JP2007329460A - 圧電素子、圧電アクチュエータ、インクジェット式記録ヘッド - Google Patents

圧電素子、圧電アクチュエータ、インクジェット式記録ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】疲労特性及び圧電特性に優れた圧電素子並びにこの圧電素子を用いた圧電アクチュエータ及びインクジェット式記録ヘッドを提供する。
【解決手段】圧電膜と該圧電膜に接する一対の電極とを基板上に有する圧電素子であって、前記圧電膜は、鉛系圧電膜と非鉛系圧電膜とが積層した構造を有し、前記圧電膜の、前記基板から最も遠い層と前記基板に最も近い層とは、非鉛系圧電膜であることを特徴とする圧電素子。
【選択図】図1

Description

本発明は圧電素子並びにこれを用いた圧電アクチュエータ及びインクジェット式記録ヘッドに関する。
圧電素子は、通常、下部及び上部電極と、これらの電極によって挟持された強誘電性又は常誘電性の結晶化した圧電性セラミックスにより構成されている。圧電性セラミックスは、チタン酸ジルコニウム酸鉛(以下「PZT」という)、又はこのPZTにランタンを加えた「PLZT型」といった鉛系の圧電セラミックスが一般的である。例えば、PZTを用いた強誘電体が、非特許文献1に記載されている。
薄膜状の圧電体を用いた圧電素子の用途例として、インクジェット式記録ヘッドがある。この用途に用いられる圧電薄膜が充分な電気機械変換機能(変位を促す圧力)を発現するためには1μm〜25μm程度の膜厚が必要である。
これら圧電薄膜の製法としては、スパッタリング法、有機金属気相成長法(MOCVD法と表す)、化学溶液堆積法(CSD法と表す)などが挙げられる。CSD法は、圧電体の前駆体となる各金属成分を含有する溶液又は分散液を基板に塗布し、その塗膜を加熱して金属酸化物の膜を形成し、さらにその金属酸化物を結晶化温度以上の温度で焼成して結晶化させることにより圧電膜を成膜する方法である。
一般に、塗布液に含有される金属成分が加水分解性の金属化合物であるとゾルゲル法と呼ばれ、熱分解性の金属化合物であると有機金属分解法(MOD法と表す)と呼ばれる。本発明においてはゾルゲル法、MOD法、及びこれらが混合された方法も含めて「CSD法」と称する。CSD法は安価、簡便に圧電薄膜を成膜できる利点がある。
CSD法により成膜されたPZT圧電素子を用いたインクジェット式記録ヘッドが開示されている。たとえば、特許文献1及び特許文献2では、CSD法により下部電極上に2〜10μmの膜厚のPZT圧電膜を積層し、所望の工程を行うことでインクジェット式記録ヘッドを形成する方法が開示されている。
しかしながら、従来のPZT圧電素子は、駆動のために分極反転を繰り返すと電極近傍のPZT中の酸素が拡散により欠乏するため、変位の大きさが小さくなったり、リーク電流が増えたりするといった疲労特性上の問題を有していた。
PZT圧電素子と類似の構造を有する強誘電キャパシタの分野では、この問題を解決するため、PZTの一部又は全部に別元素を導入してPZTと異なる組成にすることで疲労特性を向上させるという工夫がなされている(特許文献3、4、5、6、7参照。)。
PZT圧電素子においても、これら特許文献にあるような工夫を適用することで疲労特性は改善されるが、圧電性を有しない材料を導入しているため素子全体の電気機械変換機能は低下してしまう。
他方、特許文献8では、強誘電キャパシタの電極近傍でPZTの鉛含有量を意図的に過剰とすることで疲労特性を向上させるという工夫がなされている。この工夫をPZT圧電素子に応用すれば、電気機械変換機能はさほど低下しないことが期待できるが、素子の表面近傍における過剰な鉛成分は、蒸発、脱離しやすくなるため安全衛生、環境保護の観点より好ましくない。
更に、特許文献9は、鉛系圧電膜と非鉛系圧電膜との単純な積層構造をもつ圧電膜を開示する。
米国特許第5,265,315号 特表平 5−504740号公報 特開平 5−190798号公報 特開平 8−273436号公報 特開平10−335596号公報 特開平11−026703号公報 特開平11−292626号公報 特開平06−021337号公報 特開2004−186574号公報 「アプライド フィジックス レターズ(Applied Physics Letters)」、1991年、第l58巻、第11号、p.1161−1163
