JP5375791B2 - 磁気データ処理装置、方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は磁気データ処理装置、方法及びプログラムに関し、特に3次元磁気センサのオフセットを補正する技術に関する。
従来、携帯型電話機、車両等の移動体に搭載され、地磁気の方向を検出する3次元磁気センサが知られている。一般に3次元磁気センサは、磁界のベクトルを互いに直交する3方向の成分に分解してスカラー量を検出するための3つの磁気センサモジュールを備えている。3次元磁気センサの出力である磁気データは、そのような3つの磁気センサモジュールのそれぞれの出力の組み合わせからなり、互いに直交する単位ベクトルの一次結合である3次元ベクトルデータである。磁気データの方向と大きさが、3次元磁気センサが検出している磁界の方向と大きさである。3次元磁気センサの出力に基づいて地磁気の方向又は大きさを特定するとき、移動体の着磁や磁気センサ自体の温度特性による測定誤差を打ち消すために3次元磁気センサの出力を補正する処理が必要である。この補正処理の操作値はオフセットと呼ばれている。オフセットは3次元磁気センサが検出している移動体の着磁による磁界を表すベクトルデータであって、3次元磁気センサの出力である磁気データからオフセットが引き算されることによって測定誤差が打ち消される。磁気データ群が分布する球面の中心を求めることによってオフセットを算出することができる。
ところで、磁気データの分布は現実には完全な球面にならない。なぜならば、3次元磁気センサの出力自体がガウス分布に従う測定誤差を有しているし、現実には完全に一様な磁界は存在しないためオフセットを算出するために必要な磁気データが蓄積される期間中に3次元磁気センサが測定している磁界が変動するし、3次元磁気センサの出力をディジタル値で取り出すまでの計算誤差があるからである。
従来の磁気センサのオフセット導出方法は、多数の磁気データを蓄積し、それらの統計処理によってオフセットを導出するものであったため、ユーザが移動体の姿勢を意識的に変化させない限り、オフセットを精度よく更新するために必要な磁気データ群が蓄積されず、オフセットを更新する必要が生じてから更新されるまでに要する時間が長くなっている。また、車両に搭載されている磁気センサの姿勢が3次元で大きく変化することはまれであるため、通常は平面的に分布する磁気データばかりが蓄積される。したがって、車両に搭載されている磁気センサのオフセットを精度よく更新するために、球面状に満遍なく分布する磁気データ群が蓄積されるのを待つことは望ましくない。
特許文献1には、磁気データ群の分布が平面的であっても、オフセットを補正できるアルゴリズムが開示されている。しかし、特許文献1に記載されたアルゴリズムに従うプログラムは複雑になるため、実装が容易ではない。
国際公開第2005/061990号公報
本発明は、磁気データ群の分布に関わらず、蓄積された磁気データ群からオフセットを簡素な処理で補正できる磁気データ処理装置、方法及びプログラム、並びに磁気測定装置を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するための磁気データ処理装置は、第一の基本ベクトル群の一次結合である3次元ベクトルデータであって3次元磁気センサから順次出力される磁気データを入力する入力手段と、前記磁気データの旧オフセットを新オフセットに更新するために複数の前記磁気データを母集団データ群として蓄える蓄積手段と、前記旧オフセットを用いずに前記母集団データ群から導出される仮オフセットの前記旧オフセットに対する位置ベクトルであって前記母集団データ群の分布の主軸方向の第二の基本ベクトル群の一次結合である位置ベクトルの各係数を前記母集団データ群の分布の主値の比に応じて重み付けした値を係数とする前記第二の基本ベクトル群の一次結合を補正ベクトルとするとき、前記旧オフセットと前記補正ベクトルの和となる前記新オフセットを求めることを制約条件として、前記旧オフセットと前記母集団データ群とに基づいて前記新オフセットを導出するオフセット導出手段と、を備える。
この装置で採用しているアルゴリズムを図1を参照しながら詳細に説明する。このアルゴリズムの要点は、分散が大きな主軸方向に分布している磁気データ群ほど、オフセットを更新するために用いる母集団要素として重く評価され、分散が小さな主軸方向に分布している磁気データ群ほど母集団要素として軽く評価されることにある。具体的には次のとおりである。旧オフセットc0、新オフセットc及び仮オフセット(原点0に対するgの終点の位置)は、磁気データの基本ベクトル群の一次結合である3次元の位置ベクトルデータである。すなわち、これらはxyzという座標系で表されるベクトルデータである。新オフセットcは、旧オフセットc0を新オフセットcに更新するために蓄えられた磁気データ群と旧オフセットc0とに基づいて導出される。
新オフセットcに更新するために蓄えられた磁気データ群である母集団データ群は予め決められた期間内に蓄積された磁気データ群で構成されてもよいし、予め決められた個数の磁気データ群で構成されてもよいし、あるタイミング(例えばオフセットの更新要求が発生したタイミング)で蓄積されている任意の個数の磁気データ群で構成されてもよい。
旧オフセットc0は、新オフセットcと同様の方法で導出されるものでもよいし、予め決められているものでもよい。
