JP2007327407A - 内燃機関の燃料噴射制御装置、及び方法 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置、及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】例えば内燃機関の始動時等において、燃料の噴射を適切に制御することが可能とする。
【解決手段】内燃機関の燃料噴射制御装置(6)は、燃料を噴射する噴射手段(8)と、内燃機関の始動時に、初期サイクルの爆発行程において発生するトルクに関するトルク情報(ac1)を測定する測定手段(3、5)と、測定されたトルク情報に基づいて、気筒内に実効的に流入された燃料の流入量(fca1)を、算出する算出手段(6)と、所定量(fi1)、及び、流入量に基づいて、始動時に、気筒内に残留していた燃料の初期残留量(fw1)を推定する推定手段(6)と、初期残留量に基づいて、初期サイクル以降の通常サイクルにおいて、内燃機関に要求される要求量の燃料を噴射するように、噴射手段を制御する制御手段(6)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば内燃機関に供給される燃料の噴射を制御する燃料噴射制御装置、及び方法に関する。
特許文献1等では、例えば複数の気筒を備える内燃機関の始動時において、各気筒のサイクルに夫々対応して、燃料の噴射量を設定する技術について記載されている。詳細には、複数の気筒を備える内燃機関の始動時で、各気筒に対して燃料が噴射されるサイクルにおいて、時間的に最初に燃料が噴射される一の気筒に対する噴射量よりも、時間的に最後に燃料が噴射される他の気筒に対する噴射量が相対的に大きく設定させる技術について記載されている。
他方で、特許文献2等では、例えば複数の気筒を有する内燃機関におけるクランクの角加速度を、所定のクランク角度の単位で、算出する手法について記載されている。
特開2004−68621号公報 特開2004−92603号公報
しかしながら、前述した特許文献1等においては、例えば、内燃機関の始動時や、始動直後等の初期状態において気筒に残留している、燃料の初期残留量の大小の不明確性に影響され、適切な燃料の噴射制御を実現することが困難となり、ドライバビリティの低下(言い換えると、不規則的な回転変動の発生頻度の増加等)や、炭化水素等の排出ガスが増大してしまう可能性が高くなってしまう。詳細には、前述した特許文献1等においては、例えば車両の停止状態における、インジェクタ等の噴射手段における燃料漏れ(所謂、油密漏れ)や、間欠的に駆動される内燃機関の前回駆動時に対応した初期状態における燃料の初期残留量が考慮されていないため、始動時のサイクル以降の通常サイクルにおいて、適切な空燃比の制御を実現することが技術的に困難となってしまう。
そこで本発明は、例えば上記の問題点に鑑みなされたものであり、例えば内燃機関の始動時等において、燃料の噴射を適切に制御することが可能な内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、内燃機関の気筒内に、所定量(fi1)の燃料を噴射する噴射手段と、前記内燃機関の始動時に、前記所定量(fi1)の前記燃料の点火によって、一又は複数の初期サイクルの爆発行程において発生するトルクに関するトルク情報(ac1角加速度等)を測定する測定手段と、測定された前記トルク情報(ac1)に基づいて、前記気筒内に実効的に流入された前記燃料の流入量(fca1)を、算出する算出手段と、前記所定量(fi1)、及び、前記流入量(fca1)に基づいて、前記内燃機関の始動時に、前記気筒内に初期状態として残留していた前記燃料の初期残留量(fw1)を推定(モデル化)する推定手段と、前記初期残留量(fw1)に基づいて、前記初期サイクル以降の通常サイクルにおいて、前記内燃機関に要求される要求量の前記燃料を噴射するように、前記噴射手段を制御する制御手段と、を備える。
本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、噴射手段は、内燃機関の気筒内に、所定量(fi1)の燃料を噴射する。測定手段は、内燃機関の始動時に、所定量(fi1)の燃料の点火によって、一又は複数の初期サイクルの爆発行程において発生するトルクに関するトルク情報(ac1)を測定する。ここに、本発明に係るトルク情報とは、内燃機関のクランクにおいて発生する、トルクの変化率や、クランクの回転数(所謂、クランク角速度)等の駆動状態を意味し、具体的には、クランクにおける、角加速度、又は角速度を意味する。
また、算出手段は、測定されたトルク情報(ac1)と、気筒内に実効的に流入された燃料の流入量(fca1)との相関関係を示す、例えば所定関係式や所定関数(即ち、線形又は非線形関数)や所定マップ等に基づいて、当該流入量(fca1)を算出する。推定手段は、所定量(fi1)、流入量(fca1)、並びに、内燃機関の始動時に、気筒内に初期状態として残留していた燃料の初期残留量(fw1)、の相関関係や相関モデルを示す、例えば所定関係式や所定関数や所定マップ等に基づいて、この初期残留量(fw1)を推定する。制御手段は、初期残留量(fw1)に基づいて、初期サイクル以降の通常サイクルにおいて、内燃機関に要求される要求量の前記燃料を噴射するように、噴射手段を制御する。
