JP2007326234A - カートリッジおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク滴の飛翔経路を補正し、画像品質の低下を防止する機構を備えたカートリッジおよびインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】本発明の記録ヘッドカートリッジ46は、往復走査自在なキャリッジ103に着脱自在に搭載され、走査方向と直交する方向に配列されたノズル列11a〜14aからインクを吐出する記録ヘッド11〜14を有する。特に、記録ヘッドカートリッジ46は、被記録媒体に対向するヘッド面10Bに記録ヘッド11〜14を備える台座10を有する。また、この台座10の、走査方向に対して正面方向となる整流面10A1、10A2とヘッド面10Bとの境界である整流辺10b1、10b2がノズル列の内側から両端側に向けて広がる凹形状となっている。
【選択図】図8B

Description

本発明は、インクジェット記録ヘッドを備えたカートリッジ、および該カートリッジを移動させながら記録ヘッドからインク滴を吐出させることによって被記録媒体に画像の記録を行うインクジェット記録装置に関する。
現在、インクジェット記録装置はシリアルスキャン型が主流になっている。シリアルスキャン型のインクジェット記録装置は一般に、記録ヘッドを搭載して往復移動可能に設けられたキャリッジと、記録ヘッドと対向する領域でキャリッジの移動方向と交差する方向に被記録媒体を搬送する搬送機構と、を有する。被記録媒体への記録は、搬送機構による被記録媒体の間欠的な搬送とキャリッジの移動とを交互に繰り返しながら、キャリッジの移動時に所定のタイミングで記録ヘッドよりインクを吐出することで行われる(例えば特許文献1)。
近年、インクジェット記録装置は、さらなる記録速度の高速化および高記録品位化が求められている。この要求を満たすためには、キャリッジの移動速度を高速化すること、および記録ヘッドからのインク吐出速度を高速化することが重要である。さらにそれに伴って、なるべく印字パス数を少なくするために、1スキャンでの記録ヘッドから吐出されるインク滴の数(以下、印字デューティともいう)が増加してきている。
特開2004−168004号公報
インクジェット記録装置における記録速度の高速化および高記録品位化は、インクジェット記録装置の性能を向上させるうえで好ましいものである。しかし、キャリッジの移動速度およびインクの吐出速度が高速化するに伴い、従来ではあまり問題にはなっていなかった、以下に述べるような新たな課題が顕在化してきた。
インクジェット記録装置においては、記録ヘッドからインクが吐出されると、吐出されたインク滴は周囲の空気を巻き込みながら被記録媒体へ向かって飛翔する。そのため、記録ヘッドからのインクの吐出に伴って、記録ヘッドと被記録媒体との間には記録ヘッドから被記録媒体へ向かう空気の流れが生じる。また、キャリッジが移動することによって、キャリッジの周囲の空気はキャリッジの側面にぶつかり、その一部は記録ヘッドと被記録媒体との間のギャップに流れ込む。さらに、キャリッジと被記録媒体との相対運動によって、記録ヘッドと被記録媒体との間の空気にせん断流れが発生する。
以上述べたように、記録ヘッドと被記録媒体との間には様々な空気の流れが発生し、その空気の流れの総和として、比較的大きな気流が記録ヘッドと被記録媒体との間に発生する。記録ヘッドと被記録媒体との間に発生する気流は、インクの吐出速度が大きいほど、またキャリッジの移動速度が大きいほど、大きい。この気流により、インク滴の飛翔経路が曲げられて着弾位置がずれ、記録品質の低下を招く。
記録ヘッドと被記録媒体との間に生じる気流による影響は、インク吐出用のノズルがキャリッジのエッジに近ければ近いほど大きい。したがって、キャリッジのエッジに沿って並んだ複数のノズルを有する複数のノズル列がキャリッジの移動方向に配列されたインクジェット記録装置では、エッジに近いノズル列ほどインク的の飛翔経路が大きく曲げられる。その結果、インクの吐出による記録がなされた被記録媒体には、いわゆる白スジと呼ばれる欠陥が発生する。
本発明の目的は、記録ヘッドと被記録媒体との間に生じる気流がインク滴の飛翔経路に及ぼす影響を抑制することによって、記録品質の低下を抑制することが可能なカートリッジおよびインクジェット記録装置を提供することである。
