に張り合わせてパノラマ断層像を生成する。この方法は、コンピュータプログラムによって実行することができる。
なお、特開平10-225455号公報、特開平4-144548号公報、特開平4-144549号公報には、被写体の体軸に垂直な方向へ厚みを持ったパノラマ断層像を得る手段については記載されていない。また、本発明は、特開平10-225455号公報とはパノラマ像作成のアルゴリズムが異なり、特開平4-144548号公報とは障害陰影像除去のアルゴリズムが異なり、特開平4-144549号公報とはパノラマ像作成のアルゴリズムが異なる。
本発明によれば、X線源及び検出器が任意の軌道を移動する系において、被写体の奥行き方向に任意の厚みを持ったパノラマ断層像が得られる。これにより、非常に薄く高解像度の像や、歯や顎骨の厚さを持った像や、広範囲の情報を含んだ分厚い像など、用途に応じた厚さのパノラマ像を得ることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
図2に、本発明に係るX線計測装置の側面図を示す。X線計測装置はX線管200内のX線源201、検出器202、支柱203、回転装置204、被写体保持装置205、制御処理装置206を有する。X線源201と検出器202は支柱203に設置されている。支柱203にはC字型のアームや、U字型のアームや、コ字型のアームや、ガントリ等が用いられる。支柱203を天井から吊るす形態や、支柱203を床から支える形態がある。支柱203は回転装置204により回転する。これにより、支柱203に設置されたX線源201及び検出器202が、回転軸207を中心として被写体保持装置205上の被写体208の周囲を回転する。被写体保持装置205には、椅子や寝台が用いられる。図2では、U字型のアームを床で支えた別の支柱から吊るし、X線源201及び検出器202を椅子に座った被写体208の周囲を床面に平行な面内で回転させる例を示す。U字型のアームを床で支え、椅子に座った被写体208の周囲を床面に平行な面内で回転させる形態もある。図3に示すように、被写体保持装置が寝台301であり、回転軸207が床に対して平行であり、支柱203に設置されたX線源201及び検出器202が寝台に横になった被写体208の周囲を回転する形態もある。支柱203は、図3ではC字型のアームであるが、ガントリである形態もある。これらの形態において、支柱と被写体保持装置の両方あるいは片方を移動させることにより、回転軸207を被写体208の軸に対して斜めに設定することも可能である。
X線源201から発生されたX線は被写体208を透過し、検出器202によりX線強度に応じた電気信号に変換され、制御処理装置206に計測データとして入力される。制御処理装置206は、X線源201におけるX線発生、検出器202におけるデータの取得、回転装置204における支柱203の回転を制御する。これにより、X線計測装置は、支柱203を回転しながらX線の発生と計測データの取得を行う回転計測が可能である。制御処理装置206は、計測データに対して前処理を実行して投影像を得ることや、パノラマ像作成処理を実行してパノラマ像を取得することや、再構成演算処理を実行して3次元再構成像を取得することが可能である。制御処理装置206は、内部に記憶手段を有し、パノラマ処理の有無、処理に必要な関数、パラメータ、条件等を記憶する。入力手段としては、キーボードからのキー入力、ファイルからの読み込み、記憶チップの交換が考えられる。
検出器202には、2次元検出器を用いる。2次元検出器としては、平面型X線検出器、X線イメージインテンシファイアとCCDカメラの組み合わせ、イメージングプレート、CCD検出器、固体検出器等がある。平面型X線検出器としては、アモルファスシリコンフォトダイオードとTFTを一対としてこれを正方マトリックス上に配置し、これと蛍光板を直接組み合わせたもの等がある。2次元検出器を用いることにより、X線源に対する検出器の相対的な位置を固定した状態で計測を行ったデータからパノラマ像を取得することが可能となる。また、検出器が体軸に垂直で被写体の奥行きに垂直な方向に幅を持った2次元検出器であることにより、単純な同心円の軌道上でX線源と検出器を等速に移動させたデータから、奥行きを持ったパノラマ断層像を取得することが可能となる。
検出器202に、回転軸207に平行な方向に伸びた1次元検出器を用いることも可能である。この場合、計測装置に検出器移動機構を追加することにより、図1の手順に従って求めた位置uiに検出器を配置しながら計測したデータからパノラマ像を取得することが可能である。
