JP2007324212A - マイクロチャネル内蔵モジュールおよびモジュール集合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、マイクロチャネルとキャリアとの位置合わせ精度を高精度に維持しつつ、容易に接合できるようにしたマイクロチャネル内蔵モジュールおよびモジュール集合体を得る。
【解決手段】一対の位置合わせ突起15が、平坦面の位置合わせ面15aをキャリア12の表面に直交させ、かつ、互いに直交するように、キャリア12の表面に突設されている。また、冷媒供給流路16および冷媒排出流路17が、所定距離離れて、流路方向をキャリア12の表面と直交させて、キャリア12に穿設されている。そして、ヒートシンク構造体1が基体の側面を位置合わせ突起15の位置合わせ面15aに接して位置合わせられ、キャリア12に接合されている。
【選択図】図3

Description

この発明は、半導体素子が反フィン側の面に接合されたマイクロチャネルと冷媒流路が設けられたキャリアとを接合してなるマイクロチャネル内蔵モジュールおよびモジュール集合体に関するものである。
従来の集積回路パッケージは、ヒートシンク構造体を備えている。このヒートシンク構造体は、外部源からの冷却液を受ける開口と、冷却液を排出する開口とを備えている。金属バス条帯の端子端部は外部電源接続を行い、ヒートシンク構造体の上部に支持されている。カバーおよび方形のガスケットは、パッケージの上部を密閉している。そして、ヒートシンク構造体には、半導体素子を冷却するために、溝幅80μm、溝間隔80μm、溝深さ240μmのマイクロチャネルが形成されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、薄型ヒートシンクの冷却能力は、ヒートシンクの表面と冷却液との接触面積Sと、ヒートシンクの表面から冷却液への対流熱伝達率(以下、熱伝達率という)hとの積(S×h)で表され、この値が大きいほど、冷却能力が高い。そして、冷却液がヒートシンクの溝に流れる時に、溝幅が小さいほど、伝熱面(ヒートシンクの溝表面)から冷却液に向かう方向に生じる温度境界層が薄くなって、温度勾配が高くなることから、高い熱伝達率hが得られることが知られている。
特開昭62−252958号公報
従来の集積回路パッケージでは、μmオーダの溝幅のマイクロチャネルをヒートシンクに形成して熱伝達率hを高め、発熱する半導体素子を効果的に冷却している。しかしながら、従来の集積回路パッケージには、マイクロチャネルとキャリアとの接合部における位置合わせについて、何等言及していない。つまり、マイクロチャネルは寸法が小さいため、マイクロチャネルとキャリアとの位置合わせ精度にも、厳しい精度が要求され、組立時に多大な労力を要する。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、マイクロチャネルとキャリアとの位置合わせ精度を高精度に維持しつつ、容易に接合できるようにしたマイクロチャネル内蔵モジュールおよびモジュール集合体を得ることを目的とする。
この発明によるマイクロチャネル内蔵モジュールは、平板状の基体、該基体の一面側から該基体の一部を除去して互いに離間して凹設された一対の冷媒溜め部、および上記基体の一面側から上記一対の冷媒溜め部間の該基体の一部を除去して該一対の冷媒溜め部を連通するように形成されたマイクロチャネルを有するヒートシンク構造体と、上記マイクロチャネルの形成領域に相対して上記基体の他面に接合された半導体素子と、上記基体の一面に接合されて上記一対の冷媒溜め部および上記マイクロチャネルを塞口するとともに、該一対の冷媒溜め部のそれぞれに接続される冷媒供給流路および冷媒排出流路が形成されたキャリアと、を備えている。そして、位置合わせ突起が上記キャリアの上記基体と接合する側の面に突設され、上記基体がその側面を上記位置合わせ突起に接して上記キャリアに接合されている。