上記目的を達成するため本発明のカートリッジは被記録媒体にインクを吐出して記録するインクジェット記録装置の往復走査自在な保持手段に着脱自在に搭載され保持手段の走査方向と直交する方向に配列されたノズル列からインクを吐出する記録ヘッドを有する。特に、本発明のカートリッジは、被記録媒体に対向するヘッド面に記録ヘッドを備える台座を有し、台座の、走査方向に対して正面方向となる整流面とヘッド面との境界である整流辺がノズル列の内側から両端側に向けて広がる凹形状であることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によればインク滴の着弾位置が内側にずれることによる画像欠陥である白スジの発生を、印字デューティーの変化に対しても安定して防止することが可能である。その結果、高品質の画像形成を高速かつ高い信頼性をもって行うことを可能となる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の斜視図である。
本実施形態のインクジェット記録装置は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材により構成された、このインクジェット記録装置の骨格をなすシャシー100を有する。
シャシー100には、不図示の被記録媒体を保持する被記録媒体保持部101、被記録媒体を搬送する搬送機構、キャリッジ103を往復移動させるキャリッジ駆動機構、および記録が終了した被記録媒体が載置されるトレイ106等が備えられている。
搬送機構は、搬送用ローラ104および排出用ローラ105を有している。搬送用ローラ104は、被記録媒体保持部101に保持されているシート状の被記録媒体を1枚ずつ、キャリッジ103の移動範囲でキャリッジ103と対向する領域へ、矢印A方向に搬送する。搬送用ローラ104は、搬送用モータ107によって、ギア108を介して駆動される。排出用ローラ105は、記録が行われた被記録媒体をさらに矢印A方向に搬送し、トレイ106上に載置させる。
キャリッジ103には、記録ヘッドカートリッジ46が着脱自在に搭載される。キャリッジ103は、シャシー100に両端部が固定されたガイドシャフト111によって、被記録媒体の搬送方向と直交する方向である矢印B方向に摺動自在に支持される。また、キャリッジ103は、2つのプーリに掛け回されたベルトの一部位に固定されている。一方のプーリはキャリッジ駆動モータ110に取り付けられており、キャリッジ駆動モータ110を駆動するとベルトが回転する。これによってキャリッジ103が矢印B方向に往復移動する。
記録ヘッドカートリッジ46は、詳しくは後述するが、電気的な記録信号に基づいてインクを吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給するインクを保持するインクタンクとを有する。記録ヘッドカートリッジ46およびキャリッジ103には複数の金属端子(不図示)が設けられている。記録ヘッドカートリッジ46がキャリッジ103に搭載されると、それぞれの金属端子同士が接触し、これによって両者は電気的に接続される。
キャリッジ103の移動範囲には、1インチ(2.54cm)の長さ当たり1200個の目盛りが等間隔で刻まれたリニアスケール112が、キャリッジ103の移動方向と平行に設けられている。一方、キャリッジ103には、発光部および受光部を有するリニアエンコーダ113が、リニアスケール112と対向して設けられている。リニアエンコーダ113をリニアスケール112に沿って移動させると、リニアエンコーダ113の発光部から発せられた光は、リニアスケール112の目盛りによって反射と透過を繰り返す。これによって得られた光信号は、リニアエンコーダ113の受光部で検知され、不図示の信号処理回路によりキャリッジ103の移動位置または移動速度を表す電気信号へと変換される。この情報に基づき、キャリッジ103の移動や記録ヘッドからのインクの吐出タイミングの制御が行われる。
例えば、インクの吐出タイミングの制御では、キャリッジ103の移動による記録ヘッドの走査に伴い、記録ヘッドのドライバに対して所定の吐出タイミング信号を出力し、これに応じて記録ヘッドからインクを吐出させる。このことにより、被記録媒体の所定の位置に所定の画像データに対応するドットを形成することができる。このとき例えば、目盛りを検知する度にインクを吐出してドット形成を行うようにした場合、主走査方向(キャリッジ103の移動方向、すなわち矢印B方向)に1200dpiの解像度で記録を行うことができる。
以上は、キャリッジ103を1方向に移動させての記録動作である。被記録媒体への実際の記録動作は、キャリッジ103の移動と、被記録媒体の所定ピッチでの搬送とを交互に繰り返して行う。インクの吐出は、キャリッジ103の1方向への移動時のみに行ってもよいし、往復両方向への移動時に行ってもよい。キャリッジ103の1方向への移動時のみにインクを吐出する場合、被記録媒体の搬送は、キャリッジ103の往復移動ごとに行う。
