JP7337348B2 - 強震による建物のデータ観測システム - Google Patents

強震による建物のデータ観測システム Download PDF

Info

Publication number
JP7337348B2
JP7337348B2 JP2019136464A JP2019136464A JP7337348B2 JP 7337348 B2 JP7337348 B2 JP 7337348B2 JP 2019136464 A JP2019136464 A JP 2019136464A JP 2019136464 A JP2019136464 A JP 2019136464A JP 7337348 B2 JP7337348 B2 JP 7337348B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
building
displacement
acceleration
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019136464A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021021575A (ja
Inventor
智久 向井
一之 田嶋
博晃 田口
真 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Original Assignee
Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Aerospace Exploration Agency JAXA filed Critical Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Priority to JP2019136464A priority Critical patent/JP7337348B2/ja
Publication of JP2021021575A publication Critical patent/JP2021021575A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7337348B2 publication Critical patent/JP7337348B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather

Landscapes

  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Description

本発明は、強震時の建物の最上階の変位量のデータ(以下、「変位データ」という)と、建物の最下階の加速度のデータ(加速度データ)を、時刻を同期して計測する強震データの観測システムに関するものである。
従来の建物に対する多くの地震観測は、建物内に複数の加速度計を設置し、それらを有線ケーブルで結線して各加速度計データの時刻同期、転送を可能としている。
また、従来、構造物の1階及び最上階にそれぞれ構造物の振動などの物理量を検出し、時計部(GPS電波時刻情報を受信)および通信部を有するセンサ装置を設け、各センサ装置が計測データを無線で中継装置に送信し、各センサ装置の計測時間を同期して、計測データを処理することで、構造物の損傷、経年劣化等の構造性能を診断するセンサシステムが知られている(特許文献1参照)。
航法衛星システムを用いて、建物最上層の絶対変位の時刻歴と建物最下層の絶対変位の時刻歴とを計測することは知られている(特許文献2、特許文献3参照)。
建物の1階及び屋上階にそれぞれ、第一検出器及び第二検出器を設けるとともに、建物に対して質量を移動させるアクチュエータを第一検出器による検出振動に基づいてアクチュエータの制御を開始し、第二検出器により振動を検出した後は第二検出器による検出振動に基づいてアクチュエータを制御する能動型制振装置が知られている(特許文献4参照)。
建物に設置されたGNSS受信機により検出した、地震前後のGNSS受信機の設置された位置の変位量である建物変位量の大きさから建物が損傷しているか否かを判定する際に、地盤にGNSS受信機設置を設置して、地盤の地震前後の変位量である地盤変位量を検出し、この検出された地盤変位量を用いて建物変位量を補正するとともに、この補正された建物変位量を用いて建物が損傷しているか否かを判定する損傷判定方法が知られている(特許文献5参照)。
この特許文献5記載の発明では、地震検出手段としての加速度センサと、地震発生検知手段と、地震情報出力手段とを備えた地震情報出力装置は、加速度センサの出力が所定大きさを超えたときに「地震が発生した」ことを通知する地震発生通知信号を建物管理装置に出力する。
ビル上に単独測位方式の衛星測位装置の受信アンテナを固定し、受信アンテナの3次元の動揺速度を計測し、その速度データを用いてビルの3次元の動揺変位、周期、振幅、方向や動揺エネルギーなどを算出し、地震によるビルの動揺を高精度に計測する装置が知られている(特許文献6参照)。
特開2017-220081号公報 特開2016-095242号公報 特開2016-095240号公報 特開2003-202371号公報 特開2017-096867号公報 特開2007-127520号公報