仮オフセットは、旧オフセットc0を用いずに母集団データ群から導出されると定義するが、この定義は新オフセットcを導出する制約条件を定義するための定義であって、実際に導出されなければならないデータではない。仮オフセットは、旧オフセットc0を用いずに母集団データ群から導出されるものであるから、実際に仮オフセットが導出されるとすれば、母集団データ群が近傍に分布する球面の中心の位置ベクトルとなる。しかし、母集団データ群がそれから導出される球面の一部に片寄って分布している場合には、母集団データ群がそれぞれ含んでいる誤差がその球面の導出結果に強く影響するため、真のオフセットから遠い仮オフセットが導出される可能性が高い。例えば、図1に示すように、互いに直交する固有ベクトルがu1,u2,u3となるドーナツ状に母集団データ群が分布し、最小の主値に対応する固有ベクトルu3の方向について母集団データ群の分散が最小となる場合について考える。この場合、分布の固有ベクトルu3の方向については母集団データ群の分散が小さいため、固有ベクトルu3の方向については、そのような母集団データ群から導出される仮オフセットと真のオフセットの位置とが遠くなる可能性が高い。一方この場合、分布の固有ベクトルu1の方向については母集団データ群の分散が大きいため、固有ベクトルu1の方向については、そのような母集団データ群から導出される仮オフセットと真のオフセットの位置とが近くなる可能性が高い。
分布の主軸方向の分散は分布の主値λ1、λ2、λ3を指標として表すことができるため、この装置では、分布の主値λ1、λ2、λ3の比に応じて各主値に対応する方向に分布する母集団要素を評価する。具体的には、まず分布の主軸方向と一致する座標軸α、β、γを持つ座標系において、旧オフセットc0に対する新オフセットcの位置ベクトルである補正ベクトルfと旧オフセットc0に対する仮オフセットの位置ベクトルgを定義することができる。すなわち、補正ベクトルfと位置ベクトルgとは分布の主軸方向の基本ベクトルの一次結合として定義することができる。これは主軸変換に相当する。そして、旧オフセットc0に対する仮オフセットの位置ベクトルgの各成分gα、gβ、gγを分布の対応する主値u1,u2,u3の大きさに応じて重み付けして補正ベクトルfの各成分fα、fβ、fγを導出すると、分散が大きい方向について母集団要素の信頼性を高め、分散が小さい方向について母集団要素の信頼性を低くして補正ベクトルfを導出することができる。ただし、このような補正ベクトルf及び位置ベクトルgの定義も、新オフセットcを導出する制約条件を定義するための定義であって、実際に導出する必要があるデータではない。
結局、このように定義される補正ベクトルfと旧オフセットc0との和として新オフセットcを求めることを制約条件として新オフセットcを導出することにより、分散が大きな主軸方向に分布している磁気データ群ほど、オフセットを更新するために用いる母集団要素として重く評価し、分散が小さな主軸方向に分布している磁気データ群ほど母集団要素として軽く評価しながら、新オフセットを導出することができる。このように新オフセットを導出するための手法としては、例えば分布を最適化問題に定式化する手法がある。制約条件付の分布の最適化問題として新オフセットを導出する場合、実施形態として後述するような単純な連立一次方程式を解くことにより、新オフセットを導出することができる。つまり、この装置によると、母集団データ群の分布に関わらず、その母集団データ群から導出できる最も確からしい新オフセットを簡素な処理で導出することが可能である。
(2)上記目的を達成するための磁気センサのオフセット導出装置において、前記制約条件は、最大の前記主値に対する中間の前記主値の比が第一のしきい値より大きく、最大の前記主値に対する最小の前記主値の比が第二のしきい値以下である場合、最小の前記主値に対応する主軸方向の前記第二の基本ベクトルの係数について前記位置ベクトルの重み係数が0であり、最大の前記主値に対する中間の前記主値の比が前記第一のしきい値以下であって、最大の前記主値に対する最小の前記主値の比が前記第二のしきい値以下である場合、前記最小の主値に対応する主軸方向の前記第二の基本ベクトルの係数と前記中間の主値に対応する主軸方向の前記第二の基本ベクトルの係数について前記位置ベクトルの重み係数がともに0であってもよい。
この装置では、母集団データ群の分布が離散的に評価され、離散的に評価された結果に応じて旧オフセットc0に対する仮オフセットの位置ベクトルgの各係数が離散的に重み付けされる。すなわち、分散が最小値になる方向については位置ベクトルgの係数の重みが0となる。また、分散が中間値になる方向についてもその分散が小さいときには、その方向についても位置ベクトルgの係数の重みが0となる。つまり、この装置では、分散が相対的にあるしきい値よりも小さい方向については磁気データが全く評価されない。
(3)上記目的を達成するための磁気データ処理装置において、前記制約条件は、前記母集団データ群の分布の主値の比に連続的に対応する重み係数によって前記位置ベクトルの係数を重み付けした値が前記補正ベクトルの係数であってもよい。
この装置によると、分散に対する連続的な対応関係が重み係数にあるため、母集団データ群の実質的利用率を向上させることができる。またこの装置によると、母集団データ群の分布に応じて処理を変更せずに新オフセットを導出可能であるため、オフセットの更新処理が簡素にすることができる。