インクジェット記録装置は、回復機構109をさらに有している。回復機構109は、非記録時のキャリッジ103の位置であるホームポジションで記録ヘッドと対向する位置に設けられており、この位置において記録ヘッドのノズル開口面をキャッピングする。これによって、非記録時における記録ヘッドのノズル内のインクの溶媒の蒸発を防止する。また、回復機構109は吸引ポンプを有している。回復機構109により記録ヘッドのノズル開口面をキャッピングした状態で吸引ポンプを駆動することで、溶媒が蒸発することにより増粘したインクをノズル内から除去したり、記録ヘッドの流路内に溜まった気泡を排出したりすることができる。
次に、記録ヘッドカートリッジ46について図2等を参照して説明する。
図2に示すように、記録ヘッドカートリッジ46は、4つのインクタンク41〜44と、これらインクタンク41〜44が着脱自在に取り付けられるタンクホルダ20とを有する。インクタンク41〜44は、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色インクを収容している。タンクホルダ20には、インクタンクホルダ20がキャリッジ103(図1参照)に搭載されたときに被記録媒体と対向する面に、図3に示すように、アルミナ製の台座10を介して4つの記録ヘッド11〜14が取り付けられている。各記録ヘッド11〜14は、各インクタンク41〜44に対応するものであり、各インクタンク41〜44から供給された、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクをそれぞれ吐出する。
タンクホルダ20には、前述した金属端子が設けられたコンタクト基板21が接着によって取り付けられている。コンタクト基板21は、フレキシブル配線22を介して記録ヘッド11〜14と電気的に接続されている。
ここで、記録ヘッド11〜14について、図4〜図6を参照して詳細に説明する。各記録ヘッド11〜14はいずれも同じ構成であるので、以下の説明では記録ヘッド11を例に挙げて説明し、他の記録ヘッド12〜14についての説明は省略する。
記録ヘッド11は、シリコン基板1と、その片面に接合された被覆樹脂層2とを有する。シリコン基板1には、その表裏を貫通するインク供給口7が、シリコン基板1の幅方向中央部でかつノズル列11aの長手方向に沿って形成されている。インク供給口7の両側には、通電により発熱する複数の発熱素子8の列が1列ずつ設けられている。それぞれのノズル列11aにおいて、発熱素子8は、42.3μm間隔(600dpi相当)で並んでいる。
被覆樹脂層2には、そのシリコン基板1との対向面に、共通液室用の溝および液流路用の複数の溝が形成されている。共通液室用の溝は、インク供給口7と対向する領域に形成されている。液流路用の溝は、発熱素子8ごとに、共通液室用の溝と連通して各発熱素子8の上まで延びて形成されている。さらに、被覆樹脂層2には、各発熱素子8と対向する位置で液流路用の溝に連通して被覆樹脂層2のシリコン基板1との接合面と反対側の面に開口する吐出口5が形成されている。したがって、吐出口5も発熱素子8と同様に配列されることになる。
上述したシリコン基板1と被覆樹脂層2とが接合されることにより、シリコン基板1と被覆樹脂層2との間には、インク供給口7に連通した共通液室、および共通液室から分岐して設けられてそれぞれ吐出口5が開口した複数の液流路が形成される。そして、各液流路にはそれぞれ発熱素子8が配されている。本発明では、この液流路から吐出口5までの構造をノズルという。
インクは、毛細管現象によってインク供給口7から共通液室を経由して各液流路に供給される。液流路に供給されたインクはさらに吐出口5を満たし、インク自身の表面張力もしくはインクをインク供給口7側へ引き戻す負圧により、吐出口5からあふれることなく保持される。
この状態でパルス状の電圧パルスを発熱素子8に印加し、発熱素子8を発熱させると、発熱素子8上のインクが膜沸騰する。この膜沸騰により生じた気泡の生成圧力によって、発熱素子8上のインクが吐出口5からインク滴となって吐出される。
本実施形態の記録ヘッドは、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、発熱素子8およびその駆動回路、配線を形成したシリコン基板1を用意する。そのシリコン基板1上に、溶解可能な樹脂で共通液室および液流路のパターンで犠牲層を形成し、形成した犠牲層の上に被覆樹脂層2を形成する。
次いで、被覆樹脂層2の表面に、酸素プラズマ耐性の高い材料で、吐出口5のパターンと、蒸発口のパターンをフォトリソグラフィにより形成する。形成したこれらのパターンをマスクとして酸素プラズマで被覆樹脂層2をドライエッチングし、被覆樹脂層2に吐出口5および蒸発口を形成する。シリコン基板1に対しては、被覆樹脂層2が形成された面と反対側の面から、強アルカリによる異方性エッチングによりインク供給口7を、被覆樹脂層2が形成された面まで貫通する形で形成する。
