JP2007326060A - 尿石防止剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】各種水洗式便所の排水管、特にトラップ内への尿石の付着防止に極めて有効な尿石防止剤を提供する。
【解決手段】有機過酸ポリマーとカルボン酸系低分子量ポリマーを有効成分とする尿石防止剤。
【選択図】なし
【解決手段】有機過酸ポリマーとカルボン酸系低分子量ポリマーを有効成分とする尿石防止剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、尿石防止剤に関する。本防止剤は、各種水洗式便所の排水管、特にトラップ内への尿石の付着防止に極めて有効である。
水洗式のトイレにおいてはフラッシュバルブなどの水洗用弁を開弁させることにより、所定量の洗浄水が流れる仕組みになっている。この際に流れる洗浄水としては、水道水(上水)、あるいはビルなどにおいては厨房設備の排水や雨水等をろ過処理して利用される再利用水(中水)などが用いられる。近年水資源節約という観点から、中水をトイレ用洗浄水として利用する試みが多くなされている。
しかしながら、トイレからの排水管には、尿の分解により生成するカルシウム系化合物と有機物との混合物のスケール、いわゆる尿石が固着し、尿及び洗浄水の流れを阻害し、甚だしい場合には排水管を閉塞する。また、尿及び尿石中の有機物は、細菌により腐敗分解し悪臭が発生する。殊に中水を洗浄水として利用しているトイレでは、洗浄水中のりん酸イオン、アンモニウムイオン、カルシウム硬度、重炭酸イオンが上水よりも多く含まれる場合が多く、極めて尿石を形成しやすい傾向にある。
尿石を形成する機構は以下に述べる通りである。排泄直後の尿のpHは5.5〜6.5の酸性領域にあるが、時間の経過と共に尿素分解酵素であるウレアーゼの影響によりアンモニアと炭酸ガスに分解し、そのpHが急速に上昇する。尿と洗浄水との混合液においては、pHが7.5以上になると尿中に含まれるカルシウムイオン、りん酸イオン及び尿の分解により生成した炭酸ガスとが反応し、水に難溶性のカルシウムアパタイトおよび炭酸カルシウムが生成し、これらに尿中の有機物が吸着されて、便器、便器排水管、トラップ、等の尿が接触する部分に固着して尿石となる。
これらに鑑み、強力な洗浄能力を有する酸性水やオゾン水を洗浄水と併せて供給するシステムも開発されているが、酸性水やオゾン水を用いた場合は、配管等の便器に付設された部材等が劣化しやすいという問題がある(特許文献1参照)。また、これらが人体に接触すると安全性の面からも問題がある。
他方、ウレアーゼの影響によるアンモニアの発生を阻止するため、尿石防止剤に殺菌成分として次亜塩素酸、塩素化イソシアヌル酸、ハロゲン化ヒダントインなどのハロゲン系化合物、あるいは2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2−ブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、アルキルジメチルアンモニウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−イソチアゾリン−3−オン等有機系殺菌剤、水溶性銀ガラス等の水溶性銀化合物、りん酸カルシウム銀、ケイ酸カルシウム銀、硝酸銀等の無機銀塩、銀錯体担持シリカゲル等の銀系殺菌剤等が多用されてきた(特許文献2、3参照)。
しかしながら、ハロゲン系殺菌剤は尿中に存在するアンモニウムイオンと反応して、クロラミンを生成し効力が著しく低下したり、発ガン性が疑われる塩化メタン、臭化メタン等の副生が取り沙汰されており、非ハロゲン系の殺菌剤を使用したものが好まれる傾向にある。また、銀系殺菌剤に関しても日常環境下で普通に存在する塩化物イオンと反応して、効力が著しく低下するという欠点がある。更に銀は高価な貴金属であるため、多量に添加することは経済的でない。一方、有機系殺菌剤の使用によりウレアーゼによる尿素の分解を阻止したとしても、中水を洗浄水として利用しているトイレにおいては、カルシウムアパタイトおよび炭酸カルシウムといった難溶性塩類濃度が飽和度以上に達しており、尿石の発生を防止し得なかった。
特開2003−64758号公報
特許第2907194号公報
特開平11−292725号公報
本発明の目的は、背景技術における上記したような課題を解決し、安定した効果を発揮し得る尿石防止剤を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を行った結果、有機過酸ポリマーとカルボン酸系低分子量ポリマーからなる尿石防止剤をトイレ洗浄水に添加することにより、塩化物イオン及びアンモニウムイオンといった殺菌力を低下させる共存物質が存在しても殺菌性能が低下しないこと、塩化メタン、臭化メタン等発ガン性が疑われる物質を副生するおそれがないこと、中水を洗浄水に利用するトイレにおいても尿石の形成を防止し得ることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明は、有機過酸ポリマーとカルボン酸系低分子量ポリマーを有効成分とする尿石防止剤に関するものである。
