JP2007323241A - 数値解析モデル作成方法およびその装置 - Google Patents

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恵子 須田
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Abstract

【課題】射出成形解析用の有限要素モデルのランナー形状を簡単に更新する方法を提供する。
【解決手段】既存の解析モデルから、既存のゲート位置と特徴点を算出し、与えられた新規のゲート位置と既存のゲート位置との差を計算し、特徴点までの節点を座標変換する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、数値解析モデル作成方法およびその装置に関する。
近年、計算機のスピードアップ、解析ソフトの高精度化により有限要素法をベースにした数値解析を用いて射出成形品の金型設計が行われる。
有限要素法による射出成形の金型設計は、以下に示す方法で行う。
(1)図1Aに示すように、成形品1と材料を金型に注入するノズル4から成形品の入り口のゲート3までの金型内の材料の流れ道であるランナー2を有限要素モデルで作成する。
(2)使用する材料や、射出時間や、保圧力、保圧時間、冷却時間などの成形条件を設定する。(3)数値解析を行う。
(4)解析結果を検討する。
成形性や成形品性能を示す解析結果が、ウェルド位置や型締力やそり変形量などの制約条件を満足しない場合は、成形条件や、金型形状を変更して再解析を行い、制約条件を満足する形状や成形条件を探索する。金型形状の設計では、成形品部分は、強度や機能など成形品スペックを考慮して成形品設計の時点で決まっていることが多く、複数の成形品形状で検討することは少ない。それに対して、金型設計時に決定するランナー形状は、設計変更の自由度が高いだけでなく、成形性や成形による成形品性能(そり変形など)などに大きな影響を与えるため、何通りものランナー形状の検討を行うことが多い。
「ランナー形状の検討」とは、例えば図2Aに示す解析モデルから図2Bに示す解析モデルにランナー形状を更新して再び解析を行うことである。
「ランナー形状の更新」とは、新しいゲートの位置を指定し、ランナーの形状をそのゲートを通る様に変更することである。
特開2002−192589号公報
以前は数値解析の実行に多大な計算機時間が必要だったために、検討できる形状の数には、限度があり、形状変更は手作業で十分であった。最近の計算機の、めざましい性能向上で、多数の形状を検討できるようになり、形状を検討するために行う形状更新、つまりランナー形状の変更を手作業で行うことは、大変非効率的である。そのため、金型形状を検討する場合は、ランナーの解析モデルは省略して、図3に示す成形品だけの解析モデルでゲートを変更して、繰り返し解析を行うことが多い。しかしながら、ランナーを付加しないモデルの解析結果と、実際の金型に近いランナーを付加した形状の解析結果では差異があり、高精度な解析結果を得るためには、ランナーも考慮した解析モデルによる設計検討が必要である。
本発明は、以上の様な状況を鑑みなされたもので、成形用金型を数値解析するモデルの作成において、既存のモデルからゲート位置を抽出し、新しいゲート位置を指定することによりランナー形状の更新を容易にかつ迅速に行うことが出来るような方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明によれば、成形品の金型設計を数値解析するための数値解析モデルの作成方法であって、成形品およびランナーの形状を表した数値解析モデルを入力する成形品モデル入力工程と、前記成形品の金型における新しいゲートの位置を入力するゲート位置入力工程と、入力した前記新しいゲートの位置と入力した前記数値解析モデルのランナー部に関する情報とに基づいて数値解析モデルのランナー部分を修正するランナー修正工程と、修正した前記ランナーと成形品の数値解析モデルを保存するモデル保存工程とを有する数値解析モデル作成方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、成形品の金型設計を数値解析するための数値解析モデルの作成装置であって、成形品およびランナーの形状を表した数値解析モデルを入力する数値解析モデル入力手段と、前記成形品の金型における新しいゲートの位置を入力するゲート位置入力手段と、入力した前記新しいゲート位置と入力した前記数値解析モデルのランナーに関する情報とに基づいて、数値解