JP2007329363A - 有機el素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属電極上への外光の写りこみに起因する視認性低下を簡便な構成で抑制するとともに、駆動電圧の低下を抑制して、表示安定性を向上させる。
【解決手段】光取り出し面側に配置された透光性を有する透明電極層6と、該透明電極層6に対向配置された金属電極層2と、透明電極層6と金属電極層2との間に配置された有機発光層4とを備えている。そして、透明電極層6及び有機発光層4を少なくとも含んで透明積層構造体を構成し、該透明積層構造体の光取り出し面とは反対側に、金属微粒子の凝集層8を配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光源やディスプレイ等に使用される有機EL素子及びその製造方法に関するものである。
近年、液晶ディスプレイに代わるフラットパネルディスプレイ用のデバイスとして自発光型デバイスが注目されている。自発光型デバイスを用いたディスプレイは、液晶ディスプレイのようにバックライト光源を必要としないこと、応答性が速いこと、視野角依存性が小さいことなどの特徴がある。このような自発光型デバイスとしては、プラズマ発光素子、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネセンス素子等が知られている。
このうちエレクトロルミネセンス素子(以下、「EL素子」と称する)は、無機EL素子と有機EL素子とに大別される。特に、近年、ディスプレイとして脚光を浴びているのは、低消費電力の有機EL素子である。
有機材料に電流を流して発光を得る技術として、古くはアントラセン蒸着膜に電圧を印加して発光させた例(Thin Solid Films,94(1982)171、非特許文献1)等がある。有機EL素子が発光デバイスとして大きな注目を浴びるきっかけとなったのは、1987年にT.W.Tangらにより、蛍光性金属キレート錯体とジアミン系分子の薄膜を積層した構造を利用し、DC駆動で高輝度発光が得られる事が実証されたことが発端である。近年、有機EL素子は無機EL素子に比べて大面積化が容易であること、各種新材料の開発によって所望の発色が得られること、高速応答であること、低電圧で駆動可能であることなどの利点に注目が集まっている。このため有機EL素子に関して、材料開発を含め、デバイス化のための応用研究が精力的に行われている。
このような有機EL素子は、発光層に到達した電子と正孔とが再結合する際に生じる発光を利用した、キャリア注入型の自発光デバイスである。
有機EL素子の構成は2つに大別することができる。そのうちの一つは、ガラス基板の裏面、すなわち電極及び有機発光層を積層していない側のガラス面から光を取り出すタイプの素子で、「ボトムエミッションタイプ」と呼ばれている。この「ボトムエミッションタイプ」の有機EL素子は、透明基板上に透明電極を形成し、その上にホール輸送層/有機発光層/電子輸送層などの各層を積層したのち、さらに金属電極を積層したものである。他の一つは、ガラス基板上に金属電極を形成し、その上に電子輸送層/有機発光層/ホール輸送層などの各層を積層したのち、さらに上部に透明電極を積層したものである。このタイプの有機EL素子は、最上部から光を取り出すタイプであり、「トップエミッションタイプ」と呼ばれている。
「ボトムエミッションタイプ」の有機EL素子では、透明基板を用いる必要があるが、「トップエミッションタイプ」の有機EL素子では、不透明基板の利用が可能であるため、半導体の技術をそのまま基板側で生かすことが可能になる。このため、p−SiTFT等の駆動回路だけでなく、現在、反射型液晶で開発されているメモリー内蔵の画素といった、無機半導体技術が融合した素子開発の可能性を有している。そこで、最近では「トップエミッションタイプ」の有機EL素子に関する研究開発が盛んとなっている。
有機EL素子では、一方の電極から電子を注入し、他方の電極からホールを注入する必要がある。そのため、有機発光層におけるエネルギー障壁を極力小さくしてやることが好ましく、仕事関数の小さい金属電極を電子注入側に用いるとともに、仕事関数の大きいITO等の無機酸化物を透明電極側に用いる方法が一般的に知られている。
実際には、必ずしも金属電極側で電子注入を行うように限定されるものではない。すなわち、有機発光層のエネルギー準位や、対向する透明電極上への正孔注入層や電子注入層などの配置により、総合的に素子の電流効率が高くなるように設計されることになる。金属電極に関しては、その材料選択の目安として、酸化しやすい性質を有する仕事関数の小さい材料を陰極として用いるのに対して、還元しやすい性質を有する仕事関数の大きい材料を陽極として用いている。
しかし、一般的な有機EL素子は一方の電極を金属電極とするために、外光によってコントラストが低下するおそれがある。すなわち、外部から進入した光は下部電極で反射されるため、画素内部で点灯した発光が見え難くなっていた。
このような不都合に対して、偏光素子として二色性色素を添加したネマチック液晶を用いるとともに、この偏光素子を1/4波長板と組み合わせた反射防止構造に関する技術が開示されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載された技術は、1/4波長板と直線偏光板とを組み合わせて金属反射面上に置くことにより、有機EL素子が非点灯となっている場合に、外部からの入射光が金属反射面上で反射しても正反射成分を打ち消すことができるようになっている。また、有機EL素子の点灯時には、液晶素子に電圧を印加して垂直配向とすることにより、発光した光は液晶素子に吸収されること無く透過するようになっている。しかし、このような素子構造を実現するためには、電圧印加によって配向状態を変化させる液晶素子を、有機EL素子と位置合わせして積層配置する必要があり、非常に複雑な素子構成となっていた。
また、黒色隔壁を用いて高コントラスト化を図る技術が開示されている(特許文献2参照)。しかし、特許文献2に記載された技術では、隔壁形成による画素開口率の低下に加えて、下部電極からの反射が十分に低減されない等の問題があった。
また、電極間に光吸収層を積層する技術が開示されている(特許文献3参照)。しかし、特許文献3に記載された技術のように、金属電極と透明電極との間に光吸収層を形成すると、駆動電圧が高くなってしまうという問題があった。また、両電極から注入する電子とホールに関して、層間のエネルギー障壁が小さくなるように材料を選択して素子設計を行う必要があるため、光吸収層の材質と注入効率の両立を図ることは極めて困難であった。特に、金属粉末を分散させた薄膜層を光吸収層として用いる方法では、膜の凹凸等に起因して発生する短絡によって表示劣化を起こしやすい等の問題があった。
特開2000−113988号公報 特開2000−347394号公報 特開2003−115389号公報