特に、本発明では、例えば内燃機関の停止状態での噴射手段における燃料漏れ等に起因して残留していたり、例えば、内燃機関の始動時や始動直後等に、気筒内に初期状態として残留している燃料の初期残留量(fw1)が、次の2つの因子に基づいて、推定され、定量化される。即ち、この初期残留量(fw1)が、(i)、内燃機関の始動時に、測定されたトルク情報(ac1)に基づいて、算出された流入量(fca1)、並びに、(ii)所定量(fi1)と、流入量(fca1)と、初期残留量(fw1)との相関関係や相関モデルに基づいて、推定され、定量化される。尚、本発明に係る相関関係とは、理論的、実験的、経験的、シミュレーション等に基づいて、個別具体的に規定することが可能であり、例えば所定関係式や所定関数や所定マップ等の種々の形態によって、規定することが可能である。
この結果、例えば、内燃機関の始動時や、始動直後等の初期状態において気筒に残留している、燃料の初期残留量や、インジェクタ等の噴射手段における油密漏れの大小の不明確性に影響されない、適切な燃料の噴射量の制御を実現することが可能である。以上の結果、内燃機関の初期サイクル以降の通常サイクルにおける、迅速で、適切且つ高精度な空燃比の制御を実現可能であり、迅速且つ適切なドライバビリティ(言い換えると、ドライバの運転操作に対して、適切且つ迅速に対応してトルクを出力する内燃機関)や、炭化水素等の排出ガスの顕著な低減を実現することが可能である。
本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の一の態様では、前記算出手段は、前記トルク情報(ac1)と、前記流入量(fca1)との相関関係を示す所定関係式、所定関数(線形又は非線形)、又は、所定マップに基づいて、前記流入量(fca1)を算出する。
この態様によれば、算出手段は、所定関係式や所定関数(即ち、線形又は非線形関数)や所定マップ等に基づいて、当該流入量(fca1)を高精度に算出することが可能である。
本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の他の態様では、前記推定手段は、前記所定量(fi1)、前記流入量(fca1)、及び、前記初期残留量(fw1)との相関関係を示す所定関係式、所定関数(線形又は非線形)、又は、所定マップに基づいて、前記初期残留量(fw1)を推定する。
この態様によれば、推定手段は、上述した、所定量(fi1)、流入量(fca1)、並びに、燃料の初期残留量(fw1)、の相関関係や相関モデルを示す、所定関係式や所定関数や所定マップに基づいて、この初期残留量(fw1)を高精度に推定することが可能である。
本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の他の態様では、前記推定手段は、(i)前記初期残留量(fw1)及び非残留率(1-P)の積と、前記所定量(fi1)及び非付着率(1-R)の積との和、並びに、(ii)前記流入量(fca1)における相関関係に基づいて、前記初期残留量(fw1)を推定する。
この態様によれば、推定手段は、非残留率や、非付着率に基づいて、定量化された相関関係に基づいて、この初期残留量(fw1)を高精度に推定することが可能である。
本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の他の態様では、前記推定手段は、推定された前記初期残留量(fw1)に基づいて(モデルで)、前記通常サイクルにおいて、前記気筒内に残留する前記燃料の通常残留量(fw2)を推定する。
この態様によれば、推定手段は、初期残留量(fw1)に基づいて、定量化された相関関係に基づいて、通常サイクルにおける通常残留量(fw2)を高精度に推定することが可能である。
本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の他の態様では、前記推定手段は、前記初期残留量(fw1)及び残留率(P)の積と、前記所定量(fi1)及び付着率(R)の積と、の和に基づいて、前記通常サイクルにおいて、前記気筒内に残留する前記燃料の通常残留量(fw2)を推定する。
この態様によれば、推定手段は、残留率や、付着率に基づいて、定量化された相関関係に基づいて、通常サイクルにおける通常残留量(fw2)を高精度に推定することが可能である。
本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の他の態様では、前記推定手段は、推定された前記初期残留量(fw1)に基づいて(モデルで)、前記通常サイクルにおいて、前記気筒内に残留する前記燃料の通常残留量(fw2)を推定し、前記制御手段は、推定された前記通常残留量(fw2)に基づいて、前記通常サイクルにおける、前記要求量の前記燃料を噴射するように、前記噴射手段を制御する。
