JP2003197396A - プラズマ放電装置 - Google Patents

プラズマ放電装置

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JP2003197396A
JP2003197396A JP2001403058A JP2001403058A JP2003197396A JP 2003197396 A JP2003197396 A JP 2003197396A JP 2001403058 A JP2001403058 A JP 2001403058A JP 2001403058 A JP2001403058 A JP 2001403058A JP 2003197396 A JP2003197396 A JP 2003197396A
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plasma
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atmospheric pressure
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Toshiyuki Takamatsu
利行 高松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大気圧近傍下での高周波プラズマ放電方法にお
いて、特殊な高周波電源ならびに電圧/電流制御機器を
用いず、ヘリウムガスあるいは水蒸気等の添加を必要と
せずパワー密度を大きく取れる低コストの大気圧放電装
置の提供。 【解決手段】絶縁体放電構造体1はプラズマ放電発生部
4aのガス流導入方向側2において、ガスの流れる方向
に対して垂直な放電部断面積が連続的に減少する領域2
を持ち、放電部近傍にて圧力低下を発生させる構造を持
ち、絶縁体放電構造部1を介して、複数の高周波電極5
aと高周波電極5b間で、ガス流方向7に直交する複数
の電界面をガス流方向7に沿って断続的に形成する。形
成される電界の強度は、高周波電極が線状に形成されて
いることから高い密度の電界が全てのガスの流路を交差
する形で複数形成することができ、ヘリウムガス等の電
離性ガスの添加が不要でかつ、特殊な電圧/電流制御電
源を必要としない大気圧近傍下での放電方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大気圧近傍での高周
波放電プラズマ装置の構造に関し、安定した連続プラズ
マ放電を行う放電装置構造に関するものであり、また放
電用ガスとして高価なヘリウムガスの添加を不要とする
放電装置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】大気圧近傍化でのガス放電は、真空(低
圧)ガスプラズマ放電に対して、真空排気装置を必要と
しないために、大きな装置の低コスト化をもたらすこと
になる。このため現在、低圧ガスプラズマ放電処理装置
に替わって、表面洗浄処理ある表面改質処理等に応用さ
れる事例が近年見られるようになってきた。
【0003】しかし一方、一般的に大気圧下での放電は
大気圧に近づくにつれアーク放電に移行しやすく、安定
した連続ガスプラズマ放電を行うことが技術的課題であ
り、さらに大気圧下での放電のためにガスプラズマは一
般的に局部に発生しやすく大体積の安定した連続ガスプ
ラズマ放電を行うことが技術的課題でもあり、これらの
課題を克服するための技術的発明が近年なされてきてい
る。
【0004】従来、大気圧下で安定した連続ガスプラズ
マ放電を行う方法としては、電子放出し易いヘリウム気
体を用い、通常1キロヘルツ以上20キロヘルツ以下の
交流電源を用いて電極上に誘電体を設けてガスプラズマ
放電を維持安定化することが出来ることが見出されてい
る。さらにメガヘルツ帯を用いた放電においてもヘリウ
ムガスをガス電離誘導ガスとして添加し利用したものが