本発明は上述した課題を解決するために考案されたものであり、金属電極上への外光の写りこみに起因する視認性低下を簡便な構成で抑制するとともに、駆動電圧の低下を抑制して、表示安定性に優れた有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明の有機EL素子は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の有機EL素子は、光取り出し面側に配置された透光性を有する透明電極層と、該透明電極層に対向配置された対向電極層と、前記透明電極層と前記対向電極層との間に配置された有機発光層とを備えている。そして、前記透明電極層及び前記有機発光層を少なくとも含んで透明積層構造体を構成し、該透明積層構造体の光取り出し面とは反対側に、金属微粒子の凝集層が配置されていることを特徴としている。
本発明の有機EL素子によれば、透明積層構造体の光取り出し面とは反対側に、金属微粒子の凝集層が配置されているため、単純な素子構成でありながら、金属電極上への外光の写りこみに起因する視認性の低下を少なくすることができる。また、駆動電圧の低下を抑制して、表示安定性に優れた有機EL素子とすることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る有機EL素子の実施形態を説明する。
本発明の実施形態に係る有機EL素子は、有機発光分子を含む発光層に対して、陽極電極からホールを注入するとともに、陰極電極から電子を注入することにより、発光層内部でホールと電子を再結合させて光を放出するようになっている。
また、本発明の実施形態に係る有機EL素子は、透明電極側から電子注入を行うものであってもよいし、透明電極側から正孔注入を行うものであってもよい。また、本発明の実施形態に係る有機EL素子において、凝集層を形成する金属微粒子の粒径を1nm乃至500nmの範囲に設定するとともに、該金属微粒子を、黒色、赤色、緑色、及び青色のうちのいずれか一色に着色することができる。また、本発明の実施形態に係る有機EL素子において、凝集層を形成する金属微粒子は、相異なる複数の粒径からなる粒径分布を有するように構成することができる。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る有機EL素子の縦断面構造を示す模式図であり、図1(a)は全体図、図1(b)は部分拡大図である。
本発明の実施形態1に係る有機EL素子は、図1(a)に示すように、基板1上に、金属電極層2、第1の電荷輸送層3、有機発光層4、第2の電荷輸送層5、及び透明電極層6を積層して構成されている。また、金属電極層2と第1の電荷輸送層3との間には、金属微粒子の凝集層8が形成されている。なお、実施形態1に係る有機EL素子では、光取り出し面側に透明電極層6が配置されている。
このように、実施形態1に係る有機EL素子は、光取り出し面側に配置された透光性を有する透明電極層6と、該透明電極層6に対向配置された金属電極層2と、透明電極層6と金属電極層2との間に配置された有機発光層4とを備えている。そして、透明電極層6、第2の電荷輸送層5、有機発光層4、及び第1の電荷輸送層3により透明積層構造体を構成する。さらに、透明積層構造体の光取り出し面とは反対側、すなわち金属電極層2の光取り出し面側に金属微粒子の凝集層8が配置されている。
以下、実施形態1に係る有機EL素子を構成する各層について詳細に説明する。
基板1として、ガラス、シリコン、ガリウム砒素等の無機物からなる基板、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の有機物からなる基板、あるいは有機物及び無機物を積層した基板を用いることができる。また、基板1として、ステンレスなどの導電性基板に絶縁層をコートしたものを用いることができる。
金属電極層2として、電子を注入する場合には、仕事関数が小さい材料、例えば、Mg:Ag、Li:Al、Cs:Al、LiF:Al、MgO:Al等が好ましく用いられる。また、金属電極層2として、ホールを注入する場合には、仕事関数が大きい材料、例えば、Au、Pt、Cu、Cr、Co、Ni等が好ましく用いられる。
ただし、上述したように、電子あるいは正孔のどちらの電荷を注入するかは、対向する電極との仕事関数の大小関係、及び両電極に隣接する電荷注入層の材料物性など、総合的な素子設計に依存する。したがって、金属電極層2は、ここに列挙した材料等に限定されるものではない。
第1の電荷輸送層3及び第2の電荷輸送層5は、一方が電子輸送層となり、他方が正孔輸送層となっている。すなわち、金属電極層2を陰極として電子注入を行う場合には、第1の電荷輸送層3として電子輸送性の材料を配置し、第2の電荷輸送層5として正孔輸送性の材料を配置する。一方、金属電極層2を陽極として正孔注入を行う場合には、第1の電荷輸送層3として正孔輸送性の材料を配置し、第2の電荷輸送層5として電子輸送性の材料を配する。また、有機発光材料の種類によっては直接的な電子注入が容易なものもあり、そのような場合には、特段、電子輸送層を設ける必要がない場合もある。
ここで、第1の電荷輸送層3及び第2の電荷輸送層5と各々の電極との間に、不図示の注入層を設けることにより、エネルギー障壁を小さくすることができる。すなわち、電子の注入効率を高めるために、陰極と電子輸送層との間に電子注入層を配置してもよい。同様に、正孔の注入効率を高めるために、陽極と正孔輸送層との間に正孔注入層を配置してもよい。特に、電子注入性の良好な仕事関数の小さな透明電極は作製が困難であることから、透明電極層6を陰極として用いる場合には、陰極と電子輸送層との間に電子注入層を設けることが好ましい。
第1の電荷輸送層3及び第2の電荷輸送層5は、電流効率を高めるために、電子注入性材料との積層、正孔注入性材料との積層、混合層、ドープ層とすることが好ましい。
最も一般的な正孔輸送性材料としては、芳香族アミン化合物が用いられる。すなわち、芳香族アミン化合物は、適切なイオン化ポテンシャル及び正孔輸送性に加えて、電気化学的に可逆であるため、正孔輸送製材料として好適である。特に、トリフェニルアミン構造を持つ芳香族アミン化合物は、立体性があり、アモルファス状態を形成するために好ましく用いられる。
芳香族アミン化合物の正孔輸送層材料には非常に多くの種類がある。例えば、芳香族アミン化合物の正孔輸送層材料として、フェニレンジアミン型のTPD、α−NPDを挙げることができる。また、芳香族アミン化合物の正孔輸送層材料として、TPTE−1、TPAC、フルオレン基を導入したFTPD、シクロアルキレン型アミンのオリゴマーであるOTPAC、2−PN、TP、Spiro−TPDを挙げることができる。さらに、上述した材料以外にも、類似の骨格を有する種々のトリフェニルアミン誘導体を挙げることができる。ここで、2−PN及びTPは、液晶性材料の高い正孔輸送性を利用するものであり、高い移動度を示すものが好ましく用いられる。
また、上述したように、正孔注入を容易にするために、電極と正孔輸送層との間に、適宜正孔注入層を設けたり、正孔輸送材料と正孔注入性材料を混合した層を設けたり、正孔輸送層材料に正孔注入性材料をドープしたりする等の方法が用いられる場合がある。
例えば、このような正孔注入性材料としては、ポリチオフェン(PEDOT/PSS)等の導電性高分子等が好ましく用いられる。
