JP2007327338A - ガスタービンの燃料切替装置及び方法 - Google Patents
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【解決手段】パイロット系統とメイン系統の両方に液体燃料を供給する液体燃料制御弁16とパイロット系統を直結するラインに設置された第1開閉弁18と、液体燃料制御弁とパイロット系統を直結するラインに定流量弁24と第2開閉弁20と、液体燃料制御弁とメイン系統を直結するラインに設置された第3開閉弁22と、パイロット系統に気体燃料を供給するパイロット系統気体燃料制御弁12と、メイン系統に気体燃料を供給するメイン系統気体燃料制御弁14と、各燃料制御弁と各開閉弁を制御する切替制御装置26とを備え、気体燃料から液体燃料に切替える際にはパイロット系統を先に切替え、その後メイン系統を切替え、液体燃料から気体燃料へ切替える際にはメイン系統を先に切替え、その後パイロット系統を切替える。
【選択図】図1
Description
また、同一のガスタービン発電装置を、通常時にはコージェネレーションシステムとして運転し、停電等の非常時には非常用発電装置として運転することが要望されている。以下、かかるガスタービン発電装置を「防災兼用発電装置」と呼ぶ。
そのため、防災兼用発電装置では、安定した発電を継続しながら燃料を異なる燃料(気体燃料と液体燃料)に円滑に切替えできる必要がある。このように異なる2つの燃料を切替えて使用できるガスタービンを「デュアルフューエルガスタービン」と呼ぶ。
従って、ガスタービンの燃料切替時には、パイロットノズルとメインノズルの特性を生かしながら、安定した連続燃焼を維持する必要がある。
しかし、特許文献2では、液体燃料用とガス燃料用にそれぞれメイン系統燃料調節弁とパイロット系統燃料調節弁を必要とするため、燃料調節弁を少なくとも4つ使用する必要があった。
そのため、このような流量調整弁では、系の動作開始時あるいは動作圧力の急激な変化を伴うとき、圧力補償部の動作遅れにより、設定値より過大な流量が短時間ながれるジャンピング現象が生じるおそれがあった。
パイロット系統とメイン系統の両方に液体燃料を流量制御して供給する単一の液体燃料制御弁と、
前記液体燃料制御弁とパイロット系統を直結する第1液体ラインに設置された第1開閉弁と、
前記液体燃料制御弁とパイロット系統を直結する第2液体ラインに定流量弁と直列に設置された第2開閉弁と、
前記液体燃料制御弁とメイン系統を直結する第3液体ラインに設置された第3開閉弁と、
パイロット系統に気体燃料を流量制御して供給するパイロット系統気体燃料制御弁と、
メイン系統に気体燃料を流量制御して供給するメイン系統気体燃料制御弁と、
前記液体燃料制御弁と各開閉弁を制御する切替制御装置とを備え、
該切替制御装置により、気体燃料から液体燃料に切替える際にはパイロット系統を先に切替え、その後メイン系統を切替え、
液体燃料から気体燃料へ切替える際にはメイン系統を先に切替え、その後パイロット系統を切替える、ことを特徴とするガスタービンの燃料切替装置が提供される。
前記切替制御装置により、液体燃料から気体燃料へ切替える際には、第1開閉弁を閉じ、第2開閉弁及び第3開閉弁を開いた状態で、メイン系統を液体燃料から気体燃料に切替え、次いで第1開閉弁を開き、第2開閉弁及び第3開閉弁を閉じてパイロット系統を液体燃料から気体燃料に切替える。
気体燃料から液体燃料に切替える際にはパイロット系統を先に切替え、その後メイン系統を切替え、
液体燃料から気体燃料へ切替える際にはメイン系統を先に切替え、その後パイロット系統を切替える、ことを特徴とするガスタービンの燃料切替方法が提供される。
前記液体燃料制御弁とパイロット系統を直結する第1液体ラインに設置された第1開閉弁と、
前記液体燃料制御弁とパイロット系統を直結する第2液体ラインに定流量弁と直列に設置された第2開閉弁と、
前記液体燃料制御弁とメイン系統を直結する第3液体ラインに設置された第3開閉弁と、
パイロット系統に気体燃料を流量制御して供給するパイロット系統気体燃料制御弁と、
メイン系統に気体燃料を流量制御して供給するメイン系統気体燃料制御弁と、を備え、