析モデルのランナー部分を修正するランナー修正手段と、修正した前記ランナーと成形品の数値解析モデルを保存するモデル保存手段とを有する数値解析モデル作成装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、成形品の金型設計を数値解析するための数値解析モデルの作成方法であって、成形品およびランナーの形状を表した数値解析モデルを入力する成形品モデル入力工程と、入力した前記数値解析モデルから既存ゲート位置を抽出するゲート位置抽出工程と、前記成形品の金型における新しいゲートの位置を入力するゲート位置入力工程と、入力した前記新しいゲートの位置に基づいてランナー形状を更新するランナー更新工程と、更新された前記ランナーと成形品について数値解析モデルを保存するモデル保存工程とを有する数値解析モデル作成方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記ランナー更新工程では、ランナーの要素を検索して方向と接続要素数が変化している部分を、ランナーの特徴点として使用する数値解析モデル作成方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記ランナー更新工程では、ランナーの特徴点を入力装置から入力する数値解析モデル作成方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、成形品の金型設計時に使用する数値解析モデル作成装置であって、成形品およびランナーの形状を表した数値解析モデルを入力する成形品モデル入力手段と、入力した前記数値解析モデルから既存ゲート位置を抽出するゲート位置抽出手段と、前記成形品の金型における新しいゲートの位置を入力するゲート位置入力手段と、入力した前記新しいゲートの位置に基づいてランナーを更新するランナー更新手段と、前記更新されたランナーと成形品の数値解析モデルを保存するモデル保存手段とを有する数値解析モデル作成装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記ランナー更新手段では、ランナーの要素を検索して方向と接続要素数が変化している部分をランナーの特徴点として使用する数値解析モデル作成装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記ランナー更新手段では、ランナーの特徴点を入力装置から指定する数値解析モデル作成装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記モデル作成方法をコンピュータに実行させたプログラムが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記プログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体が提供される。
本発明において「成形品およびランナーの形状を表した数値解析モデルを入力する」とは、成形品およびランナーを合わせた一つの数値解析モデルを入力することおよび成形品部分およびランナーのモデルまたは形状情報を別個に入力することなどをいう。
本発明において「入力する」とは、コンピュータかオペレータに受け付けたり、またはファイル等のデータを記憶媒体とかと読み出したりしてコンピュータの所定のメモリーにロードすることをいう。
本発明において「ランナーの要素」とは、成形機から金型への樹脂の入り口であるノズルから、成形品への樹脂の入り口であるゲートまでの樹脂の流路を示す要素であり、図1Bに示す部分をいう。
本発明によれば、射出成形金型解析時の数値解析モデルの更新を容易に且つ迅速に行うことが出来、射出成形金型設計の効率化を図ることが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の射出成形解析用数値解析モデル作成方法および装置について説明する。
図4は本発明の第1の実施形態であるモデル作成装置を示す図である。
本実施形態例において、(400)はコンピュータやワークステーションなどの計算機、(401)はキーボード、(402)はマウス、(403)はディスプレイ、(404)は補助記憶装置である。(404)の補助記憶装置には、ハードディスク装置の他、テープ、MO、PD、CD、DVDなどのディスクメモリー、USBメモリーなどのリムーバブルメディアも利用可能である。
