JP2007322217A - 地震観測システム - Google Patents

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【課題】建築構造物に加わった地震動を複数の地震計にて簡易に、しかも確実に時刻同期させて同時記録することのできる地震観測システムを提供する。
【解決手段】建築構造物の互いに異なる位置に設けた複数の地震計に、所定レベル以上の地震動を検出したとき、自己を含む全ての地震計に対して地震動データの記録開始を指令する指令信号を発生する指令発生手段と、上記指令信号が与えられたとき該指令信号に同期して地震動データの記録を開始すると共に、該地震動データの記録動作を制御する記録制御手段とを設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、建築構造物に設置された複数の地震計により上記建築構造物に加わった地震動を時刻同期させて同時記録することで、その記録データを前記建築構造物の耐震性解析等に効果的に供し得る地震観測システムに関する。
建築構造物に設置された複数の地震計によりそれぞれ求められた地震動データを収集して建築構造物の耐震診断を行う場合、上記地震動データ間の時刻同期を取ることが重要な課題となる。そこで複数の地震計からオンラインでデータ収集を行う監視装置側で、各地震計からそれぞれ求められる地震動データ間の時間的なずれを求め、時刻同期を取りながら各地震動データを管理することが考えられている。しかしながら各地震計からそれぞれ収集する地震動データには種々の雑音が混入するので、一般的には正確に時刻同期を取ることが困難である。
一方、前記各地震計に時刻校正機能を組み込み、GPS信号に含まれる時刻情報に基づいて周期的にクロック信号を発生させ、このGPSクロック信号を基準として前記各地震計内部のクロック信号を校正し、これによって時刻同期を取ることが提唱されている(例えば特許文献1,2を参照)。またマスタ地震計に接続されるスレーブ地震計の時刻校正を正確に行うべく、上述したGPSクロック信号に基づいて時刻校正したマスタ地震計からスレーブ地震計に対して同期信号を出力し、これによってスレーブ地震計を時刻校正することでマスタ地震計とスレーブ地震計との間で時刻同期を取ることも提唱されている(例えば特許文献3を参照)。
特開2001−215283号公報 特開2004−93411号公報 特開2004−132925号公報
しかしながら各地震計がそれぞれ管理する時刻情報を前述したGPSクロック信号を用いて個々に校正し、これによって各地震計間の時刻同期を取るようにした場合、その設備コストが嵩むことが否めない。またマスタ地震計から同期信号を出力し、この同期信号を用いて複数のスレーブ地震計にてそれぞれ時刻校正するようにシステムを構築しても、各地震計の個体差に起因して各地震計が地震動を記録する開始タイミングに時間的なずれが生じる虞がある。すると各地震計がそれぞれ記録した時系列な地震動データの立ち上がりに時間的なずれが生じるので、これらの地震動データを用いた建築構造物の耐震性解析が煩わしくなる虞がある。ちなみにこのような不具合を防ぐには、地震動データと共にそのときの時刻情報を同時に記録することが必要となり、データ記録処理が複雑化すると言う問題が生じる。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、建築構造物に互いに位置を異ならせて設置した複数の地震計のそれぞれにおいて、上記建築構造物に加わった地震動を簡易に、しかも確実に時刻同期させて同時記録することができ、その記録データを前記建築構造物の耐震性解析等に効果的に供することのできる地震観測システムを提供することにある。
上述した目的を達成するべく本発明に係る地震観測システムは、建築構造物の互いに異なる位置に設けた複数の地震計にて上記建築構造物に加わった地震動の情報(加速度や速度、変位等の情報)をそれぞれ記録し、これらの地震記録データを前記建築構造物の耐震性の解析に供するものであって、
前記各地震計は、所定レベル以上の地震動(例えば5Gal以上の加速度)を検出したとき、自己を含む全ての地震計に対して地震動データの記録開始を指令する指令信号を発生する指令発生手段と、
上記指令信号が与えられたとき該指令信号に同期して地震動データの記録を開始すると共に、該地震動データの記録動作を制御する記録制御手段と
をそれぞれ備えることを特徴としている。
好ましくは前記記録制御手段は、地震動データの記録を開始する同時に、与えられた指令信号を時刻同期情報として記録する機能を含み、また前記記録制御手段による地震動データの記録動作に関する制御は、前記各地震計がそれぞれ個別に管理する時刻情報の補正機能、およびデータ記録動作を制御する動作クロック周波数(いわゆるCPUクロック)の補正機能を含む。
