[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置10の概略構成を示す図である。画像形成装置10は、連続紙11に高速で画像形成するタンデム型プリンタである。
画像形成装置10では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のトナー画像をそれぞれ連続紙11に順次転写し、各色トナー画像を重ね合わせるプリント部12K、12C、12M、12Y(以下、プリント部12K〜Yと言う)が搬送方向上流側から順に配置されている。このプリント部12K〜Yの搬送方向上流側には、連続紙11をプリント部12K〜Yに搬送する用紙搬送部14が設けられている。また、プリント部12K〜Yの搬送方向下流側には、プリント部12K〜Yで転写された未定着トナー画像を連続紙11に定着させる定着部16、定着部16を通過した連続紙11を排紙する排紙部17が設けられている。
なお、KCMYを区別する必要がある場合は、符号の後にK、C、M、Yの何れかを付して説明し、KCMYを区別する必要が無い場合は、K、C、M、Yを省略する。
用紙搬送部14は、連続紙11が巻き掛けられたメインドライブロール18を備えている。メインドライブロール18は、ステッピングモータである用紙搬送モータ(図示せず)で駆動され、画像形成装置10全体を制御するIOTコントローラ(図2の76)が、この用紙搬送モータのパルス数を制御することにより連続紙11の送り量を制御する。
また、用紙搬送部14のメインドライブロール18の搬送方向上流側には、連続紙11が巻き掛けられたアイドルロール19A、19Bが設けられ、メインドライブロール18の搬送方向下流側には、連続紙11が巻き掛けられたアイドルロール19Dが配設されている。また、アイドルロール19Eがメインドライブロール18に圧接されている。このアイドルロール19Eとメインドライブロール18とが連続紙11を狭持搬送する。
アイドルロール19Aとアイドルロール19Bとの間には、搬送ガイド26と、アライニングロール27とが配設されている。搬送ガイド26には、連続紙11が巻き掛けられるU字状の曲面と、連続紙11の幅方向(搬送方向と直交する方向)の一端部をガイドするガイドリブ(図示せず)とが形成されている。
また、アライニングロール27は、アイドルロール19A、19B、19D、19Eよりも格段にロール幅が狭く、回転軸が連続紙11の搬送方向に対して斜めに交差したロールで、連続紙11の幅方向一端部に当接して連続紙11を幅方向の一端側へ押付ける。これによって、連続紙11の幅方向一端部がガイドリブ(図示せず)に突き当てられ、連続紙11のスキューが補正される。
なお、メインドライブロール18、アイドルロール19A、19B、19D、19E、用紙搬送モータ(図示せず)、搬送ガイド26、及びアライニングロール27は、直接、又は支持部材を介して用紙搬送フレーム22に支持されている。また、用紙搬送フレーム22は基台23に支持されている。
また、プリント部12K〜Yは、感光体20を備え、この感光体20の周りにはそれぞれ、感光体20の回転方向(図1に示す矢印A方向)の順に転写ロール24、クリーニング装置28、帯電器30、LED32、及び現像器34が配設されている。プリント部12K〜Yは、それぞれ感光体20、クリーニング装置28、帯電器30、及びLED32を支持するプリントフレーム38K〜Yを備えている。隣り合うプリントフレーム38K〜Y同士の連結は、各プリントフレーム38K〜Yを昇降可能に支持する基台40同士をボルトとナット(共に図示せず)で連結し、各プリントフレーム38K〜Yを連結板(図示せず)を介して位置決めしてネジ止めすることによって行われる。また、プリントフレーム38Yを支持する基台40は、用紙搬送フレーム22を支持する基台23に連結されている。
転写ロール24は、感光体20の上面に当接し、感光体20と共に連続紙11を狭持搬送し、この際に現像器34によって感光体20上に形成されたトナー像を連続紙11に転写させる。
帯電器30は、感光体20の表面を帯電させ、LED32は、画像データに基づいて発光が制御され、感光体20の表面をライン露光して潜像を形成する。そして、現像器34は、感光体20の表面に形成された潜像上にトナーを付着させてトナー像を形成する。また、クリーニング装置28は、連続紙11に転写されずに感光体20の表面に残留した未転写残留トナーを掻き落して除去する。
一方、定着部16は、複数、例えば8本のフラッシュランプ48を備えた定着装置52、アイドルロール54A、54B、54D、及び排紙ロール56を備えている。アイドルロール54A、54B、54D、定着装置52、及び排紙ロール56は搬送方向に沿って順に配設されており、これらは、搬送方向と直交する方向の両端部が定着フレーム58によって支持されている。
アイドルロール54A、54B、54Dは、連続紙11の画像形成面の裏面側に配設されており、アイドルロール54Dは、アイドルロール54Bの上方に配設されている。このため、アイドルロール54A、54B、54Dに巻き掛けられた連続紙11は表裏反転され画像形成面を上向きにして搬送される。