本発明は、上述した従来技術の現状に鑑みなされたものであり、疲労特性及び圧電特性に優れた圧電素子並びにこの圧電素子を用いた圧電アクチュエータ及びインクジェット式記録ヘッドを提供することを目的とする。
上記課題は、圧電膜と該圧電膜に接する一対の電極とを基板上に有する圧電素子であって、前記圧電膜は、鉛系圧電膜と非鉛系圧電膜とが積層した構造を有し、前記圧電膜の、前記基板から最も遠い層と前記基板に最も近い層とは、非鉛系圧電膜であることを特徴とする本発明の圧電素子により解決された。
本発明によれば、変位が大きく、連続駆動に対して変位量の劣化が少ない圧電素子を提供することができる。また、本発明によれば、変位量制御の容易な圧電アクチュエータを提供することができる。さらに、本発明によれば、長時間駆動に適したインクジェット式記録ヘッドを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1に、本発明の圧電素子の実施形態の1例の縦断面模式図を示す。本発明の圧電素子は、圧電膜と該圧電膜に接する一対の電極とを基板上に有する。図中、1は基板、2は下部電極、3は圧電膜、4は上部電極を示す。301は、圧電膜3を構成する非鉛系圧電膜(以下、「非鉛系圧電薄膜」とも称す)を、302は、圧電膜3を構成する鉛系圧電膜(以下、「鉛系圧電薄膜」とも称す)をそれぞれ示す。
基板1の材質は、特に限定されないが、下部電極2、圧電膜3、上部電極4を設置する際の加熱工程において変形、溶融しない材質が好ましい。加熱工程は通常800℃以下で行われる。また、本発明の圧電素子を用いて本発明のインクジェット式記録ヘッドを製造する際には、基板1が圧力室を形成するための圧力室基板を兼ねていてもよい。例えば、このような目的では、シリコン(Si)やタングステン(W)などからなる半導体基板や耐熱ステンレス(SUS)基板が好ましく用いられるが、ジルコニアやアルミナ、シリカなどのセラミック基板を用いても構わない。また、これらの材料を複数種類組み合わせた基板を用いてもよいし、積層して多層構成とした基板を用いてもよい。白金、パラジウムなどの金属層と組み合わせて積層した基板を用いてもよい。
下部電極2、上部電極4は、5〜2000nm程度の層厚を有する導電層よりなる。その材料は特に限定されず、圧電素子に通常用いられているものであればよく、例えば、Ti、Pt、Ta、Ir、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Niなどの金属及びこれらの酸化物を挙げることができる。複合酸化物としては、SrRuO3やLaNiO3といったペロブスカイト型結晶の酸化物を挙げることができる。下部電極2、上部電極4は、これらのうちの1種からなるものであっても、あるいはこれらの2種以上を積層してなるものであってもよい。
これら下部電極2、上部電極4は、CSD法などにより塗布、焼成して形成しても良いし、スパッタ、蒸着などにより形成してもよい。また下部電極2、上部電極4とも所望の形状にパターニングして用いても良い。
本発明において圧電膜3は、非鉛系圧電薄膜301と鉛系圧電薄膜302とが積層した構造を有し、基板1から最も遠い層と基板1に最も近い層とが非鉛系圧電薄膜301である。本発明において「非鉛系圧電薄膜」とは鉛成分を実質的に含まない、圧電性を有する薄膜を、「鉛系圧電薄膜」とは鉛成分を含む、圧電性を有する薄膜を意図している。圧電膜3を上記構成とすることで、非鉛系圧電薄膜301と鉛系圧電薄膜302の相乗効果を期待することができ、圧電膜3の変位量を大きく損なうことなく連続駆動に対する疲労特性の向上を期待できる。
本発明は、電極と接する箇所に非鉛系圧電薄膜があるので、酸素欠乏が起こりにくく疲労耐性に優れる。このため、連続駆動時の疲労耐性が向上する、という効果を奏する。疲労の度合いは素子の一番弱い所で決まるので、圧電膜の、上下の電極に接する層の片方だけを非鉛系圧電薄膜にしたのでは、反対側の電極近傍での疲労が支配的となり、効果を奏し得ない。これに対し、両電極の近傍の層ともに非鉛系圧電薄膜とすることで、電極/圧電膜界面のエネルギーレベル(仕事関数)が両電極で揃い、分極反転の疲労耐性が良くなるものと考えられる。
圧電膜3を構成する非鉛系圧電薄膜301と鉛系圧電薄膜302の積層数は、合計3層以上とすればよく、特に限定されるものではない。ただし、積層数を多くしすぎると、積層された各層の膜厚が薄くなりすぎることが想定される。膜厚が薄くなり過ぎると、例えば10nm未満の圧電薄膜では、圧電性能が著しく低下してしまう虞がある。従って、非鉛系圧電薄膜301又は鉛系圧電薄膜302の膜厚は10nm以上とすることが好ましく、100nm以上とすることがより好ましい。
