JP2007330657A - 脱臭ハニカム - Google Patents
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Abstract
【課題】臭気除去を目的とした脱臭ハニカムに関して、簡便な方法により難燃性、耐水性を付与し、かつ脱臭性能に優れたハニカムを得ること。
【解決手段】無機材料からなるハニカムの全面若しくは少なくとも一部に対し、樹脂エマルジョンと無機コロイドを併用し薬剤担持のなされた吸着剤を固定する。
【解決手段】無機材料からなるハニカムの全面若しくは少なくとも一部に対し、樹脂エマルジョンと無機コロイドを併用し薬剤担持のなされた吸着剤を固定する。
Description
本発明は気体中に含有される臭気ならびに有害物質を除去する脱臭フィルタに用いて好適な脱臭ハニカムに関するものであって、更に詳しくは、高い脱臭性能を発現し、かつ耐水性と難燃性を兼備した脱臭ハニカムに関するものである。
従来より、気体中における臭気成分を除去する検討がなされており、例えば高電圧放電により発生する励起活性種を利用した脱臭装置が空気調和機、脱臭専用装置などに用いられている。かかる脱臭装置は、単独では炭化水素など反応性の低い物質に対して効果が十分とは言い難く、また副生物質を吸着もしくは分解除去するために活性炭や金属触媒などの吸着剤が併用して用いられるのが一般的である。そして、該吸着剤は通気抵抗を低減するという観点からハニカム形状を有する構造体が多く用いられている。このようなハニカムは、前記放電装置に併設して設置するため、使用時における安全性を確保するために難燃性を有することが好ましいとされ、たとえば、UL(Underwriters LaboratoriesInc.)の定める難燃規格などが広く準用されている。
これまで、燃焼性を抑制するため、塩素、臭素などを含有するハロゲン化合物、リン元素を含有するリン酸エステル化合物などが用いられてきたが、近年シックハウスやダイオキシン問題によりこれらを減量もしくは排除することが求められている。
また、更に近年では交換頻度を低減すれるため繰り返し利用の要請が強まっており、メンテナンスを容易にするために水洗により汚染物質を除去することや、吸着剤の臭気除去性能を向上させるための薬剤塗布工程に対応するために、形状保持という意味での耐水性を付与することが望まれるに至っている。そして、これまで、種々の脱臭ハニカムが提案されてきたが、難燃、耐水という要望を満たすためには以下のような問題を有している。
例えば、クラフト紙又は段ボール原紙をハニカム形状の基材とし、触媒材料と活性炭がシリカゾル等のコロイド状化合物によって被覆して得られる脱臭ハニカムが提案されている(例えば特許文献1参照)。しかし、基材が難燃性を有しないため、難燃性を満たすには、コロイド状化合物の比率を極めて高くする必要があり、結果的に脱臭フィルタとしての基本特性に問題が生じ、また焼結加工を実施しない場合には耐水性ならびに耐湿性が得られないとの問題がある。
また、無機繊維シートに対してエマルジョンバインダーを用いて活性炭を担持する方法が開示されている(例えば特許文献2)。しかしながら、かかる方法では平面形状のシートを作成した後にハニカム形状とするためにはシート材料には柔軟性を持たせる必要があり、したがって、ハニカム燃焼性を低減するには難燃剤の添加が必要となる。また、水系にて添加可能な難燃剤では、水浸積により溶出し難燃性を維持することが困難となる。
また、アルミニウム薄板を基材とし、バインダーとしてコーンスターチやPVAを用いオゾン分解触媒を基材上に塗布したフィルタが提案されている(例えば特許文献3)。しかしながら、水溶性の高分子をバインダーとして用いるため耐水性を有していない。また、水系高分子は増粘効果が非常に高く、数%程度の含有濃度にてペースト流動性が失われる。したがって、バインダーと吸着剤の比率を一定とした場合には固形分率の上限値が低くなるために、加工回数を増やさなければならないし、再加工により付与した水分によって下層の被膜が再溶解し担持量を上げることが困難であるとの問題がある。
