JP2007322746A - 透過型スクリーン - Google Patents
透過型スクリーン Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007322746A JP2007322746A JP2006152832A JP2006152832A JP2007322746A JP 2007322746 A JP2007322746 A JP 2007322746A JP 2006152832 A JP2006152832 A JP 2006152832A JP 2006152832 A JP2006152832 A JP 2006152832A JP 2007322746 A JP2007322746 A JP 2007322746A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lens sheet
- lenticular lens
- sheet
- fresnel lens
- lenticular
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
Abstract
【課題】透過型スクリーンにおいて、額をもたらす外光反射を低減させる。
【解決手段】フレネルレンズシート2とレンチキュラーレンズシート3とを備えた透過型スクリーン1Aであって、レンチキュラーレンズシート3のレンチキュラーレンズ面3aがフレネルレンズシート2に対向し、該レンチキュラーレンズ面3aと反対側のレンチキュラーレンズシート3の出射面3bにおいて、レンチキュラーレンズの非集光部に遮光パターン5が設けられ、レンチキュラーレンズ3aの集光部が該レンチキュラーレンズシートの延在方向に平坦になっている。レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔S(mm)について、
S≧1.2×f/n 、又は 0<S≦0.8×f/n
(式中、f=レンチキュラーレンズの焦点距離(mm)、n=レンチキュラーレンズの屈折率)
が満たされる。
【選択図】図1
【解決手段】フレネルレンズシート2とレンチキュラーレンズシート3とを備えた透過型スクリーン1Aであって、レンチキュラーレンズシート3のレンチキュラーレンズ面3aがフレネルレンズシート2に対向し、該レンチキュラーレンズ面3aと反対側のレンチキュラーレンズシート3の出射面3bにおいて、レンチキュラーレンズの非集光部に遮光パターン5が設けられ、レンチキュラーレンズ3aの集光部が該レンチキュラーレンズシートの延在方向に平坦になっている。レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔S(mm)について、
S≧1.2×f/n 、又は 0<S≦0.8×f/n
(式中、f=レンチキュラーレンズの焦点距離(mm)、n=レンチキュラーレンズの屈折率)
が満たされる。
【選択図】図1
Description
本発明は、背面投写型表示装置に用いられる透過型スクリーンに関する。
背面投写型表示装置は、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等を用いた映像表示装置からの光学像を投写レンズで透過型スクリーンに拡大投写し、大画面の映像を観察できるようにするものである。
背面投写型表示装置の透過型スクリーンは、一般に、投写レンズからの映像光を観察者の方向に向けるフレネルレンズシートと、フレネルレンズシートからの光を水平方向又は垂直方向に拡散させて視野角を広げるレンチキュラーレンズシートとを枠体に取り付けた構造を有している。
これらのスクリーンシートには、ゴースト光の軽減や、視野角の拡大のために、光拡散材材が混入されることが多い。また、透過型スクリーンで観察される映像のコントラストが外光反射によって低下を起こすことを防ぐため、レンチキュラーレンズシートの観察者側には、遮光パターンが設けられている。
フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとの取り付け態様に関しては、双方を接触させて取り付けると、透過型スクリーンの搬送運搬時に接触面が擦れて変形したり、摩耗により生じた粉末で透過型スクリーンの光線透過率が低下して画像が暗くなったりする。そこで、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートの対向面の少なくとも一方の周縁部にフランジ部を形成して双方のレンズシートが離間するようにすること(特許文献1)、双方のレンズシートの間に縦、横、高さを1mm以下、より好ましくは0.3mm以下にしたスペーサ部材を設けること(特許文献2)が提案されている。
また、映像表示装置として、LCDやDMD等のマイクロデバイスディスプレイを用いた場合に生じるシンチレーションと呼ばれる映像のギラツキを低減させるため、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートのそれぞれに拡散層を互いに離して設けることが提案されている(特許文献3)
特開平6−38151号公報
特開2004−53640号公報
特開2004−94207号公報
しかしながら、図12に示すように、従来の透過型スクリーン1には、特定領域Aが外光反射により明るくなる「額」と呼ばれる現象が発生し、画質を大きく低下させる。額は、画面中央部付近に発生するので、映像を観察する上で大きな問題となる。