この態様によれば、制御手段は、推定された通常残留量(fw2)に基づいて、初期サイクル以降の通常サイクルにおいて、内燃機関に要求される要求量の燃料を噴射するように、噴射手段を高精度に制御することが可能である。
本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の他の態様では、前記トルク情報は、前記内燃機関のクランクにおける角加速度、又は角速度を示す情報である。
この態様によれば、算出手段は、トルク情報(ac1)として測定された角加速度や角速度と、流入量(fca1)との相関関係を示す、所定関係式等に基づいて、当該流入量(fca1)を高精度に算出することが可能である。
本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記内燃機関の始動時に、前記内燃機関に要求される前記所定量(fi1)の燃料を噴射するように前記噴射手段を制御する。
この態様によれば、測定手段は、内燃機関の始動時に、内燃機関に要求される所定量(fi1)の燃料の点火によって、一又は複数の初期サイクルの爆発行程において発生するトルクに関するトルク情報を高精度に測定することが可能である。
本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の他の態様では、前記内燃機関は、複数の前記気筒を有し、前記推定手段は、一の気筒に対応される前記残留量(fw1)を推定し、前記設定噴射手段は、前記内燃機関の始動時に、前記一の気筒に続いて爆発行程を行う他の気筒に対して、流入が要求される要求燃料量と、前記残留量(fw1)に基づいて、前記設定噴射量(fi1)を設定する。
この態様によれば、例えば、複数の気筒を有する内燃機関の始動時や、始動直後等の初期状態において、複数の気筒に残留している、燃料の初期残留量や、インジェクタ等の噴射手段における油密漏れの大小の不明確性に影響されない、より適切な燃料の噴射量の制御を実現することが可能である。
上記課題を解決するために、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御方法は、内燃機関の気筒内に、所定量(fi1)の燃料を噴射する噴射手段を備える内燃機関の燃料噴射制御装置における燃料噴射制御方法であって、前記内燃機関の始動時に、前記所定量(fi1)の前記燃料の点火によって、一又は複数の初期サイクルの爆発行程において発生するトルクに関するトルク情報(ac1角加速度等)を測定する測定工程と、測定された前記トルク情報(ac1)に基づいて、前記気筒内に実効的に流入された前記燃料の流入量(fca1)を、算出する算出工程と、前記所定量(fi1)、及び、前記流入量(fca1)に基づいて、前記内燃機関の始動時に、前記気筒内に初期状態として残留していた前記燃料の初期残留量(fw1)を推定(モデル)する推定工程と、前記初期残留量(fw1)に基づいて、前記初期サイクル以降の通常サイクルにおいて、前記内燃機関に要求される要求量の前記燃料を噴射するように、前記噴射手段を制御する制御工程と、を備える。
本発明に係る内燃機関の制御方法によれば、上述した本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置に係る実施形態が有する各種利益を享受することが可能となる。
尚、上述した本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置に係る実施形態が有する各種態様に対応して、本発明の内燃機関の燃料噴射制御方法に係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
(1)車両の基本構成
先ず、図1を参照して、本実施形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を搭載した車両の基本構成について説明する。ここに、図1は、本実施形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を搭載した車両の基本構成を図式的に示した模式図である。尚、本実施形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を搭載した車両は、#1気筒「1a」から#4気筒(不図示)までの四つの気筒が一列に並べられた、いわゆる直列四気筒のレシプロ式内燃機関(以下、適宜「エンジン」と称す)1のトルクをクランク軸2のクランク角速度(以下、適宜「角速度」と称す)の変化量に基づいて推定する。エンジン1は例えば自動車の走行用駆動源として使用される。
図1に示されるように、本実施形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を搭載した車両は、エンジン1、クランク軸2、クランク角検出装置3、クランク角センサ5、エンジンコントロールユニット6、記憶装置7、インジェクタ8、点火プラグ9、ピストン10、コンロッド11、吸気弁12、及び、排気弁13を備えて構成されている。特に、吸気弁12の付近の吸気ポート等においては、インジェクタ8から噴射された燃料が、後述されるように、一般的に付着したり、残留したりする。