更に、オゾン分解触媒の担持基材としてセラミック繊維等の無機質繊維集合体を使用し、金属塩の水溶液から触媒化合物を直接担持する方法が提案されている(例えば特許文献4)。しかしながら、所望の担持量と触媒活性を得ることが困難であるし、吸着剤を併用できないため異臭が発生しやすいという問題がある。
また、ガス吸着層中に少なくとも金属酸化物、難溶性難燃剤および有機結合剤を含有させることを特徴とするガス吸着シートが開示されている(例えば特許文献5)。しかしながら、有機バインダーとして水系高分子を用いているため耐水性に乏しく、またシート状態にて加工するために柔軟性を保持する必要があり、吸着層を塗布することが困難であるとの問題がある。
また、金属酸化物触媒と水酸化アルミニウムならびにバインダーを混合して押し出すことにより、焼結加工を必要としない脱臭ハニカムが開示されている(例えば特許文献6)。しかしながら、水溶性高分子をバインダーとして用いるため耐水性を付与することができない。
特開平5−309232号公報
特開平1−293136号公報
特開平2−273512号公報
特開平1−245850号公報
特開2003―47820号広報
特開平10−272358号公報
また、オゾン、ラジカル等を用いた酸化処理により有機化合物を処理した場合に生成する低沸点物質(例えばアセトアルデヒド)は物理的な吸着や触媒材料によって除去することが困難であるため、表面積の大きな物理吸着剤上に対応する反応性薬剤を吸着担持させた添着活性炭等を用いる必要がある。ところが、添着された薬剤は反応性を有する有機物質であるため、シリカゾル等の無機バインダーを焼結させるため200℃を超える高温熱処理を行った場合には揮発や変性により性能劣化が著しいという問題がある。
上記問題を解決するために、あらかじめ吸着剤が担持されたハニカムに対して薬剤加工を実施することも考えられるが、従来公知のハニカムでは耐水性が不十分であるため吸着剤の脱落が発生するために加工自体が不可能であるという問題がある。
本発明は上記従来技術の課題を背景になされたものであり、無機材料からなるハニカム基材に対し、薬剤担持がなされた吸着層を付与した脱臭ハニカムであって、低温短時間の添着乾燥のみで耐水性を付与し、かつ低分子ハロゲン化物及びリン酸エステル類を添加せずとも難燃性を有し、化学吸着能を付与した物理吸着剤により高い性能有した脱臭ハニカムを提供することを課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに至った。即ち本発明は、(1)無機材料からなるハニカム基材上に吸着剤を担持した脱臭ハニカムであって、バインダーとして水系樹脂エマルジョン及び無機コロイドの混合物を用いてなり(2)吸着剤に対して有機化合物の薬剤担持がなされており(3)薬剤担持処理がハニカム加工前もしくは(4)ハニカム加工後であることを特徴とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の脱臭ハニカムは、吸着剤を水系樹脂エマルジョン及び無機コロイドの混合物によって基材上に担持させることが好ましい。
本発明の脱臭ハニカムは、吸着剤を水系樹脂エマルジョン及び無機コロイドの混合物によって基材上に担持させることが好ましい。
水系樹脂エマルジョンは低温接着性及び耐水性、柔軟性に優れているが、粒子径が100nmから10μm程度と大きいため、吸着分解剤として用いる微細粒子との接着保持性に劣る傾向があり、また水分率により流動特性が変化しやすいため、無機繊維シートなどの吸水性シートをハニカム基材として用いた場合には皮膜成形性が悪くなるという問題がある。また、炭化水素を主成分とする樹脂成分から構成されているためそれ自身が燃焼性を有している。
一方、無機コロイドは被担持物質に対して粒子が小さく分散性が良好であり、また粒子自体が剛体であるために、吸着分解剤の表面を被覆した場合にも微細孔が保持されるため脱臭性能の低下が起こりにくいという利点がある。また、通常大気中において自身の燃焼性がないため、有機物同士の接触を妨げることにより燃焼伝播を抑制することができる。ただし、乾燥固化により得られる被膜は分子同士の凝集力に依存しているため、接着強度、耐水・耐湿性を与えるためには200℃程度の昇温により、脱水反応をすることが必要である。更には無機材料で構成されているため、衝撃や有機物質との接着強度が弱いという問題がある。