また、圧電膜3を構成する非鉛系圧電薄膜301を複数層とする場合、組成は同一であっても層ごとに異なっていても良い。また圧電膜3を構成する鉛系圧電薄膜302を複数層とする場合についても、その組成は同一であっても層ごとに異なっていても良い。ただし、複数層の非鉛系圧電薄膜は、同じ材料からなる場合の方が好ましい。
上述した様に本発明においては、非鉛系圧電薄膜301が基板1から見て圧電膜3の最表層部に位置する。圧電膜3の最表層部に非鉛系圧電薄膜301が位置することで、圧電膜3が外部回路、例えば上部電極4、と接触する部分が非鉛系圧電薄膜301となるため、圧電膜3の連続駆動に対する疲労特性が向上する。また、図1に示した実施形態におけるように非鉛系圧電薄膜301が鉛系圧電薄膜302の上部を覆っていれば、圧電素子を駆動した際の鉛系圧電薄膜302から上部電極4への鉛成分の滲入を防止できる。
また、上述した様に本発明においては、圧電膜3の基板1に一番近い層を非鉛系圧電薄膜301とする。圧電膜3の基板1に一番近い層を非鉛系圧電薄膜301とすることで、圧電膜3が外部回路、例えば下部電極2、と接触する部分が非鉛系圧電薄膜301となるため、圧電膜3の連続駆動に対する疲労特性が向上する。また、図1に示した実施形態におけるように非鉛系圧電薄膜301が鉛系圧電薄膜302の下部を覆っていれば、圧電素子を駆動した際の鉛系圧電薄膜302から下部電極2への鉛成分の滲入を防止できる。
また、本発明において、非鉛系圧電薄膜301と鉛系圧電薄膜302の積層によりなる圧電膜3のうち鉛系圧電薄膜302の占める、圧電膜3の全体積に対する体積分率は20%以上90%未満であることが好ましい。鉛系圧電薄膜302の占める体積分率を20%以上とすると、圧電膜3が充分な電気機械変換機能を有し、また、鉛系圧電薄膜302の占める体積分率を90%未満とすると、非鉛系圧電薄膜301との相乗効果が大きくなり疲労特性の向上も充分なものとなる。
また、本発明において、圧電膜3の膜厚は1μm以上5μm以下の範囲内であることが好ましい。圧電膜3の膜厚を1μm以上とすることで圧電素子として充分な電気機械変換機能を得られるとともに、5μm以下とすることで圧電素子の高密度化を期待できる。
また、本発明において、鉛系圧電薄膜302は、下記一般式(1)
Pb(1-x)Lax(ZryTi1-y)O3 (1)
(式中、xは、0≦x<1の関係を満たす実数を、yは、0.05≦y≦1の関係を満たす実数を表す。)
で表されるペロブスカイト型結晶の圧電薄膜(以下PLZT膜と表す)であることが好ましい。また、上記xが、0≦x<0.2の関係を満たし、上記yが、0.3≦y≦0.7の関係を満たすPLZT膜であることがより好ましい。上記PLZT膜の、PbとLaの組成におけるLaの組成xの値を上記の範囲とし、ZrとTiの組成におけるZrの組成yの値を上記の範囲にすることで、高い圧電性を有する圧電膜が得られる。
また、上記PLZT膜をPb、La、Zr、Ti以外の微量の元素でドーピングを行っても良い。ドーピングを行う場合にドーパントとして用いることのできる元素の具体的な例としては、次の元素を挙げることができる。すわなち、Ca、Sr、Ba、Sn、Th、Y、Sm、Ce、Bi、Sb、Nb、Ta、W、Mo、Cr、Co、Ni、Fe、Cu、Si、Ge、Sc、Mg、Mnなどである。そのドープ量は、上記一般式(1)における金属原子の総原子数(2となる)に対する原子分率で0.05以下とすることが好ましい。
PLZT膜の製造方法は特に制限されない。例えば、CSD法、スパッタリング法、水熱合成法、エアロゾルデポジション法、MOCVD法などが挙げられる。
CSD法を選択した場合を一例にとると、Pb、La、Zr、Tiの各金属成分を含む化合物、所望の場合は、上記ドーパントを含む化合物等の添加物を溶剤と混合し、水を加え加水分解して塗布液とする。この塗布液を基板に塗布し、加熱して酸化物膜とし、さらにその酸化物膜を結晶化温度以上の温度で焼成することにより、圧電性を有するPLZT膜を得ることができる。
また、一般に鉛化合物は揮発性が高く、焼成工程中に蒸発によって鉛の欠損が起こることがある。このため、この欠損を見越して、塗布液に含まれる鉛をやや過剰に、例えば2〜40モル%過剰に存在させてもよい。その結果、焼成後のPLZT膜における鉛量が過剰になっても圧電性能に悪影響はない。鉛の欠損の程度は、鉛化合物の種類や成膜条件によって異なり、実験により求めることができる。
