JP2007324615A - コイル用巻き枠及びコイル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は超電導コイルに用いて好適なコイル用巻き枠及びコイルに関し、信頼性及びコイル特性の向上を図ることを課題とする。
【解決手段】円筒状部32とフランジ部33とにより構成される巻き枠本体15Aに、前記円筒状部32を芯とし、前記フランジ部33を側壁とする巻き線巻回部24が形成されたコイル用巻き枠において、前記円筒状部32とフランジ部33とを別部材とする。
【選択図】図6

Description

本発明はコイル用巻き枠及びコイルに係り、特に超電導コイルに用いて好適なコイル用巻き枠及びコイルに関する。
一般に、ワインド・アンド・リアクト法(巻き線をコイル用巻き枠に巻回した後、樹脂含浸させて固定してコイルとする方法)を用いて酸化物超電導コイルを製造する場合、超電導組成を形成させるため、巻き線をコイル用巻き枠に巻回した後、800〜900℃の熱処理を実施している。この際、コイル用巻き枠も巻き線(線材)と一緒に熱処理するため、コイル用巻き枠はこの熱処理に耐えうる材料とする必要がある。具体的には、熱処理に耐えうるコイル用巻き枠の材料としては、例えばアルミナ、ジルコニア、マグネシア等のファインセラミックが挙げられる(特許文献1〜3参照)。
しかしながら、これらセラミックは加工性が悪く、コストも高く、接合はほとんど不可能であるため実用上問題がある。また、加工可能なマシナブルセラミックがあるが、これは加工可能ではあるが脆いため加工精度は悪く、更にコストも高いため、本材料も実用上問題がある。
また、ファインセラミック、マシナブルセラミックはサーマルショックに弱いため、製造されたコイルを超電導状態とするために冷却する冷却過程において、コイル巻き枠に亀裂を生じてしまうことが多々あった。更に、上記のようにセラミックを使用する場合、SiO2成分が多いと焼成中に酸化物超電導材と反応し超電導特性を劣化させるおそれがある。このため、SiO2成分を押さえた純度の高いセラミック材料が要求されるという問題点もあった。
尚、本明細書の説明において、ファインセラミックとセラミックは同じ意味で用いており、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、窒化珪素、窒化アルミ等のセラミックを指している。一般にセラミックと言う場合、成形、焼成等の工程を経て得られる非金属無機材料を指し、陶磁器、セメント、ガラス等もこれに含まれる。
一方、商業ベースとなっている金属系超電導体として、NbSnが知られている。このNbSnよりなる巻き線は、NbSn線材に絶縁材としてのガラスを被覆した構成とされている。このNbSnよりなる巻き線(以下、NbSn巻き線という)を用いて超電導コイルを製造するには、ステンレス製のコイル用巻き枠(以下、単に巻き枠という)にNbSn巻き線を巻回し、500〜700℃にて熱処理を行い超電導化している。
図8及び図9は、超電導コイルに用いるステンレス製の巻き線枠40を示している。図8は巻き線枠40の斜視図であり、図9はその断面図である。図8に示すように、巻き線枠40は、円筒状部42の上下端部にフランジ部43を配設した構成とされている。NbSn巻き線(図示せず)は、この円筒状部42に巻回される。
この際、ステンレスは導電性を有しているため、ステンレス製の巻き線枠40とNbSn巻き線との間で電気的絶縁を取る必要がある。このため、巻き線枠40のNbSn巻き線が巻回される部分には、熱処理を実施しても変質しない絶縁体(マイカ)44,45が配設されている。
マイカ44は棒状の形状をしており、円筒状部42の外周を囲うように配設される(図9参照)。また、マイカ45は円板形状を有しており,フランジ部43に配設される。このマイカ44,45は、ステンレスに接着できない。このため、マイカ44,45は、Nb3Sn巻き線を巻き線枠40に巻回するときに、NbSn巻き線と円筒状部42との間、及びNbSn巻き線とフランジ部43の間に挟み込むようにして配設される構成とされていた。
特開昭55−146910号公報 特開平01−100901号公報 特開平05−226142号公報
しかしながら、上記のようにマイカ44,45を巻き線枠40に配設する構成では、NbSn巻き線を巻き線枠40に巻回する処理が面倒であるという問題点があった。
また、巻き線枠40が複雑な形状であったり、また精度が要求される形状であったりする場合には、これにマイカ44,45を配設するのが困難で、巻き線枠40とNbSn巻き線との間で十分な絶縁をとることができないという問題点があった。