本願発明者等は、水系樹脂エマルジョンと無機コロイドを併用することにより、燃焼性を低減し接着性および耐水性を向上させることができることを本願発明者は見出した。すなわち、水系樹脂エマルジョンと無機コロイドを併用すると、MFT(最低造膜温度)以上におけるエマルジョンの分子鎖移動という特性により、非水溶性高分子による溶融接着類似効果により得られる耐水性ならびに接着強度と、無機コロイドにおける粒子形状が変化することなく皮膜形成するという作用の相乗効果により、被吸着物質を内層まで拡散できる空隙を維持したまま非水溶性の不燃層を得られるという特徴があり、細孔閉塞による脱臭性能低下を抑制しつつ燃焼性を低減し、更には散媒である水を蒸発乾燥させる程度の温和な条件により被膜強度が得られるため、加熱処理による吸着剤や触媒の劣化を抑制すると共に簡便な装置で作成することができるという有利な効果も有する。
本発明に用いられる樹脂エマルジョンとしては、水系溶媒にアクリル系、アクリル−スチレン系、酢酸ビニル系、エチレンー酢酸ビニル系等の微粒子が浮遊安定化されたものを好ましく用いることができる。とりわけ、耐水性が高く、ハロゲン化物を含有しないアクリル系エマルジョンを用いることが好ましい。また、被膜硬度を高め、粘着性・吸湿性を抑制するためには樹脂成分のガラス転移温度として−20℃以上、より好ましくは0℃以上、最も好ましくは20℃以上であることが好ましい。
本発明に用いられる無機コロイドは、粒子径1nm〜100nm程度の無機酸化物が水を主成分とする溶媒中に分散されているものが好ましく、乾燥することによって不可逆的な凝集物となり接着効果を付与する物であることが好ましい。具体的にはコロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイダルチタンなどであり、粒子径、形状、液性(酸、アルカリ)など、必用とされる特性に応じて適当なものが選択される。なお、コロイドの粒子径とは数平均直径である。
本発明に用いられる無機コロイドは、針状の無機物質よりなることが好ましい。針状であれば、細密充填が困難であるため有効に皮膜層に空隙を形成することができ、また2以上の粒子にまたがって交絡することができるため皮膜形成性にも優れる特徴がある。具体的には、無機物質の形態は、縦長/横長が1.2〜20であるものが好ましく、より好ましくは1.5〜15、更に好ましくは2〜10である。
本発明の骨子は上述した内容であるが、スラリーの流動性、粘度調整ならびに沈降抑制のために若干の水溶性高分子もしくは無機鉱物を混合することも好ましい。水溶性高分子としては、例えばMC(メチルセルロース)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、ポリアクリル酸、アルギン酸、リグニンスルホン酸ならびにこれらのアルカリ金属塩及びグァーガム、アラビアゴム、ポリビニルアルコールであり、無機材料としてはセピオライト、アタパルジャイト等の繊維状鉱物ならびにベントナイト等の膨潤性粘土鉱物である。ただし、添加量を増やすことにより耐湿・耐水性の低下ならびに、水溶性高分子では燃焼性の増大とペースト粘度の大幅な上昇を招くため、吸着層における乾燥重量比としては10%以下、より好ましくは5%以下、最も好ましくは3%以下である。
また、本発明の構成を用いることにより、吸着剤とバインダーのみの構成においても難燃性を付与することが可能であるが、より高い難燃性を付与するため必要に応じて水酸化アルミニウム、メラミン等の非水溶性難燃剤を添加することも好ましい。かかる素材はスラリー中においても粒子形状を保っており、吸着分解剤の劣化や表面被覆を起こしがたいためである。また、水浸積時に溶出しないことから、水洗に際して難燃性を維持することができる。
本発明の脱臭ハニカムは、無機材料からなるハニカム基材を用いることが好ましい。すなわち、無機材料からなるハニカム基材は、有機繊維や燃焼性の基材を用いたハニカム材料と比較して、可燃性材料の比率を増加させることが可能であるため、本来の機能である脱臭性能を保持したまま難燃性を付与することができるからである。そして、可燃性物質であるハロゲン不含の樹脂エマルジョンを混合することが可能となるため、耐水性が向上するという有利な効果を奏する。