従来の建物内に複数の加速度計を設置し、それらを有線ケーブルで結線して加速度データの転送を可能としている構成の問題点としては、加速度を変位に変換する場合は大きな誤差が生じる場合があり、建物の地震による損傷を分析する精度が低下する。
本発明は、上記従来の問題点を解決することを目的とし、建物の最上階の変位を精度よく計測することに加え、最下階の加速度データと最上階の変位データ等を新たにケーブルを敷設せずに、建物に既設のテレビ回線を利用して高精度に時刻を同期させ、地震による建物の損傷分析のために同期した計測データを取得することが課題である。
本発明は上記課題を解決するために、建物の最上階の地震時の変位を計測するとともに時刻情報を受信するGNSS受信機と、建物の屋内に配置され地震時の加速度を計測する強震計と、前記GNSS受信機による変位の計測の時刻と前記強震計による加速度の計測の時刻を同期する手段と、を備えたことを特徴とする強震による建物のデータ観測システムを提供する。
本発明は上記課題を解決するために、建物の最上階の地震時の変位を計測するとともに時刻情報を受信するGNSS受信機と、建物の最下階に配置され最下階の地震時の加速度を計測する強震計と、建物の最上階の変位の計測の時刻と最下階の加速度の計測の時刻を同期する手段とを備えた強震による建物のデータ観測システムであって、時刻を同期する手段は、GNSS受信機で受信した時刻情報を強震計に送信するテレビ回線を備えている構成であることを特徴とする強震による建物のデータ観測システムを提供する。
GNSS受信機及び強震計とそれぞれ送受信可能に接続された制御部とを備え、制御部は、強震計から予め設定した所定の大きさを超える加速度の信号を受けると、GNSS受信機に計測開始のトリガ信号を送り、強震計から前記所定の大きさより低い加速度の信号を受けるとGNSS受信機に計測終了のトリガ信号を送る構成であることが好ましい。
時刻を同期する手段は、GNSS受信機で受信した時刻情報を同期用信号に変換する信号変換器と、テレビ回線に入力する混合器と、混合器からテレビ回線によって送られてくる同期用信号を時刻情報に変換するGNSS信号送信器と、GNSS信号送信器から送られてくる時刻情報を受信して強震計に付与するGNSS信号受信器と、を備えていることが好ましい。
本発明によれば、GNSS受信機によって地震時における建物の最上階の変位を直接計測できるので、加速度の積分計算を不要とし、 精度よく応答変位が算定でき、さらに、GNSS受信機による最上階の変位と最下階の加速度を、時刻を同期して計測できるので、建物の地震による損傷分析のために質の高い計測データを提供することが可能であり、損傷分析の精度を高めることができる。また、同期用信号伝送手段として、TV回線を利用できるので、設置のための導入コストを抑制する効果がある。
本発明に係る強震による建物のデータ観測システムの実施例を説明するブロック図である。 上記実施例の制御部を説明するブロック図である。 上記実施例のデータ配信部を説明するブロック図である。
本発明に係る強震による建物のデータ観測システムを実施するための形態を以下説明する。
本発明に係る強震による建物のデータ観測システムの特徴的な構成は、地震の際に最上階の変位をGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機の有する測位機能によって直接精度よく計測し、かつ最上階で観測した衛星電波から得られる時刻情報を最下階にある加速度計に、既設のTV配線で伝送することで、新たにケーブルを敷設せずに、測位計測と加速度計測を、高精度に時刻同期を可能とする構成である。なお、本明細書において「高精度」の時刻同期とは、GNSS信号を受信することで得られるマイクロ秒程度の同期精度をいう。
同時点計測した最上階の変位データと最下階の加速度データを経時的に観測し、変位データと加速度データを比較し、予め定めた所定の関係にある場合は、当該建物が危険な状態と判定される。この判定自体の技術的内容は、本発明の特徴とするところではなく、本発明は、そのような判定の材料とする変位データと加速度データを同期して計測可能とする強震による建物のデータ観測システムを特徴とする。
即ち、最上階の変位をGNSS受信機よって高精度で計測し、それを最下階の加速度計で得た加速度と関係付けたとしても、両者の計測時刻にずれがあり同期していないと、上記判定精度が低下する。
そこで、本発明では、上記のとおり、最上階で観測した衛星電波から得られる時刻を、新たに専用ケーブルを敷設せずに既設のTV配線を利用して最下階に伝送し、最下階に設置した加速度計の加速度の計測時刻と同期することにより、計測時刻にずれのない高精度の最上階の変位と最下階の加速度データを地震による建物の損傷判定に供することを可能とする構成を想到したのである。
本発明に係る強震による建物のデータ観測システムの実施例を、図1及び図2を参照して、以下説明する。図1において、本発明に係る強震による建物のデータ観測システム1の全体構成を説明する。
本発明に係る強震による建物のデータ観測システム1は、全体構成として、強震観測部2と、時刻同期部3(時刻を同期する手段)と、制御部4と、を建物5内に備え、基本的には、強震による建物のデータ観測システム1を備えた建物5の外部に設置されている中央監視局6に、ネット、無線等を介して接続されている。
