JP2007327170A - Alc自立塀 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】間隔を置いて立設された複数の支柱2の間に軽量発泡コンクリートパネル(以下、ALCパネル3という)を固定してなるALC自立塀1である。支柱2は、施工基準面に固定される基部21と、基部21から上方に立設した外接板22とを有する。外接板22は、隣り合う2枚のALCパネル3の境界部分の少なくとも一部をその外側面から覆うように構成されている。ALCパネル3には、その内側面から外側面に貫通させ突出させたボルト41を、支柱2の外接板22と離隔した位置に複数配設してある。各ボルト41には、それぞれ止め金具42が固定され、止め金具41が外接板22の外側面に当接することによって、ALCパネル3が外接板22に当接した状態で拘束されている。
【選択図】図1
Description
上記支柱は、施工基準面に固定される基部と、該基部から上方に立設した外接板とを有してなり、該外接板は、隣り合う2枚の上記ALCパネルの境界部分の少なくとも一部をその外側面から覆うように構成されており、
上記ALCパネルには、その内側面から外側面に貫通させ突出させたボルトを、上記支柱の上記外接板と離隔した位置に複数配設してあり、
上記各ボルトには、それぞれ止め金具が固定され、該止め金具が上記外接板の外側面に当接することによって、上記ALCパネルが上記外接板に当接した状態で拘束されていることを特徴とするALC自立塀にある(請求項1)。
また、本発明のALC自立塀は、施工性、強度の観点から、特に、縦貼りに適している。そのため、長尺のものでも優れた作業性で施工することができる。
また、上記ALCパネルの内側面にはボルトの座繰り穴を設け、塗り剤等を塗りこむことでボルトの露出もなくすことができ、さらに意匠性を向上させることも可能である。
この場合には、隣り合う2枚のALCパネルの境界部分に仕切り板が存在するため、上記支柱と上記ALCパネルとを手際よく適合させることができる。それ故、上記直線つなぎの境界部分を安定、且つ容易に固定することができる。また、上記支柱自体の剛性を高めることができ、塀自体の安定性をさらに高めることができる。ここで、直線つなぎとは、隣り合う2枚の上記ALCパネルを直線状につなぐことである。
この場合には、上記入隅つなぎ部分において、ALCパネル以外の露出を殆どなくすことができるため、優れた意匠性を得ることができる。ここで、入隅つなぎとは、隣り合う2枚の上記ALCパネルの境界部分において、内側面側の角度が直角となるようにL字状につなぐことである。
この場合には、上記出隅つなぎ部分において、内側面における、ALCパネル以外の露出を殆ど抑えることができるため、優れた意匠性を得ることができる。ここで、出隅つなぎとは、隣り合う2枚の上記ALCパネルの境界部分において、外側面側の角度が直角となるようにL字状につなぐことである。
この場合には、止め金具は、ALCパネルの両端に位置する上記外接板と2点で係合し、ALCパネルの幅方向全長に存在するため、止め金具の回りを防いでより安定に支えることができると共に、さらに十分な曲げ強度や圧縮強度を得ることができる。また、上記止め金具を用いることによって、施工時に、ALCパネル1枚毎に固定を完了させることができ、施工性を向上させることができる。
この場合には、止め金具は、隣り合う2枚のALCパネルのボルトと2点で係合し、止め金具の回りを防いでより安定して支えることができると共に、さらに十分な曲げ強度や圧縮強度を得ることができる。
この場合には、優れた曲げ強度や圧縮強度を有することができる。
上記ALCパネルが十分な曲げ応力を有するため、必ずしも上記支柱高さをALC自立塀の全長にする必要はない。また、いわゆる根入れに300mm程度が要されるため、上記支柱の高さは少なくとも300mm以上であることが好ましい。
ただし、意匠面上からは、強度特性が得られる範囲で支柱高さを低くすることが好ましい。例えば、上記支柱の高さが300mm程度の場合には、ほぼ土中に埋設されることになり、見かけ上、支柱が存在していないように見え、内側面、外側面の両面ともALCパネルのデザイン性で統一することができるため、さらに意匠性が良くなる。
上記貫通穴を設けることによって適度な視認性を確保できると共に、上記貫通穴が通風口となるため、通風や、採光が良好になる。
また、ALCパネルは吸水し凍結融解を繰り返すことで破壊するおそれがあるため、上記防水処理を施すことにより、ALCパネルの破壊を防ぐことができる。
近年においては、都市部の狭小住宅においては、樹木による庭造りが困難になっている。そのため、上記冷却壁、上記緑化壁は冷却機能を有し、樹木が創り出す温熱環境を補完する役割を果たすことができる。
上記緑化被膜としては、例えば、地被植物の植栽が挙げられる。地被植物としては、日射が当たる環境下でも生育が可能なスナゴケやセダム類等が対象となる。また、植栽用の土壌としては、法面用人工土壌等がある。
