JP2007327934A - 磁気データ処理装置、方法およびプログラム - Google Patents

磁気データ処理装置、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 二次元磁気センサの使い勝手を向上させる。
【解決手段】 第一の基本ベクトル群の一次結合である2次元ベクトルデータであって2次元磁気センサから出力される磁気データを順次入力する入力手段と、前記磁気データの旧オフセットを新オフセットに更新するために複数の前記磁気データを母集団データ群として蓄える蓄積手段と、前記旧オフセットを用いずに前記母集団データ群から導出される仮オフセットの前記旧オフセットに対する位置ベクトルであって前記母集団データ群の分布の主軸方向の第二の基本ベクトル群の一次結合である仮の位置ベクトルの各係数を前記母集団データ群の分布の主値の比に応じて重み付けした値を係数とする前記第二の基本ベクトル群の一次結合を補正ベクトルとするとき、前記旧オフセットと前記補正ベクトルの和となる前記新オフセットを求めることを制約条件として、前記旧オフセットと前記母集団データ群とに基づいて前記新オフセットを導出するオフセット導出手段と、を備える磁気データ処理装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は磁気データ処理装置、方法およびプログラムに関し、特に2次元磁気センサのオフセットを補正する技術に関する。
従来、携帯型電話機、車両等の移動体に搭載され、地磁気の方向を検出する磁気センサが知られている。磁気センサは、磁界のベクトルを互いに直交する成分に分解して検出するための磁気センサモジュールを備えている。磁気センサの出力である磁気データは、そのような磁気センサモジュールのそれぞれの出力の組み合わせからなり、互いに直行する単位ベクトルの一次結合であるベクトルデータである。磁気データの方向と大きさが磁気センサが検出している磁界の方向と大きさである。磁気センサの出力に基づいて地磁気の方向または大きさを特定するとき、移動体の着磁や磁気センサ自体の温度特性による測定誤差を打ち消すために磁気センサの出力を補正する処理が必要である。この補正処理の操作値はオフセットと呼ばれ、オフセットを導出する処理はキャリブレーションと呼ばれている(たとえば特許文献1参照)。オフセットは外部磁界の大きさが0である状態で磁気センサが出力するベクトルデータであって、磁気センサの出力である磁気データからオフセットが引き算されることによって測定誤差が打ち消される。二次元磁気センサにおいては、磁気データ群が分布する円の中心の位置ベクトルがオフセットに相当する。ただし現実には、二次元磁気センサの出力である磁気データ群の分布は完全な円にならない。なぜならば、磁気センサモジュールの出力自体がガウス分布に従う測定誤差を有しているし、現実には完全に一様な磁界は存在しないためオフセットを算出するための母集団データ群が蓄積される期間中に2次元磁気センサが測定している磁界が変動するし、AD変換時の計算誤差があるからである。
2次元磁気センサにおいては、磁気センサモジュールの直交する感度方向に対して直交する方向に平行な回転軸線を中心にして磁気センサが回転するように磁気センサを搭載している移動体が回転することにより、オフセットを導出するために必要な母集団データ群が磁気センサから出力される。携帯型電話機、車両といった3次元の運動が可能な移動体をこのように運動させるためには、そのように運動するようにユーザが意識的に移動体を操作する必要がある。したがって二次元磁気センサのオフセットを導出するための磁気データ処理装置では、キャリブレーションの開始が明示的にユーザに案内され、ユーザによって適切に移動体が操作されることを前提にしてオフセットの導出アルゴリズムが設計されている。しかし、キャリブレーションのための操作はユーザにとって煩雑である。また従来のキャリブレーションでは、信頼できる母集団データ群が蓄積されたかを2値判定しており、ユーザの操作が正しく行われない場合には、信頼できる母集団データ群が蓄積されずにキャリブレーションが失敗し、その結果、信頼できる母集団データ群を蓄積するための操作を繰り返すことをユーザは要求される。
国際公開第2004/003476号公報
本発明は、二次元磁気センサの使い勝手を向上させることを目的とする。
(1)上記目的を達成するための磁気データ処理装置は、第一の基本ベクトル群の一次結合である2次元ベクトルデータであって2次元磁気センサから出力される磁気データを順次入力する入力手段と、前記磁気データの旧オフセットを新オフセットに更新するために複数の前記磁気データを母集団データ群として蓄える蓄積手段と、前記旧オフセットを用いずに前記母集団データ群から導出される仮オフセットの前記旧オフセットに対する位置ベクトルであって前記母集団データ群の分布の主軸方向の第二の基本ベクトル群の一次結合である仮の位置ベクトルの各係数を前記母集団データ群の分布の主値の比に応じて重み付けした値を係数とする前記第二の基本ベクトル群の一次結合を補正ベクトルとするとき、前記旧オフセットと前記補正ベクトルの和となる前記新オフセットを求めることを制約条件として、前記旧オフセットと前記母集団データ群とに基づいて前記新オフセットを導出するオフセット導出手段と、を備える。