近年発表されている。
【0005】しかしながら、希ガスの中で比較的高価な
ヘリウムガスを添加し用いることは、大気圧プラズマ放
電の最大利点である低コスト化に反することになり、実
用上の問題となる。これに代わるものとして特開平6−
182195に大気圧グロー放電処理方法として大気圧
ではグロー放電が困難なアルゴンガスに水蒸気を混合し
てグロー放電プラズマを発生させる方法が提案されてい
る。しかしながら定常な安定した流量制御を伴う水蒸気
供給を行うためには、高価な水蒸気発生供給装置を必要
とし、また水蒸気成分を嫌う処理に対して有効な方法と
はいえず、実用的ではない。
【0006】大気圧近傍化でヘリウムガスに代表される
電離性ガスを用いずに連続放電を行うためには、処理ガ
スの電離に十分な高電圧を電極間に供給し、かつアーク
放電を防止するために放電後の過電流による電圧降下を
抑える工夫が必要となる。この方法を実現するには、特
開平5−217690に提案されている維持電圧及び電
流の変動をモニターし、パルス電圧供給を制御し連続放
電を行う方法が提案されている。 しかしながらこれを
達成するためには特殊な電源制御を必要として、放電装
置として付帯するこれらの電源供給制御システムが高価
なものとなって装置コストが高くなる欠点がある。
【0007】これまでに提案されてきている大気圧近傍
下で高周波を用いたグロー放電においては、処理ガスと
して不活性ガスあるいは希ガスに反応性処理ガスを混合
するという表現にて処理ガスを規定しているものである
が、すべての場合においては定かではないが、これらの
提案の実施例においてはヘリウムガスあるいはヘリウム
混合ガスを用いたものが殆どである。大気圧近傍下で連
続的に安定した高周波放電状態を得るためには、放電プ
ラズマインピーダンスが一定である必要性があり、その
必要性からも生成されるプラズマの体積がある程度必要
となる。ヘリウムガスの存在は乖離電子を供給すること
により得られる電流値によって、ガス乖離に必要な電圧
の上昇をアーク放電に移行するレベル以下に下げなが
ら、かつ電子の移動に伴う放電拡散によるプラズマの体
積を得られることによって一定の放電インピーダンスを
得られることから処理ガスとしてヘリウムガスが導入さ
れている主たる要因である。一方アルゴンガスあるいは
窒素等の不活性ガスが主たるガスでは、遊離電子の供給
が少ないために放電インピーダンスは無限大に近くなる
ために一般的に安定した放電プラズマが得ることが困難
であるとされている。
【0008】また一般的に大気圧近傍下での高周波プラ
ズマ放電では、電流値の増加はアーク放電への移行を意
味し、また電圧の上昇は電極を隔離する絶縁体の破壊を
もたらすために、単位面積あたりに導入できる電力パワ
ーに限界があることも指摘されていて、このため通常電
極構造は板状の一定の面積をもった形状のものが使用さ
れていて、その表面を誘電体でカバーしている手法が殆
どである。しかしながらこの手法ではプラズマ密度の上
昇に限界があって、表面処理等の低エネルギーにて行え
る処理方法には有効であるが、材料変性等の高いエネル
ギーを要求する用途の実用化には課題が残されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記のような大気圧近
傍下での高周波プラズマ放電方法において、特殊な高周
波電源ならびに電圧/電流制御機器を用いず、装置構造
が単純であって、かつヘリウムガスあるいは水蒸気等の
添加を必要とせずアーク放電に移行せず、発生するプラ
ズマ放電体積を任意に変化することができ、安定した放
電プラズマを形成しながらパワー密度を大きく取れる低
コストの大気圧放電装置が望まれている。
【0010】また大気圧プラズマ放電の最大の利点であ
る簡易性を有効とし、工業的に有益なものとするために
は、従来の表面処理あるいは材料変性処理の分野で、通
常の工程間に容易に挿入できるため、あるいは屋外利用