その後、犠牲層を溶出し、吐出口5と、インク供給口7と、これらを結ぶ液流路および共通液室とを有する記録ヘッド11が、1つのチップとして製造される。
記録ヘッド11〜14は、図7に示すように、アルミナ製の台座10の表面に、ノズル列11a〜14aが被記録媒体上での記録ヘッド11〜14の走査方向と直交するように、走査方向に沿って接着される。台座10には、各記録ヘッド11〜14のインク供給口7(図4参照)に連通するインク流路15〜18が形成されている。各インク流路15〜18は、それぞれタンクホルダ20に設けられたタンク接続口31〜34(図2参照)と連通している。一方、図2に示すように、各インクタンク41〜44には供給口41a〜44aが設けられており、インクタンク41〜44がタンクホルダ20に搭載されることによって、各供給口41a〜44aがタンク接続口31〜34に接続される。これによって、インクタンク41〜44内に収容されたインクは、供給口41a〜44a、タンク接続口31〜34およびインク流路15〜18を通って、記録ヘッド11〜14に供給される。
再び図3および図7を参照すると、台座10は、被記録媒体上での記録ヘッド11〜14の走査方向に対して正面方向となる両側面に、整流面10A1および整流面10A2を有する整流構造50を備えている。また、台座10は、記録ヘッド11〜14が取り付けられるヘッド面10Bと、走査方向に対して平行な側面10C1、10C2とを有する。
整流面10A1と整流面10A2との間の挟み角θは180度より小さい角度であり、記録ヘッドのノズル列11a〜14aの内側から両端側に広がった凹形状をなしている。つまり、整流面10A1とヘッド面10Bとの境界である整流辺10b1と、整流面10A2とヘッド面10Bとの境界である整流辺10b2との間の挟み角θは180度より小さく、ノズル列11a〜14aの内側から両端側に広がった凹形状をなしている。
次に、記録ヘッド11〜14を走査させた際の台座10周りの空気の流れを図8A、図8Bを用いて以下に説明する。図8Aは、記録走査時における記録ヘッドカートリッジを、走査方向と直交する方向から見た図である。図8Bは、記録走査時における記録ヘッドカートリッジを、吐出口が形成された面側から見た図である。なお、図8Aおよび図8Bにおいて記録ヘッドカートリッジは右方向に走査されている。
記録ヘッド11〜14が走査されることで空気が整流面10A1および整流面10A2にぶつかる。以下、整流面10A1と整流面10A2とは辺10aを軸に対称であるため、整流面10A1側の空気の流れを例に説明する。整流面10A1にぶつかった空気の一部は整流面10A1上を整流辺10b1に向かって流れる。発明者らは、鋭意努力の結果、整流面10A1上を整流辺10b1に向かって流れ、整流辺10b1を通過してヘッド面10Bと被記録媒体との間に流れ込む空気の向きは、整流辺10b1に対してほぼ直交する方向に流れる傾向があることを突き止めた。本願発明の整流構造50は、この原理を利用したものである。すわなち、整流面10A1にぶつかった空気の一部はヘッド面10Bと被記録媒体との間に流れ込もうとする(図8A中の矢印αで示す流れ)が、整流辺10b1に到達した空気は整流辺10b1に概ね直交する方向に流れようとする。このため、整流辺10b1を通過した空気は側面10C1側に向かってヘッド面10B上を流れる。同様に整流面10A2にぶつかって整流辺10b2を通過した空気は、側面10C2の方に向けてヘッド面10B上を流れる。このように、整流構造50を通過して記録ヘッドと被記録媒体との間に流れ込もうとする空気の流れは、整流辺10b1、10b2の作用により、ノズル列11a〜14aの内側から両端側へと分かれて流れるように整流される(図8B中の矢印βで示す流れ)。
ところで、記録ヘッド11〜14と被記録媒体との間に生じる気流による影響は、ヘッド面10Bと、側面10C1、10C2との境界となる辺10c1、辺10c2に近ければ近いほど大きい。したがって、辺10c1、辺10c2に近いノズル列ほどインク滴の飛翔経路が大きく曲げられる。つまり、ノズル列の両端付近から吐出されたインク滴の飛翔経路はノズル列の内側方向へと大きく曲げられてしまう。その結果、インク滴の着弾位置が内側にずれてしまい、被記録媒体にはいわゆる白スジと呼ばれる欠陥が発生していた。
これに対して、本実施形態の場合、上述した整流構造50により空気の流れをノズル列の内側から両端側へと向かうように補正している。このため、インク滴の着弾位置がノズル列の内側にずれることがなく、よっていわゆる白スジの発生を防止することができる。