X線源201と検出器202の間に、X線フィルタ210を設置することが可能である。これにより、X線の照射範囲を制限し、被曝量を低減することができる。フィルタ210はアルミニウム、銅、真鍮等の金属、セラミック、樹脂等から成る。
制御処理装置206は、後述する図1に示すパノラマ処理を実行するために、例えば図12に示す手段を有する。各手段は、目的とする対象の軌道及び奥行き厚さを設定する対象軌道・奥行き厚さ設定手段1201、対象軌道上に着目点を設定する対象軌道上着目点設定手段1202、展開中心位置と着目点を結ぶ直線を求める展開中心−着目点線設定手段1203、展開中心−着目点線上で対象軌道上の着目点から任意の距離に着目点を設定する展開中心−着目点線上着目点設定手段1204、各着目点において法線を求める法線設定手段1205、各法線上のX線源位置を中心とした所定の角度範囲において前記着目点を通る直線上のX線源及び検出器上の位置を求めるX線源・検出器上位置設定手段1206、各検出器上の位置における投影データを重み付き加算して断層データを求める断層データ算出手段1207、断層データを貼り合せてパノラマ像を作成するパノラマデータ算出手段1208、及びデータ記憶部1209である。
図9に、計測からパノラマ像を得るまでの全体の手順を示す。最初に回転計測(S901)によって計測データを得る(S902)。いま、図13に示すように、回転方向にm画素、回転軸方向にn画素、合計m×n画素分のX線検出素子が配置された2次元検出器202を用いたとする。また、2次元検出器の左下隅に原点をとり、回転方向の画素番号をnx、回転軸方向の画素番号をnyと表記し、X線源と2次元検出器を保持する支柱の回転角度がθのとき2次元検出器上の画素位置(nx,ny)の検出素子からの出力信号をSig(θ,nx,ny)と表記し、回転角度θ1,θ2,…,θnのときに2次元検出器の各画素の検出信号を取り込んだとすれば、この回転計測によって得られた計測データは、Sig(θ,nx,ny)の集合である。ただし、θ=θ1,θ2,…,θmax;nx=1,2,…,m;ny=1,2,…,nである。
位置によって検出器の感度やX線フィルタの厚さが異なる場合には、計測データは強度分布を有する。その場合は、被写体を設置せずにX線を照射して計測を行って強度分布データを得、X線を照射せずに計測を行ってオフセットデータを得、計測データと強度分布データから各々オフセットデータを減算した後に計測データを強度分布データで除算することにより、強度補正処理を行う(S903)。さらに、強度補正データを対数変換して-1を乗算する対数変換処理を行い(S904)、投影データを得る(S905)。投影データは、計測データSig(θ,nx,ny)に対応しており、D(θ,nx,ny) として得られる。ただし、θ=θ1,θ2,…,θmax;nx=1,2,…,m;ny=1,2,…,nである。
計測データや投影データは一旦、データ記憶部1209に記憶され、本発明のパノラマ断層像を作成する処理は、データ記憶部1209に記憶された投影データに対して実行される。強度補正処理や対数変換処理は、検出器内部に搭載された演算器で実行される場合もある。投影データを用いて、後述するパノラマ処理を行い(S906)、パノラマ像を得る(S907)。パノラマ像を平滑化処理して(S908)、平滑化像を得る(S909)。平滑化像に係数を乗算した上でパノラマ像から差分する重み付き差分処理を行い(S910)、差分パノラマ像を得る(S911)。平滑化処理及び差分処理により、パノラマ像における強度ムラを除くことが可能であり、コントラストが高く、エッジが明確な画質を得ることができる。特に、パノラマ像上に脊椎等の障害陰影が含まれる場合には、障害陰影が断層処理によってボケた像として現れるため、強度ムラ除去による画質向上の効果は大きい。パノラマ像において強度にムラがない場合には、平滑化及び差分処理は不要であり、処理を高速化できる。
図1に、本実施例に係るパノラマ処理の手順を示す。ここでは、一例として対象を歯列と仮定し、図4、5、6を用いて説明する。図4、5、6は同じ面を示している。また、回転軸に垂直な面を示しており、回転軸との交点をXY軸の中心に設定している。なお、以下では、図4の面と交差する2次元X線検出器の検出素子列、例えば図13に矢印で示した1列の検出素子から得られた計測データの処理について説明するが、他の検出素子列から得られた計測データも同様に処理され、各検出素子列に対応するパノラマ像をつなぎ合わせて最終的なパノラマ像が算出される。