更に、マイカ44を配設することにより、NbSn巻き線と巻き線枠40との間に必然的に空間ができるため、超電導コイルとして使用する際に冷却効率が低くなり、十分な超電導特性を得ることができないおそれがあるという問題点があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、信頼性及びコイル特性の向上を図り得るコイル用巻き枠及びコイルを提供することを目的とする。
上記の課題は、本発明の第1の観点からは、
円筒状部とフランジ部とにより構成される巻き枠本体に、前記円筒状部を芯とし、前記フランジ部を側壁とする巻き線巻回部が形成されたコイル用巻き枠において、
前記円筒状部とフランジ部とを別部材としたことを特徴とするコイル用巻き枠により解決いることができる。
また上記の課題は、本発明の他の観点からは、
請求項1記載のコイル用巻き枠と、
該コイル用巻き枠の巻き線巻回部に巻回された巻き線とにより構成されたことを特徴とするコイルにより解決することができる。
また、上記発明において、前記巻き線を酸化物超電導線としてもよい。
本発明によれば、円筒状部とフランジ部とを別部材としたことにより、円筒状部材とフランジ部の材質を互いに異ならせることが可能となり、コイル用巻き枠の設計の自由度を向上させることができる。
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図1は、本発明の前提となる第1参考例である超電導コイル1Aが設けられた冷却機冷却型超電導マグネット装置を示している。尚、以下の説明において、本発明を超電導コイルに適用した例について説明するが、本発明の適用は超電導コイルに限定さるものではなく、高温環境(例えば500〜900℃)で製造或いは使用されるコイルに広く適用できるものである。
図1に示す冷却機冷却型超電導マグネット装置は、真空容器30内に2個の超電導コイル1Aを上下に離間して配置した構成とされている。この超電導コイル1Aは、2段式GM冷凍機3からの固体熱伝導のみで冷却する構成とされている。
真空容器30内に設置される超電導コイル1Aは、後に詳述するように巻き線2と巻き枠4Aとにより構成されている。下部に位置する超電導コイル1Aは、巻き線2の端部に巻始め電極5Aと巻終り電極5Bとを有している。同様に、上部に位置する超電導コイル1Aも、巻き線2の端部に巻始め電極6Aと巻終り電極6Bとを有している。
そして、下部に位置する超電導コイル1Aの巻終り電極5Bは、ブスバー(上下接続リード)7を介し、上部に位置する超電導コイル1Aの巻始め電極6Aと接続されている。これにより、上部に位置する超電導コイル1Aと、下部に位置する超電導コイル1Aは直列に接続された構成となっている。
また、下部に位置する超電導コイル1Aの巻き枠4Aは、図示していない支柱に連結された第2熱負荷フランジ8上に固定されている。この第2熱負荷フランジ8は、GM冷凍機3の第2段冷却ステージ3Bに伝熱体9で連結されている。従って、下部に位置する超電導コイル1Aは、第2熱負荷フランジ8上に配設されている巻き枠4Aからの伝熱で冷却される。
一方、上部に位置する超電導コイル1Aの巻き枠4Aは、下部に位置する超電導コイル1Aの巻き枠4Aと熱的に連結されている。このため、上部に位置する超電導コイル1Aも、下部に位置する超電導コイル1Aの巻き枠4Aを介してGM冷凍機3と接続された第2熱負荷フランジ8に熱的に接続されている。これにより、上部に位置する超電導コイル1Aも冷却が行われる構成となっている。更に、上部に位置する超電導コイル1Aの上部には放熱板21が設けられており、この放熱板21によっても放熱が行われるよう構成されている。
また、上部に位置する超電導コイル1Aの巻終り電極6B、及び下部に位置する超電導コイル1Aの巻始め電極5Aは、酸化物超電導電流リード10を介してそれぞれ電源に接続されている。この酸化物超電導電流リード10は、上部に低温側電極10Aが設けられると共に、下部に高温側電極10Bが設けられている。
低温側電極10Aは、前記した第2熱負荷フランジ8とは電気的に絶縁されているが、熱的には第2熱負荷フランジ8と接続され冷却される。この低温側電極10Aは、ブスバー7を介して上部に位置する超電導コイル1Aの巻終り電極6Bに電気的に接続されている。
高温側電極10Bは、第1熱負荷フランジ11に銅網線12,銅製電流リード13,絶縁板14を介して熱的に接続されている。しかしながら、高温側電極10Bは、これらの各部材12〜14と電気的には絶縁された構成とされている。