等の観点から、付帯する設備等を含めて全体装置が可般
型となる程度小型化されたものが望まれている。
【0011】本発明の目的は、小型で効率の高い、低コ
ストな大気圧近傍下での高周波プラズマ放電装置を提供
することにあって、特にヘリウムガスあるいは水蒸気等
を添加せず、一般的に大気圧近傍下での単体放電が困難
であるとされているアルゴンガスを主たるガスとして用
い、高いパワー密度で安定したプラズマ放電を達成し、
かつ放電体積を任意に可変できることを特徴と大気圧プ
ラズマ放電装置を提供することにある。
【0012】本願第1の発明の目的は、高周波を用いた
大気圧近傍下でのプラズマ放電において、特別な高周波
電力制御を用いず、主たる放電ガスとしてアルゴンガス
を用いてヘリウムガスあるいは水蒸気の添加をすること
なく安定して連続放電を行える方法を提供することにあ
る。
【0013】本願第2の発明の目的は、高周波を用いた
大気圧近傍下でのプラズマ放電において、単位体積あた
りの放電印加パワー密度を従来のものから飛躍的に増加
しえる構造を提供することにある。
【0014】本願第3の発明の目的は、高周波を用いた
大気圧近傍下でのプラズマ放電において、プラズマ放電
領域を任意のサイズに制御する方法を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る高周波を用いた大気圧近傍下での連続
プラズマ放電方法は、特別な高周波電力制御を用いず、
主たる放電ガスとしてアルゴンガスを用いてヘリウムガ
スあるいは水蒸気の添加をすることなく安定して連続放
電を行い、また放電印加パワー密度を大きく出来、さら
に放電領域を任意のサイズに制御することができる放電
部構成ならびに電極構成を具備したことを特徴としてい
る。
【0016】前記従来技術による大気圧近傍下での高周
波プラズマ放電において、装置の小型化、低い運転コス
ト、プラズマ放電安定性、低コストな付帯設備、パワー
密度の増加が重要な課題である。これらの課題を達成す
ることにより、大気圧近傍下プラズマ放電処理の用途の
拡大が行えることとなって、プラズマ放電による処理方
法自体が真空(低圧)グロー放電方法による処理に比べ
て有望なものとなる。
【0017】しかしながら、従来の大気圧近傍下での高
周波プラズマ放電では、放電ガスに初期電離を促進する
ためにヘリウムガスあるいは水蒸気を混入しなければな
らないものが殆どでありランニングコストの上昇につな
がるばかりでなく、特にヘリウムガスの添加に関して
は、投入印加パワーの増加とともに放電電流が増加し、
投入高周波印加電力増加に関して、ある限界点を持って
アーク放電に移行しやすくなる。この結果プラズマ密度
を上昇するために増加投入される高周波パワーに限界を
生じることから処理用途に限界が生じてしまうこととな
る。
【0018】さらに放電プラズマを制御するには放電電
流制御が必要であるが、ヘリウムガスの添加はプラズマ
拡散を促進し、放電プラズマ領域を固定化あるいは制御
することが困難になり、結果として単位体積あたりのプ
ラズマ密度の低下をもたらすものとなる。
【0019】一方、ヘリウムガスあるいは水蒸気等を放
電ガスとして添加せず、大気圧近傍下で初期放電あるい
は連続放電を行うには電極間にかかる放電電圧の増加が
必須となるが、電離開始時に発生する電流値が増大し、
第1に初期放電アーク状態の発生が起こりやすくなる
事、第2に放電開始過渡現象時の高周波インピーダンス
の大きな変化によって一般的な高周波整合回路の駆動ス
ピードでは対応できないことから、瞬間的には電離放電
状態が得られるが、安定した連続放電が困難となるのが
実情であり、この克服が大きな課題となる。
【0020】本発明は、上記の課題を克服した大気圧近
傍下での高周波放電プラズマ放電装置の放電部構成なら
びに電極構成に関するものであり、以下図1示す符号を
添付して、請求項の内容を説明する。
【0021】前記の大気圧近傍下での高周波放電プラズ
マ放電方法の課題を克服する本発明では、ヘリウムガス
