JP2007323864A - 大気圧グロー放電プラズマ発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大気圧グロー放電プラズマ発生装置の小形化。
【解決手段】放電ギャップG1は、放電電極6U,放電電極6V,放電電極6Wによって囲まれた微小間隙から形成されている。プラズマ原料ガス導入管5は、この放電ギャップG1に、プラズマ原料ガスを送り込むガス管であり、このプラズマ原料ガス導入管5の軸は、外管1の軸と一致している。セラミックスから成るプラズマ原料ガス導入管5の内径(直径)は約1mmであり、外管1の内径(直径)は約10mmである。なお、外管1も絶縁体から形成することが望ましい。これらは、反応ガス導入管4を除いて、120°(即ち、1/3回転)の回転操作に対する回転対称形に形成されている。放電電極6Uの放電ギャップG1に面する表面6Uaの上には、長手方向がガス流と直交する様に、ストライプ状の溝s1,s2,s3が設けられている。放電電極6V,6Wも同様である。
【選択図】図1−A

Description

本発明は、放電電極の間に形成される放電ギャップにプラズマ原料ガスのガス流を流入させることにより、グロー放電プラズマのプラズマジェットを大気圧下または大気圧近傍下で噴射する大気圧グロー放電プラズマ発生装置に関し、特にチャンバや複雑な制御装置などを必要としない、小形化に適した大気圧グロー放電プラズマ発生装置に関する。
近年、表面改質、表面クリーニング(プラズマ洗浄)、エッチング、アッシング、スパッタリング、滅菌などの各種の場面でプラズマが使用される様になるとともに、これらのプラズマ処理を大気圧下または大気圧近傍下で、従来よりもとりわけ簡単に実施したいと言うニーズが拡大しつつある。
一方、放電電極の間に形成される放電ギャップにプラズマ原料ガスのガス流を流入させることにより、大気圧下または大気圧近傍下でグロー放電プラズマを発生させるプラズマ発生装置としては、例えば下記の特許文献1〜3に記載の従来装置が公知である。中でも例えば特に特許文献1に記載の従来装置は、互いに接近する放電電極間の各放電ギャップが各々非常に狭く形成されている点や、グロー放電プラズマの照射対象領域を非常に狭く制限できる点などに特徴がある。
なお、プラズマの生成に大掛りな装置や大電流を要するアーク放電プラズマの分野では、例えば下記の特許文献4〜6などに多相交流電源をプラズマ発生装置に使用した例が見られるが、これらの従来例は専らアーク放電プラズマの分野に限られたものであり、大気圧下または大気圧近傍下でグロー放電プラズマを発生させるプラズマ発生装置において、多相交流電源を利用した例は未だ報告されていない。
特開2003−7497 特開2002−18276 特開2003−209096 特開平6−314591 特開平5−152066 特開平6−104085
上記の特許文献1〜3に記載されている大気圧グロー放電プラズマ発生装置においては、専ら13.56MHzの高周波電源が使用されており、これらの高周波周波数の適正範囲は、通常概ね10kHz〜500MHz程度とされている。このため、これらの従来装置は、大型または高価な高周波電源を用いなければ構成することができない。したがって、大気圧グロー放電プラズマ発生装置の小形化や軽量化や低価格化などの点で、これらの従来装置には未だ残された課題が多い。
また、従来の様にして2電極間に形成される放電ギャップ内にグロー放電プラズマを発生させる場合には、プラズマ生成効率が必ずしも十分とは言えないことが多く、よってこれらの場合には、従来よりも高いプラズマ密度を得ることは必ずしも容易ではない。また、これらの場合には、大気圧近傍下で安定した均一なグロー放電プラズマを得ることも必ずしも容易ではない。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、グロー放電プラズマのプラズマジェットを大気圧下または大気圧近傍下で噴射することができる、従来よりも遥かに小形化及び低価格化に適した大気圧グロー放電プラズマ発生装置を実現することである。
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、互いに接近する複数の放電電極の間に形成される放電ギャップにプラズマ原料ガスのガス流を流入させることにより、グロー放電プラズマのプラズマジェットを大気圧下または大気圧近傍下で噴射する大気圧グロー放電プラズマ発生装置において、n個(n≧3)の放電電極と、これらの各放電電極からなる各相に対してn相交流電圧を印加するn相交流給電手段とを備え、上記の放電ギャップを、ガス流の方向を回転軸方向とする1/n回転の回転操作に対して回転対称形に形成された微小間隙から構成し、幅及び深さが共に1mm以下のマイクロサイズの凹部を、上記の放電電極の放電ギャップに面する表面上に設けることである。