気体燃料から液体燃料に切替える際には、第1開閉弁のみを開いてパイロット系統を気体燃料から液体燃料に切替え、次いで第1開閉弁を閉じ、第2開閉弁及び第3開閉弁を開いてメイン系統を気体燃料から液体燃料に切替え、
液体燃料から気体燃料へ切替える際には、第1開閉弁を閉じ、第2開閉弁及び第3開閉弁を開いた状態で、メイン系統を液体燃料から気体燃料に切替え、次いで第1開閉弁を開き、第2開閉弁及び第3開閉弁を閉じてパイロット系統を液体燃料から気体燃料に切替える。
さらに、パイロット系統が液体燃料に切替り安定燃焼した後に、メイン系統を切替えるので、パイロット系統の安定燃焼によりメイン系統の保炎を確実に行うことができる。
また、液体燃料から気体燃料へ切替える際にはメイン系統を先に切替えるので、パイロット系統の安定燃焼を維持したまま、メイン系統を液体燃料から気体燃料に切替えることができ、パイロットの安定燃焼によりメイン系統の保炎を確実に行うことができる。特に定流量弁と直列に設置された第2開閉弁により、パイロット系統の液体燃料による安定燃焼を容易に維持することができる。
さらに、メイン系統が燃焼性が高い気体燃料に切替り安定燃焼した後に、パイロット系統を切替えるので、メイン系統の安定燃焼によりパイロット系統の保炎を確実に行うことができる。
さらに、本発明の装置及び方法によれば、液体燃料を単一の液体燃料制御弁で流量制御するので、圧力補償機構付き流量調整弁の必要数を削減することができる。
本発明のガスタービンの燃料切替装置10は、拡散燃焼方式のパイロットノズル1を有するパイロット系統と予混合燃焼方式のメインノズル2を有するメイン系統とを備えたガスタービンに液体燃料3と気体燃料4を切替えて供給するガスタービンの燃料切替装置である。
パイロットノズル1は、通常1つであり、その周囲に複数のメインノズル2が配置される。しかし本発明はこの構成に限定されず、任意の配置を採用することができる。
メイン系統気体燃料制御弁14は、好ましくは単一の圧力補償機構付き流量調整弁であり、メイン系統のメインノズル2に第2気体ライン32を介して気体燃料を流量制御して供給する。
液体燃料制御弁16は、好ましくは単一の圧力補償機構付き流量調整弁であり、パイロット系統のパイロットノズル1とメイン系統のメインノズル2の両方に液体ライン33,34,35を介して液体燃料を流量制御して供給するようになっている。
第2開閉弁20は、液体燃料制御弁16とパイロット系統のパイロットノズル1を直結する第2液体ライン34に定流量弁24と直列に設置されている。
第3開閉弁22は、液体燃料制御弁16とメイン系統のメインノズル2を直結する第3液体ライン35に設置されている。
この切替制御装置26は、気体燃料から液体燃料に切替える際にはパイロット系統を先に切替え、その後メイン系統を切替え、液体燃料から気体燃料へ切替える際にはメイン系統を先に切替え、その後パイロット系統を切替えるようになっている。
この図に示すように、本発明の装置および方法では、切替制御装置26により、気体燃料から液体燃料に切替える際には、第1開閉弁18のみを開いてパイロット系統を気体燃料から液体燃料に切替え、次いで第1開閉弁18を閉じ、第2開閉弁20及び第3開閉弁22を開いてメイン系統を気体燃料から液体燃料に切替える。
第1開閉弁18を閉じ、第2開閉弁20及び第3開閉弁22を開くタイミングは、同時に限定されず、第2開閉弁20及び第3開閉弁22の開動作を先行させてもよい。
さらに、パイロット系統が液体燃料に切替り安定燃焼した後に、メイン系統を切替えるので、パイロット系統の安定燃焼によりメイン系統の保炎を確実に行うことができる。
この図に示すように、本発明の装置および方法では、切替制御装置26により、液体燃料から気体燃料へ切替える際には、第1開閉弁18を閉じ、第2開閉弁20及び第3開閉弁22を開いた状態で、メイン系統を液体燃料から気体燃料に切替え、次いで第1開閉弁18を開き、第2開閉弁20及び第3開閉弁22を閉じてパイロット系統を液体燃料から気体燃料に切替える。
第1開閉弁18を開き、第2開閉弁20及び第3開閉弁22を閉じるタイミングは、同時に限定されず、第1開閉弁18の開動作を先行させてもよい。
さらに、メイン系統が燃焼性が高い気体燃料に切替り安定燃焼した後に、パイロット系統を切替えるので、メイン系統の安定燃焼によりパイロット系統の保炎を確実に行うことができる。