(4)上記目的を達成するための磁気センサのオフセット導出装置において、前記位置ベクトルの重み係数は、最大の前記主値に対応する主軸方向の前記第二の基本ベクトルの係数について重み係数を1として各係数の重み係数が正規化されていてもよい。
尚、母集団磁気データ群の分布の主値の比以外に分布の評価指標を導入する場合には、最大の重み係数を1として各重み係数を正規化する必要はない。例えば、母集団磁気データ群に基づいてその母集団磁気データ群の分布がその一部に近似している球面として導出される球面の半径に対する、最大の主値に対応する主軸方向(すなわち主方向)についての磁気データ間の最大距離の比に応じて最大の重み係数を1未満にすることもできる。
(5)上記目的を達成するための磁気データ処理装置において、前記オフセット導出手段は、前記制約条件の下で下記の目的関数f(c)を最小にする新オフセットcを導出してもよい。
Figure 0005375791
この装置によると、制約条件付の分布の最適化問題として新オフセットを導出するため、実施形態として後述するような単純な連立一次方程式を解くことにより、新オフセットを導出することができる。つまり、この装置によると、母集団データ群の分布に関わらず、その母集団データ群から導出できる最も確からしい新オフセットを簡素な処理で導出することができる。
(6)上記目的を達成するための磁気測定装置は、上記(1)〜(5)で述べた磁気データ処理装置と、前記3次元磁気センサとを備える。
この装置によると、母集団データ群の分布に関わらず、その母集団データ群から導出できる最も確からしい新オフセットを簡素な処理で導出することが可能である。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。また、本発明は装置の発明として特定できるだけでなく、プログラムの発明としても、そのプログラムを記録した記録媒体の発明としても、方法の発明としても特定することができる。また、請求項に記載された方法の各動作の順序は、技術上の阻害要因がない限り、記載順に限定されるものではなく、どのような順番で実行されてもよく、また同時に実行されてもよい。
本発明の実施形態に係る模式図。 本発明の実施形態に係る模式図。 本発明の実施形態に係るブロック図。 本発明の実施形態に係るブロック図。 本発明の第一実施形態に係るフローチャート。 本発明の第一実施形態に係る模式図。 本発明の第一実施形態に係る模式図。 本発明の第二実施形態に係るフローチャート。
以下、本発明の実施の形態を以下の順に説明する。
A.第一の実施形態
[1.全体説明]
1−1.ハードウェア構成
1−2.ソフトウェア構成
[2.処理の流れ]
2−1.全体の流れ
2−2.バッファ更新
2−3.分布の評価
2−4.最適化問題による新オフセットの導出
2−5.分布が平面的である場合の制約条件
2−6.分布がやや直線的である場合の制約条件
2−7.分布が立体的である場合の新オフセットの導出
2−8.まとめ
B.第二の実施形態
・概要
・分布の評価
・新オフセットの導出
C.他の実施形態
[1.全体説明]
1−1.ハードウェア構成
図2は、本発明が適用される移動体の一例である携帯型電話機3の外観を示す模式図である。携帯型電話機3には3次元磁気センサ4が搭載されている。3次元磁気センサは互いに直交するx、y、zの3方向について磁界の強さを検出することによって磁界の方向及び強さを検出する。携帯型電話機3のディスプレイ2には、文字や画像の各種情報が表示される。例えば、ディスプレイ2には、地図と、方位を示す矢印や文字が表示される。
図3は、3次元磁気センサ4と磁気データ処理装置1とを備える磁気測定装置を示すブロック図である。3次元磁気センサ4は、地磁気による磁界ベクトルのx方向成分、y方向成分、z方向成分をそれぞれ検出するx軸センサ30とy軸センサ32とz軸センサ34とを備えている。x軸センサ30、y軸センサ32、z軸センサ34は、いずれも磁気抵抗素子、ホール素子等で構成され、指向性のある1次元磁気センサであればどのようなものであってもよい。x軸センサ30、y軸センサ32及びz軸センサ34は、それぞれの感度方向が互いに直交するように固定されている。x軸センサ30、y軸センサ32及びz軸センサ34の出力は、時分割して磁気センサI/F(Inter Face)22に入力される。磁気センサI/F22では、x軸センサ30、y軸センサ32及びz軸センサ34からの入力が増幅された後にAD変換される。磁気センサI/F22から出力されるディジタルの磁気データは、バス5を介して磁気データ処理装置1に入力される。
磁気データ処理装置1は、CPU40とROM42とRAM44とを備えている所謂コンピュータである。CPU40は、例えば携帯型電話機3の全体制御を司るプロセッサである。ROM42は、CPU40によって実行される磁気データ処理プログラムや、移動体の機能を実現するための種々のプログラム、例えばナビゲーションプログラムが格納されている、不揮発性の記憶媒体である。RAM44はCPU40の処理対象となるデータを一時的に保持する揮発性の記憶媒体である。尚、磁気データ処理装置1と3次元磁気センサ4とを1チップの磁気測定装置として構成することもできる。
1−2.ソフトウェア構成