このましく用いられる無機材料は、金属、シリカ、アルミナ、ガラス、ロックウール等の人造繊維、セピオライト、アタパルジャイト等の天然鉱物繊維をシート状としたもの、アルミニウム、鉄、銅、ステンレス等の金属を薄板状としたものが挙げられる。また前述の材料からなるシート材料であれば不織布、織布、抄紙、圧縮成型など製法に依らずハニカムとして適用可能なものであれば用いることができる。耐水性や強度を向上させるために、成型前及び/または成形後に硬化性を有する無機結着剤にて処理することも好ましい。
無機材料からなるシート材はハニカム形状に加工して用いるが、気体の流通方向に平行した平面構造が得られる物であれば、ハニカムの断面が六画形状のものの他、四角、正弦波形、ロール形のもの等、中空多角柱、中空円柱等の中空柱体が連続して形成された形態など必要とされる形状として用いる事ができる。例えば、無機材料からなるシート材を正弦波形のハニカム形状とするには、まずガス吸着シートを賦形ロールに通して波形に賦形し、波形の当該ガス吸着シートの片面または両面に平らなシートを接合する。これを積層化して正弦波形のハニカム形状のフィルタとする。
本発明は無機材料からなるハニカム基材の少なくとも一部分に、ガス吸着分解層を形成してなるものである。具体的な手法としては、活性炭等の吸着剤とバインダーを必要に応じて少量の分散・増粘剤と共に混合して水系ペーストとした後、ペーストを浸漬、吹き付け、流し込み等の方法により基材表面にコートし、遠心分離、圧空、吸引などにより過剰のペーストを除去、乾燥することにより得ることができる。
本発明のガス吸着ハニカムにおいては、吸着層中に少なくとも活性炭、ゼオライト、シリカゲル、その他無機材料からなる物理吸着剤を含み、該吸着剤に脱臭性能を向上させるための化学吸着剤担持がなされていることが好ましい。
好ましく用いられる活性炭としては、各種材料を炭化賦活して得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば木材(木炭)やのこ屑、果実殻(ヤシ殻、もみ殻、コーヒー豆等)、セルロース、リグニン、パルプ等の植物系原料;褐炭、亜炭、泥炭、無煙炭、石油スラッジなどの鉱物系原料等を素材とし、塩化亜鉛などを使用した薬品賦活あるいは水蒸気などを用いたガス賦活等を施すことにより得られた活性炭を挙げることができる本発明に用いられる活性炭の比表面積は、加工前の粉末状態にて少なくとも300m2/g以上好ましくは500m2/g以上、より好ましくは1000m2/g以上である。バインダー成分による細孔閉塞を受けても脱臭性能を維持するためである
本発明に用いられるゼオライトとしては、対象臭気により適時選択することが可能であり、例えば細孔直径、シリカーアルミナ比、比表面積などの観点から選択することができる。とりわけ脱臭用途として用いる場合には、シリカ成分含有比率の高い疎水性ゼオライトとを用いることがより好ましい。また、ゼオライトは植物材料等からなる活性炭とは異なりマクロ孔が発達していないためバインダー成分による細孔閉塞を受けやすく、水系高分子単独で接着担持させた場合には吸着性能が著しく損なわれるが、本発明によればバインダー部分においても無機/有機の多孔体を構成することとなり脱臭性能を維持するために特に有利な効果が得られる。
本発明における、酸、塩基若しくはアミン等の化学吸着剤としては、具体的には除去対象がアンモニアやアミン類に対しては酸性化合物であり、カルボン酸類、硫化水素、メルカプタン類に対しては塩基性化合物であり、アルデヒド類に対してはアミン類である。かかる薬剤は単機能もしくは同一化合物中に二以上の異なる置換基を有していても良いし、互いに阻害が生じないならば二種類以上を併用する事も好ましい。
とりわけ、アミン添着を実施した活性炭に関しては加熱処理における性能劣化が大きいため本発明における
吸着剤への薬剤担持方法としては、(1)ペースト作成時及び/又は作成前に吸着剤に担持しておき、バインダー塗布時には混合されてなる方法(2)ハニカム担持後に、浸積、塗布する事により加工する方法ならびに両工程を併用することができる。