図4は、本発明の燃料切替装置を適用したガスタービンの概略図である。このガスタービンは、既存のガスタービンをベースとしている。
表1にこのガスタービンの概略仕様を示す。
ガスタービンの燃料として通常時は気体燃料を使用した運転を行い、発電および排熱を利用して蒸気を発生させる。
また災害を含め何らかの原因で停電が発生した場合は、気体燃料の供給が停止する可能性があるため、予め備蓄した液体燃料を使用した運転で発電のみを行う。
気体燃料は都市ガス13A相当とし、液体燃料は灯油および特A重油に対応している。
図5は、本発明によるガスタービンの燃料系統概略図である。この図は、図1に示した本発明による燃料切替装置の全体構成図と実質的に同一である。
図6は、ガスタービンの燃焼器断面図である。
燃料ノズルはパイロットノズル1本とメインノズル6本で構成され、気体燃料はパイロットとメインを異なる制御弁12,14で制御し、液体燃料は1つの制御弁16で制御する。
通常時は気体燃料で運転し、災害を含む何らかの原因により気体燃料供給圧力が低下した場合は、気体燃料での運転から液体燃料への運転に切替える。この時、ガスタービンを停止することなく運転中に切替えることにより、ユーザが必要とする電力を途切らせることなく供給することが可能となる。
このガスタービンの燃料切替は図7、図8に示すようにパイロット燃料とメイン燃料を個々に切替える方法とし、切替中は気体燃料と液体燃料の割合を徐々に変化させる比率切替を用いて燃焼を維持させている。
切替は無負荷から非常用最大負荷のあらゆる負荷で可能であり、切替中の負荷変動にも対応が可能である。
また、液体燃料の少ない領域では切替速度を上げて、炭化し易い特A重油でも炭化しないように配慮している。
すなわち、液体燃料から気体燃料の切替時はメイン、パイロットの順に切替え、逆に気体燃料から液体燃料の切替時はパイロット、メインの順に切替える方式となっている。
切替の順序が異なるのは液体燃料制御弁16が1個であることに起因している。液体燃料制御弁16が1個である理由は、液体燃料制御弁が差圧一定制御をするので、複数の制御弁を使用した場合、圧力制御が干渉して不安定になるためである。以下にパイロット、メインの切替順について説明する。
図5において、液体燃料での負荷運転中は総燃料流量を液体燃料制御弁16でコントロールし、パイロット燃料流量はコンスタントフローバルブ(定流量弁24)により、一定流量にセットされている。したがって、液体燃料から気体燃料に切替える場合、パイロット、メインの順で切替えようとしても、液体燃料制御弁16ではメイン燃料を減らすことなく液体パイロット燃料の比率切替ができない。
パイロット燃料を先に切替えようとするならば、液体燃料のパイロット流量は一定にして、気体燃料のパイロット流量を徐々に増加させ、気体燃料だけで火炎が維持できる流量に到達した後に電磁弁を閉じることでパイロットに供給している液体燃料を遮断する切替方法となるが、パイロットの燃料流量変動が大きく、安定した切替とならない。
一方、メイン、パイロットの順で切替えると、メイン燃料を比率切替している間、パイロットは通常使用している定流量弁24を経由して燃料を供給できるため、安定燃焼が可能であり、メイン切替(液体メイン燃料遮断)後は液体パイロット燃料を制御弁16でコントロールすることになるので、気液比率切替を除々に切替えることが可能となる。
したがって、図7に示すように、液体燃料から気体燃料への切替は、メイン、パイロットの順としている。
気体燃料から液体燃料の切替時はパイロット、メインの順に切替える。パイロットの比率切替完了後、パイロット液体燃料は定流量弁24を経由して供給させ、その後、メイン燃料を比率切替する。
逆にメイン、パイロットの順で切替えると、メインは比率切替可能であるが、パイロットは比率切替不可能である。
図9は、液体燃料から気体燃料への燃料切替の実施例であり、図10は、気体燃料から液体燃料への燃料切替の実施例である。
図9、図10に示すように、このガスタービンでは特A重油の場合でも、無負荷から定格発電電力1500KW間のいずれの発電電力において、気体燃料から液体燃料への切替、及びその逆の切替が可能であり、特に非常時の気体燃料から液体燃料への切替は30秒以内で可能であることが実証されている。