この発明によれば、基体の側面をキャリアに突設されている位置合わせ突起に接するようにキャリア上に配置することで、基体のキャリアに対する位置合わせが行われるので、基体とキャリアとの位置合わせ精度を確保しつつ、簡易に基体をキャリアに接合することができ、マイクロチャネル内蔵モジュールの生産性が高められる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るマイクロチャネル内蔵モジュールに適用されるヒートシンク構造体を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係るマイクロチャネル内蔵モジュールを示す断面図、図3はこの発明の実施の形態1に係るマイクロチャネル内蔵モジュールにおけるヒートシンク構造体とキャリアとの接合状態を説明する分解斜視図である。
まず、本発明のマイクロチャネル内蔵モジュールに適用されるヒートシンク構造体1について、図1を参照しつつ説明する。
ヒートシンク構造体1は、シリコンや金属からなる平板状の基体2から構成されている。そして、一対の冷媒溜め部3a,3bが基体2の一面側から基体2の一部を除去して互いに離間して基体2に凹設されている。また、マイクロチャネル4が基体2の一面側から一対の冷媒溜め部3a,3b間の基体2の一部を除去して一対の冷媒溜め部3a,3bを連通するように基体2に形成されている。
ここで、冷媒溜め部3a,3bおよびマイクロチャネル4は、例えば、エッチングや機械加工により基体2の一面側から基体2の一部を部分的に除去して形成される。
つまり、厚みtbのベース5、ベース5の各辺縁部に立設された側壁6a〜6dおよびマイクロチャネル4により囲まれた空間が、冷媒溜め部3a,3bを構成している。また、マイクロチャネル4が、冷媒溜め部3a,3b間に、高さHfのフィン7をフィン間隔fsかつフィンピッチ(フィン間隔+フィン厚さ)fpで配列して構成されている。
この種の薄型ヒートシンクの冷却能力は、ヒートシンクの表面と冷媒との接触面積Sと、ヒートシンクの表面から冷却液への対流熱伝達率hとの積(S×h)で表され、この値が大きいほど、冷却能力が高い。そして、冷媒がヒートシンクのフィン7間を流れる時に、フィン間隔fsが小さいほど、フィン7の表面の法線方向に沿って形成される温度境界層が薄くなるため、温度勾配の値が大きくなる。熱伝達率hは、この温度勾配の値に比例することから、熱伝達率hを向上させるには、フィン間隔fsをできるだけ小さくすることが望ましい。
しかしながら、エッチングによる加工精度や冷媒が流れる際の異物によるフィン7間の目詰まり防止の制約から、フィン間隔fsを20〜100μm、フィンピッチfpを30〜150μm、フィン高さHfを100〜300μmとすることが望ましい。このようなヒートシンクは、フィン間隔fs、フィンピッチfp、およびフィン高さHfの各寸法がμmのオーダーであることから、マイクロチャネルと呼ばれ、高い熱伝達率hが期待できる。
図2において、FET(電解効果トランジスタ)などの半導体素子10が、基体2のベース5を挟んでマイクロチャネル4の形成領域(W×L)と対向する領域内に収まるように、ベース5の外壁面に接合部材11を用いて接合されている。そこで、マイクロチャネル4の形成領域(W×L)は、半導体素子10の接合面より大きくすることが望ましい。また、冷媒の流れる方向のフィン7の長さLが長いほど、冷媒を流したときの圧力損失も高くなるので、例えば、W=2mm、L=0.5mm等のようにW>Lとすることが望ましい。また、半導体素子10で発生する熱がベース5を介してフィン7に伝達しやすいように、接合部材11は熱伝導性の良好な部材を用いることが望ましい。
そして、半導体素子10が接合された基体2は、接合部材13を用いて側壁6a〜6dの端面をキャリア12の表面に接合されている。これにより、冷媒溜め部3a,3bおよびマイクロチャネル4の開口側がキャリア12により塞口されている。また、半導体素子10で発生する熱がベース5および側壁6a〜6dを介してキャリア12に伝達しやすいように、接合部材13は熱伝導性の良好な部材を用いることが望ましい。