エンジン1には、ピストン10からの運動エネルギーを、コンロッド11を介して伝達されるクランク軸2の回転位置(クランク角)を検出するためのクランク角検出装置3が設けられている。クランク角検出装置3は、クランク軸2と一体回転するロータ(不図示)と、そのロータの外周と対向するように配置されたクランク角信号出力手段としてのクランク角センサ5とを備えている。ロータの外周には周方向に一定の間隔、例えば30°間隔で凸部(不図示)が設けられており、クランク角センサ5はそれらの凸部の検出に応答して所定の検出信号を出力する。ロータの外周にはクランク軸2の回転位置の判別のための切欠等の基準位置指示部(不図示)が設けられている。クランク角センサ5はその基準位置指示部の検出時に固有の基準検出信号を出力する。
クランク角センサ5の出力信号はエンジンコントロールユニット6(以下、適宜「ECU:Engine Control Unit」(即ち、本発明に係る制御手段の一具体例)と称す)に導かれる。ECU6はマイクロプロセッサを有するコンピュータユニットであり、その記憶装置7が記憶する各種のエンジン制御プログラムを実行することにより不図示の燃料噴射弁等を操作してエンジン1の運転状態を制御する。記憶装置7はROM、SRAM、RAM等の半導体メモリにより構成される。ECU6はクランク角センサ5から出力される基準検出信号を基準として凸部の検出信号の個数をカウントすることによりクランク角を判別する。また、ECU6はクランク角センサ5から出力される検出信号の時間間隔を検出することによりクランク角速度(又は、エンジン1の回転数)を判別する。これにより、ECU6はクランク角速度を算出する算出手段として機能する。
ECU6は、CPU(Central Processing Unit)、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インタフェイスなどを有している。ECU6は、各種センサから供給される検出信号に基づいて制御処理や各種の判定処理を行う。ECU6は、その記憶装置7が記憶するトルク推定のためのプログラムを実行することにより、本発明における制御手段、算出手段、及び、推定手段として機能する。内燃機関の気筒内に、後述される所定量の燃料を噴射させるために、ECU6には、例えばインジェクタ8等の燃料の噴射手段が接続されている。内燃機関の始動時に、後述される所定量の燃料の点火によって、初期サイクルの爆発行程において発生するトルクに関する後述されるトルク情報(例えば角加速度や角速度等)を測定するために、ECU6には点火プラグ9が接続されている。その他にも、ECU6には吸入空気量を検出するエアフローメータ、排気ガス中の空燃比に対応した信号を出力するA/Fセンサ等の各種のセンサが接続されるが、それらの図示は省略した。
記憶装置7には、ECU6が、推定手段や算出手段として機能する際に使用するデータとして、後述される燃料挙動モデル等を規定する、所定マップが格納されている。
(2)燃料の噴射制御
次に、図2から図4を参照して、本実施形態に係る、燃料の噴射制御について説明する。
(2−1)始動時の燃料の噴射制御の処理
先ず、図2に加えて、図3及び図4を適宜参照して、本実施形態に係る、内燃機関の始動時の、燃料の噴射制御の処理について説明する。ここに、図2は、本実施形態に係る、内燃機関の始動時の、燃料の噴射制御の処理の流れを示したフローチャートである。尚、この噴射制御の処理は、ECUによって、例えば、数十μ秒、又は数μ秒等の所定の周期で繰り返し実行される。
図2に示されるように、ECUの制御下で、先ず、内燃機関の始動時の、最初の爆発行程の実施(所謂、初爆)が完了したか否かが判定される(ステップS110)。ここで、初爆が完了したと判定されない場合(ステップS110:No)、ECUの制御下で、内燃機関の始動時において、1番目(1噴射目)の燃料の噴射が、完了したか否かが判定される(ステップS120)。ここで、内燃機関の始動時において、1番目(1噴射目)の燃料の噴射が、完了していないと判定される場合(ステップS120:No)、ECUの制御下で、例えば、所定関係式や所定関数や所定マップ等によって規定可能な燃料挙動モデルに基づいて、燃料を噴射すべき所定量「fi1」が算出され、実際に噴射される(ステップS130)。ここに、本実施形態に係る「燃料挙動モデル」とは、(1)インジェクタ等の噴射手段からの燃料の噴射量である所定量「fi1」と、(2)例えばインジェクタや吸気ポートを介して、気筒内に実効的に流入された燃料の流入量「fca1」と、(3)例えば初期残留量「fw1」等の気筒内に残留する燃料の残留量との相関関係を示した相関モデルである。
(2−2)燃料挙動モデル
ここで、図3を参照して、本実施形態に係る燃料挙動モデルを詳細に説明する。ここに、図3は、本実施形態に係る、所定量「fik」と、流入量「fcak」と、初期残留量「fwk」との相関関係を示した燃料挙動モデルを残留率に基づいて図式的に示した概念図(図3(a))、及び、当該燃料挙動モデルを付着率に基づいて図式的に示した概念図(図3(b))である。