この場合には、上記緑化被膜を施す際に、緑化被膜を容易に定着させることができる。
この場合には、ALC自立塀に冷却塀としての機能を持たせることができる。また、緑化被膜を施している場合には、植栽へ給水することができる。
水の供給方法としては、雨水を地中にて貯蓄し、上記ALC自立塀の上部にポンプアップで引き込んだ後、透水性のパイプにて適時潅水するシステムを構築することが好ましい。また、ポンプアップの動力源としては、省電力化のために、小型の太陽光発電パネルを利用することが好ましい。
本発明のALC自立塀にかかる実施例について、図1〜図5を用いて説明する。
本例のALC自立塀1は、同図に示すごとく、間隔を置いて立設された複数の支柱2の間にALCパネル3を固定してなるALC自立塀1である。
上記支柱2は、施工基準面に固定される基部21と、該基部21から上方に立設した外接板22とを有してなり、該外接板22は、隣り合う2枚の上記ALCパネル3の境界部分の少なくとも一部をその外側面から覆うように構成されている。
上記各ボルト41には、それぞれ止め金具42が固定され、該止め金具42が上記外接板22の外側面に当接することによって、上記ALCパネル3が上記外接板22に当接した状態で拘束されている。
以下、さらに詳説する。
本例のALC自立塀1に用いる支柱2としては、外接板22および仕切り板24となる鋼プレートを溶接にて加工した後、亜鉛メッキをドブ漬けにて塗装処理したものを用いた。
支柱2の下端には、基部21を溶接により接合し、この基部21によって、後述するごとく基礎を固定する。
まず、コンクリートにて基礎打ちを行った後、市販のレベラーを用いてレベル出しを行った。レベラーを十分に養生後、支柱2の基部21を施工基準面に所定の位置に合わせてアンカーボルト23を用いて固定した。支柱2の固定にあたっては、支柱2間を枠状にするため、桟(図示略)を用いて仮止めした後、支柱2に大きな倒れがないことを確認した。
十分に養生した後、ALCを下地として樹脂系塗り材によるクシメ調の塗り仕上げを行った。その際、上記ボルト41の座繰り穴43も同様の塗り剤を用いて埋め込み、平滑な面状とした。
本発明のALC自立塀1は、上述のごとく、ALCパネル3の上記外側面に、支柱2、ボルト41、止め金具42が存在するように固定され、上記ALCパネル3の内側面においてはALCパネル3以外の露出を最低限に抑えられている。そのため、少なくとも内側面においてデザインの統一感を演出することができた。さらに、内側面にはボルト41の座繰り穴43を設け、塗り剤等を塗りこむことで意匠性が向上した。
また、入隅つなぎ部分12において、内側面における、ALCパネル3以外の露出を殆ど抑えることができるため、優れた意匠性を得ることができる。
また、入隅つなぎ部分12において、直角に配された2枚の上記ALCパネル3には、互いに対面する傾斜小口面31を設けてあるため、入隅つなぎ部分12におけるALCパネル3の当接部の剛性が高く、優れた意匠性を有する。
また、根入れにより支柱2はほぼ土中に埋設されることになり、見かけ上、支柱2が存在していないように見え、内側面、外側面の両面ともALCパネル3のデザイン性で統一することができ、さらに意匠性が向上した。
本例のALC自立塀102は、図6に示すごとく、実施例1における止め金具42を1枚の上記ALCパネル3の両端に位置する2つの上記外接板22に係合可能な形状を有する止め金具5に変えた構造とした例である。他の構造は、実施例1と同様である。
同図より知られるごとく、止め金具5は、ALCパネル3の両端に位置する上記外接板22と2点で係合し、ALCパネル3の幅方向全長に存在する。
本例のALC自立塀103は、図7及び図8に示すごとく、実施例1における止め金具42を、上記外接板22の外側面をまたがり、その両側の隣り合う2枚の上記ALCパネル3から突出した各ボルト41に係合可能な形状を有する止め金具7に変えた構造とした例である。他の構造は、実施例1と同様である。
同図より知られるごとく、止め金具7は、隣り合う2枚の上記ALCパネル3のボルト41に係合するよう2点で固定する。
本例のALC自立塀104は、図9に示すごとく、親水塗膜を施した例である。
同図に示すように、まず、直線つなぎ部11のみを有するALC自立塀104を作製した。施工方法は実施例1と同じである。
本例では、ALCパネル3の表面に複数の貫通穴51を設ける加工を施した。その後、表面に防水処理を施し、さらに、TiO2を含む光触媒系親水塗料の塗装による施した。
給水ホース54としては、全面より水が沁み出し、全長(ALC自立塀104の全幅分)に亘って給水が可能なポーラスパイプ(カクダイ製)を用いた。
また、ALC自立塀104は、給水ホース54を有しているため、冷却塀としての機能を持たせることができる。
本例のALC自立塀105は、図10及び図11に示すごとく、緑化対応の構造とした例である。
同図に示すように、まず、直線つなぎ部11のみを有するALC自立塀105を作製した。施工方法は実施例1と同じである。