3 液体燃料、4 気体燃料、5 燃焼器、
10 燃料切替装置、12 パイロット系統気体燃料制御弁、
14 メイン系統気体燃料制御弁、16 液体燃料制御弁、
18 第1開閉弁、20 第2開閉弁、22 第3開閉弁、
24 定流量弁、26 切替制御装置、
31 第1気体ライン、32 第2気体ライン、
33 第1液体ライン、34 第2液体ライン、35 第3液体ライン
Claims (5)
- パイロットノズルを有するパイロット系統とメインノズルを有するメイン系統とを備えたガスタービンに液体燃料と気体燃料を切替えて供給するガスタービンの燃料切替装置であって、
パイロット系統とメイン系統の両方に液体燃料を流量制御して供給する単一の液体燃料制御弁と、
前記液体燃料制御弁とパイロット系統を直結する第1液体ラインに設置された第1開閉弁と、
前記液体燃料制御弁とパイロット系統を直結する第2液体ラインに定流量弁と直列に設置された第2開閉弁と、
前記液体燃料制御弁とメイン系統を直結する第3液体ラインに設置された第3開閉弁と、
パイロット系統に気体燃料を流量制御して供給するパイロット系統気体燃料制御弁と、
メイン系統に気体燃料を流量制御して供給するメイン系統気体燃料制御弁と、
前記液体燃料制御弁と各開閉弁を制御する切替制御装置とを備え、
該切替制御装置により、気体燃料から液体燃料に切替える際にはパイロット系統を先に切替え、その後メイン系統を切替え、
液体燃料から気体燃料へ切替える際にはメイン系統を先に切替え、その後パイロット系統を切替える、ことを特徴とするガスタービンの燃料切替装置。 - 前記切替制御装置により、気体燃料から液体燃料に切替える際には、第1開閉弁のみを開いてパイロット系統を気体燃料から液体燃料に切替え、次いで第1開閉弁を閉じ、第2開閉弁及び第3開閉弁を開いてメイン系統を気体燃料から液体燃料に切替え、
前記切替制御装置により、液体燃料から気体燃料へ切替える際には、第1開閉弁を閉じ、第2開閉弁及び第3開閉弁を開いた状態で、メイン系統を液体燃料から気体燃料に切替え、次いで第1開閉弁を開き、第2開閉弁及び第3開閉弁を閉じてパイロット系統を液体燃料から気体燃料に切替える、ことを特徴とする請求項1に記載のガスタービンの燃料切替装置。 - 前記液体燃料制御弁は、圧力補償機構付き流量調整弁である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガスタービンの燃料切替装置。
- パイロットノズルを有するパイロット系統とメインノズルを有するメイン系統とを備えたガスタービンに液体燃料と気体燃料を切替えて供給するガスタービンの燃料切替方法であって、
気体燃料から液体燃料に切替える際にはパイロット系統を先に切替え、その後メイン系統を切替え、
液体燃料から気体燃料へ切替える際にはメイン系統を先に切替え、その後パイロット系統を切替える、ことを特徴とするガスタービンの燃料切替方法。 - パイロット系統とメイン系統の両方に液体燃料を流量制御して供給する単一の液体燃料制御弁と、
前記液体燃料制御弁とパイロット系統を直結する第1液体ラインに設置された第1開閉弁と、
前記液体燃料制御弁とパイロット系統を直結する第2液体ラインに定流量弁と直列に設置された第2開閉弁と、
前記液体燃料制御弁とメイン系統を直結する第3液体ラインに設置された第3開閉弁と、
パイロット系統に気体燃料を流量制御して供給するパイロット系統気体燃料制御弁と、
メイン系統に気体燃料を流量制御して供給するメイン系統気体燃料制御弁と、を備え、
気体燃料から液体燃料に切替える際には、第1開閉弁のみを開いてパイロット系統を気体燃料から液体燃料に切替え、次いで第1開閉弁を閉じ、第2開閉弁及び第3開閉弁を開いてメイン系統を気体燃料から液体燃料に切替え、
液体燃料から気体燃料へ切替える際には、第1開閉弁を閉じ、第2開閉弁及び第3開閉弁を開いた状態で、メイン系統を液体燃料から気体燃料に切替え、次いで第1開閉弁を開き、第2開閉弁及び第3開閉弁を閉じてパイロット系統を液体燃料から気体燃料に切替える、ことを特徴とする請求項4に記載のガスタービンの燃料切替方法。
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