図4は、磁気データ処理プログラム90の構成を示すブロック図である。磁気データ処理プログラム90は、ナビゲーションプログラム98に方位データを提供するためのプログラムであって、ROM42に格納されている。方位データは地磁気の方向を示す2次元ベクトルデータである。尚、方位データは例えば移動体の姿勢認識のための3次元ベクトルデータとして他のアプリケーションプログラムに提供されてもよい。磁気データ処理プログラム90は、バッファ管理モジュール92、オフセット導出モジュール94、方位導出モジュール96等のモジュール群で構成されている。
バッファ管理モジュール92は、磁気センサ4から順次出力される磁気データを入力し、入力した磁気データをオフセット更新に用いるためにバッファに蓄積するプログラム部品であって、CPU40、RAM44及びROM42を入力手段及び蓄積手段として機能させる。尚、このバッファはハードウェアで構成されてもよいし、ソフトウェアで構成されてもよい。このバッファに蓄積される磁気データ群を母集団データ群というものとする。
オフセット導出モジュール94は、バッファ管理モジュール92によって保持されている母集団データ群と、自らが保持している旧オフセットとに基づいて新オフセットを導出し、旧オフセットを新オフセットに更新するプログラム部品であって、CPU40、RAM44及びROM42をオフセット導出手段として機能させる。尚、旧オフセットが新オフセットに更新された時点でその新オフセットは旧オフセットになるため、誤解のない文脈では旧オフセットのことを単にオフセットというものとする。実際には、方位データの補正に用いられるオフセットは1つの変数に設定され、新オフセットはその変数とは別の変数として導出され、導出された時点で方位データの補正に用いられる変数に設定されるので、方位データの補正に用いられる変数は旧オフセットが格納される変数である。
方位導出モジュール96は、磁気センサ4から順次出力される磁気データをオフセット導出モジュール94が保持しているオフセットによって補正して方位データを生成するプログラム部品であって、CPU40、RAM44及びROM42を方位導出手段として機能させる。具体的には、方位導出モジュール96は、3次元ベクトルデータである磁気データの各成分からオフセットの各成分を引き算して得られる3成分のうちの2成分又は3成分全部を方位データとして出力する。
ナビゲーションプログラム98は、目的地までの誘導経路を探索し、地図上に誘導経路を表示する周知のプログラムである。地図の認識のし易さから、地図は現実の方位に地図上の方位が一致するように画面表示される。したがって例えば、携帯型電話機3が回転すると、ディスプレイ2に表示される地図は地面に対して回転しないようにディスプレイ2に対して回転する。このような地図の表示処理に方位データが用いられる。もちろん、方位データは、単に東西南北を文字や矢印で表示するためにのみ用いられてもよい。
[2.処理の流れ]
2−1.全体の流れ
図5は、新オフセットを導出する処理の流れを示すフローチャートである。図5に示す処理は、オフセットの更新要求が発生したときにCPU40がオフセット導出モジュール94を実行することによって進行する。
2−2.バッファ更新
ステップS100では、新オフセットの導出に用いられる磁気データ群(母集団データ群)を蓄積するためのバッファに蓄積されている全ての磁気データが消去される。すなわちこのとき、旧オフセットの導出に用いられた母集団データ群が消去される。
ステップS102では、新オフセットの導出に用いられる磁気データが入力されバッファへ格納される。携帯型電話機3の姿勢がほとんど変化していない状況において、短い時間間隔で順次磁気センサ4から磁気データを入力すると、連続入力される2つの磁気データ間の距離が近くなる。距離が互いに近い複数の磁気データが限られた容量のバッファに格納されることは、メモリ資源の浪費であるし、無駄なバッファの更新処理を発生させる。また、互いの距離が近い磁気データ群に基づいて新オフセットを導出すると、偏った分布を持つ母集団データ群に基づいて精度の低い新オフセットが導出される可能性がある。そこで、バッファの更新必要性が次のように判定されてもよい。例えば、直前にバッファに格納された磁気データと最後に入力された磁気データとの距離があるしきい値より小さければ、バッファの更新必要性がないと判定され、最後に入力された磁気データはバッファに格納されることなく破棄される。
ステップS104では、精度よく新オフセットを導出するために必要な規定個数の磁気データがバッファに蓄積されたかが判定される。すなわち、母集団データ群の要素数は予め決められている。予め決める母集団データ群の要素数を少なく設定することにより、オフセットの更新要求に対するレスポンスが向上する。規定個数の磁気データがバッファに蓄積されるまで、ステップS102とステップS104の処理が繰り返される。
2−3.分布の評価
規定個数の磁気データがバッファに蓄積されると、母集団データ群の分布が評価される(ステップS106、ステップS108)。分布は、分布の主値に基づいて評価される。
磁気データ群を次式(1)で表すとき、
Figure 0005375791
分布の主値は、母集団データ群の重心(平均)を始点とし各磁気データを終点とするベクトルの和を用いて式(2)、(3)、(4)で定義される対称行列Aの固有値である。
Figure 0005375791
ただし、
Figure 0005375791
行列Aは、式(5)とも書ける。
Figure 0005375791