また好ましくは前記各地震計がそれぞれ備える記録手段(メモリ)は、一定時間に亘る地震動データを連続して記録する複数の記録エリアを備え、前記指令信号を受けて前記記録エリアへの地震動データの記録を終了した後、その記録エリアを変更して前記地震動データに継続する地震動データを記録するように構成される。そして前記指令発生手段は、前記一定時間以上に亘って地震動が継続している場合には、所定の休止期間を経て再度前記指令信号を発生することで、前記各地震計における上記記録エリアへの地震動データの記録が互いに同期して行われるように構成される。
上記構成の地震観測システムによれば、建築構造物の互いに異なる位置に設けられた複数の地震計は、所定レベル以上の地震動(例えば5Gal以上の加速度)を検出したとき、自己を含む全ての地震計に対して地震動データの記録開始を指令する指令信号を発生し、また指令信号が与えられたときには該指令信号に同期して地震動データの記録を開始すると共に、該地震動データの記録動作を制御するので、各地震計は互いに時刻同期して一斉に地震動の情報記録を開始することになる。従って各地震計が個々に管理する時刻情報に時間的なずれが存在する場合であっても、各地震計にそれぞれ記録された地震動データの記録タイミングから容易に上記地震動データ間の時刻同期を取ることができる。従ってこれらの地震動データを用いた建築構造物の耐震性解析等を容易に実施することが可能となる。
特に前記記録手段(メモリ)を、前述したように一定時間に亘る地震動データを連続して記録する複数の記録エリア(いわゆるリングメモリ)を備えたものとし、前記指令信号を受けて前記記録エリアへの一定時間に亘って地震動データを記録するように制御することで、複数の地震計における各記録エリアにそれぞれ記録された地震動データを、容易に時刻同期が取られるものとすることができる。
また地震動が前述した一定時間を超えて継続するような場合には、前述した記録エリアを変更して地震動データを記録し、またこのように一定時間以上に亘って地震動が継続している場合には、前記指令発生手段は所定の休止期間を経て再度前記指令信号を発生するので、継続して次の記録エリアに記録される地震動データもまた互いに時刻同期したものとなる。従って複数の地震計の個体性により、その動作クロック周波数に多少のずれが存在するような場合であっても、これに起因する時間的なずれを招来することなく、地震動データを正確に時刻同期させて記録することができる。
またこのような制御により、逆に各地震計における動作クロック周波数のずれ等を検証することができるので、例えば各地震計における動作クロック周波数自体を補正したり、各地震計がそれぞれ個別に管理する時刻情報を補正することも可能となる。従ってGPSクロック信号を用いなくても、複数の地震計における相対時刻を合わせたり、或いは複数の地震計間における相対時刻を一定化制御(管理)することができる等の効果も奏せられる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る地震各側システムについて説明する。
この地震観測システムは、図1にその概略構成を示すように建築構造物1の互いに異なる位置に設けた複数の地震計2a,2b〜2nにて、該建築構造物1に加わった地震動に起因する揺れの加速度や速度、或いはその変位からなる計測量を時系列な地震動データとして検出し、これを各地震計2a,2b〜2nが備えたメモリにそれぞれ記録するように構成される。そして各地震計2a,2b〜2nのメモリに記録した地震動データを、例えばローカル収集装置3を介して収集し、これをADSL公衆回線等の通信ネットワーク4を経て遠隔監視装置5に取り込んで解析するように構成される。
ちなみに複数の地震計2a,2b〜2nは、例えば建築構造物1における1階の床面とその天井面、および最上階の床面等にそれぞれ設置される。また各地震計2a,2b〜2nにそれぞれ組み込まれる振動センサは、例えば互いに直交するx軸方向、y軸方向、およびz軸方向にそれぞれ加わる加速度を、1Gal以下の分解能で、最大2200Gal程度まで検出可能な3軸成分検出形のサーボ型加速度センサからなる。
そしてこのような加速度センサ10を備えた地震計2は、図2にその概略構成を示すように大略的にはAIボード20、CPUボード30、および入出力ボード40からなり、AIボード20を介して加速度センサ10の出力(計測データ)を取り込み、CPUボード30内のメモリ31に記録するように構成される。またCPUボード30は、入出力ボード40を介して同期信号を入出力すると共に、ローカル収集装置3等との間でデータ通信するように構成される。