等の電離を助けるガスを用いず、また特別な電流制御を
もった高周波電源をもちいないようにするために、電離
開始初期に必要な電圧上昇を抑えられる構造を必要と
し、また電離開始後の急激な電流増加を抑制して大幅な
高周波インピーダンス変化を抑えるような構造とするこ
とにある。さらに放電電離したプラズマに対して単位体
積あたりの高周波パワー密度を増大せしめ効率の大幅向
上をもたらす構造とし、かつ高周波プラズマ放電部位を
任意の位置及び大きさに制御できる構造とすることにあ
る。
【0022】図1は本発明の放電部位における構造を示
したものである。アルゴンガス単体または主たるガスと
して用い、ヘリウムガスあるいは水蒸気の添加のない放
電ガスをガス流方向7よりガス流方向7に対して直行す
る断面形状が閉鎖している矩形あるいは円形の石英、ガ
ラスあるいはセラミック材料による絶縁体放電構造体1
内部に大気圧以上の圧力にて流量制御されて供給され
る。放電ガスは当該絶縁体放電構造部1と金属製の高周
波電極5bの間を流れることになる。
【0023】絶縁体放電構造体1はプラズマ放電発生部
4aのガス流導入方向側2において、ガスの流れる方向
に対して垂直な放電部断面積S1が連続的に減少する領
域2を持ち、当該構造によって放電ガス流速は増加し、
ベンチュリ効果によって金属製高周波電極5aの設置部
位よりガス流入側放電域直前部3における放電部側絶縁
体表面近傍にて圧力低下を発生させる。
【0024】当該の圧力低下の目的は、電離開始時にお
ける電極間での必要最大電圧を圧力の低下と共に減少で
きることになり、放電開始が容易になると共に、放電開
始時の過剰電流を抑えることとなり、インピーダンス整
合が容易となって安定した連続プラズマ放電が得られ
る。
【0025】一方金属製高周波電極5aは絶縁体放電構
造部1外部にガス流方向7に直交しかつ絶縁体放電構造
部1との接触部形状が線状を形成し、かつ少なくとも2
個以上複数配列するように板状の金属板あるいは細線の
成膜によって形成されている。
【0026】前記構造によって絶縁体放電構造部1を介
して、複数の高周波電極5aと高周波電極5b間の間に
おいて、ガス流方向7に直交するように複数の電界がガ
ス流方向7に沿って断続的に形成される。形成される電
界の強度は、有効電極面積と反比例し、前記構造におい
て高周波電極が線状に形成されていることから高い密度
の電界が全てのガスの流路を交差する形で複数形成する
ことができる。
【0027】高い密度の電界の形成は、ガスの放電電離
に対して、電極にかかる必要電圧を低下させることとな
る。また絶縁体放電構造部1と接している電極面積が小
さく取れることから、高周波電源から見た場合の負荷の
容量成分が小さいことと等価な状態を得られることか
ら、整合回路内で必要とされる誘導成分を小さく出来、
高い効率が得られると共に、高周波整合が容易となって
安定した連続プラズマ放電が得られることとなる。
【0028】前記ガス流方向7に直交し複数の高周波電
極が線状に断続的に配列形成することに類似の方式とし
て帯状の電極を形成する例が過去に提案されているが、
帯状電極では帯状の端面においてのみ強電界が発生し、
放電開始後は、帯状電極に沿って導体面がプラズマによ
り形成されることによって電界強度が弱まり、大気圧近
傍下での放電では電流通過経路が偏移することによって
インピーダンスの変動が発生し結果として不安定なプラ
ズマの発生となる。このために必然的にヘリウムガス等
の電子放出の多い電離性ガスを添加して電流変動を定常
化する必然性が生じる。
【0029】本発明による方式においては、放電ガスは
絶縁体放電構造部1表面近傍において必ず断続的に複数
個の強電界面を通過することになる。最初の強電界面に
て電離した放電ガスは、大気圧であることから電離後ガ
ス下流側において再結合によりエネルギーを消失する
が、ガス流方向に沿って断続的に強電界面を通過するこ
とによって、再度電離が行われることとなって系全体と