額が画面中央部に発生する理由を、図13を用いて説明する。図13(a)は屋内に設置した背面投写型表示装置30を、その側面方向から観察した模式図である。同図に示すように、背面投写型表示装置30は、フレネルレンズシート2とレンチキュラーレンズシート3を枠体4に取り付けた透過型スクリーン1と、映像光源31と、映像光源31からの映像光を透過型スクリーン1に反射する鏡32からなる。一般に、屋内において照明33は天井にあるため、照明33からの光は、透過型スクリーン1の外光として、観察者Pの上方から透過型スクリーン1に入射する。ここで、フレネルレンズシート2は、観察者Pの側に凸のレンズからなるため、照明33から透過型スクリーン1に入射した光のうち、フレネルレンズシート2の表面で反射する光は、同図に矢印で示すように、透過型スクリーン1の上部では観察者Pの視覚方向へ反射するが、中央部及び下部ではそれよりも下方へ反射する。
図13(b)は、上述の照明33から透過型スクリーン1に入射し、フレネルレンズシート2で反射する光の経路を天井方向から観察した模式図である。同図に示すように、フレネルレンズシート2は、観察者Pの側に凸のレンズからなるため、照明33からフレネルレンズシート2に入射した光は、透過型スクリーン1の中央部では、観察者Pの視覚方向へ反射するが、左右端部では、観察者Pの位置よりも左又は右の方向へ反射する。さらに、この左又は右へ反射した光は、レンチキュラーレンズシート3の遮光パターン(図示せず)で遮られる。
こうして、フレネルレンズシート2で反射した光が観察者側に出光することにより、透過型スクリーン1の中央上部よりの領域がきわだって明るく観察される「額」が生じる。
従来、額の発生に対しては、有効な対策が講じられていない。そこで、本発明は、透過型スクリーンにおいて、額をもたらす外光反射を低減させ、額を解消することを目的とする。
本発明者らは、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとの距離を制御することにより、額をもたらす外光反射を低減できることを見出した。
即ち、本発明は、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとを備えた透過型スクリーンであって、
レンチキュラーレンズシートのレンチキュラーレンズ面がフレネルレンズシートに対向し、
該レンチキュラーレンズ面と反対側のレンチキュラーレンズシートの出射面において、レンチキュラーレンズの非集光部に遮光パターンが設けられ、レンチキュラーレンズの集光部が該レンチキュラーレンズシートの延在方向に平坦であり、
レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間隔S(mm)について、
次式
S≧1.2×f/n (1)
又は
0<S≦0.8×f/n (2)
(式中、
f=レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間の媒質中におけるレンチキュラーレンズの焦点距離(mm)
n=レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間の媒質に対するレンチキュラーレンズの相対屈折率)
が満たされることを特徴とする透過型スクリーンを提供する。
レンチキュラーレンズシートのレンチキュラーレンズ面がフレネルレンズシートに対向し、
該レンチキュラーレンズ面と反対側のレンチキュラーレンズシートの出射面において、レンチキュラーレンズの非集光部に遮光パターンが設けられ、レンチキュラーレンズの集光部が該レンチキュラーレンズシートの延在方向に平坦であり、
レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間隔S(mm)について、
次式
S≧1.2×f/n (1)
又は
0<S≦0.8×f/n (2)
(式中、
f=レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間の媒質中におけるレンチキュラーレンズの焦点距離(mm)
n=レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間の媒質に対するレンチキュラーレンズの相対屈折率)
が満たされることを特徴とする透過型スクリーンを提供する。
本発明の透過型スクリーンによれば、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとの間隔Sを、レンチキュラーレンズの焦点距離とレンチキュラーレンズの屈折率、より詳細には、レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間の媒質中におけるレンチキュラーレンズの焦点距離と、レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間の媒質に対するレンチキュラーレンズの相対屈折率に応じて特定範囲に設定するので、透過型スクリーンの観察者側から入射した外光が観察者側へ再帰反射して出光することを低減させることができ、額の発生を解消することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