また、本発明において、非鉛系圧電薄膜301は、下記一般式(2)で表されるビスマス層状ペロブスカイト型結晶の圧電薄膜であることが好ましい。
(Bi222+(Am-1m3m+12- (2)
(式中、Aは、Bi、Ba、Sr、Ca、Na、Kの内から選ばれる1つもしくは複数元素からなる任意比率による組み合わせを表す。また、Bは、Ti、Nb、Ta、W、Mo、Fe、Co、Crの内から選ばれる1つもしくは複数元素からなる任意比率による組み合わせを表し、mは、1以上5以下の自然数を表す。)
このようなビスマス層状ペロブスカイト結晶を非鉛系圧電薄膜301に用いることで、圧電膜3を連続駆動させた時の疲労特性を格段に向上させることを期待できる。
また、圧電性と疲労特性を両立させるためには、上記一般式式(2)中のAが、CaとBiを主体としており、Bが、Tiを主体としていると、より好ましい。特に本発明における非鉛系圧電薄膜301は、CaBi4Ti415型結晶(以下、CBT結晶と表す)を主成分とすることが好ましい。
CBT結晶を主成分とする非鉛系圧電薄膜の製造方法は特に限定されないが、例えば、CSD法によると容易に薄膜を形成することができる。この場合、少なくともCa、Bi、Tiの各金属成分を含む化合物、所望の場合は、他の金属成分を含む化合物を溶剤と混合して塗布液とする。この塗布液を基板に塗布し、加熱して酸化物膜とし、さらにその酸化物膜を結晶化温度以上の温度で焼成することにより、CBT結晶を主成分とした非鉛系圧電薄膜を得ることができる。
また、本発明の圧電素子は、圧電膜3が鉛系圧電薄膜よりなる層と非鉛系圧電薄膜よりなる層の境界部に鉛系圧電薄膜を構成する物質と非鉛系圧電薄膜を構成する物質の混在した層(混在層と表すことがある)を有することが好ましい。鉛系圧電薄膜よりなる層と非鉛系圧電薄膜よりなる層が、それらの境界部においてそれらを構成する物質の混在した層を有していると界面の接着性と整合性が高まるので変位量のロスを最小限にすることができる。
このような鉛系圧電薄膜よりなる層と非鉛系圧電薄膜よりなる層の境界部に混在層を形成する方法は特に限定されない。例えば、CSD法の場合、鉛系圧電薄膜と非鉛系圧電薄膜の一方から他方への移行部において、一方の金属酸化物の前駆体層と他方の金属酸化物の前駆体層とを積層し、これらの層を一度に焼成することにより混在層を形成することができる。あるいは、これらの前駆体の両方を含む層を形成して、焼成することにより混在層を形成することができる。
次に、本発明の圧電アクチュエータについて説明する。
図2A及び図2Bに、本発明の圧電素子と、該圧電素子に接して設けられた振動板と、を有する本発明の圧電アクチュエータの実施形態の1例の縦断面模式図(図2A)及び裏面模式図(図2B)を示す。図中、1は基板、2は下部電極、3は圧電膜、4は上部電極、5は振動板をそれぞれ示す。図2A及び図2Bの構造において、振動板5は、圧電素子の下部電極2と密着している。振動板5を形成する材料は特に限定されず、種々の金属材料や金属酸化物材料などが用いられる。図示していないが、圧電膜3は非鉛系圧電薄膜と鉛系圧電薄膜の積層構造をとっている。
振動板5の製造方法は特に制限されない。例えば、基板1を酸化処理して表面改質しても良いし、基板1に貼り付けて設けても良い。また、CSD法、スパッタリング法、水熱合成法、エアロゾルデポジション法、MOCVD法などにより成膜しても良いし、基板1の表層部が振動板5を兼ねていても良い。
下部電極2と上部電極4の間に電圧を印加すると、圧電効果により圧電膜3が変形する。この変形は、圧電素子に密着した振動板5の効果により増幅される。その結果、この圧電アクチュエータは基板1のくり抜かれた部分で大きく変動し、変位量制御を容易に行うことができる。
次に、本発明のインクジェット式記録ヘッドについて説明する。
本発明のインクジェット式記録ヘッドは、インク吐出口と、該インク吐出口に連通する圧力室と、該圧力室に対応して設けられた振動板と、該振動板に対応して設けられた圧電素子とを有している。そして、前記圧電素子により生じる前記圧力室内の体積変化によって前記圧力室内のインクを前記インク吐出口から吐出する。本発明のインクジェット式記録ヘッドは、前記圧電素子が本発明の圧電素子であることを特徴としている。