電子輸送性材料は必ずしも必須ではないが、例えば、金属電極から電子注入及び電子輸送を行うタイプの有機EL素子において、Alq3(アルミキノリノール)等の電子輸送性材料を用いる場合がある。また、電子輸送性材料として、BCP、シロール系誘導体であるPyPySPyPy、各種シクロペンタジエン誘導体、ET4、ETS1、PSP等、様々な材料を用いることができる。
また、必要に応じて、電極と電子輸送性材料との間に電子注入性材料の層を配置したり、電子輸送性材料に電子注入性材料をドープしたりする等の方法を用いることができる。この場合、例えば、アルカリ化合物やアルカリ土類化合物を用いてドーピングを行うことが好ましい。
有機発光層4として、蛍光性または燐光性を有する有機発光材料を用いる。代表的な有機発光材料として、各種金属錯体型発光材料を挙げることができる。ここで、配位子として、8−キノリノール、ベンゾオキサゾール、アゾメチン、フラボン等を挙げることができる。また、中心金属として、Al、Be、Zn、Ga、Eu、Ru、Pt、Cu、Ir等を挙げることができる。また、蛍光色素系発光材料として、オキサジアゾール、ピラゾリン、ジスチリルアリレーン、シクロペンタジエン、テトラフェニルブタジエンを挙げることができる。さらに、蛍光色素系発光材料として、ビススチリルアントラセン、ペリレン、フェナントレン、オリゴチオフェン、ピラゾロキノリン、チアジアゾロピリジン、層状ペロプスカイト、p−セキシフェニル、スピロ化合物を挙げることができる。なお、蛍光色素系発光材料は、これらの材料に限定されず、電界発光材料であればどのような材料を用いてもよい。
また、各種高分子材料、例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレン等を用いることも可能である。
有機発光層4は、蛍光性または燐光性を有する有機発光材料を単独で用いて形成する場合もある。しかし、有機発光材料の分子同士が非常に近接することで生じる励起子の失活を防止して、高い電流効率を得るためには、非発光性材料をホスト材料として用いるのが一般的である。ここで、ホスト材料は、発光材料の分子間隔を一定間隔に保つためのネットワークを形成し、電流効率を良好に保ち、成膜し易いものであれば特に限定されない。ホスト材料として、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリオキシエチレン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリイソプレン、ポリイミド等を用いることができる。
上述したように、金属電極層2上には、金属微粒子の凝集層8が形成されている。以下、金属微粒子の発色現象について説明する。
金属は通常バルクで金属光沢を示すものであるが、微粒子の大きさがナノサイズになると、特定の波長の電磁波を吸収して着色する現象がよく知られている(「超微粒子とは何か」川村清著(丸善)参照)。この現象は古くからステンドグラス等の着色に用いられてきたもので、自然光の吸収と透過による濁りの無いクリアな色を示し着色効率が高いことが特徴である。また、直射日光に晒されて長時間放置しても殆ど退色しない、という優れた着色特性を有する。
このナノサイズの金属微粒子の色は、主に金属の材質、形状、大きさによって大きく影響を受ける。例えば、Auは530nm近傍に吸収ピークを有する赤色のAuコロイドが有名であり、Agは420nm近傍に吸収ピークを有する黄色いAgコロイドが有名である。また、同じAgからなる金属微粒子であっても、J.J.Mockら(J.Chem.Phys.,Vol.116,No.15,15/April/2002)によれば、大きさによって色が変化することが観察されている。すなわち、Agからなる金属微粒子が球形状である場合には、直径が大きくなると吸収ピークが徐々に長波長側にシフトする。また、粒子の断面形状が円、五角形、三角形というように形状が異なる場合にも、吸収ピークが変化することが観察されている。例えば、Ag単一物質であっても、可視光のほぼ全域にわたって色変化が可能であることが示されている。このような可視光域の着色は、個々の金属微粒子の粒径が1nm乃至500nmの範囲で特に顕著に発現する。
さらに、金属微粒子は、10nm以下、特に1nm程度の超微粒子の状態において、その材質にかかわらず「黒化」するという現象が生じる(「超微粒子技術入門」一ノ瀬昇他著(オーム社)参照)。また、金属微粒子は、樟脳黒(カーボンブラック)やラッカーといった黒色材と比較して、光吸収が大きく、黒味に優れていることが知られている(例えば、伊藤和喜:真空16/p.163(1973)、伊藤和喜:金属45.7,p.65(1975)参照)。また、P.Tanejaら(Phys.Rev.B65,245412(2002))によれば、Ag、Pt、Cu等も、その微粒子の大きさが10nm程度を下回ると「黒化」することが示されている。
本発明の有機EL素子で用いる金属微粒子の凝集層は、黒色、もしくはRGB等の特定の着色を呈することを目的にしたものであり、基本的には、金属微粒子が集合した状態での吸収特性を利用するものである。
また、上述したように、黒色(すなわち、可視光のほぼ全波長域を吸収する)と、RGB等の特定の着色とでは、微視的な微粒子の相互作用が異なる。そのため、後述するように、目的の色に応じた微粒子の微視的状態を形成することが好ましい。
図1に示す金属微粒子の凝集層8は、集合体として黒色を呈している。金属微粒子の凝集層8は、Au以外にも、Ag、Cu、Pt、等の金属微粒子が好ましく用いられる。また、単一金属種である必要はなく、二種以上の混合物を用いてもよい。これ以外にも、上述した範囲の大きさで黒色を呈する金属微粒子であれば、どのような金属粒子を用いてもよい。
なお、「黒化」のメカニズムの詳細は明らかになっていない。ここで、プラズモン吸収波長が粒子の材質(誘電率)及び形状に依存しているため、実際の金属微粒子凝集体に存在する微細な粒径分布や粒子の異方性などに影響されて、吸収波長が可視光全域にわたっているという推察がある。このため、金属微粒子の集合体が黒色を呈するには、金属微粒子の粒径は均一ではなく、ある程度の粒径分布を有することが好ましい。例えば、粒子の長径が0.1nm乃至100nmの範囲で粒径分布を有しながら、平均粒径は10nm以下であるといった場合に可視光全域に良好な吸収特性を示す。
一例として、黒色を呈する金属微粒子の凝集層8の微視的な状態を、図1(b)に模式的に示す。図1(b)は、金属微粒子が相互に近接し合っている状態を示している。なお、各金属微粒子は、上述したように、粒径分布や形状分布があってもよい。
一方、特定の着色(RGB等)を行う場合の凝集層8における金微粒子の凝集状態を、図4(b)に模式的に示す。
上述したように、黒色層の場合には、金属微粒子同士が接合・接触することも含めてプラズモン吸収波長が広い波長域となり「黒化」する。一方、図4(b)に示す状態では、個々の金属微粒子は接合・接着することなく粒径が均一である程、所望の色の色純度が高く濁りのない着色層になる。