この装置で採用しているアルゴリズムを図1を参照しながら詳細に説明する。このアルゴリズムの要点は、分散が大きな主軸方向に分布している磁気データ群ほど、オフセットを更新するために用いる母集団要素として重く評価され、分散が小さな主軸方向に分布している磁気データ群ほど母集団要素として軽く評価されることにある。旧オフセットc、新オフセットcおよび仮オフセット(gの終点の原点Oに対する位置ベクトル)は、磁気データの基本ベクトル群の一次結合である2次元ベクトルデータである。すなわち、これらはxyという座標系で表されるベクトルデータである。新オフセットcは、旧オフセットcを新オフセットcに更新するために蓄えられた磁気データ群と旧オフセットcとに基づいて導出される。
新オフセットcに更新するために蓄えられた磁気データ群である母集団データ群はあらかじめ決められた期間内に蓄積された磁気データ群で構成されてもよいし、あらかじめ決められた個数の磁気データ群で構成されてもよいし、あるタイミング(たとえばオフセットの更新要求が発生したタイミング)で蓄積されている任意の個数の磁気データ群で構成されてもよい。旧オフセットcは、新オフセットcと同様の方法で導出されるものでもよいし、あらかじめ決められているものでもよい。
仮オフセットは、旧オフセットcを用いずに母集団データ群から導出されると定義するが、この定義は新オフセットcを導出する制約条件を定義するための定義であって、実際に導出されなければならないデータではない。仮オフセットは、旧オフセットcを用いずに母集団データ群から導出されるものであるから、実際に仮オフセットが導出されるとすれば、母集団データ群が近傍に分布する円周の中心の位置ベクトルとなる。しかし、母集団データ群がそれから導出される円周の一部を構成する中心角の狭い円弧近傍に偏って分布している場合には、母集団データ群がそれぞれ含んでいる誤差がその円周の導出結果に強く影響するため、真のオフセットから遠い仮オフセットが導出される可能性が高い。たとえば、図1に示すように、中心角の狭い円弧の近傍に母集団データ群が分布し、母集団データ群の互いに直交する固有ベクトルがu、uとなっている場合、小さい方の主値に対応する固有ベクトルuの方向については母集団データ群の分散が小さいため、その方向については、母集団データ群から導出される仮オフセットと真のオフセットとが遠くなる可能性が高い。一方この場合、分布の固有ベクトルuの方向については母集団データ群の分散が大きいため、固有ベクトルuの方向については、母集団データ群から導出される仮オフセットと真のオフセットとが近くなる可能性が高い。
分布の主軸方向の分散は分布の主値λ、λを指標として表すことができるため、この装置では、分布の主値λ、λの比に応じて各主値に対応する方向に分布する母集団要素を評価する。具体的には、まず分布の主軸方向と一致する座標軸α、βをもつ座標系において、旧オフセットcに対する新オフセットcの位置ベクトルである補正ベクトルfと旧オフセットcに対する仮オフセットの位置ベクトルである仮の位置ベクトルgを定義することができる。すなわち、補正ベクトルfと仮の位置ベクトルgとは分布の主軸方向の基本ベクトルの一次結合として定義することができる。これは主軸変換に相当する。そして、旧オフセットcに対する仮オフセットの位置ベクトルgの各成分gα、gβを分布の対応する主値u、uの大きさに応じて重み付けして補正ベクトルfの各成分fα、fβを導出すると、分散が大きい方向について母集団要素の信頼性を高め、分布が小さい方向について母集団要素の信頼性を低くして補正ベクトルfを導出することができる。ただし、このような補正ベクトルfおよび仮の位置ベクトルgの定義も、新オフセットcを導出する制約条件を定義するための定義であって、実際に導出する必要があるデータではない。
結局、このように定義される補正ベクトルfと旧オフセットcとの和として新オフセットcを求めることを制約条件として新オフセットcを導出することにより、母集団データ群の分布にかかわらず、分散が大きい主軸方向に分布している磁気データ群を母集団要素として重く評価し、分散が小さい主軸方向に分布している磁気データ群を母集団データ群として軽く評価しながら、新オフセットを導出することができる。このように新オフセットを導出するための手法としては、たとえば分布を最適化問題に定式化する手法がある。この装置によると、キャリブレーションのための操作がどのように行われようとも、実際に行われた操作から導出できるもっとも確からしい新オフセットを導出できるため、あらかじめ決められた操作をユーザに要求する必要がない。
(2)上記目的を達成するための磁気データ処理装置において、前記制約条件は、大きい方の前記主値に対する小さい方の前記主値の比があらかじめ決められた閾値以下である場合、小さい方の前記主値に対する主軸方向の前記第二の基本ベクトルの係数について前記仮の位置ベクトルの重み係数が0となる条件であってもよい。