最初に、図4に示す面上で、パノラマ像を求める際に展開の中心となる展開中心位置400を設定する。展開中心位置は任意に設定可能であるが、回転軸と一致させることにより処理を簡素化することができる。図4では、展開中心位置を回転軸、即ち、XY軸の原点に設定した。なお、展開中心位置は毎回設定することなく、装置にデフォルトで回転軸と設定しておき、必要なときだけ変更できるようにしても良い。
次に、図4に示す面上で、目的とする対象の軌道及び奥行き厚さLを設定する。この処理は、対象軌道・奥行き厚さ設定手段1201によって行われる。対象の軌道は、本実施例では歯列の形状であるが、既知の模擬被写体や臨床のデータから標準的な形状を求めておき、それを当てはめても良い。あるいは、図4上で、数点を指定したりラインを描く等により、形状を指定しても良い。あるいは、同じ被写体のCT像を図4の面上に張り付け、図4上で形状を指定しても良い。あるいは、同じ被写体のCT像を図4の面上に張り付け、図4上で対象を識別させて、その中心線を抽出する等により、自動的に形状を設定しても良い。奥行き厚さは、数値を入力しても良い。例えば、歯列ならば約10mmである。厚さは、対象の軌道上で変化させても良く、例えば前歯の領域では3mm、奥歯の領域では15mmとすることも可能である。あるいは、図4上で対象の軌道を描く際に、前方と後方の2つを描くことにより、厚さを指定しても良い。奥行き厚さは、対象の軌道を中心とした幅で指定することも可能であり、また、前方あるいは後方の軌道からの距離で指定することも可能である。
図10に、対象の軌道及び奥行き厚さの入力画面として、同じ被写体のCT像を図4の面上に張り付け、図4上で形状を指定して、目的とする対象の軌道及び奥行き厚さを設定する例を示す。CT像を入力画面に重ねて表示することにより、実際の歯列と入力した歯列の位置及び大きさの関係が明瞭となり、整合性を確保することができる。CT像1001上では、視野1002は円形となる。例えば、頭部1003内に歯1004が並んでおり、目的とする対象が歯列であるとする。CT像上に黒丸で示す複数の点1005を設定することで、対象の軌道を設定する。次に、画像上の横方向にX軸、縦方向にY軸をとり、例えば最小二乗法を用いて、これらの点を通る近似関数1006を算出する。近似関数としては、多項式、楕円、双曲線、複数の関数の合成等、あらゆる関数が考えられる。近似関数を用いることにより、目的の対象が非常に複雑な形状であるとしても数式として一意に法線を求めることができ、パノラマ像を作成することができる。奥行き厚さは例えば、CT像1001上で矢印1007で示すように、線分を指定することにより設定することができる。
ここでは、図4上で対象の前方の軌道を設定し、奥行きを前方の軌道からの距離で設定した場合について説明する。図4に示す面上で、目的とする対象の軌道を近似した関数f(401)を設定する(S101)。近似関数f上に第一の着目点P1(402)を設定し(S102)、第一の着目点P1における近似関数fの法線h1(403)を求める(S103)。近似関数f上への着目点の設定は対象軌道上着目点設定手段1202によって行われる。対象軌道上着目点設定手段1202は、例えば対象軌道上にその軌道に沿って距離d毎に着目点を設定する。第一の着目点P1における近似関数fの法線h1は法線設定手段1205によって求められる。次に、法線h1が通るX線源位置S1(404)に対向する検出器405の上で法線h1が通る位置u1(406)を求める。この検出器上での位置u1はX線源・検出器上位置設定手段1206によって求められる。X線源・検出器上位置設定手段1206は、回転中心からX線源までの距離、回転中心から検出器までの距離、X線源と回転中心と検出器の相対位置関係、検出器上での検出素子の配置、個々の検出素子の寸法などの装置に固有の既知の情報と、前記着目点の位置情報及び法線の情報を用いて、X線源の回転角度位置及び検出器405上の位置u1(406)を計算する。X線源の回転角度位置θと検出器上の位置u1が特定されれば、前述の投影データの集合D(θ,nx,ny) から必要なデータを抽出することができる。
次に、X線源位置S1を前後に振って、各X線源位置407に対向する検出器上408でX線源と第一の着目点P1を結ぶ直線が通る位置409における投影データDを抽出する(S104〜S107)。この処理もX線源・検出器上位置設定手段1206によって行われ、X線源の回転角度位置θと検出器上の位置u1の組が複数求められ、それぞれの組に対応して複数の投影データD(θ,nx,ny)が抽出される。図で、Mは、複数の投影データのうち、X線源位置S1を中心として前方及び後方のデータの数を示している。即ち、投影データの数は前後でM個ずつであり、中心を合わせて、全体で(2M+1)個となる。