例えば、金属微粒子を用いて所望の着色層を形成するには、粒子径及び粒子形状がほぼ同質なものを透明媒質中に分散した状態にすればよい。具体的には、SiO2、TiO2、SnO2、ZnO2等の無機酸化物や、ポリイミド、ポリビニール等のポリマー、アクリル等の樹脂に所望の粒子を均一に分散させて硬化させれば、良好な着色を施することができる。
また、金属微粒子の表面を被覆することにより、凝集層8内における金属微粒子7の直接的な接合・接触を防止する方法を採用することができる。このようは方法として、例えば、Au微粒子の表面に液相中でSiO2のシェルを形成する方法がある。具体的には、SiO2層で被覆したAu微粒子が均一分散した溶液組成物を準備し、さらにその溶液組成物に熱硬化樹脂あるいは光硬化樹脂等を適量分散させ、後述するような方法で薄膜を形成することができる。
また、金属微粒子による着色は、従来の有機顔料に比較してその着色力が強いことが知られている。そのため、液晶ディスプレイ用のカラーフィルター材料を用いる場合に比べ、極めて薄い膜厚で所望の着色を実現することができる。
次に、図1に示す素子構造を作製する工程を、金属電極層2の側から電子を注入する場合を例にとって説明する。
まず、フォトリソグラフィー法やメタルマスク蒸着法等を用いて、基板1上に金属電極層2を形成する。そして、金属電極層2上に金属微粒子の凝集層8を設け、さらに電子輸送層として第1の電荷輸送層3を設ける。このとき、必要に応じて、予め電子注入層(不図示)を設けた後に第1の電荷輸送層3を設けてもよい。
次に、第1の電荷輸送層3上に有機発光層4を設ける。本実施形態において、有機発光層4は発光材料単一の層のみを指すものでなく、特定の空間的位置にホールまたは電子を捕捉し、あるいは輸送性を低下させるホール捕捉物質、または電子捕捉物質を含んでいてもよい。また、以下の説明では、便宜上、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層を別個の層としている。なお、有機発光分子、蛍光物質(または燐光物質)、正孔輸送物質、電子輸送物質、正孔捕捉物質、電子捕捉物質は、同一の層内に分離して含まれていてもよいし、個別の層に分離されていてもよい。また、例えば、金属電極の仕事関数が十分小さな場合には、電子注入層や電子輸送層を設けなくともよい場合がある。
次に、正孔輸送層として第2の電荷輸送層5を設けた後に、透明電極層6を積層する。この際、必要に応じて、予め正孔輸送層である第2の電荷輸送層5上に正孔注入層を積層した後に、透明電極層6を設けてもよい。透明電極層6の材料は、透過率と導電率の高いものであれば、特に限定されない。例えば、透明電極層6の材料として、ITO、酸化インジウム(In23)、ATO、IFO、ZO、CTO等を挙げることができる。成膜方法としては、スパッタ法、イオンプレーティング法等の真空装置において膜厚やパワーを制御して有機薄膜上へ成膜を行う方法が好ましい。特に、有機EL素子は、有機薄膜を主体とする積層膜であることから、成膜時のダメージを極力抑制できる方法が好ましい。
上述した有機EL素子の作製工程は、図1に示すような金属電極層2側から電子を注入するようにした有機EL素子の作製工程であるが、金属電極層2側から正孔を注入する有機EL素子の作製工程も、ほぼ同様である。
具体的には、金属電極層2として、仕事関数の大きい材料を選択してパターニングを行い、金属電極層2上に金属微粒子の凝集層8を形成する。さらに、金属微粒子の凝集層8上に、蒸着法等を用いて、正孔輸送層として機能する第1の電荷輸送層3を積層する。このとき、必要に応じて、予め正孔注入層を積層した後に正孔輸送層を積層してもよいし、正孔注入材料と正孔輸送材料の混合層を積層してもよい。
次に、第1の電荷輸送層3上に、蒸着法等を用いて有機発光層4を積層し、有機発光層4上に、電子輸送層として機能する第2の電荷輸送層5を設ける。特に、透明電極側から電子を注入するタイプでは、上述したように仕事関数の低い材料が無いため、電子輸送層と電極との間に電子注入層(不図示)を設けることが好ましい。最後に、第2の電荷輸送層5上に透明電極層6を形成して、有機EL素子を作製する。
<実施形態2>
次に、図2を参照して、本発明の実施形態2に係る有機EL素子について説明する。図2は、本発明の実施形態2に係る有機EL素子の縦断面構造を示す模式図であり、図2(a)は全体図、図2(b)は部分拡大図である。
実施形態2に係る有機EL素子は、上述した実施形態1とほぼ同様の構成となっているが、図2(a)に示すように、金属電極層2上に設けた金属微粒子の凝集層8上に、透明補助電極層9を設けた点が異なっている。
上述した実施形態1では、金属電極層2及び金属微粒子の凝集層8を積層したものを、電荷注入電極として機能させる基本的構成を説明した。しかし、有機発光材料によっては、両電極における電子注入及び正孔注入のための仕事関数の調整が困難な場合がある。
このような場合には、実施形態2のように、金属電極層2上に金属微粒子の凝集層8を積層し、さらに金属微粒子の凝集層8上に透明補助電極層9を積層すること好ましい。金属微粒子の凝集層8を設けた場合には、写りこみが生じる可能性があるが、金属微粒子の凝集層8上に透明補助電極層9を積層することにより、写り込みを軽減することができる。また、金属微粒子の凝集層8上に透明補助電極層9を積層すると、有機発光材料の種類を限定せずに、様々な有機発光材料を用いて高電流効率を実現することができる。
実施形態2では、金属電極層2は透明補助電極層9よりも下層に配置されるため、フォトリソグラフィー法を用いたパターニングを容易に行うことができる。さらに、配線抵抗を抑制することができるので、電源からの給電は主に金属電極層2を通して行い、画素近傍で、金属電極層2と透明補助電極層9とを接合させる構成としてもよい。ただし、金属微粒子の凝集層8が、金属電極層2と透明補助電極層9との間における電気的な導通を保つのに十分に低い抵抗を有するのであれば、接合部を設ける構成とすることは必須ではない。
図2(b)に示す例では、黒化するのに好ましい金属微粒子の凝集層8となっているが、金属微粒子の凝集層8は、図4(b)に示すような任意の着色層であってもよい。また、実施形態2では、金属電極層2と透明補助電極層9との間に金属微粒子の凝集層8が挟まれた構成となっている。このような構成は、金属微粒子の凝集層8を高色濃度にするために厚みを持たせた場合のように、金属電極層2と透明補助電極層9との間における電気的な導通が高い抵抗を有する場合に用いることができる。
なお、透明補助電極層9の材料は、電源から給電された電荷を画素内に供給する際に、仕事関数の調整を行うことができるものであれば、どのような材料であってもよい。
具体的には、透明補助電極層9の材料としては、実施形態1と同様に、ITO、酸化インジウム、ATO、IFO、ZO及びCTO等を、スパッタ法、イオンプレーティング法等の方法で積層したものを用いることができる。また、透明補助電極層9の材料は、必ずしも単層で高い導電性を示すものでなくともよく、光学的に透明で、かつ所望の電荷注入を補助することができるものであればよい。