強震観測部2は、GNSS高精度搬送波受信機(以下、GNSS受信機という)10と強震計11を備えている。
GNSS受信機10は、建物5の屋上に設置され、常時動作しており、宇宙衛星7からの搬送波を受信して、強震時における建物5の揺れによる屋上における変位を計測し配信を行うデータ配信部12を付設している。
データ配信部12は、専用機としてもよいが、図3に示すようなコンピュータとしての通常の構成、機能を備えたマイコンを使用するとよい。本実施例では、データ配信部12としてマイコンを使用した構成で説明する。このマイコンを利用したデータ配信部12は、入力部32、CPU33、記憶部34及び出力部35を備えている。
入力部32及び出力部35には、それぞれGNSS受信機10及び制御部4が接続されている。データ配信部12を動作させるプログラムは、記憶部34に記憶されている。
CPU33が上記プログラムによって動作し、データ配信部12は、後記するが、GNSS受信機10から受けた変位データ等を記憶部34に蓄積したり、地震時に変位データ等を制御部4に送信したりする手段として機能する。
また、GNSS受信機10は、時刻情報も取得し、この時刻は変位計測の計測時刻となる。なお、GNSS受信機10のアンテナ13は、変位に係る情報(GNSS変位情報)と時刻情報(GNSS時刻情報)の両方を受信する。
実施に際しては、GNSS受信機は、センチメートル精度のリアルタイム測位を実現するRTK(Real Time Kinetic)GPS方式に代表する建物の相対変位を直接出力する方式と、別途測位計算するための搬送波計測データを出力する方式が考えられる。
強震計11は、建物内に設置した加速度計を使用し、地震時の建物5の揺れによる加速度を計測するものであり、建物5の屋内で少なくとも最下階(地下室も含む)に設置し、必要に応じて建物5の他の1又は複数の階又は箇所に設置する。本実施例では、強震計11は、図1に示すように、最下階に設けるとともに、他の上方階(途中階)に2つ設けている。
時刻同期部3は、強震計11の計測時刻を、GNSS受信機10が付設するデータ配信部12で取得する計測時刻と同期するものである。時刻同期部3は、GNSS受信機10で取得したGNSS時刻情報を強震計11に送信する手段を備えている。
この手段は、GNSS受信機10が付設するデータ配信部12で取得したGNSS時刻情報を、信号変換器16(正確には、「GNSS時刻引き込み装置」という)で同期用信号に変換してから、混合器17によって既設のテレビ回線18に入れて分配器19に送る。テレビ回線18は、地上波アンテナ21で受信した地上波を屋内各所に配信する回線である。
そして、分配器19から、テレビ回線18によって同期用信号を、最下階の強震計11の傍に置かれたGNSS信号送信器20に伝送し、GNSS信号送信器20で同期用信号をGNSS時刻情報に戻してから、GNSS信号受信器22に無線で送信する構成である。
GNSS信号受信器22で受信したGNSS時刻情報の時刻は、GNSS受信機10が付設するデータ配信部12で変位を計測する計測時刻と同期する時刻であり、これが強震計11に配信されて強震計11の計測時刻は、この同期時刻となる。よって、GNSS受信機10が付設するデータ配信部12の計測時刻と強震計11の計測時刻は、同期することとなる。
制御部4は、最下階の強震計11と他所に配置された複数の強震計11に接続されており、地震時に、各強震計11で計測された加速度データは、制御部4に送信される構成となっている。
また、制御部4は、GNSS受信機10が付設するデータ配信部12に接続されており、地震時に、GNSS受信機10が付設するデータ配信部12で計測された変位データ又は計測データ(以下、単に「変位データ等」という)は制御部4に送信可能な構成となっている。
なお、上記「変位データ又は計測データ」の記載については、GNSS受信機10で変位に変換したデータと、単なる計測データ(計測生データ)として制御部4に送信する構成例がある。
変位データ等は制御部4に送信されると、変位データについてはそのまま、また計測データについては変位データに変換され、制御部4内のメインメモリ29又は記憶部30で記録され、データ量が多い為、一定時間経つと古いファイルから破棄される。
最下階の強震計11で計測される加速度について、予め所定の大きさの加速度の値として計測要否を決める閾値となる加速度を設定しておく。この予め所定の大きさの加速度の値は、強震により建物5の損傷ないし倒壊等の危険の可能性が推測される程度の値を、制御部4に設定する。
そして、強震時に、最下階の強震計11から送られてくる加速度データが、予め設定された所定の大きさの加速度の値を超えると、制御部4は、他の強震計11に計測動作を開始するトリガ信号を送り、他の強震計11の計測動作が開始する。
ところで、GNSS受信機10は、変位データ等を常時、データ配信部12に送信しており、データ配信部12は変位データ等を受けて、記憶部34で記録し蓄積する構成である。データ量が多い為、一定時間経つと古いファイルから破棄する構成としてもよい。
そして、強震時に、前記のとおり最下階の強震計11から制御部4に送られてくる加速度データが、予め設定された所定の大きさの加速度の値を超えると、データ配信部12は、データ配信部12内に蓄積している変位データ等のうち数分前からのデータ切り出し、該データを制御部4に送り、制御部4での損傷を判定するための準備を行う。