また、樹脂、金属などで作製されたカバー14が、ヒートシンク構造体1を覆うように、キャリア12に気密に接合されている。これにより、半導体素子10は、外部から遮断され、保護される。
また、半導体素子10とマイクロチャネル4(フィン7)との間の距離が短いほど、熱抵抗が小さくなる。この間の熱抵抗が小さくなると、半導体素子10で発生される熱量がマイクロチャネル4のフィン7間を流れる冷媒に伝わりやすくなるので、基体2のベース5の厚みtbはできるだけ薄くすることが望ましい。また、基体2のベース5の厚みtbを薄くし過ぎると、機械的強度が著しく低下する。そこで、基体2のベース5の厚みtbは、例えば20〜150μmの範囲に設定することが望ましい。
このキャリア12は、CuW、アルミナ、AlN、Cu、コバールなどを用いて矩形平板状に作製されている。そして、一対の位置合わせ突起15が、図3に示されるように、平坦面の位置合わせ面15aをキャリア12の表面に直交させ、かつ、互いに直交するように、キャリア12の表面に突設されている。また、冷媒供給流路16および冷媒排出流路17が、所定距離離れて、流路方向をキャリア12の表面と直交させて、キャリア12に穿設されている。
そこで、基体2が、側壁6c,6dの外壁面を位置合わせ面15aに当接させて、キャリア12の表面に接合されている。そして、冷媒供給流路16が冷媒溜め部3aに開口し、冷媒排出流路17が冷媒溜め部3bに開口している。なお、冷媒供給流路16および冷媒排出流路17の流路径は1.0mm〜5.0mmに形成され、マイクロチャネル4を構成するフィン7の各寸法のオーダーより一桁以上大きくなっている。
ケース18は、Alなどで一側を開口とする箱形に形成されている。そして、補助冷媒供給流路19および補助冷媒排出流路20がケース18の底部に穿設されている。
キャリア12は、冷媒供給流路16および冷媒排出流路17を補助冷媒供給流路19および補助冷媒排出流路20に相対してケース18の底部上に配置され、ケース18にねじなどにより接合されている。この時、パッキンとしてのOリング21が冷媒供給流路16および冷媒排出流路17の開口を囲繞するようにキャリア12の裏面に凹設された環状溝22内に配設され、キャリア12とケース18との間に加圧状態に介装され、冷媒の漏れを防止している。また、カバー23がケース18の開口を塞口するように気密に接合され、ヒートシンク構造体1、キャリア12などが外部から保護されている。
このように、半導体素子10、ヒートシンク構造体1、キャリア12、ケース18およびカバー14,23がモジュール構造体30を構成している。
冷却ブロック24は、Al、Cu等の金属や耐腐食性の樹脂等で矩形平板状に作製されている。そして、冷媒供給管路25および冷媒排出管路26が冷却ブロック24に内蔵されている。また、冷媒供給管路25の供給孔25aおよび冷媒排出管路26の排出孔26aが冷却ブロック24の表面に開口している。なお、冷媒供給流路16、冷媒排出流路17、補助冷媒供給流路19、補助冷媒排出流路20、供給孔25aおよび排出孔26aは同一断面形状に形成されている。
ケース18が、補助冷媒供給流路19および補助冷媒排出流路20を冷媒供給管路25の供給孔25aおよび冷媒排出管路26の排出孔26aに相対して冷却ブロック24の表面上に配置され、冷却ブロック24にねじなどにより接合されている。これにより、モジュール構造体30が冷却ブロック24に組み付けられる。この時、パッキンとしてのOリング27が補助冷媒供給流路19および補助冷媒排出流路20の開口を囲繞するようにケース18の裏面に凹設された環状溝28内に配設され、ケース18と冷却ブロック24との間に加圧状態に介装され、冷媒の漏れを防止している。また、冷却ブロック24がねじなどによりケース18に接合されているので、モジュール構造体30からの冷却ブロック24の取り外しが容易となる。
