しかしながら、いくら多様なバリエーションを揃えても、スロットマシン等の回胴式遊技機の遊技においては、BBやRB、ATやCTといったメダルを大量に獲得できる機会をいかに多く得るかによるところが大きいものである。言い換えれば、これらの場合の遊技では遊技者がメダルを大量に獲得できる期待はほとんど持てないということでもある。
従って、BBやRB、ATやCT以外の遊技では、遊技者が遊技意欲を維持し続けることが難しいということが問題となっている。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、遊技者の遊技意欲を維持し続けやすくするものである。
本発明の技術は、上記課題を解決するために以下の手段を採った。
(解決手段1)
解決手段1は、遊技価値の投入とゲームの開始操作により複数種類の図柄を施した複数の可動表示体の回転を開始させるとともに内部抽選を実行し、前記内部抽選の結果と前記可動表示体の停止操作に基づいて前記複数の可動表示体を停止させ、前記複数の可動表示体の停止時の図柄の表示態様に基づいて1回のゲームの結果を判断する遊技機において、1回のゲームごとに予め決められた複数の当選役及びハズレ役の中からいずれかを選び出す抽選を行う内部抽選手段と、前記内部抽選手段により行われる前記内部抽選に予め決められた通常の抽選確率を適用して前記内部抽選の結果を判断する通常抽選判断手段と、前記通常抽選判断手段とは別に、前記内部抽選手段により行われる前記内部抽選に前記通常の抽選確率に代えて、前記通常の抽選確率に比して抽選確率が高い特別な抽選確率を適用して前記内部抽選の結果を判断する特別抽選判断手段と、前記内部抽選手段による内部抽選で当選した当選役に対応する図柄に基づいて前記複数の可動表示体の停止を制御する可動表示体停止制御手段と、前記可動表示体停止制御手段により前記複数の可動表示体の停止制御が行われた結果、前記複数の可動表示体が停止した場合に前記図柄の表示態様として所定個数分の図柄群を表示可能とする図柄表示部と、前記図柄表示部内に表示された所定個数分の図柄群を前記複数の可動表示体にまたがって見た場合に、各々の前記可動表示体について少なくとも1つの図柄を選び出してできる組み合わせのうち、前記当選役に対応する図柄の組み合わせが表示されたときにその組み合わせを有効とする表示位置を決定する有効表示位置決定手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記有効表示位置決定手段により決定された前記有効表示位置に前記当選役に対応する図柄の組み合わせが表示されたか否かを判定する当選役図柄表示判定手段と、前記内部抽選の当選役として、一般的な通常遊技状態と比べて遊技者にとって有利さの度合いの高い特別遊技状態へ移行させる特別当選役と、前記内部抽選の当選役として、前記特別当選役とは別に当該ゲームの結果として遊技価値を与える一般小役と、前記内部抽選の当選役として、改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越される再ゲーム役と、前記内部抽選の当選役として、少なくとも1つ以上の当選役の抽選確率を前記通常の抽選確率から前記特別な抽選確率に変更させた特別抽選確率遊技状態へ移行させる特殊契機役と、前記内部抽選の当選役として、前記特別抽選確率遊技状態を終了させて前記当選役の抽選確率を前記特別な抽選確率から前記通常の抽選確率に変更させた通常抽選確率遊技状態へ移行させる特殊条件役と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記図柄表示部内に前記特別当選役に対応する図柄の組み合わせが表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、遊技価値の付与を伴わずに当該ゲームを終了させる当該ゲーム終了手段と、前記当該ゲーム終了手段により当該ゲームが終了すると、所定の条件が成立するまで前記特別遊技状態にてゲームの進行を制御する特別遊技状態制御手段と、前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態にてゲームの進行が制御されると、前記通常遊技状態に比して遊技者に付与する遊技価値の付与機会を増加させる遊技価値付与機会増加手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記図柄表示部内に前記一般小役に対応する図柄の組み合わせが表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、前記一般小役に対応する規定数の遊技価値を遊技者に付与する一般小役遊技価値付与手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記図柄表示部内に前記再ゲーム役に対応する図柄の組み合わせが表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数を持ち越して次回のゲームを実行させる再ゲーム実行手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記図柄表示部内に前記特殊契機役に対応する図柄の組み合わせが表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、遊技価値の付与を伴わずに当該ゲームを終了させる特殊ゲーム終了手段と、少なくとも1つ以上の当選役の抽選確率を前記通常の抽選確率から前記特別な抽選確率に変更させる特別抽選確率変更手段と、前記特殊ゲーム終了手段により当該ゲームが終了すると、前記特別抽選確率変更手段による前記当選役の抽選確率の変更を実行させる特別抽選確率変更実行手段と、前記特別抽選確率変更実行手段による前記当選役についての抽選確率の変更が実行されたうえでゲームの進行を制御する特別抽選確率遊技状態制御手段と、前記特別抽選確率変更手段による抽選確率の変更が行われている前記当選役についての抽選確率を前記特別な抽選確率から前記通常の抽選確率に変更させる通常抽選確率変更手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記図柄表示部内に前記特殊条件役に対応する図柄の組み合わせが表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、遊技価値の付与を伴わずに当該ゲームを終了させる特殊条件ゲーム終了手段と、前記特殊条件ゲーム終了手段により当該ゲームが終了すると、前記通常抽選確率変更手段による前記当選役の抽選確率の変更を実行させる通常抽選確率変更実行手段と、前記通常抽選確率変更実行手段による前記当選役についての抽選確率の変更が実行されたうえでゲームの進行を制御する通常抽選確率遊技状態制御手段と、前記特別抽選確率遊技状態制御手段により前記特別抽選確率遊技状態にてゲームの進行が制御されている状態で前記内部抽選の結果として前記特殊条件役が得られた場合、前記図柄表示部内に前記特殊条件役に対応する図柄の組み合わせが表示されることを回避する回避実行手段と、前記回避実行手段による前記回避が実行されたことにより、前記図柄表示部内に前記特殊条件役に対応する図柄の組み合わせが表示されていないことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、前記内部抽選の結果として前記特殊条件役が得られた場合であっても前記特別抽選確率遊技状態を継続させる特別抽選確率遊技状態継続手段と、前記特別抽選確率遊技状態制御手段により前記特別抽選確率遊技状態にてゲームの進行が制御されている状態で前記内部抽選の結果として前記特殊条件役が得られた場合、前記回避手段による前記回避を実行させずに前記図柄表示部内に前記特殊条件役に対応する図柄の組み合わせを表示させる回避不実行手段と、前記通常抽選確率遊技状態制御手段により前記通常抽選確率遊技状態にてゲームの進行が制御されている状態で前記内部抽選の結果として前記特殊契機役が得られた場合、前記図柄表示部内に前記特殊契機役に対応する図柄の組み合わせが表示されることを阻止する阻止実行手段と、前記阻止実行手段による前記阻止が実行されたことにより、前記図柄表示部内に前記特殊契機役に対応する図柄の組み合わせが表示されていないことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、前記内部抽選の結果として前記特殊契機役が得られた場合であっても前記通常抽選確率遊技状態を継続させる通常抽選確率遊技状態継続手段と、前記通常抽選確率遊技状態制御手段により前記通常抽選確率遊技状態にてゲームの進行が制御されている状態で前記内部抽選の結果として前記特殊契機役が得られた場合、前記阻止手段による前記阻止を実行させずに前記図柄表示部内に前記特殊契機役に対応する図柄の組み合わせを表示させることを許容する阻止不実行手段と、前記回避実行手段及び前記回避不実行手段のいずれかを選択する場合、前記回避実行手段を優先的に選択する優先選択手段と、前記阻止実行手段及び前記阻止不実行手段のいずれかを選択する場合、前記阻止不実行手段を優先的に選択する特殊優先選択手段とを具備したことを特徴とする遊技機である。
解決手段1によれば、本発明の遊技機では、遊技価値の投入が行われた状態で遊技者によるゲームの開始操作が受け付けられると、複数種類の図柄の施された複数の可動表示体を回転させるとともに内部抽選を実行し、その内部抽選の結果と遊技者による停止操作に基づいて可動表示体の全てが停止すると、そのときの図柄の表示態様に応じて1回のゲームの結果が判断される。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の開始操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する制御装置(制御基板)にて行われる。内部抽選手段の行う内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、その中から1回のゲームごとに乱数を1つ取得すると、この取得した1つの乱数の値を予め決められた当たり値と比較することで抽選結果を判断するものが挙げられる。
内部抽選では複数種類の当選結果とそれぞれの当選結果に対応する当選役が予め決められている。これらの当選役は、種類別に乱数の当たり値が割り当てられている。当たり値には当選役ごとに幅(数値範囲)が設けられており、取得された乱数の値がいずれかの当たり値の範囲内にあれば、その当たり値に対応する当選役に当選したと判断される。このような内部抽選の仕組みでは、全乱数値(所定の数値範囲内)に占める当たり値の数の割合から当選役の当選確率が算出される。
通常の遊技状態においては、当選役別に予め決められた所定の抽選確率(通常の抽選確率)にしたがい、通常抽選判断手段により内部抽選でいずれかの当選役が得られたかが判断される。ここでいう「通常の遊技状態」とは、いわゆる一般的な通常遊技状態(通常抽選確率遊技状態)のことを指し、特定の当選役について有利な条件が設けられたり、あるいは特定の当選役について不利な条件が設けられたりしていない、フラットな状態のことをいう。つまり、通常遊技状態とは、遊技者に特別に有利となる特典を与えたり、反対に不利となる特典を与えたりすることのない遊技状態のことである。よって、通常の抽選確率は通常遊技状態で行われる内部抽選の当選結果を判断する抽選確率ということになる。
また、特定の当選役についてその抽選確率が、上記の通常の抽選確率と比べて高い特別な抽選確率を通常の抽選確率とは別に設けている。特定の当選役についての抽選確率に特別な抽選確率が適用されている場合は、特別抽選判断手段により内部抽選でいずれかの当選役が得られたかが判断される。この特別抽選判断手段により内部抽選の当選結果が判断される遊技状態を、通常遊技状態(通常抽選確率遊技状態)と区別するために「特別抽選確率遊技状態」と呼ぶ。「特別抽選確率遊技状態」では、特定の当選役の抽選確率が通常の抽選確率に比べて高い抽選確率となるため、特定の当選役については有利な条件が設けられていることになる。つまり、「内部抽選で特定の当選役に当選しやすい状態にある」ということである。また、特定の当選役に当選しやすい状態とは、特定の当選役の当たり値の範囲(幅)が通常の抽選確率における特定の当選役の当たり値の範囲(幅)に比べて広くなっているということでもある。
1回のゲームで行われた内部抽選の当選結果は、少なくとも当該ゲームでは維持されている。当選役のなかには、当該ゲーム限りで結果が破棄されるものもあれば、次回以降のゲームまで持ち越されるものもある。
上記の当選役には、遊技価値の付与を伴う一般小役と、通常遊技状態と比べて遊技者にとって有利さの度合いの高い特別遊技状態に移行させる契機となる特別当選役、改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲーム(今回のゲーム)の掛け数が次回のゲームに持ち越される再ゲーム役とが含まれている。これらの当選役にはそれぞれ対応する図柄が予め決められており、以下では、この当選役に対応する図柄のことを、当選役図柄と呼ぶ。
また、当選役のなかには上記の当選役とは別に、少なくとも1つの当選役についての抽選確率に前述の特別な抽選確率を適用させた特別抽選確率遊技状態へ移行させる契機となる特殊契機役、特別抽選確率遊技状態を終了させる契機となる特殊条件役もある。
図柄は、遊技者が視覚によって個々を識別することができる絵、記号、マーク、飾り文字等を意味する。これらの図柄は遊技者が本発明の遊技機でゲームをする際の目印(可動表示体を停止させる際の目安)とすることができる。この図柄のなかには、上記の当選役図柄や、当選役図柄に該当しない図柄(ハズレ図柄)を含むことができる。これらの図柄はそれぞれの可動表示体に所定個数分が付されている。遊技者により全ての可動表示体の停止操作が受け付けられると、そのときの内部抽選の当選結果に基づいて各可動表示体の停止制御が行われる。
図柄表示部は、各可動表示体の図柄を所定個数分の図柄群として表示することが可能となっており、遊技者は可動表示体の回転中は回転している図柄群を、あるいは可動表示体の停止時には所定個数分の図柄群を図柄表示部内に視認することができる。そして、最終的に全ての可動表示体が停止すると可動表示体ごと図柄表示部内に停止した図柄からなる図柄群が形成される。この図柄表示部内に表示された図柄群からなる態様が最終的な図柄の表示態様となる。
また、上記の所定個数分の図柄数を増減させることにより、図柄表示部内に表示される図柄の総個数を増減させることもできる。つまり、図柄表示部内に表示される図柄の最大個数は、「所定個数×可動表示体の数」として表すことができ、所定個数をNとした場合、Nの値が大きくなればなるほど図柄表示部内に表示される図柄の最大個数が増えることになる。また、可動表示体の数を増やせば、その分だけ図柄表示部内に表示される図柄最大個数も増えることになる。従って、図柄表示部内で表示される図柄の表示態様のバリエーションを増やし、内部抽選の当選結果が同一のものであったとしても、異なる図柄の表示態様を多数表示することができるため、単調な(あるいはバリエーションの少ない)図柄の表示態様で遊技者を飽きさせることがない。
また、各可動表示体の停止により図柄表示部内に表示される図柄群のうち、それぞれの可動表示体から少なくとも1つずつ図柄を選び出したときにできる全ての可動表示体にまたがった図柄の組み合わせのうち、有効となる表示位置が決められる。ここでいう「有効となる表示位置」とは、全ての可動表示体の停止時に特定の当選役に対応する図柄の組み合わせが表示された場合に、特定の当選役に対応する特典を付与させることのできる図柄表示部内での表示位置のことをいう。つまり、内部抽選の抽選結果として得られた当選役に対応する当選役図柄の組み合わせが図柄表示部内の「有効となる表示位置」に表示されて初めてその当選役に対応した特典を得ることができることになる。
「有効となる表示位置」は、図柄表示部内での並び、組み合わせ等を意味し、一般的には複数の可動表示体にまたがる水平または斜めの並び(直線型となる形)の組み合わせのことをいう。直線型以外の形の組み合わせとしては、への字型、V字型、折れ曲がり型、ジグザグ型となる形が組み合わせとして挙げられる。これらの組み合わせのうち、複数種類が同時に有効となる態様とすることもできる。つまり、直線型及びV字型のいずれかの有効となる表示位置に特定の当選役に対応する図柄が停止すれば特定の当選役に対応する特典を付与することができることになる。
また、遊技価値の掛け数に応じて有効となる表示位置を変更させることもできる。即ち、「1回のゲームごとに掛けられた遊技価値の掛け数に応じて図柄表示部内の有効となる表示位置を変更させる」ということである。これにより、例えば遊技価値の掛け数を増やせば、図柄表示部内で有効となる表示位置を増やしたり、あるいは遊技価値の掛け数を減らせば、図柄表示部内で有効となる表示位置を減らしたりすることができる。従って、遊技価値の掛け数をできる限り多くしてゲームを行えば、いずれかの当選役に当選している場合、それだけ該当する当選役図柄が有効となる表示位置に表示される可能性が高くなる(表示させやすくなる)。
更に、有効となる表示位置を各可動表示体から複数個の図柄を選び出してできる組み合わせとすることもできる。これは例えば、図柄表示部内に表示されている各可動表示体からそれぞれ2個の図柄を抜き出して構成される組み合わせや、1つの可動表示体は3個の図柄を抜き出して、その他の可動表示体からは1個の図柄を抜き出して構成される組み合わせ、あるいは、各々の可動表示体から2個、2個、1個と図柄を抜き出して構成される組み合わせ等、少なくとも1つの可動表示体からは複数個の図柄を抜き出して構成された組み合わせとすることである。このような組み合わせは、各可動表示体から少なくとも1個の図柄を選び出して構成される組み合わせと比べると、どの組み合わせが有効になったかを遊技者が視認しづらいものとなる。
全ての可動表示体が停止すると、図柄表示部内の有効な表示位置にいずれかの当選役に対応する当選役図柄の組み合わせが表示されたか否かが当選役図柄表示判定手段によって判定される。ここで、当選役図柄の組み合わせとしては、全て同種類の当選役図柄の組み合わせや、全て異なる種類の当選役図柄の組み合わせ、少なくとも1組は同種類の当選役図柄を含んだ複数の異なる種類の当選役図柄の組み合わせ等が挙げられる。また、少なくとも1つの当選役図柄を含んだ組み合わせであれば、その他の図柄に関係なく当選役図柄の組み合わせとなるものを挙げることもできる。これらの当選図柄の組み合わせが図柄表示部内の有効となる表示位置に表示されたと判定されると、その当選役に対応した特典が付与されることとなる。
図柄表示部内の有効となる表示位置に特別当選役に対応する特別当選役図柄からなる組み合わせが表示されると、遊技状態が特別遊技状態へ移行されることになる。この特別遊技状態では遊技者にとって有利な特典が付与される。ここで、特別遊技状態にて遊技者に付与される特典としては、大量の遊技価値を獲得させる機会の付与や、遊技価値を消費することなくゲームを進行させる機会の付与等が挙げられる。特に本発明の遊技機では、特別遊技状態では通常遊技状態に比して遊技価値の付与機会を増加させることができるため、特別遊技状態は、通常遊技状態に比べて遊技者にとっての有利さの度合いの高い遊技状態ということになる。従って、いかに多く特別当選役に当選することができるかという点が本発明の遊技機で遊技者が最も興味を抱くところとなる。
また、特別遊技状態は、所定の条件が成立すると終了することになる。ここでいう所定の条件としては、予め決められた回数のゲーム数に達した場合や、予め決められた時間が経過した場合等が挙げられる。なお、前述の特殊条件役のように特別遊技状態を終了させる契機となる当選役を設けて、この当選役に当選した場合を所定の条件としてもよい。
特別当選役図柄からなる組み合わせが表示された場合、そのゲーム結果としては遊技価値の付与を伴わず当該ゲーム(今回のゲーム)は終了することとなる。つまり、特別当選役図柄の組み合わせが表示された当該ゲームでは遊技価値の付与は行われない。そして、次回のゲーム開始時から特別遊技状態の特典が付与されることとなる。これにより、当該ゲームで遊技価値の付与等に取られる時間が短縮され、遊技者に速やかに特別遊技状態の特典を付与する(速やかに次回のゲームを開始させる)ことができる。
なお、別の構成として、「特別当選役図柄からなる組み合わせが表示された場合に、そのゲーム結果として遊技価値の付与を伴わせる」とすることもできる。この場合、特別当選役に対応して付与される規定数の遊技価値を決めておくことで、遊技者が遊技価値を獲得したうえで、更に次回のゲームから特別遊技状態での特典を得ることができる。
特別当選役図柄からなる組み合わせとして、少なくとも1つ以上の特別当選役図柄が含まれている組み合わせを含めることもできる。即ち、図柄表示部内で有効となる表示位置に1つの特別当選役図柄が表示されれば、特別当選役に対応する特典が付与されることになる。従って、遊技者の停止操作の時機がずれることにより、いつまでも特別当選役図柄を図柄表示部内の有効となる表示位置に停止させることができないという事態が回避され、これにより、遊技者が特別当選役図柄を表示させるまでに消費する遊技価値の量を軽減させることができる。
図柄表示部内の有効となる表示位置に一般小役に対応する一般小役図柄からなる組み合わせが表示されると、一般小役に対応する特典として規定数の遊技価値が遊技者に付与されることになる。従って、一般小役に当選することが増えれば、それだけ遊技価値を増加させることも可能となるので、遊技価値を一方的に減らしてしまうといったことを軽減することができる。
また、一般小役は複数の種類を設けるものとしてもよい。このとき設けたそれぞれの一般小役ごとに対応する当選役図柄も別々に設けたり、それぞれの一般小役ごとに応じて付与される遊技価値の規定数を異ならせたりすることにより、複数の一般小役に価値の差をつけたり、一般小役図柄の種類を増やすことができる。このように一般小役の種類を増やすと、全ての当選役の種類も増えることとなる。従って、様々な当選役に当選する可能性が増えるので、遊技者を飽きさせてしまうといった事態を極力減少させることができる。
一般小役図柄からなる組み合わせについても、前述した特別当選役図柄の組み合わせと同様に、少なくとも1つ以上の一般小役図柄が含まれていればよいものとすることもできる。即ち、少なくとも1つの可動表示体についてだけ一般小役図柄が有効となる表示位置に表示されれば一般小役に対応する特典を得ることが得られることになる。従って、遊技者の停止操作の時機がずれたとしても、一般小役図柄を図柄表示部内の有効となる表示位置に停止させることができることとなり、遊技者の技量により生じる格差(いわゆる技術介入度)を極力抑えることができる。
図柄表示部内の有効となる表示位置に再ゲーム役に対応する再ゲーム役図柄からなる組み合わせが表示されると、再ゲーム役に対応する特典として、遊技状態が再ゲーム状態へ移行されることになる。この再ゲーム状態とは、遊技者が改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲーム(今回のゲーム)の掛け数を持ち越して次回のゲームを実行させることができる状態のことをいう。つまり、再ゲーム役図柄からなる組み合わせが表示された場合、遊技者は遊技価値を新たに消費せずに1回分のゲームを行うことができることになる。従って、再ゲーム役に当選することが多くなれば、その分だけ遊技価値の消費を抑えることができ、遊技者が単位時間当たりに消費する遊技価値の量をある程度一定の範囲内に抑えることが可能となる。
再ゲーム役図柄からなる組み合わせについても、前述した特別当選役図柄の組み合わせと同様、少なくとも1つ以上の再ゲーム役図柄が含まれていればよいもとすることもできる。即ち、少なくとも1つの可動表示体についてだけ再ゲーム役図柄を表示させれば再ゲーム役の特典が得られることになる。従って、遊技者の停止操作の時機がずれたとしても、再ゲーム役図柄を図柄表示部内の有効となる表示位置に停止させることができることとなり、遊技者の技量により生じる格差(いわゆる技術介入度)を極力抑えることができる。特に再ゲーム役については、遊技者が一方的に遊技価値を消費する事態を緩和させる当選役としての役割を持たせることができるので、内部抽選で再ゲーム役に当選となった場合には、遊技者の熟練度や技量に関わらず再ゲーム役図柄の組み合わせが表示されるものとすることが望ましい。これにより、遊技者が少なくとも再ゲーム役に対応する特典を平等に得ることが可能となる。
図柄表示部内の有効となる表示位置に特殊契機役に対応する特殊契機役図柄からなる組み合わせが表示されると、遊技価値の付与は行われずに当該ゲーム(今回のゲーム)が終了することとなる。つまり、特殊契機役図柄の組み合わせが表示された当該ゲームでは遊技価値の付与は行われない。そして、次回のゲーム開始時から特殊契機役に対応する特典として特別抽選確率遊技状態が開始されることとなる。これにより、当該ゲームで遊技価値の付与等に取られる時間が短縮され、速やかに特別抽選確率遊技状態でのゲームを開始させることができる。
特殊契機役図柄からなる組み合わせについても、前述の各当選役図柄と同様に少なくとも1つ以上の特殊契機役図柄が含まれている組み合わせを含めることもできる。即ち、図柄表示部内で有効となる表示位置に1つの特殊契機役図柄が表示されれば、特殊契機役に対応する特典が付与されることになる。従って、遊技者の停止操作の時機がずれることにより、いつまでも特殊契機役図柄を図柄表示部内の有効となる表示位置に停止させることができないという事態が回避され、これにより、遊技者が特殊契機役図柄を表示させるまでに消費する遊技価値の量を軽減させることができる。
本発明の遊技機では、特定の条件が成立すると、少なくとも1つの当選役についての抽選確率を変更させることができる。ここでいう抽選確率の変更とは、通常の抽選確率から特別な抽選確率に変更させることをいう。つまり、抽選確率が通常の抽選確率から特別な抽選確率に変更されるということにより、少なくとも1つの当選役については当選し易い状態となることを意味する。ここで、少なくとも1つの当選役としては、特別当選役をはじめとする複数の当選役の中からいずれかを選ぶことができる。言い換えれば、「少なくとも1つの当選役としていずれの当選役をも選択しうる」ということである。上記の特定の条件としては、特別遊技状態の終了後や、特殊ゲーム終了手段による当該ゲームの終了後を挙げることができる。
一方、本発明の遊技機では、上記の特定の条件とは別の所定の条件が成立すると、特別な抽選確率に変更されている少なくとも1つの当選役についての抽選確率を変更させることができる。ここでいう抽選確率の変更とは、特別な抽選確率から通常の抽選確率に変更させることをいう。つまり、特別抽選確率遊技状態から通常抽選確率遊技状態への移行(または転落)ということである。また、上記の所定の条件は、後述する特殊条件ゲーム手段による当該ゲームの終了後とするが、さらに所定のゲーム回数終了後や、所定時間経過後を加えることもできる。
特殊ゲーム終了手段によって当該ゲーム(今回のゲーム)が終了すると、次回のゲームから当選役のうち少なくとも1つの当選役についての抽選確率が特別な抽選確率に変更されたゲームが開始される(特別抽選確率遊技状態に遊技状態が移行する)。即ち、特殊契機役図柄からなる組み合わせが表示された場合、次に開始されるゲームからは、少なくとも1つの当選役については必ず特別な抽選確率で内部抽選が実行されることになる。従って、特別抽選確率遊技状態は通常抽選確率遊技状態に比べて当選しやすい当選役がある分だけ、遊技者にとって有利さの度合いが高い遊技状態であるといえる。