して安定した連続放電が得られる。
【0030】通常プラズマ放電領域を増加するために、
従来の帯状形状の電極構造では電極面積の増加に伴い、
投入する高周波電力6を大幅に増加せざるを得なく、装
置の大型化とコストアップを引き起こすことになるが、
前記ガス流方向7に直交し複数の高周波電極が線状に断
続的に連続配列形成することによって、容易にプラズマ
放電領域の総体積を増加することができるとともに、有
効電極面積が小さいために多数の電極を形成しても、得
られるプラズマ放電領域の総体積の増加に対して、高周
波電力6の増加は、最小限に抑えられる。
【0031】さらにガス流の流速条件あるいは放電ガス
の種類によっては、線状電極の間隔を等間隔でなく設置
しても強電界面で発生した複数の強電界プラズマ放電発
生部4aと4bで挟まれた領域にて拡散プラズマ放電発
生部4cを形成せしめることができ電極面積の増加を伴
わずプラズマ放電体積の増加を得ることが可能となる。
【0032】従来の手法では通常印加高周波電力を増加
すると、放電部での電流が増加し、プラズマインピーダ
ンスが低下して整合不能領域となることによって電力移
送が行えず放電不能状態となり、アーク放電状態に陥る
が、本方式では放電電極面積の増加が無く、プラズマ放
電体積の増加を得られることから、体積増加したプラズ
マ自体のインピーダンス抵抗によって電流増加が抑制で
き単位体積あたりに投入できる高周波電力量が増加でき
る。 これは高密度/高乖離率と等価であって、通常大
気圧放電では不可能とされているPFCガス等の安定ガ
ス種であっても大気圧近傍下での連続放電が可能とな
る。
【0033】通常さらに大きな高周波電力の印加はプラ
ズマ拡散域の増加をもたらし、放電部規定以外の領域で
の電流通過をもたらしプラズマの不安定化の要因とな
る。本発明ではプラズマ放電部位の固定化を目的とした
電流抑制のために高周波電極5bにおいて、当該高周波
電極表面にガス流の乱流を起こさないようにアルミナ系
セラミックス絶縁体9を断続的に配置しさらに大きな電
力印加にも対応できる手法を得た。
【0034】従来一般的には前記の目的のために電極面
全体を絶縁体で覆う手法が用いられているが、この手法
ではアーク放電は防止しえるが積極的に電流制御を行お
うとするものではなく、容量成分の増加に伴い、誘導成
分を高周波回路に追加することにつながるために大きな
エネルギー損失を伴う結果となる。
【0035】
【第一実施例】以下に本発明の実施態様を図面に基づき
第一の実施例につき説明する。添付図2において大気圧
下でのヘリウムガス等の電離を助けるガスを用いず、ま
た特別な電流制御をもった高周波電源をもちいない高周
波プラズマ放電方法の放電部構造を示している。
【0036】アルゴンガス単体あるいはアルゴンガスと
ヘリウムガスあるいは水蒸気を含まないガスとの混合ガ
スは流量計を経由してガス流方向7の上流のガス導入口
から石英製の円筒菅構造の絶縁体放電構造部1と内菅側
に冷却水路8を持ち水冷されたステンレス菅を用いた高
周波電極5b間で構成される空間にガス流方向7に沿っ
て均等に導入される。前記石英製の円筒菅構造の絶縁体
放電構造部1は処理ガス導入口側の内径は25ミリであ
り反対側端面の内径は16ミリとなっていて肉厚2ミリ
であり、全長は200ミリである。また当該絶縁体放電
構造部1はガス導入口側端面より長さ方向に40ミリの
位置から65ミリにかけて断面を減少するように構成さ
れている。また前記ステンレス菅を用いた高周波電極5
bは内径6ミリ、外径8ミリであり全長は350ミリで
あって、内菅に温度25度、流量500cc/分の冷却
水を流している。
【0037】前記石英製の円筒菅構造絶縁体放電構造部
1の中心軸と前記ステンレス菅を用いた高周波電極5b
の中心軸が同軸となるように支柱によって固定されてい
る。
【0038】前記石英製の円筒菅構造の絶縁体放電構造
部1外面に、挟み込んで接触する様に加工された肉厚1