行列Aの固有値を大きい順にλ1、λ2、λ3とする。またλ1、λ2、λ3に対応し、大きさ1で正規化され互いに直交する固有ベクトルをu1、u2、u3とする。本明細書で扱う範囲では、λ1>0、λ2>0、λ3≧0である。2つ以上の固有値が0になるとき、言い換えると行列Aの階数が1以下のときは、母集団データ群の要素数が1であるか、分布が完全な直線であるため、考慮する必要はない。また行列Aは、その定義から非負定値行列であるため、固有値は必ず0または正の実数となる。
母集団データ群の分布は、最大固有値に対する最小固有値の比であるλ3/λ1と、最大固有値に対する中間固有値の比であるλ2/λ1とに基づいて評価される。
ステップS106では母集団データ群の分布が十分立体的であるかが判定される。具体的には、次式(6)を満足する場合に肯定判定され、満足しない場合に否定判定される。
λ3/λ1>t1 かつ λ2/λ1>t2・・・(6)
1、t2は、予め決められている定数である。t1、t2の値をどのように設定するかは設計事項であり、オフセットの導出特性をどのように定めるかによって任意に設定することができる。式(6)が満たされる場合、母集団データ群の重心から等方的に母集団データ群が分布していることになる。母集団データ群の重心から等方的に母集団データ群が分布していることは、特定の球面近傍に満遍なく母集団データ群が分布していることを意味する。
ステップS108では母集団データ群の分布が十分平面的であるかが判定される。具体的には、次式(7)を満たす場合に肯定判定され、満足しない場合に否定判定される。
λ3/λ1≦t1 かつ λ2/λ1>t2・・・(7)
式(7)が満たされる場合、特定の平面近傍に限定した範囲内では、母集団データ群の重心から等方的に母集団データ群が分布していることになる。特定の平面近傍に限定した範囲内において、母集団データ群の重心から等方的に母集団データ群が分布していることは、特定の球面の断面円の円周近傍に偏って母集団データ群が分布していることを意味する。
ステップS108で否定判定される場合、母集団データ群の分布はやや直線的である。母集団データ群の分布がやや直線的であることは、特定の球面の断面円の短い弧に母集団データ群が偏って分布しているか、その断面円の直径の両端に母集団データ群が偏って分布していることを意味する。
2−4.最適化問題による新オフセットの導出
ここで新オフセットを導出するための最適化問題について説明する。
母集団データ群が同一平面上にない4つの磁気データで構成されている場合、母集団データ群が分布する球面は統計的手法を用いることなく一意に特定される。この球面の中心の位置ベクトルc=(cx、cy、cz)は連立方程式(8)を解くことによって得られる(ベクトルcは縦ベクトルである。カンマは改行を示している。)。尚、3変数に対して等号制約が4つあるが、等号制約の1つは冗長になっているため方程式(8)は必ず解を持つ。
Figure 0005375791
ただし、
Figure 0005375791



母集団データ群の要素数が5個以上あるときについて、jを次式(10)で定義する。
Figure 0005375791
このとき、cについての連立一次方程式(11)が解を持てば、その解は、母集団データ群が分布する球面の中心である。
Xc=j・・・(11)
しかし、3次元磁気センサ4自体の測定誤差を考慮すると、現実には、方程式(11)が解を持つことはあり得ない。そこで、統計的な手法により尤もらしい解を得るために、次式(12)で定義されるベクトルeを導入する。
e=Xc−j・・・(12)
||e||2 2(すなわちeTe)を最小にするcが、母集団データ群が最も近くに分布する球面の中心として尤もらしいといえる。||e||2 2を最小にするcを求める問題は、行列Aが正則のときには次式(13)の目的関数を最小にする最適化問題となる。
Figure 0005375791
2−5.分布が平面的である場合の制約条件
図6に示すように母集団データ群の分布が平面的である場合、旧オフセットに対する補正方向を互いに直交する2方向に制限して新オフセットが導出される(ステップS112)。母集団データ群がある特定の平面近傍に分布し、その平面の法線方向から見て離散的に分布している場合、その平面と平行な方向については母集団データ群を十分信頼できる一方でその平面の法線方向については母集団データ群を信頼できないことになる。このような場合には、その平面の法線方向については旧オフセットを補正しないことにより、信頼に値しない情報に基づいてオフセットが更新されることを防止できる。
母集団データ群がある特定の平面近傍に分布し、その平面の法線方向から見て離散的に分布している場合、その平面の法線方向は、最小固有値λ3に対応する固有ベクトルu3の方向に一致し、その平面に平行で互いに直交する方向は、最大固有値λ1、中間固有値λ2にそれぞれ対応するu1、u2の方向に一致する。したがって、その平面の法線方向について旧オフセットを補正せずに新オフセットを導出するため、次式(14)の制約条件のもとで式(13)の目的関数が最小になる新オフセットcを求める。
c=c0+β11+β22(β1、β2は実数)・・・(14)
式(14)は次式(15)と等価である。
Figure 0005375791
式(15)の制約条件のもとで式(13)の最適化問題を解く式は、ラグランジュの未定定数法によって等価な連立方程式に変形できる。未定定数ρを導入し、