図柄表示部内の有効となる表示位置に特殊条件役に対応する特殊条件役図柄からなる組み合わせが表示されると、遊技価値の付与は行われずに当該ゲーム(今回のゲーム)が終了することとなる。つまり、特殊条件役図柄の組み合わせが表示された当該ゲームでは遊技価値の付与は行われない。そして、次回のゲーム開始時から特殊条件役に対応する特典として特別抽選確率遊技状態が終了し通常抽選確率遊技状態が開始されることとなる。これにより、当該ゲームで遊技価値の付与等に要する時間が短縮され、遊技者に速やかに特別抽選確率遊技状態でのゲームを終了させて通常抽選確率遊技状態でのゲームを開始させることができる。
特殊条件役図柄からなる組み合わせについても、前述の各当選役図柄と同様に少なくとも1つ以上の特殊条件役図柄が含まれている組み合わせを含めることもできる。即ち、図柄表示部内で有効となる表示位置に1つの特殊条件役図柄が表示されれば、特殊条件役に対応する特典が付与されることになる。従って、遊技者の停止操作の時機がずれることにより、いつまでも特殊条件役図柄を図柄表示部内の有効となる表示位置に停止させることができないという事態が回避され、これにより、遊技者が特殊条件役図柄を表示させるまでに消費する遊技価値の量を軽減させることができる。
特殊条件ゲーム終了手段によって当該ゲーム(今回のゲーム)が終了すると、次回のゲームから通常抽選確率遊技状態から開始されることになる。つまり、特別抽選確率遊技状態は終了となる。従って、特殊条件ゲーム終了手段は、遊技者にとって有利さの度合いが高い遊技状態から有利さの度合いの低い遊技状態へ遊技状態を移行させる契機ということになる。
特別抽選確率遊技状態で特殊条件役に当選しても、図柄表示部内の有効となる表示位置に特殊条件役図柄からなる組み合わせが表示されなければ特殊条件ゲーム終了手段を契機として特別抽選確率遊技状態から通常抽選確率遊技状態への移行(転落)は行われない。つまり、特別抽選確率遊技状態からの転落を回避できるということである。このような回避手段としては、例えば、可動表示体の停止操作(停止操作の順番、停止操作の間隔等)を変える動作制御を行ったり、内部抽選の結果が特殊条件役となったことを教示(報知、告知、示唆等)する動作制御を行ったり、遊技者に特殊条件役図柄からなる組み合わせを図柄表示部内に表示させない(回避が可能な)停止操作を促すことなどを挙げることができる。このように、特殊条件役図柄からなる組み合わせが図柄表示部内に表示されなかった場合、特別抽選確率遊技状態から通常抽選確率遊技状態に転落することなくそのまま特別抽選確率遊技状態が継続されていくことになる。
一方、特別抽選確率遊技状態で特殊条件役に当選し、なおかつ、図柄表示部内の有効となる表示位置に特殊条件役図柄からなる組み合わせが表示されると、特殊条件ゲーム終了手段を契機として特別抽選確率遊技状態から通常抽選確率遊技状態への移行(転落)が行われる。つまり、特別抽選確率遊技状態からの転落が回避されないということである。このような回避不実行手段は、上記の回避実行手段による回避とは反対の動作制御(例えば特殊条件役に当選したことを教示しないなど)を行うものなどがある。さらに回避不実行手段による動作制御が行われる場合、特殊条件役図柄からなる組み合わせを図柄表示部内に必ず表示されることになる。
通常抽選確率遊技状態で特殊契機役に当選しても、図柄表示部内の有効となる表示位置に特殊契機役図柄からなる組み合わせが表示されなければ特殊ゲーム終了手段を契機として通常抽選確率遊技状態から特別抽選確率遊技状態への移行(つまり昇格)は行われない。つまり、通常抽選確率遊技状態からの昇格が阻止されてしまう(回避されてしまう)ということである。このような阻止実行手段としては、例えば、可動表示体の停止操作(停止操作の順番、停止操作の間隔等)を変える動作制御を行わせたり、内部抽選の結果が特殊契機役であることを遊技者に全く教示(報知、告知、示唆等)せずに結果として特殊契機役図柄からなる組み合わせを表示させることなく当該ゲームを終了させたりするものがある。このようにして特殊契機役図柄からなる組み合わせが図柄表示部内に表示されなかった場合、特別抽選確率遊技状態に移行(昇格することなく)通常抽選確率遊技状態がそのまま継続されていくことになる。
一方、通常抽選確率遊技状態で特殊契機役に当選し、なおかつ、図柄表示部内の有効となる表示位置に特殊契機役図柄からなる組み合わせが表示されると、特殊ゲーム終了手段を契機として通常抽選確率遊技状態から特別抽選確率遊技状態への移行(昇格)が行われる。つまり、通常抽選確率遊技状態からの昇格が阻止されないということである。このような阻止不実行手段は、上記の阻止実行手段による阻止を行う動作制御を行わないものとすればよい(あるいは、阻止実行手段により実行させる動作と反対の動作を行う)。例えば、特殊契機役に当選したことを遊技者に教示することなどである。また、阻止不実行手段による動作制御が行われる場合、特殊契機役図柄からなる組み合わせを図柄表示部内に表示させることが許容されるが必ず表示されるものではない(遊技者による停止操作の時機がずれると表示させることができない)。従って、遊技者は阻止不実行手段による教示等の動作制御により特殊契機役図柄の組み合わせを表示させることが許容されていることを知ると、特殊契機役図柄の組み合わせを表示させるための的確な停止操作をしようと試みることになる(時機がずれないように正確な停止操作をする)。
上記の回避実行手段を選択するか、回避不実行手段を選択するかに当たり、いずれをも均等に選択するのではなく回避実行手段を優先的に選択する優先選択手段をさらに設ける。ここでいう「優先的に選択する」とは、例えば、回避実行手段を選択する割合(または確率)を、回避不実行手段を選択する割合(または確率)に比べて優遇する(高くする)ことなどである。例えば、特別抽選確率遊技状態では回避実行手段が選択されると通常抽選確率遊技状態への転落を避けることができる。従って、遊技者の遊技意欲を維持させやすくすることができる。なお、回避実行手段を優先して選択する態様であれば、必ず選択する態様であってもよい。
また、上記の阻止実行手段を選択するか、阻止不実行手段を選択するかにについても、いずれをも均等に選択するのではなく阻止不実行手段を優先的に選択する特殊優先選択手段を設ける。これにより、阻止不実行手段を選択する割合(または確率)を、阻止実行手段を選択する割合(または確率)に比べて優遇させる(高くする)ことができる。例えば、通常抽選確率遊技状態では阻止不実行手段が選択されると特殊契機役の特典を獲得しやすくなる。従って、遊技者が遊技意欲を維持し続けること容易になる。なお、阻止不実行手段を優先して選択する態様であれば、必ず選択する態様であってもよい。
以上の内容から、本発明の遊技機では、特殊契機役を契機として、あるいは特別遊技状態の終了後から特別抽選確率遊技状態に移行することとなるが、これを途中で終了させる特殊条件役を設けて特別抽選確率遊技状態がいつまで継続するか分からないものとすることができる。
また、回避実行手段を優先的に選択したり、阻止不実行手段を優先的に選択したりすることができるので、特別抽選確率遊技状態からの転落を避けることができたり、あるいは通常抽選確率遊技状態からの昇格が容易にできたりすることになる。従って、遊技者の遊技意欲を維持し続けやすくすることができる。
(解決手段2)
解決手段2は、解決手段1に記載の遊技機において、前記優先選択手段により前記回避実行手段が優先的に選択される状態にてゲームの進行を制御する優先選択状態制御手段と、前記特殊優先選択手段により前記阻止不実行手段が優先的に選択される状態にてゲームの進行を制御する特殊優先選択状態制御手段をさらに備えることを特徴とする遊技機である。
解決手段2によれば、優先選択手段により回避実行手段が選択されやすい遊技状態(優先選択遊技状態)、また特殊優先選択手段により阻止不実行手段が選択されやすい遊技状態(特殊優先選択遊技状態)があるということになる。例えば、優先選択遊技状態が、特別抽選確率遊技状態と重なれば(つまり、特別抽選確率遊技状態であり、なおかつ、優先選択遊技状態でもある)、特殊条件役が回避されやすい遊技状態であることになる。従って、特別抽選確率遊技状態にもさらに有利さの度合いの高い遊技状態と有利さの度合いの低い遊技状態を作り出すことができる。
また、特殊優先選択遊技状態が通常抽選確率遊技状態と重なれば(つまり、通常抽選確率遊技状態であり、なおかつ、特殊優先選択遊技状態でもある)、特殊契機役の特典を獲得しやすい(特殊契機役に当選したことが教示されるなど)遊技状態であることになる。従って、遊技者が特殊契機役を逃してしまう可能性が低いものとなり、通常抽選確率遊技状態から特別抽選確率遊技状態に昇格することに大いに期待を持つことができる。
このように、特別抽選確率遊技状態に移行しても転落の可能性の低い遊技状態を設けたり、通常抽選確率遊技状態から特別抽選確率遊技状態に昇格しやすい遊技状態(遊技期間、ゲーム期間)を設けたりすることにより、遊技者が遊技状態の転落を心配したり、昇格できないことに不安を覚えたりすることが極力解消される。従って、遊技者が遊技意欲を維持し続けやすい状況を作り出すことができる。
(解決手段3)
解決手段3は、解決手段2に記載の遊技機において、前記優先選択状態制御手段及び前記特殊優先選択状態制御手段が、所定の条件が成立すると前記制御を実行することを特徴とする遊技機である。
解決手段3によれば、所定の条件が成立すると優先選択遊技状態、特殊優先選択遊技状態が開始される。この所定の条件としては、例えば、所定の当選役に当選すること、特別遊技状態の終了後、あるいは所定の時間経過後などがある。また、この所定の条件は優先選択遊技状態、特殊優先選択遊技状態ごと別々の条件でも、共通の条件でもよい。
この条件には成立する頻度の高い(成立する可能性の高い)条件を決めることが望ましい。つまり、遊技者がその条件が成立することに期待を持てる程度の条件とすることである。特に特別抽選確率遊技状態で成立しやすい内容とすれば、特別抽選確率遊技状態をできるだけ長い期間(長いゲーム数)継続できる可能性も高まり、特別抽選確率遊技状態がすぐに終了してしまうといった遊技者の興趣の低下を招きづらくなり、遊技意欲を維持し続けやすくすることができる。
また、通常抽選確率遊技状態で成立しやすい内容とすれば、遊技者が当座の目標としてこの所定の条件が成立するまでゲームを続けようという意欲を持たせることができる。従って、この所定の条件が成立するまで遊技者の遊技意欲を維持し続けやすくすることができる。
(解決手段4)
解決手段4は、解決手段3に記載の遊技機において、前記優先選択状態制御手段及び前記特殊優先選択状態制御手段が、前記所定の条件として少なくとも1つ以上は共通の条件を含むことを特徴とする遊技機である。
解決手段4によれば、優先選択遊技状態及び特殊優先選択遊技状態を開始させる所定の条件は、少なくとも1つ以上は共通のものとなる。つまり、この共通の条件が成立した場合、特殊条件役を回避できる可能性が高く、なおかつ、特殊契機役を逃してしまう可能性の低い遊技者にとって有利な遊技状態が開始される(有利な遊技状態に移行する)ということになる。従って、遊技者が遊技意欲を維持し続けやすいものとすることができる。
(解決手段5)
解決手段5は、解決手段3に記載の遊技機において、前記優先選択状態制御手段及び前記特殊優先選択状態制御手段が、前記所定の条件としてそれぞれ固有の条件のみを含むことを特徴とする遊技機である。
解決手段5によれば、優先選択遊技状態及び特殊優先選択遊技状態を開始させる所定の条件は、それぞれ固有の条件(それぞれ異なる内容の条件)のみということになる。このようにすると、優先選択遊技状態、特殊優先選択遊技状態を別々の機会(あるいは契機)から開始させる(移行させる)ことができる。従って、様々な機会(契機)からこれらの遊技状態に移行できることになり、遊技者の遊技意欲を維持し続けやすくすることができる。
(解決手段6)
解決手段6は、解決手段3から5のいずれかに記載の遊技機において、前記優先選択状態制御手段または前記特殊優先選択状態制御手段が、前記所定の条件として少なくとも複数の条件の成立により前記制御を実行することを特徴とする遊技機である。
解決手段6によれば、解決手段3で説明した所定の条件として複数の条件を設けることができる。このようにすると、複数ある条件のうちいずれか1つが成立すれば、優先選択遊技状態、特殊優先選択遊技状態のいずれか一方、あるいは双方ともに開始させることが可能となる。従って、遊技者がこれらの遊技状態が開始されることに一層期期待感を持つことができる。
(解決手段7)
解決手段7は、解決手段3から6に記載の遊技機において、前記優先選択状態制御手段または前記特殊優先選択状態制御手段が、前記所定の条件として前記特別遊技状態の終了後から前記制御を実行することを特徴とする遊技機である。
解決手段7によれば、特別遊技状態の終了後から優先選択遊技状態、特殊優先選択遊技状態のいずれか一方、あるいは双方ともに開始させることができる。例えば、特別遊技状態の終了後から特別抽選確率遊技状態かつ特殊優先選択遊技状態が開始される場合、この間に特殊契機役が回避されずにその図柄の組み合わせが図柄表示部内に表示されるとさらに特別抽選確率遊技状態が継続する期間(ゲーム回数など)を上乗せ(上限回数などを再度増加させる)する態様とすれば、特別抽選確率遊技状態を限りなく継続させることも可能となる。従って、遊技者は特殊優先遊技状態が継続しているあいだに特殊契機役に当選することを大いに期待しながらゲームを行うことになるため、遊技意欲を維持しやすくすることができる。
また、特別遊技状態の終了後から優先選択遊技状態が開始され場合、少なくとも優先選択遊技状態が継続している期間は遊技者が特別抽選確率遊技状態からの転落をさほど心配する必要がなくなるため、特別抽選確率遊技状態でのゲームを十分に満足して行うことができる。従って、少なくともこの期間(優先選択遊技状態が続く限り)は、遊技者の遊技意欲を維持し続けやすい期間(ゲーム期間)とすることができる。
(解決手段8)
解決手段8は、解決手段3から6のいずれかに記載の遊技機において、前記優先選択状態制御手段または前記特殊優先選択状態制御手段が、前記所定の条件として複数の前記当選役のうち予め決められた当選役が前記内部抽選の結果として得られたことを契機として前記制御を実行することを特徴とする遊技機である。
解決手段8によれば、予め決めた当選役(複数の当選役のいずれか、所定の当選役と呼ぶ)に内部抽選で当選したことを契機として優先選択遊技状態、特殊優先選択遊技状態のいずれか一方、あるいは双方とも開始させることができる。ここでの契機としては、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせを表示できた場合に限るものとしてもよいし、あるいは所定の当選役に当選しただけであってもよい。このようにすると、例えば、特別抽選確率遊技状態では、所定の当選役に当選する(あるいは所定の当選役に対応する図柄の組み合わせが表示される)度に優先選択遊技状態が開始されることになるので、遊技状態の転落が起こりづらくなり、遊技者はこの所定の当選役に当選することを期待しながらゲームを行うことになる。
また、通常抽選確率遊技状態では、所定の当選役に当選する(あるいは所定の当選役に対応する図柄の組み合わせが表示される)度に特殊優先選択遊技状態が開始されることになるので、遊技者が遊技意欲を維持しやすくすることができる。
(解決手段9)
解決手段9は、解決手段1から8のいずれかに記載の遊技機において、前記特別抽選確率遊技状態継続手段が、所定の条件が成立するまでその遊技状態を変更させることなく継続させることを特徴とする遊技機である。
解決手段9によれば、特別抽選確率遊技状態は、所定の条件が成立するまで継続することになる。この所定の条件には、解決手段1で説明した特殊条件役図柄からなる組み合わせが表示された場合も含まれる。さらに所定の条件には、規定のゲーム数に到達すること、規定時間が経過すること、所定の当選役(またはハズレ役)に当選すること、所定の当選役(またはハズレ役)に規定回数当選すること、などを挙げることができる。このように所定の条件を設けることにより、特別抽選確率遊技状態を有限に続くものとすることができる。従って、所定の条件を厳しく(つまり、成立しやすい条件にする)すれば、特別抽選確率遊技状態に頻繁に移行する態様としても過度の不利益を生じない(つまり、昇格と転落を頻繁に繰り返すことになるため)ことから、遊技者にいつでも特別抽選確率遊技状態に移行するかもしれないという期待を持たせてゲームを行わせることが可能となり、遊技者の遊技意欲を維持させやすくすることができる。
(解決手段10)
解決手段10は、解決手段1から9のいずれかに記載の遊技機において、前記特別抽選確率変更実行手段は、前記特別遊技状態が終了すると、次回より開始されるゲームから前記特別抽選確率変更手段による前記当選役の抽選確率の変更を実行させることを特徴とする遊技機である。
解決手段10によれば、特別遊技状態が終了すると、次回のゲーム(特別遊技状態の終了後に開始されるゲーム)から当選役のうち少なくとも1つの当選役についての抽選確率が特別な抽選確率に変更されたゲームが開始される(特別抽選確率遊技状態に遊技状態が移行する)。従って、特別遊技状態にて大量の遊技価値の獲得機会を得た後、さらに遊技者にとって有利さの度合いが高い遊技状態に移行することとなり、例えば、特別抽選確率遊技状態に移行してから短いゲーム回数で特別当選役に当選した場合などは、短時間で大量の遊技価値(複数回、特別当選役に当選すればその分だけ特別当選役の特典が付与されるから)の獲得も期待できることになる。これにより特別遊技状態の終了後にも遊技者の遊技意欲を維持させやすくすることができる。
(解決手段11)
解決手段11は、解決手段1から10のいずれかに記載の遊技機において、前記特別抽選確率遊技状態制御手段が、前記特別抽選確率遊技状態において遊技の進行に関する動作態様を前記通常確率抽選遊技状態から変化させて前記通常抽選確率遊技状態と遊技状態を異ならせることを特徴とする遊技機である。
解決手段11によれば、遊技状態が特別抽選確率遊技状態に移行すると、遊技機の内部及び外部の動作を伴う制御(可動表示体の回転動作を通常抽選確率遊技状態でのゲームとは異なる動作としたり、ランプ等の発光態様を通常抽選確率遊技状態から変化させたりする制御)を行う。即ち、特別抽選確率遊技状態を通常抽選確率遊技状態の動作制御と外見上の動作制御の異なる別の遊技状態とすることができる。これにより、遊技機の見た目からも現在の遊技状態が通常抽選確率遊技状態とは異なることを遊技者に認識させることができる。また、通常抽選確率遊技状態と異なることで、遊技者に様々な期待(例えば、特別当選役に当選しやすい状態になる、遊技価値の消費を抑えたゲームを行えるなど)を持たせて遊技者の遊技意欲を維持し続けやすくすることができる。
(解決手段12)
解決手段12は、解決手段1から11のいずれかに記載の遊技機において、前記特別遊技状態制御手段が、前記特別遊技状態において遊技の進行に関する動作態様を、前記通常抽選確率遊技状態または前記特別抽選確率遊技状態から変化させて前記通常抽選確率遊技状態及び前記特別抽選確率遊技状態と遊技状態を異ならせることを特徴とする遊技機である。
解決手段12によれば、遊技状態が特別遊技状態に移行すると、遊技機の内部及び外部の動作を伴う制御(可動表示体の回転動作を通常抽選確率遊技状態でのゲームとは異なる動作としたり、ランプ等の発光態様を通常抽選確率遊技状態または特別抽選確率遊技状態から変化させたりする制御、図柄表示部内で該当図柄の組み合わせが有効となる表示位置を変更したり、本来の当選役の特典とは異なる内容の特典を付与したりする制御など)を行う。即ち、特別遊技状態を通常抽選確率遊技状態または特別抽選確率遊技状態の動作制御と外見上の動作制御の異なる別の遊技状態とすることができる。これにより、遊技機の見た目からも現在の遊技状態が特別遊技状態であることを遊技者に認識させることができる。また、特別遊技状態でのゲームで大量の遊技価値の獲得ができるという遊技者の期待感を高めることもできる。
(解決手段13)
解決手段13は、解決手段1から12のいずれかに記載の遊技機において、前記特別抽選確率変更手段が、少なくとも1つの当選役として前記特別当選役の抽選確率を前記通常の抽選確率から前記特別な抽選確率に変更させることを特徴とする遊技機である。
解決手段13によれば、抽選確率を変更させる当選役には、特別当選役が必ず含まれる。従って、特別抽選確率遊技状態では、特別当選役の抽選確率が通常抽選確率遊技状態に比して高く変更されることになる。つまり、特別抽選確率遊技状態でのゲームでは、通常抽選確率遊技状態に比べて特別当選役に当選し易い状態であるといえる。従って、遊技者が大量の遊技価値を獲得するためには、特別抽選確率遊技状態に移行する機会をいかに多く得ることができるかということになる。
また、少なくとも1つの当選役として特別当選役を選ぶことによって、さらにその他の当選役のいずれかをも特別抽選確率変更手段によりその抽選確率を変更させる対象とすることもできる(これを追加対象当選役という)。このような場合、特別抽選確率遊技状態では、特別当選役に加えてその他の当選役(追加対象当選役)についても当選し易い状態となる。
従って、特別抽選確率遊技状態では、遊技者が大量の遊技価値を獲得できる可能性が高まるとともに、さらに追加して価値(追加価値)を付与することも可能となり、遊技者の興趣の著しい低下を招きづらくすることができる。なお、ここでいう追加価値とは、例えば、追加対象当選役として再ゲーム役を選ぶと、遊技価値をあまり減らさずに特別抽選確率遊技状態でのゲームを行うことができたり、または、追加対象当選役として一般小役を選ぶと、遊技価値を増加さながら特別抽選確率遊技状態でのゲームを行うことができたりすることをいう。
(解決手段14)
解決手段14は、解決手段1から13のいずれかに記載の遊技機において、前記一般小役が、複数種類の一般小役を含むことを特徴とする遊技機である。
解決手段14によれば、一般小役には複数の種類が存在することになる。これに伴い、各々の一般小役に対応する当選役図柄も複数の種類に対応してそれぞれ設けられることになる。あるいは、一般小役として有効となる図柄の組み合わせも複数種類設けられることになる。
さらに複数種類の一般小役には「当選役図柄の組み合わせとして少なくとも1つの当選役図柄を含むだけで当選役として有効となる単小役」を設けてもよい。即ち、単小役とは、全ての可動表示体が停止した際の当選役図柄の組み合わせに1つの当選役図柄(ここでは単小役に対応する単小役図柄)が含まれていれば、(単小役に対応する)特典を付与することができる当選役ということになる。このような単小役には、遊技者が全ての可動表示体を停止させる操作の負担(つまり、当選役図柄の組み合わせを停止させるために毎回全ての可動表示体の停止操作に集中しなければならない負担)を軽減させる役割を持たせることができる。
以上のように、一般小役に複数の種類を設けることにより、図柄表示部内で表示される図柄の組み合わせ態様を多様化させることが可能となり、遊技者に単調な印象を与えことを回避することができる。
(解決手段15)
解決手段15は、解決手段1から14のいずれかに記載の遊技機において、前記特殊契機役が、対応する図柄の組み合わせとして、複数の異なる種類の図柄を含むことを特徴とする遊技機である。
解決手段15によれば、特殊契機役には、それ専用の当選役図柄(遊技者が特殊契機役として認識できる図柄、つまり、特別当選役図柄や一般小役図柄のような象徴的な図柄)を設けずに複数の異なる種類の図柄の組み合わせとしている。この複数の異なる図柄には特別当選役図柄や一般小役図柄、あるいは再ゲーム役図柄などを含めることができる。このような一見するとバラバラな図柄の組み合わせは内部抽選の結果がハズレとなった場合に表示される態様である。従って、ハズレと同様な図柄の組み合わせを特殊契機役に対応する図柄の組み合わせとすることにより、バラバラな図柄の組み合わせ、即ちハズレという遊技者の意識を変えさせることができる。これにより、図柄の組み合わせを最後まで確認する前にハズレと判断できてしまうこと(複数の可動表示体の全てを停止させる前にハズレと判断できてしまうこと)を回避することができる。特殊契機役は遊技者に歓迎される当選役(遊技状態を特別抽選確率遊技状態に昇格させる当選役)であるため、特に通常抽選確率遊技状態でのゲームにおいては、全ての可動表示体を停止させるまで遊技者が遊技意欲を維持し続けやすくすることができる。
(解決手段16)
解決手段16は、解決手段1から15のいずれかに記載の遊技機において、前記特殊条件役が、対応する図柄の組み合わせとして、複数の異なる種類の図柄を含むことを特徴とする遊技機である。
解決手段16によれば、特殊条件役についても、特殊契機役と同様に、それ専用の当選役図柄(遊技者が特殊条件役として認識できる図柄、つまり、特別当選役図柄や一般小役図柄のような象徴的な図柄)を設けずに複数の異なる種類の図柄の組み合わせとしている。この複数の異なる図柄には特別当選役図柄や一般小役図柄、あるいは再ゲーム役図柄などを含めることができる。このような一見するとバラバラな図柄の組み合わせは内部抽選の結果がハズレとなった場合に表示される態様である。従って、ハズレと同様な図柄の組み合わせを特殊条件役に対応する図柄の組み合わせとすることにより、バラバラな図柄の組み合わせ、即ちハズレという遊技者の意識を変えさせることができる。これにより、図柄の組み合わせを最後まで確認する前にハズレと判断できてしまうこと(複数の可動表示体の全てを停止させる前にハズレと判断できてしまうこと)が回避されるため、遊技者が遊技意欲を維持しやすくなる。
また、特殊条件役は、遊技者にとっては歓迎し難い当選役(遊技状態を通常抽選確率遊技状態に転落させる当選役)であるため、特に特別抽選確率遊技状態でのゲームにおいては、遊技者は特殊条件役よりむしろハズレを期待するようになるので、遊技者を最後(全ての可動表示体を停止させる)までハラハラドキドキさせることができる。
(解決手段17)
解決手段17は、解決手段1から16のいずれかに記載の遊技機において、遊技機の外部に向けて複数の演出表示態様を表示するための表示手段と、前記表示手段による演出表示態様を前記内部抽選の当選結果に基づいて所定の演出表示態様を実行させる演出表示態様実行手段と、前記演出表示態様実行手段が実行する前記演出表示態様として、前記内部抽選の当選結果を遊技者に示唆する当選役示唆演出、前記内部抽選の当選結果を遊技者に告知する当選役告知演出、前記特別当選役に当選したことが確定したことを告知する確定告知演出及び前記特殊契機役及び前記特殊条件役に当選したことを教示する特別教示演出のいずれかを実行させるかを決定する演出表示態様決定手段とを更に備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段17によれば、本発明の遊技機は遊技機の外部に向けて様々な演出表示態様を表示させる表示手段をさらに備える。これは、遊技者に当該遊技機でのゲームを視覚的に十分に楽しませることができるものである。表示手段としては、液晶ディスプレイやELディスプレイ(Electroluminescence Display)、ドットLED、更にはランプ等を挙げることができる。そして、演出表示態様には、内部抽選の当選結果を遊技者に示唆する当選役示唆演出と、内部抽選の当選結果を遊技者に告知する当選役告知演出と、特別当選役に当選したことが確定していることを告知する確定告知演出と、特殊契機役及び特殊条件役に当選したことを所定の割合で教示する特別教示演出が少なくとも含まれている。なお、上記のいずれの演出表示態様にも該当しない演出として通常表示演出を含めるものとしてもよい。この通常表示演出は特に何の演出を行わない場合(例えば、静止画像を表示させ続けるなど)も含めることができる。