実施形態2の素子構造は、実施形態1と同様に、金属電極層2側から正孔を注入するタイプであってもよいし、金属電極層2側から電子を注入するタイプであってもよい。
積層構成に関しては、いずれも実施形態1で説明したものと同様であり、必要に応じて、適宜、透明電極層6及び透明補助電極層9の夫々に隣接して電荷注入層を設けることが好ましい。
<実施形態3>
次に、図3を参照して、本発明の実施形態3に係る有機EL素子について説明する。図3は、本発明の実施形態3に係る有機EL素子の縦断面構造を示す模式図であり、図3(a)は全体図、図3(b)は部分拡大図である。
実施形態3に係る有機EL素子は、上述した実施形態1及び実施形態2とほぼ同様の構成となっているが、図3(a)に示すように、有機発光層4を含む積層構造体を狭持する一対の電極が、ともに透光性を有する透明電極となっている点が異なっている。
実施形態3のように、有機発光層4を含む積層構造体を狭持する一対の電極が、ともに透明電極となっている場合には、透光性を有する透明電極層10の光取り出し面とは反対側に金属微粒子の凝集層8を設けることが好ましい。
この実施形態3では、透明電極層10が透光性を有しており、透明電極層6、有機発光層4、及び透明電極層10を含んで透明積層構造体を構成し、この透明積層構造体の光取り出し面とは反対側に、金属微粒子の凝集層8を配置している。また金属微粒子の凝集層8は黒色に着色されている。
上述した実施形態1及び実施形態2では、金属電極層2の光取り出し面側に金属微粒子の凝集層8を配置している(図1及び図2参照)。これに対して、実施形態3では、基板1上に金属微粒子の凝集層8を形成し、金属微粒子の凝集層8上に透光性を有する透明電極層10を設けている。さらに、透明電極層10上に、第1の電荷輸送層3、有機発光層4、第2の電荷輸送層5、透明電極層6を順次積層する点は、実施形態1及び実施形態2と同様である。
実施形態3では、基板1側への給電は透明電極層10を用いて行うため、透明電極層10として、透明電極層6と同様に、単層で透過率及び導電率の高いものを用いることが好ましい。
また、実施形態3では、素子への給電は透明電極層10から行うため、実施形態1及び実施形態2と比較して、金属微粒子の凝集層8を厚く形成することができる。さらに、金属微粒子の凝集層8を黒色層とする場合には、金属微粒子の凝集層8の膜厚を十分厚くすることにより、容易に可視光領域における良好な光吸収特性を得ることができる。
実施形態3の素子構成とした場合には、数nm〜数十nmの粒径の金属微粒子を分散させた溶液組成物を用いて金属微粒子の凝集層8を形成するため、基板の材質を選ばずに所望の領域を着色することが可能となる。実施形態3において、金属微粒子の凝集層8を形成するには、例えばインクジェット法を用いて基板1上に溶液組成物を塗布した後に、溶媒を蒸発させればよい。この際、基板1の表面状態に応じて、溶液組成物の溶媒を選択することが好ましい。なお、基板1の表面状態とは、親水性や疎水性等のことをいう。
また、フォトリソグラフィー法を用いて基板表面にパターンを作製しておき、金属微粒子の凝集層8を成膜してから、不要になったレジストパターンを溶剤で除去する等の方法を用いることにより、任意形状の金属微粒子の凝集層8を容易に作製することができる。
<実施形態4>
次に、図4を参照して、本発明の実施形態4に係る有機EL素子について説明する。図4は、本発明の実施形態4に係る有機EL素子の縦断面構造を示す模式図であり、図4(a)は全体図、図4(b)は部分拡大図である。
実施形態4に係る有機EL素子は、上述した実施形態3とほぼ同様の構成となっているが、図4(a)に示すように、金属微粒子の凝集層8でRGB等の特定の着色層を形成する点が異なっている。
実施形態4では、金属微粒子の凝集層8でRGB等の特定の着色層を形成することにより、特定の波長の外光反射を抑制することが可能となる。
実施形態4では、光取り出し面側から順に、透明電極層6、第2の電荷輸送層5、有機発光層4、第1の電荷輸送層3、及び透明電極層10が積層されて、透明積層構造体を構成している。さらに、この透明積層構造体の光取り出し面とは反対側に、金属微粒子の凝集層8が設けられている。この金属微粒子の凝集層8は、図4(b)に示すように、ほぼ均一な粒径で金属微粒子7が均一に分散しているため、色純度の優れた着色層を形成することができる。
実施形態4では、有機発光層4への給電を透明電極層10で行うため、着色層の厚みを厚くすることができる。また、図4に示すように、実施形態4はトップエミッションタイプの有機EL素子となっているため、基板1の光取り出し面側に金属反射層11が設けられている。
実施形態4において、金属微粒子の凝集層8を形成するには、インクジェット法等を用いて、基板1上に、数nm〜数十nm程度で粒径の揃った金属微粒子と硬化剤とを均一分散させた溶液組成物を塗布する。その後、加熱処理を行って硬化剤を硬化させ、金属微粒子の凝集層8を形成する。このような方法を用いることにより、金属微粒子の凝集層8を容易に形成することができる。
<実施形態5>
次に、図5を参照して、本発明の実施形態5に係る有機EL素子について説明する。図5は、本発明の実施形態5に係る有機EL素子の縦断面構造を示す模式図であり、図5(a)は全体図、図5(b)は部分拡大図である。
実施形態5に係る有機EL素子は、上述した実施形態4とほぼ同様の構成となっているが、図5(a)に示すように、金属反射層11の替わりに、ステンレス等の金属反射板からなる基板1を用いた点が異なっている。
実施形態5では、光取り出し面側から順に、透明電極層6、第2の電荷輸送層5、有機発光層4、第1の電荷輸送層3、及び透明電極層10が積層されて、透明積層構造体を構成している。さらに、この透明積層構造体の光取り出し面とは反対側に、金属微粒子の凝集層8が設けられている。実施形態5は、金属微粒子の凝集層8が十分に電気的絶縁性を有する場合に有効である。
実施形態5では、電気的絶縁性を有する金属微粒子の凝集層8が設けられているため、画素部分は、金属反射板である基板1と電気的に絶縁されているが、画素以外の領域においても、透明電極層10と基板1との間に絶縁層を設けることが好ましい。
<実施形態6>
次に、図6を参照して、本発明の実施形態6に係る有機EL素子について説明する。図6は、本発明の実施形態6に係る有機EL素子の縦断面構造を示す模式図であり、図6(a)は全体図、図6(b)は部分拡大図である。
実施形態6に係る有機EL素子は、上述した実施形態4の着色層と同様の着色層を用いている。実施形態6では、有機EL素子が素子分離構造体12により複数の素子領域に分割されており、各素子領域に配置された金属微粒子の凝集層8は、黒色、赤色、緑色、及び青色のうちのいずれか一色に塗り分けられている。なお、各素子領域の構成は、実施形態4のものとほぼ同様となっている。
実施形態6では、フォトリソグラフィー法等を用いて、予め金属反射層11及び素子分離構造体12を作製した後、透明電極層10、第2の電荷輸送層5、有機発光層4、第1の電荷輸送層3、及び透明電極層6を順次積層してゆく。図6に示す例では、素子領域が素子分離構造体12により、赤色の有機発光層4(R)、緑色の有機発光層4(G)、及び青色の有機発光層4(B)に区画されている。