また、整流構造50の整流面10A1および整流面10A2は走査方向に向かって凹形状をなすことにより、走査時に整流面10A1および整流面10A2にぶつかった空気をより多く台座10と被記録媒体との間に導くことができる。その結果、上記補正の効果をより高めることができる。
なお、上述した例では、整流辺10b1および整流辺10b2からなる2つの斜辺はそれぞれ直線であるため、ノズル列11a〜14aの長手方向に対する整流辺10b1、10b2の角度は一定角となる。しかしながら、本願発明はこれに限定されるものではない。すわなち、整流辺10b1と整流辺10b2は段階的にノズル列11a〜14aの長手方向に対する角度が変えられたものであってもよいし、あるいは直線ではなく曲線であってもよい。
また、本実施形態では、整流面10A1および整流面10A2が走査方向に対して垂直に形成された面を例に示したが傾斜して設けられているものであってもよい。
また、整流面10A1および整流面10A2とヘッド面10Bとの境界となる整流辺10b1、10b2における空気の剥離を回避するため、整流辺10b1、10b2に面取り加工を施してもよい。
(第2の実施形態)
図9Aは、記録走査時における本実施形態の記録ヘッドカートリッジ46を、走査方向と直交する方向から見た図である。図9Bは、記録走査時における本実施形態の記録ヘッドカートリッジ46を、吐出口が形成された面側から見た図である。
第1の実施形態に示した整流構造50は整流辺10b1と整流辺10b2との間の挟み角θは一つの角度で固定されたものであった。これに対して、本実施形態の整流構造51は、以下に説明するように、サーボモータ53および2本のラックギア54により、整流辺110a1と整流辺110b1との間の挟み角θを可変なものとした点で第1の実施形態と異なる。しかしながら、インク滴の着弾位置を適正なものとするため、空気の流れを二分させてノズル列の内側から外側方向へと整流するといった基本的な原理および効果は同様であるため、第1の実施形態と同様の点についての詳細な説明は省略するものとする。
整流構造51は、走査方向に面する整流面110がその中心で整流面110A1、110A2に二分割されている。整流面110A1と整流面110A2とはその分割部分に設けられたギア55が互いにかみ合うことで連動するようになっている。整流面110A1のギア55が設けられた端部とは反対側の端部と、ラックギア54の端部とは接続部材56で接続されている。図9Bにおいてサーボモータ53が時計回りに回転すると、各ラックギア54は記録ヘッド11〜14から離れる方向に変位する。なお、記録ヘッド11〜14から離れる方向とは、図9Bでは、サーボモータ53のピニオンギアの上方でかみ合うラックギア54は右側に変位する方向を指し、下側でかみ合うラックギア54は左側に変位する方向を指す。各ラックギア54が記録ヘッド11〜14から離れる方向に変位すると、整流面110A、110A2とは、ギア55により連動することで整流面110A1と整流面110A2との間の挟み角θが狭められる方向に回動する。つまり、整流辺110a1と整流辺110b1との間の挟み角θが狭められることで整流辺110a1、110b1を通過した空気は、ノズル列の、より外側方向へと流れの向きが変えられる。
逆に各ラックギア54が記録ヘッド11〜14に近づく方向に変位すると、整流面110A1、110A2は整流面110Aと整流面110A2との間の挟み角θが拡がる方向に回動する。この場合、整流辺110a1と整流辺110b1との間の挟み角θが拡がることで整流辺110a1、110b1を通過した空気は、やや外側方向へと流れの向きが変えられる。
以上のように、本実施形態の整流構造51は、ノズル列の内側から外側方向へと向かう空気の流れの角度を広げたり、狭めたりすることができる。つまり、記録条件により変動するノズル列の内側へと流れる空気流を補正するための最適な空気流れを発生させることができる。
なお、整流面110A1、110A2の開き具合の調整はラックアンドピニオン方式によるものに限定されるものではない。例えば、各整流面110A1、110A2をサーボモータで直接回動させるものであってもよいし、あるいは電磁力、空気圧、油圧などにより駆動されるアクチュエータを用いるものであってもよい。
サーボモータ53の回転変位量は図10のブロック図に示すような信号処理回路により制御される。
パラレルI/F60は不図示のホストとASIC(Application Specific Integrated Circuit)61とを接続するインターフェイスである。ASIC61は、パラレルI/F60を通じてホストから送られてきた画像データを吐出イベントデータに変換する機能を有する。ROM63には、整流面110A、110Bの挟み角θを記録ヘッドの印字デューティーに対して最適なものに調節できる回転変位量を得られるような駆動信号に対応付けられたテーブルが予め記憶されている。