図3に、本発明の圧電素子を圧電アクチュエータに用いたインクジェット式記録ヘッドの一例の縦断面の一部を拡大して示した。このインクジェット式記録ヘッドの構成は、従来と同様であり、ヘッド基台7と振動板5及び圧電素子6と電源9からなる本発明の圧電アクチュエータとから構成されている。圧電素子6は、圧電膜3が下部電極2と上部電極4に挟持された構造を有する。
ヘッド基台7には、インクを吐出する多数のインク吐出口(ノズル)(不図示)、それぞれのインクノズルに個別に連通する多数のインク経路(不図示)、及びそれぞれのインク経路に個別に連通する多数の圧力室としてのインク室8が形成されている。そして、ヘッド基台7の上面全体を覆うように振動板5が取り付けられ、この振動板5によってヘッド基台7の全てのインク室8の上面開口が閉塞されている。振動板5上には、それぞれのインク室8と個別に対応した位置に、振動板5に振動駆動力を与えるための圧電素子6が形成されている。そして、圧電アクチュエータの電源9により、所望の選択された圧電素子6に電圧を印加することにより、圧電素子6を変形させて、その部分の振動板5を振動させる。これにより、振動板5の振動に対応した部分のインク室8の容積が変化して、インク経路を通ってインクノズルからインクが押し出されて印刷が行われることになる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
(鉛系塗布液の製造例)
鉛系圧電薄膜を形成するための塗布液として金属組成(モル比)がPb/La/Zr/Ti=1.15/0.01/0.52/0.48となる原料液を以下の通り作製した。
Pb及びLaの化合物として、酢酸鉛水和物(1.15mol)及び酢酸ランタン水和物(0.01mol)を混合後、加熱して脱水した。これに安定化剤としての1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン及び溶剤としての1−メトキシ−2−プロパノール(10mol)を混合し加熱撹拌した。その後、Zr及びTiの化合物として、テトラn−ブトキシジルコニウム(0.52mol)、テトライソプロポキシチタン(0.48mol)を加えて更に加熱し反応させ、原料金属化合物を互いに複合化させた。次に、水(4.5mol)、エタノール(5.0mol)を添加し、加水分解反応を行った。その際、酢酸(4.0mol)とアセチルアセトン(0.7mol)を加えた。その後、沸点100℃以下の溶剤をロータリーエバポレーターで完全に取り除き、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを添加して金属酸化物換算濃度が23質量%になるように濃度を調節し鉛系塗布液PBを調製した。
(非鉛系塗布液の製造例)
非鉛系圧電薄膜を形成するための塗布液として金属組成(モル比)がCa/Bi/Ti=1/4/4となる原料液を以下の通り作製した。
Bi及びTiの化合物として、トリエトキシビスマス(0.4mol)及びテトライソプロポキシチタン(0.4mol)を2−メトキシエタノール(4.0mol)に溶解させ、加熱撹拌した。これにCaの化合物として、金属Ca(0.1mol)をエタノール(1.0mol)に溶解、還流させた溶液を混合し、加熱撹拌することで、原料金属化合物を互いに複合化させた。次に、水(2.0mol)、エタノール(3.0mol)を添加し、加水分解反応を行った。その際、酢酸(2.0mol)とアセチルアセトン(0.3mol)を加えた。その後、沸点100℃以下の溶剤をロータリーエバポレーターで完全に取り除き、2−メトキシエタノールを添加して金属酸化物換算濃度が10質量%になるように濃度を調節し非鉛系塗布液CBを調製した。
[実施例1](圧電素子の製造例)
前記製造例の原料液を用いて、Pt/Ti/SiO2/Si型で構成される多層基板のプラチナ層の表面に、鉛系圧電薄膜が非鉛系圧電薄膜に狭持された積層圧電膜を形成した。
まず非鉛系塗布液CBを多層基板のプラチナ層上にスピン塗布(2000pm)し、乾燥(400℃)させた。この塗布、乾燥の工程を合計3回繰り返した後、650℃の電気炉で10分間焼成することで1層目の非鉛系圧電薄膜を形成した。この1層目の非鉛系圧電薄膜の膜厚は、0.40μmであった。
次に、この1層目の非鉛系圧電薄膜の上に鉛系塗布液PBをスピン塗布(3000rpm)し、乾燥(300℃)させた。この乾燥膜を650℃の電気炉で10分間焼成することで2層目の鉛系圧電薄膜を形成した。この2層目の鉛系圧電薄膜の膜厚は、0.21μmであった。