本例では、ALC自立塀105に開口部16及び複数の貫通穴51を設けるよう、ALCパネル3に加工を施した。また、ALCパネル3の表面に、傾斜面59を段差を介して並べてなるルーバー形状を有するよう、ルーバー加工を施した。その後、表面に防水処理を施し、さらに緑化被膜として植栽を行った。
植栽へ給水するために、実施例3と同様に潅水するシステムを構築した。
また、ALC自立塀105は、給水ホース54を有しているため、冷却塀としての機能を持たせることができ、また、緑化被膜へ給水することができる。
本例のALC自立塀は、図12に示すごとく、実施例4のALC自立塀に笠木64を設けた構造とした例である。
まず、ALC自立塀において一番上のALCパネル3の上端に、アルミLアングル61を、接着剤を用いて固定し、その上に、笠木受けホルダー62をねじ63を用いて配設する。最後に、給水ホース54を笠木受けホルダー62と笠木64との間隙に納めるようにアルミ製の平型の笠木64を設置した。給水ホース54は前述したごとく、ポーラスパイプを用いているので、全長(ALC自立塀の全幅分)に亘って給水が可能である。
なお、笠木64の末端には、エンドキャップ(図示略)を配設した。
本例のALC自立塀106は、図13〜15に示すごとく、実施例1の入隅つなぎ部分12を出隅つなぎ部分13に変えた構造とした例である。他の構造は実施例1と同様である。
この出隅つなぎ部分13には、図15に示す、上記外接板22が出隅つなぎの外側形状に対応した断面L字形状を有する支柱203を用いて行った。また、上記出隅つなぎ部13において、直角に配された2枚の上記ALCパネル3は、互いに対面する傾斜小口面31を設けてある。
また、出隅つなぎ部分13において、直角に配された2枚の上記ALCパネル3には、互いに対面する傾斜小口面31を設けてあるため、出隅つなぎ部分13におけるALCパネル3の当接部の剛性が高く、優れた意匠性を有する。その他は、実施例1と同様の効果を得ることができる。
2 支柱
21 基部
22 外接板
3 ALCパネル
42 止め金具
41 ボルト
Claims (10)
- 間隔を置いて立設された複数の支柱の間に軽量発泡コンクリートパネル(以下、ALCパネルという)を固定してなるALC自立塀であって、
上記支柱は、施工基準面に固定される基部と、該基部から上方に立設した外接板とを有してなり、該外接板は、隣り合う2枚の上記ALCパネルの境界部分の少なくとも一部をその外側面から覆うように構成されており、
上記ALCパネルには、その内側面から外側面に貫通させ突出させたボルトを、上記支柱の上記外接板と離隔した位置に複数配設してあり、
上記各ボルトには、それぞれ止め金具が固定され、該止め金具が上記外接板の外側面に当接することによって、上記ALCパネルが上記外接板に当接した状態で拘束されていることを特徴とするALC自立塀。 - 請求項1において、上記ALCパネルの直線つなぎの境界部分に配設される上記支柱は、平板状の上記外接板と、その中央部から内側に伸びて2枚の上記ALCパネルの間に挟まれる仕切り板とよりなる断面T形状を有していることを特徴とするALC自立塀。
- 請求項1又は2において、上記ALCパネルの入隅つなぎの境界部分に配設される上記支柱は、上記外接板が入隅の外側形状に対応した断面L字形状を有していることを特徴とするALC自立塀。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記ALCパネルの出隅つなぎの境界部分に配設される上記支柱は、上記外接板が出隅の外側形状に対応した断面L字形状を有していることを特徴とするALC自立塀。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、上記各止め金具は、1枚の上記ALCパネルの両端に位置する2つの上記外接板に係合可能な形状を有していることを特徴とするALC自立塀。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、上記各止め金具は、上記外接板の外側面をまたがり、その両側の隣り合う2枚の上記ALCパネルから突出した各ボルトに係合可能な形状を有していることを特徴とするALC自立塀。
- 請求項1〜6のいずれか一項において、上記支柱の高さは、少なくとも300mm以上とすることを特徴とするALC自立塀。
- 請求項1〜7のいずれか一項において、上記ALCパネルは、複数の貫通穴を設ける加工を施してなり、かつ、表面に防水処理を施した後、親水性の塗料あるいは緑化被膜を施してなることを特徴とするALC自立塀。
- 請求項1〜8のいずれか一項において、上記ALCパネルの表面には、傾斜面を段差を介して並べてなるルーバー形状を設けるためのルーバー加工を施すことを特徴とするALC自立塀。
- 請求項8又は9において、上記ALCパネルの上方には、該ALCパネルに水を供給するための給水ホースを設けてあることを特徴とするALC自立塀。
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