定着装置52は、画像形成面を上向きにして搬送される連続紙11の画像形成面側に配設されており、連続紙11の画像形成面にフラッシュ光を照射させる。これによって、連続紙11上の未定着トナーが加熱されて溶融し、その後、凝固して連続紙11に定着する。
そして、排紙ロール56は、連続紙11のトナー定着済み領域を画像形成装置10から排紙するが、定着装置52を通過した連続紙11は、一旦定着部16から排出されて排紙部17を通過した後に、定着部16に戻り、排紙ロール56によって画像形成装置10の外部へ排紙される。
排紙部17には、カラーレジストマーク駆動部68が設けられており、カラーレジストマーク駆動部68に備えられた反射型センサ(図2の69)は、プリント部12K〜Yで形成された第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークを読取る。
また、排紙部17には、搬送方向に沿って順にアイドルロール59A、張力付与ロール60、搬送手段としてのサブドライブロール61、アイドルロール59B、搬送ガイド62、アライニングロール63、及びアイドルロール59Dが配設されており、これらは搬送方向と直交する方向の両端部が直接、又は支持部材等を介して排紙フレーム65に支持されている。この排紙フレーム65は、プリントフレーム38K及び定着フレーム58に連結されている。
サブドライブロール61は、アイドルロール59Aの上方に配設されており、アイドルロール59A及びサブドライブロール61に巻き掛けられた連続紙11は方向転換されて上方へ搬送される。また、アイドルロール59Bは、サブドライブロール61に圧接されており、サブドライブロール61の回転に従動して回転し、サブドライブロール61と共に連続紙11を狭持搬送する。
また、アイドルロール59Aとサブドライブロール61との間には張力付与ロール60が配設されており、連続紙11はアイドルロール59Aと張力付与ロール60との間、及び張力付与ロール60とサブドライブロール61との間を蛇行して搬送されている。
張力付与ロール60は、主走査方向の両端部をアーム(図示せず)によって揺動可能に支持されている。また、このアームは、バネ等の付勢手段(図示せず)によって連続紙11側へ付勢されており、これによって、連続紙11に張力が付与されている。
また、アームの位置はセンサ(図示せず)によって検出されており、アームの位置が常に定位置に位置するように、サブドライブロール61の回転数が制御される。
また、サブドライブロール61の搬送方向下流側には、搬送ガイド62と、アライニングロール63とが配設されている。搬送ガイド62及びアライニングロール63は、用紙搬送部14に配設された搬送ガイド26及びアライニングロール27と同様の構成で、連続紙11のスキューを補正する。
そして、搬送ガイド62の搬送方向下流側にはアイドルロール59Dが配設されている。連続紙11は、このアイドルロール59Dに巻き掛けられ、定着部16の排紙ロール56へ向けて方向転換される。
図2は、本実施の形態に係る画像形成装置10の制御系のブロック図である。なお、ここでは、KCMY4色のうち1色のみを代表させて図示した。
画像形成制御部70には、IOTコントローラ76が接続されており、IOTコントローラ76には、ユーザインターフェイス77が接続され、ユーザの操作によって画像形成等に関する指示がなされると共に、画像形成時の情報をユーザへ報知するようになっている。更に、IOTコントローラ76には、図示しない外部ホストコンピュータとのネットワークラインが接続されており、画像データが入力されるようになっている。画像データが入力されると、IOTコントローラ76では、例えば、画像データに含まれるプリント指示情報と、イメージデータとを解析し、画像形成装置に適合する形式(例えば、ビットマップデータ)に変換し、画像形成制御部70へ画像データを送信する。画像形成制御部70は、第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークのサイズ等を記憶するメモリ71及びCPU72を備えている。
また、画像形成制御部70には、第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークの画像データ等を予め記憶するメモリ78、光走査系コントロール部33、駆動系コントロール部21、帯電器コントロール部31、現像器コントロール部35、及びクリーニング装置コントロール部29が接続されており、画像データに基づいてこれらを同期制御し、画像形成を実行する。
さらにまた、画像形成制御部70には、カラーレジストマークセンサ駆動部68が接続されており、カラーレジストマークセンサ駆動部68は、反射型センサ69を備えている。