ただし、上記の回転対称形は、略均一なグロー放電を得るための形状であるから、必ずしも厳密に正確な回転対称形に形成する必要はなく、略均一なグロー放電を与える類似の形状であれば、勿論同様に適用可能である。また、起電力や負荷などについても同様に、できるだけ対称形に配設することが望ましい。
また、上記の微小間隙の幅(電極間の距離)は、0.1mm以上10mm以下に設定することが望ましい。
また、上記の大気圧下または大気圧近傍下の圧力範囲は少なくとも8.0×104 Pa以上1.2×105 Pa以下の範囲を含むものとする。
また、上記の凹部は、穴状のものでも溝状のものでもよい。また、溝状に形成する場合、その形成方向(長手方向)は任意でよい。
また、上記のn相交流電圧(n≧3)の周波数は、必ずしも従来のような高周波である必要はなく、例えば数Hz〜10kHz程度でも良い。
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段において、上記のガス流の方向に直交する方向の溝から上記の凹部を形成することである。
この凹部は、ホローカソード放電と同様の電子捕捉作用を奏するものであるので、その幅や深さは何れも、0.1mm〜1mm程度がよい。また、より望ましくは、0.2mm〜0.8mm程度である。
また、本発明の第3の手段は、上記の第1の手段において、鋸歯状またはネジ溝状の凹凸部を有する導電性の突起を上記の各電極に設けることによって、上記の微小間隙を形成することである。この場合、これらの突起も上記の放電電極の構成要素となる。
また、本発明の第4の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段において、上記の放電電極を合計3つ備え、Y結線またはΔ結線の3相交流電源から上記の多相交流給電手段を構成することである。
ただし、Y結線とする場合、中性線は設けても設けなくても良い。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
以上の本発明の手段によって得られる効果は以下の通りである。
即ち、本発明の第1の手段によれば、上記の凹部近傍では、電界密度が高くなったり、或いは電子密度が高くなったりし易い。このため、これらの凹部をその表面上に有する放電電極によって囲まれた微小間隙によって形成される上記の放電ギャップにおいては、従来よりもグロー放電プラズマが発生し易くなる。
更に、この放電ギャップは1/n回転に対する回転対称形に形成されており、かつ、この放電ギャップ内では上記のn相交流給電手段によってサイクリックに順次回転対称的にグロー放電プラズマが励起される。即ち、グロー放電の放電方向が高速かつ対称的に回転して、それらのグロー放電がその回転面内を略均一に満たすので、この放電ギャップ内では安定した均一な高密度のグロー放電プラズマが生成される。
したがって、本発明の第1の手段によれば、これらの相乗作用に基づいて、従来のような周波数の高い高周波電源を用いなくても、安定した均一な高密度のグロー放電プラズマを得ることができる。このため、本発明の第1の手段によれば、グロー放電プラズマのプラズマジェットを大気圧下または大気圧近傍下で噴射可能な当該装置を従来よりも格段に小形で低価格に構成することができる。
また、例えば特に本発明の第2の手段によれば、上記の凹部は、周知のホローカソード放電と略同様の電子捕捉作用を奏する溝(ホロー)として機能するので、この溝の内部または近傍には、電子が効果的に捕捉される。そして、ここで捕捉された高密度の電子が、プラズマ原料ガスのガス流と衝突して、高密度のプラズマが発生する。このため、当該放電ギャップに上記のガス流を注入すれば、従来よりも高密度で均一なグロー放電プラズマを発生させることができる。
また、本発明の第3の手段によれば、各放電電極にそれぞれ設けられたn個の突起で囲まれた狭い微小間隙で上記の放電ギャップを構成することができるので、この狭い領域内で電界密度を略均一に高めることができ、同時にこの狭い領域内にグロー放電の放電領域を小さく制限することが可能となる。このため、当該放電ギャップに上記のガス流を注入すれば、従来よりも高密度で均一なグロー放電プラズマを得ることができる。