本実施形態に係る、内燃機関の始動時における、燃料挙動モデルの一例は、次の2つの関係式に基づいて、規定可能である。即ち、燃料挙動モデルの一例は、気筒内に実効的に流入された燃料の流入量「fca1」を算出するための関係式(1)と、2番目以降のサイクル等の次のサイクルにおいて気筒内に残留する燃料の通常残留量「fw2」を算出するための関係式(2)とによって、規定可能である。
fca1=(1−P)×fw1 + (1−R)×fi1 …… (1)
fw2 = P×fw1 + R×fi1 …… (2)
尚、「P」は、気筒内に残留する燃料の割合を示した残留率であり、「R」は、気筒内に付着する燃料の割合を示した付着率である。
更に、サイクルの番号を示す「k」(但し、kは自然数)を変数として、これら2つの式を一般化すると、次の2つの関係式が得られる。
fcak=(1−Pk)×fwk + (1−Rk)×fik …… (1a)
fwk+1 = Pk×fwk + Rk×fik …… (2a)
尚、「fcak」は、サイクル番号「k」における、気筒内に実効的に流入された燃料の流入量であり、「fwk」は、サイクル番号「k」における、気筒内に残留する燃料の残留量であり、「fik」は、サイクル番号「k」における、インジェクタ等の噴射手段からの燃料の噴射量である所定量である。加えて、「Pk」は、サイクル番号「k」における、気筒内に残留する燃料の割合を示した残留率であり、「Rk」は、サイクル番号「k」における、気筒内に付着する燃料の割合を示した付着率である。また、一般的には、流入量「fcak」に、内燃機関が要求する燃料の要求量「fck」(言い換えると、内燃機関が要求するトルクの発生を実現するために、気筒に実際に流入することが要求される流入量)を、代入して、次の関係式(1a’)が得られる。
fck=(1−Pk)×fwk + (1−Rk)×fik …… (1a’)
具体的には、図3(a)の残留率のモデルに示されるように、例えば、内燃機関のk番目のサイクルにおいて、例えば吸気ポート等の気筒外において残留している、燃料の残留量が「fwk」である場合、このサイクル以降に、更に残留する燃料の残留量は、残留率「Pk」と、k番目のサイクルの残留量「fwk」との積「Pk×fwk」によって、算出される。他方、このサイクル以降に、気筒内に実効的に流入される燃料の流入量は、非残留率「1−Pk」と、k番目のサイクルの残留量「fwk」との積「(1−Pk)×fwk」によって、算出される。
また、図3(b)の付着率のモデルに示されるように、例えば、内燃機関のk番目のサイクルにおいて、例えばインジェクタ等の噴射手段によって、噴射された燃料の所定量が「fik」である場合、このサイクルにおいて、例えば吸気ポート等の気筒外に付着する燃料の付着量は、付着率「Rk」と、k番目のサイクルに噴射される燃料の所定量「fik」との積「Rk×fik」によって、算出される。他方、このサイクルにおいて、気筒内に実効的に流入される燃料の流入量は、非付着率「1−Rk」と、k番目のサイクルに噴射される燃料の所定量「fik」との積「(1−Rk)×fik」によって、算出される。
以上の結果、上述した関係式(1a)のように、例えば、内燃機関のk番目のサイクルにおいて、気筒内に実効的に流入された燃料の流入量「fcak」は、上述した、積「(1−Pk)×fwk」と、積「(1−Rk)×fik」と、の和によって推定することが可能である。他方、上述した関係式(2a)のように、次のサイクルにおいて気筒内に残留する燃料の通常残留量「fwk+1」は、積「Pk×fwk」と、積「Rk×fik」と、の和によって推定することが可能である。
(2−1)始動時の燃料の噴射制御の処理(続き)
再び、図2のステップS130に戻って、ECUの制御下で、例えば、燃料挙動モデルに基づいて、燃料を噴射すべき所定量「fi1」が算出され、実際に噴射される(ステップS130)。具体的には、上述した式(1a’)において、初期残留量「fw1」に「0」を代入して、「fi1」についてまとめると、次の式(1b)が得られる。
fi1 = fc1/(1−R1) …… (1b)
尚、初期残留量「fw1」は、例えば内燃機関の停止時間等によって、起因される油密量を推定し、定量化するための、各種の相関モデルを規定する、他の所定関係式や所定関数や所定マップ等に基づいて規定されるようにしてもよい。従って、初爆における、燃料の残留量の影響を更に小さくさせるので、後述される、初期残留量「fw1」の推定を更に、高精度化させることが可能である。
続いて、ECUの制御下で、この所定量「fi1」の燃料が噴射された気筒において、点火が行われ、初爆が実施される(ステップS131)。
他方、ステップS120の判定の結果、内燃機関の始動時において、1番目(1噴射目)の燃料の噴射が、完了していると判定される場合(ステップS120:Yes)、上述したステップS130は、省略される。