次に、本実施の形態の画像形成装置10において実行される制御ルーチンを図3を参照して説明する。図3に示す処理は、例えば、IOTコントローラ76から印刷を実行する指示が画像形成制御部70に入力されたときに実行される。
まず、画像形成制御部70に印刷指示が入力されるとステップ100では、プリント部12K〜Yに所定のタイミングで大きいサイズの第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークの形成を指示すると共に、メモリ71にカラーレジストマークのサイズ(この場合は大きいサイズ)を記憶する。これにより、連続紙11上に、プリント部12K〜Yによって順次カラーレジストマーク81K〜Y(図8に後述)及びカラーレジストマーク83K〜Y(図8に後述)が1つずつ形成される。
カラーレジストマークについて図4を参照して説明する。図4(A)には、画像の位置ずれ、及び反射型センサ69とカラーレジストマークとの主走査方向の位置ずれが全く生じていない場合(基準状態)の連続紙11上に形成されたカラーレジストマーク80K〜Y及びカラーレジストマーク82K〜Yが示されている。なお、基準状態では、反射型センサ69は、カラーレジストマークの長さ方向の中央部を読取るように配置されている。図4のカラーレジストマークが配列されている上下方向が副走査方向で、かつ直線Jで示した反射型センサ69の読取方向である。また、副走査方向と直交する方向が主走査方向である。
カラーレジストマーク80K〜Yは、副走査方向の位置ずれを検出するための第1のカラーレジストマークであって、細長い矩形状に形成されており、長さ方向が連続紙11の主走査方向に沿うように形成されている。このため、主走査方向にのみずれが生じても、副走査方向の位置は変動しないため、主走査方向のずれは副走査方向には現れない。また、カラーレジストマーク82K〜Yは主走査方向の位置ずれを検出するための第2のカラーレジストマークであって、細長い矩形状に形成されており、長さ方向が連続紙11の副走査方向と所定の角度θ(例えば45°)なすように形成されている。このため、主走査方向にのみずれ量xが生じた場合、副走査方向の位置がx/tanθだけ変動するため、主走査方向のずれ量xが副走査方向にx/tanθとして現れる(詳細は図6に後述)。例えば、θ=45°の場合、主走査方向のずれ量と副走査方向のずれ量とは等しくなり、本実施の形態ではθ=45°に設定してある。本実施の形態では、ブラック(K)のカラーレジストマーク80K、82Kを基準色マークとし、カラーレジストマーク80Kと他の色のマーク(カラーレジストマーク80C、M、Y)とが所定間隔TPi0(i=c、m、y)隔てて形成されている。また、カラーレジストマーク80Kとカラーレジストマーク82Kとは所定間隔TLk0、他の色のマークであるカラーレジストマーク80C、M、Yとカラーレジストマーク82C、M、Yとはそれぞれ所定間隔TLi0(i=c、m、y)隔てて形成されており、基準状態では、TLk0=TLc0=TLm0=TLy0である。また、この所定間隔でカラーレジストマーク80K〜Y及びカラーレジストマーク82K〜Yを形成する所定のタイミングが予めメモリ78に記憶されている。なお、カラーレジストマーク80K〜Y及びカラーレジストマーク82K〜Yのサイズ、及び所定間隔TPi0、TLk0、TLi0とカラーレジストマーク82K〜Yを形成する所定の角度θとは、予め実験等により画像形成位置のずれが生じた場合にカラーレジストマーク同士が重ならないように、プリント部12K〜Yで生じる画像形成位置の副走査方向及び主走査方向の位置ずれ量を求めて、これに基づいて定められている。また、カラーレジストマーク80K〜Yの間隔は等間隔としてもよく、異なる間隔としても良い。さらに、カラーレジストマーク80K〜Y及びカラーレジストマーク82K〜Yは、反射型センサ69で一度に読取れるように副走査方向に沿った同一直線上に形成することが好ましい。
次のステップ102では、カラーレジストマークセンサ駆動部68に、形成された第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークを読取るよう指示する。これにより、カラーレジストマークセンサ駆動部68では、反射型センサ69によって、第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークを読取る。第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークの読取りは、反射型センサ69を連続紙11の搬送方向と逆方向に走査して読取る。なお、反射型センサ69自身を移動させても、移動させずに連続紙11の搬送に伴って読取るようにしても良い。