この装置では、母集団データ群の分布が離散的に評価され、離散的に評価された結果に応じて旧オフセットc0に対する仮オフセットの位置ベクトルgの各係数が離散的に重み付けされる。すなわち、分散が相対的に小さくなる方向については仮の位置ベクトルgの係数の重み付けが0となる。つまり、この装置では、分散が相対的にある閾値よりも小さい方向については母集団データ群が全く評価されない。
(3)上記目的を達成するための磁気データ処理装置において、前記制約条件は、前記母集団データ群の分布の主値の比に連続的に対応する重み係数によって前記仮の位置ベクトルの係数を重み付けした値が前記補正ベクトルの係数となる条件であってもよい。
この装置によると、分散に対する連続的な対応関係が重み係数にあるため、母集団データ群の実質的利用率を向上させることができる。またこの装置によると、母集団データ群の分布に応じて処理を変更せずに新オフセットを導出可能であるため、オフセットの更新処理を簡素にすることができる。
(4)上記目的を達成するための磁気データ処理装置において、前記仮の位置ベクトルの重み係数は、大きい方の前記主値に対応する主軸方向の前記第二の基本ベクトルの係数について重み係数を1として各係数の重み係数が正規化されていてもよい。
尚、母集団データ群の分布の主値の比以外に分布の評価指標を導入する場合には、必ずしも大きい方の重み係数を1として各重み係数を正規化する必要はない。たとえば、母集団データ群に基づいてその母集団データ群の分布がその一部に近似している円周として導出される円の半径に対する、大きい方の主値に対応する主軸方向(すなわち主方向)についての磁気データ間の最大距離の比に応じて最大の重み係数を1未満にすることもできる。
(5)上記目的を達成するための磁気データ処理装置において、前記オフセット導出手段は、前記制約条件の下で下記の目的関数f(c)を最小にするcを導出してもよい。
Figure 2007327934
本明細書において、ベクトルは全て列ベクトルとし、行ベクトルは列ベクトルの転置行列として表現される。また、転置行列は行列の右肩にTの記号が付される。
この装置によると、制約条件付きの分布の最適化問題として新オフセットを導出するため、例えば、実施形態として後述するような単純な連立一次方程式を解くことにより、新オフセットを導出することができる。つまり、この装置によると、母集団データ群の分布にかかわらず、その母集団データ群から導出できるもっとも確からしい新オフセットを簡素な処理で導出することができる。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。また、本発明は装置の発明として特定できるだけでなく、プログラムの発明としても、そのプログラムを記録した記録媒体の発明としても、方法の発明としても特定することができる。また、請求項に記載された方法の各動作の順序は、技術上の阻害要因がない限り、記載順に限定されるものではなく、どのような順番で実行されてもよく、また同時に実行されてもよい。
以下、本発明の実施の形態を以下の順に説明する。
A.第一の実施形態
[1.全体説明]
1−1.ハードウェア構成
1−2.ソフトウェア構成
[2.処理の流れ]
2−1.全体の流れ
2−2.バッファ更新
2−3.分布の評価
2−4.最適化問題による新オフセットの導出
2−5.分布が二次元的である場合の新オフセットの導出
2−6.分布がやや直線的である場合の新オフセットの導出
2−7.まとめ
B.第二の実施形態
・概要
・分布の評価
・新オフセットの導出
C.他の実施形態
[1.全体説明]
1−1.ハードウェア構成
図2は、本発明が適用される移動体の一例である自動車2の外観を示す模式図である。自動車2には2次元磁気センサ4が搭載されている。2次元磁気センサ4は互いに直交するx、yの2方向について磁界の強さを検出することによって磁界の方向及び強さを検出する。2次元磁気センサ4は、自動車2に搭載されるナビゲーションシステムの一部を構成し、自動車2の進行方位を特定するために用いられる。
図3は、2次元磁気センサ4と磁気データ処理装置1とを備える磁気測定装置を示すブロック図である。2次元磁気センサ4は、地磁気による磁界ベクトルのx方向成分、y方向成分をそれぞれ検出するx軸センサ30とy軸センサ32とを備えている。x軸センサ30、y軸センサ32は、いずれも磁気抵抗素子、ホール素子等で構成され、指向性のある1次元磁気センサであればどのようなものであってもよい。x軸センサ30およびy軸センサ32は、それぞれの感度方向が互いに直交するように固定されている。x軸センサ30およびy軸センサ32の出力は、時分割して磁気センサI/F(Inter face)22に入力される。磁気センサI/F22では、x軸センサ30およびy軸センサ32からの入力が増幅された後にAD変換される。磁気センサI/F22から出力されるディジタルの磁気データは、バス5を介して磁気データ処理装置1に入力される。
磁気データ処理装置1は、CPU40とROM42とRAM44とを備えている所謂コンピュータである。CPU40は、例えばナビゲーションシステムの全体制御を司るプロセッサである。ROM42は、CPU40によって実行される磁気データ処理プログラムや、ナビゲーションシステムの機能を実現するための種々のプログラムが格納されている、不揮発性の記憶媒体である。RAM44はCPU40の処理対象となるデータを一時的に保持する揮発性の記憶媒体である。尚、磁気データ処理装置1と2次元磁気センサ4とを1チップの磁気測定装置として構成することもできる。