続いて、この2層目の鉛系圧電薄膜の上に非鉛系塗布液CBをスピン塗布(2000rpm)し、乾燥(400℃)させた。この塗布、乾燥の工程を合計3回繰り返した後、700℃の電気炉で30分間焼成することで3層目の非鉛系圧電薄膜を形成した。この積層圧電膜の膜厚は、1.02μmであり、鉛系圧電薄膜の占める体積分率は21%であった。この圧電膜のX線回折測定からは、PLZT結晶及びCaBi4Ti415結晶に相当するピークが観測された。
次に、圧電膜の上部に金の薄層をスパッタ法により形成し本発明の圧電素子A1を得た。この圧電素子の金層を上部電極とし、多層基板のプラチナ層を下部電極として、インピーダンス/ゲインフェイズアナライザーSI1260(ソーラトロン社製;商品名)を用いて、圧電素子A1の誘電率を測定した。その結果、圧電素子A1は10Hzから10kHzの周波数領域において1000以上の比誘電率を有していた。また、併せて、ヒステリシス測定装置HVS−6000(Radiant社製;商品名)を用いてヒステリシス測定を行った。その結果、外部電場の大きさを正負に変化させることにより自発分極が反転するという強誘電体に特有の履歴曲線が観測され、その残留分極値+Prは15Vの電圧印加後で14μC/cm2を示した。
[実施例2](圧電素子の製造例)
実施例1と同様の手法により、多層基板のプラチナ層の表面に、非鉛系圧電薄膜と鉛系圧電薄膜とが繰り返し積層された圧電膜を形成した。
まず、実施例1と同様にして多層基板のプラチナ層上に、1層目として0.4μm厚の非鉛系圧電薄膜を形成した。次に、実施例2と同様にして、2層目として0.2μm厚の鉛系圧電薄膜を形成した。以下、同様にして、3層目に非鉛系圧電薄膜、4層目に鉛系圧電薄膜と交互に成膜を繰り返した。最後の塗布層として、14層目の鉛系圧電薄膜の上に非鉛系塗布液CBをスピン塗布(2000rpm)し、乾燥(400℃)させた。この積層膜全体を700℃の電気炉で30分間焼成することで15層目の非鉛系圧電薄膜を形成した。この積層圧電膜の膜厚は、4.6μmであり、鉛系圧電薄膜の占める体積分率は30%であった。この圧電膜のX線回折測定からは、PLZT結晶及びCaBi4Ti415結晶に相当するピークが観測された。
実施例1と同様にして圧電素子B1を得て、実施例1と同様にして誘電率及びヒステリシス測定を行った。圧電素子B1は10Hzから10kHzの周波数領域において1000以上の比誘電率を有していた。また、ヒステリシス測定によると強誘電体に特有の履歴曲線が観測され、その残留分極値+Prは20Vの電圧印加後で18μC/cm2を示した。
[実施例3](圧電素子の製造例)
以下に説明する手法により、鉛系圧電薄膜よりなる層と非鉛系圧電薄膜よりなる層の境界部に鉛系圧電薄膜を構成する物質と非鉛系圧電薄膜を構成する物質の混在した層を有する圧電膜を形成した。
まず非鉛系塗布液CBを多層基板のプラチナ層上にスピン塗布(2000pm)し、乾燥(400℃)させた。この塗布、乾燥の工程を合計3回繰り返して1層目の、未焼成の、非鉛系圧電薄膜前駆体を形成した。次に、この圧電体薄膜前駆体の上に鉛系塗布液PBをスピン塗布(3000rpm)し、乾燥(300℃)させて2層目の鉛系圧電薄膜前駆体を形成した。続いて、この2層目の圧電体薄膜前駆体の上に非鉛系塗布液CBをスピン塗布(2000rpm)し、乾燥(400℃)させた。この塗布、乾燥の工程を合計3回繰り返した後、この圧電体薄膜前駆体の積層膜全体を700℃の電気炉で30分間焼成した。この積層圧電膜の膜厚は、1.05μmであった。この圧電膜のX線回折測定からは、PLZT結晶及びCaBi4Ti415結晶に相当するピークが観測された。
実施例1と同様にして圧電素子C1を得て、実施例1と同様にして誘電率及びヒステリシス測定を行った。圧電素子C1は10Hzから10kHzの周波数領域において1000以上の比誘電率を有していた。また、ヒステリシス測定によると強誘電体に特有の履歴曲線が観測され、その残留分極値+Prは20Vの電圧印加後で19μC/cm2を示した。
この圧電素子C1の上部電極から基板までの断面を透過型電子顕微鏡(TEMと表す)で観察した。その観察によると、像の濃淡から鉛系材料の密な領域と疎な領域が積層している様子が分かった。しかし、その境界線は判別できず、境界領域において鉛系圧電薄膜を構成する物質と非鉛系圧電薄膜を構成する物質とが混在していることがわかった。
[実施例4](圧電アクチュエータの製造例)