次のステップ104ではカラーレジストマークセンサ駆動部68から読取値が入力したか否か判断し、否定されると待機状態になり、肯定されるとステップ106に進む。第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークの読取値を図5を参照して詳細に説明する。図5は反射型センサ69の出力の一例を示しており、説明の便宜上、各色の出力を分離して表示しているがKCMY全ての出力は一の出力値として出力される。出力値は、連続紙11の白紙に対応する部分ではロー、カラーレジストマークに対応する部分ではハイになる。KCMYは全て、出力値がハイを示す部分を2つ含んでおり、1回目の出力値がハイの部分が第1のレジストマークに対応し、2回目の出力値がハイの部分が第2のレジストマークに対応する。ブラック(K)では、出力値が最初に立上ってから次に立上るまでが間隔TLk(基準状態ではTLk0)である。シアン(C)では、Kの出力値が1回目に立上ってからCの出力値が1回目に立上るまでが間隔TPc(基準状態ではTPc0)であり、Cの出力値が1回目に立上ってから次にローからハイに立上るまでが間隔TLc(基準状態ではTLc0)である。マゼンタ(M)では、Kの出力値が1回目に立上ってからMの出力値が1回目にローからハイに立上るまでが間隔TPm(基準状態ではTPm0)であり、Mの出力値が1回目に立上ってから次にローからハイに立上るまでが間隔TLm(基準状態ではTLm0)である。イエロー(Y)では、Kの出力値が1回目に立上ってからYの出力値が1回目にローからハイに立上るまでが間隔TPy(基準状態ではTPy0)であり、Yの出力値が1回目に立上ってから次に立上るまでが間隔TLy(基準状態ではTLy0)である。
次のステップ106では、全カラーレジストマークを読取ったか否かを判断する。読取ったか否かの判断は、例えば、出力値(図5)がハイを示す部分の数と形成されたカラーレジストマークの個数(本実施の形態では、8個)とが等しいか否かにより判断する。否定されるとステップ108に進み、形成されたカラーレジストマークのサイズをメモリ71から読取って、大きいサイズか否か判断する。否定される(小さいサイズのカラーレジストマークが形成された場合)とステップ100に戻り、大きいサイズのカラーレジストマークを形成する。一方、肯定されるとステップ110に進み、例えば、IOTコントローラ76に指示し、ユーザインターフェイス77にエラーを報知させる等のエラー処理を行った後に本処理を終了する。
一方、ステップ106で肯定されると、ステップ112へ進み、形成されたカラーレジストマークのサイズをメモリ71から読取り、次のステップ114では、基準色マークと反射型センサ69との主走査方向の位置のずれに基づく副走査方向のずれ量Zを読取ったサイズに対応する所定間隔TLk0を用いて、式(1)の減算を行うことにより算出し、メモリ71に記憶する。
Z=TLk−TLk0 ・・・・・・(1)
ここで、第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークに基づいた主走査方向の補正量の算出の仕方を詳細に説明する。第1のカラーレジストマークは、副走査方向のずれのみが副走査方向に現れ、第2のカラーレジストマークは、副走査方向のずれと主走査方向のずれとの両方が副走査方向に現れる。副走査方向のずれは、第1のカラーレジストマークと第2のカラーレジストマークとで略同一であるから、主走査及び副走査方向のずれに基づいて第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークは副走査方向に形成位置が変動する。副走査方向にのみずれが生じている場合は、第1のレジストマークと第2のレジストマークとの間隔の読取値は常に一定である。従って、第1のレジストマーク80Kと第2のレジストマーク82Kとの間隔の読取値から所定間隔を減算(TLk−TLk0)した差は、主走査方向のずれに基づく副走査方向のずれ量Zである。主走査方向のずれに基づく副走査方向のずれ量Zは、例えば、図6に例示する第2のカラーレジストマーク82’Kで示すように、主走査方向にずれ量Vk変動することにより、副走査方向に生じる主走査方向のずれ量Zである。本実施の形態では、反射型センサ69の読取り位置が、第2のカラーレジストマーク82Kよりも図6中右側にずれている場合は、副走査方向のずれ量Zを負(−)とし、左側にずれている場合は、副走査方向のずれ量Zを正(+)とする。
次のステップ116では、ずれ量Zを用いて全カラーレジストマークと反射型センサ69との主走査方向の位置ずれを補正する。本実施の形態の補正の一例を図7に示す。図7(A)は、例えば、反射型センサ69の配置が本来の配置とずれてしまうことにより、反射型センサ69と基準色マークのカラーレジストマーク80K、82Kとで主走査方向の位置ずれが生じている場合である。便宜上、カラーレジストマーク80Kのみ記載している。また、基準色マークを形成するための感光体20Kのみを記載し他は省略している。本実施の形態では、プリント部12K〜Yでカラージストマークを形成する位置のみを補正し、IOTコントローラ76から入力された画像データに基づく画像の形成位置は補正しない。なお、ずれ量Zとプリント部12K〜Yの画像形成位置の主走査方向の補正量との対応関係は、予め実験等により画像形成装置10の動作安定時に求めておく。