補助記憶装置404には、数値解析モデル405や新しいゲート位置のデータ406とランナー形状データ407が保存されている。数値解析モデル405は、成形品やランナーの形状を、一般的にメッシュと呼ばれる節点と要素、要素プロパティ、材料プロパティなどで表現したものである。要素には、1次元ビーム要素、2次元シェル要素、3次元ソリッド要素が使用される。ランナーを表現する要素は、断面が円形や、矩形などの棒状のものであるランナーの性質と、ランナーの物性を成形品の性能評価で使用しないことから、ほとんどの場合、1次元ビーム要素で作成される。
数値解析用形状データ405は、UGS社製“I−DEAS(登録商標)”や、MSC社製“MSC.Patran(登録商標)”など汎用の数値解析プリプロセッサーにより作成できる。
ランナー形状データ407は、ゲート位置の変更によって変わらない部分は、座標値入力など絶対的な位置で記述し、ゲート位置の変更により変わる部分は、ゲート位置に対する相対的な位置で記述する。
コンピュータやワークステーションなどの計算機400は、数値解析モデル入力手段408と、ゲート位置入力手段409とランナー形状作成手段410とランナー要素作成手段411と数値解析モデル保存手段412が含まれる。新しいゲート位置のデータが、記憶装置404に保存されていない場合は、キーボード401やマウス402などの入力装置を用いて入力を行う。
図5は、本発明のモデル作成方法の第1の実施形態を示すフローチャートである。ステップ503のランナー形状作成手段(410)は、まずステップ501の数値解析モデル入力手段(408)で、読み込んだ成形品の数値解析モデルデータに対して、ステップ502のゲート位置入力手段(409)で読み込んだゲート位置406とランナー形状データ407を用いてランナー形状を作成する。
ランナー要素作成手段411は、ステップ503で作成したランナー形状から有限要素を作成する。あらかじめ与えられた大きさに要素を分割し、分割した要素に物性を与える。そして、数値解析モデル保存手段412で、作成した数値解析モデルを補助記憶装置に保存する。
このフローチャートを実現するための手段として、形状作成ソフトのマクロ機能を使用するなどして成形品の形状とゲート位置とランナー形状の情報から自動設定する方法がある。マクロ機能とは、作業手順を設定しておけば、その手順通りにソフトが自動実行してくれるものである。この機能により、コンピュータ内で自動的にランナー形状の更新を行うことが可能となる。
マクロ機能を用いる場合の設定した例を図6を用いて示す。
・ 形状作成ソフトに成形品のモデルを読み込む。図6Aに読み込んだ形状を示す。
・ 図6Aからゲート601、602の節点番号を指定する。
・ 図6Bに示すようにゲート601,602から+Z方向に50mmの直線を作成する。その端点を603,604とする。
・ 図6Cに示すようにノズル605の位置を入力し、端点603から−Z方向に50mmの直線を作成し、その端点を606とする。
・ 端点603と端点606、端点604と端点606を結ぶ線を作成する。
・ 作成した線に沿って、要素を作成し、要素に物性を与える。
・ 解析モデルのチェックを行い、解析モデルを保存する。
このようにゲートの位置に伴い移動する直線をゲートからの相対的な位置を用いて作成すると、ゲート601に伴い端点603の位置が移動し、ゲート602に伴い端点604の位置が移動する。この設定方法により、ゲートの位置の変更に追随したランナー形状の作成が可能になる。
マクロ機能などを用いた第1の実施形態は、成形品の数値解析モデルとランナー形状データとゲート位置の情報さえあれば、一応、ランナーを含む数値解析モデルを作成できるので簡便であるが、その一方で次のような問題がある。
(1)マクロ機能の設定には、形状作成ソフトへの習熟や金型設計への知識など技術・経験が必要であり、作業者にマクロファイル作成のスキルが求められる。
(2)成形品ごとに成形品の形状、ランナー形状にあわせたマクロを作業者が作成する必要がある。すなわち同じ成形品でもゲートの点数を変更する場合には、新たなマクロファイルを作成する必要がある。
(3)マクロ機能で作成した要素では、細やかな設定時が行えず、実際に使用するためには、細々としたチューニングが必要となることがある。
そこで、本発明者らはさらにランナーを含む既存の数値解析モデルから出発する第2の実施形態を案出した。
図7は本発明の第2の実施形態であるモデル作成装置を示す図である。
先に示した実施の形態と異なる部分は、計算機700の中で、数値解析モデル入力手段707と、ゲート位置抽出工程708とゲート位置入力工程709とランナー更新工程710と数値解析モデル保存工程711が含まれる。補助記憶装置の中に、数値解析モデル705と新しいゲート位置706が保存される。