1−2.ソフトウェア構成
図4は、磁気データ処理プログラム90の構成を示すブロック図である。磁気データ処理プログラム90は、ロケータ98に方位データを提供するためのプログラムであって、ROM42に格納されている。方位データは地磁気の方向を示す2次元ベクトルデータである。磁気データ処理プログラム90は、バッファ管理モジュール92、オフセット導出モジュール94、方位導出モジュール96等のモジュール群で構成されている。
バッファ管理モジュール92は、磁気センサ4から順次出力される磁気データを入力し、入力した磁気データをオフセット更新に用いるためにバッファに蓄積するプログラム部品であって、CPU40、RAM44及びROM42を入力手段及び蓄積手段として機能させる。尚、このバッファはハードウェアで構成されてもよいし、ソフトウェアで構成されてもよい。このバッファに蓄積される磁気データ群を母集団データ群というものとする。
オフセット導出モジュール94は、バッファ管理モジュール92によって保持されている母集団データ群と、自らが保持している旧オフセットとに基づいて新オフセットを導出し、旧オフセットを新オフセットに更新するプログラム部品であって、CPU40、RAM44及びROM42をオフセット導出手段として機能させる。尚、旧オフセットが新オフセットに更新された時点でその新オフセットは旧オフセットになるため、誤解のない文脈では旧オフセットのことを単にオフセットというものとする。実際には、方位データの補正に用いられるオフセットは1つの変数に設定され、新オフセットはその変数とは別の変数として導出され、導出された時点で方位データの補正に用いられる変数に設定されるので、方位データの補正に用いられる変数は旧オフセットが格納される変数である。
方位導出モジュール96は、磁気センサ4から順次出力される磁気データをオフセット導出モジュール94が保持しているオフセットによって補正して方位データを生成するプログラム部品である。具体的には、方位導出モジュール96は、2次元ベクトルデータである磁気データの各成分からオフセットの各成分を引き算して得られる2成分からなるデータを方位データとして出力する。
ロケータ98は自律航法により自動車2の現在地を特定する周知のプログラムである。具体的には、ロケータ98は方位データに基づいて自動車2の進行方位を特定し、進行方位と走行距離とに基づいて基点に対する自動車2の位置を特定する。尚、方位データは、単に東西南北を文字や矢印で画面表示するためにのみ用いられてもよいし、画面上に表示される地図のヘディングアップ処理に用いられてもよい。
[2.処理の流れ]
2−1.全体の流れ
図5は、新オフセットを導出する処理の流れを示すフローチャートである。図5に示す処理は、オフセットの更新要求が発生したときにCPU40がバッファ管理モジュールおよびオフセット導出モジュール94を実行することによって進行する。オフセットの更新要求は、一定の時間間隔で発生してもよいし、ドライバーの明示的な指示により発生してもよい。
2−2.バッファ更新
ステップS100では、新オフセットの導出に用いられる磁気データ群(母集団データ群)を蓄積するためのバッファに蓄積されている全ての磁気データが消去される。その結果、旧オフセットの導出に用いられた母集団データ群が消去される。
ステップS102では、新オフセットの導出に用いられる磁気データが入力されバッファへ格納される。自動車2の進行方位がほとんど変化していない状況において、短い時間間隔で順次磁気センサ4から磁気データを入力すると、連続入力される2つの磁気データ間の距離が近くなる。距離が互いに近い複数の磁気データが限られた容量のバッファに格納されることは、メモリ資源の浪費であるし、無駄なバッファの更新処理を発生させる。また、互いの距離が近い磁気データ群に基づいて新オフセットを導出すると、偏った分布を持つ母集団データ群に基づいて精度の低い新オフセットが導出される可能性がある。そこで、バッファの更新必要性が次のように判定されてもよい。例えば、直前にバッファに格納された磁気データと最後に入力された磁気データとの距離があるしきい値より小さければ、バッファの更新必要性がないと判定され、最後に入力された磁気データはバッファに格納されることなく破棄される。
ステップS104では、精度よく新オフセットを導出するために必要な規定個数の磁気データがバッファに蓄積されたかが判定される。すなわち、母集団データ群の要素数は予め決められている。予め決める母集団データ群の要素数を少なく設定することにより、オフセットの更新要求に対するレスポンスが向上する。規定個数の磁気データがバッファに蓄積されるまで、ステップS102とステップS104の処理が繰り返される。
2−3.分布の評価
規定個数の磁気データがバッファに蓄積されると、母集団データ群の分布が評価される(ステップS106)。分布は、分布の主値に基づいて評価される。磁気データ群を次式(1)で表すとき、
qi=(qix,qiy) (i=0,1,2・・・)・・・(1)