前述の(1)の方法において、本発明においては200℃以下かつ短時間の乾燥においてハニカム成形体が得られるため、薬剤の揮散や変性といった性能劣化を抑制することができる。また、本発明では吸着剤担持ハニカムが耐水性を有することから(2)の方法においても薬剤担持することが可能であるため、脱臭特性や加工上の適性を考慮しながら有利な方法を選択することが出来る。
上記吸着分解剤(及びその複合物)の形状については、粉末状、繊維状のいずれであっても良いが、水系ペーストとして用いるためには粉末状が特に好ましく、平均粒子径として0.2〜100μmが好ましく、より好ましくは0.4〜50μm、最も好ましくは0.5〜30μmのものが用いられる。粒径が0.2μm未満のものは、凝集固化が起こりやすく、水系ペーストへの再分散が困難である。一方、100μmを越えるようなものでは、ペーストとしての分散安定性に問題があり、得られたコート層も低密度となりやすく、また外力による脱落が生じやすいとの問題がある。なお、活性炭および触媒の平均粒子径とは重量中位径を指す。
以下、実施例によって本発明の作用効果をより具体的に示すが、下記実施例は本発明方法を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿って設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。尚、特に断わらない限り、実施例および比較例で記載された「部」は「重量部」を表す。
各項目の評価は下記の方法でおこなった。
各項目の評価は下記の方法でおこなった。
[難燃性]:ULで定めるUL94V試験法に基づいて評価した(Standard for Test forFlammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances.VerticalBurning Test ;94V-0,94V-1,94V-2)。そして、UL94試験法に定められた有炎燃焼時間、無炎燃焼時間から燃焼性のグレードを求め、定められた基準に基づいて判定した。
[耐水性]:脱臭層を付与したハニカム材料をイオン交換水中24時間浸積し、水中から引き上げて様子を観察した。
[脱臭性能]:脱臭層を付与したハニカムを1000L容器内に入れ、風速1m/sにて通風か行えるようにブロア装置を調整した。日本電機工業会規格JEM−1467法に従いタバコ5本を燃焼させた場合においてアンモニア、アセトアルデヒド、酢酸の初期濃度ならびに30分通風後の残存濃度を検知管法により測定し下式にて除去率の計算を実施した。
総合除去率(%)=(アンモニア除去率(%)+アセトアルデヒド除去率(%)×2+酢酸除去率)÷4
なお、上記総合除去率が80%以上を性能良好、80%以下を性能不良とした。
総合除去率(%)=(アンモニア除去率(%)+アセトアルデヒド除去率(%)×2+酢酸除去率)÷4
なお、上記総合除去率が80%以上を性能良好、80%以下を性能不良とした。
(実施例1):厚さ200μmのセラミックペーパー(シリカアルミナ紙)をコルゲート加工機にて山高2.5mm、山間隔4.1mmの片段ボールシートに成形した。この片段ボールシートを40段重ね、切断加工して100mm×100mm 厚さ5mmのハニカム基材を得た。UL94に基づく試験の結果シート単体の燃焼持続時間は0秒でV−0の難燃性であった。
このフィルタに対して、平均直径15μmの活性炭10部、固形分率20%のコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製 スノーテックスUP)10部と固形分率45%のアクリルエマルジョン2部及びp−アミノ安息香酸2部を混合しペースト状とした。ハニカム基材にペーストを担持し100℃にて水分を乾燥させた。固形分の担持量は150g/lであり、吸着剤比率は78%であった。UL94Vに基づく試験の結果、積層物の燃焼性はV−0であった。また、1000L容器における脱臭性能は良好であった。
(実施例2):実施例1の薬剤をp−アミノ安息香酸からp−アミノスルホン酸に変更した他は同等の処理を実施した。積層物の燃焼性はV−0であり1000L容器における脱臭性能は良好であった。
(実施例3):実施例1のp−アミノ安息香酸を除いた他は同等の処理を行い、ハニカムを得た。続いてp−アミノ安息香酸の水溶液に浸漬、100℃にて乾燥させることにより実施例1と同等薬剤量を担持させた。積層物の燃焼性はV−0であり1000L容器における脱臭性能は良好であった。