図1は、本発明の一実施例の透過型スクリーン1Aの概略断面図とそのレンチキュラーレンズの作用の説明図である。同図(a)に示すように、この透過型スクリーン1Aは、フレネルレンズシート2とレンチキュラーレンズシート3とを、レンチキュラーレンズシート3のレンチキュラーレンズ面3aがフレネルレンズシート2のフレネルレンズ面2aに対向するように枠体4に取り付けたものである。この透過型スクリーン1Aは、図13に示した従来の透過型スクリーン1と同様に、背面投写型表示装置で映像光の投写に使用される。
ここで、フレネルレンズシート2としては、(メタ)アクリル系、ポリカーボネート系、スチレンメタクリレート系、アクリロニトリル系、ウレタン系等の透明な合成樹脂からなるレンズピッチ0.1〜0.05mm、厚さ0.5〜4mmのものが好ましく、レンチキュラーレンズシート3としては、フレネルレンズシート2と同様の透明な合成樹脂からなるレンズピッチ0.1〜0.30mm、厚さ0.1〜0.5mmのものが好ましい。
レンチキュラーレンズ3aは、レンチキュラーレンズシート3における映像光の出射面3b又はその近傍に焦点fを有するように形成されている。そのため、この透過型スクリーン1Aを背面投写型表示装置に取り付け、映像光を投写した場合、同図(b)に示すように、レンチキュラーレンズシート3に入射した映像光L1は、出射面3b又はその近傍で集束し、そこからさらに拡散する。
このような映像光L1の出光を妨げないようにしつつ外光反射を防止するため、レンチキュラーレンズシート3の出射面3bの非集光部には遮光パターン5が形成されている。この遮光パターン5は、スクリーン印刷、黒色顔料を含有した箔の貼付等により形成される。
一方、レンチキュラーレンズシート3の出射面3bにおいて、レンチキュラーレンズ3aによる集光部は、レンチキュラーレンズシートの延在方向(透過型スクリーンの幅方向)に平坦に形成されている。これに対し、この部分が延在方向に平坦に形成されていない場合(例えば、レンチキュラーレンズシートの入射面と出射面の双方にレンチキュラーレンズが形成された両面レンチキュラーレンズシートの場合)、観察者側からレンチキュラーレンズシート3の出射面3bに入射した外光の再帰反射の方向を十分に観察者の視野からそらすことができない。特に、フレネルレンズシートと両面レンチキュラーレンズシートとが密着している場合には、外光の再帰反射による額の明るさが最大になるおそれがある。
なお、本発明において、レンチキュラーレンズシート3の出射面3bの集光部がレンチキュラーレンズシート3の延在方向に平坦であるとは、少なくとも、延在方向に平坦であればよく、レンチキュラーレンズシートの垂直方向にまで平坦であることは要しない。したがって、例えば、図3に示したように、レンチキュラーレンズシート3の出射面3bには、垂直方向にのみ出射光を拡散させるレンズ6が形成されていてもよい。
本発明においては、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔S(mm)が、次式
S≧1.2×f/n (1)
又は
0<S≦0.8×f/n (2)
(式中、
f=レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間の媒質中におけるレンチキュラーレンズの焦点距離(mm)
n=レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間の媒質に対するレンチキュラーレンズの相対屈折率)
を満たすことを特徴とし、これにより額を解消する。ここで、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sとは、個々のレンチキュラーレンズ3aの頂点と、それに対向するフレネルレンズシート2との距離をいう。
S≧1.2×f/n (1)
又は
0<S≦0.8×f/n (2)
(式中、
f=レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間の媒質中におけるレンチキュラーレンズの焦点距離(mm)
n=レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間の媒質に対するレンチキュラーレンズの相対屈折率)
を満たすことを特徴とし、これにより額を解消する。ここで、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sとは、個々のレンチキュラーレンズ3aの頂点と、それに対向するフレネルレンズシート2との距離をいう。
観察者側からレンチキュラーレンズシート3に入射した外光L2の水平方向の成分は、図1(b)に示すように、レンチキュラーレンズシート3を通過し、フレネルレンズシート2に向かうが、この外光L2は個々のレンチキュラーレンズ3aの頂点から映像光源側へ距離f/nの位置に集光する。ここで、図2に示すように、フレネルレンズシート2の表面がこの距離f/nの位置又はその近傍にあると、外光L2はそのフレネルレンズシート2の表面で反射され、レンチキュラーレンズ3aの光軸に対称な経路で観察者側に出光し、額が強く観察されることとなる。
これに対して、図1(c)に示すようにレンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sがf/nより大きい場合、フレネルレンズシート2の表面で反射した外光L2は拡散され、観察者側に出光する反射光の強度が減少する。そのため、額が観察されにくくなる。額を低減させるために、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sをf/nに対してどの程度大きくするかは、額の軽減効果と映像がボケる弊害とのバランス等に応じて定めることができるが、通常、