分布の主値は、母集団データ群の重心(平均)を始点とし各磁気データを終点とするベクトルの和を用いて式(2)、(3)、(4)で定義される対称行列Aの固有値である。
Figure 2007327934
行列Aは、式(5)とも書けるため、分散共分散行列のN倍に相当する。
Figure 2007327934
行列Aの固有値を大きい順にλ1、λ2とする。またλ1、λ2に対応し、大きさ1で正規化され互いに直交する固有ベクトルをu1、u2とする。本実施形態で扱う範囲では、Aは正則であるとし、λ1>0、λ2>0である。小さい方の固有値λ2が0になるとき、言い換えると行列Aの階数が1以下のときは、母集団データ群の要素数が1であるか、分布が完全な直線であるため、考慮する必要はない。また行列Aは、その定義から非負定値行列であるため、固有値は必ず0または正の実数となる。
母集団データ群の分布は、大きい方の固有値に対する小さい方の固有値の比であるλ2/λ1に基づいて評価される。
ステップS106では母集団データ群の分布が十分二次元的であるかが判定される。具体的には、次式(6)を満足する場合に肯定判定され、満足しない場合に否定判定される。
λ2/λ1>t・・・(6)
特定の円周上に母集団データ群が広く分布しているとき、式(6)が満たされる。
ステップS106で否定判定される場合、母集団データ群の分布はやや直線的である。特定の円周の中心角の狭い弧に母集団データ群が偏って分布しているとき、母集団データ群の分布がやや直線的になる。
2−4.最適化問題による新オフセットの導出
ここで新オフセットを導出するための最適化問題について説明する。
母集団データ群が同一直線上にない3つの磁気データで構成されている場合、母集団データ群が分布する円周は統計的手法を用いることなく一意に特定される。この円周の中心の位置ベクトルc=(cx、cy)は連立方程式(7)を解くことによって得られる。尚、2変数に対して等号制約が3つあるが、等号制約の1つは冗長になっているため方程式(7)は必ず解を持つ。
Figure 2007327934
母集団データ群の要素数が4個以上あるときについて、jを次式(9)で定義する。
Figure 2007327934
このとき、cについての連立一次方程式(10)が解を持てば、その解は、母集団データ群が分布する円周の中心である。
Xc=j・・・(10)
しかし、2次元磁気センサ4自体の測定誤差を考慮すると、現実には、方程式(10)が解を持つことはあり得ない。そこで、統計的な手法により尤もらしい解を得るために、次式(11)で定義されるベクトルeを導入する。
e=Xc−j・・・(11)
||e||2 2(すなわちeTe)を最小にするcが、母集団データ群が最も近くに分布する円周の中心として尤もらしいといえる。||e||2 2を最小にするcを求める問題は、行列Aが正則のときには次式(12)の目的関数を最小にする最適化問題となる。
Figure 2007327934
2−5.分布が二次元的である場合の新オフセットの導出
図6に示すように母集団データ群の分布が十分二次元的である場合、全体として母集団データ群を十分信頼できるため、式(12)の目的関数f(c)を最小にするcを制約条件なしで求めることにより、新オフセットが導出される(ステップS108)。制約条件なしで目的関数f(c)を最小にするcは、本実施形態で想定している(XX)が正則のときは式(13)のように書くことができる。
Figure 2007327934
式(13)を満たすcを導出すると、旧オフセットを用いることなく、旧オフセットを2方向に補正することによって得られる新オフセットが母集団データ群に基づいて導出される。
母集団データ群が十分二次元的である場合には、新オフセットを導出するために旧オフセットを用いる必要がない。旧オフセットを用いることなく母集団データ群に基づいて新オフセットを導出するアルゴリズムは、種々提案されており、本実施形態のように統計的手法を用いるアルゴリズムであってもよいし、統計的手法を用いないアルゴリズムであってもよい。
2−6.分布がやや直線的である場合の新オフセットの導出
図7に示すように母集団データ群が中心角の狭い円弧近傍に分布しているためにその分布がやや直線的である場合、旧オフセットに対する補正方向を分布の主方向に制限して新オフセットが導出される(ステップS110)。母集団データ群がある特定の直線近傍に分布している場合、その直線の方向については母集団データ群を十分信頼でき、それ以外の方向については母集団データ群を信頼できないことになる。このような場合には、その直線の方向以外の方向については旧オフセットを補正しないことにより、信頼に値しない情報に基づいてオフセットが更新されることを防止できる。
母集団データ群がある特定の直線近傍に分布している場合、その直線の方向は、大きい方の固有値λ1に対応する固有ベクトルu1の方向(主方向)に一致し、小さい方の固有値λ2に対応する固有ベクトルu2の方向はその直線に垂直な方向である。したがって、その直線の方向についてのみ旧オフセットを補正して新オフセットを導出するために、次式(14)の制約条件のもとで式(12)の目的関数が最小になる新オフセットcを求める。
Figure 2007327934