(比較例1):実施例1と同等のハニカム基材を用い、コロイダルシリカ15部のみにバインダーを変更し、同等担持量、同等吸着剤比率になるように加工を実施した。UL94に基づく試験の結果V−0の難燃性と良好な脱臭性能を得たが、水浸積によって吸着剤層が脱落した。
(比較例2):乾燥温度を200℃−1時間に変更した以外は比較例1と同等の操作を実施した。UL94に基づく試験の結果V−0の難燃性と比較的良好な耐水性を得たが、脱臭性能は不良であった。
(比較例3):実施例1と同等のハニカム基材を用いアクリルエマルジョン7部のみにバインダーを変更することにより同等固形分率になるように加工を実施した。良好な脱臭性能を得、水浸積においても吸着剤層は保持されていたが、UL94に基づく試験の結果、燃焼時間が60秒を超えV規格に適合出来なかった。
(比較例4):実施例1と同等のハニカム基材を用いアルギン酸ナトリウム1部のみにバインダーを変更することにより同等担持量になるよう加工を実施した。接着性と脱臭性能は良好であったが、水浸積によって吸着剤層が溶解し、またUL94に基づく試験の結果、燃焼時間が60秒を超えV規格に適合出来なかった
(比較例5):比較例4においてp−アミノ安息香酸を除いた他は同等の処理を行いハニカムを得た。続いてp−アミノ安息香酸の水溶液に浸漬し薬剤担持を試みたが、吸着層の脱落が著しく試料を得ることができなかった。
(比較例6):ハニカム基材として厚さ200μmのセルロースパルプ紙を用い実施例1と同形状のハニカムを作成し、同等ペーストにて加工を実施した。脱臭性能は良好であったが、燃焼性試験の結果、燃焼時間が60秒を超えV規格には適合できなかった。
バインダーとして無機コロイドのみを用い低温乾燥させた比較例1においては耐水性を満足することができない。一方、高温乾燥させた比較例2においては脱臭性能を得ることができない。
バインダーとしてアクリルエマルジョンのみを用いた比較例3においては難燃性を満足することができない。
バインダーとして水系高分子のみを用いた比較例4および比較例5においては、耐水、燃焼性を満足する事ができない。
基材として通常紙を用いた比較例6においては、ペースト組成により耐水性を付与することは可能であるものの、難燃性を満足することができない。
本発明の脱臭ハニカムは無機材料からなるハニカムに対し吸着分解剤を担持し、バインダーとして無機コロイドと有機エマルジョンを併用することにより、ハロゲンならびにリン酸エステル系の難燃剤を用いることなく難燃性を有し、簡便な製造法にて耐水性を付与することができる。また水系分散媒を用いているため低温加工が可能となり、また作業環境向上や製品からのVOCの放散性を低減したハニカムフィルターを得ることが可能となる。
Claims (7)
- 吸着剤を水系樹脂エマルジョン及び無機コロイドの混合物によって基材上に担持させたことを特徴とする脱臭ハニカム。
- 前記基材が無機材料からなることを特徴とする請求項1記載の脱臭ハニカム。
- 前記吸着剤が、化学吸着剤が添加されている吸着剤であることを特徴とする請求項1又は2記載の脱臭ハニカム。
- 前記吸着剤が活性炭であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の脱臭ハニカム。
- 前記吸着剤がアルデヒド除去用であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の脱臭ハニカム。
- ハニカム担持前に化学吸着剤が添着されてなることを特徴とする請求項3〜5いずれかに記載の脱臭ハニカム。
- ハニカム担持後に科学吸着剤が添着されてなることを特徴とする請求項3〜5いずれかに記載の脱臭ハニカム。
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Legal Events
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A761 | Written withdrawal of application |
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