再び、ステップS110に戻り、このステップS110の判定の結果、初爆が完了したと判定される場合(ステップS110:Yes)、ECUの制御下で、内燃機関の始動時に、気筒内に初期状態として残留していた燃料の初期残留量「fw1」は、推定済みであるか否かが判定される(ステップS140)。ここで、燃料の初期残留量「fw1」は、推定済みでない判定される場合(ステップS140:No)、ECUの制御下で、前述のステップS131の初爆における角加速度「ac1」が算出(又は測定)される(ステップS150)。
次に、ECUの制御下で、測定されたトルク情報「ac1」と、気筒内に実効的に流入された燃料の流入量「fca1」との相関関係を示す、例えば所定関係式や所定関数(即ち、線形又は非線形関数)や所定マップ等に基づいて、当該流入量「fca1」が算出される(ステップS160)。
ここで、図4を参照して、本実施形態に係る、測定されたトルク情報「ac1」と、気筒内に実効的に流入された燃料の流入量「fca1」との相関関係の一例について説明する。ここに、図4は、本実施形態に係る、測定されたトルク情報「ac1」と、気筒内に実効的に流入された燃料の流入量「fca1」との相関関係の一例を示した非線形性を示したグラフである。尚、図4の横軸は、トルク情報「ac1」としてクランクの角加速度を示し、縦軸は、気筒内に実効的に流入された燃料の流入量「fca1」を示す。
従って、ECUの制御下で、図4に示される非線形性を示したグラフに基づいて、測定されたトルク情報「ac1」と、一義的に対応付けられる、気筒内に実効的に流入された燃料の流入量「fca1」を算出することが可能である。
次に、ECUの制御下で、ステップ130で算出された所定量「fi1」、ステップ160で算出された流入量「fca1」、並びに、内燃機関の始動時に、気筒内に初期状態として残留していた燃料の初期残留量「fw1」、の相関関係や相関モデルを示す、例えば所定関係式や所定関数や所定マップ等に基づいて、この初期残留量「fw1」が推定される(ステップS170)。
具体的には、前述した、式(1a)を変形して、次の式(1c)が得られる。
fwk = {fcak−(1−Rk)fik}/(1−Pk) …… (1c)
この式(1c)の「k」に「1」を代入すると、次の式(1d)が得られる。
fw1 = {fca1−(1−R1)fi1}/(1−P1) …… (1d)
次に、ECUの制御下で、ステップ130で算出された所定量「fi1」、ステップ170で推定された初期残留量「fw1」の相関関係や相関モデルを示す、例えば所定関係式や所定関数や所定マップ等に基づいて、初期サイクル以降の通常サイクルにおいて、気筒内に残留する燃料の通常残留量「fw2」が推定される(ステップS180)。
具体的には、上述した、式(2a)の「k」に「1」を代入すると、次の式(2b)が得られる。
fw2 = P1×fw1 + R1×fi1 …… (2b)
続いて、ECUの制御下で、上述した通常残留量「fw2」、及び、内燃機関に要求される流入量「fca2」に基づいて、燃料を噴射すべき所定量「fi2」が算出され、当該所定量「fi2」の燃料が実際に噴射された気筒において、点火が行われ、2回目の爆発が実施される(ステップS181)。具体的には、上述した式(1a’)において、「k」に「2」を代入して、所定量「fi2」について整理すると、次の式(1e)が得られる。
fi2 ={fc2 − (1−P2)×fw2}/(1−R2)…… (1e)
(3)本実施形態の作用と効果との検討
次に、図5を参照して、本実施形態に係る、燃料噴射制御の手法の作用と効果とについて検討する。ここに、図5は、本実施形態に係る、燃料噴射制御の手法と、比較例に係る燃料噴射制御の手法と、の相違する概念及び共通な概念を図式的に示した模式図である。
図5中の左上の欄に示されているように、本実施形態に係る、初期サイクルにおける燃料噴射制御の手法では、最初に、トルク情報「ac1」と、気筒内に実効的に流入された燃料の流入量「fca1」との相関関係を示す、例えば線形モデル等に基づいて、測定されたトルク情報「ac1」を入力情報として、流入量「fca1」が出力情報として算出される。続いて、上述した関係式(1)、又は、関係式(1a)によって規定される燃料挙動モデルの逆モデルに基づいて、初期残留量(fw1)が推定される。ここに、本実施形態に係る「逆モデル」とは、各種の相関関係を示す相関モデルと実質的には等価であると共に、当該相関モデルに基づく基本的な情報の流れとは、異なる流れの相関モデルを意味する。
次に、図5中の左下の欄に示されているように、本実施形態に係る、初期サイクル以降の通常サイクルにおける燃料噴射制御の手法では、上述した関係式(2)、又は、関係式(2a)によって規定される燃料挙動モデルに基づいて、気筒内に残留する燃料の通常残留量「fw2」が推定される。この通常残留量「fw2」、及び、内燃機関に要求される流入量「fc2」に基づいて、燃料を噴射すべき所定量「fi2」が算出され、当該所定量「fi2」の燃料が実際に噴射される。