ミリの2枚一組のアルミ板製高周波電極5aを、ガス流
方向7に直交するように、6ミリ間隔でスペーサーを介
して3組が絶縁体放電構造部1のガス導入口側端面より
長さ方向に80ミリの位置で設置し、さらに50ミリの
間隔をあけてさらに6ミリ間隔で3組が設置されてい
る。
【0039】13.56MHz/1Kw高周波電源及び
パイ型マッチング回路のインピーダンス整合器により構
成された高周波電力6は、高周波電極5a及び5bに結
線されている。
【0040】ガス流方向7に導入された放電ガスは放電
部断面積S1が連続的に減少する領域2を通過すること
によって加速され、ガス流入側放電域直前部3において
ベンチュリ効果によって圧力差が生じて絶縁体放電構造
部1の内面に微弱な減圧部分が発生する。高周波電力6
が高周波電極5a及び5b間に印加されていて、ガス流
方向7に直交する形で高周波電極5aの配列部にそれぞ
れ高周波電界面が高周波電極5aと高周波電極5bに生
じる。本実施例では高周波電極5aは接地されていて、
高周波電極5bには高圧交流が印加されているが、理論
上接地電極を反転させても問題はない。
【0041】放電ガスは、ガス流入側放電域直前部3を
通過し、ガス流入側の高周波電極5aと高周波電極5b
で形成されている高周波電界面を通過する部分で乖離放
電されてガス流入側プラズマ放電発生部4aを形成す
る。電離されたプラズマはガス流方向下流に拡散しダウ
ンフロー状態で準安定状態の分子と弱電離されたガス状
態を持って、さらに下流側に設置されているガス排出側
の高周波電極5aと高周波電極5bで形成されている高
周波電界面を通過することによって再度電離が促進され
ガス排出側プラズマ放電発生部4bを形成する。
【0042】前記ガス流入側プラズマ放電発生部4aと
ガス排出側プラズマ放電発生部4bとの間の空間におい
て、拡散プラズマ放電発生部4cが形成されて放電プラ
ズマ領域を大きく取れることとなる。
【0043】本実施例でのアルゴンガス単体を用いた連
続プラズマ放電のテスト例は次のとおりである。アルゴ
ン流量条件として導入圧力1Kg/cm2下で50cc
/分、100cc/分、500cc/分とし、13.5
6MHz高周波印加電力条件をそれぞれ200W、50
0Wとして10分間の連続プラズマ放電テストを行った
ところいずれの条件下でも安定した連続プラズマ放電が
得られ、かつ各高周波電極及びインピーダンス整合回路
内のコイル表面温度を測定のところいずれも50度以下
であって効率よく高周波電力がプラズマ放電に消費され
ていた。
【0044】
【第二実施例】以下に本発明の実施態様を図面に基づき
第二の実施例につき説明する。添付図3において放電領
域を固定化させる方法の構造を示した。
【0045】前記第一実施例と概要の構造は同様である
が、プラズマ放電発生部4において大電力を印加しても
放電領域が確定できることを目的に、プラズマ放電発生
部4における高周波電極5b表面にガス流を乱さないよ
うにアルミナ系セラミックス絶縁体9を挟み込み埋め込
んだ高周波電極5bを使用している。配置されたアルミ
ナ系セラミックスは外径が8ミリ、内径7ミリ、長さ1
0ミリの半円筒上のアルミナ材2個一組を埋め込み部加
工されたステンレス菅高周波電極5bに間隔15ミリで
3組挟み込むと同時にシリコン接着剤で固定されてい
る。
【0046】高周波電極5aは6ミリの等間隔で前記第
一実施例と同様の方法で絶縁体放電構造部1表面にガス
流方向に直交するように線状に接触するように配置され
ている。
【0047】本発明の方法によって、高周波電極5aと
高周波電極5b間での高周波電界面形成において断続的
に絶縁体を高周波電極5b表面に形成することによっ
て、任意の位置に強電界面を固定化し、放電プラズマの
ガス流による拡散によるプラズマの揺らぎを減少させる
ことを目的とすると共に、高周波電極5bの対プラズマ
暴露面積を減少することによって、大電力印加時におい
ても過電流を抑制することによって、安定な連続プラズ