ついで、このように構成されたマイクロチャネル内蔵モジュール100における半導体素子10の冷却動作について説明する。なお、フィルタなどで濾過した不純物の少ない水やエチレングリコールなどの不凍液が半導体素子10の冷却用の冷媒として用いられる。
まず、冷媒が冷媒供給管路25から補助冷媒供給流路19および冷媒供給流路16をとおって冷媒溜め部3aに流入し、その後、マイクロチャネル4のフィン7間を流通する。ここで、半導体素子10で発生した熱は、基体2のベース5を介してマイクロチャネル4のフィン7に伝達される。そこで、冷媒は、フィン7間を流通する際に、フィン7の表面から半導体素子10の熱を吸収して、冷媒溜め部3bに流入する。その後、冷媒は、冷媒排出流路17および補助冷媒排出流路20を通って冷媒排出管路26に流入し、外部に排出される。この時、キャリア12とケース18との間での冷媒の漏れ、およびケース18と冷却ブロック24との間での冷媒の漏れは、それらの間に介装されているOリング21,27により防止されている。
この実施の形態1によれば、位置合わせ突起15をキャリア12の表面に突設し、基体2の側壁6a〜6dの外壁面を位置合わせ突起15に接することで、基体2のキャリア12に対する位置合わせを行うようにしている。そこで、基体2のキャリア12に対する位置合わせ精度を維持しつつ、簡易に基体2をキャリア12に接合できる。
また、位置合わせ面15aが平坦面に形成されているので、基体2の側壁6a〜6dの外壁面が位置合わせ面15aに面接触状態になり、基体2のキャリア12に対する位置合わせ精度が高精度に確保されると共に、より簡易に基体2をキャリア12に接合できる。
また、ヒートシンク構造体1が基体2の一部を一面側から除去して構成されているので、ベース5、側壁6a〜6dおよびフィン7が一体成形され、接合箇所がない。そこで、ヒートシンク構造体1の製造工程が減少されると共に、その機械的強度が高められ、耐久性が向上される。
また、半導体素子10が、基体2のベース5を挟んでマイクロチャネル4の形成領域(W×L)と対向する領域内に収まるように、ベース5の外壁面に接合部材11を用いて接合されている。そこで、半導体素子10で発生する熱は、ベース5の厚さ方向と直交する方向に拡がることなく、ベース5の厚さ方向に位置するマイクロチャネル4のフィン7に直接熱伝導される。つまり、熱がベース5の厚さ方向と直交する方向に拡がることに起因する熱抵抗の増大が抑制され、半導体素子10で発生する熱がフィン7から冷媒に効率的に放熱される。
また、フィン7の高さHfはμmオーダーと非常に小さい。仮に、1mmの直径の冷媒供給管路から、冷媒の供給方向をフィン7間の溝方向(冷媒の流通方向)と一致させて冷媒を供給する場合、流路断面積がマイクロチャネル4の上流側の冷媒溜め部3aで急激に縮小される。そして、冷媒は、流路断面積が急激に縮小する部位で渦を発生し、圧力損失が増大してしまう。これを回避するには、冷媒供給管路の直径を1mmからHfまで漸次縮小してマイクロチャネル4の上流側の冷媒溜め部3aに冷媒を供給する必要がある。流路断面積を漸次縮小することは、モジュールの大型化をもたらすことになる。
この実施の形態1では、冷媒供給流路16および冷媒排出流路17の流路径をフィン7の各寸法のオーダーより一桁以上大きくし、冷媒供給流路16および冷媒排出流路17の流路方向をフィン7間の溝方向と直交させている。
このため、モジュールの大型化を伴うことなく、冷媒供給流路16および冷媒排出流路17の断面積を大きくすることができる。従って、冷媒供給流路16および冷媒排出流路17の冷媒の流速を減少できるため、圧力損失の増大を抑制できる。
また、冷媒供給流路16、冷媒排出流路17、補助冷媒供給流路19および補助冷媒排出流路20の流路径が1.0mm〜5.0mmに形成されているので、キャリア12とケース18との位置合わせが容易となる。同様に、補助冷媒供給流路19、補助冷媒排出流路20、供給孔25aおよび排出孔26aの流路径が1.0mm〜5.0mmに形成されているので、ケース18と冷却ブロック24との位置合わせが容易となる。
