JP2007326671A - エレベーターの安全装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】緩衝器の緩衝作用を維持するとともに、保守点検時の作業性に優れ、かつ確実にエアバックの緩衝作用を発揮することのできるエレベーターの安全装置の提供。
【解決手段】エレベーターの昇降路2下部に形成されるピット3に、ばね式、又は油入りばね式の緩衝器4を設けたエレベーターの安全装置において、ピット3に設置されるとともに、乗りかご1の異常速度検出に応じて作動し、かつ緩衝器4の周囲に配置されるエアバッグ5aを備え、異常下降した乗りかご1をエアバック5a、次いで緩衝器4により緩衝するものである。
【選択図】図1
【解決手段】エレベーターの昇降路2下部に形成されるピット3に、ばね式、又は油入りばね式の緩衝器4を設けたエレベーターの安全装置において、ピット3に設置されるとともに、乗りかご1の異常速度検出に応じて作動し、かつ緩衝器4の周囲に配置されるエアバッグ5aを備え、異常下降した乗りかご1をエアバック5a、次いで緩衝器4により緩衝するものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、エレベーターの安全装置に係り、特に、エアバックを用いて異常下降した乗りかごが緩衝器に衝突する際の衝撃を緩和するエレベーターの安全装置に関するものである。
従来、この種の装置として、ピットに設けられる油入りばね式緩衝器の上部にエアバッグを設置したものや(例えば、特許文献1参照)、乗りかごの下面における油入りばね式緩衝器に対向する領域以外の位置にエアバッグを設置したものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
実開平5−42273号公報
特開平9−328269号公報
しかしながら、前述した前者のものはピットに設けられる緩衝器の上部にエアバッグを設置していることから、乗りかごの異常下降時、緩衝器はエアバッグを介して押圧されることになり、正常な緩衝作用を発揮しない危険性が有るという問題点があった。
また、後者のものは乗りかごの下面にエアバッグを設置するため、エアバックに係る保守点検時の作業性が悪くなるという問題点があった。また、エアバッグの作動をリミットスイッチにて行う方式であるが、乗りかごの異常下降時にリミットスイッチが動作してから乗りかごが緩衝器に衝突するまでの時間は限られており、乗りかごの下降速度によってはエアバッグが開ききる前に、乗りかごが緩衝器に衝突する危険性があった。
本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、緩衝器の緩衝作用を維持するとともに、保守点検時の作業性に優れ、かつ確実にエアバックの緩衝作用を発揮することのできるエレベーターの安全装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、エレベーターの昇降路下部に形成されるピットに緩衝器を設けたエレベーターの安全装置において、前記ピットに設置されるとともに、前記乗りかごの異常速度検出に応じて作動し、かつ前記緩衝器の周囲に配置されるエアバッグを備えたことを特徴としている。
このように構成した本発明の請求項1に係る発明は、何らかの要因により乗りかごが異常速度で下降すると、この異常速度検出に応じて緩衝器の周囲に配置されたエアバッグが作動してふくらみ、エアバックおよび緩衝器のそれぞれにより乗りかごを緩衝して停止させる。このように、エアバックは緩衝器の周囲、すなわち緩衝器の投影断面領域外に配置される構造であることから、エアバックの動作が緩衝器に影響を及ぼすことはなく、緩衝器の緩衝作用を正常なものに維持することができる。また、エアバックはピットに設置されるものであることから、保守点検時の作業性に優れたものとすることができる。さらに、エアバックは乗りかごの異常速度検出に応じて作動するものであることから、要時に確実に開ききるように設定することが可能となり、エアバックの緩衝作用を十分に発揮させることができる。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記エアバッグは、前記緩衝器を囲むドーナツ状の形状を有することを特徴としている。
このように構成した本発明の請求項2に係る発明は、エアバックを、緩衝器を囲むドーナツ状の形状とすることにより、乗りかごとの衝突時に左右前後に平均して緩衝作用を発揮し、乗りかごに傾きが生じることを防ぐことができる。
さらに、本発明の請求項3に係る発明は、前記エアバックは、作動時の高さ寸法が前記緩衝器の高さ寸法よりも所定寸法大きく設定され、前記乗りかごの異常速度検出に応じて前記エアバックを作動させることにより、前記乗りかごは前記エアバック、次いで前記緩衝器により緩衝されることを特徴としている。
このように構成した本発明の請求項3に係る発明は、エアバックは、作動時の高さ寸法が緩衝器の高さ寸法よりも所定寸法大きく設定されていることから、異常下降した乗りかごはエアバック、次いで緩衝器により緩衝され、これによって、乗りかご緩衝時の衝撃を低減することができる。