Figure 0005375791
とすると、xの連立一次方程式(17)がその方程式となる。
Figure 0005375791
ただし
Figure 0005375791
以上説明したことから理解されるように、母集団データ群の分布が平面的である場合、ステップS112において新オフセットを導出する処理は、連立一次方程式(17)を解くことである。尚、行列B4の階数(rank)は必ず4になるため、解xは必ず一意に特定される。
2−6.分布がやや直線的である場合の制約条件
図7に示すように母集団データ群の分布がやや直線的である場合、旧オフセットに対する補正方向を分布の主方向に制限して新オフセットが導出される(ステップS110)。母集団データ群がある特定の直線近傍に分布し、その直線方向には離散的に分布している場合、その直線の方向については母集団データ群を十分信頼でき、それ以外の方向については母集団データ群を信頼できないことになる。このような場合には、その直線の方向以外の方向については旧オフセットを補正しないことにより、信頼に値しない情報に基づいてオフセットが更新されることを防止できる。
母集団データ群がある特定の直線近傍に分布し、その直線方向には離散的に分布している場合、その直線の方向は、最大固有値λ1に対応する固有ベクトルu1の方向に一致し、それ以外の方向のベクトルは中間固有値λ2、最小固有値λ3にそれぞれ対応する固有ベクトルu2、u3の一次結合となる。したがって、その直線の方向についてのみ旧オフセットを補正して新オフセットを導出するため、次式(20)の制約条件のもとで式(13)の目的関数が最小になる新オフセットcを求める。
Figure 0005375791
式(20)は次式(21)と等価である。
Figure 0005375791
式(21)の制約条件のもとで式(13)の最適化問題を解く式は、ラグランジュの未定定数法によって等価な連立方程式に変形できる。未定定数ρ1、ρ2を導入し、
Figure 0005375791
とすると、xの連立一次方程式(23)がその方程式となる。
Figure 0005375791
ただし
Figure 0005375791
以上説明したことから理解されるように、母集団データ群の分布がやや直線的である場合、ステップS110において新オフセットを導出する処理は、連立一次方程式(23)を解くことである。尚、行列B5の階数は必ず5になるため、解xは必ず一意に特定される。
2−7.分布が立体的である場合の新オフセットの導出
分布が立体的である場合、旧オフセットに対する補正方向を制限することなく新オフセットが導出される(ステップS114)。分布が立体的である場合、すなわち、母集団データ群の重心からみてある程度全方位的に母集団データ群が分布している場合、母集団データ群は全方向について十分信頼できる。したがって、このような場合には、新オフセットを導出するために必ずしも旧オフセットを用いる必要が無く、旧オフセットを用いることなく母集団データ群に基づいて新オフセットを導出することもできる。旧オフセットを用いることなく母集団データ群に基づいて新オフセットを導出するアルゴリズムは、種々提案されており、統計的手法を用いるアルゴリズムであってよいし、本件出願人によって既に出願されている特願2005−337412及び特願2006−44289に開示されているように統計的手法を用いないアルゴリズムであってもよい。
本実施形態では、統計的手法により新オフセットが導出される。すなわち、ステップS114では、式(13)の目的関数を制約条件無しで最小にする最適化問題の解として新オフセットcが導出される。
2−8.まとめ
ここで図1、6、7に基づいて、ステップS110、S112、S114の処理を空間的な概念を用いて説明する。母集団データ群を完全に信頼できるものとすれば、旧オフセットc0に対する、母集団データ群のみから導出される球面の中心の位置ベクトルgと、旧オフセットc0との和として新オフセットcを考えることにより、新オフセットcは次式(26)によって定義される。
c=c0+g・・・(26)
式(13)の目的関数を制約条件無しで最小にする最適化問題の解として得られる位置ベクトルgは、分布の固有ベクトルu1、u2、u3と同じ方向の基本ベクトルの一次結合である。このため、位置ベクトルgの係数gα、gβ、gγを、対応する主軸方向についての母集団データ群の信頼度に応じて重み付けすることにより、位置ベクトルgを各成分の信頼度に応じて補正したベクトルに相当する補正ベクトルfを得ることができる(図1参照)。
図6に示すように母集団データ群の分布が平面的である場合に実行されるステップS112では、旧オフセットc0と母集団データ群とに基づいて新オフセットを導出するにあたり次の制約条件を付している。その制約条件は、分布の最大の主値、すなわち最大固有値λ1に対応する分布の主軸方向の成分gαと、分布の中間の主値、すなわち中間固有値λ2に対応する主軸方向の成分gβについて、位置ベクトルgの重み係数をともに1とし、分布の最小の主値、すなわち最小固有値λ3に対応する主軸方向の成分gγについて、位置ベクトルgの重み係数を0として求まる補正ベクトルfと旧オフセットc0の和として新オフセットcを求めることである。