一方、図中Tで示すのは冷凍機3の第1段冷却ステージ3Aと第1熱負荷フランジ11との伝熱体であり、また16は真空シール電流導入端子である。また、図示していないが、下部に位置する超電導コイル1Aの巻始め電極5Aにも上記酸化物超電導電流リード10を介して上記接続手段と同様な手段で電源に接続されている。更に、図中17は熱シールド板、18は真空容器主フランジ、19は架台、20は磁場空間である。
次に、超電導コイル1Aの詳細について説明する。尚、上部に位置する超電導コイル1Aと下部に位置する超電導コイル1Aは同一構成であるため、上部に位置する超電導コイル1Aについて説明するものとする。
図2は、上部に位置する超電導コイル1Aを示す断面図である。前記したように、超電導コイル1Aは大略すると巻き線2と巻き枠4Aとにより構成されている。また、上部に位置する超電導コイル1Aでは、巻き枠4Aの上部に放熱板21が配設されている。
巻き線2は、図3に断面を拡大して示すように、超電導材料であるNbSnよりなる線材26と、この線材26を被服し絶縁する被覆材27とにより構成されている。この被覆材27としては、例えばガラス材を用いることができる。
巻き枠4Aは、巻き枠本体15Aとセラミック層25とにより構成されている。
巻き枠本体15Aは非磁性金属材よりなり、円筒状部22とフランジ部23とにより構成されている。本参考例では、巻き枠本体15Aの材質となる非磁性金属材として非磁性ステンレスを用いており、また円筒状部22とフランジ部23とを一体的に形成した構成とされている。
このように、巻き枠本体15Aを非磁性ステンレス等の非磁性金属材により形成したことにより、従来のようにセラミックにより巻く枠本体を形成する構成に比べ、加工性良く巻き枠本体15Aを形成することができる。従って、円筒状部22とフランジ部23とを一体化した形状であっても、巻き枠本体15Aを容易に形成することができる。
上記のように、巻き枠本体15Aは22とフランジ部23を有している。円筒状部22は円筒形状を有しており、フランジ部23は円盤形状とされている。そして、フランジ部23は、円筒状部22の両端部に配設される。これにより、巻き枠本体15Aには、円筒状部22を芯とし、フランジ部23を側壁とする巻き線巻回部24が形成される。巻き線2は、この巻き線巻回部24内に形成される。
一方、セラミック層25は、上記構成とされたフランジ部23と巻き線巻回部24とにより構成される巻き枠本体15Aの表面全面に形成されている。本参考例では、このセラミック層25としてアルミナ(Al)を用いている。
また、セラミック層25は、図4に示すように、溶射ノズル31を用いて巻き枠本体15Aに向けセラミック材25(アルミナ)をアセチレンガス溶射することにより形成する。この際、巻き枠本体15Aの表面を予めショットブラスト加工等の表面処理を施しておくことにより、セラミック層25の巻き枠本体15Aへの密着性を向上させる構成としてもよい。
溶射は、溶射ノズル31を用いてセラミック層25をコーティングする構成であるため、溶射ノズル31の向きを変化させることにより種々の形状のものに対しセラミック層25のコーティングを行なうことができる。このため、巻き枠本体15Aが円筒状部22とフランジ部23とよりなる複雑な形状であっても、巻き枠本体15Aの全外周にセラミック層25を形成することができる。また、溶射によればセラミック層25を巻き枠本体15Aに均一に形成することができるため、セラミック層25の形成むらに起因して、巻き枠本体15Aと巻き線2との間で短絡が発生することを防止できる。
また、本参考例では、上記のようにセラミック層25の材質としてアルミナ(Al)を用いている。しかしながら、この他にもセラミック層25の材料としては、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、窒化アルミ(AlN)、窒化珪素(Si)、或いは炭化珪素(SiC)を用いることができる。
セラミック層25としてアルミナ,ジルコニア,マグネシアを用いた場合には、巻き線2として酸化物超電導材料を用いても、この酸化物超電導材料よりなる巻き線2とセラミック層25との間で反応が発生することを防止できる。また、セラミック層25としてアルミナ,窒化アルミ,窒化珪素,或いは炭化珪素を用いた場合には、超電導材料として汎用されているNBSnを用いても、この超電導材料よりなる巻き線2とセラミック層25との間で反応が発生することを防止できる。
また、セラミック層25は、上記したアルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、窒化アルミ(AlN)、窒化珪素(Si)、及び炭化珪素(SiC)からなる群から選ばれる1種類のみにより形成してもよく、また上記セラミック群か選ばれる2種類以上のセラミックを積層した構成とてもよい。