本発明によれば、異常下降した乗りかごをエアバックにより緩衝するとともに、緩衝器の緩衝作用も確実に発揮されることから、乗りかご内の乗客に及ぼす衝撃を低減して安全性を確保することができる。また、エアバックに係る保守点検時の作業性に優れたものとすることができる。さらに、エアバックは要時に確実に開ききることから、エアバックはその緩衝作用を十分に発揮し、乗りかご緩衝時の衝撃を低減することができる。
以下、本発明に係るエレベーターの安全装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明に係るエレベーターの安全装置の一実施形態を示す側面図、図2はエアバックが作動した状態を示す側面図、図3はエアバックが作動した状態を示す平面図である。
本実施形態のエレベーターの安全装置は図1に示すように、乗りかご1が昇降する昇降路2の下部に形成されるピット3に設置され、乗りかご1の異常下降時に当接する油入りばね式の緩衝器4と、この緩衝器4の周囲、すなわち緩衝器4の投影断面領域外に配置されるエアバッグ装置5とを備えている。エアバック装置5は、乗りかご1の異常速度検出に応じて作動するとともに、図3に示すように緩衝器4を囲むドーナツ状の形状のエアバック5aを有している。また、図2に示すように、エアバック装置5作動時のエアバック5aの高さ寸法h1は、緩衝器4の高さ寸法h2よりも所定寸法大きく設定されている。
本実施形態では、乗りかご1が何らかの要因により制御不能となり、エレベーターに設置が義務付けられているガバナ装置の作動によっても停止せず異常下降すると乗りかご1は異常速度に達する。この異常速度の検出に応じてエアバック装置5が作動してエアバック5aを膨らませる。このときエアバック5aは図2に示すように緩衝器4の高さ寸法h2を越えて膨らむことから、下降を続ける乗りかご1は、まずエアバック5aにより緩衝される。すなわち、エアバック5aは乗りかご1との衝突に応じてエアバック5a内の空気を図示しない制御弁を介して排出することにより衝撃を吸収する。エアバック5a内の空気が排出され乗りかご1がさらに下降すると、次に、緩衝器4により緩衝される。この油入りばね式の緩衝器4は既知のオリフィス作用によりエネルギーを吸収し、乗りかご1を停止させる。
本実施形態によれば、エアバック5aは緩衝器の周囲、すなわち緩衝器4の投影断面領域外に配置される構造であることから、エアバック5aの動作が緩衝器4に影響を及ぼすことはなく、緩衝器4緩衝作用を正常なものに維持することができる。これによって、異常下降した乗りかご1をエアバック5aにより緩衝するとともに、緩衝器4の緩衝作用も確実に発揮されることから、乗りかご1内の乗客に及ぼす衝撃を低減して安全性を確保することができる。また、エアバック装置5はピット3に設置されるものであることから、保守点検時の作業性に優れたものとすることができる。さらに、エアバック装置5は乗りかご1の異常速度検出に応じて作動するものであることからエアバック5aが要時に確実に開ききるように設定可能となり、これによって、エアバック5aはその緩衝作用を十分に発揮し、乗りかご1緩衝時の衝撃を低減することができる。また、エアバック5aを、緩衝器4を囲むドーナツ状の形状とすることにより、乗りかご1との衝突時に左右前後に平均して緩衝作用を発揮し、乗りかご1に傾きが生じることを防ぐことができる。
なお、本実施形態ではエアバック5aの形状を緩衝器4を囲むドーナツ状としたが、本発明はこれに限らず、例えば複数に分割されたエアバックを緩衝器4の周囲に配置する構造としても良い。
1 乗りかご
2 昇降路
3 ピット
4 緩衝器
5 エアバック装置
5a エアバック
2 昇降路
3 ピット
4 緩衝器
5 エアバック装置
5a エアバック
Claims (3)
- エレベーターの昇降路下部に形成されるピットに緩衝器を設けたエレベーターの安全装置において、
前記ピットに設置されるとともに、前記乗りかごの異常速度検出に応じて作動し、かつ前記緩衝器の周囲に配置されるエアバッグを備えたことを特徴とするエレベーターの安全装置。 - 前記エアバッグは、前記緩衝器を囲むドーナツ状の形状を有することを特徴とする請求項1記載のエレベーターの安全装置。
- 前記エアバックは、作動時の高さ寸法が前記緩衝器の高さ寸法よりも所定寸法大きく設定され、前記乗りかごの異常速度検出に応じて前記エアバックを作動させることにより、前記乗りかごは前記エアバック、次いで前記緩衝器により緩衝されることを特徴とする請求項1記載のエレベーターの安全装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006158723A JP2007326671A (ja) | 2006-06-07 | 2006-06-07 | エレベーターの安全装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006158723A JP2007326671A (ja) | 2006-06-07 | 2006-06-07 | エレベーターの安全装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Country Status (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2006
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