また、本発明の第4の手段によれば、一般に広く用いられている3相交流電源を利用して上記の多相交流給電手段を構成することができるので、本発明の大気圧グロー放電プラズマ発生装置を最も簡単に構成することが可能となる。
なお、本発明の大気圧グロー放電プラズマ発生装置の小形化やグロー放電プラズマの均一化などの観点等より、上記のn相交流給電手段による給電電力の周波数は、20Hz〜200Hz程度がより望ましい。したがって、交流電圧を適当な電圧(例:数kV程度)にまで昇圧する昇圧回路を用いれば、本発明の大気圧グロー放電プラズマ発生装置の電源回路に50Hz乃至60Hzの商用電源を利用することも可能である。
また、上記のガス流の流速は、用いるプラズマ原料ガスなどにも依るが、概ね3m/sec〜35m/secの範囲が適当である。
また、上記のプラズマ原料ガスとしては、アルゴン(Ar)ガスなどが最も適しているが、その他にも用途や被加工物に応じて、一般に大気圧グロー放電プラズマの生成に使用される公知のガスを用いてもよい。これらのプラズマ原料ガスとしては、例えば、He、Neなどの希ガスや、窒素、空気、アンモニア、6フッ化イオウ、3フッ化窒素、フルオロカーボン類、特にC24等のフッ素化合物などを挙げることができる。
また、クリーニング、アッシング、エッチングなどを実施する場合には、その用途に応じて、被加工物と反応させるための反応ガスを同時に上記の微小間隙に流入させてもよい。したがって、例えばエッチングを実施する場合には、上記の放電ギャップに例えば塩素系のエッチングガスなどを任意に流入させることができる。
また、スパッタリングを実施する場合などには必要に応じて、被加工物の表面上に膜を成膜するための原材料などをプラズマ発生領域などに導入するようにしてもよく、これらの導入形態についても任意でよい。
また、プラズマ発生領域にプラズマ原料ガスを流入させるためのガス導入管は、例えばセラミックスなどの耐熱性の高い絶縁体で構成することが望ましく、そのガス導入管の内径(直径)は例えば約0.4mm〜4mm程度でよい。ただし、より望ましくは、0.5mm〜2mm程度が適当である。
また、上記の放電電極の材料としては、ステンレス、モリブデン、タンタル、ニッケル、銅、タングステン、又は、これらの合金などを使用することができる。
また、特に電子捕捉作用(ホローカソード放電)に寄与する凹部または溝部を形成する場合、放電ギャップを構成する放電電極のガス流方向の長さは、1〜10mm程度設けると良い。また、その凹部または溝部は、例えば幅及び深さを1mm以下、より望ましくは0.5mm程度とすると良い。また、電子捕捉作用に寄与する凹部はドット状に形成しても良い。更に、これらの凹部または溝部の形状は、円柱面状、半球面状、角柱面状、角錐状、その他任意に形成することができる。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
図1−A,−Bに、本実施例1の大気圧グロー放電プラズマ発生装置100の正面図と、当該装置100のキャップ3の正面図をそれぞれ示す。また、図2−Aには、本大気圧グロー放電プラズマ発生装置100の断面αにおける特徴部分の断面図を示す。
図1−Aの中央の放電ギャップG1は、放電電極6U,放電電極6V,放電電極6Wによって囲まれた微小間隙から形成されている。プラズマ原料ガス導入管5は、この放電ギャップG1に、プラズマ原料ガスを送り込むガス管であり、このプラズマ原料ガス導入管5の軸は、外管1の軸と一致している。セラミックスから成るプラズマ原料ガス導入管5の内径(直径)は約1mmであり、外管1の内径(直径)は約10mmである。なお、外管1も絶縁体から形成することが望ましい。
これらは、反応ガス導入管4を除いて、120°(即ち、1/3回転)の回転操作に対する回転対称形に形成されている。
図2−Aに示す様に、略直方体形状の放電電極6Uは後述の電源回路に接続すべき接続部6Ubを有し、放電電極6Uとこの接続部6Ubとは軸部6Ucにより連結されて一体の導体として形成されている。接続部6Ubは円板形状、軸部6Ucは縦方向(即ち、図中のz軸方向)に長い円柱形状である。
支持部材21,22は何れも絶縁体から成り、これらは、外管1と同軸の円板形状に形成されていて、外管1内でプラズマ原料ガス導入管5や軸部6Ucなどを支持固定している。