マ放電をえることを目的としている。
【0048】本実施例でのアルゴンガス単体を用いた連
続プラズマ放電のテスト例は次のとおりである。アルゴ
ン流量条件として導入圧力1Kg/cm2下で50cc
/分、100cc/分、500cc/分とし、13.5
6MHz高周波印加電力条件をそれぞれ1KWとして1
0分間の連続プラズマ放電テストを行ったところいずれ
の条件下でも安定した連続プラズマ放電が得られ、かつ
各高周波電極及びインピーダンス整合回路内のコイル表
面温度を測定のところいずれも60度以下であって効率
よく高周波電力がプラズマ放電に消費されていた。また
放電域固定化の状態はアルゴンガス流量条件が増加する
につれて拡散する傾向はあるものの第一実施例でのテス
ト結果と比較すると高周波電力1Kw印加の条件におい
ても拡散域は高周波電極5a構成部端面より10ミリ程
度であって本発明方法により大きな効果が得られた。
【0049】
【第三実施例】以下に本発明の実施態様を図面に基づき
第三の実施例につき説明する。添付図4において、装置
構造をさらに単純化する方法の構造を示した。
【0050】前記第一実施例における絶縁体放電構造部
1の内部に設置されていた高周波電極5bの代替として
アルミ板により形成されている高周波電極5aにおい
て、ガス流方向7に沿って交互に2極の高周波電極が配
置されるように高周波電力結線を変更した構造を特徴と
するものである。この構造により形成されたアルミ板高
周波電極5a及び5bは毎分1.6立方M流速の軸流空
冷ファンで空冷されている。
【0051】本実施例においては高周波電極5aならび
に5bにより形成される高周波電界は絶縁体放電構造部
1の内面に沿って形成されるが、ガス流方向に沿って交
互に高周波電極を連続配置することによって、線状の2
極の電極がガス流方向に直交する形で交互に形成されて
電界が相互に収束することとなり、また全体の有効電極
面積を最小化できる構造のため強電界を形成することが
でき、大気圧近傍下での連続放電に有利となる構造であ
る。
【0052】本実施例において形成されるプラズマ放電
発生部4は絶縁体放電構造部1内面全体に拡散するが、
大電力を消費できるものであり本実施例のテストでは1
Kwの高周波電力を30分以上連続印加しても、空冷に
よる冷却のみにも係わらず各高周波電極及びインピーダ
ンス整合回路内のコイル表面温度を測定のところいずれ
も60度以下であって効率よく高周波電力がプラズマ放
電に消費されていた。
【0053】
【その他の実施例】図4は第一実施例のものからの変形
で、高周波電極5aを全て等間隔に配置したものを含む
実施例
【0054】図5は第三実施例のものからの変形で、高
周波電極5a及び5bを全て等間隔に交互に配置したも
のを含む実施例
【0055】本発明の応用分野は全ての大気圧近傍下で
の高周波連続プラズマ放電方法により行われる分野であ
る。
【0056】また本発明による処理装置を複数台並列あ
るいは直列に配列しプラズマ処理容量を上げることも可
能である。
【0057】本発明は前記した実施例や実施態様に限定
されず、特許請求の精神および範囲を逸脱せずに種々の
変形を含む。
【0058】
【発明の効果】本発明による大気圧近傍下での高周波プ
ラズマ放電方法では、ヘリウムガス等の電離を助けるガ
スを用いず、また特別な電流制御をもった高周波電源を
もちいずに安定した連続大気圧プラズマ放電が達成で
き、さらに放電電離したプラズマに対して単位体積あた
りの高周波パワー密度を増大せしめ効率の大幅向上をも
たらすことができる。本効果は装置の小型化、省力化、
低コスト化にとどまらず、従来にない高いプラズマ密度
を得られることから、従来表面処理分野に殆ど用途が限
られていた大気圧プラズマの応用用途を、連続大気圧プ
ラズマによる材料変性、大量の準安定分子を利用したダ
ウンフロー領域での化学反応等に利用することができる
という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を含む従来の課題を克服した大