S≧1.2×f/n (式1)
とすればよく、これにより、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との擦れによるレンズの破損や変形も防止することができる。特に額の軽減効果の点からは、
S≧1.4×f/n
とすることが好ましく、
S≧1.6×f/n
とすることがさらに好ましい。これに対し、式1の係数が1.2より小さいと、係数が1.0の場合に対して額低減効果が目視では明確に得られない場合がある。また、間隔Sをf/nより大きくする場合において、過度に大きくしてもそれに見合う額低減の効果はなく、映像にボケも生じるので、
S≦3×f/n
とすることが好ましい。
S≧1.2×f/n (式1)
とすればよく、これにより、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との擦れによるレンズの破損や変形も防止することができる。特に額の軽減効果の点からは、
S≧1.4×f/n
とすることが好ましく、
S≧1.6×f/n
とすることがさらに好ましい。これに対し、式1の係数が1.2より小さいと、係数が1.0の場合に対して額低減効果が目視では明確に得られない場合がある。また、間隔Sをf/nより大きくする場合において、過度に大きくしてもそれに見合う額低減の効果はなく、映像にボケも生じるので、
S≦3×f/n
とすることが好ましい。
一方、額が観察されにくくするためには、図1(d)に示すように、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sをf/nより小さくしてもよい。これにより、観察者側からレンチキュラーレンズシート3に入射した外光L2は、レンチキュラーレンズ3aで2回屈折し、レンチキュラーレンズ3aの頂点からf/nの約半分の距離に集束するように反射される。この反射光は、さらに出射面で屈折して拡散される。このため、観察者の方へ出光する反射光の強度は減少し、額が観察されにくくなる。ここで間隔Sをf/nに対してどの程度小さくするかは、額の軽減具合等に応じて定めることができるが、通常、
S≦0.8×f/n (式2)
とすればよい。特に、反り形状やシートのうねりなどに起因してSの大きさがシート面内で変化したり、ばらついたりすることにより、額の目立ち具合にもムラが生じるなどの点からは、式2の係数を0.5以下とすることが好ましい。これに対し、式2の係数が0.8より大きいと、係数が1.0の場合に対して額低減効果が目視では明確に得られない場合がある。
S≦0.8×f/n (式2)
とすればよい。特に、反り形状やシートのうねりなどに起因してSの大きさがシート面内で変化したり、ばらついたりすることにより、額の目立ち具合にもムラが生じるなどの点からは、式2の係数を0.5以下とすることが好ましい。これに対し、式2の係数が0.8より大きいと、係数が1.0の場合に対して額低減効果が目視では明確に得られない場合がある。
また、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2とを密着させ、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sを0とすることは、額低減効果の点からはよいが、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2とを重ねてTVセットに装着する時、あるいはスクリーン装着済みTVセットを輸送する時、レンチキュラーレンズの頂部とフレネルレンズの頂部とがぶつかってレンズの一部が損傷する場合がある点から、S>0とする。
このようにレンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sを特定の範囲に設定するには、図4に示すように、フレネルレンズシート2とレンチキュラーレンズシート3とを枠体4に取り付けるにあたり、双方の間にスペーサ10を設けることが好ましい。
枠体4とスペーサ10の好ましい位置関係としては、枠体4の透過型スクリーン中央側の端部4aと、スペーサ10の透過型スクリーン中央側の端部10aを揃えるか、あるいはスペーサ10の透過型スクリーン中央側の端部10aを枠体4の透過型スクリーン中央側の端部4aよりも透過型スクリーン中央側に位置させる。これにより、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2に、これら双方の間隔をスペーサ10の厚さよりも広げようとする力をかけることが可能となる。ここで、スペーサ10の透過型スクリーン中央側の端部10aを、枠体4の透過型スクリーン中央側の端部4aに対して、透過型スクリーン中央側にずらす距離d1は、1〜5mmが好ましく、また、スペーサ10の透過型スクリーン周縁部側の端部10bと、レンチキュラーレンズシート3の周縁部側端部3cまたはフレネルレンズシート2の周縁部側端部2cとの距離d2は、3〜20mmが好ましい。