仮に、図5中の右上の欄の比較例に示されているように、内燃機関の始動時に、気筒内に初期状態として残留していた燃料の初期残留量を固定値にした場合、この燃料の初期残留量の大小の不明確性に影響され、初期サイクル以降の通常サイクルにおいても、適切な燃料の噴射制御を実現することが困難となり、ドライバビリティの低下(言い換えると、不規則的な回転変動の発生頻度の増加等)や、炭化水素等の排出ガスが増大してしまう可能性が高くなってしまう。
これに対して、本実施形態では、燃料の初期残留量「fw1」が、次の2つの因子に基づいて、推定され、定量化される。即ち、この初期残留量「fw1」が、(i)、内燃機関の始動時に、測定されたトルク情報「ac1」に基づいて、算出された流入量(fca1)、並びに、上述した燃料挙動モデルに基づいて、推定され、定量化される。従って、内燃機関の初期サイクル以降の通常サイクルにおいて、燃料の初期残留量の大小の不明確性に影響されることを殆ど又は完全に無くすことが可能である。
この結果、例えば、内燃機関の始動時や、始動直後等の初期状態において気筒に残留している、燃料の初期残留量や、インジェクタ等の噴射手段における油密漏れの大小の不明確性に影響されない、適切な燃料の噴射量の制御を実現することが可能である。以上の結果、内燃機関の初期サイクル以降の通常サイクルにおける、迅速で、適切且つ高精度な空燃比の制御を実現可能であり、迅速且つ適切なドライバビリティ(言い換えると、ドライバの運転操作に対して、適切且つ迅速に対応してトルクを出力する内燃機関)や、炭化水素等の排出ガスの顕著な低減を実現することが可能である。
(4)他の実施形態
次に、図6に加えて、前述した図2を適宜参照して、他の実施形態に係る、内燃機関の始動時の、燃料の噴射制御の処理について説明する。ここに、図6は、他の実施形態に係る、内燃機関の燃料噴射制御装置を搭載した車両の基本構成を図式的に示した模式図である。尚、前述した実施形態と概ね同様の構成要素や、概ね同様の処理については、同様の符号番号等を付し、それらの説明は適宜省略する。
図6に示されるように、他の実施形態に係る、内燃機関の燃料噴射制御装置を搭載した車両に備えられた、#1気筒「1a」に続いて、爆発行程を実施する#4気筒「1b」での、前述した図2のステップS130においても、ECUの制御下で、例えば、燃料挙動モデルに基づいて、燃料を噴射すべき所定量「fi1(#4気筒用)」が算出され、実際に噴射される。特に、他の実施形態では、上述した式(1a’)において、初期残留量「fw1」に、「0」の代わりに、#1気筒「1a」において推定され、定量化された、燃料の初期残留量「fw1(#1気筒)」を代入して、「fi1(#4気筒用)」についてまとめると、次の式(1f)が得られる。
fi1(#4気筒用) =
{fc1(#4気筒)−(1−P1)fw1(#1気筒)}/(1−R1) ……(1f)
この結果、例えば、複数の気筒を有する内燃機関の始動時や、始動直後等の初期状態において、複数の気筒に残留している、燃料の初期残留量や、インジェクタ等の噴射手段における油密漏れの大小の不明確性に影響されない、より適切な燃料の噴射量の制御を実現することが可能である。
上述した実施形態では、トルク情報の一例として、内燃機関におけるクランクの角加速度について説明したが、本実施形態では、角加速度に加えて、又は代えて、例えば、角速度や、トルクを規定可能な各種の測定量を、トルク情報としてもよい。また、上述した初期サイクルは、1サイクルであってもよいし、複数のサイクルであってもよい。また、本実施形態では、(1)燃料の噴射量である所定量「fi1」と、(2)気筒内に実効的に流入された燃料の流入量「fca1」と、(3)初期残留量「fw1」等の気筒内に残留する燃料の残留量との相関関係を規定する手段として、燃料挙動モデルについて、説明したが、この相関関係を示す燃料挙動マップや、燃料挙動シミュレーション等の他の種類の手段であってもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の燃料噴射制御装置、及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本実施形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を搭載した車両の基本構成を図式的に示した模式図である。 本実施形態に係る、内燃機関の始動時の、燃料の噴射制御の処理の流れを示したフローチャートである。 本実施形態に係る、所定量「fik」と、流入量「fcak」と、初期残留量「fwk」との相関関係を示した燃料挙動モデルを残留率に基づいて図式的に示した概念図(図3(a))、及び、当該燃料挙動モデルを付着率に基づいて図式的に示した概念図(図3(b))である。 本実施形態に係る、測定されたトルク情報「ac1」と、気筒内に実効的に流入された燃料の流入量「fca1」との相関関係の一例を示した非線形性を示したグラフである。 本実施形態に係る、燃料噴射制御の手法と、比較例に係る燃料噴射制御の手法と、の相違する概念及び共通な概念を図式的に示した模式図である。 他の実施形態に係る、内燃機関の燃料噴射制御装置を搭載した車両の基本構成を図式的に示した模式図である。
符号の説明
1 エンジン
1a 各気筒
2 クランク軸
5 クランク角センサ