強震が徐々に収まり、最下階の強震計11から送られてくる加速度データが、予め設定された所定の大きさの加速度の値より低くなると、制御部4は、他の強震計11に計測動作を終了するトリガ信号を送り、他の強震計11の計測動作が終了する。同時に、データ配信部12は、終了するトリガ信号受信時点で制御部4へ変位データ等を送信する。
一方、制御部4は、その記憶部30又はメインメモリ29に記憶、搭載された地震の損傷を判定するプログラムに基づいて、地震発生トリガーから地震終了トリガーまでのデータが計測された時間における変位データ及び加速度データを解析して建物の損傷を、瞬時に判定し、必要に応じて警報装置(図示せず)等で、建物内で警報、表示する構成としてもよい。
制御部4は、判定計算を終了した時点から、中央監視局6へデータを送信して、終了する構成としてもよい。
なお、最下階の強震計11で計測される加速度について、予め設定する所定の大きさの加速度の値は、本実施例では、前記のとおり予め所定の大きさの加速度の値を計測要否を決める閾値となる加速度として、同じ値としたが、計測の開始をトリガするための加速度の値と計測の終了をトリガするための加速度の値を異なるようにしてもよい。
ところで、制御部4は、専用機としてもよいが、図2に示すようなコンピュータとしての通常の構成、機能を備えたマイコンを使用するとよい。また、近年はインターネット上で制御部を機能させる構成もあるが、本実施例では、制御部としてマイコンを使用した構成で説明する。このマイコンを利用した制御部4は、入力部26、データバス27、CPU28、メインメモリ29、記憶部30及び出力部31を備えている。
入力部26及び出力部31には、それぞれ強震計11、GNSS受信機10が付設するデータ配信部12が接続されている。強震による建物のデータ観測システム1を動作させるプログラム、前記予め設定する所定の大きさの加速度の値等は、メインメモリ29に記憶されている。
CPU28が上記プログラムによって動作し、上記最下階以外(途中階)の強震計11、GNSS受信機10が付設するデータ配信部12の計測の開始、終了等の動作を制御する手段として機能する。さらに、後記する中央監視局6への加速度データ、変位データ並びに損傷判定結果等のデータ配信を行う手段として機能する。
また、制御部4は、強震計11からの加速度データ及びGNSS受信機10が付設するデータ配信部12からの変位データを受けて、その記憶部30に記憶して蓄積する手段として機能することも可能である。この蓄積されたデータを、後記する中央監視局6に送信し、中央監視局6でデータ蓄積と判定結果の表示を行う。
そして、制御部4は、記憶部30に地震による建物損傷判定プログラムを記憶させて、送信された加速度データ及び変位データを用いて、制御部において、瞬時に、建物5の損傷ないし倒壊の危険度を判定し、必要な場合は、警報を発生させるような手段として機能する構成としてもよい。
なお、地震による建物損傷判定プログラム自体は、本発明の要旨とするところではないのでその説明はしないが、その概要は、最下階の加速度の大きさと屋上の変位との関係に応じて損傷発生の度合をあらかじめ設定しておくプログラムである。
例えば、横軸に変位量を、縦軸に加速度の大きさをとり、地震の際に逐次計測される変位量と加速度をプロットし、あらかじめ決められた領域にプロットされると、損傷の程度が判定可能なプログラムである。
中央監視局6は、本発明に係る強震による建物のデータ観測システム1が、加速度データ及び変位データ、さらには制御部4で得た損傷判定結果等を供与する相手先であり、その構成は本発明自体ではないが、概要としては、建物5の加速度データ及び変位データ等の観測記録や判定結果を保存蓄積、表示する機能を有する。
さらには、中央監視局6は、建物5以外に同様のシステムが設置された建物から送信された加速度データ及び変位データ等の計測データを受信して、予め設定された地震による建物損傷判定解析プログラムによって、それらの建物の損傷ないし倒壊の危険性を判定し、その観測記録や判定結果を、保存蓄積、表示する機能を有する。
要するに、各建物の制御部4でそれぞれ損傷判定を行うが、中央監視局6でも、複数の建物を監視している観点から、中央監視局6においても行う機能を有する。
また、中央監視局6は、RTK方式のGNSS受信機10が付設するデータ配信部12から制御部4を介して又は直接送られてくるRTKGNSSリアルタイム変位データを受信する機能と、GNSS後処理基線解析で精密に変位計算し、精密な変位データを得る機能を有する。
なお、中央監視局6は、ある範囲の地域毎に設置し、その地域内の複数の建物から送られてくる加速度データと変位データから、当該建物毎の損傷等を予測、分析するだけでなく、地域全体又は一部の地震による被害の範囲、その状態の分析等も可能とする。
中央監視局6は、地域又は広域の建物から送られてくる建物5以外の加速度データ及び変位データ等の判定し、予測、分析することから、各建物、或いは中央監視局6より規模の小さい地域監視局を設置した場合はその地域監視局による判定結果、計算結果等に基づき、個々に判定されている結果や計算内容等を時折抜き打ちで検証し、判定技術の妥当性の確認をする機能を有する。
(作用)