上記の演出表示態様のうち、特別教示演出は所定の割合で選ばれるものである。これは回避実行手段、阻止不実行手段による動作制御が選択された場合に実行される演出表示態様としてその効果を十分に発揮することができる。つまり、特殊条件役に当選したことを特別教示演出により遊技者が知ることとなれば、特殊条件役を回避することが容易になり、また特殊契機役に当選したことを同様に遊技者が知ることができれば、特殊契機役の特典を獲得することが容易になるということである。従って、特別教示演出は遊技者にとって有益な演出表示態様ということになり、この演出が行われることを遊技者が期待しながらゲームを行うことができる。よって、遊技者の遊技意欲を維持させやすくすることができる。
特別教示演出を除く上記の演出表示態様のうち、いずれの演出が選ばれるかについては、内部抽選の当選結果に基づいてそのとき選ばれた演出が実行される。また、遊技状態に基づいていずれかの演出が選ばれるものとしてもよい。このとき実行される演出を手掛かりとして、遊技者は内部抽選の当選結果を察知することや、あるいは現在の遊技状態を推測することが可能となる。
なお、内部抽選の当選結果や遊技状態に基づかずにいずれかの演出を選択する態様としてもよい。このようにすると、実行された演出と、ゲーム結果が必ずしも合致しない場合が生じることになる。言い換えれば、「内部抽選の当選結果または現在の遊技状態に基づくことなく、あるいは異なる演出表示態様を実行させることができる」という別の構成としてもよい。ここでいう「合致」とは、内部抽選の当選結果に対応した演出、あるいは遊技状態に対応した演出が実行され、その演出が行なわれたゲームでのゲーム結果と、実行された演出の意味する内容(遊技者に示唆する内容)とが同じものであった場合のことをいう。これは、例えば、内部抽選の当選結果が再ゲーム役となり、当該ゲームでは再ゲーム役であることを告知する当選役告知演出が実行されるといったことである。
一方、上記の別構成の場合、例えば、内部抽選の当選結果が特別当選役となり、当該ゲームではハズレであることを示唆する当選役示唆演出が実行されるといったことである。また、実行された演出内容とゲーム結果が完全に否定された場合(完全に合致しない)を除けば、必ずしも完全に合致しなくてもよい。さらに上記のような合致しない演出を実行させるのは特別当選役や特殊契機役などの遊技者にとって有利さの度合いの高い当選役に限定すれば、演出内容とゲーム結果が合致しなかった場合、遊技者に特別当選役あるいは特殊契機役に当選したかもしれないという期待感を持たせることができる。
本発明の遊技機では、さらに別の構成として「遊技機の外部に向けて音色を発生させる音色発生手段をさらに備え、音色発生手段は、演出表示態様として実行される演出に基づいて、それぞれに対応した音色を発生させる」を加えてもよい。即ち、表示手段により演出が実行される場合、並行して音色発生手段からも効果音や祝福音等を発生させることができる。音色発生手段としては、スピーカやブザー、ベル(鐘、鈴)等を挙げることができる。また、実行されている演出に対応しない効果音(音色)を発生させるものとすれば、実行された演出内容に合っていない音色によって遊技者の注意を惹くことができる。なお、この音色発生手段及び前述の表示手段はともに備えた構成としてもよいし、いずれか一方を備えた構成としてもよい。このように表示手段と音色発生手段とによって視覚的にも、聴覚的にも遊技者に刺激を与えることができる。このような刺激を与えることにより遊技者が遊技意欲を維持しやすいものとすることができる。
(解決手段18)
解決手段18は、解決手段17に記載の遊技機において、前記演出表示態様決定手段が、内部抽選の当選結果が特定の当選役であっても、その当選役に対応する演出表示態様を専用的な演出として限定することなく他の当選役に対応する演出表示態様をも選択し得ることを特徴とする遊技機である。
解決手段18によれば、それぞれの演出を特定の当選役に対応するだけの専用的に固定された演出とはしない。即ち、「内部抽選の当選結果に対して、いずれの演出を実行させるかを選択的に決める」ことができる。ここでいう「選択的に決める」とは、抽選で決めることや、予め決められた順番通りに選び出していく等のことをいう。つまり、1つの演出が1つのゲーム結果に対応するのではなく、流動的に演出とゲーム結果を変えることが可能となる。従って、それぞれの演出に対応する結果が専用的な演出しかなく演出を見ただけで容易にゲーム結果が判断(あるいは予想)できてしまうといった遊技者の興趣の低下を招きづらい。
(解決手段19)
解決手段19は、解決手段17または18に記載の遊技機において、前記演出表示態様実行手段が、前記演出表示態様のいずれかを実行させることを決定した場合、その該当する前記演出表示態様を、遊技価値の投入が行われ、ゲームの開始操作を受けて、この後、遊技者による複数回の停止操作が順次受け付けられることで全ての前記可動表示体の回転が停止し、前記図柄表示部内での図柄の表示態様に基づいて1回のゲームが終了するまでの期間内で実行することを特徴とする遊技機である。
解決手段19によれば、遊技状態あるいは内部抽選の当選結果に基づいて演出表示態様のうちいずれか1つの演出が選択されて表示手段により表示されることになる。このとき実行される演出から、遊技者は現在の遊技状態を推測することや、あるいはゲーム結果と照らし合わせて内部抽選の当選結果を確認することができる。
演出表示態様のうち、当該ゲーム(今回のゲーム)で実行されることが決まった演出は、当該ゲームが開始されてから終了するまでの期間であれば、いずれのタイミングでも実行させることができる。即ち、遊技者による遊技価値の投入とゲームの開始操作が行なわれ、可動表示体が回転を開始し、この後遊技者による停止操作が受け付けられ、可動表示体が全て停止して図柄の表示態様に基づいて当該ゲームの結果が判断されるまでの任意のタイミングで演出を実行させることができるのである。従って、固定されたタイミングで演出が行われるといった単調なものではなくなり、ランダム(不規則的に)に演出が行われることとなり、遊技者の興趣の低下を招きづらくすることができる。
(解決手段20)
解決手段は20、解決手段1に記載の遊技機において、前記図柄表示部が、遊技機本体の前面側に位置することを特徴とする遊技機である。
解決手段20によれば、図柄表示部が遊技機の前面に位置されることにより、遊技者が当該遊技機に相対してゲームを進めることができる。ここで図柄表示部は、遊技者に見やすい位置であれば、当該遊技機の前面側のいずれの位置に設けることもできる。従って、遊技者がゲームを進め易い環境(例えば、長時間にわたりゲームを行う場合などに疲労を軽減できる等)を提供することができる。
(解決手段21)
解決手段21は、解決手段1から20のいずれかに記載の遊技機において、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で遊技者の始動操作を受け付ける始動操作手段と、表面に複数種類の図柄を含む環状の図柄列が形成された複数の可動表示体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記可動表示体の回転を停止させて前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を遊技機本体の前面側にて表示可能とする図柄表示部と、前記可動表示体の回転を個々に停止させるべく個々の前記可動表示体について前記停止操作を受け付ける停止操作手段と、前記始動操作手段にて前記始動操作が受け付けられると前記可動表示体の回転を開始し、前記可動表示体の回転中に前記停止操作手段にて前記停止操作が受け付けられると、前記停止操作の受け付け順に前記可動表示体を停止させる可動表示体駆動手段と、前記停止操作手段により受け付けられた順番に従って前記可動表示体を停止させる制御を行う停止制御手段と、1回のゲームにつき、前記可動表示体駆動手段により全ての前記可動表示体が停止されると、前記全ての可動表示体の停止時における図柄の組み合わせ態様に基づき、必要に応じて規定数の遊技価値を遊技者に与える遊技価値付与手段と、前記特別遊技状態制御手段により遊技状態が前記特別遊技状態に制御されると、前記通常遊技状態に比して遊技者に付与する遊技価値の付与機会を増加させる遊技価値付与機会増加手段とを更に備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段18によれば、本発明は遊技者が1回のゲームを行うのに必要な遊技価値(メダル、コイン、遊技球など)の掛け数を決めた状態で始動操作を行った後に、遊技者による停止操作が受け付けられると、その受け付け順に前述の可動表示体の回転を停止させるスロットマシンに代表される回胴式遊技機に適用することができる。スロットマシン等の回胴式遊技機では、遊技者により始動操作が行われた後、遊技者により停止操作がなされない限り、可動表示体(スロットマシン等では、リール、ドラムなどと呼ばれる)は回転を続ける。また全ての可動表示体が停止すると、図柄表示部に表示された図柄の組み合わせに基づいて、必要に応じて遊技価値が遊技者に付与される。こうして遊技者は遊技価値を掛けてから可動表示体を回転させ、そして停止させるという一連の操作を繰り返しながらゲームを進めていくこととなる。そのうえで、図柄表示部に表示された図柄の組み合わせ態様によって、例えば、前述の一般小役等であれば、該当する一般小役に対応した遊技価値の付与が行われる。また、前述の特別遊技状態であれば通常抽選確率遊技状態に比べて遊技価値の付与機会が集中して与えられることになる。このように遊技者は1回1回のゲームごとの結果に応じて遊技価値を減らしたり、増やしたりしながらゲームを進めていき、できるだけ多くの遊技価値を獲得することに喜びを見出すことになる。
(解決手段22)
解決手段22は、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で遊技者の始動操作を受け付ける始動操作手段と、表面に複数種類の図柄を含む環状の図柄列が形成された複数の可動表示体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記可動表示体の回転を停止させて前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を遊技機本体の前面側にて表示可能とする図柄表示部と、前記可動表示体の回転を個々に停止させるべく個々の前記可動表示体について前記停止操作を受け付ける停止操作手段と、前記始動操作手段にて前記始動操作が受け付けられると前記可動表示体の回転を開始し、前記可動表示体の回転中に前記停止操作手段にて前記停止操作が受け付けられると、前記停止操作の受け付け順に前記可動表示体を停止させる可動表示体駆動手段と、前記停止操作手段により受け付けられた順番に従って前記可動表示体を停止させる制御を行う停止制御手段と、1回のゲームにつき、前記可動表示体駆動手段により全ての前記可動表示体が停止されると、前記全ての可動表示体の停止時における図柄の組み合わせ態様に基づき、必要に応じて規定数の遊技価値を遊技者に与える遊技価値付与手段と、前記特別遊技状態制御手段により遊技状態が前記特別遊技状態に制御されると、前記通常遊技状態に比して遊技者に付与する遊技価値の付与機会を増加させる遊技価値付与機会増加手段と、1回のゲームごとに予め決められた複数の当選役及びハズレ役の中からいずれかを選び出す抽選を行う内部抽選手段と、前記内部抽選手段により行われる前記内部抽選に予め決められた通常の抽選確率を適用して前記内部抽選の結果を判断する通常抽選判断手段と、前記通常抽選判断手段とは別に、前記内部抽選手段により行われる前記内部抽選に前記通常の抽選確率に代えて、前記通常の抽選確率に比して抽選確率が高い特別な抽選確率を適用して前記内部抽選の結果を判断する特別抽選判断手段と、前記内部抽選手段による内部抽選で当選した当選役に対応する図柄に基づいて前記複数の可動表示体の停止を制御する可動表示体停止制御手段と、前記可動表示体停止制御手段により前記複数の可動表示体の停止制御が行われた結果、前記複数の可動表示体が停止した場合に前記図柄の表示態様として所定個数分の図柄群を表示可能とする図柄表示部と、前記図柄表示部内に表示された所定個数分の図柄群を前記複数の可動表示体にまたがって見た場合に、各々の前記可動表示体について少なくとも1つの図柄を選び出してできる組み合わせのうち、前記当選役に対応する図柄の組み合わせが表示されたときにその組み合わせを有効とする表示位置を決定する有効表示位置決定手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記有効表示位置決定手段により決定された前記有効表示位置に前記当選役に対応する図柄の組み合わせが表示されたか否かを判定する当選役図柄表示判定手段と、前記内部抽選の当選役として、一般的な通常遊技状態と比べて遊技者にとって有利さの度合いの高い特別遊技状態へ移行させる特別当選役と、前記内部抽選の当選役として、前記特別当選役とは別に当該ゲームの結果として遊技価値を与える一般小役と、前記内部抽選の当選役として、改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越される再ゲーム役と、前記内部抽選の当選役として、少なくとも1つ以上の当選役の抽選確率を前記通常の抽選確率から前記特別な抽選確率に変更させた特別抽選確率遊技状態へ移行させる特殊契機役と、前記内部抽選の当選役として、前記特別抽選確率遊技状態を終了させて前記当選役の抽選確率を前記特別な抽選確率から前記通常の抽選確率に変更させた通常抽選確率遊技状態へ移行させる特殊条件役と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記図柄表示部内に前記特別当選役に対応する図柄の組み合わせが表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、遊技価値の付与を伴わずに当該ゲームを終了させる当該ゲーム終了手段と、前記当該ゲーム終了手段により当該ゲームが終了すると、所定の条件が成立するまで前記特別遊技状態にてゲームの進行を制御する特別遊技状態制御手段と、前記特別遊技状態制御手段により前記特別遊技状態にてゲームの進行が制御されると、前記通常遊技状態に比して遊技者に付与する遊技価値の付与機会を増加させる遊技価値付与機会増加手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記図柄表示部内に前記一般小役に対応する図柄の組み合わせが表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、前記一般小役に対応する規定数の遊技価値を遊技者に付与する一般小役遊技価値付与手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記図柄表示部内に前記再ゲーム役に対応する図柄の組み合わせが表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数を持ち越して次回のゲームを実行させる再ゲーム実行手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記図柄表示部内に前記特殊契機役に対応する図柄の組み合わせが表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、遊技価値の付与を伴わずに当該ゲームを終了させる特殊ゲーム終了手段と、少なくとも1つ以上の当選役の抽選確率を前記通常の抽選確率から前記特別な抽選確率に変更させる特別抽選確率変更手段と、前記特殊ゲーム終了手段により当該ゲームが終了すると、前記特別抽選確率変更手段による前記当選役の抽選確率の変更を実行させる特別抽選確率変更実行手段と、前記特別抽選確率変更実行手段による前記当選役についての抽選確率の変更が実行されたうえでゲームの進行を制御する特別抽選確率遊技状態制御手段と、前記特別抽選確率変更手段による抽選確率の変更が行われている前記当選役についての抽選確率を前記特別な抽選確率から前記通常の抽選確率に変更させる通常抽選確率変更手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記図柄表示部内に前記特殊条件役に対応する図柄の組み合わせが表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、遊技価値の付与を伴わずに当該ゲームを終了させる特殊条件ゲーム終了手段と、前記特殊条件ゲーム終了手段により当該ゲームが終了すると、前記通常抽選確率変更手段による前記当選役の抽選確率の変更を実行させる通常抽選確率変更実行手段と、前記通常抽選確率変更実行手段による前記当選役についての抽選確率の変更が実行されたうえでゲームの進行を制御する通常抽選確率遊技状態制御手段と、前記特別抽選確率遊技状態制御手段により前記特別抽選確率遊技状態にてゲームの進行が制御されている状態で前記内部抽選の結果として前記特殊条件役が得られた場合、前記図柄表示部内に前記特殊条件役に対応する図柄の組み合わせが表示されることを回避する回避実行手段と、前記回避実行手段による前記回避が実行されたことにより、前記図柄表示部内に前記特殊条件役に対応する図柄の組み合わせが表示されていないことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、前記内部抽選の結果として前記特殊条件役が得られた場合であっても前記特別抽選確率遊技状態を継続させる特別抽選確率遊技状態継続手段と、前記特別抽選確率遊技状態制御手段により前記特別抽選確率遊技状態にてゲームの進行が制御されている状態で前記内部抽選の結果として前記特殊条件役が得られた場合、前記回避手段による前記回避を実行させずに前記図柄表示部内に前記特殊条件役に対応する図柄の組み合わせを表示させる回避不実行手段と、前記回避実行手段及び前記回避不実行手段のいずれかを選択する場合、前記回避実行手段を優先的に選択する優先選択手段と、前記優先選択手段により前記回避実行手段が優先的に選択される状態にてゲームの進行を制御する優先選択状態制御手段と、前記通常抽選確率遊技状態制御手段により前記通常抽選確率遊技状態にてゲームの進行が制御されている状態で前記内部抽選の結果として前記特殊契機役が得られた場合、前記図柄表示部内に前記特殊契機役に対応する図柄の組み合わせが表示されることを阻止する阻止実行手段と、前記阻止実行手段による前記阻止が実行されたことにより、前記図柄表示部内に前記特殊契機役に対応する図柄の組み合わせが表示されていないことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、前記内部抽選の結果として前記特殊契機役が得られた場合であっても前記通常抽選確率遊技状態を継続させる通常抽選確率遊技状態継続手段と、前記通常抽選確率遊技状態制御手段により前記通常抽選確率遊技状態にてゲームの進行が制御されている状態で前記内部抽選の結果として前記特殊契機役が得られた場合、前記阻止手段による前記阻止を実行させずに前記図柄表示部内に前記特殊契機役に対応する図柄の組み合わせを表示させることを許容する阻止不実行手段と、前記阻止実行手段及び前記阻止不実行手段のいずれかを選択する場合、前記阻止不実行手段を優先的に選択する特殊優先選択手段と、前記特殊優先選択手段により前記阻止不実行手段が優先的に選択される状態にてゲームの進行を制御する特殊優先選択状態制御手段とを具備したことを特徴とする遊技機である。
解決手段22によれば、本発明は遊技者が1回のゲームを行うのに必要な遊技価値(メダル、コイン、遊技球など)の掛け数を決めた状態で始動操作を行った後に、遊技者による停止操作が受け付けられると、その受け付け順に前述の可動表示体の回転を停止させるスロットマシンに代表される回胴式遊技機に適用することができる。スロットマシン等の回胴式遊技機では、遊技者により始動操作が行われた後、遊技者により停止操作がなされない限り、可動表示体(スロットマシン等では、リール、ドラムなどと呼ばれる)は回転を続ける。また全ての可動表示体が停止すると、図柄表示部に表示された図柄の組み合わせに基づいて、必要に応じて遊技価値が遊技者に付与される。こうして遊技者は遊技価値を掛けてから可動表示体を回転させ、そして停止させるという一連の操作を繰り返しながらゲームを進めていくこととなる。そのうえで、図柄表示部に表示された図柄の組み合わせ態様によって、例えば、前述の一般小役等であれば、該当する一般小役に対応した遊技価値の付与が行われる。また、前述の特別遊技状態であれば通常抽選確率遊技状態に比べて遊技価値の付与機会が集中して与えられることになる。このように遊技者は1回1回のゲームごとの結果に応じて遊技価値を減らしたり、増やしたりしながらゲームを進めていき、できるだけ多くの遊技価値を獲得することに喜びを見出すことになる。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の開始操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する制御装置(制御基板)にて行われる。内部抽選手段の行う内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、その中から1回のゲームごとに乱数を1つ取得すると、この取得した1つの乱数の値を予め決められた当たり値と比較することで抽選結果を判断するものが挙げられる。
内部抽選では複数種類の当選結果とそれぞれの当選結果に対応する当選役が予め決められている。これらの当選役は、種類別に乱数の当たり値が割り当てられている。当たり値には当選役ごとに幅(数値範囲)が設けられており、取得された乱数の値がいずれかの当たり値の範囲内にあれば、その当たり値に対応する当選役に当選したと判断される。このような内部抽選の仕組みでは、全乱数値(所定の数値範囲内)に占める当たり値の数の割合から当選役の当選確率が算出される。
通常の遊技状態においては、当選役別に予め決められた所定の抽選確率(通常の抽選確率)にしたがい、通常抽選判断手段により内部抽選でいずれかの当選役が得られたかが判断される。ここでいう「通常の遊技状態」とは、いわゆる一般的な通常遊技状態(通常抽選確率遊技状態)のことを指し、特定の当選役について有利な条件が設けられたり、あるいは特定の当選役について不利な条件が設けられたりしていない、フラットな状態のことをいう。つまり、通常遊技状態とは、遊技者に特別に有利となる特典を与えたり、反対に不利となる特典を与えたりすることのない遊技状態のことである。よって、通常の抽選確率は通常遊技状態で行われる内部抽選の当選結果を判断する抽選確率ということになる。
また、特定の当選役についてその抽選確率が、上記の通常の抽選確率と比べて高い特別な抽選確率を通常の抽選確率とは別に設けている。特定の当選役についての抽選確率に特別な抽選確率が適用されている場合は、特別抽選判断手段により内部抽選でいずれかの当選役が得られたかが判断される。この特別抽選判断手段により内部抽選の当選結果が判断される遊技状態を、通常遊技状態(通常抽選確率遊技状態)と区別するために「特別抽選確率遊技状態」と呼ぶ。「特別抽選確率遊技状態」では、特定の当選役の抽選確率が通常の抽選確率に比べて高い抽選確率となるため、特定の当選役については有利な条件が設けられていることになる。つまり、「内部抽選で特定の当選役に当選しやすい状態にある」ということである。また、特定の当選役に当選しやすい状態とは、特定の当選役の当たり値の範囲(幅)が通常の抽選確率における特定の当選役の当たり値の範囲(幅)に比べて広くなっているということでもある。
1回のゲームで行われた内部抽選の当選結果は、少なくとも当該ゲームでは維持されている。当選役のなかには、当該ゲーム限りで結果が破棄されるものもあれば、次回以降のゲームまで持ち越されるものもある。
上記の当選役には、遊技価値の付与を伴う一般小役と、通常遊技状態と比べて遊技者にとって有利さの度合いの高い特別遊技状態に移行させる契機となる特別当選役、改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲーム(今回のゲーム)の掛け数が次回のゲームに持ち越される再ゲーム役とが含まれている。これらの当選役にはそれぞれ対応する図柄が予め決められており、以下では、この当選役に対応する図柄のことを、当選役図柄と呼ぶ。
また、当選役のなかには上記の当選役とは別に、少なくとも1つの当選役についての抽選確率に前述の特別な抽選確率を適用させた特別抽選確率遊技状態へ移行させる契機となる特殊契機役、特別抽選確率遊技状態を終了させる契機となる特殊条件役もある。
図柄は、遊技者が視覚によって個々を識別することができる絵、記号、マーク、飾り文字等を意味する。これらの図柄は遊技者が本発明の遊技機でゲームをする際の目印(可動表示体を停止させる際の目安)とすることができる。この図柄のなかには、上記の当選役図柄や、当選役図柄に該当しない図柄(ハズレ図柄)を含むことができる。これらの図柄はそれぞれの可動表示体に所定個数分が付されている。遊技者により全ての可動表示体の停止操作が受け付けられると、そのときの内部抽選の当選結果に基づいて各可動表示体の停止制御が行われる。
図柄表示部は、各可動表示体の図柄を所定個数分の図柄群として表示することが可能となっており、遊技者は可動表示体の回転中は回転している図柄群を、あるいは可動表示体の停止時には所定個数分の図柄群を図柄表示部内に視認することができる。そして、最終的に全ての可動表示体が停止すると可動表示体ごと図柄表示部内に停止した図柄からなる図柄群が形成される。この図柄表示部内に表示された図柄群からなる態様が最終的な図柄の表示態様となる。
また、上記の所定個数分の図柄数を増減させることにより、図柄表示部内に表示される図柄の総個数を増減させることもできる。つまり、図柄表示部内に表示される図柄の最大個数は、「所定個数×可動表示体の数」として表すことができ、所定個数をNとした場合、Nの値が大きくなればなるほど図柄表示部内に表示される図柄の最大個数が増えることになる。また、可動表示体の数を増やせば、その分だけ図柄表示部内に表示される図柄最大個数も増えることになる。従って、図柄表示部内で表示される図柄の表示態様のバリエーションを増やし、内部抽選の当選結果が同一のものであったとしても、異なる図柄の表示態様を多数表示することができるため、単調な(あるいはバリエーションの少ない)図柄の表示態様で遊技者を飽きさせることがない。