ここで、接合部材11,13について説明する。接合部材11,13には、熱伝導性の良好な接着剤やハンダ部材を用いることが望ましく、特に、信頼性の観点から、ハンダ部材を用いることが望ましい。
そして、作業効率の観点から、半導体素子10と基体2との接合と、基体2とキャリア12との接合とを、別工程で行うことが望ましい。その場合には、融点の高い接合部材を先の接合工程で用い、融点の低い接合部材を後の接合工程で用いることが望ましい。
例えば、AuGe(融点:356℃)又はAuSi(融点:363℃)などのハンダ部材を接合部材11に用い、AuSn(融点:280℃)などのハンダ部材を接合部材13に用い、半導体素子10と基体2とを接合部材11により接合した後、基体2とキャリア12とを接合部材13により接合すればよい。これにより、基体2とキャリア12との接合時に、半導体素子10と基体2との接合部が溶融せず、作業効率が向上する。
なお、上記実施の形態1では、冷媒供給流路16および補助冷媒供給流路19の流路断面が円形に形成されているものとしているが、その断面形状は円形に限定されるものではなく、例えば、多角形であってもよい。また、冷媒供給流路16および補助冷媒供給流路19の流路断面形状を同一とすることが望ましい。なお、冷媒排出流路17および補助冷媒排出流路20においても、同様である。
また、上記実施の形態1では、接合部材11,13としてAuGe、AuSi、AuSnなどのハンダ部材を用いるものとしているが、ハンダ部材はAuGe、AuSi、AuSnに限定されるものではない。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2に係るマイクロチャネル内蔵モジュールを示す断面図である。
図4において、マイクロチャネル内蔵モジュール101は、上記実施の形態1におけるケース18の底部に開口を形成したケース18Aを用い、キャリア12をケース18Aの底部の開口を利用して冷却ブロック24に直接ねじなどにより接合している。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態2によれば、ケース18Aと冷却ブロック24との間での冷媒の漏洩を防止するためのOリング27および環状溝28が不要となり、モジュールの製造工程が削減できると共に、製造コストを低減できる。
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3に係るマイクロチャネル内蔵モジュールを示す断面図である。
図5において、マイクロチャネル内蔵モジュール102は、環状溝22を補助冷媒供給流路19および補助冷媒排出流路20を囲繞するようにケース18の底部表面に凹設し、環状溝28を供給孔25aおよび排出孔26aを囲繞するように冷却ブロック24の表面に凹設している。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
キャリア12が硬いCuWで作製されている場合には、溝加工が困難であり、加工時間も増大してしまう。
この実施の形態3によれば、Oリング21,27を収納する環状溝22,28がAlなどで作製されるケース18およびAl,Cuなどで作製される冷却ブロック24に形成されているので、溝加工が容易となり、加工時間も短縮することができる。
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4に係るマイクロチャネル内蔵モジュールを示す断面図である。
図6において、マイクロチャネル内蔵モジュール103は、上記実施の形態3におけるケース18の底部に開口を形成したケース18Aを用い、キャリア12をケース18Aの底部の開口を利用して冷却ブロック24に直接ねじなどにより接合している。
なお、他の構成は上記実施の形態3と同様に構成されている。
この実施の形態4によれば、ケース18Aと冷却ブロック24との間での冷媒の漏洩を防止するためのOリング27および環状溝28が不要となり、モジュールの製造工程が削減できると共に、製造コストを低減できる。
実施の形態5.