主走査方向のずれの補正は、例えば、光走査系コントロール部33に指示して、カラーレジストマークを形成する際のLED32の書出位置を制御すること等により行う。これにより、図7(B)に示すように、反射型センサ69とカラーレジストマーク80Kの位置が補正され、反射型センサ69でカラーレジストマーク80Kの長さ方向の中央部を読取ることができる。なお、反射型センサと基準色マークとの主走査方向のずれの補正は、これに限らず、例えば、予め主走査方向のずれの許容範囲と、カラーレジストマークの形成位置を変更するための補正量の既定値を定めておき、主走査方向のずれが該許容範囲に収まるまで、既定値により補正する補正処理を繰返すようにしてもよい。
次のステップ118では、プリント部12C、M、YのIOTコントローラ76から入力された画像データに基づく画像の形成位置を補正するための主走査方向及び副走査方向のずれを算出する。本実施の形態の主走査方向のずれに基づく副走査方向のずれ量Vi(i=c、m、y)及び副走査方向のずれ量Xi(i=c、m、y)の算出の仕方を、図8を参照して詳細に説明する。図8(A)は基準状態に形成された第1のカラーレジストマーク(カラーレジストマーク80K〜Y)及び第2のカラーレジストマーク(カラーレジストマーク82K〜Y)であり、(B)は基準状態以外の状態(画像の位置ずれ及び反射型センサの読取り位置にずれが生じている状態)に形成された第1のカラーレジストマーク(カラーレジストマーク81K〜Y)及び第2のカラーレジストマーク(カラーレジストマーク83K〜Y)の一例であって、説明の便宜上、プリント部12Kの画像形成位置に対して、プリント部12Cでは主走査方向及び副走査方向に位置ずれが生じており、プリント部12Mでは副走査方向にのみ位置ずれが生じており、プリント部12Yでは主走査方向にのみ位置ずれが生じている場合を示している。
まず、副走査方向のずれ量Xi(i=c、m、y)を算出する。副走査方向のずれ量Xiは、第1のカラーレジストマークの位置に基づいて、ステップ112で読取ったサイズに対応する所定間隔TPi0を用いて(2)式により算出し、メモリ78に記憶する。
Xi=TPi−TPi0 (i=c、m、y) ・・・・・・(2)
反射型センサ69の読取り位置が例えば、主走査方向にずれ量Vkだけずれている場合でも、第1のレジストマークは主走査方向のずれが副走査方向に現れないので、(2)式により副走査方向のずれ量Xiを算出できる。本実施の形態では、基準色マークと他の色のマークとの間隔が所定間隔よりも短い場合は、補正量は負(−)になり、所定間隔よりも長い場合は、補正量は正(+)になる。具体的には、カラーレジストマーク81Cの副走査方向のずれ量XcはTPc−TPc0(正の値)となり、カラーレジストマーク81Mの副走査方向のずれ量Xmは、TPm−TPm0(負の値)となり、カラーレジストマーク81Yの副走査方向のずれ量Xyは、TPy−TPy0(0:ずれ無)となる。
さらに、主走査方向のずれに基づく副走査方向のずれ量Wi(i=c、m、y)を式(3)により算出し、メモリ78に記憶する。
Wi=TLi−TLk (i=c、m、y) ・・・・・・(3)
反射型センサ69の読取り位置が例えば、副走査方向にずれ量Vkだけずれている場合でも、第1のカラーレジストマークの基準色マークと第2のカラーレジストマークの基準色マークとの間隔TLkと、他の色のマークの間隔TLiとは全て同様にずれ量Vkを含んでいるため、副走査方向のずれ量Wiを(3)式により算出できる。本実施の形態では、他の色のマークが基準色マークよりも図8の右方向の位置に形成されている場合は、補正量は負(−)になり、左方向の位置に形成されている場合は、補正量は正(+)になる。具体的には、カラーレジストマーク83Cの副走査方向のずれWcはTLc−TLk(負の値)となり、カラーレジストマーク83Mの副走査方向のずれWmは、TLm−TLk(0:ずれ無)となり、カラーレジストマーク83Yの副走査方向のずれWyは、TLy−TLk(正の値)となる。
次のステップ120では、プリント部12C、M、YのIOTコントローラ76から入力された画像データに基づく画像の形成位置を補正する。
副走査方向のずれ量Xi及び主走査方向のずれに基づく副走査方向のずれZiと、プリント部12K〜Yの画像形成位置のそれぞれ副走査方向及び主走査方向の補正量との対応関係は、予め実験等により画像形成装置10の動作安定時に求めておく。
各プリント部の画像形成位置の副走査方向のずれの補正は、例えば、光走査系コントロール部33に指示して、LED32により感光体20の露光を開始するタイミングを制御することにより行う。なお、副走査方向のずれの補正の仕方についてはこれに限らず、例えば、駆動系コントロール部21により感光体20を予め回転させ、露光を開始する位置を補正すること等により実施してもよい。また、主走査方向のずれの補正は、ステップ116でカレーレジストマークを形成する主走査方向の位置の補正と同様にしてもよいし、LED32の補正量ずれた位置の素子から発光を開始する等により実施してもよい。