式(14)の制約条件のもとで式(12)の最適化問題を解く式は、ラグランジュの未定定数法によって等価な連立方程式に変形できる。未定定数ρを導入し、
Figure 2007327934
とすると、xの連立一次方程式(16)がその方程式となる。
Figure 2007327934
以上説明したことから理解されるように、母集団データ群の分布がやや直線的である場合、ステップS110において新オフセットを導出する処理は、連立一次方程式(16)を解くことである。尚、行列B3の階数は必ず3になるため、解xは必ず一意に特定される。
2−7.まとめ
ここで図6、7に基づいて、ステップS108、S110の処理を空間的な概念を用いて説明する。母集団データ群を完全に信頼できるものとすれば、旧オフセットc0に対する、母集団データ群のみから導出される円周の中心の位置ベクトルg(仮の位置ベクトル)と、旧オフセットc0との和として新オフセットcを考えることにより、新オフセットcは次式(19)によって定義される。
c=c0+g・・・(19)
新オフセットの位置ベクトルcは、分布の固有ベクトルu1、u2と同じ方向の基本ベクトルの一次結合である補正ベクトルfと、旧オフセットcとの和として考えられる。このため、母集団データ群の重心の位置ベクトルgの係数gα、gβを、対応する主軸方向についての母集団データ群の信頼度に応じて重み付けすることにより、母集団データ群の重心の位置ベクトルgを各成分の信頼度に応じて補正したベクトルに相当する補正ベクトルfを得ることができる。
図6に示すように母集団データ群の分布が十分二次元的である場合に実行されるステップS108では、前述したとおり、制約条件なしで式(12)の目的関数を最小にするcが求められる。しかし、この処理は、仮の位置ベクトルgの分布の2つの主軸方向の成分gαおよびgβをともに重み係数を1として求まる補正ベクトルf(位置ベクトルgと一致するため図示略)と旧オフセットcの和として新オフセットを求めることを制約条件としているともいえる。
図7に示すように母集団データ群の分布がやや直線的である場合に実行されるステップS110では、旧オフセットc0と母集団データ群とに基づいて新オフセットを導出するにあたり次の制約条件を付している。その制約条件は、分布の大きい方の主値、すなわち固有値λ1に対応する分布の主軸方向(主方向)の成分gαについて仮の位置ベクトルgの重み係数を1とし、分布の小さい方の主値、すなわち固有値λ2に対応する主軸方向の成分gβについて、位置ベクトルgの重み係数を0として求まる補正ベクトルfと旧オフセットc0の和として新オフセットcを求めることである。
このように本実施形態のアルゴリズムの要点は、母集団データ群の分布の主値の比があらかじめ決められた閾値tより大きい場合には、仮の位置ベクトルgの2成分の重み係数をともに1とし、母集団データ群の分布の主値の比があらかじめ決められた閾値t以下である場合には、分布の主方向の仮の位置ベクトルgの成分の重み係数を1とし、分布が小さい方向の主軸方向の仮の位置ベクトルgの成分の重み係数を0とする制約条件の下で式(12)の目的関数を最小にするcを求めることにある。
B.第二の実施形態
・概要
第一の実施形態では、母集団データ群の分布を離散的に評価し、分布が十分二次元的である場合と、分布がやや直線的である場合とで異なる手法を用いて新オフセットcを導出した。第二の実施形態では、第一の実施形態のように分布の評価に応じて異なる処理を実行する必要がなく、また母集団データ群を効率よく用いてより確からしい新オフセットを導出できる、簡素かつ高精度なアルゴリズムが説明される。
図8は、新オフセットを導出する処理の流れを示すフローチャートである。図8に示す処理は、第一実施形態と同様に、オフセットの更新要求が発生したときにCPU40がオフセット導出モジュール94を実行することによって進行する。尚、ステップS200の処理は第一実施形態において説明したステップS100の処理と同一である。ステップS202の処理は第一実施形態において説明したステップS102の処理と同一である。ステップS204の処理は第一実施形態において説明したステップS104の処理と同一である。
・分布の評価
ステップS206では、母集団データ群の分布指標が導出される。具体的にはたとえば、次式(20)によって定義するm2を分布指標として導出することにより、母集団データ群の分布が連続的な値として評価される。
Figure 2007327934
2は予め決められている正の定数である。k2の値によって主値とそれに対応する母集団データ群の主軸方向の信頼度の対応関係が定まる。ここで、m2は必ず次式(21)を満たす。
0≦m2<1・・・(21)
図1に基づいてm2の空間的な概念を説明する。対応する主値が大きい分布の主軸方向成分の順に仮の位置ベクトルgの係数をgα、gβとし、対応する主値が大きい主軸方向成分の順に補正ベクトルfの係数をfα、fβとするとき、本実施形態において仮の位置ベクトルgと補正ベクトルfとm2との関係は次式(22)、(23)の通りである。
Figure 2007327934