平常時に、最下階の強震計11だけでなく全ての強震計11及びGNSS受信機10が付設するデータ配信部12を動作状態としてもよいが、本実施例では、平常時は、最下階の強震計11のみを常時動作状態とし、計測した加速度データを制御部4に送信している。
GNSS受信機10自体は常時受信状態とし、宇宙衛星7からの時刻情報を常時取得している。このGNSS時刻情報は時刻同期部3によって、強震計11に送られ、強震計11の加速度の計測時刻を宇宙衛星7から取得した時刻に同期させている。
そして、地震が発生した際に、最下階の強震計11で計測した加速度が予め設定された所定の大きさの加速度の値となると、制御部4は、他の強震計11及びGNSS受信機10が付設するデータ配信部12に、それぞれ計測動作を開始するトリガ信号を送り、他の強震計11は計測作業を開始し、制御部4は、データ配信部12から送信され蓄積された変位データの中央監視局6への配信を開始する。
GNSS受信機10は、地震時における最上階の変位を直接計測又は変換することで変位計測することができるので、加速度から積分計算によって変位を間接的に求める必要がなく、瞬間的に精度のよい変位が取得可能とすることで、地震後速やかに判定結果を提供できる。
GNSS受信機10は、常時、宇宙衛星7からの時刻情報を取得しているので、データ配信部12の変位計測の時刻は、宇宙衛星7からの時刻情報によるものである。そして、GNSS受信機10で取得した時刻に同期して最下階の強震計11で加速度を計測している。
従って、最下階の強震計11で計測した加速度が予め設定された所定の大きさの加速度の値となると、瞬時に、強震計11とGNSS受信機10が付設するデータ配信部12は、それぞれ加速度計測と変位データ等の計測を、互いに計測時刻を同期して行う。
最下階の強震計11による最下階の加速度データ、他の強震計11による建物5の各途中階の加速度データ、GNSS受信機10が付設するデータ配信部12による屋上部の変位データ等は、計測時刻が同期したデータであり、それぞれ制御部4に送信される。
地震の揺れが収まってきて、最下階の強震計11から送られてくる加速度が、予め設定された所定の大きさの加速度の値より低くなると、制御部4は、終了のトリガ信号を途中階の強震計11に送り、その計測動作を終了させるとともに、データ配信部12から送られてくる変位データ又は制御部で変換された変位データの中央監視局6への配信動作を開始する。
制御部4に送信された上記最下階及び各途中階の加速度データ、屋上部の変位の計測データは、前記した地震による建物損傷判定解析に供せられ、強震による建物5の損傷、倒壊等の危険度が逐次、判定され、必要に応じて当該建物5の警報システム等による警報に供せられる。また、その判定結果や観測データ(加速度データ、変位データ等)は中央監視局6に送信されて、保存蓄積、表示される。
以上が本発明に係る強震による建物のデータ観測システム1の一連の動作であるが、本発明では、GNSS受信機10が宇宙衛星7から時刻情報を常時取得し、この時刻情報は、時刻同期システムによって、GNSS時刻情報は強震計11に送られ、強震計11の加速度の計測時刻を宇宙衛星7から取得した時刻に同期させている。
そのために、GNSS受信機10が付設するデータ配信部12で取得される最上階の変位データ等と、強震計11で取得される最下階の加速度データは、時間的にずれのない同時刻のデータとして、地震判定に供せられ、判定精度の向上に寄与することが可能となる。
本発明の強震による建物のデータ観測システム1における時刻同期部3は、GNSS受信機10で取得した時刻情報を、GNSS時刻情報は既設のTV回線を介して最下階の強震計11に送ることができるので、特別にケーブル等を敷設する必要はなく、実施コストを抑制することができ、地震の際の最上階の変位と最下階の加速度の計測の時刻同期を可能とする。
なお、本実施例では、最下階の強震計11の加速度が、予め定めた所定の大きさになった場合に、途中階の強震計11とGNSS受信機10に付設したデータ配信部12の動作開始のトリガ信号を送る構成であるが、本発明の応用技術として、次のような構成も可能である。
即ち、具体的には台風や竜巻等の気象条件を、GNSS受信機が受信し、その勢い(風雨、気圧等)が所定の値を超えると、データ配信部12が、計測等の動作開始のトリガ信号を制御部4を介して又は直接、強震計計11に伝える構成である。このような構成とすれば、気象条件による建物の災害を予知しそのデータ計測が可能となり、そのデータを用いた損傷判定が可能となる。
以上、本発明に係る強震による建物のデータ観測システムを実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る強震による建物のデータ観測システムは上記のような構成であるから、建物、塔等の建築物に適用可能であり、特に、強震時には最下階と屋上階の揺れ変位の差が大きい高層ビル等の強震による建物のデータ観測に最適である。
1 強震による建物のデータ観測システム
2 強震観測部
3 データ配信部
4 制御部
5 建物
6 中央監視局
7 宇宙衛星
10 GNSS受信機
11 強震計
12 データ配信部
16 信号変換器
17 混合器
18 テレビ回線
19 分配器
20 GNSS信号送信器
21 アンテナ
22 GNSS信号受信器
26、32 入力部
27 データバス
28、33 CPU
29 メインメモリ
30、34 記憶部
31、35 出力部