また、各可動表示体の停止により図柄表示部内に表示される図柄群のうち、それぞれの可動表示体から少なくとも1つずつ図柄を選び出したときにできる全ての可動表示体にまたがった図柄の組み合わせのうち、有効となる表示位置が決められる。ここでいう「有効となる表示位置」とは、全ての可動表示体の停止時に特定の当選役に対応する図柄の組み合わせが表示された場合に、特定の当選役に対応する特典を付与させることのできる図柄表示部内での表示位置のことをいう。つまり、内部抽選の抽選結果として得られた当選役に対応する当選役図柄の組み合わせが図柄表示部内の「有効となる表示位置」に表示されて初めてその当選役に対応した特典を得ることができることになる。
「有効となる表示位置」は、図柄表示部内での並び、組み合わせ等を意味し、一般的には複数の可動表示体にまたがる水平または斜めの並び(直線型となる形)の組み合わせのことをいう。直線型以外の形の組み合わせとしては、への字型、V字型、折れ曲がり型、ジグザグ型となる形が組み合わせとして挙げられる。これらの組み合わせのうち、複数種類が同時に有効となる態様とすることもできる。つまり、直線型及びV字型のいずれかの有効となる表示位置に特定の当選役に対応する図柄が停止すれば特定の当選役に対応する特典を付与することができることになる。
また、遊技価値の掛け数に応じて有効となる表示位置を変更させることもできる。即ち、「1回のゲームごとに掛けられた遊技価値の掛け数に応じて図柄表示部内の有効となる表示位置を変更させる」ということである。これにより、例えば遊技価値の掛け数を増やせば、図柄表示部内で有効となる表示位置を増やしたり、あるいは遊技価値の掛け数を減らせば、図柄表示部内で有効となる表示位置を減らしたりすることができる。従って、遊技価値の掛け数をできる限り多くしてゲームを行えば、いずれかの当選役に当選している場合、それだけ該当する当選役図柄が有効となる表示位置に表示される可能性が高くなる(表示させやすくなる)。
更に、有効となる表示位置を各可動表示体から複数個の図柄を選び出してできる組み合わせとすることもできる。これは例えば、図柄表示部内に表示されている各可動表示体からそれぞれ2個の図柄を抜き出して構成される組み合わせや、1つの可動表示体は3個の図柄を抜き出して、その他の可動表示体からは1個の図柄を抜き出して構成される組み合わせ、あるいは、各々の可動表示体から2個、2個、1個と図柄を抜き出して構成される組み合わせ等、少なくとも1つの可動表示体からは複数個の図柄を抜き出して構成された組み合わせとすることである。このような組み合わせは、各可動表示体から少なくとも1個の図柄を選び出して構成される組み合わせと比べると、どの組み合わせが有効になったかを遊技者が視認しづらいものとなる。
全ての可動表示体が停止すると、図柄表示部内の有効な表示位置にいずれかの当選役に対応する当選役図柄の組み合わせが表示されたか否かが当選役図柄表示判定手段によって判定される。ここで、当選役図柄の組み合わせとしては、全て同種類の当選役図柄の組み合わせや、全て異なる種類の当選役図柄の組み合わせ、少なくとも1組は同種類の当選役図柄を含んだ複数の異なる種類の当選役図柄の組み合わせ等が挙げられる。また、少なくとも1つの当選役図柄を含んだ組み合わせであれば、その他の図柄に関係なく当選役図柄の組み合わせとなるものを挙げることもできる。これらの当選図柄の組み合わせが図柄表示部内の有効となる表示位置に表示されたと判定されると、その当選役に対応した特典が付与されることとなる。
図柄表示部内の有効となる表示位置に特別当選役に対応する特別当選役図柄からなる組み合わせが表示されると、遊技状態が特別遊技状態へ移行されることになる。この特別遊技状態では遊技者にとって有利な特典が付与される。ここで、特別遊技状態にて遊技者に付与される特典としては、大量の遊技価値を獲得させる機会の付与や、遊技価値を消費することなくゲームを進行させる機会の付与等が挙げられる。特に本発明の遊技機では、特別遊技状態では通常遊技状態に比して遊技価値の付与機会を増加させることができるため、特別遊技状態は、通常遊技状態に比べて遊技者にとっての有利さの度合いの高い遊技状態ということになる。従って、いかに多く特別当選役に当選することができるかという点が本発明の遊技機で遊技者が最も興味を抱くところとなる。
また、特別遊技状態は、所定の条件が成立すると終了することになる。ここでいう所定の条件としては、予め決められた回数のゲーム数に達した場合や、予め決められた時間が経過した場合等が挙げられる。なお、前述の特殊条件役のように特別遊技状態を終了させる契機となる当選役を設けて、この当選役に当選した場合を所定の条件としてもよい。
特別当選役図柄からなる組み合わせが表示された場合、そのゲーム結果としては遊技価値の付与を伴わず当該ゲーム(今回のゲーム)は終了することとなる。つまり、特別当選役図柄の組み合わせが表示された当該ゲームでは遊技価値の付与は行われない。そして、次回のゲーム開始時から特別遊技状態の特典が付与されることとなる。これにより、当該ゲームで遊技価値の付与等に取られる時間が短縮され、遊技者に速やかに特別遊技状態の特典を付与する(速やかに次回のゲームを開始させる)ことができる。
なお、別の構成として、「特別当選役図柄からなる組み合わせが表示された場合に、そのゲーム結果として遊技価値の付与を伴わせる」とすることもできる。この場合、特別当選役に対応して付与される規定数の遊技価値を決めておくことで、遊技者が遊技価値を獲得したうえで、更に次回のゲームから特別遊技状態での特典を得ることができる。
特別当選役図柄からなる組み合わせとして、少なくとも1つ以上の特別当選役図柄が含まれている組み合わせを含めることもできる。即ち、図柄表示部内で有効となる表示位置に1つの特別当選役図柄が表示されれば、特別当選役に対応する特典が付与されることになる。従って、遊技者の停止操作の時機がずれることにより、いつまでも特別当選役図柄を図柄表示部内の有効となる表示位置に停止させることができないという事態が回避され、これにより、遊技者が特別当選役図柄を表示させるまでに消費する遊技価値の量を軽減させることができる。
図柄表示部内の有効となる表示位置に一般小役に対応する一般小役図柄からなる組み合わせが表示されると、一般小役に対応する特典として規定数の遊技価値が遊技者に付与されることになる。従って、一般小役に当選することが増えれば、それだけ遊技価値を増加させることも可能となるので、遊技価値を一方的に減らしてしまうといったことを軽減することができる。
また、一般小役は複数の種類を設けるものとしてもよい。このとき設けたそれぞれの一般小役ごとに対応する当選役図柄も別々に設けたり、それぞれの一般小役ごとに応じて付与される遊技価値の規定数を異ならせたりすることにより、複数の一般小役に価値の差をつけたり、一般小役図柄の種類を増やすことができる。このように一般小役の種類を増やすと、全ての当選役の種類も増えることとなる。従って、様々な当選役に当選する可能性が増えるので、遊技者を飽きさせてしまうといった事態を極力減少させることができる。
一般小役図柄からなる組み合わせについても、前述した特別当選役図柄の組み合わせと同様に、少なくとも1つ以上の一般小役図柄が含まれていればよいものとすることもできる。即ち、少なくとも1つの可動表示体についてだけ一般小役図柄が有効となる表示位置に表示されれば一般小役に対応する特典を得ることが得られることになる。従って、遊技者の停止操作の時機がずれたとしても、一般小役図柄を図柄表示部内の有効となる表示位置に停止させることができることとなり、遊技者の技量により生じる格差(いわゆる技術介入度)を極力抑えることができる。
図柄表示部内の有効となる表示位置に再ゲーム役に対応する再ゲーム役図柄からなる組み合わせが表示されると、再ゲーム役に対応する特典として、遊技状態が再ゲーム状態へ移行されることになる。この再ゲーム状態とは、遊技者が改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲーム(今回のゲーム)の掛け数を持ち越して次回のゲームを実行させることができる状態のことをいう。つまり、再ゲーム役図柄からなる組み合わせが表示された場合、遊技者は遊技価値を新たに消費せずに1回分のゲームを行うことができることになる。従って、再ゲーム役に当選することが多くなれば、その分だけ遊技価値の消費を抑えることができ、遊技者が単位時間当たりに消費する遊技価値の量をある程度一定の範囲内に抑えることが可能となる。
再ゲーム役図柄からなる組み合わせについても、前述した特別当選役図柄の組み合わせと同様、少なくとも1つ以上の再ゲーム役図柄が含まれていればよいもとすることもできる。即ち、少なくとも1つの可動表示体についてだけ再ゲーム役図柄を表示させれば再ゲーム役の特典が得られることになる。従って、遊技者の停止操作の時機がずれたとしても、再ゲーム役図柄を図柄表示部内の有効となる表示位置に停止させることができることとなり、遊技者の技量により生じる格差(いわゆる技術介入度)を極力抑えることができる。特に再ゲーム役については、遊技者が一方的に遊技価値を消費する事態を緩和させる当選役としての役割を持たせることができるので、内部抽選で再ゲーム役に当選となった場合には、遊技者の熟練度や技量に関わらず再ゲーム役図柄の組み合わせが表示されるものとすることが望ましい。これにより、遊技者が少なくとも再ゲーム役に対応する特典を平等に得ることが可能となる。
図柄表示部内の有効となる表示位置に特殊契機役に対応する特殊契機役図柄からなる組み合わせが表示されると、遊技価値の付与は行われずに当該ゲーム(今回のゲーム)が終了することとなる。つまり、特殊契機役図柄の組み合わせが表示された当該ゲームでは遊技価値の付与は行われない。そして、次回のゲーム開始時から特殊契機役に対応する特典として特別抽選確率遊技状態が開始されることとなる。これにより、当該ゲームで遊技価値の付与等に取られる時間が短縮され、速やかに特別抽選確率遊技状態でのゲームを開始させることができる。
特殊契機役図柄からなる組み合わせについても、前述の各当選役図柄と同様に少なくとも1つ以上の特殊契機役図柄が含まれている組み合わせを含めることもできる。即ち、図柄表示部内で有効となる表示位置に1つの特殊契機役図柄が表示されれば、特殊契機役に対応する特典が付与されることになる。従って、遊技者の停止操作の時機がずれることにより、いつまでも特殊契機役図柄を図柄表示部内の有効となる表示位置に停止させることができないという事態が回避され、これにより、遊技者が特殊契機役図柄を表示させるまでに消費する遊技価値の量を軽減させることができる。
本発明の遊技機では、特定の条件が成立すると、少なくとも1つの当選役についての抽選確率を変更させることができる。ここでいう抽選確率の変更とは、通常の抽選確率から特別な抽選確率に変更させることをいう。つまり、抽選確率が通常の抽選確率から特別な抽選確率に変更されるということにより、少なくとも1つの当選役については当選し易い状態となることを意味する。ここで、少なくとも1つの当選役としては、特別当選役をはじめとする複数の当選役の中からいずれかを選ぶことができる。言い換えれば、「少なくとも1つの当選役としていずれの当選役をも選択しうる」ということである。上記の特定の条件としては、特別遊技状態の終了後や、特殊ゲーム終了手段による当該ゲームの終了後を挙げることができる。
一方、本発明の遊技機では、上記の特定の条件とは別の所定の条件が成立すると、特別な抽選確率に変更されている少なくとも1つの当選役についての抽選確率を変更させることができる。ここでいう抽選確率の変更とは、特別な抽選確率から通常の抽選確率に変更させることをいう。つまり、特別抽選確率遊技状態から通常抽選確率遊技状態への移行(または転落)ということである。また、上記の所定の条件は、後述する特殊条件ゲーム手段による当該ゲームの終了後とするが、さらに所定のゲーム回数終了後や、所定時間経過後を加えることもできる。
特殊ゲーム終了手段によって当該ゲーム(今回のゲーム)が終了すると、次回のゲームから当選役のうち少なくとも1つの当選役についての抽選確率が特別な抽選確率に変更されたゲームが開始される(特別抽選確率遊技状態に遊技状態が移行する)。即ち、特殊契機役図柄からなる組み合わせが表示された場合、次に開始されるゲームからは、少なくとも1つの当選役については必ず特別な抽選確率で内部抽選が実行されることになる。従って、特別抽選確率遊技状態は通常抽選確率遊技状態に比べて当選しやすい当選役がある分だけ、遊技者にとって有利さの度合いが高い遊技状態であるといえる。
図柄表示部内の有効となる表示位置に特殊条件役に対応する特殊条件役図柄からなる組み合わせが表示されると、遊技価値の付与は行われずに当該ゲーム(今回のゲーム)が終了することとなる。つまり、特殊条件役図柄の組み合わせが表示された当該ゲームでは遊技価値の付与は行われない。そして、次回のゲーム開始時から特殊条件役に対応する特典として特別抽選確率遊技状態が終了し通常抽選確率遊技状態が開始されることとなる。これにより、当該ゲームで遊技価値の付与等に要する時間が短縮され、遊技者に速やかに特別抽選確率遊技状態でのゲームを終了させて通常抽選確率遊技状態でのゲームを開始させることができる。
特殊条件役図柄からなる組み合わせについても、前述の各当選役図柄と同様に少なくとも1つ以上の特殊条件役図柄が含まれている組み合わせを含めることもできる。即ち、図柄表示部内で有効となる表示位置に1つの特殊条件役図柄が表示されれば、特殊条件役に対応する特典が付与されることになる。従って、遊技者の停止操作の時機がずれることにより、いつまでも特殊条件役図柄を図柄表示部内の有効となる表示位置に停止させることができないという事態が回避され、これにより、遊技者が特殊条件役図柄を表示させるまでに消費する遊技価値の量を軽減させることができる。
特殊条件ゲーム終了手段によって当該ゲーム(今回のゲーム)が終了すると、次回のゲームから通常抽選確率遊技状態から開始されることになる。つまり、特別抽選確率遊技状態は終了となる。従って、特殊条件ゲーム終了手段は、遊技者にとって有利さの度合いが高い遊技状態から有利さの度合いの低い遊技状態へ遊技状態を移行させる契機ということになる。
特別抽選確率遊技状態で特殊条件役に当選しても、図柄表示部内の有効となる表示位置に特殊条件役図柄からなる組み合わせが表示されなければ特殊条件ゲーム終了手段を契機として特別抽選確率遊技状態から通常抽選確率遊技状態への移行(転落)は行われない。つまり、特別抽選確率遊技状態からの転落を回避できるということである。このような回避手段としては、例えば、可動表示体の停止操作(停止操作の順番、停止操作の間隔等)を変える動作制御を行ったり、内部抽選の結果が特殊条件役となったことを教示(報知、告知、示唆等)する動作制御を行ったり、遊技者に特殊条件役図柄からなる組み合わせを図柄表示部内に表示させない(回避が可能な)停止操作を促すことなどを挙げることができる。このように、特殊条件役図柄からなる組み合わせが図柄表示部内に表示されなかった場合、特別抽選確率遊技状態から通常抽選確率遊技状態に転落することなくそのまま特別抽選確率遊技状態が継続されていくことになる。
一方、特別抽選確率遊技状態で特殊条件役に当選し、なおかつ、図柄表示部内の有効となる表示位置に特殊条件役図柄からなる組み合わせが表示されると、特殊条件ゲーム終了手段を契機として特別抽選確率遊技状態から通常抽選確率遊技状態への移行(転落)が行われる。つまり、特別抽選確率遊技状態からの転落が回避されないということである。このような回避不実行手段は、上記の回避実行手段による回避とは反対の動作制御(例えば特殊条件役に当選したことを教示しないなど)を行うものなどがある。さらに回避不実行手段による動作制御が行われる場合、特殊条件役図柄からなる組み合わせを図柄表示部内に必ず表示されることになる。
上記の回避実行手段を選択するか、回避不実行手段を選択するかに当たり、いずれをも均等に選択するのではなく回避実行手段を優先的に選択する優先選択手段をさらに設ける。ここでいう「優先的に選択する」とは、例えば、回避実行手段を選択する割合(または確率)を、回避不実行手段を選択する割合(または確率)に比べて優遇する(高くする)ことなどである。なお、回避実行手段を優先して選択する態様であれば、必ず選択する態様であってもよい。
また優先選択手段により回避実行手段が選択されやすい遊技状態(優先選択遊技状態)が、前述の特別抽選確率遊技状態と重なれば(つまり、特別抽選確率遊技状態であり、なおかつ、優先選択遊技状態でもある)、特殊条件役が回避されやすい遊技状態であることになる。従って、特別抽選確率遊技状態にもさらに有利さの度合いの高い遊技状態と有利さの度合いの低い遊技状態を作り出すことができる。また、このように特別抽選確率遊技状態に移行しても転落の可能性の低い遊技状態を設けることにより、遊技者は少なくともこの期間(この遊技状態のあいだ)は特別抽選確率遊技状態からの転落をあまり心配せずにゲームを行うことができる。従って、遊技者が遊技意欲を維持し続けやすくすることができる。
通常抽選確率遊技状態で特殊契機役に当選しても、図柄表示部内の有効となる表示位置に特殊契機役図柄からなる組み合わせが表示されなければ特殊ゲーム終了手段を契機として通常抽選確率遊技状態から特別抽選確率遊技状態への移行(つまり昇格)は行われない。つまり、通常抽選確率遊技状態からの昇格が阻止されてしまう(回避されてしまう)ということである。このような阻止実行手段としては、例えば、可動表示体の停止操作(停止操作の順番、停止操作の間隔等)を変える動作制御を行わせたり、内部抽選の結果が特殊契機役であることを遊技者に全く教示(報知、告知、示唆等)せずに結果として特殊契機役図柄からなる組み合わせを表示させることなく当該ゲームを終了させたりするものがある。このようにして特殊契機役図柄からなる組み合わせが図柄表示部内に表示されなかった場合、特別抽選確率遊技状態に移行(昇格することなく)通常抽選確率遊技状態がそのまま継続されていくことになる。
一方、通常抽選確率遊技状態で特殊契機役に当選し、なおかつ、図柄表示部内の有効となる表示位置に特殊契機役図柄からなる組み合わせが表示されると、特殊ゲーム終了手段を契機として通常抽選確率遊技状態から特別抽選確率遊技状態への移行(昇格)が行われる。つまり、通常抽選確率遊技状態からの昇格が阻止されないということである。このような阻止不実行手段は、上記の阻止実行手段による阻止を行う動作制御を行わないものとすればよい(あるいは、阻止実行手段により実行させる動作と反対の動作を行う)。例えば、特殊契機役に当選したことを遊技者に教示することなどである。また、阻止不実行手段による動作制御が行われる場合、特殊契機役図柄からなる組み合わせを図柄表示部内に表示させることが許容されるが必ず表示されるものではない(遊技者による停止操作の時機がずれると表示させることができない)。従って、遊技者は阻止不実行手段による教示等の動作制御により特殊契機役図柄の組み合わせを表示させることが許容されていることを知ると、特殊契機役図柄の組み合わせを表示させるための的確な停止操作をしようと試みることになる(時機がずれないように正確な停止操作をする)。
上記の阻止実行手段を選択するか、阻止不実行手段を選択するかに当たり、いずれをも均等に選択するのではなく阻止不実行手段を優先的に選択する特殊優先選択手段をさらに設ける。ここでいう「優先的に選択する」とは、例えば、阻止不実行手段を選択する割合(または確率)を、阻止実行手段を選択する割合(または確率)に比べて優遇する(高くする)ことをいう。なお、阻止不実行手段を優先して選択する態様であれば、必ず選択する態様であってもよい。
また特殊優先選択手段により阻止不実行手段が選択されやすい遊技状態(特殊優先選択遊技状態)が、前述の通常抽選確率遊技状態と重なれば(つまり、通常抽選確率遊技状態であり、なおかつ、特殊優先選択遊技状態でもある)、特殊契機役の特典を獲得しやすい(特殊契機役に当選したことが教示されるなど)遊技状態であることになる。従って、遊技者が特殊契機役を逃してしまう可能性が低いものとなり、通常抽選確率遊技状態から特別抽選確率遊技状態に昇格することに大いに期待を持つことができる。このような期待を持たせることにより、遊技者の遊技意欲を維持し続けやすいものとすることができる。
以上の内容から、本発明の遊技機では、特殊契機役を契機として、あるいは特別遊技状態の終了後から特別抽選確率遊技状態に移行することとなるが、これを途中で終了させる特殊条件役を設けて特別抽選確率遊技状態がいつまで継続するか分からないものとすることができる。
さらに、回避実行手段が選択されやすい遊技状態を設けることにより、特別抽選確率遊技状態をより長いあいだ(長い期間、長いゲーム回数)継続させる可能性を高めることができる。従って、このような期間では遊技者が、特別抽選確率遊技状態が終了してしまうといった心配をほとんどせずにゲームを行うことが可能となるので、遊技意欲を維持しやすい。
また、阻止不実行手段が選択されやすい遊技状態(特殊優先選択遊技状態)を設けることにより、通常抽選確率遊技状態が長い期間(長いゲーム回数)続くような場合であっても、特殊優先選択遊技状態に移行すれば、遊技者は特別抽選確率遊技状態になる(移行する)ことを大いに期待できるので、遊技者は遊技意欲を維持しやすい。
本発明により、遊技者の遊技意欲を維持し続けやすいものとすることができる。
以下、本発明を回胴式遊技機に適用した一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
(一実施形態の概要)
図1は、一実施形態の回胴式遊技機であるスロットマシン1を示している。図1のスロットマシン1は、遊技媒体として例えばメダル、コイン等を用いるタイプのものである。なお、その他にも回胴式遊技機には遊技球を用いるタイプのものもあり、こちらのタイプも実施形態として好適である。また本発明の実施にあたり、いずれのタイプを適用しても本質的な差違は生じない。
スロットマシン1は遊技者に相対する前面に前面扉4を有しており、この前面扉4の奥に箱型の本体部分2を有する。本体部分2の左側壁の内面と前面扉4の左側端部の背面とは上下2つの蝶番(図示しない)を介して相互に連結されている。この蝶番を軸として、前面扉4はその右側端に位置する鍵穴48にスロットマシン1専用の鍵を入れて時計回りに回すことで、片開き形式に手前に開閉することができ、前面扉4が閉じた状態で、蝶番は前面扉4の背後に隠れるようにして本体部分2の内側に収容される。
また前面扉4は、上半分の部分に液晶表示部58を有するほか、この液晶表示部58の下方に平坦な透明板(遊技パネル)6を有している。前面扉4の下半分の部分は遊技パネル6から前方に突き出するように形成されており、この突出部にはメダル投入口26やベットボタン12,14,16(掛け数決定手段)、始動レバー18(始動操作手段)、左、中、右の各停止ボタン20,22,24(停止操作手段)等が遊技パネル6の下縁に沿って配設されている。その他、前面扉4の下半分には貯留精算ボタン46及び化粧板50が配設されており、更に化粧板50の下には受け皿54が設けられている。
液晶表示部58は、遊技の進行に伴う演出としての映像や後述するボーナスゲームでの獲得メダル枚数等を表示させることで遊技者がゲームを進行することを補助する役割をしている。液晶表示部58は、表示手段の一つに相当し、各種演出表示態様を表示させるものである。なお、液晶表示部58に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)、ドットLEDを用いることもできる。
遊技パネル6には、その略中央の位置に矩形の表示窓8(図柄表示部)が形成されており、この表示窓8を通してスロットマシン1に内設された可変回転体10a,10b,10cを透視することができる。また遊技パネル6には、表示窓8の周囲を取り巻くようにして表示領域38,40や表示部30,32,34等が形成されている。正面から見て表示窓8の右側に位置する表示領域40には、各種文字情報や図柄情報が付されており、反対の左側に位置する表示領域38にはベットランプ42及びボーナス告知ランプ44等の点灯表示部が配列されている。
また遊技パネル6には、表示領域38の下側に位置するスタートランプ28の他、クレジット枚数表示部30、ゲーム数表示部32、払い出し枚数表示部34及びメダルインランプ36がそれぞれ設けられている。上記の各ランプ、各表示部は表示手段の一つとして各種演出表示態様を実行することも可能である。
上記のスタートランプ28及びメダルインランプ36、ベットランプ42及びボーナス告知ランプ44は遊技パネル6の背後の図示しないランプユニットのことである。これらのランプが発光すると、遊技パネル6を透過してその発光態様が視認できるものとなっている。また、クレジット枚数表示部30、ゲーム数表示部32、払い出し枚数表示部34は7セグメント表示により数字の表示が可能となっている。
メダルインランプ36は、遊技者が遊技を開始する前に点滅(または点灯)し、遊技者にメダル投入口26へメダルの投入を促す役割をしている。
ベットランプ(有効ラインランプ)42は、遊技者によりメダル投入口26より投入されたメダルの枚数に対応して1ベット、2ベット、3ベット(それぞれ1枚掛け、2枚掛け、3枚掛けともいう)に対応したランプを点灯表示させて遊技者に掛け数を知らせる役割をしている(図中のベットランプ42の1は1ベット、2は2ベット、3は3ベットにそれぞれ対応している)。なおベットボタン12,14,16(以下では、必要に応じてベットボタン12,14,16をそれぞれ1ベットボタン、2ベットボタン、MAXベットボタンと呼ぶ)の押下操作はそれぞれ1枚掛け、2枚掛け、3枚掛けに対応している。特に3枚掛けについては1回のゲームでの最大掛け数となることからMAXベットと呼ぶ。
スタートランプ28は、始動レバー18の操作が有効になった場合に点灯(または点滅)し、遊技者にゲームのスタートを促す役割をしている。また払出枚数表示部34は、メダルの払い出しを伴う当選役が図柄の組み合わせとして表示された場合にその払出枚数を表示するほか、スロットマシン1に発生した各種の異常、遊技の進行に起因して発生した異常を表示するエラー表示器としても機能する。以下では必要に応じて払出枚数表示部34をエラー表示部34ともいう。
クレジット枚数表示部30は、最大掛け数(例えば3ベット)を超えるメダルの貯留がある場合に貯留されている枚数として遊技者に貯留枚数を知らせる役割をしている。クレジット枚数表示部30の表示は、貯留精算ボタン46を1回操作することで貯留が解除され、メダルの貯留(クレジット)の精算を行うことも可能である。
クレジットは最大で50まで貯留することができる。クレジットに貯留された枚数から、次回ゲームへのベット数を、ベットボタン12,14,16を操作することにより選択することができる。クレジットからベットされた場合、ベットされた数だけクレジットとして貯留された枚数から減算されていく。なおメダルの払い出しに伴い、最大クレジット数を超えた場合のメダルは払出口52を通じて受け皿54に払い出される。
ボーナスフラグ告知ランプ44は、遊技者に後述するボーナス等に当選したことを知らせる役割をしている。ボーナスフラグ告知ランプ44も表示手段に相当する。
ゲーム数表示部32は、後述するボーナスゲームでのメダルの払い出しが集中して行われる特典の回数等の状況を表示させて、遊技者にボーナスゲームをスムーズに進行させる役割をしている。
図1では特に描かれていないが、化粧板50にはスロットマシン1の機種名称やイラストなどが描かれている。化粧板50は、背後に図示しないランプユニットを備えており、このランプの発光により化粧板50を透過して化粧板50のイラスト等をより目立たせて遊技者にアピールすることができる。