尚、最大の主値に対応する主軸方向の成分に係る重み係数fα/gαを1未満に設定してもよい。また、各重み係数が主値の比に連続的に対応するように定めるmは、以下の条件を満たせばどのような定義でもよく、式(20)の定義に限られるものではない。
・値域が[0,1]となるか、もしくはその部分集合となること。
・λ/λ=1のときm≠1であること。
・λ=0も許す場合、λ/λ=0のときm=1であること。
・λ/λの増加に対して広義の単調減少をすること。
具体的にはたとえば次式(24)でmを定義してもよい。
Figure 2007327934
式(24)で定義されるmを導出するための計算量は相当多いため、λ、λを入力とする二次元のルックアップテーブルに式(24)の計算結果を格納しておき、ルックアップテーブルを参照してmの近似値を導出してもよい。
また係数s、kは、それらの値によって重み付けの効果が変わるため、実施形態に応じて設定すればよい。図9および図10は係数s、kに応じて変わる重み付けの効果を表すグラフである。図9では、式(24)においてsを1に固定し、kを1/4、1、4に設定したときの重み付け係数mと固有値の比(λ/λ)の関係を示している。図10では、式(24)においてkを1/4に固定し、sを1/2、1、2に設定したときの重み付け係数mと固有値の比(λ/λ)の関係を示している。
携帯型電話機やPDA(Personal Digital Assistant)など、速い角速度で姿勢変化する移動体に磁気センサが搭載される場合、任意の一定時間に蓄積される磁気データ群の分布が平均すると比較的広くなることが期待できる。分布がさほど広くないときに信頼度の比較的低い磁気データ群である主値が小さい主軸方向の磁気データ群を重く評価してオフセットを補正するとかえってオフセットの精度が低下する。このため、磁気データ群の分布が比較的広くなる傾向が生ずる移動体に適用する場合には、分布が相当広いときにだけ主値が小さい主軸方向の磁気データ群を重く評価するようにs、kの値を設定することが望ましい。ここで、式(24)のmの値が小さくなることは主値が小さい分布の主軸方向の重み付けが大きくなることを意味する。したがって、速い角速度で姿勢変化する移動体に式(24)を適用する場合には、sを比較的大きくkを比較的小さく設定することが望ましい。
一方、自動車など、遅い角速度で姿勢変化する移動体に磁気センサが搭載される場合、任意の一定時間に蓄積される磁気データ群の分布が平均すると比較的狭くなることが想定される。このような場合には、信頼度が低い磁気データ群である主値が小さい主軸方向の磁気データ群を、分布がさほど広くないときにも重く評価せずにオフセットを補正するとオフセットの精度が上がらない。したがって、遅い角速度で姿勢変化する移動体に式(24)を適用する場合には、sを比較的小さくkを比較的大きく設定することが望ましい。
・新オフセットの導出
最適化問題の解を特定の制約条件の下で導出することが困難である場合、その制約条件を緩めて最適化問題を解くことに相当する緩和問題が導入されることがある。本実施形態では、このような緩和問題を応用することにより、母集団データ群の分布の主値の比に連続的に対応する重み係数によって前述した仮の位置ベクトルg(図1参照)の係数gα、gβを重み付けして得られる補正ベクトルfと、旧オフセットc0との和として新オフセットcを導出する処理が実現される。具体的には次の通りである。
途中計算に必要な変数として未定定数ρを導入し、c、ρを1つのベクトルにまとめ、次式(26)によりxを定義する。
Figure 2007327934
また、行列Bを式(27)、ベクトルbを式(28)によって定義する。
Figure 2007327934
ステップS208において新オフセットを導出する処理は、次の連立方程式(29)の解を求める処理となる。尚、行列Bは必ず正則であるので、xは一意に特定される。
Bx=b・・・(29)
連立方程式(29)の解を求めることは、母集団データ群の分布の主値の比に連続的に対応している重み係数fα/gα、fβ/gβによって、各主値に対応する分布の主軸方向の位置ベクトルgの係数を重み付けした値を各成分とする補正ベクトルfと旧オフセットc0との和として新オフセットを求めることを制約条件として、式(12)の目的関数を最小にする最適化問題を解くことと等価である。
このように、第二実施形態では、新オフセットを導出する処理を母集団データ群の分布に応じて分岐させる必要がないため、オフセット導出モジュール94の開発や改良が容易であり、オフセット導出モジュール94のデータサイズが小さくなる。また、第二実施形態では、母集団データ群の分布の主値が0でない限り、分布の主軸方向に旧オフセットを主値の比に連続的に対応する距離だけ補正することができるため、オフセット導出モジュール94による母集団データ群の利用効率が高く、方位導出モジュールにおいて最も確からしいオフセットを用いて磁気データを補正できる。
C.他の実施形態
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。例えば、本発明がPDA、携帯型電話機、自動二輪車、船舶などに搭載される磁気センサにも適用できることは当然である。