Claims (2)

  1. 建物の最上階の地震時の変位を計測するとともに時刻情報を受信するGNSS受信機と、建物の屋内に配置され地震時の加速度を計測する強震計と、前記GNSS受信機による変位の計測の時刻と前記強震計による加速度の計測の時刻を高精度に同期する手段と、を備えたことを特徴とする強震による建物のデータ観測システム。
  2. 建物の最上階の地震時の変位を計測するとともに時刻情報を受信するGNSS受信機と、建物の最下階に配置され最下階の地震時の加速度を計測する強震計と、建物の最上階の変位の計測の時刻と最下階の加速度の計測の時刻を高精度に同期する手段とを備えた強震による建物のデータ観測システムであって、
    時刻を同期する手段は、GNSS受信機で受信した時刻情報を強震計に送信するテレビ回線を備えている構成であることを特徴とする強震による建物のデータ観測システム。
JP2019136464A 2019-07-24 2019-07-24 強震による建物のデータ観測システム Active JP7337348B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019136464A JP7337348B2 (ja) 2019-07-24 2019-07-24 強震による建物のデータ観測システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019136464A JP7337348B2 (ja) 2019-07-24 2019-07-24 強震による建物のデータ観測システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021021575A JP2021021575A (ja) 2021-02-18
JP7337348B2 true JP7337348B2 (ja) 2023-09-04