このようにセラミック層25を2種類以上のセラミックを積層した構成とした場合には、セラミック層25の膨張率を徐々に変えることができ、よって巻き枠4Aの変形及びセラミック層25の剥離を防止することができる。
また、セラミック層25は、上記したセラミック群から選ばれる2種類以上のセラミックを混合溶射した構成としてもよい。このようにセラミック層25を2種類以上のセラミックを混合溶射した場合には、セラミック層25の性質、特に膨張率を調整することができ、巻き枠4Aの変形及びセラミック層25の剥離を防止することができる。
また、セラミック層25の厚さは、0.1mm〜1.0mmの範囲となるよう形成されている。セラミック層25の厚さは、溶射時間の管理を行なうことにより、容易に制御することができる。このように、セラミック層25の厚さを0.1mm〜1.0mmと薄く形成することにより、巻き枠本体15Aに巻回する巻き線2のターン数(巻き線密度)を増大することができる。これにより、超電導コイル1Aの小型化を図りつつ、かつ発生磁力の増大を図ることができる。
ここで、セラミック層25の厚さの下限を0.1mmとしたのは、セラミック層25の厚さが0.1mm未満となると、溶射によりセラミック層25を均一の厚さで形成することが困難となり、巻き枠本体15Aに部分的に露出した部位が発生するおそれがあるからである。また、セラミック層25の厚さの上限を1.0mmとしたのは、セラミック層25の厚さが1.0mmを超えると、巻き線密度を上げられず(即ち、巻き線2の巻回ターン数が少なくなり)、コイル特性が低下してしまう。また、セラミック層25が1.0mmを超える厚さであると、巻き枠本体15Aとの熱膨張差によりセラミック層25に亀裂が生じたり、巻き枠本体15Aから剥離したりするおそれがあるからである。
上記のように巻き枠本体15Aにセラミック層25を形成することにより、非磁性ステンレス(電導性を有する)は、絶縁性を有したセラミック層25により電気的に絶縁される。また、セラミック(本参考例の場合は、アルミナ)は耐熱性が高いため、高温環境下に置かれたとしても剥離したり変質したりするようなことはない。よって、高温環境下においても、巻き枠本体15Aと巻回された巻き線2を確実に絶縁することができる。
本発明者は、非磁性ステンレスよりなる巻き枠本体15Aにアセチレンガス溶射によりアルミナを0.3mmの厚さで均一にコーティングし、その後に巻き線巻回部24に酸化物超電導線材(Bi2212)を巻回し超電導コイル1Aを形成し、これを約900℃の焼成温度で熱処理する実験を行った。
その結果、巻き枠本体15Aとセラミック層25との間に剥離は発生しておらず、またセラミック層25に亀裂等の欠陥も見つからなかった。更に、冷却時の亀裂,剥離等を確認するため、焼成処理した超電導コイル1Aを液体窒素に浸漬したところ、変化は見られなかった。また、コイル特性としては、短尺線と略同等の臨海電流密度を得ることができ、セラミック層25をコーティングした巻き枠4Aは超電導特性に影響がないことが証明された。よって、本参考例に係る巻き枠4Aを用いることにより、超電導コイル1Aの信頼性を向上させることができる。
尚、参考のために、セラミック層25を形成しない巻き枠本体15Aを上記と同温度で熱処理したところ、表面は酸化により真っ黒となった。また、セラミック層を形成する他の方法として、ディップ法により巻き枠本体15Aにアルミナ(セラミック層)をコーティングする実験を行った。そして、ディップ法によりアルミナをコーティングした超電導コイル1Aを上記と同温度で熱処理したところ、溶射によりセラミック層25を形成する場合に比べ、剥離,亀裂が発生する確率が高く、また液体窒素による冷却処理においても同様の結果がでた。よって、以上の結果より、セラミック層25の形成方法としては、溶射を用いることが望ましい。
一方、本参考例に係る超電導コイル1Aは、巻き枠4Aの上部に放熱板21を設けた構成としている。この放熱板21は例えば銅板であり、熱伝導部材28を用いて接合されている。この放熱板21は巻き枠4Aに対して熱膨張率が高いため、放熱板21を巻き枠4Aに強固に固定しても、この固定位置において応力や変形が発生してしまう。
そこで本参考例では、放熱板21と巻き枠4Aとを熱的に接続する熱伝導部材28として、アピエゾングリース(低融点グリース)を用いている。これにより、放熱板21と巻き枠4Aとの間に熱膨張差があっても、変形や応力が発生することなく超電導コイル1Aの熱を効率よく放熱板21から放熱することが可能となる。