図8は、本発明の第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。ステップ801の数値解析モデル入力手段(707)では、少なくとも成形品とランナーとを含み、一度実際に解析に使えるレベルまでチューニング済みの数値解析モデルを入力する。ステップ802のゲート位置抽出手段(708)では、この数値解析モデルデータから、ランナーを表す解析要素と成形品を表す解析要素に分離し、ランナーの解析要素を構成する節点でかつ成形品の解析要素を構成する節点をゲート節点とする。分離の方法は、入力装置から要素が成形品かランナーのどちらに属するかを設定する方法や、ランナー要素は、多くの場合一次元ビーム要素が使用されるので、一次元ビーム要素をランナーに設定する方法などがある。ステップ803では、ゲート位置入力手段709で所望の新しいゲート位置を入力する。
ランナー更新手段(710)は、ゲートの移動により更新する要素、節点を特定し、指定されたゲート位置が新しいゲート節点になるようにランナー要素を構成する節点を変更し、ステップ802で抽出した既存のゲート節点との新しいゲート節点の座標からランナー要素を構成する節点の座標を更新する。
ところで、射出成形とは、材料を溶融状態にして閉じた金型の空洞部の中に加圧注入して金型内で固化させることにより金型の空洞相当の形を造る方法である。図9を用いて説明する。
(1)図9Aに閉じた金型を示す。閉じた金型には、成形品部分とランナー部分に相当する空洞900,902が存在する。
(2)ノズル904から溶融した材料を注入する。注入する過程を図9B、図9Cに示す。
(3)材料の固化後、図9Dに示すように金型を開いて成形品905とランナー906を取り出す。
成形品部分とランナー部分に相当する空洞部は、金型から取り出すことが出来る必要がある。具体的には、金型の合わせ面904に垂直方向には、断面が変化しないか、単調に減少する形状にする必要がある。例えば、図10Aや図10Bの様な金型からは、空洞部の形状を抜き出すことが出来ないため、このような設計はしない。そのため、金型面に垂直なランナーは、要素の方向がランナーの更新により変化しない必要がある。また、金型の開く面に存在するランナーについては、ランナーの更新により要素の方向は変化しても、金型が開く面に存在する必要がある。このような、射出成形金型の特徴であるランナーの方向性を保持してランナーを更新することが、この技術の特徴である。
ゲートの移動により更新する要素、節点の特定方法には、以下のいくつかの方法を用いることができる。
第1の方法は、請求項2の方法であり、入力した解析モデルのランナーを構成する要素からゲートの移動に追随して更新が必要なランナー要素を特定する方法である。
図11にフローチャートを示し、図12Aを用いて説明する。移動するゲート節点を1200、新しいゲート節点を1203とする。移動するゲート節点1200を始点としてランナー要素の構成節点情報を用いて接続順にランナー要素を検索する。各々の節点に対して接続要素数と接続要素の方向を計算し、接続要素数が3以上もしくは、接続している要素の方向がそこで変わっている節点を第1特徴点1201とする。第1特徴点からまた同様の計算をし、接続要素数が3以上となるか接続している要素の方向が変わっている節点を第2特徴点1202とする。第2特徴点までの節点をゲートの移動により更新する節点とする。ここでは、移動するゲート位置からランナー要素の構成節点を用いて接続順にランナー要素を検索する方法を示したが、これ以外にも、ノズル節点から移動させるゲート節点まで検索し、ゲートの変更による更新範囲を求める方法も考えられる。
この方法を用いると、特徴点を既存の解析モデルから算出することにより、元の形状に基づき自動的にランナー形状の更新を行うことが可能となる。
第2の方法は、請求項3の方法であり、ゲートの移動に追随して更新が必要なランナー要素を外部から入力する方法である。
第2の方法は、第1の方法でランナー要素の構成節点情報から特定した第1特徴点と第2特徴点とを入力装置から入力することにより、第1の方法と同等のランナー要素の更新を行うことものである。この方法を用いると、より自由度が高いランナー形状の更新を行うことができる。
このように更新する要素と節点を決定し、ランナー要素の更新を行う。ランナーの更新方法は、節点の座標の移動とゲート節点の更新である。節点の座標の移動方法には、以下のいくつかの方法を用いることができる。