図7に示すように母集団データ群の分布がやや直線的である場合に実行されるステップS110では、旧オフセットc0と母集団データ群とに基づいて新オフセットを導出するにあたり次の制約条件を付している。その制約条件は、分布の最大の主値、すなわち最大固有値λ1に対応する分布の主軸方向(主方向)の成分gαについて、位置ベクトルgの重み係数を1とし、分布の中間の主値、すなわち中間固有値λ2に対応する主軸方向の成分gβと、分布の最小の主値、すなわち最小固有値λ3に対応する主軸方向の成分gγについて、位置ベクトルgの重み係数をともに0として求まる補正ベクトルfと旧オフセットc0の和として新オフセットcを求めることである。
母集団データ群の分布が立体的である場合に実行されるステップS110では、特に制約条件が付されていない。すなわちステップS110では、式(13)の目的関数を制約条件無しで最小にする最適化問題の解として得られる位置ベクトルgと旧オフセットc0との和として新オフセットcが導出される。
B.第二の実施形態
・概要
第一の実施形態では、母集団データ群の分布を離散的に評価し、分布が平面的である場合には主値が最小になる主軸方向の成分について補正ベクトルfを0とし、分布が直線的である場合には主値が中間値と最小値になる2つの主軸方向の成分について補正ベクトルfを0として新オフセットcを導出した。第二の実施形態では、第一の実施形態のように分布の評価に応じて異なる処理を実行する必要がなく、また母集団データ群を効率よく用いてより確からしい新オフセットを導出できる、簡素かつ高精度なアルゴリズムが説明される。
図8は、新オフセットを導出する処理の流れを示すフローチャートである。図8に示す処理は、第一実施形態と同様に、オフセットの更新要求が発生したときにCPU40がオフセット導出モジュール94を実行することによって進行する。尚、ステップS200の処理は第一実施形態において説明したステップS100の処理と同一である。ステップS202の処理は第一実施形態において説明したステップS102の処理と同一である。ステップS204の処理は第一実施形態において説明したステップS104の処理と同一である。
・分布の評価
ステップS206では、母集団データ群の分布指標が導出される。すなわち、次式(27)、(28)によって定義するm2、m3を分布指標として導出することにより、母集団データ群の分布が連続的な値として評価される。
Figure 0005375791
2、k3は予め決められている正の定数である。k2、k3の値によって主値とそれに対応する母集団データ群の主軸方向の信頼度の対応関係が定まる。ここで、m2、m3は必ず次式(29)を満たす。
0≦m2<1 かつ 0≦m3≦1・・・(29)
図1に基づいてm2、m3の空間的な概念を説明する。対応する主値が大きい分布の主軸方向成分の順に位置ベクトルgの係数をgα、gβ、gγとし、対応する主値が大きい主軸方向成分の順に補正ベクトルfの係数をfα、fβ、fγとするとき、位置ベクトルgと補正ベクトルfとm2、m3との関係は次式(30)、(31)、(32)の通りである。
Figure 0005375791
尚、各重み係数が主値の比に連続的に対応するように定める関係式は、式(30)、(31)、(32)に限られるものではない。また、最大の主値に対応する主軸方向の成分に係る重み係数fα/gαを1未満に設定してもよい。
・新オフセットの導出
最適化問題の解を特定の制約条件の下で導出することが困難である場合、その制約条件を緩めて最適化問題を解くことに相当する緩和問題が導入されることがある。本実施形態では、このような緩和問題を応用することにより、母集団データ群の分布の主値の比に連続的に対応する重み係数によって前述した位置ベクトルg(図1参照)の係数gα、gβ、gγを重み付けして得られる補正ベクトルfと、旧オフセットc0との和として新オフセットcを導出する処理が実現される。具体的には次の通りである。
途中計算に必要な変数として未定定数ρ1、ρ2を導入し、c、ρ1、ρ2を1つのベクトルにまとめ、次式(33)によりxを定義する。
Figure 0005375791
また、行列Bを式(34)、ベクトルbを式(35)によって定義する。
Figure 0005375791
ステップS208において新オフセットを導出する処理は、次の連立方程式(36)の解を求める処理となる。尚、行列Bは必ず正則であるので、xは一意に特定される。
Bx=b・・・(36)
連立方程式(36)の解を求めることは、母集団データ群の分布の主値の比に連続的に対応している重み係数fα/gα、fβ/gβ、fγ/gγによって、各主値に対応する分布の主軸方向の位置ベクトルgの係数を重み付けした値を各成分とする補正ベクトルfと旧オフセットC0との和として新オフセットを求めることを制約条件として、式(13)の目的関数を最小にする最適化問題を解くことと等価である。
このように、第二実施形態では、新オフセットを導出する処理を母集団データ群の分布に応じて分岐させる必要がないため、オフセット導出モジュール94の開発や改良が容易であり、オフセット導出モジュール94のデータサイズが小さくなる。また、第二実施形態では、母集団データ群の分布の主値が0でない限り、分布の主軸方向に旧オフセットを主値の比に連続的に対応する距離だけ補正することができるため、オフセット導出モジュール94による母集団データ群の利用効率が高く、方位導出モジュールにおいて最も確からしいオフセットを用いて磁気データを補正できる。
C.他の実施形態