また、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sを特定の範囲に設定する方法としては、図5に示すように、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間に、透明樹脂11を充填するか、又は透明シートを挟んでもよい。透明樹脂11又は透明シートとしては、レンズ面での屈折効果を考慮すると、レンズを構成する樹脂の屈折率よりも小さい屈折率のものが好ましい。透明シートとしては、より具体的には、ガラスシート、あるいはスクリーンに用いられる樹脂からなるシート等を用いることができる。
なお、透明樹脂11又は透明シートを介在させることなく、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間に空気が介在している場合には、前述の式(1)、(2)におけるレンチキュラーレンズシートの焦点距離fや屈折率nとしては、実際上、一般的に使用されている絶対屈折率やそれに対応する焦点距離fを使用してよいが、透明樹脂11又は透明シートを介在させる場合には、その透明樹脂又は透明シートに対するレンチキュラーレンズの屈折率とそれに対応する焦点距離を使用する。
図6(a)は、本発明の異なる実施例の透過型スクリーン1Bの概略断面図である。この透過型スクリーン1Bは、図1の透過型スクリーン1Aに対し、フレネルレンズシート2のフレネルレンズ面2aではなく、平坦面2bをレンチキュラーレンズシート3のレンチキュラーレンズ面3aに対向させたもので、その他は、図1の透過型スクリーン1Aと同様に構成されている。レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔S(mm)についても、図6(b)に示すように、
S≧1.2×f/n (1)
が満たされるか、又は図6(c)に示すように、
0<S≦0.8×f/n (2)
が満たされるように設定する。
S≧1.2×f/n (1)
が満たされるか、又は図6(c)に示すように、
0<S≦0.8×f/n (2)
が満たされるように設定する。
この透過型スクリーン1Bによれば、フレネルレンズシート2の平坦面2bがレンチキュラーレンズシート3に対向しているので、スクリーンとほぼ同じ高さの照明光源、例えば窓などからの外光が反射することを抑制できる。
本発明の透過型スクリーンでは、必要に応じて、図7に示すように、レンチキュラーレンズシート3の出射面側に拡散板12を設けてもよい。これにより、いっそう額を低減させることができる。また、拡散板の設置と共に、レンチキュラーレンズシートやフレネルレンズシートに全体的に光拡散性微粒子を分散させるか、又は光拡散性微粒子を分散させた層を設けてもよい。例えば、レンチキュラーレンズシートの出射面側に拡散板を設けると共に、フレネルレンズシートに光拡散性微粒子の分散層を設けて透過型スクリーンに2つの分離した拡散部をもたせることにより、LCD、DMD等のマイクロディスプレイで問題となるシンチレーションと呼ばれるギラツキを軽減することができる(特許文献3)。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1(レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間隔Sと額強度)
図7に示した透過型スクリーン1Cにおいて、外光L2が遮光パターン5の間の開口部からレンチキュラーレンズ3に入射し、フレネルレンズ2の平坦面2bで反射した後、観察者側に再帰反射することにより生じる額の強度Gがレンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sによってどのように変わるかを以下に示す。
図7に示した透過型スクリーン1Cにおいて、外光L2が遮光パターン5の間の開口部からレンチキュラーレンズ3に入射し、フレネルレンズ2の平坦面2bで反射した後、観察者側に再帰反射することにより生じる額の強度Gがレンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sによってどのように変わるかを以下に示す。
なお、以下で使用する符号の意味は次の通りである。
α:拡散板12の拡散視野半値角
b:遮光率(レンチキュラーレンズ3aの延在方向(幅方向)の長さに対する遮光パターン5の長さの比率)
D:拡散光の半値角の逆数(反射光の指向性)
G:額強度
n:レンチキュラーレンズ3aの屈折率
p:レンチキュラーレンズ3aのピッチ
R:フレネルレンズシート2での反射率
Tt:拡散板12とレンチキュラーレンズシート3の全光線透過率
α:拡散板12の拡散視野半値角
b:遮光率(レンチキュラーレンズ3aの延在方向(幅方向)の長さに対する遮光パターン5の長さの比率)
D:拡散光の半値角の逆数(反射光の指向性)
G:額強度
n:レンチキュラーレンズ3aの屈折率
p:レンチキュラーレンズ3aのピッチ
R:フレネルレンズシート2での反射率
Tt:拡散板12とレンチキュラーレンズシート3の全光線透過率
透過型スクリーンの正面から観察される額の強度Gは、拡散板12とレンチキュラーレンズシート3の全光線透過率をTt、フレネルレンズシート2での反射率をRとし、反射光の指向性をDとしたときに次式(3)で示される。
G=(1−b)×Tt 2×R×D (3)
G=(1−b)×Tt 2×R×D (3)
ここで、遮光率b、全光線透過率Tt、反射率Rは、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sによって変わらないので,額の強度Gは反射光の指向性を表すDに比例する。