第1の方法は、成形品のゲート位置における面が金型の合わせ面と平行な場合に用いることができる方法である。射出成形では一般に、成形品表面に対して垂直にゲートを設けるため、この条件が成立し、この方法を用いることができる。この第1の方法は、ゲートから第1特徴点と第1特徴点から第2特徴点までの2つグループに分けてランナー要素の節点の移動を行うものである。ランナーの節点の移動には、ゲートから第1特徴点1201までの節点の座標を次式(1)で与える式により変換する。第1特徴点1201から第2特徴点1202までの節点の座標を次式(2)で与える式により変換する。この式(1)、(2)を用いることにより、前記射出成形金型の特徴であるランナーの方向性の保持が可能となる。
第2の方法は、第2特徴点と金型の合わせ面の方向を用いることによりランナー要素の節点の移動を行うものである。金型の合わせ面の方向を定義する方法は、ノズル近傍のランナーは基本的に金型の合わせ面に対して垂直に作成する性質を用いてノズル近傍の要素の方向を用いる方法や、図12Bに示すゲート1200と新しいゲート1203を通るベクトル1204と始点が第2特徴点1202で終点が第1特徴点1201のベクトル1205の外積により求めたベクトル1206の方向を用いる方法や、金型の合わせ面の方向を入力装置から入力する方法などが考えられる。
次に、図12Cに示すように金型の合わせ面の方向を用いて、第2特徴点1202を通り金型の合わせ面に対して直交する直線1207を作成する。ゲート1200からこの直線への垂線1208の長さL1と、座標変換する節点1209から直線1207への垂線1210の長さL2を用いて、ゲートから第2特徴点1202までの節点の座標を次式(3)で与える式により変換する。この式(3)を用いることにより、第1の方法と同様に前記射出成形金型の特徴であるランナーの方向性の保持が可能となる。
第3の方法は、成形品のゲート位置における面が金型の合わせ面と平行でない、すべての場合に用いることができる方法である。この方法でも、金型の合わせ面の方向が必要となる。第2の方法で述べた方法で得た金型の合わせ面の法線ベクトル(大きさ1とする)をNとする。第1特徴点1201と第2特徴点1202は金型の合わせ面内にあるという特徴から、更新後の第1特徴点1201の位置は、次式(4)で与えられる。なお、ここで・はベクトル内積を示す。
ゲート位置から第1特徴点1201までの節点については、ゲートに接続する最後の要素に法線ベクトル方向分の変動分を持たせるとすれば、同様に上記式(4)で与えられる。なお、法線ベクトル方向の変動分が大きい、つまり成形品の表面が金型合わせ面に対して大きな勾配を持つ場合は、ゲートに接続する要素の長さが他の要素に対して大きく変わってしまうので、第1特徴点1201からゲートまでの全ての節点に法線ベクトル方向の変動分を分配する方法も用いることができる。第1特徴点1201から第2特徴点1202までの節点の更新は次式(5)で与えられる。
この式(4)、(5)を用いることにより、第1の方法や第2の方法と同様に前記射出成形金型の特徴であるランナーの方向性の保持が可能となる。
このようにランナー要素の節点の移動を行った後、ゲート位置の節点の番号を、新しい節点番号に付け替える。ランナーを更新したモデルを図12Dに示す。
最後の解析モデル保存工程805では、ランナー要素を更新した解析モデルを補助記憶装置704に保存する工程である。上記第2の実施形態によれば、一旦解析に使えるレベルまでチューニングして解析モデルをもとに新たなゲート位置での解析モデルを作成するため、上記チューニングの結果を反映させることができ、同じようなチューニングの作業を何度も繰り返すことなくゲート位置の修正された数値解析モデルを作成することができる。
[実施例1]
第1の実施形態の射出成形解析用数値解析モデル装置を用いて、ランナー形状を更新した結果を説明する。
図13Aに、ランナー形状を更新するための解析モデルを示す。本解析モデルの全要素数は323868、全節点数は401789である。この解析モデルの成形品は、3次元ソリッド要素で作成されていて、ランナーは1次元ビーム要素で作成されている。金型への樹脂の流入点であるノズルは1点で、成形品への樹脂の流入するゲートは8点である。
この解析モデルを用いて、2点のゲートを移動させ、ランナー形状の更新を行う。図13Bに、既存のゲート位置と新規のゲート位置を示す。ここでは、汎用プリポストMSC社製“MSC.Patran(登録商標)”のマクロ機能を用いて行った。
まずマクロ実行用のファイルを作成する。