次のステップ122では、印刷を終了するか否かを判断する。印刷を終了するか否かの判断は、例えば、所定枚数の印刷を終了した場合や、IOTコントローラ76から印刷終了の指示が入力されたか否かにより判断する。否定判断の場合は、ステップ124へ進み、プリント部12K〜Yに所定のタイミングで小さいサイズの第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマーク(図4に例示するカラーレジストマーク84K〜Y、86K〜Y)の形成を指示すると共に、カラーレジストマークのサイズ(この場合は小さいサイズ)をメモリ71に記憶する。例えば、画像形成装置10の動作安定時に、経時変化等により生じる画像形成位置の位置ずれ量は、画像形成装置10に電源が投入された直後や印刷開始直後等の動作不安定時よりも少ないため、第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークを小さいサイズにすることができる。なお、具体的なサイズは、予め実験等により画像形成装置10の動作安定時に経時変化等により生じる画像形成位置の副走査方向及び主走査方向の位置ずれ量を求め、これに基づいて定めておけばよい。また、図4に示すように、所定間隔TL’k0、TL’ki0、TP’i0をステップ100で第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークを形成したときの所定間隔TLk0、TLki0、TPi0よりも短くしてもよい。具体的な間隔は、カラーレジストマークのサイズと同様に、予め実験等により画像形成装置10の動作安定時に経時変化等により生じる画像形成位置の副走査方向及び主走査方向の位置ずれ量を求め、これに基づいて定めておけばよい。小さいサイズの第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークを形成したら、ステップ102に戻り、反射型センサ69と基準色マークとの主走査方向の位置及びプリント部12C、M、Yの画像形成位置を補正する補正処理を繰返す。一方、ステップ122で肯定判断の場合は、本処理を終了する。
なお、本実施の形態の補正処理は、図7に例示したように、反射型センサの位置が本来の位置とずれている場合等に実施することが好ましいが、連続紙が斜めに搬送されてしまう場合(図12に詳細を後述)に実施しても良い。
また、本実施の形態では、反射型センサと基準色マークとの主走査方向の位置の補正処理とプリント部の画像形成位置を補正する補正処理とを同一の処理フローにより実施しているが、それぞれ別の処理フローとし、反射型センサと基準色マークとの主走査方向の位置の補正処理は、IOTコントローラから入力された画像データの画像の形成前や形成中に所定の頻度で実施するようにしてもよい。
さらにまた、反射型センサに限らず、カラーレジストマークの間隔を読取れるセンサならば他のセンサを用いてもよいが、画像形成装置の小型化及び高速化等の点からは、小型且つ高速応答可能な反射型センサが好ましい。
また、本実施の形態では、ブラック(K)のカラーレジストマークを基準色マークとしているが、ブラック以外の色のカラーレジストマークを基準色マークとしてもよく、好ましくは反射型センサから最も離れた位置で形成されるカラーレジストマークである。
また、プリント部の画像形成位置を補正する補正処理は本実施の形態に限らず、第1のレジストマーク及び第2のレジストマークの読取り結果に基づいて補正する処理であれば他の方法でもよい。さらにまた、第1のレジストマーク及び第2のレジストマークとは、第1のレジストマークは、主走査方向のずれが副走査方向に現れず、第2のレジストマークは、主走査方向のずれが副走査方向に現れる形状であれば本実施の形態の形状に限らず、例えば、図9(A)88K〜Y、(B)89K〜Yに例示したように、第1のレジストマークと第2のレジストマークとを備えた1つのレジストマークとしてもよい。
また、第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークのサイズ、第1のカラーレジストマークの基準色マークと第2のカラーレジストマークの基準色マークとの所定間隔、第1のカラーレジストマークの基準色マークと他の色のマークとの所定間隔を予め数種類用意しておき、画像形成装置10の動作の安定度合いにあわせて形成しても良い。