断層データ算出手段1207は、得られた投影データを重み付き加算して第一の着目点P1における断層データQ1を求める(S108)。X線源位置S1を前後に振った場合の投影データを重み付き加算する断層処理を行うことにより、焦点位置にある着目点上の像は明瞭なまま、着目点上以外の像をボケさせることができる。これにより、障害陰影をボケさせ、除去することが可能となる。例えば、障害陰影である脊椎を消去するためには、X線源と被写体の間の距離が約800mm、被写体と検出器の間の距離が約400mmの場合、X線源位置が約±10°の角度範囲にある投影データが断層処理において必要となる。
次に、図5に示すように、展開中心位置400と第一の着目点P1(402)を結ぶ直線502上で、第一の着目点P1から任意の距離に第二の着目点P2(503)を設定する(S109)。この処理は、展開中心−着目点線設定手段1203によって展開中心位置と着目点を結ぶ直線を求め、次に展開中心−着目点線上着目点設定手段1204によってその直線上で対象軌道上の着目点から任意の距離d’に着目点を設定することによって行われる。
次に、第二の着目点P2を通り、傾きが法線h1(403)と等しい第二の法線h2(504)が通るX線源の位置S2(505)を求め、対向する検出器506の上で第二の法線h2が通る第二の位置u2(507)を求める。さらに、図6に示すように、X線源位置S2を前後に振って、各X線源位置601に対向する検出器602上でX線源601と第二の着目点P2(503)を結ぶ直線が通る第二の位置603における投影データDを抽出する(S110〜S114)。これらの処理は、X線源・検出器上位置設定手段1206によって行われ、求められたX線源の回転角度位置θと検出器上の位置u1の組に対応して複数の投影データD(θ,nx,ny)が抽出される。
次に、断層データQ1の場合と同様に、断層データ算出手段1207は、得られた投影データを重み付き加算して第二の着目点P2における断層データQ2を求める(S115)。断層データ算出手段1207は、更に第一の着目点P1における断層データQ1と第二の着目点P2における断層データQ2を重み付き加算した断層データW1を求める(S116)。これにより、奥行き方向に厚みを持った断層データを得ることができる。図で、Lは、奥行き厚さを示している。即ち、断層データWを求めるために加算する断層データQの数は、L/d’個となる。
第一の着目点P1を近似関数上で所定の距離dだけ移動させ、同様に、第一の着目点P1における断層データQ1と第二の着目点P2における断層データQ2を求め、重み付き加算した断層データW2を求める。これを対象の軌道の端まで繰り返し、パノラマデータ算出手段1208は、断層データWi(i=1〜N)を貼り合せて、パノラマ像を作成する(S117)。図で、Nは、パノラマ像における横方向のデータ点の数を示している。これにより、奥行き方向に厚みを持ったパノラマ像を得ることができる。
第二の着目点が移動する軌跡508は、第一の着目点が移動する軌跡である近似関数401と展開中心位置を中心とした相似形となる。これにより、奥行き方向に加算を行う場合に、展開中心から見て展開する方向に位置ずれを生じずにデータを加算することができるため、高精度のパノラマ像を得ることができる。また、奥行き方向にデータを加算することにより、ノイズを低減し、S/Nの高いパノラマ像を得ることができる。
第二の着目点と同様に、展開中心位置400と第一の着目点402を結ぶ直線502上で第三、第四、・・、第Jの着目点を設定することにより、奥行き方向に任意の厚みを持ったパノラマ像を得ることができる。その際、直線502上における各着目点を移動させる距離d’を、近似関数f(x)(401)上で第一の着目点を移動させる距離dと同等の間隔で設定することにより、奥行き方向に横方向と同等の解像度を持ったパノラマ像を得ることができる。
別の実施例を示す。図7に手順を示す。図8に示すように、歯列の形状を目的とする対象の軌道すなわち本実施例の場合、歯列の形状を入力画面で設定し(S701)、その軌道を近似した関数f(x)(401)上に第一の着目点P1(402)を設定する(S702)。第一の着目点P1における近似関数fの法線h1(403)を算出し(S703)、その法線が通る第一のX線源位置S1(404)を求める(S704)。第一の着目点P1(402)において、第一のX線源位置S1(404)に対向する検出器405上で、第一のX線源位置S1(404)と第一の着目点P1(402)を結ぶ直線403が通る第一の位置u1(406)を求める(S705)。X線源を前後に振って、各X線源位置を求める(S706)。