・ 成形品の解析モデルをMSC.Patranに読み込む。
・ ゲートを設定する。ゲートの節点は外部から入力できるようにする。
・ ゲートから垂直方向の50mmの直線を作成する。これを8カ所繰り返す。
・ ノズルから垂直方向の50mmの直線を作成する。
・ (2)、(3)の直線をつなぐ。作成したランナー形状の直線を図13Cに示す。
・ (2)、(3)、(4)で作成した直線に沿って、要素を作成する。
・ 要素の物性を与える。
・ 成形品モデルとランナーモデルを出力する。
解析担当者により、作成されたマクロファイルと新しいゲート位置設定ファイルを用いて本実施形態図4の装置および図5のブロック図に従ってランナー形状を更新した解析モデルを得た。
図13Dにランナー更新後の形状を示す。マクロファイル作成にかかった時間は、30分で更新にかかった時間は、チューニングを含め、2分であった。
[実施例2]
第2の実施形態の射出成形解析用数値解析モデル装置を用いて、ランナー形状を更新した結果を説明する。
使用したモデル、ゲートの移動条件は、実施例1と同じものとした。
本実施形態の図6の装置および図7のブロック図に従って、元の形状ファイルと新しいゲート位置設定ファイルを用いてランナー形状の更新を行い、新しい解析モデルを得た。
図13Eに、ランナー更新後の形状を示す。
ランナーの更新にかかった時間は、15秒であった。
[比較例]
既存のランナーからの変更部分を消去して、新しいランナーを作成する。形状作成ソフトMSC.Patranを用いて変更部分を消去して、新しいランナーを作成した。作成にかかった時間は、30分であった。
[まとめ]
比較例では、ランナー形状を更新する度に30分かかる。N回の変更では、30×N分かかる。実施例1では、マクロファイルを設定するのは30分で、2回目以降は、2分でよい。N回の変更では、30+2×N分かかる。実施例2では、N回の変更で、15×N秒(=N/4分)の時間で良い。
本発明は金型形状変更技術としての利用が可能であり、特に射出成形金型に好適であるが、その応用範囲がこれらに限られるものではない。
数値解析モデルを示す図である。 成形品の金型形状の中でランナーモデルを示す図である。 成形品の金型形状を示す一例を示す図である。 成形品の金型形状を示す一例を示す図である。 従来の金型検討時に用いられる解析モデルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態のフローチャートである。 本発明の第1の実施形態でゲート位置を指定した図である。 本発明の第1の実施形態でゲートを通るランナー形状を作成した図である。 本発明の第1の実施形態でランナー形状を完成した図である。 本発明の第1の実施形態でランナーモデルを作成した図である。 本発明の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態のフローチャートである。 金型内に樹脂を注入する前の段階を示す図である。 金型内に樹脂が注入されている途中を示す図である。 金型内に樹脂を100%注入した段階を示す図である。 成形品を取り出すために、金型を開いた段階を示す図である。 ランナーを金型から取り出しするのが不可能な形状を示す図である。 ランナーを金型から取り出しするのが不可能な形状を示す図である。 ランナー更新のためのフローチャートを示したものである。 本発明の第2の実施形態でランナーの特徴点を示す図である。 本発明の第2の実施形態でランナー更新工程の第2の方法で金型の合わせ面の方向を求める方法を示す図である。 本発明の第2の実施形態でランナー更新工程の第2の方法で垂線の作成方法を示す図である。 本発明の第2の実施形態でランナー更新を示す図である。 実施例の解析モデルである。 実施例の解析モデルで、新しいゲートを示したものである。 実施例1のランナー形状を示したものである。 実施例1の結果である。 実施例2の結果である。
符号の説明
1:成形品モデル
2:ランナーモデル
3:ゲート
4:ノズル
301:ゲート
400:コンピュータ
401:キーボード
402:マウス
403:ディスプレイ
404:補助記憶装置
600:ランナー形状
601:ゲート節点
602:ゲート節点
603:ゲート601からの直線の端点
604:ゲート602からの直線の端点
605:ノズル
606:ノズル605からの直線の端点
607:ランナーモデル
700:コンピュータ
701:キーボード
702:マウス
703:ディスプレイ
704:補助記憶装置
900:成形品部分金型