図7はこの発明の実施の形態5に係るマイクロチャネル内蔵モジュールにおけるヒートシンク構造体とキャリアとの接合状態を説明する分解斜視図である。
図7において、一対の位置合わせ突起15Aが、平坦面の位置合わせ面15aをキャリア12の表面に直交させ、かつ、互いに直交するように、キャリア12の表面に突設されている。そして、空気逃げ溝15bが、溝方向をキャリア12の表面と直交する方向に一致させて、位置合わせ面15aを横断するように凹設されている。この空気逃げ溝15bの一端はキャリア12の表面に達している。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態5では、基体2の側壁6c,6dの外壁面が位置合わせ面15aに当接され、接着剤やハンダ部材などの接合部材13を用いて側壁6a〜6dの端面がキャリア12の表面に接合される。そして、接合時、接合部材13が軟化あるいは溶融した際、接合部材13や接合部に含まれる空気が、キャリア12の表面に達している空気逃げ溝15bの一端から空気逃げ溝15bをとおって逃げる。そこで、接合部材13が硬化した際に、接合部内にボイドの発生が抑えられ、接合強度の低下や漏水の発生が防止される。
実施の形態6.
図8はこの発明の実施の形態6に係るマイクロチャネル内蔵モジュールにおけるヒートシンク構造体とキャリアとの接合状態を説明する分解斜視図である。
図8において、一対の位置合わせ突起15Bが、平坦面の位置合わせ面15aをキャリア12の表面に直交させ、かつ、互いに直交するように、キャリア12の表面に突設されている。そして、空気逃げ溝15cが、キャリア12の表面と位置合わせ面15aとの交線に沿って凹設されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態6では、基体2の側壁6c,6dの外壁面が位置合わせ面15aに当接され、接着剤やハンダ部材などの接合部材13を用いて側壁6a〜6dの端面がキャリア12の表面に接合される。そして、接合時、接合部材13が軟化あるいは溶融した際、接合部材13や接合部に含まれる空気が、空気逃げ溝15cをとおって逃げる。そこで、接合部材13が硬化した際に、接合部内にボイドの発生が抑えられ、接合強度の低下や漏水の発生が防止される。
一般に、突起をキャリアの表面に形成する場合、アールが突起とキャリア表面との境界部に形成されやすい。そして、アールが形成されていると、基体2の側壁の外壁面が突起の位置合わせ面に接触しなくなり、位置合わせ精度が悪化する。しかし、この実施の形態6では、空気逃げ溝15cがキャリア12の表面と位置合わせ面15aとの交線に沿って凹設されているので、基体2の側壁6c,6dの外壁面を位置合わせ面15aに確実に当接でき、位置合わせ精度を高めることができる。
実施の形態7.