6 エンジンコントロールユニット
7 記憶装置
8 インジェクタ
9 点火プラグ
10 ピストン
11 コンロッド
12 吸気弁
13 排気弁

Claims (11)

  1. 内燃機関の気筒内に、所定量の燃料を噴射する噴射手段と、
    前記内燃機関の始動時に、前記所定量の前記燃料の点火によって、一又は複数の初期サイクルの爆発行程において発生するトルクに関するトルク情報を測定する測定手段と、
    測定された前記トルク情報に基づいて、前記気筒内に実効的に流入された前記燃料の流入量を、算出する算出手段と、
    前記所定量、及び、前記流入量に基づいて、前記内燃機関の始動時に、前記気筒内に初期状態として残留していた前記燃料の初期残留量を推定する推定手段と、
    前記初期残留量に基づいて、前記初期サイクル以降の通常サイクルにおいて、前記内燃機関に要求される要求量の前記燃料を噴射するように、前記噴射手段を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記算出手段は、前記トルク情報と、前記流入量との相関関係を示す所定関係式、所定関数、又は、所定マップに基づいて、前記流入量を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記推定手段は、前記所定量、前記流入量、及び、前記初期残留量との相関関係を示す所定関係式、所定関数、又は、所定マップに基づいて、前記初期残留量を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記推定手段は、(i)前記初期残留量及び非残留率の積と、前記所定量及び非付着率の積との和、並びに、(ii)前記流入量における相関関係に基づいて、前記初期残留量を推定することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記推定手段は、推定された前記初期残留量に基づいて、前記通常サイクルにおいて、前記気筒内に残留する前記燃料の通常残留量を推定することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記推定手段は、前記初期残留量及び残留率の積と、前記所定量及び付着率の積と、の和に基づいて、前記通常サイクルにおいて、前記気筒内に残留する前記燃料の通常残留量を推定することを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 前記推定手段は、推定された前記初期残留量に基づいて、前記通常サイクルにおいて、前記気筒内に残留する前記燃料の通常残留量を推定し、
    前記制御手段は、推定された前記通常残留量に基づいて、前記通常サイクルにおける、前記要求量の前記燃料を噴射するように、前記噴射手段を制御することを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  8. 前記トルク情報は、前記内燃機関のクランクにおける角加速度、又は角速度を示す情報であることを特徴とする請求項1から7のうちいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記内燃機関の始動時に、前記内燃機関に要求される前記所定量の燃料を噴射するように前記噴射手段を制御することを特徴とする請求項1から8のうちいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  10. 前記内燃機関は、複数の前記気筒を有し、
    前記推定手段は、一の気筒に対応される前記残留量を推定し、
    前記設定噴射手段は、前記内燃機関の始動時に、前記一の気筒に続いて爆発行程を行う他の気筒に対して、流入が要求される要求燃料量と、前記残留量に基づいて、前記設定噴射量を設定することを特徴とする請求項1から9のうちいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  11. 内燃機関の気筒内に、所定量の燃料を噴射する噴射手段を備える内燃機関の燃料噴射制御装置における燃料噴射制御方法であって、
    前記内燃機関の始動時に、前記所定量の前記燃料の点火によって、一又は複数の初期サイクルの爆発行程において発生するトルクに関するトルク情報を測定する測定工程と、
    測定された前記トルク情報に基づいて、前記気筒内に実効的に流入された前記燃料の流入量を、算出する算出工程と、
    前記所定量、及び、前記流入量に基づいて、前記内燃機関の始動時に、前記気筒内に初期状態として残留していた前記燃料の初期残留量を推定する推定工程と、
    前記初期残留量に基づいて、前記初期サイクル以降の通常サイクルにおいて、前記内燃機関に要求される要求量の前記燃料を噴射するように、前記噴射手段を制御する制御工程と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御方法。
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