本発明の実施形態に係る模式図。 本発明の実施形態に係る模式図。 本発明の実施形態に係るブロック図。 本発明の実施形態に係るブロック図。 本発明の第一実施形態に係るフローチャート。 本発明の第一実施形態に係る模式図。 本発明の第一実施形態に係る模式図。 本発明の第二実施形態に係るフローチャート。 本発明の第二実施形態に係るグラフ。 本発明の第二実施形態に係るグラフ。
符号の説明
1:磁気データ処理装置、2:自動車(移動体)、4:2次元磁気センサ、90:磁気データ処理プログラム、92:バッファ管理モジュール(入力手段、蓄積手段)、94:オフセット導出モジュール(オフセット導出手段)、c0:旧オフセット、c:新オフセット、g:仮の位置ベクトル、f:補正ベクトル

Claims (8)

  1. 第一の基本ベクトル群の一次結合である2次元ベクトルデータであって2次元磁気センサから出力される磁気データを順次入力する入力手段と、
    前記磁気データの旧オフセットを新オフセットに更新するために複数の前記磁気データを母集団データ群として蓄える蓄積手段と、
    前記旧オフセットを用いずに前記母集団データ群から導出される仮オフセットの前記旧オフセットに対する位置ベクトルであって前記母集団データ群の分布の主軸方向の第二の基本ベクトル群の一次結合である仮の位置ベクトルの各係数を前記母集団データ群の分布の主値の比に応じて重み付けした値を係数とする前記第二の基本ベクトル群の一次結合を補正ベクトルとするとき、前記旧オフセットと前記補正ベクトルの和となる前記新オフセットを求めることを制約条件として、前記旧オフセットと前記母集団データ群とに基づいて前記新オフセットを導出するオフセット導出手段と、
    を備える磁気データ処理装置。
  2. 前記制約条件は、
    大きい方の前記主値に対する小さい方の前記主値の比があらかじめ決められた閾値以下である場合、小さい方の前記主値に対する主軸方向の前記第二の基本ベクトルの係数について前記仮の位置ベクトルの重み係数が0となる条件である、
    請求項1に記載の磁気データ処理装置。
  3. 前記制約条件は、前記母集団データ群の分布の主値の比に連続的に対応する重み係数によって前記仮の位置ベクトルの係数を重み付けした値が前記補正ベクトルの係数となる条件である、
    請求項1に記載の磁気データ処理装置。
  4. 前記仮の位置ベクトルの重み係数は、大きい方の前記主値に対応する主軸方向の前記第二の基本ベクトルの係数について重み係数を1として各係数の重み係数が正規化されている、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気データ処理装置。
  5. 前記オフセット導出手段は、前記制約条件の下で下記の目的関数f(c)を最小にするcを導出する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の磁気データ処理装置。
    Figure 2007327934
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の磁気データ処理装置と、
    前記2次元磁気センサと、
    を備える磁気測定装置。
  7. 第一の基本ベクトル群の一次結合である2次元ベクトルデータであって2次元磁気センサから出力される磁気データを順次入力し、
    前記磁気データの旧オフセットを新オフセットに更新するために複数の前記磁気データを母集団データ群として蓄え、
    前記旧オフセットを用いずに前記母集団データ群から導出される仮オフセットの前記旧オフセットに対する位置ベクトルであって前記母集団データ群の分布の主軸方向の第二の基本ベクトル群の一次結合である仮の位置ベクトルの各係数を前記母集団データ群の分布の主値の比に応じて重み付けした値を係数とする前記第二の基本ベクトル群の一次結合を補正ベクトルとするとき、前記旧オフセットと前記補正ベクトルの和となる前記新オフセットを求めることを制約条件として、前記旧オフセットと前記母集団データ群とに基づいて前記新オフセットを導出する、
    ことを含む磁気データ処理方法。
  8. 第一の基本ベクトル群の一次結合である2次元ベクトルデータであって2次元磁気センサから出力される磁気データを順次入力する入力手段と、
    前記磁気データの旧オフセットを新オフセットに更新するために複数の前記磁気データを母集団データ群として蓄える蓄積手段と、
    前記旧オフセットを用いずに前記母集団データ群から導出される仮オフセットの前記旧オフセットに対する位置ベクトルであって前記母集団データ群の分布の主軸方向の第二の基本ベクトル群の一次結合である仮の位置ベクトルの各係数を前記母集団データ群の分布の主値の比に応じて重み付けした値を係数とする前記第二の基本ベクトル群の一次結合を補正ベクトルとするとき、前記旧オフセットと前記補正ベクトルの和となる前記新オフセットを求めることを制約条件として、前記旧オフセットと前記母集団データ群とに基づいて前記新オフセットを導出するオフセット導出手段と、
    してコンピュータを機能させる磁気データ処理プログラム。
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