尚、AIボード20は、例えば加速度センサ10の出力を6次のバターワース型ローパスフィルタ21を介して前処理した後、温度センサ22により検出される温度情報と共にADコンバータ23を介してデジタル変換してCPUボード30に出力するように構成される。またCPUボード30は、演算・比較機能を備え、予め設定された制御プログラムの下で地震動データのモニタと該地震動データの前記メモリ31への記録を制御するCPU32を主体として構築される。そしてCPU32はインターフェースIC33を介して前記AIボード20からの出力を取り込み、例えば地震動の大きさが5Gal以上である場合、前述した入出力ボード40を介して同期信号を出力し、また入出力ボード40を介して同期信号が入力された場合には前記地震動データを一定時間に亘って前記メモリ31に記録するものとなっている。
またCPUボード30には、内部クロックを計数して時刻管理する為の時計IC34が組み込まれており、この時計IC34の下で前述した地震動データのサンプリング周期等が管理されている。特にこの時計IC34および前記メモリ31はバッテリ35によりバックアップされており、前記入出力ボード40を介して外部電源が与えられない場合(停電時)であっても、時計IC34による計時機能が保証され、またメモリ31に記録されたデータの保存が行われるようになっている。
ここでこのシステムの特徴的な機能について説明すると、基本的には上述した如く構成された地震計2が所定レベル以上の地震動、例えば5Gal以上の地震動を検出したとき、入出力ボード40の同期信号出力インターフェース(DO)41を介して自己を含む全ての地震計2(2a,2b〜2n)に対して地震動データの記録開始を指令する指令信号(同期信号)を発生する指令発生手段と、前記入出力ボード40の同期信号入力インターフェース(DI)42を介して上記指令信号(同期信号)が入力されたとき該指令信号に同期して地震動データの記録を開始すると共に、該地震動データの記録動作を制御する記録制御手段とを備えている点にある。上記指令発生手段および記録制御手段は、前述したCPU32が備える機能として実現される。
換言すれば図3にその概念を示すように複数の地震計2a,2b〜2nは、それぞれその信号出力インターフェース(DO)41と同期信号入力インターフェース(DI)42とを同期信号バス50を介して相互に接続されており、或る地震計2から指令信号(同期信号)が出力されたとき、全ての地震計2a,2b〜2nにおいて上記指令信号(同期信号)を一斉に取り込むものとなっている。そして各地震計2a,2b〜2nにおいては上記指令信号(同期信号)に同期して、各地震計2a,2b〜2nによりそれぞれ検出される地震動データの前記メモリ31への記録を開始し、予め設定した一定期間(例えば120秒)に亘って連続して地震動データを所定のサンプリング周期で時系列に記録するものとなっている。
ちなみに地震動データのサンプリングは、例えば2kHzのサンプリングクロックを用いて高速に行われる。またここでは前記加速度センサ11のx軸方向、y軸方向およびz軸方向の各出力を、前述したように6次のバターワース型アナログローパスフィルタ21を介して前処理し、24ビットのデルタシグマ型ADコンバータ23を用いてデジタル処理することで、±1Gal以下の加速度分解能で地震動データを高速度にサンプリングするものとなっている。
より具体的には前記各地震計2a,2b〜2nがそれぞれ備えるメモリ31は、一定時間(例えば120秒)Twbに亘って地震動データを連続して記録する複数の記録エリアをリングメモリ(巡回型メモリ)として備える。そして記録開始が指示された時点から上記一定時間(例えば120秒)Twbに亘る地震動データを1つの波形として上記リングメモリに記録して保存し、1波形分の地震動データの記録の後には、その記録エリアを次のリングメモリに移動する。
尚、記録開始が指示される直前における一定の初期時間Twaの地震動データも合わせて保存する為に、上記記録エリア(リングメモリ)の記録領域Twsは[Twa+Twb]なる時間長を有するものとして設定される。そしてリングメモリへの地震動データの記録は、定常時にはいわゆる垂れ流し的にそのメモリ領域を巡回して行われ、前述した記録開始の指示(同期信号)が与えられたときから一定時間Twbに亘って上記地震動データの記録・保存が行われる。この結果、リングメモリには図4にその概念を示すように、地震動の大きさが一定値を超えた時点をトリガとして、一定時間Twbに亘って地震動データが記録されることになる。