尚、この熱伝導部材28は、上記したアピエゾングリース(低融点グリース)に限定するものではなく、液状或いは塑性変形しやすいもので、かつ熱伝導性の良好なものであれば、他のグリースを用いても、また金属シート(例えば、インジウムシート)を用いることも可能である。
次に、第2参考例について説明する。
図5は、第2参考例である超電導コイル1Bを示している。尚、図5において、図1乃至図4に示した構成と同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。また、後述に図6及び図7を用いて説明する第3実施例においても同様とする。
前記した第1参考例では、セラミック層25を巻き枠本体15Aの表面上に直接コーティングする構成としていた。これに対して本参考例に係る超電導コイル1Bでは、巻き枠本体15Aの外周表面に先ず中間層29を形成し、この中間層29の上部にセラミック層25を形成したことを特徴とするものである。即ち、本参考例に係る超電導コイル1Bは、巻き枠本体15Aとセラミック層25との間に中間層29を配設したことを特徴とするものである。
この中間層29は、巻き枠本体15Aとセラミック層25との密着性を向上させる機能を奏するものであり、具体的にはコバール(Ni29%−Co17%−Fe54%)を用いることができる。尚、この中間層29の材質は、巻き枠本体15Aとなる金属と、セラミック層25となるセラミック材の中間的な物理特性(熱膨張率,機械的強度等)を有するものであれば、他の材質を用いることも可能である。
本参考例のように、巻き枠本体15Aとセラミック層25との間に両者の密着性を向上する中間層29を形成したことにより、セラミック層25が巻き枠本体15Aから剥離することを防止できる。これにより、巻き線2と巻き枠本体15Aとの間で短絡が発生することをより確実に防止でき、超電導コイル1Bの信頼性を更に向上させることができる。
次に、本発明の一実施例について説明する。
図6及び図7は、本実施例である超電導コイル1C及びこれに用いる巻き枠4Cを示している。前記した各参考例に係る超電導コイル1A,1Bでは、円筒状部22とフランジ部23は一体的な構成とされていた。これに対して本実施例に係る超電導コイル1Cでは、巻き枠本体15Aを構成する円筒状部材32(第1の部材)とフランジ部材33(第2の部材)とを別部材としたことを特徴とするものである。
このように、巻き枠4Cを別部材とされた円筒状部材32とフランジ部材33とにより構成したことにより、巻き枠4Cの設計の自由度を向上させることができる。例えば、円筒状部材32とフランジ部材33の材質を互いに異ならせることが可能となり、またセラミック層25の形成位置を円筒状部材32とフランジ部材33に選択的に形成することも可能となる。
また、本発明の適用は超電導コイルに限定されるものではなく、例えば高温環境下で使用されるコイルにも適用できるものである。具体的には、高炉の近傍で使用されるマグネットリフティング用のコイルに適用することが考えられる。
図1は、本発明の第1参考例であるコイルが設けられた冷却機冷却型超電導マグネット装置を示す構成図である。 図2は、本発明の第1参考例であるコイルを示す断面図である。 図3は、コイルに巻回される巻き線の断面図である。 図4は、巻き枠にセラミック材を溶射する処理を示す図である。 図5は、本発明の第2参考例であるコイルを示す断面図である。 図6は、本発明の一実施例であるコイルを示す断面図である。 図7は、本発明の一実施例であるコイルを構成する巻き枠の分解斜視図である。 図8は、従来の一例であるコイルを構成する巻き枠の斜視図である。 図9は、図8に示す巻き枠の断面図である。
符号の説明
1A〜1C 超電導コイル
2 巻き線
3 GM冷凍機
4A〜4C 巻き枠
15A 巻き枠本体
21 放熱板
22 円筒状部
23 フランジ部
24 巻き線巻回部
25 セラミック層
25a セラミック材
26 線材
27 被覆材
28 熱伝導部材
29 中間層
30 真空容器
31 溶射ノズル
32 円筒状部材
33 フランジ部材

Claims (3)

  1. 円筒状部とフランジ部とにより構成される巻き枠本体に、前記円筒状部を芯とし、前記フランジ部を側壁とする巻き線巻回部が形成されたコイル用巻き枠において、
    前記円筒状部とフランジ部とを別部材としたことを特徴とするコイル用巻き枠。
  2. 請求項1記載のコイル用巻き枠と、
    該コイル用巻き枠の巻き線巻回部に巻回された巻き線と、
    により構成されたことを特徴とするコイル。
  3. 請求項2記載のコイルにおいて、
    前記巻き線を酸化物超電導線としたことを特徴とするコイル。
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