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置では、主走査方向のずれが副走査方向に現れない第1のカラーレジストマーク及び主走査方向のずれが副走査方向に現れる第2のカラーレジストマークを反射型センサで読取って読取った結果に基づいて各プリント部の画像形成位置を補正する画像形成装置において、第1のカラーレジストマークの基準色マークと第2のカラーレジストマークの基準色マークとを所定間隔隔てて形成し、反射型センサで読取った結果から反射型センサと基準色マークとの主走査方向の位置のずれ量を算出し、算出したずれ量に基づいて各プリント部で形成される第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークの位置のみを補正しているので、各プリント部で形成する、入力された画像データに基づく画像の形成位置を変動させることなく、反射型センサと基準色マークとの主走査方向の位置のずれを補正することができ、従って、カラーレジストマークの長さ方向の中央部を読み取れるので、精度良く読取って、各色の画像の形成位置を補正でき、高画質の画像が得られる。また、各プリント部で形成する入力された画像データに基づく画像の形成位置を変動させないので、連続紙に対する画像の形成位置が変動しないため、高画質の画像が得られる。
さらに、本実施の形態の画像形成装置では、画像形成装置の動作安定時には、形成する第1のカラーレジストマーク及び第2のカラーレジストマークの大きさを例えば、画像形成装置の電源投入時や印刷開始時等の動作不安定時よりも小さくできるので、例えば、連続紙の印刷中に、カラーレジストマークが連続紙に印刷されても目立たない。
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、反射型センサの位置を変動させることにより、基準色マークと反射型センサとの主走査方向の位置ずれを補正している(図10参照、詳細は後述)。本実施の形態は、第1の実施の形態と略同様の構成であるので、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る制御系のブロック図を図11に示す。第1の実施の形態の画像形成制御部70にさらに、カラーレジストマークセンサ駆動部が画像形成制御部70から反射型センサ69の位置を補正する指示を出力可能に接続されている。
本実施の形態において実行される制御ルーチンは第1の実施の形態の図3に示す処理ルーチンとステップ116で実行される補正の仕方が異なる以外は同一の処理なのでここでは、ステップ116で実行される補正の仕方のみ詳細に説明する。
ステップ116では、全カラーレジストマークと反射型センサ69との主走査方向の位置ずれを補正する。本実施の形態の補正の一例を図10に示す。図10(A)は、例えば、反射型センサ69の配置が本来の配置とずれてしまうことにより、反射型センサ69と基準色マークのカラーレジストマーク80K、82Kとで主走査方向の位置ずれが生じている場合である。便宜上、カラーレジストマーク80Kのみ記載している。また、基準色マークを形成するための感光体20Kのみを記載し他は省略している。本実施の形態では、カラーレジストマークセンサ駆動部68によって、反射型センサ69の主走査方向の位置のみをずれ量Z(Z=TLk−TLk0)に基づいて補正し、IOTコントローラ76から入力された画像データに基づく画像の形成位置は補正しない。なお、ずれ量Zと反射型センサの主走査方向の位置を変動させるためのカラーレジストマークセンサ駆動部68の駆動量との対応関係は、予め実験等により画像形成装置10の動作安定時に求めておく。なお、反射型センサと基準色マークとの主走査方向のずれの補正は、これに限らず、例えば、予め主走査方向のずれの許容範囲と、反射型センサの位置を変更するための補正量の既定値を定めておき、主走査方向のずれが該許容範囲に収まるまで、既定値により補正する補正処理を繰返すようにしてもよい。また、上記ではカラーレジストマークセンサ駆動部68を用いて反射型センサ69のずれを補正する例について説明したが、人手によって反射型センサ69の取付位置を修正することで位置ずれを補正してもよい。
これにより、図10(B)に示すように、反射型センサ69とカラーレジストマーク80Kの主走査方向の位置ずれが補正され、反射型センサ69でカラーレジストマーク80Kの長さ方向の中央部を読取ることができる。
なお、本実施の形態は、図10に例示したように、反射型センサの位置が本来の位置とずれている場合等に実施することが好ましいが、連続紙が斜めに搬送されてしまう場合(図12に詳細を後述)に実施しても良い。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置では、主走査方向のずれが副走査方向に現れない第1のカラーレジストマーク及び主走査方向のずれが副走査方向に現れる第2のカラーレジストマークを反射型センサで読取って読取った結果に基づいて各プリント部の画像形成位置を補正する画像形成装置において、第1のカラーレジストマークの基準色マークと第2のカラーレジストマークの基準色マークとを所定間隔隔てて形成し、反射型センサで読取った結果から反射型センサと基準色マークとの主走査方向の位置のずれ量を算出し、算出したずれ量に基づいて反射型センサの位置のみを補正しているので、各プリント部で形成する入力された画像データに基づく画像の形成位置を変動させることなく、反射型センサと基準色マークとの主走査方向の位置のずれを補正することができ、従って、カラーレジストマークの長さ方向の中央部を読取れるので、精度良く読取って、各色の画像の形成位置を補正でき、高画質の画像が得られる。また、各プリント部で形成する入力された画像データに基づく画像の形成位置を変動させないので、連続紙に対する画像の形成位置が変動しないため、高画質の画像が得られる。