Family

ID=74573736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019136464A Active JP7337348B2 (ja) 2019-07-24 2019-07-24 強震による建物のデータ観測システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7337348B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007322217A (ja) 2006-05-31 2007-12-13 Yamatake Corp 地震観測システム
JP2010281771A (ja) 2009-06-08 2010-12-16 Mitsutoyo Corp 同期記録システム及び同期記録方法
JP2016095240A (ja) 2014-11-14 2016-05-26 株式会社熊谷組 建物層間変位推定方法
JP2017083236A (ja) 2015-10-26 2017-05-18 株式会社竹中工務店 損傷評価装置
JP2017220081A (ja) 2016-06-09 2017-12-14 富士電機株式会社 センサ装置、センサシステムおよび測定方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007322217A (ja) 2006-05-31 2007-12-13 Yamatake Corp 地震観測システム
JP2010281771A (ja) 2009-06-08 2010-12-16 Mitsutoyo Corp 同期記録システム及び同期記録方法
JP2016095240A (ja) 2014-11-14 2016-05-26 株式会社熊谷組 建物層間変位推定方法
JP2017083236A (ja) 2015-10-26 2017-05-18 株式会社竹中工務店 損傷評価装置
JP2017220081A (ja) 2016-06-09 2017-12-14 富士電機株式会社 センサ装置、センサシステムおよび測定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021021575A (ja) 2021-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11255989B2 (en) Building integrity assessment system
EP3001225B1 (en) Safety diagnosis system for structure
AU2014101639A4 (en) Method and system for assessing a risk of high-energy earth bursts generated by underground mining
EP3524954B1 (en) System for precision measurement of structure and method therefor
CN102608625B (zh) 基于惯性辅助定位接收机的实时形变监测预警系统及方法
JP6032380B1 (ja) モニタリングシステムおよびモニタリング方法
JP6419151B2 (ja) 構造物の変位検出装置、構造物の変位の共有システム、構造物の変位検出方法、および構造物の変位検出プログラム
CN105989697A (zh) 一种基于多源传感器的滑坡监测和预警装置
JP5784745B2 (ja) 機械的に結合した構造物を監視するシステムおよび方法
JP7337348B2 (ja) 強震による建物のデータ観測システム
JP5015970B2 (ja) 地震動の予測システム
Ogaja et al. Toward the implementation of on-line structural monitoring using RTK-GPS and analysis of results using the wavelet transform
JP2009250664A (ja) 斜面監視装置および斜面監視システム
JP7398324B2 (ja) 鉄塔監視装置、鉄塔監視方法、及びプログラム、並びに鉄塔監視システム
Sofi et al. Determining dynamic characteristics of high rise buildings using interferometric radar system
CN114322997A (zh) 一种露天矿边坡安全监测方法
JP6239482B2 (ja) 物理探査システム及びデータ記録装置
Fantini et al. Investigating rock mass failure precursors using a multi-sensor monitoring system: preliminary results from a test-site (Acuto, Italy)
JP2004045158A (ja) 地盤変動計測システム
US20240142646A1 (en) Devices, systems, and methods providing earthquake information with distributed fiber-optic sensing
JP2006337083A (ja) 地震動到達判定システム
Benedetti et al. Exploiting performance of different low-cost sensors for small amplitude oscillatory motion monitoring: preliminary comparisons in view of possible integration
JP5599349B2 (ja) 地盤監視システム
CN210982750U (zh) 基于gnss和简易烈度计的地震测量台站及系统
EP3477250B1 (en) System and method for monitoring civil engineering works and infrastructures particularly in urban areas

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220413

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20230112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230814

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7337348

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150