図9はこの発明の実施の形態7に係るマイクロチャネル内蔵モジュール集合体に適用される冷却ブロックを示す上面図、図10はこの発明の実施の形態7に係るマイクロチャネル内蔵モジュール集合体を示す上面図である。なお、図10中、矢印は冷媒の流れを示している。
図9において、冷却ブロック31内には、冷媒供給管路32と冷媒排出管路33とが管路方向を平行として所定の間隔を持って内蔵されている。そして、冷媒供給管路32の供給孔32aが管路方向に所定のピッチで冷却ブロック31の表面に開口されている。また、冷媒排出管路33の排出孔33aが管路方向に所定のピッチで冷却ブロック31の表面に開口されている。そこで、管路方向と直交する線上に位置する供給孔32aと排出孔33aとの対が、管路方向に所定のピッチで複数配列されている。さらに、締着用のネジ穴34が冷却ブロック31に形成されている。さらにまた、冷媒供給管路32には冷媒供給管35が接続され、冷媒排出管路33には冷媒排出管36が接続されている。
そして、上記実施の形態1によるモジュール構造体30が、図10に示されるように、ケース18の補助冷媒供給流路19および補助冷媒排出流路20を、対をなす供給孔32aおよび排出孔33aに相対して冷却ブロック31の表面上に所定のピッチで配置され、ネジ穴34を用いて冷却ブロック31に締着固定されている。これにより、複数のモジュール構造体30が冷却ブロック31に一体に組み付けられる。
このように構成されたマイクロチャネル内蔵モジュール集合体では、冷媒が外部から冷媒供給管35を介して冷却ブロック31の冷媒供給管路32に流入する。そして、冷媒は、各供給孔32aから各モジュール構造体30の補助冷媒供給流路19および冷媒供給流路16を流通して冷媒溜め部3aに流入する。ついで、冷媒は、マイクロチャネル4を流通する際に、半導体素子10で発生した熱を吸収し、冷媒溜め部3bに流入する。さらに、冷媒は、冷媒排出流路17および補助冷媒排出流路20を流通して各排出孔33aから冷媒排出管路33に流入し、合流して冷媒排出管36から外部に排出される。
この実施の形態7によれば、複数のモジュール構造体30が1つの冷却ブロック31に接合されており、コンパクトな構成のマイクロチャネル内蔵モジュール集合体を得ることができる。
また、モジュール構造体30が冷却ブロック31に着脱可能に取り付けられているので、故障のモジュール構造体30のみを容易に交換することができる。
なお、上記実施の形態7では、上記実施の形態1によるモジュール構造体30を冷却ブロック31に組み付けるものとしているが、実施の形態2〜6によるモジュール構造体を冷却ブロックに組み付けるようにしてもよい。
この発明の実施の形態1に係るマイクロチャネル内蔵モジュールに適用されるヒートシンク構造体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係るマイクロチャネル内蔵モジュールを示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係るマイクロチャネル内蔵モジュールにおけるヒートシンク構造体とキャリアとの接合状態を説明する分解斜視図である。 この発明の実施の形態2に係るマイクロチャネル内蔵モジュールを示す断面図である。 この発明の実施の形態3に係るマイクロチャネル内蔵モジュールを示す断面図である。 この発明の実施の形態4に係るマイクロチャネル内蔵モジュールを示す断面図である。 この発明の実施の形態5に係るマイクロチャネル内蔵モジュールにおけるヒートシンク構造体とキャリアとの接合状態を説明する分解斜視図である。 この発明の実施の形態6に係るマイクロチャネル内蔵モジュールにおけるヒートシンク構造体とキャリアとの接合状態を説明する分解斜視図である。 この発明の実施の形態7に係るマイクロチャネル内蔵モジュール集合体に適用される冷却ブロックを示す上面図である。 この発明の実施の形態7に係るマイクロチャネル内蔵モジュール集合体を示す上面図である。
符号の説明
1 ヒートシンク構造体、2 基体、3a,3b 冷媒溜め部、4 マイクロチャネル、10 半導体素子、11 接合部材、12 キャリア、13 接合部材、15,15A,15B 位置合わせ突起、15a 位置合わせ面、15b,15c 空気逃げ溝、16 冷媒供給流路、17 冷媒排出流路、18 ケース、19 補助冷媒供給流路、20 補助冷媒排出流路、21,27 Oリング(パッキン)、24、31 冷却ブロック、25,32 冷媒供給管路、25a,32a 供給孔、26,33 冷媒排出管路、26a,33a 排出孔、30 モジュール構造体。

Claims (9)