気圧近傍下での高周波放電プラズマ放電装置の放電部構
成ならびに電極構成を示す鉛直断面構成図である。
【図2】本発明の第一実施例を含む高周波大気圧プラズ
マ放電部構成を示す鉛直断面図である。
【図3】本発明の第二実施例を含む高周波大気圧プラズ
マ放電部構成を示す鉛直断面図である。
【図4】本発明の第三実施例を含む高周波大気圧プラズ
マ放電部構成を示す鉛直断面図である。
【図5】本発明の第四実施例を含む高周波大気圧プラズ
マ放電部構成を示す鉛直断面図である。
【図6】本発明の第五実施例を含む高周波大気圧プラズ
マ放電部構成を示す鉛直断面図である。
【符号の説明】
1…絶縁体放電構造部 2…放電部断面積S1が連続的に減少する領域 3…ガス流入側放電域直前部 4…プラズマ放電発生部 4a…ガス流入側プラズマ放電発生部 4b…ガス排出側プラズマ放電発生部 4c…拡散プラズマ放電発生部 5a…高周波電極 5b…高周波電極 6…高周波電力 7…ガス流方向 8…冷却水路 9…アルミナ系セラミックス絶縁体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気圧近傍での高周波電力を用いた高周波
    放電電極において、放電用ガスの流れる方向に垂直な断
    面が閉鎖された放電部を構成する絶縁体に対して、少な
    くとも一方の電極が前記絶縁体表面に対して放電用ガス
    の流れる方向に対して、垂直かつ線状に形成されるよう
    に板状電極が少なくとも2個以上配列されたことを特徴
    とし、かつ放電ガスとしてヘリウムガスを添加しないこ
    とを特徴とするプラズマ放電装置。
  2. 【請求項2】放電ガスとしてアルゴンガス単体あるい
    は、アルゴンガスに、ヘリウム及び水蒸気以外のガスを
    混合させて用いる事を特徴とする請求項第1項に記載さ
    れたプラズマ放電装置。
  3. 【請求項3】高周波放電電極を構成する高周波印加電極
    と高周波接地電極が交互に配列されたことを特徴とする
    請求項第1項に記載されたプラズマ放電装置。
  4. 【請求項4】放電部を構成する構造において、高周波電
    極の設置されている放電部位におけるガス流速を上げて
    放電部側絶縁体表面近傍での圧力を下げる目的のため
    に、放電用ガスの流れる方向の放電部位上流側に、ガス
    の流れる方向に対して垂直な放電部断面積が連続的に減
    少する構造を特徴とする請求項第1項に記載されたプラ
    ズマ放電装置。
  5. 【請求項5】大気圧近傍での高周波電力を用いた高周波
    放電電極において、少なくとも一方の電極表面が連続的
    に導体と絶縁体により交互に構成された一体のものであ
    って、かつ放電用ガスの流れる方向に対して、平行に設
    置されていることを特徴とするプラズマ放電装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102883516A (zh) * 2012-10-31 2013-01-16 重庆大学 一种新型针-环式等离子体射流装置
CN104918402A (zh) * 2015-06-01 2015-09-16 东华大学 一种常压高压协同射频辉光射流放电的装置及其放电方法
CN109462930A (zh) * 2018-12-26 2019-03-12 哈尔滨工业大学 一种气体流动环境下利用双地电极强化等离子体放电的方法
CN109526131A (zh) * 2018-12-26 2019-03-26 哈尔滨工业大学 一种气体流动环境下利用多地电极强化等离子体放电的方法
CN112543541A (zh) * 2019-09-20 2021-03-23 中国石油化工股份有限公司 交互式电场的气体放电装置

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