鍵穴48は、スロットマシン1専用の鍵(以下では専用鍵と呼称する)を入れて左右にそれぞれ約45度回す(捻る)ことが可能となっている。専用鍵を右回りに回すことで前面扉4の施錠を解錠することができ、また専用鍵を左回りに回すことでスロットマシン1の遊技が中断した状態を遊技再開が可能な状態に戻す(エラーを解除してリセットする)ことができる。なお、このリセットする操作については、後述するリセットスイッチ74を押下することでも同様の処理ができる。
払出口52の左右には2個のスピーカ56が設けられており、これらスピーカ56からは遊技の進行に伴う効果音やBGM、音声等が出力される。
その他、液晶表示部58の左右にランプ64及びスロットマシン1の外周に沿ってランプ60,62,66が配置されており、これらランプ60,62,64,66は遊技状態に応じた発光装飾による演出を実施することができる。これらランプ60,62,64,66も表示手段の一つとして発光等の演出による各種演出表示態様を実行することが可能である。
図1中に破線で示される5本の有効ライン68a,68b,68cは、表示窓8内に表示される図柄の配列を1つの組み合わせとして見るための方向を規定したものであり、それぞれ1枚掛け、2枚掛け、3枚掛けのベット数に対応して有効化されるライン(一直線)となっている。具体的には、1枚掛けの遊技では中段位置にある水平な有効ライン68aが1本だけ有効化され、2枚掛けになると、これに加えて上段と下段の位置にある2本の水平な有効ライン68bが有効化されて都合3本となる。そして3枚掛けの遊技では、更に斜めの有効ライン68cが2本とも有効化され、合計5本の有効ライン68a,68b,68cのすべてが有効となる。いずれにしても、そのときの掛け数に応じて有効化されているライン68a〜68cに沿って並んだ図柄の配列を1つの組み合わせとしてみることができる。
図2はスロットマシン1の本体部分2の内部構造を示している。この図2では前面扉4を取り外した状態が示されている。本体部分2の上半分の部分には、前述の可変回転体10a,10b,10cを有する可変図柄表示装置10が設置されている。本体部分2の内面には、可変図柄表示装置の周囲をサブ制御基板94、メイン制御基板92、外部端子板96が取り囲むように取り付けられている。また本体部分2の下半分の部分(つまり可変図柄表示装置10の下方)には、左側の内壁面に沿って電源ユニット70が設置されているほか、本体部分2の底の略中央位置にホッパ装置(ホッパユニット)134が設置されており、このホッパ装置134の右脇の位置には遊技メダル補助収納庫84が設置されている。
ここで本実施形態のスロットマシン1は、機械的な可変図柄表示装置(回転装置)が3つの可変回転体から構成されている。これら3つの可変回転体は同形状であり、いずれも筒型の骨組みに複数種の図柄(ベル、スイカ、チェリー等)が印刷された透光性を有する図柄帯が張られたことにより筒状の形態を成している。この筒状の形態を成した可変回転体はスロットマシン等の遊技機においてはリール、またはドラムと呼ばれている(以下ではこの可変回転体をリールとして統一する)。このリールは、回転させたり停止させたりしても、周方向でみてリールに付された帯状の図柄列の配置関係を常に保持している。
各々のリール10a,10b,10cにはステッピングモータからなるリール駆動モータ88a,88b,88c(可動表示体駆動手段)がそれぞれ設けられている。このため各リール10a,10b,10cは独立して回転、停止することができ、その回転時には表示窓8にて複数種類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。また各リール10a,10b,10cの回転軸は水平方向に延びる同一軸線上に配設されている。各リール10a,10b,10cには表示窓8から視認される位置に移動した図柄をリールの内周側から照らすためのリール内ランプ90a,90b,90cが設けられており、表示窓8より視認可能なリールの上段部分、中段部分、下段部分を各リール10a,10b,10cそれぞれ独立して点灯させることが可能に構成されている。これら各リール10a,10b,10cは、前面扉4を閉めることで外側から直接触れることができなくなる。この各リール10a,10b,10c、リール駆動モータ88a,88b,88c、リール内ランプ90a,90b,90c、後述するリール位置センサを含めてリール装置10(またはリールユニット)と総称する。なお以下では必要に応じて、リール10aを左リール10a、リール10bを中リール10b、リール10cを右リール10cと呼称する。
メイン制御基板92は、スロットマシン1の遊技の進行を行うための中枢機器であり、このメイン制御基板92は、メダルの投入や払い出し等、リール装置10の回転と停止等、更に各ランプ(スタートランプ28,メダルインランプ36,ベットランプ42,ボーナスフラグ告知ランプ44)及び各表示部(クレジット枚数表示部30,ゲーム数表示部32,払出し枚数表示部34)による表示等の遊技の進行に直接関わる動作を管理している。
サブ制御基板94は、スロットマシン1の遊技の進行を補助するための液晶表示部58への演出の表示及び各ランプ60,62,64,66の管理を行っている。
外部端子板96は、スロットマシン1とホールコンピュータ等を接続する場合の各種の情報の出入り口としての役割をしている。
メイン制御基板92は、サブ制御基板94及び外部端子板96と図示しない配線及びコネクタ等により接続されている。従ってメイン制御基板92から各種情報の伝達をサブ制御基板94及び外部端子板96へ行うことが可能である。
メイン制御基板92やサブ制御基板94等は、いずれも樹脂製の基板ボックスに収容された状態で本体部分2内に設置されている。基板ボックスは、外側から各基板への接触を阻害する保護ケースとなる。特にメイン制御基板92の基板ボックスは、機械的な封印部92a(ワンウェイねじによる締結部)によって開封不能に閉止されている。このためメイン制御基板92に不正チップ等を組み込もうとしても、基板ボックスを破壊しない限り改変はできないので、不正改造等を試みた場合にその痕跡をはっきり残すことができる。更に、基板ボックスには本体締結部92bが形成されており、基板ボックス全体が本体締結部92を介して本体部分2に対して強固に締結されている。従って、不正目的で基板ボックスそのものを本体部分2から取り外すことはできないし、もしも取り外しを試みた場合はその痕跡がはっきりと残されることになる。
電源ユニット70は、設定キースイッチ72、リセットスイッチ74、電源スイッチ76を有しており、スロットマシン1の設定を変更したり、異常が発生した際のエラー状態の解除を行ったり、電源のON−OFFを行うことができる。また電源ユニット70は、メイン制御基板92を含めた各種基板に電力を供給するために、配線及びコネクタ等によりメイン制御基板92及び各種基板に接続されている。なお電源ユニット70は、スロットマシン1の外部から不正な手段によって直接触れることを防止するためにプラスチック等の合成樹脂で形成されたカバー(図示はしない)が施されている。
ホッパ装置134は、常時メダルを貯留させておくことで、メダルの払い出しが行われる場合の供給源としての役割をしている。このホッパ装置134の内部にはホッパモータ78が備えられており、メダルの払い出しが行われる場合はこのホッパモータ78が回転することにより、ホッパ装置134内に貯留されているメダルが払い出し口80から払い出される。ホッパ装置134内に貯留されているメダルは一定数量に達するとオーバーフロー状態となり、一定数量を超えた分のメダルは、オーバーフロー吐き出し口82から遊技メダル補助収納庫84に導かれて遊技メダル補助収納庫84へ貯留されていく。
遊技メダル補助収納庫84は、前述した通り、ホッパ装置134内にてオーバーフローしたメダルを受け入れるため、メダルの貯留を補助する役割をしている。また、遊技メダル補助収納庫84内にはメダル満タンセンサ86が設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量に達したことを検出することができる。
(スロットマシンの内部構成)
図3は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するためのメイン制御基板92を有しており、このメイン制御基板92にはCPU110をはじめROM112、RAM114、入出力インタフェース116等が実装されている。
前述したベットボタン12,14,16や始動レバー18、停止ボタン20,22,24、貯留精算ボタン46等はいずれもメイン制御基板92に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号をメイン制御基板92に出力することができる。具体的には、始動レバー18は前述したリール10a,10b,10cを始動させる操作信号をメイン制御基板92に出力し、停止ボタン20,22,24はリール10a,10b,10cをそれぞれ停止させる操作信号をメイン制御基板92に出力する。
エラー解除センサ100は、鍵穴48の奥に設置されている(図示はしない)。鍵穴48に専用鍵を挿入した後に左回りに45度ほど捻ることで、エラー解除センサ100よりリセット信号をメイン制御基板92に出力することができる。また、専用鍵を挿入した後に右回りに45度ほど捻ることで前面扉4が開放されると、前面扉4の裏に設けられた扉開放センサ132(図示はしない)により扉開放信号がメイン制御基板へ出力される。扉開放センサ132はエラー解除センサ100と隣接して設置されており、前面扉4を開放すると、前面扉4と本体部分2とが離れたことが検出される。
またスロットマシン1にはメイン制御基板92とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン制御基板92に各種の信号が入力されている。機器類には、リール10a,10b,10cを擁するリール装置10のほか、ホッパ装置134等がある。
リール装置10は各リール10a,10b,10cの回転に関する基準位置を検出するための位置センサ(図示はしない)を有しており、各リールにはそれぞれ位置センサが対応して設けられている。この位置センサとして、左リール10aに対応した左リール位置センサ106a、中リール10bに対応した中リール位置センサ106b、右リール10cに対応した右リール位置センサ106cがそれぞれのリール内に設けられている。これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン制御基板92に入力されることで、メイン制御基板92では各リールの停止位置情報を得ることができる。
メダル投入口26の奥にはメダルセレクタ(図示はしない)があり、メダルセレクタ内には更に投入センサ104及びロックアウトソレノイド102が設置されている。このうち投入センサ104は、メダル投入口26から投入されたメダルを検出し、メダルの検出信号をメイン制御基板92に出力することができる。一方のロックアウトソレノイド102は、メダル投入口26より投入されたメダルがメダルセレクタ内で投入センサに到達する通路をロックアウト(塞ぐ)する役割を果たしている。ロックアウトソレノイド102は、ノーマル(非作動)の状態でメダルセレクタの通路をロックアウトしているが、作動時にはこの通路を開き(ロックアウト解除)、メダルの投入を受け付け可能な状態にする。このとき投入されたメダルは投入センサ104で検出される。逆に、ロックアウトソレノイド102が非作動状態になるとメダルセレクタ内で投入センサ104に到達する通路がロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、そのまま吐き出されて受け皿54に返却される。また、このとき合わせて投入センサ104の機能が無効化されるので、メダル投入によるベットまたはクレジット加算のいずれも行われなくなる。
ホッパ装置134は、払い出し口80内に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ98(図示はしない)を有しており、この払出センサ98からメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン制御基板92に入力されている。また、遊技メダル補助収納庫84にはメダル満タンセンサ86が設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号をメイン制御基板92に出力することができる。このとき液晶表示部58、エラー表示部34等により遊技機の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者やホール従業員等に遊技機に異常が発生したことが報知されることとなる。
一方、メイン制御基板92からは、リール装置10やホッパ装置134に対して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リール10a,10b,10cを回転させるための各リール駆動モータ88a,88b,88cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号がメイン制御基板92から出力される。またホッパ装置134には、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせの種類に応じてメイン制御基板92から駆動信号が入力され、これを受けてホッパ装置134はメダルの払い出し動作を行う。このときホッパ装置134内に払い出しに必要な枚数のメダルが不足しているか、あるいはメダルが全く無い状態であった場合、払出センサ98による枚数検出が滞ることとなる。そして所定時間(例えば3秒間)が経過すると、払出センサ98より払い出しメダルの異常信号がメイン制御基板92へ出力され、これを受けてメイン制御基板92は、メダルの払い出しに異常が発生したことを知らせる内容をエラー表示部34や液晶表示部58等に表示させて遊技者等に異常が発生したことを報知する。
スロットマシン1は、メイン制御基板92の他にサブ制御基板94を備えており、このサブ制御基板94にはCPU118やROM120、RAM122、入出力インタフェース130、VDP(Video Display Processor)124、音源IC128、オーディオアンプ126等が実装されている。サブ制御基板94はメイン制御基板92から各種の指令信号を受け、液晶表示部58の表示や各ランプ60,62,64,66それぞれの発光(または点灯、点滅、消灯等)及びスピーカ56の作動を制御している。
メイン制御基板92には外部端子板96が接続されており、スロットマシン1はこの外部端子板96を介して遊技場のホールコンピュータ108に接続されている。外部端子板96はメイン制御基板92から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ108に中継する役割を担っている。
その他、スロットマシン1の内部には電源ユニット70が収容されており、この電源ユニット70は外部電源から電力を取り込んでスロットマシン1の作動に必要な電力を生成する。ここで生成された電力は、電源ユニット70から各ユニットに供給されている。
また電源ユニット70には、設定キースイッチ72やリセットスイッチ74、電源スイッチ76等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン1の外側に露出しておらず、前面扉4を開くことではじめて操作可能となる。このうち電源スイッチ76は、スロットマシン1への電力供給をON−OFFするためのものであり、設定キースイッチ72はスロットマシン1の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ74はスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、更には設定キースイッチ72とともに設定を変更する際にも操作される。
(ゲーム処理)
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン制御基板92のCPUにて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
(1.回胴遊技処理)
図4は、スロットマシン1における基本的な1ゲーム(回胴遊技)の処理手順を一通り示している。1回のゲームは、先ず始動処理(ステップS10)から始まる。この始動処理はリール10a,10b,10cの回転を開始させるための処理であり、ここではメダルの投入またはベットボタン12,14,16の操作を受け付けたり、始動レバー18の操作を契機とした乱数抽選を行ったりする処理が行われる。なお、始動処理(ステップS10)の詳細については、更に別のフローチャートを用いて詳しく後述する。
1回のゲームでは始動処理(ステップS10)に続いて停止処理(ステップS20)が実行される。この停止処理は、各リール10a,10b,10cの回転を停止させるとともに各リール10a,10b,10cの停止位置を制御するものである。これは、「リール制御」と称される処理に該当する。リール制御を用いた停止処理には、例えば当選役と停止ボタンが押された位置の2つを参照して最終停止位置を決定するテーブル方式と、最大限当選役を引込むコントロール方式の2つの方式があり、ここではどちらを用いる態様であってもよい。なお当選役については、後述する始動処理にて説明する。リール制御を用いた停止処理についても別のフローチャートを用いて後述する。
リール制御によって停止処理を終えると、次に判定処理(ステップS30)が実行される。この判定処理は各リール10a,10b,10cの全てが停止した際に表示された図柄の表示態様から有効ライン上に停止した図柄の組み合わせが当選役に対応した図柄の組み合わせのいずれかに該当するか否かを判断し、いずれかの当選役に対応した図柄の組み合わせに該当する場合はそれに応じた遊技結果(特典)を提供するためのものである。当選役に対応した遊技結果としては、メダルの払い出しを伴うものがほとんどであるが、当選役の中にはメダルの払い出しがなくボーナスゲームに移行するものもある。あるいはメダルの払い出しとは別に内部状態(または各種モード等)を変更させる契機となったりするものがある。なお判定処理の具体的な内容については後でフローチャートを用いて説明する。また、全てのリールが停止した際に表示窓8(図柄表示部)内に表示される図柄の表示態様を「出目」という。
(2.始動処理)
図5は、上記の始動処理の内容を具体的に示している。ここでは先ず、メダルの投入またはベットボタン12,14,16の操作が待ち受けられる(ステップS101)。遊技者がベット操作またはメダル投入をしないうちは(ステップS101=No)、始動レバー18が有効化されないため、ステップS104の判断が否定(No)されて待ち受け状態(ステップS101)がループされ続ける。ベット操作またはメダル投入があると(ステップS101=Yes)、これを受けて受付処理(ステップS102)が行われ、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。また受付処理(ステップS102)では、メイン制御基板92からメダル投入コマンドまたはベットコマンドがサブ制御基板94に送信される。
受付処理(ステップS102)に続いて始動レバー有効処理(ステップS103)が行われ、ここで初めて始動レバー18の操作が実質的に有効化される。この状態で遊技者が始動レバー18を操作すると、ステップS104の判断が肯定(Yes)されて次に始動レバー無効処理(ステップS105)が行われる。
始動レバー18の操作があると、これを契機として乱数の抽出(乱数抽選)が行われる(ステップS106)。また、始動レバー18の操作を受け付けてから乱数を抽出するタイミングは、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
次のフラグ処理(ステップS107)では、抽出された乱数値からいずれの当選役に当選したかが判断され、いずれかの当選役に当選した場合、その当選役に応じたフラグがONにされるとともに、メイン制御基板92から当選フラグコマンドがサブ制御基板94に送信される。
いずれの当選役にも当選しなかった場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となりハズレフラグがONにされる。当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)がONになっているときに、その成立フラグに該当した図柄を揃えることではじめて特典(遊技特典)が得られるものである。各々の特典についての詳細は後述する。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選に相当する。
上記のフラグ処理(ステップS107)が行われると、前回の始動処理でスタートされたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かが判断される(ステップS108)。タイムアップ(ステップS108=Yes)が確認されると、各リール10a,10b,10cの回転が開始(始動)され(ステップS109)、ここから次回の始動までのウェイトタイマがスタートされる(ステップS110)。なお、フラグ処理については後述で詳細な説明をする。
(2−1.当選役と当選図柄)
図6は、スロットマシン1の各種当選役に対応した当選図柄の組み合わせを示したものである。ここでいう「当選図柄」とは、各リールに付された図柄のうち、所定の組み合わせとなると当選役に対応した図柄の組み合わせに該当することとなる図柄のことをいう。また、これらの当選図柄は各リールにそれぞれ付されている。各リールに付された図柄は必ずしも全て当選図柄とする必要はなく、ハズレとなる図柄(ハズレ図柄)を設けることもできる。また、当選図柄であっても、所定の組み合わせにならなければ当選役に対応した図柄の組み合わせとはならないので、所定の組み合わせが得られなかった場合は、当選役に該当した特典を得ることはできない。
全てのリールが停止した状態で表示窓8内のいずれか一つの有効ライン上で、いずれかの当選図柄の組み合わせが所定の組み合わせとなると、そのときの組み合わせに該当する当選役の特典を得ることができる。ここで、「いずれか一つの有効ライン」というのは、複数の有効ラインがある場合、そのうちの一つの有効ラインのことを指す。なお、以下では、ある当選図柄(該当当選図柄)の組み合わせが表示窓8内のいずれか一つの有効ライン上に所定の組み合わせとなることを、「ある当選図柄(該当当選図柄)の組み合わせが揃う」、または「ある当選図柄(該当当選図柄)が揃う」という。
(2−1−1.ボーナス図柄〔特別当選役図柄〕:BB、CB〔特別当選役〕)
当選役がビッグボーナス(BB)、チャレンジボーナス(CB)となる場合に、それぞれ対応する当選図柄がBB図柄及びCB図柄のボーナス図柄である。BB図柄の組み合わせ態様「7−7−7」が表示窓8内で、いずれか一つの有効ライン上に停止すると「BBゲーム」が開始される。あるいは、CB図柄の組み合わせ態様「C−C−C」が表示窓8内で、いずれか一つの有効ライン上に停止すると「CBゲーム」が開始される。ここでCB図柄とは、図6において、おでんを手に持った子供の絵が描かれた図柄である。なお、BB図柄「7」は図柄全体に赤い色彩が施された図柄のため、「赤7」ともいい、CB図柄「C」は図柄全体に黒い色彩が施された図柄のため、「黒C」ともいう。これらのボーナス図柄は以下に説明する他の図柄に比べて大きく、さらに色彩が強いため、リールの回転中であっても図柄をその大きさや色から目安とすることが容易であるという特徴がある。
そして、ボーナス図柄が揃うと「BBゲーム」または「CBゲーム」という特典(ボーナスゲームともいう)が得られることになる。この「BBゲーム」及び「CBゲーム」の特典は、メダルの獲得が容易な複数回のゲームを集中して行わせ、遊技者に大量のメダル獲得の可能な機会を付与することである。それゆえ、BBまたはCBに当選したときには、遊技者に大きな喜びを与えることができるのである。
また、BB図柄及びCB図柄は、各リール10a,10b,10cに配置するそれぞれの図柄の数を少なくする(概ね各リールには、BB図柄及びCB図柄を1ないし2個程度の配置とする)ことで、遊技者が表示窓8内に該当する図柄を正確に狙わないと停止させることが困難なものとすることができる。
このように、遊技者が自分の狙った図柄を正確に表示窓8内の有効ライン上に停止させることを「目押し」という。上記よりボーナス図柄は遊技者の目押しの技量を必要とする当選図柄ということになり、遊技者がいち早くボーナス図柄を揃えることができたときには、自分の目押しの技量が上達したという喜びを得ることができる。なお、内部抽選で当選していない当選役の当選図柄はたとえ、その該当する当選図柄の目押しを正確に行ったとしても揃えることはできない。
BB図柄が揃った場合及びCB図柄が揃った場合ともに、そのゲーム(当該ゲーム)でメダルの払い出しは行わない。これは後述するBBゲーム及びCBゲームの特典により、メダルを大量に獲得できる機会が付与されるものであるから、BB図柄及びCB図柄がそれぞれ揃った当該ゲームではメダルの払い出しを伴わない態様としている。また、上記の態様に限定されることはなく、BB図柄及びCB図柄がそれぞれ揃ったときにメダルの払い出しを行う態様(払い出しを伴う態様)としてもよい。ただし、BB図柄及びCB図柄がそれぞれ揃ったときにメダルの払い出しを伴わせる態様の場合、BBゲームあるいはCBゲームそれぞれにおいて遊技者が獲得できるメダルの合計枚数(総獲得枚数)が、BB図柄及びCB図柄がそれぞれ揃ったときにメダルの払い出しを伴わない態様の場合と比較して増加し過ぎることを防ぐ等の必要性が生じることとなる。
(2−1−2.リプレイ図柄〔再ゲーム役図柄〕:リプレイ〔再ゲーム役〕)
当選役がリプレイ(再ゲーム役)となる場合に対応する当選図柄が、リプレイ図柄(再ゲーム役図柄)である。リプレイに対応する図柄の組み合わせ態様「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が表示窓8内で、いずれか一つの有効ライン上に停止すると「リプレイゲーム」が開始される。ここで「リプレイゲーム」とは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲーム時を再遊技として実行できることをいう。その場合の有効ライン数は、リプレイ図柄が揃ったゲームの有効ライン数と同じとなる。
つまり、リプレイ図柄が揃うと「リプレイゲーム」という特典が得られることになる。この「リプレイゲーム」の特典は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する必要がないことである。それゆえ、リプレイは当選確率を他の当選役と比較して高い当選確率としてもホールの利益を著しく損なわせる虞が少ないものである(概ね、7回に1回は当選する程度の当選確率とすることができる)。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイに、ゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができるのである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるので、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ない。従って、各リール10a,10b,10cにリプレイ図柄をそれぞれ満遍なく配置する(各リールのリプレイ図柄以外の図柄を1個から最大で4個挟んでリプレイ図柄を配置する)ことで、内部抽選においてリプレイに当選した場合にはリプレイの特典をもれなく獲得できるようにする(つまり、目押しを必要とせずにリプレイ図柄を揃えることが可能)ことができる。