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。例えば、本発明がPDAに搭載される磁気センサや車両に搭載される磁気センサにも適用できることは当然である。
1:磁気データ処理装置、3:携帯型電話機(移動体)、4:3次元磁気センサ、90:磁気データ処理プログラム、92:バッファ管理モジュール(入力手段、蓄積手段)、94:オフセット導出モジュール(オフセット導出手段)、c0:旧オフセット、c:新オフセット、g:位置ベクトル、f:補正ベクトル

Claims (8)

  1. 第一の基本ベクトル群の一次結合である3次元ベクトルデータであって3次元磁気センサから出力される磁気データを順次入力する入力手段と、
    前記磁気データの旧オフセットを新オフセットに更新するために複数の前記磁気データを母集団データ群として蓄える蓄積手段と、
    前記旧オフセットを用いずに前記母集団データ群から導出される仮オフセットの前記旧オフセットに対する位置ベクトルであって前記母集団データ群の分布の主軸方向の第二の基本ベクトル群の一次結合である位置ベクトルの各係数を前記母集団データ群の分布の主値の比に応じて重み付けした値を係数とする前記第二の基本ベクトル群の一次結合を補正ベクトルとするとき、前記旧オフセットと前記補正ベクトルの和となる前記新オフセットを求めることを制約条件として、前記旧オフセットと前記母集団データ群とに基づいて前記新オフセットを導出するオフセット導出手段と、
    を備える磁気データ処理装置。
  2. 前記制約条件は、
    最大の前記主値に対する中間の前記主値の比が第一のしきい値より大きく、最大の前記主値に対する最小の前記主値の比が第二のしきい値以下である場合、最小の前記主値に対応する主軸方向の前記第二の基本ベクトルの係数について前記位置ベクトルの重み係数が0であり、
    最大の前記主値に対する中間の前記主値の比が前記第一のしきい値以下であって、最大の前記主値に対する最小の前記主値の比が前記第二のしきい値以下である場合、前記最小の主値に対応する主軸方向の前記第二の基本ベクトルの係数と前記中間の主値に対応する主軸方向の前記第二の基本ベクトルの係数とについて前記位置ベクトルの重み係数がともに0である、
    請求項1に記載の磁気データ処理装置。
  3. 前記制約条件は、前記母集団データ群の分布の主値の比に連続的に対応する重み係数によって前記位置ベクトルの係数を重み付けした値が前記補正ベクトルの係数である、
    請求項1に記載の磁気データ処理装置。
  4. 前記位置ベクトルの重み係数は、最大の前記主値に対応する主軸方向の前記第二の基本ベクトルの係数について重み係数を1として各係数の重み係数が正規化されている、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気データ処理装置。
  5. 前記オフセット導出手段は、前記制約条件の下で下記の目的関数f(c)を最小にする新オフセットcを導出する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁気データ処理装置。
    Figure 0005375791
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁気データ処理装置と、
    前記3次元磁気センサと、
    を備える磁気測定装置。
  7. 第一の基本ベクトル群の一次結合である3次元ベクトルデータであって3次元磁気センサから出力される磁気データを順次入力し、
    前記磁気データの旧オフセットを新オフセットに更新するために複数の前記磁気データを母集団データ群として蓄え、
    前記旧オフセットを用いずに前記母集団データ群から導出される仮オフセットの前記旧オフセットに対する位置ベクトルであって前記母集団データ群の分布の主軸方向の第二の基本ベクトル群の一次結合である位置ベクトルの各係数を、前記母集団データ群の分布の主値の比に応じて重み付けした値を係数とする前記第二の基本ベクトル群の一次結合を補正ベクトルとするとき、前記旧オフセットと前記補正ベクトルの和となる前記新オフセットを求めることを制約条件として、前記旧オフセットと前記母集団データ群とに基づいて前記新オフセットを導出する、
    ことを含む磁気データ処理方法。
  8. 第一の基本ベクトル群の一次結合である3次元ベクトルデータであって3次元磁気センサから出力される磁気データを順次入力する入力手段と、
    前記磁気データの旧オフセットを新オフセットに更新するために複数の前記磁気データを母集団データ群として蓄える蓄積手段と、
    前記旧オフセットを用いずに前記母集団データ群から導出される仮オフセットの前記旧オフセットに対する位置ベクトルであって前記母集団データ群の分布の主軸方向の第二の基本ベクトル群の一次結合である位置ベクトルの各係数を、前記母集団データ群の分布の主値の比に応じて重み付けした値を係数とする前記第二の基本ベクトル群の一次結合を補正ベクトルとするとき、前記旧オフセットと前記補正ベクトルの和となる前記新オフセットを求めることを制約条件として、前記旧オフセットと前記母集団データ群とに基づいて前記新オフセットを導出するオフセット導出手段と、
    してコンピュータを機能させる磁気データ処理プログラム。
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