この反射光の指向性を表すDは、まず、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2の間隔Sが0の場合、次のように導出される。
即ち、外光L2は拡散板12を1往復通過するため、垂直方向の拡散角αVは2αとなる。水平方向については、図8に示すように、外光L2はレンチキュラーレンズ3aで往復2回屈折されるので,水平方向の拡散角αHは
αH=2α+(1−b)p/(f/n)=2α+(1−b)pn/f
となる。
αH=2α+(1−b)p/(f/n)=2α+(1−b)pn/f
となる。
なお、図8は、図7の透過型スクリーン1Cのレンチキュラーレンズ3aの1ピッチ分について光線経路を示したものである。
レンチキュラーレンズ3aは、図1(b)に示したように、入射光が遮光パターン5の間の開口部中央付近に集光するよう設計されるので、pn/f≒1である。このため、結局水平方向の拡散角αHはおよそ2α+(1−b)となる。
以上から、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sが0である場合の反射光の指向性をD0とすると
D0=1/αv/αH=1/2α/{2α+(1−b)} (4)
となる。
D0=1/αv/αH=1/2α/{2α+(1−b)} (4)
となる。
次に、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sがf/nの場合は、図9に示すように、外光L2が再帰反射するため、水平方向の拡散角αHは2αとなる。
よって、隙間Sがf/nである場合の反射光の指向性をDfnとすると
Dfn=1/αv/αH=1/2α/2α (5)
となる。
Dfn=1/αv/αH=1/2α/2α (5)
となる。
結局、正面の額の強度Gと間隔Sの関係は、式(4)、(5)から導かれる通り、
G∝1/{2α+(1−b)×|(S/f・n)−1|} (6)
となる。
G∝1/{2α+(1−b)×|(S/f・n)−1|} (6)
となる。
図10は式(6)について横軸をS/f・nで規格化した図である。同図から、額の強度はS/f・nの値が1から離れると急激に低下していることが分る。
また、額の強度はSが約2×f/nより大きくなっても、さらに弱まることはない。一方、Sが過度に大きくなると映像にボケが生じる。したがって、Sはf/nの3倍以下が好ましい。
なお、額の強度が、Sが約2×f/nのときより弱まらない理由としては、Sが2×f/nより大きくなると、図11に示すように、観察者側からレンチキュラーレンズ3aに入射した外光L2が、フレネルレンズシート2で反射した後、隣のレンズ3a‘へ入射し、それが観察者側に出向するためである。
また、前述のように、拡散角αHはおよそ2α+(1−b)pn/fである。このうち、レンチキュラーレンズシート3とフレネルレンズシート2との間隔Sに依存する部分は(1−b)pn/fだけであり、2αは拡散板による拡散である。したがって、額の強度を低下させるためには、拡散板12を設けることも有効であることがわかる。
本発明は、背面投写型テレビジョン等の背面投写型表示装置で有用となる。
1 従来の透過型スクリーン
1A、1B、1C 実施例の透過型スクリーン
2 フレネルレンズシート
2a フレネルレンズ又はフレネルレンズ面
2b 平坦面
3 レンチキュラーレンズシート
3a レンチキュラーレンズ又はレンチキュラーレンズ面
3b レンチキュラーレンズシートの出射面
4 枠体
5 遮光パターン
6 レンズ
10 スペーサ
11 透明樹脂
12 拡散板
30 背面投写型表示装置
31 映像光源
32 鏡
33 照明
A 額
L1 映像光
L2 外光
P 観察者
1A、1B、1C 実施例の透過型スクリーン
2 フレネルレンズシート
2a フレネルレンズ又はフレネルレンズ面
2b 平坦面
3 レンチキュラーレンズシート
3a レンチキュラーレンズ又はレンチキュラーレンズ面
3b レンチキュラーレンズシートの出射面
4 枠体
5 遮光パターン
6 レンズ
10 スペーサ
11 透明樹脂
12 拡散板
30 背面投写型表示装置
31 映像光源
32 鏡
33 照明
A 額
L1 映像光
L2 外光
P 観察者
Claims (4)
- フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとを備えた透過型スクリーンであって、
レンチキュラーレンズシートのレンチキュラーレンズ面がフレネルレンズシートに対向し、
該レンチキュラーレンズ面と反対側のレンチキュラーレンズシートの出射面において、レンチキュラーレンズの非集光部に遮光パターンが設けられ、レンチキュラーレンズの集光部が該レンチキュラーレンズシートの延在方向に平坦であり、
レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間隔S(mm)について、
次式
S≧1.2×f/n (1)
又は
0<S≦0.8×f/n (2)
(式中、
f=レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間の媒質中におけるレンチキュラーレンズの焦点距離(mm)
n=レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間の媒質に対するレンチキュラーレンズの相対屈折率)