(2−1−3.ベル図柄、スイカ図柄〔一般小役図柄〕:ベル、スイカ〔一般小役〕)
当選役がベル、またはスイカ(一般小役)となる場合に対応する当選図柄が、ベル図柄、またはスイカ図柄(一般小役図柄)である。ベルに対応する図柄の組み合わせ態様「ベル−ベル−ベル」が表示窓8内で、いずれか一つの有効ライン上に停止すると6枚のメダルの払い出しが行われる。また、スイカに対応する図柄の組み合わせ態様「スイカ−スイカ−スイカ」が表示窓8内で、いずれか一つの有効ライン上に停止すると6枚のメダルの払い出しが行われる。また、後述するBBゲーム、CBゲームでは上記のベル及びスイカでのメダルの払い出しを15枚に変更する。
つまり、ベル図柄及びスイカ図柄という一般小役図柄が揃うと、規定枚数のメダルの付与が行われる。従って、ベルやスイカ(一般小役)はゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できる当選役であるといえる。ただし、ベルやスイカ(一般小役)に過度に当選してしまうと、遊技者の獲得するメダルが過剰に増加してしまい、BBやCBに当選しなくともメダルが増加してしまうこととなり、スロットマシン1のゲーム性が損なわれてしまう。また、遊技者が過度のメダルを獲得することが容易となり、ホールとの利益バランスが崩れるという事態を招いてしまう。このことから、ベルやスイカ(一般小役)には、ゲーム進行の中で遊技者がメダルを大量消費することを抑える役割を持たせるために、リプレイに比べて低い当選確率としている。また、スイカ図柄及びベル図柄の配置数も上記のリプレイ図柄と同様、各リール10a,10b,10cにそれぞれ満遍なく配置して目押しを必要とせずに揃えることができるものとする。
本実施形態のスロットマシン1では、ベルとスイカという複数の一般小役を設けている。複数の一般小役を設けることで、ベルとスイカの内部抽選での当選確率に差を設けたり、または、目押しを必要とするか必要としないかについての差を設けたりすることができる。例えば、ベルは当選確率を高くスイカは当選確率を低くしてベルとスイカとの間に格差を設けることや、あるいは、スイカ図柄については目押しを要求する当選図柄とし、ベル図柄については目押しを要求しない当選図柄として、ベルとスイカとの間に格差を設けることもできる。このようにベルとスイカとに様々な格差を設けると、ベルとスイカそれぞれに価値の差(付与されるメダル枚数の差だけでなく、当選確率の差や目押しの必要とされる度合いの差等)をつけることができる。
なお、一般小役は上記のベル、スイカに加えて更に複数の種類を設けることもできる。例えば、プラム、オレンジ、レモン、イチゴ、ブドウといった遊技者に親近感を持たせる果物を模した図柄を新たに加えることもできるし、果物に限らず識別の可能な図柄であれば何でもよい。ただし、一般小役の種類を増やすと、その分だけ各リール上での同種類の一般小役図柄の配置数が減ることになり、全ての一般小役(またはその他の当選役も含む)に目押しを要することとなる虞がある。このようになると、遊技者は毎ゲーム、全てのリールを正確に目押ししないと取りこぼしが頻繁に生じることになってしまう。従ってベル、スイカを含めても一般小役は3種類から4種類程度に留めることが望ましい。
なお、後述するチェリー(単小役)とベル、スイカ(一般小役)をまとめて「小役」と呼ぶこともあり、以下では、単に「小役」と呼称した場合には、これらを全て含めるものとする。
(2−1−4.チェリー図柄〔単小役図柄〕:チェリー〔単小役〕)
当選役がチェリー(単小役)となる場合に対応する当選図柄が、チェリー図柄(単小役)である。チェリーは、全てのリールが停止した状態における図柄の組み合わせ態様でその特典が付与されるのではなく、少なくとも1つのリールについて、そのリールが停止したときに表示窓8内にチェリー図柄がいずれか一つの有効ライン上に停止する態様となるだけでメダルの払い出し(8枚)の特典が付与されるものである。ただし、メダルが払い出されるのは全てのリール停止後となる。なお本実施形態のスロットマシン1では上記でいう「少なくとも1つのリール」を左リール10aとしている。
つまり、チェリー図柄が左リール10aのある一つの有効ライン上に停止すると、8枚のメダルが払出されるという特典が得られることになる。左リール10aの図柄の停止態様だけで特典が得られるチェリー図柄は、残りの中リール10b、右リール10cの図柄の組み合わせに影響されないため(つまり、中リール10b、右リール10cはどの図柄が停止した態様であってもよい)、チェリー図柄の組み合わせ態様は「チェリー−ANY−ANY」と表されることもある。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、左リール10aにおいてチェリー図柄は表示窓8内の上段位置または下段位置のいずれかにのみ停止するものとしている(ここでいう上段位置、下段位置については後述する)。つまり、MAXベットの場合、チェリー図柄の揃う有効ラインが前述の図1で示した有効ラインのうち、68bと68cがともに有効になる。従って、チェリー図柄が揃ったことによるメダルの払い出し枚数は、
〔 8枚×2=16枚 〕
となる。ただし、スロットマシン1では1回のゲームでのメダルの払い出し枚数の上限を15枚とする。このため、実際のメダルの払い出し枚数は15枚となる。つまり、チェリー図柄が揃った場合には15枚のメダルが払い出されることになる。
チェリー図柄は左リール10aのみにチェリー図柄を狙うだけで特典を得ることが可能であるので、遊技者の正確な目押しを要求するために左リール10aに配置する数を少なくする(概ね2個から3個程度とする)。つまり、遊技者の目押しの技量の程度によって、チェリー図柄を「取りこぼし」てしまう可能性があることになる。ここでいう「取りこぼし」とは、内部抽選で当選した当選役に対応する当選図柄の所定の組み合わせを遊技者が目押しの失敗等により揃えることができずに、その該当する当選役の特典を得ることができなかったことをいう。従って、遊技者はチェリー図柄を取りこぼさないよう目押しの技量を発揮することになる。
チェリーは、左リール10aのチェリー図柄を正確に目押しすることができれば内部抽選で当選したチェリーの特典(メダルの払い出し)を与えることができるので、リプレイと同様、ゲーム進行の中で遊技者がメダルを大量消費することを抑える役割を持たせることができる。
また、チェリー図柄は、左リール10aのみにあれば十分であることから、他のリール(中リール10b、右リール10c)にチェリー図柄を設けなくともよい。こうすると、他のリールにチェリー図柄以外の図柄をより多く配置することが可能となる。従って、チェリー図柄以外の当選図柄を配置するバリエーションが多く持てることとなり、遊技者に豊富な出目を見せることが可能となる。
なお、チェリー図柄が有効となる(特典を得ることができる)リールを必ずしも左リール10aに限定することはなく、中リール10bあるいは右リール10cとしてもよい。この場合「ANY−チェリー−ANY」または「ANY−ANY−チェリー」となるとチェリーの特典が付与されることとなる。あるいは、左リール10a、中リール10b及び右リール10cの3つリールのうちいずれか2つのリールのチェリー図柄が表示窓8内で、いずれか一つの有効ライン上に停止したときにチェリーの特典を付与することとしてもよい。つまり「チェリー−チェリー−ANY」、「チェリー−ANY−チェリー」、「ANY−チェリー−チェリー」となる図柄の組み合わせ態様となった場合である。
上記のいずれの場合であっても、左リール10a、中リール10b及び右リール10cのリールのうち、少なくとも1つ(多くとも2つ)のリールのチェリー図柄を揃えるだけで特典が得られることが望ましい。これは遊技者に全てのリールについて目押しを毎回強いるといった負荷を軽減させることにもなるからである。
(2−1−5.特定役図柄〔特殊契機役図柄〕:特定役〔特殊契機役〕)
当選役が特定役(特殊契機役)となる場合に対応する当選図柄については、特定役専用の図柄、例えば、7図柄やベル図柄やリプレイ図柄といった象徴的な図柄を設けずに、複数の異なる図柄の組み合わせのうち、特定の組み合わせを特定役に対応した図柄の組み合わせ態様とする。複数の異なる当選図柄の組み合わせ態様「7−7−チェリー」が表示窓8内で、いずれか一つの有効ライン上に停止すると、特定役の特典が付与される。この特定役の特典は、メダルの払出すことなく当該ゲーム(今回のゲーム)を終了させて、その後に開始されるゲーム(次回のゲーム)から付与されるものである。この特定役の特典の詳細については後述する。なお、以下では、上記の「7−7−チェリー」の組み合わせ態様のことを特定役図柄の組み合わせと呼び、この特定役図柄の組み合わせがいずれか一つの有効ライン上に停止した場合のことを特定役図柄の組み合わせが揃うという。
(2−1−6.特定条件役図柄〔特殊条件役図柄〕;特定条件役〔特殊条件役〕)
当選役が特定条件役(特殊条件役)となる場合に対応する当選図柄についても、前述の特定役と同様に専用の図柄を設けずに複数の異なる図柄の組み合わせのうち、特定の組み合わせを特殊条件役に対応した図柄の組み合わせ態様とする。特定条件役に対応する当選図柄の組み合わせ態様(「リプレイ−リプレイ−ベル」、「ベル−ベル−リプレイ」)のいずれかが表示窓8内で、いずれか一つの有効ライン上に停止すると、特定条件役の特典が付与される。この特定条件役の特典も、当該ゲームでメダルの払い出しは行わず、次回のゲームから付与されるものである。この特定条件役の特典についても後述する。また、上記の「リプレイ−リプレイ−ベル」を特定条件役1、「ベル−ベル−リプレイ」を特定条件役2と呼ぶ。なお、以下では特定条件役と呼ぶ場合には特定条件役1及び特定条件役2を含むものとする。なお、特定条件役についても、「リプレイ−リプレイ−ベル」または「ベル−ベル−リプレイ」の組み合わせ態様のことを特定条件役図柄の組み合わせと呼び、この特定条件役図柄の組み合わせがいずれか一つの有効ライン上に停止した場合のことを特定条件役図柄の組み合わせが揃うという。
また、特定役図柄については、上記の「7」図柄(BB図柄)及び「C」図柄(CB図柄)が目押しを必要とする図柄であるため、目押しを必要とする図柄の組み合わせということになる。なお、チェリー図柄(特定役図柄の組み合わせとなる)については目押しを要するか否かは適宜決めればよい。
一方、特殊条件役図柄については、目押しを必要としない上記のベル図柄及びリプレイ図柄から構成されるため、目押しを必要としない図柄の組み合わせということになる。
これらのことから、特定役図柄を揃えるためには、少なくとも左リール10a及び中リール10bに目押しをする必要があり、特定条件役図柄は目押しをしなくとも揃えることができるといえる。
以上が本実施形態のスロットマシン1における当選役及び対応する当選図柄である。勿論、上記のいずれの当選図柄(または、いずれの当選図柄の組み合わせ)も揃わなかった場合は、「ハズレ」または「取りこぼし」となり、「ハズレ」の場合はいずれの当選役の特典も得ることはできない。なお、上記で説明した当選図柄とは別に、ハズレ図柄を設けることもできる。このハズレ図柄については、有効ライン上に揃った場合にいずれの特典も付与されることのないハズレに対応させるものとしてもよいし、出目のバリエーションを豊富にするために設けることとしてもよい。
また、BBゲーム及びCBゲーム中のみ有効となる当選役を設けてもよい(ボーナスゲーム専用役という)。例えば、ボーナスゲーム専用役の図柄の組み合わせ態様を、「スイカ−リプレイ−リプレイ」、「7−リプレイ−リプレイ」、「C−ベル−ベル」などとすると、これらの図柄の組み合わせが表示窓8内で、いずれか一つの有効ライン上に停止すると15枚のメダルの払い出しを行わせる。このボーナスゲーム専用役はBBゲーム及びCBゲーム内でのみ抽選される対象として有効となる当選役であるので、BBゲーム及びCBゲーム以外のゲームでは、ボーナスゲーム専用役図柄が揃ったとしてもメダルの払い出しも何も行われない(つまり、ハズレとしての図柄の組み合わせとなる)。
(2−2.フラグ処理:通常抽選判断手段、特別抽選判断手段)
ここでは、フラグ処理について、図7から図9を用いて具体的に説明する。図7は、フラグ処理の具体的な内容を示している。フラグ処理では、先ず内部抽選に適用するための判定乱数テーブルが選択される(ステップS201、判定乱数テーブル選択処理、後述の図8にて説明する)。本実施形態のスロットマシン1では、BBゲーム及びCBゲーム以外のゲームでは、通常判定乱数テーブルと特別判定乱数テーブルという2つの判定乱数テーブルが用意されており、いずれかの判定乱数テーブルが選択されて内部抽選が実行されることとなる。このとき決められた判定乱数テーブルが適用されてステップS202以降の処理が行われることになる。また、BBゲーム及びCBゲームの判定乱数テーブルについては後述する。
ここで判定乱数テーブルとは、内部抽選が行われる際の各当選役の当たり値を乱数の範囲として予め決めたもののことである。具体的には、抽出乱数(先のステップS106で抽出された乱数のことを指す、以下では、このとき抽出された乱数のことを抽出乱数と呼ぶ)がいずれの当選役の当たり値に該当するかを判断するために用いられるものである。例えば、1から10までの乱数値をBBの当たり値、11から20までの乱数値をベルの当たり値とそれぞれ決めた場合、抽出乱数が7であればBBの当たり値に該当するので、内部抽選の結果はBBに当選したこととなる。また、抽出乱数が18であればベルの当たり値に該当するので、内部抽選の結果はベルに当選したこととなる。
判定乱数テーブルは、そのなかに含まれる乱数値の抽出範囲(以下では抽出範囲と呼ぶ)が一定に決められており、通常判定乱数テーブル、特別判定乱数テーブルともにその抽出範囲は同じである(後述するBBゲーム、CBゲームそれぞれの判定乱数テーブルの抽出範囲も全て同じ抽出範囲である)。従って、ある当選役の当たり値の範囲が分かれば、
〔 (ある当選役の当たり値の範囲に含まれる乱数値の総数)/(抽出範囲に含まれる乱数値の総数) 〕
により、「ある当選役」の当選確率を算出することができる。
例えば、0から100までの数字(整数のみ)を乱数としてみた場合、この0から100までを抽出範囲とすると、この抽出範囲内でとりうる最小の数字は0となり、また最大の数字は100となる。従って、合計101個の数字を抽出することが可能となる。そして、この抽出範囲の中で、0から10までをBBの当たり値の範囲(含まれる乱数値は11個)、11から20までをベルの当たり値の範囲(含まれる乱数値は10個)、21から30までをリプレイの当たり値の範囲(含まれる乱数値は10個)、31から100までをハズレに該当する範囲(含まれる乱数値は70個)として当たり値の範囲を決めた判定乱数テーブルをAテーブルとすれば、Aテーブルにおけるそれぞれの当選役の当選確率は、
BBの当選確率は 「11/101」
ベルの当選確率は 「10/101」
リプレイの当選確率は「10/101」
ハズレとなる確率は 「70/101」
と算出される。
また、抽出範囲が同じであっても、それぞれの判定乱数テーブルで当選役の当たり値の範囲を変えることで同じ当選役であっても判定乱数テーブルごとに当選確率を異ならせることができる。例えば、上記のAテーブルからBBの当たり値の範囲のみを0から20までに増やし、その代わりにハズレに該当する範囲を減らした判定乱数テーブルをBテーブルとすれば、Bテーブルにおけるそれぞれの当選役の当選確率は、
BBの当選確率は 「21/101」
ベルの当選確率は 「10/101」
リプレイの当選確率は「10/101」
ハズレとなる確率は 「60/101」
と算出される。このとき他の当選役の当たり値自体は変わるが(乱数値自体が変わる)、含まれる乱数値の総数は変わらない。つまり、Aテーブルではリプレイの当たり値に該当していた21から30までの乱数値がBテーブルではベルの当たり値に変更されることになるが、ベルの当たり値として含まれる乱数値の総数に変更はないということである。
以上のことから、AテーブルとBテーブルを比較したときに、BBの当選確率についてはBテーブルが高くなっており、ハズレとなる確率についてはAテーブルが高くなっていることが分かる。このように、各当選役の当たり値の範囲(この当たり値のことを当選許容値と呼ぶ)を変えることで、ある特定の当選役の当選確率を高くしたり(この場合、該当する当選役の当選許容値の範囲を大きく変更する)、あるいは当選確率を低くしたり(この場合、該当する当選役の当選許容値の範囲を小さく変更する)することができる。また当選許容値の範囲を大小させることにより、内部抽選で必ず特定の当選役に当選させるものとしたり(この場合、該当する当選役の当選許容値の範囲を抽出範囲と同じにする)、あるいは特定の当選役には全く当選させないものとしたり(当選許容値の範囲を無い状態にする〔つまり、当選許容値の範囲を0にする〕)することもできる。
本実施形態のスロットマシン1では、乱数の抽出範囲を0〜16383(214=16384個の乱数)としているが、乱数の抽出範囲を0〜32767(215=32768個の乱数)や、または0〜65535(216=65536個の乱数)としてもよい。乱数の抽出範囲を広げれば、それだけ抽出される乱数値の抽出範囲(または分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
ステップS201でいずれかの判定乱数テーブルが選ばれると、続いてステップS202では、BBフラグまたはCBフラグがONになっているかを判定する。これは後述する判定処理で詳細についての説明をするが、BBフラグ及びCBフラグは、その該当する図柄(BB図柄、CB図柄)が揃えられるまで当選フラグが持ち越されるからである。またこの当選フラグが持ち越されている場合、新たにBBまたはCBの抽選は行われない。
スロットマシン1では、この当選フラグの持ち越しが行われている間に抽出乱数がBBまたはCBに該当した場合、その成立フラグは破棄されてハズレとして処理を行うこととなる(ステップS202=Yesとなる場合)。さらに特定役、特定条件役についてもその成立フラグは破棄される。従って、BBフラグまたはCBフラグが持ち越されているゲームでは、小役、リプレイ、ハズレのいずれかのみに当選する可能性があるといいうことになる。
言い換えれば、BBフラグ及びCBフラグの持ち越しを可能とする代わりに、持ち越された当選フラグに該当するBB図柄またはCB図柄を揃えるまでは新たなBBまたはCBの抽選は行わないということである。また、BBゲーム(またはCBゲーム)が終了するまでもBB(またはCB)の抽選を行わないので(詳細は後述する)、BBゲーム(またはCBゲーム)が終了するまでは新たなBB(またはCB)に当選することは無いということになる。
なお、BBフラグまたはCBフラグが持ち越されている場合、フラグ持ち越し用の判定乱数テーブルを別途用いることとしてもよい。ただし、通常判定乱数テーブル、特別判定乱数テーブルに加えて別の判定乱数テーブルの種類が増えるとメイン制御基板92の負荷が増大する虞があるので、スロットマシン1ではBBフラグまたはCBフラグが持ち越されている場合に限り、新たに成立したBBの当選フラグまたはCBの当選フラグを破棄するものとして、新たな判定乱数テーブルを設けずにメイン制御基板92にかかる負荷を軽減させるものとする。
ステップS202でBBフラグまたはCBフラグのいずれもONになっていない場合(ステップS202=No、BBフラグまたはCBフラグのいずれも持ち越されていない)、ステップS204で抽出乱数がBBの当選許容値に該当するかを判定する。この判定が満たされると(抽出乱数がBBの当選許容値に該当する、ステップS204=Yes)、ステップS206に移りBBフラグをONにする。そしてステップS230のコマンド送信処理へ進む。
ステップS204の判定が満たされない場合(抽出乱数がBBの当選許容値に該当しない、ステップS204=No)、ステップS208に移り抽出乱数がCBの当選許容値に該当するかを判定する。この判定が満たされると(抽出乱数がCBの当選許容値に該当する、ステップS208=Yes)、ステップS210に移りCBフラグをONにする。そしてステップS230のコマンド送信処理へ進む。
ステップS208の判定が満たされない場合(抽出乱数がCBの当選許容値に該当しない、ステップS208=No)、ステップS212に移り抽出乱数が特定役の当選許容値に該当するかを判定する。ステップS212の判定が満たされると(抽出乱数が特定役の当選許容値に該当する、ステップS212=Yes)、ステップS214に移り特定役フラグをONにする。そしてステップS230のコマンド送信処理へ進む。
ステップS212の判定が満たされない場合(抽出乱数が特定役の当選許容値に該当しない、ステップS212=No)、ステップS218に移り抽出乱数が特定条件役の当選許容値に該当するかを判定する。ステップS218の判定が満たされると(抽出乱数が特定条件役の当選許容値に該当する、ステップS218=Yes)、ステップS220に移り特定条件役フラグをONにする。そしてステップS230のコマンド送信処理へ進む。
ステップS218の判定が満たされない場合(抽出乱数が特定条件役の当選許容値に該当しない、ステップS218=No)、ステップS222に移り抽出乱数が小役(ベル、スイカ、チェリーのいずれか)の当選許容値に該当するかを判定する。ステップS222の判定が満たされると(抽出乱数が小役の当選許容値に該当する、ステップS222=Yes)、ステップS224に移り小役フラグ(ベル、スイカ、チェリーいずれかのフラグ)をONにする。そしてステップS230のコマンド送信処理へ進む。
ステップS222の判定が満たされない場合(抽出乱数が小役の当選許容値に該当しない、ステップS222=No)、ステップS226に移り抽出乱数がリプレイの当選許容値に該当するかを判定する。ステップS226の判定が満たされると(抽出乱数がリプレイの当選許容値に該当する、ステップS226=Yes)、ステップS228に移りリプレイフラグをONにする。そしてステップS230のコマンド送信処理へ進む。
ステップS226の判定が満たされない場合(抽出乱数がリプレイの当選許容値に該当しない、ステップS226=No)、いずれの当選フラグもONとならずに(言い換えれば、ハズレフラグをONにする)、ステップS230のコマンド送信処理へ進む。
ステップS230のコマンド送信処理では、成立フラグ(当選フラグ、ハズレフラグ)が情報コマンドとしてサブ制御基板94に送信する処理を行う。BB、CB、特定役、特殊条件役、小役、リプレイについては当選フラグが情報コマンドとして、ハズレについてはハズレフラグが情報コマンドとして、それぞれサブ制御基板94に送信されることになる。このように必要な情報コマンドのみを送信することによりメイン制御基板92にかかる負荷を軽減させることができる。
なお、フラグ処理が行われる前あるいは始動処理が行われる前に、通常判定乱数テーブル、特別判定乱数テーブルのいずれの判定乱数テーブルを適用するかを予め決定しておくこともできる。これは、スロットマシン1の抽出範囲が常に一定であるので、予め判定乱数テーブルを決定したうえで乱数を抽出して、その抽出乱数を判定乱数テーブルと照らし合わせる場合と、前述した通り、抽出乱数を得た後で判定乱数テーブルを決める場合とを比べても差異がほとんど生じないといえるからである。
図8は、判定乱数テーブル選択処理(図7のステップS201)について具体的に示したものである。ステップS301では、先ずN=0であるかを判定する。この「N」は特別判定乱数テーブルが適用されたゲーム(高確率ゲームと呼ぶ)の継続回数を表す変数である。また継続回数とは当該ゲームまで高確率ゲームが連続している場合のゲームの回数を表すものである。例えば、当該ゲームまで高確率ゲームが10回継続している場合、N=10ということである。本実施形態のスロットマシン1ではこの継続回数の上限を100回としている。従って、高確率ゲームの最高継続回数は100回ということになる。また、通常判定乱数テーブルが適用されたゲームのことを通常確率ゲームと呼ぶ。
ステップS301の判定が満たされると、ステップS302に移り特別判定乱数テーブルフラグがONとなっているかを判定する。このステップS302の判定が満たされない場合、ステップS304に移り通常判定乱数テーブルを適用して抽出乱数の照合を実行し処理は終了となる。なお、特別判定乱数テーブルフラグについては後述の判定処理にて説明する。
ステップS302に判定が満たされると、ステップS306に移り特別判定乱数テーブルフラグをOFFにする。次いでステップS308で、変数NをN+1に置き換える(インクリメントする)。そしてステップS310で特別判定乱数テーブルを適用して抽出乱数の照合を実行し処理は終了となる。
ステップS301の判定が満たされない場合、ステップS312に移り変数Nが100未満であるかを判定する。ステップS312の判定が満たされると、ステップS314に移り通常判定乱数テーブルフラグがONとなっているかを判定する。このステップS314の判定が満たされない場合は、ステップS306に移り特別判定乱数テーブルフラグがONとなっている場合はこれをOFFにして、次いでステップS308で、変数NをN+1に置き換えて以降の処理が実行される。なお、通常判定乱数テーブルフラグについては後述の判定処理にて説明する。
一方、ステップS314の判定が満たされると、ステップS316に移り(このとき通常判定乱数テーブルフラグをOFFにする)、通常判定乱数テーブルを適用して抽出乱数の照合を実行し処理は終了となる。ステップS312の判定が満たされない場合も、ステップS316に移り、以降同様の処理が実行される。
なお、変数Nの上限値(つまり、高確率ゲームの最高継続回数)を適宜変えてもよい。またNの上限値を設けない態様(つまり、継続回数を無限回数とする)としてもよい。
図9は、通常判定乱数テーブル及び特別判定乱数テーブルについて、それぞれ具体的に示したものである。
特別判定乱数テーブル〔図9(b)〕では、通常判定乱数テーブル〔図9(a)〕に比べて、BB及びCBの当選許容値の範囲が大きく変更されている。具体的に特別判定乱数テーブルでは、通常判定乱数テーブルに比べてBBの当選許容値の範囲は5倍、CBの当選許容値の範囲も5倍とそれぞれ広く変更されている。つまり、BBの当選確率は5倍、CBの当選確率も5倍に高く変更されることとなる。その他の当選役の当選確率については変更されていないが、BBの当選許容値及びCBの当選許容値の範囲が広く変更されたことにより、ベル以下ハズレまでの当選許容値が変更されている。ただし、当選許容値の範囲(幅)自体は変更されていないので、ベルから特定条件役までの当選役についての当選確率は変わらない。なお、このときハズレの当選許容値の範囲(ハズレとなる範囲)については、BB及び特CBの当選許容値の範囲が広がったことにより減少しているのでハズレとなる確率が低くなっている。