次に、展開中心位置400と第一の着目点P1(402)を結ぶ直線502上で、第一の着目点P1(402)から任意の距離に第二の着目点P2(503)を設定する(S707)。第二の着目点P2(503)において、第一のX線源位置S1(404)に対向する検出器405上で、第一のX線源位置S1(404)と第二の着目点P2(503)を結ぶ直線801が通る第二の位置u2(802)を求める。同様に、第三、第四・・・、の着目点において、第一のX線源位置に対向する第一の検出器405上で、第一のX線源と第三、第四、・・・の着目点を結ぶ直線が通る位置を求める(S708)。各位置のデータDを抽出し(S709)、重み付き加算処理したデータRを求める(S710)。これにより、第一、第二、・・・のデータを同一の画像データから連続して抽出することが可能となり、画像データの読み出し回数を減少させ、処理を高速化することができる。
X線源位置を前後に振って求めた各X線源位置に対して、同様の処理を行って得たデータRを重み付き加算処理して断層データQ1を求める(S711)。第一の着目点P1を近似関数f上で所定の距離d移動し、同様に断層データQ2を求める。これを対象の軌道の端まで繰り返し、断層データQ i(i=1〜N)を貼り合せて、パノラマ像を作成する(S712)。これにより、奥行き方向に厚みを持ったパノラマ像を得ることができる。
図1及び図7では、X線源を前後に振る場合に前後のデータ数を等しくとり、全てのX線位置で同じデータ数をとる例を示した。これにより、処理を簡素化し、高速化することができる。X線源位置によってデータ数を異ならせることも可能である。例えば、障害陰影が存在する場合にはデータ数を増大し、存在しない場合はデータ数を減少させる。これにより、障害陰影を除去する効果は保ったままで、処理に用いるデータ数を減少させ、処理を高速化することができる。また、前後のデータ数を異ならせることも可能である。例えば、対象の軌道の端で、前方と後方で同数のデータが存在しない場合は、存在するデータのみを処理に用いる。これにより、広い範囲のパノラマデータを得ることができる。
図11に、加算処理における重みの例を示す。加算処理において、加算されたデータは重みの総和で除算され、規格化される。図11では、例えば、基準となるデータに対する重みを1.0と仮定する。基準となるデータとは、例えばX線源位置S1を前後に振った場合の投影データを重み付き加算する断層処理では、X線源位置S1における投影データとする。あるいは、第一の着目点おける断層データQ1と、第二の着目点における断層データQ2と、第三の着目点における断層データQ3と、・・・を重み付き加算した断層データW1を求める場合には、第一の着目点における断層データQ1を基準となるデータとする。
図11(a)の例では、全ての重みが1.0である。これは一般的な加算平均であり、重みの設定が簡単であり、演算も簡単であり高速化が可能である。図11(b)は、基準データに対する重みが1.0であり、基準データから離れるに従って、一定の割合で重みが小さくなる例である。図11(c)は、基準データに対する重みが1.0であり、基準データから離れるに従って、滑らかに重みが小さくなる例である。例えば、sin関数や双曲線等が考えられる。図11(b)及び図11(c)は基準データに重点をおいた重みであり、図11(a)に比較して自然な像を得ることができる。図11(c)は図11(b)に比較して、重みの変化が滑らかであることから、より自然な像を得ることができる。なお、図11では、基準データを中心として前後のデータ数が等しいと仮定しており、重みが左右対称形になっている。前後のデータ数が異なる場合には、最初及び最後のデータで重みが0になるように、基準データの前後で重みの変化率が異なっても良い。また、前後のデータ数が同じ場合でも、基準データの前後で重みの変化率が異なっても良い。変化率を変えることにより、加算するデータを強調したり弱めたりすることが可能となり、断層処理の効果を高めることができる。
上述したように、第二、第三、第四の着目点の断層データを求める際に用いる投影データは、第一の着目点の断層データを求める際に用いる投影データと共用できる。即ち、奥行き処理に必要な投影データは、基本的なパノラマ像を得るために必要な断層処理に用いる投影データと共用できる。従って、奥行き処理のために再計測や被写体の被曝の増大を生じずに、奥行き方向へ厚みを持ったパノラマ断層像を得ることができる。