各素子領域では、予め定めた色を呈する金属微粒子の凝集層8が、隣接する素子領域とは異なる色を呈するようにして形成される。この際、各色の金属微粒子を均一分散した溶液組成物を夫々準備しておくことにより、インクジェット法を用いて容易に金属微粒子の凝集層8を形成することができる。この点、塗布型のカラーフィルター材料を用いた場合には、3回のフォトリソグラフィー法を用いた工程を経て金属微粒子の凝集層8を形成する必要がある。このため、上述したように、各色の金属微粒子を均一分散した溶液組成物を夫々準備しておき、インクジェット法を用いて金属微粒子の凝集層8を形成する工程を採用することが好ましい。さらに、マルチノズルタイプのインクジェット法を用いることにより、スループットを大幅に向上させることができる。
なお、実施形態6では、特に複数の着色層を金属反射層11上に形成した例を示したが、実施形態1乃至5のような電極構成の場合であっても、同様に画素毎の塗り分けを行うことができる。
<金属微粒子の製造方法>
次に、凝集層8を形成する金属微粒子の製造方法について説明する。
金属微粒子を製造する方法として、ガス中蒸着法、スパッタリング法、金属蒸気合成法などの物理的手法や、コロイド法、アルコキシド法、均一沈殿法などの化学的液相法や、有機金属化合物の熱分解法などの化学的気相法等の種々の製造方法が知られている。
物理的手法では、材料が蒸発して核が形成され、核の周囲に金属層が成長したと同時に有機溶剤を付着させることにより、所望の材料で被覆された金属微粒子を得ることができる。また、液相法の一種であるコロイド法では、還元条件下においてアルコール中で貴金属塩を還元することにより、高分子に被覆された金属微粒子がコロイド状に析出する。例えばカーボン微粒子等のように分散剤として用いられる化合物に制約がある顔料や染料と異なり、その製造方法を適宜選択すれば、疎水・親水いずれの表面吸着物で覆うことも可能であり、非水系・水系いずれの溶媒への均一分散も可能である。
例えば、粒径数nmのAuの金属微粒子を均一に分散させた溶液組成物を得る場合に、上述した物理的手法を用いることで、トルエン等の非水系有機溶媒に単分散した溶液組成物が作製できることが知られている。一方、Auの金属微粒子をエタノールと水とからなる水系溶媒に単分散して、溶液組成物が作製できることも知られている。
本発明では、使用する金属微粒子の溶液組成物に応じて、上述した製造方法のうちのいずれかが選択される。
次に、上述した実施形態1乃至6に共通する、金属微粒子の凝集層の作製方法について説明する。
<方法1>
方法1では、金属微粒子の凝集層を形成するために、まず、金属薄膜または基板上に、インクジェット法、塗布法等を用いて、金属微粒子を分散させた溶液組成物を塗布する。その後、溶媒を加熱乾燥させたり、真空乾燥させたりすることにより、金属微粒子を凝集させる。この際、金属微粒子を凝集固着させるために、例えば、50℃乃至150℃といった低温でのアニールを行い、薄膜形成を行うことが好ましい。
インクジェット法を用いた金属微粒子の凝集層の作製は、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行ったり、湿度等の環境を一定に保つことが可能な閉容器内で行ったりすることが好ましい。
<方法2>
方法2では、方法1で説明した溶液組成物に、相溶性の硬化性材料を添加して分散させ、金属薄膜または基板上に、インクジェット法、塗布法等を用いて、金属微粒子を分散させた溶液組成物を塗布する。その後、溶媒を加熱乾燥させたり、真空乾燥させたりして金属を凝集させると同時に硬化材料を硬化させる。この際、硬化性材料の組成比を調整しておけば、図4(b)に示すように、金属微粒子が高濃度分散した膜を形成することができる。
<方法3>
方法3では、低圧のガス雰囲気下において、金属薄膜または基板上に金属を蒸着することにより、金属微粒子の集合体からなる黒色の蒸発物を得る。例えば、抵抗加熱方式の真空蒸着装置を使用し、数百Pa程度のN2ガス雰囲気中で、Wヒーターを用いて蒸発材料であるAu等の金属材料を蒸着するとよい。
このようなガス中蒸発法による金属微粒子の凝集層8の作製は、ロードロックを介して他の真空工程と連続的に行うことも可能である。
<実施例1>
次に、図1に示す有機EL素子の具体的な実施例1について説明する。
実施例1に係る有機EL素子を作製するには、基板1としてガラスを用い、スパッタ法を用いて基板1上にMg−Ag合金からなる金属電極層2を形成し、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングし、不図示の給電配線部分を形成する。
次に、トルエン中に平均粒径2nmの銀微粒子が均一分散した溶液組成物を用意しておき、インクジェット法を用いて金属電極層2上に吐出する。次に、60℃で20分ほどアニールし、溶媒を除去する。なお、上記各工程は窒素雰囲気下で行う。
このようにして形成した黒色を呈する金属微粒子の凝集層8は、下地となる金属電極層2にしっかりと固定されて飛散することがない。
次に、真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着を行い、金属微粒子の凝集層8上に、電子輸送層である第1の電荷輸送層3としてAlq3を60nm、有機発光層4として色素ドーパントしたAlq3を60nm、正孔輸送層である第2の電荷輸送層5としてα−NPDを60nmを連続的に成膜する。さらに、第2の電荷輸送層5上に、イオンプレーティング法を用いて、透明電極層6としてITOを100nm積層する。
このようにして作製した実施例1に係る有機EL素子では、上下の電極(金属電極層2と透明電極層6)間に20mA/cm2の電流密度で電流を印加し、繰り返して発光のON−OFFを行ったところ、外光の影響がない良好な発光が可能であることが分かった。
<実施例2>
次に、図1に示す有機EL素子の具体的な実施例2について説明する。
実施例2に係る有機EL素子を作製するには、まず、基板1としてガラスを用い、スパッタ法を用いて基板1上にAuからなる金属電極層2を形成し、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングし、不図示の給電配線部分を形成する。
次に、金属微粒子の凝集層8として、Auをガス蒸着法で5nmの厚さに成膜する。この際、窒素ガス圧を300Paとし、Wボート中でAuの抵抗加熱蒸着を行う。
このようにして形成した黒色を呈する金属微粒子の凝集層8は、下地となる金属電極層2にしっかりと固定されて飛散することがない。
次に、真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着を行い、金属微粒子の凝集層8上に、正孔輸送層である第1の電荷輸送層3としてα−NPDを60nm、有機発光層4として色素ドーパントしたAlq3を60nm、電子輸送層である第2の電荷輸送層5としてAlq3を60nmを連続的に成膜する。さらに、第2の電荷輸送層5上に、電子注入性材料としてLiFを5nm蒸着した後、イオンプレーティング法を用いて、透明電極層6としてITOを100nm積層する。