このように、スロットマシン1では抽出範囲内で当選許容値の範囲を変更させることにより、特定の当選役の当選確率を高くしたり、あるいは低くしたりすることができる。これによって判定乱数テーブルを複数種類持つことが可能となるのである。
(3.リール停止処理:可動表示体停止制御手段、停止制御手段)
図10は、一例としてテーブル方式によるリール停止処理の内容を示している。リール制御については公知の技術を適用できるため、ここでは処理の流れを概略的に説明する。
リール停止処理では先ず、該当するゲームでの当落結果を表す成立フラグにしたがってリール制御テーブルが選択される(ステップS401)。なお、リール制御テーブルは予め全ての当落結果について複数のパターンのものが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン制御基板92のROM112に格納されている。
適切なパターンのリール制御テーブルが選択された状態で、停止ボタン20,22,24が押されるまで待ち受け状態となる(ステップS402,S410,S417)。これらの待ち受け状態で、左リール10a、中リール10b及び右リール10cの各リールが既に停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグが立っていない状態(=0)であるか否かが判断されるとともに、あわせて左、中、右のいずれかの停止ボタン20,22,24が押されたか否かが判断される。全ての停止ボタン20,22,24が押されるまでは、ステップS409の判断が否定(No)されてステップS402以降が繰り返される。
例えば、いわゆる「順押し」または「順はさみ押し」の手順に沿って最初に左の停止ボタン20が押されたとすると(ステップS402=Yes)、左の停止ボタン20が押された時点では第1リール停止フラグが立っていないため(ステップS403=Yes)、左リール10aについて第1リール停止処理(ステップS404)が実行される。なお、ここでいう「第1リール停止処理」とは、1番目にリールを停止させる処理という意味である。
あるいは、いわゆる「中押し」の手順に沿って最初に中央の停止ボタン22が押されると(ステップS410=Yes,ステップS411=Yes)、中リール10bについて第1リール停止処理(ステップS412)が実行される。これ以外に、いわゆる「逆押し」または「逆はさみ押し」の手順に沿って最初に右の停止ボタン24が押された場合は(ステップS417=Yes、ステップS418=Yes)、右リール10cについて第1リール停止処理(ステップS419)が実行される。
上記でいう「順押し」あるいは「順はさみ押し」とは、ともに左リール10aを第1番目に停止させる停止操作手順であり、
「順押し」は、〔 左→中→右 〕の順番でリールの停止操作を行う手順のことをいい、
「順はさみ押し」は、〔 左→右→中 〕の順番でリールの停止操作を行う手順のことをいう。また、「逆押し」あるいは「逆はさみ押し」の停止操作手順は、それぞれ「順押し」あるいは「順はさみ押し」と反対の停止操作手順となる。即ち、
「逆押し」は、〔 右→中→左 〕の順番でリールの停止操作を行う手順のことであり、
「逆はさみ押し」は、〔 右→左→中 〕の順番でリールの停止操作を行う手順のことである。更に、「中押し」についても「順押し」あるいは「逆押し」と同様に、
〔 中→左→右 〕あるいは〔 中→右→左 〕という2つの停止操作手順が存在することになる。
左リール10a、中リール10b及び右リール10cのいずれかのリールについて第1リール停止処理(ステップS404またはステップS412またはステップS419)が行われると、該当する成立フラグに対応した複数パターンのリール制御テーブルのなかから、抽出乱数の値に基づいて1つのテーブルパターンが選択される。これは、例えば1つの当選役「ベル」について、リール10a,10b,10c上にある「ベル図柄」を有効ライン上に停止させるために予め複数パターンのリール制御テーブルが用意されている場合、このリール制御テーブルの中から1つのパターンが選択されることを意味する。そして、1つのパターンが選択されると、該当するリール制御テーブルに基づいてリール10a,10b,10cの停止位置が制御される。これにより、「ベル図柄」が有効ライン上のいずれかで停止されることとなる。なお、それぞれの当選役に対応するリール制御テーブルのパターンを複数用意させることに限定されるものではなく、1つの当選役に対して1つのリール制御テーブルのパターンを用意するだけでもよい。
ここで、上記の「順押し」手順に沿って左リール10aが第1番目に停止されるパターンを例にとると、ステップS404で左リール10aについて第1リール停止処理が行われる。また、このときメイン制御基板92は、左リール10aに表示された出目(停止目)を表す停止情報コマンド(第1停止情報コマンド)をサブ制御基板94に送信する。
次のステップS406では残りの中リール10b、右リール10cについてそれぞれリール制御テーブルが乱数抽選によって決定される。具体的には、図1において左リール10aが停止した状態となり「ベル図柄」が下段位置に停止したとすると、停止した時点で「ベル図柄」の組み合わせが揃うための有効ラインとして下段ラインまたは右上がりラインの2通り(MAXベットの場合)が選択可能となる。このとき乱数抽選によっていずれか一方(例えば右上がりライン)が選択されることになる。なお、乱数抽選の振り分け率は半々程度でよい。
なお、成立フラグに対応する当選図柄を停止させる有効ラインを予め決定する形態としてもよい。こうすると左リール10a(または第1リール)を停止させた時点では既にどの有効ラインに該当図柄(成立フラグに対応する当選図柄、以下では該当図柄)を停止させるのか決定しているため、ステップS406に示した乱数抽選を行う必要が無くなり、メイン制御基板92の行う処理を複雑化(煩雑化)させることがない。ただし、予め決定された有効ラインに該当図柄を停止させる場合、左リール10aにチェリー図柄が該当図柄と重複して(同時に)停止してしまうことを回避させる必要が生じることになる。従って、成立フラグに対応した当選図柄を停止させる有効ラインを予め決める際には、チェリー図柄と該当図柄とが重複せずに停止可能な有効ラインに限定されることになる。
以上の処理(ステップS406)が行われると、続いて第1リール停止フラグがON(=1)にされるとともに(ステップS407)、左リール停止フラグがON(=1)にされる(ステップS408)。左リール停止フラグがON(=1)になった段階ではリール10a,10b,10cが全て停止していないので、ステップS409の判断が否定(No)されてステップS402以降が実行される。
すると、このとき既に左リール10aが停止しているので(ステップS402=No)、「順押し」手順に沿って2番目に中央の停止ボタン22が押されると(ステップS410=Yes)、第1リール停止フラグの判定(ステップS411=No)を経て中リール停止処理(ステップS413)が実行される。中リール停止処理では、先に中リール10bについて選択されているリール制御テーブルに基づいて停止位置が制御される。これにより、上記の右上がりとなる有効ライン上で「ベル図柄」が揃う例でいうと、中リール10b上の「ベル図柄」が表示窓8内の中段位置に停止することとなる。このときの停止目は、左リール10a、中リール10bに「ベル図柄」が右上がりとなる有効ライン上に2つ揃った状態(この状態をテンパイ状態という、この場合は右上がりテンパイ状態)となる。また、このときメイン制御基板92は、中リール10bの停止目を表す停止情報コマンド(第2停止情報コマンド)をサブ制御基板94に送信する。そして、この場合、中リール10bは第2停止であるためステップS412,S414,S415は全て迂回され、ステップS416にて中リール停止フラグがON(=1)にされるだけとなる。
同様にして、最後に右の停止ボタン24が押されると(ステップS417=Yes)、第1リール停止フラグの判定(ステップS418=No)を経て、先に右リール10cについて選択されているリール制御テーブルに基づいて停止位置が制御される(ステップS420)。これにより、右リール10c上の「ベル図柄」が表示窓8内の上段位置に停止することとなるので、全リールが停止した状態での出目は、右上がりとなる有効ライン上で「ベル図柄」が3つ揃った状態となる。このときメイン制御基板92は、右リール10cの停止目を表す停止情報コマンド(第3停止情報コマンド)をサブ制御基板94に送信する。また、この場合、右リール10cは第3停止であるためステップS419,S421,S422は全て迂回され、ステップS423にて右リール停止フラグがON(=1)にされるだけとなる。
ここまでの処理を経て全リール停止フラグがONになると、ステップS409の判断が肯定(Yes)されるため、メイン制御基板92による処理は本ルーチンを抜ける。
更に、上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選図柄が停止操作の受け付けられた時点から表示窓8内に引き込んで停止させることが可能な範囲(位置)にある場合、必ず引き込んで該当する当選図柄を表示窓8内に停止させようとする制御が行われる(いわゆる、引き込み制御といわれるリール停止制御)。引き込み可能な範囲とは、リールの停止操作が受け付けられてからリールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数(例えば、4個分の図柄を最大数とすれば、最大4個分の図柄まで移動が可能となる)のことをいう。つまり、リール停止操作が受け付けられた時点で、リールが即座(引き込み制御が行われずに)に停止すると仮定した場合には、表示窓8内に停止することのない当選図柄(以下では該当当選図柄と呼ぶ)であっても、引き込み制御を行うことによって、リールが停止するまでに該当当選図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選図柄を表示窓8内に移動させて停止させることが可能となる。この停止制御(引き込み制御)を行うことにより、遊技者は目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に成立フラグに対応する当選図柄があれば、その成立フラグに対応する当選図柄を表示窓8内に引き込むことが可能となり、成立フラグに対応する当選図柄の取りこぼしを極力回避することが可能となる。また、遊技者の目押しの技量が高く、どの当選図柄でも正確に停止させることができたとしても、成立フラグ以外の当選図柄が揃ってしまうことを回避させることもできるのである。
本実施形態のスロットマシン1では、リプレイ(再ゲーム役)及びベル(一般小役のうちの1つ)が成立フラグとなる場合には、遊技者の目押しのタイミングが早くとも、遅くとも、必ず該当図柄を揃えることができるものとしている。つまり、引き込み制御により「取りこぼし」が生じる可能性がない図柄の配列とする(図示はしない)。具体的には、全てのリールの引き込み可能な範囲内に必ず、該当図柄(リプレイ図柄及びベル図柄)を配置させることで可能となるのである。従って、リプレイ、ベルは「取りこぼし」を心配することなく、内部抽選で当選すれば必ず獲得できることになり、遊技者の目押しの負担が軽減されることになる。また、特定条件役についても「取りこぼし」の生じないものとなる(ベル図柄及びリプレイ図柄のみから構成された組み合わせであることから)。
ただし、リプレイ及びベル、特定条件役に「取りこぼし」が生じないのは「順押し」あるいは「順はさみ押し」によるリール停止操作が行われた場合のみとしている(特に特定条件役については、回避不実行手段の一例に相当する)。これは「順押し」あるいは「順はさみ押し」以外の停止操作(中押し、逆押し、逆はさみ押しのこと、これらをまとめて変則押しと呼ぶ)が受け付けられた場合には、左リール10aの停止制御が行われる際に「チェリー図柄」に関する停止制御が行われる可能性が生じるからである。つまり、成立フラグがチェリー以外であり、なおかつ、「変則押し」の停止操作が受け付けられると、左リール10aの停止に際してチェリー図柄を回避させるための停止制御が行われることとなるからである。
具体的には、成立フラグがチェリー以外であった場合、例えば、成立フラグがベルであるとする。そのときの成立フラグであるベルに対応するベル図柄を揃えようと表示窓8内の有効ライン上に引き込み制御が行われることになる。このとき、同時に「チェリー図柄」を別の有効ライン上に引き込んでしまうことを回避するリール停止制御も行われる(以下では「チェリー停止回避制御」と呼ぶ)。この場合、ベル図柄の引き込み制御に優先して「チェリー停止回避制御」が行われることとなるので、結果としてベル図柄が揃えられなくなる(つまり、表示窓8内に停止不可能となる)ことがある。従って、「変則押し」の停止操作が行われた場合、リプレイ及びベルにも「取りこぼし」を生じてしまう可能性があることになる。
「順押し」あるいは「順はさみ押し」の停止操作が受け付けられた場合は、左リール10aを第1リールとして停止処理(前述の第1リール停止処理)が行われることとなるので、「チェリー図柄」を表示窓8内に停止させることを回避するだけでよい。これは「チェリー停止回避制御」を行った場合でも、成立フラグに該当する当選図柄を表示窓8内に停止させることのできる図柄の配列(図柄の配置の順番)を左リール10aに設ければ解決することができる。
また、成立フラグが特定条件役であった場合には、「チェリー停止回避制御」が行われないとしても(チェリー図柄を表示窓8内に引き込む可能性がない場合)、特定条件役図柄を揃えさせないリール制御(これを「特定条件役停止回避制御」と呼ぶ)を行う(変則押しの場合のみ)。これは引き込み可能な範囲内に特定条件役図柄があっても最大限(または揃う位置に)引き込まないことで結果として特定条件役図柄が揃うことを回避するリール制御を行うものである。従って、特定条件役は「順押し」、「順はさみ押し」では必ず揃ってしまうため、仮にこれを避けようとする場合は、「変則押し」をする必要があるということになる。なお、「特定条件役停止回避制御」は回避実行手段の一例に相当する。
さらに、ベル、リプレイについても「特定条件役停止回避制御」と同様に、「変則押し」では引き込み範囲内でも最大限(または揃う位置に)引き込まないリール制御(「変則押し停止制御」と呼ぶ)を行い、「順押し」、「順はさみ押し」でのみ揃うものとしている。なお、ベル、リプレイについては変則押しでは必ず「チェリー停止回避制御」が行われてベル図柄、リプレイ図柄を揃えることができない態様としてもよい。
一方、成立フラグが特定役であった場合には、特定役図柄を揃えさせないリール制御(これを「特定役停止阻止制御」と呼ぶ)を行う(順押し、順はさみ押しの場合のみ)。この「特定役停止阻止制御」では、変則押しの停止操作でのみ特定役図柄を揃えさせることができる。但しこの際には目押しが必要である(既に説明したが特定役図柄を構成する図柄の配置数等から)。なお、「特定役停止阻止制御」は阻止実行手段の一例に相当する。
これらのことから、遊技者が意図的に特定条件役を回避し、なおかつ、特定役の特典を得ようと「変則押し」でゲームを進めていくと、ベル、リプレイを取りこぼし続けることとなり、効率の悪いゲームをすることになってしまう。従って、ベル、リプレイを確実に取りこぼさずに効率よくゲームを進めるために「順押し」、あるいは「順はさみ押し」でゲームを行わせることができる。
これらのことから、遊技者が意図的に特定条件役を回避するために「変則押し」でゲームを進めていくと、ベル、リプレイを取りこぼし続けることとなり、効率の悪いゲームをすることになってしまう。従って、ベル、リプレイを確実に取りこぼさずに効率よくゲームを進めるために「順押し」、あるいは「順はさみ押し」でゲームを進めさせるようにすることができる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
(4.判定処理:当選役図柄表示判定手段)
図11は、判定処理の内容を具体的に示している。前述のリール停止処理によって全てのリール10a,10b,10cが停止した状態となると、そのとき表示されている出目を確認する処理が行われ、表示窓8内のいずれかの有効ライン上でいずれかの当選役に該当する当選図柄の組み合わせが揃っているかが確認されることとなる(ステップS501)。
このとき、いずれか1つの有効ライン上に揃っている当選図柄の組み合わせが、BB図柄の組み合わせであるか(ステップS502)、CB図柄の組み合わせであるか(ステップS512)、小役図柄(ベル図柄、スイカ図柄あるいはチェリー図柄のいずれか)の組み合わせであるか(ステップS522)、リプレイ図柄の組み合わせであるか(ステップS532)、特定役図柄の組み合わせであるか(ステップS542)、特定条件役図柄の組み合わせであるかステップS552)、またはいずれにも該当しないハズレとなる図柄の組み合わせであるかを判定する。
そして、いずれか1つの有効ライン上に揃った当選図柄の組み合わせがBB図柄の組み合わせである場合、ステップS502の判定が満たされ(ステップS502=Yes)、ステップS504に移りBB図柄が揃ったことを祝福する効果音コマンドをサブ制御基板94に送信する。次いでステップS506でBBゲーム遊技処理が実行され判定処理は終了となる。なお、BBゲーム遊技処理については後述する。
ステップS502の判定が満たされない場合(ステップS502=No)、ステップ512に移り揃った図柄の組み合わせがCB図柄の組み合わせであるかを判定する。ステップS512の判定が満たされると(いずれか1つの有効ライン上に揃った当選図柄の組み合わせがCB図柄の組み合わせである場合)、ステップS514に移りCB図柄が揃ったことを祝福する効果音コマンドをサブ制御基板94に送信する。次いでステップS516でCBゲーム遊技処理が実行され判定処理は終了となる。なお、CBゲーム遊技処理についても後述する。
上記のステップS504及びステップS514で送信した効果音コマンドはサブ制御基板94で受信され、スピーカ56等より祝福音(祝福する効果音、ファンファーレなど)が発せられる。このときの効果音はBB、CBともに同じものであっても異なるものであってもよい。またこのときの効果音は遊技者がBB図柄、CB図柄を揃えることができたことに対する喜びや、これからBBゲーム、CBゲームが開始されることを周囲に向けてアピールできる態様とすることが望ましい。これにより遊技者の遊技意欲を高めることができる。
ステップS512の判定が満たされない場合(ステップS512=No)、ステップ522に移り、揃った図柄の組み合わせが小役図柄(ベル図柄、スイカ図柄、チェリー図柄)の組み合わせであるかを判定する。ステップS522の判定が満たされると(いずれか1つの有効ライン上に揃った当選図柄の組み合わせが小役図柄の組み合わせである場合)、ステップS524に移り各小役に対応する規定枚数のメダル払出動作をホッパ装置134に指示するとともに、払出音コマンドをサブ制御基板94に送信する。そして、ステップS526で払出処理として規定枚数のメダルが払い出されることになる。ステップS526に次いでステップS528で小役フラグをOFFにすると判定処理は終了となる。
上記の小役のうち、ベルは、「ベル−ベル−ベル」と全てベル図柄の組み合わせがいずれか1つの有効ライン上に揃った場合、ベル図柄の組み合わせが揃ったと判定される。同様にスイカも「スイカ−スイカ−スイカ」と全てスイカ図柄の組み合わせがいずれか1つの有効ライン上に揃うことでスイカ図柄の組み合わせが揃ったと判定される。しかし、チェリーについては、左リール10aのみ表示窓8内のいずれかの有効ライン上にチェリー図柄が停止するだけでチェリー図柄の組み合わせが揃ったと判定される(「チェリー−ANY−ANY」の組み合わせ)。
なお、小役図柄ごとに揃った場合の効果音を別々のものとしてもよい。特に複数の小役それぞれの小役に難易度(「取りこぼし」が生じるか否かの差、当選確率の差など)を設けた場合、難易度の高い小役(レアな小役)の効果音を他の小役と異ならせる。このようにすれば、遊技者がレアな小役に対応する図柄を揃えたときに周囲(他の遊技者等を含む)に対してレアな小役を揃えたということを強くアピールすることができる。
ステップS522の判定が満たされない場合(ステップS522=No)、ステップ532に移り、揃った図柄の組み合わせがリプレイ図柄の組み合わせであるかを判定する。ステップS532の判定が満たされると(いずれか1つの有効ライン上に揃った当選図柄の組み合わせがリプレイ図柄の組み合わせである場合)、ステップS534に移りリプレイ図柄が揃ったことを知らせる効果音コマンドをサブ制御基板94に送信する。次いでステップS536でリプレイゲーム処理が実行されると、ステップS538に移りリプレイフラグをOFFにすると判定処理は終了となる。
ステップS536のリプレイゲーム処理では、改めてメダルの投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲームを再遊技として実行させる処理が行われる。再遊技として次回のゲームが行われる場合、そのときの有効ラインの数は、リプレイ図柄の組み合わせが揃った当該ゲームでの有効ラインの数と同じライン数となる。例えば、3ベットしてゲームを行った当該ゲームで、リプレイ図柄の組み合わせが揃った場合、次回のゲームを再遊技として行う場合のベット数(このとき新たにメダルをベットする必要はない)も3ベットしたときのライン数が有効となる。
ステップS532の判定が満たされない場合(ステップS532=No)、ステップ542に移り、揃った図柄の組み合わせが特定役図柄の組み合わせであるかを判定する。ステップS542の判定が満たされると(いずれか1つの有効ライン上に揃った当選図柄の組み合わせが特定役図柄の組み合わせである場合)、ステップS544に移り特定役図柄が揃ったことを知らせる効果音コマンドをサブ制御基板94に送信する。次いでステップS546で昇格処理が実行されると、ステップS548に移り、特定役フラグをOFFにすると判定処理は終了となる。
ステップS546の昇格処理では、特別判定乱数テーブルフラグをONにする。そして、当該ゲームではメダルの払い出しなどを行わずそのまま終了させる処理が実行される(特殊ゲーム終了手段の一例に相当する)。つまり、特定役図柄の組み合わせが揃った場合、効果音のみ発せられて当該ゲームが終了となる。従って昇格処理では、判定乱数テーブルが遊技者にとって有利さの度合いの低いテーブル(通常判定乱数テーブル)から有利さの度合いの高いテーブル(特別抽選乱数テーブル)に昇格する契機となる処理が実行されることになる(特別抽選確率変更手段の一例に相当する)。
ステップS542の判定が満たされない場合(ステップS542=No)、ステップ552に移り、揃った図柄の組み合わせが特定条件役図柄の組み合わせであるかを判定する。ステップS552の判定が満たされると(いずれか1つの有効ライン上に揃った当選図柄の組み合わせが特定条件役図柄の組み合わせである場合)、ステップS554に移り特定条件役図柄が揃ったことを知らせる効果音コマンドをサブ制御基板94に送信する。次いでステップS556で降格処理が実行されると、ステップS558に移り特殊条件役フラグをOFFにすると判定処理は終了となる。
ステップS556の降格処理では、特別判定乱数テーブルフラグをONにする。この降格処理も上記の終了処理と同様、当該ゲームではメダルの払い出しは行われずにそのまま終了させる処理が実行される(特殊条件ゲーム終了手段の一例に相当する)。従って降格処理では、判定乱数テーブルが遊技者にとって有利さの度合いの高いテーブル(特別判定乱数テーブル)から有利さの度合いの低いテーブル(通常判定乱数テーブル)に降格する契機となる処理が実行されることになる(通常抽選確率変更手段の一例に相当する)。
ステップS552の判定が満たされない場合(ステップS552=No)、ステップ570に移り、BB及びCBの当選フラグ以外の成立フラグをOFFにすると処理は終了となる。ただし前述の通り、特別判定乱数テーブルフラグがONとなっていた場合、このフラグもOFFにはされず処理は終了となる。ステップS552が満たされない場合とは、いずれか1つの有効ライン上にいずれの当選図柄の組み合わせも揃わなかったときのことである。このような場合となるのは、ハズレフラグがONとなっている場合か、あるいは成立フラグとしてハズレフラグ以外の当選フラグが得られていたが、その成立フラグに対応する当選図柄を「取りこぼし」た場合のいずれかである。
BB及びCBの当選フラグを除いた成立フラグがOFFにされることは、言い換えれば、BB及びCBについては、その当選フラグが維持される(持ち越される)ということである。これはBB及びCBの特典が、遊技者にとって小役やリプレイの特典より有利な利益を与える特典(大量のメダルを獲得できる機会の付与)を有しており、「取りこぼし」等により多大な不利益を被らせないためである。従って、遊技者の目押しの技量の差などにより「取りこぼし」が生じてもBBやCBの特典は確実に獲得することができることになる。
一方、小役及びリプレイについては、それぞれの当選フラグが得られた当該ゲーム(つまり、小役フラグがONになった当該ゲーム、あるいはリプレイフラグがONになった当該ゲーム)で、該当する図柄を揃えることができなければ、その当選フラグは消滅してしまう。これは、ハズレフラグも同様である。
また、特定役、特定条件役についても当選フラグの持ち越しは行われない。従って、特定役及び特定条件役を取りこぼした場合、昇格処理及び降格処理は実行されないことになる。
(5.各種ボーナスゲーム〔特別遊技状態〕)
本実施形態のスロットマシン1では、BB図柄(「7−7−7」)またはCB図柄(「C−C−C」)の図柄の組み合わせが表示窓8内のいずれか一つの有効ライン上に表示された(図柄が揃った)場合、次回のゲームからそれぞれ「BBゲーム(ビッグボーナスゲーム)」、「CBゲーム(チャレンジボーナスゲーム)」という各種ボーナスゲーム(特別遊技状態)が開始される。これらBBゲーム、CBゲームには複数回のゲーム機会が含まれており、この間に集中してメダルの払い出しの可能性があるため、大量のメダルを獲得することができる。従って、各種ボーナスゲームは遊技者にとって有利な状態(通常遊技状態に比べると)であるといえる。このBBゲーム、CBゲームは遊技価値付与機会増加手段の一例に相当する。
(5−1.BBゲーム遊技処理)
図12は、BBゲーム遊技処理の内容を具体的に示している。先ずステップS601で、初期化処理としてBBフラグをOFFにした後、BBゲーム用に乱数抽選の当たり値テーブル(判定乱数テーブル)を変更させる。ここで変更された当たり値テーブル(BBゲーム専用判定乱数テーブルと呼ぶ、図示はしない)は小役の当たり値を多く保有しており、前述のベル及びスイカの当選確率を大幅に高く変更させている。具体的にはベル及びスイカ及びチェリーを合わせた当選確率を1/1.01となるよう当選許容値の範囲を決めるものとする。従って、BBゲーム中は、ほとんど毎ゲーム、ベルまたはスイカまたはチェリーに当選することが可能な状態であるといえる。さらにBBゲーム中(CBゲーム中も含む)のみベル、スイカのメダルの払い出し枚数を15枚に変更させる。従って、BBゲームではほぼ毎ゲーム15枚のメダルを獲得することが可能となり、効率良くメダルを増やすことができる。なお、上記の初期化処理にて現在の遊技状態を表すコマンド(遊技ステータスコマンド)をサブ制御基板94に送信する態様をとることもできる。