得られたパノラマ像がぼけている場合には、近似関数fを設定し直してパノラマ像を作成し直すことにより、高精度のパノラマ像を得ることが可能である。また、その際には、既に計測したデータを用いて再処理を行うことができるため、再計測や被写体の被曝の増大を生じずに、高精度のパノラマ像を得ることが可能である。
図2及び図3の装置では、X線源201と検出器202は支柱203によって対向するように固定されており、回転装置204によって同心円上を移動する。しかし、図1及び図7で示す検出器上位置uにおいて投影データDが存在すれば、X線源と検出器は対向する必要はなく、一方が他方の正面からずれた位置に配置されていてもよく、あるいは、X線源と検出器は傾いていてもよく、また、両者が同心円上を移動する必要もない。即ち、X線源201と検出器202が計測の際にどのように移動しようとも、本手法を用いれば、厚みを持ったパノラマ断層像を取得することができる。
さらに、図1及び図7で示す位置uにおいて投影データDが存在すれば、検出器は2次元である必要はない。即ち、計測の際に、X線源201と検出器202を必要な投影データを計測する位置に移動することにより、本手法を用いて、厚みを持ったパノラマ断層像を取得することができる。
本発明に係るパノラマ処理手順の一例を示す図。 X線計測装置の一例を示す概略図。 X線計測装置の他の例を示す概略図。 本発明に係るパノラマ処理の説明図。 本発明に係るパノラマ処理の説明図。 本発明に係るパノラマ処理の説明図。 本発明に係る別のパノラマ処理手順の例を示す図。 本発明に係るパノラマ処理の説明図。 計測からパノラマ像を得るまでの全体の手順を示す図。 CT像を用いて目的とする対象の軌道及び奥行き厚さを設定する例を示す図。 加算処理における重みの例を示す図。 制御処理装置の構成例を示す図。 2次元検出器の説明図。
符号の説明
201:X線源、202:検出器、203:支柱、204:回転装置、205:被写体保持装置、206:制御処理装置、207:回転軸、208:被写体、210:フィルタ

Claims (11)

  1. 被検体保持部と、
    X線源と、
    前記被検体保持部を挟んで前記X線源と対向する位置に設けられたX線検出器と、
    前記X線源と前記X線検出器とを前記被検体保持部の周りに回転駆動する駆動部と、
    被検体中のパノラマ断層像生成領域の形状を表す曲線、前記パノラマ断層像生成領域の奥行き厚さ、及び前記パノラマ断層像を求める際の展開中心を設定する設定部と、
    前記被検体保持部に保持された被検体に対して、前記駆動部によって前記X線源と前記X線検出器を回転駆動しながら、前記X線源の各回転位置において前記X線検出器によって検出したX線に基づく回転軸方向及び当該回転軸方向に垂直な方向からなる2次元画素データの集合を取得する制御部と、
    前記2次元画素データの集合を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された2次元画素データの集合からパノラマ断層像を生成する処理を行う処理部とを有し、
    前記処理部は、前記曲線上に所定間隔で複数設定された着目点毎に、前記着目点における前記曲線の法線上に位置する前記X線源の角度位置を中心にした所定の角度範囲において前記X線源から発生され当該着目点を通って前記X線検出器で検出されたX線に基づく画素データを加算処理して算出した当該着目点における断層データと、前記展開中心と前記着目点とを結ぶ線上の前記奥行き厚さとして設定された範囲内に所定間隔で設定された奥行き方向の複数の着目点のそれぞれに対して、前記奥行き方向の着目点を通り前記法線に平行な直線上に位置する前記X線源の角度位置を中心にした所定の角度範囲において前記X線源から発生され当該奥行き方向の着目点を通って前記X線検出器で検出されたX線に基づく画素データを加算処理して得た、前記奥行き方向の着目点毎の断層データとからなる複数の断層データを加算処理して、前記曲線上に設定された着目点毎の最終断層データを算出し、前記最終断層データを前記曲線に沿う方向に張り合わせてパノラマ断層像を生成する処理を行うことを特徴とするパノラマ断層像生成装置。