901:ノズル
902:ランナー部分金型
903:ゲート
904:金型の合わせ面
905:成形品
906:ランナー
1000:成形品部分金型
1001:ノズル
1002:ランナー部分金型
1003:ゲート
1004:金型の合わせ面
1200:ゲート
1201:ランナー第1特徴点
1202:ランナー第2特徴点
1203:新しいゲート
1204:ゲートと新しいゲートを通るベクトル
1205:第1特徴点と第2特徴点を通るベクトル
1206:1204と1205の外積のベクトル
1207:第2特徴点を通り金型合わせ面に直交する直線
1208:ゲートから直線1207への垂線
1209:座標変換する節点
1210:座標変換する節点から直線1207への垂線
1211:更新後のランナー第1特徴点
1300:成形品
1301:既存のゲート節点
1302:新しいゲート節点
1303:ランナー形状
1304:ランナー
1305:ノズル

Claims (10)

  1. 成形品の金型設計を数値解析するための数値解析モデルの作成方法であって、成形品およびランナーの形状を表した数値解析モデルを入力する成形品モデル入力工程と、前記成形品の金型における新しいゲートの位置を入力するゲート位置入力工程と、入力した前記新しいゲートの位置と入力した前記数値解析モデルのランナーに関する情報とに基づいて数値解析モデルのランナー部分を修正するランナー修正工程と、修正した前記ランナーと成形品の数値解析モデルを保存するモデル保存工程とを有することを特徴とする数値解析モデル作成方法。
  2. 成形品の金型設計を数値解析するための数値解析モデルの作成装置であって、成形品およびランナーの形状を表した数値解析モデルを入力する数値解析モデル入力手段と、前記成形品の金型における新しいゲートの位置を入力するゲート位置入力手段と、入力した前記新しいゲート位置と入力した前記数値解析モデルのランナーに関する情報とに基づいて、数値解析モデルのランナー部分を修正するランナー修正手段と、修正した前記ランナーと成形品の数値解析モデルを保存するモデル保存手段とを有する数値解析モデル作成装置。
  3. 成形品の金型設計を数値解析するための数値解析モデルの作成方法であって、成形品およびランナーの形状を表した数値解析モデルを入力する成形品モデル入力工程と、入力した前記数値解析モデルから既存ゲート位置を抽出するゲート位置抽出工程と、前記成形品の金型における新しいゲートの位置を入力するゲート位置入力工程と、入力した前記新しいゲートの位置に基づいてランナー形状を更新するランナー更新工程と、更新された前記ランナーと成形品について数値解析モデルを保存するモデル保存工程とを有することを特徴とする数値解析モデル作成方法。
  4. 前記ランナー更新工程では、ランナーの要素を検索して方向と接続要素数が変化している部分を、ランナーの特徴点として使用する請求項3に記載の数値解析モデル作成方法。
  5. 前記ランナー更新工程では、ランナーの特徴点を入力装置から入力する請求項3に記載の数値解析モデル作成方法。
  6. 成形品の金型設計時に使用する数値解析モデル作成装置であって、成形品およびランナーの形状を表した数値解析モデルを入力する成形品モデル入力手段と、入力した前記数値解析モデルから既存ゲート位置を抽出するゲート位置抽出手段と、前記成形品の金型における新しいゲートの位置を入力するゲート位置入力手段と、入力した前記新しいゲートの位置に基づいてランナーを更新するランナー更新手段と、前記更新されたランナーと成形品の数値解析モデルを保存するモデル保存手段とを有する数値解析モデル作成装置。
  7. 前記ランナー更新手段では、ランナーの要素を検索して方向と接続要素数が変化している部分をランナーの特徴点として使用する請求項6に記載の数値解析モデル作成装置。
  8. 前記ランナー更新手段では、ランナーの特徴点を入力装置から指定する請求項6に記載の数値解析モデル作成装置。
  9. 請求項3から5のいずれかに記載のモデル作成方法をコンピュータに実行させたプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体。
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JP2012116148A (ja) * 2010-12-02 2012-06-21 Fujitsu Ltd 検出プログラム、検出方法および検出装置
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