また、BBゲーム専用判定乱数テーブルには、BB及びCB及び特定役、特定条件役の当選許容値は含めず、更にリプレイの当選許容値も含めないものとする。従って、BBゲーム中にCB、特定役、特定条件役、リプレイのいずれにも当選することは無く、更にBBゲーム中に新たにBBに重複して当選することもないこととなる。つまり、BBゲーム中は小役に当選するか、あるいは稀にハズレとなるかのいずれかの結果が得られることとなる。また本実施形態のスロットマシン1では、BBゲーム中も通常確率ゲーム等と同様にメダルを3BET(3枚掛け)にてゲームを行わせるものとする。従って、遊技者は通常のゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
ステップS601に次いで、ステップS602ではリール装置10の始動処理、次いでステップS604の停止処理が実行される。これら始動処理及び停止処理の内容は既に説明したものと同じである。
ステップS604の停止処理で、全てのリール10a,10b,10cが停止状態となると、ステップS606に移り、そのときの出目情報をサブ制御基板94に送信する。そして、ステップS608でBBゲーム数カウンタを1つだけカウントアップさせる。
次にステップS610では、出目として小役図柄(ベル図柄、スイカ図柄、チェリー図柄のいずれか)が揃っているかを判定する。ステップS610の判定が満たされない場合(小役図柄が揃わなかったと判定、ステップS610=No)、ステップS618に移り成立フラグをOFFにする。なお、ステップS610が満たされない場合とは、抽選でハズレフラグがONになっていたか、あるいは当選フラグがONになっていても遊技者が該当する当選図柄の組み合わせを取りこぼしたかのいずれかである。
一方、ステップS610の判定が満たされると(小役図柄が揃ったと判定、ステップS606=Yes)、ステップS612に移り、規定枚数のメダルの払出動作をホッパ装置134に指示するとともに、払出音コマンドをサブ制御基板94に送信する。そしてステップS614では、払出処理として小役図柄に対応したメダルの払出音がスピーカ56等から発せられるとともに、規定枚数のメダルの払い出しが実行される。ステップS614の払出処理が終わると、ステップS616に移り、ステップS614で払出されたメダルの枚数分だけ累計払出カウンタをカウントアップさせる。
そしてステップS618で成立フラグをOFFにすると、ステップS620の終了判定に移る。この終了判定ではBBゲームそのものを終了すべきか否かを判定する。ステップS620の判定が満たされない場合、ステップS602に戻り以降の処理が繰り返される。
BBゲームは、以下のいずれかの条件が満たされた場合に終了となる。
(1)ステップS608で、BBゲーム数カウンタのカウント数が36回に達する。
(2)ステップS616で、累計払出枚数が500枚に達する。
上記のいずれかの条件が満たされると、ステップS620の終了判定が満たされ、ステップS622の判定乱数テーブル移行処理に移る。この判定乱数テーブル移行処理では、特別判定乱数テーブルフラグをONにする処理が実行される。これは、即ちBBゲームの終了後から開始されるゲーム(次回のゲーム)は高確率ゲームということである。従って、本実施形態のスロットマシン1では、BBゲームの終了後から必ず高確率ゲームが開始されるということになる。さらに高確率ゲームは前述の通り、最高継続回数100回となっているので、遊技者はBBゲーム終了後も有利な条件でゲームを行うことができる。
なお、BBゲーム専用の当選役(ボーナスゲーム専用役)を新たに設けてもよい。また、BBゲーム中は、通常確率ゲーム等と異ならせてメダルを1BET(1枚掛け)、あるいは2BET(2枚掛け)でゲームを行うものとしてもよい。これらにより遊技者は通常確率ゲーム等とは異なるゲームが行われていることを明確に認識することができる。
(5−2.CBゲーム遊技処理)
図13は、CBゲーム遊技処理の内容を具体的に示している。CBゲーム遊技処理でも、先ずステップS701で初期化処理としてCBフラグをOFFにした後、CBゲーム用に乱数抽選の当たり値テーブルを変更させる。ここで変更された当たり値テーブルについては、BBゲーム専用判定乱数テーブルと同じものとしている。従って、CBゲームでもBBゲームと同様、ほぼ毎ゲーム15枚のメダルを獲得することが可能となり、効率良くメダルを増やすことができる。なお、上記の初期化処理にて現在の遊技状態を表すコマンド(遊技ステータスコマンド)をサブ制御基板94に送信する態様をとることもできる。
また、CBゲーム中もBBゲーム中と同様にBB、特定役、特定条件役、リプレイのいずれにも当選することは無く、更にCBゲーム中に新たにCBに重複して当選することもない。つまり、CBゲーム中は小役に当選するか、あるいは稀にハズレとなるかのいずれかの結果が得られることとなる。本実施形態のスロットマシン1では、CBゲームについてもBBゲームと同様に通常確率ゲーム等と変わりなくメダルを3BET(3枚掛け)にてゲームを行わせるものとしている。従って、遊技者は通常のゲームと比べて違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
ステップS701に次いで、ステップS702ではリール装置10の始動処理、次いでステップS704の停止処理が実行される。これら始動処理及び停止処理の内容は既に説明したものと同じである。
ステップS704の停止処理で、全てのリール10a,10b,10cが停止状態となると、ステップS706に移り、そのときの出目情報をサブ制御基板94に送信する。そして、ステップS708でCBゲーム数カウンタが1つだけカウントアップさせる。
次にステップS710では、出目として小役図柄(ベル図柄、スイカ図柄、チェリー図柄のいずれか)が揃っているかを判定する。ステップS710の判定が満たされない場合(小役図柄が揃わなかったと判定、ステップS710=No)、ステップS718に移り成立フラグをOFFにする。なお、ステップS710が満たされない場合とは、抽選でハズレフラグがONになっていたか、あるいは当選フラグがONになっていても遊技者が該当する当選図柄の組み合わせを取りこぼしたかのいずれかである。
一方、ステップS710の判定が満たされると(小役図柄が揃ったと判定、ステップS706=Yes)、ステップS712に移り、規定枚数のメダルの払出動作をホッパ装置134に指示するとともに、払出音コマンドをサブ制御基板94に送信する。そしてステップS714では、払出処理として小役図柄に対応したメダルの払出音がスピーカ56等から発せられるとともに、規定枚数のメダルの払い出しが実行される。ステップS714の払出処理が終わると、ステップS716に移り、ステップS714で払出されたメダルの枚数分だけ累計払出カウンタをカウントアップさせる。
そしてステップS718で成立フラグをOFFにすると、ステップS720の終了判定に移る。この終了判定ではCBゲームそのものを終了すべきか否かを判定する。ステップS720の判定が満たされない場合、ステップS702に戻り以降の処理が繰り返される。
CBゲームは、以下のいずれかの条件が満たされた場合に終了となる。
(1)ステップS708で、CBゲーム数カウンタのカウント数が18回に達する。
(2)ステップS716で、累計払出枚数が250枚に達する。
上記のいずれかの条件が満たされると、ステップS720の終了判定が満たされ、ステップS722の判定乱数テーブル移行処理に移る。この判定乱数テーブル移行処理では、特別判定乱数テーブルフラグをONにする処理が行われる。これは、CBゲームの終了後から開始されるゲーム(次回のゲーム)も高確率ゲームということである。従って、本実施形態のスロットマシン1では、BBゲーム、CBゲームの終了後からは必ず高確率ゲームが開始されるということになる。これにより、遊技者はCBゲーム終了後も有利な条件でゲームを行うことができる。
なお、メイン制御基盤94の負担を増加させない範囲であればCBゲーム用の当たり値テーブルを、BBゲーム専用判定乱数テーブルと別に設けてもよい。また、BBゲームと同様、ボーナスゲーム専用役を別の設けてもよいし、CBゲーム中はメダルを1BET(1枚掛け)あるいは2BET(2枚掛け)にてゲームを行わせるものとしてもよい。これらにより遊技者は通常確率ゲーム等とは異なるゲームが行われていることを明確に認識できる。
(6.設定値)
本実施形態のスロットマシン1は、複数種類の通常判定乱数テーブルを設けてホール等が適宜いずれの通常判定乱数テーブルを用いるかを予め決めることができるものである。ここで設けた複数の判定乱数テーブルは、少なくとも1つの当選役についてその当選確率の高低を段階的につけたり、あるいはほぼ全ての当選役についてその当選確率に格差(段階的な差、極端な差など)をつけたりしたものである。これは、スロットマシンに代表される回胴式遊技機等における「設定」と呼ばれるものである。この「設定」では、複数の判定乱数テーブルごとに各当選役の当選確率を段階的に高低させて、その段階を表す値「設定値」がそれぞれの判定乱数テーブルに対応づけられている。例えば、6段階の高低をつけた判定乱数テーブルを設けた場合、その6つの判定乱数テーブルのうち、相対的に見て、各当選役の当選確率が高い順に「設定値6」、「設定値5」、「設定値4」、「設定値3」、「設定値2」、「設定値1」と対応づけることができる。
ホール等は、この「設定値」を毎日あるいは定期的に変更することにより、いわゆる「出玉」を調整することができる。ここでいう「出玉」の調整とは、
ホールと遊技者との利益バランスの調整ということもできる。例えば、スロットマシン1の「設定値」が高いと(上記の設定値6等が該当する、いわゆる高設定)、遊技者がゲームを行った場合に大量のメダルを獲得できる可能性は高いといえる。一方、スロットマシン1の「設定値」が低いと(上記の設定値1等が該当する、いわゆる低設定)、遊技者がゲームを行った場合に大量のメダルを獲得できる可能性は低い(高設定に比べると)といえる。
また、ホール側からは上記と全く反対のことがいえる。即ち、「高設定」ほどホールの利益は少なく、「低設定」ほどホールの利益は高いということになる。従って、「設定値」により出玉を調整することはホールと遊技者との利益バランスを取ることともいえるのである。
本実施形態のスロットマシン1では、「設定値4」に相当する各当選役の当選確率及び判定乱数テーブルを図9に示している。
通常判定乱数テーブルを複数種類設けるとともに、特別判定乱数テーブルも複数種類設けることもできる。例えば、それぞれの判定乱数テーブル(通常判定乱数テーブルと特別判定乱数テーブル)を1対1に対応づければ、「設定値1」から「設定値6」まで、通常判定乱数テーブル及び特別判定乱数テーブルがともに段階的に判定乱数テーブルに高低をつけることができる。このようにすると、「設定値」ごとの格差を明確につけることが可能となる。
また、特別判定乱数テーブルを複数種類設けない場合、通常判定乱数テーブルは6段階に分かれるが、特別判定乱数テーブルは複数の段階に分けずに1つの判定乱数テーブルのみとなる。このような場合、「通常確率ゲーム」では「設定値」によって各当選役の当選確率に差がついてしまうが、「高確率ゲーム」では「設定値」によって各当選役の当選確率に差が生じないものとなる。従って、遊技者に「設定値」が低くても「高確率ゲーム」に移行すれば「設定値」に関係なくゲームが行える、つまり「高確率ゲーム」に移行できれば、それまでの不利益を挽回できるという前向きな遊技意欲を持たせることもできる。
(7.演出処理)
以上は、メイン制御基板92による遊技制御の例であるが、本実施形態のスロットマシン1では、遊技の進行にあわせてサブ制御基板94により各種演出動作の制御(演出処理)が行われる。以下の演出処理は、メイン制御基板92から送信される各種情報コマンド(出力信号)に基づいてサブ制御基板94のCPUにて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
演出処理は、通常確率ゲームや高確率ゲーム、BBゲーム(CBゲーム)等の遊技状態に応じて実行させることにより遊技者を視覚的、聴覚的(あるいは触覚的)に刺激を与えるものである。具体的には、液晶表示部58で実行される演出表示(静的、動的な画像表示等)による視覚的な効果や、スピーカ56より発せられる効果音(祝福音)による聴覚的な効果を遊技者に与えることが可能である。
さらには各ランプ60,62等による発光、消灯、点滅動作などによる視覚的な効果、各種表示部(クレジット枚数表示部30、ゲーム数表示部32、払い出し枚数表示部34、ボーナスフラグ告知ランプ44等)でも視覚的な効果を与えることが可能である。なお、始動レバー18や各停止ボタン20,22,24等に振動動作を実行させて触覚的な効果を遊技者に与える態様としてもよい。このような演出処理は、特に遊技者が長い時間ゲームを続ける場合など退屈な印象を与えづらくすることができる。また、BB(あるいはCB)に当選した場合などは、演出処理を行うことにより、BBの当選を遊技者に速やかに察知させることもできる。さらにBBゲーム(あるいはCBゲーム)では、それまでとは異なる演出処理をその期間(BBゲーム中、CBゲーム中)だけ実行させると、周囲に向けたアピールにもなり、遊技者がBBゲームでの演出を望んで遊技意欲を高めることもできる。
図14は、演出処理の一例を示している。また図15は演出処理で表示される画像の一例を示したものである。スロットマシン1の電源が投入(電源スイッチ76がONに操作)されると、先ずステップS901の初期化処理を実行する。そしてステップS902でメイン制御基板92から送信されるメダル投入コマンドの待ち受け状態とし、実際にメダル投入コマンドが送信されると、ステップS903に移りメダル投入コマンドを受信する。これに応じて演出動作の制御を行い、スピーカ56や演出表示部58等に各種演出を実行させる(メダル投入演出処理)。なお、ここでの演出動作は、投入音やベット音を発生させることである。
ステップS903に次いで、ステップS904ではメイン制御基板92から送信される始動フラグの情報コマンド(前述の図7のコマンド送信処理で送信される当選フラグ、ハズレフラグの情報コマンド)の待ち受け状態となる。遊技者等による始動レバー18の操作を契機としてメイン制御基板92から始動フラグの情報コマンドが送信されると、ステップS905に移りこの情報コマンドを受信する。このときのコマンドに合わせた演出動作の制御を行い、スピーカ56や液晶表示部58等に各種演出を実行させる(始動演出処理)。なお、ここでの演出動作は、リール始動音やリール回転音等を発生させることである。
ステップS905に次いで、ステップ906ではメイン制御基板92から送信される停止情報コマンドの待ち受け状態となる。遊技者等により3つの停止ボタン20,22,24のうち、いずれかの停止ボタンが第1番目に押下されると、第1停止情報コマンドがメイン制御基板92から送信される。次いで第2番目の停止ボタンが押下されると第2停止情報コマンドが、最後に第3番目の停止ボタンが押下されると第3停止情報コマンドが、それぞれ第1停止情報コマンドと同様にメイン制御基板92から送信される。ステップS907では停止情報コマンドを受信するごとに、そのときの当選フラグと停止情報コマンドに応じた演出動作の制御を行い、液晶表示部58やスピーカ56、各ランプ等に各種演出を実行させる(停止演出処理)。なお、ここでの演出動作は、リール停止音の発生やランプの消灯、点灯などである。
そして、ステップS908では、前述した判定処理の結果に応じてメイン制御基板92から送信される払出音コマンドや効果音コマンド、遊技ステータスコマンドの待ち受け状態となる。ステップS909では払出音コマンドや効果音コマンドを受信すると、これに応じて演出動作の制御を行い、スピーカ56や各ランプ、液晶表示部58等に各種演出を実行させる。なお、ここでの演出動作は、払出音や効果音の発生や、ランプの点灯、点滅、払出枚数の表示などである。また、遊技ステータスコマンドを受信すると、現在の遊技ステータス(現在の遊技状態がBBゲーム中であるのか、通常確率ゲーム中であるのか等といった情報)に応じた演出動作の制御を行う(遊技ステータス演出処理)。
(7−1.始動演出処理)
ステップS903の始動演出処理での各種演出は、液晶表示部58、スピーカ56、各ランプ60,62,64,66等によって実行される。なお、液晶表示部58に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。また、役物(キャラクターを模した人形や、可動可能な模型等)や、サイドリール(リール装置10の各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの等)や、あるいは、ランプなどの照明(回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。このような方法をとれば、液晶表示以外でも遊技者を十分に楽しませることができる。
始動演出処理では、メイン制御基板92から送信される始動フラグの情報コマンドに基づき各種演出を実行させる。ここでの演出には、特別な演出を行わない通常の演出(ノーマル演出)、当選フラグを直接的に教える演出(フラグ告知演出)、当選フラグを間接的に示唆する演出(フラグ示唆演出)等がある。通常演出では、何も特別な演出を行わない(つまり、始動操作を契機に何か演出が実行されるということがない)。フラグ告知演出は、当選フラグを直接的に遊技者に教える内容の演出である。例えば、当選フラグがBBに該当するのであれば、BB図柄(あるいはボーナス確定等)の表示を行わせたり、「ボーナス!」等の音声を発生させたり、ボーナスフラグ告知ランプ44を点灯させたりといったことである。フラグ示唆演出は、当選フラグを間接的に遊技者に示唆する演出である。この演出には、複数の当選フラグのいずれかであることを示唆する内容も含まれる。これらの演出のいずれかを実行するかは適宜の抽選等を行うものとすればよい(例えば、演出用乱数を用いた乱数抽選等)。
(7−1−1.特別演出)
さらに、スロットマシン1では、これらの演出のほかに当選フラグが特定役または特定条件役に該当する場合に限り、特定役または特定条件役に当選したことを報知する演出(特別演出と呼ぶ)を実行する。この特別演出は、特定役または特定条件役に当選した場合に所定の割合でその当選フラグを遊技者に向けて報知する(または告知する、教える)内容の演出である。
特別演出は遊技状態(「高確率ゲーム」、「通常確率ゲーム」など)により、それぞれ所定の割合で実行させる。図16は特別演出の実行割合(所定の割合のこと)をそれぞれの遊技状態別に示したものである。図中のチャンスゾーン1とは、BBゲーム及びCBゲーム終了後から50回のゲーム数に到達するまでの期間のことをいう。またチャンスゾーン2とは、リプレイ当選後から2回のゲーム数に到達するまで(つまり、リプレイゲーム及びその次のゲーム)の期間のことをいう。そして、非チャンスゾーンとは、これら上記のチャンスゾーン以外の期間すべてのことをいう。ただし、チャンスゾーン1の期間にリプレイに当選してもチャンスゾーン2とはならず、チャンスゾーン1が継続される。
図16から、特定役はチャンスゾーン2以外では特別演出が実行される可能性が極めて低いといえる。つまり、リプレイ当選後の2回のゲーム期間は遊技者にとって「高確率ゲーム」に移行する絶好の機会ということになる。またリプレイはゲーム進行中に最も当選しやすい(また目押しの労力の要しない)ため、チャンスゾーン2に移行する頻度の高いといえる。従って遊技者は、たとえ「通常確率ゲーム」が長く続く状態であっても、リプレイに当選するたびに特別演出が行われることに期待を持つこととなる。さらに、特定役は目押しをすれば揃えることが可能であるため、特に特別演出が実行されなくともリプレイ当選後の2回のゲーム期間は遊技者に特定役図柄の目押しを実行させることによりゲームに集中させることができる。
また、特定条件役は、チャンスゾーン1では特別演出がほぼ実行されるといえる。つまり、BBゲーム(CBゲーム)終了後の50回のゲーム期間到達まで、「高確率ゲーム」を継続させる可能性が極めて高いということになる。そして、チャンスゾーン1終了後からは特別演出が実行される割合が1/2となるので、「高確率ゲーム」の最高継続回数まで到達するか否かは遊技者の運による要素も生まれることになる。従って、チャンスゾーン1が終了しても最後(最高継続回数100回に到達する)まで遊技者をハラハラさせながらゲームを行わせることができる。
なお、上記のチャンスゾーンは特定役、特定条件役ごとに異なる態様(異なる契機から開始される)としてもよい。このようにすれば、特定役のチャンスゾーン、特定条件役のチャンスゾーンが別々のものとなり、あらゆる遊技状態や機会、ゲーム期間であっても遊技者が期待を持ってゲームを行える可能性が広がるのである。また、上記の所定の割合はスロットマシン1の設定値ごとに異なる割合としてもよい。例えば、高設定値ほど特別演出を実行させる割合を増やし、低設定値ほど特別演出を実行させる割合を減らすと、遊技者がスロットマシン1の設定値を推測する際の手掛かりとすることもできる。
(7−2.停止演出処理)
ステップS907の停止演出処理も、始動演出処理と同様に、液晶表示部58、スピーカ56、各ランプ60,62,64,66等によって実行される。停止演出処理では、各停止情報コマンド(第1停止情報コマンド、第2停止情報コマンド、第3停止情報コマンド)に応じた各種演出を行わせることができる。このようにすると、例えば、第1リールが停止した際の演出、第2リールが停止した際の演出、第3リールが停止した際の演出をそれぞれ異なる演出として実行させることができる。
停止演出処理では、遊技者が停止ボタンを押下するごとに連続的な演出を行う。連続的な演出は、
〔 第1停止ボタン押下→第1停止演出→第2停止ボタン押下→第2停止演出
→第3停止ボタン押下→第3停止演出 〕
と順々に行う内容の演出である。また、いずれか1つあるいは2つの停止ボタンが押下されたことを契機に開始させる突発的な演出も行う。
連続的な演出は、第3停止演出まで続けばBB(あるいはCB)に当選した可能性が高くなるような内容の演出である。また連続的な演出には、演出が途中で終了しても(例えば第1停止演出の後、第2停止演出は行われず)、第3停止ボタン押下で第3停止演出が行われるといったものもある。突発的な演出は、第1停止演出や第2停止演出が行われなかった場合にそれ以降の停止ボタン押下の際に突然実行させる内容の演出である。例えば、突発的な演出として、前述のフラグ告知演出やフラグ示唆演出を実行させることもできる。また、前述の特別演出を第2停止演出までに実行させる。ここでも特別演出の行われる割合は始動演出処理と同様とする。
(7−3.始動演出処理から停止演出処理までの特別演出)
特別演出は始動演出処理から停止演出処理(第2停止演出まで)までに実行する。このうち、当選フラグが特定役に該当する場合の特別演出は主に始動演出処理で行う。これは第1停止リール(左リール)、第2停止リール(中リール)に「7」(BB)図柄を目押しする必要があるからである。なお、告知する内容としては、特定役図柄の組み合わせを表示させる、あるいは音声で知らせる等であればよい。また、停止演出処理で行う場合は、第1リールの表示窓8内に「7」(BB)図柄が停止した場合、残りのリールにそれぞれ目押しをさせる図柄を報知するものであればよい。例えば、「(中リールに)赤7を狙って下さい」等の表示や音声により遊技者に告知するものである(図15(a)参照)。これと同様に第2リールまで停止状態となり、表示窓8内に「7」図柄がテンパイ状態となっている場合にも行う。
また、当選フラグが特定条件役に該当する場合の特別演出は、始動演出処理のみで行う。これは「順押し」では特定条件役図柄が揃ってしまうため、遊技者が停止操作を始める前に報知する必要があるからである。このときの告知する内容としては、先ず第1リールとして停止させるべきリールを教える(知らせる)態様であればよい。例えば、「右リールを始めに停止させて下さい」等の表示や音声により報知するものである(図15(b)参照)。
これらのことから、遊技者は特別演出に従って目押しを行ったり、変則押しをしたりして、特定役の特典を得ることができたり、特定条件役の特典を回避したりすることができる。つまり、遊技者にとって有利な条件を開始することができ、また有利な条件を継続させることもできるということである。
(7−4.その他の演出処理)
ステップS909の遊技ステータス演出処理も、始動演出処理、停止演出処理と同様に、液晶表示部58、スピーカ56、各ランプ60,62,64,66等によって実行される。ここでは、払い出されたメダルの枚数を表示させたり、BBゲームのゲーム数(残りゲーム数など)を表示させたりするものである。またノーマル演出やフラグ告知演出を実行させたり、連続的な演出や突発的な演出を継続して実行させたりすることもできる。
また、ステップS902のメダル投入演出処理も、始動演出処理、停止演出処理、遊技ステータス演出処理と同様に、液晶表示部58、スピーカ56、各ランプ60,62,64,66等によって実行される。さらにメダル投入音やベット音を発するだけでなく、ノーマル演出やフラグ告知演出を実行させたり、連続的な演出や突発的な演出を継続して実行させたりすることもできる。
このように、各演出処理ごとに実行させる演出を固定化せずに流動的なものとすることにより、ゲームの進行に応じた断続的な演出を実行させることができる。また、決まったタイミングで演出が行われないからといって遊技者を落胆させてしまうことを回避できる。
(7−5.対応役ハズレ)
上記の各種演出は、各コマンドあるいは各情報コマンドに基づいて実行されるものである。しかし、本実施形態のスロットマシン1では、演出が示す内容と実際の結果(揃えた当選図柄または出目)を異ならせた内容の演出も実行させる。例えば、フラグ告知演出でリプレイが当選フラグとして告知された状態で、実際にはベル図柄が揃うといった演出のことである。このような演出が示す内容と実際の結果が異なる場合を「対応役ハズレ」と呼ぶ。つまり「対応役ハズレ」とは、示唆(あるいは告知)された当選フラグと実際の成立フラグが異なる演出のことである。この「対応役ハズレ」は、BBまたはCBが当選フラグとなっている場合に実行させる。
このようにすると、「対応役ハズレ」となった場合、BBまたはCBが当選フラグとして確定することになり(つまり、BBまたはCBの当選が確定する)、遊技者はBBまたはCBに当選したことを察知することができる。これは告知演出等で直接BBの当選を告知することに比べると遊技者に大きな驚き(衝撃)を与えることができる。上記の例でいえば、
〔 リプレイだと思い込んで停止操作を終えたときにリプレイが揃わず=BB確定 〕
といったリプレイがBBに変わったかのような印象を遊技者に与えることができ、遊技者の喜びを一層高める効果も期待できる。
(その他の実施形態についての言及)
以上は、本発明のスロットマシン1の一形態であるが、これに限定されることはない。その他にも、遊技球等を用いるタイプの回胴式遊技機もあり、こちらも実施形態として好適である。遊技球等を用いるタイプの回胴式遊技機では、遊技球を規定個数分まとめて遊技価値の1単位(例えば、遊技球5個をメダル1枚分に相当するものとして取り扱う)としてゲームを行うものである。