  2. 請求項1記載のパノラマ断層像生成装置において、前記処理部は、前記曲線上に前記着目点を設定する着目点設定手段、前記展開中心と前記着目点を結ぶ直線を求める展開中心−着目点線設定手段、前記展開中心−着目点線上で前記曲線上の着目点から所定の距離に前記奥行き方向の着目点を設定する展開中心−着目点線上着目点設定手段、各着目点において前記曲線の法線を求める法線設定手段、各法線上の前記X線源位置を中心とした所定の角度範囲において前記着目点を通る直線上の前記X線源及び前記X線検出器上の位置を求めるX線源・検出器上位置設定手段、各検出器上の位置における画素データを重み付き加算して前記断層データを求める断層データ算出手段、及び前記断層データを貼り合せて前記パノラマ像を作成するパノラマデータ算出手段を有することを特徴とするパノラマ断層像生成装置。
  3. 請求項1記載のパノラマ断層像生成装置において、前記X線検出器は2次元検出器であることを特徴とするパノラマ断層像生成装置。
  4. 請求項1記載のパノラマ断層像生成装置において、前記パノラマ断層像生成領域の形状を表す曲線の設定は、入力画面上に入力された複数の座標点を通る近似関数を算出することで行うことを特徴とするパノラマ断層像生成装置。
  5. 請求項1記載のパノラマ断層像生成装置において、前記奥行き厚さは前記曲線上の位置に応じて異なることを特徴とするパノラマ断層像生成装置。
  6. 請求項1記載のパノラマ断層像生成装置において、前記展開中心は、予め装置に設定されていることを特徴とするパノラマ断層像生成装置。
  7. 請求項1記載のパノラマ断層像生成装置において、前記着目点の断層データを算出する加算処理及び/又は前記曲線上に設定された着目点の最終断層データを算出する加算処理は重み付け加算処理であることを特徴とするパノラマ断層像生成装置。
  8. 請求項1記載のパノラマ断層像生成装置において、前記処理部は、生成したパノラマ断層像を平滑処理して平滑化像を生成し、係数を乗算した前記平滑化像を前記生成したパノラマ断層像から差分する重み付き差分処理を行うことを特徴とするパノラマ断層像生成装置。
  9. 入力装置から入力された被検体中のパノラマ断層像生成領域の形状を表す曲線及び前記パノラマ断層像生成領域の奥行き厚さの情報をもとに、記憶部に記憶された、被検体を挟んで配置されたX線源とX線検出器を回転駆動しながら、前記X線源の各回転位置において前記X線検出器によって検出したX線に基づく回転軸方向及び当該回転軸方向に垂直な方向からなる2次元画素データの集合を処理してパノラマ断層像を生成する方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記曲線上に所定間隔で複数の着目点を設定する工程、
    前記着目点毎に、
    前記着目点における前記曲線の法線上に位置する前記X線源の角度位置を中心にした所定の角度範囲において前記X線源から発生され当該着目点を通って前記X線検出器で検出されたX線に基づく画素データを加算処理して当該着目点における断層データを算出する工程、
    前記パノラマ断層像を求める際の展開中心と前記着目点とを結ぶ線上の前記奥行き厚さとして設定された範囲内に所定間隔で奥行き方向の複数の着目点を設定する工程、
    前記奥行き方向の複数の着目点のそれぞれに対し、前記奥行き方向の着目点を通り前記法線に平行な直線上に位置する前記X線源の角度位置を中心にした所定の角度範囲において前記X線源から発生され当該奥行き方向の着目点を通って前記X線検出器で検出されたX線に基づく画素データを加算処理して断層データを算出する工程、
    前記曲線上に設定された前記着目点の断層データと前記奥行き方向の複数の着目点の断層データを加算処理して前記曲線上に設定された着目点毎の最終断層データを算出する工程、
    前記最終断層データを前記曲線に沿う方向に張り合わせてパノラマ断層像を生成する工程
    を実行させるプログラム。
  10. 請求項9記載のプログラムにおいて、前記着目点の断層データを算出する工程の加算処理及び/又は前記曲線上に設定された着目点の最終断層データを算出する工程の加算処理は重み付け加算処理であることを特徴とするプログラム。
  11. 請求項9記載のプログラムにおいて、前記コンピュータに、更に、生成したパノラマ断層像を平滑処理して平滑化像を生成する工程、係数を乗算した前記平滑化像を前記生成したパノラマ断層像から差分する重み付き差分処理を行う工程
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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