各種水洗式便所の排水管に尿石防止剤を添加することにより、幅広いトイレ洗浄水水質に対して安定した尿石防止効果を発揮し、産業上有用である。
本発明の有機過酸ポリマーは、構成単位中にカルボキシル基を有するポリマーであって、該カルボキシル基の一部がペルオキシカルボキシル基に換わったことペルオキシカルボキシル基に換わったことを特徴とする。カルボキシル基を有するポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸マレイン酸コポリマー若しくはアクリル酸アクリル酸アミドコポリマー、又はそれらの金属塩が挙げられる。
本発明の有機過酸ポリマーは、有機過酸ポリマーの一部のカルボキシル基がペルオキシカルボキシル基に置き換わった構造を有するものであるが、その置換割合に特に制限はなく、必要に応じて所望の割合とすれば良い。置換割合は、例えば1〜90%(低いと過酸としての効果が出ず、高いのは製造不可)である。
本発明の有機過酸ポリマーは、構成単位中にカルボキシル基を有するポリマーと過酸化水素を混合することにより得ることができ、その混合割合によりカルボキシル基のペルオキシカルボキシル基の置換割合を制御することが可能である。置換割合は例えば1〜90%である。過酸過水素は、3〜90重量%の市販のものを用いることができる。混合割合は、例えば、ポリアクリル酸の場合、ポリアクリル酸1重量部と過酸化水素2重量部(35重量%過酸化水素)である。また、混合の際、カルボン酸系低分子量ポリマーを加えて酸性溶液とし、反応を促進させることが好ましい。また、安定性を改善するために安定剤を加えても良い。
本発明に使用されるカルボン酸系低分子量ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸ソーダ、(メタ)アクリル酸-アクリルアミド共重合体などのアクリル酸と他のモノマーとの共重合体、ポリ無水マレイン酸、無水マレイン酸−イソブチレン共重合体などの無水マレイン酸と他の共重合体、さらにはアクリル酸−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
さらに下記一般式(1)で示されるホスフィン酸もしくはそのナトリウム塩を含有するカルボン酸系ポリマー、ビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸、またはこれらのナトリウム塩、下記一般式(2)で示されるホスフィノカルボン酸共重合物も使用できる。
これらのカルボン酸系ポリマーは、一般に分子量500〜50,000の範囲のものが使用される。なお、混合剤として特に好ましいカルボン酸系ポリマーは、アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム・次亜りん酸ナトリウム付加重合物であり、商品名ベルクレン400(Biolab社)として50%水溶液で入手することができる。
さらに含有してもよいホスホン酸またはその塩としては、従来から水系のスケール防止剤として使用されているものがそのまま適用できるが、好ましい化合物を具体的に挙げると、アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン―1,2,4―トリカルボン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸などのホスホノカルボン酸及びその塩、特にナトリウム塩等である。
本発明の混合剤は通常液状で得られ、配合される化合物の配合量は、原則的にはそれぞれの目的で使用される範囲内で使用されるが、好ましい配合割合は、過酸化水素5〜70%、カルボキシル基を有するポリマー1〜35%、カルボン酸系低分子量ポリマー/またはホスホン酸類10〜50%である。
本発明の尿石防止剤はトイレ洗浄水に対する添加量について制限はされないが、10〜100mg/lとなるように添加することが好ましい。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