パラレルI/F60を介してホストから送信されてきた画像データはASIC61で吐出イベントデータに変換される。CPU(Central Processing Unit)62は吐出イベントデータに基づいて印字デューティーを計算する。CPU62により算出された印字デューティーはROM63に記憶されたテーブルによって駆動信号に変換された後、ASIC61へと送信される。ASIC61は、駆動信号をサーボモータドライバ64に送信し、サーボモータドライバ64は駆動信号に基づきサーボモータ65を駆動し、所望の回転変位量が発生する。
なお、上記例は発熱素子により発生させた熱エネルギーによりインクに気泡を生じさせ、その気泡の生成圧力によりインクを吐出する方式のインクジェット記録ヘッドおよびこれを用いたインクジェット記録装置であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の適用は、例えば圧電素子の変位によりインクを吐出する方式のインクジェット記録ヘッドおよびこれを用いたインクジェット記録装置にも適用することができる。なぜなら圧電素子を用いたインクジェット記録ヘッドにおいても、上記インク滴の着弾位置が内側にずれることによる画像欠陥である白スジの発生が問題となるからである。
本発明の一実施形態であるインクジェット記録装置の模式的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態の記録ヘッドカートリッジの分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態の記録ヘッドカートリッジをコンタクト基板側から見た斜視図である。 本発明の第1の実施形態の記録ヘッドの主要部を表す破断斜視図である。 本発明の第1の実施形態の記録ヘッドの主要部を表す平面図である。 図5に示す記録ヘッドのA−A’線における断面図である。 本発明の第1の実施形態の記録ヘッドと台座との分解斜視図である。 記録走査時における記録ヘッドカートリッジを、走査方向と直交する方向から見た図である。 記録走査時における記録ヘッドカートリッジを、吐出口が形成された面側から見た図である。 本発明の第2の実施形態の記録ヘッドカートリッジを、記録走査時における走査方向と直交する方向から見た図である。 本発明の第2の実施形態の記録ヘッドカートリッジを、吐出口が形成された面側から見た図である。 サーボモータの回転変位量を制御する信号処理回路のブロック図である。
符号の説明
台座 10
整流面 10A1、10A2
整流辺 10b1、10b2
ヘッド面10B
記録ヘッド 11〜14
ノズル列 11a〜14a
記録ヘッドカートリッジ 46
キャリッジ 103

Claims (5)

  1. 被記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置の往復走査自在な保持手段に着脱自在に搭載され、前記保持手段の走査方向と直交する方向に配列されたノズル列からインクを吐出する記録ヘッドを有するカートリッジにおいて、
    前記被記録媒体に対向するヘッド面に前記記録ヘッドを備える台座を有し、
    前記台座の、前記走査方向に対して正面方向となる整流面と前記ヘッド面との境界である整流辺が前記ノズル列の内側から両端側に向けて広がる凹形状であることを特徴とするカートリッジ。
  2. 前記台座は前記整流面を動かすことで前記凹形状の広がり具合を変更させる可動手段を有する、請求項1に記載のカートリッジ。
  3. 前記可動手段は、前記記録ヘッドの印字デューティに応じて前記広がり具合を変更する、請求項2に記載のカートリッジ。
  4. 前記整流辺は少なくとも2つの斜辺を有し、前記可動手段は前記2つの斜辺の間の挟み角を変更することで前記広がり具合を変更する、請求項3に記載のカートリッジ。
  5. 被記録媒体を搬送する搬送手段と、ノズル列からインクを吐出する記録ヘッドを有するカートリッジを着脱自在に保持する往復走査自在な保持手段とを有し、前記ノズル列からインクを吐出して前記被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記保持手段は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のカートリッジを保持することを特徴とするインクジェット記録装置。
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