かくして上述した如くして複数の地震計2a,2b〜2nにおける地震動データの記録を制御する本システムによれば、地震計2a,2b〜2nのメモリ(リングメモリ)31にそれぞれ記録された地震動データは、同期信号をトリガとして同時に記録開始したものとなるので、これらの地震動データは正確に時刻同期が取られたものとなる。特に個々の地震計2a,2b〜2nが管理する時刻情報にずれがあっても、各メモリ(リングメモリ)31にそれぞれ記録された地震動データ自体は、同期信号により規定された相対的な時刻を記録開始点としているので、上記時刻情報のずれに拘わりなく正確に時刻同期のとれたものとすることができる。従って各地震計2a,2b〜2nのメモリ(リングメモリ)31にそれぞれ記録された地震動データを収集するだけで、記録時刻、および時間長が互いに等しい1波形分の複数の地震動データが得られるので、これらの地震動データから建築構造物1の耐震性を容易に解析することが可能となる。
ところで地震動は、前述したリングメモリの時間長以上に亘って継続することもある。この場合には、図5に示すように1波形分の地震動データの記録が終了した後、次のリングメモリに移動して残りの地震動データの記録を行う。この際、地震動の大きさが継続して一定値を超えることを検出して同期信号を発生すると、次のリングメモリに前述した初期時間Twaに亘る地震動データの記録がなされていない場合がある。
そこでこのような場合には、地震動の大きさが継続して一定値を超えることを検出した後、前記初期時間Twaよりも短い所定時間だけ同期信号の発生タイミングを遅延させ、これによって次のリングメモリへの地震動データの記録・保存の確実化を図る。つまり1波形分の地震動データの記録終了の後、一旦、同期信号を前記初期時間Twaよりも短い期間だけオフとし、その後、改めて同期信号を発生させることにより各地震計2a,2b〜2nにそれぞれ地震動データの記録指示を与える。
この際、2回目の記録に対する初期時間Twaを短くした分、その記録時間Twbを長くし、これによって最初のリングメモリに記録した1波形分の地震動データの長さTs(=Twa1+Twb1)と、次のリングメモリに記録した1波形分の地震動データの長さTs(=Twa2+Twb2)とが等しくなるように制御するようにすれば良い。このようにして地震動データの記録に工夫を施すことにより、連続したリングメモリに地震動データを連続して記録することが可能となる。また次のリングメモリへの地震動データの記録を確実に指示することが可能となる。
一方、何らかの原因により地震動データの記録が中断することが考えられる。そして記録中断から復帰した際、他の地震計における地震動データの記録が継続中である場合、そのまま同期信号を検出して地震動データの記録を開始すると、その記録データ間に時間的なずれが生じることになる。従ってこのような不具合を防ぐには、例えば記録中断から復帰した場合には、他の地震計から与えられる同期信号が前述した初期時間Twaにおいてオフとなっていることを確認した後、その後に与えられる同期信号だけを有効として取り扱うようにすれば良い。
具体的には図5に示す連続記録の場合には、記録1の途中で記録中断から復帰した地震計における初期時間Twa2が、前記初期時間Twaの最大値よりも小さくなるので、そのときに与えられる同期信号を無効とする。ちなみに上記初期時間Twa2で記録を開始すると、中断状態から復帰した地震計における記録結果の初期時間Twaが、他の地震計における記録結果の初期時間Twaよりも長くなり、記録データの先頭波形に時間的なずれが生じる。従って上述したように同期信号を無効化することで、ずれの生じた地震動データの記録を行わないようにすることが好ましい。尚、同期信号を出力する地震計自体が記録動作を中断し、その後、復帰したような場合には、他の地震計が記録動作中であることが想定されるので、例えば1波形の記録時間Tsを経過した後に同期信号の出力を許可するようにすれば良い。
ところで上述した如く同期記録される地震動データの誤差要因として、複数の地震計2a,2b〜2n間における各CPU32によるサンプリング周期のずれの影響が考えられる。例えば地震動データの記録開始時には時刻の同期がとれているが、次第にサンプリング周期のずれが蓄積して、その最後の部分においては記録波形データにずれが生じることがある。このような不具合を解消するには、例えば前記同期信号のオン時間Tdoを一定とし、各地震計2a,2b〜2n毎に上記同期信号の立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングとを個別に監視して、そのオン時間情報を記録波形情報として用いる。そしてこの記録波形情報を用いて前述した1波形分の地震動データの時間長を検証し、必要に応じて該地震動データに対する時間軸補正を施すように、つまり記録データの波形の伸び/縮みを補正するようにすれば良い。