トイレ生息菌数を104個/mlとなるように調整した人工尿10倍希釈相当液(表1参照)を試験水とした。下記に示した本発明剤を試験水に30mg/lとなるように添加した後、32℃で24時間振とうした際の培養法による生菌数測定結果を表2、試験水pHの推移を表3に示した。この時、比較対象としてブランク(薬剤無添加系)、硝酸銀を銀イオン濃度として1.0mg/lとなるように添加した系、次亜塩素酸ナトリウム,塩化ベンザルコニウム塩(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド:日本油脂(株)製カチオンS2−100)を同時に試験した。
トイレ生息菌数を104個/mlとなるように調整した人工尿10倍希釈相当液(表1参照)を試験水とした。下記に示した本発明剤を試験水に30mg/lとなるように添加した後、32℃で24時間振とうした際の培養法による生菌数測定結果を表2、試験水pHの推移を表3に示した。この時、比較対象としてブランク(薬剤無添加系)、硝酸銀を銀イオン濃度として1.0mg/lとなるように添加した系、次亜塩素酸ナトリウム,塩化ベンザルコニウム塩(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド:日本油脂(株)製カチオンS2−100)を同時に試験した。
本発明剤
ポリアクリル酸(分子量5000、和光純薬工業製)2.0gに35重量%過酸化水素水(三菱瓦斯化学製)6.7g、ベルクレン400 8.7gを加え、ポリアクリル酸を溶解して60℃で4日間攪拌し続けた。この反応により得られた溶液中の過酸化水素の濃度(過マンガン酸カリウム適定)と過ポリアクリル酸濃度(ヨードメトリー)を求めたところ、過酸化水素濃度13.1%、過ポリアクリル酸濃度2.9%であった。
ポリアクリル酸(分子量5000、和光純薬工業製)2.0gに35重量%過酸化水素水(三菱瓦斯化学製)6.7g、ベルクレン400 8.7gを加え、ポリアクリル酸を溶解して60℃で4日間攪拌し続けた。この反応により得られた溶液中の過酸化水素の濃度(過マンガン酸カリウム適定)と過ポリアクリル酸濃度(ヨードメトリー)を求めたところ、過酸化水素濃度13.1%、過ポリアクリル酸濃度2.9%であった。
実施例2
平均的な中水水質を再現した人工尿10%混入模擬中水(表4参照)に本発明剤を30mg/l添加後、32℃で48時間振とうした際の試験水中カルシウム硬度及びりん酸根濃度の経時変化をICP発光分析法により追跡した。この時の結果を表5、表6に各々示す。なお、実施例1によりほとんど殺菌効果が見られなかった硝酸銀、次亜塩素酸ナトリウムは比較対象物から除外し、塩化ベンザルコニウム塩のみを比較対象物として試験した。
平均的な中水水質を再現した人工尿10%混入模擬中水(表4参照)に本発明剤を30mg/l添加後、32℃で48時間振とうした際の試験水中カルシウム硬度及びりん酸根濃度の経時変化をICP発光分析法により追跡した。この時の結果を表5、表6に各々示す。なお、実施例1によりほとんど殺菌効果が見られなかった硝酸銀、次亜塩素酸ナトリウムは比較対象物から除外し、塩化ベンザルコニウム塩のみを比較対象物として試験した。
Claims (5)
- 有機過酸ポリマーとカルボン酸系低分子量ポリマーを有効成分とする尿石防止剤。
- さらに、ホスホン酸またはその塩を含有する請求項1記載の尿石防止剤。
- 有機過酸ポリマーが構成単位中にカルボキシル基を有するポリマーであって、該カルボキシル基の一部がペルオキシカルボキシル基に換わったことを特徴とする請求項1又は2記載の尿石防止剤。
- カルボキシル基を有するポリマーが、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸マレイン酸コポリマー若しくはアクリル酸アクリル酸アミドコポリマー、又はそれらの金属塩である請求項3記載の尿石防止剤。
- カルボン酸系低分子量ポリマーがアクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム・次亜りん酸ナトリウム付加重合物である請求項1記載の尿石防止剤。
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JP2011218305A (ja) * | 2010-04-12 | 2011-11-04 | Dia Aqua Solutions Co Ltd | 尿石防止剤 |
CN104710023A (zh) * | 2015-02-15 | 2015-06-17 | 中国海洋石油总公司 | 无磷环保型海水循环冷却水专用阻垢分散剂的制法 |
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2006
- 2006-06-08 JP JP2006160208A patent/JP2007326060A/ja active Pending
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