  1. 平板状の基体、該基体の一面側から該基体の一部を除去して互いに離間して凹設された一対の冷媒溜め部、および上記基体の一面側から上記一対の冷媒溜め部間の該基体の一部を除去して該一対の冷媒溜め部を連通するように形成されたマイクロチャネルを有するヒートシンク構造体と、
    上記マイクロチャネルの形成領域に相対して上記基体の他面に接合された半導体素子と、
    上記基体の一面に接合されて上記一対の冷媒溜め部および上記マイクロチャネルを塞口するとともに、該一対の冷媒溜め部のそれぞれに接続される冷媒供給流路および冷媒排出流路が形成されたキャリアと、を備え、
    位置合わせ突起が上記キャリアの上記基体と接合する側の面に突設され、上記基体がその側面を上記位置合わせ突起に接して上記キャリアに接合されていることを特徴とするマイクロチャネル内蔵モジュール。
  2. 上記基体の側面に接する上記位置合わせ突起の部位が平面状の位置合わせ面に形成されていることを特徴とする請求項1記載のマイクロチャネル内蔵モジュール。
  3. 溝が上記位置合わせ面を上記キャリアから離反する方向に横断して該位置合わせ面に凹設され、該溝の一端が上記キャリアの上記基体と接合する側の面に達していることを特徴とする請求項2記載のマイクロチャネル内蔵モジュール。
  4. 溝が上記位置合わせ面と上記キャリアの上記基体と接合する側の面との交線に沿って凹設されていることを特徴とする請求項2記載のマイクロチャネル内蔵モジュール。
  5. 上記冷媒供給流路および冷媒排出流路は、それぞれ上記一対の冷媒溜め部に臨むように上記キャリアの上記基体と接合する側の面に開口していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のマイクロチャネル内蔵モジュール。
  6. 上記半導体素子と上記基体とが第1ハンダ部材を用いて接合され、上記基体と上記キャリアとが上記第1ハンダ部材と異なる融点の第2ハンダ部材を用いて接合されていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のマイクロチャネル内蔵モジュール。
  7. 上記第1ハンダ部材の融点が上記第2ハンダ部材の融点より高いことを特徴とする請求項6記載のマイクロチャネル内蔵モジュール。
  8. 上記冷媒供給流路および冷媒排出流路はそれぞれ上記キャリアの冷媒溜め部側と反冷媒溜め部側とを連通するように穿設され、
    冷媒供給管路および冷媒排出管路が内蔵され、該冷媒供給管路の供給孔および該冷媒排出管路の排出孔が一面側に開口するブロックをさらに備え、
    上記キャリアと上記ブロックとが、上記冷媒供給流路の開口と上記冷媒供給管路の供給孔とを対向させ、かつ、上記冷媒排出流路の開口と上記冷媒排出管路の排出孔とを対向させて、上記供給孔および排出孔をそれぞれ囲繞するパッキンを介装して接合されていることを特徴とする請求項5記載のマイクロチャネル内蔵モジュール。
  9. 請求項5記載のマイクロチャネル内蔵モジュールが冷媒供給管路と冷媒排出管路とが内蔵されているブロックの一面上に複数接合されているマイクロチャネル内蔵モジュール集合体において、
    上記マイクロチャネル内蔵モジュールの上記冷媒供給流路および冷媒排出流路はそれぞれ上記キャリアの冷媒溜め部側と反冷媒溜め部側とを連通するように穿設され、
    上記冷媒供給管路の供給孔および上記冷媒排出管路の排出孔が上記ブロックの一面側に複数開口され、
    上記マイクロチャネル内蔵モジュールのそれぞれが、上記冷媒供給流路の開口と対応する上記冷媒供給管路の供給孔とを対向させ、かつ、上記冷媒排出流路の開口と対応する上記冷媒排出管路の排出孔とを対向させて、上記供給孔および排出孔をそれぞれ囲繞するパッキンを介装して上記ブロックの一面上に接合されていることを特徴とするマイクロチャネル内蔵モジュール集合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1145152A (ja) * 1997-07-28 1999-02-16 Melco:Kk 発電式無電源マウス
JP2014116404A (ja) * 2012-12-07 2014-06-26 Mitsubishi Electric Corp 冷却装置
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CN111968944A (zh) * 2020-08-24 2020-11-20 浙江集迈科微电子有限公司 一种射频模组超薄堆叠工艺

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