プラズマ原料ガス導入管5の軸上には、中性線に接続される中性電極7が配設されている。そして、この中性電極7の下方の符号ρは、グロー放電プラズマの発生領域を示している。図1−Bのキャップ3は、中央に穴を有する円板形状をしており、耐熱性の高いセラミックスから形成されている。これは、反応ガス導入管4から必要な反応ガスを送り込む際に、それらの反応ガスをプラズマ発生領域ρに集中させるために設けられたものであるので、反応ガスを使用しない場合にはキャップ3は装着しなくても良い。
図2−Bには、放電電極6Uのプラズマ発生領域ρ近傍の部分的な断面図を示す。放電電極6Uの放電ギャップG1に面する表面6Uaの上には、長手方向がガス流と直交する様に、ストライプ状の溝s1,s2,s3が設けられている。これらの溝の深さ及びストライプ幅は何れも約0.5mmであり、これらの溝s1,s2,s3は、周知のホローカソード放電の場合と略同様に、電子捕捉作用に寄与する。勿論、放電電極6V上や放電電極6W上の放電ギャップG1に面する部位においても、同様のストライプ状の溝が形成されている。
図3に、本大気圧グロー放電プラズマ発生装置100のY結線タイプの3相交流給電手段の回路図を示す。回路図中の各交流電源(ac1,ac2,ac3)は、100V,60Hzの一般の商用電源の電圧を6kvにまで昇圧する交流電源回路を用いて構成した。図中の符号Nは中性線を示し、符号U,V,Wは3相交流の各相を示している。これらの各相の位相はそれぞれ互いに120°ずつずらした。また、アルゴン(Ar)ガスを所定のガスタンクから図略のガス圧調整弁を介してプラズマ原料ガス導入管5に供給し、これによって、該ガス導入管5内におけるアルゴンガスの流速を10m/secとした。なお、反応ガス導入管4は封止して使用しなかった。
以上の構成にしたがって、大気圧環境下でグロー放電によるプラズマを発生させた所、プラズマ発生領域ρが上記の放電ギャップG1を頭部とする彗星形状に形成され、1015[cm-3]のプラズマ密度を得ることができた。相対峙する2つの放電電極だけで放電ギャップを構成し、100V,60Hzの一般の商用電源の電圧を6kvにまで昇圧する単相の交流電源回路を用い、その他の点は上記と略同等の構成とした従来の単相タイプのプラズマ発生装置に対して、上記のプラズマ密度(1015[cm-3])は、約2倍の数値を示すものである。
したがって、本発明の手段を用いれば、グロー放電に基づく所望のプラズマ処理を大気圧近傍下において従来よりも高速に実施することができる。
また、上記の装置構成に従えば、高周波電源や大電流電源などの大掛りな電源装置が不要となり、更に、チャンバや複雑な制御装置なども必要ないので、所望のプラズマ発生装置を極めて小形で簡潔かつ安価に構成することが可能となる。
図4は、本実施例2の大気圧グロー放電プラズマ発生装置200の正面図である。本図4では、実施例1の大気圧グロー放電プラズマ発生装置100と同一または同様の機能を奏する部位には、同じ符号を付してある。
放電ギャップG2は、放電電極6U,6V,6Wの各端部で囲まれた微小間隙よりなり、これらの放電電極6U,6V,6Wの各端部の表面6Ua,6Va,6Waには、それぞれ凹部が形成されている。この放電電極6U,6V,6Wは、直径約2mmの円柱形の金属導体の端部の側面が放電ギャップG2の方に面する様に曲げられており、上記の凹部は、この導体の端部側面(即ち、表面6Ua,6Va,6Wa)上にネジ溝状に形成されている。この凹部の深さや幅は、それぞれ0.5mm程度が望ましい。各放電電極6U,6V,6Wの各他端はそれぞれ、後述の3相交流電源(図7)の各相に各々接続すべき各接続部6Ub,6Vb,6Wbの中に埋め込まれている。なお、これらの構造は、プラズマ原料ガス導入管5の軸を回転軸とする120°の回転操作に対して対称形に形成されている。
図5に、この大気圧グロー放電プラズマ発生装置200の断面βにおける特徴部分の断面図を示す。耐熱性の高いセラミックスから成るプラズマ原料ガス導入管5の内径(直径)は約3mmであり、外径は7mmである。各接続部6Ub,6Vb,6Wbのプラズマ原料ガス導入管5に対する固定方法は任意でよく、例えば接着剤などを用いて固定しても良い。なお、図6に、本大気圧グロー放電プラズマ発生装置200の断面γにおける断面図を示す。これらの図5、図6に示す様に、プラズマ発生領域ρは、ネジ溝状に形成された凹部を有する上記の表面6Ua,6Va,6Waに囲まれた放電ギャップG2を頭部とする彗星形状に形成される。