このようにして作製した実施例2に係る有機EL素子では、上下の電極(金属電極層2と透明電極層6)間に20mA/cm2の電流密度で電流を印加し、繰り返して発光のON−OFFを行ったところ、外光の影響がない良好な発光が可能であることが分かった。
<実施例3>
次に、図2に示す有機EL素子の具体的な実施例3について説明する。
実施例3では、実施例1と同様の工程で、基板1上に、金属電極層2及び金属微粒子の凝集層8を形成する。次に、イオンプレーティング法を用いて、金属微粒子の凝集層8上に、透明補助電極層9としてIZOを20nm膜形成する。さらに、透明補助電極層9上に、実施例2と同様の手順で、正孔輸送層である第1の電荷輸送層3としてα−NPDを60nm、有機発光層4として色素ドーパントしたAlq3を60nm、電子輸送層である第2の電荷輸送層5としてAlq3を60nmを順次、真空蒸着する。さらに、第2の電荷輸送層5上に、電子注入性材料としてLiFを5nm蒸着した後、実施例1及び実施例2と同様に、透明電極層6としてITOを100nm積層する。
このようにして作製した実施例3に係る有機EL素子では、上下の電極(金属電極層2と透明電極層6)間に20mA/cm2の電流密度で電流を印加し、繰り返して発光のON−OFFを行ったところ、外光の影響がない良好な発光が可能であることが分かった。
<実施例4>
次に、図3に示す有機EL素子の具体的な実施例4について説明する。
実施例4では、基板1としてガラスを用い、実施例2と同様の方法で、金属微粒子の凝集層8としてAuをガス蒸着法で20nmの厚さに膜形成する。この際、窒素ガス圧を300Paとし、Wボート中でAuの抵抗加熱蒸着を行う。このようにして形成した黒色を呈する金属微粒子の凝集層8は、基板1の後方からの光を遮断するので、基板1の後方からの光が透けて見えることがない。
次に、金属微粒子の凝集層8上にITOを成膜した。さらに正孔輸送層である第1の電荷輸送層3としてα−NPDを60nm、有機発光層4として色素ドーパントしたAlq3を60nm、電子輸送層である第2の電荷輸送層5としてAlq3を60nm、順次、真空蒸着して積層する。さらに、第2の電荷輸送層5上に、電子注入性材料としてLiFを5nm蒸着した後、実施例1及び実施例2と同様に、透明電極層6としてITOを100nm積層する。
この様にして作製した有機EL素子では、上下の電極(透明電極層6と透明電極層10)間に20mA/cm2の電流密度で電流を印加し、繰り返して発光のON−OFFを行ったところ、外光の影響がない良好な発光が可能であることが分かった。
<実施例5>
次に、図4に示す有機EL素子の具体的な実施例5について説明する。
実施例5に係る有機EL素子を作製するには、基板1としてガラスを用い、スパッタ成膜法を用いて、基板1上にアルミを100nm膜形成し、金属反射層11とする。
次に、金属反射層11上に、金属微粒子の凝集層8を形成する。金属微粒子の凝集層8は、トルエン中に平均粒径20nmのAu粒子とポリイミドを分散させた溶液組成物を用意しておき、基板1上に塗布して焼成することにより形成する。
次に、金属微粒子の凝集層8上に、スパッタ法を用いてITOを製膜した。さらにITO上に、正孔輸送層である第1の電荷輸送層3としてα−NPDを60nm、有機発光層4として色素ドーパントしたAlq3を60nm、電子輸送層である第2の電荷輸送層5としてAlq3を60nm、順次、真空蒸着法で積層する。この際、金属微粒子7は膜中にほぼ均等な間隔で分散配置しており、金属微粒子の凝集層8は膜として鮮やかな赤色を示している。
この様にして作製した有機EL素子では、上下の電極(透明電極層6と透明電極層10)間に20mA/cm2の電流密度で電流を印加し、繰り返して発光のON−OFFを行ったところ、外光の影響がない良好な赤色発光が可能であることが分かった。
<実施例6>
次に、図5に示す有機EL素子の具体的な実施例6について説明する。
実施例6では、基板1としてガラスを用い、基板1上に、金属微粒子の凝集層8を形成する。金属微粒子の凝集層8は、トルエン中に平均粒径20nmのAu粒子とポリイミドを分散させた溶液組成物を用意しておき、基板1上に塗布して焼成することにより形成する。
次に、金属微粒子の凝集層8上に、スパッタ法を用いてITOを成膜した。さらにITO上に、正孔輸送層である第1の電荷輸送層3としてα−NPDを60nm、有機発光層4として色素ドーパントしたAlq3を60nm、電子輸送層である第2の電荷輸送層5としてAlq3を60nm、順次、真空蒸着法で積層する。この際、金属微粒子7は膜中にほぼ均等な間隔で分散配置しており、金属微粒子の凝集層8は膜として鮮やかな赤色を示している。
この様にして作製した有機EL素子では、上下の電極(透明電極層6と透明電極層10)間に20mA/cm2の電流密度で電流を印加し、繰り返して発光のON−OFFを行ったところ、外光の影響がない良好な赤色発光が可能であることが分かった。
<実施例7>
次に、図6に示す有機EL素子の具体的な実施例7について説明する。
実施例7では、有機EL素子を作製した。実施例7では、基板1としてガラスを用い、基板1上に、スパッタ法を用いてアルミ膜を100nmの厚さに形成し、画素形状に合わせてフォトリソグラフィー法を用いてパターニングする。次に、厚膜レジストを用いたフォトリソグラフィー法により、素子分離構造体12を形成する。
次に、RGB各色を呈する平均粒径のAg微粒子を含む各色の溶液組成物を用意しておき、インクジェット法を用いて各画素に液滴付与した後に乾燥及び加熱し、金属微粒子の凝集層8を形成する。次に、金属微粒子の凝集層8上に、スパッタ法を用いてITOを成膜する。さらに、ITO上に、正孔輸送層である第1の電荷輸送層3としてα−NPDを60nm、有機発光層4として色素ドーパントしたAlq3を60nm、電子輸送層である第2の電荷輸送層5としてAlq3を60nmを形成する。さらに、第2の電荷輸送層5上に、電子注入性材料としてLiFを5nm蒸着する。その後、透明電極層6としてITOを100nm積層する。
この様にして作製した有機EL素子では、上下の電極(透明電極層6と透明電極層10)間に20mA/cm2の電流密度で電流を印加し、繰り返して発光のON−OFFを行ったところ、外光の影響がない良好な赤色発光が可能であることが分かった。
<実施例8>
次に、図1に示す有機EL素子の具体的な実施例8について説明する。
実施例8では、種々の平均粒径を有するAg微粒子を含む溶液組成物を用意しておき、インクジェット法を用いて金属微粒子の凝集層8を形成する。次に、真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着を行い、金属微粒子の凝集層8上に、電子輸送層である第1の電荷輸送層3としてAlq3を60nm、有機発光層4として色素ドーパントしたAlq3を60nm、正孔輸送層である第2の電荷輸送層5としてα−NPDを60nmを連続的に成膜する。さらに、第2の電荷輸送層5上に、イオンプレーティング法を用いて透明電極層6としてITOを100nm積層する。