が満たされることを特徴とする透過型スクリーン。 - レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間隔S(mm)について、
次式 S≧1.4×f/n
が満たされる請求項1記載の透過型スクリーン。 - レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとの間隔S(mm)について、
次式 S≦3×f/n
が満たされる請求項1又は2記載の透過型スクリーン。 - フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとの間に透明シートが挟持されている請求項1〜3のいずれかに記載の透過型スクリーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006152832A JP2007322746A (ja) | 2006-05-31 | 2006-05-31 | 透過型スクリーン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006152832A JP2007322746A (ja) | 2006-05-31 | 2006-05-31 | 透過型スクリーン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007322746A true JP2007322746A (ja) | 2007-12-13 |
Family
ID=38855610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006152832A Pending JP2007322746A (ja) | 2006-05-31 | 2006-05-31 | 透過型スクリーン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007322746A (ja) |
-
2006
- 2006-05-31 JP JP2006152832A patent/JP2007322746A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7253954B2 (en) | Flat valley fresnel lens | |
US6502942B2 (en) | Rear projection display apparatus and translucent screen for use therein | |
JP4713583B2 (ja) | プロジェクションスクリーン装置およびプロジェクションテレビジョンシステム | |
JP2005326824A (ja) | スクリーン及びこれを用いた画像投影システム | |
JP2008076524A (ja) | 映像表示装置 | |
JP2010008895A (ja) | 光学部材および表示装置 | |
JP4561204B2 (ja) | スクリーン及びそれに用いられるフレネルレンズシート、並びにそれを用いた画像表示装置 | |
US8403494B2 (en) | Projection-type display apparatus with a projection optical system configured to reduce speckle | |
KR100660786B1 (ko) | 투과형 스크린 | |
JP2004086187A (ja) | プロジェクションスクリーン及びプロジェクションディスプレイ装置 | |
JP2016062031A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示システム | |
JP2000330210A (ja) | 透過型スクリーン | |
JP2011215399A (ja) | プリズムシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 | |
JP2010204226A (ja) | 透過型スクリーン | |
JP2007193290A (ja) | 画像表示装置、及びそれに用いるフレネルレンズシート | |
JP2008033245A (ja) | フレネルレンズシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 | |
JP4299272B2 (ja) | 透過型スクリーン用拡散板,透過型スクリーン及び背面投射型表示装置 | |
JP5343490B2 (ja) | プリズムシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 | |
JP2007322746A (ja) | 透過型スクリーン | |
JP2009204797A (ja) | 透過型スクリーン及び背面投射型表示装置 | |
JP2008033097A (ja) | フレネルレンズシートおよび透過型スクリーン | |
JP2007025207A (ja) | フレネルレンズシート、及びそれを用いた透過型スクリーン | |
JP2006039463A (ja) | 透過型スクリーン | |
JP2008225209A (ja) | 透過型スクリーン、背面投射型表示装置 | |
JP3618340B2 (ja) | 透過型スクリーン |