[第3の実施の形態]
本実施の形態では、連続紙が搬送される角度を変動させる(連続紙を傾ける)ことにより、基準色マークと反射型センサとの主走査方向の位置ずれを補正している(図12参照、詳細は後述)。本実施の形態は、第1の実施の形態と略同様の構成であるので、同一部分には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る制御系のブロック図を図13に示す。第1の実施の形態の画像形成制御部70にさらに、アイドルロール19Dが接続されている。
本実施の形態において実行される制御ルーチンは第1の実施の形態の図3に示す処理ルーチンとステップ116で実行される補正の仕方が異なる以外は同一の処理なのでここでは、ステップ116で実行される補正の仕方のみ詳細に説明する。
ステップ116では、全カラーレジストマークと反射型センサ69との主走査方向の位置ずれを補正する。本実施の形態の補正の例を図12に示す。図10(A)は、例えば、連続紙11が搬送方向(副走査方向)に対して傾いて搬送されてしまう等により、反射型センサ69と基準色マークのカラーレジストマーク80K、82Kとで主走査方向の位置ずれが生じている場合である。便宜上、カラーレジストマーク80Kのみ記載している。また、基準色マークを形成するための感光体20Kのみを記載し他は省略している。本実施の形態では、アイドルロール19Dを傾けることによって、連続紙11の傾きのみをずれ量Z(Z=TLk−TLk0)に基づいて補正し、IOTコントローラ76から入力された画像データに基づく画像の形成位置は補正しない。なお、ずれ量Zとアイドルロール19Dで連続紙11を傾ける角度との対応関係は、予め実験等により画像形成装置10の動作安定時に求めておく。なお、反射型センサと基準色マークとの主走査方向のずれの補正は、これに限らず、例えば、予め主走査方向のずれの許容範囲と、アイドルロール19Dを傾ける角度の既定値を定めておき、主走査方向のずれが該許容範囲に収まるまで、既定値により補正する補正処理を繰返すようにしてもよい。上記では読取った第1のカラーレジストマークの基準色マークと第2のカラーレジストマークの基準色マークとの間隔と所定間隔との差を求めることにより主走査方向のずれ量を求める場合について説明したが、読取った第1のカラーレジストマークの基準色マークと第2のカラーレジストマークの基準色マークとの間隔 と所定間隔との比を求めてずれ量を求めるようにしてもよい。
これにより、図12(B)に示すように、連続紙11の搬送角度が補正されることにより、反射型センサ69とカラーレジストマーク80Kとの位置が補正され、反射型センサ69でカラーレジストマーク80Kの長さ方向の中央部を読取ることができる。なお、本実施の形態では、アイドルローラ19D等により基準色マークを形成するプリント部12K(感光体20K)の上流側のアイドルローラで連続紙の搬送方向に対する傾きを補正することが好ましいが、図12(3)に例示したように、基準色マークを形成するプリント部と反射型センサ69との間の他の位置で補正してもよい。より高画質の画像を得るためには、各プリント部で画像を形成する際の用紙の傾きを考慮して、プリント部よりも上流側に補正手段を設けることが好ましい。
なお、本実施の形態は、図12に例示したように、連続紙が斜めに搬送されてしまう場合等、連続紙が搬送方向に対し傾いている場合に実施することが好ましい。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置では、主走査方向のずれが副走査方向に現れない第1のカラーレジストマーク及び主走査方向のずれが副走査方向に現れる第2のカラーレジストマークを反射型センサで読取って読取った結果に基づいて各プリント部で補正する画像形成装置において、第1のカラーレジストマークの基準色マークと第2のカラーレジストマークの基準色マークとを所定間隔隔てて形成し、反射型センサで読取った結果から反射型センサと基準色マークとの主走査方向の位置のずれ量を算出し、算出したずれ量に基づいて連続紙の搬送方向に対する傾きをのみを補正しているので、各プリント部の入力された画像データに基づく画像の形成位置を変動させることなく、反射型センサと基準色マークとの主走査方向の位置のずれを補正することができ、従って、カラーレジストマークの長さ方向の中央部を読み取れるので、精度良く読取って、各色の画像の形成位置を補正でき、高画質の画像が得られる。また、各プリント部で形成する入力された画像データに基づく画像の形成位置を変動させないので、連続紙に対する画像の形成位置が変動しないため、高画質の画像が得られる。