こうして作製した有機EL素子のうち、金属微粒子の平均粒径が500nmを上回るものは、特に発光輝度を抑えた際の外光の影響が大きく、ON−OFF時における視認性が劣る場合がある。
また、視認性の良好な素子を基板毎に壁壊し、金属微粒子の凝集層8の断面及び面内の粒径分布をSEM(走査型電子顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)によって詳細に観察した。この観察において、Ag微粒子は、1nmから100nm程度の範囲で粒径分布を有するものと、1nmから50nm程度の範囲で粒径分布を有するものがあることが確認できた。
また、500nmより大きな金属微粒子7の粒径が混入している有機EL素子では、長時間の駆動後にショートしてしまうものが多いことが確認できた。一方、粒径が1nmから500nmの大きさの金属微粒子がぎっしりと詰まった状態で凝集層8を形成している有機EL素子は、ショートが発生する確率が低いことが確認できた。さらに、SEM及びTEMによる形態観察においても、金属微粒子の凝集層8と、その上に積層された第1の電荷輸送層3との接合面が平らであることを確認することができた。
<比較例>
次に、上述した有機EL素子の具体的な実施例に対する比較例について説明する。
比較例1は、図1に示す有機EL素子において、金属微粒子の凝集層8のみを除いたものである。
比較例に係る有機EL素子を作製するには、基板1としてガラスを用い、スパッタ法を用いて基板1上にMg−Ag合金からなる金属電極層2を形成し、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングし、不図示の給電配線部分を形成する。
次に、真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着を行い、金属電極層2上に、電子輸送層である第1の電荷輸送層3としてAlq3を60nm、有機発光層4として色素ドーパントしたAlq3を60nm、正孔輸送層である第2の電荷輸送層5としてα−NPDを60nmを連続的に成膜する。さらに、正孔輸送層である第2の電荷輸送層5上に、イオンプレーティング法を用いて、透明電極層6としてITOを100nm積層する。
このようにして形成した比較例に係る有機EL素子について、上下の電極(金属電極層2と透明電極層6)間に20mA/cm2の電流密度で電流を印加し、繰り返して発光のON−OFFを行った。比較例では、実施例1と比較して、外光の影響によって、表示のON−OFF切り替えを視認できない場合があった。特に、外光の影響が大きい戸外において、低輝度の発光をON−OFFした場合に、表示のON−OFF切り替えを視認できないという傾向が著しく現れた。
以上説明したように、本発明に係る有機EL素子によれば、金属電極上にナノオーダーの金属微粒子からなる金属微粒子の凝集層を設けることにより、外光の反射による表示視認性の低下を抑制した良好な表示特性を有する有機EL素子を提供することができる。この際、金属微粒子の凝集層の微視的な凝集状態を変化させ、黒色の金属微粒子の凝集層を設けることにより、可視光全域にわたる外光反射の抑制を行うことがでる。また、特定の波長の吸収特性を有する金属微粒子の凝集層を設けることにより、特定の色に対して外光反射の抑制を行うことができる。特に、本発明に係る有機EL素子は、外光に影響される屋外環境や、低輝度発光時において発光画像の視認性が良好となる。
本発明の実施形態1に係る有機EL素子の縦断面構造を示す模式図であり、(a)は全体図、(b)は部分拡大図である。 本発明の実施形態2に係る有機EL素子の縦断面構造を示す模式図であり、(a)は全体図、(b)は部分拡大図である。 本発明の実施形態3に係る有機EL素子の縦断面構造を示す模式図であり、(a)は全体図、(b)は部分拡大図である。 本発明の実施形態4に係る有機EL素子の縦断面構造を示す模式図であり、(a)は全体図、(b)は部分拡大図である。 本発明の実施形態5に係る有機EL素子の縦断面構造を示す模式図であり、(a)は全体図、(b)は部分拡大図である。 本発明の実施形態6に係る有機EL素子の縦断面構造を示す模式図であり、(a)は全体図、(b)は部分拡大図である。
符号の説明
1 基板
2 金属電極層(対向電極層)
3 第1の電荷輸送層
4 有機発光層
5 第2の電荷輸送層
6 透明電極層
7 金属微粒子
8 金属微粒子の凝集層
9 透明補助電極層
10 透明電極層(対向電極層)
11 金属反射層
12 素子分離構造体

Claims (8)

  1. 光取り出し面側に配置された透光性を有する透明電極層と、該透明電極層に対向配置された対向電極層と、前記透明電極層と前記対向電極層との間に配置された有機発光層とを備えた有機EL素子であって、
    前記透明電極層及び前記有機発光層を少なくとも含んで透明積層構造体を構成し、
    該透明積層構造体の光取り出し面とは反対側に、金属微粒子の凝集層が配置されていることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記対向電極層の光取り出し面側に、前記金属微粒子の凝集層が配置されることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記対向電極層は透光性を有し、
    前記透明電極層、前記有機発光層、及び前記対向電極層を含んで透明積層構造体を構成し、
    該透明積層構造体の光取り出し面とは反対側に、金属微粒子の凝集層を配置し、
    該金属微粒子の凝集層は着色されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  4. 前記金属微粒子の凝集層の光取り出し面側に、透明補助電極層を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  5. 素子分離構造体により複数の素子領域に分割されており、
    各素子領域に配置された前記金属粒子の凝集層は、黒色、赤色、緑色、及び青色のうちのいずれか一色に塗り分けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  6. 前記凝集層を形成する金属微粒子の粒径は、1nm乃至500nmの範囲に設定されており、
    該金属微粒子は、黒色、赤色、緑色、及び青色のうちのいずれか一色に着色されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  7. 前記凝集層を形成する金属微粒子は、相異なる複数の粒径からなる粒径分布を有し、黒色に着色されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法であって、
    金属微粒子の凝集層を作製する工程と、
    前記金属微粒子の凝集層の光取り出し面側に、少なくとも有機発光層を含む透明積層構造体を作製する工程と、を含むこととを特徴とする有機EL素子の製造方法。
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