上記実施例1で得られた本発明の圧電素子A1のSiの一部を裏面よりエッチングすることで、図2に示すような構造の圧電アクチュエータA2を作製した(図4及び図5においては、圧電アクチュエータ12として模式的構成を示す)。Si層のエッチングは加熱撹拌したテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの22%水溶液中で行った。エッチングによってSi層がくり抜かれた箇所には、前記積層圧電膜の層と、多層基板のPt/Ti/SiO2層が残される。そして、約3μmの膜厚を有するSiO2層が振動板5としての役割を担う。
得られた圧電アクチュエータA2の電極に交流10Vの電圧を印加し、レーザ・ドップラー速度測定器により振動板の振幅を検出したところ、1〜10kHzの周波数域において振動板が変位することが確認された。
[実施例5、6](圧電アクチュエータの製造例)
上記実施例2、3で得られた圧電素子B1、C1を用いた他は上記実施例4と同様にして本発明の圧電アクチュエータB2、C2を作製した。いずれの圧電アクチュエータも上記電圧を印加すると振動板が変位することが確認された。
[比較例1](比較用圧電アクチュエータの製造例)
本発明との比較用に、実施例1にて用いたものと同様の、Pt/Ti/SiO2/Si型で構成される多層基板のプラチナ層の表面に、鉛系圧電薄膜のみを積層してなる圧電膜を形成し、これを用いて圧電アクチュエータを作成した。
まず、鉛系塗布液PBをスピンコータ(2000rpm)により上記の多層基板のプラチナ層の表面に塗布した。この塗布層を300℃のホットプレートで10分間加熱して乾燥させた。この塗布、乾燥の工程を合計4回繰り返した後、700℃の電気炉で30分間焼成することで鉛系圧電薄膜の積層体(鉛系圧電膜)を形成した。この鉛系圧電膜の膜厚は、1.13μmであった。この鉛系圧電膜のX線回折測定からは、PLZTのペロブスカイト結晶に相当するピークが観測された。
次に、上記鉛系圧電膜の上部に金の薄層をスパッタ法により形成し、圧電素子P1を得た。得られた圧電素子P1のSiの一部を実施例5と同様の手法で裏面よりエッチングすることで、比較用の圧電アクチュエータP2を作製した。
[比較例2](比較用圧電アクチュエータの製造例)
本発明との比較用に、実施例1にて用いたものと同様の、Pt/Ti/SiO2/Si型で構成される多層基板のプラチナ層の表面に、非鉛系圧電薄膜のみを積層してなる圧電膜を形成し、これを用いて圧電アクチュエータを作成した。
まず、非鉛系塗布液CBを上記多層基板のプラチナ層上にスピン塗布(2000pm)し、乾燥(400℃)させた。この塗布、乾燥の工程を合計8回繰り返した後、700℃の電気炉で30分間焼成することで非鉛系圧電薄膜の積層体(非鉛系圧電膜)を形成した。この非鉛系圧電膜の膜厚は、1.06μmであった。この非鉛系圧電膜のX線回折測定からは、CaBi4Ti415のビスマス層状ペロブスカイト型結晶に相当するピークが観測された。
次に、上記非鉛系圧電膜の上部に金の薄層をスパッタ法により形成し、圧電素子N1を得た。得られた圧電素子N1のSiの一部を実施例5と同様の手法で裏面よりエッチングすることで、比較用の圧電アクチュエータN2を作製した。
[圧電アクチュエータの評価方法]
実施例4〜6、比較例1〜2により得られた圧電アクチュエータの比較評価を行った。各圧電アクチュエータの上部電極と下部電極の間に10kHz、10Vの交流を印加しながら圧電振動による変位量をレーザ・ドップラー法により測定し、初期値と720時間動作後の変位量を比較した。結果を表1に示す。表1よりわかるように本発明の圧電アクチュエータは変位量が大きく、かつ720時間の耐久試験後も良好に動作している。
一方、鉛系圧電薄膜のみを積層してなる圧電膜を用いて作成した圧電アクチュエータP2は、当初大きな変位量を示すが、720時間の耐久試験後の性能劣化が大きい。また、非鉛系圧電薄膜のみを積層してなる圧電膜を用いて作成した圧電アクチュエータN2は、変位量そのものが初期から小さかった。
Figure 2007329460
[実施例7](インクジェット式記録ヘッドの作製例)
上記実施例5及び6で得られた圧電アクチュエータB2、C2に図6及び7に示す構成を有するノズル板10を取り付け、さらにインクを導入するためのインク導入管11、ヘッド基台7を取り付けてインクジェット式記録ヘッドB3、C3を作製した。このインクジェット式記録ヘッドを用いて吐出実験を行った。