例えば同期信号のオン時間Tdoを一定として、図6に示すように地震動データを連続記録した場合、連続記録2において上記同期信号のオン時間Tdoと地震動データの記録時間Twbとが一致しなくなることがある。また連続記録3が生じた場合には、[Twb2−Tdo−Toff]の時間に亘って同期信号がオフとなるので、記録中断から復帰した際の同期信号の無効期間を上記時間に合わせて長くすることが必要となる。
従って同期信号のオン時間Tdoを計測し、内部クロックのコンペアマッチングによりそのサンプリング周期を調整する等して、各地震計2a,2b〜2nにおける時刻情報をそれぞれ調整し、これらの地震計2a,2b〜2n間の相対的な時刻情報が常に一定に保たれるようにすれば良い。更には時刻調整専用の同期信号を用いて時刻合わせを行うことも勿論可能である。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば同期信号を発生する地震計を予めマスタとして固定的に定めておくことも可能である。この場合、マスタ地震計にGPSクロックを受信する機能を持たせることも勿論可能である。また各地震計においける地震動データの記録を開始させた後、その連続的な記録期間に亘って周期的に時刻合わせ用の同期信号を発生させて、この同期信号を地震動データと共に記録するようにしても良い。
また複数の地震計2a,2b〜2n間での通信や前述した同期信号を利用して、例えばマスタ地震計における現波形の記録ページと、スレーブ地震計における現波形の記録ページとが互いに等しくなるように制御することも有用である。このようなページ管理を行えば、複数の地震計による地震動データを解析する際、例えばタイムスタンプを確認して同じ記録時刻の波形(地震動データ)を探し出す等の手間を省くことができ、また前述したように各地震計における波形(地震動データ)の記録開始タイミングが等しいので、同じページの波形(地震動データ)をそのまま解析に用いることが可能となる。従ってその解析処理負担を大幅に低減することが可能となる等の効果が奏せられる。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態に係る地震観測システムの全体的な概略構成図。 地震計の概略構成を示す図。 本発明に係る地震観測システムにおける地震動データの同期記録の処理概念を示す図。 地震動データとその記録制御の概念を示すタイミング図。 地震動データを連続記録する際の制御例を示すタイミング図。 地震動データを連続記録する際の問題点とその回避を説明する為のタイミング図。
符号の説明
1 建築構造物
2a,2b〜2n 地震計
3 ローカル収集装置
4 通信ネットワーク
5 遠隔監視装置
11 加速度センサ
31 メモリ
32 CPU
41 同期信号出力インターフェース
42 同期信号入力インターフェース

Claims (3)

  1. 建築構造物の互いに異なる位置に設けた複数の地震計にて上記建築構造物に加わった地震動をそれぞれ記録し、これらの地震記録データを収集して前記建築構造物の耐震性を解析する地震観測システムであって、
    前記各地震計は、所定レベル以上の地震動を検出したとき、自己を含む全ての地震計に対して地震動データの記録開始を指令する指令信号を発生する指令発生手段と、
    上記指令信号が与えられたとき該指令信号に同期して地震動データの記録を開始すると共に、該地震動データの記録動作を制御する記録制御手段と
    をそれぞれ備えることを特徴とする地震観測システム。
  2. 前記記録制御手段による地震動データの記録は、与えられた指令信号を時刻同期情報として記録する機能を含み、
    前記記録制御手段による地震動データの記録動作制御は、前記各地震計がそれぞれ管理する時刻情報の補正機能、およびデータ記録動作を制御する動作クロック周波数の補正機能を含む請求項1に記載の地震観測システム。
  3. 前記各地震計がそれぞれ備える記録手段は、一定時間に亘る地震動データを連続して記録する複数の記録エリアを備え、前記指令信号を受けて前記記録エリアへの地震動データの記録を終了した後、その記録エリアを変更して前記地震動データに継続する地震動データを記録するものであって、
    前記指令発生手段は、前記一定時間以上に亘って地震動が継続している場合には、所定の休止期間を経て再度前記指令信号を発生するものである請求項1に記載の地震観測システム。
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