図7は、この大気圧グロー放電プラズマ発生装置200のΔ結線タイプの3相交流給電手段の回路図である。回路図中の各交流電源(ac1,ac2,ac3)は、100V,60Hzの一般の商用電源の電圧を6kvにまで昇圧する交流電源回路を用いて構成した。図中の符号U,V,Wは3相交流の各相を示している。これらの各相の位相はそれぞれ互いに120°ずつずらした。また、アルゴン(Ar)ガスを所定のガスタンクから図略のガス圧調整弁を介してプラズマ原料ガス導入管5に供給し、これによって、該ガス導入管5内におけるアルゴンガスの流速を約10m/secとした。
上記の放電ギャップG2は、ネジ溝状に形成された凹部を有する上記の表面6Ua,6Va,6Waで囲まれた狭い微小間隙で構成されているので、この狭い放電ギャップG2内では電界密度が略均一に高まりる。このため、プラズマ発生領域ρの上記の頭部はこの狭い領域内に維持される。したがって、この様な構成によっても、グロー放電に基づく所望のプラズマ処理を大気圧近傍下において従来よりも高速に実施することができる。
〔その他の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
(変形例1)
例えば、上記の実施例1及び実施例2では、本発明のn相交流給電手段をY結線またはΔ結線の3相交流電源で構成したが、放電電極は3極以上の任意数設けることができ、同時に、本発明のn相交流給電手段としても3相以上の任意の相数の交流電源を用いることができる。
この場合、各放電電極を正多角形の各頂点に対応する位置に配置することによって、正多角形の各対角線に対応する位置にも効果的に高密度のグロー放電プラズマを発生させることができるため、放電電極や電源(n相交流給電手段)などの装置構成は若干複雑になるものの、グロー放電プラズマの更なる均一化や高密度化の点で有利となる。
本発明は、大気圧環境下に置かれた被処理物の表面にグロー放電プラズマを作用させるものであり、表面改質、表面クリーニング処理(プラズマ洗浄)、エッチング、アッシング、スパッタリング(膜形成)、または滅菌などに利用することができる。
実施例1の大気圧グロー放電プラズマ発生装置100の正面図 大気圧グロー放電プラズマ発生装置100のキャップ3の正面図 大気圧グロー放電プラズマ発生装置100の特徴部分の断面図 放電電極6Uのプラズマ発生領域ρ近傍の部分的な断面図 大気圧グロー放電プラズマ発生装置100の3相交流給電手段の回路図 実施例2の大気圧グロー放電プラズマ発生装置200の正面図 大気圧グロー放電プラズマ発生装置200の特徴部分の断面図 大気圧グロー放電プラズマ発生装置200の他の断面図 大気圧グロー放電プラズマ発生装置200の3相交流給電手段の回路図
符号の説明
4 : 反応ガス導入管
5 : プラズマ原料ガス導入管
6U : 放電電極(U相電極)
6V : 放電電極(V相電極)
6W : 放電電極(W相電極)
6Ua: 凹部形成面

Claims (4)

  1. 互いに接近する複数の放電電極の間に形成される放電ギャップに、プラズマ原料ガスのガス流を流入させることにより、グロー放電プラズマのプラズマジェットを大気圧下または大気圧近傍下で噴射する大気圧グロー放電プラズマ発生装置において、
    前記放電電極をn個(n≧3)備え、
    各前記放電電極からなる各相に対してn相交流電圧を印加するn相交流給電手段を有し、
    前記放電ギャップは、
    前記ガス流の方向を回転軸方向とする1/n回転の回転操作に対して回転対称形に形成された微小間隙からなり、
    前記放電電極は、
    幅及び深さが共に1mm以下のマイクロサイズの凹部を前記放電ギャップに面する表面上に有する
    ことを特徴とする大気圧グロー放電プラズマ発生装置。
  2. 前記凹部は、
    前記ガス流の方向に直交する方向の溝から形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の大気圧グロー放電プラズマ発生装置。
  3. 前記微小間隙は、
    鋸歯状又はネジ溝状の凹凸部を有する導電性の突起を各前記放電電極に設けることによって形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の大気圧グロー放電プラズマ発生装置。
  4. 前記放電電極を合計3つ備え、
    前記多相交流給電手段は、
    Y結線またはΔ結線の3相交流電源からなる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の大気圧グロー放電プラズマ発生装置。
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