上記インクジェット式記録ヘッドB3、C3にインク導入管11よりインクジェット用インクを導入し圧力室8を満たした。次に上部電極と下部電極間に1〜20kHz、10Vの交流電圧を印加してインクの吐出の様子を顕微鏡で観察した。これにより、いずれのインクジェット式記録ヘッドも各周波数に追随しインク滴を吐出することが確認された。また、同様にして、複数個のインク吐出口を設けたインクジェット式記録ヘッドB4、C4を作製したところ、同様にインクが吐出されることを確認することができた。これにより、実施例5及び6の圧電アクチュエータを用いたインクジェット式記録ヘッドがインクジェット式記録ヘッドとして充分な機能を有し、長時間駆動に適するものであることを確認することができた。
本発明の圧電素子の実施形態の1例を示す縦断面模式図である。 本発明の圧電素子を用いた圧電アクチュエータの実施形態の1例を示す縦断面模式図である。 図2Aに示した本発明の圧電素子を用いた圧電アクチュエータの実施形態の1例の裏面模式図である。 本発明の圧電素子を圧電アクチュエータに用いたインクジェット式記録ヘッドの一部を拡大して示した縦断面模式図である。 実施例4、5、6で作製した圧電アクチュエータの1例の一部を、拡大して模式的に示した斜視図である。 実施例4、5、6で作製した圧電アクチュエータの1例の一部を、拡大して模式的に示した縦断面図である。 実施例7で作製したインクジェット式記録ヘッドの1例の一部を、拡大して模式的に示した縦断面図である。 実施例7で作製したインクジェット式記録ヘッドの1例の一部を、拡大して模式的に示した斜視図である。
符号の説明
1 基板
2 下部電極
3 圧電膜
301 非鉛系圧電薄膜
302 鉛系圧電薄膜
4 上部電極
5 振動板
6 圧電素子

Claims (10)

  1. 圧電膜と該圧電膜に接する一対の電極とを基板上に有する圧電素子であって、
    前記圧電膜は、鉛系圧電膜と非鉛系圧電膜とが積層した構造を有し、
    前記圧電膜の、前記基板から最も遠い層と前記基板に最も近い層とは、非鉛系圧電膜であることを特徴とする圧電素子。
  2. 前記圧電膜の、前記基板から最も遠い層と前記基板に最も近い層とは、同じ材料からなることを特徴とする請求項1記載の圧電素子。
  3. 前記鉛系圧電膜の占める体積分率が、前記圧電膜の全体積に対し、20%以上90%未満であることを特徴とする請求項1記載の圧電素子。
  4. 前記圧電膜が、1μm以上5μm以下の膜厚を有することを特徴とする請求項1記載の圧電素子。
  5. 前記鉛系圧電膜が、下記一般式(1)
    Pb(1-x)Lax(ZryTi1-y)O3 (1)
    (式中、xは、0≦x<1の関係を満たす実数を、yは、0.05≦y≦1の関係を満たす実数を表す。)
    で表されるペロブスカイト型結晶の圧電膜であることを特徴とする請求項1記載の圧電素子。
  6. 前記非鉛系圧電膜が、下記一般式(2)
    (Bi222+(Am-1m3m+12- (2)
    (式中、Aは、Bi、Ba、Sr、Ca、Na、Kの内から選ばれる1つもしくは複数元素からなる任意比率による組み合わせを表し、Bは、Ti、Nb、Ta、W、Mo、Fe、Co、Crの内から選ばれる1つもしくは複数元素からなる任意比率による組み合わせを表し、mは1以上5以下の自然数を表す。)
    で表されるビスマス層状ペロブスカイト型結晶の圧電膜であることを特徴とする請求項1記載の圧電素子。
  7. 前記非鉛系圧電膜が、CaBi4Ti415型結晶を主成分とする圧電膜であることを特徴とする請求項6記載の圧電素子。
  8. 前記圧電膜が、前記鉛系圧電膜よりなる層と前記非鉛系圧電膜よりなる層の境界部に鉛系圧電膜を構成する物質と非鉛系圧電膜を構成する物質の混在した層を有するものであることを特徴とする請求項1記載の圧電素子。
  9. 請求項1記載の圧電素子と、該圧電素子に接して設けられた振動板と、を有することを特徴とする圧電アクチュエータ。
  10. インク吐出口と、該インク吐出口に連通する圧力室と、該圧力室に対応して設けられた振動板と、該振動板に対応して設けられた圧電素子とを有し、該圧電素子により生じる前記圧力室内の体積変化によって該圧力室内のインクを前記インク吐出口から吐出するインクジェット式記録ヘッドにおいて、
    前記圧電素子が、請求項1に記載の圧電素子であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
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